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特許7320336非破壊試験のための装置、システム、及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-26
(45)【発行日】2023-08-03
(54)【発明の名称】非破壊試験のための装置、システム、及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01M 99/00 20110101AFI20230727BHJP
   G01N 21/954 20060101ALI20230727BHJP
   B64F 5/60 20170101ALN20230727BHJP
【FI】
G01M99/00 Z
G01N21/954
B64F5/60
【請求項の数】 13
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017093813
(22)【出願日】2017-05-10
(65)【公開番号】P2018009969
(43)【公開日】2018-01-18
【審査請求日】2020-05-08
【審判番号】
【審判請求日】2022-05-11
(31)【優先権主張番号】15/158,057
(32)【優先日】2016-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】サファイ, モルテザ
(72)【発明者】
【氏名】メレディス, キムバーリー ディー.
【合議体】
【審判長】樋口 宗彦
【審判官】上田 泰
【審判官】▲高▼見 重雄
(56)【参考文献】
【文献】特開昭52-122135(JP,A)
【文献】国際公開第2011/083513(WO,A1)
【文献】特開2005-315821(JP,A)
【文献】特開2016-61737(JP,A)
【文献】特開2001-255574(JP,A)
【文献】特開2005-258011(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01M 99/00
G01N 21/84 - 21/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
環形状の空洞、
前記空洞に連結され、レーザービームを受け入れ、且つ前記レーザービームを前記空洞の中へと方向付けるように構成された入力素子、及び
前記空洞内で形成されて、前記空洞に沿って離間された複数の出力素子であって、前記複数の出力素子のそれぞれの素子から外に方向付けられた前記レーザービームの各部分が、実質的に同じような強度を有するように、前記複数の出力素子の各出力素子が、前記レーザービームの部分を前記空洞の外へと方向付けるように構成されている、複数の出力素子
を備え、
前記空洞が、第1の環状側部、及び前記第1の環状側部に対向する第2の環状側部を備え、前記レーザービームは前記第1の環状側部及び前記第2の環状側部により反射され、
前記複数の出力素子のうちの少なくとも一つの出力素子は部分的反射材料を備え、前記レーザービームの第1の部分が前記部分的反射材料を通って前記空洞の外に方向付けられ、且つ前記レーザービームの第2の部分が前記部分的反射材料により反射されて前記空洞内に方向付けられている、装置。
【請求項2】
前記複数の出力素子のそれぞれが材料を含み、且つ
前記複数の出力素子のうちの少なくとも1つの出力素子の材料が、前記複数の出力素子のうちの少なくとも別の出力素子の材料と異なる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記複数の出力素子のうちの最後の出力素子が、非反射材料であって、前記レーザービームの残りの部分が当該非反射材料を通って前記空洞の外に方向付けられる非反射材料を備え、且つ
前記レーザービームの前記第1の部分及び前記レーザービームの前記残りの部分が、実質的に同じような強度を含む、
請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記複数の出力素子の第1の出力素子が、前記レーザービームの前記第1の部分を前記空洞の外に方向付ける第1の部分的反射材料を備え、
前記複数の出力素子のうちの第2の出力素子が、前記レーザービームの第の部分を前記空洞の外に方向付ける第2の部分的反射材料を備え、且つ
前記第1の部分的反射材料及び前記第2の部分的反射材料が、異なる反射特性を含み、前記レーザービームの前記第1の部分及び前記レーザービームの前記第の部分が、実質的に同じような強度を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記レーザービームの前記第の部分が前記空洞の外に方向付けされる前に、前記レーザービームの前記第1の部分が前記空洞の外に方向付けされ、
前記レーザービームの前記第1の部分が、前記レーザービームの第1のパーセンテージを有し、
前記レーザービームの前記第1の部分が前記空洞の外に方向付けられた後に、前記レーザービームの前記第2の部分が前記空洞内に残り、
前記レーザービームの前記第の部分が、前記レーザービームの前記第2の部分の第2のパーセンテージを有し、且つ
前記第2のパーセンテージが前記第1のパーセンテージより大きい、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記空洞が前記第1の環状側部及び前記第2の環状側部に囲まれている、請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記複数の出力素子の各出力素子が、前記複数の出力素子のうちの隣接する出力素子から実質的に等間隔で離間されている、請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記入力素子が、前記空洞の前記第1の環状側部上に配置され、且つ
前記複数の出力素子が、前記空洞の前記第2の環状側部上に配置されている、請求項1から7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記空洞の前記第1の環状側部の内表面が、反射性コーティングを含む、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記空洞の前記第2の環状側部の内表面が、第1の不透明度から第2の不透明度まで変動する不透明度を有する部分的反射材料を含み、前記第1の不透明度が前記第2の不透明度より大きい、請求項8に記載の装置。
【請求項11】
物体の非破壊試験の方法であって、
装置を用いて物体(102)に照射を行うことであって、前記装置が、環形状の空洞と、前記空洞に連結され、レーザービームを受け入れ、且つ前記レーザービームを前記空洞の中へと方向付けるように構成された入力素子と、前記空洞内で形成されて、前記空洞に沿って離間された複数の出力素子であって、前記複数の出力素子のそれぞれの素子から外に方向付けられた前記レーザービームの各部分が、実質的に同じような強度を有するように、前記複数の出力素子の各出力素子が、前記レーザービームの部分を前記空洞の外へと方向付けるように構成されている、複数の出力素子とを備えている、照射を行うことと、
前記複数の出力素子のそれぞれの素子から外に方向付けられた前記レーザービームの各部分によって照射された前記物体の画像を撮ることと、
前記物体が欠陥を有するかどうかを判断するために前記画像を分析することと
を含み、
前記空洞が、第1の環状側部、及び前記第1の環状側部に対向する第2の環状側部を備え、前記レーザービームは前記第1の環状側部及び前記第2の環状側部により反射され、
前記複数の出力素子のうちの少なくとも一つの出力素子は部分的反射材料を備え、前記レーザービームの第1の部分が前記部分的反射材料を通って前記空洞の外に方向付けられ、且つ前記レーザービームの第2の部分が前記部分的反射材料により反射されて前記空洞内に方向付けられる、方法。
