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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-26
(45)【発行日】2023-08-03
(54)【発明の名称】掘削ロッド
(51)【国際特許分類】
   E02D 7/00 20060101AFI20230727BHJP
   E02D 5/28 20060101ALI20230727BHJP
   E02D 5/48 20060101ALI20230727BHJP
   E02D 5/56 20060101ALI20230727BHJP
【FI】
E02D7/00 A
E02D5/28
E02D5/48
E02D5/56
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022159179
(22)【出願日】2022-10-03
【審査請求日】2022-10-05
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 2022年7月14日に下記URL<https://www.w-zero.jp/>にて公開。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 2022年7月14日に下記URL<https://www.youtube.com/watch?v=AaWq-hmH0j4>及び<https://www.youtube.com/watch?v=ejEOnZKNufs>にて公開。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 2022年7月4日に一般財団法人日本建築総合試験所による建築技術性能認証の性能認証書の発行に伴い開催される専門委員会(オンライン開催)にて公開。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 2022年7月21日に第1回W-ZERO工法施工見学会にて公開。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 2022年9月2日に第2回W-ZERO工法施工見学会にて公開。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 2022年8月2日に株式会社丸喜に販売。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 2022年9月21日に株式会社西川土木に販売。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 2022年9月28日に株式会社アロウズに販売。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 2022年9月28日に株式会社KBMに販売。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 2022年9月28日に株式会社ALANDに販売。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 2022年9月28日に高井基礎産業有限会社に販売。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 2022年9月29日にアシスト株式会社に販売。
(73)【特許権者】
【識別番号】521461409
【氏名又は名称】株式会社SKT
(74)【代理人】
【識別番号】100173381
【弁理士】
【氏名又は名称】三觜 宏之
(72)【発明者】
【氏名】丸山 康治
【審査官】五十幡 直子
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-155530(JP,A)
【文献】特開2013-204402(JP,A)
【文献】特開2012-082670(JP,A)
【文献】実開平07-010036(JP,U)
【文献】特開2014-156755(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 5/22-5/64
E02D 7/00-7/30
E21B 3/00-3/06
F16B 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロッド本体と、掘削ヘッドと、前記ロッド本体と前記掘削ヘッドとの間に上下方向に接続される連結用ロッドと、を備え、
前記掘削ヘッドは、第1軸部と、前記第1軸部の上端より下方側に設けられ、前記第1軸部の外周面から径方向外側へ突出する水平突出部と、を有し、
前記連結用ロッドは、前記第1軸部を挿入可能な筒状の第2軸部と、前記第2軸部の径方向外側の位置から前記第2軸部の下端が位置する水平位置よりも下方となる位置まで鉛直下方に延びる板状の下方突出部と、を有することを特徴とする掘削ロッド。
【請求項2】
前記連結用ロッドには、前記下方突出部の板幅よりも幅広な幅広部が前記下方突出部の下端に連続して一体に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の掘削ロッド。
【請求項3】
