(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-25
(45)【発行日】2023-08-02
(54)【発明の名称】インタフェース回路、データ伝送回路及びメモリ
(51)【国際特許分類】
G06F 12/00 20060101AFI20230726BHJP
G11C 5/04 20060101ALI20230726BHJP
【FI】
G06F12/00 550K
G06F12/00 564A
G06F12/00 597D
G11C5/04 220
(21)【出願番号】P 2022539728
(86)(22)【出願日】2021-06-30
(86)【国際出願番号】 CN2021103707
(87)【国際公開番号】W WO2022042017
(87)【国際公開日】2022-03-03
【審査請求日】2022-06-28
(31)【優先権主張番号】202010874189.2
(32)【優先日】2020-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522246670
【氏名又は名称】チャンシン メモリー テクノロジーズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CHANGXIN MEMORY TECHNOLOGIES,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】リン フェン
【審査官】北村 学
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第210805229(CN,U)
【文献】特開2000-163994(JP,A)
【文献】特開2004-126772(JP,A)
【文献】特開2006-209638(JP,A)
【文献】特開2008-225956(JP,A)
【文献】特開2009-009633(JP,A)
【文献】中国実用新案第210805230(CN,U)
【文献】米国特許第10573373(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 12/00
G11C 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インタフェース回路であって、クロックパッドと、M個のデータパッドと、M個の入力バッファ回路と、を含み、
前記クロックパッドは、クロック信号を伝送するためのものであり、
前記M個のデータパッドは、データ信号を伝送するためのものであり、
前記M個の入力バッファ回路は、前記データパッドに一対一で対応し、各前記入力バッファ回路が前記クロック信号の駆動によって、対応する前記データパッドから伝送された前記データ信号を受信し、
前記クロックパッド及び前記データパッドは第1行に配置され、
前記クロックパッド全体の前記第1行の配置方向における中心位置で、前記第1行の配置方向において、前記インタフェース回路が第1領域と第2領域と区画され、前記第1領域と前記第2領域との間の境界を軸線とし、前記軸線が前記第1行に垂直し、前記M個のデータパッドは前記クロックパッドの両側に配置され、前記クロックパッドの両側に前記M個のデータパッドが半分ずつ配置され、前記M個の入力バッファ回路は第2行に配置され
、前記M個の入力バッファ回路は前記軸線の両側に配置され、前記軸線の両側に前記M個の入力バッファ回路が半分ずつ配置され、前記入力バッファ回路の各々と前記軸線との距離は、前記入力バッファ回路に対応する前記データパッドと前記軸線との距離よりも小さく、前記Mは2以上の整数であ
り、
前記入力バッファ回路の各々から前記入力バッファ回路に対応する前記データパッドまでの入力データ経路の長さは第1長さであり、前記入力バッファ回路の各々から前記クロックパッドまでのクロック経路の長さは第2長さであり、前記第1長さと前記第2長さとは正相関しており、
前記インタフェース回路は、クロック処理回路を更に含み、前記クロック処理回路は、前記クロックパッド及び前記M個の入力バッファ回路のいずれかにも電気的に接続され、前記クロック信号を受信して前記クロック信号を処理した後に前記M個の入力バッファ回路の駆動クロックとするために用いられる、
インタフェース回路。
【請求項2】
前記クロックパッドは、差動入力パッドであり、第1クロックパッド及び第2クロックパッドを含み、前記第1クロックパッド及び前記第2クロックパッドはそれぞれ、相補的な前記クロック信号を伝送し、
前記第1クロックパッド及び前記第2クロックパッドは
、それぞれ前記第1領域と前記第2領域に位置し、前記軸線に対して対称に配置される
請求項1に記載のインタフェース回路。
【請求項3】
前記クロック処理回路はクロック受信回路及びクロック生成回路を含み、前記クロック受信回路は前記クロックパッドに電気的に接続され、前記クロック信号を受信するために用いられ、前記クロック受信回路の出力は前記クロック生成回路の入力とされ、前記クロック生成回路は前記駆動クロックを生成するために用いられる
請求項
1に記載のインタフェース回路。
【請求項4】
マーク信号を伝送するためのマークパッドと、
前記マークパッドに対応するマークバッファ回路と、を更に含み、
前記マークバッファ回路は、前記クロック信号の駆動によって、前記マークパッドから伝送された前記マーク信号を受信するために用いられる
請求項1に記載のインタフェース回路。
【請求項5】
前記マークパッドは前記第1行に配置され、且つ前記データパッドと前記クロックパッドとの間に位置し、前記マークバッファ回路は前記第2行に配置され、且つ前記軸線の前記マークパッドと同じ側に位置し、且つ前記入力バッファ回路と前記軸線との間に位置し、前記マークバッファ回路と前記軸線との距離は、前記マークバッファ回路に対応する前記マークパッドと前記軸線との距離よりも短い
請求項
4に記載のインタフェース回路。
【請求項6】
前記データパッドに一対一で対応するM個の出力バッファ回路を更に含み、
各前記出力バッファ回路が前記クロック信号の駆動によって、前記データ信号を対応するデータパッドに送信し、
前記出力バッファ回路の各々から前記出力バッファ回路に対応する前記データパッドまでの出力データ経路の長さは同じである
請求項1に記載のインタフェース回路。
【請求項7】
前記入力バッファ回路はマルチプレクサ及びラッチを含み、前記マルチプレクサは前記データ信号を受信し、前記データ信号を処理した後に前記ラッチに出力し、前記ラッチの出力は前記入力バッファ回路の出力とされる
請求項1に記載のインタフェース回路。
【請求項8】
データ伝送回路であって、
請求項1から
7のいずれか一項に記載のインタフェース回路を含み、
M個の直並列変換回路を更に含み、前記M個の直並列変換回路は、前記M個の入力バッファ回路に一対一で対応し、前記入力バッファ回路の各々の出力は、対応する前記直並列変換回路の入力とされる、データ伝送回路。
