(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-25
(45)【発行日】2023-08-02
(54)【発明の名称】モジュール化されたコンタクタ
(51)【国際特許分類】
H01H 50/04 20060101AFI20230726BHJP
【FI】
H01H50/04 D
(21)【出願番号】P 2022539030
(86)(22)【出願日】2020-12-24
(86)【国際出願番号】 CN2020139025
(87)【国際公開番号】W WO2021129743
(87)【国際公開日】2021-07-01
【審査請求日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】201911361511.5
(32)【優先日】2019-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】594083128
【氏名又は名称】シュネーデル、エレクトリック、インダストリーズ、エスアーエス
【氏名又は名称原語表記】SCHNEIDER ELECTRIC INDUSTRIES SAS
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】弁理士法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】ティアン ハイフェン
(72)【発明者】
【氏名】シュー ミィン
(72)【発明者】
【氏名】ハン シュー
(72)【発明者】
【氏名】リー チゥァン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ヂィーパァォ
(72)【発明者】
【氏名】シア シュエトン
(72)【発明者】
【氏名】ラルヒャー パトリック
(72)【発明者】
【氏名】ジェフロア ヴァンサン
(72)【発明者】
【氏名】シントーメッツ ダニエル
【審査官】井上 信
(56)【参考文献】
【文献】特開平01-246738(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104362042(CN,A)
【文献】特表2016-501433(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 50/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モジュール化されたコンタクタであって、該モジュール化されたコンタクタは駆動モジュール、中間接続モジュール、遮断モジュール、上部アプリケーションインタフェースモジュール及び下部アプリケーションインタフェースモジュールを備え、
前記駆動モジュールは固定コア、コイル及び制御部材を備え、前記中間接続モジュールは可動コアを備え、前記遮断モジュールは複数の遮断ユニットを備え、
前記駆動モジュールは、前記制御部材の制御下で前記可動コアを移動駆動できるように前記中間接続モジュールの第1側に取り外し可能に接続され、
前記遮断モジュールは、前記複数の遮断ユニットが前記可動コアの駆動下でオン又はオフできるように前記中間接続モジュールの第1側と対向する第2側に取り外し可能に接続され、
前記上部アプリケーションインタフェースモジュールは、前記複数の遮断ユニットの上固定接点に電気的に接続できるように前記遮断モジュールの上部に取り外し可能に接続され、
前記下部アプリケーションインタフェースモジュールは、前記複数の遮断ユニットの下固定接点に電気的に接続できるように前記遮断モジュールの底部に取り外し可能に接続されることを特徴とするモジュール化されたコンタクタ。
【請求項2】
前記モジュール化されたコンタクタはベースハウジングをさらに備え、前記中間接続モジュールは前記ベースハウジングに取り外し可能に接続され、前記遮断モジュールは前記ベースハウジング内に収容可能であり、前記モジュール化されたコンタクタは前記ベースハウジングを介して取付板に設けられることを特徴とする請求項1に記載のモジュール化されたコンタクタ。
【請求項3】
前記モジュール化されたコンタクタは前記駆動モジュールのハウジングを介して取付板に設けられることを特徴とする請求項1に記載のモジュール化されたコンタクタ。
【請求項4】
前記複数の遮断ユニットはそれぞれ、それぞれのサブハウジング内に収容され、前記モジュール化されたコンタクタは前記サブハウジングを介して取付板に設けられることを特徴とする請求項1に記載のモジュール化されたコンタクタ。
【請求項5】