前記水平突出部が前記第2軸部の下端に当接するまで前記第1軸部を前記第2軸部の下端側の内部空間に挿入した後に、前記水平突出部が前記下方突出部に当接するまで前記第1軸部を回転させると、前記幅広部が前記水平突出部を下方から支持しながら、前記掘削ヘッドが前記連結用ロッドに接続されることを特徴とする請求項2に記載の掘削ロッド。
【請求項4】
前記ロッド本体と前記掘削ヘッドと前記連結用ロッドとが相互に接続された状態で前記ロッド本体を回転させると、前記水平突出部が前記下方突出部に当接して押されることで前記第1軸部が回転し、前記水平突出部が前記幅広部に支持されない状態で前記ロッド本体を引き上げると、前記掘削ヘッドが残置されることを特徴とする請求項3に記載の掘削ロッド。
【請求項5】
ロッド本体と、掘削ヘッドと、前記ロッド本体と前記掘削ヘッドとの間に上下方向に接続される連結用ロッドと、を備え、
前記掘削ヘッドは、第1軸部と、前記第1軸部の外周面から径方向外側に突出するフランジ部と、前記フランジ部の側面から側方に突出する第1突起部と、を有し、
前記連結用ロッドは、前記第1軸部を挿入可能な筒状の第2軸部と、前記第2軸部の外周面に突出して設けられ下方に開口する収容部と、前記収容部に着脱可能に上下方向に支持される板状の支持部材と、を有し、
前記フランジ部は、前記第2軸部の外径と略同径の外径をなし、
前記支持部材は、前記支持部材を上側領域と中間領域と下側領域とに区分したとき、前記下側領域の板幅が少なくとも前記中間領域の板幅よりも幅広に形成されており、前記中間領域が前記収容部から下方に突出した状態で前記上側領域が前記収容部に収容され、前記上側領域が前記収容部に収容された状態で、前記第1軸部を前記第2軸部の下端側の内部空間に挿入した後に前記第1軸部又は前記第2軸部を回転させると、前記第1突起部と前記中間領域とが当接するとともに、前記下端領域によって前記第1突起部が下方から支持されることを特徴とする掘削ロッド。
【請求項6】
前記ロッド本体と前記掘削ヘッドと前記連結用ロッドとが相互に接続された状態で前記ロッド本体を回転させると前記前記第1軸部が回転し、前記第1突起部が前記下側領域に支持されない状態で前記ロッド本体を引き上げると前記掘削ヘッドが残置されることを特徴とする請求項5に記載の掘削ロッド。
【請求項7】
ロッド本体と、掘削ヘッドと、前記ロッド本体と前記掘削ヘッドとの間に上下方向に接続される連結用ロッドと、を備え、
前記掘削ヘッドは、第1軸部と、前記第1軸部より大径の第3軸部と、前記第1軸部と前記第3軸部との間に配置される円盤状の継手部と、前記継手部の側面から側方に突出する第2突起部と、を有し、
前記連結用ロッドは、前記第1軸部を挿入可能な筒状の第2軸部と、前記第2軸部の外周面に突出して設けられ下方に開口する収容部と、前記収容部に着脱可能に上下方向に支持される支持される板状の支持部材と、を有し、
前記継手部は、前記第2軸部の外径と略同径の外径をなし、
前記支持部材は、前記支持部材を上側領域と中間領域と下側領域とに区分したとき、前記下側領域の板幅が少なくとも前記中間領域の板幅よりも幅広に形成されており、前記中間領域が前記収容部から下方に突出した状態で前記上側領域が前記収容部に収容され、前記上側領域が前記収容部に収容された状態で、前記第1軸部を前記第2軸部の下端側の内部空間に挿入した後に前記第1軸部又は前記第2軸部を回転させると、前記第2突起部と前記中間領域とが当接するとともに、前記下端領域によって前記第2突起部が下方から支持されることを特徴とする掘削ロッド。
【請求項8】
前記ロッド本体と前記掘削ヘッドと前記連結用ロッドとが相互に接続された状態で前記ロッド本体を回転させると前記前記第1軸部が回転し、前記第2突起部が前記下側領域に支持されない状態で前記ロッド本体を引き上げると前記掘削ヘッドが残置されることを特徴とする請求項7に記載の掘削ロッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋼管杭を埋設する抗穴を掘削するための掘削ロッドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
鋼管杭を地中に埋め込むことで地盤の支持力を高める鋼管杭工法が知られている。鋼管杭工法では、鋼管杭と掘削ヘッドが一体となったものと、鋼管杭と掘削ヘッドとが別部材になったものが存在する。後者の場合、地盤掘削後に、ロッド本体の内部空間に地上側から鋼管杭を挿入して、鋼管杭と掘削ヘッドを連結させた後に、ロッド本体と掘削ヘッドを切り離し、ロッド本体を地中から取り出す方法により行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-156755号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1によれば、正回転時には爪部56が第2のフィン4に係合することによりロッド本体2を第2のフィン4(掘削ヘッドに相当)に取り付けることができ、一方、逆回転させると爪部56が第2のフィン4から離脱することによりロッド1を地上に引き上げることが可能となる。
【0005】
しかし、逆回転させると爪部56が第2のフィン4から離脱するので、逆回転させながら地盤を掘削できない問題があった。また、このような構造だと、爪部56が変形したり破断しやすく耐久性に問題があった。
