(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-26
(45)【発行日】2023-08-03
(54)【発明の名称】弧形多焦点固定陽極ゲート制御放射線源およびX放射線源
(51)【国際特許分類】
H05G 1/00 20060101AFI20230727BHJP
H05G 1/70 20060101ALI20230727BHJP
A61B 6/03 20060101ALI20230727BHJP
G21K 5/02 20060101ALI20230727BHJP
H01J 35/00 20060101ALI20230727BHJP
H01J 35/16 20060101ALI20230727BHJP
【FI】
H05G1/00 C
H05G1/70 C
A61B6/03 349
G21K5/02 X
H01J35/00 Z
H01J35/16
(21)【出願番号】P 2020535226
(86)(22)【出願日】2018-12-25
(86)【国際出願番号】 CN2018123607
(87)【国際公開番号】W WO2019129008
(87)【国際公開日】2019-07-04
【審査請求日】2021-12-15
(31)【優先権主張番号】201711418215.5
(32)【優先日】2017-12-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517065220
【氏名又は名称】北京納米維景科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】NANOVISION TECHNOLOGY (BEIJING) CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100179969
【氏名又は名称】駒井 慎二
(72)【発明者】
【氏名】刑 金輝
(72)【発明者】
【氏名】崔 志立
(72)【発明者】
【氏名】高 建
(72)【発明者】
【氏名】曹 紅光
【審査官】亀澤 智博
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2008/0226033(US,A1)
【文献】米国特許第04223225(US,A)
【文献】特開2010-118313(JP,A)
【文献】特表2016-539483(JP,A)
【文献】特開2007-267980(JP,A)
【文献】特開平09-101269(JP,A)
【文献】特開昭54-038787(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105997127(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05G 1/00 - 1/70
A61B 6/00 - 6/14
G21K 1/00 - 7/00
H01J 35/00 -35/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
弧形多焦点固定陽極ゲート制御放射線源であって、
弧形放射線源ハウジング、線管ブラケット、複数の固定陽極放射線管及び複数のゲート制御スイッチを含み、複数の前記固定陽極放射線管は前記線管ブラケットを介して前記弧形放射線源ハウジングに固定され、複数の前記固定陽極放射線管の焦点は同一分布円に分布し、複数の前記ゲート制御スイッチと複数の前記固定陽極放射線管が対応して連結され、
前記固定陽極放射線管の両端はそれぞれ陽極端および陰極端であり、前記固定陽極放射線管内の陰極に隣接する位置に該固定陽極放射線管の導通を制御するためのゲートが設置され、前記固定陽極放射線管の前記陽極端は反射式固定陽極ターゲットを用いてX線束を生成し、
前記弧形放射線源ハウジングは内弧壁板、外弧壁板、左側板、右側板、前側板及び後側板から構成され、前記左側板及び前記右側板の延長線はいずれも複数の前記固定陽極放射線管の分布円の円心を通過する、
ことを特徴とする弧形多焦点固定陽極ゲート制御放射線源。
【請求項2】
前記線管ブラケットは、弧形のブラケットであり、前記弧形放射線源ハウジングの
前記内弧壁板に固定され、複数の前記固定陽極放射線管は前記線管ブラケットに固定され、複数の前記固定陽極放射線管の焦点は
前記同一分布円に均一分布することを特徴とする請求項1に記載の弧形多焦点固定陽極ゲート制御放射線源。
