IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社GSユアサの特許一覧

<>
  • 特許-蓄電装置 図1
  • 特許-蓄電装置 図2
  • 特許-蓄電装置 図3
  • 特許-蓄電装置 図4
  • 特許-蓄電装置 図5
  • 特許-蓄電装置 図6
  • 特許-蓄電装置 図7
  • 特許-蓄電装置 図8A
  • 特許-蓄電装置 図8B
  • 特許-蓄電装置 図8C
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-26
(45)【発行日】2023-08-03
(54)【発明の名称】蓄電装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20230727BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20230727BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20230727BHJP
   H02H 7/18 20060101ALI20230727BHJP
   H02J 7/02 20160101ALI20230727BHJP
   H02J 7/10 20060101ALI20230727BHJP
【FI】
H02J7/00 Y
H01M10/44 P
H01M10/48 P
H02H7/18
H02J7/02 H
H02J7/10 B
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019055106
(22)【出願日】2019-03-22
(65)【公開番号】P2020156284
(43)【公開日】2020-09-24
【審査請求日】2021-12-16
(73)【特許権者】
【識別番号】507151526
【氏名又は名称】株式会社GSユアサ
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉浦 章正
(72)【発明者】
【氏名】冨士松 将克
【審査官】下林 義明
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-320924(JP,A)
【文献】特開平08-265985(JP,A)
【文献】国際公開第2019/009292(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00 - 7/12
H02J 7/34 - 7/36
H02H 7/00
H02H 7/10 - 7/20
H01M 10/42 - 10/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部の機器と通信する機能を有しない蓄電装置であって、
蓄電素子と、
前記蓄電素子と直列に接続されている遮断器と、
前記遮断器がオフのときに、外部の充電器が前記蓄電素子を充電する状態であるか否かを検出する第1の検出回路と、
前記第1の検出回路と並列に接続されて、前記遮断器がオフのときに、当該蓄電装置の正極外部端子と負極外部端子とを外部短絡させている抵抗体の有無を検出する第2の検出回路と、
管理部と、
を備え、
前記管理部は、
前記蓄電素子の異常が検知された場合に前記遮断器をオフにして前記蓄電素子を異常から保護する第1の保護処理と、
前記第1の保護処理によって前記遮断器をオフにした後、前記第1の検出回路の検出結果に応じて前記遮断器をオンにする第1のオン処理と、
を実行し、
前記第1の保護処理は、放電方向の過電流が検知された場合に前記遮断器をオフにして前記蓄電素子を過電流から保護する第5の保護処理を含み、
前記管理部は、
前記第5の保護処理によって前記遮断器をオフにした後、前記抵抗体が無いことが前記第2の検出回路によって検出されると前記遮断器をオンにする第5のオン処理を実行する、蓄電装置。
【請求項2】
請求項1に記載の蓄電装置であって、
前記第1の検出回路は前記蓄電素子と前記遮断器とに並列に設けられている抵抗分圧回路であり、
前記第2の検出回路は前記蓄電素子と前記遮断器とに並列に設けられている抵抗分圧回路である、蓄電装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の蓄電装置であって、
前記第1の保護処理は、前記蓄電素子の過充電が予見される場合に前記遮断器をオフにする第2の保護処理を含み、
前記第1のオン処理は、前記第2の保護処理によって前記遮断器がオフにされた後、前記外部の充電器が前記蓄電素子を充電しない状態であることが前記第1の検出回路によって検出されると前記遮断器をオンにする第2のオン処理を含む、蓄電装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の蓄電装置であって、
前記第1の保護処理は、前記蓄電素子の過放電が予見される場合に前記遮断器をオフにする第3の保護処理を含み、
