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特許7320366アルミニウム蒸着フィルム積層体およびその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-26
(45)【発行日】2023-08-03
(54)【発明の名称】アルミニウム蒸着フィルム積層体およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   B32B 15/20 20060101AFI20230727BHJP
   B32B 15/085 20060101ALI20230727BHJP
   B32B 15/09 20060101ALI20230727BHJP
   B32B 9/00 20060101ALI20230727BHJP
   C23C 14/20 20060101ALI20230727BHJP
   C23C 14/14 20060101ALI20230727BHJP
   C23C 14/08 20060101ALI20230727BHJP
【FI】
B32B15/20
B32B15/085 Z
B32B15/09 A
B32B9/00 A
C23C14/20 A
C23C14/14 B
C23C14/14 D
C23C14/08 A
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019063270
(22)【出願日】2019-03-28
(65)【公開番号】P2019181941
(43)【公開日】2019-10-24
【審査請求日】2021-12-14
(31)【優先権主張番号】P 2018067985
(32)【優先日】2018-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000222462
【氏名又は名称】東レフィルム加工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100186484
【弁理士】
【氏名又は名称】福岡 満
(72)【発明者】
【氏名】落合 実
(72)【発明者】
【氏名】東郷 寛
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 孝司
(72)【発明者】
【氏名】奥津 渉
【審査官】石塚 寛和
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-177544(JP,A)
【文献】特開2002-120320(JP,A)
【文献】特開昭63-309438(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00-43/00
C23C 14/00-14/58
B65D 65/00-65/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材プラスチックフィルム上に、金属が銅であり、銅付着量が40~120ng/cm であるアンカー金属蒸着層を介して、
金属アルミニウム層から酸化アルミニウム層へ連続的に組成変化する蒸着膜が積層されたアルミニウム蒸着フィルムの酸化アルミニウム層の厚さが8~15nmであり、
アルミニウム蒸着フィルムの蒸着面と、プラスチックフィルムとが、オレフィン樹脂層により接合されたアルミニウム蒸着フィルム積層体。
【請求項2】
蒸着膜とオレフィン樹脂層との密着強度が1N/15mm以上である請求項1記載のアルミニウム蒸着フィルム積層体。
【請求項3】
請求項1または2に記載のアルミニウム蒸着フィルム積層体のプラスチックフィルムが積層された反対面側に第2のプラスチックフィルムがオレフィン樹脂層により接合されたアルミニウム蒸着フィルム積層体。
【請求項4】
前記基材プラスチックフィルムが二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムであり、前記プラスチックフィルムが無延伸ポリプロピレン系フィルムまたは無延伸ポリエチレン系フィルムである請求項1~3のいずれかに記載のアルミニウム蒸着フィルム積層体。
【請求項5】
請求項に記載のアルミニウム蒸着フィルム積層体の無延伸ポリプロピレン系フィルムまたは無延伸ポリエチレン系フィルムが積層された面の反対側に二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムまたは二軸延伸ポリプロピレンフィルムがオレフィン樹脂層により接合されたアルミニウム蒸着フィルム積層体。
【請求項6】
