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特許7320114情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-25
(45)【発行日】2023-08-02
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0241 20230101AFI20230726BHJP
【FI】
G06Q30/0241
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022121473
(22)【出願日】2022-07-29
【審査請求日】2022-08-10
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】504301432
【氏名又は名称】株式会社カカクコム
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】笠原 明日香
(72)【発明者】
【氏名】海老原 陽介
(72)【発明者】
【氏名】谷口 慶介
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 美和
【審査官】石田 紀之
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-177660(JP,A)
【文献】特開2008-059479(JP,A)
【文献】特開2008-217163(JP,A)
【文献】特開2009-265833(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0208579(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0265006(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる階層構造を有する複数の広告媒体に設けられた期間保証型の複数の広告枠を管理する情報処理装置であって、
前記複数の広告媒体の各々に関する広告媒体情報と、前記複数の広告媒体の各々に設けられる各階層のカテゴリに関するカテゴリ情報と、広告枠のタイプに関する広告枠タイプ情報を含む広告枠情報と、を関連付けて記憶する記憶部と、
ユーザにより指定された広告媒体を示す広告媒体情報及び前記ユーザによって指定されたカテゴリを示すカテゴリ情報を取得する取得部と、
前記指定された広告媒体情報及びカテゴリ情報に関連付けて前記記憶部において記憶される前記タイプの広告枠を示す広告枠情報を、前記ユーザに対して出力する出力部と、
前記出力された広告枠情報に基づいて前記ユーザにより指定された広告枠及び期間について、仮押さえの要求を受け付ける受付部と、
前記広告枠情報は、所定の仮押さえ有効期間のあいだ他のユーザによる仮押さえや枠購入の対象とはならない仮押さえ状態、又は、前記有効期間内に前記ユーザに対する前記広告枠の販売が決定された決定状態、又は、空き状態のいずれかである前記広告枠の状態を示す状態情報を含み、前記仮押さえの要求に基づいて、前記ユーザにより指定された広告枠及び期間についての前記広告枠の状態を、前記空き状態から前記仮押さえ状態に更新する制御部と
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記記憶部は、前記広告媒体情報と、前記カテゴリ情報と、前記広告枠情報とに加えて、前記広告枠を表示するデバイスに関するデバイス情報を更に関連付けて記憶し、
前記取得部は、前記ユーザによって指定されたデバイス情報を更に取得し、
前記出力部は、前記指定された広告媒体情報、前記カテゴリ情報及び前記デバイス情報に関連付けて記憶された前記広告枠情報を、前記ユーザに対して出力する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記記憶部は、前記広告媒体情報と、前記カテゴリ情報と、前記広告枠情報とに加えて、前記広告枠の販売単位に関する販売単位情報を更に関連付けて記憶し、
前記取得部は、前記ユーザによって指定された販売単位情報を更に取得し、
前記出力部は、前記指定された広告媒体情報、前記カテゴリ情報及び前記販売単位情報に関連付けて記憶された前記広告枠情報を、前記ユーザに対して出力する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記出力部は、前記記憶部に記憶される各情報の対応関係に応じて広告媒体情報とカテゴリ情報とを少なくとも選択可能に構成される画面情報を、前記ユーザに対して出力し、
前記取得部は、前記画面情報を介してユーザにより指定された広告媒体情報及びカテゴリ情報を取得する、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
異なる階層構造を有する複数の広告媒体に設けられた期間保証型の複数の広告枠を管理する情報処理方法であって、
前記複数の広告媒体の各々に関する広告媒体情報と、前記複数の広告媒体の各々に設けられる各階層のカテゴリに関するカテゴリ情報と、広告枠のタイプに関する広告枠タイプ情報を含む広告枠情報と、を関連付けて記憶する工程と、
ユーザにより指定された広告媒体を示す広告媒体情報及び前記ユーザによって指定されたカテゴリを示すカテゴリ情報を取得する工程と、
前記指定された広告媒体情報及びカテゴリ情報に関連付けて記憶される前記タイプの広告枠を示す広告枠情報を、前記ユーザに対して出力する工程と、
前記出力された広告枠情報に基づいて前記ユーザにより指定された広告枠及び期間について、仮押さえの要求を受け付ける工程と、
前記広告枠情報は、所定の仮押さえ有効期間のあいだ他のユーザによる仮押さえや枠購入の対象とはならない仮押さえ状態、又は、前記有効期間内に前記ユーザに対する前記広告枠の販売が決定された決定状態、又は、空き状態のいずれかである前記広告枠の状態を示す状態情報を含み、前記仮押さえの要求に基づいて、前記ユーザにより指定された広告枠及び期間についての前記広告枠の状態を、前記空き状態から前記仮押さえ状態に更新する工程と、
を有する情報処理方法。
【請求項6】
異なる階層構造を有する複数の広告媒体に設けられた期間保証型の複数の広告枠を管理する情報処理装置に、
