(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-26
(45)【発行日】2023-08-03
(54)【発明の名称】ランプ
(51)【国際特許分類】
H01K 1/46 20060101AFI20230727BHJP
【FI】
H01K1/46 E
(21)【出願番号】P 2019155436
(22)【出願日】2019-08-28
【審査請求日】2022-04-26
(73)【特許権者】
【識別番号】506398999
【氏名又は名称】株式会社 秩父イワサキ
(74)【代理人】
【識別番号】100135965
【氏名又は名称】高橋 要泰
(74)【代理人】
【識別番号】100100169
【氏名又は名称】大塩 剛
(72)【発明者】
【氏名】長島 俊介
(72)【発明者】
【氏名】吉田 昌弘
【審査官】大門 清
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-006030(JP,A)
【文献】特開2013-196928(JP,A)
【文献】実開平03-030346(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01K 1/46
H01J 5/50
H01J 5/52
H01J 5/54
H01J 61/02
H01J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒形の発光管と、
前記発光管の少なくとも1つの端部から外部に延在するランプリード線とを有するランプにおいて、
前記ランプリード線が外部に延在した箇所に接続された外部電線と、
前記発光管の端部及び前記外部電線の接続箇所を覆うベース部材とを備え、
前記ベース部材は、一面に前記発光管の端部が挿入される第1の開口及びこれに続く凹みを有し、
該凹みは、該発光管の端部が挿入される第1の凹部と、これに続く、前記ランプリード線と前記外部電線の接続箇所を収納する相対的に小さな第2の凹部とからなり、
更に、前記ベース部材は、第1の開口の形成面と垂直関係にある他の面に前記外部電線を通すための第2の
開口を有し、
熱収縮チューブが被せられた前記外部電線が、前記発光管の端部に装着された前記ベース部材の第2の開口から外部へ延在している、ランプ。
【請求項2】
請求項1に記載のランプにおいて、
前記ベース部材は、絶縁性を有し、点灯中のランプの発熱に耐える耐熱性を有し、外部からの機械的損傷から保護する剛性を有する材質から形成されている、ランプ。
【請求項3】
請求項2に記載のランプにおいて、
前記ベース部材は、セラミクスから形成されている、ランプ。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載のランプにおいて、
前記発光管の端部は、気密封止状態のシール構造である、ランプ。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載のランプにおいて、
前記ランプリード線が外部に延在した箇所と前記外部電線とは、溶接接続されている、ランプ。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載のランプにおいて、
前記ランプは、両端口金形ランプである、ランプ。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載のランプにおいて、
前記ランプは、ハロゲンランプである、ランプ。
【請求項8】
請求項1~7に記載のランプにおいて、更に、
前記外部電線の前記ランプリード線に対する接続部近傍から所定の長さで該外部電線を覆う熱収縮チューブを備えている、ランプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ランプに関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、本出願人が加熱用ハロゲンランプを開発・生産する過程において完成された発明である。従って、本出願の明細書・図面では、新規なランプリード線と外部電線の接続構成を備えた加熱用ハロゲンランプを例にとって説明する。しかし、この新規なランプリード線と外部電線の接続構成の適用対象は、ハロゲンランプに限定されない。この新規な接続構成は、円筒形の発光管を使用し、少なくとも1つの発光管端部からランプリード線が外部に延在している全てのランプに適用可能である。しかし、発明完成過程の事情により、この明細書・図面では、加熱用ハロゲンランプを例にとって説明する。
【0003】
