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特許7319962新無線におけるコネクテッドモードのモビリティ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-25
(45)【発行日】2023-08-02
(54)【発明の名称】新無線におけるコネクテッドモードのモビリティ
(51)【国際特許分類】
   H04W 36/30 20090101AFI20230726BHJP
   H04W 16/28 20090101ALI20230726BHJP
   H04W 74/08 20090101ALI20230726BHJP
   H04W 72/044 20230101ALI20230726BHJP
【FI】
H04W36/30
H04W16/28
H04W74/08
H04W72/044 110
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020506919
(86)(22)【出願日】2018-08-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-10-22
(86)【国際出願番号】 US2018046050
(87)【国際公開番号】W WO2019032853
(87)【国際公開日】2019-02-14
【審査請求日】2021-08-02
(31)【優先権主張番号】62/543,599
(32)【優先日】2017-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/564,452
(32)【優先日】2017-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/580,639
(32)【優先日】2017-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513018028
【氏名又は名称】アイピーエルエー ホールディングス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】IPLA Holdings Inc.
【住所又は居所原語表記】25 Madison Avenue,New York,NY 10010,U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マリー,ジョゼフ,エム.
(72)【発明者】
【氏名】アジャクプレ,パスカル,エム.
(72)【発明者】
【氏名】テリー,ステファン,イー.
【審査官】野村 潔
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/203816(WO,A1)
【文献】特開2017-135758(JP,A)
【文献】国際公開第2017/026444(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/022902(WO,A1)
【文献】Huawei, HiSilicon,Baseline handover procedure for inter gNB handover in NR[online],3GPP TSG RAN WG2 adhoc_2017_06_NR R2-1706705,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_AHs/2017_06_NR/Docs/R2-1706705.zip>,2017年06月17日
【文献】MediaTek Inc.,Handover in NR Considering Multiple-beam Operation[online],3GPP TSG RAN WG2 #98 R2-1704525,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_98/Docs/R2-1704525.zip>,2017年05月05日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク内の装置において、
非一時的メモリであって、そこに格納された、前記ネットワーク内のターゲットセルにアクセスするためのリソースを取得するための命令を含む非一時的メモリと、
前記非一時的メモリに動作可能に結合されたプロセッサであって、
共通物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)設定に関するパラメータを含めるためのRACH-ConfigCommon IEと、ターゲットセルの専用PRACH設定に関するパラメータを含めるためのRACH-ConfigDedicated IEとを含むハンドオーバコマンドを無線リソース制御(RRC)シグナリングによって受信する命令であって、前記RACH-ConfigDedicated IEは、コンテンションフリーランダムアクセス(CFRA)を同期信号(SS)ブロックを用いて行うための第1のリソースリストと、CFRAをチャネル状態情報基準信号(CSI-RS)を用いて行うための第2のリソースリストを含めるためのフィールドを有し、前記第1のリソースリストは、SSブロックの設定IDと前記SSブロックの設定IDに関連付けられたPRACHリソースのリストを構成し、前記第2のリソースリストは、CSI-RSの設定IDと前記CSI-RSの設定IDに関連付けられたPRACHリソースのリストを構成し、前記RACH-ConfigCommon IEは、ランダムアクセスを実行するために前記SSブロック又は前記CSI-RSを使用できるか否かを判定するための第1の基準信号受信電力(RSRP)閾値を含めるためのフィールドを有する、命令と、
前記ターゲットセルに関連付けられた複数のSSブロック又はCSI-RSを検出する命令と、
前記複数の検出されたSSブロック又はCSI-RSのうちで、前記第1のRSRP閾値を満たす1つ以上を決定する命令と、
前記決定された複数のSSブロック又はCSI-RSのうち1つを選択する命令と、
前記選択された1つのSSブロック又はCSI-RSに関連付けられたPRACHリソースのうち1つを前記第1のリソースリスト又は前記第2のリソースリストに基づいて選択する命令と、
前記選択された1つのPRACHリソースを使用してPRACHプリアンブルを送信する命令と
を実行するように設定されたプロセッサとを備えた装置。
【請求項2】
前記PRACHリソースは次のPRACH機会に対応する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記PRACHリソースを選択する命令は更に、前記選択されたSSブロック又はCSI-RSに関連付けられたプリアンブルを選択することを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記プリアンブルは、前記選択されたSSブロック又はCSI-RSに関連付けられたプリアンブルから等しい確率でランダムに選択される、請求項に記載の装置。
【請求項5】
前記装置はユーザ機器である、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記RACH-ConfigDedicated IEは、ランダムアクセスを実行するために前記CSI-RSを使用できるか否かを判定するための第2のRSRP閾値を含めるためのフィールドを有し、
前記第1のRSRP閾値は、前記ランダムアクセスを実行するために前記SSブロックを使用できるか否かを判定するためのものである、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
検出されたSSブロック又はCSI-RSのいずれも前記第1のRSRP閾値又は前記第2のRSRP閾値を満たさないことを決定し、
前記検出された複数のSSブロック又はCSI-RSのうち最良のSSブロックを選択する、
請求項に記載の装置。
【請求項8】
複数のノードを有するネットワークシステムにおいて、ネットワーク内のユーザ機器(UE)をターゲットセルにアクセスさせるための方法であって、前記複数のノードはソースノードとターゲットノードを含み、
前記ソースノードから、共通ランダムアクセスチャネル(PRACH)設定に関するパラメータを含めるためのRACH-ConfigCommon IEと、ターゲットセルの専用PRACH設定に関するパラメータを含めるためのRACH-ConfigDedicated IEとを含むハンドオーバコマンドを無線リソース制御(RRC)シグナリングによって前記UEに送信することであって、前記RACH-ConfigDedicated IEは、コンテンションフリーランダムアクセス(CFRA)を同期信号(SS)ブロックを用いて行うための第1のリソースリストと、CFRAをチャネル状態情報基準信号(CSI-RS)を用いて行うための第2のリソースリストを含めるためのフィールドを有し、前記第1のリソースリストは、SSブロックの設定IDと前記SSブロックの設定IDに関連付けられたPRACHリソースのリストを構成し、前記第2のリソースリストは、CSI-RSの設定IDと前記CSI-RSの設定IDに関連付けられたPRACHリソースのリストを構成し、前記RACH-ConfigCommon IEは、ランダムアクセスを実行するために前記SSブロック又は前記CSI-RSを使用できるか否かを判定するための第1の基準信号受信電力(RSRP)閾値を含めるためのフィールドを有する、ことと、
前記ターゲットノードにおいて、前記第1のRSRP閾値に基づいて選択された1つのSSブロック又はCSI-RSに関連付けられたPRACHリソースを用いてPRACHプリアンブルを受信すること
を含む方法。
【請求項9】
前記PRACHリソースは、前記第1のリソースリスト又は前記第2のリソースリストに基づいて選択される、請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記RACH-ConfigDedicated IEは、ランダムアクセスを実行するために前記CSI-RSを使用できるか否かを判定するための第2のRSRP閾値を含めるためのフィールドを有し、
前記第1のRSRP閾値は、前記ランダムアクセスを実行するために前記SSブロックを使用できるか否かを判定するためのものである、請求項8に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連技術に対する相互参照>
この出願は、2017年8月10日に出願された「新無線におけるコネクテッドモードモビリティ」と題する米国仮出願第62/543,599号、2017年9月28日に出願された「新無線におけるコネクテッドモードモビリティ」と題する米国仮出願第62/564,452号、および2017年11月2日に提出された「新無線におけるコネクテッドモードモビリティ」と題する米国仮出願第62/580,639号の優先権の利益を主張するものであり、それらの全体の内容を参照により本明細書の一部として援用する。
【0002】
本願は、新無線(New Radio:NR)におけるコネクテッドモードモビリティのための方法およびシステムに向けられている。
【背景技術】
【0003】
RAN2は、ハンドオーバコマンドが、ターゲットセルのビームに関連付けられた一組の専用および/または共通PRACHリソースを含み得ることに同意している。専用PRACHリソースは、もし提供されるならば、UEによって報告されたRRM測定に基づいて、適切と看做されるビームに関連付けられるであろう。しかし、高周波配備についてのチャネルの伝搬特性を考慮すれば、測定レポートの時点で適切と看做された1つ以上のビームの品質が、ハンドオーバコマンドを受信するまでに低下している可能性がある。
【0004】
UEがターゲットセルにアクセスするためのビームを選択するときに、専用PRACHリソースに関連付けられたビームのみを考慮するシナリオにおいて、UEは、ランダムアクセス手順を正常に完了する前にプリアンブル再送信を必要とする低品質ビームを選択することができる。共通PRACHリソースに関連付けられたビームを選択し、競合ベースのランダムアクセス(Contention Based Random Access:CBRA)を実行する方が、専用PRACHリソースに関連付けられたビームを選択して、競合なしのランダムアクセス(Contention Free Random Access:CFRA)を実行するよりも良好である可能性がある。
【0005】
或いは、UEが専用および共通PRACHリソースに関連付けられたビームの上位集合から「最良」のビームを選択するとすれば、UEは、CBRAを必要とし且つ衝突に起因してプリアンブル再送信を必要とし得る共通PRACHリソースに関連付けられたビームを選択し得る。このようなシナリオでは、専用PRACHリソースに関連付けられた低品質のビームを選択して、CFRAを実行する方が良いこともあり得る。
【0006】
高周波配備の場合、高い伝搬損失を補償するためにビーム形成が使用される。セル内での信頼できるカバレッジを提供するために、幾つかの狭い高利得のビームが使用されると予想される。幾つかのビームは、カバレッジ内において、他のビームよりも集中度の高いUEを有するであろう。密集したビームを介して前記ターゲットセルにアクセスしようとすると、プリアンブルの衝突、バックオフインジケータの受信などによるハンドオーバ中の中断時間が長くなる可能性がある。更に、前記UEが密集したビームを介して前記ターゲットセルにアクセスできる場合であっても、アクセスが完了したら、前記UEはデータ送信を開始する前に別のビームに切り替えることを要求される可能性があり、これによって中断時間は更に長くなるであろう。
【0007】
長期進化(Long-Term Evolution:LTE)技術において、UEは、アクセス要求の目的に依存しない設定済みパラメータの同じ組を用いて、ランダムアクセス手順を実行する。しかしながら、NRには、アクセス要求の実行時に異なるパフォーマンス目標を示す、より多様な使用事例をサポートする必要がある。当技術分野ではまた、NRについて、優先順位付けされたランダムアクセス手順をサポートする必要性も存在する。
【発明の概要】
【0008】
この概要は、以下の詳細な説明において更に説明される概念の選択を、簡略化された形式で紹介するために提供するものである。この概要は、特許請求の範囲に記載された主題の範囲を制限することを意図したものではない。前述のニーズは、本願が記載するところによって、かなりの程度まで満たされるものである。
【0009】
本願の1つの態様は、ネットワーク内のターゲットセルにアクセスするためのリソースを取得するための命令がそこに格納された非一時的メモリを含んだ、ネットワーク内の装置に向けられている。この装置は、前記非一時的メモリに動作可能に結合されたプロセッサであって、前記ターゲットセルに関連付けられた複数のビームを検出する命令を実行するように設定されたプロセッサを含む。当該プロセッサはまた、ランダムアクセスを実行するための閾値に適合する複数の検出されたビームのうち、1つ以上を決定する命令を実行する。前記プロセッサはまた、物理ランダムアクセスチャネル(Physical Random Access Channel:PRACH)リソースが、前記閾値に適合した1つ以上の予め定められたビームに関連付けられているかどうかを評価する命令をも実行する。前記プロセッサは更に、予め定められた値を超える基準信号受信電力(Reference Signal Received Power:RSRP)を示す評価済みビームの1つを選択する命令を実行する。前記プロセッサは更に、前記選択されたビームに関連付けられたPRACHリソースを選出する命令を実行する。
【0010】
本願の別の態様は、そこに格納された物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)リソース選択のための命令を含んだ非一時的メモリを含むネットワーク内の装置に向けられている。当該装置は、前記非一時的メモリに動作可能に結合されて、無線リソース制御(Radio Resource Control:RRC)から受信した競合なしのランダムアクセス(Random Access:RA)リソースのリストを決定する命令を実行するように設定されたプロセッサを含む。当該プロセッサはまた、前記リストが同期信号ブロック(Synchronization Signal Block:SSB)指数群またはチャネル状態情報参照信号(Channel State Information Reference Signal:CSI-RS)指数群を含むかどうかを決定する命令を実行する。前記プロセッサはまた、前記SSB指数群または前記CSI-RS指数群から指数を選択する命令をも実行する。前記プロセッサは更に、プリアンブル指数を、前記選択された指数に関連付けられたランダムアクセス(RA)プリアンブル指数に設定する命令を実行する。前記プロセッサは更に、前記指数に対応するRAプリアンブルを前記ネットワーク内のセルへと送信する命令を実行する。
【0011】
本願の更に別の態様は、ネットワーク内のターゲットセルへのハンドオーバを実行するための命令を格納した、非一時的メモリを含むネットワーク内の装置に向けられている。この装置は、前記非一時的メモリに動作可能に結合されて、測定レポートをソースノードに送信する命令を実行するように設定されたプロセッサを含む。当該プロセッサはまた、前記ソースノードから、ハンドオーバコマンドメッセージを受信する命令をも実行する。前記ハンドオーバコマンドメッセージは、前記測定レポートおよび無線リソース監視(Radio Resource Monitoring:RRM)情報に基づいて、前記装置を前記ターゲットセルに割り当てるかどうかを決定するソースノードに基づいている。前記ハンドオーバコマンドメッセージは、前記ターゲットセルにハンドオーバ要求を送信する前記ソースノードに基づいている。前記ハンドオーバコマンドメッセージは更に、前記ターゲットセルからハンドオーバ承認メッセージを受信する前記ソースノードに基づいている。前記装置のプロセッサは更に、前記ハンドオーバコマンドメッセージに基づいて、ランダムアクセスプリアンブル(Random Access Preamble:RAP)を、第1のビーム上で前記ターゲットセルに送信する命令を実行する。前記装置のプロセッサは更に、前記ターゲットセルからランダムアクセス応答(Random Access Response:RAR)を受信する命令を実行する。
【0012】
上記の通り、本発明の特定の実施形態を、その詳細な説明をより良く理解できるように、また当該技術に対する本発明の貢献をより良く理解できるように、本発明の特定の実施形態をかなり広範に概説してきた。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本願のより強固な理解を容易にするために、添付の図面を参照するが、そこでは同様の要素は同様の数字で参照される。これらの図面は、本願を限定するものと解されるべきものではなく、例示のみを目的とするものである。
【0014】
図1A図1Aは、一実施形態による例示的な通信システムを示す。
図1B図1Bは、一実施形態による無線通信用に構成された例示的な装置を示す。
図1C図1Cは、一実施形態による無線アクセスネットワークおよびコアネットワークのシステム図を示す。
図1D図1Dは、別の実施形態による無線アクセスネットワークおよびコアネットワークのシステム図を示す。
図1E図1Eは、更に別の実施形態による無線アクセスネットワークおよびコアネットワークのシステム図を示す。
図1F図1Fは、一実施形態に従って、先に図1A図1C図1D、および図1Eに示した1つ以上のネットワークと通信する、例示的コンピューティングシステムのブロック図を示す。
図2図2は、競合ベースのランダムアクセス手順を示している。
図3図3は、セクタビームおよび複数の高利得狭ビームを用いたセルカバレッジを示している。
図4図4は、NRにおけるシステム情報プロビジョニングの実施形態を示している。
図5図5は、NRにおけるUE状態マシンおよび状態遷移を示す。
図6図6は、NR/NGCとE-UTRAN/EPCとの間のUE状態マシンおよび状態遷移を示している。
図7図7は、AMF/UPF内ハンドオーバを示している。
図8図8は、PRACHリソース選択モデルを示している。
図9図9は、一実施形態による、PRACHリソース選択モデルとのRRM測定モデルの統合を示す。
図10A図10Aは、別の実施形態による、PRACHリソース選択モデルのRRM測定モデルとの統合を示す。
図10B図10Bは、更に別の実施形態による、PRACHリソース選択モデルのRRM測定モデルとの統合を示す。
図11図11は、一実施形態によるPRACHリソース選択手順を示す。
図12図12は、別の実施形態によるPRACHリソース選択手順を示す。
図13図13は、更に別の実施形態によるPRACHリソース選択手順を示す。
図14図14は、更にまた別の実施形態によるPRACHリソース選択手順を示す。
図15図15は、別の実施形態による例示的NR配備シナリオを示す。
図16A図16Aは、更なる実施形態によるPRACHリソース選択手順を示す。
図16B図16Bは、更なる実施形態によるPRACHリソース選択手順を示す。
図16C図16Cは、なお更なる実施形態によるPRACHリソース選択手順を示す。
図16D図16Dは、なお更なる実施形態によるPRACHリソース選択手順を示す。
図17図17は、別の実施形態によるランダムアクセスの際の、ターゲットセルのビーム間における負荷バランシングを示す。
図18図18は、一実施形態に従って、UEを異なるビームに導くために使用されるRARを示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本明細書の様々な図、実施形態および態様を参照して、例示的な実施形態の詳細な説明を述べる。この説明は可能な実装の詳細な例を提供するものであるが、この詳細は例であることを意図しているため、本願の範囲を制限するものでないことが理解されるべきである。
【0016】
本明細書における「一実施形態」、「実施形態」、「1つ以上の実施形態」、「態様」などへの言及は、当該実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、または特性が、本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。更に、本明細書の様々な箇所における「実施形態」の用語は、必ずしも同じ実施形態を指称するものではない。即ち、幾つかの実施形態によって示され、且つ他の実施形態には示されない可能性のある様々な特徴が記述される。
【0017】
一般に、本願は、前記測定レポートに含められるべきビームを選択するための方法およびシステムを記載する。本願の1つの態様は、前記ハンドオーバコマンド内の専用および/または共通PRACHリソースの組から、前記ターゲットセルにアクセスするために使用される前記PRACHリソースを最適に選択する方法を記載する。NR-RACH-ConfigDedicated IEを使用して、前記ハンドオーバコマンドにおける専用のRACH設定を通知できる。PRACHリソース選択モデルは、前記RRM測定モデルと統合されてよい。
【0018】
本願の別の態様は、第1のアクセス試行に使用され得る狭ビームに関連した一組のPRACHリソースから、PRACHリソース選択を実行する方法を記述する。これに続いて、最初のアクセス試行が成功しなかった場合には、2回目のアクセス試行に使用できる広ビームに関連した一組のPRACHリソースから、PRACHリソースを選択できる。
【0019】
本願の更なる態様は、ランダムアクセスを実行するときに、ターゲットセルのビーム間で負荷分散を実行するために使用し得る手順を記述する。MAC RARは、任意に、UEに対して異なるビームの使用を指示するために使用し得るビーム切替えコマンドを含むことができる。
【0020】
本願の更に別の態様は、優先順位付けされたランダムアクセスに向けられている。これには、様々なタイプのランダムアクセス事象に対して優先順位を割り当てる方法が含まれ得る。これには、一組の異なる値をランダムアクセスパラメータに割り当てる方法も含まれる場合があり、この一組の割り当てられた値は前記ランダムアクセスの優先順位に基づいている。
【0021】
<定義/頭字語>
本願において共通に使用される用語および語句についての定義が、下記の設定に提供される。
【0022】
