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特許7319985除草剤として有用なアミジン置換ベンゾイル誘導体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-25
(45)【発行日】2023-08-02
(54)【発明の名称】除草剤として有用なアミジン置換ベンゾイル誘導体
(51)【国際特許分類】
   C07D 257/06 20060101AFI20230726BHJP
   A01N 43/713 20060101ALI20230726BHJP
   A01P 13/00 20060101ALI20230726BHJP
【FI】
C07D257/06 A
A01N43/713
A01P13/00
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020539730
(86)(22)【出願日】2019-01-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-06
(86)【国際出願番号】 EP2019051071
(87)【国際公開番号】W WO2019141740
(87)【国際公開日】2019-07-25
【審査請求日】2022-01-12
(31)【優先権主張番号】1800894.6
(32)【優先日】2018-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】519295993
【氏名又は名称】シンジェンタ パーティシペーションズ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100183379
【弁理士】
【氏名又は名称】藤代 昌彦
(72)【発明者】
【氏名】バートン ポール マシュー
(72)【発明者】
【氏名】スミス アレキサンダー マーティン リチャード
(72)【発明者】
【氏名】エメリー ケイティ
【審査官】三木 寛
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-532679(JP,A)
【文献】特表2013-536817(JP,A)
【文献】特表2002-527418(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0015073(US,A1)
【文献】特開昭56-081553(JP,A)
【文献】国際公開第2004/067518(WO,A1)
【文献】特表2010-520898(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A01N
A01P
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物:
【化1】
(式中:
2は、ハロゲン、C1~C6アルキル、C3~C6-シクロアルキル、C1~C6ハロアルキル及び-S(O)p1~C6アルキルからなる群から選択され;
3は、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C6ハロアルキル及び-S(O)p1~C6アルキルからなる群から選択され;
Qは、Q1
【化2】
であり
1aは、C1~C4アルキル-又はC1~C3-アルコキシ-C1~C3-アルキル-であり;
Xは、-(CH2n-であり、かつ、nは、0であり
Zは、Z1
【化3】
であり;
4は、水素、C1~C6アルキル、C1~C6ハロアルキル及びC3~C6シクロアルキルからなる群から選択され;
5は、水素、C1~C6アルキル及びC1~C6ハロアルキルからなる群から選択され;
6は、水素、C1~C6アルキル、C1~C6ハロアルキル、シアノ及びフェニルからなる群から選択され、ここで、前記フェニルは、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C6ハロアルキル及びC1~C6アルコキシからなる群から選択される1、2若しくは3個の置換基で置換されていてもよく;又は
5及びR6は一緒になって、-CH2CH2CH2CH2、-CH2CH2CH2CH2CH2-又は-CH2CH2OCH2CH2-であり;並びに
p=0、1又は2である)
又は、その農学的に許容可能な塩。
【請求項2】
2は、メチル、Cl、-CF3及び-SO2メチルからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
3は、メチル、Cl、-CF3及び-SO2メチルからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
1a は、メチル、エチル及びn-プロピルからなる群から選択される、請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
請求項1~のいずれか一項に記載の化合物、及び、農学的に許容可能な配合助剤を含む除草組成物。
【請求項6】
少なくとも1種の追加の殺有害生物剤をさらに含む、請求項に記載の除草組成物。
【請求項7】
前記追加の殺有害生物剤が除草剤又は除草剤毒性緩和剤である、請求項に記載の除草組成物。
【請求項8】
生息地における雑草の防除方法であって、雑草防除量の請求項のいずれか一項に記載の組成物を前記生息地に適用するステップを含む防除方法。
【請求項9】
除草剤としての、請求項1に定義されている式(I)の化合物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規除草性化合物、その調製プロセス、新規化合物を含む除草性組成物、及び、特に有用な植物の作物における雑草の防除のため、又は、植物の成長阻害のためのその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
N-(テトラゾール-5-イル)-及びN-(1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)アリールカルボキサミドが、それぞれ、例えば国際公開第2012/028579号及び国際公開第2012/126932号に開示されている。本発明は、新規アミジン置換ベンゾイル化合物に関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
それ故、本発明によれば、式(I)の化合物:
【化1】
又は、その農業経済学的に(agronomically)許容可能な塩
(式中:
2は、ハロゲン、C1~C6アルキル、C3~C6-シクロアルキル、C1~C6ハロアルキル及び-S(O)p1~C6アルキルからなる群から選択され;
3は、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C6ハロアルキル及び-S(O)p1~C6アルキルからなる群から選択され;
Qは、Q1、Q2及びQ3
【化2】
からなる群から選択され;
1aは、C1~C4アルキル-又はC1~C3-アルコキシ-C1~C3-アルキル-であり;
1bは、水素、C1~C4アルキル-及びC1~C3-アルコキシ-C1~C3-アルキル-からなる群から選択され;
1は、O、C(O)及び(CRef)からなる群から選択され;
a、Rb、Rc、Rd、Re及びRfは各々、水素及びC1~C4アルキルからなる群から独立して選択され、ここで、Ra及びRcは一緒になってC1~C3アルキレン鎖を形成し得;
Xは、-(CH2n-又は-(CH2n-O-(CH2n-であり;
nは、0、1及び2から独立して選択され;
Zは、Z1又はZ2
【化3】
であり;
4は、水素、C1~C6アルキル、C1~C6ハロアルキル及びC3~C6シクロアルキルからなる群から選択され;
5は、水素、C1~C6アルキル及びC1~C6ハロアルキルからなる群から選択され;
6は、水素、C1~C6アルキル、C1~C6ハロアルキル、シアノ及びフェニルからなる群から選択され、ここで、フェニルは、ハロゲン、C1~C6アルキル、C1~C6ハロアルキル及びC1~C6アルコキシからなる群から選択される1、2若しくは3個の置換基で任意選択により置換されており;又は
5及びR6は一緒になって、-CH2CH2CH2CH2、-CH2CH2CH2CH2CH2-又は-CH2CH2OCH2CH2-であり;並びに
7は、水素及びC1~C6アルキルからなる群から選択され;
8は、水素、C1~C6アルキル、C1~C6-ハロアルキル及びC3~C6-シクロアルキルからなる群から選択され;
9は、水素、シアノ、C1~C6アルキル及びC1~C6アルコキシ-からなる群から選択され;並びに
p=0、1又は2である)
が提供されている。
【発明を実施するための形態】
【0004】
1~C6アルキル及びC1~C4アルキル基としては、例えば、メチル(Me、CH3)、エチル(Et、C25)、n-プロピル(n-Pr)、イソプロピル(i-Pr)、n-ブチル(n-Bu)、イソブチル(i-Bu)、sec-ブチル及びtert-ブチル(t-Bu)が挙げられる。
【0005】
3~C6シクロアルキル-としては、シクロプロピル(c-プロピル(c-Pr))、シクロブチル(c-ブチル(c-Bu))、シクロペンチル(c-ペンチル)及びシクロヘキシル(c-ヘキシル)が挙げられる。
【0006】
ハロゲン(又はハロ)は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を包含する。同様に、ハロアルキルなどの、他の定義に係る文脈におけるハロゲンについても同じである。
【0007】
1~C6ハロアルキルとしては、例えば、フルオロメチル-、ジフルオロメチル-、トリフルオロメチル-、クロロメチル-、ジクロロメチル-、トリクロロメチル-、2,2,2-トリフルオロエチル-、2-フルオロエチル-、2-クロロエチル-、ペンタフルオロエチル-、1,1-ジフルオロ-2,2,2-トリクロロエチル-、2,2,3,3-テトラフルオロエチル-、2,2,2-トリクロロエチル-、ヘプタフルオロ-n-プロピル及びパーフルオロ-n-ヘキシルが挙げられる。C1~C4ハロアルキルとしては、例えば、フルオロメチル-、ジフルオロメチル-、トリフルオロメチル-、クロロメチル-、ジクロロメチル-、トリクロロメチル-、2,2,2-トリフルオロエチル-、2-フルオロエチル-、2-クロロエチル-、ペンタフルオロエチル-、1,1-ジフルオロ-2,2,2-トリクロロエチル-、2,2,3,3-テトラフルオロエチル-、2,2,2-トリクロロエチル-及びヘプタフルオロ-n-プロピル-が挙げられる。
【0008】
1~C6アルキル-S-(アルキルチオ)は、例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、n-ブチルチオ、イソブチルチオ、sec-ブチルチオ又はtert-ブチルチオ、好ましくは、メチルチオ又はエチルチオである。
【0009】
1~C6アルキル-S(O)-(アルキルスルフィニル)は、例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、プロピルスルフィニル、イソプロピルスルフィニル、n-ブチルスルフィニル、イソブチルスルフィニル、sec-ブチルスルフィニル又はtert-ブチルスルフィニル、好ましくは、メチルスルフィニル又はエチルスルフィニルである。
【0010】
1~C6アルキル-S(O)2-(アルキルスルホニル)は、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、n-ブチルスルホニル、イソブチルスルホニル、sec-ブチルスルホニル又はtert-ブチルスルホニル、好ましくは、メチルスルホニル又はエチルスルホニルである。
【0011】
本発明の好ましい実施形態において、R2は、メチル、Cl、-CF3及び-SO2メチルからなる群から選択される。
【0012】
本発明の他の好ましい実施形態において、R3は、メチル、Cl、-CF3及び-SO2メチルからなる群から選択される。
【0013】
本発明の他の好ましい実施形態において、R1a及びR1bは、メチル、エチル及びn-プロピルからなる群から選択される。
【0014】
本発明の他の実施形態において、QはQ1であり、及び、ZはZ1である。この実施形態において、Xは-(CH2n-であることが可能であり、及び、nは0である。この実施形態において、式(I)の化合物は、式(Ia)の化合物:
【化4】
であり、式中、R1a、R2、R3、R4、R5及びR6は、式(I)の化合物に関して定義されているとおりである。
【0015】
本発明の他の実施形態において、QはQ2であり、及び、ZはZ1である。この実施形態において、Xは、好ましくは、-(CH2n-であることが可能であり、及び、nは0又は-CH2O-(ここで、-CH2はフェニル環に結合しており、及び、OはZに結合している)である。それ故、本発明の他の好ましい実施形態においては、式(Ib)の化合物
【化5】
が提供されており、式中、R1b、R2、R3、R4、R5及びR6は、式(I)の化合物に関して定義されているとおりである。
【0016】
本発明の他の実施形態において、QはQ3であり、及び、ZはZ1である。
【0017】
本発明の他の実施形態において、QはQ1であり、及び、ZはZ2である。
【0018】
本発明の他の実施形態において、QはQ2であり、及び、ZはZ2である。
【0019】
本発明の他の実施形態において、QはQ3であり、及び、ZはZ2である。
【0020】