前記複数の広告媒体の各々に関する広告媒体情報と、前記複数の広告媒体の各々に設けられる各階層のカテゴリに関するカテゴリ情報と、広告枠のタイプに関する広告枠タイプ情報を含む広告枠情報と、を関連付けて記憶する工程と、
ユーザにより指定された広告媒体を示す広告媒体情報及び前記ユーザによって指定されたカテゴリを示すカテゴリ情報を取得する工程と、
前記指定された広告媒体情報及びカテゴリ情報に関連付けて記憶される前記タイプの広告枠を示す広告枠情報を、前記ユーザに対して出力する工程と、
前記出力された広告枠情報に基づいて前記ユーザにより指定された広告枠及び期間について、仮押さえの要求を受け付ける工程と、
前記広告枠情報は、所定の仮押さえ有効期間のあいだ他のユーザによる仮押さえや枠購入の対象とはならない仮押さえ状態、又は、前記有効期間内に前記ユーザに対する前記広告枠の販売が決定された決定状態、又は、空き状態のいずれかである前記広告枠の状態を示す状態情報を含み、前記仮押さえの要求に基づいて、前記ユーザにより指定された広告枠及び期間についての前記広告枠の状態を、前記空き状態から前記仮押さえ状態に更新する工程と、
を実行させるための情報処理プログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、Web広告の形態としては、インプレッション保証型、期間保証型等が利用されている。インプレッション保証型は、インプレッション(impression)数と呼ばれる予め定められた表示回数に達するまで、掲載が保証される広告である。期間保証型は、予め指定された期間において特定の広告枠で、掲載が保証される広告である。広告枠とは、Webページやアプリケーション上の特定の領域又は特定の場所に設置された、広告が掲載可能な領域(例えば、特定の場所のサイネージ等)であってもよい。
【0003】
例えば、特許文献1には、期間保証型のサイネージ広告において、広告を掲載する期間、広告枠等の広告出稿条件を広告主が指定可能な放映計画情報生成装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2011-109564号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
期間保証型の場合、複数のユーザ(例えば、広告主又は広告主を代理する広告代理店等)が少なくとも一部が重複する期間において同一の広告枠での広告の掲載を希望することも想定される。このため、ユーザは、広告掲載を管理する会社や媒体社など(以下、「広告管理会社」という)に対して、希望する期間における希望の広告枠の仮押さえを迅速に要求する必要がある。
【0006】
ここで、仮押さえとは、特定の期間における特定の広告枠を暫定的に確保することをいう。仮押さえ状態にある広告枠は、所定の仮押さえ有効期間(例えば1週間)のあいだ、他のユーザによる仮押さえや枠購入の対象とはならず、当該有効期間内に広告枠の購入契約が成立すれば、その広告枠は仮押さえ状態から購入決定状態となる。一方、購入契約が成立せずに当該有効期間が経過した場合は、仮押さえは失効し、その広告枠は仮押さえ状態から空き状態(仮押さえや枠購入の対象となる状態)に戻される。
【0007】
ところで、広告管理会社では、複数の広告媒体(例えば、異なる複数の種類のWebサイト)を対象とし、各広告媒体における複数の広告枠を期間保証型でユーザに提供することが想定されるところ、各広告媒体に設けられる広告枠は、広告媒体ごとに様々な形態を取り得ることから、そのような様々な形態の広告枠に対して効率よく仮押さえを管理できる枠組みが求められている。
【0008】
本開示は、このような状況に鑑みてなされたものであって、広告管理会社が、複数の広告媒体を対象とし、各広告媒体における複数の広告枠を期間保証型で提供する場合にも、ユーザによる仮押さえを効率的に管理可能な情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラムを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一態様に係る情報処理装置は、複数の広告媒体の各々に設けられた期間保証型の複数の広告枠を管理する情報処理装置であって、前記複数の広告媒体の各々に関する広告媒体情報と、前記複数の広告媒体の各々に基づいて決定されたカテゴリに関するカテゴリ情報と、前記カテゴリ情報に基づいて決定された広告枠に関する広告枠情報と、を関連付けて記憶する記憶部と、ユーザにより指定された広告媒体情報及びカテゴリ情報を取得する取得部と、前記指定された広告媒体情報及びカテゴリ情報に関連付けて前記記憶部において記憶される広告枠情報を、前記ユーザに対して出力する出力部と、前記出力された広告枠情報に基づいて前記ユーザにより指定された広告枠及び期間について、仮押さえの要求を受け付ける受付部と、を備える。
【0010】
本開示の他の態様に係る情報処理方法は、複数の広告媒体の各々に設けられた期間保証型の複数の広告枠を管理する情報処理方法であって、前記複数の広告媒体の各々に関する広告媒体情報と、前記複数の広告媒体の各々に基づいて決定されたカテゴリに関するカテゴリ情報と、前記カテゴリ情報に基づいて決定された広告枠に関する広告枠情報と、を関連付けて記憶する工程と、ユーザにより指定された広告媒体情報及びカテゴリ情報を取得する工程と、前記指定された広告媒体情報及びカテゴリ情報に関連付けて前記記憶部において記憶される広告枠情報を、前記ユーザに対して出力する工程と、前記出力された広告枠情報に基づいて前記ユーザにより指定された広告枠及び期間について、仮押さえの要求を受け付ける工程と、を有する。
【0011】
本開示の他の態様に係る情報処理プログラムは、複数の広告媒体の各々に設けられた期間保証型の複数の広告枠を管理する情報処理装置に、前記複数の広告媒体の各々に関する広告媒体情報と、前記複数の広告媒体の各々に基づいて決定されたカテゴリに関するカテゴリ情報と、前記カテゴリ情報に基づいて決定された広告枠に関する広告枠情報と、を関連付けて記憶する工程と、ユーザにより指定された広告媒体情報及びカテゴリ情報を取得する工程と、前記指定された広告媒体情報及びカテゴリ情報に関連付けて前記記憶部において記憶される広告枠情報を、前記ユーザに対して出力する工程と、前記出力された広告枠情報に基づいて前記ユーザにより指定された広告枠及び期間について、仮押さえの要求を受け付ける工程と、を実行させる。
【発明の効果】