【請求項12】
前記物体(102)が欠陥を有するかどうかを判断するために前記画像を分析することが、面外変位を測定することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記面外変位を測定することが、画像減算を使用して、光学縞により検知された前記物体の表面における変化を差し引くことを含む、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して構造体の試験に関し、より具体的には、シェアログラフィーを用いた材料の非破壊試験に関する。
【背景技術】
【0002】
材料の試験には非破壊試験が使用され得る。非破壊試験を使用することにより、材料を破損せずに材料の特性を分析することができる。ある非破壊試験は、シェアログラフィーを用いて行われる。シェアログラフィーは、材料の品質に関する情報を提供するためにコヒーレント光又はコヒーレント音波を使用する。場合によっては、シェアログラフィーは、レーザー光を用いて、物体の表面領域を照射し、第1のパターンをつくる。第1のパターンは、物体が荷重下にある間にレーザー光が物体を照射した際に作られた第2のパターンから減算してもよい。物体に欠陥がないかを判断するためにその結果を分析することができる。
【0003】
あるレーザー割断装置は、レーザービームを割断して、物体を不均一に照射し得る。したがって、このようなレーザー割断装置で照射された物体は、シェアログラフィーを用いて分析することが難しい場合がある。
【0004】
これらの観点及び他の観点から、ここに本開示が提示される。
【発明の概要】
【0005】
本出願の主題は、先行技術の上述の欠点を克服するような、それぞれ実質的に同じような強度を有する入力レーザービームの部分を出力する出力素子を有する装置の実施例、及びその製造のための関連する方法を提供する。本出願の主題は、当技術分野の現行技術に対応して、具体的には、シェアログラフィーの実行に使用された従来のレーザー装置の欠点に対応して開発されたものである。
【0006】
一実施例によると、装置は、空洞を含む。この装置は、空洞に連結され、レーザービームを受け入れ、且つレーザービームを空洞の中へと方向付けるように構成された入力素子をさらに含む。この装置は、さらに、空洞内で形成されて、且つ空洞に沿って離間されている複数の出力素子を含む。複数の出力素子のそれぞれの素子から外に方向付けられたレーザービームの各部分が実質的に同じような強度を有するように、複数の出力素子の各出力素子は、レーザービームの部分を空洞の外へと方向付けるように構成されている。
【0007】
この装置の幾つかの実装形態では、複数の出力素子はそれぞれ材料を含む。複数の出力素子のうちの少なくとも1つの出力素子の材料は、複数の出力素子のうちの少なくとも別の出力素子の材料と異なる。
【0008】
この装置の特定の実装形態によると、複数の出力素子のうちの第1の出力素子は、部分的反射材料であって、レーザービームの第1の部分が当該部分的反射材料を通って空洞の外に方向付けられ、且つレーザービームの第2の部分が反射する、部分的反射材料を含み、複数の出力素子のうちの最後の出力素子は、非反射材料であって、レーザービームの残りの部分が当該非反射材料を通って空洞の外に方向付けられる非反射材料を含み、且つレーザービームの第1の部分及びレーザービームの残りの部分は、実質的に同じような強度を有する。
【0009】
この装置の特定の実施態様では、複数の出力素子の第1の出力素子は、レーザービームの第1の部分を空洞の外に方向付ける第1の部分的反射材料を含み、複数の出力素子のうちの第2の出力素子は、レーザービームの第2の部分を空洞の外に方向付ける第2の部分的反射材料を含み、且つ第1の部分的反射材料及び第2の部分的反射材料は、異なる反射特性を含み、レーザービームの第1の部分及びレーザービームの第2の部分は、実質的に同じような強度を有する。
【0010】
この装置の別の実装形態によると、レーザービームの第2の部分が空洞の外に方向付けされる前に、レーザービームの第1の部分は空洞の外に方向付けされ、レーザービームの第1の部分は、レーザービームの第1のパーセンテージを含み、レーザービームの第1の部分が空洞の外に方向付けられた後に、残りのレーザービームは空洞内に残り、レーザービームの第2の部分は、残りのレーザービームの第2のパーセンテージを含み、且つ第2のパーセンテージは第1のパーセンテージより大きい。
【0011】
この装置の幾つかの実装形態によると、空洞は囲まれている。この装置の幾つかの実装形態によると、複数の出力素子の各出力素子が、複数の出力素子のうちの隣接する出力素子から実質的に等間隔で離間されている。
【0012】
この装置の様々な実装形態では、空洞は、第1の側部、及び第1の側部に対向する第2の側部を備え、入力素子は、空洞の第1の側部上に配置され、且つ複数の出力素子は、空洞の第2の側部上に配置されている。
【0013】
この装置の特定の実装形態では、空洞の第1の側部は、反射性コーティングを含む。この装置の幾つかの実装形態では、空洞の第2の側部は、第1の不透明度から第2の不透明度まで変動する不透明度を有する部分的反射材料を含み、第1の不透明度は、第2の不透明度より大きい。
【0014】
別の実施例では、システムは、レーザービームを生成するように選択的に作動可能なレーザーを含む。このシステムは、空洞と、空洞に連結され、レーザービームを受け入れ、且つレーザービームを空洞の中へと方向付けるように構成された入力素子と、空洞内で形成されて、空洞に沿って離間された複数の出力素子とを含む装置を含む。複数の出力素子のそれぞれの素子から外に方向付けられたレーザービームの各部分が実質的に同じような強度を有するように、複数の出力素子の各出力素子は、レーザービームの部分を空洞の外へと方向付けるように構成されている。このシステムは、複数の出力素子の各出力素子から出るレーザービームの部分を拡散させるように構成された少なくとも1つのレーザービームダイバータをさらに含む。
【0015】
このシステムの幾つかの実装形態によると、少なくとも1つのレーザービームダイバータは、複数の出力素子のそれぞれの素子から出るレーザービームの部分を拡散させるように構成された複数のレーザービームダイバータを含む。
【0016】
このシステムの特定の実装形態では、システムは、複数の出力素子とレーザービームダイバータとの間に位置付けされた少なくとも1つの偏光子を含む。少なくとも1つの偏光子は、複数の出力素子の各出力素子から出るレーザービームの部分を偏光させるように構成されている。このシステムの幾つかの実装形態では、少なくとも1つの偏光子は、複数の出力素子から出るレーザービームの部分を実質的に同じような方向に偏光させるように構成されている。このシステムの幾つかの実装形態では、偏光子は、各出力素子から出るレーザービームの部分を複数の方向に偏光させるように構成されている。
【0017】
このシステムの幾つかの実装形態によると、システムは、複数の出力素子から出るレーザービームの部分によって照射された画像を撮るように位置付けされたカメラを含む。
【0018】
このシステムの幾つかの実装形態によると、複数の出力素子から出るレーザービームの部分は、実質的に同じような相を有する。
【0019】
さらに別の実施例によると、物体の非破壊試験の方法は、装置を用いて物体に照射を行うことを含む。この装置は、空洞と、空洞に連結され、レーザービームを受け入れ、且つレーザービームを空洞の中へと方向付けるように構成された入力素子と、空洞内で形成されて、空洞に沿って離間された複数の出力素子とを含む。複数の出力素子のそれぞれの素子から外に方向付けられたレーザービームの各部分が実質的に同じような強度を有するように、複数の出力素子の各出力素子は、レーザービームの部分を空洞の外へと方向付けるように構成されている。この方法は、複数の出力素子のそれぞれの素子から外に方向付けられたレーザービームの各部分によって照射された物体の画像を撮ることをさらに含む。この方法は、物体が欠陥を有するかどうかを判断するために画像を分析することを含む。
