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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-26
(45)【発行日】2023-08-03
(54)【発明の名称】患者刺激装置及びデータ記録媒体
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/36 20060101AFI20230727BHJP
   A63B 26/00 20060101ALI20230727BHJP
【FI】
A61N1/36
A63B26/00
【請求項の数】 37
(21)【出願番号】P 2019508305
(86)(22)【出願日】2017-04-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-07-11
(86)【国際出願番号】 GB2017051217
(87)【国際公開番号】W WO2017187202
(87)【国際公開日】2017-11-02
【審査請求日】2020-04-24
【審判番号】
【審判請求日】2022-01-11
(31)【優先権主張番号】1607594.7
(32)【優先日】2016-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】518383873
【氏名又は名称】ティーズサイド ユニバーシティ
【氏名又は名称原語表記】Teesside University
(74)【代理人】
【識別番号】110003214
【氏名又は名称】弁理士法人服部国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ティムス ジェイソン
(72)【発明者】
【氏名】ライアン コーマック
(72)【発明者】
【氏名】マーティン デニス
【合議体】
【審判長】村上 聡
【審判官】内藤 真徳
【審判官】松田 長親
(56)【参考文献】
【文献】特表2007-502179(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 1/00 - 1/44
A61B 5/00 , 5/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の体の異なる部位に配置可能な、患者の体へ選択的に刺激を付与する複数の刺激器具と、前記複数の刺激器具から前記患者が感知した少なくとも刺激の位置を表す位置データを前記患者から受け取る患者入力インターフェースと、前記複数の刺激器具によって前記患者に付与された刺激を表す少なくとも位置データを前記患者へ伝える出力装置と、訓練モードと評価モードとを有するコントローラとを備え、前記付与された刺激を表す少なくとも位置データを蓄積する患者刺激装置であって
前記訓練モードにおいて前記コントローラは、
(a)前記複数の刺激器具の少なくとも1つを作動させて前記患者の体に刺激を付与し、
(b)各々の付与された当該刺激の後、前記患者入力インターフェースから、前記感知された刺激を表す少なくとも位置データを受け取り、
(c)当該少なくとも位置データの受け取りの度に、前記患者に伝達するためのデータを前記出力装置に提供する
ようにプログラムされ、前記(c)において前記出力装置に提供するデータは前記付与された刺激を表す少なくとも位置データを含み、
前記評価モードにおいて前記コントローラは、
(d)前記複数の刺激器具を作動させて患者の体にランダムな順序で刺激を付与し、
(e)各々の付与された前記刺激の後、前記患者入力インターフェースから前記感知された刺激を表す少なくとも位置データを受け取り、次の刺激を付与し、
(f)刺激の付与及び少なくとも位置データの受け取りが一定回数繰り返された後、前記患者に伝達するためのデータを前記出力装置に提供する
ようにプログラムされ、前記(f)において前記出力装置に提供するデータは、前記感知された刺激を表す少なくとも位置データが前記ランダムな順序が終了して蓄積された前記付与された刺激を表す少なくとも位置データに合致した回数分の少なくとも位置データを含む、患者刺激装置。
【請求項2】
前記付与された刺激を表す少なくとも位置データは、前記付与された刺激の強さ及び/又は形式を表すデータである、請求項1に記載の患者刺激装置。
【請求項3】
前記感知された刺激を表す少なくとも位置データは、前記付与された刺激の感知された強さ及び/又は感知された形式を表示する、請求項1から2の何れか一項に記載の患者刺激装置。
【請求項4】
前記訓練モードにおいて、前記付与された刺激を表す少なくとも位置データは、更に前記感知された刺激が前記付与された刺激に合致するか否かの表示を含む、請求項1から3の何れか一項に記載の患者刺激装置。
【請求項5】
前記訓練モードにおいて、前記感知された刺激が前記付与された刺激に合致しない場合、前記コントローラは前記出力装置を介して患者に正しく前記付与された刺激を表示するようにプログラムされた、請求項1から4の何れか一項に記載の患者刺激装置。
【請求項6】
前記コントローラは、前記付与された刺激の正しい位置及び/又は強さ及び/又は形式を表示するようにプログラムされた、請求項5に記載の患者刺激装置。
【請求項7】
前記コントローラは、前記感知された刺激が前記付与された刺激に合致しない場合、前記付与された刺激を繰り返すようにプログラムされた、請求項4から6の何れか一項に記載の患者刺激装置。
【請求項8】
前記訓練モードにおいて、前記コントローラは、前記付与された刺激を表す少なくとも位置データが患者に伝えられた後、次の前記複数の刺激器具の1つを作動させるようにプログラムされた、請求項1から7の何れか一項に記載の患者刺激装置。
【請求項9】
前記コントローラは、予め決められた数の前記刺激器具の作動のために前記刺激器具を作動させるようにプログラムされた、請求項8に記載の患者刺激装置。
【請求項10】
繰り返された前記刺激器具の作動は、異なる継続時間及び/又は形式の前記刺激器具の作動を含む、請求項8又は9に記載の患者刺激装置。
【請求項11】
前記訓練モードにおいて、前記患者刺激装置は少なくとも位置データを記憶するか、又は記憶装置に少なくとも位置データを移動させる、請求項1から10の何れか一項に記載の患者刺激装置。
【請求項12】
前記患者刺激装置は前記付与された刺激を表す少なくとも位置データを記憶する、請求項11に記載の患者刺激装置。
【請求項13】
前記患者刺激装置は前記感知された刺激を表す少なくとも位置データを記憶する、請求項11又は12に記載の患者刺激装置。
【請求項14】
前記患者刺激装置は前記感知された刺激が前記付与された刺激と合致した回数を示すデータを記憶する、請求項11から13の何れか一項に記載の患者刺激装置。
【請求項15】
前記患者刺激装置は前記感知された刺激が前記付与された刺激に合致した回数を示すデータを臨床医に伝達する、請求項14に記載の患者刺激装置。
【請求項16】
前記コントローラは、前記患者刺激装置によって記憶された少なくとも位置データ又は前記記憶装置によって記憶された少なくとも位置データと、前記患者入力インターフェースを介して受け取った少なくとも位置データとを比較するようにプログラムされた、請求項11から15の何れか一項に記載の患者刺激装置。
【請求項17】
