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特許7320127一台の超音波センサに基づいて仰角を推定する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-25
(45)【発行日】2023-08-02
(54)【発明の名称】一台の超音波センサに基づいて仰角を推定する方法
(51)【国際特許分類】
   G01S 15/42 20060101AFI20230726BHJP
   G01S 7/526 20060101ALI20230726BHJP
   G01S 15/931 20200101ALI20230726BHJP
【FI】
G01S15/42
G01S7/526 J
G01S15/931
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022507451
(86)(22)【出願日】2020-08-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-12
(86)【国際出願番号】 EP2020074176
(87)【国際公開番号】W WO2021047927
(87)【国際公開日】2021-03-18
【審査請求日】2022-02-04
(31)【優先権主張番号】19196984.9
(32)【優先日】2019-09-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】508097870
【氏名又は名称】コンチネンタル オートモーティヴ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Continental Automotive GmbH
【住所又は居所原語表記】Vahrenwalder Strasse 9, D-30165 Hannover, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】スレイマン・ワッシム
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン・クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】アダムス・ロビン
【審査官】藤田 都志行
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-132220(JP,A)
【文献】特開2015-025739(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102018101324(DE,A1)
【文献】独国特許出願公開第102018100567(DE,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0269212(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/52- 7/64
G01S 15/00-15/96
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一台の超音波センサ(2)によって受信された信号の仰角(α)及び/又は方位角を決定する方法であって、この方法は、以下のステップ、即ち、
- 周波数依存の放射パターン(2.1)を有する一台の超音波センサ(2)を提供するステップ(S10)、
- 少なくとも第一超音波を第一周波数で送信するステップ(S11)、
- 少なくとも第二超音波を第一周波数とは異なる第二周波数で送信するステップ(S12)、
- 第一及び第二超音波の反射を受信するステップ(S13)であって、前記反射は特定の物体によって引き起こされる、ステップ(S13)、
- 第一及び第二超音波の反射の振幅に基づいて、第一及び第二の反射した超音波の仰角(α)及び/又は方位角を決定するステップ(S14)、
を備える方法において、
仰角(α)及び/又は方位角の決定は、第一及び第二超音波の受信された反射の振幅間の比率を算出し、算出された比率を、仰角及び/又は方位角にマッピングし、
前記マッピングは、特定の振幅比を仰角(α)及び/又は方位角に関連付ける所定の比率曲線又は比率データセットに基づいて実行され
仰角(α)の決定は、垂直方向における放射パターン(2.1)の曖昧性を除去することが含まれ、
垂直方向における放射パターンの曖昧性は、垂直方向に非対称な放射パターンを提供する少なくとも一台の超音波センサ(2)を使用することによって除去されていることを特徴とする方法。