【0020】
この方法の幾つかの実装形態では、物体が欠陥を有するかどうかを判断するために画像を分析することは、面外変位を測定することを含む。
【0021】
この方法の特定の実装形態によると、面外変位を測定することは、画像減算を使用して、光学縞により検知された物体の表面における変化を差し引くことを含む。
【0022】
記載されている本開示の主題の特徴、構造、利点、及び/又は特性は、1つ又は複数の実施例及び/又は実装態様において任意の適切な態様により組み合せてもよい。本開示の主題の実施例の包括的な理解を促すために、後述の記載において、数々の具体的な詳細が提供される。当業者であれば、本開示の主題は、特定の実施例又は実装態様の具体的な特徴、詳細、構成要素、材料、及び/又は方法のうちの1つ又は複数がなくても実施することができることを認識するであろう。他の場合では、さらなる特徴及び利点は、特定の実施例及び/又は実装態様において認識され得るが、すべての実施例又は実装態様には存在しない場合がある。さらに、ある場合には、本開示の主題の態様を不明瞭にしないように周知の構造、材料、又は工程を詳細に図示又は記載しない。本開示の主題の特徴及び利点は、後述の記載及び添付の特許請求の範囲によってさらに明らかとなるか、或いは、本主題を下記に記載するように実施することによって理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本主題の利点がより容易に理解され得るように、上記で概説した主題のより具体的な記載が、添付図面に示す特定の実施例を参照して提供される。これらの図面は、本主題の実施例のみを図示していることから、本主題の範囲を限定するものと見なされるべきではない。本主題は、図面の使用を通じて、さらに具体的且つ詳細に記載され説明される。
【0024】
図1】本開示の1つ又は複数の実施例に係る、シェアログラフィーによる非破壊試験を実行するためのシステムの概略ブロック図である。
図2】本開示の1つ又は複数の実施例に係る、シェアログラフィーによる非破壊試験の対象となり得る構造体の斜視図である。
図3】本開示の1つ又は複数の実施例に係る、レーザー複製システムの実施例の概略ブロック図である。
図4】本開示の1つ又は複数の実施例に係る、レーザー複製システムの別の実施例の概略ブロック図である。
図5A】本開示の1つ又は複数の実施例に係る、環形状レーザービームガイドの実施例の概略ブロック図である。
図5B】本開示の1つ又は複数の実施例に係る、環形状レーザービームガイドの別の実施例の概略ブロック図である。
図6】本開示の1つ又は複数の実施例に係る、物体の非破壊試験の方法の概略フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本明細書において「一実施例」、「ある実施例」、又は同様の文言に対して言及がなされるとき、それは、実施例に関連して記載された特定の特徴、構造、又は特性が、本開示の少なくとも1つの実施例に含まれることを意味する。本明細書を通して記載されている「一実施例」、「ある実施例」、又は同様の文言は、すべて同じ実施例を指してもよいが、必ずしもそうでなくともよい。同様に、「実装形態」という用語は、本開示の1つ又は複数の実施例に関連して記載された特定の特徴、構造、又は特性を有する実装形態を意味するが、そうでないことを示唆する明らかな相関性がない限り、その実装形態は、1つ又は複数の実施例に関連付けられてよい。
【0026】
図1で示されているように、及び一実施例によると、構造体102にシェアログラフィーによる非破壊試験を実行するためのシステム100が示されている。構造体102は、航空機の一部(例えば、翼、胴体など)或いはその他の被製造構造物のような任意の適切な構造体であってもよい。システム100は、構造体102の画像を撮るために使用される撮像システム104、及び撮像システム104によって撮られた画像を処理する画像プロセッサ106を含む。画像プロセッサ106は、撮られた画像を処理することができる任意の適切な情報取扱装置であってもよい。例えば、画像プロセッサ106は、コンピュータ、スマートフォン、処理装置等であってもよい。画像プロセッサ106は、撮られた画像を処理するプロセッサ、及び撮られた画像を表示するディスプレイを含み得る。
【0027】
真空チャンバ108は、撮像システム104による画像の撮像を補助するため、画像プロセッサ106及び撮像システム104に連結され得る。例えば、特定の実施例における真空チャンバ108は、撮像システム104が励起状態の構造体102の画像を撮ることができるように、構造体102を励起させることができる。幾つかの実装形態では、画像プロセッサ106は、励起状態の構造体102の画像を非励起状態の構造体102の画像と比べて、構造体102の欠陥を検知することができる。本明細書で使用される構造体102(例えば、物体)は、構造体102の表面上に変形(構造体102の表面下で捕捉された空気に起因する変形など)があると欠陥を有する場合がある。構造体102の表面下で捕捉された空気は、構造体102の表面下で材料が未接合(例えば、材料間の接合の欠如)である結果として生じ得る。
【0028】
撮像システム104は、カメラ110、レーザー112、及びレーザー複製システム114を含む。カメラ110は、構造体102の画像を撮るために使用され、任意の適切な画像撮像装置であってもよい。さらに、レーザー112は、カメラ110が構造体102の画像を撮る前に構造体102に照射を行うために使用されるレーザービームを生成するように選択的に作動可能である。レーザー112は、ガスレーザー、化学レーザー、色素レーザー、固体レーザー、半導体レーザーなどのレーザービームを生成するように選択的に作動可能な任意の適切なレーザーであり得る。レーザー複製システム114は、図3図4図5A、及び図5Bでより詳細に説明されているように、レーザー112からレーザービームを受け入れ、レーザービームを分割し、且つそれぞれ実質的に同じような強度を有するレーザービームの部分を出力するために使用される。
【0029】
図2を参照し、一実施例によると、非破壊試験の対象となる構造体102は、飛行機であってもよく、或いは、構造体102は、ビークル、航空機、タービン、エンジン、及び宇宙のような環境で動作可能な装置(例えば、衛星、ロケット、ミサイル、宇宙ステーション、宇宙飛行体、宇宙シミュレータ)などの任意の適切な製造された装置であってもよい。特定の実施例では、構造体102は、非破壊試験を用いて試験され得る。このような実施例では、構造体102は、レーザー複製システム114を用いて照射され得る。レーザー複製システム114は、空洞と、空洞に連結され、レーザービームを受け入れ、且つレーザービームを空洞の中へと方向付けるように構成された入力素子と、空洞内で形成されて、空洞に沿って離間された複数の出力素子とを含み得る。複数の出力素子のそれぞれの素子から外に方向付けられたレーザービームの各部分が実質的に同じような強度を有するように、複数の出力素子の各出力素子は、レーザービームの部分を空洞の外へと方向付けるように構成され得る。
【0030】
図3を参照すると、レーザー複製システム114の概略ブロック図の一実施例が示されている。レーザー複製システム114は、平面形状のレーザービームガイド300を含む。レーザービームガイド300は実質的に平面であるが、他の実装形態では、レーザービームガイド300は、図5A及び図5Bで示されているように環形状のような異なる形状であり得ることに留意するべきである。レーザービームガイド300は、囲まれてもよく、又は部分的に囲まれてもよい。
【0031】