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【0023】
<一般的アーキテクチャ>
第3世代パートナーシッププロジェクト(The 3rd Generation Partnership Project:3GPP)は、無線アクセス、コアトランスポートネットワーク、ならびにサービス能力(コーデック、セキュリティ、およびサービス品質に関する作業を含む)を含んだセルラー電気通信ネットワーク技術の技術標準を開発している。最近の無線アクセス技術(Radio Access Technology:RAT)標準には、WCDMA(登録商標)(一般に3Gと呼ばれる)、LTE(一般に4Gと呼ばれる)、およびLTEアドバンスト標準が含まれる。3GPPは、新無線(New Radio:NR)と称される次世代のセルラー技術(これは「5G」とも呼ばれる)の標準化に取り組み始めた。3GPP NR規格の開発には、次世代無線アクセステクノロジー(新RAT)の定義が含まれると予想され、これには6GHz未満の新しい柔軟な無線アクセスの提供、および6GHzを超える新しい超高速大容量モバイル無線アクセスの提供が含まれる。前記柔軟な無線アクセスは、6GHz未満の新しいスペクトルにおける下位互換性のない新しい無線アクセスからなり、要件が異なる3GPP広範な一組のNR使用事例に対処するために、同じスペクトルで多重化できる種々の動作モードを含むことが期待される。超高速大容量モバイル通信には、cm波およびmm波スペクトルが含まれると予想され、これは、例えば屋内アプリケーションおよびホットスポットのための超高速大容量モバイル通信アクセスの機会を提供するであろう。特に、超高速大容量モバイル通信は、cm波およびmm波に固有の設計最適化を用いて、6GHz以下の柔軟な無線アクセスと共通した設計フレームワークを共有することが期待される。
【0024】
3GPPは、NRがサポートすると予想される様々な使用事例を特定しており、その結果、データ速度、遅延時間、およびモビリティについて多種多様なユーザ経験要件が生じる。使用事例には、次の一般的なカテゴリーが含まれる。即ち、モバイルブロードバンドの強化(例えば、密集地域でのブロードバンドアクセス、屋内の超高ブロードバンドアクセス、密集地でのブロードバンドアクセス、場所を問わない50+Mbps、超低コストのブロードバンドアクセス、車両でのモバイルブロードバンド)、重要な通信、大規模なマシンタイプの通信、ネットワーク操作(例えば、ネットワークスライシング、ルーティング、移動およびインターワーキング、エネルギー節約)、および強化されたビークルツーエブリシング(Enhanced Vehicle-to-Everything:eV2X)通信である。これらカテゴリーの特定のサービスおよびアプリケーションには、幾つかの例を挙げると、例えば、監視およびセンサネットワーク、デバイスの遠隔制御、双方向遠隔制御、パーソナルクラウドコンピューティング、ビデオストリーミング、無線クラウドベースのオフィス、ファーストレスポンダー接続、車載緊急通報システム、災害警報、リアルタイムゲーム、複数人でのビデオ通話、自動運転、拡張現実、触覚インターネット、および仮想現実が含まれる。本明細書では、これらの使用事例の全部およびその他の使用事例を想定している。
【0025】
図1Aは、本明細書において説明および特許請求される方法および装置が具現化され得る例示的な通信システム100の1つの実施形態を示している。図示のように、例示的通信システム100は、無線送信/受信ユニット(Wireless Transmit/Receive Unit:WTRU)102a、102b、102c、および/または102d(一般にまたは集合的にWTRU102と称され得る)、無線アクセスネットワーク(Radio Access Network:RAN)103/104/105/103b/104b/105b、コアネットワーク106/107/109、公衆交換電話網(Public Switched Telephone Network:PSTN)108、インターネット110、およびその他のネットワーク112を含むことができる。ただし、開示された実施形態は、任意の数のWTRU、基地局、ネットワーク、および/またはネットワーク要素を想定していることが理解されるであろう。WTRU102a、102b、102c、102d、102eの各々は、無線環境で動作および/または通信するように設定された任意のタイプの装置またはデバイスであってよい。各WTRU102a、102b、102c、102d、102eは、図1A図1Eでは手持ち型無線通信装置として示されているが、5G無線通信のために企図された多種多様な使用事例では、各WTRUは、無線信号を送信および/または受信するように設定された任意のタイプの装置またはデバイスを備え、またはそのように具現化され得るものであり、単なる例として挙げれば、ユーザ機器(User Equipment:UE)、移動局、固定または移動式の加入者ユニット、ポケットベル、携帯電話、携帯情報端末(Personal Digital Assistant:PDA)、スマートフォン、ラップトップ、タブレット、ネットブック、ノートブックコンピュータ、パーソナルコンピュータ、無線センサ、家電、スマートウォッチまたはスマートウェアなどのウェアラブルデバイス、医療用またはイーヘルス(eHealth)デバイス、ロボット、産業用機器、ドローン、車、トラック、電車、または飛行機のような乗り物などが含まれることが理解される。
【0026】
通信システム100はまた、基地局114aおよび基地局114bを含むことができる。基地局114aは、WTRU102a、102b、102cのうちの少なくとも1つと無線でインターフェースして、コアネットワーク106/107/109、インターネット110、および/または他のネットワーク112のような1つ以上の通信ネットワークへのアクセスを容易にするように設定された任意のタイプのデバイスであり得る。基地局114bは、有線および/または無線で、RRH(Remote Radio Head:遠隔無線ヘッド)118a、118bおよび/またはTRP(Transmission and Reception Point:送信および受信ポイント)119a、119bの少なくとも1つとインターフェースして、コアネットワーク106/107/109、インターネット110、および/または他のネットワーク112のような1つ以上の通信ネットワークへのアクセスを容易にするように設定された、任意のタイプのデバイスであり得る。RRH118a、118bは、WTRU102cの少なくとも1つと無線でインターフェースして、コアネットワーク106/107/109、インターネット110、および/または他のネットワーク112のような1つ以上の通信ネットワークへのアクセスを容易にするように設定された任意のタイプのデバイスであり得る。TRP119a、119bは、WTRU102dの少なくとも1つと無線でインターフェースして、コアネットワーク106/107/109、インターネット110、および/または他のネットワーク112のような1つ以上の通信ネットワークへのアクセスを容易にするように設定された任意のタイプのデバイスとすることができる。例えば、基地局114a、114bは、基地トランシーバ局(Base Transceiver Station:BTS)、ノードB、eノードB、ホームノードB、ホームeノードB、サイトコントローラ、アクセスポイント(Access Point:AP)、および無線ルータなどであってよい。基地局114a、114bは各々が単一の要素として示されているが、基地局114a、114bは、任意の数の相互接続された基地局および/またはネットワーク要素を含み得ることが理解されるであろう。
【0027】
基地局114aは、RAN103/104/105の一部であってよく、これはまた、基地局コントローラ(Base Station Controller:BSC)、無線ネットワークコントローラ(Radio Network Controller:RNC)、リレーノードなどのような他の基地局および/またはネットワーク要素(図示せず)をも含み得る。基地局114bは、RAN103b/104b/105bの一部であってよく、これはまた、基地局コントローラ(BSC)、無線ネットワークコントローラ(RNC)、リレーノードなどのような他の基地局および/またはネットワーク要素(図示せず)をも含み得る。基地局114aは、セル(図示せず)と称し得る特定の地理的領域内において、無線信号を送信および/または受信するように設定され得る。基地局114bは、セル(図示せず)と称し得る特定の地理的領域内において、有線および/または無線信号を送信および/または受信するように設定され得る。前記セルは、更にセルセクタに分割され得る。例えば、基地局114aに関連付けられたセルは、3つのセクタに分割され得る。したがって、一実施形態において、基地局114aは3つ、例えば当該セルの各セクタに1つのトランシーバを含むことができる。一実施形態において、基地局114aは、多入力多出力(Multiple-Input Multiple Output:MIMO)技術を採用することができ、したがって、当該セルの各セクタについて複数のトランシーバを利用することができる。
【0028】
基地局114aは、任意の適切な無線通信リンク[例えば、無線周波数(Radio Frequency:RF)、マイクロ波、赤外線(Infrared:IR)、紫外線(Ultraviolet:UV)、可視光、cm波、mm波など]であり得るエアインターフェース115/116/117を介して、WTRU102a、102b、102cの1つ以上と通信することができる。エアインターフェース115/116/117は、任意の適切な無線アクセス技術(RAT)を使用して確立され得る。
【0029】
基地局114bは、任意の適切な有線(例えば、ケーブル、光、ファイバーなど)または無線[無線周波数(RF)、マイクロ波、赤外線(IR)、紫外線(UV)、可視光、cm波、mm波など]の通信リンクであり得る有線インターフェースまたはエアインターフェース115b/116b/117bを介して、RRH118a、118b、および/またはTRP119a、119bの1つ以上と通信することができる。エアインターフェース115b/116b/117bは、任意の適切な無線アクセス技術(RAT)を使用して確立され得る。
【0030】
RRH118a、118b、および/またはTRP119a、119bは、任意の適切な無線通信リンク(例えば、無線周波数(RF)、マイクロ波、赤外線(IR)、紫外線(UV)、可視光、cm波、mm波など)であり得るエアインターフェース115c/116c/117cを介して、WTRU102c、102dのうちの1つ以上と通信することができる。エアインターフェース115c/116c/117cは、任意の適切な無線アクセス技術(RAT)を使用して確立され得る。
【0031】
より詳細に言えば、上記で述べたように、通信システム100は多元接続システムであり、CDMA、TDMA、FDMA、OFDMA、SC-FDMAなどのような1つ以上のチャネルアクセス方式を採用することができる。例えば、RAN103/104/105における基地局114aおよびWTRU102a、102b、102c、またはRAN103b/104b/105bにおけるRRH118a、118bおよびWTRU102c、102dならびにTRP119a、119bは、ユニバーサル移動体通信システム(Universal Mobile Telecommunications System:UMTS)地上無線アクセス(Terrestrial Radio Access:UTRA)のような無線技術を実装でき、これらはそれぞれ広帯域CDMA(Wideband CDMA:WCDMA)を使用して、エアインターフェース115/116/117または115c/116c/117cを確立できる。WCDMAは、高速パケットアクセス(High-Speed Packet Access:HSPA)および/または進化型HSPA(Evolved HSPA:HSPA+)のような通信プロトコルを含むことができる。HSPAには、高速ダウンリンクパケットアクセス(High-Speed Downlink Packet Access:HSDPA)および/または高速アップリンクパケットアクセス(High-Speed Uplink Packet Access:HSUPA)が含まれ得る。
【0032】
或る実施形態では、基地局114aおよびWTRU102a、102b、102c、またはRAN103b/104b/105bおよびWTRU102c、102dのRRH118a、118bおよびTRP119a、119bは、無線技術を実装することができる。例えば、進化型UMTS地上無線アクセス(Evolved UMTS Terrestrial Radio Access:E-UTRA)は、それぞれ長期進化(LTE)および/またはLTEアドバンスト(LTE-Advanced:LTE-A)を使用して、エアインターフェース115/116/117または115c/116c/117cを確立できる。将来、エアインターフェース115/116/117は3GPP NR技術を実装する可能性がある。
【0033】
或る実施形態において、RAN103/104/105における基地局114aおよびWTRU102a、102b、102c、またはRAN103b/104b/105bおよびWTRU102c、102dにおけるRRH118a、118bおよびTRP119a、119bは、IEEE802.16[例えば、マイクロ波アクセスのための世界的な相互運用性(Worldwide Interoperability for Microwave Access:WiMAX)]、CDMA2000、CDMA2000 1X、CDMA2000EV-DO、暫定標準2000(Interim Standard 2000:IS-2000)、暫定標準95(Interim Standard 95:IS-95)、暫定標準856(Interim Standard 856:IS-856)、移動体通信のためのグローバルシステム(Global System for Mobile Communications:GSM(登録商標))、GSM進化型高速データレート(Enhanced Data rates for GSM Evolution:EDGE)、GSM EDGE(GERAN)などのような無線技術を実装し得る。
【0034】
図1Aにおける基地局114cは、例えば、無線ルータ、ホームノードB、ホームeノードB、またはアクセスポイントであってよく、仕事場、家、車、キャンパスなどのような局所領域における無線接続を容易にするために、任意の適切なRATを利用してよい。一実施形態において、基地局114cおよびWTRU102eは、IEEE802.11のような無線技術を実装して、無線ローカルエリアネットワーク(Wireless Local Area Network:WLAN)を確立することができる。一実施形態において、基地局114cおよびWTRU102dは、IEEE802.15のような無線技術を実装して、無線パーソナルエリアネットワーク(Wireless Personal Area Network:WPAN)を確立することができる。更に別の実施形態において、基地局114cおよびWTRU102eは、ピコセルまたはフェムトセルを確立するために、セルラーベースのRAT(例えば、WCDMA、CDMA2000、GSM、LTE、LTE-Aなど)を利用することができる。図1Aに示されるように、基地局114bは、インターネット110への直接接続を有することができる。したがって、基地局114cは、コアネットワーク106/107/109を介してインターネット110にアクセスする必要がない場合がある。
【0035】
RAN103/104/105および/またはRAN103b/104b/105bは、コアネットワーク106/107/109と通信していてもよく、当該コアネットワークは、WTRU102a、102b、102c、102dの1つ以上に対して、音声、データ、アプリケーション、および/またはボイスオーバーインターネットプロトコル(Voice Over Internet Protocol:VoIP)サービスを提供する任意の種類のネットワークであり得る。例えば、コアネットワーク106/107/109は、通話制御、請求サービス、モバイル位置情報サービス、プリペイドコール、インターネット接続、ビデオ配信などを提供し、および/またはユーザ認証のような高レベルのセキュリティ機能を実行することができる。
【0036】
図1Aには示されていないが、RAN103/104/105および/またはRAN103b/104b/105bおよび/またはコアネットワーク106/107/109は、RAN103/104/105および/またはRAN103b/104b/105bと同じRATまたは異なるRATを使用する他のRANと、直接または間接的に通信し得ることが理解されるであろう。例えば、E-UTRA無線技術を利用している可能性があるRAN103/104/105および/またはRAN103b/104b/105bに接続されていることに加え、コアネットワーク106/107/109は、GSM無線技術を使用する別のRAN(図示せず)とも通信状態にあり得る。
【0037】
コアネットワーク106/107/109は、WTRU102a、102b、102c、102d、102eが、PSTN108、インターネット110、および/または他のネットワーク112にアクセスするためのゲートウェイとしても機能し得る。PSTN108には、従来の基本電話サービス(Plain Old Telephone Service:POTS)を提供する回線交換電話ネットワークが含まれる。インターネット110は、TCP/IPインターネットプロトコルスイートにおける伝送制御プロトコル(Transmission Control Protocol:TCP)、ユーザデータグラムプロトコル(User Datagram Protocol:UDP)およびインターネットプロトコル(Internet Protocol:IP)のような一般的な通信プロトコルを使用する、相互接続されたコンピュータネットワークおよびデバイスのグローバルシステムを含み得る。ネットワーク112は、他のサービスプロバイダが所有および/または運営する有線または無線通信ネットワークを含むことができる。例えば、ネットワーク112は、RAN103/104/105および/またはRAN103b/104b/105bと同じRATまたは異なるRATを採用し得る1つ以上のRANに接続された、別のコアネットワークを含み得る。
【0038】
通信システム100のWTRU102a、102b、102c、102dの幾つかまたは全部はマルチモード機能を含むことができ、例えば、WTRU102a、102b、102c、102d、および102eは、異なる無線リンクを介して異なる無線ネットワークと通信するための複数のトランシーバを含むことができる。例えば、図1Aに示されるWTRU102eは、セルラーベースの無線技術を採用し得る基地局114a、およびIEEE802無線技術を採用し得る基地局114cと通信するように設定され得る。
【0039】
図1Bは、例えばWTRU102のような、本明細書に示された実施形態に従って、無線通信用に構成された例示的な装置またはデバイスのブロック図である。図1Bに示されるように、例示的なWTRU102は、プロセッサ118、トランシーバ120、送信/受信要素122、スピーカ/マイクロホン124、キーパッド126、ディスプレイ/タッチパッド/表示装置128、非リムーバブルメモリ130、リムーバブルメモリ132、電源134、全地球測位システム(Global Positioning System:GPS)チップセット136、および他の周辺機器138を含むことができる。WTRU102は、実施形態との整合性を保ちながら、前述の要素のサブコンビネーションを含み得ることが理解されるであろう。また、実施形態は、基地局114aおよび114b、および/または基地局114aおよび114bが表すノード、例えば限定されるものではないが、中でも基地トランシーバ局(BTS)、ノードB、サイトコントローラ、アクセスポイント(AP)、ホームノードB、進化型ホームノードB(Evolved Home Node-B:eNodeB)、ホーム進化型ノードB(Home Evolved Node-B:HeNB)、ホーム進化型ノードBゲートウェイ、およびプロキシノードは、図1Bに示され且つ本明細書に記載された要素の幾つかまたは全部を含み得ることを想定している。
【0040】
プロセッサ118は、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、従来のプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor:DSP)、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアに関連する1つ以上のマイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA)回路、その他任意の種類の集積回路(Integrated Circuit:IC)、および状態マシンなどであってよい。プロセッサ118は、信号符号化、データ処理、電力制御、入出力処理、および/またはWTRU102が無線環境で動作することを可能にする他の機能を実行することができる。プロセッサ118はトランシーバ120に結合され、トランシーバ120は、送信/受信要素122に結合され得る。図1Bは、プロセッサ118およびトランシーバ120を別個のコンポーネントとして示しているが、プロセッサ118およびトランシーバ120は、電子パッケージまたはチップの中に統合され得ることが理解されるであろう。
【0041】
送信/受信要素122は、エアインターフェース115/116/117を介して基地局(例えば、基地局114a)に信号を送信し、または基地局から信号を受信するように設定され得る。例えば、一実施形態において、送信/受信要素122は、RF信号を送信および/または受信するように設定されたアンテナであり得る。図1Aには示されていないが、RAN103/104/105および/またはコアネットワーク106/107/109は、RAN103/104/105と同じRATまたは別のRATを使用する他のRANと、直接または間接的に通信できることが理解されるであろう。例えば、E-UTRA無線技術を利用し得るRAN103/104/105に接続されることに加えて、コアネットワーク106/107/109はまた、GSM無線技術を用いる別のRAN(図示せず)と通信している可能性がある。
【0042】
コアネットワーク106/107/109は、PSTN108、インターネット110、および/または他のネットワーク112にアクセスするWTRU102a、102b、102c、102dのゲートウェイとしても機能し得る。PSTN108は、従来の基本電話サービス(POTS)を提供する回線交換電話ネットワークを含むことができる。インターネット110は、TCP/IPインターネットプロトコルスイートにおける伝送制御プロトコル(TCP)、ユーザデータグラムプロトコル(UDP)およびインターネットプロトコル(IP)などの一般的な通信プロトコルを使用する、相互接続されたコンピュータネットワークおよびデバイスのグローバルシステムを含み得る。ネットワーク112は、他のサービスプロバイダが所有および/または運営する有線または無線通信ネットワークを含むことができる。例えば、ネットワーク112は、RAN103/104/105と同じRATまたは異なるRATを用いることができる1つ以上のRANに接続された、別のコアネットワークを含むことができる。
【0043】
通信システム100のWTRU102a、102b、102c、102dの幾つかまたは全部はマルチモード機能を含むことができ、例えば、WTRU102a、102b、102c、および102dは、異なる無線リンクを介して異なる無線ネットワークと通信するための、複数のトランシーバを含むことができる。例えば、図1Aに示されるWTRU102cは、セルラーベースの無線技術を採用し得る基地局114aと、およびIEEE802無線技術を採用し得る基地局114bと通信するように設定することができる。
【0044】
