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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-26
(45)【発行日】2023-08-03
(54)【発明の名称】物品管理ユニット
(51)【国際特許分類】
   A47G 29/124 20060101AFI20230727BHJP
   E05B 65/02 20060101ALI20230727BHJP
   E05B 45/06 20060101ALI20230727BHJP
   G08B 13/06 20060101ALI20230727BHJP
   G08B 13/08 20060101ALI20230727BHJP
   A47G 29/20 20060101ALI20230727BHJP
【FI】
A47G29/124
E05B65/02 B
E05B45/06 C
G08B13/06
G08B13/08
A47G29/20
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019224665
(22)【出願日】2019-12-12
(65)【公開番号】P2021090693
(43)【公開日】2021-06-17
【審査請求日】2022-06-20
(73)【特許権者】
【識別番号】300076563
【氏名又は名称】原 周平
(74)【代理人】
【識別番号】100081455
【弁理士】
【氏名又は名称】橘 哲男
(74)【代理人】
【識別番号】100170966
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 正紀
(72)【発明者】
【氏名】原 周平
【審査官】粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-136163(JP,A)
【文献】特開2008-115561(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 29/12-29/126、29/20
E05B 65/02、45/06
G08B 13/06、13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を収容する収容部と、該収容部を開閉する開閉部と、前記収容部に対して前記開閉部を施錠するラッチ部を備える施錠機構と、を備えた既存の物品収容体に対して前記施錠機構の施錠動作の検知が可能な位置に接着部を介して装着可能な基体と、
前記基体に設けられ前記施錠機構の前記ラッチ部による係合及び前記開閉部による押圧によって変位する突片を備え、該突片の押圧変位によって前記施錠機構の施錠状態及び前記開閉部の開閉状態を検出可能な施錠検出部と、
前記基体に設けられ前記収容部の前記物品の有無が検出可能な物品検出部と、
前記施錠検出部及び前記物品検出部の検出結果を出力する管理情報出力部と、
を備えたことを特徴とする物品管理ユニット。
【請求項2】
物品を収容する収容部と前記収容部を開閉する開閉部とを備えた物品収容体に装着可能な基体と、
前記基体に設けられて前記開閉部の端部に係止して前記開閉部を施錠するラッチ部を有する施錠機構と、
前記基体に設けられて前記ラッチ部の回動方向から前記施錠機構の施錠状態を検出可能な施錠検出部と、
前記基体に設けられて前記収容部の前記物品の有無を検出可能な物品検出部と、
前記施錠検出部及び前記物品検出部の検出結果を出力する管理情報出力部と、
を備えたことを特徴とする物品管理ユニット。
【請求項3】
前記管理情報出力部が前記基体に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の物品管理ユニット。
【請求項4】
前記管理情報出力部が外部にある端末に前記検出結果を送信可能であることを特徴とする請求項1から3のいずれかの1項に記載の物品管理ユニット。
【請求項5】
前記管理情報出力部は、前記物品検出部により前記物品の存在が検出され、前記開閉部が開放された状態又は前記施錠検出部により前記施錠機構の解除状態が検出された場合に警告を出力することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の物品管理ユニット。
【請求項6】
前記物品検出部は、前記収容部内を撮像する撮像部と、前記撮像部内の画像を判定して前記物品の有無を検出する判定部と、を備えていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の物品管理ユニット。
【請求項7】
前記物品検出部は、前記収容部内を撮像する撮像部と、前記撮像部内の画像を判定して前記物品の有無を検出する判定部と、を備えていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の物品管理ユニット。
