(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-25
(45)【発行日】2023-08-02
(54)【発明の名称】スクリーン指紋コンポーネント及び端末機器
(51)【国際特許分類】
G06V 40/13 20220101AFI20230726BHJP
G02B 5/26 20060101ALI20230726BHJP
G02B 5/20 20060101ALI20230726BHJP
G06T 1/00 20060101ALI20230726BHJP
【FI】
G06V40/13
G02B5/26
G02B5/20
G06T1/00 400G
(21)【出願番号】P 2021570763
(86)(22)【出願日】2020-03-19
(86)【国際出願番号】 CN2020080250
(87)【国際公開番号】W WO2020238352
(87)【国際公開日】2020-12-03
【審査請求日】2021-11-29
(31)【優先権主張番号】201910456598.8
(32)【優先日】2019-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517372494
【氏名又は名称】維沃移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】VIVO MOBILE COMMUNICATION CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1, vivo Road, Chang’an, Dongguan,Guangdong 523863, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】呉 華平
【審査官】小池 正彦
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第109564628(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0156096(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06V 40/13
G02B 5/26
G02B 5/20
G06T 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一のガラスカバー(1)と、表示モジュール(2)と、補光ランプ(3)と、指紋モジュール(5)とを含み、前記第一のガラスカバー(1)、前記表示モジュール(2)及び前記指紋モジュール(5)は、積層して設けられ、前記表示モジュール(2)の第一の側は、前記第一のガラスカバー(1)の第一の表面に貼り合わせられ、前記補光ランプ(3)は、前記第一のガラスカバー(1)の一側に位置し、且つ前記第一のガラスカバー(1)の第一の表面及び前記表示モジュール(2)の第一の側に隣接し、且つ前記補光ランプ(3)は、前記第一のガラスカバー(1)に向
き、
前記第一のガラスカバー(1)の第一の表面の第一の領域に第一の反射コーティング層(101)が設けられており、前記第一のガラスカバー(1)の第二の表面の第二の領域に第二の反射コーティング層(102)が設けられており、前記第一の表面と前記第二の表面は、対向して設けられ、
前記第一のガラスカバー(1)の第一の表面の、前記補光ランプ(3)に対応する領域に、前記第一の反射コーティング層(101)が設けられておらず、前記第一のガラスカバー(1)の第二の表面の、前記補光ランプ(3)に対応する領域に、前記第二の反射コーティング層(102)が設けられており、
前記指紋モジュール(5)の、前記第一のガラスカバー(1)への垂直投影領域は、前記表示モジュール(2)の、前記第一のガラスカバー(1)への垂直投影領域の内部に位置し、
前記指紋モジュール(5)の、前記第一のガラスカバー(1)への垂直投影領域に、前記第一の反射コーティング層(101)と前記第二の反射コーティング層(102)が設けられていない、スクリーン指紋コンポーネント。
【請求項2】
前記第一の反射コーティング層(101)の前記第一のガラスカバー(1)の長さ方向に沿った寸法は、前記第二の反射コーティング層(102)の前記第一のガラスカバー(1)の長さ方向に沿った寸法以上である、請求項
1に記載のスクリーン指紋コンポーネント。
【請求項3】
