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特許73204143Dデータデザイナ検索システム、3Dデータデザイナ検索方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-26
(45)【発行日】2023-08-03
(54)【発明の名称】3Dデータデザイナ検索システム、3Dデータデザイナ検索方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20230727BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019165923
(22)【出願日】2019-09-12
(65)【公開番号】P2021043753
(43)【公開日】2021-03-18
【審査請求日】2022-06-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000005810
【氏名又は名称】マクセル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104444
【弁理士】
【氏名又は名称】上羽 秀敏
(74)【代理人】
【識別番号】100132506
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 哲文
(72)【発明者】
【氏名】太田 浩史
(72)【発明者】
【氏名】鬼頭 克幸
(72)【発明者】
【氏名】三浦 えみ
【審査官】鈴木 和樹
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2019-0077767(KR,A)
【文献】特開2005-049927(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0107730(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0246482(US,A1)
【文献】特開2013-196250(JP,A)
【文献】特開2002-328987(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
3Dプリンタによる造形物の製作に用いられる3Dデータのデザイナを検索する3Dデータデザイナ検索システムであって、
原案画像で示される対象物から3Dデータが表す造形物への変形の度合いを示すデフォルメ度合いの指定を、ユーザから受け付けるデフォルメ度合い受付部と、
複数のデザイナの各々に関するデザイナ情報と、各デザイナのデザイナ情報に対応付けられたデフォルメ度合いを示す値を含むデザイナデータから、前記ユーザから指定されたデフォルメ度合いに対応するデフォルメ度合いの値に対応付けられたデザイナ情報を抽出する検索部と、
前記検索部で抽出されたデザイナ情報を前記ユーザに対して出力する出力部と、を備える、3Dデータデザイナ検索システム。
【請求項2】
前記デフォルメ度合い受付部は、複数の項目についてデフォルメ度合いの指定を前記ユーザから受け付け、
前記デザイナデータは、前記各デザイナのデザイナ情報に対応付けられた複数の項目のデフォルメ度合いのデータを含み、
前記検索部は、前記ユーザから指定された複数の項目のデフォルメ度合いに対応するデザイナ情報を抽出する、請求項1に記載の3Dデータデザイナ検索システム。
【請求項3】
前記デフォルメ度合い受付部は、ユーザから前記デフォルメ度合いの指定を受け付ける画面を提供し、前記画面において、ユーザが指定可能なデフォルメ度合いに対応する造形物のサンプル画像を表示する、請求項1又は2に記載の3Dデータデザイナ検索システム。
【請求項4】
前記各デザイナのデザイナ情報は、前記各デザイナの過去に作成した3Dデータの作品画像を含み、前記作品画像には、前記デフォルメ度合いを示す値が対応付けられており、
前記検索部は、前記ユーザから指定されたデフォルメ度合いに対応するデフォルメ度合いの値に対応付けられた作品画像を前記デザイナデータから抽出する、請求項1~3のいずれか1項に記載の3Dデータデザイナ検索システム。
【請求項5】
前記デザイナデータは、前記デフォルメ度合いを示す値として、各デザイナが受容可能なデフォルメ度合いを示す値を含み、
前記検索部は、前記ユーザから指定されたデフォルメ度合いを受容可能なデザイナのデザイナ情報を抽出する、請求項1~4のいずれか1項に記載の3Dデータデザイナ検索システム。
【請求項6】
前記ユーザから、対象物の種類の指定を受け付ける対象物受付部をさらに備え、
前記デザイナデータは、前記各デザイナのデザイナ情報に対応付けられた対象物の種類を示すデータを含み、
前記検索部は、前記ユーザから指定された対象物の種類、及び前記ユーザから指定されたデフォルメの度合いに対応するデフォルメ度合いの値に対応付けられたデザイナ情報を抽出する、請求項1~5のいずれか1項に記載の3Dデータデザイナ検索システム。
【請求項7】
前記デザイナから、デザイナ情報及びデフォルメの度合いを示す値の入力を受け付け、入力されたデザイナ情報及びデフォルメの度合いを示す値を対応付けて、前記デザイナデータに含める、デザイナデータ更新部をさらに備える、請求項1~6のいずれか1項に記載の3Dデータデザイナ検索システム。
【請求項8】