図1Bは、例えば、WTRU102のような、本明細書に示された実施形態に従う無線通信用に構成された、例示的な装置またはデバイスのブロック図である。図1Bに示されるように、例示的なWTRU102は、プロセッサ118、トランシーバ120、送信/受信要素122、スピーカ/マイクロホン124、キーパッド126、ディスプレイ/タッチパッド/表示器128、非リムーバブルメモリ130、リムーバブルメモリ132、電源134、全地球測位システム(GPS)チップセット136、および他の周辺機器138を含むことができる。WTRU102は、実施形態との整合性を保ちながら、前述の要素のサブコンビネーションを含み得ることが理解されるであろう。また、実施形態は、基地局114aおよび114b、および/または基地局114aおよび114bが表すノード、例えば限定されるものではないが、とりわけ基地トランシーバ局(BTS)、ノードB、サイトコントローラ、アクセスポイント(AP)、ホームノードB、進化型ホームノードB(eNodeB)、ホーム進化型したノードB(HeNB)、ホーム進化型ノードBゲートウェイ、およびプロキシノードは、図1Bに示され且つ本明細書に記載された要素の幾つかまたは全部を含み得ることを想定している。
【0045】
プロセッサ118は、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、従来のプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアに関連する1つ以上のマイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)回路、その他の種類の集積回路(IC)、および状態マシンなどであってよい。プロセッサ118は、信号符号化、データ処理、電力制御、入出力処理、および/またはWTRU102が無線環境で動作することを可能にする他の機能を実行することができる。プロセッサ118はトランシーバ120に結合され、トランシーバ120は、送信/受信要素122に結合され得る。図1Bは、プロセッサ118およびトランシーバ120を別個のコンポーネントとして示しているが、プロセッサ118およびトランシーバ120は、電子パッケージまたはチップの中に統合され得ることが理解されるであろう。
【0046】
送信/受信要素122は、エアインターフェース115/116/117を介して基地局(例えば、基地局114a)に信号を送信し、または基地局から信号を受信するように設定され得る。例えば、一実施形態において、送信/受信要素122は、RF信号を送信および/または受信するように設定されたアンテナであり得る。一実施形態において、送信/受信要素122は、例えば、IR、UV、または可視光信号を送信および/または受信するように設定されたエミッタ/検出器であり得る。更なる実施形態において、送信/受信要素122は、RF信号および光信号の両方を送信および受信するように設定されてもよい。送信/受信要素122は、無線信号の任意の組み合わせを送信および/または受信するように設定できることが理解されるであろう。
【0047】
加えて、送信/受信要素122は単一の要素として図1Bに示されているが、WTRU102は任意の数の送信/受信要素122を含むことができる。より具体的には、WTRU102はMIMO技術を採用することができる。したがって、一実施形態において、WTRU102は、エアインターフェース115/116/117を介して無線信号を送信および受信するための2つ以上の送信/受信要素122(例えば、複数のアンテナ)を含むことができる。
【0048】
送受信機120は、送信/受信要素122によって送信されるべき信号を変調し、また送信/受信要素122によって受信される信号を復調するように設定され得る。上記のように、WTRU102は、マルチモード機能を有することができる。したがって、トランシーバ120は、WTRU102が、例えばUTRAおよびIEEE802.11のような複数のRATを介して通信できるようにするための、複数のトランシーバを含むことができる。
【0049】
WTRU102のプロセッサ118は、スピーカ/マイクロホン124、キーパッド126、および/またはディスプレイ/タッチパッド/表示器128(例えば、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display:LCD)ディスプレイユニット、または有機発光ダイオード(Organic Light-Emitting Diode:OLED)ディスプレイユニット)に結合され、そこからユーザ入力データを受信することができる。プロセッサ118はまた、スピーカ/マイクロホン124、キーパッド126、および/またはディスプレイ/タッチパッド/表示器128へと、ユーザデータを出力することもできる。加えて、プロセッサ118は、非リムーバブルメモリ130および/またはリムーバブルメモリ132のような任意のタイプの適切なメモリから情報にアクセスし、且つその中にデータを格納することができる。非リムーバブルメモリ130は、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)、読取り専用メモリ(Read Only Memory:ROM)、ハードディスク、または任意の他のタイプのメモリ保存装置を含むことができる。リムーバブルメモリ132は、加入者識別モジュール(Subscriber Identity Module:SIM)カード、メモリスティック、およびセキュアデジタル(Secure Digital:SD)メモリカードなどを含むことができる。一実施形態において、プロセッサ118は、サーバ上またはホームコンピュータ(図示せず)上のような、WTRU102上に物理的に配置されていないメモリから情報にアクセスし、そこにデータを格納することができる。
【0050】
プロセッサ118は、電源134から電力を受け取ることができ、WTRU102内の他のコンポーネントに電力を分配し、および/または制御するように設定することができる。電源134は、WTRU102に電力を供給するための任意の適切なデバイスとすることができる。例えば、電源134は、1つ以上の乾電池、太陽電池、および燃料電池などを含み得る。
【0051】
プロセッサ118はまた、WTRU102の現在の位置に関する位置情報(例えば、経度および緯度)を提供するように設定され得るGPSチップセット136に結合されてよい。GPSチップセット136からの情報に加えて、またはその代わりに、WTRU102は、基地局(例えば、基地局114a、114b)からエアインターフェース115/116/117を介して位置情報を受信し、および/または2つ以上の近くの基地局から受信される信号のタイミングに基づいてその位置を決定することができる。WTRU102は、実施形態との整合性を保ちながら、任意の適切な位置決定方法によって位置情報を取得できることが理解されるであろう。
【0052】
プロセッサ118は更に他の周辺機器138に結合されてよく、これには追加の特徴、機能性、および/または有線または無線接続を提供する1つ以上のソフトウエア、および/またはハードウェアモジュールが含まれ得る。例えば、周辺機器138は、加速度計、生体認証(例えば、指紋)センサのような様々なセンサ、電子コンパス、衛星送受信機、デジタルカメラ(写真またはビデオ用)、ユニバーサルシリアルバス(Universal Serial Bus:USB)ポートまたはその他の相互接続インターフェース、振動デバイス、テレビトランシーバ、ハンズフリーヘッドセット、ブルートゥース(登録商標)モジュール、周波数変調(Frequency Modulated:FM)ラジオユニット、デジタル音楽プレーヤー、メディアプレーヤー、ビデオゲームプレーヤーモジュール、インターネットブラウザなどを含むことができる。
【0053】
WTRU102は、センサ、家庭用電化製品、スマートウォッチまたはスマート衣服などのウェアラブルデバイス、医療またはeヘルスデバイス、ロボット、産業用機器、ドローン、車、トラック、電車のような車両、または飛行機などの他の装置またはデバイスにおいて具現化されてもよい。WTRU102は、周辺機器138の1つを含み得る相互接続インターフェースのような1つ以上の相互接続インターフェースを介して、そのような装置またはデバイスの他のコンポーネント、モジュール、またはシステムに接続されることができる。
【0054】
図1Cは、一実施形態によるRAN103およびコアネットワーク106のシステム図である。上述のように、RAN103は、UTRA無線技術を使用し、エアインターフェース115を介してWTRU102a、102b、および102cと通信することができる。RAN103は、コアネットワーク106とも通信することができる。図1Cに示すように、RAN103は、エアインターフェース115を介してWTRU102a、102b、102cと通信するための、各々が1つ以上のトランシーバを含むノードB140a、140b、140cを含むことができる。ノードB140a、140b、140cの各々は、RAN103内の特定のセル(図示せず)と関連付けされ得る。RAN103はまた、RNC142a、142bを含み得る。RAN103は、実施形態との整合性を保ちながら、任意の数のノードBおよびRNCを含み得ることが理解されるであろう。
【0055】
図1Cに示されるように、ノードB140a、140bは、RNC142aと通信中であってよい。加えて、ノードB140cは、RNC142bと通信中であり得る。ノードB140a、140b、140cは、Iubインターフェースを介して、それぞれのRNC142a、142bと通信することができる。RNC142a、142bは、Iurインターフェースを介して互いに通信中であってよい。RNC142a、142bの各々は、それが接続されるそれぞれのノードB140a、140b、140cを制御するように設定され得る。更に、RNC142a、142bの各々は、アウターループ電力制御、負荷制御、アドミッション制御、パケットスケジューリング、ハンドオーバ制御、マクロダイバーシティ、セキュリティ機能、およびデータ暗号化などのような他の機能を、実行またはサポートするように設定できる。
【0056】
図1Cに示されるコアネットワーク106は、メディアゲートウェイ(Media Gateway:MGW)144、モバイルスイッチングセンター(Mobile Switching Center:MSC)146、サービングGPRSサポートノード(Serving GPRS Support Node:SGSN)148、および/またはゲートウェイGPRSサポートノード(Gateway GPRS Support Node:GGSN)150を含み得る。前述の要素の各々は、コアネットワーク106の一部として示されているが、これら要素の何れか1つは、コアネットワークオペレータ以外のエンティティによって所有および/または操作され得ることが理解されるであろう。
【0057】
RAN103内のRNC142aは、IuCSインターフェースを介してコアネットワーク106内のMSC146に接続され得る。MSC146は、MGW144に接続され得る。MSC146およびMGW144は、WTRU102a、102b、102cと従来の有線通信装置との間の通信を容易するために、WTRU102a、102b、102cにPSTN108のような回線交換ネットワークへのアクセスを提供することができる。
【0058】
RAN103におけるRNC142aはまた、IuPSインターフェースを介して、コアネットワーク106におけるSGSN148に接続されてもよい。SGSN148は、GGSN150に接続されてよい。SGSN148およびGGSN150は、WTRU102a、102b、102cに対して、インターネット110のようなパケット交換ネットワークへのアクセスを提供して、WTRU102a、102b、102cとIP対応デバイスとの間の通信を容易にすることができる。
【0059】
上述したように、コアネットワーク106はまた、ネットワーク112に接続されてもよく、このネットワーク112は、他のサービスプロバイダが所有および/または運営する他の有線または無線ネットワークを含むことができる。
【0060】
図1Dは、一実施形態によるRAN104およびコアネットワーク107のシステム図である。上記のように、RAN104は、エアインターフェース116を介してWTRU102a、102b、および102cと通信するために、E-UTRA無線技術を使用することができる。RAN104はまた、コアネットワーク107とも通信することができる。
【0061】
RAN104は、eノードB160a、160b、160cを含むことができるが、RAN104は、実施形態との整合性を保ちながら、任意の数のeノードBを含み得ることが理解されるであろう。eノードB160a、160b、160cは各々、エアインターフェース116を介してWTRU102a、102b、102cと通信するための1つ以上のトランシーバを含むことができる。一実施形態において、eノードB160a、160b、160cは、MIMO技術を実装してもよい。したがって、eノードB160aは、例えば、複数のアンテナを使用して、WTRU102aへと無線信号を送信し、またから無線信号を受信することができる。
【0062】
eノードB160a、160b、および160cの各々は、特定のセル(図示せず)に関連付けられ、無線リソース管理決定、ハンドオーバ決定、アップリンクおよび/またはダウンリンクなどにおけるユーザのスケジューリングを取り扱うように設定され得る。図1Dに示されるように、eノードB160a、160b、160cは、X2インターフェースを介して互いに通信することができる。
【0063】
図1Dに示されるコアネットワーク107は、モビリティ管理ゲートウェイ(Mobility Management Gateway:MME)162、サービングゲートウェイ164、およびパケットデータネットワーク(Packet Data Network:PDN)ゲートウェイ166を含むことができる。前述の要素の各々は、コアネットワーク107の一部として示されているが、これら要素の何れか1つが、コアネットワークオペレータ以外のエンティティによって所有および/または運用される可能性があることが理解されるであろう。
【0064】
MME162は、S1インターフェースを介してRAN104内のeノードB160a、160b、および160cの各々に接続されてよく、制御ノードとして機能することができる。例えば、MME162は、WTRU102a、102b、102cのユーザ認証、ベアラの有効化/無効化、およびWTRU102a、102b、102cの初期アタッチの際の特定のサービングゲートウェイの選択などを担当することができる。MME162は、RAN104と、GSMまたはWCDMAのような他の無線技術を使用する他のRAN(図示せず)との間を切り替えるための制御プレーン機能も提供し得る。
【0065】
サービングゲートウェイ164は、S1インターフェースを介してRAN104内のeノードB160a、160b、および160cの各々に接続され得る。サービングゲートウェイ164は、一般に、ユーザデータパケットをWTRU102a、102b、102cへ/からルーティングおよび転送することができる。サービングゲートウェイ164は他の機能も実行することができ、例えば、eノードB間でのハンドオーバの際中にユーザプレーンをアンカーし、ダウンリンクデータがWTRU102a、102b、102cに利用可能なときにページングをトリガーし、WTRU102a、102b、102cのコンテキストを管理および格納することなどを行うことができる。
【0066】
サービングゲートウェイ164はまた、PDNゲートウェイ166に接続されてよく、これはインターネット110のようなパケット交換ネットワークへのアクセスをWTRU102a、102b、102cに提供して、WTRU102a、102b、102c間の通信を容易にすることができる。
【0067】
コアネットワーク107は、他のネットワークとの通信を容易にすることができる。例えば、コアネットワーク107は、WTRU102a、102b、102cとPSTN108などの回線交換ネットワークへのアクセスを提供して、WTRU102a、102b、102cと従来の地上通信装置との間の通信を容易にすることができる。例えば、コアネットワーク107は、コアネットワーク107とPSTN108との間のインターフェースとして機能するIPゲートウェイ(例えば、IPマルチメディアサブシステム(IP Multimedia Subsystem:IMS)サーバ)を含むか、またはそれと通信することができる。コアネットワーク107はまた、WTRU102a、102b、102cに対してネットワーク112へのアクセスを提供することができ、ネットワーク112は、他のサービスプロバイダが所有および/または運営する他の有線または無線ネットワークを含むことができる。
【0068】
図1Eは、一実施形態によるRAN105およびコアネットワーク109のシステム図である。RAN105は、IEEE802.16無線技術を使用して、エアインターフェース117を介してWTRU102a、102b、および102cと通信するアクセスサービスネットワーク(Access Service Network:ASN)であり得る。以下で更に説明するように、異なる機能エンティティ間の通信リンクWTRU102a、102b、102c、RAN105、およびコアネットワーク109が、基準点として定義されてもよい。
【0069】
図1Eに示されるように、RAN105は、基地局180a、180b、180c、およびASNゲートウェイ182を含み得るが、RAN105は、実施形態との一貫性を保ちながら、任意の数の基地局およびASNゲートウェイを含み得ることが理解されるであろう。基地局180a、180b、180cは各々、RAN105内の特定のセルに関連付けられ、エアインターフェース117を介してWTRU102a、102b、102cと通信するための1つ以上のトランシーバを含むことができる。一実施形態において、基地局180a、180b、180cは、MIMO技術を実装してもよい。したがって、例えば、基地局180aは複数のアンテナを使用してWTRU102aに無線信号(複数)を送信し、WTRU102aから無線信号(複数)を受信することができる。基地局180a、180b、180cは、ハンドオフトリガリング、トンネル確立、無線リソース管理、トラフィック分類、サービス品質(Quality of Service:QoS)ポリシーの実施のようなモビリティ管理機能も提供することができる。ASNゲートウェイ182は、トラフィック集約ポイントとして機能することができ、ページング、加入者プロファイルのキャッシング、コアネットワーク109へのルーティングなどを担当することができる。
【0070】
WTRU102a、102b、102cとRAN105との間のエアインターフェース117は、IEEE802.16仕様を実装するR1基準点として定義されてよい。更に、WTRU102a、102b、および102cの各々は、コアネットワーク109との論理インターフェース(図示せず)を確立することができる。WTRU102a、102b、102cとコアネットワーク109との間の論理インターフェースは、認証、認可、IPホスト設定管理、および/またはモビリティ管理に使用され得るR2基準点として定義され得る。
【0071】
基地局180a、180b、および180cの各々の間の通信リンクは、WTRUハンドオーバおよび基地局間のデータの転送を容易にするためのプロトコルを含んだR8基準点として定義され得る。基地局180a、180b、180cとASNゲートウェイ182との間の通信リンクは、R6基準点として定義され得る。このR6基準点は、WTRU102a、102b、102cの各々に関連付けられたモビリティ事象に基づいて、モビリティ管理を容易にするためのプロトコルを含むことができる。
【0072】
図1Eに示されるように、RAN105は、コアネットワーク109に接続され得る。RAN105とコアネットワーク109との間の通信リンクは、例えば、データ転送およびモビリティ管理機能を容易にするためのプロトコルを含んだR3基準点として定義され得る。コアネットワーク109は、モバイルIPホームエージェント(MIP-HA)184、認証、許可、アカウンティング(AAA)サーバ186、およびゲートウェイ188を含むことができる。前述の要素の各々は、コアネットワーク109の一部として示されているが、これら要素の何れか1つは、コアネットワークオペレータ以外のエンティティが所有および/または運用する可能性のあることが理解されるであろう。
【0073】
MIP-HAは、IPアドレス管理を担い、WTRU102a、102b、および102cが異なるASNおよび/または異なるコアネットワーク間でローミングすることを可能にし得る。MIP-HA184は、WTRU102a、102b、102cとIP対応デバイスとの間の通信を容易にするために、インターネット110のようなパケット交換ネットワークへのアクセスを、WTRU102a、102b、102cに提供することができる。AAAサーバ186は、ユーザ認証およびユーザサービスのサポートを担当することができる。ゲートウェイ188は、他のネットワークとの相互作用を容易にし得る。例えば、ゲートウェイ188は、WTRU102a、102b、102cと従来の陸上通信装置との間の通信を容易にするために、PSTN108などの回線交換ネットワークへのアクセスを、WTRU102a、102b、102cに提供することができる。加えて、ゲートウェイ188は、WTRU102a、102b、102cに対してネットワーク112へのアクセスを提供することができ、ネットワーク112は、他のサービスプロバイダが所有および/または運営する他の有線または無線のネットワークを含むことができる。
【0074】
図1Eには示されていないが、RAN105は他のASNに接続されてもよく、またコアネットワーク109は他のコアネットワークに接続されてもよいことが理解されるであろう。RAN105と他のASNとの間の通信リンクは、R4基準点として定義され得るものであり、RAN105と他のASNとの間でのWTRU102a、102b、102cのモビリティを調整するためのプロトコルを含み得る。コアネットワーク109と他のコアネットワークとの間の通信リンクは、R5基準として定義され得るものであり、ホームコアネットワークと訪問先コアネットワークとの間の相互作用を容易にするためのプロトコルを含み得る。
【0075】
本明細書で説明され、図1A、1C、1D、および1Eに示されるコアネットワークエンティティは、特定の既存の3GPP仕様において当該エンティティに与えられた名称により識別されるが、将来、これらエンティティおよび機能は他の名称によって識別され、また特定のエンティティまたは機能は、3GPPによって公開される将来の仕様(将来の3GPP NR仕様を含む)において結合され得るものと理解される。したがって、図1A、1B、1C、1D、および1Eに説明および図示された特定のネットワークエンティティおよび機能は、例としてのみ提供されたものであり、本明細書で開示および特許請求される主題は、現在定義されているか、または将来定義されるかにかかわらず、何れか同様の通信システムにおいて実施または実装され得るものと理解される。
【0076】
図1Fは、例示的コンピューティングシステム90のブロック図であり、ここでは図1A、1C、1Dおよび1Eに示される通信ネットワークの1つ以上の装置、例えばRAN103/104/105、コアネットワーク106/107/109、PSTN108、インターネット110、またはその他のネットワーク112における特定のノードまたは機能エンティティが具現化され得る。コンピューティングシステム90は、コンピュータまたはサーバを備えてよく、また主に、コンピュータ読取り可能な命令によって制御されてよく、このような命令はソフトウエアの形態であることができ、また斯かるソフトウエアは何処にまたは如何なる手段で格納またはアクセスされるかを問わない。そのようなコンピュータ可読命令は、コンピューティングシステム90に仕事をさせるために、プロセッサ91内で実行されてよい。プロセッサ91は、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、従来のプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアに関連する1つ以上のマイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)回路、その他任意のタイプの集積回路(IC)、および状態マシンなどであり得る。プロセッサ91は、信号符号化、データ処理、電力制御、入力/出力処理、および/またはコンピューティングシステム90が通信ネットワークで動作することを可能にする他の機能を実行することができる。コプロセッサ81は、追加の機能を実行しまたはプロセッサ91を支援する、メインプロセッサ91とは別のオプションのプロセッサである。プロセッサ91および/またはコプロセッサ81は、本明細書で開示される方法および装置に関連したデータを受信、生成、および処理することができる。