前記中間接続モジュールは、前記可動コアの前記遮断モジュールに近接する端部に設けられるストッパーをさらに備え、前記複数の遮断ユニットの各々は、その可動接点に設けられ且つ前記遮断モジュールのハウジング外まで突出している接続部品を備え、前記遮断モジュールが前記中間接続モジュールの第2側に設けられる場合、前記ストッパーは前記接続部品を介して前記遮断ユニットの可動接点と前記遮断ユニットの固定接点とを分離することを特徴とする請求項1に記載のモジュール化されたコンタクタ。
【請求項6】
前記中間接続モジュールは、前記中間接続モジュールのハウジングと前記可動コアとの間に設けられ、前記可動コアをオフ位置に弾性的に偏圧して前記遮断ユニットの可動接点と前記遮断ユニットの固定接点とを分離するための弾性素子をさらに備えることを特徴とする請求項5に記載のモジュール化されたコンタクタ。
【請求項7】
前記駆動モジュールのハウジングに複数の第1孔が設けられ、前記中間接続モジュールのハウジングの第1側には前記複数の第1孔にそれぞれ嵌合する複数の第2孔が設けられ、それにより複数のねじと前記複数の第1孔及び前記複数の第2孔によって前記駆動モジュールを前記中間接続モジュールの第1側に取り付けることを特徴とする請求項1に記載のモジュール化されたコンタクタ。
【請求項8】
前記遮断モジュールのハウジングにそれぞれ複数の第3孔及び複数のフック部が設けられ、前記中間接続モジュールのハウジングの第2側には、前記複数の第3孔に嵌合する複数の第4孔、及び前記複数のフック部に嵌合する複数の溝が設けられ、それにより係合及び複数のねじと前記複数の第3孔及び前記複数の第4孔によって前記遮断モジュールを前記中間接続モジュールの第2側に取り付けることを特徴とする請求項1に記載のモジュール化されたコンタクタ。
【請求項9】
前記中間接続モジュールのハウジングに複数の第5孔が設けられ、前記ベースハウジングには、前記複数の第5孔に嵌合する複数の第6孔が設けられ、それにより複数のねじと前記複数の第5孔及び前記複数の第6孔によって、前記中間接続モジュールを前記ベースハウジングに取り付け、且つ前記遮断モジュールを前記ベースハウジング内に収容することを特徴とする請求項2に記載のモジュール化されたコンタクタ。
【請求項10】
前記上部アプリケーションインタフェースモジュールは複数の上突出部を備え、前記ベースハウジングの上部は前記複数の上突出部に嵌合する複数の上溝を備え、前記下部アプリケーションインタフェースモジュールは複数の下溝を備え、前記ベースハウジングの底部は前記複数の下溝に嵌合する複数の下突出部を備え、前記複数の上突出部がそれぞれ前記複数の上溝内に係合されることによって、前記上部アプリケーションインタフェースモジュールを前記ベースハウジングの上部に取り付け、前記複数の下突出部がそれぞれ前記下溝内に係合されることによって、前記下部アプリケーションインタフェースモジュールを前記ベースハウジングの底部に取り付けることを特徴とする請求項2に記載のモジュール化されたコンタクタ。
【請求項11】
前記駆動モジュールは動力モジュール及び制御モジュールを備え、前記動力モジュールは前記固定コア及び前記コイルを備え、前記制御モジュールは前記制御部材を備えることを特徴とする請求項1に記載のモジュール化されたコンタクタ。
【請求項12】
前記動力モジュールと前記制御モジュールは取り外し可能に接続されるか、又はそれぞれ前記中間接続モジュールの第1側に取り外し可能に接続されることを特徴とする請求項11に記載のモジュール化されたコンタクタ。
【請求項13】
前記上部アプリケーションインタフェースモジュールと前記下部アプリケーションインタフェースモジュールは、接続端子の位置及び高さを調整するように、それぞれ異なる形状の銅バスバーを備えることを特徴とする請求項1に記載のモジュール化されたコンタクタ。
【請求項14】
前記上部アプリケーションインタフェースモジュールの銅バスバー及び/又は前記下部アプリケーションインタフェースモジュールの銅バスバーはC字型又はZ字型形状を有することを特徴とする請求項13に記載のモジュール化されたコンタクタ。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本願は、2019年12月24日に中国特許庁に提出された中国出願CN201911361511.5の優先権を主張する。
【技術分野】
【0002】
本開示の実施例はモジュール化されたコンタクタに関する。
【背景技術】
【0003】
コンタクタは、生産量が大きく、適用範囲が広い電気制御素子であり、交直流主回路及び大容量制御回路を頻繁にオンオフするためのものである。コンタクタは、リレーと組み合わせてタイミング操作、インターロック制御、定量的制御、電圧印加及び低電圧保護などの機能を実現することができる。