【請求項9】
前記M個の直並列変換回路は第3行に配置され、前記軸線の同じ側に位置する前記入力バッファ回路の各々と前記入力バッファ回路に対応する前記直並列変換回路との間の伝送経路の長さはそれぞれ異なる
請求項
8に記載のデータ伝送回路。
【請求項10】
前記M個の直並列変換回路は前記M個のデータパッドに一対一で対応し、前記直並列変換回路の各々から前記直並列変換回路に対応する前記データパッドまでの距離は同じである
請求項
8に記載のデータ伝送回路。
【請求項11】
前記M個の直並列変換回路に一対一で対応するM個の先入れ先出し回路と、
前記M個の先入れ先出し回路に一対一で対応するM個の並直列変換回路であって、各前記先入れ先出し回路の出力は前記先入れ先出し回路に対応する前記並直列変換回路の入力とされる並直列変換回路と、
前記M個の並直列変換回路に一対一で対応するM個の駆動回路であって、各前記並直列変換回路の出力は前記並直列変換回路に対応する前記駆動回路の入力とされ、前記M個の駆動回路は更に前記M個のデータパッドに一対一で対応する駆動回路と、を更に含む
請求項
8に記載のデータ伝送回路。
【請求項12】
M個の選択可能入力バッファ回路を更に含み、前記M個の選択可能入力バッファ回路の数が前記入力バッファ回路の数と同じであり、前記入力バッファ回路と並行に設置される
請求項
11に記載のデータ伝送回路。
【請求項13】
請求項
8から
12のいずれか一項に記載のデータ伝送回路を含む、メモリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2020年8月26日に提出された、名称が「インタフェース回路、データ伝送回路及びメモリ」であり、出願の番号が第202010874189.2号である中国特許出願を参照し、その全ては参照によって本願に組み込まれる。
【0002】
本願の実施例はインタフェース回路、データ伝送回路及びメモリに関する。
【背景技術】
【0003】
ダイナミックランダムアクセスメモリ(Dynamic Random Access Memory:DRAMと略称)は、コンピュータで一般的に使用される半導体メモリデバイスであり、複数の記憶ユニットから構成される。各記憶ユニットは一般的にコンデンサ及びトランジスタを含み、トランジスタは、ゲートがワード線に接続され、ドレインがビット線に接続され、ソースがコンデンサに接続され、ワード線における電圧信号はトランジスタのオン又はオフを制御することができ、それによって、ビット線を介してコンデンサに記憶されているデータ情報を読み出すか、又はビット線を介してデータ情報をコンデンサに書き込んで記憶する。
【0004】
DRAMは、ダブルデータレート(Double Data Rate:DDRと略称)ダイナミックランダムメモリ、GDDR(Graphics Double Data Rate)ダイナミックランダムメモリ、低消費電力ダブルデータレート(Low Power Double Data Rate:LPDDRと略称)ダイナミックランダムメモリに分けてもよい。DRAMの適用分野がますます多くなり、例えばDRAMがモバイル分野にますます多く適用されるにつれて、DRAMの速度、消費電力等の指標に対する使用者の要求はますます高くなってきている。
【発明の概要】
【0005】
本願の実施例はインタフェース回路を提供する。前記M個の入力バッファ回路は、前記データパッドに一対一で対応し、各前記入力バッファ回路が前記クロック信号の駆動によって、対応する前記データパッドから伝送された前記データ信号を受信し、
前記クロックパッド及び前記データパッドは第1行に配置され、前記M個のデータパッドは前記クロックパッドの両側に配置され、前記クロックパッドの両側に前記M個のデータパッドが半分ずつ配置され、前記M個の入力バッファ回路は第2行に配置され、前記クロックパッドを基準として前記第1行に垂直する軸線を形成し、前記M個の入力バッファ回路は前記軸線の両側に配置され、前記軸線の両側に前記M個の入力バッファ回路が半分ずつ配置され、前記入力バッファ回路の各々と前記軸線との距離は、前記入力バッファ回路に対応する前記データパッドと前記軸線との距離よりも小さく、前記Mは2以上の整数である。
【0006】
本願の実施例はデータ伝送回路を更に提供する。前記データ伝送回路は、上記インタフェース回路と、M個の直並列変換回路であって、前記M個の入力バッファ回路に一対一で対応し、前記入力バッファ回路の各々の出力は対応する前記直並列変換回路の入力として用いられる直並列変換回路と、を含む。
【0007】
本願の実施例は、上記インタフェース回路を含むメモリを更に提供する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】本願の実施例により提供されるインタフェース回路の構成図である。
【
図3】本願の実施例により提供されるインタフェース回路の別の構成図である。
【
図4】本願の実施例により提供されるインタフェース回路の更に別の構成図である。
【
図5】本願の実施例により提供されるインタフェース回路のレイアウト模式図である。
【
図6】
図1により提供されるインタフェース回路に対応するレイアウト模式図である。
【
図7】本願の実施例により提供される、データパッドがコマンドパッド及びアドレスパッドを含むインタフェース回路の4つの構成図である。
【
図8】本願の実施例により提供される、データパッドがコマンドパッド及びアドレスパッドを含むインタフェース回路の4つの構成図である。
【
図9】本願の実施例により提供される、データパッドがコマンドパッド及びアドレスパッドを含むインタフェース回路の4つの構成図である。
【
図10】本願の実施例により提供されるデータ伝送回路のレイアウト模式図である。
【
図11】本願の実施例により提供されるメモリが記憶システムに適用される構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
メモリでは、書き込みのデータサンプリング信号(Dqs信号又はWck信号)はデータを書き込むためのクロックとして用いられ、書き込み操作において、Dqs信号又はWck信号のエッジ(立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジ)は、データ信号(DQ信号)の中心とタイミング的に合わせる必要がある(タイミングマージンを考慮すると、中心とタイミング的にほぼ合わせてもよい場合がある)。DQ信号の伝送経路はデータ経路として定義され、データ経路の長さは、DQ信号がデバイスのデータポート(例えばレジスタのデータポート)に到達する時間に影響し、Dqs信号又はWck信号の伝送経路はクロック経路として定義され、クロック経路の長さはDqs信号又はWck信号がデバイスのクロックポート(例えばレジスタのクロックポート)に到達する時間に影響し、DQ信号のデータ経路とDqs信号又はWck信号のクロック経路との差(Dqs信号又はWck信号のエッジとDQ信号の中心との間の時間間隔)をtDQS2DQ又はtWCK2DQとして定義し、tDQS2DQ又はtWCK2DQが小さいほど、データ経路とクロック経路とはより調和することになり、対応する回路のタイミングはより正確になる。