式(I)の化合物(及び、式(I)の化合物の合成に用いられる一定の中間体化合物)は不斉中心を含んでいてもよく、単一の鏡像異性体、任意の割合での鏡像異性体対として存在していてもよく、又は、2つ以上の不斉中心が存在している場合には、すべての可能な比率でジアステレオ異性体を含有していてもよい。典型的には、鏡像異性体の一方が、他方に係る見込みと比して高い生物学的活性を有する。
【0021】
本発明はまた、式(I)の化合物のすべての可能な幾何異性形態及び互変異性形態を含む。
【0022】
本発明はまた、式(I)の化合物が、アミン(例えばアンモニア、ジメチルアミン及びトリエチルアミン)、アルカリ金属及びアルカリ土類金属塩基又は第四級アンモニウム塩基と形成し得る農業経済学的に許容可能な塩を含む。塩形成物として用いられるアルカリ金属及びアルカリ土類金属水酸化物、酸化物、アルコキシド並びに炭酸水素塩及び炭酸塩のうち、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム及びカルシウムの水酸化物、アルコキシド、酸化物及び炭酸塩、特に、ナトリウム、マグネシウム及びカルシウムの水酸化物、アルコキシド、酸化物及び炭酸塩が重要である。対応するトリメチルスルホニウム塩もまた用いられ得る。
【0023】
本発明による式(I)の化合物は、それ自体で除草剤として使用することができるが、それらは、一般に、担体、溶媒及び表面活性剤(SFA)などの製剤助剤を用いて除草性組成物へと製剤化される。したがって、本発明は、本発明による除草性化合物と、農学的に(agriculturally)許容できる製剤助剤とを含む除草性組成物をさらに提供する。この組成物は、使用前に希釈される濃縮物の形態であり得るが、すぐに使用できる組成物も作製され得る。最終的な希釈は、通常、水を用いて行われるが、水の代わりに、又は水に加えて、例えば、液体肥料、微量栄養素、生物有機体、油又は溶媒を用いて行われ得る。
【0024】
除草性組成物は、一般に、0.1~99重量%、特に0.1~95重量%の式Iの化合物と、好ましくは0~25重量%の表面活性物質を含む1~99.9重量%の製剤助剤とを含む。
【0025】
この組成物は、多くの剤型から選択することができ、そのうちの多くは、the Manual on Development and Use of FAO Specifications for Plant Protection Products,5th Edition,1999から公知である。これらとしては、粉剤(DP)、水溶剤(SP)、水溶顆粒(SG)、水和性顆粒(WG)、水和剤(WP)、粒剤(GR)(徐放性又は即放性)、可溶濃縮剤(SL)、油混和性液剤(OL)、超低量液剤(UL)、乳化性濃縮物(EC)、分散性濃縮物(DC)、乳剤(水中油(EW)及び油中水(EO)の両方)、マイクロエマルション(ME)、懸濁液濃縮物(SC)、エアゾール、カプセル懸濁剤(CS)及び種子処理製剤が挙げられる。いずれの場合も、選択される剤型は、想定される具体的な目的並びに式(I)の化合物の物理的、化学的及び生物学的特性に応じて決まるであろう。
【0026】
粉剤(DP)は、式(I)の化合物を、1種以上の固体希釈剤(例えば天然粘土、カオリン、葉ろう石、ベントナイト、アルミナ、モンモリロナイト、キーゼルグール、チョーク、珪藻土、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム及び炭酸マグネシウム、硫黄、石灰、小麦粉、タルク及び他の有機及び無機固体担体)と混合し、この混合物を微粉末へと機械的に粉砕することによって調製され得る。
【0027】
水溶剤(SP)は、水への分散性/溶解性を改善するために、式(I)の化合物を、1種以上の水溶性無機塩(炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム又は硫酸マグネシウムなど)又は1種以上の水溶性有機固体(多糖など)及び、任意選択で、1種以上の湿潤剤、1種以上の分散剤又は前記物質の混合物と混合することによって調製され得る。次に、この混合物は、微粉末に粉砕される。また、同様の組成物を造粒して、水溶顆粒(SG)を形成してもよい。
【0028】
水和剤(WP)は、式(I)の化合物を、1種以上の固体希釈剤又は担体、1種以上の湿潤剤並びに、好ましくは、1種以上の分散剤及び、任意選択で、1種以上の懸濁化剤と混合して、液体中の分散を促進することによって調製され得る。次に、この混合物は、微粉末に粉砕される。また、同様の組成物を造粒して、水和性顆粒(WG)を形成してもよい。
【0029】
粒剤(GR)は、式(I)の化合物と1種以上の粉末化された固体希釈剤又は担体との混合物を造粒することによるか、或いは式(I)の化合物(又は好適な物質中のその溶液)を、多孔質の顆粒物質(軽石、アタパルジャイト粘土、フラー土、キーゼルグール、珪藻土又は粉砕されたトウモロコシの穂軸など)中に吸収することによるか、又は式(I)の化合物(又は好適な物質中のその溶液)を、硬質のコア材(砂、ケイ酸塩、無機の炭酸塩、硫酸塩又はリン酸塩など)上に吸着し、必要に応じて乾燥させることによって、予め形成されたブランク顆粒(blank granule)から造粒することによるかのいずれかによって形成され得る。吸収又は吸着を補助するのに一般的に使用される物質としては、溶媒(脂肪族及び芳香族石油系溶媒、アルコール、エーテル、ケトン及びエステルなど)及び固着剤(ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、デキストリン、糖類及び植物油など)が挙げられる。また、1種以上の他の添加剤が、粒剤に含まれてもよい(例えば乳化剤、湿潤剤又は分散剤)。
【0030】
分散性濃縮物(DC)は、式(I)の化合物を、水或いはケトン、アルコール又はグリコールエーテルなどの有機溶媒に溶解させることによって調製され得る。これらの溶液は、(例えば水希釈性を改善し、又は噴霧タンク中の結晶化を防止するために)表面活性剤を含有してもよい。
【0031】
乳化性濃縮物(EC)又は水中油型乳剤(EW)は、式(I)の化合物を、有機溶媒(任意選択で、1種以上の湿潤剤、1種以上の乳化剤又は前記物質の混合物を含有する)に溶解させることによって調製され得る。ECに使用するのに適した有機溶媒としては、芳香族炭化水素(SOLVESSO 100、SOLVESSO 150及びSOLVESSO 200によって例示されるアルキルベンゼン又はアルキルナフタレンなど;SOLVESSOは登録商標である)、ケトン(シクロヘキサノン又はメチルシクロヘキサノンなど)及びアルコール(ベンジルアルコール、フルフリルアルコール又はブタノールなど)、N-アルキルピロリドン(N-メチルピロリドン又はN-オクチルピロリドンなど)、脂肪酸のジメチルアミド(C8~C10脂肪酸のジメチルアミドなど)及び塩素化炭化水素が挙げられる。EC製品は、水に加えると自然に乳化して、適切な装置によって噴霧施用可能なほど十分な安定性を有する乳剤を生成し得る。
【0032】
EWの調製は、式(I)の化合物を液体として(それが室温で液体でない場合、適当な温度、典型的に70℃未満で溶融させてもよい)又は溶液中で(それを適切な溶媒に溶解させることによって)得る工程と、次に、得られた液体又は溶液を高せん断下で1種以上のSFAを含有する水へ乳化して、乳剤を生成する工程とを含む。EWに使用するのに適した溶媒としては、植物油、塩素化炭化水素(クロロベンゼンなど)、芳香族溶媒(アルキルベンゼン又はアルキルナフタレンなど)及び水溶性の低い他の適切な有機溶媒が挙げられる。
【0033】
マイクロエマルション(ME)は、水を、1種以上のSFAと1種以上の溶媒とのブレンドと混合して、熱力学的に安定した等方性(isotropic)液体製剤を自然に生じさせることによって調製され得る。式(I)の化合物は、最初、水又は溶媒/SFAブレンドのいずれかの中に存在する。MEに使用するのに適した溶媒としては、EC又はEWへの使用に関して上述したものが挙げられる。MEは、水中油型又は油中水型系のいずれかであり得(どちらの系が存在するかは、伝導度測定によって決定され得る)、水溶性及び油溶性有害生物防除剤を同じ製剤中で混合することに適し得る。MEは、水へ希釈するのに適しており、マイクロエマルションのまま残るか又は従来の水中油乳剤を形成する。
【0034】
懸濁液濃縮物(SC)は、式(I)の化合物の微粉化された不溶性固体粒子の水性又は非水性懸濁液を含み得る。SCは、好適な媒体中で、式(I)の固体化合物を、任意選択で1種以上の分散剤と共にボールミル粉砕又はビーズミル粉砕して、この化合物の微粒子懸濁液を生成することによって調製され得る。1種以上の湿潤剤が、組成物に含まれてもよく、懸濁化剤が、粒子の沈降速度を低下させるために含まれてもよい。或いは、式(I)の化合物は、乾式ミル粉砕され、上述した物質を含有する水に加えられて、所望の最終生成物を生成してもよい。
【0035】
エアゾール製剤は、式(I)の化合物及び好適な噴射剤(例えばn-ブタン)を含む。式(I)の化合物はまた、好適な媒体(例えば水又はn-プロパノールなどの水混和性液体)に溶解又は分散されて、非加圧式の、手動噴霧ポンプにおいて使用するための組成物が得られる。
【0036】
カプセル懸濁剤(CS)は、各油滴がポリマーシェルによって封入され、且つ式(I)の化合物及び、任意選択で、そのための担体又は希釈剤を含有する油滴の水性分散液が得られる追加の重合段階を伴う以外は、EW製剤の調製と同様の方法で調製され得る。ポリマーシェルは、界面重縮合反応又はコアセルベーション手順のいずれかによって生成され得る。この組成物は、式(I)の化合物の制御放出を提供し、種子処理に使用されてもよい。式(I)の化合物はまた、生分解性ポリマーマトリックス中で製剤化されて、この化合物の遅延制御放出を提供することができる。
【0037】
組成物は、例えば表面上の湿潤、保持又は分散;処理された表面における耐雨性;又は式(I)の化合物の取り込み又は移動性を改善することによって、組成物の生物学的性能を改善するために、1種以上の添加剤を含んでいてもよい。このような添加剤としては、表面活性剤(SFA)、油系噴霧添加剤、例えば特定の鉱油又は天然植物油(ダイズ油及びナタネ油など)、及びこれらと、他の生物学的強化(bio-enhancing)助剤(式(I)の化合物の作用を補助し、又は調整し得る成分)とのブレンドが挙げられる。
【0038】
湿潤剤、分散剤及び乳化剤は、カチオン型、アニオン型、両性型又は非イオン型のSFAであってもよい。
【0039】
好適なカチオン型のSFAとしては、第四級アンモニウム化合物(例えば臭化セチルトリメチルアンモニウム)、イミダゾリン及びアミン塩が挙げられる。
【0040】
好適なアニオン型SFAとしては、脂肪酸のアルカリ金属塩、硫酸の脂肪族モノエステルの塩(例えばラウリル硫酸ナトリウム)、スルホン化された芳香族化合物の塩(例えばドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム、スルホン酸ブチルナフタレン並びにジ-イソプロピル-及びトリ-イソプロピル-ナフタレンスルホン酸ナトリウムの混合物)、硫酸エーテル、硫酸アルコールエーテル(例えばラウレス-3-硫酸ナトリウム)、カルボン酸エーテル(例えばラウレス-3-カルボン酸ナトリウム)、リン酸エステル(1種以上の脂肪族アルコールとリン酸との反応からの生成物(主にモノ-エステル)又は五酸化リン(主にジ-エステル)、例えばラウリルアルコールとテトラリン酸との反応物;さらにこれらの生成物は、エトキシ化されていてもよい)、スルホスクシナメート(sulphosuccinamate)、パラフィン又はオレフィンスルホネート、タウレート及びリグノスルホネートが挙げられる。
【0041】
好適な両性型のSFAとしては、ベタイン、プロピオネート及びグリシネートが挙げられる。
【0042】
好適な非イオン型のSFAとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドなどのアルキレンオキシド又はそれらの混合物の、脂肪族アルコール(オレイルアルコール又はセチルアルコールなど)又はアルキルフェノール(オクチルフェノール、ノニルフェノール又はオクチルクレゾールなど)との縮合生成物;長鎖脂肪酸又は無水ヘキシトールから誘導される部分エステル;前記部分エステルのエチレンオキシドとの縮合生成物;ブロックポリマー(エチレンオキシド及びプロピレンオキシドを含む);アルカノールアミド;単純なエステル(例えば脂肪酸ポリエチレングリコールエステル);アミンオキシド(例えばラウリルジメチルアミンオキシド);及びレシチンが挙げられる。
【0043】
好適な懸濁化剤としては、親水コロイド(多糖類、ポリビニルピロリドン又はカルボキシメチルセルロースナトリウムなど)及び膨潤粘土(ベントナイト又はアタパルジャイトなど)が挙げられる。
【0044】