【請求項8】
前記物品検出部は、前記収容部内に物品の重量を検出して物品の有無を判定する重量センサを備えていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の物品管理ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品収容体に収容された物品を管理するため物品管理ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種の物品を収容する収容体には、収容された物品の有無や収容状態等が管理される構成を備えたものが存在する。
例えば、特許文献1では、机等の収納枠体にロック構造及び制御ユニットを設け、施錠開錠等の管理動作が電波を使って確実に行われるように構成されたセキュリティー装置が提案されている。
【0003】
また、特許文献2では、特定物品を紛失やいたずらから保護したり、特定物品の収容状態を管理したりすることが可能な物品収納装置が提案されていた。この物品収納装置では、扉を有する複数の物品収納ボックスに、電気的に開錠可能な電気錠、操作手段、制御回路を設け、特定物品を設置する台座に、物品の有無を検出するセンサ、物品の状態を検知するインターフェイスなどを設けることで、特定物品専用の物品収納装置が構成されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2004-19116号公報
【文献】特開2009-225835号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら収容された物品や収容状態等を管理する従来の収容体は、管理するための構造を組み込んだ専用装置として構成されていたため、収容体で物品を管理するためには、収容体に収容される物品や管理内容に応じた専用の構造を構築しなければならず、容易に物品を管理することが可能なシステムに対する要求があった。
【0006】
そこで本発明では、物品の管理を行うための専用の構造体を設置することなく、既存の物品収容体により容易に物品の管理を行うことが可能な物品管理ユニットを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成する本発明の物品管理ユニットは、物品を収容する収容部と、該収容部を開閉する開閉部と、前記収容部に対して前記開閉部を施錠するラッチ部を備える施錠機構と、を備えた既存の物品収容体に対して前記施錠機構の施錠動作の検知が可能な位置に接着部を介して装着可能な基体と、前記基体に設けられ前記施錠機構の前記ラッチ部による係合及び前記開閉部による押圧によって変位する突片を備え、該突片の押圧変位によって前記施錠機構の施錠状態及び前記開閉部の開閉状態を検出可能な施錠検出部と、前記基体に設けられ前記収容部の前記物品の有無が検出可能な物品検出部と、前記施錠検出部及び前記物品検出部の検出結果を出力する管理情報出力部と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明の物品管理ユニットは、物品を収容する収容部と前記収容部を開閉する開閉部とを備えた物品収容体に装着可能な基体と、前記基体に設けられて前記開閉部の端部に係止して前記開閉部を施錠するラッチ部を有する施錠機構と、前記基体に設けられて前記ラッチ部の回動方向から前記施錠機構の施錠状態を検出可能な施錠検出部と、前記基体に設けられて前記収容部の前記物品の有無を検出可能な物品検出部と、前記施錠検出部及び前記物品検出部の検出結果を出力する管理情報出力部と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明の物品管理ユニットは、前記管理情報出力部が前記基体に設けられていることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の物品管理ユニットは、前記管理情報出力部が外部にある端末に前記検出結果を送信可能であることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の物品管理ユニットは、前記管理情報出力部は、前記物品検出部により前記物品の存在が検出され、前記開閉部が開放された状態又は前記施錠検出部により前記施錠機構の解除状態が検出された場合に警告を出力することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の物品管理ユニットは、前記物品検出部は、前記収容部内を撮像する撮像部と、前記撮像部内の画像を判定して前記物品の有無を検出する判定部と、を備えていることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の物品管理ユニットは、前記物品検出部は、前記収容部内に赤外線を照射して物品の有無を検出する赤外線センサを備えていることを特徴とする。
