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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-26
(45)【発行日】2023-08-03
(54)【発明の名称】送風装置
(51)【国際特許分類】
   F04D 29/44 20060101AFI20230727BHJP
【FI】
F04D29/44 Q
F04D29/44 Y
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019112744
(22)【出願日】2019-06-18
(65)【公開番号】P2020204293
(43)【公開日】2020-12-24
【審査請求日】2022-04-27
(73)【特許権者】
【識別番号】598030696
【氏名又は名称】北上電設工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】田代 賢治
【審査官】所村 陽一
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-155249(JP,A)
【文献】登録実用新案第3059676(JP,U)
【文献】特開平10-220398(JP,A)
【文献】登録実用新案第3110209(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 29/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内の設置面に取り付けられる筐体と、該筐体内に支持されて前記室内の空気を前記筐体内に取り込むためのファン駆動部と、を備え、
前記筐体は、前記設置面に取り付けられるベース部と、該ベース部を覆うカバー部と、を有し、前記ファン駆動部によって前記筐体内に取り込まれた室内の空気を、前記ベース部と前記カバー部との隙間から、前記設置面に送出するように構成され、
前記ベース部は、前記カバー部に対向する面の外周部に、前記筐体の中心から離れるにしたがって、前記設置面に近付くように傾斜する第1テーパ面が設けられ
前記筐体内に取り込まれた空気が前記第1テーパ面に沿って、前記設置面に向けて案内されるように構成されていることを特徴とする送風装置。
【請求項2】
前記第1テーパ面は、前記筐体の中心を通って前記設置面に垂直な断面が直線であることを特徴とする請求項1に記載の送風装置
【請求項3】
前記カバー部は、前記ベース部に対向する面の外周部に、前記筐体の中心から離れるにしたがって、前記設置面に近付くように傾斜する第2テーパ面が設けられ、
前記第2テーパ面は、前記第1テーパ面と少なくとも対向する位置に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の送風装置。
【請求項4】
前記第1テーパ面及び前記第2テーパ面は平行であることを特徴とする請求項に記載の送風装置。
【請求項5】
前記ベース部と前記カバー部とのうち何れか一方から他方に立設された板状の羽根部を有し、
前記羽根部は、前記筐体の中心を通る仮想直線上に設けられていることを特徴とする請求項1~のうち何れか一項に記載の送風装置。
【請求項6】
前記ベース部と前記カバー部との隙間のうち、前記筐体の周方向の一部を塞ぐ塞ぎ部を有していることを特徴とする請求項1~のうち何れか一項に記載の送風装置。
【請求項7】
前記カバー部には、吸込み口が設けられ、
該吸込み口の周縁から、前記カバー部を挟んで前記ベース部から離れる方向に筒状に立設され、該離れる方向に進むにしたがってラッパ状に拡径する案内部を有していることを特徴とする請求項1~のうち何れか一項に記載の送風装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送風装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、室内と室外を仕切る窓に向かって送風するサーキュレータが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