前記第1のオン処理は、前記第3の保護処理によって前記遮断器がオフにされた後、前記外部の充電器が前記蓄電素子を充電する状態であることが前記第1の検出回路によって検出されると前記遮断器をオンにする第3のオン処理を含む、蓄電装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の蓄電装置であって、
前記第1の保護処理は、充電方向の過電流が検知された場合に前記遮断器をオフにする第4の保護処理を含み、
前記第1のオン処理は、前記第4の保護処理によって前記遮断器がオフにされた後、前記外部の充電器が前記蓄電素子を充電しない状態であることが前記第1の検出回路によって検出されると前記遮断器をオンにする第4のオン処理を含む、蓄電装置。
【請求項6】
請求項2に記載の蓄電装置であって、
前記第1の検出回路と前記第2の検出回路とは、一端が前記蓄電素子と前記正極外部端子との間で正のパワーラインに接続され、他端が前記蓄電素子と前記負極外部端子との間で負のパワーラインに接続された第1の信号線に設けられ、
前記第1の検出回路の分圧抵抗の間から分岐する信号線、及び、前記第2の検出回路の分圧抵抗の間から分岐する信号線が、同一の電圧センサに接続される、蓄電装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
蓄電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、リチウムイオン電池などの蓄電素子を備える蓄電装置において、過充電、過放電、過電流などの異常を検知すると遮断器をオフ(開、オープン)にして蓄電素子を異常から保護するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-26923号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
遮断器をオフにして蓄電素子を異常から保護した場合、その後に蓄電素子を再び使用できるようにするためには遮断器をオン(閉、クローズ)にする必要がある。遮断器をオンにする場合、異常が発生した原因が解消されていない状態でオンにすると蓄電素子が再び異常な状態に陥る可能性がある。
しかしながら、外部の機器と通信する機能を有しない蓄電装置では、蓄電素子が再び異常な状態に陥る可能性を低減しつつ遮断器をオンにすることについて十分に検討されていなかった。
【0005】
本明細書では、外部の機器と通信する機能を有しない蓄電装置において、蓄電素子の異常が検知されて遮断器をオフにした後、蓄電素子が再び異常な状態に陥る可能性を低減しつつ遮断器をオンにする技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
外部の機器と通信する機能を有しない蓄電装置であって、蓄電素子と、前記蓄電素子と直列に接続されている遮断器と、前記遮断器がオフのときに、外部の充電器が前記蓄電素子を充電する状態であるか否かを検出する第1の検出回路と、管理部と、を備え、前記管理部は、前記蓄電素子の異常が検知された場合に前記遮断器をオフにして前記蓄電素子を異常から保護する第1の保護処理と、前記第1の保護処理によって前記遮断器をオフにした後、前記第1の検出回路の検出結果に応じて前記遮断器をオンにする第1のオン処理と、を実行する、蓄電装置。
【発明の効果】
【0007】
外部の機器と通信する機能を有しない蓄電装置において、蓄電素子の異常が検知されて遮断器をオフにした後、蓄電素子が再び異常な状態に陥る可能性を低減しつつ遮断器をオンにできる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】自動二輪車の側面図
図2】車両システムのブロック図
図3】バッテリの分解斜視図
図4】二次電池の平面図
図5図4のA-A線の断面図
図6】バッテリのブロック図
図7】第1の検出回路及び第2の検出回路の回路図
図8A】オルタネータが二次電池を充電しない状態を示す模式図
図8B】オルタネータが二次電池を充電する状態を示す模式図
図8C】正極外部端子と負極外部端子とを外部短絡させている抵抗体が有る場合を示す模式図
【発明を実施するための形態】
【0009】
(本実施形態の概要)
外部の機器と通信する機能を有しない蓄電装置であって、蓄電素子と、前記蓄電素子と直列に接続されている遮断器と、前記遮断器がオフのときに、外部の充電器が前記蓄電素子を充電する状態であるか否かを検出する第1の検出回路と、管理部と、を備え、前記管理部は、前記蓄電素子の異常が検知された場合に前記遮断器をオフにして前記蓄電素子を異常から保護する第1の保護処理と、前記第1の保護処理によって前記遮断器をオフにした後、前記第1の検出回路の検出結果に応じて前記遮断器をオンにする第1のオン処理と、を実行する、蓄電装置。
【0010】
以降の説明では、実際に異常が発生してその異常が検知された場合だけでなく、異常が予見される場合(未だ異常は発生していないが、異常の発生が近いと判断された場合)も含めて「異常が検知された場合」という。
蓄電素子を異常から保護するために遮断器をオフにした場合、その後に蓄電素子を再び使用できるようにするために遮断器をオンにするとき、発生した異常によっては充電器が蓄電素子を充電する状態のときに遮断器をオンにすると再び異常に陥る場合と、充電器が蓄電素子を充電しない状態のときに遮断器をオンにすると再び異常に陥る場合とがある。