一般に、ランプは点灯時に温度上昇して高温になる。特に、被照射物を熱処理するような加熱用ランプ等においては、点灯時に非常に高温になる。加熱用ランプの一例として、ハロゲンランプがある。ハロゲンランプは、円筒状のガラス管の内部にフィラメントを配置した構造となっている。ガラス管内部には、ハロゲン化物(ヨウ素,臭素等の化合物)と不活性ガス(窒素,アルゴン等)が封入されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-196928「フィラメントランプおよび加熱装置」(公開日:2013.9.30)出願人:ハリソン東芝ライティング株式会社 特許文献1では、ベース6は、導入穴65と、溶接穴66を備えており(段落0018)、金属線の71とアウターリード線5の溶接は、溶接穴66を利用して行われる(段落0019)、ことが記載されている。ベース6にある溶接穴66の存在は、ベース6をランプに装着した後に溶接作業が行われることを示唆している。これは、本願明細書で記載する第2従来例に類似する構成となっている。
【文献】特開2018-174033「ヒータ」(公開日:2018.11.8)出願人:東芝ライテック株式会社 特許文献2では、口金40,40は、本体孔44と、側面孔46,46と、配線孔48,48とを有する(段落0037)。本体孔44は、保持手段によりアウターリード34,34と配線50,50とを保持して溶接工程を容易にする(段落0039)。側面孔46,46は、溶接手段が挿入可能な内径を有していることが望ましい(段落0040)。これらの記載は、口金40,40をランプに装着した後に溶接作業が行われることを示唆している。これは、本願明細書で記載する第2従来例に類似する構成となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明は、新規なランプリード線と外部電線の接続構成を備えたランプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記発明の目的に鑑みて、本発明に係るランプは、その一面において、円筒形の発光管と、前記発光管の少なくとも1つの端部から外部に延在するランプリード線とを有するランプにおいて、前記ランプリード線が外部に延在した箇所に接続された外部電線と、前記発光管の端部及び前記外部電線の接続箇所を覆うベース部材とを備え、前記ベース部材は、一面に前記発光管の端部が挿入される開口及びこれに続く凹みを有し、該開口の形成面と垂直関係にある他の面に、熱収縮チューブが被せられた前記外部電線を通すための開孔を有する。
【0007】
更に、上記ランプでは、前記ベース部材は、絶縁性を有し、点灯中のランプの発熱に耐える耐熱性を有し、外部からの機械的損傷から保護する剛性を有する材質から形成されていてもよい。
【0008】
更に、上記ランプでは、前記ベース部材は、セラミクスから形成されていてもよい。
【0009】
更に、上記ランプでは、前記発光管の端部は、気密封止状態のシール構造であってよい。
【0010】
更に、上記ランプでは、前記凹みは、前記発光管の端部が挿入される比較的大きな凹部と、これに続く、前記ランプリード線と前記外部電線の接続箇所を収納する比較的小さな凹部とから成っていてもよい。
【0011】
更に、上記ランプでは、前記ランプリード線が外部に延在した箇所と前記外部電線とは、溶接接続されていてもよい。
【0012】
更に、上記ランプでは、前記ランプは、両端口金形ランプであってよい。
【0013】
更に、上記ランプでは、前記ランプは、ハロゲンランプであってよい。
【0014】
更に、本発明に係るランプの製造方法は、その一面において、(A)発光管の少なくとも1つの端部からランプリード線が外部に延在するランプを用意し、(B)前記ランプリード線が外部に延在する箇所に、外部電線を接続し、(C)前記ランプの少なくとも1つの端部を挿入可能な凹部と、前記外部電線を挿通可能な開孔とが形成されたベース部材を用意して、該外部電線に通して該ベース部材を該ランプの少なくとも1つの端部に装着し、(D)前記外部電線の一端から、筒状の熱収縮チューブを前記外部電線に通して、前記ベース部材の開孔内まで挿入し、(E)前記熱収縮チューブを加熱して収縮・固化する、外部電線取り付け工程を含む。
【0015】
更に、上記ランプの製造方法では、外部電線を接続する工程(B)は、前記ランプリード線が外部に延在した箇所と前記外部電線とを溶接接続する工程であってよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、新規なランプリード線と外部電線の接続構成を備えたランプを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1A】