前記ユーザから、依頼するデザイナの指定及び依頼するデフォルメ度合いの指定を受け
付け、前記ユーザから指定された前記デザイナに、前記指定されたデフォルメ度合いとともに、3Dデータ作成の依頼を送信する依頼部をさらに備えた、請求項1~7のいずれか1項に記載の3Dデータデザイナ検索システム。
【請求項9】
3Dプリンタによる造形物の製作に用いられる3Dデータのデザイナをコンピュータで検索する3Dデータデザイナ検索方法であって、
前記コンピュータが、原案画像で示される対象物から3Dデータが表す造形物への変形の度合いを示すデフォルメ度合いの指定を、ユーザから受け付けるデフォルメ度合い受付ステップと、
前記コンピュータが、複数のデザイナの各々に関するデザイナ情報と、各デザイナのデザイナ情報に対応付けられたデフォルメ度合いを示す値を含むデザイナデータから、前記ユーザから指定されたデフォルメ度合いに対応するデフォルメ度合いの値に対応付けられたデザイナ情報を抽出する検索ステップと、
前記コンピュータが、前記検索ステップで抽出されたデザイナ情報を前記ユーザに対して出力する出力ステップと、を有する、3Dデータデザイナ検索方法。
【請求項10】
3Dプリンタによる造形物の製作に用いられる3Dデータのデザイナを検索する処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、
原案画像で示される対象物から3Dデータが表す造形物への変形の度合いを示すデフォルメ度合いの指定を、ユーザから受け付けるデフォルメ度合い受付処理と、
複数のデザイナの各々に関するデザイナ情報と、各デザイナのデザイナ情報に対応付けられたデフォルメ度合いを示す値を含むデザイナデータから、前記ユーザから指定されたデフォルメ度合いに対応するデフォルメ度合いの値に対応付けられたデザイナ情報を抽出する検索処理と、
前記検索処理で抽出されたデザイナ情報を前記ユーザに対して出力する出力処理と、をコンピュータに実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3Dプリンタによる造形物の製作に用いられる3Dデータのデザイナを検索するための3Dデータデザイナ検索システム、3Dデータデザイナ検索方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
3Dプリンタは、3Dデータを基に材料を積層して立体物である造形物を形成する。3Dプリンタで、所望の形状の造形物を作製する場合、その所望の形状を表す3Dデータを準備する必要がある。
【0003】
特開2017-146972号公報(特許文献1)には、ウェブ基盤注文デザイン3Dプリンティングサービスシステムが開示されている。このシステムでは、ユーザ端末にて3次元スキャニングプログラムを実行することで、映像データを3次元モデリングファイルに生成する。ユーザ端末から、クラウドサーバが提供するウェブサイトを介して、3次元モデリングファイルが入力される。クラウドサーバは、3次元プリンタモデル著作プログラムを実行して、入力された3次元モデリングファイルに基づき、3次元コンテンツを生成する。プリンタモジュールは、3次元コンテンツの3次元プリンティング作業を行う。
【0004】
二次元の画像データ等の2Dデータに基づいて3Dプリンタのための3Dデータを作成する作業は、デザイナが行うことが好ましい場合がある。例えば、イラストや写真から対象物の特徴を捉えて、その対象物を立体的に表現するには、デザイナによる創作活動が必要となる場合が多い。
【0005】
特開2002-15033号公報(特許文献2)には、複数のデザイナに関する情報を記憶したコンピュータシステムを用いて、顧客とデザイナの取引を仲介するニーズ統合システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2017-146972号公報
【文献】特開2002-15033号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記従来のニーズ統合システムは、3Dプリンタのための3Dデータのデザイナは想定されていない。発明者らは、3Dプリンタ造形のための3Dデータを作成するデザイナと、3Dデータの作成を依頼する依頼者とをマッチングさせるためのコンピュータシステムの構築を検討した。検討において、依頼者のニーズと、デザイナの能力や個性とをどのような基準で評価し、データ化するかが問題となった。そこで、より詳細に以下の検討を行った。
【0008】
3Dデータの作成においては、2次元画像等の原案画像で示される対象物を変形させた造形物を3Dデータで表すことになる。この変形させる過程において、デザイナの創意工夫が発揮される傾向にある。例えば、現実に存在する人物の写真を基に、現実にはありえないような目の大きさや頬の形状を有する人物の造形物の3Dデータが作成されることがある。このような原案画像で示される対象物から3Dデータで表される造形物への変形をデフォルメと称する。発明者らは、このデフォルメの仕方に、デザイナの能力や個性が現れることを見出した。さらに、デフォルメの仕方に対して、依頼者の潜在的な要求や好みが存在することも見出した。
【0009】
発明者らは、依頼者が、3Dデータのデザイナのデフォルメの能力や傾向を把握した上で、自分の要求又は好みに合うデフォルメができるデザイナを選択できる仕組みを検討した。しかし、3Dデータの作成におけるデザイナのデフォルメの能力又は傾向は、漠然としていて捉えるのが難しい。また、依頼者も、自分の求めるデフォルメを明確に表現できない場合が多い。