本明細書の化合物は、少なくとも1種の追加の有害生物防除剤をさらに含み得る。例えば、本発明の化合物は、他の除草剤又は植物成長調節剤と組み合わせて使用することもできる。好ましい実施形態において、追加の有害生物防除剤は、除草剤及び/又は除草剤毒性緩和剤である。このような混合物の例は、以下のとおりである(「I」が式Iの化合物を表す)。I+アセトクロール、I+アシフルオルフェン、I+アシフルオルフェン-ナトリウム、I+アクロニフェン、I+アクロレイン、I+アラクロル、I+アロキシジム、I+アメトリン、I+アミカルバゾン、I+アミドスルフロン、I+アミノピラリド、I+アミトロール、I+アニロホス、I+アシュラム、I+アトラジン、I+アザフェニジン、I+アジムスルフロン、I+BCPC、I+ベフルブタミド、I+ベナゾリン、I+ベンカルバゾン、I+ベンフルラリン、I+ベンフレセート、I+ベンスルフロン、I+ベンスルフロン-メチル、I+ベンスリド、I+ベンタゾン、I+ベンズフェンジゾン、I+ベンゾビシクロン、I+ベンゾフェナップ、I+ビシクロピロン、I+ビフェノックス、I+ビラナホス(bilanafos)、I+ビスピリバック、I+ビスピリバック-ナトリウム、I+ホウ砂、I+ブロマシル、I+ブロモブチド、I+ブロモキシニル、I+ブタクロール、I+ブタミホス、I+ブトラリン、I+ブトロキシジム、I+ブチレート、I+カコジル酸、I+塩素酸カルシウム、I+カフェンストロール、I+カルベタミド、I+カルフェントラゾン、I+カルフェントラゾン-エチル、I+クロルフルレノール、I+クロルフルレノール-メチル、I+クロリダゾン、I+クロリムロン、I+クロリムロン-エチル、I+クロロ酢酸、I+クロロトルロン、I+クロルプロファム、I+クロルスルフロン、I+クロルタール、I+クロルタール-ジメチル、I+シニドン-エチル、I+シンメチリン、I+シノスルフロン、I+シスアニリド、I+クレトジム、I+クロジナホップ、I+クロジナホップ-プロパルギル、I+クロマゾン、I+クロメプロップ、I+クロピラリド、I+クロランスラム、I+クロランスラム-メチル、I+シアナジン、I+シクロエート、I+シクロスルファムロン、I+シクロキシジム、I+シハロホップ、I+シハロホップ-ブチル、I+2,4-D、I+ダイムロン、I+ダラポン、I+ダゾメット、I+2,4-DB、I+I+デスメジファム、I+ジカンバ、I+ジクロベニル、I+ジクロルプロップ、I+ジクロルプロップ-P、I+ジクロホップ、I+ジクロホップ-メチル、I+ジクロスラム、I+ジフェンゾコート、I+ジフェンゾコートメチルサルフェート(difenzoquat metilsulfate)、I+ジフルフェニカン、I+ジフルフェンゾピル、I+ジメフロン、I+ジメピペレート、I+ジメタクロール、I+ジメタメトリン、I+ジメテナミド、I+ジメテナミド-P、I+ジメチピン、I+ジメチルアルシン酸、I+ジニトラミン、I+ジノテルブ、I+ジフェナミド、I+ジプロペトリン、I+ジクワット、I+二臭化ジクワット、I+ジチオピル、I+ジウロン、I+エンドタール、I+EPTC、I+エスプロカルブ、I+エタルフルラリン、I+エタメトスルフロン、I+エタメトスルフロン-メチル、I+エセフォン、I+エトフメセート、I+エトキシフェン、I+エトキシスルフロン、I+エトベンザニド、I+フェノキサプロップ-P、I+フェノキサプロップ-P-エチル、I+フェンキノトリオン、I+フェントラザミド、I+硫酸第一鉄、I+フラムプロップ-M、I+フラザスルフロン、I+フロラスラム、I+フルアジホップ、I+フルアジホップ-ブチル、I+フルアジホップ-P、I+フルアジホップ-P-ブチル、I+フルアゾレート、I+フルカルバゾン、I+フルカルバゾン-ナトリウム、I+フルセトスルフロン、I+フルクロラリン、I+フルフェンナセット、I+フルフェンピル、I+フルフェンピル-エチル、I+フルメトラリン、I+フルメトスラム、I+フルミクロラック、I+フルミクロラック-ペンチル、I+フルミオキサジン、I+フルミプロピン(flumipropin)、I+フルオメツロン、I+フルオログリコフェン、I+フルオログリコフェン-エチル、I+フルオキサプロップ(fluoxaprop)、I+フルポキサム、I+フルプロパシル(flupropacil)、I+フルプロパネート、I+フルピルスルフロン、I+フルピルスルフロン-メチル-ナトリウム、I+フルレノール、I+フルリドン、I+フルロクロリドン、I+フルロキシピル、I+フルルタモン、I+フルチアセット、I+フルチアセット-メチル、I+ホメサフェン、I+ホラムスルフロン、I+ホサミン、I+グルホシネート、I+グルホシネート-アンモニウム、I+グリホサート、I+ハラウキシフェン、I+ハロスルフロン、I+ハロスルフロン-メチル、I+ハロキシホップ、I+ハロキシホップ-P、I+ヘキサジノン、I+イマザメタベンズ、I+イマザメタベンズ-メチル、I+イマザモックス、I+イマザピック、I+イマザピル、I+イマザキン、I+イマゼタピル、I+イマゾスルフロン、I+インダノファン、I+インダジフラム、I+ヨードメタン、I+ヨードスルフロン、I+ヨードスルフロン-メチル-ナトリウム、I+イオキシニル、I+イソプロツロン、I+イソウロン、I+イソキサベン、I+イソキサクロルトール、I+イソキサフルトール、I+イソキサピリホップ(isoxapyrifop)、I+カルブチレート、I+ラクトフェン、I+レナシル、I+リニュロン、I+メコプロップ、I+メコプロップ-P、I+メフェナセット、I+メフルイジド、I+メソスルフロン、I+メソスルフロン-メチル、I+メソトリオン、I+メタム、I+メタミホップ、I+メタミトロン、I+メタザクロール、I+メタベンズチアズロン、I+メタゾール、I+メチルアルソン酸、I+メチルダイムロン、I+メチルイソチオシアネート、I+メトラクロール、I+S-メトラクロール、I+メトスラム、I+メトクスロン、I+メトリブジン、I+メトスルフロン、I+メトスルフロン-メチル、I+モリネート、I+モノリニュロン、I+ナプロアニリド、I+ナプロパミド、I+ナプタラム、I+ネブロン、I+ニコスルフロン、I+n-メチルグリホサート、I+ノナン酸、I+ノルフルラゾン、I+オレイン酸(脂肪酸)、I+オルベンカルブ、I+オルソスルファムロン、I+オリザリン、I+オキサジアルギル、I+オキサジアゾン、I+オキサスルフロン、I+オキサジクロメホン、I+オキシフルオルフェン、I+パラコート、I+二塩化パラコート、I+ペブレート、I+ペンジメタリン、I+ペノキススラム、I+ペンタクロロフェノール、I+ペンタノクロール、I+ペントキサゾン、I+ペトキサミド、I+フェンメジファム、I+ピクロラム、I+ピコリナフェン、I+ピノキサデン、I+ピペロホス、I+プレチラクロール、I+プリミスルフロン、I+プリミスルフロン-メチル、I+プロジアミン、I+プロホキシジム、I+プロヘキサジオン-カルシウム、I+プロメトン、I+プロメトリン、I+プロパクロール、I+プロパニル、I+プロパキザホップ、I+プロパジン、I+プロファム、I+プロピソクロール、I+プロポキシカルバゾン、I+プロポキシカルバゾン-ナトリウム、I+プロピザミド、I+プロスルホカルブ、I+プロスルフロン、I+ピラクロニル、I+ピラフルフェン、I+ピラフルフェン-エチル、I+ピラスルホトール、I+ピラゾリネート、I+ピラゾスルフロン、I+ピラゾスルフロン-エチル、I+ピラゾキシフェン、I+ピリベンゾキシム、I+ピリブチカルブ、I+ピリダホル、I+ピリデート、I+ピリフタリド、I+ピリミノバック、I+ピリミノバック-メチル、I+ピリミスルファン、I+ピリチオバック、I+ピリチオバック-ナトリウム、I+ピロキサスルホン、I+ピロックススラム、I+キンクロラック、I+キンメラック、I+キノクラミン、I+キザロホップ、I+キザロホップ-P、I+リムスルフロン、I+サフルフェナシル、I+セトキシジム、I+シデュロン、I+シマジン、I+シメトリン、I+塩素酸ナトリウム、
I+スルコトリオン、I+スルフェントラゾン、I+スルホメツロン、I+スルホメツロン-メチル、I+スルホセート、I+スルホスルフロン、I+硫酸、I+テブチウロン、I+テフリルトリオン、I+テンボトリオン、I+テプラロキシジム、I+テルバシル、I+テルブメトン、I+テルブチラジン、I+テルブトリン、I+テニルクロール、I+チアゾピル、I+チフェンスルフロン、I+チエンカルバゾン、I+チフェンスルフロン-メチル、I+チオベンカルブ、I+トプラメゾン、I+トラルコキシジム、I+トリ-アレート、I+トリアスルフロン、I+トリアジフラム、I+トリベヌロン、I+トリベヌロン-メチル、I+トリクロピル、I+トリエタジン、I+トリフロキシスルフロン、I+トリフロキシスルフロン-ナトリウム、I+トリフルラリン、I+トリフルスルフロン、I+トリフルスルフロン-メチル、I+トリヒドロキシトリアジン、I+トリネキサパック-エチル、I+トリトスルフロン、I+[3-[2-クロロ-4-フルオロ-5-(1-メチル-6-トリフルオロメチル-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン-3-イル)フェノキシ]-2-ピリジルオキシ]酢酸エチルエステル(CAS RN 353292-31-6)。I+4-ヒドロキシ-1-メトキシ-5-メチル-3-[4-(トリフルオロメチル)-2-ピリジル]イミダゾリジン-2-オン、I+4-ヒドロキシ-1,5-ジメチル-3-[4-(トリフルオロメチル)-2-ピリジル]イミダゾリジン-2-オン、I+5-エトキシ-4-ヒドロキシ-1-メチル-3-[4-(トリフルオロメチル)-2-ピリジル]イミダゾリジン-2-オン、I+4-ヒドロキシ-1-メチル-3-[4-(トリフルオロメチル)-2-ピリジル]イミダゾリジン-2-オン、I+4-ヒドロキシ-1,5-ジメチル-3-[1-メチル-5-(トリフルオロメチル)ピラゾール-3-イル]イミダゾリジン-2-オン、I+(4R)1-(5-t-ブチルイソキサゾール-3-イル)-4-エトキシ-5-ヒドロキシ-3-メチル-イミダゾリジン-2-オン、I+3-[2-(3,4-ジメトキシフェニル)-6-メチル-3-オキソ-ピリダジン-4-カルボニル]ビシクロ[3.2.1]オクタン-2,4-ジオン、I+2-[2-(3,4-ジメトキシフェニル)-6-メチル-3-オキソ-ピリダジン-4-カルボニル]-5-メチル-シクロヘキサン-1,3-ジオン、I+2-[2-(3,4-ジメトキシフェニル)-6-メチル-3-オキソ-ピリダジン-4-カルボニル]シクロヘキサン-1,3-ジオン、2-[2-(3,4-ジメトキシフェニル)-6-メチル-3-オキソ-ピリダジン-4-カルボニル]-5,5-ジメチル-シクロヘキサン-1,3-ジオン、I+6-[2-(3,4-ジメトキシフェニル)-6-メチル-3-オキソ-ピリダジン-4-カルボニル]-2,2,4,4-テトラメチル-シクロヘキサン-1,3,5-トリオン、I+2-[2-(3,4-ジメトキシフェニル)-6-メチル-3-オキソ-ピリダジン-4-カルボニル]-5-エチル-シクロヘキサン-1,3-ジオン、I+2-[2-(3,4-ジメトキシフェニル)-6-メチル-3-オキソ-ピリダジン-4-カルボニル]-4,4,6,6-テトラメチル-シクロヘキサン-1,3-ジオン、I+2-[6-シクロプロピル-2-(3,4-ジメトキシフェニル)-3-オキソ-ピリダジン-4-カルボニル]-5-メチル-シクロヘキサン-1,3-ジオン、I+3-[6-シクロプロピル-2-(3,4-ジメトキシフェニル)-3-オキソ-ピリダジン-4-カルボニル]ビシクロ[3.2.1]オクタン-2,4-ジオン、I+2-[6-シクロプロピル-2-(3,4-ジメトキシフェニル)-3-オキソ-ピリダジン-4-カルボニル]-5,5-ジメチル-シクロヘキサン-1,3-ジオン、I+6-[6-シクロプロピル-2-(3,4-ジメトキシフェニル)-3-オキソ-ピリダジン-4-カルボニル]-2,2,4,4-テトラメチル-シクロヘキサン-1,3,5-トリオン、I+2-[6-シクロプロピル-2-(3,4-ジメトキシフェニル)-3-オキソ-ピリダジン-4-カルボニル]シクロヘキサン-1,3-ジオン、I+4-[2-(3,4-ジメトキシフェニル)-6-メチル-3-オキソ-ピリダジン-4-カルボニル]-2,2,6,6-テトラメチル-テトラヒドロピラン-3,5-ジオン及び4-[6-シクロプロピル-2-(3,4-ジメトキシフェニル)-3-オキソ-ピリダジン-4-カルボニル]-2,2,6,6-テトラメチル-テトラヒドロピラン-3,5-ジオン。本発明の化合物はまた、国際公開第06/024820号及び/又は国際公開第07/096576号に開示される除草性化合物と組み合わされてもよい。
【0045】
式Iの化合物の混合パートナー(mixing partner)はまた、例えば、The Pesticide Manual,Sixteenth Edition,British Crop Protection Council,2012に言及されているように、エステル又は塩の形態であってもよい。
【0046】
式Iの化合物は、殺真菌剤、殺線虫剤又は殺虫剤などの他の農薬との混合物中で使用することもでき、その例が、The Pesticide Manualに示されている。
【0047】
混合パートナーに対する式Iの化合物の混合比は、好ましくは、1:100~1000:1である。
【0048】
混合物は、上記の製剤に有利に使用され得る(その場合、「有効成分」は、混合パートナーとの式Iの化合物のそれぞれの混合物に関する)。
【0049】
本発明による式Iの化合物は、1種以上の毒性緩和剤と組み合わせて使用することもできる。同様に、1種以上のさらなる除草剤と本発明による式Iの化合物の混合物は、1種以上の毒性緩和剤と組み合わせて使用することもできる。毒性緩和剤は、AD 67(MON 4660)、ベノキサコール、クロキントセット-メキシル、シプロスルファミド(CAS RN 221667-31-8)、ジクロルミド、フェンクロラゾール-エチル、フェンクロリム、フルキソフェニム、フリラゾール及び対応するR異性体、イソキサジフェン-エチル、メフェンピル-ジエチル、オキサベトリニル、N-イソプロピル-4-(2-メトキシ-ベンゾイルスルファモイル)-ベンズアミド(CAS RN 221668-34-4)であり得る。他の可能な毒性緩和剤は、例えば、欧州特許第0365484号明細書に開示される毒性緩和剤化合物、例えば、N-(2-メトキシベンゾイル)-4-[(メチルアミノカルボニル)アミノ]ベンゼンスルホンアミドを含む。特に好ましいのは、シプロスルファミド、イソキサジフェン-エチル、クロキントセット-メキシル及び/又はN-(2-メトキシベンゾイル)-4-[(メチル-アミノカルボニル)アミノ]ベンゼンスルホンアミドとの式Iの化合物の混合物である。