【0004】
動作過程では、コンタクタの遮断ユニットは溶断しやすく、コイルは発熱して焼損しやすく、且つ回路基板は損傷しやすい。従来のコンタクタは通常、一体化された構造を有し、遮断ユニット、コイル及び回路基板などはいずれも同一のハウジング内に取り付けられる。コンタクタの部材が損傷する場合、通常、コンタクタ全体を分解して修理又は交換する必要があり、このような修理過程は手間がかかり、効率が低く、又は、コンタクタ全体を廃棄し、その結果、コストが増加してしまう。また、コンタクタを取り外す際に、通常、ケーブル/銅バスバー接続線を緩める必要があり、その結果、大量の時間がかかる。
【0005】
従って、コンタクタのメンテナンス及び修理の効率化及び容易化は解決を急ぐべき問題である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
従って、本開示は、体積が小さく、構成が簡単で、交換が容易で、修理及びメンテナンス効率が高く、様々な応用ニーズを満たすことができるモジュール化されたコンタクタ提供することを目的とする。
【0007】
本開示はモジュール化されたコンタクタに関し、該モジュール化されたコンタクタは駆動モジュール、中間接続モジュール、遮断モジュール、上部アプリケーションインタフェースモジュール及び下部アプリケーションインタフェースモジュールを備え、前記駆動モジュールは固定コア、コイル及び制御部材を備え、前記中間接続モジュールは可動コアを備え、前記遮断モジュールは複数の遮断ユニットを備え、前記駆動モジュールは、前記制御部材の制御下で前記可動コアを移動駆動できるように前記中間接続モジュールの第1側に取り外し可能に接続され、前記遮断モジュールは、前記複数の遮断ユニットが前記可動コアの駆動下でオン又はオフできるように前記中間接続モジュールの第1側と対向する第2側に取り外し可能に接続され、前記上部アプリケーションインタフェースモジュールは、前記複数の遮断ユニットの上固定接点に電気的に接続できるように前記遮断モジュールの上部に取り外し可能に接続され、前記下部アプリケーションインタフェースモジュールは、前記複数の遮断ユニットの下固定接点に電気的に接続できるように前記遮断モジュールの底部に取り外し可能に接続される。
【0008】
一実施形態では、前記モジュール化されたコンタクタはベースハウジングをさらに備え、前記中間接続モジュールは前記ベースハウジングに取り外し可能に接続され、前記遮断モジュールは前記ベースハウジング内に収容可能であり、前記モジュール化されたコンタクタは前記ベースハウジングを介して取付板に設けられる。
【0009】
一実施形態では、前記モジュール化されたコンタクタは前記駆動モジュールのハウジングを介して取付板に設けられる。
【0010】
一実施形態では、前記複数の遮断ユニットはそれぞれ、それぞれのサブハウジング内に収容され、前記モジュール化されたコンタクタは前記サブハウジングを介して取付板に設けられる。
【0011】
一実施形態では、前記中間接続モジュールは、前記可動コアの前記遮断モジュールに近接する端部に設けられるストッパーをさらに備え、前記複数の遮断ユニットの各々は、その可動接点に設けられ且つ前記遮断モジュールのハウジング外まで突出している接続部品を備え、前記遮断モジュールが前記中間接続モジュールの第2側に設けられる場合、前記ストッパーは前記接続部品を介して前記遮断ユニットの可動接点と前記遮断ユニットの固定接点とを分離する。
【0012】
一実施形態では、前記中間接続モジュールは、前記中間接続モジュールのハウジングと前記可動コアとの間に設けられ、前記可動コアをオフ位置に弾性的に偏圧して前記遮断ユニットの可動接点と前記遮断ユニットの固定接点とを分離するための弾性素子をさらに備える。
【0013】
一実施形態では、前記駆動モジュールのハウジングに複数の第1孔が設けられ、前記中間接続モジュールのハウジングの第1側には前記複数の第1孔にそれぞれ嵌合する複数の第2孔が設けられ、それにより複数のねじと前記複数の第1孔及び前記複数の第2孔によって前記駆動モジュールを前記中間接続モジュールの第1側に取り付ける。
【0014】
一実施形態では、前記遮断モジュールのハウジングにそれぞれ複数の第3孔及び複数のフック部が設けられ、前記中間接続モジュールのハウジングの第2側には、前記複数の第3孔に嵌合する複数の第4孔、及び前記複数のフック部に嵌合する複数の溝が設けられ、それにより係合及び複数のねじと前記複数の第3孔及び前記複数の第4孔によって前記遮断モジュールを前記中間接続モジュールの第2側に取り付ける。
【0015】