前記コントローラは、前記感知された刺激を表す少なくとも位置データと、前記付与された刺激を表す少なくとも位置データとを比較するようにプログラムされた、請求項1から16の何れか一項に記載の患者刺激装置。
【請求項18】
前記患者刺激装置は少なくとも位置データを記憶するか、又は記憶装置に少なくとも位置データを移動させ、
前記出力装置に提供された少なくとも位置データは、記憶された少なくとも位置データと、前記患者入力インターフェースを介して受け取った少なくとも位置データとの比較により決定される、請求項17に記載の患者刺激装置。
【請求項19】
前記出力装置に提供された少なくとも位置データは、前記感知された刺激を表す少なくとも位置データと、前記付与された刺激を表す少なくとも位置データとの比較により決定される、請求項18に記載の患者刺激装置。
【請求項20】
前記患者刺激装置は電子部品を収容するハウジングを備え、前記ハウジングは、前記装置が使用中にユーザの手に保持される形状及び寸法を有する、請求項1から19の何れか一項に記載の患者刺激装置。
【請求項21】
前記複数の刺激器具は、信号に反応して患者の体に刺激を付与するようにされた、請求項1から20の何れか一項に記載の患者刺激装置。
【請求項22】
前記複数の刺激器具は、患者により付与される信号に反応して患者の体に刺激を付与するようにされた、請求項21に記載の患者刺激装置。
【請求項23】
前記複数の刺激器具は患者の体に取り付け可能である、請求項1から22の何れか一項に記載の患者刺激装置。
【請求項24】
前記複数の刺激器具の各々は、2つの刺激器具が患者の体の同じ部位で共有されることが無いように、患者の体の異なる部位に配置可能である、請求項1から23の何れか一項に記載の患者刺激装置。
【請求項25】
前記複数の刺激器具の各々の距離及び/又は間隔は変更可能である、請求項24に記載の患者刺激装置。
【請求項26】
前記複数の刺激器具は電気的刺激を患者の体に付与するようにされた、請求項1から25の何れか一項に記載の患者刺激装置。
【請求項27】
前記複数の刺激器具は電極を含む、請求項1から26の何れか一項に記載の患者刺激装置。
【請求項28】
前記患者入力インターフェースは、発話、脳の電気活動、又はジェスチャーによって作動可能な方式であるようにプログラムされた、請求項1から27の何れか一項に記載の患者刺激装置。
【請求項29】
前記患者入力インターフェースはタッチスクリーン型インターフェースである、請求項1から28の何れか一項に記載の患者刺激装置。
【請求項30】
前記患者刺激装置は表示部を備え、前記表示部は画面を備える、請求項1から29の何れか一項に記載の患者刺激装置。
【請求項31】
前記患者刺激装置は、前記感知された刺激が前記付与された刺激と合致するか否かを表す可聴式信号を出力するようにプログラムされた、請求項1から30の何れか一項に記載の患者刺激装置。
【請求項32】
前記コントローラは自動習熟モードを有し、
)前記複数の刺激器具の少なくとも1つを作動させて患者の体に刺激を付与し、
)()の直後、前記患者に伝達するためのデータを前記出力装置に提供するようにプログラムされ、前記出力装置に提供するデータは前記付与された刺激を表す少なくとも位置データを含む、請求項1から31の何れか一項に記載の患者刺激装置。
【請求項33】
前記コントローラは手動習熟モードを有し、患者の入力に反応して前記患者入力インターフェースを介して患者の体に刺激を付与するための前記複数の刺激器具の少なくとも1つを作動させるようにプログラムされた、請求項1から32の何れか一項に記載の患者刺激装置。
【請求項34】
前記評価モードでは、前記コントローラは、ユーザ選択難易度に基づき、ランダムな順序で前記刺激器具を作動させるようにプログラムされた、請求項33に記載の患者刺激装置。
【請求項35】
前記刺激器具は、より難易度の低い前記ユーザ選択難易度よりもより難易度の高い前記ユーザ選択難易度において、より近接して配置される、請求項34に記載の患者刺激装置。
【請求項36】
より難易度の低い前記ユーザ選択難易度よりもより難易度の高いユーザ選択難易度において、より多くの前記刺激器具が刺激を付与する、請求項35に記載の患者刺激装置。
【請求項37】
患者刺激装置のコントローラへの機械可読な指示機能を備えるデータ記録媒体であって、
前記患者刺激装置は、
患者の体へ選択的に刺激を付与し、患者の体の異なる部位に配置可能である、複数の刺激器具と、前記複数の刺激器具から前記患者が感知した少なくとも刺激の位置を表す位置データを前記患者から受け取る患者入力インターフェースと、前記複数の刺激器具によって前記患者の体へ選択的に付与された刺激を表す少なくとも位置データを前記患者へ伝える出力装置と、訓練モードと評価モードとを有する前記コントローラとを備え、前記付与された刺激を表す少なくとも位置データを蓄積し、
前記訓練モードにおいて、前記指示機能を通じて前記コントローラに、
(a)前記複数の刺激器具の少なくとも1つを作動させて前記患者の体に刺激を付与し、
(b)各々の付与された当該刺激の後、前記患者入力インターフェースから、前記感知された刺激を表す少なくとも位置データを受け取り、
(c)当該少なくとも位置データの受け取りの度に、前記患者に伝達するためのデータを前記出力装置に提供する
ようにさせ前記(c)において前記出力装置に提供するデータは前記付与された刺激を表す少なくとも位置データを含み、
前記評価モードにおいて、前記指示機能を通じて前記コントローラに、
(d)前記複数の刺激器具を作動させて患者の体にランダムな順序で刺激を付与し、
(e)各々の付与された前記刺激の後、前記患者入力インターフェースから前記感知された刺激を表す少なくとも位置データを受け取り、次の刺激を付与し、
(f)刺激の付与及び少なくとも位置データの受け取りが一定回数繰り返された後、前記患者に伝達するためのデータを前記出力装置に提供する
ようにさせ、前記(f)において前記出力装置に提供するデータは、前記感知された刺激を表す少なくとも位置データが前記ランダムな順序が終了して蓄積された前記付与された刺激を表す少なくとも位置データに合致した回数分の少なくとも位置データを含む、データ記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は患者刺激装置に関し、特に感覚区別訓練のための患者刺激装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒトの脳において、精神的な身体イメージ、又は物理的な体の表現が存在する。
長期に亘る慢性の痛みを有する個人は、痛みのある部位の精神的な身体イメージを変えてしまう。例えば、体の残りの箇所に関して、痛みのある部位の形状、大きさ、又は位置の精神的な身体イメージが歪められる。
これはしばしば、皮質の再編成/障害又は皮質の再マッピングと呼ばれる。皮質の再編成の量は、もはや存在しない手足の痛みを患者が経験する幻肢痛(PLP)等の、ある慢性痛状態における痛みの量に関連付けられる。
【0003】
感覚区別訓練は、刺激を使用して皮質の再編成の効果を反転し、これによって患者が感じる痛みを減少しようとするものである。触れること、電気的刺激、又は振動を含む、異なる種類の刺激が使用可能である。
皮質の再編成は、付与された電気的刺激の場所及び/又は形式等の、電気的刺激の異なる要素について状況を判断して区別する患者の能力を減じ得る。
感覚区別訓練は通常、付与された電気的刺激の場所及び/又は形式を患者が認識するよう訓練することを含む。これは例えば2週間から3週間の期間等の、長期間の毎日の刺激を必要とし得る。