【0014】
さらに、本発明の物品管理ユニットは、前記物品検出部は、前記収容部内に物品の重量を検出して物品の有無を判定する重量センサを備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の物品管理ユニットによれば、施錠状態を検出可能な施錠検出部と、物品の有無を検出可能な物品検出部と、施錠検出部及び物品検出部の検出結果を出力する管理情報出力部と、が基体に設けられている。そのため収容部、開閉部及び施錠機構を備えた物品収容体に対して基体を装着すれば、物品収容体に収容された物品についての管理を行うことができる。
【0016】
これにより物品を収容して閉じた状態で施錠可能な構造体であれば、どのような構造体であっても装着すれば物品を管理でき、物品の管理を行うための専用の構造体を設置することなく既存の物品収容体を用いて簡易に物品の管理を行うことができる。
従って物品の管理を行うための専用の構造体を設置することなく、既存の物品収容体により容易に物品の管理を行うことが可能な物品管理ユニットを提供することができる。
【0017】
本発明の他の物品管理ユニットによれば、開閉部を施錠する施錠機構と、施錠状態を検出可能な施錠検出部と、物品の有無を検出可能な物品検出部と、施錠検出部及び物品検出部の検出結果を出力する管理情報出力部と、が基体に設けられている。そのため収容部、開閉部及び施錠機構を備えた物品収容体に対して基体を装着すれば、物品収容体に収容された物品についての管理を行うことができる。
【0018】
これにより物品を収容して閉じることが可能な構造体であれば、どのような構造体であっても装着すれば物品を管理でき、物品の管理を行うための専用の構造体を設置することなく既存の物品収容体を用いて簡易に物品の管理を行うことができる。
従って物品の管理を行うための専用の構造体を設置することなく、既存の物品収容体により容易に物品の管理を行うことが可能な物品管理ユニットを提供することができる。
【0019】
本発明における何れかの物品管理ユニットにおいて、管理情報出力部が基体に設けられていれば、物品管理ユニットとは別に管理情報出力部を設ける必要がなくてより容易に物品の管理を行うことができる。
【0020】
本発明における何れかの物品管理ユニットにおいて、管理情報出力部が端末に検出結果を送信可能であれば、物品収容体から離間した端末の位置で管理情報を確認できるため、使い勝手がよい。
【0021】
本発明における何れかの物品管理ユニットにおいて、物品検出部により物品の存在が検出されて施錠検出部により施錠機構の解錠状態が検出されたときに警告を出力するように構成すれば、物品収容体に物品を収容して施錠を忘れた場合など、物品が容易に取り出せる状態であることを警告により把握できる。そのため、既存の物品収容体を用いて簡易に物品の管理を行う構造であっても、物品収容体に収容された物品の盗難を防止することが可能である。
【0022】
本発明における何れかの物品管理ユニットにおいて、物品検出部が収容部内を撮像する撮像部と、撮像部内の画像を判定して物品の有無を検出する判定部と、を備えていれば、物品収容体や物品に対して、何ら接触することなく非接触の状態で配置して物品の有無を検出できるので、基体に配設して使用し易い。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の第1実施形態に係る物品管理ユニットを装着する既存のロッカーの斜視図である。
図2図1のロッカーにおける一区画に本発明の物品管理ユニットを装着した状態を示す横断面図である。
図3】本発明の第1の実施形態に係る物品管理ユニットを示すブロック図である。
図4】本発明の第1の実施形態に係る物品管理ユニットの他の例を示すブロック図である。
図5】本発明の第1の実施形態に係る物品管理ユニットの他の例を示すブロック図である。
図6】本発明の第1の実施形態に係る物品管理ユニットの動作を示すフローチャートである。
図7】本発明の第1の実施形態に係る物品管理ユニットの動作を示すフローチャートである。
図8】第2実施形態に係る物品管理ユニットを箱状の物品収容体に装着した状態を示す縦断面図である。
図9】本発明の第2の実施形態に係る物品管理ユニットを示すブロック図である。
図10】本発明の第2の実施形態に係る物品管理ユニットの他の例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態について図を用いて詳細に説明する。
[第1の実施形態]
以下、本発明の第1の実施形態について図を用いて詳細に説明する。
図1図7は第1の実施形態を示す。
この実施形態の物品管理ユニット10は、多数の収容部21が設けられた既存のロッカーからなる物品収容体20に装着されている。
【0025】