【0006】
本発明はこの課題に鑑み、耐久性が高く、かつ、逆回転させても地盤を掘削できる掘削ロッドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る掘削ロッドは、ロッド本体と、掘削ヘッドと、前記ロッド本体と前記掘削ヘッドとの間に上下方向に接続される連結用ロッドと、を備え、前記掘削ヘッドは、第1軸部と、前記第1軸部の上端より下方側に設けられ、前記第1軸部の外周面から径方向外側へ突出する水平突出部と、を有し、前記連結用ロッドは、前記第1軸部を挿入可能な筒状の第2軸部と、前記第2軸部の径方向外側の位置から前記第2軸部の下端が位置する水平位置よりも下方となる位置まで鉛直下方に延びる板状の下方突出部と、を有することを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の掘削ロッドは、請求項1に記載の掘削ロッドであって、前記連結用ロッドには、前記下方突出部の板幅よりも幅広な幅広部が前記下方突出部の下端に連続して一体に形成されたことを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の掘削ロッドは、請求項2に記載の掘削ロッドであって、前記水平突出部が前記第2軸部の下端に当接するまで前記第1軸部を前記第2軸部の下端側の内部空間に挿入した後に、前記水平突出部が前記下方突出部に当接するまで前記第1軸部を回転させると、前記幅広部が前記水平突出部を下方から支持しながら、前記掘削ヘッドが前記連結用ロッドに接続されることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の掘削ロッドは、請求項3に記載の掘削ロッドであって、前記ロッド本体と前記掘削ヘッドと前記連結用ロッドとが相互に接続された状態で前記ロッド本体を回転させると、前記水平突出部が前記下方突出部に当接して押されることで前記第1軸部が回転し、前記水平突出部が前記幅広部に支持されない状態で前記ロッド本体を引き上げると、前記掘削ヘッドが残置されることを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の掘削ロッドは、ロッド本体と、掘削ヘッドと、前記ロッド本体と前記掘削ヘッドとの間に上下方向に接続される連結用ロッドと、を備え、前記掘削ヘッドは、第1軸部と、前記第1軸部の外周面から径方向外側に突出するフランジ部と、前記フランジ部の側面から側方に突出する第1突起部と、を有し、前記連結用ロッドは、前記第1軸部を挿入可能な筒状の第2軸部と、前記第2軸部の外周面に突出して設けられ下方に開口する収容部と、前記収容部に着脱可能に上下方向に支持される板状の支持部材と、を有し、前記フランジ部は、前記第2軸部の外径と略同径の外径をなし、前記支持部材は、前記支持部材を上側領域と中間領域と下側領域とに区分したとき、前記下側領域の板幅が少なくとも前記中間領域の板幅よりも幅広に形成されており、前記中間領域が前記収容部から下方に突出した状態で前記上側領域が前記収容部に収容され、前記上側領域が前記収容部に収容された状態で、前記第1軸部を前記第2軸部の下端側の内部空間に挿入した後に前記第1軸部又は前記第2軸部を回転させると、前記第1突起部と前記中間領域とが当接するとともに、前記下端領域によって前記第1突起部が下方から支持されることを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の掘削ロッドは、請求項5に記載の掘削ロッドであって、前記ロッド本体と前記掘削ヘッドと前記連結用ロッドとが相互に接続された状態で前記ロッド本体を回転させると前記前記第1軸部が回転し、前記第1突起部が前記下側領域に支持されない状態で前記ロッド本体を引き上げると前記掘削ヘッドが残置されることを特徴とする。
【0013】
請求項7に記載の掘削ロッドは、ロッド本体と、掘削ヘッドと、前記ロッド本体と前記掘削ヘッドとの間に上下方向に接続される連結用ロッドと、を備え、前記掘削ヘッドは、第1軸部と、前記第1軸部より大径の第3軸部と、前記第1軸部と前記第3軸部との間に配置される円盤状の継手部と、前記継手部の側面から側方に突出する第2突起部と、を有し、前記連結用ロッドは、前記第1軸部を挿入可能な筒状の第2軸部と、前記第2軸部の外周面に突出して設けられ下方に開口する収容部と、前記収容部に着脱可能に上下方向に支持される支持される板状の支持部材と、を有し、前記継手部は、前記第2軸部の外径と略同径の外径をなし、前記支持部材は、前記支持部材を上側領域と中間領域と下側領域とに区分したとき、前記下側領域の板幅が少なくとも前記中間領域の板幅よりも幅広に形成されており、前記中間領域が前記収容部から下方に突出した状態で前記上側領域が前記収容部に収容され、前記上側領域が前記収容部に収容された状態で、前記第1軸部を前記第2軸部の下端側の内部空間に挿入した後に前記第1軸部又は前記第2軸部を回転させると、前記第2突起部と前記中間領域とが当接するとともに、前記下端領域によって前記第2突起部が下方から支持されることを特徴とする。
【0014】