【0010】
以下において、
図1と組み合わせて具体的に分析し、
図1はインタフェース回路の構成図である。
【0011】
図1を参照すると、インタフェース回路は、複数のデータパッド11と、クロックパッド13と、複数の入力バッファ回路14と、を含み、複数のデータパッド11は、データ信号を伝送するための並行に設置され、複数のデータパッド11の半分が中央軸線AA1の一側に分布し、残りの半分が中央軸線AA1の他側に分布し、クロックパッド13は中央軸線AA1に位置し、複数の入力バッファ回路14はデータパッド11に対応し、各入力バッファ回路14から対応するデータパッド11までのデータ経路が同じ、又は所定の誤差範囲内でほぼ同じであり、実際の回路設計及び製造プロセスでは、経路が同じであることが理想的な状況に過ぎないことを考慮すると、ここで及び以下に記載する経路が同じであるという記載はいずれも、所定の誤差範囲内でほぼ同じであるという意味を含み、ここでの所定の誤差範囲は、異なる経路間の誤差が1%以内又は3%以内であると理解することができるが、これを限定しない。インタフェース回路は、複数の出力バッファ回路(図示せず)と、クロック受信回路16と、クロック生成回路17と、を更に含み、前記複数の出力バッファ回路は、データパッド11に対応し、各出力バッファ回路から対応するデータパッド11までのタイミング経路が同じであり、クロック受信回路16は、クロックパッド13に電気的に接続され、クロック信号を受信してクロック信号をクロック生成回路17に伝送するために用いられ、クロック生成回路17が該クロック信号を受信して駆動クロックを生成し、入力バッファ回路14が該駆動クロック及びデータ信号を受信してデータ信号を伝送する。
【0012】
図1では、DQ0/DQ1…DQ7でデータパッド11を示し、Dqsでクロックパッド13を示し(以下においてもDqsを例として、Wckの適用はDqsと同じ又は類似し、例えば、LPDDR4ではクロックはDqsと呼ばれ、LPDDR5ではクロックはWckと呼ばれる)、RX0/RX1…RX7で入力バッファ回路14を示し、該入力バッファ回路14は受信回路でもあり、RX_CLKでクロック受信回路16を示し、CLK GENでクロック生成回路17を示す。
【0013】
データパッド11のデータ信号が対応する入力バッファ回路14に伝送されるデータ経路は第1経路であり、クロックパッド13のクロック信号が対応する入力バッファ回路14に伝送されるタイミング経路は第2経路である。
図1では、異なる入力バッファ回路14は同じ第1経路を有するが、入力バッファ回路14がクロックパッド13から遠いほど、その第2経路が長くなるため、クロックパッド13から遠いほど、対応する第1経路と第2経路との差が大きくなり、それにより、対応するtDQS2DQは大きくなり、タイミング違反の問題は酷くなり、
図1には、クロックパッド13から最も遠い入力バッファ回路14に対応するtDQS2DQが示されている。
【0014】
異なるデータパッド11のデータ信号が対応する入力バッファ回路14に到達する時刻は近接しているが、
図1における入力バッファ回路14のうちのクロックパッド13から最も遠いもの及び最も近いものを例として説明すると、クロック信号がクロックパッド13から最も遠い入力バッファ回路14(DQ0に対応する入力バッファ回路14)に到達する時刻は最も遅く、そしてクロック信号がクロックパッド13に最も近い入力バッファ回路14(DQ3に対応する入力バッファ回路14)に到達する時刻は最も早く、それにより、クロックパッド13に最も近い入力バッファ回路14は、一番早くデータ信号を受信して伝送するが、クロックパッド13から最も遠い入力バッファ回路14は、一番遅くデータ信号を伝送し、2つの入力バッファ回路14がデータ信号を伝送する時間差は大きい。対応的に、DQ3に対応する入力バッファ回路14のクロック経路がデータ経路と調和する場合、DQ0に対応する入力バッファ回路14のクロック経路はデータ経路に調和しにくい。
【0015】
具体的には、
図1を参照すると、各データパッド11はそれぞれ、対応する第1ポートd0/d1……d7を備え、各入力バッファ回路14はそれぞれ、データパッド11に対応する第1ポートに接続される第2ポートr0/r1…r7を備え、各入力バッファ回路14はそれぞれ、クロック生成回路17に接続される第3ポートv0/v1…v7を備え、クロック生成回路17は中央軸線AA1の一側に位置する各入力バッファ回路14に接続される第4ポートc0を備え、クロック生成回路17は中央軸線AA1の他側にある各入力バッファ回路14に接続される第5ポートc1を更に備える。RX0については、クロック信号のクロック経路がc0→v0であり、データ信号のデータ経路がd0→r0であり、RX1については、クロック信号のクロック経路がc1→v1であり、データ信号のデータ経路がd1→r1であり、順次に類推する。異なる入力バッファ回路14については、対応するデータ経路が変化しないが、入力バッファ回路14が中央軸線AA1に近いほど、そのクロック経路が短くなり、従って、tDQS2DQの差が大きいという問題があることは容易に分かる。
【0016】
上記分析から分かるように、異なる入力バッファ回路14に対応するtDQS2DQの差は大きく、それに対して、メモリでは、tDQS2DQの値に対して厳しい要求があり、例えば、tDQS2DQの値が800psを超えてはならないと要求され、そうでなければ、タイミング違反を引き起こす。
【0017】
上記問題を解決するために、本願の実施例はインタフェース回路を提供し、各入力バッファ回路を集中的にレイアウトすることで、クロック信号が各入力バッファ回路に伝送されるクロック経路を短縮し、それにより、tDQS2DQを短縮し、それによってタイミング違反の問題を改善する。以下において、図面と組み合わせて本実施例により提供されるインタフェース回路を詳細に説明する。
【0018】
図2は本願の実施例により提供されるインタフェース回路の構成図である。
【0019】
図2を参照すると、本実施例では、インタフェース回路は、クロックパッド102と、M個のデータパッド101と、M個の入力バッファ回路103と、を含み、クロックパッド102は、クロック信号を伝送するためのものであり、M個のデータパッド101は、データ信号を伝送するためのものであり、M個の入力バッファ回路103は、データパッド101に一対一で対応し、各入力バッファ回路103がクロック信号の駆動によって、入力バッファ回路103に対応するデータパッド101から伝送されたデータ信号を受信し、