【0012】
本開示の一態様によれば、広告管理会社が、複数の広告媒体の各々における複数の広告枠を期間保証型で提供する場合にも、ユーザによる仮押さえを効率的に管理できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施形態に係る商品比較サイトの階層構造の一例を示す図である。
図2】本実施形態に係るレストラン口コミサイトの階層構造の一例を示す図である。
図3】本実施形態に係る情報処理システム1の概要の一例を示す図である。
図4】本実施形態に係る情報処理システム1を構成する各装置の物理構成の一例を示す図である。
図5】本実施形態に係る情報処理システム1の機能構成の一例を示す図である。
図6】本実施形態に係る広告枠管理テーブル101aの一例を示す図である。
図7】本実施形態に係る状態管理テーブル101bの一例を示す図である。
図8】本実施形態に係る端末20の表示画面の一例を示す図である。
図9】本実施形態に係る情報処理装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(概要)
広告管理会社は、掲載コンテンツや媒体の構造(例えば、階層構造やタグ付け構造など)が異なる複数の広告媒体を対象とし、各広告媒体に設けられた複数の広告枠を期間保証型でユーザに提供することが想定される。このような広告媒体としては、例えば、階層構造を有するWebサイト、アプリケーション等がある。以下では、階層構造を有する複数の広告媒体として、商品比較サイトとレストラン口コミサイトとを例示するが、これらに限られず、広告媒体の種類、掲載コンテンツ、媒体の構造はどのようなものであってもよい。
【0015】
図1は、商品比較サイトの階層構造の一例を示す図である。ここで、商品比較サイトとは、ユーザによる商品の比較に用いられるWebサイトである。商品比較サイトには、同一のカテゴリに分類される複数の商品(例えば、複数の冷蔵庫)の価格等が比較できるように掲載される。
【0016】
図1に示すように、商品比較サイトは、商品種類という分類基準に基づいて階層的に設けられるカテゴリにそれぞれ対応する複数のページXを含んで構成される。例えば、図1に示す例では、商品種類に関するカテゴリとして、大カテゴリ及び小カテゴリの2階層が設けられている。大カテゴリには、トップと、最上位の商品に関するカテゴリ(以下、「商品カテゴリ」という)(例えば、パソコン、家電、腕時計・アクセサリー等)と、が含まれる。小カテゴリには、最上位の商品カテゴリ配下の商品カテゴリ(例えば、パソコン配下のノートPC及びタブレットPC等)が含まれる。商品比較サイトは、大カテゴリに対応するページPi(ここでは、i=2、3、4…)と、大カテゴリ配下の小カテゴリに対応するページPij(ここでは、i=2、3、4、…、j=1、2、…)と、を含んで構成される。なお、図1に示す例では、2階層のカテゴリが示されているが、これに限られず、カテゴリは1階層以上とすることができる。例えば、トップと最上位の商品カテゴリとを別階層にして、3階層となるように構成してもよい。
【0017】
商品比較サイトを構成する各ページXには、基本的に一以上の広告枠が設けられる。各ページXに設けられる一以上の広告枠の形態は、各ページXに対応するカテゴリに基づいて決定されてもよい。具体的には、各ページXに設けられる広告枠のタイプ及び数の少なくとも一つは、各ページXに対応するカテゴリに基づいて決定されてもよい。ここで、広告枠のタイプとは、例えば、タイアップ、バナー、レクタングル、インフィード、ジャック等である。なお、広告枠のタイプは、これらに限られず、各タイプに、画像の種類(動画又は静止画)、画質、サイズ等が異なる複数の段階が設けられてもよい。例えば、バナーは、動画バナー、静止画バナー等を含んでもよいし、レクタングルは複数のサイズ(例えば、大サイズと小サイズ等)を含んでもよい。また商品比較サイトには、広告枠が設けられていないページが存在していてもよい。
【0018】
例えば、ページX1には、ページX1に対応するカテゴリ「トップ」に基づいて決定されたタイプ「タイアップ」の広告枠が設けられる。同様に、ページX2、X3及びX4にはそれぞれ、対応するカテゴリ「パソコン」、「家電」及び「腕時計・アクセサリー」に基づいて決定されたタイプ「バナー」及び「レクタングル」の2つの広告枠が設けられる。また、ページX21及びX22にはそれぞれ、対応するカテゴリ「ノートPC」、「タブレットPC」に基づいて決定されたタイプ「バナー」、「レクタングル」及び「インフィード」の3つの広告枠が設けられる。このように、ページXには、ページXに対応するカテゴリに基づいて決定された広告枠が設けられる。
【0019】
図2は、レストラン口コミサイトの階層構造の一例を示す図である。ここで、レストラン口コミサイトとは、ユーザによるグルメ及び/又はレストラン(以下、グルメ/レストランという)の口コミに基づいて決定されたグルメ/レストランの評価値等を示すWebサイトである。レストラン口コミサイトには、同一のカテゴリに分類される複数のグルメ/レストランの評価値や口コミが掲載される。
【0020】
図2に示すように、レストラン口コミサイトは、エリア及び料理ジャンルという分類基準に基づいて階層的に設けられるカテゴリにそれぞれ対応する複数のページYを含んで構成される。図2に示す階層構造は、単一の分類基準に基づくカテゴリが階層的に設けられるのではなく、複数の分類基準にそれぞれ対応するカテゴリが階層的に設けられる点で、図1に示す階層構造とは異なる。図2は、図1との相違点を中心に説明し、同一の点の説明は繰り返さない。
【0021】
例えば、図2に示す例では、エリアに関するカテゴリ(以下、「エリアカテゴリ」)及び料理ジャンルに関するカテゴリ(以下、「料理ジャンルカテゴリ」)について、大カテゴリ及び小カテゴリの2階層が設けられている。なお、大カテゴリには、全カテゴリに対応するトップが含まれてもよい。
【0022】
例えば、エリアカテゴリには、大カテゴリとしての都道府県レベルのエリアと、小カテゴリとしての都道府県レベルよりも小さいエリアとが含まれる。料理ジャンルカテゴリには、大カテゴリとして和食、アジア・エスニック等の料理ジャンルと、小カテゴリとして和食配下のとんかつ、寿司など大カテゴリよりも細分化された料理ジャンルとが含まれる。レストラン口コミサイトは、大カテゴリに対応するページYとして、トップに対応するページY0と、エリアカテゴリに対応するページY1iと、料理ジャンルカテゴリに対応するY2iとを含んで構成される(ここで、i=1、2、…)。また、レストラン口コミサイトは、小カテゴリに対応するページYとして、エリアカテゴリに対応するページY1ijと、料理ジャンルカテゴリに対応するY2ijと、を含んで構成される(ここで、j=1、2、…)。