図1に示すように、物品収容体20は、各種物品を収容するための収容部21がフレーム部に縦横に多数設けられており、各収容部21にはそれぞれ収容部21を開閉する開閉部22と、開閉部22を施錠するための施錠機構23と、が設けられている。
開閉部22は一方の側縁に設けられたヒンジ部24により手前側に開閉可能な開閉扉とからなる。
【0026】
施錠機構23は特に限定されるものではないが、例えばダイヤル式ロック機構が装着されている。施錠時には開閉部22を閉じた状態でフレーム部にラッチ部26が係合することで開閉部22が開放不能に施錠され、適切なダイヤル入力があると、ラッチ部26が後退又は回動してフレーム部から離脱することで解錠されて開閉部22が開閉自在になる。
【0027】
また、施錠機構23はダイヤル式に代えて磁気カード、ICカード(非接触型を含む)等を用いたカード式や、スマートフォンなどの携帯端末による無線式で電子錠を施錠又は解錠することが可能である。
【0028】
第1の実施形態による物品管理ユニット10は、図2及び図3に示すように、物品収容体20のフレーム部に固定して装着される装着部11aと、装着部11aに一体に設けられた筐体11bとを有する基体11を備えている。
【0029】
基体11の筐体11b内に、施錠検出部12、物品検出部13、管理情報出力部14、各検出部12,13の情報を処理して各検出部12,13及び管理情報出力部14を制御する制御処理部15がそれぞれ基体11から離脱不能に設けられている。
【0030】
施錠検出部12は、施錠機構23の施錠状態を検出可能に構成されている。第1の実施形態の施錠検出部12は、筐体11bの一方側に突出して配置され、外向きに付勢されて揺動より押圧されて変位することにより施錠機構23が施錠状態であるか解除状態であるかを検出可能に構成している。
【0031】
第1の実施形態の施錠検出部12は、さらに収容部21に対する開閉部22の開閉状態も検出可能に構成されている。開閉部22が収容部21に対して閉じることで、突片12aが施錠機構23の施錠状態を検出範囲とは異なる角度範囲で押圧変位されることで、開閉部22の開放又は閉塞を検出可能である。
【0032】
物品検出部13は、収容部21内に物品Xが存在するか否かの判定を行う。
この物品検出部13は、収容部21内に物品Xが存在するか否かの判定を行う。この物品検出部13は、収容部21内を撮像する撮像部13aと、撮像部13a内の画像を判定して物品Xの有無を検出する判定部13bと、を備えている。
【0033】
物品検出部13は、収容部21内に物品Xが存在するか否かの判定を行う。この物品検出部13は、収容部21内を撮像する撮像部13aと、撮像部13a内の画像を判定して物品Xの有無を検出する判定部13bと、を備えている。
なお、この判定部13bは、制御処理部15に組み込まれていてもよい。
物品検出部13では、収容部21内に存在することを検出することが可能である。
【0034】
収容部21内で物品Xの有無を検出方法は、上記した撮像部13aだけではなく、例えば、図4に示すように、収容部21内に赤外線を照射して物品Xの有無を検出する赤外線センサ13cや物品Xの重量を検知する重量センサ13dを用いることも可能である。
また、これらの検出方法を複数組み合わせて物品Xの有無を検出するようにしてもよい。
【0035】
収容部21内の物品Xの有無の検出に赤外線センサを用いる場合、収容部21内に赤外線を照射することで物品Xの検知を行う。なお、物品Xの検知の精度を高めるために収容部21内で赤外線を拡散させるための拡散板を設置してもよい。
【0036】
また、図5に示すように、重量センサを用いて物品Xの有無を検出する場合には、収容部21内に物品Xを載置する位置に重量センサ13dを設置しておき、重量センサによる物品Xの有無を感知する。
【0037】
重量センサ13dにより物品Xの重量を感知した場合には、感知信号を判定部13bに送信し、判定部13bは、収容部21内に物品Xが存在すると判定する。
【0038】
管理情報出力部14は、施錠検出部12及び物品検出部13の検出結果並びにこれらに基づく処理結果を各種の情報として出力するように構成されている。第1の実施形態では、施設検出部12及び物品検出部13の検出結果やその処理結果などを外部に送信する送信部14aと、異常を検出したときに警報を発する警報発信部14bと、を備えている。
【0039】
送信部14aは、施錠検出部12及び物品検出部13の検出結果、これらの検出結果に基づいて制御処理部15で処理された処理結果、異常時の検出結果などを常時あるいは必要時に物品収容体20から離間する管理者や利用者が有する端末などに送信することが可能に構成されている。例えばインターネットを介して管理者や利用者の端末17に向けて常時送信してもよいし、管理者や利用者の端末17からの要求に応じてこれらの検出結果や処理結果を送信することも可能である。
【0040】