例えば、一般に四輪車のエンジン始動に用いられる蓄電装置(以下、四輪車用の蓄電装置という)は四輪車のECU(外部の機器)と通信する機能を有しているので、四輪自動車のオルタネータ(外部の充電器)が蓄電素子を充電する状態(エンジン動作中)であるか否かを、ECUから受信する信号から判断できる。しかしながら、一般に二輪車用の蓄電装置はECUと通信する機能を有していないので、オルタネータが蓄電素子を充電する状態であるか否かをECUから受信する信号から判断することができない。
遮断器がオンである場合は外部の充電器が蓄電素子を充電する状態であるか否かを充電電流から把握することができるが、遮断器がオフである場合は充電電流が流れないので充電電流から把握することもできない。
上記の蓄電装置によると、外部の機器と通信する機能を有していないが、第1の検出回路を備えているので、遮断器がオフであっても充電器が蓄電素子を充電する状態であるか否かを検出できる。
このため、充電器が蓄電素子を充電する状態のときに遮断器をオンにすると再び異常に陥る可能性がある異常の場合は、充電器が蓄電素子を充電しない状態(例えばエンジン停止中)のときに遮断器をオンにすることにより、外部の機器と通信する機能を有していなくても蓄電素子が再び異常に陥る可能性を低減できる。充電器が蓄電素子を充電しない状態のときに遮断器をオンにすると再び異常に陥る可能性がある異常の場合は、充電器が蓄電素子を充電する状態のときに遮断器をオンにすることにより、外部の機器と通信する機能を有していなくても蓄電素子が再び異常に陥る可能性を低減できる。
このため上記の蓄電装置によると、外部の機器と通信する機能を有していなくても、蓄電素子の異常が検知されて遮断器をオフにした後、蓄電素子が再び異常な状態に陥る可能性を低減しつつ遮断器をオンにできる。
【0011】
前記第1の検出回路は前記蓄電素子と前記遮断器とに並列に設けられている抵抗分圧回路であってもよい。
【0012】
第1の検出回路の構成としては種々の構成が可能であるが、構成によっては第1の検出回路が複雑になる。第1の検出回路として抵抗分圧回路を用いると、簡素な構成で第1の検出回路を実現できる。
【0013】
前記第1の保護処理は、前記蓄電素子の過充電が予見される場合に前記遮断器をオフにする第2の保護処理を含み、前記第1のオン処理は、前記第2の保護処理によって前記遮断器がオフにされた後、前記外部の充電器が前記蓄電素子を充電しない状態であることが前記第1の検出回路によって検出されると前記遮断器をオンにする第2のオン処理を含んでもよい。
【0014】
蓄電素子を過充電から保護するために遮断器をオフにした場合、外部の充電器が蓄電素子を充電する状態のときに遮断器をオンにすると、蓄電素子の充電が再開されることによって蓄電素子が過充電に至る可能性がある。
上記の蓄電装置によると、充電器が蓄電素子を充電しない状態のときに遮断器をオンにするので、蓄電素子が過充電に陥る可能性を低減しつつ遮断器をオンにできる。
【0015】
前記第1の保護処理は、前記蓄電素子の過放電が予見される場合に前記遮断器をオフにする第3の保護処理を含み、前記第1のオン処理は、前記第3の保護処理によって前記遮断器がオフにされた後、前記外部の充電器が前記蓄電素子を充電する状態であることが前記第1の検出回路によって検出されると前記遮断器をオンにする第3のオン処理を含んでもよい。
【0016】
蓄電素子を過放電から保護するために遮断器をオフにした場合、外部の充電器が蓄電素子を充電しない状態のときに遮断器をオンにすると、蓄電素子が充電されないことによって蓄電素子が過放電に至る可能性がある。
上記の蓄電装置によると、充電器が蓄電素子を充電する状態のときに遮断器をオンにするので、蓄電素子が過放電に陥る可能性を低減しつつ遮断器をオンにできる。
【0017】
前記第1の保護処理は、充電方向の過電流が検知された場合に前記遮断器をオフにする第4の保護処理を含み、前記第1のオン処理は、前記第4の保護処理によって前記遮断器がオフにされた後、前記外部の充電器が前記蓄電素子を充電しない状態であることが前記第1の検出回路によって検出されると前記遮断器をオンにする第4のオン処理を含んでもよい。
【0018】
充電器が故障すると蓄電装置に充電方向の過電流(充電過電流)が流れることがある。蓄電素子を充電過電流から保護するために遮断器をオフにした場合、充電器が蓄電素子を充電する状態のときに遮断器をオンにすると蓄電素子に再び充電過電流が流れる可能性がある。
上記の蓄電装置によると、充電器が蓄電素子を充電しない状態のときに遮断器をオンにするので、蓄電素子に再び充電過電流が流れる可能性を低減しつつ遮断器をオンにできる。
【0019】
自動二輪車のエンジン始動に用いられる蓄電装置であって、蓄電素子と、前記蓄電素子と直列に設けられている遮断器と、前記遮断器がオフのときに、当該蓄電装置の正極外部端子と負極外部端子とを外部短絡させている抵抗体の有無を検出する第2の検出回路と、管理部と、を備え、前記管理部は、放電方向の過電流が検知された場合に前記遮断器をオフにして前記蓄電素子を過電流から保護する第5の保護処理と、前記第5の保護処理によって前記遮断器をオフにした後、前記抵抗体が無いことが前記第2の検出回路によって検出されると前記遮断器をオンにする第5のオン処理と、を実行する、蓄電装置。
