(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-26
(45)【発行日】2023-08-03
(54)【発明の名称】シート折畳装置およびシート折畳方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20230727BHJP
【ＦＩ】
H01L21/68 N
【請求項の数】
2
(21)【出願番号】P 2019211313
(22)【出願日】2019-11-22
(65)【公開番号】P2021082777
(43)【公開日】2021-05-27
【審査請求日】2022-09-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000102980
【氏名又は名称】リンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】弁理士法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】石原 崇
【審査官】渡井 高広
(56)【参考文献】
【文献】特開２０１７－１０７９４５（ＪＰ，Ａ）
【文献】特開２０１０－３７００９（ＪＰ，Ａ）
【文献】特開平２－９５６７３（ＪＰ，Ａ）
【文献】特開平５－３１９６７５（ＪＰ，Ａ）
【文献】米国特許出願公開第２００８／０３０２４８０（ＵＳ，Ａ１）
(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)
Ｈ０１Ｌ ２１／６８３
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
接着シートの一方の面が内側となるように当該接着シートを折り曲げ、当該接着シートに折曲シート部を形成する第１折曲手段と、前記接着シートにおける前記折曲シート部以外の他方の面側または一方の面側が内側となるように、当該接着シートを折り曲げる第２折曲手段と、
前記第２折曲手段で折り曲げた前記接着シートの他方の面同士または一方の面同士を当接させて圧着し、当該接着シートを折り畳む折畳手段とを備え、
前記第２折曲手段は、前記折曲シート部が前記接着シートの一方の面または他方の面に当接するように、当該接着シートを前記折曲シート部の位置で折り曲げ、
前記折畳手段は、前記折曲シート部内に前記接着シートの折畳基部を位置させ、少なくとも当該折畳基部の一端部と他端部とを圧着する圧着部材を備えていることを特徴とするシート折畳装置。
【請求項2】
接着シートの一方の面が内側となるように当該接着シートを折り曲げ、当該接着シートに折曲シート部を形成する第１折曲工程と、前記接着シートにおける前記折曲シート部以外の他方の面側または一方の面側が内側となるように当該接着シートを折り曲げる第２折曲工程と、
前記第２折曲工程で折り曲げた前記接着シートの他方の面同士または一方の面同士を当接させて圧着し、当該接着シートを折り畳む折畳工程とを実施し、
前記第２折曲工程では、前記折曲シート部が前記接着シートの一方の面または他方の面に当接するように当該接着シートを前記折曲シート部の位置で折り曲げ、
前記折畳工程では、前記折曲シート部内に前記接着シートの折畳基部を位置させ、少なくとも当該折畳基部の一端部と他端部とを圧着部材で圧着することを特徴とするシート折畳方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート折畳装置およびシート折畳方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、接着シートを折り畳む装置が知られている（例えば、特許文献１参照）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開２０１７－１０７９４５号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献１に記載されたシート剥離装置１０（シート折畳装置）では、上チャック部材４１Ｆおよび下チャック部材４１Ｌ（圧着部材）で接着シートＡＳ（接着シート）の屈曲部ＡＳ１（折畳基部）を圧着する場合、当該折畳基部の稜線が長い分、圧着部材も大きくしなければならず、装置が大型化するという不都合がある。
【0005】