一実施形態では、前記中間接続モジュールのハウジングに複数の第5孔が設けられ、前記ベースハウジングには、前記複数の第5孔に嵌合する複数の第6孔が設けられ、それにより複数のねじと前記複数の第5孔及び前記複数の第6孔によって、前記中間接続モジュールを前記ベースハウジングに取り付け、且つ前記遮断モジュールを前記ベースハウジング内に収容する。
【0016】
一実施形態では、前記上部アプリケーションインタフェースモジュールは複数の上突出部を備え、前記ベースハウジングの上部は前記複数の上突出部に嵌合する複数の上溝を備え、前記下部アプリケーションインタフェースモジュールは複数の下溝を備え、前記ベースハウジングの底部は前記複数の下溝に嵌合する複数の下突出部を備え、前記複数の上突出部がそれぞれ前記複数の上溝内に係合されることによって、前記上部アプリケーションインタフェースモジュールを前記ベースハウジングの上部に取り付け、前記複数の下突出部がそれぞれ前記下溝内に係合されることによって、前記下部アプリケーションインタフェースモジュールを前記ベースハウジングの底部に取り付ける。
【0017】
一実施形態では、前記駆動モジュールは動力モジュール及び制御モジュールを備え、前記動力モジュールは前記固定コア及び前記コイルを備え、前記制御モジュールは前記制御部材を備える。
【0018】
一実施形態では、前記動力モジュールと前記制御モジュールは取り外し可能に接続されるか、又はそれぞれ前記中間接続モジュールの第1側に取り外し可能に接続される。
【0019】
一実施形態では、前記上部アプリケーションインタフェースモジュールと前記下部アプリケーションインタフェースモジュールは、接続端子の位置及び高さを調整するように、それぞれ異なる形状の銅バスバーを備える。
【0020】
一実施形態では、前記上部アプリケーションインタフェースモジュールの銅バスバー及び/又は前記下部アプリケーションインタフェースモジュールの銅バスバーはC字型又はZ字型形状を有する。
【0021】
以下で図面を参照して詳細に説明される本開示の実施形態によって、本開示の利点及び目的をよりよく理解することができる。図面において各部材の関係をよりよく示すために、図面は縮尺に応じて作成されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は本開示のモジュール化されたコンタクタの第1実施例を高度に模式的に示す図である。
【
図2】
図2は本開示のモジュール化されたコンタクタの第2実施例を高度に模式的に示す図である。
【
図3】
図3は本開示のモジュール化されたコンタクタの第3実施例を高度に模式的に示す図である。
【
図4】
図4は本開示のモジュール化されたコンタクタの第4実施例を高度に模式的に示す図である。
【
図5】
図5は本開示のモジュール化されたコンタクタの構造分解図である。
【
図6a】
図6aは本開示のモジュール化されたコンタクタの断面図である。
【
図6b】
図6bは本開示の別のモジュール化されたコンタクタの模式図であり、上部アプリケーションインタフェースモジュール及び下部アプリケーションインタフェースモジュールの断面図を示す。
【
図6c】
図6cは本開示のさらに別の実施例に係るモジュール化されたコンタクタの上部アプリケーションインタフェースモジュールの部分断面図である。
【
図7】
図7は本開示のモジュール化されたコンタクタの部分模式図であり、中間接続モジュールと遮断モジュールとの接続形態を示す。
【
図8】
図8は本開示のモジュール化されたコンタクタの部分模式図であり、どのように駆動モジュールをモジュール化されたコンタクタの残りの部分に接続するかを示す。
【
図9】
図9は本開示のモジュール化されたコンタクタの部分模式図であり、接続された駆動モジュール、中間接続モジュール及び遮断モジュールをどのようにベースハウジングに取り付けるかを示す。
【
図10】
図10は本開示のモジュール化されたコンタクタの部分模式図であり、どのように上部アプリケーションインタフェースモジュールをベースハウジングに取り付けるかを示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図面を参照しながら本開示の各実施例を詳細に説明する。ここでは、注意する必要がある点として、図面において、同じ符号はほぼ同じ又は類似する構造及び機能を有する構成要素に付与され、且つそれらについての重複説明を省略する。特に断らない限り、本明細書における「第1側」、「第2側」、「右側」、「左側」などの用語はいずれも本開示の図面に基づいて説明されるものである。「第1」及びその変形の説明は単に各部材を区別することに用いられ、本開示の範囲を限定するものではなく、本開示の範囲を逸脱せずに、「第1部材」は「第2部材」などと記されてもよい。
