(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-25
(45)【発行日】2023-08-02
(54)【発明の名称】ランドリーシステムの運転方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20230726BHJP
G07F 17/20 20060101ALI20230726BHJP
G07F 7/08 20060101ALI20230726BHJP
D06F 95/00 20060101ALI20230726BHJP
【FI】
G06Q50/10
G07F17/20
G07F7/08 L
D06F95/00
(21)【出願番号】P 2021072565
(22)【出願日】2021-04-22
(62)【分割の表示】P 2017228018の分割
【原出願日】2017-11-28
【審査請求日】2021-05-21
(31)【優先権主張番号】P 2017216491
(32)【優先日】2017-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】517164556
【氏名又は名称】株式会社TOSEI
(74)【代理人】
【識別番号】100107928
【氏名又は名称】井上 正則
(72)【発明者】
【氏名】内藤 敏雄
【審査官】田上 隆一
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-244334(JP,A)
【文献】特開2005-339046(JP,A)
【文献】特開2002-049381(JP,A)
【文献】特開2017-054297(JP,A)
【文献】特開2008-052692(JP,A)
【文献】ホットインフォメーション,月刊コンビニ,日本,株式会社アール・アイ・シー,2017年01月24日,第20巻 第1号 ,第4ページ
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G07F 17/20
G07F 7/08
D06F 95/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗内に設置された複数のランドリー機器と、
利用者の通信端末と通信可能な通信ポートを有し、前記複数のランドリー機器を制御するコントローラと、
前記利用者に向けて
、ランドリー機器の動作
モードの
ランドリーメニューと利用料金を支払う精算メニューとを少なくとも表示する表示部
を有する精算
機と、
を備えるランドリーシステムの運転方法であって、
前記精算
機は、
前記利用者によって
、前記複数のランドリー機器の中から
洗濯物を入れたランドリー機器
が選択されると、前記表示部に前記
ランドリーメニューを表示し、
前記利用者によって、前記ランドリーメニューから洗濯乾燥又は洗濯又は乾燥のいずれかが選択されると、前記表示部に選択された動作モードに応じた利用料金を表示し、
前記利用者に
よって、複数の精算方式の中から前記利用料金を精算する1つ精算方式が選択され
ると、その精算
処理を実行し、前記選択したランドリーに対しその動作を実行させ
るように前記コントローラに通信し、
前記コントローラは前記複数のランドリー機器の稼働状態を管理すると共に、前記通信ポートからネット網を経由して、登録したユーザIDに基づき前記利用者
の通信端末に
洗濯の前記動作の残り時間の情報を通知することを特徴とするランドリーシステムの運転方法。
【請求項2】
前記利用者により前記洗濯物を入れたランドリー機器が選択された時、前記精算機は当該ランドリー機器のフリッカーランプを点滅させることを特徴とする請求項1に記載のランドリーシステムの運転方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ランドリーシステムの運転方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コインランドリーは、店舗内に設置した洗濯乾燥機などのランドリー機器を利用者に提供する。利用者は、衣類や布団などの洗濯物を持参し、利用料金を支払って洗濯を行う。コインランドリーは、一般的に無人営業である。利用者は、各ランドリー機器ごとに設けられている精算機に現金を投入して、セルフ方式でランドリー機器を利用する。精算機は、現金の他に、ICカードやプリペイドカードなどの電子マネーによる精算も可能になっている。
【0003】