【0010】
本願は、3Dプリンタ造形に用いる3Dデータのデザイナの検索において、ユーザのニーズに合うデザイナを検索できる3Dデータデザイナ検索システム、3Dデータデザイナ検索方法、及びプログラムを開示する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の実施形態に係る3Dデータデザイナ検索システムは、3Dプリンタによる造形物の製作に用いられる3Dデータのデザイナを検索する3Dデータデザイナ検索システムである。前記3Dデータデザイナ検索システムは、原案画像で示される対象物から3Dデータが表す造形物への変形の度合いを示すデフォルメ度合いの指定を、ユーザから受け付けるデフォルメ度合い受付部と、複数のデザイナの各々に関するデザイナ情報と、各デザイナのデザイナ情報に対応付けられたデフォルメ度合いを示す値を含むデザイナデータから、前記ユーザから指定されたデフォルメ度合いに対応するデフォルメ度合いの値に対応付けられたデザイナ情報を抽出する検索部と、前記検索部で抽出されたデザイナ情報を前記ユーザに対して出力する出力部と、を備える。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、3Dプリンタ造形に用いる3Dデータのデザイナの検索において、ユーザのニーズに合うデザイナを検索することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本実施形態の3Dデータデザイナ検索システムの構成例を示す図である。
図2図2は、図1に示す記録部のデザイナデータの例を示す図である。
図3図3は、図1に示す記録部のデザイナデータの例を示す図である。
図4図4は、図1に示す3Dデータデザイナ検索システムの動作例を示すフローチャートである。
図5図5は、図4のステップS1、S2において表示される画面例を示す図である。
図6図6は、図5の画面から遷移する画面の例を示す図である。
図7図7は、図4のステップS4で出力される画面の例を示す図である。
図8図8は、図4のステップS4で出力される画面の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態に係る3Dデータデザイナ検索システムは、3Dプリンタによる造形物の製作に用いられる3Dデータのデザイナを検索する3Dデータデザイナ検索システムである。前記3Dデータデザイナ検索システムは、原案画像で示される対象物から3Dデータが表す造形物への変形の度合いを示すデフォルメ度合いの指定を、ユーザから受け付けるデフォルメ度合い受付部と、複数のデザイナの各々に関するデザイナ情報と、各デザイナのデザイナ情報に対応付けられたデフォルメ度合いを示す値を含むデザイナデータから、前記ユーザから指定されたデフォルメ度合いに対応するデフォルメ度合いの値に対応付けられたデザイナ情報を抽出する検索部と、前記検索部で抽出されたデザイナ情報を前記ユーザに対して出力する出力部と、を備える。
【0015】
上記3Dデータデザイナ検索システムでは、デフォルメ度合い受付部が、デフォルメの度合いの指定をユーザから受け付ける。これにより、自分の求めるデフォルメを明確に表現できないユーザであっても、自分の求めるデフォルメに関する情報を入力することが容易になる。検索部は、デザイナデータから、ユーザに指定されたデフォルメ度合いを基にデザイナ情報を抽出する。デザイナデータでは、各デザイナのデザイナ情報に、デフォルメ度合いを示す値が対応付けられている。これにより、各デザイナのデフォルメに関する特徴が定量的なデータとして記録される。そのため、検索部は、ユーザから指定されたデフォルメ度合いに合ったデザイナ情報をデザイナデータから抽出できる。結果として、ユーザが求めるデフォルメに関連性があるデザイナ情報が抽出される。このように、上記3Dデータデザイナ検索システムは、ユーザのニーズと、デザイナの特徴とを、デフォルメの観点からデータ化し、マッチングする仕組みを提供する。デフォルメは、デザイナの能力及び個性が発揮される要素であり、ユーザの潜在的なニーズが存在する要素でもある。したがって、3Dプリンタ造形に用いる3Dデータのデザイナの検索において、ユーザのニーズに合うデザイナを検索することが可能になる。
【0016】
前記デフォルメ度合い受付部は、複数の項目についてデフォルメ度合いの指定を前記ユーザから受け付けてもよい。この場合、前記デザイナデータは、前記各デザイナのデザイナ情報に対応付けられた複数の項目のデフォルメ度合いのデータを含んでもよい。前記検索部は、前記ユーザから指定された複数の項目のデフォルメ度合いに対応するデザイナ情報を抽出することができる。これにより、デザイナによるデフォルメの特徴を複数の項目に分類し、項目ごとにユーザのニーズとマッチングすることができる。そのため、よりきめ細かにユーザのニーズに合うデザインを検索することができる。
【0017】
前記デフォルメ度合い受付部は、ユーザから前記デフォルメ度合いの指定を受け付ける画面を提供し、前記画面において、ユーザが指定可能なデフォルメ度合いに対応する造形物のサンプル画像を表示してもよい。これにより、ユーザは、画面のサンプル画像を見てデフォルメの度合いを把握した上でデフォルメ度合いを指定することができる。そのため、ユーザは、自分の求めるデフォルメの度合いを指定するのがより容易になる。