【0077】
動作において、プロセッサ91は、命令をフェッチ、デコード、および実行し、コンピューティングシステムのメインデータ転送経路であるシステムバス80を介して、他のリソースとの間で情報をやり取りする。そのようなシステムバスは、コンピューティングシステム90における部品を接続し、またデータ交換のための媒体を定義する。システムバス80は、通常、データを送信するためのデータライン、アドレスを送信するためのアドレスライン、ならびに割り込みを送信するためおよびシステムバスを操作するための制御ラインを含む。そのようなシステムバス80の例は、周辺機器相互接続(Peripheral Component Interconnect:PCI)バスである。
【0078】
システムバス80に結合されたメモリには、ランダムアクセスメモリ(RAM)82および読取り専用メモリ(ROM)93が含まれる。そのようなメモリは、情報を記憶および検索できる回路を含む。ROM93は、一般に、容易に変更できない保存されたデータを含む。RAM82に格納されたデータは、プロセッサ91または他のハードウェアデバイスによって読み取られ、または変更される可能性がある。RAM82および/またはROM93へのアクセスは、メモリコントローラ92によって制御できる。メモリコントローラ92は、命令が実行されるときに、仮想アドレスを物理アドレスに変換するアドレス変換機能を提供し得る。メモリコントローラ92はまた、システム内のプロセスを隔離し、システムプロセスをユーザプロセスから隔離するメモリ保護機能を提供できる。したがって、第1のモードで実行されているプログラムは、独自のプロセス仮想アドレス空間によってマップされたメモリのみにアクセスできる。プロセス間のメモリ共有が設定されていない限り、別のプロセスの仮想アドレス空間内のメモリにはアクセスできない。
【0079】
更に、コンピューティングシステム90は、プロセッサ91から周辺機器、例えばプリンタ94、キーボード84、マウス95、およびディスクドライブ85への命令の通信を担当する周辺機器コントローラ83を含むことができる。
【0080】
ディスプレイコントローラ96によって制御されるディスプレイ86は、コンピューティングシステム90によって生成された視覚出力を表示するために使用される。そのような視覚出力は、テキスト、グラフィック、アニメーショングラフィック、およびビデオを含むことができる。前記視覚出力は、グラフィカルユーザインターフェース(Graphical User Interface:GUI)の形式で提供される。ディスプレイ86は、CRTベースのビデオディスプレイ、LCDベースのフラットパネルディスプレイ、ガスプラズマベースのフラットパネルディスプレイ、またはタッチパネルを用いて実装され得る。ディスプレイコントローラ96は、ディスプレイ86に送信されるビデオ信号を生成するために必要な電子部品を含んでいる。
【0081】
更に、コンピューティングシステム90は、例えばネットワークアダプタ97のような通信回路を含むことができ、これはコンピューティングシステム90を、RAN103/104/105、コアネットワーク106/107/109、PSTN108、インターネット110、または図1A、1B、1C、1D、および1Eの他のネットワーク112のような外部通信ネットワークに接続するために使用でき、コンピューティングシステム90がこれらネットワークの他のノードまたは機能エンティティと通信することを可能にする。前記通信回路は、単独で、またはプロセッサ91と組み合わせて、本明細書に記載した特定の装置、ノード、または機能エンティティの送信および受信ステップを実行するために使用されてよい。
【0082】
本明細書に記載の装置、システム、方法、およびプロセスの何れかまたは全部は、コンピュータ可読記憶媒体に格納されたコンピュータ実行可能命令(例えばプログラムコード)の形で実施でき、その命令は、プロセッサ118または91のようなプロセッサによって実行されるときに、当該プロセッサに、本明細書に記載のシステム、方法、およびプロセスを実行および/または実装させることが理解される。詳細に言えば、本明細書に記載のステップ、動作、または機能の何れかは、無線および/または有線のネットワーク通信のために設定された装置またはコンピューティングシステムのプロセッサ上で実行されるような、コンピュータ実行可能な命令の形で実装され得る。コンピュータ読取り可能な記憶媒体には、情報を保存するための非一時的な(例えば、有形または物理)方法またはテクノロジーで実装された揮発性および不揮発性の、リムーバブルおよび非リムーバブルな媒体が含まれるが、そのようなコンピュータ読取り可能な記憶媒体には信号は含まれない。コンピュータ読取り可能な記憶媒体には、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリまたはその他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(Digital Versatile Disk:DVD)またはその他の光ディスク記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置などの磁気記憶装置、または目的の情報を保存するために使用でき且つコンピューティングシステムからアクセスできる他の有形のまたは物理的な媒体が含まれるが、これらに限定されない。
【0083】
<次世代のネットワーク要件>
3GPP TR38.913は、次世代アクセス技術のシナリオおよび要件を定義している。eMBB、URLLC、mMTCデバイスについての重要業績評価指標(Key Performance Indicator:KPI)を表2に纏める。
【0084】
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
【0085】
<LTEランダムアクセス手順>
LTEにおいて、ランダムアクセス手順は以下の事象について実行される。即ち、RRC_IDLEからの初期アクセス、RRC接続の再確立手順、ハンドオーバ、ランダムアクセス手順を必要とするRRC_CONNECTED中のDLデータの到着(例えば、UL同期ステータスが「非同期」の場合)、ランダムアクセス手順を必要とするRRC_CONNECTED中のULデータの到着(例えば、UL同期ステータスが「非同期」であるか、SRのPUCCHリソースが利用できない場合)、およびランダムアクセス手順を必要とするRRC_CONNECTED中の位置決め目的のため(例えば、UEの位置決めのためにタイミングアドバンスが必要なとき)である。
【0086】
前記ランダムアクセス手順は2つの異なる形態をとる。即ち、競合ベースのもの(最初の5つのイベントに適用可能)、および非競合ベースのもの(セカンダリタイミングアドバンスグループ(Secondary Timing Advance Group:sTAG)のハンドオーバ、DLデータの到着、位置決め、タイミングアドバンス調整の取得にのみ適用可能)である。
【0087】
競合ベースのランダムアクセスは、図2に示す4ステップの手順を使用する。4つのステップの各々は、次のようにアラビア数字で示される。
【0088】
1.アップリンクにおけるRACH上のランダムアクセスプリアンブル。RACHプリアンブルの送信は、eNBがUEの送信タイミングを推定することを可能にする。
【0089】
2.DL-SCH上のMACによって生成されたランダムアクセス応答。ネットワークは、UEの送信タイミングを調整するためにタイミングアドバンスコマンドを送信する。当該ネットワークはまた、手順3で使用するULリソースもUEに割り当てる。
【0090】
3.UL-SCH上の最初にスケジュールされたUL送信。UL-SCHを使用するネットワークへのモバイル端末IDの送信。
【0091】
4.DL上の競合解決。ネットワークからDL-SCH上のUEへの競合解決メッセージの送信。
【0092】
競合のないランダムアクセスは、ダウンリンクデータの到着、ハンドオーバ、およびポジショニング時にアップリンク同期を再確立するためにのみ使用される。競合のないランダムアクセス手順を実行する場合は、競合解決の必要がないため、上記手順の最初の2つのステップのみが適用される。
【0093】
PHYおよびMAC層の観点からのランダムアクセス手順のより詳細な説明は、それぞれ3GPP TS36.213および3GPP TS36.321において入手可能である。
【0094】
システム内の物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)設定と、汎用ランダムアクセスパラメータは、以下に示すように、SIB2のPRACH-ConfigおよびRACH-ConfigCommon IEにおいて詳述される。
【0095】
【数1-1】
【数1-2】
【数1-3】
【0096】
IE RACH-ConfigDedicatedは、以下に示すように専用のランダムアクセスパラメータを指定するために使用される。
【0097】
【数2】
【0098】
PRACHマスク指数値は、下記の表3において定義される。
【0099】
【表3-1】
【表3-2】
【0100】
<NRビームフォーミングアクセス>
現在、ビームフォーミングされたアクセスのためのフレームワークを設計するために、3GPP標準化の努力が進行中である。より高い周波数での無線チャネルの特性は、LTEが現在展開されているサブ6GHzチャネルとは大きく異なる。より高い周波数で新しい無線アクセス技術(RAT)を設計する際の重要な課題は、より高い周波数帯域でのより大きな経路損失を克服することである。この大きな経路損失に加えて、より高い周波数は、不十分な回折によって引き起こされる妨害のために、好ましくない散乱環境の影響を受ける。したがって、受信機側で十分な信号レベルを保証するには、MIMO/ビームフォーミングが不可欠である。
【0101】
より高い周波数における追加の経路損失を補償するために、デジタルBFにより使用されるMIMOデジタルプリコーディングのみに依存することは、6GHz未満と同様のカバレッジを提供するには十分でないと思われる。したがって、追加の利得を達成するためのアナログビームフォーミングの使用は、デジタルビームフォーミングと組み合わせにおける代替手段であり得る。十分に狭いビームを多数のアンテナ要素で形成する必要があるが、これはLTE評価で想定したものとは全く異なる可能性がある。大きなビームフォーミング利得の場合は、それに応じてビーム幅が小さくなる傾向があり、したがって特に指向性アンテナ利得の大きいビームは、特に3セクタ構成では水平セクタ領域全体をカバーできない。同時に生じる高利得ビーム数の制限要因には、トランシーバアーキテクチャのコストおよび複雑さが含まれる。
【0102】
上記のこれら考察から、異なるサービングエリアをカバーするようにステアリングされたカバレッジの狭ビームを用いた、時間ドメイン内での複数の送信が必要である。本質的に、サブアレイの前記アナログビームは、OFDMシンボルの時間分解能または当該セル内の異なるサービングエリア全体のビームステアリングの目的で定義された適切な時間間隔単位で単一方向に向けられ、したがって、前記サブアレイの数は、前記ビームステアリングの目的で定義された各OFDMシンボルまたは時間間隔単位に関して、前記ビーム方向の数および対応するカバレッジを決定する。幾つかの文献では、この目的のための複数の狭いカバレッジビームの提供は「ビーム掃引」と呼ばれている。アナログおよびハイブリッドビームフォーミングの場合、NRにおいて基本的なカバレッジを提供するためには、ビーム掃引が不可欠と思われる。この概念は図3に示されており、ここではセクタレベルセルのカバレッジが、セクタビームおよび複数の高利得狭ビームで実現される。また、大規模MIMOでのアナログおよびハイブリッドビームフォーミングでは、NRのサービングセル内におけるカバレッジエリア全体をカバーするために、時間ドメインにおいて、様々なサービングエリアをカバーするようにステアリングされた狭いカバレッジビームによる複数の送信が不可欠である。
【0103】
ビーム掃引に密接に関連する1つの概念は、UEとそのサービングセルとの間の最良のビームペアを選択するために使用されるビームペアリングの概念であり、これは制御シグナリングまたはデータ送信に使用できる。幾つかの実施形態において、最良のビームペアは、予め定められた閾値を超えるビームペアを含み得る。ダウンリンク送信の場合、ビームペアはUE RXビームとNRノードTXビームからなるのに対して、アップリンク送信の場合、ビームペアはUE TXビームとNRノードRXビームからなる。
【0104】
別の関連する概念は、ビームの改善に使用されるビームトレーニングの概念である。例えば、図3に示すように、ビーム掃引およびセクタビームペアリング手順の際には、より粗いセクタビームフォーミングを適用できる。その後にビームトレーニングが行われ、ここでは、例えばアンテナの重みベクトルが調整され、続いてUEとNRノード間において高利得で狭ビームのペアリングが行われる。
【0105】
<NRシステム情報>
システム情報(SI)は、最小SIおよび他のSIに分割される。最小SIは定期的にブロードキャストされ、また初期アクセスに必要な基本情報と、定期的またはオンデマンドでプロビジョニングされた他のSIブロードキャストを取得するための情報、即ちスケジューリング情報とを含んでいる。他のSIは、最小SIでブロードキャストされない全てを包含し、図4に示すように、ネットワークによってトリガーされるか、またはUEからの要求に応じてブロードキャストされるか、または専用の方法でプロビジョニングされる。
【0106】
RRC_CONNECTEDのUEの場合、専用RRCシグナリングが、他のSIの要求および配信に使用される。RRC_IDLEおよびRRC_INACTIVEのUEの場合、前記要求されたSIが、MSG1が使用され得るPRACHリソースのサブセットに関連付けられていない限り、前記要求はランダムアクセス手順をトリガーし、MSG3を介して実行される。MSG1を使用する場合、前記要求の最小粒度は1つのSIメッセージ(即ち、1組のSIB)であり、1つのRACHプリアンブルを使用して複数のSIメッセージを要求できる。gNBはMSG2において前記要求を承認する。
【0107】
前記他のSIは、設定可能な周期で、特定の期間に亘ってブロードキャストされ得る。他のSIがブロードキャストされるか、専用のUE固有のRRCシグナリングを介して配信されるかは、ネットワークの決定である。UEがキャンプオンできる各セルは、最小SIの少なくとも幾らかのコンテンツをブロードキャストする一方、UEがキャンプオンできず、最小SIをブロードキャストしないセルが前記システムに存在し得る。
【0108】
UEによるキャンプのために考慮されるセル/周波数の場合、UEは、別のセル/周波数層からそのセル/周波数の最小SIのコンテンツを取得することを要求されない。このことは、UEが以前にアクセスしたセルから保存されたSIを適用する場合を排除しない。UEが、(当該セルから、または以前のセルから有効な保存済みSIを受信することによって)セルの最小SIの内容全体を決定できなければ、UEはそのセルを禁止と看做すべきである。
【0109】
複数のニューメロロジーが単一のキャリア上で混合される場合、システム情報のブロードキャストおよびページングのためには、デフォルトのニューメロロジーのみが使用される。更なる検討事項(For Further Study:FFS)は、RRC_INACTIVEからの初期アクセスもまたデフォルトの数秘術に依存しているかどうかである。
【0110】
<NR UE状態および状態遷移>
RRC接続が確立されたときに、UEは、RRC_CONNECTED状態またはRRC_INACTIVE状態の何れかにある。そうでない場合、即ち、RRC接続が確立されていない場合には、UEはRRC_IDLE状態にある。RRC状態は、更に次のように特徴付けられる。
【0111】
1.RRC_IDLEの際中に、以下が発生し得る。
【0112】
UE固有のDRXは、上位層によって構成され得る。
【0113】
UEは、ネットワーク設定に基づいてモビリティを制御した。
【0114】
前記UEは、ページングチャネルを監視する。隣接セルの測定とセルの(再)選択を実行する。およびシステム情報を取得する。
【0115】
2.RRC_INACTIVEの最中に、以下が発生する場合がある。
【0116】
UE固有のDRXが、上位層またはRRC層によって設定され得る。
【0117】
UEは、ネットワーク設定に基づいてモビリティを制御した。
【0118】
前記UEは、ASコンテキストを格納する。
【0119】
前記UEは、ページングチャネルを監視し、隣接セルの測定およびセルの(再)選択を実行し、RANベースの通知エリア外に移動したときに、RANベースの通知エリアの更新を実行し更なる検討事項(FFSとしては、RANベースの通知エリアが常に設定されているかどうか、およびFFSとして、RANベースの通知エリアが常時は設定されていないと判断されるときのUEの動作)、およびシステム情報を取得する。
【0120】
3.RRC_CONNECTEDの最中に、下記事象が発生する。
【0121】
前記UEはASコンテキストを保存する。
【0122】
ユニキャストデータの、UEへ/からの転送。
【0123】
下位層において、前記UEは、UE固有のDRXで構成され得る。
【0124】
CAをサポートするUEについて、帯域幅を増大させるための、PCellと統合された1つ以上のSCellの使用。
【0125】
DCをサポートするUEについて、帯域幅を増大させるための、MCGと共に集約された1つのSCGの使用。
【0126】
ネットワーク制御されたモビリティ、即ち、NR内およびE-UTRANへ/からのハンドオーバ。
【0127】
前記UE:ページングチャネルを監視する。共有データチャネルに関連付けられた制御チャネルを監視して、データがスケジュールされているかどうかを決定する。チャネル品質およびフィードバック情報を提供する。隣接セルの測定および測定レポートを実行する。システム情報を取得する。
【0128】
図5に示されるように、NRにおけるUE RRC状態マシンおよび状態遷移の概要が提供される。UEは、NRでは一度に1つのRRC状態のみを有する。
【0129】
図6は、NRにおけるUEの状態マシンおよび状態遷移、ならびにNR/NGCおよびE-UTRAN/EPCの間でサポートされるモビリティ手順の概要を示す。前記UE状態マシン、NR/NGCとE-UTRA/NGCとの間の状態遷移およびモビリティ手順は更なる検討事項(FFS)である。
【0130】
<RRC_CONNECTEDにおけるNRモビリティ>
ネットワーク制御モビリティは、RRC_CONNECTEDにおけるUEに適用され、2つのタイプのモビリティ、即ち、セルレベルのモビリティおよびビームレベルのモビリティに分類される。セルレベルのモビリティでは、明示的なRRCシグナリングのトリガー、即ち、ハンドオーバが必要となる。ビームレベルのモビリティでは、明示的にRRCシグナリングがトリガーされる必要はなく(下位層で処理される)、また、RRCは特定の時点において何れのビームが使用されているかを知る必要がない。
【0131】
図7は、AMFもUPFも変化しない基本的なハンドオーバシナリオのCプレーン処理を示している。図7の各ステップは、次のようにアラビア数字で示される。
【0132】
0.前記ソースgNB内のUEコンテキストは、接続確立時または最後のTA更新時に提供されたローミングおよびアクセス制限に関する情報を含む。
【0133】
1.前記ソースgNBは、測定設定に従って、UE測定手順およびUEレポートを設定する。
【0134】
2.前記ソースgNBは、測定レポートおよびRRM情報に基づいて、UEをハンドオーバすることを決定する。
【0135】
3.前記ソースgNBは、前記ターゲット側でHOを準備するために必要な情報を渡すターゲットgNBに対して、ハンドオーバ要求メッセージを発行する。
【0136】
4.アドミッション制御は、ターゲットgNBによって実行され得る。
【0137】
5.前記ターゲットgNBは、L1/L2でHOを準備し、ハンドオーバ要求承認を前記ソースgNBへと送信する。
【0138】
6.前記ターゲットgNBは、前記ハンドオーバを実行するための前記RRCメッセージを生成する。
【0139】
7.前記ソースgNBは、前記SN状態転送メッセージを前記ターゲットgNBへと送信する。
【0140】
8.前記UEは、前記ターゲットセルに同期し、前記RRCハンドオーバ手順を完了する。
【0141】
9.前記ターゲットgNBは、経路切替え要求メッセージをAMFに送信し、5GCをトリガーし、前記DLデータ経路を前記ターゲットgNBに向けて切り替え、前記ターゲットgNBに向けてNG-Cインターフェースインスタンスを確立する。
【0142】
10.5GCは、DLデータパスをターゲットgNBに向けて切り替える。
【0143】
11.前記AMFは、前記経路切替え要求承認メッセージを用いて、前記経路切替え要求メッセージを承認する。
【0144】
12.UEコンテキスト解除メッセージを送信することにより、前記ターゲットgNBは、HOの成功について前記ソースgNBに通知し、前記ソースgNBによるリソースの解放をトリガーする。AMFから前記経路切替え要求承認メッセージを受信した後、前記ターゲットgNBはこのメッセージを送信する。前記UEコンテキスト解除メッセージを受信すると、前記ソースgNBは、前記UEコンテキストに関連付けられた無線およびCプレーン関連のリソースを解除できる。進行中のデータ転送は全て続行される。
【0145】
別の実施形態によれば、ビーム管理はNRにおいて次のように定義される。
【0146】
ビーム管理: DLおよびULの送信/受信に使用できる一組のTRPおよび/またはUEビームを取得および維持するための、一組のL1/L2手順。これは少なくとも以下の態様を含む、
【0147】
ビーム決定: TRPまたはUEがそれ自身のTx/Rxビームを選択するため。
【0148】
ビーム測定: TRPまたはUEが、受信ビーム形成信号の特性を測定するため。
【0149】
ビームレポート: UEが、ビーム測定に基づいてビームフォーミングされた信号の特性/品質に関する情報を報告する。
【0150】
ビーム掃引: 予め定められた方法で、時間間隔の間に送信および/または受信されたビームで空間領域をカバーする操作。
【0151】
別の実施形態によれば、以下のDL L1/L2ビーム管理手順は、1つ以上のTRPにおいてサポートされる。
【0152】
P-1: 異なるTRP Txビーム上でのUE測定を可能にして、TRP Txビーム/UE Rxビームの選択をサポートするために使用される。TRPでのビームフォーミングについては、通常、一組の異なるビームのイントラ/インターTRP Txビーム掃引が含まれる。UEでのビームフォーミングについては、通常、一組の異なるビームからのUE Rxビーム掃引が含まれる。
【0153】
P-2: 異なるTRP Txビームに対するUE測定を可能にして、インター/イントラTRP Txビームを可能に変化させるために使用される。ビーム改善のために、P-1の場合よりも可能な限り小さい組のビームから。なお、P-2はP-1の特殊な場合であることに留意されたい。
【0154】
P-3: 前記同じTRP Txビーム上でのUE測定を可能にして、UEがビームフォーミングを使用する場合にUE Rxビームを変更するために使用される。
【0155】
<RAN2の合意>
一実施形態において、NRにおける測定レポートに関連した以下の合意がなされている。R2-97bからの合意について、
【0156】
1.LTEにおけるように、NRにおいて、セル品質(例えば、RSRPおよび/またはRSRQ)を測定レポートに含めることを可能にすべきである。
【0157】
2.UEは、xがSSブロック上のイベントによってトリガーされる測定レポートで設定可能な、x個の最良ビームのSSブロック識別子(RAN1 LSによって確認される用語)を指示することができる。具体的には、(i)更なる検討事項(FFS)として、全部のイベントに必要かどうか。(ii)FFSとして、UEが最適なビームを選択できる方法。(iii)FFSとして、ビームの品質も報告されるかどうか。(iv)FFSとして、CSI-RSに同じことが適用可能かどうか。
【0158】
R2-98からの合意について、