理論的に、患者が付与された電気的刺激を認識する能力が高まると同時に、皮質の再編成が、患者の精神的な身体イメージと物理的な体の部位の合致が改善される方向に変化する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の感覚区別訓練法はその様なフィードバックを提供する、通常は医師又は看護師等の医療専門家である第三者の存在を必要とする。
2週間から3週間の間、毎日医師又は看護師の存在を必要とすることは感覚区別訓練に関連する費用の増加につながり、且つ要員及び医療専門家の両方に(労力面の)負担をかけ、また医療専門家に時間的負担をかける。
患者の友人及び家族といった医療専門家でない人々にこのフィードバックを提供させるよう訓練する試みは成功していない。
【0005】
従来技術に関連する上述の及び/又は他の欠点を克服する又は実質的に緩和する、患者刺激装置、患者の体に刺激を付与する方法、及び患者刺激装置のコントローラに対する機械可読の指示を含むデータ記録媒体が(出願人により)現在までに(本発明として)考案された。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(本発明の第1の態様)
本発明の第1の態様によると、患者刺激装置は患者の体へ選択的に刺激を付与し、患者の体の異なる部位に配置可能である、複数の刺激器具と、複数の刺激器具から患者が感知した少なくとも刺激の位置を表す位置データを患者から受け取る患者入力インターフェースと、複数の刺激器具によって患者に付与された刺激を表す少なくとも位置データを患者へ伝え複数の刺激器具によって患者に付与された刺激を表す少なくとも位置データを患者へ伝える出力装置とを含む。患者刺激装置は訓練モードと評価モードとを有するコントローラを含み、付与された刺激を表す少なくとも位置データを蓄積する
訓練モードにおいてコントローラは、
(a)複数の刺激器具の少なくとも1つを作動させて患者の体に刺激を付与し、
(b)各々の付与された刺激の後、患者入力インターフェースから、当該感知された刺激を表す少なくとも位置データを受け取り、
(c)少なくとも位置データの受け取りの度に、患者に伝達するためのデータを出力装置に提供する
ようにプログラムされ、(c)において出力装置に提供するデータは当該付与された刺激を表す少なくとも位置データを含む。
評価モードにおいてコントローラは、
(d)複数の刺激器具を作動させて患者の体にランダムな順序で刺激を付与し、
(e)各々の付与された刺激の後、患者入力インターフェースから感知された刺激を表す少なくとも位置データを受け取り、次の刺激を付与し、
(f)刺激の付与及び少なくとも位置データの受け取りが一定回数繰り返された後、患者に伝達するためのデータを出力装置に提供する
ようにプログラムされ、(f)において出力装置に提供するデータは、感知された刺激を表す少なくとも位置データがランダムな順序が終了して蓄積された付与された刺激を表す少なくとも位置データに合致した回数分の少なくとも位置データ含む
【0008】
(本発明の第2の態様)
本発明の第2の態様によると、患者刺激装置のコントローラへの機械可読な指示機能を備えるデータ記録媒体が提供される。患者刺激装置は、患者の体へ選択的に刺激を付与し、患者の体の異なる部位に配置可能である、複数の刺激器具と、複数の刺激器具から患者が感知した少なくとも刺激の位置を表す位置データを患者から受け取る患者入力インターフェースと、複数の刺激器具によって患者に付与された刺激を表す少なくとも位置データを患者へ伝え複数の刺激器具によって付与された刺激を表す少なくとも位置データを患者へ伝える出力装置と、訓練モードと評価モードとを有するコントローラとを備え、付与された刺激を表す少なくとも位置データを蓄積する。
訓練モードにおいて、指示機能を通じてコントローラに、
(a)複数の刺激器具の少なくとも1つを作動させて患者の体に刺激を付与し、
(b)各々の付与された刺激の後、患者入力インターフェースから、当該感知された刺激を表す少なくとも位置データを受け取り、
(c)少なくとも位置データの受け取りの度に、患者に伝達するためのデータを出力装置に提供する
ようにさせ(c)において出力装置に提供するデータは当該付与された刺激を表す少なくとも位置データを含む。
評価モードにおいて、指示機能を通じてコントローラ
(d)複数の刺激器具を作動させて患者の体にランダムな順序で刺激を付与し、
(e)各々の付与された刺激の後、患者入力インターフェースから感知された刺激を表す少なくとも位置データを受け取り、次の刺激を付与し、
(f)刺激の付与及び少なくとも位置データの受け取りが一定回数繰り返された後、患者に伝達するためのデータを出力装置に提供する
ようにさせ(f)において出力装置に提供するデータは、感知された刺激を表す少なくとも位置データがランダムな順序が終了して蓄積された付与された刺激を表す少なくとも位置データに合致した回数分の少なくとも位置データ含む
【0009】
(本発明の効果)
本発明の第1の態様及び第の態様は、患者刺激装置がモードを有するコントローラを含む。そのモードにおいてコントローラは、複数の刺激器具の少なくとも1つを作動させて、患者の入力とは独立して患者の体に刺激を付与し、その後、患者入力インターフェースから感知された刺激を表すデータを受け取り、その後、付与された刺激を表すデータを出力装置に提供して患者に伝達し、その結果付与された刺激を表すデータは付与された刺激を特定するか、又は付与された刺激を特定可能とするという理由で、主に利点を有し得る。
【0010】
特に、コントローラが患者入力インターフェースから感知された刺激を表すデータを受け取った後に、コントローラは付与された刺激を表すデータを出力装置に提供して患者に伝達し、その結果付与された刺激を表すデータは付与された刺激を特定するか、又は付与された刺激を特定可能とするため、本発明の患者刺激装置は患者への付与された刺激のフィードバックを可能とし、その結果患者は患者の体に付与された刺激の効果(例えば感覚)を知ることが出来る。
【0011】
よって、患者刺激装置主導での患者の感覚区別訓練が可能となり、よって、その様な感覚区別訓練を労働で提供する、例えば医師や看護師等の第三者の存在の必要性を取り除く。
よって患者刺激装置は感覚区別訓練に関連する費用を削減でき、医師及び看護師が(間隔区別訓練業務から)解放されて他の仕事を行うことができ、その結果病院又は診療所の(作業)効率が向上する。
また患者刺激装置によって、感覚区別訓練が患者に適した場所及び時間に提供されるため、患者にとってより便利である。これは臨床医により処方される治療法を患者がより順守するようになることにつながる。
【0012】
よって本発明による患者刺激装置は体の部位に対するユーザの身体知覚又は身体イメージを高め得る。
患者刺激装置は体の部位の知覚を高めることを必要とする如何なる患者にも使用され得る。例えば、患者刺激装置は以下のタイプの患者に使用可能である。
体の部位に痛みのある個人。
神経系の機能障害(例えば脳卒中に遭った方)を受けた個人。
身体イメージに損傷を受けた(例えば摂食障害)個人。
例えば慢性足関節不安定症等の慢性の筋骨格疾患/障害を有する個人。及び、
例えばスポーツ選手等の、自身の身体イメージを、標準を超えて高めたい個人。
【0013】
(本発明がなし得る応用)
付与された刺激を表すデータは付与された刺激の位置及び/又は継続時間及び/又は形式を表すデータであっても良い。