【0023】
小カテゴリに対応するページY(例えば、ページY1ij及び/又はページY2ij)には、基本的に一以上の広告枠が設けられる。大カテゴリに対応するページY(例えば、ページY0、ページY1i及びページY2iの少なくとも一つ)には、一以上の広告枠が設けられてもよいし、広告枠が設けられなくともよい。広告枠の形態は、各ページYに対応するカテゴリに基づいて決定されてもよい。例えば、ページY0には、ページY0に対応するカテゴリ「トップ」に基づいて決定されたタイプ「バナー」の広告枠が設けられる。同様に、ページY1ij及びY2ijには、それぞれ、対応するエリアカテゴリ及び料理ジャンルに基づいて決定されたタイプ「ジャック」及び「バナー」の広告枠がそれぞれ設けられる。
【0024】
以上のように、複数の広告媒体間では、掲載コンテンツに応じて異なる分類基準に基づいて階層化されたカテゴリが存在し、このようなカテゴリに対応するページに、当該カテゴリの情報に基づいて決定された一以上の期間保証型の広告枠が設けられることが想定される。しかしながら、掲載コンテンツや媒体の構造(例えば、階層構造である場合、1階層なのか2階層なのか)によって適切な広告枠の形態は異なり得ることから、複数の広告媒体を対象としてユーザからの仮押さえを管理しようとした場合、効率的に管理できない恐れがある。
【0025】
そこで、本実施形態に係る情報処理装置は、複数の広告媒体の各々に関する情報(以下、「広告媒体情報」という)と、当該複数の広告媒体の各々に基づいて決定されたカテゴリに関する情報(以下、「カテゴリ情報」という)と、当該カテゴリ情報に基づいて決定された広告枠に関する情報(以下、「広告枠情報」という)と、を関連付けて記憶する。また、情報処理装置は、ユーザにより指定された広告媒体情報及びカテゴリ情報に関連付けられた広告枠情報を当該ユーザに対して出力し、当該出力された広告枠情報に基づいてユーザにより指定された広告枠及び期間について仮押さえの要求を受け付ける。当該情報処理装置を用いることにより、複数の広告媒体において、それぞれ異なる分類基準で階層化されたカテゴリが存在し、そのようなカテゴリに対応するページに当該カテゴリに応じた様々な広告枠が設けられる場合であっても、ユーザからの仮押さえを効率的に管理することができる。なお、広告枠は、カテゴリ情報に加えて、広告媒体の種類(例えば、Webサイトやアプリケーション)、掲載コンテンツの種類(例えば、商品比較情報や口コミ情報)に基づいて決定されてもよい。
【0026】
(情報処理システムの構成)
<概略構成>
図3は、本実施形態に係る情報処理システムの概要の一例を示す図である。図3に示すように、情報処理システム1は、情報処理装置10と、情報処理装置10にネットワーク30を介して接続される端末20と、を備える。
【0027】
情報処理装置10は、主に広告管理会社で使用される装置であり、複数の広告媒体の各々に設けられる期間保証型の複数の広告枠を管理する。情報処理装置10は、例えば、一つ又は複数のサーバで構成されてもよい。端末20は、ユーザによって使用される端末である。ユーザは、例えば、広告主又は広告主を代理する広告代理店等であってもよい。ネットワーク30は、例えば、インターネット及び/又はインターネット等である。
【0028】
<物理構成>
図4は、本実施形態に係る情報処理システム1を構成する各装置の物理構成の一例を示す図である。各装置(例えば、情報処理装置10及び端末20)は、演算部に相当するプロセッサ10aと、記憶部に相当するRAM(Random Access Memory)10bと、記憶部に相当するROM(Read Only Memory)10cと、通信部10dと、入力部10eと、表示部10fと、を有する。これらの各構成は、バスを介して相互にデータ送受信可能に接続される。なお、図4で示す構成は一例であり、各装置はこれら以外の構成を有してもよいし、これらの構成のうち一部を有さなくてもよい。また、情報処理装置10は、単体の装置で構成されてもよいし、複数の装置を含んで構成されてもよい。
【0029】
プロセッサ10aは、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。プロセッサ10aは、RAM10b又はROM10cに記憶されているプログラムを実行することにより、各装置における各種処理を制御する制御部である。プロセッサ10aは、各装置が備える他の構成と、プログラムとの協働により、各装置の機能を実現し、処理の実行を制御する。プロセッサ10aは、入力部10eや通信部10dから種々のデータを受け取り、データの演算結果を表示部10fに表示したり、RAM10bに格納したりする。
【0030】
RAM10b及びROM10cは、各種処理に必要なデータ及び処理結果のデータを記憶する記憶部である。各装置は、RAM10b及びROM10c以外に、ハードディスクドライブ等の大容量の記憶部を備えてもよい。RAM10b及びROM10cは、例えば、半導体記憶素子で構成されてもよい。
【0031】
通信部10dは、各装置を他の機器に接続するインターフェースである。通信部10dは、他の機器と通信する。入力部10eは、ユーザからデータの入力を受け付けるためのデバイスや、各装置の外部からデータを入力するためのデバイスである。入力部10eは、例えば、キーボード、マウス及びタッチパネル等を含んでよい。表示部10fは、プロセッサ10aによる制御に従って、情報を表示するデバイスである。表示部10fは、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)により構成されてよい。
【0032】
各装置の機能を実現させるためのプログラムは、RAM10bやROM10c等のコンピュータによって読み取り可能な記憶媒体に記憶されて提供されてもよいし、通信部10dにより接続されるネットワークを介して提供されてもよい。各装置では、プロセッサ10aが当該プログラムを実行することにより、各装置を制御するための様々な機能が実現される。なお、これらの物理的な構成は例示であって、必ずしも独立した構成でなくてもよい。例えば、各装置は、プロセッサ10aとRAM10bやROM10cが一体化したLSI(Large-Scale Integration)を備えていてもよい。