【0159】
1: SSブロック識別子は、CSI-RSイベントによりトリガーされる測定レポートには含めない。
【0160】
2: SSブロック識別子は、NR-SSイベントによりトリガーされる測定レポートについて、イベントA1-A6によりトリガーされる測定報告に含めることができる。具体的には(i)更なる検討事項(FFS)として、レポートに含めるx個の最適なビームを選択する方法、および(ii)FFSとして、トリガーされたセルとトリガーされていないセルのxが同じ値であるかどうかである。
【0161】
R2-89からの別の合意には以下が含まれる。
【0162】
1: SSベースのイベントの場合、前記UEは、品質の順にビームを報告する。
【0163】
2: CSI-RSイベントによりトリガーされる測定レポートの場合、CSI-RS識別子を、イベントA1-A6によりトリガーされる測定レポートに含めることができる。
【0164】
3: CSI-RSベースのイベントの場合、前記UEは、品質の順にビームを報告する。
【0165】
FFSとして、CSI-RSによってトリガーされるA1~A6イベントの場合、同じセルからのNR-SSに由来するセル品質は、設定されている他の測定に基づいて利用可能であれば測定レポートに含めることができる。
【0166】
R2-NR-AH#2からの合意には以下が含まれる。
【0167】
1: 測定レポートは、当該レポートをトリガーした前記関連付けられた測定設定の測定アイデンティティを含む。
【0168】
2: セル測定量を前記測定レポートに含めることができる。RAN1はサポートされるべきセル測定量を確認する。
【0169】
3: 測定レポートに含められるセル測定量は、ネットワークによって設定可能である。
【0170】
4: 前記UEによって報告されるべき非サービングセルの最大数を示すために、maxLetCellがサポートされる(LTEの場合と同様)。
【0171】
5: イベントにトリガーされたレポートについて、(i)PCellおよびSCellのセル品質は常に前記測定レポートに含められる。(ii)測定レポートの前記cellsTriggeredListにセルを含める(LTEと同じ)。FFSとして、cellsTriggeredListに従って含められるべきセルは明確化されるべきである。
【0172】
6: ブラックリストに載ったセルは、提供されたとしても、イベントの評価およびレポートでは使用されない(LTEの場合と同様)。
【0173】
7: ホワイトリストに登録されたセルは、もし提供された場合には、ホワイトリストに登録されたセルのみが、イベントの評価およびレポートに使用される(LTEの場合と同様)。
【0174】
8: ビーム測定(NR-SSおよびCSI-RSに基づく)を測定レポートに含めることができ、ネットワークによって設定することができる(即ち、ネットワークは、ビーム識別子のみを報告し、ビーム測定結果および識別子を報告し、またはビームレポートを報告しないように、前記UEを設定する)。
【0175】
9: 測定量は、ビーム測定レポートのために、ネットワークによって設定することができる。RAN1はサポートされる測定量を確認する。FFSとして、報告すべきセルとビーム測定量に一貫性が必要かどうか。
【0176】
10: 各セルの測定レポートに含めるべきx個のSSブロックの選択、(i)xは、N(Nはセル品質導出に使用される)とは別に設定することができる。FFSとして、含めるべき最大x個のSSブロックを選択する方法。
【0177】
11: セルイベント(A1~A6イベント)の場合、y個のCSI-RSリソースの選択は、各セルの測定レポートに含められる:(i)yは、Nとは別に設定することができる(Nは、セル品質導出に使用される)。FFSとして、含めるべきCSI-RSリソースを最大y個選択する方法。FFSとして、Cxイベントについての測定レポートの内容。FFSとして、NR-SS測定が利用可能な場合に、同じセルについてNR-SSから派生したセル品質を、CSI-RSに基づいてトリガーされた測定レポートに含めるべきかどうか。
【0178】
NRにおけるコネクテッドモードモビリティに関連する以下の合意がなされている。R2-96からの合意において、
【0179】
1: NRは、NRモビリティ手順の一部としてHOをサポートするものとする。
【0180】
2: ネットワークベースのモビリティは、少なくとも以下からなるgNB間のHOについて、LTE(Rel-13)と同じ原理を再利用するものとする。即ち、(i)ソースgNBは、HO要求を介してXnインターフェース上で前記HOを開始する。(ii)ターゲットgNBは許可制御を実行し、HO承認の一部としての前記RRC設定を提供する。(iii)ソースgNBは、RRCを介して前記HOコマンドを含む設定をUEに提供する。(iv)UEは、RRCを介して前記ターゲットgNBへと接続を移動させる。
【0181】
R2-96からの別の合意によれば、
【0182】
1.少なくとも、セルIDと、前記ターゲットセルにアクセスするために必要な全ての情報が前記HOコマンドに含められる。
【0183】
2.少なくとも幾つかの場合に、競合ベースおよび競合のないアクセスに必要な情報を前記HOコマンドに含めることができる。
【0184】
3.前記ターゲットセルの如何なるビーム関連情報が必要となり得るかを検討すべきである。
【0185】
4.前記gNBによって設定された条件が、何時ハンドオーバを実行するかを決定するために前記UEによって使用される、ハンドオーバの可能性を検討する。
【0186】
更に別の実施形態は、R2-97からの合意に向けられる。1つの合意では、前記ターゲットセルのアクセス情報(RACH設定など)が前記HOコマンドにおいて提供され、前記UEがシステム情報を読み取らずに前記セルにアクセスできるようにする。アクセス情報は、ビーム特有の情報(もし存在すれば)を含み得る。
【0187】
更に別の実施形態は、R2-97bからの合意に向けられている。
【0188】
1.ハンドオーバコマンドは、少なくとも前記ターゲットセルのセルIDおよび前記ターゲットセルのビームに関連付けられたRACH設定を含むことができる。RACH設定は、競合のないランダムアクセスのための設定を含むことができる。
【0189】
1b.UEは、ターゲットセルの全部のビームから適切なビームを選択する。
【0190】
1c.UEは、前記UEの選択されたビームに対してCFRAリソースが提供されない場合に、前記UEの選択されたビームに対してCBRAを実行する。
【0191】
更に別の合意は、R2-NR-AH#2からのものに向けられる。ここで、前記合意には以下のものが含まれる。
【0192】
1.前記UEによって報告された測定情報(ネットワーク内にビームが存在するときのビーム情報を含む)は、前記ターゲットに送信されるハンドオーバ要求メッセージに含めることができる。
【0193】
2.前記ハンドオーバコマンドは、全ての必要なパラメータ(少なくとも新しいC-RNTI、ターゲットgNBセキュリティアルゴリズム識別子、およびオプションで一組の専用RACHリソース(RAN2はこれが時間/周波数/シーケンスであり得るが、決定はRAN1に任されることを理解する))を含んでいる。FFSとして、UEが専用RACHリソースと共通RACHリソースの組を使用する方法。および、FFSとして、UEが一般的なRACHリソースを認識する方法。
【0194】
3.ハンドオーバコマンドは、RACHリソースとSSブロックとの間の関連性を含むことができる。
【0195】
4.RAN1がそのような関連付けが可能であると結論付けた場合、ハンドオーバコマンドは、RACHリソースとCSI-RS設定との間の関連性を含むことができる。FFSとして、前記UEが、前記ハンドオーバコマンドに含まれる情報からアクセスするために使用する前記ビームおよびRACHリソースを選択する方法。これは、指定された動作、または当該ネットワークで制御可能なパラメータを用いて指定された動作である可能性があり、UEの実装に残され得る幾つかの態様において議論できる。
【0196】
5.NRでは、LTE(T304)と同様のタイマーベースのハンドオーバ失敗手順がサポートされる。
【0197】
6.RRC接続再確立手順は、ハンドオーバの失敗を回復するために使用されるべきである。
【0198】
更に別の合意がR2-99に向けられている。この合意において、前記情報は、前記ソースノードとターゲットノードの間で伝達される。
【0199】
1. NR RRC仕様は、前記Xnハンドオーバ要求メッセージの一部として、前記ソースgNBから前記ターゲットgNBへと送信されるトランスペアレントRRCコンテナ(LTEにおけるHandoverPreparationInformationメッセージと同様)を定義する。
【0200】
2.1 LTEの場合と同様に、前記ソースgNBから前記ターゲットgNBへと送信されるHandoverPreparationInformationには、異なるRATの前記UE機能が含まれる。
【0201】
2.2 LTEの場合と同様に、前記ソースgNBから前記ターゲットgNBへと送信される前記HandoverPreparationInformationは、前記AS設定、前記RRM設定、および前記ASコンテキスト(ハンドオーバ失敗を処理するのに必要な情報を含む)を含むことができる。各IEのコンテンツの詳細はFFSである。
【0202】
3.1: 前記AS設定は、前記測定設定および無線リソース設定、前記ソース内のUE識別子、少なくともアンテナ情報およびDLキャリア周波数を含む。FFSは、前記AS設定に、RRCシグナリングを介して前記UEに設定されなかったDRBマッピングへのQoSフローが含まれるかどうかである。前記FFSとして、LTEでのMIB、SIB-1およびSIB-2に相当するソースから前記システム情報を提供することを必要とする可能性がある(LTEにおいてこれを使用することの幾つかのチェックが行われるできである)。
【0203】
4.1: 前記RRM設定は、少なくとも非アクティブ時間を含むことができる。
【0204】
4.2: LTEの場合のように、CAの事例をサポートするために、前記RRM設定は、測定情報が利用可能な各周波数について最良のセルのリストを含むことができる。
【0205】
5.ビーム測定情報(即ち、ビーム指数およびオプションで測定結果)がUEによって報告されるように前記ソースgNodeBによって設定されている場合、利用可能なビーム測定情報は、前記HandoverPreparationInformationメッセージの前記RRM設定の一部であり得る。その情報は、前記HandoverPreparationInformationメッセージの必須部分ではない。FFSとしては、何れかのセル、例えば候補ターゲットセルだけに、ビーム測定情報を含めることができるかである。
【0206】
6.前記RRM設定は、もし両方のタイプの測定情報が入手可能であれば、前記報告されたセル(または上記FFSの結果に応じたセル)についてのSSブロックおよびCSI-RSに関連付けられた両方のビーム測定情報(レイヤ3モビリティに関する)を含むことができる。
【0207】
合意はまた、以下を含むRRCにおける、ハンドオーバコマンドのコンテンツにも関連し得る。
【0208】
1.前記NR RRC仕様は、Xnハンドオーバ要求承認メッセージの一部として、前記ターゲットgNBから前記ソースgNBに送信されるトランスペアレントRRCコンテナ(LTEのハンドオーバコマンドメッセージと同様)を定義する。
【0209】
2.LTEにおけるように、前記ハンドオーバコマンドは、前記ターゲットgNBによって完全に生成されるべきである。FFSにおいては、これについて例外が存在する可能性がある(例えば、もしサポートされていれば、LTEのMBB拡張と同様のMBB拡張)。
【0210】
3.前記mobilityControlInfoは、少なくとも前記ターゲット物理セル識別子(またはRAN1によって定義される同等物)、前記キャリア周波数、前記T304様タイマー、および前記新しいUE識別子(C-RNTIタイプの識別子)を含むことができる。
【0211】
4.RAN2の理解は、前記ターゲットセル内のビームについての前記共通RACH設定は、前記SSブロックにのみ関連付けできるということである。
【0212】
5.RAN2の理解は、前記ネットワークが前記SSブロックに関連付けられた専用RACH設定を有し、および/またはセル内のCSI-RSに関連付けられた専用RACH設定を有し得るということである。FFSにおいて、前記ターゲットgNBは任意に、前記mobilityControlInfoに前記共通RACH設定を含めることができる。含められない場合、前記UEは、前記ソースセルの共通RACH設定を引き続き使用する。
【0213】
6.前記ターゲットgNBは、前記UEが前記ターゲットセルにアクセスできるようにするために、以下のRACH設定のうちの1つを前記モビリティ制御情報に含めることができる。i/共通RACH設定、ii/共通RACH設定+SSブロックに関連する専用RACH設定。またはiii/共通RACH設定+CSI-RSに関連付けられた専用RACH設定。(上記FFSに基づいて、共通RACHがオプションであると結論付けられたときに修正されるべきオプションのリスト。)(前記mobilityControlInfoの中に、SS-Blockに関連付けられた専用RACH設定およびCSI-RSに関連付けられた専用RACH設定を同時に含めることはサポートされない)。FFSとして、専用RACHが故障したときに、共通RACHを使用するフォールバック手順があるかどうか。
【0214】
合意は、以下のようにR2-99bにも関連し得る。
【0215】
1.関連するNR-SSまたはCSI-RSで測定されたビーム品質が閾値を超える場合、専用のRACHリソース(もし提供されれば)が優先される。共通のNR-SS閾値と専用のNR-SS/CSI-RS閾値は、必要に応じて、ハンドオーバコマンドにおいて設定される。
【0216】
専用RACHリソースにアクセスする順序は、UEの実装次第である。
【0217】
RACHを含むハンドオーバおよびPSCellの変更に関する合意には、以下が含まれる。
【0218】
上記で指定された品質閾値を満たす専用RACHリソースがある場合、前記UEは、競合ベースのRACHリソースに切り替えてはならない。
【0219】
ここでは、T304およびT307におけるLTEと同じ挙動が提供される。
【0220】
<測定レポート>
一実施形態では、報告するための「x」個のSSベースの最良のビームの選択について説明する。事例1では、SSベースのイベント、例えばSS信号の測定によってトリガーされるイベントA1~A6について説明する。SSベースのビームの場合、UEは、最適なビームとして測定レポートに含められるx個の最適なビームと、設定された絶対閾値を超える最大x-1個の最適なビームを選択する。前記絶対閾値は、1つまたは2つの測定量(RSRP閾値とRSRQ閾値)に基づくことができる。前記x個の最良のビームは、前記セル品質の導出に使用されるビームのサブセットであり得る。更なる詳細を以下に示す。
【0221】
1.設定された閾値がRSRPのみであれば、前記UEは、最良のビームと、設定された絶対閾値を超えるx-1個以下の、次に最大のx-1以下のRSRP値を有するビームを選択する。この場合、前記最良のビームは、測定されたRSRP値が最も高いビームである。同順位競合は次のように解決される。一実施形態において、前記UEは、ビームbiとビームbjの間でランダムな順位付けを実行する。或いは、前記UEは、2つの関連付けられたビーム間において、設定された絶対閾値を超える品質を持った最大数のCSR-RSベースのビームを備えたビームをより良いビームとして選択し、より高い順位のビーム、即ち、より良いビームと看做す。CSI-RSベースの品質評価の数量は、RSRP、RSRQ、またはその両方であり得る。
【0222】
2.前記設定された閾値がRSRQのみであれば、前記UEは、最良のビームと、次のx-1の最大RSRQ値を有するx-1個以下のビームとを選択する。この場合、前記最良のビームは、測定された最も高いRSRQ値を備えたビームである。同順位競合は次のように解決される。一実施形態において、前記UEは、ビームbiとbjの間でランダムな順位付けを実行する。或いは、2つの関連付けられたビーム間において、前記UEはより良いビームとして、品質が設定された絶対閾値を超える最大数のCSR-RSベースのビームを有するビームを選択し、これはより高い順位、即ち、より良いビームと看做される。CSI-RSベースの品質評価のための前記量は、RSRP、RSRQ、またはその両方であり得る。
【0223】
3.前記設定された閾値がRSRP閾値およびRSRQ閾値の両方を有する場合、前記UEは、報告するx個の最良のビームの選択のために、以下の基準を適用し得る。
【0224】
a.前記UEは、セル品質の評価に使用されるN個のビームを次のように順位付けする。RSRP(bi)≧RSRP(bj)、およびRSRQ(bi)≧RSRQ(bj)の場合、ビームbiはビームbjよりも良好である。最良のビームは、最高順位のビームである。次に、前記UEは、RSRP量およびRSRQ量の両方の点で設定された閾値を超える品質を持った、前記次の順位のx-1個以下の最高順位のビームとして、残りのx-1個以下の最良のビームを選択する。ビームbiとビームbjの間に順位付けの同順位競合があるシナリオに対処するために、次のように同順位競合を定義する。
【0225】
b.ビームbiおよびbjは、次の状況の何れかに従って、上記で定義された順位付けについて同順位競合にある。RSRP(bi)=RSRP(bj)およびRSRQ(bi)=RSRQ(bj)、またはRSRP(bi)>RSRP(bj)およびRSRQ(bi)<RSRQ(bj)、またはRSRP(bi)<RSRP(bj)およびRSRQ(bi)>RSRQ(bj)。
【0226】
c.前記UEは、次のアプローチの1つ以上を使用して当該同順位競合を解決し得る。
【0227】
(i)一実施形態において、前記UEは、以下のような二次的順位付け基準で構成されてよい。RSRP(bi)>RSRP(bj)であれば、ビームbiはビームbjよりも高く順位付けされる、即ち、ビームbiはビームbjよりも良好なビームである。代替基準においては、RSRQ(bi)>RSRQ(bj)であれば、ビームbiがビームbjよりも高く順位付けされ得る。
【0228】
(ii)別の実施形態において、前記UEはbiとbjとの間、または2つのビームの間でランダムな序列付けを実行し、前記UEはより良好なビームを選択し、設定された絶対閾値を超える品質を持ったCSR-RSベースの最大数のビームがより高い順位、即ち、より良好なビームと看做される。CSI-RSベースの品質評価のための数量は、RSRP、RSRQ、またはその両方であり得る。
【0229】
事例2では、CSI-RSに基づくイベント、例えば、CSI-RSの測定によりトリガーされるイベントA1~A6が説明される。一実施形態において、前記UEは、前記測定レポートに含めるために、以下のようにしてx個のSSベースの最良のビームを選択した。
【0230】
1.最初に、前記UEは、事例1について上述した手順に従って、y個のCSI-RSベースのベストビームを選択する。前記パラメータyは、前記測定レポートに含まれるCSI-RSベースのベストビームの設定された数であり得る。
【0231】
2.前記UEは、報告するためのx個以下の最良のSSベースのビームとして、前記「y」個以下のCSI-RSベースの最良のビームに対応するSSベースのビーム、即ち、「x」個以下のSSベースのビームを選択する。これには、狭ビームとして上記で選択した、前記「y」個以下の最良のCSI-RSベースのビームが含まれる。
【0232】
更に別の実施形態において、前記UEは、事例1で説明した手順を使用して、前記測定レポートに含めるための、「x」個以下のSSベースの最良のビームを選択することができる。
【0233】
前記ネットワークによって設定される場合、即ち、ネットワーク設定に従う場合、前記UEは、測定を報告する目的のために選択された前記x個のSSに基づく最良ビームに対応したx個のSSブロックを、前記測定レポートに含める。
【0234】
更に別の実施形態では、CSI-RSに関連する前記「y」個の最良のビームの選択が説明される。事例1では、CSI-RSベースのイベント、例えば、CSI-RSの測定によってトリガーされるイベントA1~A6について説明する。CSI-RSベースのビームについて、前記UEは、最良のビームとして測定レポートに含めるべき前記y個の最良のビーム、および設定された絶対閾値を超える前記y-1個以下の最良ビームを選択する。前記絶対閾値は、1つまたは2つの測定量(RSRP閾値とRSRQ閾値)に基づき得る。前記y個の最良のビームは、前記セル品質の導出に使用されるビームのサブセットであり得る。更なる詳細を以下に示す。
【0235】
1.前記設定された閾値がRSRPのみであれば、前記UEは、前記最良のビームと、設定された絶対閾値を超える次のy-1の最大RSRP値を有するy-1個以下のビームを報告する。この場合、前記最良のビームは、測定されたRSRP値が最も高いビームである。前記UEは、ビームbiとビームbjとの間でランダムな順位付けを実行することにより、同順位競合を解決する。
【0236】
2.設定された閾値がRSRQのみの場合、UEは最適なビームと、次の順位のy-1個の最大RSRQ値を持つy-1個以下のビームを報告する。この場合、前記最良のビームは、測定されたRSRQ値が最も高いビームである。UEは、ビームbiとビームbjの間でランダムな順位付けを実行することにより、同順位競合を解決する。
【0237】
3.設定された閾値がRSRP閾値とRSRQ閾値の両方を有する場合、前記UEは、報告するy個の最良ビームの選択のために、以下の基準を適用し得る。
【0238】
a.前記UEは、前記セル品質の評価に使用されるN個のビームを次のように順位付けする。RSRP(bi)≧RSRP(bj)およびRSRQ(bi)≧RSRQ(bj)の場合、ビームbiはビームbjよりも良好である。最良のビームは、最高順位のビームである。次に、前記UEは、RSRP量とRSRQ量の両方の点で設定された閾値を超える品質を持つ、前記次のy-1の最高順位のビームとして、残りのy-1個以下の最良のビームを選択する。ビームbiとビームbjの間の順位付けについて同順位競合があるシナリオに対処するために、次のように同順位競合を定義する。
【0239】
b.ビームbiおよびビームbjは、次の状況の何れかに従って、上記で定義された順位付けについて同順位競合にある。RSRP(bi)=RSRP(bj)およびRSRQ(bi)=RSRQ(bj)、またはRSRP(bi)>RSRP(bj)およびRSRQ(bi)<RSRQ(bj)、またはRSRP(bi)<RSRP(bj)およびRSRQ(bi)>RSRQ(bj)。
【0240】
c.前記UEは、次のアプローチの1つ以上を使用して同順位競合を解決し得る。
【0241】
(i)一実施形態において、前記UEは、以下の二次順位付け基準を用いて設定されてもよい。即ち、RSRP(bi)>RSRP(bj)の場合、ビームbiはビームbjよりも高く順位付けされる、即ち、ビームbiはビームbjよりも良好である。代替基準においては、RSRQ(bi)>RSRQ(bj)の場合に、ビームbiはビームbjよりも高く順位付けされ得る。
【0242】
(ii)別の実施形態において、前記UEは、ビームbiおよびビームbjの間のランダムな順位付けを実行することにより、同順位競合を解決する。
【0243】
事例2に従って、SSベースのイベント、例えば、SS信号の測定によりトリガーされるイベントA1~A6を説明する。一実施形態において、前記UEは、以下のようにして前記測定レポートに含めるべき前記y個のCSI-RSベースの最良のビームを選択した。
【0244】
1.最初に、前記UEは上述の手順に従って、前記x個のSSベースの最良のビームを選択する。前記パラメータxは、前記測定レポートに含められるSSベースの最良ビームの設定された数である。
【0245】
2.次に、前記UEは、報告するための前記「y」個以下の最良のCSI-RSベースのビームとして、前記x個以下の最良のSSベースの最良のビームに対応する前記CSI-RSベースのビーム、即ち、前記「y」個以下のCSI-RSベースのビームを選択し、これは前記選択された最良のSSベースの狭ビームである。
【0246】
別の実施形態において、前記UEは、この節の事例1で説明した手順を使用して、前記測定レポートに含めるための前記y個以下のCSI-RSベースの最良のビームを選択し得る。