【0018】
前記各デザイナのデザイナ情報は、前記各デザイナの過去に作成した3Dデータの作品画像を含み、前記作品画像には、前記デフォルメ度合いを示す値が対応付けられてもよい。この場合、前記検索部は、前記ユーザから指定されたデフォルメ度合いに対応するデフォルメ度合いの値に対応付けられた作品画像を前記デザイナデータから抽出することができる。これにより、ユーザが指定したデフォルメ度合いに対応する作品画像をユーザに提示できる。そのため、ユーザのニーズに合うデザイナの作品画像を提示することができる。
【0019】
前記デザイナデータは、前記デフォルメ度合いを示す値として、各デザイナが受容可能なデフォルメ度合いを示す値を含んでもよい。この場合、前記検索部は、前記ユーザから指定されたデフォルメ度合いを受容可能なデザイナのデザイナ情報を抽出することができる。これにより、ユーザが指定したデフォルメ度合いに応じた3Dデータを作成できるデザイナを検索することができる。
【0020】
前記3Dデータデザイナ検索システムは、前記ユーザから、対象物の種類の指定を受け付ける対象物受付部をさらに備えてもよい。前記デザイナデータは、前記各デザイナのデザイナ情報に対応付けられた対象物の種類を示すデータを含んでもよい。前記検索部は、前記ユーザから指定された対象物の種類、及び前記ユーザから指定されたデフォルメの度合いに対応するデフォルメ度合いの値に対応付けられたデザイナ情報を抽出することができる。対象物の種類によってデフォルメの仕方が異なる傾向にある。対象物の種類とデフォルメの度合いの双方に基づいて、デザイナ情報を抽出することで、よりユーザのニーズに合ったデザイナを検索することができる。
【0021】
前記3Dデータデザイナ検索システムは、前記デザイナから、デザイナ情報及びデフォルメの度合いを示す値の入力を受け付け、入力されたデザイナ情報及びデフォルメの度合いを示す値を対応付けて、前記デザイナデータに含める、デザイナデータ更新部をさらに備えてもよい。これにより、デザイナ情報と、対応するデフォルメ度合いを示す値とを、デザイナデータに蓄積することができる。
【0022】
前記3Dデータデザイナ検索システムは、前記ユーザから、依頼するデザイナの指定及び依頼するデフォルメ度合いの指定を受け付け、前記ユーザから指定された前記デザイナに、前記指定されたデフォルメ度合いとともに、3Dデータ作成の依頼を送信する依頼部をさらに備えてもよい。これにより、デザイナは、ユーザが希望するデフォルメ度合いに基づいて3Dデータを作成することができる。そのため、デザイナは、ユーザの要求や好みに応じた3Dデータを作成することができる。
【0023】
本発明の実施形態における3Dデータデザイナ検索方法は、3Dプリンタによる造形物の製作に用いられる3Dデータのデザイナをコンピュータで検索する3Dデータデザイナ検索方法である。前記3Dデータデザイナ検索方法は、前記コンピュータが、原案画像で示される対象物から3Dデータが表す造形物への変形の度合いを示すデフォルメ度合いの指定を、ユーザから受け付けるデフォルメ度合い受付ステップと、前記コンピュータが、複数のデザイナの各々に関するデザイナ情報と、各デザイナのデザイナ情報に対応付けられたデフォルメ度合いを示す値を含むデザイナデータから、前記ユーザから指定されたデフォルメ度合いに対応するデフォルメ度合いの値に対応付けられたデザイナ情報を抽出する検索ステップと、前記コンピュータが、前記検索部で抽出されたデザイナ情報を前記ユーザに対して出力する出力ステップと、を有する
【0024】
本発明の実施形態におけるプログラムは、3Dプリンタによる造形物の製作に用いられる3Dデータのデザイナを検索する処理をコンピュータに実行させるプログラムである。前記プログラムは、原案画像で示される対象物から3Dデータが表す造形物への変形の度合いを示すデフォルメ度合いの指定を、ユーザから受け付けるデフォルメ度合い受付処理と、複数のデザイナの各々に関するデザイナ情報と、各デザイナのデザイナ情報に対応付けられたデフォルメ度合いを示す値を含むデザイナデータから、前記ユーザから指定されたデフォルメ度合いに対応するデフォルメ度合いの値に対応付けられたデザイナ情報を抽出する検索処理と、前記検索部で抽出されたデザイナ情報を前記ユーザに対して出力する出力処理と、をコンピュータに実行させる。
【0025】
[実施形態]
以下、実施形態について図面を参照しつつ説明する。図中同一及び相当する構成については同一の符号を付し、同じ説明を繰り返さない。なお、説明を分かりやすくするために、以下で参照する図面においては、構成が簡略化または模式化して示されたり、一部の構成部材が省略されたりしている。
【0026】
(システム構成例)
図1は、本実施形態における3Dデータデザイナ検索システムの構成例を示す図である。図1に示す例では、3Dデータデザイナ検索システム10は、ユーザ端末2、デザイナ端末3及び記録部4にネットワークNを介してアクセス可能である。本実施形態において、ユーザは、3Dプリンタ造形に用いる3Dデータのデザイナを探す者である。デザイナは、3Dプリンタによる造形物の製作に用いられる3Dデータを作成する者である。ネットワークNは、特に限定されないが、例えば、インターネット又はイントラネット等の通信ネットワークである。
【0027】