レーザービームガイド300は、入力素子302、及び出力素子304、306、308、310、312、314を含む。6つの出力素子304、306、308、310、312、314が示されているが、1を超える任意の数の出力素子がレーザービームガイド300の一部であってもよい。入力素子302及び/又は出力素子304、306、308、310、312、314は、レーザービームが入力素子302を通ってレーザービームガイド300に入り、レーザービームが出力素子304、306、308、310、312、314のうちの1つ又は複数を通ってレーザービームガイド300から出ることを補助する開口部、コーティング、及び材料のうちの1つ又は複数を含み得る。例えば、出力素子304、306、308、310、312、314は、それぞれ、ある材料を含み得る。出力素子304、306、308、310、312、314のうちの少なくとも1つの出力素子の材料は、出力素子304、306、308、310、312、314のうちの少なくとも別の出力素子の材料と異なり得る。出力素子304、306、308、310、312、314の間で異なる材料を有することにより、出力素子304、306、308、310、312、314は、それぞれ、異なる比率の、出力素子304、306、308、310、312、314に接触するレーザービームを出力することができる。この材料は、部分的反射材料又は非反射材料など、任意の適切な材料であってもよい。
【0032】
入力素子302は、レーザービームガイド300の第1の側部316上に位置付けされ、出力素子304、306、308、310、312、314は、レーザービームガイド300の第2の側部318上に位置付けされている。幾つかの実装形態では、レーザービームガイド300の第1の側部316は、レーザービームを反射する反射材料又はコーティングを含む。レーザービームガイド300の第1の側部316及びレーザービームガイド300の第2の側部318は、レーザービームが通過する空洞320を囲む。本明細書では、レーザービームガイド300の第1の側部316は、空洞320の第1の側部であるとみなしてもよく、レーザービームガイド300の第2の側部318は、空洞320の第2の側部であるととみなしてもよい。
【0033】
入力素子302は、空洞320に連結され、レーザービームを受け入れ、且つレーザービームを空洞320の中へと方向付ける。さらに、出力素子304、306、308、310、312、314は、空洞320内で形成されて、空洞320に沿って離間されている。幾つかの実装形態では、出力素子304、306、308、310、312、314は、実質的に等間隔で隣接する出力素子から離間されている。実質的に等間隔とは、1、2、5、10、又は15パーセント未満しか変動しない距離であり得る。
【0034】
レーザービームガイド300から出るレーザービームの部分は、図示されているように、偏光子322及び/又はダイバータ324(例えば、レーザービームダイバータ(laser beam diverter))を通して方向付けられ得る。偏光子322は、出力素子304、306、308、310、312、314とダイバータ324との間に位置付けされている。レーザービームガイド300全体で1つの偏光子322、又は、出力素子304、306、308、310、312、314のそれぞれにつき1つの偏光子322など、任意の適切な数の偏光子322があってもよい。特定の実装形態では、偏光子322は、出力素子304、306、308、310、312、314のそれぞれから出るレーザービームの部分を偏光するために使用される。特定の実装形態では、偏光子322は、出力素子304、306、308、310、312、314のそれぞれから出るレーザービームの部分を実質的に同じような方向に偏光する。例えば、偏光子322は、出力素子304、306、308、310、312、314のそれぞれから出るレーザービームの部分を他の出力素子から1、2、5、又は10度以内の方向に偏光する。様々な実装形態では、偏光子322は、複数の異なる方向(例えば、散乱方向)に偏光するように、出力素子304、306、308、310、312、314のそれぞれから出るレーザービームの部分を偏光する。
【0035】
ダイバータ324は、出力素子304、306、308、310、312、314のそれぞれから出るレーザービームの部分を拡散させ得る。レーザービームガイド300全体で1つのダイバータ324、又は、出力素子304、306、308、310、312、314のそれぞれにつき1つのダイバータ324など、任意の適切な数のダイバータ324があってもよい。
【0036】
作動中、レーザー112は、入力素子302を通して空洞320の中へとレーザービーム326を方向付ける。レーザービーム326は、空洞320を通って移動し、出力素子304に接触する。出力素子304は、レーザービーム326の第1の部分328を空洞320の外へと方向付け、レーザービーム326の第2の部分330を空洞320の中へと反射する。出力素子304は、レーザービーム326の第1の部分328を空洞320の外へと方向付け、且つレーザービーム326の第2の部分330を空洞320の中へと反射する部分的反射材料を含み得る。幾つかの実装形態では、レーザービーム326の第1の部分328は、レーザービーム326の約17パーセント(例えば、6分の1)であってもよく、レーザービーム326の第2の部分330は、レーザービーム326の約83パーセント(例えば、6分の5)であってもよい。レーザービームの比率を説明するために様々なパーセンテージが本明細書で使用されているが、これらのパーセンテージは、例示のみを目的としており、様々な実施例では任意の適切なパーセンテージであり得る。さらに、レーザービーム326の第2の部分330は、空洞320の中に残るレーザービーム326の残りの部分であるとみなしてもよい。
【0037】
レーザービーム326の第2の部分330は、レーザービームガイド300の第1の側部316で反射して出力素子306に接触する。出力素子306は、レーザービーム326の第3の部分332を空洞320の外へと方向付け、レーザービーム326の第4の部分334を空洞320の中へと反射する。出力素子306は、レーザービーム326の第3の部分332を空洞320の外へと方向付け、且つレーザービーム326の第4の部分334を空洞320の中へと反射する部分的反射材料を含み得る。幾つかの実装形態では、レーザービーム326の第3の部分332は、レーザービーム326の第2の部分330の約20パーセント(例えば、5分の1)であってもよく、レーザービーム326の第4の部分334は、レーザービーム326の第2の部分330の約80パーセント(例えば、5分の4)であってもよい。したがって、レーザービーム326の第3の部分332は、元のレーザービーム326に対して、レーザービーム326の第1の部分328とほとんど同じパーセンテージであり得る。したがって、レーザービーム326の第1の部分328及びレーザービーム326の第3の部分332は、実質的に同じような強度、エネルギー、及び/又はパワーであり得る。本明細書において、実質的に同じような強度、エネルギー、及び/又はパワーを有するということは、強度、エネルギー、及び/又はパワーが、互いの1、2、5、又は10パーセント以内であり得ることを意味する。さらに、レーザービーム326の第4の部分334は、空洞320の中に残るレーザービーム326の残りの部分であるとみなしてもよい。
【0038】
レーザービーム326の第2の部分334は、レーザービームガイド300の第1の側部316で反射して出力素子308に接触する。出力素子308は、レーザービーム326の第5の部分336を空洞320の外へと方向付け、レーザービーム326の第6の部分338を空洞320の中へと反射する。出力素子308は、レーザービーム326の第5の部分336を空洞320の外へと方向付け、且つレーザービーム326の第6の部分338を空洞320の中へと反射する部分的反射材料を含み得る。幾つかの実装形態では、レーザービーム326の第5の部分336は、レーザービーム326の第4の部分334の約25パーセント(例えば、4分の1)であってもよく、レーザービーム326の第6の部分338は、レーザービーム326の第4の部分334の約75パーセント(例えば、4分の3)であってもよい。したがって、レーザービーム326の第5の部分336は、元のレーザービーム326に対して、レーザービーム326の第1の部分328及び第3の部分332とほとんど同じパーセンテージであり得る。したがって、レーザービーム326の第1の部分328及びレーザービーム326の第3の部分326、並びにレーザービーム326の第5の部分336は、実質的に同じような強度、エネルギー、及び/又はパワーであり得る。さらに、レーザービーム326の第6の部分338は、空洞320の中に残るレーザービーム326の残りの部分であるとみなしてもよい。