クロックパッド102及びデータパッド101は第1行に配置され、M個のデータパッド101はクロックパッド102の両側に配置され、クロックパッド102の両側にM個のデータパッド101が半分ずつ配置され、M個の入力バッファ回路103は第2行に配置され、クロックパッド102を基準として第1行に垂直する軸線AA1を形成し、M個の入力バッファ回路103は軸線AA1の両側に配置され、軸線AA1の両側にM個の入力バッファ回路103が半分ずつ配置され、各入力バッファ回路103と軸線AA1との距離は、入力バッファ回路103に対応するデータパッド101と軸線AA1との距離よりも小さく、前記Mは2以上の整数である。Mが偶数、例えば8である場合、軸線AA1の各側に4つのデータパッド101が配置される。Mが奇数、例えば7である場合、軸線AA1の一側に3つのデータパッド101が配置され、他側に4つのデータパッド101が配置される。上記の「半分」は、Mが偶数である場合、M/2と理解されるべきであるが、Mが奇数である場合、(M-1)/2又は(M+1)/2と理解されるべきであり、後述する「半分」は同様に解釈される。
【0020】
M個のデータパッド及びクロックパッドは第1行に配置され、M個のデータパッドはそれぞれクロックパッドの両側に配置され、データパッドを基準として第1行に垂直する軸線を形成し、M個の入力バッファ回路は軸線の両側に配置され、各側にM個の入力バッファ回路が半分ずつ配置され、各入力バッファ回路と軸線との距離は、入力バッファ回路に対応するデータパッドと軸線との距離よりも小さい。本願の実施例では、入力バッファ回路に対して集中化処理を行うことで、クロック信号が各入力バッファ回路に伝送されるクロック経路を短縮し、クロック経路とデータ経路との調和度を向上させ、更にtDQS2DQ及びタイミング違反の減少に寄与し、また、クロック経路が短縮されるため、更にインタフェース回路の電力損失を低減させる。
【0021】
以下において、図面と組み合わせて本実施例により提供されるインタフェース回路を詳細に説明する。
【0022】
本実施例では、インタフェース回路は、LPDDR4のようなDRAMに適用されてもよい。
【0023】
本実施例では、M個のデータパッド101の半分は軸線AA1の一側に位置し、M個のデータパッド101の残りの半分は軸線AA1の他側に位置する。データパッド101はDQ信号を伝送するために用いられ、データ信号はDQ信号である。
【0024】
図2では、8つのデータパッド101を例として、各データパッド101をDQ0、DQ1、DQ2、DQ3、DQ4、DQ5、DQ6、DQ7で示し、対応的に、入力バッファ回路103の数も8つあり、各入力バッファ回路103をRX0、RX1、RX2、RX3、RX4、RX5、RX6、RX7で示す。他の実施例では、インタフェース回路の実際の需要に応じて、データパッドの数を合理的に設定できることが理解可能である。
【0025】
クロックパッド102はDqs信号を伝送するために用いることができ、クロック信号はDqs信号であり、Dqs信号は書き込みクロック信号又は読み出しクロック信号を意味し、
図2では、クロックパッド102をDqsで示す。
【0026】
図3は本願の実施例により提供されるインタフェース回路の別の構成図である。
図3に示すように、クロックパッド102は、差動入力パッドであってもよく、第1クロックパッド112及び第2クロックパッド122を含み、第1クロックパッド112及び第2クロックパッド122はそれぞれ、相補的なクロック信号を伝送する。具体的には、
図3では、第1クロックパッド112をDqs_tで示し、第1クロックパッド112はDqs_tクロック信号を伝送するために用いられ、第2クロックパッド122をDqs_cで示し、第2クロックパッド122はDqs_cクロック信号を伝送するために用いられる。
【0027】
本実施例では、第1クロックパッド112及び第2クロックパッド122は軸線AA1に対して対称に配置される。第1クロックパッド112と軸線AA1の一側に位置する入力バッファ回路103とのクロック経路は第1クロック経路であり、第2クロックパッド122と軸線AA1の他側に位置する入力バッファ回路103とのクロック経路は第2クロック経路であり、このように設置することによって、第1クロック経路と第2クロック経路との差の減少に寄与し、それにより、第1クロック経路と第2クロック経路との大きな差によるtDQS2DQへの悪影響を低減又は回避する。
【0028】
説明すべきこととして、他の実施例では、第1クロックパッド及び第2クロックパッドは軸線の同じ側に配置されてもよい。
【0029】
更に説明すべきこととして、「第1行」については、クロックパッド102及びデータパッド101がインタフェース回路のパッド全体における第1行に配置されることを意味するのではなく、クロックパッド102及びデータパッド101が同じ行に配置されることを説明するための記載であり、軸線AA1の定義及び説明を容易にするためのものに過ぎない。実際のインタフェース回路において、クロックパッド102及びデータパッド101は、インタフェース回路のパッド全体における任意の行に配置されてもよい。
【0030】
同様に、「第2行」については、入力バッファ回路103がインタフェース回路のパッド全体における第2行に配置されることを意味するのではなく、M個の入力バッファ回路103が同じ行に設置され、且つクロックパッド102及びデータパッド101と異なる行に配置されることを説明するためのものに過ぎない。実際のインタフェース回路では、M個の入力バッファ回路103は、インタフェース回路のパッド全体における任意の行に配置されてもよく、そして入力バッファ回路103とデータパッド101との間には一行又は複数行のパッドが更に設置されてもよい。
【0031】
本実施例では、インタフェース回路は、クロック処理回路を更に含み、クロック処理回路は、クロックパッド102及びM個の入力バッファ回路103のいずれかにも電気的に接続され、クロック信号を受信し、クロック信号を処理した後にM個の入力バッファ回路103の駆動クロックとするために用いられる。つまり、入力バッファ回路103がクロック信号により駆動されることは、実際には、入力バッファ回路103がクロック信号を処理して生成された駆動クロックにより駆動されることである。
【0032】
クロック処理回路は軸線AA1と重なり、即ち、クロック処理回路は軸線AA1の所在位置に位置する。このように、駆動クロックが軸線AA1の両側に位置する入力バッファ回路103に伝送されるために必要なクロック経路の差の低減に寄与する。上記クロック処理回路が軸線AA1の所在位置に位置することは、クロック処理回路が軸線AA1に対して完全に対称に配置するという意味ではなく、回路の設計及び製造の実状を考慮すると、クロック回路はAA1の所在位置に略位置し、その中心線がAA1から所定の値、例えば10%又は20%外れることを許容する。
【0033】