【0033】
<機能構成>
図5は、本実施形態に係る情報処理システム1の機能構成の一例を示す図である。
≪情報処理装置≫
図5に示すように、情報処理装置10は、記憶部101、取得部102、出力部103、受付部104及び制御部105を備える。
【0034】
記憶部101は、複数の広告媒体の各々に関する広告媒体情報と、当該複数の広告媒体の各々に基づいて決定されたカテゴリに関するカテゴリ情報と、カテゴリ情報に基づいて決定された広告枠に関する広告枠情報と、を直接的に又は間接的に関連付けて記憶する。また、記憶部101は、広告媒体情報とカテゴリ情報と広告枠情報とに加えて、広告枠を表示するデバイスに関するデバイス情報及び/又は広告枠の販売単位に関する販売単位情報を関連付けて記憶してもよい。
【0035】
ここで、広告枠情報は、広告枠の識別情報(以下、「広告枠識別情報」という)、カテゴリ情報に基づいて決定された広告枠のタイプに関する情報(以下、「広告枠タイプ情報」という)、広告枠の状態を示す情報(以下、「状態情報」という)を含んでもよい。広告枠識別情報は、例えば、広告枠ID及び/又は広告枠名称等を含んでもよい。また、広告枠タイプ情報は、例えば、Webページにどのような状態で広告が表示されるかを確認するための情報(例えば確認用ページへのリンク情報)を含んでもよい。
【0036】
また、広告枠の状態は、例えば、ユーザによる広告枠の仮押さえの要求(以下、「仮押さえ要求」という)が承認された状態(以下、「仮押さえ状態」という)、ユーザに対する広告枠の販売が決定された状態(以下、「決定状態」という)、又は、空き状態のいずれかを取ることができる。空き状態は、ユーザによる仮押さえ要求を受け付け可能な状態であり、当該仮押さえ要求が承認されると、広告枠の状態は空き状態から仮押さえ状態に遷移する。また、仮押さえ状態に遷移した後、予め定めた仮押さえ有効期間のあいだに、仮押さえ状態の広告枠について当該ユーザに対する広告枠の販売が決定されると、広告枠の状態は仮押さえ状態から決定状態に遷移する。一方、仮押さえ状態に遷移した後、当該ユーザに対して販売が決定されることなく仮押さえ有効期間が経過した場合、広告枠の状態は仮押さえ状態から空き状態に遷移する。なお、仮押さえ有効期間は、例えば1週間とすることが考えられるが、広告枠ごとに異なる有効期間としてもよい。例えば、広告枠の人気度に応じて有効期間を設定してもよく、この場合、人気のある広告枠は、仮押さえの期間を厳密に管理する枠として、仮押さえ有効期間を第1の期間とし、それほど人気でない広告枠は、仮押さえ有効期間を、第1の期間より長い第2の期間とすることが考えられる。また、仮押さえ有効期間が経過した場合でも所定の条件を満たす場合(例えば、広告管理会社における仮押さえの承認プロセスに時間を要すると判断した場合)は、仮押さえが失効しない(空き状態に遷移しない)ように構成してもよいし、仮押さえ有効期間が経過する前であっても所定の条件を満たす場合(例えば、四半期毎の媒体資料(ユーザデータ、広告メニュー、出稿料金、広告規定など)の更新タイミングを経過した場合)は、仮押さえが失効する(空き状態に遷移する)ように構成してもよい。
【0037】
具体的には、記憶部101は、広告枠管理テーブル101aを記憶してもよい。図6は、本実施形態に係る広告枠管理テーブル101aの一例を示す図である。図6に示すように、広告枠管理テーブル101aは、広告媒体情報と、カテゴリ情報と、第1の広告枠情報と、を関連付けて記憶してもよい。第1の広告枠情報は、広告枠識別情報と、広告枠タイプ情報と、を含むことができる。広告枠管理テーブル101aは、広告媒体情報、カテゴリ情報、第1の広告枠情報に加えて、販売単位情報及び/又はデバイス情報をさらに関連付けて記憶してもよい。
【0038】
広告枠管理テーブル101aにおいて広告媒体情報「商品比較サイト」に関連付けられる情報は、図1に示す商品比較サイトの階層構造に対応しており、商品種類に関する情報を含む。商品種類に関する情報は、例えば、大カテゴリ「腕時計・アクセサリー」及び小カテゴリ「腕時計」と、広告枠IDと、広告枠タイプ情報「バナー」、「レクタングル」又は「インフィード」と、販売単位情報「月」と、デバイス情報「PC」又は「スマートフォン」と、を含む。この例では、広告媒体「商品比較サイト」のカテゴリ情報は、商品種類という分類基準に基づく大カテゴリ、小カテゴリという2階層構造に対応しており、かかるカテゴリ情報に基づいて、広告枠の情報として「バナー」、「レクタングル」及び「インフィード」という3つの広告枠タイプ情報が決定されている。
【0039】
一方、広告枠管理テーブル101aにおいて広告媒体情報「レストラン口コミサイト」に関連付けられる情報は、図2に示すレストラン口コミの階層構造に対応しており、エリアに関する情報と、料理ジャンルに関する情報とを含む。エリアに関する情報は、例えば、大カテゴリ「鹿児島」及び小カテゴリ「大隅半島」、「鹿児島・南薩摩」と、広告枠IDと、広告枠タイプ情報「ジャック」と、販売単位情報「月」と、デバイス情報「PC」と、を含む。この例では、広告媒体「レストラン口コミサイト」のカテゴリ情報は、エリアという分類基準に基づく大カテゴリ、小カテゴリという2階層構造に対応しており、かかるカテゴリ情報に基づいて、広告枠の情報として「ジャック」という広告枠タイプ情報が決定されている。
【0040】
また、料理ジャンルに関する情報は、例えば、大カテゴリ「アジア・エスニック」と、広告枠IDと、広告枠タイプ情報「バナー」と、販売単位情報「月」と、デバイス情報「スマートフォン」と、を含む。この例では、広告媒体「レストラン口コミサイト」のカテゴリ情報は、料理ジャンルという分類基準に基づく大カテゴリという1階層構造に対応しており、かかるカテゴリ情報に基づいて、広告枠の情報として「バナー」という広告枠タイプ情報が決定されている。
【0041】
このように、記憶部101は、広告媒体の階層構造に従ったカテゴリ情報に基づいて決定された広告枠の情報を、広告媒体情報及びカテゴリ情報に関連付けて記憶してもよい。
【0042】
なお、図6に示す広告枠管理テーブルは、例示にすぎず、図示しない情報が関連付けて記憶されてもよい。例えば、第1の広告枠情報は、広告枠ID及び広告枠タイプ情報に加えて、広告枠に関する他の情報を含んでもよい。