刺激の形式は連続的刺激、周期的刺激又は間欠的刺激であり得る。
例えば、周期的刺激は一定の速度で付与された複数の個々の刺激を含み得、一方間欠的刺激は変化する速度で付与された複数の個々の刺激を含み得る。
【0014】
感知された刺激を表す前記データは、感知された刺激の位置及び/又は感知された刺激の継続時間を表し得る。
【0015】
付与された刺激を表すデータは更に感知された刺激が付与された刺激に合致するか否かの表示を含み得る。
例えば、患者刺激装置は感知された刺激が付与された刺激に合致するか否かを患者に伝えても良い。
感知された刺激が付与された刺激に合致しない場合、患者刺激装置は患者に正しく付与された刺激を伝えても良い。
患者刺激装置は、付与された刺激の正しい位置及び/又は強さ及び/又は形式を患者に伝えても良い。
患者刺激装置は、感知された刺激が付与された刺激に合致しない場合、付与された刺激を繰り返しても良い。
よって患者刺激装置は付与された刺激が認識されない場合に患者が付与された刺激の正しい形式を知ることが出来るようにする。
【0016】
コントローラは、任意の患者の入力とは独立して患者の体に刺激を付与する複数の刺激器具の少なくとも1つを作動し得る。
コントローラは、前に付与された刺激を表すデータが患者に伝えられた後、次の複数の刺激器具の1つを作動させて患者の体に刺激を付与し得る。
例えば、コントローラは、異なる付与された刺激を使用して、作動ステップ、患者入力ステップ及び伝達ステップを自動で繰り返しても良い。
コントローラは、予め決められた数の刺激を付与するために刺激器具を作動させても良い。
繰り返された刺激器具の作動は、異なる時間及び/又は強さ及び/又は形式の刺激器具の作動を含んでも良い。
【0017】
コントローラは訓練モードを有しても良い。訓練モードにおいてコントローラは複数の刺激器具の少なくとも1つを作動させて、任意の患者の入力とは独立して患者の体の予め決められた位置に刺激を付与し、その後、患者入力インターフェースから感知された刺激の位置を表すデータを受け取り、その後、付与された刺激を表すデータを出力装置に提供して患者に伝達する。
【0018】
コントローラは自動習熟モードを含んでも良い。自動習熟モードは、
(a)複数の刺激器具の少なくとも1つを作動させて患者の体に刺激を付与し、
(b)その後、付与された刺激を表すデータを出力装置に提供して前記患者に伝達するコントローラを含む。
【0019】
出力装置のこのモードにより、患者が予め決められた付与される刺激に習熟することが可能になるため、有利であり得る。
【0020】
自動習熟モードは、患者の体の予め決められた位置に、及び/又は予め決められた強さで及び/又は予め決められた形式で刺激を付与する複数の刺激器具の少なくとも1つを作動させるコントローラを含んでも良い。
自動習熟モードは、付与された刺激の予め決められた位置及び/又は予め決められた強さ及び/又は予め決められた形式を表すデータを出力装置に提供して患者に伝達することを含んでも良い。
【0021】
コントローラは手動習熟モードを有する。手動習熟モードは、患者の入力に反応して患者入力インターフェースを介して患者の体に刺激を付与するための複数の刺激器具の少なくとも1つを作動させるコントローラを含んでも良い。
例えば、付与された刺激の刺激位置及び/又は形式及び/又は強さが患者インターフェースを使用して患者により選択されても良い。
【0022】
コントローラのこのモードは、患者に、自身が選択した付与された刺激への習熟を可能にするため、有利であり得る。
【0023】
コントローラは評価モードを有しても良い。評価モードは、
(a)複数の刺激器具の少なくとも1つを作動させて、任意の患者の入力から独立していると思われる刺激を患者の体に付与し、
(b)その後、患者入力インターフェースから感知された刺激を表すデータを受け取り、
(c)その後、付与された刺激を表すデータを出力装置に提供して患者に伝達し、その結果付与された刺激を表すデータは付与された刺激を特定するか、又は特定可能とするコントローラを含む。
【0024】
評価モードにおいて、コントローラはランダムな順序で患者の体に刺激を付与する複数の刺激器具を作動させても良い。
コントローラは、各々の付与された刺激の後、患者入力インターフェースから感知された刺激を表すデータを受け取り、及びコントローラは、ランダムな順序が終了すると、感知された刺激が付与された刺激と合致する回数を表すデータを出力装置に提供しても良い。
【0025】
ランダムな順序とは、患者にとってランダムと思われる順序を意味するが、コントローラにプログラムされた、予め決められた順序である。
【0026】
評価モードは、患者が、患者刺激装置の刺激器具の作動のランダムな順序についての自身の認識をテスト出来るようにするため、有利であり得る。
【0027】
訓練モード及び/又は評価モードは、例えば患者又は医療専門家等の、動作の難易度を選択するユーザを含んでも良い。
難易度は、異なる体の部位又は体の場所とは独立して選択されても良い。その結果、治療は特定の体の部位又は体の場所に固有のものとなる。
訓練モード及び/又は評価モードはユーザ選択難易度に基づいたランダムな順序で刺激器具を作動させるコントローラを含んでも良い。
【0028】
訓練及び/又は評価モードは、予め決められた訓練及び評価段階を含む予めプログラムされた治療経路を含んでも良い。
治療経路の予め決められた訓練及び評価段階は、患者が例えば少なくとも予め決められた閾値得点を得る等の評価段階を首尾よく完了する時に利用可能となり得る。
【0029】
異なる難易度においては、コントローラは、例えばすぐ隣接した刺激器具の間の異なる分離を有する刺激器具の組といった、患者刺激装置における異なる刺激器具の組を作動させても良い。
例えば、低い難易度においては、コントローラは高い難易度で作動された刺激器具の組よりも更に互いに離れて配置された刺激器具の組を作動させても良く、高い難易度においては、コントローラは低い難易度の場合よりも密接に配置された刺激器具の組を作動させても良い。
よってコントローラは、高い難易度で作動される刺激器具の組に関連して、低い難易度の刺激器具の小さなサブセットを作動させても良い。
【0030】
例えばコントローラは、マイクロプロセッサ又はマイクロチップを含んでも良く、又は例えば別個の要素でも良い。
【0031】
前記患者刺激装置はデータを記憶しても良く、及び/又は記憶装置にデータを送信しても良い。
患者刺激装置は付与された刺激を表すデータを記憶しても良く、及び例えば付与された刺激の位置及び/又は継続時間及び/又は形式を記憶しても良い。
特に、患者刺激装置は、予め決められた訓練及び評価段階を含む予めプログラムされた治療経路を記憶しても良い。
これらの予めプログラムされた治療経路は患者刺激装置に搭載されても良い。
代替的に或いは付加的に、患者刺激装置は医療専門家に特別注文された訓練及び/又は評価モードをプログラムすることを可能にし、及び、特に特定の刺激器具の作動が付与されることを可能にする。
【0032】
記憶装置はローカルな記憶装置、又は例えばクラウドストレージ等の仮想記憶を含んでも良い。
特に、患者刺激装置は、予めプログラムされた訓練モード及び/又は評価モード、又は実際に任意の他のモードを含むソフトウェアをダウンロードしても良く、又は例えば遠隔装置もしくはクラウドで実行されるソフトウェアにより制御されても良い。