特許文献1に開示された従来のサーキュレータは、筐体と、筐体に内蔵された送風機と、を有し、筐体の正面に吸込み口が形成され、筐体の背面に吹出し口が形成されている。このような従来のサーキュレータは、窓のガラス面に吹出し口が対向するように床面に設置され、吹出し口から窓のガラス面に向けて斜め上方に送風することで、ガラス面付近の湿気を逃がして、ガラス面の結露の発生を抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2004-61059公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような従来のサーキュレータは、吹出し口から窓のガラス面に向かって斜め上方に送風される。即ち、従来のサーキュレータは、風が一旦、窓に当たることで力が削がれる。このため、所望の送風距離が得られ難かった。
【0006】
本発明の目的は、送風距離の延長を図った送風装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の送風装置は、室内の設置面に取り付けられる筐体と、該筐体内に支持されて前記室内の空気を前記筐体内に取り込むためのファン駆動部と、を備え、前記筐体は、前記設置面に取り付けられるベース部と、該ベース部を覆うカバー部と、を有し、前記ファン駆動部によって前記筐体内に取り込まれた室内の空気を、前記ベース部と前記カバー部との隙間から、前記設置面に送出するように構成され、前記ベース部は、前記カバー部に対向する面の外周部に、前記筐体の中心から離れるにしたがって、前記設置面に近付くように傾斜する第1テーパ面が設けられ、前記筐体内に取り込まれた空気が前記第1テーパ面に沿って、前記設置面に向けて案内されるように構成されていることを特徴とする。
また、第1テーパ面は、前記筐体の中心を通って前記設置面に垂直な断面が直線であることが好ましい。
【0008】
以上のような本発明によれば、ファン駆動部によって筐体内に取り込まれた室内の空気を、ベース部とカバー部との隙間から、設置面に送出するように構成され、ベース部は、カバー部に対向する面の外周部に、筐体の中心から離れるにしたがって、設置面に近付くように傾斜する第1テーパ面が設けられている。即ち、第1テーパ面が設けられていることにより、第1テーパ面に沿って送出された流体(空気)が、設置面に向けて案内されつつ、設置面に沿ってスムーズに移動する。これにより、力の損失を低減しつつ空気を効率よく移動させることできるから、送風距離の延長を図ることができる。
【0009】
また、カバー部は、ベース部に対向する面の外周部に、筐体の中心から離れるにしたがって、設置面に近付くように傾斜する第2テーパ面が設けられ、第2テーパ面は、第1テーパ面と少なくとも対向する位置に設けられていることが好ましい。即ち、ベース部とカバー部との隙間から送出された空気は、第2テーパ面により乱れが整えられ、第1テーパ面及び第2テーパ面に沿って設置面に向けて案内されて、設置面に沿ってスムーズに移動する。これにより、より一層、送風距離の延長が図られる。
【0010】
また、第1テーパ面及び第2テーパ面が平行であることが好ましい。これによれば、ベース部とカバー部との隙間から送出された空気が、第1テーパ面及び第2テーパ面の間で整流されて、設置面に沿ってスムーズに移動するから、より一層、送風距離の延長が図られる。
【0011】
また、ベース部とカバー部とのうち何れか一方から他方に立設された板状の羽根部を有し、 羽根部は、筐体の中心を通る仮想直線上に設けられていることが好ましい。これによれば、羽根部の面に沿って、風の拡散を抑えつつ風の直進性を高めることができる。これにより、より一層、送風距離の延長が図られる。
【0012】
また、ベース部とカバー部との隙間のうち、筐体の周方向の一部を塞ぐ塞ぎ部を有していることが好ましい。即ち、塞ぎ部によって、ベース部とカバー部との隙間の一部が塞がれることで、塞ぎ部が設けられた場所からは風が送出されず、塞ぎ部が設けられていない場所からは、風量が増加して風が送出される。このように塞ぎ部が設けられていることにより、風が送出される方向とその風量を調整することができる。
【0013】
また、カバー部には、吸込み口が設けられ、該吸込み口の周縁から、カバー部を挟んでベース部から離れる方向に筒状に立設され、該離れる方向に進むにしたがってラッパ状に拡径する案内部を有していることが好ましい。このような構成によれば、案内部が設けられていることで、吸込み口から空気を吸い込んで、ベース部とカバー部との隙間から送出する流れがつくられるから、室内の空気を効率よく移動させることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の送風装置によれば、送風距離の延長を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施の形態に係る送風装置が設置された状態を示す斜視図である。