【0039】
レーザービーム326の第6の部分338は、レーザービームガイド300の第1の側部316で反射して出力素子310に接触する。出力素子310は、レーザービーム326の第7の部分340を空洞320の外へと方向付け、レーザービーム326の第8の部分342を空洞320の中へと反射する。出力素子310は、レーザービーム326の第7の部分340を空洞320の外へと方向付け、且つレーザービーム326の第8の部分342を空洞320の中へと反射する部分的反射材料を含み得る。幾つかの実装形態では、レーザービーム326の第7の部分340は、レーザービーム326の第6の部分338の約33パーセント(例えば、3分の1)であってもよく、レーザービーム326の第8の部分342は、レーザービーム326の第6の部分338の約67パーセント(例えば、3分の2)であってもよい。したがって、レーザービーム326の第7の部分340は、元のレーザービーム326に対して、レーザービーム326の第1の部分328、第3の部分332、及び第5の部分336とほとんど同じパーセンテージであり得る。したがって、レーザービーム326の第1の部分328、レーザービーム326の第3の部分332、レーザービーム326の第5の部分336、及びレーザービーム326の第7の部分340は、実質的に同じような強度、エネルギー、及び/又はパワーであり得る。さらに、レーザービーム326の第8の部分342は、空洞320の中に残るレーザービーム326の残りの部分であるとみなしてもよい。
【0040】
レーザービーム326の第8の部分342は、レーザービームガイド300の第1の側部316で反射して出力素子312に接触する。出力素子312は、レーザービーム326の第9の部分344を空洞320の外へと方向付け、レーザービーム326の第10の部分346を空洞320の中へと反射する。出力素子312は、レーザービーム326の第9の部分344を空洞320の外へと方向付け、且つレーザービーム326の第10の部分346を空洞320の中へと反射する部分的反射材料を含み得る。幾つかの実装形態では、レーザービーム326の第9の部分344は、レーザービーム326の第8の部分342の約50パーセント(例えば、2分の1)であってもよく、レーザービーム326の第10の部分346は、レーザービーム326の第8の部分342の約50パーセント(例えば、2分の1)であってもよい。したがって、レーザービーム326の第9の部分344は、元のレーザービーム326に対して、レーザービーム326の第1の部分328、第3の部分332、第5の部分336、及び第7の部分340とほとんど同じパーセンテージであり得る。したがって、レーザービーム326の第1の部分328、レーザービーム326の第3の部分332、レーザービーム326の第5の部分336、レーザービーム326の第7の部分340、及びレーザービーム326の第9の部分344は、実質的に同じような強度、エネルギー、及び/又はパワーであり得る。さらに、レーザービーム326の第10の部分346は、空洞320の中に残るレーザービーム326の残りの部分であるとみなしてもよい。
【0041】
レーザービーム326の第10の部分346は、レーザービームガイド300の第1の側部316で反射して出力素子314に接触する。出力素子314は、レーザービーム326の第11の部分348を空洞320の外へと方向付ける。出力素子314は、レーザービーム326の第11の部分348を空洞320の外へと方向付ける非反射材料を含み得る。幾つかの実装形態では、レーザービーム326の第11の部分348は、レーザービーム326の第10の部分346の約100パーセントであり得る。したがって、レーザービーム326の第11の部分348は、元のレーザービーム326に対して、レーザービーム326の第1の部分328、第3の部分332、第5の部分336、第7の部分340、及び第9の部分344とほとんど同じパーセンテージであり得る。したがって、レーザービーム326の第1の部分328、レーザービーム326の第3の部分332、レーザービーム326の第5の部分336、レーザービーム326の第7の部分340、レーザービーム326の第9の部分344、及びレーザービーム326の第11の部分348は、実質的に同じような強度、エネルギー、及び/又はパワーであり得る。様々な実装形態では、レーザービーム326の第1の部分328、レーザービーム326の第3の部分332、レーザービーム326の第5の部分336、レーザービーム326の第7の部分340、レーザービーム326の第9の部分344、及びレーザービーム326の第11の部分348は、実質的に同じような相(例えば、互いに対して同相であり得る)を有し得る。本明細書において、実質的に同じような相とは、相が互いに対して1、2、5、又は10度以内であることを意味し得る。
【0042】
したがって、出力素子304、306、308、310、312、314の対応する素子から外に導かれたレーザービームの各部分が実質的に同じような強度、エネルギー、及び/又はパワーを有するように、出力素子304、306、308、310、312、314は、それぞれ、レーザービーム326の部分を空洞320の外へと方向付ける。
【0043】
出力素子304、306、308、310、312の部分的反射材料は、種々の反射特性を有することができ、結果として、種々のパーセンテージのレーザービーム326を出力素子304、306、308、310、312を通して方向付ける(例えば、通過可能にする)ことに留意されたい。例えば、出力素子304は、出力素子306の部分的反射材料よりも不透明な部分的反射材料を含み得る。別の例として、出力素子306は、出力素子308の部分的反射材料よりも不透明な部分的反射材料を含み得る。さらなる例として、出力素子308は、出力素子310の部分的反射材料よりも不透明な部分的反射材料を含み得る。さらに別の例として、出力素子310は、出力素子312の部分的反射材料よりも不透明な部分的反射材料を含み得る。本明細書において、不透明とは、透明ではないこと、或いは、レーザービームの部分による材料の通過を遮断することを指す場合がある。例えば、第1の材料が第2の材料よりも不透明である場合、第1の材料は、より大きなパーセンテージのレーザービームの通過を遮断する。さらに、本明細書では、不透明度とは、材料がどれだけ不透明であるかを指す場合がある。例えば、より高い不透明度を有する材料は、より低い透明度を有する材料よりも不透明である。出力素子304、306、308、310、312、314が、最も高い不透明度(例えば、出力素子304)から最も低い不透明度(例えば、出力素子314)へと不透明度が下がる順で並べられるように、レーザービームが通過する出力素子304、306、308、310、312、314の材料の不透明度は変化することができる。最も低い不透明度は、低い値のパーセンテージ又はゼロパーセントのレーザービームの通過しか遮断し得ない。
【0044】
レーザービーム326の部分が出力素子304、306、308、310、312、314を出た後、レーザービーム326の各部分は、構造体102に照射を行う前に、偏光子322及び/又はダイバータ324を通過し得る。構造体102が照射されている間、構造体102の画像を撮るように位置付けされたカメラ110は、レーザービーム326の部分によって照射された画像を撮ることができる。
【0045】