【0050】
式Iの化合物の毒性緩和剤はまた、例えば、The Pesticide Manual,16th Edition(BCPC),2012に言及されているように、エステル又は塩の形態であってもよい。クロキントセット-メキシルへの言及は、国際公開第02/34048号に開示されるように、そのリチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、鉄、アンモニウム、第四級アンモニウム、スルホニウム又はホスホニウム塩にも適用され、フェンクロラゾール-エチルへの言及は、フェンクロラゾールにも適用されるなどである。
【0051】
好ましくは、毒性緩和剤に対する式Iの化合物の混合比は、100:1~1:10、特に、20:1~1:1である。
【0052】
混合物は、上記の製剤に有利に使用され得る(その場合、「有効成分」は、毒性緩和剤との式Iの化合物のそれぞれの混合物に関する)。
【0053】
本発明はさらに、生息地(locus)において雑草を防除する方法を提供するものであり、前記方法は、雑草の生息地に対する、防除量の式(I)の化合物を含む組成物の適用を含む。しかも、本発明はさらに、作物植物及び雑草を含む生息地において雑草を選択的に防除する方法を提供するものであり、ここで、この方法は、生息地に対する、雑草防除量の本発明に係る組成物の適用を含む。「防除」とは、死滅、成長の低減若しくは遅延、又は、発芽の防止若しくは低減を意味する。一般に、防除される植物は、不要な植物(雑草)である。「生息地」とは、植物が成長しているか成長するであろう領域を意味する。いくつかの作物植物は、式(I)の化合物の除草効果に対して先天的に耐性であり得る。しかしながら、いくつかの事例において、耐性は、例えば遺伝子操作によって作物植物に人工的に導入する必要性があり得る。それ故、遺伝子操作によって、HPPD阻害剤に対する耐性を作物植物に与えることが可能である。HPPD阻害剤に対する耐性を作物植物に与える方法は、例えば国際公開第0246387号から公知である。それ故、より好ましい実施形態において、作物植物は、バクテリア、より具体的にはシュードモナスフルオレッセンス(Pseudomonas fluorescens)若しくはシュワネラコルウェリアナ(Shewanella colwelliana)由来のHPPD阻害剤耐性HPPD酵素、又は、植物、より具体的には、単子葉植物、若しくは、さらにより具体的には、オオムギ、トウモロコシ、コムギ、イネ、ブラキアリア属(Brachiaria)、ケンクルス属(Cenchrus)、ドクムギ属(Lolium)、ウシノケグサ属(Festuca)、セタリア属(Setaria)、オヒシバ属(Eleusine)、モロコシ属(Sorghum)若しくはカラスムギ属(Avena)種由来のHPPD阻害剤耐性HPPD酵素をコードするDNA配列を含むポリヌクレオチドに関して、トランスジェニックである。数々のHPPD-耐性ダイズトランスジェニック「イベント」は公知であり、例えばSYHT04R(国際公開第2012/082542号)、SYHT0H2(国際公開第2012/082548号)及びFG72が含まれる。本発明の化合物に耐性である植物をもたらすために使用可能である他のポリヌクレオチド配列が、例えば、国際公開第2010/085705号及び国際公開第2011/068567号に開示されている。それ故、本発明に係る組成物を使用可能である作物植物は、例えばオオムギ及びコムギといった穀類、綿、アブラナ、ヒマワリ、トウモロコシ、イネ、ダイズ、サトウダイコン、サトウキビ及び芝生などの作物を含む。
【0054】
作物植物はまた、果樹、ヤシの木、ココナツの木又は他の堅果などの樹木を含んでいることが可能である。また、ブドウ、低木性の果樹、果実植物及び野菜などのつる植物が含まれる。
【0055】
式Iの化合物の施用率は、広い限度内で変化し、土壌の性質、施用方法(出芽前又は出芽後;種子粉衣;まき溝への施用;非耕地施用(no tillage application)など)、作物、防除される雑草、一般的気候条件、及び施用方法によって左右される他の要因、施用時間及び標的作物に応じて決まり得る。本発明に係る式Iの化合物は、一般に、10~2000g/ha、特に、50~1000g/haの率で施用される。
【0056】
施用は、一般に、組成物を噴霧することによって、典型的に、広い領域用のトラクターに取り付けられた噴霧器によってなされるが、散粉(dusting)(粉剤用)、点滴(drip)又は灌注(drench)などの他の方法を使用することもできる。
【0057】
作物は、従来の品種改良方法又は遺伝子組み換えによって除草剤又は除草剤の種類(例えばALS-、GS-、EPSPS-、PPO-、ACCase-及びHPPD阻害剤)に対する耐性を与えられた作物も含むことが理解されるべきである。従来の品種改良方法によってイミダゾリノン、例えばイマザモックス(imazamox)に対する耐性を与えられた作物の一例は、Clearfield(登録商標)夏ナタネ(キャノーラ)である。遺伝子組み換え方法によって除草剤に対する耐性を与えられた作物の例としては、例えば、RoundupReady(登録商標)及びLibertyLink(登録商標)の商標名で市販されているグリホサート耐性及びグルホシネート耐性トウモロコシ種が挙げられる。
【0058】
作物はまた、遺伝子組み換え方法によって害虫に対する耐性を与えられた作物、例えばBtトウモロコシ(アワノメイガに耐性がある)、Bt綿花(メキシコワタノミゾウムシに耐性がある)及びさらにBtジャゲイモ(コロラドハムシに耐性がある)であることが理解されるべきである。Btトウモロコシの例は、NK(登録商標)(Syngenta Seeds)のBt 176トウモロコシ雑種である。Bt毒素は、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)土壌細菌によって天然に形成されるタンパク質である。毒素、又はこのような毒素を合成することができるトランスジェニック植物の例が、欧州特許出願公開第451878号明細書、欧州特許出願公開第374753号明細書、国際公開第93/07278号、国際公開第95/34656号、国際公開第03/052073号及び欧州特許出願公開第427529号明細書に記載されている。殺虫剤耐性をコードし、1つ又は複数の毒素を発現する1つ又は複数の遺伝子を含むトランスジェニック植物の例は、KnockOut(登録商標)(トウモロコシ)、Yield Gard(登録商標)(トウモロコシ)、NuCOTIN33B(登録商標)(綿花)、Bollgard(登録商標)(綿花)、NewLeaf(登録商標)(ジャガイモ)、NatureGard(登録商標)及びProtexcta(登録商標)である。植物作物又はその種子材料はいずれも、除草剤に対して耐性があると同時に、昆虫の摂食に対して耐性があり得る(「多重(stacked)」トランスジェニック事象)。例えば、種子は、殺虫性のCry3タンパク質を発現する能力を有することができると同時にグリホサートに対して耐性がある。
【0059】
作物はまた、従来の品種改良方法又は遺伝子組み換えによって得られ、いわゆる出力形質(例えば向上した貯蔵安定性、より高い栄養価及び向上した風味)を含む作物を含むことが理解されるべきである。
【0060】
他の有用な植物は、例えばゴルフ場、芝地、公園及び沿道における芝草、又は芝生用に商業的に栽培された芝草、及び花又は低木などの鑑賞植物を含む。
【0061】
組成物は、好ましくない植物(総称して「雑草」)を防除するのに使用され得る。防除される雑草は、単子葉植物種、例えば、コヌカグサ属(Agrostis)、スズメノテッポウ属(Alopecurus)、カラスムギ属(Avena)、ビロードキビ属(Brachiaria)、スズメノチャヒキ属(Bromus)、クリノイガ属(Cenchrus)、カヤツリグサ属(Cyperus)、メヒシバ属(Digitaria)、ヒエ属(Echinochloa)、オヒシバ属(Eleusine)、ドクムギ属(Lolium)、ミズアオイ属(Monochoria)、ツノアイアシ属(Rottboellia)、オモダカ属(Sagittaria)、ホタルイ属(Scirpus)、エノコログサ属(Setaria)及びモロコシ属(Sorghum)、並びに双子葉植物種、例えば、イチビ属(Abutilon)、アマランサス属(Amaranthus)、ブタクサ属(Ambrosia)、アカザ属(Chenopodium)、キク属(Chrysanthemum)、イズハハコ属(Conyza)、ヤエムグラ属(Galium)、サツマイモ属(Ipomoea)、ホオランダガラシ属(Nasturtium)、シダ属(Sida)、シロガラシ属(Sinapis)、ナス属(Solanum)、ハコベ属(Stellaria)、クワガタソウ属(Veronica)、スミレ属(Viola)及びオナモミ属(Xanthium)の両方であり得る。雑草はまた、作物とみなされ得るが、作物の領域の外側で成長する植物(「エスケープ(escape)」)、又は前に植えられていた異なる作物から残された種子から成長する植物(「ボランティア(volunteer)」)を含み得る。このようなボランティア又はエスケープは、特定の他の除草剤に対して耐性であり得る。
【0062】
本発明の化合物は、以下のスキームに従って調製可能である。
【0063】
式(I)に係る化合物は、式(II)の安息香酸から調製され得る。
【化6】
【0064】
スキーム1.1(ここで、Q=Q1)に示されているとおり、式(II)の安息香酸を、好適なアミドカップリング試薬の存在下に、好適な溶剤中において式(III)のアミンで処理する。好適なアミドカップリング試薬の例は、プロピルホスホン酸無水物(T3P)及び1,1’-カルボニルジイミダゾール(CDI)である。好適な溶剤の例はジクロロメタン及び1,4-ジオキサンである。
スキーム1.1
【化7】
【0065】
スキーム1.2(ここで、Q=Q2)に示されているとおり、式(II)の安息香酸を、好適なアミドカップリング試薬の存在下に、好適な溶剤中において式(IV)のアミンで処理して、式(I)の化合物(ここで、Q=Q2)を得る。好適なアミドカップリング試薬の例は、プロピルホスホン酸無水物(T3P)及び1,1’-カルボニルジイミダゾール(CDI)である。好適な溶剤の例はジクロロメタン及び1,4-ジオキサンである。
スキーム1.2
【化8】
【0066】
スキーム1.3(ここで、Q=Q3)に示されているとおり、式(II)の安息香酸を、ジクロロメタン中において塩化オキサリル及び触媒DMFで処理する。クロロ化が完了したら、次いで、トリエチルアミン及び式(V)の1,3-ジオンを反応混合物に添加する。およそ1時間後、触媒アセトンシアノヒドリンを添加して、式(I)の化合物(ここで、Q=Q3)を得る。
スキーム1.3
【化9】
【0067】
式(II)の安息香酸は、スキーム2に示されているとおり、式(VI)のエステルから調製され得、ここで、「Alk」は、C1~C6アルキル、例えばメチル又はエチルとして定義される。
スキーム2
【化10】
【0068】
式VIのエステルを、例えば水酸化ナトリウム又は水酸化リチウムといったアルコキシド塩基及び好適な溶剤で処理する。2つの好適な溶剤の例は、エタノール:水の2:1混合物、又は、テトラヒドロフラン:水の2:1混合物である。式(VI)のエステルは、Zの性質に応じて、多様な方法で調製され得る。スキーム3に示されているとおり、Z=Z1である場合、式(VI)のエステルは、式(VII)のアニリン及び式(VIII)のビルスマイヤー塩から調製され得る。
スキーム3
【化11】
【0069】
(クロロメチレン)ジメチルイミニウムクロリドなどのいくつかのビルスマイヤー塩が商業的に入手可能である。スキーム3に続いて、式(VII)のアミンを、例えばテトラヒドロフランといった好適な溶剤中において式(VIII)のビルスマイヤー塩で処理する。
【0070】
スキーム4に示されているとおり、Z=Z2である場合、式(VI)の化合物は、式(IX)のチオアミドから調製され得る。
スキーム4
【化12】
【0071】
式(IX)のチオアミドを、好適なルイス酸及び好適な溶剤の存在下に適切なアミンH2N-R6で処理する。好適なルイス酸の一例は、テトラフルオロホウ酸銀である。好適な溶剤の一例は、テトラヒドロフランである。スキーム5に示されているとおり、式(IX)のチオアミドは、式(X)のアミンから調製され得、ここで、「Alk」は、メチル又はエチルなどのC1~C6アルキルである。
スキーム5
【化13】
【0072】
スキーム5に示されているとおり、式(X)のアミンを、好適な溶剤中において、式(XI)の適切なジチオエステル及び塩基で処理する。好適な塩基の一例は、トリエチルアミンである。好適な溶剤の一例は、テトラヒドロフランである。式(X)のアミンは、式(VII)のアミンのアルキル化によって調製され得る。例えば還元性アミノ化といったこのようなアルキル化法は、当業者に知られているべきである。或いは、スキーム6に示されているとおり、式(X)のアミンは、式(XII)のハロゲン化物アミノ化により調製され得、ここで、「Hal」は、塩素又は臭素などのハロゲン原子である。
スキーム6
【化14】
【0073】
式(XII)のハロゲン化物を例えばテトラヒドロフランといった適切な溶剤中において、適切なアミンH2N-R7で処理する。この反応においては、塩基を用い得る。式(XII)のハロゲン化アルキルは、種々の方法により調製され得る。その調製の一例(X=-CH2-である場合)は、式(XIII)のメチル置換ベンゼン誘導体の臭素化である。
スキーム7
【化15】
【0074】
