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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-25
(45)【発行日】2023-08-02
(54)【発明の名称】立体パッケージを実現する基板製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/12 20060101AFI20230726BHJP
   H05K 3/46 20060101ALI20230726BHJP
   H05K 1/18 20060101ALI20230726BHJP
【FI】
H01L23/12 Q
H01L23/12 B
H01L23/12 N
H05K3/46 N
H05K3/46 Q
H05K1/18 S
H05K1/18 R
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021198603
(22)【出願日】2021-12-07
(65)【公開番号】P2022092596
(43)【公開日】2022-06-22
【審査請求日】2021-12-07
(31)【優先権主張番号】202011433687.X
(32)【優先日】2020-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520350546
【氏名又は名称】珠海越亜半導体股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHUHAI ACCESS SEMICONDUCTOR CO., LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100196117
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 利恵
(72)【発明者】
【氏名】陳 先明
(72)【発明者】
【氏名】洪 業傑
(72)【発明者】
【氏名】黄 本霞
(72)【発明者】
【氏名】馮 磊
【審査官】井上 和俊
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-015311(JP,A)
【文献】特開2017-063102(JP,A)
【文献】特開2011-155199(JP,A)
【文献】国際公開第2016/189609(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/12
H05K 3/46
H05K 1/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
立体パッケージを実現する基板製造方法であって、
底板(100)を用意するステップであって、前記底板(100)は、誘電体材料層(110)と、前記誘電体材料層(110)に設置される第1側壁パッド(120)と、第1ビアポスト(130)と、前記誘電体材料層(110)の両面を貫通するキャビティとを含み、前記キャビティ内に第1金属ブロック(141)が充填され、前記第1金属ブロック(141)と前記誘電体材料層(110)との間、および前記第1金属ブロック(141)の底部にはいずれもエッチング防止バリア層(142)が設けられ、前記キャビティは、少なくとも1つの平面状側壁を有し、前記第1側壁パッド(120)は前記平面状側壁の一側に位置しかつ前記エッチング防止バリア層(142)に接続されるステップと、
前記底板(100)上に第1配線層および第2配線層を加工により形成するステップであって、前記第1配線層は第1裏当て板(210)および第2金属ブロック(220)を含み、前記第2配線層は第2裏当て板(230)および複数のピンパッド(240)を含み、前記第1裏当て板(210)および前記第2裏当て板(230)の位置はいずれも前記第1ビアポスト(130)に適合し、前記第2金属ブロック(220)は前記キャビティの上方を被覆し、複数の前記ピンパッド(240)はいずれも前記キャビティの底部に位置するステップと、
前記第1配線層上に層間ビアポストを加工により形成して積層圧合するステップであって、前記層間ビアポストは第1層間ビアポスト(310)、第2層間ビアポスト(320)、第3層間ビアポスト(330)および第4層間ビアポスト(340)を含み、前記第1層間ビアポスト(310)は前記第1裏当て板(210)上に設置され、前記第2層間ビアポスト(320)は前記第2金属ブロック(220)上に設置され、前記第3層間ビアポスト(330)は前記第2裏当て板(230)に設置され、前記第4層間ビアポスト(340)は少なくとも1つの前記ピンパッド(240)に設置されるステップと、