図4を参照すると、レーザー複製システム114の概略ブロック図の別の実施例が示されている。レーザー複製システム114は、上述のレーザービームガイド300、偏光子322、ダイバータ324、カメラ110、及びレーザー112に実質的に類似し得るレーザービームガイド300、偏光子322、ダイバータ324、カメラ110、及びレーザー112を含む。
【0046】
さらに、図4のレーザービームガイド300は、レーザービームガイド300の第1の側部316上に配置された第1の材料402、及びレーザービームガイド300の第2の側部318上に配置された第2の材料404を含む。第1の材料402は、レーザービーム326を反射するように設計された実質的に反射性の材料であり得る。第2の材料404は、レーザービームガイド300の長さに沿って変動する部分的反射材料であり得る。例えば、第2の材料404は、出力素子304の隣接する点に接触するレーザービーム326を大きなパーセンテージ反射することができ、第2の材料404は、出力素子314に隣接する点に接触するレーザービーム326を小さなパーセンテージ(例えば、0パーセント)反射することができる。幾つかの実施例では、第2の材料404は、出力素子304に隣接して最も高い不透明度、出力素子306に隣接して2番目に高い不透明度、出力素子308に隣接して3番目に高い不透明度、出力素子310に隣接して4番目に高い不透明度、出力素子312に隣接して5番目に高い不透明度、出力素子314に隣接して6番目に高い不透明度(例えば、最も低い不透明度)を有することになる可変量の物質を含み得る。
【0047】
図5Aを参照すると、環形状レーザー複製システム500の概略ブロック図の一実施例が示されている。レーザービームガイド500は、第1の側部502、第2の側部504、及び第1の側部502と第2の側部504との間の空洞506を含む。レーザービームガイド500は、第2の側部504上に位置付けされた入力素子を通してレーザービーム508を受け入れる。入力素子は、レーザービームをレーザービームガイド500の空洞506の中に方向付ける。ここでは、レーザービーム510の反射が例示されている。レーザービーム508の部分512は、第1の側部502上に位置付けされた出力素子を通してレーザービームガイド500の外に方向付けられる。レーザービームガイド500の外に方向付けられたレーザービーム508の各部分512は、実質的に同じような強度、エネルギー、及び/又はパワーを有し得る。図示されているように、レーザービーム508の部分512は、レーザービームガイド500の中央領域に向けて、レーザービームガイド500外に方向付けられ、その中に位置付けされ得る構造体に照射を行う。
【0048】
図5Bを参照すると、環形状レーザービームガイド502の概略ブロック図の別の実施例が示されている。レーザービームガイド520は、第1の側部502、第2の側部504、及び第1の側部502と第2の側部504との間の空洞506を含む。レーザービームガイド520は、第1の側部502上に位置付けされた入力素子を通してレーザービーム522を受け入れる。入力素子は、レーザービームをレーザービームガイド520の空洞506の中に方向付ける。ここでは、レーザービーム524の反射が例示されている。レーザービーム522の部分526は、出力素子を通してレーザービームガイド520の外に方向付けられる。レーザービームガイド520の外に方向付けられたレーザービーム522の各部分526は、実質的に同じような強度、エネルギー、及び/又はパワーを有し得る。図示されているように、レーザービーム522の部分526は、放射状にレーザービームガイド520外に方向付けられ、レーザービームガイド520の周りに配置され得る構造体に照射を行う。
【0049】
図6を参照すると、物体の非破壊試験の方法600の一実施例が示されている。方法600は、602において、レーザービームガイドを設けることを含む。レーザービームガイドは、空洞と、空洞に連結され、レーザービームを受け入れ、且つレーザービームを空洞の中へと方向付けるように構成された入力素子と、空洞内で形成されて、空洞に沿って離間された複数の出力素子とを含み得る。複数の出力素子のそれぞれの素子から外に方向付けられたレーザービームの各部分が実質的に同じような強度を有するように、複数の出力素子の各出力素子は、レーザービームの部分を空洞の外へと方向付けるように構成されている。
【0050】
さらに、方法600は、604において、レーザービームガイドを使用して、物体に照射を行うことを含む。次いで、方法600は、606において、物体の画像を撮ることを含み得る。この物体は、複数の出力素子のそれぞれの素子から外に方向付けられたレーザービームの各部分によって照射され得る。方法600は、608において、物体が欠陥を有するかどうかを判断するために画像を分析することをさらに含む。
【0051】
特定の実装形態では、物体が欠陥を有するかどうかを判断するために画像を分析することは、面外変位を測定することを含む。本明細書では、面外変位とは、構造体の表面に対して垂直方向にずれている構造体の部分のことを指す場合がある。
【0052】
幾つかの実装形態では、面外変位を測定することは、画像減算を使用して、光学縞により検知された物体の表面における変化を差し引くことを含む。例えば、2つの画像を得て、第1の画像を第2の画像から減算してもよい。第1の画像は、ノミナル状態(例えば、非励起状態)で得られた光学縞を示す第1のスペックル画像であってもよく、第2の画像は、励起状態で得られた光学縞を示す第2のスペックル画像であってもよい。第1のスペックル画像は、スペックル減算を用いて第2のスペックル画像から減算され得る。面外変位は、第1の画像を第2の画像から減算することによって生成された画像における光学縞を分析することにより、物体において検知され得る。本明細書では、光学縞とは、光の干渉及び回析によって生じた光及び/又は暗帯のことを指し得る。
【0053】
以上の説明では、「上」、「下」、「上部」、「下部」、「水平」、「垂直」、「左」、「右」、「~の上」、「~の下」などの特定の用語が使用され得る。これらの用語は、必要に応じ、相関関係を取り扱う際に説明に何らかの明確性をもたらすために用いられている。しかしながら、これらの用語には絶対的な関係、位置、及び/又は向きを含意させる意図はない。例えば、ある物体に関して、単純にこの物体の上下を逆にすることで「上方の」表面が「下方の」表面となり得る。それでもなお、これは同じ物体である。さらに、「含む」、「備える」、「有する」などの用語及びこれらの変化形は、別途明示的な記載がない限り、「~を含むがそれらに限定されない」ことを意味する。列挙されたアイテムは、別途明示的な記載がない限り、それらアイテムのうちの任意のもの又はすべてが互いを排除する及び/又は互いを含むものであることを含意しない。「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」などの用語は、別途明示的な記載がない限り、「1つ又は複数の」という意味も表す。さらに、「複数」という用語は、「少なくとも2つ」と定義され得る。
【0054】
さらに、本明細書において、1つの要素が他の要素に「連結される」とは、直接的な連結及び間接的な連結を含み得る。直接的連結とは、1つの要素が別の要素と連結し、且つ何らかの形で接触していることと定義され得る。間接的連結とは、互いに直接接触しておらず、連結された要素間に1つ又は複数の追加の要素を有する、2つの要素間の連結と定義され得る。さらに、1つの要素を他の要素に固定することとは、本明細書で使用される場合、直接的な固定及び間接的な固定を含み得る。さらに、「隣接」とは、本明細書で使用される場合、必ずしも接触を意味しない。例えば、ある要素は、別の要素と接触せずに、その要素に隣接することができる。
【0055】