【0247】
別の実施形態によれば、前記ネットワークによって設定される場合、即ち、ネットワーク設定に従えば、前記UEは、測定報告目的のための前記選択されたy個のCSI-RSベースの最良のビームに対応する前記y個のCSI-RSリソースを、前記測定報告に含める。
【0248】
<PRACHリソース選択>
別の態様によれば、例えば前記ハンドオーバコマンドなどの専用シグナリングを介して、またはブロードキャスト信号を介して、前記ネットワークによって設定された専用および/または共通の一組のPRACHリソースから、前記ターゲットセルへのアクセスに使用されるPRACHリソースを最適に選択するソリューションが提案される。
【0249】
PRACHリソース選択は、最初のMsg1送信およびその後のMsg1送信の前に実行される。前記UEがバックオフインジケータ(Backoff Indicator:BI)サブヘッダーを含むランダムアクセス応答(Random Access Response:RAR)を受信した場合、または前記ランダムアクセス手順が正常に完了しなかった場合に、後続のMsg1送信が生じ得る。例えば、前記選択されたPRACHに関連付けられ、且つ前記送信されたPREAMBLE_INDEXに対応するランダムアクセスプリアンブル識別子を含んだ、RA-RNTIによって識別されるランダムアクセス応答(RAR)がRARウィンドウの際に受信されなかった場合である。
【0250】
NRについては、前記専用RACH設定のための前記パラメータは、以下に示されるようなNR-RACH-ConfigDedicated IEを使用して、前記ハンドオーバコマンドにおいてシグナリングされてよい。前記プリアンブル指数およびPRACHマスク指数パラメータに加えて、我々は、前記専用PRACHリソースに関連付けられたDLビームのIDのパラメータを含めることを提案する。SSブロックIDまたはCSI-RS設定IDパラメータの何れかが存在することが必要とされる。両方のパラメータが存在することも可能である。前記CSI-RS設定のIDパラメータが存在するならば、前記CSI-RS設定に関連付けられたPRACH設定もまた存在し得る。
【0251】
【数3】
【0252】
【表4】
【表5】
【0253】
異なるプリアンブル指数およびPRACHマスク指数パラメータが各ビームに関連付けられ得るような、代替のNR-RACH-ConfigDedicated IEを以下に示す。
【0254】
【数4】
【0255】
同じプリアンブル指数およびPRACHマスク指数パラメータが各ビームに関連付けられ得るような、代替のNR-RACH-ConfigDedicated IEを以下に示す。
【0256】
【数5】
【0257】
【数6-1】
【数6-2】
【0258】
NRの場合、ターゲットセルの共通RACH設定のパラメータは、以下に示されるようなNR-RACH-ConfigCommon IEを使用して、ハンドオーバコマンドにおいてシグナリングされてもよい。共通RACH設定がハンドオーバコマンドにおいてシグナリングされないシナリオでは、以下に示すNRについて定義されたSI取得方法を使用して、ターゲットセルの前記共通RACH設定を決定し得る。
【0259】
(i)ターゲットセルからのSIブロードキャストを読み取ることによって、ターゲットセルの共通RACH設定を取得することができる。
【0260】
(ii)ターゲットセルの共通RACH設定は、ターゲットセルに有効な保存されたSIから取得することができる。
【0261】
(iii)ターゲットセルとソースセルが同じSIエリアの一部である場合、ターゲットセルの共通RACH設定は、ソースセルの共通RACH設定と同じであると想定することができる。
【0262】
【数7】
【0263】
図8は、PRACHリソース選択に使用され得るモデルを示している。このモデルへの入力には、ターゲットセルの検出されたビーム、アルゴリズムの設定に使用される閾値および選択基準が含まれる。前記モデルの出力は、ターゲットセルへのアクセスに使用されるPRACHリソースである。
【0264】
前記PRACHリソース選択モデルは2つの主要な機能、即ち、適合性チェック機能ならびにビームおよびPRACHリソース選択機能から構成される。
【0265】
前記適合性チェック機能は、前記ターゲットセルの検出されたビームの何れがランダムアクセスを実行するのに適しているかを決定する。ビームの適合性は品質閾値に基づいてもよく、ここでの前記閾値はブロードキャストおよび/または専用シグナリングを介して、前記ネットワークによって指定または設定されてよい。前記ネットワークによって前記閾値が設定される実施形態の場合、当該閾値は、NR-RACH-ConfigCommon IEまたはNR-RACH-ConfigDedicated IEにおいてシグナリングされてよい。或いは、PRACHリソース選択に使用される前記閾値は、セルの(再)選択またはRRM測定のために実行される前記セル品質誘導のためのビーム選択の実行に使用される閾値と同じであり得るであろう。一実施形態において、前記閾値はRSRPに基づいている。即ち、前記閾値以上の対応するRSRP測定値で検出されたビームは適切であると看做される。或いは、前記閾値は、RSRQ、SINR、推定DLまたはULのデータレート、CQI、またはNRについて定義された他の測定量に基づいてもよい。
【0266】
全てのビームの適合性を決定するときに、前記同じ閾値を使用することができる。或いは、前記ビームの特性に応じて、別個の閾値値を使用することもできる。例えば、前記ビームに使用される閾値は、当該ビームに関連付けられたリソースのタイプに依存する場合があり、それにより、適切なビームの選択を特定タイプのリソースに関連付けられたビームに偏らせることが可能である。一実施形態において、SSブロックに関連するビームには第1の閾値、例えばSSB閾値を使用することができ、またCSI-RS設定に関連するビームには第2の閾値、例えばCSI-RS閾値を使用することができる。別の実施形態では、専用PRACHリソースに関連するビームに第1の閾値を使用することができ、また共通PRACHリソースに関連するビームには第2の閾値を使用することができる。ビームが複数タイプのリソースに関連付けられているときに何れの閾値を使用するかを決定するために、ルールを指定できる。例えば、ビームが複数タイプのリソースに関連付けられていれば、最小値の閾値を使用できる。別の例において、ビームが専用および共通PRACHリソースに関連付けられているならば、専用PRACHリソースに関連付けられたビームのために使用される前記閾値を使用できる。
【0267】
別の実施形態では、ビームの適合性を決定するときにビーム固有のオフセットが適用され、それにより、適切なビームの選択を特定のビームまたはビーム群に偏らせることができる。例えば、好ましくない前記ビームは、前記好ましいビームのために設定されたオフセットよりも小さいオフセットを用いて設定され、それにより、前記好ましくないビームの品質は、それらが適合性チェックに合格するために、前記好ましいビームよりも優れていることが要求される。前記ビーム固有のオフセットは、前記適切なビームを順位付けするときにも使用することもでき、それにより前記好ましいビームをより高く順位付けすることが可能になる。
【0268】
別の実施形態では、適合性チェック機能が無効化されるので、前記検出されたビームに対して、前記ビームおよびPRACHリソース選択機能を実行することができる。前記提案されたモデルでは、検出された全部のビームが前記適合性チェックに合格するように、前記適合性閾値を任意の低い値に設定することによってこれを達成できる。
【0269】
何れのビームも閾値を満たさないシナリオでは、前記PRACHリソース選択は成功しなかったと看做され、適切なビーム検出が失敗したことの指摘がより高い層に送信され得る。或いは、何れのビームも前記閾値を満たさなければ、前記UEは、当該UEがRACHプリアンブルの前記目標受信電力をその最大送信電力に適合させることを可能にする任意のビームを、適切なビームとして考慮し得る。更に別の代替案において、適切なビームが見つからない場合は、前記UEは、可能であれば専用RACHリソースに関連付けられた検出されたビームの中から前記最適なビームを選択するか、または可能であれば前記共通RACHリソースに関連付けられた前記検出されたビームの中から前記最良のビームを選択するか、または単純に、全ての検出されたビームの中の前記最良のビームを選択すればよい。
【0270】
別途に、前記ビームおよびPRACHリソース選択機能は、前記適切なビームに関連付けられた一組のPRACHリソースから、何れのPRACHリソースを選択するかを決定する。この選択基準は、前記ビームとPRACHリソースの選択方法を制御するために使用される。当該選択基準は、ブロードキャストおよび/または専用シグナリングを介して、前記ネットワークによって指定および/または設定することができる。前記PRACHリソースを選択するときに、以下のうちの1つ以上が考慮され得る。即ち、(i)前記PRACHリソース、例えばRSRP、RSRQ、SINRまたはCQIに関連するビームの測定量、(ii)当該ビームに関連付けられたRSのタイプ、例えばSSまたはCSI-RS、(iii)PRACHリソースのタイプ、例えば、専用または共通、(iv)前記PRACHリソースが使用する時間/周波数(T/F)リソースである。なお、PRACHリソースを含む前記NR-UNITは、サブフレーム、TTI、スロット、ミニスロット、シンボル、またはNRのために定義された他の時間単位であることに留意されたい。
【0271】
以下の図に示されるように、前記PRACHリソース選択モデルは、前記RRM測定モデルと統合されてよい。図9は、前記PRACHリソース選択モデルへの入力が、L3ビームフィルタリング後のビーム測定値に対応する実施形態である。図10Aは、PRACHリソース選択モデルへの入力が、前記L3ビームフィルタリング前のビーム測定値に対応する代替実施形態である。図10Bは、前記PRACHリソース選択モデルへの入力が、前記L2ビームフィルタリング後のビーム測定値に対応する更に別の実施形態であり、前記L2フィルタは、UE実装特有であるか、または前記ネットワークによって、例えばRRCシグナリング経由で設定され得る。
【0272】
以下のセクションでは、上記で提案したモデルに基づいて、PRACHリソース選択を実行するための代替ソリューションを提案する。一部または全部の設定パラメータ/選択基準を前記ネットワークを介して設定可能にすることにより、前記提案されたPRACHリソース選択機能を、NRで考慮される様々な展開シナリオおよび使用事例のために最適化できる。
【0273】
以下の手順の説明において別段の指示がない限り、前記gNBが前記ハンドオーバコマンドに専用RACHリソースを含んでいるならば、対応するビームが適切であれば、前記UEは最初に前記専用RACHリソースを使用しようとする。前記gNBが、前記ハンドオーバコマンドの中にダウンリンクビーム情報(SSベースのビームまたはCSI-RSベースのビーム)を含むが、ダウンリンクビームの何れにも対応する専用RACHリソースを含まない場合、前記UEは、前記設定された共通RACHリソースからRACHリソースを選択することによって、ランダムアクセス手順を実行すべきである。
【0274】
以下の手順の説明において、次の用語は交換可能に使用され得る。即ち、(i)「専用PRACHリソース」と「競合のないRAリソース」、(ii)「共通PRACHリソース」と「競合ベースのRAリソース」、(iii)「PRACHの機会」と「PRACHの場合」である。
【0275】
代替の実施形態によれば、前記「最良の」ビームに関連付けられた前記PRACHリソースの組から、前記ターゲットセルへのアクセスに使用される前記PRACHリソースを選択することが想定される。前記「最良の」ビームが専用および共通PRACHリソースに関連付けられていれば、前記PRACHリソースは前記専用PRACHリソースの組から選択される。次に利用可能なPRACH機会を含む前記NR-UNITは、サブフレーム、TTI、スロット、ミニスロット、シンボル、またはNRについて定義された他の時間単位である。図11に、前記提案されたPRACHリソースの選択手順のステップを示すフローチャートを示す。下記に開示する以下のステップがアラビア数字で示される。
【0276】
1.前記UEは、上述の方法を使用して、前記ターゲットセルの検出されたビームのうち、何れがランダムアクセスを実行するのに適しているかを決定する。単一の閾値を使用して、前記検出されたビームの適合性を判断できる。前記閾値は、ビームをランダムアクセスに使用するために必要な最小品質に対応する値に設定すればよい。複数の閾値を使用してよく、その場合、与えられた閾値は前記ビームに関連付けられた基準信号の種類に依存する。例えば、第1の閾値、例えばSSB閾値は、SSブロックおよび第2の閾値に関連付けられたビームに使用でき、例えばCSI-RS閾値は、CSI-RS設定に関連付けられたビームのために使用できる。何れのビームも前記閾値を満たさなければ、前記UEは、当該UEがRACHプリアンブルの目標受信電力をその最大送信電力に適合させることを可能にする任意のビームを、適切なビームと看做すことができる。或いは、適切なビームが見つからない場合、前記UEは、もし可能であれば専用RACHリソースに関連付けられた検出ビームの中から前記最良のビームを選択し、または前記共通RACHリソースに関連付けられた検出ビームの中から前記最良のビームを選択し、または単純に、検出された全てのビームの中の前記最良のビームを選択できる。最小品質が必要ないならば、検出された全てのビームが適合性チェックに合格するように、前記閾値を任意の低い値に設定できる。
【0277】
2.適切なビームが存在しなければ、前記PRACHリソース選択は不成功と看做され、前記手順は終了する。この失敗の表示は、上位層に送信され得る。或いは、適切なビームが見つからない場合、前記UEは、可能であれば専用RACHリソースに関連付けされた前記検出されたビームの中から前記最良のビームを選択でき、または可能であれば共通RACHリソースに関連付けされた前記検出されたビームの中から前記最良のビームを選択でき、または単純に、検出された全てのビームの中で前記最良のビームを選択できる。更に別の代替方法では、PRACHリソースの選択が不成功と看做される前に、前記UEは測定を実行し続けて、前記適合性チェックを複数回反復することができる。この手順の反復はカウンタを使用して制御でき、それにより前記手順をN回まで反復することができる。別の実施形態において、前記手順の反復はタイマーを使用して制御されてよく、前記タイマーが切れるまで前記手順が繰り返されてよい。更に別の実施形態において、前記手順の反復はカウンタおよびタイマーによって制御され、それにより、前記タイマーが切れる前に前記手順をN回まで繰り返すことができる。
【0278】
3.「最良の」ビーム、例えば最大のRSRPを有するビームは、一組の適切なビームから選択される。
【0279】
4.前記UEは、前記選択されたビームに関連付けられた専用PRACHリソースがあるかどうかを判定する。前記UEは、専用シグナリングを使用して、例えば前記ハンドオーバコマンドを介して送信された前記NR-RACH-ConfigDedicated IEを使用して、ビームと専用PRACHリソースとの間の関連付けを通知されることができる。
【0280】
5.前記選択されたビームが専用PRACHリソースに関連付けられるならば、前記UEは、前記選択されたビームに関連付けられた専用PRACHリソースの組からPRACHリソースを選択し、前記PRACHリソース選択は成功したと看做され、手順は終了する。それ以外の場合、前記手順は次のステップへと進む。前記ビームに関連付けられた専用PRACHリソースの組が複数の専用PRACHリソースを含む場合、前記UEは、前記PRACHリソースをランダムに選択してよい。或いは、選択を行う際に、前記UEは、前記専用PRACHリソースのT/F設定を考慮に入れることができる。例えば、前記ビームが異なる時間に発生する複数のPRACHリソースに関連付けられるのであれば、前記UEにとっては、そのPRACH機会が次に生じるPRACHリソースを選択することが有利であり得る。
【0281】
6.前記UEは、前記ビームに関連する前記共通PRACHリソースの組から1つの共通PRACHリソースを選択し、前記PRACHリソース選択は成功したと看做され、当該手順は終了する。前記ビームに関連付けられた前記共通PRACHリソースの組が複数の共通PRACHリソースを含む場合、前記UEは、PRACHリソースが複数の専用PRACHリソースを含む組から選択される場合について説明したようにして、例えば、共通PRACHリソースのT/F設定に基づいてランダムに、前記ビームを選択してよい。
【0282】
代替実施形態によれば、前記「最良の」ビームに関連付けられたPRACHリソースの組から、前記ターゲットセルへのアクセスに使用される前記PRACHリソースを選択するための技術が想定され、ここでは、前記専用PRACHリソースに関連付けられた適切なビームの組から選択するために前記「最良の」ビームが最初に試行され、そのようなビームが存在しなければ、前記共通PRACHリソースに関連する適切なビームの組から前記「最良の」ビームが選択される。次に利用可能なPRACH機会を含む前記NR-UNITは、サブフレーム、TTI、スロット、ミニスロット、シンボル、またはNRのために定義された他の時間単位である。図12には、提案されているPRACHリソース選択手順のステップをアラビア数字で示すフローチャートが示されている。
【0283】
1.前記UEは、前記ターゲットセルの検出されたビームのうち何れが、上述の方法を使用してランダムアクセスを実行するのに適しているかを決定する。単一の閾値を使用して、前記検出されたビームの適合性を判断できる。前記閾値は、ランダムアクセスのためにビームを使用することが要求される最小品質に対応した値に設定され得る。複数の閾値を使用することができ、ここでの与えられた閾値は、前記ビームに関連付けられた基準信号のタイプに依存する。例えば、第1の閾値(例えば、SSB閾値)はSSブロックに関連付けられたビームについて使用でき、また第2の閾値(例えばCSI-RS閾値)は、CSI-RS設定に関連付けられたビームについて使用できる。何れのビームも前記閾値を満たさないならば、前記UEは、当該UEがRACHプリアンブルの目標受信電力をその最大送信電力に適合させることを可能にする任意のビームを、適切なビームと看做すことができる。或いは、適切なビームが見つからないならば、前記UEは、もし可能であれば専用RACHリソースに関連付けられた前記検出されたビームの中から前記最良のビームを選択し、または前記共通RACHリソースに関連付けられた検出ビームの中から最良のビームを選択し、または単純に、検出された全てのビームの中の前記最良のビームを選択できる。最小品質が必要ない場合は、検出された全てのビームが適合性チェックに合格するように、閾値を任意の低い値に設定できる。
【0284】
2.適切なビームが存在しなければ、PRACHリソース選択は不成功と看做され、前記手順は終了する。この失敗の表示は上位層に送信され得る。或いは、適切なビームが見つからない場合、前記UEは、可能であれば専用RACHリソースに関連付けられた前記検出されたビームの中から前記最良のビームを選択でき、または可能であれば前記共通RACHリソースに関連付けられた前記検出されたビームの中から前記最良のビームを選択でき、または単純に、検出された全てのビームの中で前記最良のビームを選択できる。更に別の代替方法では、PRACHリソースの選択が不成功と看做される前に、前記UEは測定を実行し続けて、前記適合性チェックを複数回反復することができる。この手順の反復はカウンタを使用して制御でき、それにより前記手順をN回まで反復することができる。別の実施形態において、前記手順の反復はタイマーを使用して制御されてよく、前記タイマーが切れるまで前記手順が繰り返されてよい。更に別の実施形態において、前記手順の反復はカウンタおよびタイマーによって制御され、それにより、前記タイマーが切れる前に前記手順をN回まで繰り返すことができる。
【0285】
3.前記UEは、前記適切なビームの組に関連付けられた専用PRACHリソースが存在するかどうかを判断する。前記UEは、専用シグナリングを使用して、例えばハンドオーバコマンドを介してシグナリングされたNR-RACH-ConfigDedicated IEを使用して、ビームと専用PRACHリソースとの間の関連付けを通知されることができる。
【0286】
4.専用PRACHリソースに関連付けられた適切なビームが存在するならば、前記「最良の」ビーム、例えば最大のRSRPを有するビームが、専用PRACHリソースに関連付けられた前記適切なビームの組から選択され、前記手順は次のステップを用いて続けられる。そうでなければ、前記次のステップはスキップされる。
【0287】
5.前記UEは、前記選択されたビームに関連付けられた前記専用PRACHリソースの組からPRACHリソースを選択し、前記PRACHリソース選択は成功したと看做されて、前記手順は終了する。前記ビームに関連付けられた専用PRACHリソースの組が複数の専用PRACHリソースを含んでいれば、前記UEは、前記PRACHリソースをランダムに選択してよい。或いは、前記選択を行う際に、前記UEは前記専用PRACHリソースのT/F設定を考慮に入れることができる。例えば、前記ビームが異なる時間に発生する複数のPRACHリソースに関連付けられるのであれば、そのPRACH機会が次に生じるPRACHリソースを選択することが、前記UEにとって有利である可能性がある。
【0288】
6.前記UEは、前記選択されたビームに関連付けられた前記共通PRACHリソースの組から1つの共通PRACHリソースを選択し、PRACHリソース選択は成功したと看做され、当該手順は終了する。前記ビームに関連付けられた前記共通PRACHリソースの組が複数の共通PRACHリソースを含む場合、前記UEは、前記PRACHリソースが複数の専用PRACHリソースを含む組から選択される場合について説明したようにして、例えば、前記共通PRACHリソースのT/F設定に基づいてランダムに、前記ビームを選択してよい。
【0289】
なお更なる代替実施形態によれば、そのPRACH機会が次に生じる前記適切なビームに関連付けられたPRACHリソースの組から、前記ターゲットセルへのアクセスに使用されるPRACHリソースを選択することが想定される。前記ビームが専用および共通PRACHリソースに関連付けられている場合、前記PRACHリソースは前記専用PRACHリソースの組から選択される。次に利用可能なPRACH機会を含むNR-UNITは、サブフレーム、TTI、スロット、ミニスロット、シンボル、またはNRのために定義された他の時間単位である。提案されているPRACHリソース選択手順のステップをアラビア数字で示すフローチャートが、図13に示されている。
【0290】
1.前記UEは、前記ターゲットセルの前記検出されたビームのうちで、何れが上述の方法を使用してランダムアクセスを実行するのに適しているかを決定する。例えば、単一の閾値を使用して、前記検出されたビームの適合性を判断できる。前記閾値は、ランダムアクセスにビームを使用するために必要な前記最小品質に対応した値に設定できる。複数の閾値を使用することができ、ここでの特定の閾値は、前記ビームに関連付けられた基準信号のタイプに依存する。例えば、第1の閾値(例えば、SSB閾値)はSSブロックに関連付けられたビームについて使用でき、また第2の閾値(例えばCSI-RS閾値)は、CSI-RS設定に関連付けられたビームについて使用できる。何れのビームも前記閾値を満たさないならば、前記UEは、当該UEがRACHプリアンブルの前記目標受信電力をその最大送信電力に適合させることを可能にする任意のビームを、適切なビームと看做すことができる。或いは、適切なビームが見つからないのであれば、前記UEは、もし可能であれば専用RACHリソースに関連付けられた前記検出されたビームの中から前記最良のビームを選択し、または共通RACHリソースに関連付けられた前記検出されたビームの中から前記最良のビームを選択し、または単純に、検出された全てのビームの中の前記最良のビームを選択できる。最小品質が必要ない場合は、検出された全てのビームが前記適合性チェックに合格するように、前記閾値を任意の低い値に設定できる。
【0291】