この例において、好適な臭素化条件は、溶剤としてCCl4又は1,2-ジクロロエタンを用いる、触媒量の過酸化ベンゾイル又はアゾビスイソブチロニトリルの存在下におけるN-ブロモスクシンイミドである。式(XIII)の化合物の数多くの例の合成が報告されている。例としては、エチル2-クロロ-3-メチル-4-トリフルオロメチルベンゾエート及びエチル2-クロロ-3-メチル-4-メチルスルホニルベンゾエートが挙げられる。スキーム8に示されているとおり、化合物式(VII)の合成は、エステル化反応によって式(XIV)のカルボン酸から誘導され得る。
スキーム8
【化16】
【0075】
式(XIV)の化合物を、適切なオルトエステル中において加熱して式(VII)の化合物を得る。例えば、Alk=エチルである場合、トリエチルオルトホルメートが用いられる。オルトエステルは、液体である場合には、試薬及び溶剤の両方とし使用可能である。式(XIV)の化合物は文献中において公知であり得、又は、入手可能な出発材料から容易に調製され得る。式(XIV)の化合物の一例は、3-アミノ-2-メチル-4-(メチルスルホニル)安息香酸である。
本発明のまた別の態様は、以下のとおりであってもよい。
〔1〕式(I)の化合物:
[化1]
(式中:
2 は、ハロゲン、C 1 ~C 6 アルキル、C 3 ~C 6 -シクロアルキル、C 1 ~C 6 ハロアルキル及び-S(O) p 1 ~C 6 アルキルからなる群から選択され;
3 は、ハロゲン、C 1 ~C 6 アルキル、C 1 ~C 6 ハロアルキル及び-S(O) p 1 ~C 6 アルキルからなる群から選択され;
Qは、Q 1 、Q 2 及びQ 3
[化2]
からなる群から選択され;
1a は、C 1 ~C 4 アルキル-又はC 1 ~C 3 -アルコキシ-C 1 ~C 3 -アルキル-であり;
1b は、水素、C 1 ~C 4 アルキル-及びC 1 ~C 3 -アルコキシ-C 1 ~C 3 -アルキル-からなる群から選択され;
1 は、O、C(O)及び(CR e f )からなる群から選択され;
a 、R b 、R c 、R d 、R e 及びR f は各々、水素及びC 1 ~C 4 アルキルからなる群から独立して選択され、ここで、R a 及びR c は一緒になってC 1 ~C 3 アルキレン鎖を形成し得;
Xは、-(CH 2 n -又は-(CH 2 n -O-(CH 2 n -であり;
nは、0、1及び2から独立して選択され;
Zは、Z 1 又はZ 2
[化3]
であり;
4 は、水素、C 1 ~C 6 アルキル、C 1 ~C 6 ハロアルキル及びC 3 ~C 6 シクロアルキルからなる群から選択され;
5 は、水素、C 1 ~C 6 アルキル及びC 1 ~C 6 ハロアルキルからなる群から選択され;
6 は、水素、C 1 ~C 6 アルキル、C 1 ~C 6 ハロアルキル、シアノ及びフェニルからなる群から選択され、ここで、前記フェニルは、ハロゲン、C 1 ~C 6 アルキル、C 1 ~C 6 ハロアルキル及びC 1 ~C 6 アルコキシからなる群から選択される1、2若しくは3個の置換基で置換されていてもよく;又は
5 及びR 6 は一緒になって、-CH 2 CH 2 CH 2 CH 2 、-CH 2 CH 2 CH 2 CH 2 CH 2 -又は-CH 2 CH 2 OCH 2 CH 2 -であり;並びに
7 は、水素及びC 1 ~C 6 アルキルからなる群から選択され;
8 は、水素、C 1 ~C 6 アルキル、C 1 ~C 6 -ハロアルキル及びC 3 ~C 6 -シクロアルキルからなる群から選択され;
9 は、水素、シアノ、C 1 ~C 6 アルキル及びC 1 ~C 6 アルコキシ-からなる群から選択され;並びに
p=0、1又は2である)
又は、その農業経済学的に許容可能な塩。
〔2〕R 2 は、メチル、Cl、-CF 3 及び-SO 2 メチルからなる群から選択される、前記〔1〕に記載の化合物。
〔3〕R 3 は、メチル、Cl、-CF 3 及び-SO 2 メチルからなる群から選択される、前記〔1〕に記載の化合物。
〔4〕R 1 は、メチル、エチル及びn-プロピルからなる群から選択される、前記〔1〕~〔3〕のいずれか一項に記載の化合物。
〔5〕QはQ 1 であり、及び、ZはZ 1 である、前記〔1〕~〔4〕のいずれか一項に記載の化合物。
〔6〕Xは-(CH 2 n -であり、及び、nは0である、前記〔5〕に記載の化合物。
〔7〕QはQ 2 であり、及び、ZはZ 1 である、前記〔1〕~〔4〕のいずれか一項に記載の化合物。
〔8〕Xは-CH 2 O-である、前記〔7〕に記載の化合物。
〔9〕QはQ 3 であり、及び、ZはZ 1 である、前記〔1〕~〔4〕のいずれか一項に記載の化合物。
〔10〕QはQ 1 であり、及び、ZはZ 2 である、前記〔1〕~〔4〕のいずれか一項に記載の化合物。
〔11〕前記〔1〕~〔10〕のいずれか一項に記載の化合物、及び、農学的に許容可能な配合助剤を含む除草組成物。
〔12〕少なくとも1種の追加の殺有害生物剤をさらに含む、前記〔11〕に記載の除草組成物。
〔13〕前記追加の殺有害生物剤が除草剤又は除草剤毒性緩和剤である、前記〔12〕に記載の除草組成物。
〔14〕生息地における雑草の防除方法であって、雑草防除量の前記〔11〕~〔13〕のいずれか一項に記載の組成物を前記生息地に適用するステップを含む防除方法。
〔15〕除草剤としての、前記〔1〕に定義されている式(I)の化合物の使用。
【実施例
【0076】
以下の非限定的な実施例は、本明細書中の表において参照される代表的な本発明の化合物の特定の合成方法を提供する。
【0077】
調製実施例1:化合物1.025
二塩化オキサリル(1.20g、9.4mmol)を、DMF(0.34g、4.7mmol)のDCM(25mL)中の溶液に、0℃で滴下した(激しく発泡し、次いで、白色の懸濁液が形成された)。反応混合物を、室温で30分間撹拌し、次いで、乾燥するまで濃縮して、オフホワイトの固体を得た。これをジクロロメタン(25mL)中に懸濁させ、次いで、エチル3-アミノ-2-メチル-4-メチルスルホニル-安息香酸塩(600mg、2.33mmol)をDCM(2mL)中の溶液として添加した。数秒の内に黄色の溶液が形成され、これを10分間撹拌した。氷浴中において、反応混合物を撹拌飽和NaHCO3溶液に滴下し、10分間撹拌した(注意:発泡)。有機層を分離し、CHCl3:IPA(7:3比、2×10mL)で抽出し、次いで、乾燥させ、減圧中で濃縮した。材料をセライトに仕込み、フラッシュクロマトグラフィにより精製した(カラム:40gシリカ。溶剤A:ジクロロメタン。溶剤B:メタノール。勾配:A中のB(0~5%)で15分間。A中のB(2%)で溶出を開始。)。生成物を含有する画分を組み合わせ、減圧中で濃縮し、乾燥させて、エチル3-[(E)-ジメチルアミノメチレンアミノ]-2-メチル-4-メチルスルホニル-安息香酸塩(665mg、2.13mmol)を黄色の油として得た。1H NMR(400MHz,クロロホルム)δ=7.88(d,J=8.3Hz,1H),7.47(d,J=8.3Hz,1H),7.21(s,1H),4.38(q,J=7.1Hz,2H),3.20(s,3H),3.06(br d,J=14.8Hz,6H),2.33(s,3H),1.40(t,J=7.2Hz,3H).
【0078】
エタノール(12mL)及び水(3.4mL)中のエチル3-[(E)-ジメチルアミノメチレンアミノ]-2-メチル-4-メチルスルホニル-安息香酸塩(660mg、2.11mmol)に、水酸化リチウム一水和物(222mg、5.28mmol)を添加した。2時間後、混合物を減圧中で濃縮してエタノールを除去した。残渣を水中にとり、水溶液を、過剰量のアンモニア溶液(水中に38%)を添加することによりpH10に調節した。この溶液を、C-18 aq 50gカラムを用いる逆相フラッシュクロマトグラフィ(溶剤A:水+0.1%アンモニア。溶剤B:アセトニトリル+0.1%アンモニア。勾配:3×カラムの容積量については0%、次いで、10×カラムの容積量かけてA中のB(0~50%)。A中のB(0%)で溶出)に液体注入することにより直接的に精製した。生成物を含有する画分を組み合わせ、減圧中で濃縮し、次いで、材料を水中に溶解し、一晩凍結乾燥して、3-[(E)-ジメチルアミノメチレンアミノ]-2-メチル-4-メチルスルホニル-安息香酸(496mg、1.75mmol、白色の固体として)を得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=7.49(d,J=8.1Hz,1H),7.30(s,1H),6.94(d,J=8.1Hz,1H),3.16(s,3H),2.97(s,6H),2.15-2.04(m,3H).
【0079】
3-[(E)-ジメチルアミノメチレンアミノ]-2-メチル-4-メチルスルホニル-安息香酸(245mg、0.862mmol)を含有するフラスコに、無水1,4-ジオキサン(5mL)及びN,N’-カルボニルジイミダゾール(210mg、1.29mmol)を添加した。混合物を100℃で16時間撹拌し、次いで、室温に冷却した。1-メチルテトラゾール-5-アミン(128mg、1.29mmol)及びDBU(0.132mL、0.862mmol)を添加し、反応混合物を100℃で3日間撹拌した。次いで、さらなる分量の1-メチルテトラゾール-5-アミン(128mg、1.29mmol)及びDBU(0.132mL、0.862mmol)を添加し、反応混合物を100℃で2時間撹拌した。反応を冷却し、次いで、減圧中で濃縮した。水(10mL)を残渣に添加し、DCM(10mL)を添加した。混合物を分離し、水性相をCHCl3:IPA(7:3、2×10mL)で抽出した。有機相を組み合わせ、MGSO4で乾燥させ、ろ過し、減圧中で濃縮した。材料をセライトに仕込み、フラッシュクロマトグラフィ(0~10%MeOH/DCM)により精製して、3-[(E)-ジメチルアミノメチレンアミノ]-2-メチル-4-メチルスルホニル-N-(1-メチルテトラゾール-5-イル)ベンズアミド(136mg、0.372mmol)を白色の固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=7.71(d,J=8.2Hz,1H),7.39(s,1H),7.30(d,J=8.2Hz,1H),3.88(s,3H),3.24(s,3H),3.00(s,6H),2.18(s,3H).
【0080】
調製実施例2:化合物1.130
120mLの乾燥THF中の2-[3-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,4-ジメチル-5H-オキサゾール(14g、51mmol)を、温度計を備える500mLの4首RBFに加えた。反応塊を-74℃に冷却し、次いで、ヘキサン中の2.0M溶液としてのn-ブチルリチウム(36mL、71mmol)を滴下した。反応塊を約-74℃でさらに1.5時間撹拌した。次いで、この溶液に、ヘキサクロロエタン(8.8mL、77mmol)の40.3mLの乾燥THF中の溶液を-70℃で添加した。混合物を約-70℃で30分間撹拌し、次いで、16時間静置したところ、その間でTLCは出発材料を示さない。混合物を6Nの水性HCl(40.30mL)の氷冷溶液に注ぎ入れ、EtOAc(750ml×3)で抽出した。次いで、組み合わせた有機相を塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、ろ過し、濃縮した。次いで、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製し、所望の生成物を、ヘキサン中の4.0% EtOAcで溶出して、2-[2-クロロ-3-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,4-ジメチル-5H-オキサゾール(25g、28mmol)を得た。
【0081】
RBF中において、tBuOK(15.4g)のN,N-ジメチルアセタミド(96mL)中の溶液にホルムアミド(14.5mL)を滴下し、撹拌した。15分後、2-[2-クロロ-3-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,4-ジメチル-5H-オキサゾール(16g)のN,N-ジメチルアセタミド(38mL)中の溶液を添加した。次いで、混合物を120℃に2時間温めた。次いで、反応塊を室温に冷却し、次いで、氷水(160mL)中に注ぎ入れ、EtOAcのMTBE中の30%溶液で抽出した(160ml×4)。組み合わせた有機層を塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、ろ過し、高減圧で濃縮した。最後に、粗生成物をEt2Oのヘキサン中の5%溶液で倍散して、所望の生成物N-[2-クロロ-3-(4,4-ジメチル-5H-オキサゾール-2-イル)-6-(トリフルオロメチル)フェニル]ホルムアミド(16.8g)をオフホワイトの固体として得た。
【0082】
rbf中において、N-[2-クロロ-3-(4,4-ジメチル-5H-オキサゾール-2-イル)-6-(トリフルオロメチル)フェニル]ホルムアミド(12g、37mmol))を52.2mLの濃塩酸中にとり、混合物を還流下で加熱した。4時間後、混合物を氷浴で冷却し、得られた固体をろ出し、残渣を冷水で洗浄し、次いで、高減圧下で乾燥させて、3-アミノ-2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)安息香酸(9.0g)を固体として得た。1H NMR(d6-DMSO):7.44(1H,d),6.92(1H,d),5.90(2H,brs).