前記基材プラスチックフィルムが二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムであり、前記プラスチックフィルムが二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムまたは二軸延伸ポリプロピレンフィルムであり、前記第2のプラスチックフィルムが無延伸ポリプロピレン系フィルムまたは無延伸ポリエチレン系フィルムである請求項に記載のアルミニウム蒸着フィルム積層体。
【請求項7】
オレフィン樹脂層がそれぞれのフィルムの長手方向に沿って押出ラミネート法により積層され、長手方向に沿ったJIS K 7128-1による引き裂き強度が1N以下である請求項6のいずれかに記載のアルミニウム蒸着フィルム積層体。
【請求項8】
JIS K 7128-1による引き裂き強度試験において、100mm長が引き裂かれた箇所における長手方向に沿った直線からの幅方向のずれが10mm未満である請求項に記載のアルミニウム蒸着フィルム積層体。
【請求項9】
基材プラスチックフィルム上に、金属が銅であり、銅付着量が40~120ng/cm であるアンカー金属蒸着層を介して、
金属アルミニウム層から酸化アルミニウム層へ連続的に組成変化する蒸着膜を積層し、
酸化アルミニウム層の厚さが8~15nmである該蒸着膜が積層された
アルミニウム蒸着フィルム蒸着面とプラスチックフィルムとを、押出ラミネート加工によりオレフィン樹脂層を介して接合するアルミニウム蒸着フィルム積層体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルミニウム蒸着フィルムとプラスチックフィルムが押出ラミネート加工により接合されたフィルム積層体に関し、優れた密着性を有するとともに易引き裂き性を有するアルミニウム蒸着フィルム積層体およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プラスチックフィルムの表面に金属や金属酸化物などの各種薄膜を形成した蒸着フィルムは、食品、医薬品、工業用品等の包装用途や、電化製品等の加飾用途、電子機器材料、建築材料等の各種用途に広く用いられている。特に金属蒸着フィルムは、ガスバリア性能、光線遮断性能、加飾性などに優れることから包装用途に広範に用いられており、製造コスト、生産性、ガスバリア性能で最もバランスの取れたアルミニウム蒸着フィルムが広範に用いられている。
【0003】
ところで、アルミニウム蒸着フィルムを包装用途に使用するにあたり、表層材料やシーラントフィルムとの積層体とするが、フィルム積層体への加工方法として接着性溶融樹脂を用いた押出ラミネート法、二液硬化型ウレタン系接着剤を用いたドライラミネート法が広範に用いられており、製造コスト、生産性で有利な押出ラミネート法が好ましく用いられる。
【0004】
押出ラミネート法においては、アルミニウム蒸着層と接着性溶融樹脂との密着性が課題である。また、アルミニウム蒸着層は、高湿度環境下において、大気中の水分と反応して水酸化物となるため、押出ラミネート法により積層された積層体において、金属光沢が失われるとともに、密着性、ガスバリア性能が低下する問題があった。
【0005】
そのため、アルミニウム蒸着フィルムのアルミニウム蒸着層表面に、二液硬化型の耐水性コート層をさらに設けることで密着性を確保し、アルミニウムの水酸化物への変化を防止することができる(例えば、特許文献1を参照)。
【0006】
また、押出ラミネート法により、アルミニウム蒸着フィルムとプラスチックフィルムを貼り合わせる際、押し出される樹脂層の加熱溶融温度を高温にする方法やアルミニウム蒸着層と押し出される接着性樹脂層の間にアンカーコート層を設ける方法(例えば特許文献2を参照)、接着性樹脂に工夫を加えること(例えば特許文献3)が行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2001-162711号公報
【文献】特開2013-126719号公報
【文献】特開2015-128894号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1の技術では、しかし、高コスト、生産性低下となる問題があった
特許文献2、特許文献3の技術では、しかしながら、押し出される樹脂層の加熱溶融温度を高温にすることにより、アルミニウム蒸着フィルムが熱収縮し、アルミニウム層にクラックが生じ、ガスバリア性能および金属光沢が低下するとともに、アルミニウム蒸着フィルムの基材フィルムとアルミニウム蒸着層間で剥離し、アルミニウム蒸着フィルムの基材フィルムとアルミニウム蒸着層間の密着性が低下する問題があった。アンカーコート層を設けようとすると、コストアップに繋がり、アンカーコート剤に含まれるイソシアネート系硬化剤が、硬化反応せずに押し出される樹脂層の添加物と反応してしまい、十分な密着性が得られない問題があった。
【0009】
