(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-26
(45)【発行日】2023-08-03
(54)【発明の名称】ジオメトリ属性を備えたビアを有する物品及びその製作方法
(51)【国際特許分類】
H05K 1/02 20060101AFI20230727BHJP
H01L 23/15 20060101ALI20230727BHJP
H01L 23/12 20060101ALI20230727BHJP
H05K 1/11 20060101ALI20230727BHJP
H05K 3/40 20060101ALI20230727BHJP
【FI】
H05K1/02 C
H01L23/14 C
H01L23/12 F
H05K1/11 N
H05K3/40 K
(21)【出願番号】P 2019564909
(86)(22)【出願日】2018-05-22
(86)【国際出願番号】 US2018033809
(87)【国際公開番号】W WO2018217696
(87)【国際公開日】2018-11-29
【審査請求日】2021-05-21
(32)【優先日】2017-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【氏名又は名称】柳田 征史
(72)【発明者】
【氏名】ホアン,ティエン
(72)【発明者】
【氏名】ジン,ユィホイ
(72)【発明者】
【氏名】ウィルヘルム,マシュー エヴァン
【審査官】ゆずりは 広行
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-197811(JP,A)
【文献】特開2014-127701(JP,A)
【文献】特開2009-200356(JP,A)
【文献】特開2014-017339(JP,A)
【文献】特開2008-119698(JP,A)
【文献】特表2005-512848(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/02
H01L 23/15
H01L 23/12
H05K 1/11
H05K 3/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品であって、
前記物品は:
第1の主表面、前記第1の主表面からある距離だけ離間し、かつ前記第1の主表面に対して平行な第2の主表面、及び前記基板を通って前記第1の主表面から前記第2の主表面に向かって延在する先細ビアを備える、ガラス系基板であって、前記先細ビアは:
前記ガラス系基板の前記第1の主表面と前記第2の主表面との間の、前記第1の主表面及び前記第2の主表面に対して等距離の平面に関して、対称な断面;
前記第1の主表面と前記平面との間に位置決めされた第1の先細領域及び第2の先細領域を備える内壁;および
前記平面に位置するウエスト直径Wと
を備え、
前記第1の先細領域の傾斜は一定であり、
前記第2の先細領域の傾斜は一定であり、
前記第1の先細領域の前記傾斜は、3:1~100:1の高さ:長さ比を備え、
前記第2の先細領域の前記傾斜は、3:1~100:1の高さ:長さ比を備え、
前記第1の先細領域の前記傾斜は、前記第2の先細領域の前記傾斜と等しくなく、
前記ウエスト直径Wは、前記第1の先細領域の直径よりも小さく、前記第2の先細領域の直径よりも小さい、
ガラス系基板
を備える、物品。
【請求項2】
物品であって、
前記物品は:
第1の主表面、前記第1の主表面からある距離だけ離間し、かつ前記第1の主表面に対して平行な第2の主表面、及び前記基板を通って前記第1の主表面から前記第2の主表面に向かって延在する先細ビアを備える、ガラス系基板であって、前記先細ビアは:
前記ガラス系基板の前記第1の主表面と前記第2の主表面との間の、前記第1の主表面及び前記第2の主表面に対して等距離の平面に関して、非対称な断面;
前記第1の主表面と前記平面との間に位置決めされた第1の先細領域及び第2の先細領域を備える内壁;および
前記平面に位置するウエスト直径Wと
を備え、
前記第1の先細領域の傾斜は一定であり、