本発明の目的は、装置が大型化することを防止することができるシート折畳装置およびシート折畳方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、請求項に記載した構成を採用した。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、接着シートに形成した折曲シート部が接着シートの一方の面または他方の面に当接するように当該接着シートを折曲シート部の位置で折り曲げ、折曲シート部内に接着シートの折畳基部を位置させ、少なくとも当該折畳基部の一端部と他端部とを圧着部材で圧着するので、装置が大型化することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態に係るシート折畳装置を備えたシート剥離装置の説明図。
【図2】シート剥離装置の動作説明図。
【図3】（Ａ）～（Ｄ）は、シート剥離装置の動作説明図。（Ｅ）は、本発明の変形例の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、本実施形態におけるＸ軸、Ｙ軸、Ｚ軸は、それぞれが直交する関係にあり、Ｘ軸およびＹ軸は、所定平面内の軸とし、Ｚ軸は、前記所定平面に直交する軸とする。さらに、本実施形態では、Ｙ軸と平行な図１の手前方向から観た場合を基準とし、方向を示した場合、「上」がＺ軸の矢印方向で「下」がその逆方向、「左」がＸ軸の矢印方向で「右」がその逆方向、「前」がＹ軸と平行な図１中手前方向で「後」がその逆方向とする。
なお、本実施形態におけるＸ軸、Ｙ軸、Ｚ軸は、それぞれが直交する関係にあり、Ｘ軸およびＹ軸は、所定平面内の軸とし、Ｚ軸は、前記所定平面に直交する軸とする。さらに、本実施形態では、Ｙ軸と平行な図１の手前方向から観た場合を基準とし、方向を示した場合、「上」がＺ軸の矢印方向で「下」がその逆方向、「左」がＸ軸の矢印方向で「右」がその逆方向、「前」がＹ軸と平行な図１中手前方向で「後」がその逆方向とする。
【0010】
シート折畳装置ＥＡは、接着シートＡＳの一方の面ＡＳ１が内側となるように当該接着シートＡＳを折り曲げ、当該接着シートＡＳに折曲シート部ＡＳ２（図２（Ｃ）参照）を形成する第１折曲手段１０と、接着シートＡＳにおける折曲シート部ＡＳ２以外の他方の面ＡＳ３側が内側となるように、当該接着シートＡＳを折り曲げる第２折曲手段２０と、第２折曲手段２０で折り曲げた接着シートＡＳの他方の面ＡＳ３同士を当接させて圧着し、当該接着シートＡＳを折り畳む折畳手段３０とを備え、被着体ＷＫに貼付された接着シートＡＳを被着体ＷＫから剥離する剥離手段４０と、被着体ＷＫを支持する被着体支持手段５０と、折り畳まれた接着シートＡＳを廃棄する廃棄手段６０とでシート剥離装置ＥＡ１が構成されている。なお、接着シートＡＳおよび被着体ＷＫは、図１の状態において、左右方向両端部および前後方向両端部を頂点とする矩形状に形成されている。
【0011】
第１折曲手段１０は、空気やガス等の気体を吹き出す吹出管やノズル等の吹出部材１１と、配管１２Ａを介して吹出部材１１に接続され、当該吹出部材１１に気体を供給する加圧ポンプやタービン等の気体供給手段１２とを備えている。
【0012】
第２折曲手段２０は、駆動機器としてのリニアモータ２１と、そのスライダ２１Ａに回転可能に支持された当接ローラ２２を備え、折曲シート部ＡＳ２が接着シートＡＳの一方の面ＡＳ１に当接するように、当該接着シートＡＳを折曲シート部ＡＳ２の位置で折り曲げる構成となっている。なお、吹出部材１１は、スライダ２１Ａに支持されたブラケット１１Ａを介して前後方向に２体並設されている。
【0013】
折畳手段３０は、駆動機器としてのリニアモータ３１のスライダ３１Ａに支持された支持フレーム３２と、支持フレーム３２に支持された駆動機器としての直動モータ３３と、折曲シート部ＡＳ２内に接着シートＡＳの折畳基部ＡＳ４（図３（Ｂ）参照）を位置させ、少なくとも当該折畳基部ＡＳ４の一端部ＡＳ５と他端部ＡＳ６（図３（Ｄ）参照）とを圧着する圧着部材としての上チャック部材３４および下チャック部材３５とを備えている。
上チャック部材３４は、直動モータ３３の出力軸３３Ａに支持され、下チャック部材３５は、支持フレーム３２の下部に支持されている。
上チャック部材３４は、直動モータ３３の出力軸３３Ａに支持され、下チャック部材３５は、支持フレーム３２の下部に支持されている。
【0014】
剥離手段４０は、感熱接着性の剥離用テープＰＴを繰り出す繰出手段４１と、剥離用テープＰＴを接着シートＡＳに押圧して貼付する押圧手段４２と、剥離用テープＰＴを切断する切断手段４３と、剥離用テープＰＴが貼付された接着シートＡＳを案内する案内手段４４とを備えている。