積層圧合後に得られた半製品上に第3配線層と第4配線層を加工により形成するステップであって、前記第3配線層は第2側壁パッド(410)を含み、前記第2側壁パッド(410)の位置は、前記第1側壁パッド(120)に適合し、かつ前記第2側壁パッド(410)は、前記第1層間ビアポスト(310)に接続され、前記第4配線層は配線線路(420)を含み、前記配線線路(420)はそれぞれ前記第3層間ビアポスト(330)および前記第4層間ビアポスト(340)に接続されるステップと、
前記第2層間ビアポスト(320)、前記第2金属ブロック(220)、前記第1金属ブロック(141)、および前記エッチング防止バリア層(142)をそれぞれエッチング処理して、前記第1側壁パッド(120)、前記第2側壁パッド(410)、および前記ピンパッド(240)を露出させるステップと、を含むことを特徴とする立体パッケージを実現する基板製造方法。
【請求項2】
前記底板(100)上に前記第1配線層と前記第2配線層を加工により形成するステップは、
前記底板(100)上に第1シード層(510)を作成するステップと、
前記第1シード層(510)上にパターン転写およびパターンメッキという方法によって前記第1配線層および前記第2配線層を加工により形成するステップと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の立体パッケージを実現する基板製造方法。
【請求項3】
前記第1配線層上に前記層間ビアポストを加工により形成するステップは、
前記第1配線層と前記第2配線層上にパターン転写とパターンメッキという方法によって前記層間ビアポストを加工により形成するステップと、
前記第1配線層および前記第2配線層に適合する線路パターンを得るように、前記第1シード層(510)をエッチングするステップと、を含むことを特徴とする請求項2に記載の立体パッケージを実現する基板製造方法。
【請求項4】
積層圧合後に得られた半製品上に前記第3配線層と前記第4配線層を加工により形成するステップは、
積層圧合後に得られた半製品上に第2シード層(520)を作成するステップと、
前記第2シード層(520)上にパターン転写およびパターンメッキという方法によって前記第3配線層および前記第4配線層を加工により形成するステップと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の立体パッケージを実現する基板製造方法。
【請求項5】
前記第2層間ビアポスト(320)、前記第2金属ブロック(220)、前記第1金属ブロック(141)および前記エッチング防止バリア層(142)をそれぞれエッチング処理するステップの後、
前記第3配線層および前記第4配線層にソルダーレジスト処理を行うステップと、
前記第1側壁パッド(120)、前記第2側壁パッド(410)、および前記ピンパッド(240)に金属表面処理を行うステップと、をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の立体パッケージを実現する基板製造方法。
【請求項6】
前記第3配線層および前記第4配線層に前記ソルダーレジスト処理を行うステップの後、
前記キャビティの側壁に受動素子(810)を溶接するステップであって、前記受動素子(810)のピンはそれぞれ前記第1側壁パッド(120)および前記第2側壁パッド(410)に接続されるステップと、
前記キャビティ内に能動素子(820)を溶接するステップであって、前記能動素子(820)のピンはそれぞれ前記ピンパッド(240)に接続されるステップと、
前記受動素子(810)および前記能動素子(820)が溶接された前記キャビティをパッケージするステップと、をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の立体パッケージを実現する基板製造方法。
【請求項7】
前記底板(100)の製造方法は、
両面銅箔基板(1000)を用意し、前記両面銅箔基板(1000)上に第3シード層(1040)を作成するステップと、
前記第3シード層(1040)が加工により形成された前記両面銅箔基板(1000)に前記第1側壁パッド(120)と前記第1ビアポスト(130)を加工により形成するステップと、
前記第1側壁パッド(120)と前記第1ビアポスト(130)が加工により形成された前記両面銅箔基板(1000)上に感光遮蔽層を作成して前記キャビティを形成し、かつ前記キャビティ内に前記エッチング防止バリア層(142)を電気メッキするステップと、
前記エッチング防止バリア層(142)上に電気メッキを施して前記第1金属ブロック(141)を形成するステップと、
前記感光遮蔽層を除去し、誘電体材料を積層して前記誘電体材料層(110)を得るステップと、