交通系/流通系のICカードやクレジットカードは、現金チャージやクレジット機能等によって継続使用が可能である。一方、プリペイドカードは、カードメーカーが再利用を禁止しているなどの理由により、使い切り型であることが多い。このため、使用済のプリペイドカードは、回収ボックスではなくゴミ箱等に捨てられてしまうことがある。さらに、新規に又は継続してプリペイドカードを購入・使用しようとする利用者の数が、伸び悩んでいる店舗がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平4-354093号公報
【文献】特開平8-255282号公報
【文献】特開平11-328509号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、コインランドリーに設置される集中精算機を用いて、コインランドリーの利用者に利便性の良いサービスを提供するランドリーシステムの運転方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、実施形態のランドリーシステムの運転方法は、店舗内に設置された複数のランドリー機器と、利用者の通信端末と通信可能な通信ポートを有し、前記複数のランドリー機器を制御するコントローラと、前記利用者に向けて、ランドリー機器の動作モードのランドリーメニューと利用料金を支払う精算メニューとを少なくとも表示する表示部を有する精算機と、を備えるランドリーシステムの運転方法であって、前記精算機は、前記利用者によって、前記複数のランドリー機器の中から洗濯物を入れたランドリー機器が選択されると、前記表示部に前記ランドリーメニューを表示し、前記利用者によって、前記ランドリーメニューから洗濯乾燥又は洗濯又は乾燥のいずれかが選択されると、前記表示部に選択された動作モードに応じた利用料金を表示し、前記利用者によって、複数の精算方式の中から前記利用料金を精算する1つ精算方式が選択されると、その精算処理を実行し、前記選択したランドリーに対しその動作を実行させるように前記コントローラに通信し、前記コントローラは前記複数のランドリー機器の稼働状態を管理すると共に、前記通信ポートからネット網を経由して、登録したユーザIDに基づき前記利用者の通信端末に洗濯の前記動作の残り時間の情報を通知することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1実施形態のコインランドリー集中精算システムを導入したコインランドリーの内観図である。
【
図2】上記コインランドリー集中精算システムの機能構成図である。
【
図3】上記コインランドリー集中精算システムの集中精算機の操作面である。
【
図4】上記コインランドリー集中精算システムが発行するクーポン券の一例である。
【
図5】上記コインランドリー集中精算システムのプリペイドカード回収動作を説明するフローチャートである。
【
図6】第2実施形態のコインランドリー集中精算システムのプリペイドカード回収動作を説明するフローチャートである。
【
図7】第3実施形態のコインランドリー集中精算システムを導入したコインランドリーの内観図である。
【
図8】第4実施形態のコインランドリー集中精算システムを導入したコインランドリーの内観図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施形態に従うコインランドリー集中精算システムについて、添付図面を参照しながら詳述する。なお、各図において、同一構成には同一符号を付している。
【0012】
(第1実施形態)
コインランドリー1は、
図1に示すように、店舗内に複数のランドリー機器2を設置して利用者にセルフ方式のランドリーサービスを提供している。ランドリー機器2は、例えば、洗濯機,乾燥機,洗濯乾燥機,靴洗浄機,圧縮パック機等である。
図1には、一例として、ドラム式の洗濯乾燥機を複数設置したコインランドリー1を示している。来店した利用者は、空いているランドリー機器2の中から使用する機器を選び、持参した衣類等の洗濯物を投入して洗濯及び乾燥を行う。
【0013】
コインランドリー1の店舗内には、各ランドリー機器2の利用料金を精算する集中精算機3が配置されている。利用者は、集中精算機3の操作ガイダンスに従って洗濯・乾燥メニューを選択し、集中精算機3で利用料金を精算することによって、ランドリー機器2に所望の洗濯・乾燥メニューによる洗濯・乾燥を実行させる。
【0014】
コインランドリー1は、実施形態のコインランドリー集中精算システムによって無人で営業されている。