2.適切なビームが存在しなければ、前記PRACHリソース選択は不成功と看做され、前記手順は終了する。この失敗の表示は上位層に送信され得る。或いは、適切なビームが見つからない場合、前記UEは、可能であれば専用RACHリソースに関連付けられた前記検出されたビームの中から前記最良のビームを選択でき、または可能であれば共通RACHリソースに関連付けられた前記検出されたビームの中から前記最良のビームを選択でき、または単純に、全ての検出されたビームの中で前記最良のビームを選択できる。更に別の代替方法では、PRACHリソースの選択が不成功と看做される前に、前記UEは測定を実行し続けて、前記適合性チェックを複数回反復することができる。この手順の反復はカウンタを使用して制御でき、それにより前記手順をN回まで反復することができる。別の実施形態において、前記手順の反復はタイマーを使用して制御されてよく、前記タイマーが切れるまで前記手順が繰り返されてよい。更に別の実施形態において、前記手順の反復はカウンタおよびタイマーによって制御され、それにより、前記タイマーが切れる前に前記手順をN回まで繰り返すことができる。
【0292】
3.前記UEは、前記次のPRACH機会に対応するPRACHリソースに関連付けられたビームを選択する。一実施形態において、前記次のPRACH機会に関連付けられた複数の適切なビームが存在する場合に、前記UEは、前記次のPRACH機会に関連付けられた適切なビームの1つの選択をもたらす任意の方法を使用して、前記ビームを選択し得る。例えば、前記UEは専用PRACHリソースに関連付けられたビームを選択でき、前記UEは前記「最良の」ビーム、例えば最大のRSRPを持つビームを選択でき、または前記UEは、次のPRACH機会に関連付けられた前記適切なビームの組から1つのビームを等しい確率でランダムに選択できる。
【0293】
4.前記UEは、前記選択されたビームに関連付けられた専用PRACHリソースが存在するかどうかを判断する。前記UEは、専用シグナリングを使用して、例えば前記ハンドオーバコマンドを介してシグナリングされたNR-RACH-ConfigDedicated IEを使用して、ビームと専用PRACHリソースとの間の関連付けを通知されることができる。
【0294】
5.前記選択されたビームが専用PRACHリソースに関連付けられていれば、前記UEは、前記選択されたビームに関連付けられた専用PRACHリソースの組からPRACHリソースを選択し、前記PRACHリソース選択は成功したと看做され、前記手順は終了する。そうでなければ、前記手順は次のステップへと進む。前記ビームに関連付けられた専用PRACHリソースの組に複数の専用PRACHリソースが含まれる場合、前記UEは、そのPRACH機会が次に生じるPRACHリソースを選択する。
【0295】
6.前記UEは、前記ビームに関連付けられた共通PRACHリソースの組から1つの共通PRACHリソースを選択し、前記PRACHリソース選択は成功したと看做され、当該手順は終了する。前記ビームに関連付けられた前記共通PRACHリソースの組が複数の共通PRACHリソースを含む場合、前記UEは、そのPRACH機会が次に発生するPRACHリソースを選択する。複数の共通PRACHリソースが、前記ビームに関連付けられた次のPRACH機会のために設定される場合、前記UEは、前記次のPRACH機会のために設定された前記共通PRACHリソースの組から1つのPRACHを、等確率でランダムに選択できる。
【0296】
なお更なる代替実施形態によれば、そのPRACH機会が次に生じる前記適切なビームに関連付けられたPRACHリソースの組から、前記ターゲットセルへのアクセスに使用されるPRACHリソースを選択することが想定され、ここでの前記ビームは、専用PRACHリソースに関連付けられた前記適切なビームの組から選択されるように最初に試行され、そのようなビームが存在しなければ、前記ビームは共通PRACHリソースに関連付けられた前記適切なビームの組から選択される。次に利用可能なPRACH機会を含むNR-UNITは、サブフレーム、TTI、スロット、ミニスロット、シンボル、またはNRのために定義された他の時間単位であり得る。図14には、提案されたPRACHリソース選択手順のステップをアラビア数字で示すフローチャートが示されている。
【0297】
1.前記UEは、前記ターゲットセルの検出されたビームのうちで、何れが上述の方法を使用してランダムアクセスを実行するのに適しているかを決定する。例えば、単一の閾値を使用して、前記検出されたビームの適合性を判断できる。前記閾値は、ランダムアクセスのためにビームを使用するのに必要とされる最小品質に対応した値に設定できる。複数の閾値を使用することができ、ここでの与えられた閾値は、前記ビームに関連付けられた基準信号のタイプに依存する。例えば、第1の閾値(例えば、SSB閾値)はSSブロックに関連付けられたビームについて使用でき、また第2の閾値(例えばCSI-RS閾値)は、CSI-RS設定に関連付けられたビームについて使用できる。何れのビームも前記閾値を満たさないならば、前記UEは、当該UEがRACHプリアンブルの目標受信電力をその最大送信電力に適合させることを可能にする任意のビームを、適切なビームと看做すことができる。或いは、適切なビームが見つからないならば、前記UEは、もし可能であれば専用RACHリソースに関連付けられた前記検出されたビームの中から前記最良のビームを選択し、または共通RACHリソースに関連付けられた前記検出されたビームの中から前記最良のビームを選択し、または単純に、検出された全てのビームの中で前記最良のビームを選択できる。最小品質が必要ない場合は、検出された全てのビームが適合性チェックに合格するように、前記閾値(複数可)を任意の低い値に設定できる。
【0298】
2.適切なビームが存在しなければ、前記PRACHリソース選択は不成功と看做され、前記手順は終了する。この失敗の表示は上位層に送信され得る。或いは、適切なビームが見つからない場合、前記UEは、可能であれば専用RACHリソースに関連付けられた前記検出されたビームの中から前記最良のビームを選択でき、または可能であれば共通RACHリソースに関連付けられた前記検出されたビームの中から前記最良のビームを選択でき、または単純に、検出された全てのビームの中で前記最良のビームを選択できる。更に別の代替方法では、前記PRACHリソース選択が不成功と看做される前に、UEは測定を実行し続けて、前記適合性チェックを複数回反復することができる。この手順の反復はカウンタを使用して制御でき、それにより前記手順をN回まで反復することができる。別の実施形態において、前記手順の反復はタイマーを使用して制御されてよく、前記タイマーが切れるまで前記手順が繰り返されてよい。更に別の実施形態において、前記手順の反復はカウンタおよびタイマーによって制御され、それにより、前記タイマーが切れる前に前記手順をN回まで繰り返すことができる。
【0299】
3.前記UEは、専用シグナリングを使用し、例えば、前記適切なビームの組との関連付けを使用して、専用PRACHリソースが存在するかどうかを判断する。前記UEは、前記ハンドオーバコマンドを介してシグナリングされた前記NR-RACH-ConfigDedicated IEを使用して、ビームと専用PRACHリソースとの間の関連付けを通知されることができる。
【0300】
4.専用PRACHリソースに関連付けられた適切なビームが存在するならば、前記次のPRACH機会に対応するPRACHリソースに関連付けられた前記ビームは、専用PRACHリソースに関連付けられた前記適切なビームの組から選択され、前記手順は次のステップを用いて継続する。前記適切なビームの組に関連付けられた専用PRACHリソースが存在しなければ、前記次のステップはスキップされる。
【0301】
一実施形態では、次のPRACH機会に関連付けられた複数の適切なビームが存在するならば、前記UEは、前記次のPRACH機会に関連付けられた適切なビームの1つの選択をもたらす任意の方法を使用して、前記ビームを選択できる。例えば、前記UEは前記「最良の」ビーム、例えば、最大のRSRPを有するビームを選択でき、または前記UEは、次のPRACH機会に関連付けられた適切なビームの組から1つのビームを、等しい確率でランダムに選択することができる。
【0302】
5.前記UEは、前記選択されたビームに関連付けられた専用PRACHリソースの組からPRACHリソースを選択し、前記PRACHリソース選択は成功したと看做され、当該手順は終了する。前記ビームに関連付けられた専用PRACHリソースの組に複数の専用PRACHリソースが含まれる場合、前記UEは、そのPRACH機会が次に発生するPRACHリソースを選択する。
【0303】
6.次のPRACH機会に対応するPRACHリソースに関連付けられたビームは、共通PRACHリソースに関連付けられた適切なビームの組から選択される。一実施形態では、次のPRACH機会に関連した複数の適切なビームがある場合、前記UEは、次のPRACH機会に関連した適切なビームの1つの選択をもたらす任意の方法を使用してビームを選択し得る。例えば、前記UEは前記「最良の」ビーム、例えば最大のRSRPを有するビームを選択でき、或いは、前記UEは次のPRACH機会に関連付けられた適切なビームの組から1つのビームを、等しい確率でランダムに選択してよい。
【0304】
7.前記UEは、前記ビームに関連付けられた前記共通PRACHリソースの組から共通PRACHリソースを選択し、前記PRACHリソース選択は成功したと看做され、当該手順は終了する。前記ビームに関連付けられた共通PRACHリソースの組が複数の共通PRACHリソースを含む場合、前記UEは、PRACH機会が次に発生するPRACHリソースを選択する。前記ビームに関連付けられた次のPRACH機会のために複数の共通PRACHリソースが設定されている場合、前記UEは、前記次のPRACH機会のために設定された共通PRACHリソースの組から、1つのPRACHを等確率でランダムに選択できる。
【0305】
更に別の実施形態によれば、図15に例示されるように、NR配備は、SSブロック送信(SSB)が広ビームに関連付けられ、CSI-RS送信が狭ビームに関連付けられる場所を記述する。前記狭ビームは、高データレートサービスに使用できる。このような配備では、ターゲットセルへのハンドオーバを実行するときには狭ビームにハンドオーバして、高データレートサービスへの中断時間を最小限に抑えるのが有利であろう。しかしながら、狭ビームへのハンドオーバは広ビームへのハンドオーバよりも信頼性が低い可能性があるため、我々は、1回目のアクセス試行に使用できる前記狭ビームに関連付けられたPRACHリソースの第1の組と、前記1回目のアクセス試行が成功しなかったときの2回目のアクセス試行に使用できる前記広ビームに関連付けられたPRACHリソースの2番目の組とを、前記ハンドオーバコマンドに含めることを提案する。一実施形態において、前記第1の組のPRACHリソースは、CSI-RS設定に関連付けられた専用PRACHリソース、即ち、狭ビームであり、また前記第2の組のPRACHリソースは、SSBに関連付けられた共通PRACHリソース、即ち、広ビームである。或いは、第1および第2の組の両方のPRACHリソースが専用PRACHリソースであってもよい。即ち、前記第1の組のPRACHリソースは、CSI-RS設定に関連付けられた専用PRACHリソースであることができ、また前記第2の組のPRACHリソースは、SSBに関連付けられた専用PRACHリソースであることができる。
【0306】
NRの場合、前記ターゲットセルのための共通RACH設定のパラメータは、任意に、前記ハンドオーバコマンドにおいてシグナリングできることに留意されたい。したがって、前記第2の組のPRACHリソースが共通PRACHリソースであるシナリオにおいて、前記第2の組のPRACHリソースは、前記ハンドオーバコマンドに含まれない場合があるが、その代わりに、上記で述べた代替SI取得方法を使用して決定される可能性がある。
【0307】
前記第1の組のPRACHリソースを使用するアクセス試行の数は、カウンタを使用して制御することができ、それにより、前記UEは、前記第2の組のPRACHリソースを使用して前記セルにアクセスする前に、前記第1の組のPRACHリソースを使用して最大N回のアクセス試行を実行することが可能になる。別の実施形態において、前記第1の組のPRACHリソースを使用するアクセス試行の数はタイマーを使用して制御され、それにより、前記UEはタイマーが切れるまでは、前記第1の組のPRACHリソースを使用して複数回のアクセス試行を実行することができる。更に別の実施形態において、前記第1の組のPRACHリソースを使用するアクセス試行はカウンタおよびタイマーを使用して制御され、それにより、前記UEはタイマーが切れる前に、前記第1の組のPRACHリソースを使用して最大N回のアクセス試行を実行することができる。
【0308】
図15に示される配備は、前記SSBが広ビームに関連付けられ、また前記CSI-RS設定が狭ビームに関連付けられるときに、提案されたソリューションがどのように使用されるかを示すために使用される。しかしながら、当該提案されたソリューションは、前記第1の組のPRACHリソースを使用したアクセス試行が成功しない場合に、前記第2の組のPRACHリソースへの「フォールバック」を必要とするシナリオに使用できる。例えば、提案されたソリューションは、前記第1の組のPRACHリソースがSSBに関連付けられた専用PRACHリソースであり、前記第2の組のPRACHリソースもSSBに関連付けられた共通PRACHリソースである場合にも使用できる。
【0309】
提案されたPRACHリソース選択手順のステップがアラビア数字で示されたフローチャートが、図16Aに示されている。
【0310】
1.前記UEは、前記ターゲットセルの検出されたビームのうちの何れが、上記の方法に従ってランダムアクセスを実行するのに適しているかを決定する。例えば、単一の閾値を使用して、前記検出されたビームの適合性を判断することができる。この閾値は、ビームをランダムアクセスに使用するために必要な最小品質に対応した値に設定できる。複数の閾値を使用することができ、ここで与えられる閾値は、前記ビームに関連付けられた基準信号のタイプに依存する。例えば、SSブロックに関連付けられたビームには、第1の閾値、例えばSSB閾値を使用でき、またCSI-RS設定に関連付けられたビームには、第2の閾値、例えばCSI-RS閾値を使用することができる。何れのビームも前記閾値を満たさないならば、前記UEは、当該UEが前記RACHプリアンブルの前記目標受信電力をその最大送信電力に適合させることを可能にする任意のビームを、適切なビームと看做すことができる。或いは、適切なビームが見つからない場合、前記UEは、もし可能であれば専用RACHリソースに関連付けられた前記検出されたビームの中から前記最良のビームを選択し、または、もし可能であれば共通RACHリソースに関連付けられた前記検出されたビームの中から前記最良のビームを選択し、または単純に、検出された全てのビームの中で前記最良のビームを選択できる。最小品質が必要ない場合は、検出された全てのビームが前記適合性チェックに合格するように、前記閾値を任意の低い値に設定できる。
【0311】
2.これが最初のアクセス試行であるならば、当該手順は次のステップを用いて続行される。それ以外の場合、当該手順はステップ8を用いて続行される。
【0312】
3.前記第1の組のPRAHリソースに関連付けられた適切なビーム、例えば、CSI-RS設定が存在するならば、当該手順は次のステップを用いて続行される。それ以外の場合、当該手順はステップ8を用いて続行される。
【0313】
4.前記「最良の」ビーム、即ち、最大のRSRPを有するビームは、前記第1の組のPRACHリソースに関連付けられた適切なビームの組、例えばCSI-RS設定に関連付けられた適切なビームの組から選択される。或いは、前記次のPRACH機会に対応するPRACHリソースに関連付けられたビームは、前記第1の組のPRACHリソースに関連付けられた適切なビームの組から選択されてよい。
【0314】
5.前記UEは、前記選択されたビームに関連付けられた専用PRACHリソースが存在するかどうかを決定する。前記UEは、専用シグナリングを使用して、例えば前記ハンドオーバコマンドを介してシグナリングされたNR-RACH-ConfigDedicated IEを使用して、ビームと専用PRACHリソースとの間の関連付けを通知され得る。
【0315】
6.前記選択されたビームが専用PRACHリソースに関連付けられる場合、前記UEは、前記選択されたビームに関連付けられた専用PRACHリソースの組からPRACHリソースを選択し、前記PRACHリソース選択は成功したと看做され、当該手順は終了する。それ以外の場合、当該手順は次のステップへと進む。前記ビームに関連付けられた専用PRACHリソースの組が複数の専用PRACHリソースを含む場合、前記UEは、前記PRACHリソースをランダムに選択し得る。或いは、選択を行うときに、前記UEは専用PRACHリソースのT/F設定を考慮に入れることができる。例えば、ビームが異なる時間に発生する複数のPRACHリソースに関連付けられている場合、そのPRACH機会が次に発生するPRACHリソースを選択することが、前記UEにとって有利である場合があり得る。
【0316】
7.前記UEは、前記ビームに関連する共通PRACHリソースの組から共通PRACHリソースを選択し、前記PRACHリソース選択は成功したと看做され、当該手順は終了する。ビームに関連付けられた共通PRACHリソースの組が複数の共通PRACHリソースを含む場合、前記UEは、PRACHリソースが複数の専用PRACHリソースを含む組から選択される場合について説明したのと同様に、例えば共通PRACHリソースのT/F設定に基づいてランダムに、前記ビームを選択してよい。
【0317】
8.第2の組のPRACHリソース、例えばSSブロック(SSB)に関連付けられた適切なビームが存在しない場合、PRACHリソース選択は不成功と看做され、当該手順は終了する。この失敗の表示は、上位層に送信される場合がある。それ以外の場合、当該手順は次のステップを用いて続行される。
【0318】
9.前記「最良の」ビーム、即ち、最大のRSRPを有するビームは、前記第2の組のPRACHリソースに関連付けられた適切なビームの組、例えば、SSブロックに関連付けられた適切なビームの組から選択される。或いは、次のPRACH機会に対応するPRACHリソースに関連付けられたビームは、前記第2の組のPRACHリソースに関連付けられた適切なビームの組から選択されてよい。
【0319】
10.前記UEは、前記選択されたビームに関連付けられた専用PRACHリソースが存在するかどうかを判定する。前記UEは、前記ハンドオーバコマンドを介してシグナリングされたNR-RACH-ConfigDedicated IEを使用して、ビームと専用PRACHリソースとの間の関連付けを通知されることができる。
【0320】
11.前記選択されたビームが専用PRACHリソースに関連付けられるならば、前記UEは、前記選択されたビームに関連付けられた専用PRACHリソースの組からPRACHリソースを選択し、前記PRACHリソース選択は成功したと看做され、当該手順は終了する。それ以外の場合、当該手順は次のステップを用いて続行される。前記ビームに関連付けられた専用PRACHリソースの組が複数の専用PRACHリソースを含む場合、前記UEは前記PRACHリソースをランダムに選択してよい。或いは、前記選択を行うときに、前記UEは専用PRACHリソースのT/F設定を考慮に入れることができる。例えば、前記ビームが異なる時間に生じる複数のPRACHリソースに関連付けられるならば、前記UEにとっては、そのPRACH機会が次に発生するPRACHリソースを選択することが有利であり得る。
【0321】
12.前記UEは、前記ビームに関連付けられた共通PRACHリソースの組から共通PRACHリソースを選択し、前記PRACHリソース選択は成功したと看做され、当該手順は終了する。前記ビームに関連付けられた共通PRACHリソースの組が複数の共通PRACHリソースを含むのであれば、前記UEは、前記PRACHリソースが複数の専用PRACHリソースを含む組から選択される場合について説明したのと同様に、例えば共通PRACHリソースのT/F設定に基づいてランダムに、前記ビームを選択してよい。
【0322】
更に別の実施形態によれば、前記ダウンリンク上での初期アクセスに使用されるビームは、SSベースのビームであると想定される。前記gNBは、SSベースのビームおよび/または対応するSSブロックを、前記ハンドオーバコマンドに含めることができる。初期アクセスのための前記ハンドオーバコマンドに含まれる各ビームまたはSSブロックについて、前記gNBは1つの専用RACHリソースのみを割り当てる。前記gNBは、前記ハンドオーバコマンドに複数のビームおよび/またはSSブロックを含めることができる。前記UEは、上記で述べたビーム選択手順の1つを使用して、初期アクセスのために使用する前記ビーム/SSブロックおよび前記対応するRACHリソースを選択し得る。
【0323】
別の実施形態において、前記gNBは前記ハンドオーバコマンドの中に、並列初期試行のために複数のRACHリソースを使用する指示を含めることができ、例えばこの指示を使用することにより、前記UEは、最初に送信されるプリアンブルのRARの前に、1つ以上の追加のRACHプリアンブルを送信することができる。更に、前記gNBはまた、前記ハンドオーバコマンドの中に、前記UEが実行を許可される並列試行回数を含めることができる。初期アクセスのために前記ハンドオーバコマンドの中に含められる各ビームまたはSSブロックについて、前記gNBは複数の専用RACHリソースを割り当てることができる。前記UEは、上記のビーム選択手順の1つを使用して、前記の個数以下の対応するビーム/SSブロックを選択することにより、前記並列初期試行のためのRACHリソースを決定できる。代替実施形態において、前記UEは、前記初期試行のためのビームを最高順位のビームとして選択でき、ここで前記ビームは、設定された閾値を超える品質を有する前記数の対応するCSI-RSビームの降順で順位付けされる。
【0324】
この実施形態においては、前記ダウンリンク上の初期アクセスに使用されるビームは、CSI-RSベースのビームであると想定される。前記gNBは、前記ハンドオーバコマンドの中に、CSI-RSベースのビームおよび/または対応するCSI-RSリソースを含めることができる。初期アクセスのための前記ハンドオーバコマンドの中に含められる各ビームまたはCSI-RSリソースについて、前記gNBは、1つの専用RACHリソースのみを割り当てる。前記gNBは、前記ハンドオーバコマンドの中に複数のビームおよび/またはCSI-RSリソースを含めることができる。前記UEは、上記で述べたビーム選択手順の1つを用いて、前記初期アクセスのために使用する前記ビーム/CSI-RSリソース、および対応するRACHリソースを選択することができる。
【0325】
別の実施形態において、前記gNBは前記ハンドオーバコマンドの中に、並列初期試行のために複数のRACHリソースを使用する指示を含めることができ、例えばこの指示を使用することにより、前記UEは、最初に送信されるプリアンブルのRARの前に、1つ以上の追加のRACHプリアンブルを送信することができる。更に、前記gNBはまた、前記ハンドオーバコマンドの中に、前記UEが実行を許可される並列試行回数を含めることができる。初期アクセスのために前記ハンドオーバコマンドの中に含められる各ビームまたはCSIリソースについて、前記gNBは複数の専用RACHリソースを割り当てることができる。前記UEは、上記のビーム選択手順の1つを使用して、前記の個数以下の対応するビーム/CSI-RSリソースを選択することにより、前記並列初期試行のためのRACHリソースを決定できる。
【0326】
前記UEはまた、前記ULビーム選択のための支援情報を提供し得る。例えば、前記UEは、5Gのために検討されているUL測定モビリティベースのソリューションを支援するUL基準信号のための、周期的なUL基準信号を送信することができる。前記ターゲットセルは、前記ハンドオーバコマンドに含めるために前記ソースセルに渡されるRRC再設定メッセージの中に、初期アクセス手順のために使用されるULビームを含めることができ、例えば、各RACHリソース(専用RACHリソースまたは共通RACHリソース)のために、前記ハンドオーバコマンドは前記UEが使用すべきULビームを含めることができる。
【0327】