一方、こういった積層体を用いた包装袋においては、開封するために切り口(ノッチ)から引き裂いた際に、直線的に容易に引き裂くことができ、意図しない方向に引き裂かれることで内容物が飛び散ったりこぼれたりすることがないことが要求されている。
【0010】
本発明は、上記従来技術による問題点を解決することを目的とするものであり、アルミニウム蒸着フィルムにアンカーコート処理を行わなくても、押出ラミネート加工によりオレフィン樹脂層を介してプラスチックフィルムと強固に接合され、易引き裂き性を有するアルミニウム蒸着フィルム積層体およびその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を達成するため、本発明は以下の構成をとる。
【0012】
基材プラスチックフィルム上にアンカー金属蒸着層を介して、金属アルミニウム層から酸化アルミニウム層へ連続的に組成変化する蒸着膜が積層されたアルミニウム蒸着フィルムの該蒸着面と、プラスチックフィルムとが、オレフィン樹脂層により接合されたアルミニウム蒸着フィルム積層体。
【0013】
前記アルミニウム蒸着フィルム積層体のプラスチックフィルムが積層された反対側に第2のプラスチックフィルムがオレフィン樹脂層により接合されたアルミニウム蒸着フィルム積層体。
【0014】
オレフィン樹脂層がそれぞれのフィルムの長手方向に沿って押出ラミネート法により積層され、長手方向に沿ったJISK7128-1による引き裂き強度が1N以下である前記アルミニウム蒸着フィルム積層体。
【0015】
長手方向に沿ったJISK7128-1による引き裂き強度試験において、100mm長が引き裂かれた箇所における長手方向に沿った直線からの幅方向のずれが10mm以内である前記アルミニウム蒸着フィルム積層体。
【0016】
基材プラスチックフィルム上にアンカー金属蒸着層を介して、金属アルミニウム層から酸化アルミニウム層へ連続的に組成変化する蒸着膜を積層し、該蒸着膜が積層されたアルミニウム蒸着フィルム積層体の蒸着面とプラスチックフィルムとを押出ラミネート加工によりオレフィン樹脂層を介して接合するアルミニウム蒸着フィルム積層体の製造方法。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、アンカーコートなしの押出ラミネート加工により、アルミニウム蒸着フィルムとプラスチックフィルムとが安定した密着性を有して接合されたアルミニウム蒸着フィルム積層体を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明における積層体の実施形態の1例を示した構成図である。
図2】本発明における積層体の実施形態の他の例を示した構成図である。
図3】本発明における金属蒸着フィルムの実施形態の1例を示した構成図である。
図4】一般的な真空蒸着装置の断面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明のアルミニウム蒸着フィルム積層体は、図1に示すように、アルミニウム蒸着フィルム11の蒸着面とプラスチックフィルム13が押出ラミネート法によりオレフィン樹脂層12を介して接合された積層体である。また、本発明のアルミニウム蒸着フィルム積層体は、図2に示すように、上記アルミニウム蒸着フィルム積層体のプラスチックフィルム13が積層された反対側に第2のプラスチックフィルム14がオレフィン樹脂層12により接合されたアルミニウム蒸着フィルム積層体とすることが好ましい。
【0020】
また、この積層体に用いられるアルミニウム蒸着フィルムは、図3に示すように、基材プラスチックフィルム24の少なくとも一方の面に、アンカー金属蒸着層23を介して、金属アルミニウム層22から酸化アルミニウム層21へ連続的に組成変化する蒸着膜が積層された構成を有す。
【0021】
アルミニウム蒸着フィルムに用いられる基材プラスチックフィルムとしては、蒸着加工適性を有していれば特に限定されないが、代表的な例としてはポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレン2,6-ナフタレートなどのポリエステル、ポリビニルアルコール、エチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、6ナイロン、12ナイロンなどのポリアミド、芳香族ポリアミド、ポリイミドなどの単独重合体または共重合体からなるフィルム、シートが挙げられる。好ましくは、蒸着加工適性により優れ、寸法安定性、耐熱性を有することが好ましい。本発明のアルミニウム蒸着フィルムに用いられる基材プラスチックフィルムは、経済性の点から二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが好適に用いられる。
【0022】