【0024】
本明細書の図面は模式図であり、本開示のアイディアを説明することを支援し、各部分の形状及びその相互関係を模式的に示す。
【0025】
以下、
図1~
図4を参照しながら本開示の様々な実施形態を詳細に説明する。
【0026】
図1-4に示すように、本開示のモジュール化されたコンタクタは、駆動モジュール1、中間接続モジュール2、遮断モジュール3、上部アプリケーションインタフェースモジュール4及び下部アプリケーションインタフェースモジュール5を備える。模式図を簡素化するために、図において中間接続モジュール2が省略されている。理解できるように、中間接続モジュール2は駆動モジュール1と遮断モジュール3との間に位置し、駆動モジュール及び遮断モジュールを支持し、ガスガイド部材及びリセット部材などを提供する。
【0027】
たとえば、駆動モジュール1は固定コア、コイル及び制御部材を備え、中間接続モジュール2は可動コアを備え、遮断モジュール3は複数の遮断ユニットを備える。上部アプリケーションインタフェースモジュール4及び下部アプリケーションインタフェースモジュール5はユーザーの接続端子に電気的に接続されるようにそれぞれ複数の銅バスバーを備えることで、必要に応じてモジュール化されたコンタクタを様々な応用の主回路に電気的に接続する。駆動モジュールは、制御部材の制御下で可動コアを移動駆動できるように中間接続モジュールの第1側に取り外し可能に接続される。遮断モジュールは、複数の遮断ユニットが可動コアの駆動でオン又はオフできるように中間接続モジュールの第1側と対向する第2側に取り外し可能に接続される。上部アプリケーションインタフェースモジュールは、複数の遮断ユニットの上固定接点に電気的に接続できるように遮断モジュールの上部に取り外し可能に接続される。下部アプリケーションインタフェースモジュールは、複数の遮断ユニットの下固定接点に電気的に接続できるように遮断モジュールの底部に取り外し可能に接続される。
【0028】
図1はモジュール化されたコンタクタの第1実施例を示し、
図1に示すように、遮断モジュール3は、たとえば、3つの遮断ユニットを備え、図中の破線ボックスに示すように、それらはベースハウジングである1つのハウジング内に配置される。モジュール化されたコンタクタは、様々な応用におけるコンタクタの固定を実現するように、ベースハウジングを介して取付板(図中の最大の長方形板)に設けられてもよい。上部アプリケーションインタフェースモジュール4及び下部アプリケーションインタフェースモジュール5はそれぞれベースハウジングの上部及び底部に取り付けられ、さらにベースハウジング内に収容された遮断モジュールの上部及び底部に接続される。駆動モジュール1は遮断モジュール3を収容するベースハウジングの取付板から離れた側に位置する。
【0029】
図2はモジュール化されたコンタクタの第2実施例を示し、
図1における第1実施例との相違点について、モジュール化されたコンタクタは駆動モジュール1のハウジングを介して取付板に設けられる。つまり、
図2における駆動モジュール1は遮断モジュール3と取付板との間に位置する。
【0030】
図3はモジュール化されたコンタクタの第3実施例を示し、
図1における第1実施例との相違点について、3つの遮断ユニットはそれぞれ、それぞれのサブハウジング内に収容され、従って、
図3におけるモジュール化されたコンタクタはベースハウジングを備えず、上部アプリケーションインタフェースモジュール4及び下部アプリケーションインタフェースモジュール5はそれぞれ遮断モジュールの上部及び底部に取り付けられ、モジュール化されたコンタクタは3つのサブハウジングを介して取付板に設けられる。
【0031】
図4はモジュール化されたコンタクタの第4実施例を示し、
図3における構造と類似し、相違点について、モジュール化されたコンタクタは駆動モジュール1のハウジングを介して取付板に設けられ、すなわち、駆動モジュール1は遮断モジュール3と取付板との間に位置する。
【0032】
また、
図1-4に示すように、駆動モジュール1は動力モジュール6及び制御モジュール7を備えてもよく、動力モジュール6は制御モジュール7の上方に位置し、動力モジュールは、たとえば、固定コア及びコイルを備え、制御モジュールは、たとえば、制御部材を備える。たとえば、動力モジュール6と制御モジュール7がソフト接続によって電気的に接続されることで、たとえば回路基板の形態を有する制御部材はトリガー命令を送信して動力モジュールのコイルに給電することができる。ほかの例では、動力モジュール6は制御モジュール7の下方に位置するか、又は動力モジュール6と制御モジュール7は水平方向において並列に設けられるようにしてもよい。たとえば、動力モジュールと制御モジュールはそれぞれのハウジングを介して取り外し可能に接続されるか、又はそれぞれ中間接続モジュールの第1側に取り外し可能に接続される。