図1Aは、第1従来例に係るハロゲンランプのランプ全体図である。
【
図2A】
図2Aは、第2従来例に係るハロゲンランプのランプ全体図である。
【
図3A】
図3Aは、本実施形態に係るハロゲンランプのランプ全体図である。
【
図4】
図4は、第1従来例、第2従来例、及び本実施例に係るハロゲンランプの外部電線取り付け工程を比較するフロー図である。
【
図5A】
図5Aは、
図5Aは、第1従来例における外部電線取り付け方法の主要な工程を説明する概略図
【
図5D】
図5Dは、本実施例における外部電線取り付け部分の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明に係るランプの実施形態を加熱用ハロゲンランプを例にとって、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。ここで、同じ要素に対しては同じ参照符号を付して、重複した説明を省略する。
【0019】
[ハロゲンランプ]
本実施形態の理解を容易にするため、従来のハロゲンランプ(第1従来例、第2従来例)と本実施形態に係るハロゲンランプ(本実施例)とを比較しながら説明する。
【0020】
図1A(A)は
第1従来例のハロゲンランプ10の正面図、(B)は右側面図である。説明の便宜上、(A)のランプ右端部は完成状態の図であり、左端部はランプリード線9aに外部電線16aを溶接接続した段階の組立途中の図である。完成後は、ランプ左端部も、左右対称であるが、右端部と同じ構成となる。以下、
図2A(A)及び
図3Aも同様である。
図1B(A)はこのハロゲンランプの図で見て右端に装着されたベース部材14-1bの平面図、(B)は正面図、(C)は右側面図である。
【0021】
なお、ランプ両端のベース部材は同じものである。以下の図面において、同じ要素(部材)が左右対象に有る場合、右側の要素に対しては参照符号に「b」を付し、左側の要素に対しては参照符号に「a」を付して区別する。しかし、左右の要素(部材)に共通の事項に関しては、「a」,「b」無しの参照符号を用いて、包括的に説明する。更に、ランプ10の各部材に関しては、本実施例においてまとめて説明する。
【0022】
図2A(A)は第2実施例のハロゲンランプの正面図、(B)は右側面図である。
図2B(A)はこのハロゲンランプの図で見て右端に装着されたベース部材の正面図、(B)は左側面図、(C)は底面図である。なお、ランプ両端のベース部材は同じものである。ランプ20の各部材に関しては、本実施例においてまとめて説明する。
【0023】
(本実施例)
図3Aは本実施例に係るハロゲンランプ30を説明する図である。(A)は正面図であり、(B)は右側面図である。
図3B(A)はこのハロゲンランプの図で見て右端に装着されたベース部材14-3bの左側面図、(B)は正面図、(C)は右側面図、(D)は底面図である。(D)の底面図において、内部空間を分かり易くするため、空間の境界を示す破線は太く描かれているので注意されたい。
【0024】
ハロゲンランプ10,20,30を比較すると、発光管2及びその内部構造、外部電線16a、及び発光管のランプリード線9と外部電線16の接続箇所に関しては、3つのランプとも同じ構成である。ハロゲンランプ10,20,30では、ランプリード線9と外部電線16の接続工程が相違し、及びこの接続工程の相違に適合する、接続箇所を保護するベース部材14-1,14-2,14-3の構造が夫々相違する。
【0025】
ハロゲンランプ10,20,30において同じ構成部分に関しては、ハロゲンランプ30を例にとって説明する。ハロゲンランプ30は、フィラメント3を内封した円筒形状のガラスから成る発光管2から成る。フィラメント3の両端は、フィラメントリード線6に夫々接続され、更に金属箔(例えば、モリブデン箔)8に夫々接続され、更に、ランプリード線(例えば、モリブデンリード)9に夫々接続されている。発光管2の金属箔8を内封するシール部12は、ガラス管が加熱押圧されて平板状となり、気密封止状態となっている。このようなランプを両口金形ランプという。発光管2の突起4は、気密封止状態の発光管2を脱気し、ハロゲン化物と不活性ガスを封入した後にピンチオフした排気管の痕跡である。
【0026】
ベース部材14-1,14-2,14-3は、ランプリード線9と外部電線16の接続箇所を保護する部材である。ベース部材は、通電中のランプリード線9,外部電線16を覆って安全確保するため絶縁性を有し、点灯中のランプの発熱に耐える耐熱性を有し、外部からの機械的損傷から保護する剛性を有する材質であれば、任意の材質であってよい。例えば、セラミクス製が好ましい。
【0027】