更に別の実施形態によれば、前記選択されたビームに関連付けられたPRACHリソースの組から、前記ターゲットセルへのアクセスに使用されるPRACHリソースを選択することが想定される。条件は、前記ランダムアクセス再送信の回数、タイマーの期限切れ、下位層からの出力急昇停止の通知、またはそれらの任意の組み合わせに基づき得る。それは、前記ビームが前記専用PRACHリソースに関連付けられたビームの組から選択されるように試行されるべきか、または前記ビームが前記共通PRACHリソースに関連付けられたビームの組から選択されるように試行されるべきか、即ち、前記UEが共通PRACHリソースに「フォールバック」すべき時点を決定するために使用できる。提案されたPRACHリソース選択手順のステップを示すフローチャートを、図16Bに示す。当該提案されたPRACHリソース選択手順のステップは、次のように実行される。
【0328】
1.ターゲットセルの検出されたビームのうちの何れが、上記の方法を使用してランダムアクセスを実行するのに適しているかを決定する。例えば、閾値を使用して、検出されたビームの適合性を判断することができる。前記閾値は、ランダムアクセスのためにビームを使用するのに必要な最小品質に対応した値に設定できる。或いは、複数の閾値を使用することができ、この場合、与えられた閾値は、前記ビームに関連付けられた基準信号のタイプに依存する。例えば、第1の閾値(例えば、SSB閾値)は、SSブロックに関連付けられたビームのために使用でき、また第2の閾値(例えば、CSI-RS閾値)は、CSI-RS設定に関連付けられたビームのために使用されてよい。もし何れのビームも前記閾値を満たさないならば、前記UEが前記RACHプリアンブルの目標受信電力をその最大送信電力に適合させることを可能にする任意のビームが、適切なビームと看做される。或いは、適切なビームが見つからないとき、前記UEは、可能な場合は専用RACHリソースに関連付けられた検出ビームの中の最良のビーム、または共通RACHリソースに関連付けられた検出ビームの中の最良のビーム、または単に検出された全てのビームの中の最良のビームを選択できる。或いは、もし最低品質が必要とされないならば、検出された全てのビームが適合性チェックに合格するように、前記閾値を任意の低い値に設定することができる。
【0329】
適切なビームが存在しないのであれば、1つのアプローチは、前記PRACHリソース選択手順が正常に完了していないと看做すことである。別のアプローチでは、前記PRACHリソースの選択が不成功と看做される前に、前記UEは測定を実行し続け、適合性チェックを複数回繰り返すことができる。前記手順の繰り返しはカウンタを使用して制御することができ、それにより前記手順を最大N回まで繰り返すことができる。別の実施形態において、前記手順の繰り返しはタイマーを使用して制御されてよく、前記タイマーが切れるまで前記手順が繰り返されてよい。また更に別の実施形態において、前記手順の繰り返しはカウンタおよびタイマーによって制御され、それにより、タイマーが切れる前に前記手順をN回まで繰り返すことができる。更に別の代替例では、適切なビームが見つからない場合、前記UEは、可能であれば専用RACHリソースに関連付けられた前記検出されたビームの中から前記最良のビームを選択し、または可能であれば共通RACHリソースに関連付けられた前記検出されたビームの中から前記最良のビームを選択し、または単に検出された全てのビームの中で前記最高のビームを選択することができる。
【0330】
別の実施形態によれば、前記条件が、共通PRACHリソースへの「フォールバック」が適合したことであるならば、(i)もし共通PRACHリソースに関連する1つ以上の適切なビームがあれば、(a)共通PRACHリソースに関連付けられた前記適切なビームの組からビームを選択し、(1)もし共通PRACHリソースに関連付けられた唯一の適切なビームが存在すれば、そのビームを選択し、または(2)共通PRACHリソースに関連付けられた複数の適切なビームが存在すれば、(A)共通PRACHリソースに関連付けられた適切なビームの1つの選択をもたらす方法を使用して前記ビームを選択する。例えば、前記UEは、次のPRACH機会に対応する共通PRACHリソースに関連付けられたビームを選択してよい。或いは、前記UEは「最良の」ビーム、例えば、最大のRSRPを有するビームを選択でき、または前記UEは等しい確率でランダムに、共通PRACHリソースに関連付けられた組の適切なビームからビームを選択してよい。
【0331】
前記条件が、前記共通PRACHリソースへの「フォールバック」が満たされたことである場合、(b)前記選択されたビームに関連付けられた共通PRACHリソースを選択する。即ち、(1)前記選択されたビームに関連付けられた共通PRACHリソースが1つしか存在しなければ、その共通PRACHリソースを選択し、または(2)前記選択されたビームに関連付けられた複数の共通PRACHリソースが存在すれば、(A)前記選択されたビームに関連付けられた前記共通PRACHリソースの1つの選択をもたらす任意の方法を使用して、前記共通PRACHリソースを選択する。例えば、前記UEは、そのPRACH機会が次に発生する前記共通PRACHリソースを選択してよく、または前記UEは、前記選択されたビームに関連付けられた前記共通PRACHリソースの組から1つの共通PRACHリソースを、等しい確率でランダムに選択してよい。
【0332】
前記アプローチは、(c)前記PRACHリソース選択手順が首尾よく完了したと看做すことであってよい。加えて、(d)において、我々は前記PRACHリソース選択手順が首尾よく完了しなかったと看做す。
【0333】
別の実施形態に従って、および/または上述の実施形態の促進において、(ii)もし専用PRACHリソースに関連付けられた1つ以上の適切なビームが存在すれば、(a)前記専用リソースに関連付けられた適切なビームの組からビームを選択する。即ち、(1)専用PRACHリソースに関連付けられた適切なビームが1つしか存在しなない場合、そのビームを選択し、または(2)専用PRACHリソースに関連付けられた適切なビームが複数存在する場合は、
【0334】
(A)専用PRACHリソースに関連付けられた前記適切なビームの1つの選択をもたらす任意の方法を使用して、前記ビームを選択する。例えば、前記UEは、次のPRACH機会に対応する専用PRACHリソースに関連付けられた前記ビームを選択してよい。前記UEは前記「最良の」ビーム、例えば最大のRSRPを有するビームを選択でき、または前記UEは、前記専用PRACHリソースに関連付けられた適切なビームの組から、等しい確率でランダムに1つのビームを選択してよい。
【0335】
(b)では、前記選択されたビームに関連付けられた専用PRACHリソースを選択し、(1)選択されたビームに関連付けられた専用PRACHリソースが1つしか存在しなければ、その専用PRACHリソースを選択し、または(2)前記選択されたビームに関連付けられた複数の専用PRACHリソースが存在すれば、(A)前記選択されたビームに関連付けられた専用PRACHリソースの1つの選択をもたらす方法を使用して、前記専用PRACHリソースを選択する。例えば、前記UEは、次にPRACH機会が生じる専用PRACHリソースを選択してもよく、または前記UEは、前記選択されたビームに関連付けられた前記共通PRACHリソースの組から1つの専用PRACHリソースを等しい確率でランダムに選択してよい。
【0336】
(c)では、前記PRACHリソース選択手順が首尾よく完了したと看做す。(d)では、PRACHリソース選択手順が首尾よく完了していないと看做す。
【0337】
なお更なる実施形態によれば、適切なビームに関連付けられた前記PRACHリソースの組から、前記ターゲットセルにアクセスするために使用されるPRACHリソースを選択することが想定される。前記ビームは最初に、競合のないRAリソース(別名として、専用PRACHリソース)に関連付けられた適切なビームの組から選択されるように試行され、またそのようなビームが存在しなければ、前記ビームは共通PRACHリソースに関連付けられた適切なビームの組から選択される。一実施形態において、前記ビームはビーム指数によって表される。例えば、NR-SSに関連付けられたビームはSSB指数を使用して識別され、CSI-RSに関連付けられたビームはCSI-RS設定指数を使用して識別される。次に利用可能なPRACH機会(別名として、PRACHチャンス)を含むNR-UNITは、サブフレーム、TTI、スロット、ミニスロット、シンボル、またはNR用に定義された他の時間単位であり得る。
【0338】
前記UEでのこの提案されたPRACHリソース選択手順のステップの例示的な図が、図16C,16Dに示されている。図示の判定ツリーの最初のクエリボックスでは、RRCによって競合のないRAリソースのリストが明示的に提供されているかどうかが決定される。回答がYesであれば、次のクエリは(i)競合のないRAリソースのリストにSSB指数のリストが含まれているかどうかである。Yesであれば、(a)明示的に提供されたSSB指数の組から適切なSSB指数が選択される。前記SSB指数は、その品質がssb閾値を超えるSSBに対応する場合に適していると看做される。Noであれば、(b)CFRAのリストにCSI-RS指数が含まれているかどうかが照会される。CSI-RS指数が使用可能(Yes)であれば、(1)明示的に提供されたCSI-RS指数の組から適切なCSI-RS指数が選択される。CSI-RS指数は、その品質がcsi-rs閾値を超えるCSI-RSに対応する場合に適していると考えられる。上記のステップ(i)(a)または(i)(b)(1)から適切な指数が選択されたならば、当該選択された指数に対応するra-PreambleIndexにPREAMBLE_INDEXが設定される。
【0339】
競合のないRAリソースのリストが明示的に提供されたかどうかの初期クエリ(i)に対する回答がNoの場合、或いはCSI-RS指数を含むリストがない場合、或いは適切な指数がない場合、次のクエリは(ii)最初のMsg3がまだ送信されていないかどうか(即ち、最初のMsg3の送信かどうか)である。(ii)への回答がyesであれば、(a)適切なSSB指数が共通SSB指数の組から選択される。SSB指数は、その品質がssb閾値を超えるSSBに対応する場合に適していると看做される。次に、(1)ランダムアクセスプリアンブル群Bが選択されたSSBに存在し、且つ(2)潜在的なMsg3サイズ(送信に利用可能なULデータとMACヘッダー、および必要に応じてMAC CE)が、選択されたSSB上のra-Msg3SizeGroupAより大きければ、(A)ランダムアクセスプリアンブル群Bが選択される。或いは、(1)および(2)の両方が誤りであれば、(B)ランダムアクセスプリアンブル群Aが選択される。
【0340】
更なる実施形態において、クエリ(ii)、即ち最初のMsg3がまだ送信されていないかどうかに対する回答がNoであれば、(b)Msg3の最初の送信に対応するプリアンブル送信試行のために使用されたのと同じSSB指数の選択が行われる。
【0341】
(ii)に対する回答がNoである代替実施形態において、ステップ(b)は、適切であれば、Msg3の最初の送信に対応するプリアンブル送信試行に使用されるのと同じSSB指数を選択する。それ以外であれば、前記共通SSB指数の組から1つの適切なSSB指数が選択され、ここでのSSB指数は、その品質がssb閾値を超えるSSBに対応するならば適切である。
【0342】
更に別の代替実施形態では、(ii)に対する回答がNoであるときには、(c)前記プリアンブル送信試行に使用されたSSB指数の品質を上回る品質を明示的に提供したSSB指数の組から、SSB指数を選択する。これは、Msg3の最初の送信+ヒステリシスパラメータに対応する。そのようなSSB指数が存在しない場合、適切であれば、Msg3の最初の送信に対応するプリアンブル送信試行に使用されたのと同じSSB指数を選択する。そうでない場合は、前記共通のSSB指数の組から適切なSSB指数を選択し、ここでのSSB指数は、その品質がssb閾値を超えるSSBに対応する場合に適切と看做される。
【0343】
更なる実施形態によれば、上述のクエリステップ(ii)(b)に続き、Msg3の最初の送信に対応したプリアンブル送信試行に使用される、同じ群のランダムアクセスプリアンブルの選択(1)を行うことができる。或いは、Msg3の最初の送信に対応したプリアンブル送信試行に使用されるのと同じSSB指数が前のステップで選択されたのであれば、ステップ(A)において、Msg3の最初の送信に対応したプリアンブル送信試行に使用されたのと同じ群のランダムアクセスプリアンブルを選択する。そうでなければ、ステップ(B)において、潜在的なMsg3サイズ(送信に利用可能なULデータ+MACヘッダー、および必要な場合にはMAC CE)が前記選択されたSSBのra-Msg3SizeGroupAよりも大きければ、ランダムアクセスプリアンブル群Bを選択する。そうでない場合には、ランダムアクセスプリアンブル群Aを選択する。
【0344】
更なる実施形態によれば、上記のステップ(ii)(a)または(ii)(b)に続き、ステップ(c)において、等しい確率でランダムに選択された前記グループ内のra-PreambleIndexが選択される。その後、ステップ(d)において、前記選択されたra-PreambleIndexに対してPREAMBLE_INDEXが設定される。その後、ステップ(e)において、次に利用可能なPRACH機会が決定される。更にステップ(f)では、前記ランダムアクセスプリアンブル送信手順が実行される。
【0345】
<ターゲットセルのビーム間での負荷分散>
別の態様によれば、ランダムアクセスを実行するときに、前記ターゲットセルのビーム間において負荷分散を実行するための技術が想定される。図17に示すように、ランダムアクセスを実行するときに、前記ターゲットセルのビーム間で負荷分散を実行するために使用できるシグナリング手順について説明する。図17の各ステップはアラビア数字で示されている。
【0346】
1.前記ソースgNBは、前記測定設定に従って、前記UE測定手順および前記UEレポートを設定する。
【0347】
2.前記ソースgNBは、測定レポートおよびRRM情報に基づいて前記UEをハンドオーバすることを決定し、Xnインターフェースを介してハンドオーバ要求を発行する。
【0348】
3.前記ターゲットgNBは許可制御を実行し、前記ハンドオーバ承認メッセージの一部として前記RRC設定を提供する。
【0349】
4.前記ソースgNBは、前記ハンドオーバコマンドメッセージにおいて、前記RRC設定を前記UEに提供する。前記ハンドオーバコマンドメッセージには、少なくともセルIDと、前記ターゲットセルにアクセスするために必要な全ての情報が含まれているため、前記UEは、システム情報を読み取ることなく、前記ターゲットセルにアクセスできる。幾つかの場合については、競合ベースおよび競合のないランダムアクセスに必要な情報を、前記ハンドオーバコマンドメッセージに含めることができる。前記ターゲットセルへのアクセス情報には、ビーム固有の情報が含まれることがあり得る。
【0350】
5.前記UEは、PRACHリソース選択を実行し、前記選択されたリソースを使用して前記ランダムアクセスプリアンブル(RAP)を送信する。
【0351】
6.前記ターゲットgNBは、前記セルにアクセスするために前記UEが使用するビームへの負荷が過負荷であると判断し、前記UEに対して、異なるビームを使用するように指示する。前記ターゲットgNBは、前記ハンドオーバ要求メッセージで提供される情報に基づいて、何れのビームをUEに向けるかを決定できる。図18に示すMAC RARは、前記UEに対して、前記ランダムアクセス手順中に異なるビームを使用するよう指示するために使用できる。一実施形態において、前記ビーム切替えコマンドフィールドは、オプションでRARに含められる。当該フィールドが前記RARに含まれているかどうかは、前記RARについてのMACヘッダーのタイプフィールドを介して示される。即ち、前記タイプフィールドには、前記ビーム切替えコマンドフィールドの有無を示す追加ビットが含まれ得る。一実施形態において、前記ビーム切替えコマンドは、切替え先のビームがSSブロックまたはCSI-RS設定に関連付けられているかどうかを示すビットと、ビームのID、例えばSSブロックID、CSI-RS設定IDを示す複数のビットで構成される。
【0352】
7.前記UEは、前記RRC接続を前記ターゲットgNBに移動させ、また前記RARにおいて指示されたビームを使用して、前記ハンドオーバ完了メッセージを用いて応答する。
【0353】
<優先順位付けされたランダムアクセス>
本願の更なる態様によれば、優先順位付けされたランダムアクセスを実行するための技術が提案される。NRの場合、少なくとも次のイベントについて、ランダムアクセスが実行されることが同意されている。即ち、(i)RRC_IDLEからの初期アクセス、(ii)RRC接続の再確立手順、(iii)ハンドオーバ、(iv)ランダムアクセス手順を必要とするRRC_CONNECTEDの最中、例えばUL同期ステータスが「非同期」のときのDLデータの到着、(v)ランダムアクセス手順を必要とするRRC_CONNECTEDの最中、例えばUL同期ステータスが「非同期」のとき、または利用可能なSRのPUCCHリソースがないときのULデータの到着、および(vi)RRC_INACTIVEからRRC_CONNECTEDへの移行である。
【0354】
ランダムアクセスを実行するときの識別を提供するために、ランダムアクセス優先順位付けに依存する値を用いて、以下のパラメータのうちの1つ以上を設定し得ることが想定される。
【0355】
1.powerRampingStep、即ち、プリアンブル再送信に使用される出力急昇ステップ。
【0356】
2.初期バックオフパラメータ、即ち、RARがバックオフインジケータ(BI)を含まない場合の、プリアンブル再送信に使用されるデフォルトバックオフ時間。
【0357】
3.バックオフ乗数、即ち、RARがBIを含むときに、バックオフパラメータを調整するために使用されるスケール係数。
【0358】
4.Msg3 HARQ再送信の最大#。
【0359】
これらパラメータの値は、ブロードキャストまたは専用シグナリングを介してUEにシグナリングされてもよい。例えば、gNBによってブロードキャストされるSIは、複数組の値を含む場合があり、ここでの各組のパラメータは異なるランダムアクセス優先順位に対応する。或いは、専用のRRCシグナリングを使用して、各組のパラメータについてUE固有の値を設定してよい。
【0360】
ランダムアクセス手順が、初期アクセス、RRC接続再確立、ULデータ到着、またはRRC_INACTIVEからRRC_CONNECTEDへの移行などのイベントについてトリガーされると、CBRA手順が実行され得る。そのようなシナリオにおいて、前記ランダムアクセス手順の優先順位は指定された一組のルールに基づいており、ここでの前記ランダムアクセス手順の優先順位は、前記UEのアクセスクラス、イベントタイプ、前記ランダムアクセス手順をトリガーするデータのQCI、またはそれらの任意の組み合わせから決定され得る。
【0361】
ハンドオーバおよびDLデータ到着のようなイベントについてランダムアクセス手順がトリガーされたときに、CFRA手順が実行され得る。そのようなシナリオについて、我々は、前記gNBが専用のランダムアクセスリソースに加えて、ランダムアクセス手順の優先順位を示すことを提案する。例えば、前記ハンドオーバコマンドは、例えば高または低のようなランダムアクセス優先度順位を通知する追加のフィールドを含み得る。また、前記DLデータ到着の場合に、前記gNBは、例えば高または低のようなランダムアクセスの優先順位を通知するための追加のビットを含んだNR-PDCCH序列を使用できる。或いは、そのようなイベントの優先順位を指定できるであろう。例えば、CFRAを実行するときは、競合が発生しないため、再送信が必要になることは殆どない。したがって、CFRAを実行するときのランダムアクセス優先順位は低いと看做すことができるであろう。
【0362】
ハンドオーバおよびDLデータ到着のようなイベントについて、CBRA手順を実行することも可能である。そのようなシナリオにおいて、我々は、前記ランダムアクセス手順の優先順位が、指定された一組のルールに基づくことを提案するものであり、ここでの前記ランダムアクセス手順の優先順位は、前記UEのアクセスクラス、イベントタイプ、ランダムアクセス手順をトリガーするデータのQCI、またはその任意の組み合わせから決定され得る。
【0363】
本願によれば、本明細書に記載のシステム、方法、およびプロセスの何れかまたは全部が、コンピュータ可読記憶媒体に格納されるコンピュータ実行可能な命令、例えばプログラムコードの形で具現化でき、その命令は、コンピュータ、サーバ、M2M端末デバイス、M2Mゲートウェイデバイス、トランジットデバイスのようなマシンによって実行されたときに、本明細書に記載のシステム、方法、およびプロセスを実行および/または実装することが理解される。具体的には、上記のステップ、操作、または機能は何れも、そのようなコンピュータ実行可能命令の形で実装できる。コンピュータ可読記憶媒体は、情報の記憶のための任意の方法または技術で実装された、揮発性および不揮発性の、取り外し可能および取り外し不能な媒体を含むが、そのようなコンピュータ可読記憶媒体は信号を含まない。コンピュータ可読記憶媒体には、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリまたはその他のメモリ技術、CD ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)またはその他の光ディスク記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置などの磁気記憶装置、または目的の情報を保存するために使用でき且つコンピュータからアクセスできる他の物理媒体が含まれるが、これらに限定されない。
【0364】
本願の更に別の態様によれば、コンピュータが読取り可能または実行可能な命令を格納するための、非一時的なコンピュータが読取り可能または実行可能な記憶媒体が開示される。当該媒体は、図11~14、図16A~D、および図17による複数のコールフローにおいて、上記で開示されたような1つ以上のコンピュータ実行可能な命令を含むことができる。当該コンピュータ実行可能な命令は、メモリに格納され、図1Cおよび1Fに開示されたプロセッサによって実行されることができ、また例えば基地局およびエンドユーザ機器のようなノードを含むデバイスにおいて用いることができる。特に、例えば図1Bおよび1Eに示されるようなUEは、ターゲットセルに関連付けられたビームを検出する命令を実行するように設定される。前記プロセッサはまた、チェック機能を介して、前記検出されたビームの何れが、ランダムアクセスを実行するための品質閾値を満たすかを決定する命令を実行するように設定される。前記プロセッサはまた、前記リソース選択機能において、前記閾値を満たす検出されたビームを受信する命令を実行するように設定される。更に、前記プロセッサは、前記閾値を満たす検出されたビームから、関連付けられたPRACHリソースを選択する命令を実行するように設定される。別の実施形態において、前記プロセッサはまた、ランダムアクセスの最中にターゲットセルのビーム間における負荷分散の命令を実行するように設定されてもよい。
【0365】
前記システムおよび方法は、現時点において特定の態様であると考えられるものに関して説明されてきたが、本願は、これら開示された態様に限定される必要はない。特許請求の範囲の精神および範囲内に含まれる様々な改変および類似の構成をカバーすることが意図されており、その範囲は、そのような改変および類似の構造を全て包含するように最も広い解釈が与えられるべきである。本開示は、特許請求の範囲の任意の且つ全ての態様を含むものである。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図2
図3
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図5
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図10A
図10B
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図16B
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