【0033】
患者刺激装置は又、感知された刺激を表すデータを記憶しても良く、及び例えば、感知された刺激の位置及び/又は継続時間及び/又は形式を記憶しても良い。
【0034】
患者刺激装置は、感知された刺激が付与された刺激と合致する回数を示すデータを記憶するか、送信しても良い。
患者刺激装置は又、患者刺激装置が何回使用されたかを示すデータを記憶するか、送信しても良い。
患者刺激装置は、感知された刺激が付与された刺激と合致する回数及び/又は患者刺激装置が使用された回数を示すデータを、例えばブルートゥース(登録商標)等を経由して遠隔で臨床医に送信しても良い。
【0035】
コントローラは、記憶されたデータと患者入力インターフェースを介して受け取ったデータを比較しても良い。
コントローラは感知された刺激を表すデータと、例えば患者刺激装置により記憶された付与された刺激を表すデータ等の、付与された刺激を表すデータを比較しても良い。
【0036】
コントローラは付与された刺激を表すデータを、表示部を介して伝達しても良い。患者に伝達される付与された刺激を表すデータは、記憶されたデータと患者入力インターフェースを介して受け取ったデータの比較により決定されても良い。
患者に伝達される付与された刺激を表すデータは、感知された刺激を表すデータと、例えば患者刺激装置により記憶された付与された刺激を表すデータ等の、付与された刺激を表すデータの比較により決定されても良い。
【0037】
患者刺激装置は、例えばマイクロプロセッサ及び関連する電気回路を含む、電子部品を収容するハウジングを含んでも良い。
ハウジングは、患者刺激装置が例えば使用中にユーザの手に保持され得る装置のような携帯端末の形状及び寸法を有しても良い。
【0038】
患者刺激装置は、例えば表示画面等の表示部に取り付け可能であり、及び/又は例えばキーボード又はタッチスクリーン等の入力装置に取り付け可能であっても良い。
【0039】
複数の刺激器具は、患者刺激装置の最初の信号に反応して患者の体に刺激を付与しても良い。
複数の刺激器具の内の1つのみが、患者刺激装置の最初の信号に反応して患者の体に刺激を付与しても良い。
患者刺激装置の最初の信号は患者により選択されたコントローラの動作モードにより決定されても良い。
【0040】
複数の刺激器具は、患者により患者刺激装置に付与された最初の信号に反応して患者の体に刺激を付与しても良い。
複数の刺激器具の内の1つのみが、患者により患者刺激装置に付与された最初の信号に反応して患者の体に刺激を付与しても良い。
患者により患者刺激装置に付与された最初の信号はコントローラの動作モードの患者の選択に対応し得る。
【0041】
複数の刺激器具は、例えば異なる強さ又は継続時間の刺激等の、異なる形式の刺激を付与しても良い。
複数の刺激器具は、例えば中断無しの刺激等の連続した刺激を患者の体に付与するか、又は例えば複数の(一時に集中的に付与される)バースト形式の、中断される(断続的に付与される)刺激等の不連続刺激を患者の体に付与しても良い。
【0042】
複数の刺激器具は少なくとも1mA、少なくとも5mA、少なくとも10mA、少なくとも25mA、少なくとも50Ma、又は少なくとも75mAの刺激を付与しても良い。
複数の刺激器具は、少なくとも0.1、0.2、0.5、1、2、3、4又は5秒継続する刺激を付与しても良い。
複数の刺激器具は、少なくとも2Hz、少なくとも5Hz、少なくとも10Hz、少なくとも25Hz、少なくとも50Hz又は少なくとも150Hzの周波数を有する刺激を付与しても良い。
【0043】
高い難易度においては、コントローラは異なる強さの刺激を付与しても良く、及び/又はコントローラは、例えばパルス継続時間等の異なる継続時間の刺激を付与しても良い。
低い難易度においては、コントローラは、高い難易度において付与された刺激より強い強さ及び/又は長い継続時間を有する刺激を付与しても良い。
例えば、低い動作レベルにおいては、コントローラは少なくとも75mAの刺激を付与しても良く、及び/又はコントローラは少なくとも4秒間継続する刺激を付与しても良い。高い動作レベルにおいては、コントローラは1mAから10mAの間の刺激を付与しても良く、及び/又はコントローラは0.1秒から0.5秒間持続する刺激を付与しても良い。中間の動作レベルにおいては、コントローラは10mAから50mAの間の刺激を付与しても良く、及び/又はコントローラは1秒から3秒間持続する刺激を付与しても良い。
【0044】
複数の刺激器具は電線により患者刺激装置に連結されても良く、又は無線で患者刺激装置に連結されても良い。電線は多くとも50cm、多くとも75cm、又は多くとも100cmの長さであっても良い。
【0045】
複数の刺激器具は患者の体に取り付け可能であっても良く、及び例えば接着剤等の使用により患者の体に貼り付け可能であっても良い。
複数の刺激器具は接着剤を含んでも良く、及び例えば粘着パッドを含んでも良い。
【0046】
複数の刺激器具は患者の体の異なる位置に配置可能であっても良く、及び例えば、前腕、上腕、肘、肩、手首、足首、膝、腿、又は背中の領域の何れかに配置可能であっても良い。
【0047】
コントローラのモードは、例えば異なる治療方法等の、異なる治療経路に対応する異なる設定を含んでも良い。
体の異なる場所は異なる治療経路を必要とし得る。
治療経路は、例えば、体に付与される刺激の異なる継続時間及び/又は形式及び/又は位置を含んでも良い。
治療経路は患者の必要性に応じた難易度を増加及び/又は減少しても良い。
【0048】
コントローラのモードの設定は患者による患者刺激装置の使用の前に臨床医により予め構成されても良く、及び例えば、アプリ又はクラウドに基づくソフトウェア等のソフトウェアの使用を介して遠隔に構成されても良い。
【0049】
よって患者刺激装置は各々の使用の前に、ユーザに特定の体の部位を選択させることが出来、そのことはその体の部位に適切な治療経路を選択可能とする。
更に、コントローラはユーザが到達した特定の体の部位に対する治療経路の段階に関するデータを記憶しても良い。
そしてこのデータは、患者刺激装置の次の使用に到達した特定の段階を、患者刺激装置が提示できるようにする。
【0050】
複数の刺激器具の各々は、2つの刺激器具が患者の体の同じ部位で共有されることが無いように、患者の体の異なる部位に配置可能である。
複数の刺激器具は、例えば格子状のパターン等で患者の体に規則的な配列で配置可能である。複数の刺激器具の各々の距離及び/又は間隔は変更可能であり、及び例えば患者により変更されても良い。
複数の刺激器具の各々の距離及び/又は間隔は、付与された刺激の位置を正しく認識する難易度を増加及び/又は減少させるために患者により変更されても良い。
【0051】
複数の刺激器具の各々の距離は、患者の2点弁別閾値の少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%又は少なくとも10%多くても良く、及び例えば、複数の刺激器具の任意の2個の距離は、患者の2点弁別閾値の少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%又は少なくとも10%多くても良い。
患者の2点弁別閾値は患者により検知され得る皮膚上の2点の最短距離であっても良い。
【0052】
複数の刺激器具の位置は、患者刺激装置の使用に関連した難易度を増加及び/又は減少させるために患者により変更されても良い。