図2】前記送風装置を示す側面図である。
図3】前記送風装置が駆動することにより室内の空気が移動する様子を説明するための図である。
図4】前記送風装置を示す断面図である。
図5】前記送風装置を構成するベース部を示す斜視図である。
図6】前記ベース部の要部を拡大して示す側面図である。
図7】前記送風装置を構成するカバー部を示す斜視図である。
図8】前記送風装置の変形例を示す斜視図である。
図9】前記送風装置の他の変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態に係る送風装置1を、図1図7を参照して説明する。図1は、本発明の一実施の形態に係る送風装置1が天井面Cに設置された状態を示す斜視図である。図2は、送風装置1を示す側面図である。図3は、送風装置1が駆動することにより室内の空気が移動する様子を説明するための図である。
【0017】
本実施形態の送風装置1は、図1~3に示すように、天井面C(設置面)に設置され、室内の流体(空気)を該天井面Cに沿って送出して、天井面C付近に溜まった湿気を含んだ空気を移動させることで、天井面Cに生じる結露やカビの発生を抑制するものである。送風装置1は、図2、3に示すように、天井面Cに取り付けられるベース部2と、該ベース部2を覆うカバー部3と、ベース部2とカバー部3との間に支持される不図示の遠心ファン(ファン駆動部)と、を有し、ベース部2とカバー部3との隙間Dから風を送り出すように構成されている。ベース部2とカバー部3は、筐体4を構成する。本実施形態では、図3に示すように、天井面Cの面方向を「水平方向」(矢印X)と記し、水平方向に直交する方向であって、室内の空気を筐体4内に取り込む方向を「取込み方向」(矢印Y)と記す場合がある。本実施形態の送風装置1は、室内の空気を、取込み方向Yに筐体4内に取り込んで、取り込んだ空気を水平方向Xに送出するように構成されている。送風装置1は、天井面C(設置面)の隅部から中央側に離間した位置に間隔をあけて設置されている。
【0018】
ベース部2は、図4~6に示すように、円盤状に形成されて、天井面Cに設置されるベース本体20と、ベース本体20にカバー部3を取り付けるための取付け部21と、該取付け部21の周面に連続される3枚(複数)の羽根部22と、を有して構成されている。
【0019】
ベース本体20には、図2、5に示すように、中心Pを含む位置に凹状部200が設けられている。この凹状部200の底部には、遠心ファンに電力を供給する電源線(不図示)を挿通させる中央孔201が形成されている。さらに、ベース本体20には、カバー部3に対向するベース対向面204の外周部に、第1テーパ面205が形成されている。第1テーパ面205は、天井面Cに対する傾斜角θ1(図2に示す)が30度となるように形成されている。第1テーパ面205が設けられていることにより、遠心ファンにより筐体4内に取り込まれた空気が、該第1テーパ面205に沿って、天井面Cに案内される。
【0020】
取付け部21は、図5、6に示すように、3個(複数)設けられている。3個の取付け部21は、ベース本体20の中心Pから所定の寸法だけ離間した位置に設けられているとともに、周方向に等間隔をあけて設けられている。各取付け部21は、円筒状に立設されたボス210と、該ボス210の外周面に連続されてボス210を支持する3個(複数)のボス支持部211、212、213と、を有して構成されている。ボス210の内周面には、不図示のボルトが螺合されるように雌ねじが切られている。このような取付け部21は、図4に示すように、カバー部3に形成されたボルト挿通孔34にボルト10が挿通され、該ボルト10がボス210の内周面に螺合されることで、カバー部3がベース本体20に取り付けられるようになっている。ボス210の外周面に設けられた3個のボス支持部211、212、213は、ボス210の周方向に等間隔をあけて設けられ、そのうち1個のボス支持部211には羽根部22が連続されている。
【0021】