送信する情報の例としては物品検出13の撮像部13aが撮像した物品Xの画像や赤外線センサで検知した物品Xの形状や大きさ、重量センサで検知した物品Xの重量といった物品Xの情報を管理者や利用者が有する端末へ送信することも可能である。
【0041】
警報発信部14bは、予め設定されている各種の異常時に該当する場合に異常時を検出し、警報を発信するように構成されている。
第1の実施形態の警報発信部14bは、物品検出部13により物品Xの存在が検出された状態で施錠検出部12により施錠機構23の解錠状態が検出されたときに、異常時を検出して警告を出力する。
【0042】
また、施錠機構23が施錠状態から開閉部22が開放された場合であって、施錠機構23が適切な動作が行われていないときに、異常を検出して警告を出力し、さらに開閉部22が所定時間以上閉塞されないときにも異常を検出して警告を出力することが可能となっている。
【0043】
制御処理部15は、施錠検出部12、物品検出部13、その他の検出部などからの情報が伝達され、それらに基づいて管理情報出力部14等へ出力することが可能となっている。
例えば、各検出部12,13からの各情報をそのまま管理情報出力部14の送信部14aから出力したり、各情報を判定して判定結果を管理情報出力部14へ出力したり、これらの情報や判定結果に基づいて各検出部12,13や管理情報出力部14の各部を動作させたりすることが可能である。
【0044】
次に、このような物品管理ユニットの使用方法及び動作について説明する。
まず、既存のロッカーである物品収容体20の使用する区画に、物品管理ユニット10を装着する。物品収容体20には施錠機構23が組み込まれている。物品管理ユニット10には、施錠検出部12、物品検出部13、管理情報出力部14、制御処理部15、電池等の電源等が予め基体11の筐体11b内に一体的に装着されている。
【0045】
管理情報出力部14の送信部14aには、例えば管理者及び利用者の端末17を管理情報の送信先として設定する。
使用する区画の開閉部22や収容部21の内面に基体11の装着部11aを用いて強固に固定する。その際、施錠検出部12の突片12aを開閉部22の開閉と施錠機構23のラッチ部26の係脱との両方を検出可能な位置に配置する。
【0046】
次に、図6及び図7を参照して物品管理ユニットの動作について説明する。
図6及び図7は、物品管理ユニットの動作を示すフローチャートである。
まず、使用開始時には撮像部13aにより収容部21内に物品が不在状態を撮像して記憶させる(ステップS11)。次に、開閉部22の開閉操作(ステップS12)をして物品Xを収容部21内に収容し(ステップS13)、施錠機構23により施錠する(ステップS14)。
【0047】
本実施形態では、開閉部22の最後の開放操作から所定時間が経過したかを判断し(ステップS15)、所定時間の経過により(ステップS15/YES)、撮像部13aが収容部21内の撮像を行う(ステップS16)。収容部21内の撮像により当初の映像との比較を行い、収容部21内に物品Xが存在するかの判断を行う(ステップS17)。
物品Xが存在しない場合には(ステップS17/NO)、開閉部22の次の開閉操作まで待機する。
物品Xが存在する場合(ステップS17/YES)、施錠検出部12によって開閉部22の開閉状態の確認(ステップS18と施錠状態の確認(ステップS19)を行う。
【0048】
収容部22内に物品Xが存在し開閉部22が閉塞し(ステップS18/YES)、施錠されている場合(ステップS19/YES)、各検出結果の情報又は各検出結果に基づいて作成又は選択された結果情報を物品管理情報として管理情報出力部14の送信部14aから管理者及び利用者の端末17に送信され(ステップS21)、管理者及び利用者の端末17に物品Xが収容されていることを含む各種の物品管理情報が表示される(ステップS22)。
【0049】
一方、開閉部22が開放している場合(ステップS18/NO)、又は施錠機構23が解錠されている場合(ステップS19/NO)には、管理情報出力部14の警報発信部14bにより警報を発信する(ステップS20)。警報は、開閉部22が開放されていることや施錠機構23による開閉部22が施錠されていないことなどを示す警告が表示されたりする。
【0050】
次に、開閉部22の開放が検出され(ステップS23/YES)、かつ施錠機構23が正常に解錠されたことが検出されると(ステップS26/YES)、利用者は物品収容体20から物品Xを取り出し(ステップS28)、利用者は開閉体22を閉塞する(ステップS29)。開閉体22の閉塞が検出されると、撮像部13aにより物品収容体20の区画の内部が撮像され(ステップS30)、内部に物品Xが存在するか否かを判断する(ステップS31)。物品Xが内部に存在していない状態が撮影された場合(ステップS31)、各部がリセットされ(ステップS32)、初期状態に戻る。
【0051】