【0083】
RBF中において、3-アミノ-2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)安息香酸(16g、58mmol)の78mLのDMF中の溶液に、8.36の炭酸カリウムを添加し、室温で15分間撹拌した。次いで、これに、23.4mLのヨードエタンを添加し、室温で2時間撹拌した。TLC及びHPLCを確認したところ、反応は完了していた。反応混合物を750mLの冷水で希釈し、TBME(250mL×2)で抽出した。組み合わせたTBME層をNa2S2O3水溶液、次いで、塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、ろ過し、濃縮して、エチル3-アミノ-2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)安息香酸塩(8g、27mmol)を黒色の液体として得た。
【0084】
二塩化オキサリル(0.49g、0.34mL、3.8mmol)を、N-メチル-N-(2,2,2-トリフルオロエチル)ホルムアミド(268mg、1.9mmol)のジクロロメタン(12mL)中の無色の溶液に滴下した。反応混合物を、30分間撹拌し(黄色の溶液が形成された)、次いで、乾燥するまで濃縮してオレンジ色の油を得た。これをジクロロメタン(5mL)中に溶解し、次いで、エチル3-アミノ-2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)安息香酸塩(250mg、0.934mmol)を、DCM(1ml)中の溶液として添加した。黄色の懸濁液が形成された。反応混合物を5分間撹拌したところ、LCMS分析は完了していたことを示した。反応混合物を、氷浴中の撹拌飽和NaHCO3溶液(10mL)に滴下し、5分間撹拌した(注意:発泡)。有機層を分離し、水性層をジクロロメタン(10mL)で2回抽出した。LCMSは、水性層中に生成物の存在を示した。CHCl3:IPA(7:3、10mL)による抽出で、水性層からの生成物の抽出に成功した。材料を、フラッシュクロマトグラフィ(0~100%EtOAc/イソヘキサン)により精製して、エチル2-クロロ-3-[(E)-[メチル(2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ]メチレンアミノ]-4-(トリフルオロメチル)安息香酸塩(330mg、0.845mmol)を無色の油として得た。NMRは2種の回転異性体を示す。1H NMR(400MHz,クロロホルム)δ=7.53(br d,J=8.1Hz,2H),7.45-7.30(m,4H),4.41(q,J=7.2Hz,4H),4.20(q,J=8.9Hz,2H),3.77(q,J=8.4Hz,2H),3.24-3.18(m,1H),3.18-3.11(m,1H),3.18(br d,J=16.1Hz,4H),1.40(t,J=7.2Hz,6H).
【0085】
エチル2-クロロ-3-[(E)-[メチル(2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ]メチレンアミノ]-4-(トリフルオロメチル)安息香酸塩(320mg、0.819mmol)のエタノール(5mL)及び水(1.5mL)中の撹拌溶液に、水酸化リチウム一水和物(86mg、2.05mmol)を添加し、反応混合物を室温で30分間撹拌した。反応混合物を減圧中で濃縮してEtOHを除去した。混合物をDCM(10mL)で希釈し、次いで、水中の10%w/vクエン酸(10mL)で洗浄した。水性相を、CHCl3:IPA(7:3比、10mL)でさらに抽出した。LCMSは、水性相中に生成物が微量でのみ存在することを示す。有機層をMgSO4で乾燥させ、ろ過し、減圧中で濃縮して、2-クロロ-3-[(E)-[メチル(2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ]メチレンアミノ]-4-(トリフルオロメチル)安息香酸(250mg、0.689mmol)を黄色の油として得た。1H NMR(400MHz,クロロホルム)δ=7.56(d,J=4.2Hz,4H),7.38(br d,J=5.5Hz,2H),4.21(q,J=8.9Hz,2H),3.85-3.75(m,2H),3.19(m,6H).
【0086】
2-クロロ-3-[(E)-[メチル(2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ]メチレンアミノ]-4-(トリフルオロメチル)安息香酸(125mg、0.345mmol)を含有するフラスコに、無水1,4-ジオキサン(3mL)及びCDI(84mg、0.52mmol)を添加した。混合物を100℃で45分間撹拌し、次いで、室温に冷却した。反応混合物に、1-メチルテトラゾール-5-アミン(51mg、0.52mmol)及びDBU(52μL、0.34mmol)を添加した。反応混合物を100℃で16時間加熱した。反応混合物を減圧中で濃縮した。粗材料をCH2Cl2(10mL)で希釈し、水性重炭酸ナトリウム(10mL)で洗浄した。水性相をCHCl3:IPA(10mL、7:3)でさらに抽出した。有機相を組み合わせ、MgSO4で乾燥させ、ろ過し、減圧中で濃縮した。材料をセライトに仕込み、フラッシュクロマトグラフィ(CH2Cl2中の0~10%MeOH)により精製した。生成物を含有する画分を組み合わせ、減圧中で濃縮して、2-クロロ-N-(1-メチルテトラゾール-5-イル)-3-[(E)-[メチル(2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ]メチレンアミノ]-4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド(66mg、0.15mmol)をガラス状の固体として得た。1H NMR(400MHz,クロロホルム)δ=11.21(br s,1H),7.65-7.56(m,2H),7.36(br d,J=7.9Hz,1H),4.21(q,J=9.0Hz,0.9H),4.12(s,3H),3.84(q,J=8.4Hz,1.1H),3.21(s,3H)(注記:NMR中に回転異性体が存在する)。
【0087】
調製実施例3:化合物1.132
二塩化オキサリル(0.49g、0.34mL、3.8mmol)を、ピロリジン-1-カルバルデヒド(0.18mL、1.9mmol)のジクロロメタン(4mL)中の無色の溶液に滴下した。反応混合物を30分間撹拌し(黄色の溶液が形成された)、次いで、乾燥するまで濃縮して、オレンジ色の固体を得た。これをジクロロメタン(5mL)中に溶解し、次いで、エチル3-アミノ-2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)安息香酸塩(250mg、0.934mmol)を、ジクロロメタン(1ml)中の溶液として添加した。黄色の懸濁液が形成された。反応混合物を10分間撹拌したところ、LCMS分析は完了していたことを示した。反応混合物を、氷浴中の撹拌飽和NaHCO3溶液(10mL)に滴下し、5分間撹拌した。有機層を分離し、水性層をジクロロメタン(10mL)で2回抽出し、次いで、CHCl3:IPA(7:3、10mL)で抽出した。反応混合物をMgSO4で乾燥させ、ろ過し、減圧中で濃縮した。材料をフラッシュクロマトグラフィ(0~20%EtOAc/イソヘキサン)により精製して、エチル2-クロロ-3-[(E)-ピロリジン-1-イルメチレンアミノ]-4-(トリフルオロメチル)安息香酸塩(296mg、0.849mmol)を無色の油として得た。1H NMR(400MHz,クロロホルム)δ=7.50(d,J=8.3Hz,2H),7.29(dd,J=0.6,8.1Hz,1H),4.41(q,J=7.2Hz,2H),3.63-3.45(m,4H),1.99(br dd,J=5.9,14.1Hz,4H),1.40(t,J=7.2Hz,3H)
【0088】
エチル2-クロロ-3-[(E)-ピロリジン-1-イルメチレンアミノ]-4-(トリフルオロメチル)安息香酸塩(296mg、0.849mmol)のエタノール(4.8mL)及び水(1.4mL)中の撹拌溶液に、水酸化リチウム一水和物(89mg、2.12mmol)を添加し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を減圧中で濃縮してエタノールを除去した。混合物を水(2mL)で希釈し、アンモニア溶液(水中に38%)を水溶液がpH10となるまで滴下した。材料を逆相クロマトグラフィ(0~12%アセトニトリル+0.1%NH3/水+0.1%NH3)により精製した。生成物を含有する画分を組み合わせ、減圧中で濃縮して、2-クロロ-3-[(E)-ピロリジン-1-イルメチレンアミノ]-4-(トリフルオロメチル)安息香酸(242mg、0.755mmol)を無色の結晶として得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=7.69(s,1H),7.47(d,J=8.2Hz,1H),7.06(d,J=7.9Hz,1H),3.57-3.29(m,4H),2.00-1.78(m,4H).
【0089】
2-クロロ-3-[(E)-ピロリジン-1-イルメチレンアミノ]-4-(トリフルオロメチル)安息香酸(110mg、0.343mmol)を含有するフラスコに、無水1,4-ジオキサン(3mL)及びCDI(83mg、1.5当量、0.515mmol)を添加した。混合物を100℃で1時間撹拌し、次いで、室温に冷却した。反応混合物に、第2のバッチのCDI(83mg、1.5当量、0.515mmol)を添加した。反応混合物を100℃で1時間撹拌した。
【0090】
反応混合物に、DBU(52mL、1当量、0.343mmol)及び1-メチルテトラゾール-5-アミン(51mg、1.5当量、0.515mmol)を添加し、反応混合物を100℃で18時間撹拌した。
【0091】
反応混合物を減圧中で濃縮した。粗材料をCH2Cl2(10mL)で希釈し、水性重炭酸ナトリウム(10mL)で洗浄した。水性相をCHCl3:IPA(10mL、7:3)でさらに抽出した。有機相を組み合わせ、MgSO4で乾燥させ、ろ過し、減圧中で濃縮した。材料をセライトに仕込み、フラッシュクロマトグラフィ(CH2Cl2中に0~5%MeOH)により精製した。生成物を含有する画分を組み合わせ、減圧中で濃縮して、2-クロロ-N-(1-メチルテトラゾール-5-イル)-3-[(E)-ピロリジン-1-イルメチレンアミノ]-4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド(47mg、0.12mmol)を白色の固体として得た。1H NMR(400MHz,クロロホルム)δ=10.46(br s,1H),7.58(d,J=8.2Hz,1H),7.49(s,1H),7.30(d,J=7.8Hz,1H),4.09(s,3H),3.63(br s,2H),3.53(br t,J=6.4Hz,2H),2.11-1.94(m,4H).
【0092】
調製実施例4:化合物4.033
(調製実施例7からの出発材料)
エチル2-クロロ-3-[[エタンチオイル(メチル)アミノ]メチル]-4-メチルスルホニル-安息香酸塩(100mg、0.275mmol)のアセトニトリル(5mL)中の溶液に、トリエチルアミン(0.39mL、2.7mmol)、シアナミド(58mg、1.4mmol)及びテトラフルオロホウ酸銀(270mg、1.37mmol)を添加した。反応混合物を一晩16時間、室温で撹拌した。溶液をろ過し、次いで、減圧中で濃縮した。残渣をEtOAc(20mL)中に溶解し、炭酸カリウム溶液(20mL)、塩水(20mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧中で濃縮した。生成物を、フラッシュカラムクロマトグラフィ(0~100%EtOAc/イソヘキサン)により精製して、エチル2-クロロ-3-[[[N-シアノ-C-メチル-カルボンイミドイル]-メチル-アミノ]メチル]-4-メチルスルホニル-安息香酸塩(77mg、0.21mmol)を得た。NMR分析は、所望の生成物が異性体の混合物(約1:7)として存在することを示した。1H NMR(500MHz,クロロホルム)d=8.16(d,J=8.2Hz,1H),7.83(d,J=8.2Hz,1H),5.29(s,2H),4.46(q,J=7.2Hz,2H),3.20(s,2.65H),3.10(s,0.35H),2.91(s,2.65H),2.79(s,0.35H),2.66(s,0.35H),2.45(s,2.65H),1.43(t,J=7.1Hz,3H).