【0020】
正極外部端子と負極外部端子とを外部短絡させている抵抗体が有ると蓄電素子に放電方向の過電流(放電過電流)が流れる。蓄電素子を放電過電流から保護するために遮断器をオフにした場合、正極外部端子と負極外部端子とを外部短絡させている抵抗体が有る状態で遮断器をオンにすると蓄電素子に再び放電過電流が流れるので安全上望ましくない。
遮断器がオンである場合は正極外部端子と負極外部端子とを外部短絡させている抵抗体の有無を放電電流から把握することができるが、遮断器がオフである場合は放電電流が流れないので放電電流から把握することができない。
上記の蓄電装置によると、第2の検出回路を備えているので、遮断器がオフであっても、正極外部端子と負極外部端子とを外部短絡させている抵抗体の有無を検出できる。このため、正極外部端子と負極外部端子とを外部短絡させている抵抗体が無いときに遮断器をオンにすることにより、蓄電素子の異常(放電過電流)が検知されて遮断器をオフにした後、蓄電素子が再び異常な状態に陥る可能性を低減しつつ遮断器をオンにできる。
【0021】
前記第2の検出回路は前記蓄電素子と前記遮断器とに並列に設けられている抵抗分圧回路であってもよい。
【0022】
第2の検出回路の構成としては種々の構成が可能であるが、構成によっては第2の検出回路が複雑になる。第2の検出回路として抵抗分圧回路を用いると、簡素な構成で第2の検出回路を実現できる。
【0023】
本明細書によって開示される発明は、装置、方法、これらの装置または方法の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体等の種々の態様で実現できる。
【0024】
<実施形態1>
実施形態1を図1ないし図8によって説明する。
図1に示すように、実施形態1に係るバッテリ50(蓄電装置の一例)は自動二輪車10に搭載される二輪車用のバッテリである。
【0025】
図2に示すように、バッテリ50には自動二輪車10に搭載されているスタータ10A、オルタネータ10B(外部の充電器の一例)及び補機類10C(ヘッドライド、エアコン、オーディオなど)が接続されている。バッテリ50はスタータ10Aに電力を供給してエンジンを始動させるエンジン始動用のバッテリである。バッテリ50はエンジン動作中にオルタネータ10Bによって充電される。
【0026】
自動二輪車10のエンジン動作中はオルタネータ10Bから補機類10Cに電力が供給される。このため、バッテリ50は、エンジン動作中は補機類10Cに電力を供給しないが、エンジン停止中に補機類10Cが使用される場合は補機類10Cにも電力を供給する。
一般に二輪車用のバッテリは自動二輪車10のECU(外部の機器の一例)と通信する機能を有していない。実施形態1に係る二輪車用のバッテリ50もECUと通信する機能を有していない。
【0027】
(1)バッテリの構成
図3に示すように、バッテリ50は組電池60と、回路基板ユニット65と、収容体71とを備える。
収容体71は、合成樹脂材料からなる本体73と蓋体74とを備えている。本体73は有底筒状である。本体73は、底面部75と、4つの側面部76とを備えている。4つの側面部76によって上端部分に上方開口部77が形成されている。
【0028】
収容体71は、組電池60と回路基板ユニット65を収容する。組電池60は12個の二次電池62(蓄電素子の一例)を有する。二次電池62は一例としてリチウムイオン電池である。12個の二次電池62は3並列で4直列に接続されている。回路基板ユニット65は、回路基板100と回路基板100上に搭載される電子部品とを含み、組電池60の上部に配置されている。
【0029】
蓋体74は、本体73の上方開口部77を閉鎖する。蓋体74の周囲には外周壁78が設けられている。蓋体74は、平面視略T字形の突出部79を有する。蓋体74の前部のうち、一方の隅部に正極外部端子51が固定され、他方の隅部に負極外部端子52が固定されている。
【0030】
図4及び図5に示すように、二次電池62は直方体形状のケース82内に電極体83を非水電解質と共に収容したものである。ケース82は、ケース本体84と、その上方の開口部を閉鎖する蓋85とを有している。
電極体83は、詳細については図示しないが、銅箔からなる基材に活物質を塗布した負極要素と、アルミニウム箔からなる基材に活物質を塗布した正極要素との間に、多孔性の樹脂フィルムからなるセパレータを配置したものである。これらはいずれも帯状で、セパレータに対して負極要素と正極要素とを幅方向の反対側にそれぞれ位置をずらした状態で、ケース本体84に収容可能となるように扁平状に巻回されている。
【0031】
正極要素には正極集電体86を介して正極端子87が、負極要素には負極集電体88を介して負極端子89がそれぞれ接続されている。正極集電体86及び負極集電体88は、平板状の台座部90と、この台座部90から延びる脚部91とからなる。台座部90には貫通孔が形成されている。脚部91は正極要素又は負極要素に接続されている。正極端子87及び負極端子89は、端子本体部92と、その下面中心部分から下方に突出する軸部93とからなる。そのうち、正極端子87の端子本体部92と軸部93とは、アルミニウム(単一材料)によって一体成形されている。負極端子89においては、端子本体部92がアルミニウム製で、軸部93が銅製であり、これらを組み付けたものである。正極端子87及び負極端子89の端子本体部92は、蓋85の両端部に絶縁材料からなるガスケット94を介して配置され、このガスケット94から外方へ露出されている。