【0043】
また、記憶部101は、状態管理テーブル101bを記憶してもよい。図7は、本実施形態に係る状態管理テーブル101bの一例を示す図である。図7に示すように、状態管理テーブル101bは、広告枠識別情報としての広告枠IDと、第2の広告枠情報としての、広告枠IDが示す広告枠の期間毎の状態情報と、を関連付けて記憶してもよい。状態情報は、広告枠識別情報により、広告枠管理テーブル101aに記憶される広告媒体情報やカテゴリ情報に間接的に関連付けられる。
【0044】
例えば、図7では、広告枠ID「A0001」の2022年6月、7月の状態情報は空き状態である。一方、広告枠ID「A0002」の2022年6月1、2週の状態情報は決定状態であり、2022年6月3週から2022年7月4週までは仮押さえ状態である。なお、図7に示す例では、状態情報は2週間を単位として管理されているが、これに限られず、状態情報が管理される各期間は、所定数の分(minute)、所定数の時間(hour)、所定数の日(day)、所定数の週(week)、所定数の月(month)等、どのような時間単位であってもよい。
【0045】
図5に戻り説明を続けると、取得部102は、ユーザにより指定された広告媒体情報及びカテゴリ情報を取得する。具体的には、取得部102は、通信部10dによって受信された端末20からの検索要求を取得し、当該検索要求に含まれる広告媒体情報及びカテゴリ情報を取得してもよい。また、取得部102は、ユーザにより指定されたデバイス情報及び/又は販売単位情報を取得してもよい。具体的には、取得部102は、通信部10dによって受信された端末20からの検索要求を取得し、当該検索要求に含まれるデバイス情報及び/又は販売単位情報を取得してもよい。
【0046】
また、取得部102は、ユーザにより指定された広告媒体情報及びカテゴリ情報に関連付けて記憶部101において記憶される広告枠情報(第1の広告枠情報、第2の広告枠情報)を検索し、取得してもよい。また、取得部102は、ユーザにより指定された広告媒体情報及びカテゴリ情報と、ユーザにより指定されたデバイス情報及び/又は販売単位情報と、に関連付けて記憶部101において記憶される広告枠情報を検索し、取得してもよい。例えば、取得部102は、広告枠管理テーブル101a(例えば、図6)において、ユーザにより指定された広告媒体情報及びカテゴリ情報に関連付けられる第1の広告枠情報と、状態管理テーブル101b(例えば、図7)において、第1の広告枠情報に含まれる広告枠IDに関連付けられる状態情報(第2の広告枠情報)とを取得してもよい。また、取得部102は、広告枠管理テーブル101aにおいて、ユーザにより指定された広告媒体情報及びカテゴリ情報と、ユーザにより指定されたデバイス情報及び/又は販売単位情報と、に関連付けられる第1の広告枠情報を取得してもよい。
【0047】
出力部103は、例えば端末20からのリクエストに応じて、端末20の表示部10fに表示される画面に関する情報(以下、「画面情報」という)を生成又は記憶部101から取得し、端末20に送信する。また出力部103は、取得部102によって記憶部101から取得された広告枠情報をユーザに対して出力する。具体的には、出力部103から出力される画面情報や広告枠情報は、情報処理装置10の通信部10dによって端末20に送信されてもよい。
【0048】
受付部104は、出力部103から出力された広告枠情報に基づいてユーザにより指定された広告枠及び期間について、仮押さえ要求を受け付ける。具体的には、受付部104は、通信部10dによって受信された端末20からの仮押さえ要求を受け付けてもよい。当該仮押さえ要求は、仮押さえの対象となる広告枠ID及び仮押さえの期間を示す情報を含んでもよい。当該期間を示す情報は、例えば、〇年△月□日~〇年△月▽日であってもよいし、〇年△月であってもよいし、〇年△月1、2週目等であってもよい。
【0049】
制御部105は、情報処理装置10に関する各種制御(例えば、記憶部101の記憶内容の更新、情報処理装置10の通信部10dによる送受信の制御等)を行う。具体的には、制御部105は、ユーザから仮押さえ要求を受け付けた場合、所定の条件に基づいて、ユーザにより指定された期間の広告枠の状態を空き状態から仮押さえ状態に更新してもよい。所定の条件は、例えば、広告管理会社の担当者により仮押さえ要求を承認したことを示す入力が行われたという条件とすることができる。
【0050】
また、制御部105は、仮押さえ状態の広告枠について、所定の条件に基づいて、当該広告枠の状態を仮押さえ状態から決定状態に更新してもよい。所定の条件は、例えば、仮押さえ状態への更新後、予め定めた仮押さえ有効期間のあいだに、仮押さえ要求を行ったユーザに対して広告枠の販売を決定したという条件とすることができる。
【0051】
例えば、状態管理テーブル101b(例えば、図7)において広告枠ID「A0002」の広告枠に対して2022年6月3週~2022年7月4週までの期間が仮押え状態であり、仮押さえ状態への更新後、仮押さえ有効期間内に、広告管理会社の担当者が、仮押さえを行ったユーザから最終購入申請を受け付けたとする(例えば、当該ユーザから最終購入申請を示すメールを受信したとする)。この場合、当該担当者は、入力部10eから当該ユーザに対する販売の決定を示す情報を入力する。制御部105は、入力部10eから入力された当該ユーザに対する販売の決定を示す情報を検出すると、2022年6月3週~2022年7月4週の広告枠ID「A0002」の広告枠の状態を、仮押さえ状態から決定状態に更新する。一方、仮押さえ有効期間内に当該ユーザに対する販売の決定を示す情報を検出しなかった場合、制御部105は、2022年6月3週~2022年7月4週の広告枠ID「A0002」の広告枠の状態を、仮押さえ状態から空き状態に更新する。なお、制御部105は、広告管理会社の担当者からの入力に依らずに、仮押さえ要求を行ったユーザから最終購入申請を受け付けて自動的に仮押さえ状態から決定状態への更新を行うように構成してもよい。
【0052】
≪端末≫
図5に示すように、端末20は、入力受付部201、取得部202、制御部203を備える。入力受付部201は、入力部10eを用いてユーザによって入力される情報を受け付ける。
【0053】