本明細書で使用されるように、列挙されたアイテムと共に使用される「~のうちの少なくとも1つ」という表現は、列挙されたアイテムのうちの1つ又は複数の種々の組み合わせが使用可能であり、且つ、列挙されたアイテムのうち1つだけが必要であり得ることを意味する。アイテムとは、特定の物体、物品、又はカテゴリであり得る。すなわち、「~のうち少なくとも1つ」とは、列挙された中から任意の組み合わせのアイテム又は幾つかのアイテムを使用してもよいが、列挙されたアイテムの全てが必要ではない場合があることを意味する。例えば、「アイテムA、アイテムB、及びアイテムCのうちの少なくとも1つ」とは、例えば、「アイテムA」、「アイテムAとアイテムB」、「アイテムB」、「アイテムAとアイテムBとアイテムC」、又は「アイテムBとアイテムC」を意味し得る。幾つかの場合には、「アイテムA、アイテムB、及びアイテムCのうちの少なくとも1つ」は、例えば、限定するものではないが、「2個のアイテムAと1個のアイテムBと10個のアイテムC」、「4個のアイテムBと7個のアイテムC」、又は他の好適な組み合わせを意味し得る。
【0056】
別途提示されない限り、「第1」、「第2」などの用語は、本明細書では単に符号として使用されており、これらの用語が表すアイテムに対して、順序的、位置的、又は序列的な要件を課すことを意図していない。さらに、例えば、「第2」のアイテムが言及された場合、例えば、「第1」の若しくはより小さい数のアイテム、及び/又は、「第3」の若しくはより大きい数のアイテムが必要とされたり、除外されたりすることはない。
【0057】
本明細書に含まれる概略フロー図は、一般的に、論理フロー図として提示されている。したがって、記載の順序及び名付けられたステップは、提示された方法の一実施例を示す。図示された方法の1つ又は複数のステップ或いはそれらの部分の機能、論理、又は効果と均等である他のステップ及び方法を想起してもよい。さらに、用いられている形式及びシンボルは、本方法の論理的ステップを説明するために提供されており、本方法の範囲を限定するものではないと理解される。フロー図において様々な種類の矢印及び線が用いられ得るが、これらは、対応する方法の範囲を限定するものではないことが理解されよう。実際、幾つかの矢印又はその他のコネクタは、本方法の論理的フローのみを示すために用いられ得る。例えば、矢印は、記載の方法の列挙されたステップの間の、不特定の長さの待機時間又はモニタリング時間を示し得る。さらに、具体的な方法が発生する順序は、図示されている対応するステップの順序に厳密に従うこともあるが、従わないこともある。
【0058】
本明細書に記載された幾つかの機能ユニットは、その実装の独立性をより具体的に強調するためにモジュールと名付けられている。例えば、モジュールは、カスタムVLSI回路又はゲートアレイを含むハードウェア回路や、論理チップ、トランジスタ、又は他のディスクリートコンポーネントなどの既製の半導体として実装され得る。さらに、モジュールは、フィールドプログラマブルゲートアレイ、プログラマブルアレイロジック、プログラマブルロジックデバイスなどのプログラマブルハードウェアデバイスに実装され得る。
【0059】
さらに、モジュールは、様々なタイプのプロセッサで実行するためのソフトウェアに実装され得る。コンピュータ可読プログラムコードの特定されたモジュールは、例えば、1つ又は複数のコンピュータ指令の物理的ブロック又は論理的ブロックを含んでもよく、これらは例えば、オブジェクト、工程、又は機能として整理され得る。しかしながら、特定されたモジュールの実行可能物(executables)は、物理的に共に位置している必要はなく、種々の位置に記憶された異種の(disparate)指令を含み得る。これらの指令は、論理的に集められると、モジュールを構成し、モジュールの規定の目的を達成する。
【0060】
実際、コンピュータ可読プログラムコードのモジュールは、単一の指令又は複数の指令であってもよく、異なるプログラム間で、且つ幾つかのメモリデバイスにわたって、幾つかの異なるコードセグメントにわたって分散されてもよい。同様に、動作的データは、本明細書では、モジュール内で特定且つ例示されてもよく、任意の適切な形態で具現化され、任意の適切な種類のデータ構造内で整理され得る。動作的データは、単一のデータセットとして収集されてもよく、又は、種々の記憶デバイス含む種々の位置にわたって分散されてもよく、少なくとも部分的に、システム又はネットワーク上の単なる電子信号として存在し得る。モジュール又はモジュールの一部がソフトウェア内に実装される場合、コンピュータ可読プログラムコードは、1つ又は複数のコンピュータ可読媒体に記憶されるか、且つ/又は伝達され得る。
【0061】
コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読プログラムコードを記憶する有形のコンピュータ可読記憶媒体であり得る。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、電子式、磁気式、光学式、電磁式、赤外線、ホログラフ式、微小機械式、又は半導体のシステム、装置、又はデバイス、或いはこれらの任意の適切な組み合わせであり得るが、これらに限定されない。
【0062】
コンピュータ可読媒体のより具体的な実施例は、携帯コンピュータフロッピーディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読取専用メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、携帯コンパクトディスク読取専用メモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、光学式ストレージデバイス、磁気ストレージデバイス、ホログラフィックストレージ媒体、マイクロメカニカルストレージデバイス、又は上記の任意の適切な組み合わせであり得るが、これらに限定されない。本明細書の文脈では、コンピュータ可読記憶媒体は、指令実行システム、装置、又はデバイスによって使用される且つ/又はこれらと接続しているコンピュータ可読プログラムコードを包含及び/又は記憶し得る任意の有形媒体であり得る。
【0063】
さらに、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体であり得る。コンピュータ可読信号媒体は、例えば、ベースバンドにおいて又は搬送波の一部として、コンピュータ可読プログラムコードが具現化された伝播データ信号を含んでもよい。そのような伝播信号は、電気式、電磁式、磁気式、光学式、又はこれらの任意の適切な組み合わせを含むがこれらに限定されない、様々な形態のうちの任意のものであり得る。コンピュータ可読信号媒体は、指令実行システム、装置、又はデバイスによって使用される且つ/又はこれらと接続されているコンピュータ可読プログラムコードを通信、伝播、又は搬送することが可能な、コンピュータ可読記憶媒体でない任意のコンピュータ可読媒体であってもよい。コンピュータ可読信号媒体上で具現化されたコンピュータ可読プログラムコードは、無線、有線、光ファイバケーブル、無線周波数(RF)等、又は上記の任意の適切な組み合わせを含むがこれらに限定されない任意の適切な媒体を使用して伝送され得る。
【0064】
一実施例では、コンピュータ可読媒体は、1つ又は複数のコンピュータ可読記憶媒体と1つ又は複数のコンピュータ可読信号媒体との組み合わせを含み得る。例えば、コンピュータ可読プログラムコードは、プロセッサによる実行のために光ファイバケーブルを介して電磁信号として伝搬されてもよく、或いは、プロセッサによる実行のためにRAM記憶デバイス上に記憶されてもよい。
【0065】