複数の刺激器具の位置は、付与された刺激の位置を正しく認識する難易度を増加及び/又は減少させるために患者により変更されても良い。
複数の刺激器具の位置は、付与された刺激の位置を正しく認識する難易度を増加するためにより近くに移動されても良い。
複数の刺激器具の位置は、同じ患者刺激装置内で、刺激器具を移動させるか、又は他の刺激器具の組よりも近接した刺激器具の組を作動させることにより変更されても良い。
【0053】
複数の刺激器具は患者の体に電気的刺激を付与しても良く、及び例えば、電気的刺激器具を含んでも良い。
複数の刺激器具は電極を含んでも良く、及び例えば、複数の刺激器具の各々は1対の刺激器具を含んでも良い。
【0054】
1対の電極は電気刺激を患者の体に付与するように構成された1つの電極と、電気的刺激を患者の体から取り除くように構成された1つの電極とを含んでも良い。
1対の電極は陰極及び陽極を含んでも良い。
【0055】
電極の対の各々が陰極と陽極を含む場合、電極の第1及び第2の対の位置は患者刺激装置の使用に関連した難易度を増加及び/又は減少するために患者により変更されても良い。
例えば、第1の対の電極は患者刺激装置の使用に関連した難易度を増加するため第2の対の電極に近づけても良く、及び/又は第1の対の電極は患者刺激装置の使用に関連した難易度を減少させるため第2の対の電極から離間されても良い。
第1及び第2の対の電極の位置は、付与された刺激の位置を正しく認識する難易度を増加及び/又は減少させるために患者により変更されても良い。
【0056】
患者入力インターフェースは患者の体に付与された刺激の感知された位置及び/又は強さ及び/又は形式を表すデータを入力する患者入力インターフェースを含んでも良い。
付与された刺激の感知された位置及び/又は感知された強さ及び/又は感知された形式は患者刺激装置による感知された刺激器具の作動に対応し得る。
【0057】
患者入力インターフェースは音声信号を受信しても良く、及び、例えば音声認識の利用等の活性化された発話であっても良い。
患者刺激装置のコントローラは患者の声に反応して作動可能に構成されても良い。
例えば、ユーザはユーザの声を使用して患者刺激装置の動作モードを設定可能であっても良く、及び/又はユーザの声を使用して感知された刺激を表すデータを提供しても良い。
【0058】
患者入力インターフェースは、活性化されたジェスチャーであっても良い。患者刺激装置のコントローラは患者によりなされるジェスチャーに反応して作動可能であるように構成されても良い。
例えば、ユーザはジェスチャーを使用して患者刺激装置の動作モードを設定しても良く、及び/又はジェスチャーを使用して感知された刺激を表すデータを提供しても良い。
患者入力インターフェースは患者によりなされるジェスチャーを感知するためのセンサを含んでも良い。
【0059】
患者入力インターフェースは患者の脳の電気的活動により活性化されても良い。
患者刺激装置のコントローラは患者の脳の電気的活動に反応して動作可能であるように構成されても良い。
【0060】
患者入力インターフェースは少なくとも1つのボタンを含んでも良く、及び、例えば複数のボタンを含んでも良い。
複数のボタンの少なくとも1つは刺激器具に対応しても良く、及び、例えば単一の刺激器具に対応しても良い。
よって、患者が刺激器具の作動を感知する場合、患者は、自身がどの刺激器具が作動したと思うかを示すための複数のボタンを使用可能にしても良い。
【0061】
少なくとも1つのボタンは、例えばボタンが押された時にクリックの形式でユーザに感覚のフィードバックを提供するボタン等の、感覚のフィードバックボタンを含んでも良い。
少なくとも1つのボタンは、例えばタッチスクリーン型装置のアイコンの形式のボタン等の、容量性センサボタンを含んでも良い。
【0062】
患者入力インターフェースはタッチスクリーン型インターフェースを含んでも良い。
患者入力インターフェースは、患者に患者刺激装置の動作モードを選択可能とするように構成されても良い。
例えば、患者入力インターフェースは患者刺激装置の動作モードを患者により選択可能とする複数のボタンを含んでも良い。
患者入力インターフェースは、治療する体の部位、よってコントローラが作動させる予め構成された治療経路を患者が選択可能とするよう構成されても良い。
【0063】
出力装置は表示部を含んでも良い。
表示部は画面を含んでも良く、及び、例えばタッチスクリーンを含んでも良い。
表示部は、使用時に刺激器具の作動を示すように構成されても良く、及び、例えば患者入力インターフェースを使用して患者の入力に反応した刺激器具の作動を示すように構成されても良い。
【0064】
表示部は複数の領域を含んでも良く、及び複数の領域の各々は、例えば単一の刺激器具等の刺激器具に対応しても良い。
複数の領域は刺激器具の作動を表す視覚的な印を患者に提供しても良い。
複数の領域は、刺激器具の作動を表すために、例えば照明が当たるか色が変えられても良く、及びユーザにより入力されたデータに反応して、例えば照明が当たるか色が変えられても良い。
【0065】
表示部は患者の体に付与された刺激の位置及び/又は強さ及び/又は形式を表すデータを表示するための表示部を含んでも良い。
【0066】
表示部は、患者により入力されたデータに直接反応して、患者刺激装置の刺激器具の作動を表すデータを表示しても良い。
例えば、表示部は、患者により入力されたデータの多くとも1秒、多くとも2秒、多くとも3秒、多くとも4秒又は多くとも5秒以内に患者刺激装置の刺激器具の作動を表すデータを表示しても良い。
【0067】
患者刺激装置は感知された刺激が付与された刺激と合致するか否かを示す信号を出力しても良く、及び、例えば感知された刺激が付与された刺激に合致するか否かを表す可聴式信号を出力しても良い。
【0068】
本発明の第の態様によると、患者刺激装置が提供され、患者刺激装置は患者の体へ選択的に刺激を付与する複数の刺激器具を含み、複数の刺激器具は、使用時に、患者の体の部位に巻かれるバンドに設けられる。
【0069】
バンドは、装着時に全体が環状の形状を取り得る。
バンドは、例えば伸縮性材料等の弾性的に変形可能な材料を含み得る。
この材料はバンドの伸長又は縮小を可能にし得る。
バンドは、バンドの外周が増減可能なように径方向に伸長又は縮小可能である。
よって患者刺激装置は、装着時に刺激器具の間隔により適切に調整され得る。
【0070】
電極が患者の体の部位に巻かれるバンドに位置する患者刺激装置を提供する利点は、バンドを着用する及び所望の位置に保持することが容易であり、刺激器具と患者の皮膚の接触が良好となることである。
【0071】
バンドが巻かれる患者の体の部位は、腕、肩、手首、足首又は腿の何れかであっても良い。
各刺激器具が異なる大きさの体の部位に合わせて巻かれ得るように、異なる大きさの様々な患者刺激装置が提供されても良い。
【0072】
複数の刺激器具は電極であっても良い。
電極は、電極のリングの形でバンドの周囲に巻かれても良い。電極はバンドの周囲に規則的に間隔を空けても良い。
【0073】
バンドは全体に管状の形状であっても良い。
バンドは単一の電極リングを含んでも良い。
或いは、例えば2つの電極リング等の、1つ以上の電極リングが提供されても良い。
第1及び第2の電極リングはバンドの長さに沿って離間しても良い。
第1の電極リングと第2の電極リングの距離は調節可能である。
よってバンドの材料は長手方向に伸長可能である。
【0074】