【0033】
本開示のモジュール化されたコンタクタの各モジュールの位置は上記実施例に限定されない。ほかの例では、駆動モジュールと中間接続モジュールは1つのモジュールに合併されてもよく、すなわち、駆動モジュールと中間接続モジュールは同一のハウジング内に収容され、該モジュールは遮断モジュールに取り外し可能に接続される。
【0034】
以下、
図5~
図7を参照しながら本開示に係るモジュール化されたコンタクタの具体的な構造を詳細に説明する。
【0035】
図5はモジュール化されたコンタクタの構造分解図であり、
図6a及び6bは
図5のモジュール化されたコンタクタの各モジュールを一体に組み立てる時の模式図である。
図7はモジュール化されたコンタクタの部分模式図であり、中間接続モジュールと遮断モジュールとの接続形態を示す。
【0036】
図5及び
図6a-6bに示すように、モジュール化されたコンタクタ100は駆動モジュール1、中間接続モジュール2、遮断モジュール3、上部アプリケーションインタフェースモジュール4及び下部アプリケーションインタフェースモジュール5を備える。駆動モジュール1は中間接続モジュール2の第1側(図中の観察者に面する側)に取り外し可能に接続され、遮断モジュール3は中間接続モジュール2の第1側と対向する第2側(図中の観察者とは反対側)に取り外し可能に接続される。また、モジュール化されたコンタクタはベースハウジング8をさらに備え、中間接続モジュール2はベースハウジングに取り外し可能に接続され、各モジュールが一体に組み立てられている時、遮断モジュールがベースハウジング内に収容される。上部アプリケーションインタフェースモジュール4はベースハウジング8の上部に取り外し可能に取り付けられ、さらにベースハウジング内に収容された遮断モジュール3の上部に取り外し可能に接続されることで、複数の遮断ユニットの上固定接点に電気的に接続できる。下部アプリケーションインタフェースモジュール5はベースハウジング8の底部に取り外し可能に取り付けられ、さらにベースハウジング内に収容された遮断モジュール3の底部に取り外し可能に接続されることで、複数の遮断ユニットの下固定接点に電気的に接続できる。
【0037】
図5及び
図6a-6bに示すように、駆動モジュール1のハウジング内に固定コア9、コイル10及び制御部材11が設けられる。制御部材11は、たとえば、回路基板の形態を有し、トリガー命令を送信してコイル10に給電することができる。また、制御部材とほかの部材との間にクイックプラグが存在し、制御部材を修理又は交換する際に、改めて接続する必要がなく、従って所要の時間及びコストを低減させることができる。
【0038】
図5-7に示すように、中間接続モジュール2のハウジング内に可動コア12、弾性部品13及びストッパー16が設けられる。ストッパー16は可動コア12の遮断モジュール3に近接する端部に設けられる。弾性部品13の一端は中間接続モジュールのハウジングに設けられ、他端は可動コアに設けられ、可動コアをオフ位置に弾性的に偏圧して各遮断ユニットの可動接点と固定接点とを分離することに用いられる。弾性部品は、たとえば、ねじりばねである。
【0039】
また、
図5に示すように、遮断モジュール3は複数の遮断ユニットを備え、たとえば3つの遮断ユニットを備える。
図5-6に示すように、複数の遮断ユニットの各々はその可動接点に設けられ且つ遮断モジュールのハウジング外まで突出している接続部品14を備える。遮断ユニットがそれぞれのサブハウジングを有する場合、接続部品14はサブハウジング外まで突出している。
【0040】
図6a-6bに示すように、モジュール化されたコンタクタが一体に組み立てられる時、遮断モジュールは中間接続モジュールの第2側(すなわち、中間モジュールの右側)に設けられ、ストッパー16は接続部品14を介して遮断ユニットの可動接点と遮断ユニットの固定接点とを分離し、それにより遮断モジュールのオフを維持する。
【0041】
駆動モジュールのコイル9が通電されると、固定コア10が電磁引力を発生させ、可動コア12を引き寄せて左へ移動させ、さらにストッパー16を左へ移動させ、このとき、ストッパーが接続部品14を阻止しなくなり、可動接点をその弾性部品の作用下で左へ移動させる。可動コアがそのオン位置まで移動すると、可動接点が固定接点に接触して遮断モジュールをオンにする。コイル9への通電が解除されると、弾性部品13の付勢力の作用下で、可動コア12が右へ移動してそのオフ位置に戻り、さらにストッパー16を右へ移動させ、このとき、ストッパーは接続部品14を駆動して可動接点を右へ移動させて固定接点と分離し、それにより遮断モジュールをオフにする。