3Dデータデザイナ検索システム10は、デフォルメ度合い受付部11、対象物受付部12、検索部13、出力部14、デザイナデータ更新部15、及び依頼部16を備える。記録部4には、デザイナデータが記録される。
【0028】
デフォルメ度合い受付部11は、ユーザから、デフォルメ度合いの指定を受け付ける。デフォルメ度合いは、原案画像で示される対象物から3Dデータが表す造形物への変形の度合いを示すデフォルメ度合いである。デザイナは、原案画像に基づき、3Dデータを作成する。3Dデータが表す造形物が、原案画像で示される対象物を忠実に再現したものである場合、デフォルメ度合いが小さい。逆に、3Dデータが表す造形物が、原案画像で示される対象物の特徴部分を誇張する等して、大きく変形したものである場合、デフォルメ度合いが大きい。
【0029】
デフォルメ度合い受付部11は、例えば、ユーザがデフォルメ度合いを指定するための画面をユーザ端末2に表示させる。ユーザによるデフォルメ度合い指定の入力形態は特に限定されない。例えば、デフォルメ度合い受付部11は、ユーザに、複数の段階のデフォルメ度合いのうち1つを選択させてもよいし、ユーザに、デフォルメ度合いを示す値を入力させてもよい。デフォルメ度合い受付部11は、ユーザの指定操作に応じて、ユーザの指定するデフォルメ度合いの値を決定してもよい。デフォルメ度合い受付部11は、ユーザによるデフォルメ度合いの指定を支援するインタフェースを画面に付加してもよい。具体例は、後述する。
【0030】
対象物受付部12は、ユーザから、対象物の種類の指定を受け付ける。対象物受付部12は、例えば、ユーザが対象物の種類を指定するための画面をユーザ端末2に表示させる。デフォルメ度合いの指定と、対象物の種類の指定を、同じ画面で受け付けてもよい。対象物受付部12は、例えば、ユーザに、複数の対象物の種類のうち1つを選択させてもよいし、ユーザに、対象物の種類を示す文字列を入力させてもよい。
【0031】
検索部13は、記録部4のデザイナデータから、ユーザによって指定されたデフォルメ度合い及び対象物に対応するデザイナ情報を抽出する。デザイナデータは、デザイナに関するデザイナ情報と、デザイナ情報に対応付けられたデフォルメ度合いを示す値及びデザイナ情報に対応付けられた対象物の種類を示すデータが含まれる。デザイナデータは、複数のデザイナについて、デザイナ情報、デフォルメ度合い、及び対象物の種類を示すデータの組み合わせを含む。
【0032】
デザイナ情報は、例えば、デザイナを特定するデータ、デザイナが過去に作成した3Dデータの作品画像、その他デザイナの特徴(例えば、経歴、スキル、個性等)を示すデータが含まれてもよい。
【0033】
図2及び図3は、デザイナデータの一例を示す図である。図2に示すテーブルでは、デザイナの識別子(デザイナID)、名前、対象物の種類、デフォルメ度合い、作品実績数、及び、代表作品画像へのアクセス情報が対応付けて記録される。図2において、対象物の種類は、デザイナが対応可能な対象物の種類を示す。図2において、デフォルメ度合いは、デザイナが受容可能なデフォルメ度合いを示す。デザイナID、名前、及び、作品実績数、代表作品画像へのアクセス情報は、デザイナ情報の例である。代表作品画像は、代表作品の3Dデータであってもよいし、3Dデータを2次元画像で表したものであってもよい。
【0034】
図3に示すテーブルでは、作品の識別子(作品ID)、デザイナID、対象物、デフォルメ度合い、ファイルの格納場所が対応付けて記録される。図3において、対象物は、作品IDで特定される作品の対象物である。図3において、デフォルメ度合いは、作品IDで特定される作品のデフォルメ度合いである。ファイルの格納場所は、作品IDで示される作品のファイルへアクセスするための情報である。作品ID、デザイナID、ファイルの格納場所、及び作品のファイルは、デザイナ情報を例である。作品のファイルは、作品である3Dデータであってもよいし、3Dデータを2次元画像で表したものであってもよい。
【0035】
例えば、デザイナデータは、図2のテーブル及び図3のテーブルの両方を含んでもよい。この例では、デザイナデータは、図2のようにデザイナIDに対応付けられたデフォルメ度合いと、図3のように作品IDに対応付けられたデフォルメ度合いを含む。デザイナIDに対応付けられたデフォルメ度合いは、デザイナ毎に記録されるデフォルメ度合いであり、例えば、デザイナが受容可能なデフォルメ度合いを示す。受容可能なデフォルメ度合いは、デザイナが3Dデータ作成において採用可能なデフォルメの度合いである。作品IDに対応付けられたデフォルメ度合いは、作品毎に記録されるデフォルメ度合いであり、例えば、作品で採用されたデフォルメの度合いを示す。このように、デザイナに対応するデフォルメ度合いと、作品に対応するデフォルメ度合いをデザイナデータに含ませることで、デフォルメの観点から、デザイナ及び作品の両方を抽出することができる。なお、デザイナデータは、デザイナ毎のデフォルメ度合いと、作品毎のデフォルメ度合いの少なくとも一方を含んでもよい。
【0036】
また、デザイナデータが、図2のテーブル及び図3のテーブルを含む場合、デザイナデータは、図2のようにデザイナIDに対応付けられた対象物の種類と、図3のように作品IDに対応付けられた対象物の種類を含む。デザイナIDに対応付けられた対象物の種類は、デザイナ毎に記録される対象物の種類であり、例えば、デザイナが3Dデータを作成可能な対象物の種類を示す。作品IDに対応付けられた対象物の種類は、作品毎に記録される対象物の種類であり、例えば、作品における対象物の種類を示す。このように、デザイナに対応する対象物の種類と、作品に対応する対象物の種類をデザイナデータに含ませることで、対象物の観点から、デザイナ及び作品の両方を抽出することができる。なお、デザイナデータは、デザイナ毎の対象物の種類と、作品毎の対象物の種類の少なくとも一方を含んでもよい。