複数の電極がバンドに亘って2次元配列で設けられても良い。2次元配列は規則的又は不規則な配列であっても良い。
バンドは、ユーザが電極を所望の配列でバンドに配置できる網又はトラックを含んでも良い。
例えば、ユーザは電極が密接して配置されるように電極を選択して配置しても良く、又はユーザは電極が互いに離れた距離で配置されるように電極を選択して配置しても良い。
【0075】
患者刺激装置は患者から感知された刺激を表すデータを受け取る患者入力インターフェースを含んでも良い。
患者刺激装置は付与された刺激を表すデータを患者に伝達する出力装置を含んでも良い。患者入力インターフェース及び出力装置は前述の特徴の何れかを含んでも良い。
【0076】
刺激器具は一連の電線を介して患者刺激装置に連結されても良い。
一連の電線は一束の電線でも良く、その結果バンドはケーブルにより患者刺激装置に連結され得る。
【0077】
患者刺激装置はコントローラを含んでも良い。
コントローラは、本発明の第1及び第の態様に関して前に記載したように、訓練モードを有しても良い。
【0078】
本発明の態様の何れかの好ましい特徴は、適切な場合、本発明の他の態様に適用されても良い。
本発明の実用可能な実施形態が、添付の図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0079】
図1】本発明による患者刺激装置の第1の例の概略図。
図2】本発明による患者刺激装置の第2の例の概略図。
図3】本発明による患者刺激装置の第3の例の概略図。
図4図1-3の患者刺激装置の第1の動作モードを表すフローチャート。
図5図1-3の患者刺激装置の第2の動作モードを表すフローチャート。
図6図1-3の患者刺激装置の第3の動作モードを表すフローチャート。
図7図1-3の患者刺激装置の第4の動作モードを表すフローチャート。
図8図1-3の患者刺激装置の第5の動作モードを表すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0080】
患者刺激装置10、30、50の4つの異なる例が図1から図3に概略的に示される。
患者刺激装置10、30、50の各々は、同一の患者入力インターフェースと表示部の組合せ12と、複数の電極を含む。
【0081】
図1に詳細に示されるように、患者入力インターフェースと表示部の組合せ12は、全体の形式が携帯電話又はタブレット型コンピュータ等と同様のタッチスクリーン装置である。
患者入力インターフェースと表示部の組合せ12の上面は患者入力領域16と表示領域18に分割される。
患者入力領域16は患者入力インターフェースと表示部の組合せ12の上面の上半分を占め、複数のモード選択アイコン20、複数の刺激器具アイコン22、及び複数の刺激形式アイコン24を含む。
アイコン20、22、24の各々は容量性センサボタンとして機能するタッチスクリーンアイコンである。
【0082】
モード選択アイコン20は患者刺激装置10の動作モードを選択するのに使用可能である。
刺激器具アイコン22の各々は電極に対応し、電極を作動させる、刺激を付与するため使用されたと患者が考える電極を示す、又は刺激を付与するのに使用された電極を患者に示すのに使用され得る。
刺激形式アイコン24の各々は、付与刺激の形式を選択する、電極により付与されたと患者が考える付与刺激の形式を示す、又は電極により付与された刺激の形式を患者に示すのに使用され得る。
【0083】
表示領域18は患者入力インターフェースと表示部の組合せ12の上面の下半分を占め、視認可能な表示画面を含む。
【0084】
電極は電線26により患者刺激装置10に取り付けられる。
【0085】
患者刺激装置10、30、50は又、患者刺激装置10、30、50をオンオフする電源ボタン(図示せず)、及び患者刺激装置の設定を変更可能にする設定ボタン(図示せず)を含む。
【0086】
図1は患者刺激装置10の第1の例を示し、4対の電極14、及び患者入力インターフェースと表示部12を含む。
電極14は対で配置され、一方の電極14が陰極の対であり、他方の電極14は陽極の対である。電極14はヒトの皮膚に接着可能な粘着パッドを含む。
【0087】
使用時、患者の体の領域は、4つの隣接する、格子状で空間的に分離された領域に分割される。
4つの領域の内、何れか2つの領域間の距離は患者の2点弁別閾値(患者により検知され得る皮膚上の2つの点の最小距離)よりおよそ10%大きい。
1対の電極14(1つが陰極で1つが陽極)が各領域に取り付けられ、その結果、各領域は電極14を介して電気的に刺激され得る。
図2及び図3は患者刺激装置の例を示し、電極は患者の手足の周りに巻かれるバンドに設けられる。
【0088】
図2は円形のバンド34に設けられた8つの電極32を含む患者刺激装置30を示す。
8つの電極32は患者の手足の周りで規則的な間隔を有する。
円形のバンド34は使用時に患者の手足の周りに巻かれる柔軟で伸縮性のある布であり、その結果電極32は患者の手足の周りで間隔を有する。
【0089】
図3は同様の患者刺激装置50を示し、靴下状の材料の管状のバンド54に設けられた16個の電極52を含む。
電極52は、各々がバンド54の周りで間隔を有する2つのリング56、58内に設けられる。
電極52の第1のリング56と第2のリング58の距離は、バンド54の靴下状の材料が伸縮性を有することにより調節可能である。
使用時、バンド54は、電極52の各リング56、58が患者の手足を囲む状態で患者の手足に着用され、2つのリング56、58は患者の手足の長さに沿って間隔を有する。
【0090】
そして患者刺激装置10、30、50は、以下により詳細に議論される4つのモードの内の1つにおいて動作可能となる。
【0091】
患者刺激装置10、30、50の第1の動作モードを概略的に描くフローチャートが図4に示される。
第1の動作モードにおいて、患者は最初にステップ102において電極14、32、52により付与される刺激の強さを設定する。
これはアイコン20、22、24の使用を介して行われる。
一たん強さが設定されると、患者刺激装置10、30、50をオフしないと強さが変更できなくなり、その結果強さは使用中に患者によって偶然に増加することがない。
そして患者は、脈拍数、脈拍時間、及び単一刺激即ちバースト刺激が付与される予定時間も設定可能である。これらのオプションは通常、予め設定されている。
【0092】
一たん強さが設定されると、患者刺激装置10、30、50はステップ104において電極32、52の内の1つ又は1対の電極14の内の1つを経由して刺激を付与する。
刺激が付与されると、患者刺激装置10、30、50はステップ106において、刺激が付与されている領域のフィードバック、及びアイコン20、22、24及び/又は表示領域を介して付与されている刺激の形式が患者に提供される。
患者刺激装置10、30、50はスピーカーを介して聴覚のフィードバックをも与え得る。
電極32、52、又は1対の電極14の各々は、継続モード及びバースト(間欠モード)の両方で交互に刺激される。
その後患者はステップ108においてこのモードを繰り返すか、異なるモードに移行するかを選択出来る。
【0093】
よってこの患者刺激装置10、30、50の動作モードにより、患者は、刺激されている人体の部位、付与されている刺激の形式、及びこの刺激をどのように感じるかを正しく判断することができる。
その様な動作モードは自動習熟モードと呼ばれ得る。
【0094】