【0042】
図5は異なるタイプの上部アプリケーションインタフェースモジュール4及び下部アプリケーションインタフェースモジュール5を示す。上部アプリケーションインタフェースモジュール4は接続端子に接続される複数の銅バスバー18を備え、たとえば3つの銅バスバー18を備え、その数が遮断ユニットの数に対応する。別のタイプの上部アプリケーションインタフェースモジュール4′は、たとえば、3つの銅バスバー18′を備える。
図6a-6bに示すように、ボルトによって、上部アプリケーションインタフェースモジュール及び下部アプリケーションインタフェースの銅バスバーがそれぞれユーザーの接続端子に電気的に接続される。
図6a及び
図6bに示すように、上部アプリケーションインタフェースモジュール4と4′の相違点について、銅バスバー18は平板上であり、且つ遮断ユニットの上固定接点に近接するが、銅バスバー18′は略「C」字型の形状を有し、且つ接続端子に接続された部分が遮断ユニットの上固定接点から離れる。下部アプリケーションインタフェースモジュール5は接続端子に接続される複数の銅バスバー19を備え、たとえば3つの銅バスバー19を備え、その数が遮断ユニットの数に対応する。別のタイプの上部アプリケーションインタフェースモジュール5′は、たとえば、3つの銅バスバー19′を備える。
図6a及び
図6bに示すように、下部アプリケーションインタフェースモジュール5と5′の相違点について、銅バスバー19は平板上であるが、銅バスバー19′は略「C」字型の形状を有し且つ接続端子に接続された部分が遮断ユニットの下固定接点から離れる。
図6cに示すように、上部アプリケーションインタフェースモジュールの銅バスバー18′′は略「Z」字型の形状を有してもよく、下部アプリケーションインタフェースの銅バスバーは略「Z」字型の形状を有してもよい。このような形態では、ユーザーは異なるタイプのアプリケーションインタフェースモジュールを選択するだけで、銅バスバーに接続された接続端子の位置及び高さを調整し、さらに上下段の製品と組み合わせることができ、たとえば、上位保護ブレカーと面一になるように維持する。従って、本開示のモジュール化されたコンタクタは様々な状況に柔軟に適用でき、複雑な配線が不要である。
【0043】
以下、
図5及び
図7-10を参照しながら本開示に係るモジュール化されたコンタクタの各モジュール間の接続を詳細に説明する。
【0044】
図8はどのように駆動モジュールをモジュール化されたコンタクタの残りの部分に接続するかを示す。
図8に示すように、駆動モジュール1のハウジングに複数の第1孔21が設けられ、たとえば、駆動モジュールのハウジングの四隅に位置する4つの第1孔21が挙げられ、中間接続モジュール2のハウジングの第1側には、複数の第1孔にそれぞれ嵌合する複数の第2孔20が設けられ、たとえば、中間接続モジュール2のハウジングの四隅に位置する4つの第2孔20が挙げられる。複数のねじを複数の第1孔21及び複数の第2孔20にねじ込むことで、駆動モジュール1を中間接続モジュール2のハウジングの第1側に取り付けることができる。複数のねじを複数の第1孔21及び複数の第2孔20からねじ抜くことで、一体に組み立てられた駆動モジュール1と中間接続モジュール2を取り外すことができる。本開示のほかの例では、駆動モジュールと中間接続モジュールは係合によって接続され得る。
【0045】
図5及び
図7に示すように、遮断モジュール3のハウジング(たとえば、複数の遮断ユニットのサブハウジング)にはそれぞれ複数の第3孔17及び複数のフック部15が設けられ、たとえば、各遮断ユニットはそれぞれ1つの第3孔及び1つのフック部を備え、中間接続モジュール2のハウジングの第2側(
図7中の右側)には、複数の第3孔に嵌合する複数の第4孔22及び複数のフック部15に嵌合する複数の溝23が設けられる。たとえば、中間接続モジュール2のハウジングに3つの第4孔22及び3つの溝23が設けられ、それらの数はそれぞれ遮断ユニットの数に対応する。フック部15を溝23に係合することで、複数の遮断ユニットの各々を中間接続モジュールのハウジングの第2側に取り付け、ねじを第3孔及び第4孔内に設けることで、複数の遮断ユニットの各々を該第2側に固定する。ねじを第3孔及び第4孔からねじ抜き、続いて、たとえば遮断モジュールの複数の遮断ユニットを上へ移動させることで、遮断モジュールを中間接続モジュールのハウジングから取り外すことができる。
【0046】