また、これらの基材プラスチックフィルムの表面に、コロナ処理、火炎処理、プラズマ処理、アンカーコート等の表面改質処理を施しても構わない。さらに、これらのプラスチックフィルムの厚さは、目的に応じ、蒸着加工適性、経済性の観点から、6~250μmの範囲で選択される。
【0023】
本発明におけるアルミニウム蒸着フィルムは、基材プラスチックフィルム上にアンカー金属蒸着層を介して、金属アルミニウム層から酸化アルミニウム層へ連続的に組成変化する蒸着膜が積層されたものである。基材プラスチックフィルム上にアンカー金属蒸着層を形成する方法としては、特に限定されるものではないが、特定の金属をターゲットとしたスパッタリング方式によることが、一定量を安定的に形成することができ好ましい。なかでも、プレーナーマグネトロン方式のスパッタリング方式は大電力を投入しやすく、放電の安定性の点からより好ましい。
【0024】
本発明におけるアンカー金属蒸着層の金属はマグネシウム、ケイ素、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、パラジウム、銀、錫、タンタル、タングステンなどから選ぶことができるが、経済性と上記スパッタリングでの蒸着のしやすさから銅が好ましい。
【0025】
アンカー金属蒸着層の金属を銅とした場合、その付着量は40~120ng/cmの範囲とすることが好ましい。40ng/cm未満になると基材プラスチックフィルムと金属アルミニウム層の密着強度が不十分となることがある。また、120ng/cmを超えるとプラズマ処理強度が強いため、基材プラスチックフィルムが劣化し、外観が問題となることがある。経済面からより好ましい付着量は40~80ng/cmの範囲である。
【0026】
また、酸化アルミニウム層を積層するための方法は特に制限されるものではないが、金属アルミニウムを直接加熱して蒸発させ、酸素ガスとの反応により酸化アルミニウム層を形成する反応性蒸着法、酸素ガス雰囲気下でのイオンプレーティング法、酸化アルミニウムターゲットを用いたスパッタリング法、金属アルミニウムのターゲットを用い酸素ガスと反応させる反応性スパッタリング法、化学気相蒸着法などの公知の方法が使用できる。
【0027】
本発明において、基材プラスチックフィルム上にアンカー金属蒸着層を介して、金属アルミニウム層から酸化アルミニウム層へ連続的に組成変化する蒸着膜が積層されたアルミニウム蒸着フィルムとするには、酸化アルミニウム層を積層するための方法としては上記の方法のうち金属アルミニウムを直接加熱して蒸発させ、金属アルミニウム層を蒸着しながら、蒸着の後半において酸素ガスとの反応により酸化アルミニウム層を形成する反応性蒸着法を採用することが好ましい。
【0028】
本発明においては、例えば図4で示すように、真空槽内で基材プラスチックフィルムに連続的に金属アルミニウム層および酸化アルミニウム層を蒸着する真空蒸着装置31を用いる。すなわち、真空装置内において、基材プラスチックフィルムロールを繰り出し軸36から連続的に繰り出し、蒸着領域において、繰り出し側に設置されたプレーナーマグネトロン方式の放電電極34によりアンカー金属層を蒸着し、巻取り側ガス導入部35から酸素を供給しながら金属アルミニウム層、酸化アルミニウム層を連続的に組成変化する蒸着膜として順次形成する。
【0029】
一般的に、基材プラスチックフィルム上に蒸着により形成された金属アルミニウム層の表面には、大気中の酸素等により1~4nmの厚さの自然酸化膜が形成されるが、本発明においては、反応性蒸着法などにより、酸化アルミニウム層を形成することが必要であり、かつこれらの蒸着層を連続的に組成変化する層として形成することにより、各蒸着層間の界面における剥離の懸念がなくなるため、安定した密着性を得ることが可能になる。
【0030】
本発明におけるアルミニウム蒸着フィルムのアンカー金属蒸着量はプレーナーマグネトロン方式のスパッタリング方式の放電電圧とフィルム搬送速度によって制御することができ、酸化アルミニウム層の厚さと酸化の程度は、反応性蒸着においてはフィルム搬送速度、光学濃度、酸素供給量によって制御することができる。
【0031】
酸化アルミニウム層の厚さは、X線光電子分光法やオージェ電子分光法によって得られたアルミニウムおよび酸素のスパッタ深さにおける組成分布(いわゆるデプスプロファイル)と透過型電子顕微鏡における蒸着膜厚測定との相関から算出することができ、前述のごとく8~15nmの範囲であることが好ましく、蒸着加工適性、経済性の観点からさらに好ましくは8~12nmの範囲である。酸化アルミニウム層の厚さが8nm未満であると、押出ラミネートによる接着性樹脂との密着性が不十分となることがある。酸化アルミニウム層の厚さが15nmを超えると、金属アルミニウムと酸化アルミニウムが混合した状態の層が厚くなり、色調が褐色となって、金属光沢が不十分となる場合がある。