【0032】
蓋85は、圧力開放弁95を有している。圧力開放弁95は、図2に示すように、正極端子87と負極端子89の間に位置している。圧力開放弁95は、ケース82の内圧が制限値を超えた時に、開放して、ケース82の内圧を下げる。
【0033】
(2)バッテリの電気的構成
図6に示すように、バッテリ50は組電池60と、組電池を管理するBMU101(Battery Management Unit)とを備えている。
【0034】
前述したように二次電池62は12個あり、3並列で4直列に接続されている。図6では並列に接続された3つの二次電池62を1つの電池記号で表している。バッテリ50は定格12Vである。
パワーライン70Pは、正極外部端子51と組電池60の正極とを接続するパワーラインである。パワーライン70Nは、負極外部端子52と組電池60の負極とを接続するパワーラインである。組電池60の負極はシグナルグランドG1に接続されている。組電池60はシグナルグランドG1を基準電位とする。負極外部端子52はボディグランドG2に接続されている。ボディグランドG2は自動二輪車10のボディである。ボディグランドG2は自動二輪車10の基準電位である。
【0035】
BMU101は電流センサ53、電圧センサ110、遮断器55、検出部140及び管理部130を備える。組電池60、電流センサ53及び遮断器55は、パワーライン70P、パワーライン70Nを介して、直列に接続されている。電流センサ53、電圧センサ110、遮断器55、検出部140及び管理部130は回路基板100上に実装されており、回路基板100のシグナルグランドG1を基準電位(動作基準)とする。
【0036】
電流センサ53は、組電池60の負極に位置し、負極側のパワーライン70Nに設けられている。電流センサ53は、組電池60の電流Iの電流値及び方向(充電方向又は放電方向)を検出する。
電圧センサ110は、各二次電池62の電圧Vと組電池60の総電圧とを検出する。組電池60の総電圧は4つの二次電池62の合計電圧である。
【0037】
遮断器55は、組電池60の負極に位置し、負極のパワーライン70Nに設けられている。遮断器55は、充電用FET55Aと、放電用FET55Bとを有する。充電用FET55A及び放電用FET55Bは電力用の半導体スイッチであり、より具体的にはNチャンネルの電界効果トランジスタ(FET:Field Effect Transistor)である。充電用FET55A及び放電用FET55BのソースSは基準端子である。充電用FET55A及び放電用FET55BのゲートGは制御端子である。充電用FET55A及び放電用FET55BのドレンDは接続端子である。
【0038】
充電用FET55AはソースSが組電池60の負極に接続されている。放電用FET55BはソースSが負極外部端子52に接続されている。充電用FET55Aと放電用FET55BとはドレンD同士が接続されることによってバックツーバック接続されている。
【0039】
充電用FET55Aは寄生ダイオード56Aを有している。寄生ダイオード56Aは順方向が放電方向と同一である。放電用FET55Bは寄生ダイオード56Bを有している。寄生ダイオード56Bは順方向が充電方向と同一である。
【0040】
放電用FET55BはソースSが負極外部端子52に接続されていることから、ボディグランドG2が基準電位である。充電用FET55AはソースSが組電池60の負極に接続されている。組電池60の負極は回路基板100のシグナルグランドG1に接続されているので、充電用FET55AはシグナルグランドG1が基準電位である。
充電用FET55AはゲートGにHレベルの電圧が印加されることでオンになり、ゲートGにLレベルの電圧が印加されることでオフになる。放電用FET55Bも同様である。
【0041】
検出部140は二次電池62及び遮断器55と並列に設けられている。具体的には、検出部140が設けられている第1の信号線143は一端が組電池60と正極外部端子51との間でパワーライン70Pに接続されており、他端が電流センサ53と負極外部端子52との間でパワーライン70Nに接続されている。
【0042】
検出部140は、充電用FET55A又は放電用FET55Bがオフのときに、オルタネータ10Bが二次電池62を充電する状態であるか否かを検出するとともに、放電用FET55Bがオフのときに、正極外部端子51と負極外部端子52とを短絡させる外部の抵抗体の有無を検出する。検出部140についての説明は後述する。
【0043】
管理部130は、CPU131、ROM132及びRAM133を備える。管理部130は電圧センサ110、電流センサ53の出力に基づいてバッテリ50を管理する。管理部130は、正常時、充電用FET55AのゲートG及び放電用FET55BのゲートGにHレベルの電圧を印加し、充電用FET55A及び放電用FET55Bをオンにする。充電用FET55A及び放電用FET55Bの双方がオンの場合、組電池60は充電、放電の双方が可能である。