前記第2の先細領域の傾斜は一定であり、
前記第1の先細領域の前記傾斜は、3:1~100:1の高さ:長さ比を備え、
前記第2の先細領域の前記傾斜は、3:1~100:1の高さ:長さ比を備え、
前記第1の先細領域の前記傾斜は、前記第2の先細領域の前記傾斜と等しくなく、
前記ウエスト直径Wは、前記第1の先細領域の直径よりも小さく、前記第2の先細領域の直径よりも小さい、
ガラス系基板
を備える、物品。
【請求項3】
前記第1の先細領域と前記第2の先細領域との間の遷移領域を更に備え、
前記遷移領域は、前記内壁からの接線の傾斜が少なくとも5°変化するように、前記第1の先細領域の前記傾斜から前記第2の先細領域の前記傾斜へと遷移する領域を備える、請求項1
又は2に記載の物品。
【請求項4】
前記遷移領域は、点、又は延在する領域である、請求項3に記載の物品。
【請求項5】
前記内壁は第3の先細領域を更に備え;
前記第3の先細領域の傾斜は、前記第1の先細領域の前記傾斜及び前記第2の先細領域の前記傾斜のうちの少なくとも1つと異なる、請求項1~
4のいずれか1項に記載の物品。
【請求項6】
前記先細ビアは導電性材料で充填される、請求項1~
5のいずれか1項に記載の物品。
【請求項7】
半導体パッケージであって、
前記半導体パッケージは:
第1の主表面、前記第1の主表面からある距離だけ離間し、かつ前記第1の主表面に対して平行な第2の主表面、及び前記基板を通って前記第1の主表面から前記第2の主表面に向かって延在する先細ビアを備える、ガラス系基板であって、前記先細ビアは:
前記ガラス系基板の前記第1の主表面と前記第2の主表面との間の、前記第1の主表面及び前記第2の主表面に対して等距離の平面に関して、対称な断面;
前記第1の主表面と前記平面との間に位置決めされた第1の先細領域及び第2の先細領域を有する内壁;および
前記平面に位置するウエスト直径Wと
を備え、
前記第1の先細領域の傾斜は一定であり、
前記第2の先細領域の傾斜は一定であり、
前記第1の先細領域の前記傾斜は、3:1~100:1の高さ:長さ比を備え、
前記第2の先細領域の前記傾斜は、3:1~100:1の高さ:長さ比を備え、
前記第1の先細領域の前記傾斜は、前記第2の先細領域の前記傾斜と等しくなく、
ウエスト直径Wは、前記第1の先細領域の直径よりも小さく、前記第2の先細領域の直径よりも小さい、
ガラス系基板;
前記先細ビア内に配置された導電性材料;並びに
前記先細ビア内に配置された前記導電性材料に電気的に連結された半導体デバイス
を備える、半導体パッケージ。
【請求項8】
半導体パッケージであって、
前記半導体パッケージは:
第1の主表面、前記第1の主表面からある距離だけ離間し、かつ前記第1の主表面に対して平行な第2の主表面、及び前記基板を通って前記第1の主表面から前記第2の主表面に向かって延在する先細ビアを備える、ガラス系基板であって、前記先細ビアは:
前記ガラス系基板の前記第1の主表面と前記第2の主表面との間の、前記第1の主表面及び前記第2の主表面に対して等距離の平面に関して、非対称な断面;
前記第1の主表面と前記平面との間に位置決めされた第1の先細領域及び第2の先細領域を有する内壁;および
前記平面に位置するウエスト直径Wと
を備え、
前記第1の先細領域の傾斜は一定であり、
前記第2の先細領域の傾斜は一定であり、
前記第1の先細領域の前記傾斜は、3:1~100:1の高さ:長さ比を備え、
前記第2の先細領域の前記傾斜は、3:1~100:1の高さ:長さ比を備え、
前記第1の先細領域の前記傾斜は、前記第2の先細領域の前記傾斜と等しくなく、
ウエスト直径Wは、前記第1の先細領域の直径よりも小さく、前記第2の先細領域の直径よりも小さい、
ガラス系基板;
前記先細ビア内に配置された導電性材料;並びに
前記先細ビア内に配置された前記導電性材料に電気的に連結された半導体デバイス
を備える、半導体パッケージ。
【発明の詳細な説明】
【優先権】
【0001】
本出願は、米国特許法第119条の下で、2017年5月25日出願の米国仮特許出願第62/510,869号の優先権を主張するものであり、上記仮特許出願の内容は依拠され、その全体が参照により本出願に援用される。