本開示の態様の動作を実施するためのコンピュータ可読プログラムコードは、Java、Smalltalk、C++などのオブジェクト指向のプログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は類似のプログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語を含む1つ又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで書かれてもよい。コンピュータ可読プログラムコードは、完全にユーザのコンピュータ上で、部分的にユーザのコンピュータ上で実行することができ、独立型ソフトウェアパッケージとしては、部分的にユーザのコンピュータ上で、部分的にリモートコンピュータ上で、又は完全にリモートコンピュータ又はサーバ上で実行することができる。後者の場合、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)又はワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意の種類のネットワークを介してユーザのコンピュータに接続されてもよく、或いは、(例えば、インターネットサービスプロバイダを利用してインターネットを介して)外部のコンピュータへの接続がなされてもよい。
【0066】
更に、本開示は下記の条項による実施形態を含む。
【0067】
条項1
空洞、
空洞に連結され、レーザービームを受け入れ、且つレーザービームを空洞の中へと方向付けるように構成された入力素子、及び
空洞内で形成されて、空洞に沿って離間された複数の出力素子であって、複数の出力素子のそれぞれの素子から外に方向付けられたレーザービームの各部分が、実質的に同じような強度を有するように、複数の出力素子の各出力素子が、レーザービームの部分を空洞の外へと方向付けるように構成されている、複数の出力素子
を備えている装置。
【0068】
条項2
複数の出力素子のそれぞれが材料を含み、且つ
複数の出力素子のうちの少なくとも1つの出力素子の材料が、複数の出力素子のうちの少なくとも別の出力素子の材料と異なる、条項1に記載の装置。
【0069】
条項3
複数の出力素子のうちの第1の出力素子が、部分的反射材料であって、レーザービームの第1の部分が当該部分的反射材料を通って空洞の外に方向付けられ、且つレーザービームの第2の部分が反射する、部分的反射材料を備え、
複数の出力素子のうちの最後の出力素子が、非反射材料であって、レーザービームの残りの部分が当該非反射材料を通って空洞の外に方向付けられる、非反射材料を備え、且つ
レーザービームの第1の部分及びレーザービームの残りの部分が、実質的に同じような強度を含む、
条項1に記載の装置。
【0070】
条項4
複数の出力素子の第1の出力素子が、レーザービームの第1の部分を空洞の外に方向付ける第1の部分的反射材料を備え、
複数の出力素子のうちの第2の出力素子が、レーザービームの第2の部分を空洞の外に方向付ける第2の部分的反射材料を備え、且つ
第1の部分的反射材料及び第2の部分的反射材料が、異なる反射特性を含み、レーザービームの第1の部分及びレーザービームの第2の部分が、実質的に同じような強度を含む、条項1に記載の装置。
【0071】
条項5
レーザービームの第2の部分が空洞の外に方向付けされる前に、レーザービームの第1の部分が空洞の外に方向付けされ、
レーザービームの第1の部分が、レーザービームの第1のパーセンテージを含み、
レーザービームの第1の部分が空洞の外に方向付けられた後に、レーザービームの残りの部分が空洞内に残り、
レーザービームの第2の部分が、レーザービームの残りの部分の第2のパーセンテージを含み、且つ
第2のパーセンテージが第1のパーセンテージより大きい、条項4に記載の装置。
【0072】
条項6
空洞が囲まれている、条項1に記載の装置。
【0073】
条項7
複数の出力素子の各出力素子が、複数の出力素子のうちの隣接する出力素子から実質的に等間隔で離間されている、条項1に記載の装置。
【0074】
条項8
空洞が、第1の側部、及び第1の側部に対向する第2の側部を備え、
入力素子が、空洞の第1の側部上に配置され、且つ
複数の出力素子が、空洞の第2の側部上に配置されている、条項1に記載の装置。
【0075】
条項9
空洞の第1の側部の内表面が、反射性コーティングを含む、条項8に記載の装置。
【0076】
条項10
空洞の第2の側部の内表面が、第1の不透明度から第2の不透明度まで変動する不透明度を有する部分的反射材料を含み、第1の不透明度が第2の不透明度より大きい、条項8に記載の装置。
【0077】
条項11
レーザービームを生成するように選択的に作動可能であるレーザーと、
装置であって、
空洞、
空洞に連結され、レーザービームを受け入れ、且つレーザービームを空洞の中へと方向付けるように構成された入力素子、及び
空洞内で形成されて、空洞に沿って離間された複数の出力素子であって、複数の出力素子のそれぞれの素子から外に方向付けられたレーザービームの各部分が、実質的に同じような強度を有するように、複数の出力素子の各出力素子が、レーザービームの部分を空洞の外へと方向付けるように構成されている、複数の出力素子を備えている装置と
複数の出力素子の各出力素子から出るレーザービームの部分を拡散させるように構成された少なくとも1つのレーザービームダイバータと
を備えているシステム。
【0078】
条項12
少なくとも1つのレーザービームダイバータが、複数のレーザービームダイバータを含み、そのそれぞれが、複数の出力素子のそれぞれの素子から出るレーザービームの部分を拡散させるように構成されている、条項11に記載のシステム。
【0079】
条項13
複数の出力素子と少なくとも1つのレーザービームダイバータとの間に位置付けされた少なくとも1つの偏光子をさらに備えており、少なくとも1つの偏光子が、複数の出力素子の各出力素子から出るレーザービームの部分を偏光させるように構成されている、条項11に記載のシステム。
【0080】
条項14
少なくとも1つの偏光子が、複数の出力素子の各出力素子から出るレーザービームの部分を実質的に同じような方向に偏光させるように構成されている、条項13に記載のシステム。
【0081】
条項15
少なくとも1つの偏光子が、複数の出力素子の各出力素子から出るレーザービームの部分を複数の方向に偏光させるように構成されている、条項13に記載のシステム。
【0082】
条項16
複数の出力素子の各出力素子から出るレーザービームの各部分によって照射された画像を撮るように構成されたカメラをさらに備えている、条項11に記載のシステム。
【0083】
条項17
複数の出力素子の各出力素子から出るレーザービームの各部分が、実質的に同じような相を有する、条項11に記載のシステム。
【0084】
条項18
物体の非破壊試験の方法であって、
装置を用いて物体に照射を行うことであって、前記装置が、空洞と、空洞に連結され、レーザービームを受け入れ、且つレーザービームを空洞の中へと方向付けるように構成された入力素子と、空洞内で形成されて、空洞に沿って離間された複数の出力素子であって、複数の出力素子のそれぞれの素子から外に方向付けられたレーザービームの各部分が、実質的に同じような強度を有するように、複数の出力素子の各出力素子が、レーザービームの部分を空洞の外へと方向付けるように構成されている、複数の出力素子とを備えている、照射を行うことと、
複数の出力素子のそれぞれの素子から外に方向付けられたレーザービームの各部分によって照射された物体の画像を撮ることと、
物体が欠陥を有するかどうかを判断するために画像を分析することと
を含む方法。
【0085】
条項19
物体が欠陥を有するかどうかを判断するために画像を分析することが、面外変位を測定することを含む、条項18に記載の方法。
【0086】
条項20
面外変位を測定することが、画像減算を使用して、光学縞により検知された物体の表面における変化を差し引くことを含む、条項19に記載の方法。
【0087】
本主題は、その精神や本質的な特性から逸脱することなく、他の具体的な形態で具現化され得る。記載された実施例は、あらゆる点で、例示にすぎず限定的ではないと解釈するべきである。特許請求の範囲の意味及び均等性の範囲の中に該当する全ての変更は、特許請求の範囲の中に含まれるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6