前記誘電体材料層(110)を薄くした後、プレート分離を行い、前記底板(100)を得るステップと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の立体パッケージを実現する基板製造方法。
【請求項8】
前記両面銅箔基板(1000)上に前記第3シード層(1040)を作成するステップは、
前記両面銅箔基板(1000)上にニッケルをメッキして保護金属層(1030)を得るステップと、
前記保護金属層(1030)上に銅をメッキして、前記第3シード層(1040)を得るステップと、を含む請求項7に記載の立体パッケージを実現する基板製造方法。
【請求項9】
前記第1側壁パッド(120)は、断面が方形の銅柱であることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の立体パッケージを実現する基板製造方法。
【請求項10】
前記第1ビアポスト(130)は、円筒形の銅柱であることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の立体パッケージを実現する基板製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は配線板技術の分野に関し、特に立体パッケージを実現する基板製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子技術がますます発展するにつれて、電子製品の性能要件はますます高まっている。電子製品の多機能と高性能を実現するために、複数の機能の異なる能動受動素子をパッケージングしてより強大な機能を実現するチップモジュールは現在および未来の一定時期の発展傾向であり、これは電子製品の空間を縮小するだけでなく、異なる素子間の距離を短縮し、チップの演算速度を向上させる。
【0003】
現在、能動素子パッケージの技術は、複数のチップを並べ拡げてパッケージする水平パッケージ構造と、複数のチップを垂直方向に積み重ねてパッケージする垂直パッケージ構造とを含む。しかし、水平パッケージ構造であっても垂直パッケージ構造であっても、以下の欠点がある。
【0004】
1)配線板基板上のパッドはすべて同一配線層であるため、設計自由度が制限される。
2)配線板基板に対する占有面積が大きく、パッケージの小型化、高集積化の発展傾向を制限する。
3)素子が片面に密集して配置されたり、積み重ねられたりして、放熱効果を低下させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来技術に存在する技術的問題の少なくとも1つを解決することを目的とする。そのため、本発明は、パッケージの空間利用率を向上させることができる立体パッケージを実現する基板製造方法を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施例による立体パッケージを実現する基板製造方法は、
底板を用意するステップであって、前記底板は、誘電体材料層と、前記誘電体材料層に設置される第1側壁パッドと、第1ビアポストと、前記誘電体材料層の両面を貫通するキャビティとを含み、前記キャビティ内に第1金属ブロック(141)が充填され、前記第1金属ブロックと前記誘電体材料層との間、および前記第1金属ブロックの底部にはいずれもエッチング防止バリア層が設けられ、前記キャビティは、少なくとも1つの平面状側壁を有し、前記第1側壁パッドは前記平面状側壁の一側に位置しかつ前記エッチング防止バリア層に接続されるステップと、
前記底板上に第1配線層および第2配線層を加工により形成するステップであって、前記第1配線層は第1裏当て板および第2金属ブロックを含み、前記第2配線層は第2裏当て板および複数のピンパッドを含み、前記第1裏当て板および前記第2裏当て板の位置はいずれも前記第1ビアポストに適合し、前記第2金属ブロックは前記キャビティの上方を被覆し、複数の前記ピンパッドはいずれも前記キャビティの底部に位置するステップと、
前記第1配線層上に層間ビアポストを加工により形成して積層圧合するステップであって、前記層間ビアポストは第1層間ビアポスト、第2層間ビアポスト、第3層間ビアポストおよび第4層間ビアポストを含み、前記第1層間ビアポストは前記第1裏当て板上に設置され、前記第2層間ビアポストは前記第2金属ブロック上に設置され、前記第3層間ビアポストは前記第2裏当て板に設置され、前記第4層間ビアポストは少なくとも1つの前記ピンパッドに設置されるステップと、
積層圧合後に得られた半製品上に第3配線層と第4配線層を加工により形成するステップであって、前記第3配線層は第2側壁パッドを含み、前記第2側壁パッドの位置は、前記第1側壁パッドに適合し、かつ前記第2側壁パッドは、前記第1層間ビアポストに接続され、前記第4配線層は配線線路を含み、前記配線線路はそれぞれ前記第3層間ビアポストおよび前記第4層間ビアポストに接続されるステップと、