【技術分野】
【0002】
本開示は一般に、エッチングされたビアを有する物品に関する。特に本開示は、特定のジオメトリを備えビア孔を有する物品、並びに上記物品を製作するためのレーザ及びエッチングプロセスを対象とする。
【背景技術】
【0003】
シリコン等の基板は、電子部品(例えばプリント回路基板、集積回路等)の間に配置されるインターポーザとして使用されてきた。金属化された基板貫通ビアは、インターポーザの両側部の間に電気信号を通過させるための、インターポーザを通る経路を提供する。ガラスは、寸法安定性、調整可能な熱膨張係数(coefficient of thermal expansion:CTE)、高周波数での電気的性能における極めて良好な低い電気損失、高い熱安定性、並びに厚く大型のパネルサイズでの形成可能性を有するため、電気信号の伝送に極めて有利な基板材料である。しかしながら、ガラス貫通ビア(through‐glass via:TGV)の形成及び金属化は、ガラスインターポーザの市場の発展に困難を提示する。
【0004】
ビアのジオメトリ属性は、ガラス系基板内のビアを適切に金属化できるようにする役割を果たす。例えば、スパッタリング金属化プロセス中、ビアの側壁のテーパの角度によって、スパッタリングされる材料に対するビアの側壁の視野を増大させることができ、これにより、ガラス表面に対する、ビアの中心線に向かう気泡のカプセル化が防止される。これらの気泡は、高温再分配層(redistribution layer:RDL)作業中に、処理に関する問題を発生させ、基板の信頼性を低下させる場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、特定のビアジオメトリを有する基板、及びその形成方法に対する需要が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態によると、物品はガラス系基板を含み、上記ガラス系基板は、第1の主表面、上記第1の主表面からある距離だけ離間した第2の主表面、及び上記基板を通って上記第1の主表面から上記第2の主表面まで延在する先細貫通ビアを有する。上記先細貫通ビアは、上記ガラス系基板の上記第1の主表面と上記第2の主表面との間の、上記第1の主表面及び上記第2の主表面に対して等距離の平面に関して、対称な断面と、上記第1の主表面と上記平面との間に位置決めされた第1の先細領域及び第2の先細領域を有する内壁とを含む。上記第1の先細領域の傾斜は一定であり、また上記第2の先細領域の傾斜は一定である。上記第1の先細領域の上記傾斜は、上記第2の先細領域の上記傾斜と等しくない。
【0007】
別の実施形態では、物品はガラス系基板を含み、上記ガラス系基板は、第1の主表面、上記第1の主表面からある距離だけ離間した第2の主表面、及び上記基板を通って上記第1の主表面から上記第2の主表面まで延在する先細ビアを有する。上記先細ビアは、上記ガラス系基板の上記第1の主表面と上記第2の主表面との間の、上記第1の主表面及び上記第2の主表面に対して等距離の平面に関して、非対称な断面と、上記第1の主表面と上記平面との間に位置決めされた第1の先細領域及び第2の先細領域を有する内壁とを含む。上記第1の先細領域の傾斜は一定であり、また上記第2の先細領域の傾斜は一定である。上記第1の先細領域の上記傾斜は、上記第2の先細領域の上記傾斜と等しくない。
【0008】
別の実施形態では、半導体パッケージはガラス系基板を含み、上記ガラス系基板は、第1の主表面、上記第1の主表面からある距離だけ離間した第2の主表面、及び上記基板を通って上記第1の主表面から上記第2の主表面まで延在する先細ビアを有する。上記先細貫通ビアは、上記ガラス系基板の上記第1の主表面と上記第2の主表面との間の、上記第1の主表面及び上記第2の主表面に対して等距離の平面に関して、対称な断面と、上記第1の主表面と上記平面との間に位置決めされた第1の先細領域及び第2の先細領域を有する内壁とを含む。上記第1の先細領域の傾斜は一定であり、また上記第2の先細領域の傾斜は一定である。上記第1の先細領域の上記傾斜は、上記第2の先細領域の上記傾斜と等しくない。上記半導体パッケージは更に、上記先細ビア内に配置された導電性材料と、上記先細ビア内に配置された上記導電性材料に電気的に連結された半導体デバイスとを含む。