【0044】
(3)検出部の構成
図7に示すように、検出部140は並列に設けられている第1の検出回路141と第2の検出回路142とを備えている。
【0045】
第1の検出回路141は、充電用FET55A又は放電用FET55Bがオフのときに、自動二輪車10のオルタネータ10Bが二次電池62を充電する状態であるか否かを検出する回路である。第1の検出回路141は抵抗分圧回路であり、複数の分圧抵抗R1~R5を備えている。分圧抵抗R1及びR2は第1の信号線143に直列に設けられている。
【0046】
第1の信号線143において二つの分圧抵抗R1とR2との間からは第2の信号線144が分岐している。第2の信号線144の他端はシグナルグランドG1に接続されている。第2の信号線144にはPチャネルのFET145、整流素子(ダイオード)146、3つの分圧抵抗R3、R4及びR5が直列に設けられている。抵抗R5にはコンデンサ147が並列に設けられている。
【0047】
第2の信号線144において二つの分圧抵抗R4とR5との間からは第3の信号線148が分岐している。第3の信号線148の他端は電圧センサ110に接続されている。
第1の信号線143において抵抗R1と第2の信号線144との間からは第4の信号線149が分岐している。第4の信号線149の他端はシグナルグランドG1に接続されている。第4の信号線149には抵抗R6、抵抗R7及びNチャネルのFET150が直列に接続されている。第2の信号線144に設けられているFET145のゲートGは抵抗R6と抵抗R7との間で第4の信号線149に接続されている。
【0048】
FET150のゲートGは第5の信号線151に接続されている。第5の信号線151の他端は管理部130に接続されている。第5の信号線151には抵抗R8が設けられている。
第5の信号線151においてFET150と抵抗R8との間からは第6の信号線152が分岐している。第6の信号線152の他端は第4の信号線149のFET150とシグナルグランドG1との間に接続されている。第6の信号線152には抵抗R9が設けられている。
【0049】
管理部130が第5の信号線151を介してHレベルの電圧を印加するとFET150がオンになる。FET150がオンになるとFET145のゲートGにHレベルの電圧が印加され、FET145がオンになる。FET145がオンになると分圧抵抗R1~R5の抵抗値の比に応じた電圧が第3の信号線148を介して電圧センサ110に印加される。
【0050】
第2の検出回路142は、放電用FET55Bがオフのときに、正極外部端子51と負極外部端子52とを短絡させる外部の抵抗体(導電体)の有無を検出する回路である。第2の検出回路142の構成は第1の検出回路141の抵抗R4に相当する抵抗がない点、及び、各抵抗の抵抗値が異なっている点を除いて第1の検出回路141と実質的に同一であるので符号のみを示して説明は省略する。
【0051】
第1の検出回路141の各分圧抵抗はオルタネータ10Bが二次電池62を充電する状態であるか否かを検出できるように抵抗値が設定されている。第2の検出回路142の各分圧抵抗は正極外部端子51と負極外部端子52とを外部短絡させている抵抗体の有無を検出できるように抵抗値が設定されている。
【0052】
(3-1)オルタネータが二次電池を充電する状態であるか否かの検出
図8Aはオルタネータ10Bが二次電池62を充電しない状態(エンジン停止中)を模式的に示している。図8Aでは分圧抵抗R3とR4とを一つの抵抗記号で示している。前述したようにバッテリ50は定格12Vである。充電用FET55Aがオフのとき、分圧抵抗R2が接続されている経路は開放されるので、バッテリ50の電圧である12Vが分圧抵抗R1及びR3~R5の抵抗値に応じて分圧されて電圧センサ110に印加される。
【0053】
図8Bはオルタネータ10Bが二次電池62を充電する状態(エンジン動作中)を模式的に示している。ここではオルタネータ10Bの充電電圧が15Vであると仮定する。充電用FET55Aがオフのとき、正極外部端子51の電圧は12V、負極外部端子52の電圧は-3Vになり、それらの電圧差である15Vが分圧抵抗R1~R5の抵抗値に応じて分圧されて電圧センサ110に印加される。
【0054】
電圧センサ110は第1の検出回路141から印加された電圧の電圧値を計測して管理部130に出力する。管理部130は出力された電圧値を所定の閾値と比較することにより、オルタネータ10Bが二次電池62を充電する状態であるか否かを検出する。
【0055】
(3-2)正極外部端子と負極外部端子とを外部短絡させている抵抗体の有無の検出
正極外部端子51と負極外部端子52とを外部短絡させている抵抗体が無い場合は図8Aに示す場合と実質的に同一であるので説明は省略する。
【0056】
図8Cは正極外部端子51と負極外部端子52とを外部短絡させている抵抗体160が有る場合を模式的に示している。抵抗体160の抵抗値は0~1Ω程度であるとする。放電用FET55Bがオフのとき、負極外部端子52の電圧はほぼ12Vになる。このため正極外部端子51と負極外部端子52との電圧差がほぼ0Vになる。このため電圧センサ110に印加される電圧もほぼ0Vになる。