前記第2層間ビアポスト、前記第2金属ブロック、前記第1金属ブロック、および前記エッチング防止バリア層をそれぞれエッチング処理して、前記第1側壁パッド、第2側壁パッド、および前記ピンパッドを露出させるステップと、を含む。
【0007】
本発明の実施例による立体パッケージを実現する基板製造方法は、少なくとも以下の有益な効果を有する:本発明はキャビティの側壁に例えば第1側壁パッドと第2側壁パッドのような側面パッドを形成することができ、これによって、パッドを同一の配線層内に制限する必要がなく、製品の配線設計に高い自由度を与え、能動受動素子をキャビティ内にパッケージすることができ、パッケージの空間を効果的に縮小し、パッケージの空間利用率を向上させる。
【0008】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記底板上に第1配線層と第2配線層を加工により形成するステップは、
前記底板上に第1シード層を作成するステップと、
前記第1シード層上にパターン転写およびパターンメッキという方法によって前記第1配線層および前記第2配線層を加工により形成するステップと、を含む。
【0009】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記第1配線層上に層間ビアポストを加工により形成するステップは、
前記第1配線層と前記第2配線層上にパターン転写とパターンメッキという方法によって前記層間ビアポストを加工により形成するステップと、
前記第1配線層および前記第2配線層に適合する線路パターンを得るように、前記第1シード層をエッチングするステップと、を含む。
【0010】
本発明のいくつかの実施例によれば、積層圧合後に得られた半製品上に第3配線層と第4配線層を加工により形成するステップは、
積層圧合後に得られた半製品上に第2シード層を作成するステップと、
前記第2シード層上にパターン転写およびパターンメッキという方法によって前記第3配線層および前記第4配線層を加工により形成するステップと、を含む。
【0011】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記第2層間ビアポスト、前記第2金属ブロック、前記第1金属ブロックおよび前記エッチング防止バリア層をそれぞれエッチング処理するステップの後、
前記第3配線層および前記第4配線層にソルダーレジスト処理を行うステップと、
前記第1側壁パッド、前記第2側壁パッド、および前記ピンパッドに金属表面処理を行うステップと、をさらに含む。
【0012】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記第3配線層および前記第4配線層にソルダーレジスト処理を行うステップの後、
前記キャビティの側壁に受動素子を溶接するステップであって、前記受動素子のピンはそれぞれ前記第1側壁パッドおよび前記第2側壁パッドに接続されるステップと、
前記キャビティ内に能動素子を溶接するステップであって、前記能動素子のピンはそれぞれ前記ピンパッドに接続されるステップと、
前記受動素子および前記能動素子が溶接されたキャビティをパッケージするステップと、をさらに含む。
【0013】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記底板の製造方法は、
両面銅箔基板を用意し、両面銅箔基板上に第3シード層を作成するステップと、
前記第3シード層が加工により形成された両面銅箔基板上に前記第1側壁パッドと前記第1ビアポストを加工により形成するステップと、
前記第1側壁パッドと前記第1ビアポストが加工により形成された両面銅箔基板上に感光遮蔽層を作成して前記キャビティを形成し、かつ前記キャビティ内にエッチング防止バリア層を電気メッキするステップと、
前記エッチング防止バリア層上に電気メッキを施して前記第1金属ブロックを形成するステップと、
前記感光遮蔽層を除去し、誘電体材料を積層して前記誘電体材料層を得るステップと、
前記誘電体材料層を薄くした後、プレート分離を行い、前記底板を得るステップと、を含む。
【0014】
本発明のいくつかの実施例によれば、両面銅箔基板上に第3シード層を作成するステップは、
前記両面銅箔基板上にニッケルをメッキして保護金属層を得るステップと、
前記保護金属層上に銅をメッキして、前記第3シード層を得るステップと、を含む。
【0015】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記第1側壁パッドは断面が方形の銅柱である。
【0016】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記第1ビアポストは円筒形の銅柱である。
【0017】