【0009】
別の実施形態では、半導体パッケージはガラス系基板を含み、上記ガラス系基板は、第1の主表面、上記第1の主表面からある距離だけ離間した第2の主表面、及び上記基板を通って上記第1の主表面から上記第2の主表面に向かって延在する先細ビアを有する。上記先細ビアは、上記ガラス系基板の上記第1の主表面と上記第2の主表面との間の、上記第1の主表面及び上記第2の主表面に対して等距離の平面に関して、非対称な断面と、上記第1の主表面と上記平面との間に位置決めされた第1の先細領域及び第2の先細領域を有する内壁とを含む。上記第1の先細領域の傾斜は一定であり、また上記第2の先細領域の傾斜は一定である。上記第1の先細領域の上記傾斜は、上記第2の先細領域の上記傾斜と等しくない。上記半導体パッケージは更に、上記先細ビア内に配置された導電性材料と、上記先細ビア内に配置された上記導電性材料に電気的に連結された半導体デバイスとを含む。
【0010】
別の実施形態では、少なくとも1つのビアを有するガラス系基板を形成する方法は、少なくとも1つの損傷軌跡(damage track)を有するガラス系物品を、第1のエッチング液を用いて第1のエッチング速度でエッチングするステップ;及び上記ガラス系物品を、第2のエッチング液を用いて第2のエッチング速度でエッチングして、上記少なくとも1つのビアを有する上記ガラス系基板を形成するステップを含む。上記第2のエッチング液の浴は、上記第1のエッチング液の浴中のエッチング液の濃度とは異なる、エッチング液の濃度を含む。上記少なくとも1つのビアは、第1の一定の傾斜を有する第1の先細領域と、第2の一定の傾斜を有する第2の先細領域とを含み、上記第1の一定の傾斜及び上記第2の一定の傾斜は等しくない。
【0011】
別の実施形態では、少なくとも1つの貫通ビアを有するガラス系基板を形成する方法は:ガラス系物品をエッチング液中でエッチングするステップ;並びに上記エッチング液の温度、濃度、及び撹拌の程度のうちの少なくとも1つを調節して、上記少なくとも1つの貫通ビアが、連続的に変化する側壁のテーパと、上記ガラス系基板の中心に関して対称なプロファイルとを有するように、上記少なくとも1つの貫通ビアを有する上記ガラス系基板を形成するステップを含む。
【0012】
別の実施形態では、少なくとも1つのブラインドビアを有するガラス系基板を形成する方法は:ガラス系物品をエッチング液の浴中でエッチングするステップ;並びに上記エッチング液の浴の温度、濃度、及び撹拌の程度のうちの少なくとも1つを調節して、上記少なくとも1つのブラインドビアが連続的に変化する側壁のテーパを含むように、上記少なくとも1つのブラインドビアを有する上記ガラス系基板を形成するステップを含む。
【0013】
インターポーザ及びインターポーザアセンブリ等のガラス系構造体を形成するための方法の更なる特徴及び利点は、以下の「発明を実施するための形態」に記載され、その一部は、当業者には「発明を実施するための形態」から容易に明らかとなるか、又は「発明を実施するための形態」、後続の特許請求の範囲及び添付の図面を含む本明細書に記載された複数の実施形態を実施することによって認識されるだろう。
【0014】
上述の「発明の概要」及び以下の「発明を実施するための形態」の両方は、様々な実施形態を記載し、請求対象の主題の性質及び特徴を理解するための概説又は枠組みを提供することを意図したものであることを理解されたい。添付の図面は、上記様々な実施形態の更なる理解を提供するために含まれており、本明細書の一部に組み込まれて本明細書の一部を構成する。図面は本明細書に記載の上記様々な実施形態を図示し、本説明と併せて、請求対象の主題の原理及び動作を説明する役割を果たす。
【0015】