【0093】
エチル2-クロロ-3-[[[N-シアノ-C-メチル-カルボンイミドイル]-メチル-アミノ]メチル]-4-メチルスルホニル-安息香酸塩(77mg、0.19mmol)のTHF(2mL)及び水(2mL)中の溶液に、水酸化リチウム一水和物(24mg、0.56mmol)を添加した。反応を室温で30分間撹拌した。混合物を2NのHClでpH約2に酸性化した。混合物をEtOAc(×3)で抽出し、水性層を随時再酸性化してpH約2に維持した。組み合わせた有機物を相分離器に通すことにより乾燥させ、次いで、減圧中で濃縮した。2-クロロ-3-[[[N-シアノ-C-メチル-カルボンイミドイル]-メチル-アミノ]メチル]-4-メチルスルホニル-安息香酸(51mg、0.14mmol)を固体として。
【0094】
2-クロロ-3-[[[(Z)-N-シアノ-C-メチル-カルボンイミドイル]-メチル-アミノ]メチル]-4-メチルスルホニル-安息香酸(54mg、0.16mmol)、1-メチル-1H-テトラゾール-5-アミン(0.20mmol、21mg)及びDMAP(0.47mmol、58mg)のCH2Cl2(1.5mL)中の溶液を、室温で1時間撹拌した。プロピルホスホン酸無水物(酢酸エチル中に50%wt.、0.94mmol、0.56mL)を反応混合物に添加し、マイクロ波バイアルに移し、マイクロ波中において30分間、100℃に加熱した。反応混合物を減圧中で濃縮してオレンジ色の油を得、次いで、これをEtOAc(25mL)中に溶解した。有機物を水(注意深くpH約4に酸性化した)で洗浄し、水性相をEtOAc(×2)でさらに抽出した。組み合わせた有機物を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧中で濃縮した。残渣を逆相分取HPLCにより精製して、2-クロロ-3-[[[(Z)-N-シアノ-C-メチル-カルボンイミドイル]-メチル-アミノ]メチル]-4-メチルスルホニル-N-(1-メチルテトラゾール-5-イル)ベンズアミド(8.5mg、0.018mmol)を無色の油として得た。NMR分析は、所望の生成物が異性体の混合物(約2:1、指定されない)として存在することを示した。1H NMR(400MHz,メタノール)d=8.29-8.22(m,1H),7.99-7.88(m,1H),5.37(s,2H),4.06(s,3H),3.93(s,1H),2.95(s,2H),2.83-2.78(m,1H),2.68-2.65(m,1H),2.47(s,2H).注記:2Hは観察されず(3.30ppmの残存メタノールピークによってマスクされていた)。
【0095】
調製実施例5:化合物2.049
二塩化オキサリル(0.67g、0.46mL、5.2mmol)を、N,N-ジメチルホルムアミド(0.20mL、2.6mmol)のジクロロメタン(3.8mL)中の溶液に、0℃で滴下した。激しい発泡が観察され、次いで、白色の懸濁液が形成された。反応混合物を、室温で30分間撹拌し、次いで、乾燥するまで濃縮して、オフホワイトの固体を得た。この固体をジクロロメタン(5mL)中に懸濁させ、次いで、エチル3-アミノ-2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)安息香酸塩(350mg、1.31mmol)をジクロロメタン(2mL)中の溶液として添加した。数秒の内に黄色の溶液が形成され、これを10分間撹拌した。氷浴中において、反応混合物を撹拌飽和NaHCO3溶液に滴下し、10分間撹拌した(注意:発泡)。有機層を分離し、ジクロロメタン(10mL)で再度抽出し、次いで、CHCl3:IPA(7:3比、10mL)で抽出し、次いで、組み合わせた有機層を乾燥させ(MgSO4)、減圧中で濃縮した。材料をセライトに仕込み、フラッシュクロマトグラフィ(カラム:24gシリカ。溶剤A:イソヘキサン。溶剤B:酢酸エチル。勾配:A中のB(0~50%)で15分間)により精製した。生成物を含有する画分を組み合わせ、減圧中で濃縮して、エチル2-クロロ-3-[(E)-ジメチルアミノメチレンアミノ]-4-(トリフルオロメチル)安息香酸塩(319mg、0.989mmol)を黄色の油として得た。1H NMR(400MHz,クロロホルム)δ=7.50(d,J=8.2Hz,1H),7.34-7.28(m,2H),4.41(q,J=7.1Hz,2H),3.05(br d,J=8.8Hz,6H),1.40(t,J=7.2Hz,3H).
【0096】
エチル2-クロロ-3-[(E)-ジメチルアミノメチレンアミノ]-4-(トリフルオロメチル)安息香酸塩(300mg、0.930mmol)のエタノール(5mL)及び水(1.5mL)中の撹拌溶液に、水酸化リチウム一水和物(98mg、2.3mmol)を添加した。室温で2時間撹拌した後、混合物を減圧中で濃縮した。材料を水(10mL)中にとり、水溶液を、過剰量のアンモニア溶液(水中に38%)を添加することによりpH10に調節した。これを、逆相フラッシュクロマトグラフィ(カラム:C-18 aq(50g)。溶剤A:水+0.1%アンモニア。溶剤B:アセトニトリル+0.1%アンモニア。勾配:3×カラムの容積量については0%、次いで、10×カラムの容積量かけてA中のB(0~50%)。A中のB(5%)で溶出)により直接精製した。所望の画分を濃縮し、凍結乾燥して、2-クロロ-3-[(E)-ジメチルアミノメチレンアミノ]-4-(トリフルオロメチル)安息香酸(280mg、274mmol)を白色の固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=7.42(s,1H),7.34(d,J=8.1Hz,1H),6.85(d,J=7.9Hz,1H),3.05-2.87(m,6H).
【0097】
2-クロロ-3-[(E)-ジメチルアミノメチレンアミノ]-4-(トリフルオロメチル)安息香酸(270mg、0.916mmol)を含有するフラスコに、無水1,4-ジオキサン(8mL)及びN,N’-カルボニルジイミダゾール(223mg、1.37mmol)を添加した。DBU(0.140mL、0.916mmol)及び5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-アミン(136mg、1.37mmol)を添加し、混合物を100℃で16時間加熱した。材料を室温に冷却し、減圧中で濃縮した。飽和重炭酸ナトリウム(10mL)及びDCM(10mL)を添加し、層を分離した。水性層をDCM(10mL)及びCHCl3:IPA(7:3、10mL)で抽出した。組み合わせた有機層をMgSO4で乾燥させ、ろ過し、減圧中で濃縮した。材料をセライトに仕込み、フラッシュクロマトグラフィ(24gシリカ。溶剤A:ジクロロメタン。溶剤B:メタノール。勾配:A中のB(0~10%)で25分間)により精製した。生成物を含有する画分を組み合わせ、減圧中で濃縮して、2-クロロ-3-[(E)-ジメチルアミノメチレンアミノ]-N-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド(75mg、0.20mmol)を白色の固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=7.60-7.50(m,2H),7.18-7.11(m,1H),3.02(s,3H),2.98-2.90(m,3H),2.46-2.33(m,3H).
【0098】
調製実施例6:化合物3.129
乾燥したフラスコに、エチル3-(ブロモメチル)-2-クロロ-4-メチルスルホニル-安息香酸塩(2.7g、7.6mmol)、炭酸カリウム(1.gg、9.1mmol)及び無水アセトニトリル(41mL)を入れた。反応混合物をパージし、窒素雰囲気下に置いた。N’-ヒドロキシ-N,N-ジメチル-アセトアミジン(0.85g、8.4mmol)の無水アセトニトリル(20mL)中の懸濁液を、反応混合物に滴下し、反応混合物を、室温で13日間撹拌した。さらなる分量のN’-ヒドロキシ-N,N-ジメチル-アセトアミジン(0.16g、1.5mmol)及び炭酸カリウム(0.21g、1.5mmol)を添加し、反応混合物を室温でさらに1日撹拌した。反応混合物をジクロロメタン(50mL)で希釈し、水(10mL)を反応混合物に添加した。相を分離し、有機相を相分離カートリッジに通し、減圧中で濃縮して黄色の油を得た。粗材料をフラッシュクロマトグラフィ((溶剤A=ヘキサン、溶剤B=酢酸エチル)勾配0~50%酢酸エチル)により精製して、所望の生成物エチル2-クロロ-3-[[(Z)-1-(ジメチルアミノ)エチリデンアミノ]オキシメチル]-4-メチルスルホニル-安息香酸塩(1.56g、4.13mmol)を黄色の油として得た。1H NMR(400MHz,クロロホルム)δ=8.11(d,J=8.3Hz,1H),7.73(d,J=8.3Hz,1H),5.56(s,2H),4.55-4.33(m,2H),3.39(s,3H),2.73(s,6H),1.94(s,3H),1.42(t,J=7.2Hz,3H).
【0099】
エチル2-クロロ-3-[[(Z)-1-(ジメチルアミノ)エチリデンアミノ]オキシメチル]-4-メチルスルホニル-安息香酸塩(1.5g、4.0mmol)のエタノール(23mL)及び水(6.4mL)中の撹拌溶液への添加で、水酸化リチウム一水和物(0.42g、9.9mmol)を反応混合物に添加し、これを室温で16時間撹拌した。反応混合物を減圧中で濃縮してエタノールを除去した。粗材料を2NのHClでpH3に酸性化し、次いで、水性アンモニアをpHがpH10になるまで添加した。この混合物を、0.1%アンモニア水溶液及びアセトニトリルで平衡化した逆相カラム(高pH)に仕込んだ。サンプルを平衡化したカラムに液体として仕込み、水中の0%アセトニトリル(0.1%NH3)を用いて、溶剤前端が出るまで溶出し、次いで、水中の0%~50%アセトニトリルの勾配(0.1%NH3)で、生成物が溶出されるまで溶出した(約30%)。材料を最低量の水及びきわめて少量のアセトニトリル中にとり、一晩凍結乾燥させた。生成物である2-クロロ-3-[[(Z)-1-(ジメチルアミノ)エチリデンアミノ]オキシメチル]-4-メチルスルホニル-安息香酸(1.31g、3.76mmol)を、オフホワイトの固体として得た。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=7.84(d,J=8.1Hz,1H),7.43(d,J=8.1Hz,1H),7.36-7.21(m,1H),5.35(s,2H),3.37(s,3H),2.69(s,6H),1.88(s,3H).
【0100】
2-クロロ-3-[[(Z)-1-(ジメチルアミノ)エチリデンアミノ]オキシメチル]-4-メチルスルホニル-安息香酸(500mg、1.43mmol)のジクロロメタン(7.5mL)中の溶液に、DMF(0.011mL、0.14mmol)を添加した。反応混合物をパージし、窒素雰囲気下に置いた。塩化オキサリル(0.24mL、0.96mmol)を滴下(添加により発泡が生じた)したところ、赤色の固体沈殿物が現れた。反応混合物を室温で1時間撹拌したところ、これは、ピンク色がかった赤色の懸濁液となった。反応混合物を減圧中で濃縮して、ピンク色の泡だった固体を得、残渣をジクロロメタン(7.5mL)中に溶解した。反応混合物を窒素雰囲気下で0℃に冷却し、5分間後、トリエチルアミン(0.81mL、0.734mmol)を滴下し、続いて、シクロヘキサン-1,3-ジオン(161mg、1.43mmol)を一度に添加した。反応混合物を1時間かけて室温に温めた。アセトンシアノヒドリン(0.33mL、0.36mmol)を反応混合物に添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を減圧中で濃縮し、次いで、粗材料をセライトに仕込み、10:4:2:2:0.5トルエン/1,4-ジオキサン/エタノール/トリエチルアミン/水の溶剤系を用いるフラッシュクロマトグラフィにより精製した。粗材料(濃い緑色の油)をジクロロメタン(10mL)で希釈し、10%w/vクエン酸溶液(10mL)で洗浄した。有機相をMgSO4で乾燥させ、ろ過し、減圧中で濃縮して、N’-[[2-クロロ-3-(2,6-ジオキソシクロヘキサンカルボニル)-6-メチルスルホニル-フェニル]メトキシ]-N,N-ジメチル-アセトアミジン(114mg、0.527mmol)を黄色の油(114mg)として得た。1H NMR(CDCl3):8.12(d,J=8.1Hz,1H),5.54(s,2H),3.37(s,3H),2.81(t,J=6.4Hz,2H),2.73(s,6H),2.44(t,J=6.4Hz,2H),2.13-2.02(m,2H),1.92(s,3H).
【0101】
調製実施例7:化合物4.016
メチルアミンの溶液(THF中に2M、55mL、109mmol)に、アセトニトリル(13.7mL)中のエチル3-(ブロモメチル)-2-クロロ-4-メチルスルホニル-安息香酸塩(2.43g、6.83mmol)を滴下した。反応を室温で10分間撹拌した。LCMS分析は、生成物が形成されており、出発材料が残留していないことを示した。反応を減圧中で濃縮し、次いで、DCM(250mL)で希釈した。有機物を飽和K2CO3溶液(100mL)、塩水(100mL)で洗浄し、減圧中で濃縮してエチル2-クロロ-3-(メチルアミノメチル)-4-メチルスルホニル-安息香酸塩(2.08g、6.46mmol)を無色の油として得た。1H NMR(400MHz,クロロホルム)δ=8.10(d,J=8.2Hz,1H),7.71(d,J=8.3Hz,1H),4.44(q,J=7.1Hz,2H),4.33(s,2H),3.37(s,3H),2.55(s,3H),1.42(t,J=7.1Hz,3H).
【0102】
エチル2-クロロ-3-(メチルアミノメチル)-4-メチルスルホニル-安息香酸塩(500mg、1.55mmol)、4-ジメチルアミノピリジン(19.4mg、0.155mmol)及びトリエチルアミン(318mg、0.437mL、3.11mmol)のテトラヒドロフラン(13.8g、15.5mL)中の溶液に、エチルジチオアセテート(381mg、0.364mL、3.11mmol)を滴下した。反応は還流凝縮器で行い、撹拌し、50℃に10日間加熱した。LCMS分析は、生成物が形成されているが、出発材料も残留していることを示した。反応を室温に冷却し、次いで、減圧中で濃縮してTHFを除去した。混合物をEtOAc(50mL)で希釈し、水(50mL×2)、塩水(50mL)で洗浄し、減圧中で濃縮した。生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィ(0~60%EtOAc/イソヘキサン)により精製して、エチル2-クロロ-3-[[エタンチオイル(メチル)アミノ]メチル]-4-メチルスルホニル-安息香酸塩(217mg、0.596mmol)を茶色のガムとして得た。1H NMR(400MHz,クロロホルム)δ=8.23-8.14(m,1H),7.89-7.80(m,1H),5.79(br s,2H),4.46(q,J=7.2Hz,2H),3.20(s,2.6H),3.15(s,0.4H),3.10(s,0.4H),2.99(s,2.6H),2.94-2.91(m,0.4H),2.71(s,2.6H),1.42(t,J=7.2Hz,3H).