前記第一の反射コーティング層(101)の前記第一のガラスカバー(1)の幅方向に沿った寸法は、前記第二の反射コーティング層(102)の前記第一のガラスカバー(1)の幅方向に沿った寸法以上である、請求項
1に記載のスクリーン指紋コンポーネント。
【請求項4】
前記補光ランプ(3)は、前記第一のガラスカバー(1)の位置する平面に対して斜めに設けられる、請求項
1から3のいずれか1項に記載のスクリーン指紋コンポーネント。
【請求項5】
前記補光ランプ(3)の、前記第一のガラスカバー(1)の位置する平面に対する傾斜角度は、第一の予め設定された角度であり、前記補光ランプ(3)が発した光が前記第一のガラスカバーに入射する入射角度は、第二の予め設定された角度以上であり、そのうち、前記第二の予め設定された角度は、全反射角である、請求項
4に記載のスクリーン指紋コンポーネント。
【請求項6】
前記スクリーン指紋コンポーネントは、第二のガラスカバー(6)をさらに含み、前記第二のガラスカバー(6)と前記第一のガラスカバー(1)は、積層して設けられる、請求項2
又は3に記載のスクリーン指紋コンポーネント。
【請求項7】
前記表示モジュール(2)は、対向する第二の側と第三の側をさらに含み、前記第二の側と前記第三の側は、それぞれ前記第一の側に隣接し、前記スクリーン指紋コンポーネントは、二つの前記補光ランプ(3)を含み、二つの前記補光ランプ(3)は、それぞれ前記第二の側と前記第三の側に隣接する、請求項1に記載のスクリーン指紋コンポーネント。
【請求項8】
赤外感光デバイスをさらに含み、前記補光ランプ(3)は、前記赤外感光デバイスにおける赤外ランプである、請求項1に記載のスクリーン指紋コンポーネント。
【請求項9】
請求項1~
8のいずれか1項に記載のスクリーン指紋コンポーネントを含む、端末機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年5月29日に中国で提出された中国特許出願番号No.201910456598.8の優先権を主張しており、同出願の内容の全ては、ここに参照として取り込まれる。
【0002】
本開示は、通信技術分野に関し、特にスクリーン指紋コンポーネント及び端末機器に関する。
【背景技術】
【0003】
端末機器の急速な発展に伴い、指紋モジュールを表示モジュールの下に設けることは、現在の主流設計案となっている。実際の運用において、補光ランプは、一般的に表示モジュールの下に位置し、且つ指紋モジュールの一側に位置する。現在では、補光ランプを用いて補光を行う場合、補光ランプからの赤外光は、順にバックライト層、表示モジュール及びガラスカバーを透過することにより、指紋に対する補光を完了する必要がある。赤外光が透過する構造が比較的に多いため、それにより赤外光の減衰が比較的に大きく、さらに、赤外光の補光効果が比較的に低いことが分かる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の実施例は、赤外光の補光効果が比較的に低いという問題を解決するためのスクリーン指紋コンポーネント及び端末機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記技術課題を解決するために、本開示は、以下のように実現される。
第一の方面によれば、本開示の実施例は、スクリーン指紋コンポーネントを提供する。前記スクリーン指紋コンポーネントは、第一のガラスカバーと、表示モジュールと、補光ランプと、指紋モジュールとを含み、前記第一のガラスカバー、前記表示モジュール及び前記指紋モジュールは、積層して設けられ、前記表示モジュールの第一の側は、前記第一のガラスカバーの第一の表面に貼り合わせられ、前記補光ランプは、前記第一のガラスカバーの一側に位置し、且つ前記第一のガラスカバーの第一の表面及び前記表示モジュールの第一の側に隣接し、且つ前記補光ランプは、前記第一のガラスカバーに向く。
【0006】
第二の方面によれば、本開示の実施例は、端末機器をさらに提供する。前記端末機器は、上記のスクリーン指紋コンポーネントを含む。
【発明の効果】
【0007】
本開示の実施例では、補光ランプが第一のガラスカバーの一側に位置し、且つ第一のガラスカバーの第一の表面及び表示モジュールの第一の側に同時に隣接し、このように、補光ランプが発した赤外光は、第一のガラスカバーを透過すれば、補光を完了することができ、赤外光の減衰を減少させ、それにより赤外光の補光効果を向上させる。
【0008】