【請求項3】
前記線管ブラケットに複数の貫通孔が均一にして開設され、複数の前記固定陽極放射線管の
前記陽極端はそれぞれ前記線管ブラケットの貫通孔から延出し、複数の前記固定陽極放射線管はそれぞれフランジを介して前記線管ブラケットに固定されることを特徴とする請求項1に記載の弧形多焦点固定陽極ゲート制御放射線源。
【請求項4】
前記弧形放射線源ハウジングの
前記内弧壁板と
前記外弧壁板は、それぞれ、複数の前記固定陽極放射線管の焦点が位置する分布円と同心して設置され、
前記弧形放射線源ハウジングの
前記左側板と
前記右側板の延長線は、いずれも複数の前記固定陽極放射線管の焦点が位置する分布円の円心を通過することを特徴とする請求項1に記載の弧形多焦点固定陽極ゲート制御放射線源。
【請求項5】
前記弧形放射線源ハウジングの
前記左側板の外エッジと
前記右側板の外エッジとの間の角度
θはθ=360°/Nとなり、Nは正整数であることを特徴とする請求項1に記載の弧形多焦点固定陽極ゲート制御放射線源。
【請求項6】
複数の前記固定陽極放射線管の焦点は、前記同一分布円に対して、角度範囲α内に均一分布し、360°≧α>0°となり、
前記角度範囲αが
前記角度θ以下であることを特徴とする請求項5に記載の弧形多焦点固定陽極ゲート制御放射線源。
【請求項7】
前記角度範囲αと前記角度θがα=θとなる時、同一の前記弧形放射線源ハウジング内に設置されるn個の前記固定陽極放射線管において、隣接す
る前記固定陽極放射線
管間の角度
θはθ/nとなり、最左側及び最右側
に位置する前記固定陽極放射線管と
、これらの固定陽極放射線管に隣接
する前記左側板及び前記右側板の外エッジとの間の角度はθ/2nとなることを特徴とする請求項6に記載の弧形多焦点固定陽極ゲート制御放射線源。
【請求項8】
前記角度範囲αと前記角度θがα<θとなる時、隣接す
る前記固定陽極放射線
管間の角度はα/nとなることを特徴とする請求項6に記載の弧形多焦点固定陽極ゲート制御放射線源。
【請求項9】
複数の前記固定陽極放射線管
それぞれに独立の前記ゲート制御スイッチが配置され、前記ゲート制御スイッチはブラケットを介して前記固定陽極放射線管の管体に固定され、前記ゲート制御スイッチの出力端は導線を介して前記固定陽極放射線管のゲートに連結されることを特徴とする請求項1に記載の弧形多焦点固定陽極ゲート制御放射線源。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の複数の弧形多焦点固定陽極ゲート制御放射線源を含み、複数の前記弧形多焦点固定陽極ゲート制御放射線源は接合して全輪構成になり、複数の前記弧形多焦点固定陽極ゲート制御放射線源内の固定陽極放射線管全体の焦点
が円周
方向上において同一分布円に分布することを特徴とするX放射線源。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、X放射線源及び弧形多焦点固定陽極ゲート制御放射線源に関する。
【背景技術】
【0002】
静的CTは新規なCT(Computed Tomography,コンピュータ断層撮影)技術的方案であり、その全体構成は、全輪センサーと全輪放射線源を用い、円周上の各放射線源焦点タイミング放射線によって、螺旋CTと同じの円周走査の目的を達成する。このような静的CTは論理上、回転部材、ベアリング及び滑車が必要なく、構成が簡単であり、論理円周走査速度が速く、データ伝送速度が速い。
【0003】
現在、静的CT分野において、その全輪放射線源のメイン発想は、1.反射式放線を用い、全輪の固定陽極は円周に均一分布する複数の陰極に配合し、円周多焦点の輪形放射線源を構成する。このような構成の全輪陽極は直径が大きいため、製造が困難である。2.透射式放射線を用い、放射線源構成がモジュール化し、モジュールに複数の焦点があり、円周方向に複数の放射線源モジュールが分布することにより全輪構成を実現する。このような構成の放射線強度が低く、実際のテストに不適応である。
【0004】
このため、十分な強度の放射線を生成させ、円周方向に十分な数の焦点を分布させるように、X放射線源に対して改善する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする技術的問題は、X放射線源及び弧形多焦点固定陽極ゲート制御放射線源を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的を実現するために、本発明は以下の技術的方案を用いる。