【0103】
エチル2-クロロ-3-[[エタンチオイル(メチル)アミノ]メチル]-4-メチルスルホニル-安息香酸塩(120mg、0.330mmol)のアセトニトリル(3.89g、4.95mL、94.2mmol)中の溶液に、トリエチルアミン(337mg、0.464mL、3.30mmol)、o-塩酸メチルヒドロキシルアミン(141mg、1.65mmol)及びテトラフルオロホウ酸銀(0.3242g、1.65mmol)を添加した。反応混合物を一晩室温で撹拌した。LCMS分析は、生成物が形成されており、出発材料が残留していないことを示した。溶液をシリカプラグを通してろ過して銀沈殿物を除去し、MeCN(20mL)で洗浄した。混合物を減圧中で濃縮してMeCNを除去した。残渣をEtOAc(20mL)中に溶解し、水(20mL)、塩水(20mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧中で濃縮した。生成物を、フラッシュカラムクロマトグラフィ(0~50%EtOAc/イソヘキサン)により精製して、エチル2-クロロ-3-[[[N-メトキシ-C-メチル-カルボンイミドイル]-メチル-アミノ]メチル]-4-メチルスルホニル-安息香酸塩(90mg、0.239mmol)を茶色のガムとして得た。1H NMR(400MHz,クロロホルム)δ=8.13(d,J=8.2Hz,1H),7.70(d,J=8.2Hz,1H),4.94(s,2H),4.45(q,J=7.2Hz,2H),3.71(s,3H),3.20(s,3H),2.61(s,3H),2.05(s,3H),1.42(t,J=7.2Hz,3H).
【0104】
エチル2-クロロ-3-[[[N-メトキシ-C-メチル-カルボンイミドイル]-メチル-アミノ]メチル]-4-メチルスルホニル-安息香酸塩(95mg、0.252mmol)のテトラヒドロフラン(1.69g、1.90mL、23.4mmol)及び水(1.9g、1.9mL、0.106mmol)中の溶液に、水酸化リチウム(53.9mg、2.25mmol)を添加した。反応を室温で30分間撹拌した。LCMS分析は生成物の形成を示した。混合物を、減圧中である程度濃縮してテトラヒドロフランを除去した。得られた水溶液を水(1mL)で希釈し、数滴の2M HClでpH約2に酸性化した。次いで、混合物を水性NH3でpH約9まで塩基性化した。得られた溶液を逆相カラムに仕込み、逆相クロマトグラフィ(0.1%NH3を含有するH2O中の0~20%MeCN)を用いて精製した。生成物を含有するカラム画分を組み合わせ、凍結乾燥機を用いて週末にかけて濃縮して、2-クロロ-3-[[[N-メトキシ-C-メチル-カルボンイミドイル]-メチル-アミノ]メチル]-4-メチルスルホニル-安息香酸(84mg、0.229mmol)を黄色のガムとして得た。
【0105】
2-クロロ-3-[[[N-メトキシ-C-メチル-カルボンイミドイル]-メチル-アミノ]メチル]-4-メチルスルホニル-安息香酸(65mg、0.186mmol)、1-メチル-1H-テトラゾール-5-アミン(25.3mg、0.242mmol)及び4-ジメチルアミノピリジン(69.0mg、0.559mmol)のDCM(2.47g、1.86mL、29.0mmol)中の溶液を、室温で1時間撹拌した。1-プロパンホスホン酸無水物(0.712g、0.666mL、1.12mmol)を反応混合物に添加し、マイクロ波バイアルに移し、マイクロ波中において100℃に30分間加熱した。LCMS分析は生成物の形成を示した。反応混合物を減圧中で濃縮してオレンジ色の油を得た。溶液を、水(5mL)中に希釈し、濃NH3溶液でpH約9/10まで塩基性化した。生成物を逆相カラムクロマトグラフィ(0.1%NH3を含有するH2O中の0~50%MeCN)により精製した。生成物を含有する画分を凍結乾燥器を用いて濃縮して、2-クロロ-3-[[[N-メトキシ-C-メチル-カルボンイミドイル]-メチル-アミノ]メチル]-4-メチルスルホニル-N-(1-メチルテトラゾール-5-イル)ベンズアミド(8.3mg、0.019mmol)を無色のガムとして得た。1H NMR(400MHz,メタノール)δ=8.20(d,J=8.2Hz,1H),7.83(d,J=8.1Hz,1H),4.95(s,2H),4.06(s,3H),3.68(s,3H),3.27(s,3H),2.60(s,3H),2.06(s,3H).
【0106】
調製実施例8:化合物5.014
メチルアミン(THF中に2M、40g、46mL、92.6mmol)の溶液に、アセトニトリル(11.6mL)中のエチル3-(ブロモメチル)-2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)安息香酸塩(2.0g、5.79mmol)を滴下した。反応を室温で10分間撹拌した。LCMS分析は、生成物が形成されており、出発材料が残留していないことを示した。反応を減圧中で濃縮し、次いで、EtOAc(200mL)で希釈し、飽和K2CO3溶液(100mL)、塩水(100mL)で洗浄し、減圧中で濃縮して、エチル2-クロロ-3-(メチルアミノメチル)-4-(トリフルオロメチル)安息香酸塩(1.80g、5.78mmol)を黄色の油として得た。NMR分析は所望の生成物を示した。1H NMR(400MHz,クロロホルム)δ=7.73-7.53(m,2H),4.43(q,J=7.1Hz,2H),4.01(d,J=0.7Hz,2H),2.51(s,3H),1.41(t,J=7.1Hz,3H)(N-H 観察せず).19F NMR(376MHz,クロロホルム)δ=-58.94
【0107】
エチル2-クロロ-3-(メチルアミノメチル)-4-(トリフルオロメチル)安息香酸塩(500mg、1.69mmol)、4-ジメチルアミノピリジン(21.1mg、0.169mmol)及びトリエチルアミン(346mg、0.476mL、3.38mmol)のテトラヒドロフラン(15.0g、16.9mL)中の溶液に、エチルジチオアセテート(415mg、0.396mL、3.38mmol)を滴下した。反応を還流凝縮器で行い、撹拌し、60℃に10日間加熱した。LCMS分析は、生成物が形成されているが、出発材料も残留していることを示した。反応を室温に冷却し、次いで、減圧中で濃縮してテトラヒドロフランを除去した。混合物をDCM(50mL)及び水(50mL)で希釈した。水をDCM(50mL×2)で抽出し、次いで、有機物を塩水(50mL)で洗浄し、減圧中で濃縮した。生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィ(0~30%EtOAc/イソヘキサン)により精製して、エチル2-クロロ-3-[[エタンチオイル(メチル)アミノ]メチル]-4-(トリフルオロメチル)安息香酸塩(370mg、0.941mmol)を茶色のガムとして得た。NMRは2種の回転異性体を示す。1H NMR(400MHz,クロロホルム)δ=7.87-7.71(m,2H),5.54(br s,1.5H),5.09(s,0.5H),4.50-4.39(m,2H),3.09(s,0.75H),2.89(s,3H),2.72(s,2.25H),1.46-1.37(m,3H).
【0108】
エチル2-クロロ-3-[[エタンチオイル(メチル)アミノ]メチル]-4-(トリフルオロメチル)安息香酸塩(370mg、1.05mmol)のアセトニトリル(12.3g、15.7mL)中の溶液に、トリエチルアミン(1.07g、1.47mL、10.46mmol)、O-塩酸メチルヒドロキシルアミン(446mg、5.23mmol)及びテトラフルオロホウ酸銀(1.03g、5.23mmol)を添加した。反応混合物を5日間室温で撹拌した。LCMS分析は、生成物が形成されており、出発材料が残留していないことを示した。溶液をシリカプラグを通してろ過して銀沈殿物を除去し、MeCN(20mL)で洗浄した。混合物を減圧中で濃縮してMeCNを除去した。残渣をEtOAc(20mL)中に溶解し、水(20mL)、塩水(20mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧中で濃縮した。生成物を、フラッシュカラムクロマトグラフィ(0~20%EtOAc/イソヘキサン)により精製して、エチル2-クロロ-3-[[[(Z)-N-メトキシ-C-メチル-カルボンイミドイル]-メチル-アミノ]メチル]-4-(トリフルオロメチル)安息香酸塩(254mg、0.692mmol)を茶色のガムとして得た。1H NMR(400MHz,クロロホルム)δ=7.67(s,2H),4.66(d,J=0.9Hz,2H),4.44(q,J=7.2Hz,2H),3.74(s,3H),2.48(s,3H),2.04(s,3H),1.41(t,J=7.2Hz,3H).19F NMR(376MHz,クロロホルム)d=-58.33(s,1F).
【0109】
エチル2-クロロ-3-[[[N-メトキシ-C-メチル-カルボンイミドイル]-メチル-アミノ]メチル]-4-(トリフルオロメチル)安息香酸塩(250mg、0.682mmol)のテトラヒドロフラン(4.45g、5.0mL、61.6mmol)及び水(5.0g、5.0mL、277mmol)中の溶液に、水酸化リチウム(87.4mg、2.05mmol)を添加した。反応を室温で3時間撹拌した。LCMS分析は生成物の形成を示した。得られた水溶液を水(1mL)で希釈し、数滴の2M HClでpH約2に酸性化した。次いで、混合物を減圧中で濃縮してTHF及び大部分の水を除去した。次いで、混合物を水(合計2mL)で希釈し、水性NH3でpH約9まで塩基性化した。得られた溶液を逆相カラムに仕込み、逆相クロマトグラフィ(0.1%NH3を含有するH2O中の0~20%MeCN)を用いて精製した。生成物を含有する画分を凍結乾燥器を用いて一晩濃縮して、2-クロロ-3-[[[N-メトキシ-C-メチル-カルボンイミドイル]-メチル-アミノ]メチル]-4-(トリフルオロメチル)安息香酸(207mg、0.580mmol)を得た。
【0110】
2-クロロ-3-[[[N-メトキシ-C-メチル-カルボンイミドイル]-メチル-アミノ]メチル]-4-(トリフルオロメチル)安息香酸(75mg、0.221mmol)、5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-アミン(29.4mg、0.287mmol)及び4-ジメチルアミノピリジン(82.0mg、0.665mmol)のDCM(2.93g、2.21mL、34.5mmol)中の溶液を、室温で1時間撹拌した。1-プロパンホスホン酸無水物(846mg、0.791mL、1.33mmol)を反応混合物に添加し、マイクロ波バイアルに移し、マイクロ波中において80℃に1時間加熱した。LCMS分析は生成物の形成を示した。反応混合物を減圧中で濃縮してオレンジ色の油を得た。混合物をDCM(20mL)中に溶解し、希NaHCO3(20mL)で分割した。水性相をDCM(20mL×5)で洗浄した。組み合わせた有機物を塩水(20mL)で洗浄し、減圧中で濃縮した。生成物を精製して、2-クロロ-3-[[[N-メトキシ-C-メチル-カルボンイミドイル]-メチル-アミノ]メチル]-N-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド(4.0mg、9.53μmol)を無色のガムとして得た。1H NMR(400MHz,メタノール)δ=7.83(d,J=8.1Hz,1H),7.68(d,J=8.1Hz,1H),4.65(s,2H),3.68(s,3H),2.55-2.44(m,6H),2.04(s,3H).
【0111】
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表1-5】
【表1-6】
【表1-7】
【表1-8】
【表1-9】
【0112】
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
【表2-4】
【表2-5】
【表2-6】
【表2-7】
【表2-8】
【表2-9】
【表2-10】
【0113】
【表3-1】
【表3-2】
【表3-3】
【表3-4】
【表3-5】
【表3-6】
【表3-7】
【0114】
【表4-1】
【表4-2】
【0115】
【表5-1】
【表5-2】
【0116】
【表6-1】
【表6-2】
【0117】
【表7】
【0118】
生物学的実施例
ポット中の標準的な土壌中に多様なテスト種の種子を播種する(ホソムギ(Lolium perenne)(LOLPE)、アオゲイトウ(Amaranthus retoflexus)(AMARE)、イチビ(Abutilon theophrasti)(ABUTH)、アキノエノコログサ(Setaria faberi)(SETFA)、イヌビエ(Echinochloa crus-galli)(ECHCG)、アメリカアサガオ(Ipomoea hederacea)(IPOHE))。温室中において制御された条件下(24/16℃、昼/夜;14時間の明かり;65%湿度)で1日栽培した後(発芽前)、又は、8日間栽培した後(発芽後)に、これらの植物に、0.5%のTween20(モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、CAS RN9005-64-5)を含有するアセトン/水(50:50)溶液中の技術的有効成分の配合物から得られる噴霧水溶液を噴霧する。別段の定めがある場合を除き、化合物は500g/hで適用する。次いで、テスト植物を、温室中において、制御された温室中の条件下(24/16℃、昼/夜;14時間の明かり;65%湿度)で、1日2回水をあげて栽培する。13日後に、発芽前及び発芽後について、植物に生じた損傷割合についてテストを評価する。生物学的活性を、以下の表において5点のスケール(5=80~100%;4=60~79%;3=40~59%;2=20~39%;1=0~19%)で示す。
【0119】
【表8-1】
【表8-2】
【0120】
表B2
本発明の化合物によってもたらされる利点を示すために、比較実験を行う。それ故、本発明の化合物1.049の生物学的性能を、国際公開第2012/028579号において参照されている種類のアニリン化合物である化合物C1と比較する。結果は、観察された(%)殺草性で示される。この結果は、本発明の化合物が、同様の施用量で、イヌビエ(Echinochloa crus-galli)(ECHCG)及びアキノエノコログサ(Setaria faberi)(SETFA)を用いて例示される問題となる雑草種についてかなり向上した防除をもたらすことを実証する。
【0121】
【表9】