本開示の実施例の技術案をより明瞭に説明するために、以下は、本開示の実施例の記述において使用される必要がある添付図面を簡単に紹介する。自明なことに、以下の記述における添付図面は、ただ本開示のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとって、創造的な労力を払わない前提で、それらの添付図面に基づき、他の添付図面を取得することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の実施例によるスクリーン指紋コンポーネントの構造概略図である。
【
図2】本開示の実施例による別のスクリーン指紋コンポーネントの構造概略図である。
【
図3】本開示の実施例による別のスクリーン指紋コンポーネントの平面図である。
【
図4】本開示の実施例による赤外光の光線伝搬方向の概略図である。
【
図5】本開示の実施例による別のスクリーン指紋コンポーネントの構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下は、本開示の実施例における添付図面を結び付けながら、本開示の実施例における技術案を明瞭且つ完全に記述する。明らかに、記述された実施例は、本開示の一部の実施例であり、全部の実施例ではない。本開示における実施例に基づき、当業者が創造的な労力を払わない前提で得られたすべての他の実施例は、いずれも本開示の保護範囲に属する。
【0011】
図1を参照すると、本開示の実施例は、スクリーン指紋コンポーネントを提供する。前記スクリーン指紋コンポーネントは、第一のガラスカバー1と、表示モジュール2と、補光ランプ3と、指紋モジュール5とを含み、前記第一のガラスカバー1、前記表示モジュール2及び前記指紋モジュール5は、積層して設けられ、前記表示モジュール2の第一の側は、前記第一のガラスカバー1の第一の表面に貼り合わせられ、前記補光ランプ3は、前記第一のガラスカバー1の一側に位置し、且つ前記第一のガラスカバー1の第一の表面及び前記表示モジュール2の第一の側に同時に隣接し、且つ前記補光ランプ3は、前記第一のガラスカバー1に向く。
【0012】
そのうち、スクリーン指紋コンポーネントは、バックライト層4をさらに含んでもよく、バックライト層4は、表示モジュール2と積層して設けられてもよく、表示モジュール2にバックライトを提供するために用いられ、バックライト層4は、順に積み重ねた輝度向上フィルムと、拡散フィルムと、導光板と、反射フィルムなどを含む。表示モジュール2は、順に積層して設けられる上偏光板と、カラーフィルタと、基板と、下偏光板などを含んでもよく、上記上偏光板は、第一のガラスカバー1の第一の表面に貼り合わせられてもよく、下偏光板は、バックライト層4における輝度向上フィルムに貼り合わせられてもよい。
【0013】
また、指紋モジュール5は、バックライト層4に貼り合わせられて設けられてもよく、指紋モジュール5は、順に設けられるレンズと、可視光フィルタと、指紋センサとを含んでもよく、指紋モジュール5は、フレキシブル回路基板上に設けられてもよい。
【0014】
本開示の実施例の作動原理は、以下の記述を参照することができる。第一のガラスカバー1上に指紋(
図1においてAで表される)がある場合、補光ランプ3が発した赤外光は、第一のガラスカバー1を透過して指紋に照射することができるが、上記赤外光が指紋に出会った後に第一のガラスカバー1に反射される赤外光は、順に表示モジュール2とバックライト層4を通過して指紋モジュール5のレンズに入射され、最後に指紋センサに到達することができ、指紋センサは、赤外光信号を電気信号に変換し、且つ電気信号に対してアナログデジタル変換器によりデータ変換を行った後、最終的に指紋画像を生成する。また、指紋における異なる位置での赤外光の反射の強度が一致しないため、それにより指紋画像における異なる位置に対応する階調が異なる。
【0015】
本開示の実施例では、補光ランプ3が第一のガラスカバー1の一側に位置し、且つ第一のガラスカバー1の第一の表面及び表示モジュール2の第一の側に隣接するため、このように、補光ランプ3が発した赤外光は、第一のガラスカバー1を透過すれば、補光を完了することができ、赤外光の減衰を減少させ、それにより赤外光の補光効果を向上させる。
【0016】
選択的に、
図2を参照すると、前記第一のガラスカバー1の第一の表面の第一の領域に第一の反射コーティング層101が設けられており、前記第一のガラスカバー1の第二の表面の第二の領域に第二の反射コーティング層102が設けられており、前記第一の表面と前記第二の表面は、対向して設けられる。