【0057】
電圧センサ110は第2の検出回路142から印加された電圧の電圧値を計測して管理部130に出力する。管理部130は出力された電圧値を所定の閾値と比較することにより、抵抗体160の有無を検出する。
【0058】
(4)管理部によって実行される処理
管理部130によって実行される処理のうちSOC推定処理、二次電池の保護処理、及び、FETオン処理について説明する。
【0059】
(4-1)SOC推定処理
SOC推定処理は、電流積算法によって二次電池62の充電状態(SOC)を推定する処理である。電流積算法は、電流センサ53によって二次電池62の充放電電流を所定の時間間隔で計測することで二次電池62に出入りする電力量を計測し、これを初期容量から加減することでSOCを推定する方法である。
【0060】
電流積算法は二次電池62の使用中でもSOCを推定できるという利点がある反面、常に電流を計測して充放電電力量を積算するので電流センサ53の計測誤差が累積して次第に不正確になる可能性がある。このため、管理部130は、電流積算法によって推定したSOCを二次電池62の開放電圧(OCV:Open Circuit Voltage)に基づいてリセットしてもよい。具体的には、OCVとSOCとの間には比較的精度の良い相関関係があるので、OCVからSOCを推定し、電流積算法によって推定したSOCを、OCVから推定したSOCでリセットしてもよい。
OCVは回路が開放されている状態の電圧に限られない。例えば、OCVは二次電池62に流れる電流の電流値が微小な基準値未満であるときの電圧であってもよい。
【0061】
(4-2)二次電池の保護処理
二次電池の保護処理(第1の保護処理の一例)は、二次電池62の異常を検知した場合に遮断器55(充電用FET55A又は放電用FET55B)をオフにして二次電池62を異常から保護する処理である。ここでは二次電池62の異常として過充電、過放電、充電方向の過電流(以下、充電過電流という)、及び、放電方向の過電流(以下、放電過電流という)を例に説明する。
【0062】
過充電及び過放電について説明する。管理部130は、前述したSOC推定処理によってSOCを推定する毎に、推定したSOCが所定の上限値以上であるか否か、及び、SOCが所定の下限値以下であるか否かを判断する。管理部130は、SOCが所定の上限値以上である場合は過充電が予見されるとして充電用FET55Aをオフにする(第2の保護処理の一例)。同様に、管理部130は、SOCが所定の下限値以下である場合は過放電が予見されるとして放電用FET55Bをオフにする(第3の保護処理の一例)。
【0063】
充電過電流について説明する。二輪車のオルタネータ10Bが故障すると二次電池62に充電過電流が流れることがある。管理部130は二次電池62に流れる電流の電流値及び方向を電流センサ53によって所定の時間間隔で検出し、電流の方向が充電方向であるか放電方向であるかを判断する。充電方向である場合は、管理部130は電流値が所定値以上であるか否かを判断し、所定値以上である場合は充電過電流が検知されたとして充電用FET55Aをオフにする(第4の保護処理の一例)。
【0064】
放電過電流について説明する。バッテリ50の正極外部端子51と負極外部端子52とを外部短絡させている抵抗体160が有る場合は、二次電池62に放電過電流が流れる。前述したように管理部130は二次電池62に流れる電流の電流値及び方向を電流センサ53によって所定の時間間隔で検出し、電流の方向が充電方向であるか放電方向であるかを判断する。放電方向である場合は、管理部130は電流値が所定値以上であるか否かを判断し、所定値以上である場合は放電過電流が検知されたとして放電用FET55Bをオフにする(第5の保護処理の一例)。
【0065】
(4-3)FETオン処理
FETオン処理は、前述した二次電池の保護処理によって遮断器55(充電用FET55A又は放電用FET55B)をオフにした場合に、その後に二次電池62を再び利用できるようにするために、検出部140(第1の検出回路141又は第2の検出回路142)の検出結果に応じて遮断器55をオンにする処理である。以下、具体的に説明する。
【0066】
(4-4-1)過充電が予見されて充電用FETをオフにした場合
管理部130は、過充電が予見されて充電用FET55Aをオフにした後、オルタネータ10Bが二次電池62を充電する状態であるか否かを第1の検出回路141によって一定時間間隔で検出し、充電しない状態であることを検出すると充電用FET55Aをオンにする(第1のオン処理、第2のオン処理の一例)。
【0067】
(4-4-2)過放電が予見されて放電用FETをオフにした場合
管理部130は、過放電が予見されて放電用FET55Bをオフにした後、オルタネータ10Bが二次電池62を充電する状態であるか否かを第1の検出回路141によって一定時間間隔で検出し、充電する状態であることを検出すると放電用FET55Bをオンにする(第1のオン処理、第3のオン処理の一例)。
【0068】
過放電が予見された場合、放電用FET55Bはオフにされるが、充電用FET55Aはオンに維持される。このため、管理部130は、過放電が予見されて放電用FET55Bをオフにした場合は、電流センサ53によって電流の方向を所定の時間間隔で検出し、充電方向の電流が検出されるとオルタネータ10Bが二次電池62を充電する状態であると判断してもよい。