取得部202は、情報処理装置10の出力部103から出力される情報を取得する。具体的には、取得部202は、端末20の通信部10dによって受信された情報処理装置10からの情報を取得してもよい。例えば、取得部202は、情報処理装置10から送信された画面情報や広告枠情報を取得する。
【0054】
制御部203は、端末20に関する各種制御(例えば、端末20の表示部10fの制御、端末20の通信部10dによる送受信の制御等)を行う。具体的には、制御部203は、取得部202によって取得された画面情報や広告枠情報に基づく表示部10fへの表示を制御する。
【0055】
図8は、端末20において、情報処理装置10から送信された画面情報に基づいて表示される仮押さえ申請用の表示画面の一例を示す図である。図8に示すように、画面D1には、ユーザが広告媒体情報を指定するための領域D11、ユーザがカテゴリ情報を指定するための領域D12、ユーザがデバイス情報を指定するための領域D13、ユーザが販売単位情報を指定するための領域D14、領域D11~D14における指定内容に対応する広告枠情報の検索を要求するための領域D15が設けられる。領域D11、D12、D13及びD14は、各広告媒体の階層構造に従って広告媒体情報やカテゴリ情報などを選択できるように構成される。例えば、領域D11において「商品比較サイト」を指定した場合、領域D12では、商品比較サイトの大カテゴリ、小カテゴリに対応する情報がプルダウン方式により選択可能となる。なお、選択方法はプルダウン方式に限られず、広告媒体の階層構造が反映された態様で各情報を選択可能な構成であれば、他の選択方法を採用してもよい。また、図8は、例示にすぎず、図示するものに限られない。例えば、領域D13及びD14は省略されてもよいし、領域D11~D15以外の領域が設けられていてもよい。
【0056】
ユーザは、入力部10eを用いて領域D11及び領域12においてそれぞれ広告媒体情報及びカテゴリ情報を少なくとも指定する。ユーザは、入力部10eを用いて領域D13においてデバイス情報を指定してもよい。また、ユーザは、入力部10eを用いて領域D14において販売単位情報を指定してもよい。ユーザが、入力部10eを用いて例えば領域D15を押下することにより、広告枠情報の検索を要求すると、制御部203は、端末20の通信部10dを用いて、領域D11~D14における指定内容に基づく広告枠情報の検索要求を情報処理装置10に送信する。
【0057】
画面D1には、さらに、検索要求に応じて情報処理装置10から出力される広告枠情報を表示する領域D16が設けられる。具体的には、領域D16は、広告枠及び期間がその状態を識別可能に表示され、ユーザが指定した販売単位(ユーザが販売単位を指定していない場合はデフォルトの販売単位)で仮押さえを希望する広告枠を指定できるように構成される。図8に示す例では、広告媒体情報「商品比較サイト」、カテゴリ情報「腕時計・アクセサリー」、デバイス情報「PC」及び販売単位情報「月」に対応する広告枠情報として、2022年5月及び6月の各期間に対応する状態情報が広告枠名称毎に表示されている。なお、広告枠情報が、どのような状態で広告が表示されるかを確認するための確認用ページのリンク情報を含む場合、領域D16に当該確認用ページへのリンクを表示してもよい。
【0058】
(情報処理システムの動作)
図9は、本実施形態に係る情報処理装置の動作の一例を示すフローチャートである。なお、図9は、例示にすぎず、不図示のステップが実施されてもよいし、一部のステップが省略されてもよい。
【0059】
ステップS100において、情報処理装置10は、例えば端末20からのリクエストに応じて、仮押さえ申請用の画面情報を生成又は記憶部101から取得し、端末20に送信する。仮押さえ申請用の画面情報は、広告枠管理テーブル101aに格納される情報の対応関係に応じて、各広告媒体の階層構造が反映された態様で広告媒体情報やカテゴリ情報を少なくとも選択可能に構成される。
【0060】
ステップS101において、端末20は、情報処理装置10から受信した画面情報に基づいて仮押さえ申請用の画面を表示部10fに表示し、当該画面を介してユーザからの広告媒体情報及びカテゴリ情報の指定を受け付ける。また、端末20は、ユーザからのデバイス情報及び/又は販売単位情報の指定を受け付けてもよい。
【0061】
ステップS102において、端末20は、ステップS101でユーザにより指定された広告媒体情報及びカテゴリ情報を含む検索要求を情報処理装置10に送信する。また、端末20は、ステップS101でユーザにより指定されたデバイス情報及び/又は販売単位情報を検索要求を情報処理装置10に送信してもよい。
【0062】
ステップS103において、情報処理装置10は、端末20から受信した検索要求に含まれる広告媒体情報及びカテゴリ情報を取得し、かかる広告媒体情報及びカテゴリ情報に関連付けて記憶される広告枠情報を記憶部101から取得する。また、情報処理装置10は、検索要求にデバイス情報及び/又は販売単位情報が含まれる場合、広告媒体情報及びカテゴリ情報と、デバイス情報及び/又は販売単位情報とに関連付けて記憶される広告枠情報を記憶部101から取得してもよい。
【0063】
ステップS104において、情報処理装置10は、ステップS103において記憶部101から取得された広告枠情報を端末20に送信する。
【0064】
ステップS105において、端末20は、情報処理装置10から受信した広告枠情報を表示部10fに表示する。また、端末20は、表示部10fに表示された広告枠情報を含む画面(例えば、図8)において、ユーザから、仮押さえを要求する広告枠及び期間の指定を受け付ける。
【0065】
ステップS106において、端末20は、ステップS105において指定された広告枠及び期間についての仮押さえ要求を情報処理装置10に送信する。
【0066】
ステップS107において、情報処理装置10は、端末20からの仮押さえ要求を受信すると、例えば広告管理会社の担当者に仮押さえ要求を受信したことを通知し、仮押さえの承認プロセスの完了を待機する。広告管理会社の担当者が、承認プロセスを完了した結果として、入力部10eを用いて仮押さえOKを示す入力を行うと、情報処理装置10は、当該ユーザに対する仮押さえ要求が承認されたと判定する。一方、広告管理会社の担当者が、承認プロセスを完了した結果として、入力部10eを用いて仮押さえ不可を示す入力を行うと、情報処理装置10は、当該ユーザに対する仮押さえ要求が拒否されたと判定する。なお、複数のユーザから、少なくとも一部が重複する期間において同一の広告枠に対する仮押さえ要求を受信した場合、すなわち仮押さえ要求が複数のユーザ間で競合した場合、仮押さえ要求を行ったタイミングの早いユーザからの要求を優先して承認するようにしてもよい。