繰出手段４１は、回転軸４１Ａを中心に回転可能な回転アーム４１Ｂに支持され、剥離用テープＰＴを支持する支持ローラ４１Ｃと、駆動機器としての回動モータ４１Ｄの図示しない出力軸に支持された駆動ローラ４１Ｅと、回転アーム４１Ｂを駆動ローラ４１Ｅ方向に付勢する付勢手段としてのばね４１Ｆと、駆動機器としての直動モータ４１Ｇの出力軸４１Ｈに支持された収容手段４１Ｊと、収容手段４１Ｊ内に収容され、収容手段４１Ｊの底面である吸着面４１Ｋに形成された吸引孔４１Ｌを介して剥離用テープＰＴを吸引する減圧ポンプや真空エジェクタ等の吸引手段４１Ｍと、駆動機器としての直動モータ４１Ｎの出力軸４１Ｐに支持され、剥離用テープＰＴを吸着面４１Ｋに当接させる補助ローラ４１Ｑとを備えている。
押圧手段４２は、収容手段４１Ｊ内に収容された駆動機器としてのリニアモータ４２Ａと、リニアモータ４２Ａのスライダ４２Ｂに支持され、収容手段４１Ｊの底面から突没可能に設けられた押圧ヘッド４２Ｃと、押圧ヘッド４２Ｃに設けられたコイルヒータやヒートパイプの加熱側等の加熱手段４２Ｄとを備えている。
切断手段４３は、収容手段４１Ｊ内に収容された駆動機器としてのリニアモータ４３Ａと、リニアモータ４３Ａのスライダ４３Ｂに支持され、収容手段４１Ｊの底面から突没可能に設けられた切断刃４３Ｃとを備えている。
案内手段４４は、駆動機器としてのリニアモータ４４Ａと、リニアモータ４４Ａのスライダ４４Ｂに支持された駆動機器としての回動モータ４４Ｃと、回動モータ４４Ｃの図示しない出力軸に支持された押え付けローラ４４Ｄと、駆動機器としての直動モータ４４Ｅの出力軸４４Ｆに支持された支持部材４４Ｇと、支持部材４４Ｇに回転可能に支持されたピンチローラ４４Ｈと、支持部材４４Ｇに支持され、その上面に切断刃４３Ｃの進入を受容する溝４４Ｊが形成されたシート支持部材４４Ｋとを備えている。
繰出手段４１は、回転軸４１Ａを中心に回転可能な回転アーム４１Ｂに支持され、剥離用テープＰＴを支持する支持ローラ４１Ｃと、駆動機器としての回動モータ４１Ｄの図示しない出力軸に支持された駆動ローラ４１Ｅと、回転アーム４１Ｂを駆動ローラ４１Ｅ方向に付勢する付勢手段としてのばね４１Ｆと、駆動機器としての直動モータ４１Ｇの出力軸４１Ｈに支持された収容手段４１Ｊと、収容手段４１Ｊ内に収容され、収容手段４１Ｊの底面である吸着面４１Ｋに形成された吸引孔４１Ｌを介して剥離用テープＰＴを吸引する減圧ポンプや真空エジェクタ等の吸引手段４１Ｍと、駆動機器としての直動モータ４１Ｎの出力軸４１Ｐに支持され、剥離用テープＰＴを吸着面４１Ｋに当接させる補助ローラ４１Ｑとを備えている。
押圧手段４２は、収容手段４１Ｊ内に収容された駆動機器としてのリニアモータ４２Ａと、リニアモータ４２Ａのスライダ４２Ｂに支持され、収容手段４１Ｊの底面から突没可能に設けられた押圧ヘッド４２Ｃと、押圧ヘッド４２Ｃに設けられたコイルヒータやヒートパイプの加熱側等の加熱手段４２Ｄとを備えている。
切断手段４３は、収容手段４１Ｊ内に収容された駆動機器としてのリニアモータ４３Ａと、リニアモータ４３Ａのスライダ４３Ｂに支持され、収容手段４１Ｊの底面から突没可能に設けられた切断刃４３Ｃとを備えている。
案内手段４４は、駆動機器としてのリニアモータ４４Ａと、リニアモータ４４Ａのスライダ４４Ｂに支持された駆動機器としての回動モータ４４Ｃと、回動モータ４４Ｃの図示しない出力軸に支持された押え付けローラ４４Ｄと、駆動機器としての直動モータ４４Ｅの出力軸４４Ｆに支持された支持部材４４Ｇと、支持部材４４Ｇに回転可能に支持されたピンチローラ４４Ｈと、支持部材４４Ｇに支持され、その上面に切断刃４３Ｃの進入を受容する溝４４Ｊが形成されたシート支持部材４４Ｋとを備えている。
【0015】
被着体支持手段５０は、駆動機器としてのリニアモータ５１と、リニアモータ５１のスライダ５１Ａに支持され、減圧ポンプや真空エジェクタ等の図示しない減圧手段によって吸着保持が可能な支持面５２Ａを有するテーブル５２とを備えている。
【0016】
廃棄手段６０は、被着体ＷＫから剥離した接着シートＡＳを回収する回収箱６１を備えている。
【0017】
以上のシート折畳装置ＥＡを備えたシート剥離装置ＥＡ１の動作を説明する。
先ず、図１中実線で示す初期位置に各部材が配置されたシート剥離装置ＥＡ１に対し、当該シート剥離装置ＥＡ１の使用者（以下、単に「使用者」という）が同図のように剥離用テープＰＴをセットした後、図示しない操作パネルやパーソナルコンピュータ等の入力手段を介して自動運転開始の信号を入力する。すると、剥離手段４０が吸引手段４１Ｍを駆動し、吸着面４１Ｋでの剥離用テープＰＴの吸着保持を開始する。
先ず、図１中実線で示す初期位置に各部材が配置されたシート剥離装置ＥＡ１に対し、当該シート剥離装置ＥＡ１の使用者（以下、単に「使用者」という）が同図のように剥離用テープＰＴをセットした後、図示しない操作パネルやパーソナルコンピュータ等の入力手段を介して自動運転開始の信号を入力する。すると、剥離手段４０が吸引手段４１Ｍを駆動し、吸着面４１Ｋでの剥離用テープＰＴの吸着保持を開始する。