本実施例では、クロック処理回路はクロック受信回路114及びクロック生成回路115を含む。クロック受信回路114はクロックパッド102に電気的に接続され、クロック信号を受信するために用いられ、クロック受信回路114の出力はクロック生成回路115の入力とされ、クロック生成回路115は駆動クロックを生成するために用いられる。クロック生成回路115は軸線AA1に位置する。
図2では、クロック受信回路114をRX_CLKで示し、クロック生成回路115をCLK GENで示す。
【0034】
具体的には、クロック受信回路114は、第1クロックパッド112に電気的に接続され、Dqs_tクロック信号を受信するために用いられる第1クロック受信回路と、第2クロックパッド122に電気的に接続され、Dqs_cクロック信号を受信するために用いられる第2クロック受信回路と、を含む。第1クロック受信回路及び第2クロック回路は軸線AA1に対して対称に配置される。
【0035】
入力バッファ回路103については、それはクロック信号の駆動によって、データ信号を受信し、しかもデータ信号を送信し続ける。つまり、データパッド101のデータ信号が入力バッファ回路103に伝送された時、クロック信号も入力バッファ回路103に伝送された場合しか、入力バッファ回路103は該データ信号を受信してデータ信号を伝送することがなく、データ信号が入力バッファ回路103に伝送されたにもかかわらず、クロック信号が到達していない場合、入力バッファ回路103は該データ信号を伝送しない。
【0036】
本実施例では、各入力バッファ回路103と軸線AA1との距離は、入力バッファ回路103に対応するデータパッド101と軸線AA1との距離よりも小さく、即ち、各入力バッファ回路103はデータパッド101よりも軸線AA1に近接する。具体的には、軸線AA1を基準として、M個の入力バッファ回路103のレイアウト密集度はM個のデータパッド101のレイアウト密集度よりも大きく、各データパッド101及びその対応する入力バッファ回路103について、データパッド101と軸線AA1との間の距離は入力バッファ回路103と軸線AA1との間の距離よりも大きい。データパッド101と軸線AA1との距離が近いほど、該データパッド101に対応する入力バッファ回路103と軸線AA1との距離は近くなる。
【0037】
具体的には、各入力バッファ回路103から該入力バッファ回路103に対応するデータパッド101までの入力データ経路の長さは第1長さであり、各入力バッファ回路103からクロックパッド102までのクロック経路の長さは第2長さであり、且つ第1長さと第2長さとは正相関している。即ち、全ての入力バッファ回路103について、第1長さが大きいほど、対応する第2長さは大きくなり、第1長さが小さいほど、対応する第2長さは小さくなる。つまり、データパッド101が軸線AA1から遠いほど、それに対応する入力バッファ回路103は軸線AA1から遠くなり、データパッド101が軸線AA1に近いほど、それに対応する入力バッファ回路103は軸線AA1に近くなる。
【0038】
図1に示される各入力バッファ回路と軸線との距離が対応するデータパッドと軸線との距離に等しいという態様と比較すると、本実施例では、軸線AA1の同じ側にある各データパッド101及び入力バッファ回路103について、クロックパッド102から最も遠い入力バッファ回路103のクロック経路が短縮されるため、クロック信号はクロックパッド102から最も遠い入力バッファ回路103へより速く伝送することが可能となり、それにより、データ信号が到達したがクロック信号が到達していないことによる信号遅延時間を減少させる。対応的に、各入力バッファ回路103のクロック経路が全て短縮されるため、全ての入力バッファ回路103の信号遅延時間をそれに応じて減少させることができる。つまり、本実施例は、tDQS2DQを小さくして、タイミング違反を減少させ、且つクロック経路で消費される電力を低減させることができる。
【0039】
また、各データパッド101と入力バッファ回路103との間のデータ経路と、各クロックパッド102と入力バッファ回路103との間のクロック経路との差が小さくなるため、本実施例は、異なる入力バッファ回路103のtDQS2DQを縮めて、異なる入力バッファ回路103のクロック経路とデータ経路との調和度を向上させ、異なる入力バッファ回路103によりデータ信号を伝送するタイミング特性を改善することができる。
【0040】
具体的には、
図2を参照すると、各データパッド101はそれぞれ対応する第1ポートd0/d1……d7を備え、各入力バッファ回路103はそれぞれデータパッド101に対応する第1ポートに接続される第2ポートr0/r1…r7を備え、各入力バッファ回路103はそれぞれクロック生成回路115に接続される第3ポートv0/v1…v7を備え、クロック生成回路115は中央軸線AA1の一側に位置する各入力バッファ回路14に接続される第4ポートc0を備え、クロック生成回路115は中央軸線AA1の他側に位置する各入力バッファ回路103に接続される第5ポートc1を更に備える。RX0については、クロック信号のクロック経路がc0→v0であり、データ信号のデータ経路がd0→r0であり、RX1については、クロック信号のクロック経路がc1→v1であり、データ信号のデータ経路がd1→r1であり、順次に類推する。
【0041】
例を挙げて説明すると、
図2では、DQ0と表記されたデータパッド101のデータ信号は第1長さの伝送経路を介して対応する入力バッファ回路103に伝送されており、
図2では、該対応する入力バッファ回路をRX0で表記し、クロック信号は第2長さの伝送経路を介して対応する入力バッファ回路103に伝送されており、第1長さは点d0から点v0までの長さを意味し、第2長さは点c0から点v0までの長さを意味する。データ信号がRX0に伝送されると、クロック信号はt1時間後にRX0に伝送され、それにより、RX0はデータ信号を受信してから待ち時間t1以内にデータ信号を伝送できることを確保する。データパッド101はデータ信号DQ0を伝送する速度がますます速くなるため、DQ0はハイレベル「1」又はローレベル「0」に維持される時間がますます短くなり、それにより、待ち時間t1がますます短くなるように求められ、第1長さ(データ経路に対応)と第2長さ(クロック経路に対応)とが可能な限り調和するように更に求められる。
【0042】
図2では、DQ3と表記されたデータパッド101のデータ信号は第1長さの伝送経路を介して対応する入力バッファ回路103に伝送されており、