【0032】
本発明におけるアルミニウム蒸着フィルムの光学濃度は、遮光性、経済性の観点から1.5~3.5の範囲が好ましい。光学濃度とは、特定の測定波長におけるアルミニウム蒸着ポリエステルフィルムの透過率をT(%)としたときに、log(100(%)/T(%))で計算される値である。
【0033】
本発明のアルミニウム蒸着フィルム積層体において、アルミニウム蒸着フィルムの蒸着面とラミネートされるプラスチックフィルムに特に制限はなく、代表的な例としてはポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレン2,6-ナフタレートなどのポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンからなるフィルムが挙げられる。これらのフィルムには必要に応じて印刷が施され、該印刷面とアルミニウム蒸着フィルムの蒸着面がラミネートされる。この場合には、アルミニウム蒸着フィルムの基材プラスチックフィルム側にはシーラントフィルムとして、未延伸のポリオレフィン系フィルムがラミネートされる。また、本発明のアルミニウム蒸着フィルム積層体において、最内層のシーラントフィルムとして、未延伸のポリオレフィンフィルムなどが、アルミニウム蒸着フィルムの蒸着面とラミネートされることもある。この場合は、アルミニウム蒸着フィルムの基材プラスチックフィルム側に直接印刷が施されたり、印刷が施された他のプラスチックフィルムがラミネートされたりすることで使用される。
【0034】
押出ラミネート加工に使用されるオレフィン樹脂層となる押出樹脂としては、アルミニウム蒸着フィルムの蒸着面とラミネートされるプラスチックフィルムに密着し、両者を強固に接合できるものであれば、特に制限はなく、密着性、外観、経済性によっても異なるが、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、マレイン酸変性のポリオレフィン樹脂などのオレフィン樹脂が用いられる。本発明においては、酸成分の分解が少なく、アルミニウム蒸着薄膜層へのダメージが低いポリエチレンがより好ましく用いられる。押出ラミネートする条件としては、一般的な押出ラミネート条件で良く、必要に応じて、オゾン処理、コロナ処理を施しても構わない。本発明においてはアンカーコート処理を行うことなく強固な接合が達成できるが、より強固な接合を目的にアンカーコート処理を行うことを排除するものではない。これらオレフィン樹脂層の厚さは、5~15μmの範囲で設計される。
【0035】
本発明のアルミニウム蒸着フィルム積層体において、蒸着膜とオレフィン樹脂層との密着強度は1N/15mm以上であることが好ましい。密着強度が1N/15mm未満であると、使用時に剥離が発生しやすく、後で述べる引き裂き強度が上昇したり、直線的に引き裂くことが困難となったりする場合があり、用途や積層体の構成が制限されることがある。好ましくは1.1N/15mm以上である。
【0036】
本発明のアルミニウム蒸着フィルム積層体のより好ましい具体的態様を以下説明する。
【0037】
本発明のアルミニウム蒸着フィルム積層体は、基材プラスチックフィルムが好ましくは、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムであり、プラスチックフィルムが無延伸ポリプロピレン系フィルムまたは無延伸ポリエチレン系フィルムである。すなわち、アルミニウム蒸着フィルム(二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム/蒸着層)/オレフィン樹脂層/無延伸ポリプロピレン系フィルムまたは無延伸ポリエチレン系フィルムの構成である。
【0038】
また、本発明のアルミニウム蒸着フィルム積層体は、好ましくは、上記アルミニウム蒸着フィルム積層体の無延伸ポリプロピレン系フィルムまたは無延伸ポリエチレン系フィルムが積層された面の反対側に、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムまたは二軸延伸ポリプロピレンフィルムがオレフィン樹脂層により接合されたアルミニウム蒸着フィルム積層体である。すなわち、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムまたは二軸延伸ポリプロピレンフィルム/オレフィン樹脂層/アルミニウム蒸着フィルム(二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム/蒸着層)/オレフィン樹脂層/無延伸ポリプロピレン系フィルムまたは無延伸ポリエチレン系フィルムの構成である。
【0039】