図2は、コインランドリー集中精算システム4の全体構成を示す。コインランドリー集中精算システム4は、集中精算機3及びシステムコントローラ41を備える。
図3は、集中精算機3の操作面である前面を示す。
【0015】
集中精算機3は、
図2及び
図3に示すように、利用者へのガイダンスを表示する表示部31を備えている。表示部31は、例えばコントローラ31aによって制御されるタッチパネルディスプレイであり、操作ガイダンスに従って表示される選択メニューを利用者が指でタッチして選択できるようになっている。メニューは、洗濯・乾燥等のランドリーメニュー,利用料金を支払う精算メニュー,後述する使用済プリペイドカード回収メニューなどがある。
【0016】
集中精算機3は、さらに利用者への音声ガイダンスや報知音を発するスピーカー32を備えている。スピーカー32からは、表示部31に表示される操作ガイダンスを読むか又は補助する音声が出力される。表示部31に表示される操作ガイダンス及びスピーカー32から出力される音声ガイダンスは、例えばタッチパネルディスプレイを通じて、日本語以外の言語を選択できるようになっている。
【0017】
集中精算機3は、現金精算のための紙幣入金部33a及び硬貨入金部33b、並びにつり銭出金部33cを備えている。さらに、集中精算機3は、電子マネーによる精算方式として、プリペイドカードによる精算のためのプリペイドカードリーダライタ34、及びクレジットカード等のICカードによる精算のためのICカードリーダ35を備えている。利用者は、表示部31の操作ガイダンスに従って、現金精算,プリペイドカード精算,ICカード精算のいずれかを選択することができる。その他、ICカードによる精算は、クレジットカード以外に、例えば交通系又は流通系電子マネーのICカードに適用できるようにしてもよい。
【0018】
現金精算の場合、利用者は、表示部31に表示される利用料金に応じた現金を紙幣入金部33a及び硬貨入金部33bから投入し、つり銭がある場合はつり銭出金部33cから払い出されるつり銭を受け取る。ICカード精算の場合、利用者は、ICカードリーダ35の読取り面にICカードを接触させる。例えばクレジットカードの場合、ICカードリーダ35は、ICカードの記憶部(例えばICチップや磁気装置など)から各種情報を読み取り、図示しない中継装置を介してクレジット信販会社の管理システムに照会するように構成されている。
【0019】
プリペイドカード精算の場合、利用者は、プリペイドカード挿入返却口34a(
図3参照)にプリペイドカードを挿入し、精算により残高の減ったプリペイドカードをプリペイドカード挿入返却口34aから受け取る。プリペイドカードリーダライタ34は、プリペイドカードの記憶部(例えば、磁気テープ等)に格納されている情報を読み取り、使用条件に適合するカードであるか否かを判別する。
【0020】
一例として、プリペイドカードの記憶部に格納されている店舗識別情報及び残高情報を読み取り、該コインランドリー1の店舗識別情報と一致しているか否か、残高不足であるか否かを判別する。使用条件を満たす場合、集中精算機3は、精算処理を行い、プリペイドカードの記憶部にプリペイドカードリーダライタ34で新しい残高情報を書き込んだ後、プリペイドカード挿入返却口34aから返却する。残高は、残高表示部34b(
図3参照)に表示される。すなわち、集中精算機3は、プリペイドカード精算装置を備える。一方、使用条件を満たさない場合、表示部31に理由(「この店舗では使えません」「残高不足」など)を表示してプリペイドカード挿入返却口34aから返却する。
【0021】
店舗識別情報は、例えば店舗又はその店舗のオーナーに対応付けて割り当てられたID(identification)である(以下、店舗IDと称す)。例えばオーナーが複数の店舗を運営している場合、各店舗ごとに異なる店舗IDが割り当てられるか、又はオーナーに割り当てた店舗IDが各店舗に共通に使用される。
【0022】
プリペイドカードは、オーナーへの利益還元のため、他の店舗又はそのオーナーが運営する店舗以外では使用できないようにしている。そのために、プリペイドカードの記憶部に格納されているIDを識別子として使用する。さらに、プリペイドカードは、例えばカード内の情報書換えによるカード再利用を防止するために、IDが外部に知られないようにしている。すなわち、プリペイドカードリーダライタ34は、IDを照合してプリペイドカードがこの店舗で使用可能であるか否かの判別はするが、IDを外部に出力することはしない構成になっている。