【0037】
図2及び図3に示す例では、デフォルメ度合いを示す値は、数値である。デフォルメ度合いを示す値は、数値に限られず、例えば、大、中、小等、段階を示す値であってもよいし、範囲を表す値であってもよい。また、図2及び図3に示す例では、デフォルメ度合いを示す値は、1種類だけであるが、デザイナデータは、複数の項目のデフォルメ度合いを示す値を含んでもよい。例えば、デフォルメの対象部位や方向性によってデフォルメを複数の種類に分類できる。複数の種類それぞれに対してデフォルメ度合いの値が記録されてもよい。或いは、複数の対象物の種類のそれぞれに対して、デフォルメ度合いの値が記録されてもよい。
【0038】
再び、図1を参照し、検索部13は、ユーザから指定されたデフォルメ度合いを検索キーとして、デザイナデータに対して検索を実行する。具体的には、検索部13は、ユーザから指定されたデフォルメ度合いに対応するデフォルメ度合いの値に対応付けられたデザイナ情報を抽出する。例えば、検索部13は、ユーザから指定されたデフォルメ度合いに対応するデザイナデータのデフォルメ度合いの値を抽出し、抽出したデフォルメ度合いに対応付けられたデザイナ情報を抽出する。例えば、デザイナデータのデフォルメ度合いの値が、指定されたデフォルメ度合いの値に一致する場合に、対応するデフォルメ度合いの値と判断してもよい。又は、デザイナデータのデフォルメ度合いの値と、指定されたデフォルメ度合いの値を比較して対応するか否かを判断してもよい。
【0039】
検索部13は、デザイナ情報として、例えば、指定されたデフォルメ度合いに対応するデザイナを特定する情報、及び、指定されたデフォルメ度合いに対応する作品を特定する情報の少なくとも一方を抽出することができる。
【0040】
検索部13は、検索部13は、ユーザから指定されたデフォルメ度合いと指定された対象物の種類とを検索キーとして、デザイナデータに対して検索を実行してもよい。この場合、検索部13は、ユーザから指定された対象物の種類に対応付けられたデザイナ情報であって、且つ、ユーザから指定されたデフォルメの度合いに対応するデフォルメ度合いの値に対応付けられたデザイナ情報を抽出する。なお、検索部13は、デフォルメ度合い、対象物の種類、以外のものを検索キーとして、デザイナデータを検索してもよい。
【0041】
出力部14は、検索部13で抽出されたデザイナ情報をユーザに対して出力する。出力部14は、例えば、デザイナ情報を、ユーザ端末2に表示させる。出力形態は、表示に限られず、例えば、デザイナ情報のデータ送信、又はデータ保存等であってもよい。
【0042】
デザイナデータ更新部15は、デザイナから、デザイナ情報及びデフォルメの度合いを示す値の入力を受け付ける。例えば、デザイナデータ更新部15は、デザイナ端末3に、これらの入力を受け付ける画面を表示させる。デザイナ端末3を介して、これらの入力を受け付けることができる。デザイナデータ更新部15は、入力されたデザイナ情報及びデフォルメの度合いを示す値を対応付けて、記録部4のデザイナデータに含める。
【0043】
デザイナデータ更新部15は、例えば、デザイナが受容可能なデフォルメ度合いの入力を受け付けてもよい。この場合、デザイナデータ更新部15は、受け付けたデフォルメ度合いの値を、デザイナIDに対応付けて記録する。また、デザイナデータ更新部15は、デザイナが作成した作品を特定する情報と、この作品のデフォルメ度合いの入力を、デザイナから受け付けてもよい。この場合、デザイナデータ更新部15は、受け付けたデフォルメ度合いの値を、作品IDに対応付けて記録する。なお、デザイナデータ更新部15は、複数の項目について、デザイナが受容可能なデフォルメ度合いの入力を受け付けてもよい。
【0044】
また、デザイナデータ更新部15は、デザイナが3Dデータを作成可能な対象物の種類の入力をデザイナから受け付けてもよい。この場合、対象物の種類毎に、受容可能なデフォルメ度合いの入力を受け付けてもよい。また、デザイナデータ更新部15は、デザイナが作成した作品を特定する情報と、その作品の対象物の種類の入力をデザイナから受け付けてもよい。
【0045】
依頼部16は、ユーザ端末2から、3Dデータ作成の依頼を受け付け、デザイナ端末3へ依頼を送信する。依頼部16は、ユーザ端末2、依頼するデザイナの指定、及び、依頼するデフォルメ度合いの指定を受け付ける画面を表示させる。依頼部16は、ユーザ端末2で指定されたデザイナのデザイナ端末3へ、3Dデータ作成の依頼と、指定されたデフォルメ度合いを送信する。依頼部16は、上記画面において、出力部14がユーザに対して出力したデザイナ情報に対応するデザイナを、ユーザが依頼するデザイナとして指定可能としてもよい。また、依頼部16は、デフォルメ度合い受付部11がユーザから受け付けたデフォルメ度合いを、依頼するデフォルメ度合いとしてユーザが指定できるようにしてもよい。
【0046】