図面に示されている実施形態は説明及び例示的な性質のものであり、請求項によって定義される主題を限定することを意図したものではない。以下の例示的実施形態の詳細な説明は、以下の図面と併せて読むと理解でき、これらの図面では、同様の構造は同様の参照番号を用いて示されている。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本明細書に図示及び記載されている1つ以上の実施形態による、ガラスインターポーザを含む例示的な半導体アセンブリの概略図
【
図2A】本明細書に図示及び記載されている1つ以上の実施形態による、ビアを中に有するウェハとして構成された例示的な物品の概略図
【
図2B】本明細書に図示及び記載されている1つ以上の実施形態による、ビアを中に有する例示的なウェハの一部分の上面概略図
【
図3A】本明細書に図示及び記載されている1つ以上の実施形態による、例示的なビアジオメトリの概略断面側面図
【
図3B】本明細書に図示及び記載されている1つ以上の実施形態による、
図3Aのビアの内壁の2つの先細領域の間の傾斜の変化の概略詳細図
【
図3C】本明細書に図示及び記載されている1つ以上の実施形態による、別の例示的なビアジオメトリの概略断面側面図
【
図3D】本明細書に図示及び記載されている1つ以上の実施形態による、更に別の例示的なビアジオメトリの概略断面側面図
【
図3E】本明細書に図示及び記載されている1つ以上の実施形態による、更に別のビアジオメトリの概略断面側面図
【
図3F】本明細書に図示及び記載されている1つ以上の実施形態による、更に別のビアジオメトリの概略断面側面図
【
図3G】本明細書に図示及び記載されている1つ以上の実施形態による、ある特定のビアジオメトリを有する例示的な先細ビアの概略断面側面図
【
図4】本明細書に図示及び記載されている1つ以上の実施形態による、例示的なテーパの一部分の概略断面側面図であり、その内壁の様々な先細領域の長さを示す
【
図5A】本明細書に図示及び記載されている1つ以上の実施形態による、ガラス物品を形成する例示的な方法のフローチャート
【
図5B】本明細書に図示及び記載されている1つ以上の実施形態による、複数のエッチングプロセスを経た例示的な先細ビアの概略断面側面図
【
図6】
図5Aに関して記載されているプロセスによって形成されたガラス物品の表面からの深さに対する、例示的なビアの半径のグラフ
【
図7】本明細書に図示及び記載されている1つ以上の実施形態による、ガラス物品を形成する別の例示的な方法のフローチャート
【
図8】
図7に関して記載されているプロセスによって形成されたガラス物品のうちの1つの軸方向位置に対する、例示的なビアの半径のグラフ
【
図9】
図7に関して記載されているプロセスによって形成されたガラス物品のうちの別の1つの軸方向位置に対する、別の例示的なビアの半径のグラフ
【
図10】本明細書に図示及び記載されている1つ以上の実施形態による、ガラス物品を形成する更に別の例示的な方法のフローチャート
【
図11】
図10に関して記載されているプロセスによって形成されたガラス物品のうちの1つの軸方向位置に対する、例示的なビアの半径のグラフ
【
図12】本明細書に図示及び記載されている1つ以上の実施形態による、ガラス物品を形成する更に別の例示的な方法のフローチャート
【
図13】
図12に関して記載されているプロセスによって形成されたガラス物品のうちの1つの軸方向位置に対する、例示的なビアの半径のグラフ
【
図14A】本明細書に図示及び記載されている1つ以上の実施形態による、例示的な先細ビアの断面図
【
図14B】
図14Aに示されている例示的な先細ビアの内壁のコンピュータ支援トレースの概略図
【
図15A】本明細書に図示及び記載されている1つ以上の実施形態による、コンピュータプログラムによって決定された、
図14Aに示されている例示的な先細ビアの複数の先細領域のグラフ
【
図15B】本明細書に図示及び記載されている1つ以上の実施形態による、
図15Aに示されているグラフの例示的な当てはめ残差の絶対値のグラフ
【発明を実施するための形態】
【0017】