本発明のさらなる態様および利点は、以下の説明において部分的に与えられ、以下の説明から部分的に明らかになるか、または本発明の実施から理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施例に係る立体パッケージを実現する基板製造方法のフローチャートである。
図2】本発明の実施例に係る立体パッケージを実現する基板製造方法の底板の平面図である。
図3】第1シード層を加工により形成した後の図2に示す底板の半製品の概略構成図である。
図4】層間ビアポストを加工により形成した後の図3に示す半製品の概略構成図である。
図5】積層圧合後の図4に示す半製品の概略構成図である。
図6】感光遮蔽材を貼り付けた後の図5に示す半製品の概略構成図である。
図7】パターンメッキ後の図6に示す半製品の概略構成図である。
図8】感光遮蔽材を貼り付けた後の図7に示す半製品の概略構成図である。
図9】第2層間ビアポスト、第2金属ブロックおよび第1金属ブロックをエッチングした後の図8に示す半製品の概略構成図である。
図10】第1シード層をエッチングした後の図9に示す半製品の概略構成図である。
図11】ソルダーレジスト加工および金属表面処理後の図10に示す半製品の概略構成図である。
図12】受動素子を溶接した後の図11に示す半製品の概略構成図である。
図13】能動素子溶接とパッケージ後の図12に示す半製品の概略構成図である。
図14】本発明の実施例に係る立体パッケージを実現する基板製造方法の両面銅箔基板の概略構成図である。
図15】第3シード層を加工により形成した後の図14に示す両面銅箔基板の半製品の概略構成図である。
図16a】感光遮蔽材を貼り付けた後の図15に示す半製品の概略構成図である。
図16b図16aに示す半製品の概略平面図である。
図17図16aに示す半製品のパターンメッキ後の概略構成図である。
図18a】エッチング防止バリア層をメッキした後の図17に示す半製品の概略構成図である。
図18b図18aに示す半製品の概略平面図である。
図19】第1金属ブロックを加工により形成した後の図18aに示す半製品の概略構成図である。
図20】積層圧合後の図19に示す半製品の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施例を詳細に説明し、前記実施例の例は図面に示されるが、同一または類似する符号は、常に、同一または類似の素子、あるいは、同一または類似の機能を有する素子を表す。以下、図面を参照しながら説明する実施例は例示的なものであり、本発明を説明することのみを目的とし、本発明を制限するものとして理解すべきではない。
【0020】
本発明の説明では、「上」、「下」などで示される方位または位置関係は、図面に基づく方位または位置関係であり、単に本明細書を容易に説明し且つ説明を簡素化するためのものにすぎず、本明細書に記載される装置または素子が特定の方位を有し、特定の方位で構成され且つ操作されなければならないことを指示または暗示するものではないため、本明細書への制限として理解すべきではない。
【0021】
本発明の説明において、「いくつか」の意味は1つまたは複数であり、「複数」の意味は2つ以上であり、「より大きい」、「より小さい」、「超える」などはこの値を含まないと理解され、「以上」、「以下」、「以内」などはこの値を含むと解釈されるべきである。「第1」、「第2」に言及すると、技術的特徴を区別するためのものに過ぎず、相対的重要性を提示又は暗示し、あるいは示される技術特徴の数量または示される技術的特徴の前後関係を暗黙的に示すものとして理解すべきではない。
【0022】
本発明の説明では、特に明確に限定されない限り、「設置」、「取り付け」、「接続」などの用語は広く理解されるべきであり、当業者は、技術的解決手段の具体的な内容に関連して上記用語の本発明での具体的な意味を合理的に決定することができる。
【0023】
本発明の説明において、方法のステップに連続的な参照番号を付けるのは、審査および理解を容易にするためであり、本発明の全体的な技術的解決手段および各ステップ間の論理関係に合わせて、ステップ間の実施順序を調整することは、本発明の技術的解決手段によって達成される技術的効果に影響を及ぼさない。
【0024】
図1を参照すると、本実施例は立体パッケージを実現する基板製造方法を開示し、ここでは、パターン転写、フォトレジストの堆積、露光およびその後の除去工程、パターンメッキなどのようないくつかの製造ステップが本明細書では詳細に説明されていない。なぜなら、これらのステップにおける材料およびプロセスフローは周知の技術であり、本明細書で詳細に説明すると、本説明は非常に煩雑になるからである。正確には、当業者は、特定の製品のための対応するステップを設計する際に、例えば、生産バッチ、基板の複雑さ、および素子の解像度などのパラメータに基づいて、様々な代替材料および製造プロセスから適切な選択を行うことができる。