【0017】
そのうち、第一の領域と第二の領域は、対向する二つの領域であってもよく、無論、第一の領域と第二の領域は、ずらして設けられる二つの領域であってもよく、例えば、第一の領域の、第二の表面への垂直投影は、第二の領域と部分的に重なる。
【0018】
そのうち、第一の反射コーティング層101と第二の反射コーティング層102はいずれも、可視光が通過することに供することができ、即ち、可視光が第一のガラスカバー1に垂直であるように入射する場合、第一の反射コーティング層101と第二の反射コーティング層102は、可視光の光透過率に影響を及ぼせず、可視光の伝送光路にも影響を及ぼさないため、第一の反射コーティング層101と第二の反射コーティング層102は、表示モジュール2の表示効果に影響を及ぼさない。第一の反射コーティング層101と第二の反射コーティング層102は、赤外光に対して低光透過性を有するため、赤外光が第一のガラスカバー1内で伝搬される時、第一の反射コーティング層101と第二の反射コーティング層102との間での赤外光の全反射の効果を強化する。
【0019】
そのうち、第一の反射コーティング層101と第二の反射コーティング層102は、赤外カットフィルタと類似又は同一である材料を使用することによって製造されてもよく、且つ第一の反射コーティング層101と第二の反射コーティング層102の厚さは、ここでは限定されない。例えば、電子気化による二酸化チタン(TiO2)と二酸化ケイ素(SiO2)薄膜を用いてイオンコーティングを行い、且つ上記コーティングフィルムの分光透過の中心周波数ポイントを調整することによって、透過率が最も高い中心周波数ポイントを可視光帯域に位置させ、このように、最終的に得られたコーティングフィルムは、第一の反射コーティング層101と第二の反射コーティング層102とすることができる。このように、第一の反射コーティング層101と第二の反射コーティング層102は、可視光が全て通過することに供するが、赤外光の透過率を低くするという効果を達することができる。
【0020】
本開示の実施例では、第一のガラスカバー1上に第一の反射コーティング層101と第二の反射コーティング層102が設けられており、且つ赤外光の、第一の反射コーティング層101と第二の反射コーティング層102上での透過率が低いため、それにより、赤外光を第一の反射コーティング層101と第二の反射コーティング層102との間で反射させ、最終的に、第一の反射コーティング層101と第二の反射コーティング層102が設けられていない位置で第一のガラスカバー1から出射し、且つ指紋に入射し、それにより指紋に対する補光を完了する。このように、第一のガラスカバー1内に第一の反射コーティング層101と第二の反射コーティング層102が設けられているため、それにより、第一のガラスカバー1を直接的に透過する赤外光の数を減少させ(即ち、赤外光の損失を低減させる)、さらに、指紋に対する補光効果を向上させる。
【0021】
選択的に、前記第一のガラスカバー1の第一の表面の、前記補光ランプ3に対応する領域に、前記第一の反射コーティング層101が設けられておらず、前記第一のガラスカバー1の第二の表面の、前記補光ランプ3に対応する領域に、前記第二の反射コーティング層102が設けられている。
【0022】
そのうち、本実施形態では、選択的に、第一の反射コーティング層101と第二の反射コーティング層102は、赤外光に対する透過率が0に近く、可視光に対する透過率が100%に近い材質を選択する。
【0023】
本開示の実施例では、第一のガラスカバー1の第一の表面の、補光ランプ3に対応する領域に第一の反射コーティング層101が設けられておらず、このように、赤外光が補光ランプ3から第一のガラスカバー1に入射される場合、赤外光に対する第一の反射コーティング層101の透過量が比較的に少ないという現象の発生を減少させ、即ち、第一のガラスカバー1に入射される赤外光の数を増加させ、それにより指紋に対する補光効果を強化する。また、第一のガラスカバー1の第二の表面の、補光ランプ3に対応する領域に、第二の反射コーティング層102が設けられており、赤外光が第一のガラスカバー1の第二の表面上での、補光ランプ3に対応する領域で、直接的に第一のガラスカバー1から出射されるという現象の発生を減少させ、即ち、同様に、第一のガラスカバー1に入射される赤外光の数を増加させ、さらに、指紋に対する補光効果を向上させる。
【0024】