請求項8に記載の掘削ロッドは、請求項7に記載の掘削ロッドであって、前記ロッド本体と前記掘削ヘッドと前記連結用ロッドとが相互に接続された状態で前記ロッド本体を回転させると前記前記第1軸部が回転し、前記第2突起部が前記下側領域に支持されない状態で前記ロッド本体を引き上げると前記掘削ヘッドが残置されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、ロッド本体を逆回転させても地盤を掘削できるので、強固な地盤であったとしても、また、地盤内に比較的大きめな石が存在していても、地盤を掘削できる。また、一般的なロッド本体を使用できるため、製造コストを軽減できるとともに、故障時に連結用ロッドのみを交換すればよく、工期の短縮化を図ることもできる。さらには、下方突出部や支持部材がネジ止めされることにより、下方突出部や支持部材のみを取り替えることができるため、修理やメンテナンスにおいて格段に利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明に係る掘削ロッドの第1実施形態を示す斜視図である。
図2】本発明に係る掘削ロッドの第1実施形態を示す分解斜視図である。
図3】連結用ロッド12を示す分解斜視図である。
図4】掘削ロッド1を用いた施工手順を示す図である。
図5】本発明に係る掘削ロッドの第2実施形態を示す斜視図である。
図6】本発明に係る掘削ロッドの第2実施形態を示す分解斜視図である。
図7】連結用ロッド22を示す分解斜視図である。
図8】掘削ロッド2を用いた施工手順を示す図である。
図9】本発明に係る掘削ロッドの第3実施形態を示す斜視図である。
図10】本発明に係る掘削ロッドの第3実施形態を示す分解斜視図である。
図11】連結用ロッド32を示す分解斜視図である。
図12】掘削ロッド3を用いた施工手順を示す図である。
図13】本発明に係る掘削ロッドの第4実施形態を示す斜視図である。
図14】本発明に係る掘削ロッドの第4実施形態を示す分解斜視図である。
図15】掘削ロッド4を用いた施工手順を示す図である。
図16】本発明に係る掘削ロッドの第5実施形態を示す斜視図である。
図17】本発明に係る掘削ロッドの第5実施形態を示す分解斜視図である。
図18】掘削ロッド5を用いた施工手順を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。
【0019】
(第1実施形態)
図1は、本発明に係る掘削ロッド1の第1実施形態を示す斜視図である。図2はその分解斜視図である。掘削ロッド1は、上方から下方へ向けて、アースオーガ等の回転式掘削機械(図示せず)に連結されるロッド本体11と、連結用ロッド12と、掘削ヘッド13との順に軸方向を同じくして接続されて使用されるものであり、そのうち、ロッド本体11と連結用ロッド12は、連動して回転するようになっている。
【0020】
ロッド本体11は、鋼管材が上下方向に貫通可能な筒状に形成されており、上部に断面が六角形状の凸部が形成された雄ジョイント部11aと、下端側の内部空間に断面が六角形状の嵌合孔が形成された雌ジョイント部11bを有する。ロッド本体11は複数本存在し、上下に隣り合う一方のロッド本体11の雄ジョイント部11aと、他方のロッド本体11の雌ジョイント部11bとを嵌合させることにより、上下方向に複数本のロッド本体11が着脱自在に連結して使用される。ロッド本体11の軸周りには、螺旋状の羽根部11cを有する。なお、ロッド本体11は、複数本である必要はなく、長尺の1本で構成されていてもよい。
【0021】
連結用ロッド12は、鋼管材が上下方向に貫通可能な円筒状に形成され、上部側には断面が六角形状の凸部が形成された雄ジョイント部121と、下部側には雄ジョイント部121に連続して一体に形成された第2軸部122を有する。連結用ロッド12は、雄ジョイント部121がロッド本体11の雌ジョイント部11bと嵌合することにより、ロッド本体11と軸方向を同じくして着脱自在に連結される。ロッド本体11と連結用ロッド12とが連結された状態でロッド本体11を回転させると、連結用ロッド12も回転する。第2軸部122には、軸周りに螺旋状の羽根部122aを有し、主に埋め戻し時に掘削土の地中への搬送を行うようになっている。第2軸部122は、中空の内部空間122cを有しており、ロッド本体11の雄ジョイント部11aのような断面が六角形状の凸部に対応するような嵌合孔は設けられていない。
【0022】
連結用ロッド12は、第2軸部122の外周面に取り付けられ、第2軸部122の径方向外側から鉛直下方に延びる下方突出部123を有する。図3は、連結用ロッド12の分解斜視図である。図3に示すように、第2軸部122にはネジ穴122hが設けられており、下方突出部123にも貫通するネジ穴が設けられており、ネジが下方突出部123のネジ穴と第2軸部122のネジ穴122hとに螺合することにより、下方突出部123を第2軸部122に着脱可能に取り付けることができるようになっている。これにより、消耗の激しい下方突出部123のみを交換できるようになっている。なお、下方突出部123は第2軸部122の外周面に溶接等の手段により固定されていてもかまわない。
【0023】