図2では、該対応する入力バッファ回路103をRX3で表記し、クロック信号は第2長さの伝送経路を介して対応する入力バッファ回路103に伝送されており、第1長さは点d3から点v3までの長さを意味し、第2長さは点c0から点v3までの長さを意味する。データ信号が入力バッファ回路103に伝送されると、クロック信号はt2時間後にRX3に伝送され、それにより、RX3はデータ信号を受信してから待ち時間t2以内にデータ信号を伝送できることを確保する。DQ0及びDQ3と表記されたデータパッド101について、DQ0に対応する入力バッファ回路103の第1長さが第2長さに調和し、DQ3に対応する入力バッファ回路103の第1長さも第2長さに調和するため、t1はt2に等しく又は略等しい。従って、本実施例は、RX0及びRX3によりデータ信号を伝送する一致性を向上させることができる。
【0043】
また、
図2を参照すると、明らかに、各入力バッファ回路103が有するデータ経路はそれぞれ異なり、各入力バッファ回路103が有するクロック経路もそれぞれ異なる。異なる入力バッファ回路103については、そのデータ経路が長いほど、そのクロック経路もそれに応じて長くなる。従って、本実施例では、異なる入力バッファ回路103によりデータ信号を伝送する時間一致性を向上させることができ、即ち、タイミング特性をより高くする。
【0044】
図4は本願の実施例により提供されるインタフェース回路の更に別の構成図であり、
図4に示すように、インタフェース回路は、マーク信号を伝送するためのマークパッド106と、マークパッド106に対応するマークバッファ回路107であって、クロック信号の駆動によって、マークパッド106から伝送されたマーク信号を受信するために用いられるマークバッファ回路107と、マーク出力バッファ回路(図示せず)と、を更に含んでもよい。
【0045】
マーク信号は一般的にdata mask inverterと呼ばれ、各データ信号が反転しているか否かを示すために用いられるものであり、マークパッド106は一般的にDMI(data mask inverter)パッド、DMパッド又はDBIパッドと呼ばれるものであり、
図4では、マークパッド106をDMIで示し、マークバッファ回路107をDMI_RXで示す。
【0046】
本実施例では、マークパッド106は第1行に配置され、且つデータパッド101とクロックパッド102との間に配置される。マークバッファ回路107は第2行に配置され、且つ軸線AA1のマークパッド106と同じ側に配置され、入力バッファ回路103と軸線AA1との間に配置される。
【0047】
また、マークバッファ回路107と軸線AA1との距離は、マークバッファ回路107に対応するマークパッド106と軸線AA1との距離よりも小さい。
【0048】
図5は本願の実施例により提供されるインタフェース回路のレイアウト模式図であり、
図5に示すように、インタフェース回路は、データパッド101に一対一で対応するM個の出力バッファ回路108を更に含んでもよく、各出力バッファ回路108がクロック信号の駆動によって、データ信号を対応するデータパッド101に送信する。出力バッファ回路108は、データパッド101に加えて、更にクロックパッドに電気的に接続される。
図5では、8つの出力バッファ回路108をTX0、TX1、TX2、TX3、TX4、TX5、TX6、TX7で示す。
【0049】
具体的には、出力バッファ回路108は、クロック受信回路114及びクロック生成回路115を介してクロックパッド102に電気的に接続される。
【0050】
本実施例では、各出力バッファ回路108から出力バッファ回路108に対応するデータパッド101までの出力データ経路の長さは同じである。具体的には、各出力バッファ回路108は対応するデータパッド101の直下に位置し、言い換えれば、各出力バッファ回路108と軸線AA1との間の距離は、対応するデータパッド101と軸線AA1との間の距離に等しい。同様に、回路の設計及び製造の実状を考慮すると、上記の長さが同じであること又は距離が等しいことは、略同じ又は略等しいことであってもよく、ある程度の誤差の存在が許容され、以下では同様の説明を繰り返さない。
【0051】
入力バッファ回路103は、マルチプレクサ(mux)及びラッチ(latch)を含んでもよく、マルチプレクサは、データ信号を受信し、データ信号を処理した後にラッチに出力し、ラッチの出力は入力バッファ回路103の出力とされる。
【0052】
インタフェース回路は、グランド又は固定電源への接続に用いられる複数の電源パッド(図示せず)及びグランドパッド(図示せず)を更に含んでもよい。ここで、複数の電源パッド及びグランドパッドは、データパッドと同じ行に位置する。
【0053】
図5に示すように、インタフェース回路は、M個の選択可能入力バッファ回路109を更に含んでもよく、選択可能入力バッファ回路109の数が入力バッファ回路103の数と同じであり、入力バッファ回路103と並行に設置される。
図5では、OPTIONで選択可能入力バッファ回路109を示す。具体的には、本実施例では、選択可能入力バッファ回路109は、中央軸線AA1から最も遠い4つのデータパッド101に対応する入力バッファ回路103の両側に配置される。上記選択可能入力バッファ回路109は、例えば、選択されていない場合にDUMMYの役割を果たすことができ、即ち、仮想入力バッファ回路として動作環境を一致させるために用いられ、場合によっては、構成により選択可能入力バッファ回路109を再選択することができる。
【0054】
図6は
図1により提供されるインタフェース回路に対応するレイアウト模式図であり、
図6において、出力バッファ回路及びコンデンサがあり、説明すべきこととして、比較及び説明を容易にするために、
図6においても出力バッファ回路をRX0、RX1…RX7で示し、
図6では、他の回路をOTHERSで示し、OTHERSは例えばコンデンサであってもよい。
【0055】
図5及び
図6を組み合わせて参照すると、クロック生成回路を基準として、
図5における入力バッファ回路103のレイアウト密集度は、
図6における入力バッファ回路レイアウト密集度よりも大きい。DQ6を例として、
図5に示されるクロック信号がDQ6に対応する入力バッファ回路に到達するクロック経路は、
図6に示されるクロック信号がDQ6に対応する入力バッファ回路に到達するクロック経路よりも短い。
【0056】
上記の全ては、データパッド101がDQパッドであり、データ信号がDQ信号であることを例とする。他の実施例では、データパッドはコマンドパッド/アドレスパッド又はチップ選択パッドであってもよく、対応するデータ信号はコマンド信号又はアドレス信号であり、該インタフェース回路はLPDDR5に適用されてもよいことが理解可能である。
図7から
図9はデータパッドがコマンドパッド及びアドレスパッドを含むインタフェース回路の4つの構成図である。
【0057】
図7に示すように、データパッド101は複数のコマンドパッド/アドレスパッド及び1つのチップ選択パッドを含み、コマンドパッド/アドレスパッドをCA0/CA1/CA2/CA3/CA4/CA5/CA6で示し、チップ選択パッドをCSで示す。コマンドパッド/アドレスパッドはコマンド信号/アドレス信号を伝送し、チップ選択パッドはチップ選択信号を伝送し、クロックパッド102をCKで示す。