【0025】
本実施例の立体パッケージを実現する基板製造方法は、以下のステップを含む。
【0026】
S100では、図2および図3に示すように、底板100を用意し、底板100は、誘電体材料層110と、誘電体材料層110に設置される第1側壁パッド120と、第1ビアポスト130と、誘電体材料層110の両面を貫通するキャビティとを含み、キャビティ内に第1金属ブロック141が充填され、第1金属ブロック141と誘電体材料層110との間、および第1金属ブロック141の底部にはいずれもエッチング防止バリア層142が設けられ、キャビティは、少なくとも1つの平面状側壁を有し、第1側壁パッド120は平面状側壁の一側に位置しかつエッチング防止バリア層142に接続される。
【0027】
なお、このステップにおいて、第1側壁パッド120は、後続の受動素子810(例えば、抵抗器、コンデンサ)はんだ付けのためのパッドの一つとして機能し、第1ビアポスト130は、異なる配線層を導通させるための導体として機能し、第1金属ブロック141は、後続のエッチングによるキャビティの形成を容易にする。ここでは、第1側壁パッド120、第1ビアポスト130、および第1金属ブロック141の数は、製造データに基づいて1つまたは複数に設計され得る。図に示す底板100は、両側対称構造であり、ここでは、第1側壁パッド120の数は2個であり、第1ビアポスト130の数は4個であり、第1金属ブロック141の数は1個である。なお、以下では、説明の便宜上、底板100の一側の構成を参照して説明する。
【0028】
ステップ200では、図3図4に示すように、底板100上に第1配線層と第2配線層を加工により形成し、第1配線層と第2配線層はそれぞれ底板100の上下面に位置し、第1配線層は、第1裏当て板210と第2金属ブロック220とを含み、第2配線層は、第2裏当て板230と、複数のピンパッド240とを含み、第1裏当て板210および第2裏当て板230の両方の位置は、第1ビアポスト130に適合し、例えば、第1裏当て板210は第1ビアポスト130の真上に位置し、第2裏当て板230は、第1ビアポスト130の真下に位置し、第1裏当て板210および第2裏当て板230の寸法は、第1裏当て板210および第2裏当て板230における層間ビアポストの後続の加工を容易にして異なる配線層間の導通を達成するために、配線板の裏当て板設計寸法要件を満たす。第2金属ブロック220は、キャビティの上方を被覆し、複数のピンパッド240は、キャビティの底部に位置し、ここでは、ピンパッド240の位置および寸法は、後続の溶接すべき能動素子820(例えば集積チップ)のピンに適合する。
【0029】
図3および図4を参照して、上述したステップS200において、底板100上に第1配線層および第2配線層を加工により形成するステップは以下のステップを含む。
【0030】
S210では、底板100上に第1シード層510を作成し、ここでは、第1シード層510はイオンスパッタリングまたは化学堆積などの方法で作成することができる。
【0031】
S220では、第1シード層510上にパターン転写およびパターンメッキという方法によって第1配線層および第2配線層を加工により形成し、第1シード層510は、底板100上の第1配線層と第2配線層との間の接合力を向上させるのに役立つ。
【0032】
S300では、第1配線層上に層間ビアポストを加工により形成して積層圧合し、図4図5に示すように、層間ビアポストは第1層間ビアポスト310、第2層間ビアポスト320、第3層間ビアポスト330および第4層間ビアポスト340を含み、第1層間ビアポスト310は第1裏当て板210上に設置され、第2層間ビアポスト320は第2金属ブロック220上に設置され、第3層間ビアポスト330は第2裏当て板230に設置され、第4層間ビアポスト340は少なくとも1つのピンパッド240に設置される。第1層間ビアポスト310、第1ビアポスト130と第3層間ビアポスト330は協働して異なる層の線路を導通させることができる。第4層間ビアポスト340と対応するピンパッド240との間が導通することで、後に配線線路420を介して能動素子820と受動素子810との間の信号伝送を可能にする。加工して層間ビアポストを得た後、積層設計要件に応じて、誘電体材料(例えば半硬化シート)により積層圧合を行って、第1圧合層610と第2圧合層620を得て、積層圧合後に研削などの方法により薄くして層間ビアポストを露出させることができる。なお、層間ビアポストの層数は1層または複数層であってもよく、図5に示す層間ビアポストの層数は1層であり、異なる受動素子の寸法要件に応じて、当業者は前の層間ビアポストに積層接合をもとに、設計の厚さ要求を満たすまで次の層間ビアポストを加工により形成することができる。
【0033】