【0067】
情報処理装置10は、仮押さえ要求が承認されたと判定した場合(ステップS107;YES)、ステップS108において、記憶部101を参照して、ユーザによって指定された広告枠及び期間の状態を空き状態から仮押さえ状態に更新し、ステップS109において、仮押さえ要求が承認されたことを示す情報を端末20に送信する。一方、仮押さえ要求が拒否されたと判定した場合(ステップS107;NO)、ステップS110において、仮押さえ要求が拒否されたことを示す情報を端末20に送信する。
【0068】
なお、図9では、情報処理装置10が、仮押さえ要求の承認又は拒否を示す情報を端末20に送信するが、これに限られない。例えば、広告管理会社の担当者が、電子メール等の種々の手段を用いて判定結果をユーザに通知してもよい。この場合、ステップS109~S110は省略されてもよい。また、図9には示していないが、仮押さえ状態に更新された後、仮押さえ有効期間内に、仮押さえを行ったユーザから最終購入申請を受け付けた場合、情報処理装置10は、広告管理会社の担当者からの入力に基づいて広告枠の状態を仮押さえ状態から決定状態に更新することができる。一方、仮押さえ有効期間内に当該ユーザから最終購入申請を受け付けなかった場合、情報処理装置10は、当該担当者からの入力に基づいて広告枠の状態を仮押さえ状態から空き状態に更新することができる。
【0069】
以上のように、本実施形態に係る情報処理システム1によれば、複数の広告媒体の各々の広告媒体情報と、当該複数の広告媒体の各々に基づいて決定されるカテゴリ情報と、当該カテゴリ情報に基づいて決定された広告枠情報と、が関連付けて記憶される。また、情報処理装置10は、ユーザにより指定された広告媒体情報及びカテゴリ情報に関連付けられた広告枠情報を当該ユーザに対して出力し、当該出力された広告枠情報に基づいてユーザにより指定された広告枠及び期間について仮押さえの要求を受け付ける。したがって、複数の広告媒体において異なる分類基準で階層化されたカテゴリが存在し、各広告媒体に当該カテゴリに応じた複数の期間保証型の広告枠が設けられる場合に、ユーザからの仮押さえを効率的に管理できる。
【0070】
また、記複数の広告媒体の各々に基づいて一以上の階層を有するカテゴリが決定され、当該カテゴリに基づいて広告枠のタイプが決定され、当該タイプを示す広告枠タイプ情報を含む広告枠情報がユーザに出力される。このため、ユーザは、カテゴリに応じたタイプの広告枠の中から仮押さえを要求する広告枠を指定でき、ユーザの利便性と広告効果の向上が期待できる。
【0071】
また、空き状態、仮押さえ状態又は決定状態のいずれかである広告枠の状態を示す状態情報が広告枠情報としてユーザに出力される。このため、ユーザは、各広告媒体の空き状態の広告枠を確認して仮押さえを要求することができる。
【0072】
また、特定のユーザからの仮押さえの要求に基づいて、記憶部101の状態管理テーブル101bの対応する広告枠の状態が仮押さえ状態に更新されるので、他のユーザが当該特定のユーザによって仮押さえされた広告枠について更に仮押さえの要求を行うことを防止することができる。
【0073】
また、ユーザに、複数の広告媒体について各広告媒体の階層構造に従ってカテゴリ情報などを選択することができる画面情報が出力されるため、ユーザは、複数の広告媒体について共通の画面(インタフェース)を使用しつつ、広告媒体ごとに個々の階層構造に応じて設けられる広告枠に対して仮押さえの要求を行うことができる。
【0074】
(その他の実施形態)
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態が備える各要素並びにその配置、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。
【0075】
例えば、上記実施形態では、広告代理店等をユーザの一例として説明したが、広告主をユーザ、広告代理店等を広告管理会社とし、広告代理店等において本発明を実施するように構成してもよい。また例えば、上記実施形態では、空き状態の広告枠に対して、ユーザから仮押さえ要求を受け付ける構成としているが、さらに、仮押さえ状態や決定状態の広告枠に対して、他のユーザからキャンセル待ちの仮押さえ要求を受け付けるように構成してもよい。この場合、仮押さえ状態にある広告枠について仮押さえ有効期間内に販売が決定されず、空き状態となったり、決定状態にある広告枠について失注した結果、空き状態となった際に、キャンセル待ちの仮押さえ要求を行っているユーザに対して電子メール等で空き状態となったことを通知したり、当該ユーザに対して優先的に仮押さえ要求の承認プロセスが行われるように制御してもよい。
【符号の説明】
【0076】
1…情報処理システム、10…情報処理装置、20…端末、30…ネットワーク、10a…プロセッサ、10b…RAM、10c…ROM、10d…通信部、10e…入力部、10f…表示部、101…記憶部、101a…広告枠管理テーブル、101b…状態管理テーブル、102…取得部、103…出力部、104…受付部、105…制御部、201…入力受付部、202…取得部、203…制御部
【要約】
【課題】広告管理会社が、複数の広告媒体の各々における複数の広告枠を期間保証型で提供する場合にも、ユーザによる仮押さえを効率的に管理すること。
【解決手段】複数の広告媒体の各々に設けられた期間保証型の複数の広告枠を管理する情報処理装置は、前記複数の広告媒体の各々に関する広告媒体情報と、前記複数の広告媒体の各々に基づいて決定されたカテゴリに関するカテゴリ情報と、前記カテゴリ情報に基づいて決定された広告枠に関する広告枠情報と、を関連付けて記憶する記憶部と、ユーザにより指定された広告媒体情報及びカテゴリ情報を取得する取得部と、前記指定された広告媒体情報及びカテゴリ情報に関連付けて前記記憶部において記憶される広告枠情報を、前記ユーザに対して出力する出力部と、前記出力された広告枠情報に基づいて前記ユーザにより指定された広告枠及び期間について、仮押さえの要求を受け付ける受付部と、を備える。
【選択図】図9
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9