下方突出部123は、上部側123aと下部側123bとに区分したとき(図1図3における下方突出部123内に描かれた点線が、上部側123aと下部側123bとを区分する線である。)、下部側123bが第2軸部122の下端面の位置する水平位置(下方突出部123内に描かれた点線)よりも下方に位置するようにして、上部側123aが第2軸部122の外周面に取り付けることができるなっている。下方突出部123は、第2軸部122の外周面に沿って取り付けられるように、湾曲した湾曲面を持ち、上下方向に長尺な平板状をなしている。なお、下方突出部123は、掘削ヘッド13と接続された際に、掘削ヘッド13の羽根132と接触しない高さ位置となるように形成されている必要がある。また、下方突出部123は、第2軸部122の中心軸に対して互いに反対側に位置するように2つ設けられていることが望ましい。下方突出部123は、図3ではネジ山を確保するために板状になっているが、棒状であってもかまわない。また、図3に示すように、第2軸部122の外周面に沿うように湾曲する湾曲面を有することが望ましい。
【0024】
掘削ヘッド13は、少なくとも上端側が上方に開口する筒状に形成され、第2軸部122の内径よりも小さい外径を有する第1軸部131と、第1軸部131の外周面から径方向外側へ突出する水平突出部131aを有する。第1軸部131には、螺旋状の羽根132と掘削刃133が設けられており、第1軸部131が回転すれば螺旋状の羽根132と掘削刃133が回転して地盤が掘削される。水平突出部131aは、第1軸部131の中心軸に対して互いに反対側に位置するように2つ設けられることが望ましい。また、水平突出部131aの形状は、図2に示すようような立方体形状のものに限られない。
【0025】
水平突出部131aは、第1軸部131の上端より下方側に設けられている。これは、第1軸部131の上端部を第2軸部122の下端側の内部空間122cに挿入できるようにするためである。このように、第1軸部131の上端部を第2軸部122の下端側の内部空間122cに挿入すると、水平突出部131aは第2軸部122の下端に当接する。一方、下方突出部123は、第2軸部122の外周面に取り付けられた位置から第2軸部122の下端面の位置する水平位置を超えて鉛直下方へ延びている。これは、第1軸部131が第2軸部122に挿入された状態(つまり、水平突出部131aが第2軸部122の下端に当接した状態)において、第1軸部131又は第2軸部122のいずれかを回転すれば、下方突出部123の下部側123bと水平突出部131aが当接できるようにするためである。
【0026】
このような構成において、図4に示すように、地盤を掘削しようとする場所に掘削ヘッド13を設置し、ロッド本体11に接続された連結用ロッド12を掘削ヘッド13の上方から接続させる(図4(a))。具体的には、水平突出部131aを下方突出部123に触れないようにして、連結用ロッド12の下端側の内部空間122cに第1軸部131を挿入して接続する。そして、ロッド本体11と連結用ロッド12と掘削ヘッド13とが相互に接続された状態でロッド本体11を回転させる(図4(b))。ロッド本体11を回転させると、連結用ロッド12も回転する。連結用ロッド12が回転すると、下方突出部123が第1軸部131を中心として軸周りに回転する。下方突出部123が第1軸部131を中心として軸周りに回転すると、下方突出部123の下部側123bが水平突出部131aに当接して軸周り方向に押されることにより、第1軸部131が回転する。第1軸部131が回転すると、螺旋状の羽根132と掘削刃133が回転するので、地盤を掘削できる。また、ロッド本体11を逆回転させても、水平突出部131aは第1軸部131の軸周りを回転移動して下方突出部123に反対側から当接することが可能であるため、地盤を掘削することができる。所定位置まで地盤を掘削すれば、地上から鋼管杭Aをロッド本体11の上端側の内部空間に挿入して、鋼管杭Aと掘削ヘッド13を連結させる(図4(c))。鋼管杭Aと掘削ヘッド13を連結させた後、再度ロッド本体11を回転させて所定位置まで地盤を掘削する(図4(d))。そして、ロッド本体11を軸方向上方に引き上げると(図4(e))、連結用ロッド12はロッド本体11とともに地上に引き上げられ、掘削ヘッド13のみが地盤内に残置される。その際、掘削ヘッド13は鋼管杭Aに連結されているので、鋼管杭Aも地盤内に残置される(図4(f))。
【0027】
(第2実施形態)
図5は、本発明に係る掘削ロッド2の第2実施形態を示す斜視図である。図6はその分解斜視図である。図7は連結用ロッド22の分解斜視図である。第2実施形態の構成のうち、第1実施形態の構成と同一のものは、各部分に同一の符号を付して構成の説明を省略し、第1実施形態と相違する点を中心に以下に説明する。
【0028】
連結用ロッド22には、下方突出部123と、下方突出部123の板幅よりも幅広な幅広部221とが一体に形成されている。下方突出部123と幅広部221は、全体として側面視(水平方向から見た場合)において逆T字状をなした板状に形成されている。図5~7における下方突出部123内に描かれた下側の点線が、下方突出部123の下端部と幅広部221とを区分する線である。下方突出部123と幅広部221は、第2軸部122が回転すると、第2軸部122の回転軸を中心として第2軸部122の軸周りに円を描くように回転できるようになっている。なお、下方突出部123と幅広部221は、逆L字状をなしていても構わない。
【0029】
図5に示すように、連結用ロッド22と掘削ヘッド13が接続された状態(水平突出部131aの上端に第2軸部122の下端が当接した状態)において、第1軸部131又は第2軸部122を回転させれば、下方突出部123と水平突出部131aが当接する。この当接した状態では、幅広部221は、水平突出部131aを下方から支持することで、掘削ヘッド13の連結用ロッド22からの抜け落ちを防ぐことが可能となる。