さらに、本発明のアルミニウム蒸着フィルム積層体は好ましくは、基材プラスチックフィルムが二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムであり、プラスチックフィルムが二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムまたは二軸延伸ポリプロピレンフィルムであり、第2のプラスチックフィルムが無延伸ポリプロピレン系フィルムまたは無延伸ポリエチレン系フィルムであるアルミニウム蒸着フィルム積層体である。すなわち二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムまたは二軸延伸ポリプロピレンフィルム/オレフィン樹脂層/アルミニウム蒸着フィルム(蒸着層/二軸延伸ポリエチレンフィルム)/オレフィン樹脂層/無延伸ポリプロピレン系フィルムまたは無延伸ポリエチレン系フィルムの構成である。
【0040】
これらのアルミニウム蒸着フィルム積層体において、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの厚さは9~18μmの範囲が好ましい。二軸延伸ポリプロピレンフィルムの厚さは15~30μmの範囲が好ましい。
【0041】
上記の無延伸ポリプロピレン系フィルムとは、ポリプロピレンを主成分としエチレン、ブテンなどと共重合したポリプロピレン系ランダム共重合体や、ブロック共重合体が好ましく用いられる。また無延伸ポリエチレン系フィルムとは、高圧法低密度ポリエチレンや直鎖状低密度ポリエチレンが好ましく用いられる。これらの厚さは20~100μmの範囲のものがシール強度と経済性のバランスにより選択される。
【0042】
本発明のアルミニウム蒸着フィルム積層体は、上記好ましい態様において、長手方向に沿ったJISK7128-1による引き裂き強度が1N以下であることが、引き裂きを容易とするため好ましい。
【0043】
また、本発明のアルミニウム蒸着フィルム積層体は、上記JISK7128-1に従って100mm長が引き裂かれた箇所における長手方向に沿った直線からの幅方向のずれが10mm以内であることが、思わぬ方向に引き裂けてトラブルとならないために好ましい。
【実施例
【0044】
以下、本発明について実施例を挙げて説明するが、本発明は必ずしもこれらに限定されるものではない。なお、実施例及び比較例中の物性は,次のようにして測定した。
【0045】
(1)押出ラミネート
(積層体1)
押出ラミネート機の第1給紙側にアルミニウム蒸着フィルム、第2給紙側に厚さ20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムをセットし、Tダイから低密度ポリエチレン樹脂(住友化学(株)「スミカセン」(登録商標)L420)を樹脂温度300℃で厚さ7μmとなるように押出し、ニップロールによりこれら両フィルムで挟み込んで接合し、アルミニウム蒸着フィルムの蒸着面側に二軸延伸ポリプロピレンフィルムを積層した積層体1を作製成した。
【0046】
(積層体2)
押出ラミネート機の第1給紙側に積層体1、第2給紙側に厚さ40μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(トーセロ社製FCS)をセットし、Tダイから低密度ポリエチレン樹脂(住友化学(株)「スミカセン」(登録商標)L420)を樹脂温度300℃で厚さ7μmとなるように押出し、ニップロールによりこれら両フィルムで挟み込んで接合し、積層体1の基材プラスチックフィルム側に直鎖状低密度ポリエチレンフィルムを積層した積層体2を作成した。
【0047】
(積層体3)
押出ラミネート機の第1給紙側にアルミニウム蒸着フィルム、第2給紙側に厚さ40μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(トーセロ社製FCS)をセットし、Tダイから低密度ポリエチレン樹脂(住友化学(株)「スミカセン」(登録商標)L420)を樹脂温度300℃で厚さ7μmとなるように押出し、ニップロールによりこれら両フィルムで挟み込んで接合し、アルミニウム蒸着フィルムの蒸着面側に直鎖状低密度ポリエチレンフィルムを積層した積層体3を作製成した。
【0048】
(積層体4)
押出ラミネート機の第1給紙側に上記積層体3、第2給紙側に厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムをセットし、Tダイから低密度ポリエチレン樹脂(住友化学(株)「スミカセン」(登録商標)L420)を樹脂温度300℃で厚さ7μmとなるように押出し、ニップロールによりこれら両フィルムで挟み込んで接合し、積層体3の基材プラスチックフィルム側に二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを積層した積層体4を作成した。