患者刺激装置10、30、50の第2の動作モードを概略的に描くフローチャートが図5に示される。
第2の動作モードにおいて、患者はステップ110において電極32、52又は1対の電極14を選択するための刺激器具アイコン22の使用を介して付与する刺激の場所を選択し、そしてステップ112において、刺激形式アイコン24の使用を介して付与する刺激の形式(即ち継続かバーストか)を選択する。
その後ステップ114において選択された1対の電極14により選択された刺激が付与される。この動作モードはいつでも患者により終了され得る。
【0095】
よって、患者刺激装置10、30、50のこの動作モードは、患者が手動により自身で望ましい刺激を正しく判断できるようにする。
そのような動作モードは手動習熟モードと呼ばれる。
【0096】
患者刺激装置10、30、50の第3の動作モードを概略的に描くフローチャートが図6に示される。
第3の動作モードにおいて、各々の電極32、52又は1対の電極14はステップ116において、患者刺激装置10、30、50によりランダムな順序及びランダムな形式で作動される。
電極32、52又は1対の電極14の各々の作動の後、ステップ118において、患者は、刺激器具アイコン22及び刺激形式アイコン24を使用して、それらのアイコンが感知した刺激の場所及び形式を入力するよう要請される。
患者が彼らの選択結果を入力すると、電極32、52又は1対の電極14の次の作動が発生する。
30個の刺激が付与されると、ステップ120において、表示領域18が使用され、感知された刺激と患者刺激装置10、30、50により実際に付与された刺激が合致した回数をパーセント点数の形式で患者に示す。
【0097】
患者が常に90%を超える得点を得る場合、このモードの難易度を高めるため、患者刺激装置10の電極14の間の距離又は患者刺激装置50のリング56、58の間の距離を減少させても良い。
【0098】
90%の得点が達成されなければ、患者刺激装置10、30、50は患者が以下により詳細に説明する第4の動作モードを利用することを示唆しても良い。
【0099】
よって患者刺激装置10、30、50のこの第3の動作モードは、電極14、32、52が取り付けられる領域の患者の知覚をテスト出来る。
そのような動作モードは評価モードと呼ばれ得る。
患者刺激装置10、30、50の第4の動作モードを概略的に描くフローチャートが図7に示される。
第4の動作モードにおいて、各々の電極32、52又は1対の電極14はステップ122においてランダムな順序及びランダムな形式で患者刺激装置10、30、50により作動される。
電極32、52又は1対の電極14の各々の作動の後、ステップ124において、患者は刺激器具アイコン22及び刺激形式アイコン24を使用して、それらのアイコンが感知した刺激の場所及び形式を入力するよう要請される。
【0100】
患者が彼らの選択結果を入力すると、ステップ126において、表示領域18が使用され、感知された刺激と患者刺激装置10、30、50により実際に付与された刺激が合致したか否かについてのフィードバックを患者に提供する。
感知された刺激が付与された刺激と合致すると、表示領域18は、ステップ128において「正しい」と表示し、電極32、52又は1対の電極14の次の作動が発生する。
感知された刺激が付与された刺激と合致しないと、表示領域18は、ステップ130において「正しくない」と表示する。
アイコン22、24は付与された刺激が実際には何であったのかを示すのに使用され、その後ステップ132において同じ刺激が患者刺激装置10、30、50により付与され、その結果患者はその刺激の場所及び形式を知る。
これ(「正しくない」と表示されること)が発生すると、電極32、52又は1対の電極14の次のランダムな作動が発生する。
【0101】
30個の刺激が付与されると、ステップ134において、表示領域18が使用され、感知された刺激と患者刺激装置10、30、50により実際に付与された刺激が合致した回数をパーセント点数の形式で患者に表示する。
【0102】
よって患者刺激装置10、30、50のこの動作モードは、付与された刺激の患者の知覚(よって患者の身体イメージ)が正しいか否かについて、患者にリアルタイムでフィードバックを提供出来る。
よってこのモードは患者に付与された刺激の患者の知覚を高める訓練を施し、よって第三者が(訓練のために)立ち会うことを必要とせずに、患者の精神的な身体イメージを高めるのに使用される。その様な動作モードは治療又は訓練モードと呼ばれる。
【0103】
患者刺激装置10、30、50の第5の動作モードを概略的に描くフローチャートが図8に示される。
第5の動作モードでは、ステップ136においてユーザは動作の難易度を選択するよう求められる。
簡単なレベルでは、4つの電極32、52又は2対の電極14が動作可能であり、
中程度のレベルでは、6つの電極32、52又は3対の電極14が動作可能であり、
困難なレベルでは、8つの電極32、52又は4対の電極14が動作可能である。
ステップ138において、選択された難易度に応じた望ましい数の電極14、32、52が、ランダムな順序及びランダムな形式で患者刺激装置10、30、50により作動される。
電極32、52又は対の電極14の各々の作動の後、ステップ140において、患者は、刺激器具アイコン22及び刺激形式アイコン24を使用して、それらのアイコンが感知された刺激の場所及び形式を入力するよう要請される。
患者が彼らの選択結果を入力すると、電極32、52又は1対の電極14の次の作動が発生する。
30個の刺激が付与されると、ステップ142において、表示領域18が使用され、感知された刺激と患者刺激装置10、30、50により実際に付与された刺激が合致した回数をパーセント点数の形式で患者に表示する。
【0104】
患者が常に90%を超える得点を得る場合、患者はより困難なレベルに難易度を変化しても良い。
患者が常に90%より少ない得点を得る場合、患者はより低いレベルに難易度を変更することを希望するか、又は代わりに第4の動作モードを使用することを希望しても良い。
【0105】
患者刺激装置10、30、50のこの第5の動作モードは、電極14、32、52が取り付けられる領域の患者の知覚をテスト出来る。
そのような動作モードは評価モードと呼ばれ得る。
【0106】
患者刺激装置10、30、50の第3、第4、又は第5の動作モードの何れかにおいて、患者刺激装置10、30、50は使用及び/又は患者により得られる得点を記録しても良く、このデータはブルートゥース(登録商標)を経由して遠隔で送信されるか、又は手動でダウンロードされても良い。
これにより、臨床医が患者刺激装置10、30、50の使用における患者の順守状況及び進歩を観察出来るようにする。また、その様な順守及び進歩が遠隔で出来るようにされてもよい。
【符号の説明】
【0107】
10、30、50 患者刺激装置
12 患者入力インターフェースと表示部の組合せ
14、32、52 電極
16 患者入力領域
18 表示領域
20 モード選択アイコン
22 刺激器具アイコン
24 刺激形式アイコン
26 電線
34 円形のバンド
54 管状のバンド
56 第1のリング
58 第2のリング
102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142 ステップ(図4-8のフローチャートの各ステップ)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8