【請求項2】
超音波センサの放射パターン(2.1)は、周波数の増加とともに狭くなることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
垂直方向における放射パターン(2.1)の曖昧性は、少なくとも一台の更なる超音波センサ(2)が受信した反射を用いることによって除去されていることを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項4】
垂直方向における放射パターン(2.1)の曖昧性は、検出された物体が、下半分の空間(LHS)に配置されていると仮定して除去されていることを特徴とする請求項からのうち何れか一項に記載の方法。
【請求項5】
垂直方向における放射パターン(2.1)の曖昧性は、超音波とは異なる技術を用いた少なくとも1つの更なるセンサを使用することによって除去されていることを特徴とする請求項からのうち何れか一項に記載の方法。
【請求項6】
物体の方位角は、他の位置に配置されている少なくとも一台の更なる超音波センサ(2)に基づいて決定されていることを特徴とする請求項1から5のうち何れか一項に記載の方法。
【請求項7】
第一及び第二超音波の送信は、周波数変調された送信パルスを超音波センサ(2)に提供することによって実行されていることを特徴とする請求項1から6のうち何れか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記周波数変調された送信パルスは、時間とともに線形又は非線形に変化した周波数を含むことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記周波数変調された送信パルスは、時間とともに段階的に変化する周波数を含むことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項10】
異なる中心周波数を有する複数の送信パルスが超音波センサ(2)に提供されている請求項1からのうち何れか一項に記載の方法。
【請求項11】
周波数依存の放射パターンを有する少なくとも一台の超音波センサ(2)と、超音波センサへの超音波信号の提供を制御する制御部とを備える、運転支援システムにおいて、
前記制御部は、
- 少なくとも第一超音波の送信を、第一周波数で開始する、
- 少なくとも第二超音波の送信を、第一周波数とは異なる第二周波数で開始する、
- 第一及び第二超音波の反射に関する情報を受信し、前記反射を特定の物体によって引き起こす、
- 第一及び第二の反射した超音波の仰角(α)及び/又は方位角を決定する、
- 第一及び第二超音波の受信した反射の振幅の間の比率を算出することによって仰角及び/又は方位角を決定する、かつ算出された比率を仰角及び/又は方位角にマッピングし、前記マッピングが、特定の振幅比を仰角(α)及び/又は方位角に関連付ける所定の比率曲線又は比率データセットに基づいて実行され、
仰角(α)の決定は、垂直方向における放射パターン(2.1)の曖昧性を除去することが含まれ、
垂直方向における放射パターンの曖昧性は、垂直方向に非対称な放射パターンを提供する少なくとも一台の超音波センサ(2)を使用することによって除去されている、ように構成されていることを特徴とする運転支援システム。
【請求項12】
運転システムを備える車両であって、運転支援システムが、請求項1から10のうち何れか一項に記載の方法を実行するように構成されていることを特徴とする車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、超音波センサの分野に関するものであるより具体的には、本発明は、一台の超音波センサによって受信された信号の仰角及び/は方位角を決定する方法及びシステムに関するものである
【背景技術】
【0002】
一次元(1D)超音波センサを用いた高さは仰角の推定は、物理的な制限のため、基本的に非常に困難である。このような超音波センサは、しばしば距離測定に使用される。仰角は、接近速度法(rate-of-closing method)のような幾何学的アプローチに基づい決定されることがかるこの方法は、例えば、縁石などの物体への接近速度を追跡し、センサの高さにある反射物体と比較して、センサ下にある反射物体へ超音波が移動した距離の差を利用することにもとづいている。
【0003】
他の検知方法には、物体の高さを2D画像から推定するカメラ支援(camera-assisted approach)や三角測量に基づいて仰角を推定する複数のセンサに基づく到着方向法(direction-of-arrival-method)含まれる