【0023】
集中精算機3は、プリンター36を備えている。プリンター36は、現金やプリペイドカード等によって精算した利用料金と利用明細などを記載したレシートを印刷して、レシート取出口36a(つり銭出金部33cと兼用)から出力する(
図3参照)。一例として、プリンター36は、例えばロール状の感熱記録用紙、用紙に印字等する印刷ヘッド、及び印刷を終えた用紙をロールからカットするカッターなどによって構成される。さらに、プリンター36は、プリペイドカードの使用の特典として、また以下に説明する使用済プリペイドカードの回収の特典としてクーポン券を印刷して出力する。
【0024】
集中精算機3は、使用済プリペイドカードを回収するためのプリペイドカードリーダ37を備えている。利用者は、表示部31に表示される「使用済プリペイドカード回収メニュー」の操作ガイダンスに従って、使用済プリペイドカード回収口37a(
図3参照)にカードを挿入する。詳細は後述するが、集中精算機3は、回収条件に適合するプリペイドカードであるか否かを判別し、適合するカードであれば機内に設けたカード回収部38に回収する。すなわち、集中精算機3は、使用済プリペイドカード回収装置を備える。
【0025】
さらに集中精算機3は、使用済プリペイドカード回収の特典としてクーポン券をプリンター36から発券する。すなわち、集中精算機3は、特典発行装置を備える。クーポン券には、付与された特典の情報と、カードを回収したこの集中精算機3の識別情報をコード化したバーコードが印刷される。バーコードは、一次元コード又は二次元コードである。また、集中精算機3の識別情報は、例えばこの集中精算機3又はこの集中精算機3のオーナーに対応付けて割り当てられたID(identification)である(以下、集中精算機IDと称す)。すなわち、該コインランドリー集中精算システム4の識別情報でもある。さらに、このIDは、プリペイドカードに記憶されている店舗IDとは異なるIDである。
【0026】
使用済プリペイドカードの回収の特典として発券するクーポン券は、例えば金銭的な割引券であってもよく、商品や景品などの引換券であってもよい。回収したカードの枚数に応じて特典を増すようにしてもよい。どのような特典を付与するかについて、カードの回収枚数と対応付けて集中精算機3の記憶部に格納しておくようにしてもよい。さらに、例えば1ヶ月間といった期間内に複数枚のカードが回収された場合に特典を増すといった時間的要素を加えるようにしてもよい。
【0027】
一例として、回収枚数1枚あたりに10円の割引特典を付与する。
図4は、10枚の使用済カードを回収して100円の割引特典を付与した回収証明書兼クーポン券の一例である。回収証明書兼クーポン券は、プリンターで印刷してレシート取出口36a(
図3参照)から出力する。回収証明書兼クーポン券には、特典の情報及びコインランドリー1の店舗名や住所の情報が印字されている他、特典の情報とカードを回収した集中精算機3のID(集中精算機ID)をコード化したバーコードが印刷される。
【0028】
集中精算機3は、バーコードリーダ39を備えている。バーコードリーダ39は、クーポン券に印刷されたバーコードからコード化されている特典の情報を読み取る。上記した使用済プリペイドカードの回収の特典として発行されたクーポン券の場合、集中精算機3は、バーコードリーダ39で特典の情報と集中精算機IDを読み取り、IDを照合してこのクーポン券がこの集中精算機3で使用可能(ID一致)であるか否か判別し、使用可能である場合に特典(例えば割引)を提供する。すなわち、特典の情報と集中精算機IDに基づいて特典の提供条件を判別する。クーポン券は、例えば洗濯をする際の精算時に使用することができる。すなわち、集中精算機3は、特典提供装置を備えている。
【0029】
集中精算機3は、集中精算機3の全体動作を制御する制御部5を備えている。制御部5は、例えば回路基板上に配置されたCPU51,ROM52,RAM53を備えている。ROM52は、CPU51が実行するプログラム及び各種制御条件などの情報を格納している。CPU51は、プログラム及び各種制御条件をROM52から読み出して、集中精算機3の全体動作を制御する。RAM53は、ランドリー機器の稼働状況や使用済プリペイドカードの回収枚数などの情報を一時的に格納する。
【0030】