【0058】
一例では、
図7に示すように、全ての入力バッファ回路103は同じ行にある。
【0059】
別の例では、
図8に示すように、一部の入力バッファ回路103は同じ行に位置し、残りの入力バッファ回路103は別の同じ行に位置する。具体的には、以下のように設定されてもよく、全ての入力バッファ回路103の半分は同じ行に位置し、残りの半分は別の同じ行に位置し、どのデータパッド101に対応する入力バッファ回路103が同じ行に位置するかを任意に選択してもよく、各入力バッファ回路103から入力バッファ回路103に対応するデータパッド101までの入力データ経路の長さは第1長さであり、各入力バッファ回路103からクロックパッド102までのクロック経路の長さは第2長さであり、第1長さと前記第2長さとは正相関していることを確保する。
【0060】
図9に示すように、クロックパッドは、第1クロックパッド112及び第2クロックパッド122を含んでもよく、第1クロックパッド112をCK_tで示し、第2クロックパッド122をCK_cで示す。
【0061】
入力バッファ回路103の詳細な説明については、前述した詳細な説明を参照してもよく、ここでは説明を省略する。前述した分析のように、
図7-
図9に示すようなインタフェース回路を採用しても、tDQS2DQを小さくして、タイミング違反を減少させ、且つクロック経路で消費される電力を低減させるという有益な効果を有する。
【0062】
本願の実施例はデータ伝送回路を更に提供する。前記データ伝送回路は、上記実施例におけるインタフェース回路を含み、M個の直並列変換回路を更に含み、そしてM個の直並列変換回路の数はM個の入力バッファ回路に一対一で対応し、各入力バッファ回路の出力は対応する直並列変換回路の入力とされる。
図10は本実施例により提供されるデータ伝送回路の平面レイアウトの模式図である。
【0063】
図10を参照すると、入力バッファ回路103はマルチプレクサ(mux)及びラッチ(latch)を含んでもよく、マルチプレクサは、データ信号を受信し、データ信号を処理した後にラッチに出力し、ラッチの出力は入力バッファ回路103の出力とされる。
図10では、8つの入力バッファ回路103に対応するマルチプレクサをMUX0、MUX1、MUX2、MUX3、MUX4、MUX5、MUX6、MUX7で示し、8つの入力バッファ回路103に対応するラッチをIB0、IB1、IB2、IB3、IB4、IB5、IB6、IB7で示す。本実施例では、データ伝送回路は、前述の実施例により提供されるインタフェース回路と、M個の直並列変換回路(Sequential to Parallel)S2Pを含み、M個の直並列変換回路S2Pは、M個の入力バッファ回路103に一対一で対応し、各入力バッファ回路103の出力が対応する直並列変換回路S2Pの入力とされる。
【0064】
具体的には、M個の直並列変換回路S2Pは第3行に配置され、軸線AA1の同じ側に位置する各入力バッファ回路103と入力バッファ回路103に対応する直並列変換回路S2Pとの間の伝送経路の長さはそれぞれ異なる。
【0065】
より具体的には、軸線AA1の同じ側に位置する各入力バッファ回路103に対応するラッチ123と対応する直並列変換回路S2Pとの間の伝送経路の長さはそれぞれ異なる。
【0066】
また、M個の直並列変換回路S2PはM個のデータパッド101に一対一で対応し、各直並列変換回路S2Pから該直並列変換回路S2Pに対応するデータパッド101までの距離は同じである。各直並列変換回路S2Pは対応するデータパッド101の直下に配置されるとしてもよい。
【0067】
本実施例では、データ伝送回路は、M個の直並列変換回路に一対一で対応するM個の先入れ先出し回路Output FIFOと、M個の並直列変換回路(Parallel to Sequential)P2Sであって、M個の先入れ先出し回路(First Input First Output)Output FIFOに一対一で対応し、各先入れ先出し回路Output FIFOの出力が先入れ先出し回路Output FIFOに対応する並直列変換回路P2Sの入力として用いられる並直列変換回路と、M個の駆動回路であって、M個の並直列変換回路P2Sに一対一で対応し、各並直列変換回路P2Sの出力が並直列変換回路P2Sに対応する駆動回路の入力として用いられ、そしてM個の駆動回路が更にM個のデータパッド101に一対一で対応する駆動回路と、を更に含む。
図10では、8つのデータパッド101に対応する駆動回路をDR0、DR1、DR2、DR3、DR4、DR5、DR6、DR7で示す。本実施例では、並直列変換回路P2Sは、各データパッド101の直下に設置され、且つ隣接するラッチの間にあり、ラッチと同じ行に設置される。駆動回路は、各データパッド101の直下に設置され、且つデータパッド101の所在行とマルチプレクサの所在行との間に位置する。
【0068】
駆動回路及び対応する並直列変換回路P2Sは出力バッファ回路108を構成することが理解可能である。
【0069】
データ伝送回路は、駆動回路に電気的に接続され、駆動回路204と並直列変換回路P2Sとの間に位置する予備駆動回路を更に含んでもよい。本実施例では、予備駆動回路は、隣接するマルチプレクサの間に位置し、マルチプレクサと同じ行に設置されてもよい。
【0070】
データ伝送回路は、静電気放電回路及びコンデンサ等を更に含んでもよい。
【0071】
データ伝送回路は、M個の選択可能入力バッファ回路109を更に含み、M個の選択可能入力バッファ回路109の数が入力バッファ回路103の数と同じであり、入力バッファ回路103と並行に設置される。選択可能入力バッファ回路109の詳細な説明については、前の実施例を参照してもよい。
【0072】
具体的には、選択可能入力バッファ回路109は、マルチプレクサと並行に設置される選択可能マルチプレクサと、ラッチと並行に設置される選択可能ラッチと、を含み、
図10では、選択可能マルチプレクサをMUXで示し、選択可能ラッチをIBで示す。前述したように、軸線AA1から最も遠くて信号伝送の役割を果たせないマルチプレクサ及びラッチはそれぞれ、選択可能マルチプレクサ及び選択可能ラッチとして用いられる。
【0073】
本実施例では、M個の入力バッファ回路103及び/又はM個の選択可能入力バッファ回路109のうちの2つ、M個の直並列変換回路S2Pのうちの1つ、M個の先入れ先出し回路Output FIFOのうちの1つ、M個の並直列変換回路P2Sのうちの1つ及びM個の駆動回路のうちの1つは、共にデータ伝送ユニットDQ cellを構成し、各データ伝送ユニットDQ cellの動作環境が一致する。
【0074】
動作環境が一致するとは、各データ伝送ユニットDQ cellについて、各並直列変換回路P2Sの両側にラッチ又は選択可能ラッチが分布しているため、各直並列変換回路S2Pの動作環境が一致し、例えば騒音による妨害度が同じであることを意味する。
【0075】