各羽根部22は、図5、6に示すように、ベース本体20からカバー部3に向けて板状に立設されかつ、ベース本体20の径方向の外方に延在形成されている。即ち、羽根部22は、ベース本体20の周方向に直交する面を有し、筐体4の中心Pを通る仮想直線Lに沿って連続して設けられている。各羽根部22は、立設方向側(カバー部3側)の端部がカバー部3に当接するように設けられ、径方向の外方の端部が、第1テーパ面205の筐体4の中心P側の内方周縁部205iに到達するように構成されている。このような羽根部22が設けられていることにより、筐体4内に取り込まれた空気が、羽根部22の面220に沿って隙間Dから送出されるから、風の拡散を抑えつつ風の直進性が高められている。
【0022】
カバー部3は、図4、7に示すように、中央部に吸込み口30を有する円形状のカバー本体31と、該カバー本体31の周囲に連続される外周縁部32と、を有して構成されている。また、図1に示すように、カバー部3には、吸込み口30を覆う覆い部33が設けられている。図7では、覆い部33は省略されている。カバー本体31及び外周縁部32は、略同じ板厚に形成されているとともに、カバー本体31は、天井面Cと略対向して設けられ、外周縁部32は、カバー本体31の径方向外方に向かうにしたがって徐々に天井面Cに近付くように傾斜して構成されている。即ち、カバー部3のベース部2に対向する面300は、カバー本体31の一部であるカバー本体面310と、外周縁部32の一部である外周縁面320(以下では、第2テーパ面320と記す場合がある)と、を有して構成されている。
【0023】
第2テーパ面320は、図4に示すように、天井面Cに対する傾斜角θ2が35度となるように形成されている。また、第2テーパ面320の筐体4の中心P側の内方周縁部320iは、第1テーパ面205の内方周縁部205iより中心P側に位置するように形成され、第2テーパ面320の外方周縁部320aと第1テーパ面205の外方周縁部205aは、略対向して設けられている。即ち、第2テーパ面320の一部は、第1テーパ面205と対向して設けられている。
【0024】
遠心ファンは、ファン(羽根)と、ファンを駆動するためのモータと、を有して一体に構成されている。ファンは、吸込み口30から、室内の空気を吸い上げることが可能なように、ベース本体20に取り付けられている。モータは、中央孔201を通された電源線から供給された電力により、ファンを回転させるように構成されている。このような遠心ファンは、室内の空気を、上方(取込み方向Y)に吸い上げて、水平方向Xに送出するように構成されている。
【0025】
このような送風装置1は、以下の手順で天井面Cに設置する。まず、電源線をベース部2の中央孔201に挿通させて、電源線を遠心ファンに接続しつつ、遠心ファンを凹状部200の底部にビス固定する。次に、ベース部2を天井面Cにビス固定する。最後に、カバー部3をベース部2に近付けて、ボルト10をカバー部3のボルト挿通孔34に挿通させて、ベース部2の取付け部21にボルト10を螺合して、カバー部3をベース部2に取り付ける。こうして、送風装置1を天井面Cに設置する。
【0026】
このように設置された送風装置1は、遠心ファンが駆動されることにより、吸込み口30から室内の空気が筐体4内に吸い込まれ、筐体4内に吸い込まれた空気は、ベース部2とカバー部3との隙間Dから送風される。ここで、ベース部2は、カバー部3に対向するベース対向面204の外周部に、筐体4の中心Pから離れるにしたがって、天井面C(設置面)に近付くように傾斜する第1テーパ面205が設けられている。即ち、第1テーパ面205が設けられていることにより、第1テーパ面205に沿って送出された空気が、天井面Cに向けて案内されつつ、天井面Cに沿って水平方向Xにスムーズに移動する。これにより、力の損失を低減しつつ空気を効率よく移動させることできるから、送風距離の延長を図ることができる。
【0027】
また、カバー部3は、ベース部2に対向する面300の外周部に、筐体4の中心Pから離れるにしたがって、天井面C(設置面)に近付くように傾斜する第2テーパ面320が設けられ、第2テーパ面320は、第1テーパ面205と少なくとも対向する位置に設けられている。即ち、ベース部2とカバー部3との隙間Dから送出された空気は、第2テーパ面320により乱れが整えられ、第1テーパ面205及び第2テーパ面320に沿って天井面Cに向けて案内されて、天井面Cに沿って水平方向Xにスムーズに移動する。これにより、より一層、送風距離の延長を図ることができる。
【0028】