発光管のランプリード線9と外部電線16の接続は、例えば、溶接で行われる。この溶接は、例えば、外部電線16の内部芯線の先端にカシメにより取り付けた端子に対して、ランプリード線9をクロスした状態で配置して、抵抗溶接で接続している。しかし、この溶接方法に限定されない。任意所望の接続方法で、外部電線16とランプリード線9を電気的に接続できればよい。
【0028】
[ハロゲンランプの外部電線取り付け工程]
次に、ハロゲンランプ10,20,30の相違点であるランプリード線9と外部電線16の接続工程と、各接続工程の相違に適合するベース部材14-1,14-2,14-3の構造に関して説明する。
【0029】
図4は、第1従来例、第2従来例、及び本実施例に係るハロゲンランプの外部電線取り付け方法を比較するフロー図である。
図5Aは、第1従来例における外部電線取り付け方法の主要な工程を説明する概略図であり、
図5Bは、第2従来例における同様の概略図であり、
図5Cは、本実施例における同様の概略図である。
図5Dは、本実施例における外部電線取り付け部分の拡大断面図である。
【0030】
(第1従来例)
第1従来例のランプ10では、ステップSA1で、ランプ(外部電線接続前且つベース部材取り付け前の)ランプを用意する。
ステップSA2で、
図5Aに示すように、ランプリード線9に対して、外部電線16を溶接接続する。
ステップSA3で、ランプのシール部12及び溶接部11の周辺に、接着材を塗布する。接着剤は、例えば、良好な耐熱性を有するセラミックス系接着材が好ましいが、これに限定されない。
ステップSA4で、
図5Aに示すように、ベース部材14-1を、発光管2の端部に装着する。ベース部材14に形成された2つの溝24を利用して、ランプ2の平板状に形成されたシール部12を挟むように、ベース部材を装着する。ランプリードと外部電線の溶接部11がベース部材14-1に当接した段階で、シール部12は、切り込み24の深さのほぼ半分に達し、残りは開口状態となっている。
【0031】
ステップSA5で、接着材を仮乾燥する。
ステップSA6で、ベース部材の切り込み24の開口部分から、接着材を充填する。この接着材は、ステップSA3で使用した接着材と同じであってよい。
ステップSA7で、充填した接着材を乾燥する。この乾燥処理は、例えば、加熱炉等を利用して行う。
ステップSA8で、仕上げ処理を行う。仕上げ処理は、充填部分からはみ出した余分な接着材をカッター、やすり等を使って削る等の表面処理である。
【0032】
(第2従来例)
第2従来例のランプでは、ステップSB1で、ランプ2を用意する。
ステップSB2で、
図5Bに示すように、ベース部材14-2の開口34に発光管のシール部12を挿入するようにして装着する。
ステップSB3で、ランプリード線9に対して、外部電線16を溶接接続する。
図5Bに示すように、ベース部材14-2の側面の開孔38から外部電線16を挿入し、ランプリード線9に対して位置決めし、ベース部材14-2の上下の開孔36から溶接機を挿入して溶接する。
ステップSB4で、上記溶接部の強度確認やベース部材の設置状態の確認などの仕上げ処理を行う。
【0033】
(本実施例)
本実施例のランプでは、ステップSC1で、ランプ2を用意する。
ステップSC2で、ステップSA2と同様に、ランプリード線9に対して、外部電線16を溶接接続する。
ステップSC3で、ベース部材14-3を、ランプ端部のシール部12に装着する。
図5Cに示すように、外部電線16の先端をベース部材14-3の開口42から挿入して開孔46から引き出し、ベース部材14-3を外部電線16の溶接部分11迄引き上げ、ランプ端部のシール部12に装着する。
【0034】
ステップSC4で、熱収縮チューブ18を装着する。
図5Cに示すように、熱収縮チューブ18に外部電線16の先端を挿入し、ベース部材14-3の開孔46内を通し、外部電線16の溶接部分11の近傍まで引き上げる。熱収縮チューブ18は、ベース部材14-3をランプ端部のシール部12及び外部電線16に対して固定し、位置ズレや移動を防止するために用いられ、例えば、シリコンから成る。
ステップSC5で、熱収縮チューブ18を加熱し収縮・硬化させる。
ステップSC6で、ステップSB4と同様の仕上げ処理を行う。
【0035】
[各接続工程の相違に適合するベース部材の構造]
このように、第1従来例、第2従来例及び本実施例では接続工程が相違する。このため、各接続工程の相違に適合するベース部材14-1,14-2,14-3の構造も相違する。
【0036】
第1従来例のベース部材14-1は、
図1B及び
図5Aに示すように、全体として両端開放の円筒形であり、平板状のシール部12を挟み込む溝24が形成されている。溝24は、円筒形の円周方向に180度離れた2箇所に形成され、溝の深さは円筒形の2/3程度である。