図9は接続された駆動モジュール、中間接続モジュール及び遮断モジュールをどのようにしてベースハウジングに取り付けるかを示す。
図9に示すように、中間接続モジュール2のハウジングに複数の第5孔25が設けられ、たとえば、中間接続モジュールのハウジングの上部に位置する2つの第5孔、及び中間接続モジュールのハウジングの底部に位置する2つの第5孔(図示せず)が挙げられ、ベースハウジング8には複数の第5孔25に嵌合する複数の第6孔24が設けられる。複数のねじを複数の第5孔及び複数の第6孔にねじ込むことで、中間接続モジュールをベースハウジングに取り付け且つ遮断モジュールをベースハウジング内に収容する。ねじを第5孔及び複数の第6孔からねじ抜くことで、一体に組み立てられた駆動モジュール、中間接続モジュール及び遮断モジュールをベースハウジングから取り外すことができる。
【0047】
図10はどのように上部アプリケーションインタフェースモジュール4をベースハウジングに取り付けるかを示す。上部アプリケーションインタフェースモジュール4は複数の上突出部26を備え、ベースハウジング8の上部は複数の上突出部に嵌合する複数の上溝27を備える。同様に、
図5に示すように、下部アプリケーションインタフェースモジュール5は複数の下溝28を備え、ベースハウジング8の底部は複数の下溝に嵌合する複数の下突出部29を備える。たとえば、上部アプリケーションインタフェースモジュール4は4つの上突出部26を備え、ベースハウジング8の上部は4つの上溝27を備え、下部アプリケーションインタフェースモジュール5は4つの下溝28を備え、ベースハウジング8の底部は4つの下突出部29を備える。
図10に示すように、上突出部26の上部アプリケーションインタフェースモジュールから離れる部分の寸法は上突出部26の上部アプリケーションインタフェースモジュールに近接する部分の寸法よりも大きく、それにより上溝27に係合可能であり、上下に移動できない。
図5に示すように、下突出部29のベースハウジングから離れる部分の寸法は下突出部29のベースハウジングに近接する部分の寸法よりも大きく、それにより下溝28に係合可能であり、上下に移動できない。
【0048】
たとえば、ベースハウジングの一側(
図10中の右側)から上部アプリケーションインタフェースモジュール4を押して上突出部26を上溝27内に押し込むことで、上突出部を上溝内に設けることができ、このように、上部アプリケーションインタフェースモジュールをベースハウジングの上部に取り付けることができる。次に、ボルトが上固定接点における孔及び上部アプリケーションインタフェースモジュールの銅バスバーにおける孔を挿通することで、上部アプリケーションインタフェースモジュールとベースハウジング及び遮断モジュールとを一体に固定することができる。上記ボルトを取り外した後、上部アプリケーションインタフェースモジュール4を逆方向に押して上突出部26を上溝27から押し出すことで、上部アプリケーションインタフェースモジュール4をベースハウジングから取り外すことができる。下部アプリケーションインタフェースモジュール5の取り付け及び取り外しは上部アプリケーションインタフェースモジュール4と同様であり、すなわち、下突出部を下溝内に設けることで、下部アプリケーションインタフェースモジュールをベースハウジングの底部に取り付けることができ、下突出部と下溝とを分離することで、下部アプリケーションインタフェースモジュールをベースハウジングから取り外すことができる。
【0049】
遮断ユニットに故障が発生して修理又は定期的なメンテナンスが必要である場合、ユーザーは、上部アプリケーションインタフェースモジュール及び下部アプリケーションインタフェースモジュールのケーブル/銅バスバー締め付けボルトを取り外す必要がなく、一体に組み立てられた駆動モジュール、中間接続モジュール及び遮断モジュールをベースハウジングから取り出すことができ、すなわち、ケーブル/銅バスバー接続線を緩める必要がなく、従って、メンテナンス及び修理にかかる時間及びコストを大幅に低減させ、品質リスクを低減させ、効率を向上させることができる。また、コイル又は回路基板に故障が発生して修理又は定期的なメンテナンスが必要である場合、ユーザーは、ほかのモジュールを取り外したりケーブル/銅バスバー接続線を緩めたりする必要がなく、駆動モジュールを中間接続モジュールから取り外して検出、修理又は交換を行うことができ、従って、メンテナンス及び修理にかかる時間及びコストを大幅に低減させ、品質リスクを低減させ、効率を向上させる。
【0050】
以上開示された各技術的特徴は開示されたほかの特徴との組み合わせに限定されず、当業者は発明の目的に応じて各技術的特徴間のほかの組み合わせを行うことができ、本開示の目的を実現できればよい。