また、第1テーパ面205及び第2テーパ面320が平行となるように構成されている。これによれば、ベース部2とカバー部3との隙間Dから送出された空気が、第1テーパ面205及び第2テーパ面320の間で整流されて、天井面C(設置面)に沿ってスムーズに移動するから、より一層、送風距離の延長を図ることができる。
【0029】
また、ベース部2とカバー部3とのうち何れか一方(ベース部2)から他方(カバー部3)に立設された板状の羽根部22を有し、羽根部22は、筐体4の中心Pを通る仮想直線Lに沿って設けられている。これによれば、羽根部22の面220に沿って、風の拡散を抑えつつ風の直進性を高めることができる。これにより、より一層、送風距離の延長を図ることができる。
【0030】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形例も本発明に含まれる。
【0031】
前記実施形態では、送風装置1は、天井面C(設置面)に設置されているが、本発明はこれに限定されるものではない。送風装置は、天井面Cに連続される壁面に設置されていてもよく、床面に設置されていてもよい。
【0032】
前記実施形態では、第1テーパ面205は、天井面Cに対する傾斜角θ1(図2に示す)が30度となるように形成され、第2テーパ面320は、天井面Cに対する傾斜角θ2が35度となるように形成されているが、本発明はこれに限定されるものではない。第1テーパ面205の傾斜角θ1や、第2テーパ面320の傾斜角θ2は、それぞれ異なる適宜な角度に設定されていてもよい。または、第1テーパ面及び、第2テーパ面は、設置面に対する傾斜角が略同じ角度となるように構成されていてもよく、第1テーパ面及び、第2テーパ面の各傾斜角は、好ましくは10度~45度の間で、適宜な角度に設定されてもよい。即ち、第1テーパ面及び第2テーパ面は、略平行となるように構成されていてもよい。これによれば、ベース部2とカバー部3との隙間Dから送出された空気が、第1テーパ面及び第2テーパ面の間で整流されて、設置面に沿ってスムーズに移動するから、より一層、送風距離の延長が図られる。
【0033】
また、前記実施形態では、第2テーパ面320の一部のみが、第1テーパ面205と対向して設けられているが、本発明はこれに限定されるものではない。第2テーパ面320の全体が、第1テーパ面205と対向して設けられていてもよい。
【0034】
また、図8に示すように、ベース部2とカバー部3との隙間Dの一部を塞ぐ塞ぎ部5が、さらに設けられていてもよい。即ち、塞ぎ部5によって、ベース部2とカバー部3との隙間Dの一部が塞がれることで、塞ぎ部5が設けられた場所からは風が送出されず、塞ぎ部5が設けられていない場所からは、風量が増加して風が送出されていてもよい。このように塞ぎ部5が設けられていることにより、風が送出される方向とその風量を調整することができる。
【0035】
また、図9に示すように、カバー部3に形成された吸込み口30の周縁から、カバー部3を挟んでベース部2から離れる方向にラッパ状に立設され、該離れる方向に進むにしたがって拡径する案内部6が、さらに設けられていてもよい。このような構成によれば、案内部6が設けられていることで、吸込み口30から空気を吸い込んで、ベース部2とカバー部3との隙間Dから送出する流れがつくられるから、室内の空気を効率よく移動させることができる。
【0036】
また、前記実施形態では、羽根部22は、ベース本体20からカバー部3側に板状に立設形成されているが、本発明はこれに限定されるものではない。羽根部22は、カバー本体31からベース部2に向かって立設されていてもよい。
【0037】
その他、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、且つ、説明されているが、本発明の技術的思想及び、目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部、もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0038】
1 送風装置
2 ベース部
3 カバー部
4 筐体
5 塞ぎ部
6 案内部
22 羽根部
30 吸込み口
205 第1テーパ面
300 ベース部に対向する面
320 第2テーパ面
C 天井面(設置面)
D 隙間
L 仮想直線
P 筐体の中心
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9