依頼部16は、ユーザ端末2から、ユーザが造形したい造形物を示す原案データを受け付けてもよい。この場合、依頼部16は、ユーザ端末2で入力された原案データを受信し、記録部4に記録することができる。原案データの形式は特に限定されないが、例えば、造形物を示す二次元画像(2Dデータ)、3次元データ、又は文章(テキスト)データ等とすることができる。依頼部16は、原案データをデザイナ端末3からアクセス可能とする。例えば、原案データにアクセスするための情報をデザイナ端末3へ提供することで、デザイナ端末3から原案データにアクセス可能とすることができる。原案データにアクセスするための情報は、例えば、原案データの格納場所を示す情報及び認証情報が含まれてもよい。或いは、依頼部16は、原案データをデザイナ端末3へ送信してもよい。
【0047】
3Dデータデザイナ検索システム10は、プロセッサとメモリを備えるコンピュータにより構成される。デフォルメ度合い受付部11、対象物受付部12、検索部13、出力部14、デザイナデータ更新部15、及び依頼部16の各機能部は、プロセッサが、プログラムを実行することで実現される。コンピュータに、各機能部の処理を実行させるプログラム、及び、そのようなプログラムを記録した非一時的(non-transitory)な記録媒体も、本発明の実施形態に含まれる。3Dデータデザイナ検索システム10は、複数のコンピュータによって構成されてもよい。記録部4は、3Dデータデザイナ検索システム10を構成するコンピュータからアクセス可能な記録装置により実現できる。図1に示す例では、3Dデータデザイナ検索システム10は、ネットワークNを介して記録部4にアクセス可能であるが、記録部4は、例えば、3Dデータデザイナ検索システム10を構成するコンピュータに内蔵される記録装置で構成されてもよい。また、3Dデータデザイナ検索システム10の少なくとも一部の機能は、ユーザ端末2又はデザイナ端末3を構成するコンピュータにより実現されてもよい。
【0048】
(動作例)
図4は、3Dデータデザイナ検索システム10の動作例を示すフローチャートである。図4に示す例では、デフォルメ度合い受付部11が、デフォルメ度合いの指定を、ユーザから受け付ける(ステップS1)。対象物受付部12が、対象物の種類の指定を、ユーザから受け付ける(ステップS2)。ステップS1、S2の順番は特に限定されない。例えば、3Dデータデザイナ検索システム10は、デフォルメ度合いと、対象物の種類を受け付ける画面を、ユーザ端末2に表示させる。
【0049】
図5は、デフォルメ度合いと、対象物の種類を受け付ける画面の例を示す図である。図5に示す画面G1は、対象物の種類を指定するための領域T1と、デフォルメ度合いを指定するための領域T2を含む。領域T1では、複数の対象物の種類のうち1つをユーザが選択可能となっている。また、領域T1には、複数の対象物の種類にはない種類を入力するためのテキスト入力領域も含まれる。領域T2では、デフォルメ度合いの複数の段階(一例として、大、中、小の3段階)のうち1つを選択可能となっている。
【0050】
図5に示す例では、画面G1において、ユーザが指定可能なデフォルメ度合いに対応する造形物のサンプル画像E1~E3が表示される。図5に示す例では、ユーザが選択可能なデフォルメ度合いの段階(大、中、小)のそれぞれについてサンプル画像が表示される。あるデフォルメ度合いに対応するサンプル画像は、そのデフォルメ度合いを採用して作成された3Dデータが表す造形物の画像とすることができる。サンプル画像は、ユーザによるデフォルメ度合いの指定を支援する。
【0051】
なお、指定可能なデフォルメ度合いに対応するサンプル画像の表示態様は、図5に示す例に限られない。例えば、デフォルメ度合いを、数値の入力又はスライダーバーにより指定可能なインタフェースを提供してもよい。この場合、ユーザの入力操作に応じたデフォルメ度合いに対応するサンプル画像を表示することができる。例えば、サンプル画像を、ユーザがデフォルメ度合いを指定する入力の操作に応じて、切り替えて表示することもできる。
【0052】
図5に示す画面G1は、デフォルメ度合いの詳細設定を選択するボタンB1と、検索の実行を指示するボタンB2を有する。ボタンB2が指定されると、画面G1でユーザ選択した対象物の種類とデフォルメ度合いを示すデータが、検索実行の要求とともに、3Dデータデザイナ検索システム10に送られる。ボタンB1が指定されると、デフォルメ度合いの詳細設定画面が表示される。図6は、その詳細設定画面の例を示す図である。
【0053】
図6に示す画面G2では、複数の項目についてデフォルメ度合いの指定を受け付ける。図6に示す例では、複数の対象部位(例えば、頭身バランス、目の形状、頬の形状等)についてデフォルメ度合いの指定を受け付ける。また、各対象部位において、1又は複数のデフォルメの方向性(例えば、キラキラ度、リアル度、大き目度等)についてデフォルメ度合いの指定を受け付ける。画面G2で、OKボタンB2が指定されると、画面G2で指定したデフォルメ度合いが確定し、画面G1に戻る。G2で指定したデフォルメ度合いの内容は、画面G1で表示されてもよい。
【0054】
再び、図4を参照し、ステップS3において、検索部13は、ユーザによって指定されたデフォルメ度合い及び対象物の種類に対応するデータを、デザイナデータから抽出する。一例として、検索部13は、デザイナデータから、ユーザによって指定されたデフォルメ度合いに対応するデフォルメ度合いの値を有し、且つ、ユーザによって指定された対象物の種類を有するデータを抽出する。さらに、検索部13は、抽出したデータに対応付けられたデザイナ情報を抽出する。