また、一方で開閉体22が開放されず(ステップS23/NO)、予め設定されている管理期間が経過したか否かが検出される(ステップS24)。管理期間が経過している場合には(ステップS24/YES)、警報発信部14bにより警報を発信する(ステップS27)と共に物品管理情報を送信部14aから管理者及び利用者端末17に送信する。
さらに、管理期間が経過していない場合(ステップS24/NO)、開閉部22が開放されるまで維持する。
【0052】
以上のように、第1の実施形態の物品管理ユニット10によれば、施錠状態を検出可能な施錠検出部12と、物品Xの有無を検出可能な物品検出部13と、施錠検出部12及び物品検出部13の検出結果を出力する管理情報出力部14と、が基体11に設けられている。そのため収容部21、開閉部22及び施錠機構23を備えた物品収容体20に対して基体を装着すれば物品収容体20に収容された物品Xについての管理を行うことができる。
【0053】
これにより物品Xを収容して閉じた状態で施錠可能な構造体であれば、どのような構造体であっても装着すれば物品Xを管理することができ、物品の管理を行うための専用の構造体を設置することなく既存の物品収容体20を用いて簡易に物品の管理を行うことができる。
【0054】
また、第1の実施形態の物品管理ユニット10では、管理情報出力部14が基体11に設けられているので、物品管理ユニット10とは別に管理情報出力部14を設ける必要がなく、より容易に物品の管理を行うことができる。
【0055】
さらに、第1の実施形態の物品管理ユニット10では、管理情報出力部14が端末17に検出結果を送信することが可能なため物品収容体20から離間した各種端末17の位置で管理情報を確認することができる。
【0056】
また本実施形態の物品管理ユニット10では、物品検出部13により物品Xの存在が検出されて施錠検出部12により施錠機構23の解錠状態が検出されたときに警告を出力するように構成されている。そのため物品収容体20に物品Xを収容して施錠を忘れた場合など、物品Xが容易に取り出せる状態であることを警告により把握できる。これにより既存の物品収容体20を用いて簡易に物品の管理を行う構造であっても、物品収容体20に収容された物品Xの盗難を防止することが可能である。
【0057】
さらに第1の実施形態の物品管理ユニット10では、物品検出部13が収容部21内を撮像する撮像部13aと、撮像部13a内の画像を判定して物品Xの有無を検出する判定部13bと、を備えているので、物品収容体20や物品Xに対して、何ら接触することなく非接触の状態で配置して物品Xの有無を検出でき、基体11に配設して使用し易い。
【0058】
なお、第1の実施形態の動作説明では、収容部21内における物品Xの有無を撮像部13aで検出したが、上記したように物品検出部13には、赤外線センサや重量センサを用いて物品Xを検出することも可能である。
【0059】
[第2実施形態]
図8図10は、第2の実施形態を示す。
図示するように、第2の実施形態は市販の蓋付きボックス(例えばクーラーボックス)からなる物品収容体20に物品管理ユニット10を装着した例である。
第2の実施形態の物品収容体20は、上部が開口したボックス本体からなる収容部21と、収容部21の上部開口21aを覆い、収容部21の側壁にヒンジ部24により開閉可能に装着された蓋体からなる開閉部22と、を備えている。
なお、この物品収容体20には施錠機構23が装着されていない。
【0060】
第2の実施形態で使用する開閉部22には、閉塞状態で収容部21の側壁と対向する位置に内側に突出した内側突出部位22aが設けられている。この開閉部22の場合、開閉部22の内周縁に全周に連続して内側に突出して縁部が設けられている。
【0061】
さらに第1の実施形態とは異なり、基体11に施錠機構23が設けられている。この施錠機構23は基体11の装着部11aに固定されて施錠検出部12と一体に設けられたロック動作部18と、ロック動作部18に正転又は逆転可能に設けられたラッチ部18aと、ロック動作部18と有線又は無線で開閉信号を伝達可能なダイヤル式の操作部19と、を備えている。
【0062】
なお、第2の実施形態に係る施錠機構23は、スマートフォンなどの携帯端末の操作によって施錠又は解錠することが可能な無線式を採用することも可能である。
【0063】
この物品管理ユニット10は、収容部21の側壁21bに上部開口21aから下向きに延びるスリット部21cを設け、側壁21bの内側面におけるスリット部21c付近に基体11が固定されることで装着されている。
【0064】
装着状態で操作部19はスリット部21cに対応する位置で細幅に形成されるとともに側壁の外側に操作可能に配置されている。またラッチ部18aがスリット部21cに沿う方向に回動するように配置されている。
【0065】