【0018】
次いで、使用者または、多関節ロボットやベルトコンベア等の図示しない搬送手段が、図１中実線で示すように、接着シートＡＳが貼付された被着体ＷＫを支持面５２Ａ上の所定の位置に載置すると、被着体支持手段５０が図示しない減圧手段を駆動し、支持面５２Ａでの被着体ＷＫの吸着保持を開始する。その後、被着体支持手段５０がリニアモータ５１を駆動し、テーブル５２を右方に移動させ、図１中二点鎖線で示すように、接着シートＡＳの一方の外周部ＡＳ７が押圧ヘッド４２Ｃの直下に位置した時点で、リニアモータ５１の駆動を停止する。次に、剥離手段４０が直動モータ４１Ｎを駆動し、図１中二点鎖線で示すように、補助ローラ４１Ｑを収容手段４１Ｊの下方から退避させた後、回動モータ４１Ｄおよび直動モータ４１Ｇを駆動し、剥離用テープＰＴを繰り出しながら、収容手段４１Ｊを接着シートＡＳの直上の所定位置まで下降させる。そして、剥離手段４０が加熱手段４２Ｄおよびリニアモータ４２Ａを駆動し、図２（Ａ）に示すように、加熱された押圧ヘッド４２Ｃを下降させ、接着シートＡＳの外周部ＡＳ７に剥離用テープＰＴを押圧して貼付する。
【0019】
接着シートＡＳへの剥離用テープＰＴの貼付が完了すると、剥離手段４０が吸引手段４１Ｍの駆動を停止するとともに、リニアモータ４２Ａおよび直動モータ４１Ｇを駆動し、押圧ヘッド４２Ｃおよび収容手段４１Ｊを初期位置に復帰させる。次いで、剥離手段４０が直動モータ４４Ｅを駆動し、ピンチローラ４４Ｈと押え付けローラ４４Ｄとで剥離用テープＰＴを所定の押圧力で挟み込む。その後、被着体支持手段５０がリニアモータ５１を駆動し、テーブル５２を左方に移動させ、当該接着シートＡＳの外周部ＡＳ７を押え付けローラ４４Ｄの最下部の直下に位置させる。次に、剥離手段４０が回動モータ４１Ｄを駆動し、剥離用テープＰＴを所定長さ巻き取るとともに、リニアモータ４４Ａを駆動し、図２（Ｂ）に示すように、押え付けローラ４４Ｄの最下部で剥離用テープＰＴを折り曲げながらその折り曲げ部を押圧する。そして、剥離手段４０および被着体支持手段５０が回動モータ４４Ｃおよびリニアモータ５１を駆動し、テーブル５２を左方に移動させながら、押え付けローラ４４Ｄを反時計回転方向に回転させるとともに、第２折曲手段２０がリニアモータ２１を駆動し、当接ローラ２２を剥離用テープＰＴや接着シートＡＳに当接させつつ右方に移動させる。これにより、接着シートＡＳは、剥離用テープＰＴに続いて接着シートＡＳが押え付けローラ４４Ｄの最下部で押え付けられながら被着体ＷＫから剥離され、当接ローラ２２によって他方の面ＡＳ３側が内側となるように折り曲げられる。この際、第１折曲手段１０が気体供給手段１２を駆動し、吹出部材１１から接着シートＡＳの前後方向両端部に気体を吹き付けることで、図２（Ｃ）に示すように、接着シートＡＳの一方の面ＡＳ１が内側となるように当該接着シートＡＳを折り曲げ、当該接着シートＡＳに折曲シート部ＡＳ２を形成する。
【0020】
被着体ＷＫから接着シートＡＳ全体が剥離されると、第２折曲手段２０、剥離手段４０および被着体支持手段５０がリニアモータ２１、回動モータ４４Ｃおよびリニアモータ５１の駆動を停止し、押え付けローラ４４Ｄとピンチローラ４４Ｈとで接着シートＡＳの他方の外周部ＡＳ８を挟み込んだ状態で、回動モータ４４Ｃの回転をロックさせる。次いで、剥離手段４０および第２折曲手段２０が回動モータ４１Ｄおよびリニアモータ２１を駆動し、当接ローラ２２を左右方向に移動させるとともに、剥離用テープＰＴを繰り出したり巻き取ったりして、当該剥離用テープＰＴにおける接着シートＡＳの外周部ＡＳ７付近の領域を切断刃４３Ｃの直下に位置させる。その後、剥離手段４０が回動モータ４１Ｄの回転をロックさせた状態で、第２折曲手段２０および剥離手段４０がリニアモータ２１および回動モータ４４Ｃを駆動し、押え付けローラ４４Ｄとピンチローラ４４Ｈとの間から接着シートＡＳの他方の外周部ＡＳ８を脱出させ、図３（Ａ）に示すように、接着シートＡＳの一方の外周部ＡＳ７と他方の外周部ＡＳ８との位置合わせを行う。この際、接着シートＡＳの折曲シート部ＡＳ２が当接ローラ２２に到達し、当接ローラ２２によって接着シートＡＳが折曲シート部ＡＳ２の位置で他方の面ＡＳ３側に折り曲げられると、図３（Ａ）に示すように、折曲シート部ＡＳ２が一方の面ＡＳ１側に捲れ上がって当該一方の面ＡＳ１に当接する。次に、第１折曲手段１０が気体供給手段１２の駆動を停止するともに、折畳手段３０がリニアモータ３１および直動モータ３３を駆動し、上チャック部材３４および下チャック部材３５を図３（Ａ）に示す位置に移動させた後、第２折曲手段２０がリニアモータ２１を駆動し、当接ローラ２２を初期位置に復帰させる。