【0030】
このような構成において、図8に示すように、まず、ロッド本体11に接続された連結用ロッド22の下端側の内部空間122cに掘削ヘッド13の第1軸部131の上端部を挿入した後に、右側に回転させて下方突出部123と水平突出部131aを当接させると、第1実施形態における掘削ロッド1とは異なり、幅広部221が水平突出部131aを下方から支持することで、掘削ヘッド13の連結用ロッド22からの抜け落ちを防ぎながら、連結用ロッド22に掘削ヘッド13とが接続される(図8(a))。そのため、あらかじめ掘削ヘッド13を掘削しようとする位置に配置しておく必要がなくなる。このように、ロッド本体11と掘削ヘッド13と連結用ロッド22とが相互に接続された状態でロッド本体11を回転させる。ロッド本体11を回転させると、連結用ロッド22も回転する。連結用ロッド22が回転すると、水平突出部131aが下方突出部123に当接して押されることで第1軸部131も回転する。第1軸部131が回転すると、螺旋状の羽根132と掘削刃133が回転するので、地盤を掘削できる(図8(b))。また、ロッド本体11を逆回転させても、水平突出部131aは第1軸部131の軸周りを回転移動して下方突出部123の下部側123bに反対側から当接することが可能であるため、地盤を掘削することができる。所定位置まで地盤を掘削すれば、地上から鋼管杭Aをロッド本体11の上端側の内部空間に挿入して、鋼管杭Aと掘削ヘッド13を連結させる(図8(c))。鋼管杭Aと掘削ヘッド13を連結させた後、再度ロッド本体11を回転させて所定位置まで地盤を掘削する(図8(d))。そして、水平突出部131aが幅広部221に支持されない状態にまでロッド本体11を回転させた後にロッド本体11を引き上げると(図8(e))、連結用ロッド22はロッド本体11とともに地上に引き上げられ、掘削ヘッド13のみが地盤内に残置される。その際、掘削ヘッド13は鋼管杭Aに連結されているので、鋼管杭Aも地盤内に残置される(図8(f))。
【0031】
(第3実施形態)
図9は、本発明に係る掘削ロッド3の第3実施形態を示す斜視図である。図10はその分解斜視図である。図11は連結用ロッド32の分解斜視図である。第3実施形態の構成のうち、第1実施形態の構成と同一のものは、各部分に同一の符号を付して構成の説明を省略し、第1実施形態と相違する点を中心に以下に説明する。
【0032】
連結用ロッド32は、下端面が第2軸部122の下端面と略同じ水平位置に配置されるようにして、第2軸部122の外周面から径方向外側へ突出して設けられた略立方体形状の収容部321を有する。収容部321には、図11に示すように、下端面の一部が略台形状に開口した内部空間321aが上下方向に形成されており、また、第2軸部122の径方向に貫通する貫通孔321hが形成されている。なお、収容部321は、第2軸部122の中心軸に対して反対側に位置するように2つ設けられることが望ましい。また、貫通孔321hはネジ穴であってもよい。
【0033】
支持部材322は、第2軸部122の軸周りを取り囲む環状体の一部をなすように、湾曲した湾曲面を持ち、上下方向に長尺な平板状をなしている。支持部材322は、上下方向において前記支持部材を上側領域322aと中間領域322bと下側領域322cとに区分したとき(図9図11に描かれた点線が、上側領域322aと中間領域322bと下側領域322cを区分する線である。)、下側領域322cの板幅が上側領域322aと中間領域322bの板幅よりも幅広になった略逆T字状を呈している。支持部材322は、略台形状に開口した内部空間321aに上側領域322aが挿入できるように、上面が内部空間321aよりもやや小さい略台形状になっている。図9に示すように、支持部材322の上側領域322aが収容部321の内部空間321aに挿入された際に、中間領域322bと下側領域322cは、第2軸部122の下端面の水平位置よりも下方に位置するように、収容部321から下方に飛び出した状態で支持される。このとき、支持部材322は、上下方向において第2軸部122の軸方向に平行な状態で、かつ、第2軸部122の軸周り方向と平行な状態で、収容部321に支持されることになる。なお、支持部材322のうち、上側領域322aと中間領域322bは特許請求の範囲の下方突出部に、下側領域322cは幅広部にも相当する。
【0034】
支持部材322の中間領域322bは、上側領域322aが収容部321の内部空間321aに挿入された際に、収容部321から下方へ飛び出すように上下方向の長さが定められている。上側領域322aにはネジ穴322hが設けられており、収容部321の貫通孔321hに通されたネジSがネジ穴322hと螺合することにより、支持部材322を収容部321に固定できるようになっている。
【0035】
掘削ヘッド33は、筒状に形成され、第2軸部122の内径よりも小さい外径を有する第1軸部131と、第1軸部131の上端からやや下方に配置され、第1軸部131の外周面を囲み、第2軸部122の外径と略同径の外径を有する環状のフランジ部331と、フランジ部331の外周面から径方向外側へ突出した第1突起部332を有する。なお、第1突起部332は特許請求の範囲の水平突出部にも相当する。