この物品管理ユニット10の施錠機構23では、スリット部21cを貫通した状態で収容部21に固定して装着されていて、開閉部22をヒンジ部24で回動させて、収容部21の上部開口21aを閉塞すると、操作部19が開閉部22の端部22bより下方に外側に露出して操作可能な状態で配置される。また、ラッチ部18aが開閉部22の端部22bの内周縁に設けられた内側突出部位22aに対応する位置に配置される。
【0066】
ラッチ部18aが係止方向に回動すると、ラッチ部18aの先端が内側突出部位22aと係止され、ラッチ部18aが離脱方向に回動すると、ラッチ部18a全体が基体11内に収容されて開閉部22の内側突出部位に対する係止が解除されるようになっている。
【0067】
第2の実施形態の物品管理ユニット10では、その他については第1の実施形態と同様に構成されていて、第1の実施形態と同様に使用することが可能である。
【0068】
以上のように第2の実施形態の物品管理ユニット10では、第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。即ち、第2の実施形態の物品管理ユニットによれば、開閉部22を施錠する施錠機構23と、施錠状態を検出可能な施錠検出部12と、物品Xの有無を検出可能な物品検出部13と、施錠検出部12及び物品検出部13の検出結果を出力する管理情報出力部14と、が基体11に設けられている。
【0069】
物品検出部13については、図示するように撮像部13aによって物品Xの有無を検出しているが、第1の実施形態と同様に、撮像部13aの他に赤外線センサ13cや重量センサ13dを採用することが可能である(図9及び図10)。
【0070】
そのため収容部21、開閉部22及び施錠機構23を備えた物品収容体20に対して基体11を装着すれば、物品収容体20に収容された物品Xについて容易に管理を行うことができる。
【0071】
これにより物品Xを収容して閉じることが可能な構造体であれば、どのような構造体であっても装着すれば物品Xを管理することができ、物品の管理を行うための専用の構造体を設置することなく既存の物品収容体20を用いて容易に物品の管理を行うことが可能である。
【0072】
具体的には、物品管理ユニットを例えば、施錠機能のみを備えるようなロッカーに搭載することが可能であり、よりセキュリティーの高いロッカーにすることが可能であるほか、ロッカーが設置できないような住宅の玄関先にこの物品管理ユニットを搭載した蓋付きの箱(例えばクーラーボックス)を置いておくことで、留守中に宅配便などを箱に収容することが可能となる。
【0073】
また、管理情報出力部14が基体11に設けられているので、物品管理ユニット10とは別に管理情報出力部14を設ける必要がなくてより容易に物品の管理を行うことができる。
さらに、管理情報出力部14が端末17に検出結果を送信可能なので、物品収容体20から離間した各種端末17の位置で管理情報を確認できるため、使い勝手がよい。
【0074】
また、第1の実施形態と同様に、物品収容体20に物品Xを収容して施錠を忘れた場合など、物品Xが容易に取り出せる状態であること警告により把握することも可能である。これにより既存の物品収容体20を用いて容易に物品の管理を行う構造であっても、物品収容体20に収容された物品Xの盗難を防止することが可能である。
さらに、物品収容体20や物品Xに対して、何ら接触することなく非接触の状態で配置して物品Xの有無を検出でき、基体11に配設して使用し易い。
【0075】
なお、各実施形態は、本発明の範囲内において適宜変更可能である。
例えば、第1の実施形態及び第2の実施形態では、いずれも既存の物品収容体20を利用して物品を管理する例について説明したが、新規に物品収容体20を作製して物品管理ユニット10を装着することも可能である。
【0076】
上記実施形態では、管理情報出力部14が基体11に設けられている例について説明したが、例えば既存の物品収容体20やその設置場所の近傍に送信部14aや警報発信部14b等が設けられていれば、それらを活用することも可能である。
【0077】
上記各実施形態では、物品Xの有無、開閉部22の開閉状態、施錠機構23の施錠状態、を検出して管理情報出力部14に検出結果を出力したが、物品X及び物品収容体20に関する検出対象は何ら制限されず、各種の検出装置により検出可能な情報、例えば温度、湿度、振動など、適宜な検出情報を管理情報として出力することは可能である。
【符号の説明】
【0078】
X 物品
10 物品管理ユニット
11 基体
11a 装着部
11b 筐体
12 施錠検出部
12a 突片
13 物品検出部
13a 撮像部
13b 判定部
14 管理情報出力部
14a 送信部
14b 警報発信部
15 制御処理部
17 端末
18 ロック動作部
19 操作部
20 物品収容体
21 収容部
21a 上部開口
21b 側壁
21c スリット部
22 開閉部
22a 内側突出部位
23 施錠機構
24 ヒンジ部
26 ラッチ部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10