【0004】
しかしながら、これらの方法は、いくつかの欠点がある。一次元接近速度法(rate-of-closing method)は、反射の経時的な同一オブジェクトへの正しい帰属に依存している。帰属を誤ると言うことは、誤った高さが推定されるだけでなく、検出すらもると言うことを意味している。カメラと複数のアンテナに基づく方法は、1D超音波センサのコトや機械的なロバスト性と言った長所を活かせない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
よって本発明の課題は、一台の超音波センサ、特に1D超音波センサによって受信され信号の仰角を、ロバストネスで費用対効果の高い方法で決定する方法を提供することある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は、独立請求項の特徴によって解決される。好ましい実施形態は、従属請求項に示されている。特に明記しない限り、本発明の実施形態は、互いに自由に組み合わせることができる。
【0007】
1つの態様によれば、本発明は、一台の超音波センサによって受信された信号の仰角及び/は方位角を決定する方法に関する。超音波センサは、特に一次元(1D)の超音波センサ、即ち、仰角を決定する物理的なセンサ手段(例えば、高さを決定するための異なる配置を持つ2つのセンサ部分)を備えていないセンサでもよい。この方法は、以下に記載のステップを備える。
【0008】
先ず周波数依放射パターンを有する一台の超音波センサ、特に、一台の1D超音波センサが提供されている。「周波数依放射パターン」とは、方位角と仰角によって定義される特定の方向におけるセンサのゲインは感度が周波数依存性を示す、即ち、超音波周波数を変化させると変化することを意味る。
【0009】
さらなるステップとして、少なくとも第一超音波が、第一周波数で送信されている。この第一周波数は、送信パルスの固定周波数であってもよい。代的にこの第一周波数は、チャープ信号の周波数値、即ち、ランプに沿っては段階的に周波数が変化する信号であってもよい
【0010】
さらなるステップとして、第二超音波が、第二周波数で送信されている。この第二周波数は、送信パルスの固定周波数であってもよい。代的に、この第二周波数は、チャープ信号の周波数値、即ち、ランプに沿っては段階的に周波数が変化する信号であってもよい。第二周波数は、第一周波数とは異なる周波数値を有する
【0011】
第一及び第二超音波の送信後、第一及び第二超音波の反射は、前記超音波センサによって受信されている。これらの反射は、特定の物体、特に、同一の超音波センサの周囲にある一つの同じ物体、例えば縁石、車、壁によって引き起こされている
【0012】
最後に、第一及び第二の反射した超音波の仰角及び/は方位角は、第一及び第二超音波の反射の振幅に基づい決定されている。この決定するステップは、放射パターンの周波数依存性に関する情報を用いて、仰角及び/は方位角を、決定する又は推定してもよい
【0013】
仰角及び/は方位角の決定は、第一及び第二超音波の受信された反射の振幅間の比を算出し、この算出された比を、仰角及び/は方位角にマッピングすることによって実れ、このマッピング、特定の振幅比を仰角及び/及びは方位角に関連付ける所定の比率曲線は比率データセットに基づいてされる。この比率曲線は比率データセットは、超音波センサの放射パターンの周波数依存性を示すセンサ固有の情報であってもよい
【0014】
この方法は、超音波センサの周波数依存性を利用して高さ情報及び/は方位情報を導出することができるので、超音波センサのコスト及び機械的なロバスト利点を維持できることが有利である。更に、振幅比に基づいて、超音波の実際の振幅の高さに依存しない仰角及び/は方位角を決定することも可能である。
【0015】
実施形態によれば、超音波センサの放射パターンは、周波数の増加とともに狭くなる。言い換えれば、センサ感度が特定の感度値まで低下する放射パターンの開口角は、周波数が高くなるにつれ小さくなる。また、逆の構成も可能であり、即ち、超音波センサの放射パターン、周波数が低くなるにつれくなるしたがって、特定の周波数ギャップを有する少なくとも二つの超音波周波数を使用することにより、仰角及び/は方位角を示す振幅差じる
【0016】
実施形態によれば、仰角を決定するステップは、垂直方向における放射パターンの曖昧性の除去も含まれる。超音波センサの放射特性は、水平又基本的に水平な面に対して対称であってもよい。この対称性は、曖昧性をもたらすことがあり、即ち、特定の検出単一の仰角に関連付けられているのではなく、少なくとも一対の仰角に関連付けられてしまう。曖昧性の除去により、仰角に対する検出の曖昧さのない関連付けが可能になる。