選択的に、前記第一の反射コーティング層101の前記第一のガラスカバー1の長さ方向に沿った寸法は、前記第二の反射コーティング層102の前記第一のガラスカバー1の長さ方向に沿った寸法以上である。
【0025】
そのうち、第一の反射コーティング層101と第二の反射コーティング層102の形状は、ここでは限定されず、例えば、第一の反射コーティング層101と第二の反射コーティング層102は、いずれも矩形又は楕円形などであってもよい。第一の反射コーティング層101と第二の反射コーティング層102がいずれも矩形であってもよい場合、第一の反射コーティング層101と第二の反射コーティング層102の第一のガラスカバー1の長さ方向に沿った寸法はそれぞれ、第一の反射コーティング層101に対応する矩形の長辺の長さ及び第二の反射コーティング層102に対応する矩形の長辺の長さであってもよい。第一の反射コーティング層101と第二の反射コーティング層102がいずれも楕円形であってもよい場合、第一の反射コーティング層101と第二の反射コーティング層102の第一のガラスカバー1の長さ方向に沿った寸法は、第一の反射コーティング層101と第二の反射コーティング層102の長軸の長さであってもよい。
【0026】
例えば、
図3を参照すると、第一の反射コーティング層101と第二の反射コーティング層102がずらして設けられ、且つ第一のガラスカバー1の、補光ランプ3に近接する一面上での補光ランプ3に対応する位置に、第一反射コーティング層101が設けられておらず、第一のガラスカバー1の、補光ランプ3から離れる一面上での補光ランプ3に対応する位置に、第二の反射コーティング層102が設けられている場合、
図3におけるBで表される領域の幅がCで表される幅と同じであれば、第一の反射コーティング層101の第一のガラスカバー1の長さ方向に沿った幅が第二の反射コーティング層102の第一のガラスカバー1の長さ方向に沿った幅に等しいことを表し、Bで表される領域の幅がCで表される幅よりも大きければ、第一の反射コーティング層101の第一のガラスカバー1の長さ方向に沿った幅が第二の反射コーティング層102の第一のガラスカバー1の長さ方向に沿った幅よりも大きいことを表す。
【0027】
本開示の実施例では、第一の反射コーティング層101の第一のガラスカバー1の長さ方向に沿った寸法は、第二の反射コーティング層102の第一のガラスカバー1の長さ方向に沿った寸法以上であり、それにより赤外光が最後に第一の反射コーティング層101から第一のガラスカバー1を透過して指紋へ出射され、且つ指紋に対する補光を完了することを確保することができる。
【0028】
選択的に、前記第一の反射コーティング層101の前記第一のガラスカバー1の幅方向に沿った寸法は、前記第二の反射コーティング層102の前記第一のガラスカバー1の幅方向に沿った寸法以上である。
【0029】
例えば、第一の反射コーティング層101の第一のガラスカバー1の幅方向に沿った寸法は、第一のガラスカバー1の幅に等しくてもよいが、第二の反射コーティング層102の第一のガラスカバー1の幅方向に沿った寸法は、第一のガラスカバー1の幅以下である。
【0030】
本開示の実施例では、第一の反射コーティング層101の第一のガラスカバー1の幅方向に沿った寸法は、第二の反射コーティング層102の第一のガラスカバー1の幅方向に沿った寸法以上であり、赤外光が第一の反射コーティング層101上に照射される場合、第一のガラスカバー1上での第一の反射コーティング層101が設けられていない位置から第一のガラスカバー1を透過する赤外光の数を減少させることができ、それにより第一のガラスカバー1内で伝搬される赤外光の数を相応的に増加させ、さらに、赤外光による指紋の補光効果を向上させる。
【0031】
選択的に、前記指紋モジュール5の、前記第一のガラスカバー1への垂直投影領域に、前記第一の反射コーティング層101と前記第二の反射コーティング層102が設けられていない。
【0032】
そのうち、指紋モジュール5の、第一のガラスカバー1への垂直投影領域に、第一の反射コーティング層101と第二の反射コーティング層102が設けられておらず、且つ表示モジュール2上での指紋モジュール5に対応する位置に画像が強調表示されてもよい。例えば、表示モジュール2の、指紋モジュール5に対応する位置に、指紋の紋様画像を表示することができ、このように、ユーザは、第一のガラスカバー1に対応する位置上に迅速かつ正確に押圧することができ、それにより指紋画像の生成レートを向上させる。