本発明の実施例の一方によれば、弧形多焦点固定陽極ゲート制御放射線源が提供され、弧形放射線源ハウジング、線管ブラケット、複数の固定陽極放射線管及び複数のゲート制御スイッチを含み、複数の前記固定陽極放射線管は前記線管ブラケットを介して前記弧形放射線源ハウジングに固定され、複数の前記固定陽極放射線管の焦点は同一分布円に分布し、複数の前記ゲート制御スイッチと複数の前記固定陽極放射線管が対応して連結され、前記固定陽極放射線管の両端はそれぞれ陽極端および陰極端であり、前記固定陽極放射線管内の陰極に隣接する位置に該固定陽極放射線管の導通を制御するためのゲートが設置され、前記固定陽極放射線管の前記陽極端は反射式固定陽極ターゲットを用いてX線束を生成し、前記弧形放射線源ハウジングは内弧壁板、外弧壁板、左側板、右側板、前側板及び後側板から構成され、前記左側板及び前記右側板の延長線はいずれも複数の前記固定陽極放射線管の分布円の円心を通過する。
【0007】
好ましくは、前記弧形放射線源ハウジングの前記左側板の外エッジと前記右側板の外エッジとの間の角度θはθ=360°/Nとなり、Nは正整数である。
【0008】
好ましくは、前記線管ブラケットは、弧形のブラケットであり、前記弧形放射線源ハウジングの前記内弧壁板に固定され、複数の前記固定陽極放射線管は前記線管ブラケットに固定され、複数の前記固定陽極放射線管の焦点は前記同一分布円に均一分布する。
【0009】
好ましくは、前記線管ブラケットに複数の貫通孔が均一にして開設され、複数の前記固定陽極放射線管の前記陽極端はそれぞれ前記線管ブラケットの貫通孔から延出し、複数の前記固定陽極放射線管はそれぞれフランジを介して前記線管ブラケットに固定される。
【0010】
好ましくは、前記弧形放射線源ハウジングの前記内弧壁板と前記外弧壁板はそれぞれ複数の前記固定陽極放射線管の焦点が位置する分布円と同心して設置される。前記弧形放射線源ハウジングの前記左側板と前記右側板の延長線はいずれも複数の前記固定陽極放射線管の焦点が位置する分布円の円心を通過する。
【0011】
好ましくは、複数の前記固定陽極放射線管の焦点は前記同一分布円に対して角度範囲α内に均一分布し、360°≧α>0°となり、前記角度範囲αが前記角度θ以下である。
【0012】
好ましくは、前記角度範囲αと前記角度θがα=θとなる時、同一の前記弧形放射線源ハウジング内に設置されるn個の前記固定陽極放射線管において、隣接する前記固定陽極放射線管間の角度θはθ/nとなり、最左側及び最右側に位置する前記固定陽極放射線管と、これらの固定陽極放射線管に隣接する前記左側板及び前記右側板の外エッジとの間の角度はθ/2nとなる。
【0013】
好ましくは、前記角度範囲αと前記角度θがα<θとなる時、隣接する前記固定陽極放射線管間の角度はα/nとなる。
【0014】
好ましくは、複数の前記固定陽極放射線管それぞれに独立の前記ゲート制御スイッチが配置され、前記ゲート制御スイッチはブラケットを介して前記固定陽極放射線管の管体に固定され、前記ゲート制御スイッチの出力端は導線を介して前記固定陽極放射線管のゲートに連結される。
【0015】
本発明の実施例の他方によれば、複数の前記弧形多焦点固定陽極ゲート制御放射線源を含み、複数の前記弧形多焦点固定陽極ゲート制御放射線源は接合して全輪構成になり、複数の前記弧形多焦点固定陽極ゲート制御放射線源内の固定陽極放射線管全体の焦点が円周方向上において同一分布円に分布するX放射線源が提供される。
【0016】
本発明が提供する弧形多焦点固定陽極ゲート制御放射線源は、固定陽極放射線管、ゲート制御スイッチ、線管ブラケット及び弧形放射線源ハウジングを含む。固定陽極放射線管の陽極端は反射式固定陽極ターゲットを用いてX線束を生成する。複数の固定陽極放射線管はブラケットを介して弧形放射線源ハウジングに固定される。複数の固定陽極放射線管はある寸法の分布円に対して一定角度範囲内に均一に分布する。複数の弧形放射線源ハウジングは接合して全輪構成になり、これによって、複数の弧形多焦点固定陽極ゲート制御放射線源における固定陽極放射線管全体の焦点を同一分布円に分布させる。この弧形多焦点固定陽極ゲート制御放射線源において、複数のゲート制御スイッチが複数の固定陽極放射線管に対応して接続される。ゲート制御スイッチは固定陽極放射線管回路の導通を制御し、これによって、放射線の制御を実現する。上述した弧形多焦点固定陽極ゲート制御放射線源は、構成が簡単で、コストが低く、十分な強度の放射線を生成でき、同時に、円周方向上において、十分な数の焦点が分布する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明が提供する弧形多焦点固定陽極ゲート制御放射線源の全体構成を示す図である。