【0055】
一例として、図2に示すデザイナデータからデザイナ情報を抽出する場合の処理例を説明する。ユーザから指定された対象物の種類=人物であり、指定されたデフォルメ度合い=大である場合について説明する。この場合、検索部13は、図2に示すデザイナIDに対応付けられたデフォルメ度合いの値が4又は5のものを、指定されたデフォルメ度合いに対応するデータと判断できる。また、デザイナIDに対応付けられた対象物の種類に、人物を含むものが、指定された対象物の種類に対応するデータと判断される。図2に示す例では、デザイナID=0002、0003、0004のデータが抽出される。例えば、名前、デフォルメ度合い、及び作品実績数が、デザイナ情報として抽出される。抽出されたデザイナ情報は、出力部14によって、ユーザ端末2に表示される(図4のステップS4)。図7は、これらの抽出されたデザイナ情報を表示する画面の例である。図7に示す例では、抽出されたデザイナIDそれぞれのデザイナ情報が、デザイナごとに、区別可能な形式で表示される。なお、各デザイナについて、代表作品の画像が表示されてもよい。この場合、代表作品の画像には、代表作品の3Dデータ又は詳細な画像へのリンクが貼られていてもよい。
【0056】
他の例として、図2及び図3に示すデザイナデータからデザイナ情報を抽出する場合の処理例を説明する。ユーザから指定された対象物の種類=人物であり、指定されたデフォルメ度合い=大である場合について説明する。この場合、検索部13は、図3に示す作品IDに対応付けられたデフォルメ度合いの値が4又は5のものを、指定されたデフォルメ度合いに対応するデータと判断できる。また、作品IDに対応付けられた対象物の種類が人物であるものが、指定された対象物の種類に対応するデータと判断される。図3に示す例では、作品ID=0002、0004のデータが抽出される。検索部13は、抽出された作品IDに対応付けられたデザイナ情報の他、作品IDに対応付けられたデザイナIDにさらに対応付けたデザイナ情報を抽出することができる。例えば、作品を作成したデザイナの名前、作品の対象物の種類、作品のデフォルメ度合い、及び、作品の3Dデータを表す画像(又は画像へのアクセス情報)が、デザイナ情報として抽出される。抽出されたデザイナ情報は、出力部14によって、ユーザ端末2に表示される(図4のステップS4)。図8は、これらの抽出されたデザイナ情報を表示する画面の例である。図8に示す例では、抽出された作品IDそれぞれのデザイナ情報が、作品ごとに、区別可能な形式で表示される。各作品の表示レコードR4、R5には、デザイナ、対象物の種類、デフォルメ度合い及び、作品の3Dデータを表す画像(R41、R51)が含まれる。なお、作品の3Dデータを表す画像R41、R51には、作品の3Dデータ又は詳細な画像へのリンクが貼られていてもよい。
【0057】
図7に示す例では、ユーザが指定したデフォルメ度合いを受容可能なデザイナのレコードが検索結果として表示される。図8に示す例では、ユーザが指定したデフォルメ度合いで作成された作品のレコードが検索結果として表示される。図7及び図8に示す検索結果のいずれを結果として表示するかは、ユーザが選択可能としてもよい。
【0058】
なお、3Dデータデザイナ検索システム10の動作例は、図4に示す例に限られない。例えば、ステップS4の検索結果の出力の後に、ユーザから、3Dデータの作成依頼を受け付ける処理が実行されてもよい。一例として、図7に示す画面の各デザイナ又は、図8に示す画面の各作品に、ユーザが依頼を実行するためのボタン等のインタフェース部要素が対応付けられて表示されてもよい。この場合、ユーザは、デザイナ又は作品に対応するボタンを指定することにより、依頼するデザイナを指定することができる。ユーザがこのような依頼操作をした場合、依頼に必要な情報を入力するための依頼画面(図示略)が表示される。依頼画面では、例えば、ユーザから、デフォルト度合いの指定、及び、原案データの入力を受け付けることができる。なお、デザイナデータには、各デザイナのデザイナ端末3へのアクセス情報が含まれてもよい。依頼部16は、このアクセス情報を用いて、ユーザが指定したデザイナのデザイナ端末3へ、3Dデータの依頼を送信することができる。
【0059】
本実施形態では、3Dデータデザイナ検索システム10により、ユーザ及びデザイナの双方で漠然と持っていたデフォルメの概念をデータ化し、デフォルメの観点からデザイナを検索する仕組みが提供される。その結果、ユーザの要求又は好みに合ったデザイナを検索することが可能になる。
【0060】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られない。3Dデータデザイナ検索システム10の構成は、図1に示す例に限られない。例えば、図1において、デザイナデータ更新部15及び依頼部16の少なくとも1つを省略してもよい。また、3Dデータデザイナ検索システム10は、ユーザとデザイナをマッチングするシステム、又は、3Dプリンタを用いた3D造形の発注システムの一部であってもよい。
【符号の説明】
【0061】
10:3Dデータデザイナ検索システム、2:ユーザ端末、3:デザイナ端末、4:記録部、11:デフォルメ度合い受付部、12:対象物受付部、13:検索部、14:出力部、15:デザイナデータ更新部、16:依頼部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8