【0069】
(4-4-3)充電過電流を検知して充電用FETをオフにした場合
管理部130は、充電過電流を検知して充電用FET55Aをオフにした後、オルタネータ10Bが二次電池62を充電する状態であるか否かを第1の検出回路141によって一定時間間隔で検出し、充電しない状態であることを検出すると充電用FET55Aをオンにする(第1のオン処理、第4のオン処理の一例)。
【0070】
(4-4-4)放電過電流を検知して放電用FETをオフにした場合
管理部130は、放電過電流を検知して放電用FET55Bをオフにした後、抵抗体160が有るか否かを第2の検出回路142によって一定時間間隔で検出し、抵抗体160が無いことを検出すると放電用FET55Bをオンにする(第5のオン処理の一例)。
【0071】
(5)実施形態の効果
バッテリ50によると、自動二輪車10のECUと通信する機能を有していなくても、二次電池62の異常が検知されて遮断器55をオフにした後、二次電池62が再び異常な状態に陥る可能性を低減しつつ遮断器55をオンにできる。
【0072】
バッテリ50によると、第1の検出回路141は抵抗分圧回路であるので、簡素な構成で第1の検出回路141を実現できる。
【0073】
バッテリ50によると、二次電池62の過充電が予見されて充電用FET55Aをオフにした場合はその後にオルタネータ10Bが二次電池62を充電しない状態のときに充電用FET55Aをオンにするので、二次電池62が過充電に至る可能性を低減しつつ充電用FET55Aをオンにできる。
【0074】
バッテリ50によると、二次電池62の過放電が予見されて放電用FET55Bをオフにした場合はその後にオルタネータ10Bが二次電池62を充電する状態のときに放電用FET55Bをオンにするので、二次電池62が過放電に至る可能性を低減しつつ放電用FET55Bをオンにできる。
【0075】
バッテリ50によると、充電過電流が検知されて充電用FET55Aをオフにした場合はオルタネータ10Bが二次電池62を充電しない状態のときに充電用FET55Aをオンにするので、二次電池62に再び充電過電流が流れる可能性を低減しつつ充電用FET55Aをオンにできる。
【0076】
バッテリ50によると、放電過電流が検知されて放電用FET55Bをオフにした後、正極外部端子51と負極外部端子52とを外部短絡させている抵抗体160が無いことが第2の検出回路142によって検出されると放電用FET55Bをオンにする。このため、二輪車用のバッテリ50において、二次電池62の放電過電流が検知されて放電用FET55Bをオフにした後、二次電池62が再び外部短絡する可能性を低減しつつ放電用FET55Bをオンにできる。
【0077】
バッテリ50によると、第2の検出回路142は抵抗分圧回路であるので、簡素な構成で第2の検出回路142を実現できる。
【0078】
<他の実施形態>
本明細書によって開示される技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本明細書によって開示される技術的範囲に含まれる。
【0079】
(1)上記実施形態では第1の検出回路141として抵抗分圧回路を例に説明したが、第1の検出回路141は外部の充電器が二次電池62を充電する状態であるか否かを検出できるものであればよく、抵抗分圧回路に限定されない。第2の検出回路142についても同様であり、バッテリ50の正極外部端子51と負極外部端子52とを外部短絡させている抵抗体160の有無を検出できるものであれば抵抗分圧回路に限定されない。
【0080】
(2)上記実施形態では第1の検出回路141として二つの抵抗分圧回路(抵抗R1と抵抗R2とからなる抵抗分圧回路、及び、抵抗R3、R4と抵抗R5とからなる抵抗分圧回路)を組み合わせたものを例に説明したが、第1の検出回路141は一つの抵抗分圧回路だけを用いたものであってもよいし、3つ以上の抵抗分圧回路を組み合わせたものであってもよい。第2の検出回路についても同様である。
【0081】
(3)上記実施形態では遮断器55としてFETを例に説明したが、遮断器55はリレーであってもよい。
【0082】
(4)上記実施形態では外部の機器と通信する機能を有していない蓄電装置として二輪車用のバッテリ50を例に説明した。しかしながら、四輪車用のバッテリであっても外部の機器と通信する機能を有していない場合は、蓄電装置は四輪車用のバッテリであってもよい。
【0083】
(5)上記実施形態では蓄電素子としてリチウムイオン電池を例に説明したが、蓄電素子はこれに限られない。例えば、蓄電素子は電気化学反応を伴うキャパシタであってもよい。
【符号の説明】
【0084】
10 自動二輪車
10B オルタネータ(外部の充電器の一例)
50 バッテリ(蓄電装置の一例)
51 正極外部端子
52 負極外部端子
55 遮断器
62 二次電池(蓄電素子の一例)
130 管理部
141 第1の検出回路
142 第2の検出回路
160 抵抗体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C