システムコントローラ41は、例えばケーブルハーネスを通じて集中精算機3と通信可能なように接続されている。システムコントローラ41は、各ランドリー機器2を制御する管理システムコントローラ42と、例えばインターネットを介して外部との通信を行うための通信ポート43を備える。管理システムコントローラ42は、有線又は無線による通信が可能なように各ランドリー機器2と接続されている。管理システムコントローラ42は、例えば稼働中又は未使用(空き)の情報を各ランドリー機器2から受信して、店舗内のランドリー機器2の稼働状態を管理する。また、管理システムコントローラ42は、利用者が選択した選択メニューの情報などを集中精算機3から受信し、それを該当するランドリー機器2に送信する。また、利用者の安全及び盗難防止のため、ランドリー機器2の扉2aの施錠及び解錠を制御する信号を送信する。
【0031】
通信ポート43には、例えばルータやモデムなどの情報通信機器44を通じてインターネット網100に接続される。情報通信機器44とインターネット網100との間に、各種情報やデータ等を取りまとめる「情報システムコントローラ」を配置してもよい。そしてインターネット網100を通じて、店舗のオーナーの通信端末(例えば、サーバ101)や、利用者の通信端末(例えば携帯端末102)と通信可能になっている。さらに、他の店舗の集中精算システム4A,4Bなどと通信可能に接続される。店舗のオーナーは、稼働状況や売上げなどの情報を得ることができる。また、店舗内の監視カメラ(不図示)の映像などを見ることができる。一方、利用者は、洗濯の残り時間などの情報を得ることができる。さらにシステムコントローラ41は、電話回線(不図示)に接続されており、利用者の携帯電話に電話をかけて洗濯の残り時間などの音声信号を送る。
【0032】
次に、使用済プリペイドカードを回収する集中精算機3の動作について、
図5を参照しながら説明する。まず、利用者は、集中精算機3の表示部31をタッチして、表示部31に表示される「使用済プリペイドカード回収メニュー」を選択する(Act1)。続いて、制御部5は、表示部31に「使用済カードを挿入して下さい」などのガイダンスを表示して、利用者に使用済プリペイドカード回収口37aへのカード挿入を促す。カードが挿入されると(Act2)、プリペイドカードリーダ37は、プリペイドカードの記憶部に格納されている店舗IDを読み取り、該コインランドリー1の店舗IDと一致しているか否か判別する(Act3)。店舗IDが一致している場合(Act3,ID一致)、続いて残高情報を読み取り、残高なし(0円)であるか否か判別する(Act4)。残高なしであった場合(Act4,残高なし)、制御部5は、プリペイドカードを機内のカード回収部38へ搬送する(Act5)。さらに、制御部5は、回収枚数をカウントする(Act6)。回収枚数の情報は、例えばRAM53に一時的に格納する。
【0033】
一方、IDが不一致であった場合(Act3,ID不一致)、或いは、残高があった場合(Act4,残高あり)、制御部5は、表示部31に理由(「この精算機では回収できません」「残高が残っています」など)を表示して、プリペイドカード挿入返却口37aから返却する(Act7)。
【0034】
利用者は、使用済カードが他になければ表示部31の「終了メニュー」を選択し(Act8,終了タッチ)、他にもある場合には続けて使用済プリペイドカード回収口37aへ挿入する(Act8,終了タッチなし)。カードが挿入されると、制御部5は、上記したAct2~Act5を実行し、回収条件に適合するカードを回収して回収枚数をカウントUPしていく(Act6)。使用済カードが他になく利用者が表示部31の「終了メニュー」を選択すると(Act8,終了タッチ)、制御部5は、例えばRAM53に一時的に格納されている回収枚数を読み取る(Act9)。回収枚数とは、勿論、回収条件に適合してカウントUPされたカード枚数である。
【0035】
Act9において回収枚数が1枚以上である場合、制御部5は、特典を付与したクーポン券を発券する(Act10)。その後、使用済プリペイドカード回収メニューを終了する(Act11)。一方、Act9において、例えばID不一致や残高ありなどの理由で回収枚数が0枚である場合、制御部5は、クーポン券を発券せずに使用済プリペイドカード回収メニューを終了する(Act11)。なお、例えば利用者が誤って回収メニューを選択してしまった場合、利用者は、カードを挿入することなく(Act2,カード挿入なし)、表示部31の「終了メニュー」を選択する(Act8,終了タッチ)。
【0036】