上記ステップS300では、第1配線層上に層間ビアポストを加工により形成するステップは以下のステップを含む。
【0034】
S310では、第1配線層と第2配線層上にパターン転写およびパターンメッキという方法によって層間ビアポストを加工により形成する。
【0035】
S320では、第1シード層510をエッチングして、第1配線層および第2配線層に適合する配線パターンを得る。
【0036】
S400では、積層圧合後に得られた半製品に第3配線層と第4配線層を加工により形成する。図6図7を参照すると、第3配線層は第2側壁パッド410を含み、第2側壁パッド410の位置は第1側壁パッド120に適合し、かつ第2側壁パッド410は第1層間ビアポスト310に接続され、第4配線層は配線線路420を含み、配線線路420は第3層間ビアポスト330と第4層間ビアポスト340にそれぞれ接続される。なお、本実施例の第2側壁パッド410は、第1層間ビアポスト310に直接接続されてもよく、または対応する配線を介して第1層間ビアポスト310に間接的に接続されてもよい。
【0037】
図5および図6を参照して、上記ステップS400では、積層圧合後に得られた半製品に第3配線層および第4配線層を加工により形成するステップは以下のステップを含む。
【0038】
S410では、積層圧合後に得られた半製品上に第2シード層520を作成する。
【0039】
S420では、第2シード層520上にパターン転写およびパターンメッキという方法によって第3配線層および第4配線層を加工により形成し、パターンメッキが完了して第3配線層および第4配線層を得た後、第2シード層520をエッチング処理して、第3配線層および第4配線層に適合する配線パターンを得る。
【0040】
具体的には、図6および図7を参照して、第3配線層および第4配線層に第1感光遮蔽材710を貼り付け、パターン転写およびパターンメッキという方法によって第2側壁パッド410および配線線路420の予備パターンを得た後、第1感光遮蔽材710を除去し、第2シード層520をエッチングして第2側壁パッド410および配線線路420を得る。
【0041】
S500では、第2層間ビアポスト320、第2金属ブロック220、第1金属ブロック141およびエッチング防止バリア層142をそれぞれエッチング処理して、第1側壁パッド120、第2側壁パッド410およびピンパッド240を露出させる。具体的には、図8図9および図10を参照して、第3配線層および第4配線層に第2感光遮蔽材720を貼り付けて、パターンの製作を行って、第2層間ビアポスト320に窓を開けることを容易にし、第2層間ビアポスト320、第2金属ブロック220および第1金属ブロック141を、エッチング防止バリア層142が露出するまで、第1エッチング薬液によってエッチング処理し、その後、第2エッチング薬液を用いてエッチング防止バリア層142をエッチング処理した後、第2感光遮蔽材720を除去する。なお、本実施例の第2層間ビアポスト320、第2金属ブロック220および第1金属ブロック141はいずれも銅ブロックであり、エッチング防止バリア層142はニッケル合金を採用しているので、第1エッチング薬液および第2エッチング薬液はいずれも配線板加工プロセスで常用される薬液を採用することができ、その具体的な型番および成分は省略する。
【0042】
上述の実施例では、第2側壁パッド410は、第1側壁パッド120と協働して受動素子接続のためのパッドとして使用することができ、複数のピンパッド240の協働は能動素子820の溶接に使用され、第1層間ビアポスト310と、第1ビアポスト130と、第3層間ビアポスト330と、第4層間ビアポスト340と、配線線路420とでピンパッド240と第2側壁パッド410との間の導電回路を形成し、後続の溶接の受動素子と能動素子との間の信号伝送を実現できる。本実施例の第1側壁パッド120と第2側壁パッド410はそれぞれ異なる配線層に位置し、配線板のパッド設計は同一の配線層に制限する必要がなく、製品の線路設計に高い自由度を与え、能動受動素子をキャビティ内にパッケージングすることができ、パッケージの空間を効果的に縮小し、パッケージの空間利用率を向上させ、かつキャビティおよびパッドの寸法を合理的に設計することによって、能動受動素子の水平、垂直パッケージを併存させ、さらにパッケージ体積を縮小することができる。
【0043】
上記ステップS500において、第2層間ビアポスト320、第2金属ブロック220、第1金属ブロック141およびエッチング防止バリア層142に対してそれぞれエッチング処理を行い、その後に、以下のステップを含む。
【0044】
S610では、第3配線層と第4配線層にソルダーレジスト処理を行う。図11を参照し、図中のソルダーレジスト層730は外層線路、すなわち第3配線層と第4配線層を覆って線路を保護することができる。
【0045】