【0036】
支持部材322の上側領域322aが収容部321に収容された状態で、第1軸部131の上端部を第2軸部122の下端側の内部空間122cに挿入すると、フランジ部331の上端と第2軸部122の下端面とが面接触する。この面接触した状態が連結用ロッド32と掘削ヘッド33が接続された状態である。このように、掘削ヘッド33に、第2軸部122の外径と略同径の外径をなすフランジ部331を設けることにより、フランジ部331の上端と第2軸部122の下端面とが面接触して、掘削ヘッド33を連結用ロッド32に正確に挿入できる。そして、連結用ロッド32と掘削ヘッド33が接続された状態において第1軸部131又は第2軸部122のいずれかを回転させれば、第1突起部332と中間領域322bの側面とが当接する。この当接した状態において、下端領域322cの上面で第1突起部332を下方から支持することで、掘削ヘッド33の連結用ロッド32からの抜け落ちを防ぐことが可能となる。
【0037】
このような構成において、図12に示すように、まず、ロッド本体11に接続された連結用ロッド32の下端側の内部空間122cに、第1突起部332を支持部材322に衝突させないようにして、掘削ヘッド33の第1軸部131の上端部を挿入した後に、右側に回転させて第1突起部332と支持部材322を当接させると、連結用ロッド32に掘削ヘッド33が接続される(図12(a))。このように、ロッド本体11と掘削ヘッド33と連結用ロッド32とが相互に接続された状態でロッド本体11を回転させる。ロッド本体11を回転させると、連結用ロッド32も回転する。連結用ロッド32が回転すると、第1突起部332が支持部材322に当接して押されることで第1軸部131も回転する。第1軸部131が回転すると、螺旋状の羽根132と掘削刃133が回転するので、地盤を掘削できる(図12(b))。また、ロッド本体11を逆回転させても、第1突起部332は第1軸部131の軸周りを回転移動して支持部材322に反対側から当接することが可能であるため、地盤を掘削することができる。所定位置まで地盤を掘削すれば、地上から鋼管杭Aをロッド本体11の上端側の内部空間に挿入して、鋼管杭Aと掘削ヘッド33を連結させる(図12(c))。鋼管杭Aと掘削ヘッド33を連結させた後、再度ロッド本体11を回転させて所定位置まで地盤を掘削する(図12(d))。そして、第1突起部332が下端領域332cに支持されない状態にまでロッド本体11を回転させた後にロッド本体11を引き上げると(図12(e))、連結用ロッド32はロッド本体11とともに地上に引き上げられ、掘削ヘッド33のみが地盤内に残置される。その際、掘削ヘッド33は鋼管杭Aに連結されているので、鋼管杭Aも地盤内に残置される(図12(f))。
【0038】
(第4実施形態)
図13は、本発明に係る掘削ロッド4の第4実施形態を示す斜視図である。図14はその分解斜視図である。第4実施形態の構成のうち、第1実施形態及び第3実施形態と同一のものは、各部分に同一の符号を付して構成の説明を省略し、相違する点を中心に以下に説明する。
【0039】
掘削ヘッド43は、第1軸部131と、第1軸部131より大径の第3軸部431と、第1軸部131と第3軸部431との間に配置され、第2軸部の外径と略同径の外径をなす円盤状の継手部432と、継手部432の側面から側方に突出する第2突起部433とを有する。また、第3軸部431には、螺旋状の羽根434と掘削刃435が設けられており、第1軸部131が回転すれば螺旋状の羽根434と掘削刃435が回転して地盤が掘削される。第2突起部433は、第1軸部131の中心軸に対して互いに反対側に位置するように2つ設けられることが望ましい。
【0040】
支持部材322の上側領域322aが収容部321に収容された状態で、第1軸部131の上端部を第2軸部122の下端側の内部空間122cに挿入すると、継手部432の上端と第2軸部122の下端面とが面接触する。この面接触した状態が連結用ロッド32と掘削ヘッド43が接続された状態である。このように、掘削ヘッド43に、第2軸部122の外径と略同径の外径をなす継手部432を設けることにより、継手部432の上端と第2軸部122の下端面とが面接触して、掘削ヘッド43を連結用ロッド32に正確に挿入できる。そして、連結用ロッド32と掘削ヘッド43が接続された状態において第1軸部131又は第2軸部122のいずれかを回転させれば、第2突起部433と中間領域322bの側面とが当接する。この当接した状態において、下端領域322cの上面で第2突起部433を下方から支持することで、掘削ヘッド43の連結用ロッド32からの抜け落ちを防ぐことが可能となる。
【0041】