上述の実施形態によれば、プリペイドカードで精算可能なコインランドリー集中精算システム4に、使用済プリペイドカード回収装置と回収したカードの枚数に応じて特典を付与する特典発行装置を設けたことにより、使用済プリペイドカードの利用と回収を促進させることができる。なお、上述の実施形態は、プリペイドカード回収装置,特典発行装置及び特典提供装置が集中精算機3と一体になった構成を示しているが、該コインランドリー集中精算システム4内で情報通信が可能であれば別体にして店舗内に配置してもよい。さらに、プリペイドカードリーダライタ35とプリペイドカードリーダ37を別体ではなく共通にしてもよい。プリペイドカードの販売機(不図示)は、例えばコインランドリー1の店舗内に設置されるが、プリペイドカードの販売機を集中精算機3と一体化してもよい。
【0037】
特に、使用済のプリペイドカードから店舗IDと残高情報を読み取り、店舗IDが一致し残高なしの場合にのみ回収条件に適合すると判別することによって、店舗オーナーの利益を確保することができる。
【0038】
加えて、特典として発券されるクーポン券に、特典の情報と集中精算機IDを含め、クーポン券の使用時において集中精算機IDが一致する場合に特典を付与する構成としたことによって、さらに店舗オーナーの利益を確保することができる。この場合、プリペイドカードに記憶されている店舗IDとは異なるIDを使用するので、結果として、プリペイドカードのカード再利用や偽造などを抑制することにつながる。すなわち、カードメ-カーの意向に沿うことができる。つまり、プリペイドカードの第1の識別情報と、システム4の第2の識別情報を利用することによって実現した。第1の識別情報及び第2の識別情報は、上記ID以外のものを設定してもよい。また、必ずしも集中精算機IDよる特典使用制限を設けなくともよい。
【0039】
(第2実施形態)
続いて、第2実施形態のコインランドリー集中精算システム4について説明する。第2実施形態のコインランドリー集中精算システム4は、
図2及び
図3に記載の構成において、回収の特典をポイントで付与及び管理することを除けば、第1実施形態のコインランドリー集中精算システム4と同じである。
【0040】
すなわち、第2実施形態のコインランドリー集中精算システム4では、例えばサーバー101をポイント管理サーバーとする。サーバー101は、オーナー所有のものであってもよく、ポイント管理会社のサーバーであってもよい。サーバーは、ポイントをユーザーごとに管理する。一例として、ユーザーに対してユーザーID及びパスワードを付与し、ユーザーID及びパスワードの組み合わせと対応付けてポイント数及びカード回収枚数の情報を管理する。ユーザーIDは、例えばユーザーの携帯番号であり、表示部31を通じて利用者が登録する。パスワードは、例えばユーザー登録時にサーバー101が付与し、例えば表示部31に表示するか又はプリンター36で印刷して出力する。携帯番号は、上述した洗濯時間を音声で知らせるのにも使用できる。
【0041】
カード回収により付与するポイントは、例えば1枚あたり10ポイント(1ポイント1円相当)を付与するなど、カード回収枚数に応じたポイントを付与する。さらに、例えば1ヶ月間といった期間内に複数枚のカードが回収された場合にポイントを増すといった時間的要素を加えるようにしてもよい。ポイントの付与は、回収枚数に応じてサーバー101が行ってもよく、制御部5が行ってもよい。ポイントの使用は、カードを回収した集中精算機3に制限してもよく、他の集中精算機3でも使用可能にしてもよい。あるいは、提携する別業種のサービスに使用可能にしてもよい。
【0042】
次に、使用済プリペイドカードを回収する集中精算機3の動作について、
図6を参照しながら説明する。まず、利用者は、集中精算機3の表示部31をタッチして、表示部31に表示される「使用済プリペイドカード回収メニュー」を選択する(Act21)。続いて、制御部5は、表示部31に「ユーザーIDとパスワードを入力して下さい」などのガイダンスを表示して、利用者にユーザーIDとパスワードの入力を促す。利用者が表示部31のタッチパネルを通じてユーザーIDとパスワードを入力すると(Act22)、制御部5は、入力されたユーザーIDとパスワードをサーバー101に送信して照会する(Act23)。なお、ユーザーIDとパスワードの入力は、カードを回収している際(すなわち、回収サービスを利用している際)であれば、別のタイミングで入力を促すようにしてもよい。
【0043】
サーバー101は、入力されたユーザーIDとパスワードにあたるユーザーが存在すると判別した場合、ユーザー情報及び現在のポイント情報を制御部5に送信する。制御部5は、サーバー101からの情報に基づいて、ユーザー情報及び現在のポイント情報を表示部31に表示する(Act24)。続いて、制御部5は、