【0017】
実施形態によれば、垂直方向における放射パターンの曖昧性は、垂直方向に非対称放射パターンを提供する少なくとも一台の超音波センサを使用することによって除去されている。この非対称性は、周波数依存の非対称であってもよい。それによって、周波数の異なる二つ以上の超音波を使用することにより、曖昧さのない高さ情報をもたらすことができる
【0018】
実施形態によれば、垂直方向における放射パターンの曖昧性は、少なくとも一台の更なる超音波センサが受信した反射を用いることによって除去されている。この更なる超音波センサは、異なる配置で備えてもよく又は垂直方向における非対称放射パターンを含んでもよい
【0019】
実施形態によれば、垂直方向における放射パターンの曖昧性は、検出された物体が、下半分の空間に配置されていると仮定して除去されている。この仮定は、(通常の運転状況では)物体が高いところで下にぶら下がっているよりも、引くところで地面に置かれている可能性の方がはるかにいと言う事実を利用している。
【0020】
実施形態によれば、垂直方向における放射パターンの曖昧性は、超音波とは異なる技術を用い少なくとも1つの更なるセンサを使用することによって除去されている。このようなセンサは、例えば、更なる運転支援用途のために車両に既設されているカメラ、レーダセンサ、及び/又はLIDARセンサであってもよい。この様な更なるセンサに基づいて、曖昧性は、の更なるセンサから提供される情報を評価することによって解決できる。
【0021】
実施形態によれば、物体の方位角は、他の位置に配置されている少なくとも一台の更なる超音波センサに基づいて決定されている。通常、複数の超音波センサが、車両の周り、例えば、バンパの異なる位置に配置されている。一台又は複数台の隣接する超音波センサによって提供される情報は、方位情報を決定するために使用することができる。
【0022】
実施形態によれば、第一及び第二超音波の送信は、周波数変調された送信パルスを超音波センサに提供することによって実されている。これによって、送信パルスは、仰角を決定することができる少なくとも2つの異なる周波数を含む。
【0023】
一実施形態によれば、前記周波数変調された送信パルスは、時間とともに線形は非線形(例えば、指数関数的)に変化した周波数を含む例えば、送信パルスの周波数は、開始周波数から停止周波数までチャープしてもよい。これによって、複数の周波数を含む超音波信号送信しされかつ仰角を決定するために、前記信号の反射を評価することができる。
【0024】
一実施形態によれば、前記周波数変調された送信パルスは、時間とともに段階的に変化する周波数を含む。言い換えれば、段階的に周波数変調された超音波信号が、送信されている。この様な段階的な周波数変調された超音波シグナルは、仰角を決定するために使用することができる複数の別個の周波数を含む
【0025】
的には、異なる中周波数を有する複数の送信パルスが超音波センサに提供されている。この送信パルスは、このパルス間の反射信号を評価できるようにするために、異なる時点に送信されてもよい
【0026】
ある更なる態様によれば、本発明は、周波数依放射パターンを有する少なくとも一台の超音波センサと、超音波センサへの超音波信号の提供を制御する制とを備える、運転支援システムに関するものであるこの制御
- 少なくとも第一超音波の送信、第一周波数開始する、
- 少なくとも第二超音波の送信、第一周波数とは異なる第二周波数開始する、
- 第一及び第二超音波の反射に関する情報を受信し、前記反射特定の物体によって引き起こす、
第一及び第二超音波の反射の振幅に基づいて、第一及び第二の反射した超音波の仰角及び/は方位角を決定する、
一及び第二超音波の受信た反射の振幅間の比を算出することによって仰角及び/又は方位角を決定するかつ算出された比率を仰角及び/は方位角にマッピングこのマッピング、特定の振幅比を仰角及び/は方位角に関連付ける所定の比率曲線は比率データセットづいてされる
ように構成されている
【0027】
更なる他の様態によれば、本発明は、運転支援システムを備え車両に関するものであるこの運転システムは、上述の実施形態のいずれかにる方法を実施する様に構成されている。
【0028】
本開示において使用される「車両」という用語は、自動車、トラック、バス、列車、又はその他の動力車両を意味してもよい
【0029】
また、「超音波センサ」と言う用語は、20kHzを超える周波数の音波を送受信するように構成されたセンサを意味してもよい
【0030】