【
図2】
図1において固定陽極放射線管と線管ブラケットの連結を示す図である。
【
図3A】固定陽極放射線管とゲート制御スイッチの連結構成を示す正面図である。
【
図3B】固定陽極放射線管とゲート制御スイッチの連結構成を示す側面図である。
【
図4】複数の弧形多焦点固定陽極ゲート制御放射線源により構成される輪全体構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面と具体的な実施例を参照しながら、本発明の技術的内容を詳細に説明する。
【0019】
図1に示すように、本発明が提供する弧形多焦点固定陽極ゲート制御放射線源(arc-shaped multi-focal point fixed anode gate controlled ray source)は、弧形放射線源ハウジング1と、線管ブラケット2と、複数の固定陽極放射線管3と、複数のゲート制御スイッチ4とを含む。複数の固定陽極放射線管3は、線管ブラケット2により弧形放射線源ハウジング1に固定される。複数の固定陽極放射線管3の焦点は同一分布円に分布される。好ましくは、複数の固定陽極放射線管3の焦点は同一分布円に対して、一定角度範囲α(360°≧α>0°)内に均一に分布する。複数のゲート制御スイッチ4と複数の固定陽極放射線管3が対応して連結され、複数の固定陽極放射線管3の導通を制御する。
【0020】
以下、
図1に示す方位を例として、弧形多焦点固定陽極ゲート制御線源の具体的な構成を説明する。
【0021】
具体的には、
図1に示すように、弧形放射線源ハウジング1は、内弧壁板、外弧壁板、左側板、右側板、前側板及び後側板から構成される封閉式ハウジングである。線管ブラケット2、複数の固定陽極放射線管3及び複数のゲート制御スイッチ4はいずれも弧形放射線源ハウジング1の内部に設置される。弧形放射線源ハウジング1の左側板の外エッジと右側板の外エッジの間の角度θは0°~360°範囲内の任意値である。好ましくは、θが360°/Nであり、Nが正整数であり、例えば、θが45°、60°、90°、180°等である。θ=360°/N、且つN>1となる時、N個の弧形放射線源ハウジング1を円周の周りに接合させ、N個の弧形多焦点固定陽極ゲート制御放射線源を全輪構成にさせ、これによって、複数の固定陽極放射線管3の焦点を同一の分布円に分布させる。θ=360°/N、且つN=1となる時、弧形放射線源ハウジング全輪構成となり、左側板と右側板は論理的に存在しないことを理解されたい。
【0022】
図2に示すように、線管ブラケット2は弧形のブラケットであり、線管ブラケット2はボルト等の連結部材を介して弧形放射線源ハウジング1の内弧壁板に固定される。複数の固定陽極放射線管3は線管ブラケット2に固定される。
【0023】
線管ブラケット2には複数の貫通孔が均一にして開設され、複数の固定陽極放射線管3の陽極端はそれぞれ線管ブラケット2の貫通孔から延出し、且つ、複数の固定陽極放射線管3はそれぞれフランジを介して線管ブラケット2に固定される。実際の構成で、固定陽極放射線管3の線管ブラケット2における固定位置と角度を微調整することにより、複数の固定陽極放射線管3の焦点を同一円に調節させる。以下、複数の固定陽極放射線管3の焦点を経た円を複数の固定陽極放射線管3の分布円と称する。
【0024】
弧形放射線源ハウジング1の内外両端面はいずれも弧面であり、且つ内弧壁板と外弧壁板はそれぞれ複数の固定陽極放射線管3の分布円と同心にして設置される。当然、近似同心にして設置されてもよい。好ましくは、同心設置である。弧形放射線源ハウジング1の左右端面はθ角度となり、且つ、左側板及び右側板の延長線はいずれも複数の固定陽極放射線管3の分布円の円心を通過する。
【0025】