【0021】
そして、折畳手段３０が直動モータ３３を駆動し、図３（Ｂ）に示すように、上チャック部材３４を下降させ、折曲シート部ＡＳ２内に接着シートＡＳの折畳基部ＡＳ４が位置するように、当該折畳基部ＡＳ４全域を圧着して接着シートＡＳを折り畳む。また、剥離手段４０が直動モータ４１Ｇを駆動し、収容手段４１Ｊを下降させ、接着シートＡＳの一方の外周部ＡＳ７と他方の外周部ＡＳ８とを圧着する。次いで、剥離手段４０が吸引手段４１Ｍを駆動し、吸着面４１Ｋで剥離用テープＰＴを吸着保持した後、リニアモータ４３Ａを駆動し、切断刃４３Ｃを下降させ、剥離用テープＰＴを切断する。その後、剥離手段４０が直動モータ４１Ｇおよびリニアモータ４３Ａを駆動し、収容手段４１Ｊおよび切断刃４３Ｃを初期位置に復帰させた後、直動モータ４１Ｎを駆動し、補助ローラ４１Ｑを初期位置に復帰させる。次に、折畳手段３０がリニアモータ３１および直動モータ３３を駆動し、上チャック部材３４および下チャック部材３５を初期位置に復帰させ、図３（Ｃ）、（Ｄ）に示すように、接着シートＡＳを自重によって落下させて当該接着シートＡＳを回収箱６１に廃棄する。そして、使用者または図示しない搬送手段がテーブル５２上の被着体ＷＫを次工程に搬送すると、各手段がそれぞれの駆動機器を駆動し、各部材を初期位置に復帰させ、以降同様の動作が繰り返される。
【0022】
以上のような実施形態によれば、接着シートＡＳに形成した折曲シート部ＡＳ２が接着シートＡＳの一方の面ＡＳ１に当接するように当該接着シートＡＳを折曲シート部ＡＳ２の位置で折り曲げ、折曲シート部ＡＳ２内に接着シートＡＳの折畳基部ＡＳ４を位置させ、少なくとも当該折畳基部ＡＳ４の一端部ＡＳ５と他端部ＡＳ６とを上チャック部材３４および下チャック部材３５で圧着するので、装置が大型化することを防止することができる。
【0023】
以上のように、本発明を実施するための最良の構成、方法等は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。また、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれる。
【0024】
例えば、第１折曲手段１０は、吹出部材１１および気体供給手段１２に代えてまたは併用して、ブレード材や棒状部材等の当接部材で接着シートＡＳを折り曲げて折曲シート部ＡＳ２を形成してもよいし、減圧ポンプや真空エジェクタ等の吸引力付与手段に接続された吸引ノズル等の吸引手段を備え、吸引手段で接着シートＡＳを吸引することで接着シートＡＳを折り曲げて折曲シート部ＡＳ２を形成してもよいし、ＹＺ平面内にある接着シートＡＳを右方や左方へ折り曲げて折曲シート部ＡＳ２を形成してもよいし、リニアモータ２１の他のスライダで吹出部材１１を支持して当該吹出部材１１を左右に移動させてもよいし、リニアモータ２１と別体に設けた他の駆動機器で吹出部材１１を左右方向および前後方向の少なとも一方の方向に移動させてもよいし、ブラケット１１Ａを駆動機器で伸び縮みさせて吹出部材１１を移動させてもよいし、駆動機器によって移動されなくてもよいし、単一または３体以上の吹出部材１１で折曲シート部ＡＳ２を形成してもよいし、シート支持部材４４Ｋ上で接着シートＡＳを支持しただけで、当該接着シートＡＳの前後両端部が自重で垂れ下がり、折曲シート部ＡＳ２が形成できる場合、吹出部材１１および気体供給手段１２に代えてまたは併用してシート支持部材４４Ｋを第１折曲手段１０としてもよいし、図３（Ｅ）に示すように、第２折曲手段２０で折曲シート部ＡＳ２を接着シートＡＳの一方の面ＡＳ１に当接するように折り曲げた際、相互に重なるような大きさの折曲シート部ＡＳ２を形成してもよいし、接着シートＡＳの前方部分のみに折曲シート部ＡＳ２を形成してもよいし、接着シートＡＳの後方部分のみに折曲シート部ＡＳ２を形成してもよいし、接着シートＡＳを真半分に折り畳めるような折曲シート部ＡＳ２を形成してもよいし、接着シートＡＳの前方部分や後方部分を２度折り、３度折りまたはそれ以上折り曲げて折曲シート部ＡＳ２を形成してもよい。
【0025】
第２折曲手段２０は、接着シートＡＳにおける折曲シート部ＡＳ２以外の一方の面ＡＳ１側が内側となるように当該接着シートＡＳを折り曲げるとともに、当該折曲シート部ＡＳ２が接着シートＡＳの一方の面ＡＳ１に当接するように当該接着シートＡＳを折り曲げてよいし、当接ローラ２２に代えてまたは併用して、棒状部材や板状部材等の折返部材やエアの吹き付けで接着シートＡＳを折り曲げる構成を採用してもよい。