図5のAct2~Act8に示したカード回収処理を実行する(Act25)。一方、Act23において、入力されたユーザーIDとパスワードにあたるユーザーが存在しない場合、或いはユーザーIDとパスワードが不一致の場合、制御部5は、表示部31にエラーメッセージを表示し(Act26)、処理を終了する。
【0044】
全てのカードが回収され、Act25において利用者が表示部31の「終了メニュー」を選択すると(
図5のAct8,終了タッチ)、制御部5は、例えばRAM53に一時的に格納されている回収枚数を読み取る(Act27)。回収枚数とは、回収条件に適合してカウントUPされたカード枚数である。
【0045】
Act27において回収枚数が1枚以上である場合、制御部5は、回数枚数をサーバー101に送信し、サーバー101が回収枚数に応じてポイントを付与する。制御部5が回収枚数に応じてポイントを付与してサーバー101に情報を送るようにしてもよい。サーバー101は、該当するユーザーIDのポイント情報を更新して登録する(Act29)。さらに、更新後のポイント数の情報を制御部5に送信し、制御部5が表示部31に表示する(Act29)。その後、「使用済プリペイドカード回収メニュー」の処理を終了する(Act30)。一方、Act27において、例えば店舗ID不一致や残高ありなどの理由で回収枚数が0枚である場合、制御部5は、ポイントを付与せずに使用済プリペイドカード回収メニューを終了する(Act30)。
【0046】
上述の実施形態によれば、プリペイドカードで精算可能なコインランドリー集中精算システム4に、使用済プリペイドカード回収装置と回収したカードの枚数に応じて特典を付与する特典発行装置を設けたことにより、使用済プリペイドカードの利用と回収を促進させることができる。特に、特典をポイント制としたことによって、利用者が継続してカード回収サービスを利用することを喚起することができる。
【0047】
(第3実施形態)
図7を参照して、第3実施形態について説明する。この実施形態では、集中精算機3は、第1又は第2の実施形態のものを採用するが、ランドリー機器2をより詳細に説明する。
図1にも示されるように、ランドリー機器2には、3つのインターフェース部が設けられている。一つ目は、ランドリー機器2の表面の上部の横長のものである。二つ目は、ランドリー機器2の表面の左側に設けられている。3つ目は、ランドリー機器2の表面の右側に設けられている。
【0048】
図1にも示されるように、集中精算機3を設けることにより、ユーザーの操作は、個々のランドリー機器2で行うのでなく、集中精算機3で行うことが、好ましい。第3の実施形態では、この考え方に沿って、ランドリー機器のインターフェースを特定させた。
【0049】
図7に示されるように、ランドリー機器2の表面上部には、第1のインターフェース部311が設けられている。
【0050】
第2のインターフェース部317は、第1のインターフェース部311に対し、下部左側に設けられている。第3のインターフェース部319は、第1のインターフェース部311に対し、下部右側に設けられている。
【0051】
第1のインターフェース部311は、当該機器2の特徴を表示するものである。例えば、「Washing Drying」「Size M」の表記を2段書きで行うものとする。ランドリー機器2としては、洗濯乾燥機と、乾燥機とがあることから、まず、この区別を、ユーザーに分かり易くすることが必要である。例えば、機器の特徴・内容に応じて、機器案内部311に、「Washing Drying」又は「Drying Machine」のどちらかを表記しておく。更に、夫々の機器には、容量があるので、「Size L」「Size M」場合によっては、「SizeS」等の表記を行う。これらの表記により、ユーザーの選択ミスを防止できる。
【0052】
第2のインターフェース部317は、ユーザーが、このランドリー機器2を選択した際に、集中精算機3の動作と連動し、点滅等により、ユーザーに選択を報知するものである。例えば、このランドリーシステムでは、以下のようにして、ユーザーは、ランドリー機器2を使用する。
【0053】