例えば、DQ5で示されるデータパッドについて、データ伝送ユニットDQ cellは、1つの入力バッファ回路103、1つの選択可能入力バッファ回路109、1つの先入れ先出し回路Output FIFO、1つの直並列変換回路S2P及び1つの駆動回路を含む。DQ4で示されるデータパッドについて、データ伝送ユニットDQ cellは、1つの入力バッファ回路103、1つの選択可能入力バッファ回路109、1つの先入れ先出し回路Output FIFO、1つの直並列変換回路S2P及び1つの駆動回路を含む。DQ6で示されるデータパッドについて、データ伝送ユニットDQ cellは、2つ選択可能入力バッファ回路109、1つの先入れ先出し回路Output FIFO、1つの直並列変換回路S2P及び1つの駆動回路を含む。
【0076】
一例では、同じデータ伝送ユニットDQ cellにおける直並列変換回路S2Pと先入れ先出し回路Output FIFOとは並列に設置され、即ち、同じデータ伝送ユニットDQ cellにおける直並列変換回路S2Pと先入れ先出し回路Output FIFOとは同じ列にある。
【0077】
別の例では、同じデータ伝送ユニットDQ cellにおける直並列変換回路S2Pと先入れ先出し回路Output FIFOとは並行に設置され、即ち、同じデータ伝送ユニットDQ cellにおける直並列変換回路S2Pと先入れ先出し回路Output FIFOとは異なる行にあり、そして先入れ先出し回路Output FIFOは直並列変換回路S2Pと入力バッファ回路103との間にある。
【0078】
また、他の実施例では、異なるデータ伝送ユニット内にある先入れ先出し回路も並行に設置されてもよい。
【0079】
理解を容易にするために、
図10では、バスBUS、センスアンプSA及び複数のメモリブロックを示しており、ここで、8つのメモリブロックをBANK0、BANK1、BANK2、BANK3、BANK4、BANK5、BANK6、BANK7で示す。他の実施例では、メモリブロックの数は、必要な性能に応じて合理的に設定されてもよい。
【0080】
図10では、破線の矢印は、メモリブロックからデータを読み出す期間中のデータ経路及びクロック経路、即ち、メモリブロックから対応するデータパッド101にデータを読み出すプロセスにおけるデータ経路及びクロック経路を示しており、実線の矢印は、メモリブロックにデータを書き込む期間中のデータ経路及びクロック経路、即ち、データパッド101から対応するメモリブロックにデータを記憶するプロセスにおけるデータ経路及びクロック経路を示している。説明すべきこととして、前述した図面における実線の矢印も、データ書き込み期間中の対応するデータ経路及びクロック経路を意味し、破線の矢印も、データ読み出し期間中のデータ経路及びクロック経路を意味する。
【0081】
以下において、図面と組み合わせて本実施例により提供されるデータ伝送回路の動作原理を説明する。
【0082】
データ書き込み期間中に、データパッドDQ6を例として、DQ6はデータ信号をマルチプレクサMUX6に伝送し、マルチプレクサMUX6はデータ信号をラッチIB6に伝送し続け、クロック生成回路115から供給された信号はクロック経路の長さを経てラッチIB6に伝送され、クロック信号がラッチIB6に到達すると、ラッチIB6はクロック信号の駆動によってデータ信号を直並列変換回路S2Pに伝送し、直並列変換回路S2Pはデータ信号をバスBUSに伝送し、そしてデータ信号はセンスアンプSAによって増幅された後に対応するメモリブロックBANK6に記憶される。前述したインタフェース回路に関する分析から分かるように、DQ0/DQ1/DQ2/DQ3/DQ4/DQ5/DQ6/DQ7について、クロック信号が対応するラッチに到達するために通過する必要があるクロック経路の長さが短く且つ各クロック経路の長さの差が小さいため、DQ0/DQ1/DQ2/DQ3/DQ4/DQ5/DQ6/DQ7に対応するラッチはデータ信号を対応する直並列変換回路S2Pに伝送する時間遅延が小さく、それにより、各入力バッファ回路に対応するデータ経路とクロック経路との調和度を向上させ、異なるデータパッド101内のデータを対応するメモリブロックに書き込むために必要な時間の差を低減させて、書き込み性能を改善する。
【0083】
データ読み出し期間中に、継続してデータパッドDQ6を例として、例えば、メモリブロックBANK6からのデータ信号はセンスアンプSAによって増幅された後にバスBUSに伝送され、データ信号はバスBUSを介して対応する先入れ先出し回路Output FIFOに伝送され、先入れ先出し回路Output FIFOはデータ信号を並直列変換回路P2Sに伝送し、データ信号は並直列変換回路P2S、予備駆動回路及び駆動回路DR6を通過した後にデータパッドDQ6に到達する。
【0084】
本実施例により提供されるデータ伝送回路では、入力バッファ回路を集中化させるレイアウト方式を採用し、クロック信号が各入力バッファ回路に伝送されるために必要なクロック経路の長さを短縮し、クロック経路とデータ経路との調和度を向上させ、それにより、tDQS2DQ及びタイミング違反を減少させる。各入力バッファ回路に対応するクロック経路の長さの差が小さいため、各入力バッファ回路のクロック経路とデータ経路との調和度が高いという需要を同時に満たすことができる。
【0085】
また、クロック経路の長さが短縮され、クロック信号を伝送する配線の長さもそれに応じて短縮されるため、データ伝送回路の消費電力をある程度低減させることは可能となる。
【0086】
対応的に、本願の実施例は、上記データ伝送回路を含むメモリを更に提供する。具体的には、メモリの構成図については、
図10を参照してもよい。上記メモリは
図11に示される記憶システムに適用されてもよく、
図11は本願の実施例により提供されるメモリが記憶システムに適用される構成図の一つであり、ここで、Memory Controllerはコントローラであり、Memoryはメモリであり、IO Circuitはインタフェース回路であり、Data Pathはデータ経路であり、Arrayはメモリアレイである。IO Circuitは例えば、本願のインタフェース回路であってもよく、Data Pathは例えば、本願の伝送回路を含んでもよく、DQ2/DQ3/DQ4/DQ5はデータパッドであり、Dqsはクロックパッドである。
【0087】
メモリは、DRAM、SRAM、MRAM、FeRAM、PCRAM、NAND又はNOR等であってもよい。例えば、メモリは、LPDDR4メモリ又はLPDDR5メモリであってもよい。
【0088】
上記の各実施形態が本願を実現する具体的な実施例であり、実際の応用で、本願の趣旨と範囲を逸脱することなく形式や細部に各種の変化を実施できることが当業者に理解される。当業者であれば、本願の趣旨と範囲を逸脱することなく、各種の変更や修正を実施できるので、本願の保護範囲は請求項によって規定される範囲に準ずるべきである。