【0049】
(2)ラミネート強度
上記(1)で作成した、押出ラミネート積層体1から、幅15mm、長さ150mmに切断したカットサンプルを作製し、(株)オリエンテック製「テンシロン」(RTG-1210)を使用して、アルミニウム蒸着フィルムと二軸延伸ポリプロピレンフィルムをT型剥離法により、引張速度:50mm/minで剥離し、ラミネート強度を測定した。
【0050】
(3)蒸着膜厚
アルミニウム蒸着フィルムをマイクロサンプリング法でサンプリング後、収束イオンビーム加工装置(日立製作所製 FB-2000)を用いて薄膜化を行った。その後、サンプル保護のため、炭素およびタングステン保護膜を形成した。このサンプルを電界放出形透過電子顕微鏡(日立製作所製 HF-2200、以下TEMと称する)で観察し、観察写真より倍率を勘案して全蒸着膜厚を計算した。
【0051】
(4)金属アルミニウム膜および酸化アルミニウム膜の膜厚
全自動走査型X線光電子分光分析装置(Physical Electronics社製Quantera SXM、以下XPSと称する)を用いて、X線源AlKα、X線出力25.1W、光電子取り出し角45°で表面分析を行った。アルミニウム蒸着フィルムの蒸着面側から、Arイオンを用いて、Arイオンエネルギー1keVでスパッタを行ない、一定スパッタ時間毎に炭素、酸素、アルミニウムの元素について狭域光電子スペクトル測定を行い、C1s、O1s、Al2pの狭域光電子ピーク面積強度比と相対感度係数から各元素の組成比を算出し、以下の方法に基づき深さ方向の組成分布を求めた。
【0052】
まず、基材プラスチックフィルム側の炭素濃度に着目し、炭素濃度のピーク濃度の中間(1/2)濃度に対応したスパッタ時間を蒸着層と基材プラスチックフィルムの界面に到達したスパッタ時間と見なした。なお界面のアンカー金属層に由来する信号は小さく、無視した。(3)項のTEM観察による全蒸着膜厚と、上記界面に対応するスパッタ時間を関係付け、スパッタ時間に対応したスパッタ深さを計算した。
【0053】
次に、酸化アルミニウム層中の酸素濃度に着目し、酸素濃度のピーク濃度の中間(1/2)濃度に対応したスパッタ時間から算出したスパッタ深さを酸化アルミニウム層と金属アルミニウム層の界面と見なした。
【0054】
(5)銅蒸着層量(ng/cm
アルミニウム蒸着フィルムより、10cm角に切断したカットサンプルを作成し、カットサンプルを硝酸20mlに24時間浸漬した後、得られた溶液の銅の吸光度(波長324.8nm)を原子吸光分光光度計(島津製作所社製 AA-6300タイプ)で測定して、銅の溶解量(濃度)が分かっている標準サンプルを検量線として、銅蒸着層量を算出した。これらの算出を異なる4枚のカットサンプルを使用して行い、得られた値の平均値を銅蒸着層量(ng/cm)とした。
【0055】
(6)外観(金属光沢)
外観を目視し、金属光沢の確認をした。明るい金属光沢のものを合格(○)とし、やや褐色がかって、くすんでいるが実用レベルの金属光沢のものを△、金属光沢のないものを×とした。
【0056】
(7)積層体の引き裂き強度
JISK7128-1:1998に準拠し、積層体2、3、4から長手方向150mm×幅方向50mmの長方形サンプルを切り出し、株式会社オリエンテック製「テンシロン」(RTG-1210)を使用して200mm/minの速度で、MD方向に引き裂き試験を行った。この測定を5回繰り返し、その平均値を求めた。
【0057】
(8)積層体の直線カット性
上記引き裂き強度の測定の際、最初の切込みを起点に長手方向に直線を描いておき、引き裂き開始位置から100mmの位置における引き裂き箇所における直線からのTD方向のズレを測定し、5サンプルの平均値で以下の判定を行った。
○:ズレが6mm未満。
△:ズレが6mm以上10mm未満
×:ズレが10mm以上
(実施例1)
アルミニウム蒸着フィルムの基材プラスチックフィルムとして、厚さ12μm、幅2040mmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製“ルミラー”(登録商標)P60、以下PETフィルムと称する)を使用した。連続式真空蒸着機((株)アルバック製)を用い、フィルム繰出部と蒸着部の間に、銅をターゲットとするプレーナーマグネトロン方式の放電電極を設置し、高周波電源(周波数60kHz)により供給された電圧をかけることで、プラズマを発生させ、フィルム上に80ng/cmの銅蒸着層を形成した。さらにその上に高周波誘導加熱方式で加熱したるつぼから金属アルミニウムを蒸発させ、PETフィルムを速度420m/minで巻出し、巻き取り側ガス導入部より酸素ガスを6.6L/min導入し、金属アルミニウム層、酸化アルミニウム層を連続的に蒸着した。この際、蒸着機中でのインラインの光学濃度計を用いて、光学濃度が2.5となるように、金属アルミニウム蒸発量を調整した。