S620では、第1側壁パッド120、第2側壁パッド410およびピンパッド240に金属表面処理を行って、表面保護層740を得る。金属表面処理は酸化防止、ニッケルパラジウム金メッキ、錫メッキまたは銀メッキなどを含む。
【0046】
上記ステップS620は、第3配線層と第4配線層とをソルダーレジスト処理した後、以下のステップをさらに含む。
【0047】
S710では、図12を参照して、キャビティの側壁に受動素子810を溶接し、受動素子810のピンはそれぞれ第1側壁パッド120および第2側壁パッド410に接続する。
【0048】
S720では、図13を参照して、キャビティ内に能動素子820を溶接し、能動素子820のピンはそれぞれピンパッド240に接続する。
【0049】
S730では、受動素子810と能動素子820が溶接されたキャビティをパッケージしてパッケージ層750を得ることで、受動素子810と能動素子820を保護し、製品の美観度を向上させる。
【0050】
上記実施例において、底板100の製造方法は、以下のステップを含む。
【0051】
S110では、両面銅箔基板1000を用意し、両面銅箔基板1000上に第3シード層1040を作成する。図14を参照して、本実施例は両面銅箔基板1000を出発層として採用し、上下両面に同時に2枚の底板100を作成することができ、生産効率の向上に有利である。本実施例の両面銅箔基板1000は、各面に2層の銅箔、すなわち第1銅箔層1010と第2銅箔層1020が設けられており、銅箔の厚さは異なる応用ニーズに応じて決定され、本実施例のシード層は銅層であり、化学メッキという方法によって加工することができ、銅層の厚さは実際のニーズに応じて決定することができ、本実施例の銅層の厚さは3μmである。
【0052】
図15を参照して、上記ステップS110では、両面銅箔基板1000上に第3シード層1040を作成するステップは以下のステップを含む。
【0053】
S111では、両面銅箔基板1000にニッケルメッキを行って、保護金属層1030を得る。
【0054】
S112では、保護金属層1030上に銅をメッキして第3シード層1040を得て、第3シード層1040は後続層の接合力を向上させることができ、保護金属層1030は後続プレート分離工程後に第3シード層1040のエッチング時に基板のパターンを保護し、過度のエッチングを防止することができる。
【0055】
S120では、第3シード層1040が加工により形成された両面銅箔基板1000上に第1側壁パッド120および第1ビアポスト130を加工により形成する。具体的には、図16aおよび図16bを参照して、第3シード層1040上に第3感光遮蔽材1050を貼り付け、パターン転写により第3シード層1040上に第1側壁パッド120および第1ビアポスト130にそれぞれ対応する第1パターン孔120aおよび第2パターン孔130aを加工により形成し、パターンメッキという方法によって両面銅箔基板1000上に第1側壁パッド120および第1ビアポスト130を加工により形成し、図示の第1側壁パッド120は断面が方形の銅柱であり、平坦な溶接面を形成しやすく、後続の受動素子の溶接に有利である。第1ビアポスト130は円筒形の銅柱であり、後続の第1裏当て板210、第2裏当て板230の寸法設計の難易度を低下させるのに有利である。
【0056】
S130では、図17図18aおよび図18bを参照して、第1側壁パッド120および第1ビアポスト130が加工により形成された両面銅箔基板1000に第4感光遮蔽材1060を貼り付けて感光遮蔽層を作成して、それによりキャビティを形成する。キャビティ内にエッチング防止バリア層142を電気メッキし、具体的には、本実施例のエッチング防止バリア層142はニッケル合金メッキという方法によって成形する。
【0057】
S140では、図19を参照して、エッチング防止バリア層142に電気メッキを施して第1金属ブロック141を形成し、底板100の表面を平坦化し、その後の各層の加工を容易にする。
【0058】
S150では、図20を参照して、感光遮蔽層を除去し、誘電体材料を積層して誘電体材料層110を得る。
【0059】
S160では、誘電体材料層110を薄くした後、プレート分離を行い、底板100を得る。ここで、底板100上の第1ビアポスト130と第1金属ブロック141を露出させるために、研削で誘電体材料層110を薄くすることができる。
【0060】
以上、図面を参照しながら本発明の実施例について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、当業者が備える知識の範囲内において、本発明の趣旨を逸脱することなく種々の変更が可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16a
図16b
図17
図18a
図18b
図19
図20