【0033】
本開示の実施例では、指紋モジュール5の、第一のガラスカバー1への垂直投影領域に、第一の反射コーティング層101と第二の反射コーティング層102が設けられておらず、このように、第一の反射コーティング層101と第二の反射コーティング層102による赤外光の遮蔽を減少させることができ、それにより赤外光の指紋モジュール5への入射を容易にする。
【0034】
選択的に、前記補光ランプ3は、前記第一のガラスカバー1の位置する平面に対して斜めに設けられる。
【0035】
そのうち、補光ランプ3が第一のガラスカバー1の位置する平面に対して斜めに設けられることは、以下の方式を有してもよい。
【0036】
選択的な方式として、補光ランプ3が灯心を含み、且つ補光ランプ3と灯心がいずれも柱体構造であると、補光ランプ3の軸方向は、第一のガラスカバー1の位置する平面に垂直であり、補光ランプ3の軸方向と灯心の軸方向とは、傾斜角度を有し、即ち、補光ランプ3の軸方向と灯心の軸方向とが平行ではない。別の選択的な方式として、補光ランプ3の軸方向と灯心の軸方向とが平行であるが、補光ランプ3の軸方向が第一のガラスカバー1の位置する平面に垂直ではなく、傾斜角度が存在する。
【0037】
そのうち、補光ランプ3は、複数の方向に沿って伝搬される赤外光を発することができるが、赤外光は主に、補光ランプ3に沿った軸方向に集中する。補光ランプ3を第一のガラスカバー1の位置する平面に対して斜めに設ける場合、大部分の赤外光を第一のガラスカバー1に斜めに入射させることができる。上記大部分の赤外光は、第一のガラスカバー1に斜めに入射され、それにより上記赤外光は、第一のガラスカバー1において反射又は屈折が発生し、最終的に、第一のガラスカバー1上での、指紋に対応する位置から出射され、指紋に対して補光を形成し、指紋に対する補光効果を向上させることができる。
【0038】
そのうち、選択的に、前記補光ランプ3の、前記第一のガラスカバー1の位置する平面に対する傾斜角度は、第一の予め設定された角度であり、前記補光ランプ3が発した光が第一のガラスカバー1に入射する入射角度は、第二の予め設定された角度以上であり、そのうち、前記第二の予め設定された角度は、全反射角である。
【0039】
補光ランプ3が発した光が赤外光であり、且つ赤外光の入射角度が第二の予め設定された角度よりも大きい場合、赤外光は、第一のガラスカバー1の上表面と下表面との間で全反射が発生することができる。上記第二の予め設定された角度の計算式は、C=arcsin(n2/n1)であってもよく、Cは、第二の予め設定された角度を表し、n1は、光学的に密である媒体の屈折率を表し、n2は、光学的に疎である媒体の屈折率を表す。入射角度が第二の予め設定された角度よりも小さい赤外光のうちの一部の赤外光は、第一のガラスカバー1の上表面を透過して外部環境に入射することができ、別の一部は、第一のガラスカバー1の上表面と下表面との間で反射が発生することができる。
【0040】
第一のガラスカバー1の上表面に第二の反射コーティング層102が設けられており、第一のガラスカバー1の下表面に第一の反射コーティング層101が設けられている場合、第一の反射コーティング層101及び/又は第二の反射コーティング層102は、光学的に疎である媒体であり、第一のガラスカバー1は、光学的に密である媒体であり、又は、第一の反射コーティング層101及び/又は第二の反射コーティング層102は、光学的に密である媒体であり、反射コーティング層の外の空気は、光学的に疎である媒体である。説明すべきことは、第一のガラスカバー1の上表面は、即ち、第一のガラスカバー1の第二の表面であり、第一のガラスカバー1の下表面は、即ち、第一のガラスカバー1の第一の表面である。
【0041】
そのうち、第一の予め設定された角度の決定方式は、ここでは限定されず、例えば、補光ランプ3が発した赤外光のうちの、一定の割合を超える赤外光の入射角度がいずれも第二の予め設定された角度以上である場合、補光ランプ3の傾斜角度を第一の予め設定された角度として決定することができ、上記一定の割合の具体的な値は、ここでは限定されず、例えば、50%、55%又は60%などであってもよい。
【0042】
図4を参照すると、D角度が第二の予め設定された角度よりも大きく、E角度が第二の予め設定された角度よりも小さいため、入射角度がD角度である赤外光は、第一のガラスカバー1の上表面と下表面との間で全反射が発生することができ、入射角度がE角度である赤外光は、第一のガラスカバー1の上表面を透過して外部の環境に入射することができる。また、