本発明で使用される「基本的には「略」という用語は、正確な値から+/-10%、好ましくは+/-5%の差、及び/は、その変化が、機能及び/は交通法規に対して重要でない程度の差であることを意味している。
【0031】
特定の特徴及び利点を含む本発明の様々な態様は、以下の詳細な説明及び添付図面から容易に理解され得る
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1両が駐車スペースに駐車している駐車状況の概略を示す。
図21の駐車状況におけるバンパに含まれている一台の超音波センサの放射パターンを概略的に示す図である。
図3つの異なる超音波周波数の仰角に依存する一台の超音波センサのゲイン示す図である。
図43にる仰角に依存する一台の超音波センサのゲインの比率を示す図である。
図5つの異なる超音波周波数の方位角及び仰角に依存する一台の超音波センサの2D放射パターンを示す図である。
図6】線形に周波数変調された第一超音波信号及び段階的に周波数変調された第二超音波信号を示す図である。
図7台の超音波センサによって受信された信号の仰角を決定するための方法のステップを示す概略ブロック図である
【発明を実施するための形態】
【0033】
次に、本発明は、例示的な実施形態が示されている添付図面を参照することにより、より完全に説明る。図中の実施形態は、好ましい実施形態に関連するものであってもよい、実施形態に関連して説明される全ての要素及び特徴は、適切である限り、本明細書で説明される他の実施形態及び特徴と組み合わせて、特に、先に詳しく説明した実施形態と関連して使用してもよいしかしながら、本発明は、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。該当する限り、以下の説明全体を通して、同様参照番号、同様の要素、部品、アイテム、又は、機能を示すために使用されている
【0034】
本明細書に開示された本発明の特徴、特許請求の範囲、実施例、及び/又は図は、個別に又はこれらの任意の組み合わせの両方において、本発明を様々な形態で実施するための材料となり得る。
【0035】
図1は、車両1が、縁石3に隣接する駐車スペースに駐車している駐車状況を、概略的上面図として示。車両1は、車両1の異なる位置に配置された複数の超音波センサ2を有する運転支援システムを備える。縁石3は、特定の高さを占有することができ、運転支援システムによって、具体的には、運転支援システムの一台又は複数台の超音波センサ2によって検出ることができる。
【0036】
図2は、駐車状況の側面図を示うす。左側には、一台又は複数台の超音波センサ2を備えてもよい車両1のバンパ1.1がされている。超音波センサ2は、下半分の空間LHSをカバーする下側の放射パターン部分と、上半分の空間UHSをカバーする上側の放射パターン部分とを含む放射パターン2.1を有していてもよい。破線は、上述の下放射パターン部分と上述の上放射パターン部分で、放射パターン2.1を分割する水平面を示。縁石3は、上述の下半空間LHSに配置されてもよい
【0037】
図3は、垂直方向における超音波センサ2の放射パターン2.1を示、即ち、角度の値は、様々な周波数値での仰角を示。実線は第一周波数での放射パターン2.1を示しかつ破線は第二周波数での放射パターン2.1を示していてこの第一及び第二周波数は異なり、かつ第一周波数は、第二周波数よりも高い。図示されているように、超音波センサ2の放射パターン2.1は、周波数の増加とともに狭くなる。
【0038】
それ故、超音波センサ2に少なくとも2つの異なる周波数での超音波を提供し、異なる周波数を有する反射波の振幅を評価することにより、上述の反射を引き起こす物体(本例では縁石3)に対する仰角αを決定することができる。より具体的には、反射波の振幅を比較することにより仰角αを決定することができる。放射パターンの異なる形状につながる放射パターンの周波数依存性、したがって放射パターンの仰角依存性に基づいて物体の仰角αを決定することができる。
【0039】
反射波の振幅を比較するステップは、反射波の振幅の比算出し、かつこの比を仰角値にマッピングすることを含みこのマッピングは、特定の振幅比を仰角及び/は方位角に関連付ける所定の比率曲線は比率データセットに基づいて実されている。
【0040】
図4は、異なる周波数を有し、異なる仰角から受信される反射波の振幅の商を示すグラフを表している。のグラフによれば、第一周波数を有する第一反射波と第二周波数を有する第二反射波との比の値を仰角に関連付けることができる。
【0041】