【0026】
折畳手段３０は、第２折曲手段２０で折り曲げた接着シートＡＳの一方の面ＡＳ１同士を当接させて圧着してもよいし、上チャック部材３４および下チャック部材３５に代えてまたは併用して、ローラ等の他の圧着部材を採用してもよいし、折畳基部ＡＳ４における一端部ＡＳ５と他端部ＡＳ６とを除く中央部を圧着しなくてもよいし、上チャック部材３４および下チャック部材３５の少なくとも一方に接着シートＡＳを保持する保持手段を備えてもよく、このような保持手段は、例えば、接着シートＡＳを吸着保持したり、針や突起物などの貫通部材を当該接着シートＡＳに貫通させたりして接着シートＡＳを保持するもの等、どのようなものでもよい。
【0027】
剥離手段４０は、枚葉の剥離用テープを接着シートＡＳに貼付する構成でもよいし、剥離用テープＰＴを介することなく、駆動機器や吸着保持等で接着シートＡＳを直接保持して剥離してもよいし、回動モータ４１Ｄの駆動、回動モータ４４Ｃの駆動およびリニアモータ５１の駆動のうち、少なくとも１つの駆動で接着シートＡＳを剥離してもよいし、接着シートＡＳを折り畳む際、収容手段４１Ｊおよびシート支持部材４４Ｋで接着シートＡＳを圧着しなくてもよいし、本発明のシート折畳装置ＥＡやシート剥離装置ＥＡ１に備わっていてもよいし、備わっていなくてもよいし、他の装置で剥離用テープＰＴが接着シートＡＳに貼付されている場合、繰出手段４１、押圧手段４２および切断手段４３が備わっていなくてもよい。
繰出手段４１は、付勢手段としてばね４１Ｆに代えてまたは併用して、ゴム、樹脂等の弾性部材、駆動機器や、駆動ローラ４１Ｅとで剥離用テープＰＴを挟み込むピンチローラを採用してもよいし、補助ローラ４１Ｑに代えてまたは併用して、棒状部材、板状部材、エアの吹き付けで剥離用テープＰＴを吸着面４１Ｋに当接させる構成を採用してもよいし、剥離用テープＰＴを吸引手段４１Ｍのみで保持可能であれば、補助ローラ４１Ｑを備えていなくてもよいし、回転アーム４１Ｂを駆動ローラ４１Ｅ方向に付勢することなく剥離用テープＰＴを支持してもよく、この場合、駆動ローラ４１Ｅとで剥離用テープＰＴを挟み込むピンチローラ等を採用すればよい。
押圧手段４２は、収容手段４１Ｊに収容されていなくてもよいし、剥離用テープＰＴとして感圧接着性のものが採用された場合、加熱手段４２Ｄがあってもよいし、なくてもよい。
切断手段４３は、収容手段４１Ｊに収容されていなくてもよいし、他の装置で剥離用テープＰＴを切断する場合、なくてもよい。
案内手段４４は、接着シートＡＳにおける被着体ＷＫから剥離された領域を被着体ＷＫに貼付されている領域に接触するように押え付けてもよいし、接触しないように押え付けてもよいし、接着シートＡＳの左端部、中間部、右端部等、どの位置で接着シートＡＳを押え付けてもよいし、押え付けローラ４４Ｄの最下部以外の位置で接着シートＡＳの折り曲げ部を押え付けてもよいし、ピンチローラ４４Ｈに代えてまたは併用して、板状部材やエアの吹き付け等で押え付けローラ４４Ｄとで剥離用テープＰＴ等を挟み込んでもよいし、直動モータ４４Ｅ以外の駆動機器でシート支持部材４４Ｋを移動させてもよいし、シート支持部材４４Ｋに溝４４Ｊが設けられていなくてもよい。
繰出手段４１は、付勢手段としてばね４１Ｆに代えてまたは併用して、ゴム、樹脂等の弾性部材、駆動機器や、駆動ローラ４１Ｅとで剥離用テープＰＴを挟み込むピンチローラを採用してもよいし、補助ローラ４１Ｑに代えてまたは併用して、棒状部材、板状部材、エアの吹き付けで剥離用テープＰＴを吸着面４１Ｋに当接させる構成を採用してもよいし、剥離用テープＰＴを吸引手段４１Ｍのみで保持可能であれば、補助ローラ４１Ｑを備えていなくてもよいし、回転アーム４１Ｂを駆動ローラ４１Ｅ方向に付勢することなく剥離用テープＰＴを支持してもよく、この場合、駆動ローラ４１Ｅとで剥離用テープＰＴを挟み込むピンチローラ等を採用すればよい。
押圧手段４２は、収容手段４１Ｊに収容されていなくてもよいし、剥離用テープＰＴとして感圧接着性のものが採用された場合、加熱手段４２Ｄがあってもよいし、なくてもよい。
切断手段４３は、収容手段４１Ｊに収容されていなくてもよいし、他の装置で剥離用テープＰＴを切断する場合、なくてもよい。
案内手段４４は、接着シートＡＳにおける被着体ＷＫから剥離された領域を被着体ＷＫに貼付されている領域に接触するように押え付けてもよいし、接触しないように押え付けてもよいし、接着シートＡＳの左端部、中間部、右端部等、どの位置で接着シートＡＳを押え付けてもよいし、押え付けローラ４４Ｄの最下部以外の位置で接着シートＡＳの折り曲げ部を押え付けてもよいし、ピンチローラ４４Ｈに代えてまたは併用して、板状部材やエアの吹き付け等で押え付けローラ４４Ｄとで剥離用テープＰＴ等を挟み込んでもよいし、直動モータ４４Ｅ以外の駆動機器でシート支持部材４４Ｋを移動させてもよいし、シート支持部材４４Ｋに溝４４Ｊが設けられていなくてもよい。