このような構成において、図15に示すように、まず、ロッド本体11に接続された連結用ロッド32の下端側の内部空間122cに、第2突起部433を支持部材322に衝突させないようにして、掘削ヘッド43の第1軸部131の上端部を挿入した後に、右側に回転させて第2突起部433と支持部材322を当接させると、連結用ロッド32に掘削ヘッド43が接続される(図15(a))。このように、ロッド本体11と掘削ヘッド43と連結用ロッド32とが相互に接続された状態でロッド本体11を回転させる。ロッド本体11を回転させると、連結用ロッド32も回転する。連結用ロッド32が回転すると、第2突起部433が支持部材322に当接して押されることで第1軸部131も回転する。第1軸部131が回転すると、螺旋状の羽根434と掘削刃435が回転するので、地盤を掘削できる(図15(b))。また、ロッド本体11を逆回転させても、第2突起部433は第1軸部131の軸周りを回転移動して支持部材322に反対側から当接することが可能であるため、地盤を掘削することができる。所定位置まで地盤を掘削すれば、地上から鋼管杭Aをロッド本体11の上端側の内部空間に挿入して、鋼管杭Aと掘削ヘッド43を連結させる(図15(c))。鋼管杭Aと掘削ヘッド43を連結させた後、再度ロッド本体11を回転させて所定位置まで地盤を掘削する(図15(d))。そして、第2突起部433が下端領域332cに支持されない状態にまでロッド本体11を回転させた後にロッド本体11を引き上げると(図15(e))、連結用ロッド32はロッド本体11とともに地上に引き上げられ、掘削ヘッド43のみが地盤内に残置される。その際、掘削ヘッド43は鋼管杭Aに連結されているので、鋼管杭Aも地盤内に残置される(図15(f))。
【0042】
(第5実施形態)
図16は、本発明に係る掘削ロッド5の第5実施形態を示す斜視図である。図17はその分解斜視図である。第5実施形態の構成のうち、第1実施形態の構成と同一のものは、各部分に同一の符号を付して構成の説明を省略し、第1実施形態と相違する点を中心に以下に説明する。
【0043】
連結用ロッド52の周壁には、軸方向上方に延びる係合溝521が形成されている。係合溝521は、第2軸部122の下端側周縁の一部から第2軸部122の軸方向上方へ開口する縦案内部511と、縦案内部511の上端部から第2軸部122の周方向に連続して開口する横案内部522とからなる。すなわち、係合溝521は、第2軸部122の下端部の周壁をT字状に窪ませている。係合溝521は、複数設けられていることが望ましい。なお、係合溝521は、T字状に窪ませずに、横案内部522が縦案内部511の上端部から第2軸部122の周方向の左右方向のいずれか一方向のみに連続して開口するように、逆L字状に窪ませても構わない。
【0044】
掘削ヘッド53は、第1軸部131の外周面から径方向外側へ突出する係合突起531を有する。係合突起531は、係合溝521の数に応じて、第1軸部131の中心軸に対して互いに反対側に位置するように複数設けられることが望ましい。
【0045】
掘削ヘッド53を連結用ロッド52に接続するには、係合突起531を縦案内部511に通しながら、第1軸部131の上端部を第2軸部122の下端側の内部空間に挿入する。そして、第1軸部131を回転させると、係合突起531は横案内部522と係合する。その係合した状態では、掘削ヘッド53は連結用ロッド52から抜け落ちることなく接続される。
【0046】
このような構成において、図18に示すように、まず、ロッド本体11に接続された連結用ロッド52の下端側の内部空間122cに、係合突起531は横案内部522と係合させて、連結用ロッド52に掘削ヘッド53を接続させる(図18(a))。このように、ロッド本体11と掘削ヘッド53と連結用ロッド52とが相互に接続された状態でロッド本体11を回転させる。ロッド本体11を回転させると、連結用ロッド52も回転する。連結用ロッド52が回転すると、係合突起531が横案内部522の左右のいずれかの端部を押すことにより、掘削ヘッド53の第1軸部131が回転する。第1軸部131が回転すると、螺旋状の羽根132と掘削刃133が回転するので、地盤を掘削できる(図18(b))。また、ロッド本体11を正転あるいは逆回転させても、係合突起531は横案内部522を移動するだけなので、正転及び逆回転を繰り返して地盤を掘削することが可能となる。そして、所定位置まで地盤を掘削すれば、地上から鋼管杭Aをロッド本体11の上端側の内部空間に挿入して、鋼管杭Aと掘削ヘッド53を連結させる(図18(c))。鋼管杭Aと掘削ヘッド53を連結させた後、再度ロッド本体11を回転させて所定位置まで地盤を掘削する(図18(d))。そして、係合突起531が縦案内部511の上端部まで移動させてロッド本体を回転させた後にロッド本体11を引き上げると(図18(e))、連結用ロッド52はロッド本体11とともに地上に引き上げられ、掘削ヘッド53のみが地盤内に残置される。その際、掘削ヘッド53は鋼管杭Aに連結されているので、鋼管杭Aも地盤内に残置される(図18(f))。
【0047】
11 ロッド本体
12,22、32、42、52 連結用ロッド
13、23,33,43、53 掘削ヘッド
122 第2軸部
123 下方突出部
131 第1軸部
221 幅広部
321 収容部
322 支持部材
332 第1突起部
433 第2突起部
521 係合溝
531 係合突起
【要約】
【課題】耐久性が高く、かつ、逆回転させても地盤を掘削できる掘削ロッドを提供する
【解決手段】
連結用ロッド12は、第2軸部122の外周面に取り付けられ、第2軸部122の径方向外側から鉛直下方に延びる下方突出部123を有する。掘削ヘッド13は、第1軸部131の外周面から径方向外側へ突出する水平突出部131aを有する。下方突出部123と水平突出部131aとが当接可能な状態で連結用ロッド12と掘削ヘッド13が接続される。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18