図3~5に示されているように、放射パターン2.1は、中心仰角に関して対称又は基本的に対称であってもよい。この例において、中心仰角は、例えば、0°又は基本的に0°であってもよく、即ち、この放射パターン2.1は、水平面にして対称であってもよい。他の実施形態によれば、車両に搭載された超音波センサは、僅かに上向きに傾斜していてもよいしたがって例えば、中心仰角は、1°から10°の範囲、特に、1°から4°の範囲であってよい。放射パターン2.1の上述の対称性は、仰角を決定する際に曖昧性をもたらしてもよく、即ち、反射波の特定の振幅比は、少なくとも二の仰角に関連付けることができる。第一の正の仰角は、上半分の空間UHSに配置してもよく、第二の負の仰角は、下半分の空間LHSに配置してもよい
【0042】
角の上述の曖昧性は、様々な方法によって解決できる
【0043】
第一実施形態によれば、更なるセンサ、特に、他のセンサの水平対称面に対して非対称である放射パターンを有する超音波センサを使用することができる。この更なるセンサから得られ測定された振幅づいて、曖昧性改善ることができる。
【0044】
他の実施形態によれば、ほとんどの場合、仮正しい検出結果をもたらすため、検出された物体が常に下半分の空間LHSに配置されると仮定することによって、曖昧性を改善ることができる。
【0045】
更なる他の実施形態によれば、この曖昧性は、更なる情報源、例えば、傾斜した放射パターン(即ち、放射パターンのビーム最大値が、最初のセンサの水平面上に配置されていない)を有する別の超音波センサを使用することによって改善できる。更なる例としては、超音波とは異なる技術を使用するセンサ、例えば、カメラ、レーダセンサ、ライダセンサなどでもよい
【0046】
また、車両1の異なる位置で、上述の一台又は複数の超音波センサによって得られた情報は、曖昧性を除去するために使用することができる。言い換えれば、軌道に沿った異なる車両位置で収集された複数の情報、曖昧性除去するために使用される。
【0047】
図5に示すように、超音波センサの放射パターンは2D形状、即ち、方位角と仰角から見て特定のビーム形状を有してもよいしたがって、検出結果の曖昧性は、水平方向、即ち、方位角でも発生する。方位角の曖昧性を解するため、別の場所(例えば、バンパの別の位置)に配置された更なるセンサの情報を使用することができ。方位角の曖昧性を修正するための好ましい手法は、三辺測量であってもよい
【0048】
上述のように、仰角定は、超音波センサ2の放射パターンの周波数依存性、即ち、放射ビームの2D形状超音波の周波数に依存することを利用する。少なくとも2つの異なる周波数を有する超音波は、以下のように生成することができる
【0049】
第一実施形態によれば、二つ又はそれ以上の異なる中周波数を有する送信パルスを使用することができる。
【0050】
第二実施形態によれば、周波数変調された送信パルスを使用することができる。この周波数変調された送信パルスは、例えば、線形周波数変調信号(「チャープ・シグナル」とも呼ばれる)であってもよい
【0051】
第三実施形態によれば、周波数がステップ関数に従う、単一の周波数変調された送信パルスを使用することができる。
【0052】
図6は、線形周波数変調信号とステップ周波数変調信号を示。線形周波数変調信号の周波数は、時間と共に線形に変化一方、ステップ周波数変調信号の周波数は、時間と共に段階的に変化する。
【0053】
図7は、超音波センサ2によって受信された信号の仰角αを決定する方法ステップを表しているブロック図を示
【0054】
最初に、周波数依存の放射パターンを有する一台の超音波センサ2が提供される(S10)。
【0055】
この超音波センサ2は、第一周波数少なくとも第一超音波を送信し(S11)、第一周波数とは異なる第二周波数第二超音波を送信する(S12)。
【0056】
音波の送信後、第一及び第二超音波の反射が受信され、反射は特定の物体によって引き起こされ(S13)。
【0057】
射の受信後、第一及び第二超音波の反射の振幅に基づいて、第一及び第二反射した超音波の仰角αが決定されている(S14)、一方、仰角αの決定は、第一及び第二超音波の受信された反射の振幅の間の比を算出し、この算出された比率を仰角αにマッピングすることによって実施され、マッピングは、予め決定されている特定の振幅と仰角を関連付けた比率曲線又は比率データセットに基づいて実施される。
【0058】
留意すべきは、上述の説明及び図面は、単に、提案されている発明の原理を例示しているということである。当業者であれば、本明細書には明示的に説明は示されていなくとも、本発明の原理を具現化できる様々な構成を実施できるであろう。
なお、本願は、特許請求の範囲に記載の発明に関するものであるが、他の観点として以下を含む。
1.