【0058】
(実施例2)
実施例1において、巻き取り側ガス導入部より酸素ガスを4.2L/min導入した。他の条件は実施例1と同じとして、金属アルミニウム層、酸化アルミニウム層を連続的に蒸着した。
【0059】
(実施例3)
実施例1において、巻き取り側ガス導入部より酸素ガスを8.9L/min導入した。他の条件は実施例1と同じとして、金属アルミニウム層、酸化アルミニウム層を連続的に蒸着した。
【0060】
(実施例4)
実施例1において、PETフィルム上に40ng/cmの銅蒸着層を形成した。他の条件は実施例1と同じとして、金属アルミニウム層、酸化アルミニウム層を連続的に蒸着した。
【0061】
(実施例5)
実施例1において、PETフィルム上に120ng/cmの銅蒸着層を形成した。他の条件は実施例1と同じとして、金属アルミニウム層、酸化アルミニウム層を連続的に蒸着した。
【0062】
(実施例6)
実施例1と同様に、巻き取り側ガス導入部より酸素ガスを2.4L/min導入した。他の条件は実施例1と同じとして、金属アルミニウム層、酸化アルミニウム層を連続的に蒸着した。
【0063】
(実施例7)
実施例1と同様に、巻き取り側ガス導入部より酸素ガスを11.4L/min導入した。他の条件は実施例1と同じとして、金属アルミニウム層、酸化アルミニウム層を連続的に蒸着した。
【0064】
(比較例1)
実施例1において、PETフィルム上に銅蒸着層を形成せず、酸素ガスを導入せずに、金属アルミニウム層を蒸着した。この際、蒸着機中でのインラインの光学濃度計を用いて、光学濃度が2.5となるようにアルミニウム蒸発量を調整した。アルミニウム蒸着フィルムの蒸着層表面には、大気中の酸素と反応した酸化アルミニウム層が形成され、その薄膜層の膜厚は3.1nmであった。
【0065】
(比較例2)
実施例1において、PETフィルム上に80ng/cmの銅蒸着層を形成し、酸素ガスを導入せずに、金属アルミニウム層を蒸着した。金属蒸着フィルムのアルミニウム蒸着薄膜層表面には、大気中の酸素と反応した酸化アルミニウム薄膜層が形成され、その薄膜層の膜厚は3.1nmであった。
【0066】
(比較例3)
実施例1において、PETフィルム上に銅蒸着層を形成せず、巻取り側ガス導入部より酸素ガスを6.6L/min導入し、反応性蒸着により金属アルミニウム層および酸化アルミニウム層を連続的に蒸着した。
【0067】
上記のようにして作製した各アルミニウム蒸着フィルムに、前記(1)で説明した押出ラミネートにより、アルミニウム蒸着フィルム積層体1~4を作成した。積層体1によりそのラミネート強度を、積層体2~4により引き裂き強度と直線カット性を評価した。評価結果を表1、表2、表3、表4に示す。
【0068】
【表1】
【0069】
表1に示されるように実施例1から5のアルミニウム蒸着フィルム積層体は、銅蒸着量が40~120ng/cmおよび酸化アルミニウム層の厚さが8~15nmの範囲にあり、ラミネート剥離界面が蒸着膜(AL)と低密度ポリエチレン樹脂(PE)間であり、ラミネート強度も1N/15mm以上で安定したラミネート強度を有するアルミニウム蒸着フィルム積層体であった。
【0070】
実施例6では酸化アルミニウム蒸着層が薄いため、ラミネート強度が若干低めながら実用レベルであった。実施例7では酸化アルミニウム蒸着層が厚いためやや褐色がかった金属外観であったが実用レベルであった。
【0071】
【表2】
【0072】
表2に示されるように、比較例1ではアンカー金属蒸着層がなく、比較例2では、本発明における金属アルミニウム層から酸化アルミニウム層へ連続的に組成変化する蒸着膜が積層されたものではなく、金属アルミニウム層表面に約3nmの厚さの自然酸化膜が確認された。いずれもラミネート強度が不十分なものとなった。
【0073】
比較例3では、PETフィルム上にアンカー金属蒸着層を有していないためPETフィルムと金属アルミニウム層の密着が悪くPET/蒸着膜(AL)間で剥離してしまいラミネート強度が不十分なものとなった。
【0074】
【表3】
【0075】
【表4】
【0076】
本発明のアルミニウム蒸着フィルム積層体は、引き裂き強度が低く、直線カット性も優れたものとなった。
【符号の説明】
【0077】
11:アルミニウム蒸着フィルム
12:オレフィン樹脂層
13:プラスチックフィルム
14:第2のプラスチックフィルム
21:酸化アルミニウム層
22:金属アルミニウム層
23:アンカー金属(銅)蒸着層
24:基材プラスチックフィルム
31:真空蒸着装置
32:冷却ドラム
33:蒸発源
34:プレーナーマグネトロン方式の放電電極
35:巻取り側ガス導入部
36:繰り出し軸
37:巻き取り軸
38:基材プラスチックフィルム
図1
図2
図3
図4