複数の固定陽極放射線管3の焦点はこの分布円に対して一定角度範囲α内に均一分布する。この角度範囲αは弧形放射線源ハウジング1の左側板外エッジと右側板外エッジとの間の角度θの以下である。実際の構成において、左側板と右側板の壁厚が小さく、且つ弧形放射線源ハウジング1内に設置される固定陽極放射線管3の数が少ない時、αとθは近似相当する。好ましくは、同一の弧形放射線源ハウジング1内に設置されるn個の固定陽極放射線管3において、隣接する2個の固定陽極放射線管3の間の角度はθ/nであり、最左側及び最右側の固定陽極放射線管3と隣接側板の外エッジとの間の角度はθ/2nである。左側板と右側板の壁厚が大きく、または弧形放射線源ハウジング1内に設置される固定陽極放射線管3の数が多い時、αがθより小さい。隣接する2個の固定陽極放射線管3の間の角度はα/nであり、最左側及び最右側の固定陽極放射線管3と隣接側板の外エッジとの間の角度はα/2nより大きくてもよく、α/2nより小さくてもよい。
【0026】
本発明に使用される固定陽極放射線管3の陽極端は反射式固定陽極ターゲットを用いてX線束
5を生成する。固定陽極放射線管3の両端はそれぞれ陽極端および陰極端であり、固定陽極放射線管3内の陰極に隣接する位置にはゲートが設置される。
図3Aおよび
図3Bに示すように、それぞれの固定陽極放射線管3はいずれも独立のゲート制御スイッチ4が配置される。ゲート制御スイッチ4はブラケットを介して固定陽極放射線管3の管体に固定され、且つ、ゲート制御スイッチ4の出力端が導線を介して固定陽極放射線管3のゲートに連結され、固定陽極放射線管3の導通を制御し、これによって、放射線の制御を実現する。陽極端を経て反射した後に射出したX線束5は
図3A及び3Bに示す。当然、隣接する複数の固定陽極放射線管3の導通は同一ゲート制御スイッチ4により制御されてもよい。しかしながら、前記複数の種類の制御方式において、図面に示す固定陽極放射線管3とゲート制御スイッチ4がペアとなって対応する制御方式は好ましい。
【0027】
図4に示すように、N個の弧形放射線源ハウジング1の左側板と右側板の始めと終わりを接続させ、N個の弧形多焦点固定陽極ゲート制御放射線源を「全輪構成」にすることによって、複数の固定陽極放射線管3の焦点を同一分布円に分布させ、できる限り均一に分布させる。全輪構成におけるゲート制御スイッチ4を制御することによって、固定陽極放射線管3は順にX線束
5を射出し、これによって、360°方向上の順次放射線走査を実現する。この全輪構成において、それぞれの固定陽極放射線管3が射出したX線束5はいずれも全輪の中心に照射する。
【0028】
同一の弧形放射線源ハウジング1内に設置される隣接両固定陽極放射線管3の間の角度はθ/nであり、最左側及び最右側の固定陽極放射線管3と隣接側板の外エッジとの間の角度はθ/2nである時、N個の弧形多焦点固定陽極ゲート制御放射線源を全輪構成にすることによって、N個の弧形多焦点固定陽極ゲート制御放射線源内の固定陽極放射線管3の焦点を分布円に均一に分布させる。同一の弧形放射線源ハウジング1内に設置される隣接両固定陽極放射線管3の間の角度が他の値である時、N個の弧形多焦点固定陽極ゲート制御放射線源により構成される全輪構成において、N個の弧形放射線源ハウジング1内の固定陽極放射線管3の焦点は全部、同一の分布円に分布させ、且つ、それぞれの弧形放射線源ハウジング1内の複数の固定陽極放射線管3の焦点は均一に分布する。
【0029】
本発明が提供する弧形多焦点固定陽極ゲート制御放射線源は、固定陽極放射線管、ゲート制御スイッチ、線管ブラケット及び弧形放射線源ハウジングを含む。固定陽極放射線管がX線束5を射出できる。複数の固定陽極放射線管は線管ブラケットを介して弧形放射線源ハウジングに固定される。複数の固定陽極放射線管はある寸法の分布円に対して一定角度範囲内に均一に分布する。複数の弧形放射線源ハウジングは接合して全輪構成になり、これによって、複数の弧形多焦点固定陽極ゲート制御放射線源における固定陽極放射線管全体の焦点を同一分布円に分布させる。この弧形多焦点固定陽極ゲート制御放射線源において、複数のゲート制御スイッチが複数の固定陽極放射線管に対応して接続される。ゲート制御スイッチは固定陽極放射線管回路の導通を制御し、これによって、放射線の制御を実現する。上述した弧形多焦点固定陽極ゲート制御放射線源は、構成が簡単で、コストが低く、十分な強度の放射線を生成でき、同時に、円周方向上において、十分な数の焦点が分布する。この放射線源は静的CTシステムに応用できる。
【0030】
以上、本発明が提供する弧形多焦点固定陽極ゲート制御放射線源は詳細に説明される。当業者にとって、本発明の本質から逸脱することなく本発明に対して行われた明らかな変更は、本発明の特許権の侵害を構成し、対応する法的責任を負うことになる。