まず、ユーザーは、並置されているランドリー機器2の中から、空いているランドリー機器2を選択し、ランドリー機器2の扉2aを空けて、洗濯ものを入れ、扉2aを閉じる。この後、ユーザーは、個々のランドリー機器2の場所から、集中精算機3の正面に移動する。ユーザーは、集中精算機3の画面において、動作モード(洗濯のみ、洗濯乾燥、乾燥のみ)の選択等を行う。この際、集中精算機3は、使用可能なランドリー機器を画面に表示する。ケースによっては、一つのランドリー機器2を表示するかもしれない。他のケースでは、複数のランドリー機器2が表示され得る。ユーザーは、表示された使用可能なランドリー機器の中から、先ほど、洗濯ものを入れ、扉2aを閉じたランドリー機器を確認し、特定する。集中精算機3は、この選択・特定を受入れ、ユーザーに知らせる。
【0054】
例えば、第2のインターフェース部317を、フリッカーランプで構成し、集中精算機3にて、ユーザーがランドリー機器を特定した場合、そのランドリー機器2のフリッカーランプ(インターフェース部317)を点滅させる。これにより、ユーザーは、個々のランドリー機器2と離れた場所にいながら、自らが使用を希望し、洗濯ものを入れたランドリー機器2が正しく選択されたことを、確認できる。集中精算機3も、ユーザーが使用するランドリー機器2がどれであるかを確定できる。仮に、ユーザーが洗濯物を入れたランドリー機器2と集中精算機3の画面上で選択したランドリー機器2が一致しない場合、ユーザーは、ランドリー機器2の選択を再度やり直す。
【0055】
第3のインターフェース部319は、乾燥モードの際に、その乾燥に関する状態を表示する。例えば、ガス燃焼により、乾燥させる場合には、法律・法規等により、燃焼の状態を表示することが必要であることから、ガスの燃焼状態を、この部319にて表示させる。ガス燃焼により、乾燥させる場合には、ガスの燃焼が適切に行われている間は、その旨を表示する。例えば、ガス燃焼時には、ガスの「炎」を表示する等が好ましい。
【0056】
従前の機器では、コイン投入口、コインメック等の料金を収納する手段が設けられていた。コインメックは、投入された硬貨を分別し、枚数を計数し、保管する装置である。第1又は第2実施形態では、集中精算機3で支払が行えることから、ランドリー機器2において、コイン投入口、コインメック等は、不要となる。個々のランドリー機器2から、コイン投入口等を撤廃すると、ランドリー機器2自体の構成が簡素化される。特に、コイン投入口、コインメック等を設ける場合、金銭を扱うことから、安全性、防犯の観点等から、強固なセキュリティを実現する必要があった。また、コイン、紙幣を取り扱う為には、真贋判定、投入されたコイン、紙幣の収容部等が必要となり、関連する要素部品が増大し、重量が重くならざるを得なかった。この実施形態では、硬貨を取り扱う装置を撤廃することが可能になり、個々のランドリー機器2の構成が、簡素化される。
【0057】
一方で、コインランドリーのシステムの動作停止する機会を減少させる、という視点に立つと、個々のランドリー機器2に、コイン投入口等を存続させる、という選択も可能である。この場合、集中精算機3が、何らかの原因で、動作不能になったとしても、個々のランドリー機器2に、コイン投入口等があれば、個別のランドリー機器2は、ユーザーが使用可能となり、ランドリーシステムのダウン時間を減少させることも可能となる。
【0058】
(第4実施形態)
図8を参照し、第4実施形態を説明する。この実施形態では、ランドリー機器2のインターフェースを更に改良した。
【0059】
第1のインターフェース部311は、機器案内部313及び燃焼状態表示部315とから構成される。第3のインターフェース部319は、廃止する。
【0060】
第1のインターフェース部311を構成する機器案内部313は、当該機器2の特徴を表示するものである。表記は、前述の実施形態と同様である。例えば、「Washing Drying」「Size M」の表記を2段書きで行うものとする。
【0061】
燃焼状態表示部315は、乾燥モードの際に、その乾燥に関する状態を表示する。前述の実施形態での第3のインターフェース部319と同一の機能を有している。このような表示形態を設定すると、ランドリー機器名の表示の横で、ガスの燃焼状態を、表示することが可能となり、従前の機器での表示と類似したものとなり、ユーザーに取って、見易い表示となり得る。
【0062】
本発明の実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0063】
1 コインランドリー
2 ランドリー機器
3 集中精算機
34 プリペイドカードリーダ
34a 使用済プリペイドカード回収口
4 コインランドリー集中精算システム
41 システムコントローラ
5 制御部