一台の超音波センサ(2)によって受信された信号の仰角(α)及び/又は方位角を決定する方法であって、この方法は、以下のステップ、即ち、
- 周波数依存の放射パターン(2.1)を有する一台の超音波センサ(2)を提供するステップ(S10)、
- 少なくとも第一超音波を第一周波数で送信するステップ(S11)、
- 少なくとも第二超音波を第一周波数とは異なる第二周波数で送信するステップ(S12)、
- 第一及び第二超音波の反射を受信するステップ(S13)であって、前記反射は特定の物体によって引き起こされる、ステップ(S13)、
- 第一及び第二超音波の反射の振幅に基づいて、第一及び第二の反射した超音波の仰角(α)及び/又は方位角を決定するステップ(S14)、
を備える方法において、
仰角(α)及び/又は方位角の決定は、第一及び第二超音波の受信された反射の振幅間の比率を算出し、算出された比率を、仰角及び/又は方位角にマッピングし、
前記マッピングは、特定の振幅比を仰角(α)及び/又は方位角に関連付ける所定の比率曲線又は比率データセットに基づいて実行されることを特徴とする方法。
2.
超音波センサの放射パターン(2.1)は、周波数の増加とともに狭くなることを特徴とする上記1に記載の方法。
3.
仰角(α)の決定は、垂直方向における放射パターン(2.1)の曖昧性を除去することが含まれることを特徴とする上記1又は2に記載の方法。
4.
垂直方向における放射パターンの曖昧性は、垂直方向に非対称な放射パターンを提供する少なくとも一台の超音波センサ(2)を使用することによって除去されていることを特徴とする上記3に記載の方法。
5.
垂直方向における放射パターン(2.1)の曖昧性は、少なくとも一台の更なる超音波センサ(2)が受信した反射を用いることによって除去されていることを特徴とする上記3又は4に記載の方法。
6.
垂直方向における放射パターン(2.1)の曖昧性は、検出された物体が、下半分の空間(LHS)に配置されていると仮定して除去されていることを特徴とする上記3から5のうち何れか一つに記載の方法。
7.
垂直方向における放射パターン(2.1)の曖昧性は、超音波とは異なる技術を用いた少なくとも1つの更なるセンサを使用することによって除去されていることを特徴とする上記3から6のうち何れか一つに記載の方法。
8.
物体の方位角は、他の位置に配置されている少なくとも一台の更なる超音波センサ(2)に基づいて決定されていることを特徴とする上記1から7のうち何れか一つに記載の方法。
9.
第一及び第二超音波の送信は、周波数変調された送信パルスを超音波センサ(2)に提供することによって実行されていることを特徴とする上記1から8のうち何れか一つに記載の方法。
10.
前記周波数変調された送信パルスは、時間とともに線形又は非線形に変化した周波数を含むことを特徴とする上記9に記載の方法。
11.
前記周波数変調された送信パルスは、時間とともに段階的に変化する周波数を含むことを特徴とする上記9に記載の方法。
12.
異なる中心周波数を有する複数の送信パルスが超音波センサ(2)に提供されている上記1から8のうち何れか一つに記載の方法。
13.
周波数依存の放射パターンを有する少なくとも一台の超音波センサ(2)と、超音波センサへの超音波信号の提供を制御する制御部とを備える、運転支援システムにおいて、
前記制御部は、
- 少なくとも第一超音波の送信を、第一周波数で開始する、
- 少なくとも第二超音波の送信を、第一周波数とは異なる第二周波数で開始する、
- 第一及び第二超音波の反射に関する情報を受信し、前記反射を特定の物体によって引き起こす、
- 第一及び第二の反射した超音波の仰角(α)及び/又は方位角を決定する、
- 第一及び第二超音波の受信した反射の振幅の間の比率を算出することによって仰角及び/又は方位角を決定する、かつ算出された比率を仰角及び/又は方位角にマッピングし、前記マッピングが、特定の振幅比を仰角(α)及び/又は方位角に関連付ける所定の比率曲線又は比率データセットに基づいて実行される、
ように構成されていることを特徴とする運転支援システム。
14.
運転システムを備える車両であって、運転支援システムが、上記1から12のうち何れか一つに記載の方法を実行するように構成されていることを特徴とする車両。
【符号の説明】
【0059】
1 車両
1.1 バンパ
2 超音波センサ
2.1 放射パターン
3 縁石
LHS 下半分の空間
UHS 上半分の空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7