図4におけるn
1は、光学的に密である媒体の屈折率を表し、n
2は、光学的に疎である媒体の屈折率を表す。
【0043】
本開示の実施例では、補光ランプ3が第一のガラスカバー1の位置する平面に対して斜めに設けられるため、それにより大部分の赤外光が第一のガラスカバー1に斜めに入射することができ、それにより反射される赤外光の数を向上させ、補光効果を強化することができる。また、赤外光の入射角度を第二の予め設定された角度以上に調整することができるため、それにより第一の反射コーティング層101と第二の反射コーティング層102との間で赤外光の全反射を発生させ、それにより赤外光の損失量を減少させ、さらに、指紋に対する補光効果を向上させる。
【0044】
選択的に、前記スクリーン指紋コンポーネントは、第二のガラスカバー6をさらに含み、前記第二のガラスカバー6と前記第一のガラスカバー1は、積層して設けられる。
【0045】
そのうち、第一のガラスカバー1と第二のガラスカバー6の形状、寸法及び材質は、いずれも同じであってもよい。
【0046】
本開示の実施例では、スクリーン指紋コンポーネントは、第一のガラスカバー1と、第二のガラスカバー6とを含み、かつ第二のガラスカバー6は、第一のガラスカバー1の上に積層されるが、第一の反射コーティング層101と第二の反射コーティング層102は、第一のガラスカバー1の上に設けられ、このように、使用プロセスにおいて第一の反射コーティング層101と第二の反射コーティング層102の摩耗量を減少させることができ、それにより第一の反射コーティング層101と第二の反射コーティング層102の耐用年数を延長する。また、本実施例では、第一の反射コーティング層101と第二の反射コーティング層102が直接的に外部の環境及びユーザと接触する必要がないため、それにより第一の反射コーティング層101と第二の反射コーティング層102のプロセス要件を低減させ、加工コストを低減させる。
【0047】
選択的に、前記表示モジュール2は、対向する第二の側と第三の側をさらに含み、前記第二の側と前記第三の側は、それぞれ前記第一の側に隣接し、前記スクリーン指紋コンポーネントは、二つの前記補光ランプ3を含み、二つの前記補光ランプ3は、それぞれ前記第二の側と前記第三の側に隣接する。
【0048】
本開示の実施例では、二つの補光ランプ3が設けられており、且つ上記二つの補光ランプ3がそれぞれ表示モジュール2の第二の側と表示モジュール2の第三の側に隣接するため、それにより補光をより均一にする。
【0049】
選択的に、
図5を参照すると、前記スクリーン指紋コンポーネントは、赤外感光デバイスをさらに含み、前記補光ランプ3は、前記赤外感光デバイスにおける赤外ランプである。
【0050】
そのうち、異なる適用シナリオでは、補光ランプ3の発光強度及びレベルを制御することができ、例えば、補光ランプ3が指紋識別に用いられる時、補光ランプ3を、高いレベルにあり、且つ発光強度が比較的に高いように制御することができ、補光ランプ3が接近検出に用いられる時、補光ランプ3を、低いレベルにあり、且つ発光強度が比較的に高いように制御することができる。このように、補光ランプ3の発光強度に対する制御をより柔軟にする。
【0051】
本開示の実施例では、補光ランプ3が赤外感光デバイス7における補光ランプ3であるため、それにより補光ランプ及び対応する駆動回路を単独に設置する必要がなく、それにより使用コストを低減させる。
【0052】
説明すべきことは、
図1~
図5における矢印は、いずれも赤外光の伝搬方向を表すことができる。
【0053】
本開示の実施例は、端末機器をさらに提供する。前記端末機器は、上記のスクリーン指紋コンポーネントを含む。スクリーン指紋コンポーネントの具体的な構造は、上記発明の実施例における記述を参照することができ、ここでは説明を省略する。本開示の実施例では、上記発明の実施例におけるスクリーン指紋コンポーネントを採用するため、上記発明の実施例と同じである有益な技術的効果を有する。
【0054】
以上は、添付図面を結び付けながら、本開示の実施例を記述していたが、本開示は、上述した具体的な実施の形態に限らず、上述した具体的な実施の形態は、例示的なものに過ぎず、制限性のあるものではない。当業者は、本開示による示唆を基にして、本開示の趣旨や請求項が保護する範囲から逸脱しない限り、多くの形式の変更を行うことができ、それらは、いずれも本開示の保護範囲に入っている。