【0037】
第2従来例のベース部材14-2は、
図2B及び
図5Bに示すように、全体として一側面が開放の箱形であり、正面図(
図2B(A))に示すように若干長方形となっている。開放側面の開口34は、これに続く凹部を有し、この凹部に、ランプのシール部12を挿入する。左側面図(
図2B(B))に示す円形の凹みはランプリード線9が当接する凹みである。底面図(
図2B(C))に示す開孔38は、外部電線16を挿入する開孔である(
図5(B)参照)。正面図(
図2B(A))に示す開孔36は、反対面の同じ位置にも形成されており、上下の開孔から溶接機を挿入して溶接接続をするための開孔である。開孔34及びこれに続く凹部、開孔38,36は、全て空間的に連通している。
【0038】
これに対して、本実施例のベース部材14-3は、
図3B、
図5C及び5Dに示すように、全体として一側面が開放の箱形である。開放側面は、ランプのシール部12を挿入する開口42が形成され、正面図(
図3B(B))に示すように、この凹みの内部は、前庭部分はランプのシール部12を挿入する高さが比較的高い凹み43であり、その奥の後庭部分は、ランプリード線9と外部電線16の接続部11を収納する比較的低い凹み44となっている。更に、ベース部材14-3の底面図(
図3B(D))に示す開孔46は、外部電線16及び熱収縮チューブ18を挿通する開孔である(
図5(D)参照)。
【0039】
ベース部材14-3の形状で重要な事項は、内部空間を規定する開口42、凹み43,44、開口46であり、外側形状は任意である。実際、
図3A、
図3B(C)、
図5Cに示すように、ベース部材14-3の外側形状は、一部が断面で見て変形六角形となっている。
【0040】
図5Dは、
図3Aに示すランプの完成状態のランプ右端部の部分拡大図である。ベース部材14-3に対する発光管2及び外部電線16の嵌合状態を分かり易くするため、部材間に隙間を設けているが、実際には密に接触していることに留意されたい。
【0041】
ベース部材14-3は、開口42に続く比較的大きな凹み43と、それに続く比較的小さな凹み44と、開口42の形成面と垂直関係の面に形成された開孔46が形成されている。比較的大きな凹み43には、発光管のシール部12が挿入される。比較的小さな凹み43には、接続部11が収納される。開口46には、熱収縮チューブ18が巻かれた外部電線16が挿入される。しかし、これに限定されない。凹み43と凹み44は、同じサイズであってもよく、逆に凹み43に比較して凹み44が大きなサイズであってもよい。開口42に続く凹み43,44、開口46は、全て空間的に連通している。
表1は、ベース部材14-1,14-2,14-3の構造の特徴をまとめた表である。
【0042】
【0043】
[第1,2従来例と比較した本実施形態の利点・効果]
(1)第1従来例及び本実施例は、ベース部材を装着する前に、溶接工程を行う点で共通する(ステップSA2,SC2)。ベース部材が無い状態で行う溶接は、邪魔する部材が無い点で作業効率が高くなる。相違点は、第1従来例では、接着材の塗布及び乾燥工程が夫々2回必要である(ステップSA3,SA5,SA6,SA7)。これに対して、本実施例では、熱収縮チューブの挿入及び加熱収縮工程が夫々1回で済む(ステップSC4,CS5)。工程が簡略化しており、作業性が良い。
【0044】
(2) 第2従来例は、ベース部材装着後に溶接工程がある(ステップSB2,SB3)。そのため、ベース部材に、溶接機を挿入する上下2個の開孔36を設ける必要がある。開孔36を介して行う溶接作業は、作業効率が悪くなる。これに対して、本実施例では、ベース部材を装着する前に、溶接工程を行うので、邪魔する部材が無い点で作業効率が良く、溶接不良の発生を抑えられる。
【0045】
ランプの量産工程において、作業の工程数を減らし、各工程の作業効率を高くすることは、重要な事項である。
【0046】
[本発明の応用範囲等]
以上、本実施形態に関し、加熱用の両口金形ハロゲンランプを例にとって説明したが、これに限定されない。本発明は、円筒形の発光管を使用し、少なくとも1つの端部からランプリード線が外部に延在している全てのランプに応用可能である。本発明の技術的範囲は、添付の特許請求の範囲の記載によって定められる。
【符号の説明】
【0047】
24:溝、36,38:開孔、 2:発光管、 3:フィラメント、 4:突起、 8:金属箔、 9:ランプリード線、 10,20,30:ハロゲンランプ,ランプ、 11:接続部、 12:シール部、 14-1,14-2,14-3:ベース部材、 16:外部電線、 18:熱収縮チューブ、 34,43:凹部、 36,37,38,46:開孔、