【0028】
被着体支持手段５０は、被着体ＷＫを移動させずにまたは移動させつつ、剥離用テープＰＴを移動させてもよいし、リニアモータ５１に代えてまたは併用して、多関節ロボット等の他の駆動機器で被着体ＷＫと剥離用テープＰＴとを移動させてよいし、本発明のシート折畳装置ＥＡやシート剥離装置ＥＡ１に備わっていてもよいし、備わっていなくてもよい。
【0029】
廃棄手段６０は、廃棄された接着シートＡＳを細断するシュレッダ等の細断手段を備えていてもよい。
【0030】
以上の説明では、一方の面ＡＳ１が被着体ＷＫに接着していなかった面とし、他方の面ＡＳ３が被着体ＷＫに接着していた面としたが、一方の面ＡＳ１が被着体ＷＫに接着していた面とし、他方の面ＡＳ３が被着体ＷＫに接着していなかった面としてもよい。
接着シートＡＳ、剥離用テープＰＴおよび被着体ＷＫの材質、種別、形状等は、特に限定されることはない。例えば、接着シートＡＳ、剥離用テープＰＴおよび被着体ＷＫは、円形、楕円形、三角形や四角形等の多角形、その他の形状であってもよいし、接着シートＡＳおよび剥離用テープＰＴは、感圧接着性、感熱接着性等の接着形態のものであってもよい。また、このような接着シートＡＳや剥離用テープＰＴは、例えば、接着剤層だけの単層のもの、基材シートと接着剤層との間に中間層を有するもの、基材シートの上面にカバー層を有する等３層以上のもの、更には、基材シートを接着剤層から剥離することのできる所謂両面接着シートのようなものであってもよく、両面接着シートは、単層又は複層の中間層を有するものや、中間層のない単層又は複層のものであってよい。また、被着体ＷＫとしては、例えば、食品、樹脂容器、シリコン半導体ウエハや化合物半導体ウエハ等の半導体ウエハ、回路基板、光ディスク等の情報記録基板、ガラス板、鋼板、陶器、木板または樹脂板等、任意の形態の部材や物品なども対象とすることができる。なお、接着シートＡＳを機能的、用途的な読み方に換え、例えば、情報記載用ラベル、装飾用ラベル、保護シート、ダイシングテープ、ダイアタッチフィルム、ダイボンディングテープ、記録層形成樹脂シート等の任意の形状の任意のシート、フィルム、テープ等を前述のような任意の被着体ＷＫに貼付することができる。
接着シートＡＳ、剥離用テープＰＴおよび被着体ＷＫの材質、種別、形状等は、特に限定されることはない。例えば、接着シートＡＳ、剥離用テープＰＴおよび被着体ＷＫは、円形、楕円形、三角形や四角形等の多角形、その他の形状であってもよいし、接着シートＡＳおよび剥離用テープＰＴは、感圧接着性、感熱接着性等の接着形態のものであってもよい。また、このような接着シートＡＳや剥離用テープＰＴは、例えば、接着剤層だけの単層のもの、基材シートと接着剤層との間に中間層を有するもの、基材シートの上面にカバー層を有する等３層以上のもの、更には、基材シートを接着剤層から剥離することのできる所謂両面接着シートのようなものであってもよく、両面接着シートは、単層又は複層の中間層を有するものや、中間層のない単層又は複層のものであってよい。また、被着体ＷＫとしては、例えば、食品、樹脂容器、シリコン半導体ウエハや化合物半導体ウエハ等の半導体ウエハ、回路基板、光ディスク等の情報記録基板、ガラス板、鋼板、陶器、木板または樹脂板等、任意の形態の部材や物品なども対象とすることができる。なお、接着シートＡＳを機能的、用途的な読み方に換え、例えば、情報記載用ラベル、装飾用ラベル、保護シート、ダイシングテープ、ダイアタッチフィルム、ダイボンディングテープ、記録層形成樹脂シート等の任意の形状の任意のシート、フィルム、テープ等を前述のような任意の被着体ＷＫに貼付することができる。
【0031】
本発明における手段および工程は、それら手段および工程について説明した動作、機能または工程を果たすことができる限りなんら限定されることはなく、まして、前記実施形態で示した単なる一実施形態の構成物や工程に全く限定されることはない。例えば、第１折曲手段は、接着シートの一方の面が内側となるように当該接着シートを折り曲げ、当該接着シートに折曲シート部を形成するものであれば、出願当初の技術常識に照らし合わせ、その技術範囲内のものであればなんら限定されることはない（他の手段および工程についての説明は省略する）。
また、前記実施形態における駆動機器は、回動モータ、直動モータ、リニアモータ、単軸ロボット、多関節ロボット等の電動機器、エアシリンダ、油圧シリンダ、ロッドレスシリンダおよびロータリシリンダ等のアクチュエータ等を採用することができる上、それらを直接的又は間接的に組み合せたものを採用することもできる（実施形態で例示したものと重複するものもある）。
前記実施形態において、ローラ等の回転部材が採用されている場合、当該回転部材を回転駆動させる駆動機器を備えてもよいし、回転部材の表面や回転部材自体をゴムや樹脂等の変形可能な部材で構成してもよいし、回転部材の表面や回転部材自体を変形しない部材で構成してもよいし、ローラの代わりに回転するまたは回転しないシャフトやブレード等の他の部材を採用してもよいし、押圧ローラや押圧ヘッド等の押圧手段や押圧部材といった被押圧物を押圧するものが採用されている場合、上記で例示したものに代えてまたは併用して、ローラ、丸棒、ブレード材、ゴム、樹脂、スポンジ等の部材を採用したり、大気やガス等の気体の吹き付けにより押圧する構成を採用したりしてもよいし、押圧するものをゴムや樹脂等の変形可能な部材で構成してもよいし、変形しない部材で構成してもよいし、支持（保持）手段や支持（保持）部材等の被支持部材（被保持部材）を支持（保持）するものが採用されている場合、メカチャックやチャックシリンダ等の把持手段、クーロン力、接着剤（接着シート、接着テープ）、粘着剤（粘着シート、粘着テープ）、磁力、ベルヌーイ吸着、吸引吸着、駆動機器等で被支持部材を支持（保持）する構成を採用してもよいし、切断手段や切断部材等の被切断部材を切断または、被切断部材に切込や切断線を形成するものが採用されている場合、上記で例示したものに代えてまたは併用して、カッター刃、レーザカッタ、イオンビーム、火力、熱、水圧、電熱線、気体や液体等の吹付け等で切断するものを採用したり、適宜な駆動機器を組み合わせたもので切断するものを移動させて切断するようにしてもよい。
また、前記実施形態における駆動機器は、回動モータ、直動モータ、リニアモータ、単軸ロボット、多関節ロボット等の電動機器、エアシリンダ、油圧シリンダ、ロッドレスシリンダおよびロータリシリンダ等のアクチュエータ等を採用することができる上、それらを直接的又は間接的に組み合せたものを採用することもできる（実施形態で例示したものと重複するものもある）。
前記実施形態において、ローラ等の回転部材が採用されている場合、当該回転部材を回転駆動させる駆動機器を備えてもよいし、回転部材の表面や回転部材自体をゴムや樹脂等の変形可能な部材で構成してもよいし、回転部材の表面や回転部材自体を変形しない部材で構成してもよいし、ローラの代わりに回転するまたは回転しないシャフトやブレード等の他の部材を採用してもよいし、押圧ローラや押圧ヘッド等の押圧手段や押圧部材といった被押圧物を押圧するものが採用されている場合、上記で例示したものに代えてまたは併用して、ローラ、丸棒、ブレード材、ゴム、樹脂、スポンジ等の部材を採用したり、大気やガス等の気体の吹き付けにより押圧する構成を採用したりしてもよいし、押圧するものをゴムや樹脂等の変形可能な部材で構成してもよいし、変形しない部材で構成してもよいし、支持（保持）手段や支持（保持）部材等の被支持部材（被保持部材）を支持（保持）するものが採用されている場合、メカチャックやチャックシリンダ等の把持手段、クーロン力、接着剤（接着シート、接着テープ）、粘着剤（粘着シート、粘着テープ）、磁力、ベルヌーイ吸着、吸引吸着、駆動機器等で被支持部材を支持（保持）する構成を採用してもよいし、切断手段や切断部材等の被切断部材を切断または、被切断部材に切込や切断線を形成するものが採用されている場合、上記で例示したものに代えてまたは併用して、カッター刃、レーザカッタ、イオンビーム、火力、熱、水圧、電熱線、気体や液体等の吹付け等で切断するものを採用したり、適宜な駆動機器を組み合わせたもので切断するものを移動させて切断するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0032】
ＥＡ シート折畳装置
１０ 第１折曲手段
２０ 第２折曲手段
３０ 折畳手段
３４ 上チャック部材（圧着部材）
３５ 下チャック部材（圧着部材）
ＡＳ 接着シート
ＡＳ１ 一方の面
ＡＳ２ 折曲シート部
ＡＳ３ 他方の面
ＡＳ４ 折畳基部
ＡＳ５ 一端部
ＡＳ６ 他端部
１０ 第１折曲手段
２０ 第２折曲手段
３０ 折畳手段
３４ 上チャック部材（圧着部材）
３５ 下チャック部材（圧着部材）
ＡＳ 接着シート
ＡＳ１ 一方の面
ＡＳ２ 折曲シート部
ＡＳ３ 他方の面
ＡＳ４ 折畳基部
ＡＳ５ 一端部
ＡＳ６ 他端部
【図1】
【図2】
【図3】