図面を全体的に参照すると、本開示の実施形態は一般に、ビア(例えば孔)と、ビアの金属化及び再分配層(RDL)の適用を含むがこれらに限定されない下流の加工の良好な実施を可能とする表面属性とを有する、物品に関する。上記物品は、半導体デバイス、高周波(RF)デバイス(例えばアンテナ、スイッチ等)、インターポーザデバイス、超小型電子デバイス、光電子デバイス、微小電気機械システム(MEMS)デバイス、及びビアを活用できる他の用途において使用するためのものであってよい。
【0018】
より詳細には、本明細書に記載の実施形態は、レーザ損傷及びエッチングプロセスによって形成されるビアを有するガラス系物品を対象とし、上記ビアは、それぞれ独自の傾斜を有する複数の領域を有する内壁等の、ある特定の内壁ジオメトリを含む。最終的に、上記ビアは、導電性材料でコーティング又は充填されていてよい。特定の内壁ジオメトリを有するビアは、金属化プロセス等の下流プロセスの信頼性を向上させることができる。例えば、上記内壁の上記特定のジオメトリにより、金属化プロセス中の側壁の表面に対する気泡のカプセル化を防止できる。
【0019】
本開示の実施形態は更に、所望のジオメトリを備えたビアを有するガラス系物品をもたらすレーザ形成及びエッチングプロセスを対象とする。本明細書に記載の所望のビアジオメトリを有するガラス物品等の物品は、例えばRFアンテナ等の半導体デバイスにインターポーザとして実装してよい。
【0020】
物品、半導体パッケージ、及び基板にビアを形成するための方法の様々な実施形態を以下に詳述する。
【0021】
用語「インターポーザ(interposer)」は一般に、限定するものではないが例えば該インターポーザの対向する表面に配置された2つ以上の電子デバイス間において、電気的接続がそれを通って延在又は完成する、いずれの構造体を指す。上記2つ以上の電子デバイスは、単一の構造体内に共存してよく、又は異なる構造体内に互いに隣接して配置されていてもよく、従ってインターポーザが相互接続ノジュールの一部分として機能する。従って、インターポーザは、ガラス貫通ビア及び他の相互接続コンダクタ(例えば電力、接地、及び信号コンダクタ等)が存在する、及び形成される、1つ以上のアクティブ領域を内包してよい。インターポーザはまた、ブラインドビアが存在する、及び形成される、1つ以上のアクティブ領域を含んでもよい。インターポーザが、ダイ、アンダーフィル材料、カプセル化剤等といった他の構成部品と共に形成される場合、インターポーザは、インターポーザアセンブリと呼ばれる場合もある。また、用語「インターポーザ」は更に、インターポーザのアレイ等の複数のインターポーザを含んでよい。
【0022】
図1は、全体として10で示される半導体パッケージの代表例を示し、これは、物品15、伝導性材料20、及び半導体デバイス25を含む。半導体パッケージ10の上記様々な構成部品は、本明細書中で更に詳細に記載されるように、伝導性材料20が物品15の少なくとも一部分上に配置される、例えば物品15の基板のビア内に配置されるように、配設してよい。半導体デバイス25は、半導体デバイス25が伝導性材料20と電気的に接触するように、連結できる。いくつかの実施形態では、半導体デバイス25は伝導性材料20と直接接触していてよい。他の実施形態では、半導体デバイス25は、隆起30等を介して、伝導性材料20と間接的に接触していてよい。
【0023】
図2Aは、複数のビア120がその中に配置された例示的な基板100の概略斜視図である。
図2Bは、
図2Aに示す例示的な物品の概略上面図である。
図2A及び2Bはウェハとして構成された基板100を示しているが、上記基板は、パネルを含むがこれに限定されないいずれの形状を取ってよいことを理解されたい。基板100は概ね平面であってよく、また第1の主表面110と、第1の主表面110の反対側に位置決めされた、第1の主表面110と共に平面状の、第2の主表面112とを有してよい。
【0024】
本明細書に記載の物品は、可視スペクトル内の波長を有する放射を通過させることができる、光透過性材料から製作される。例えば基板100は、約390nm~約700nmの範囲内の少なくとも1つの波長の、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、又は少なくとも約90%を透過させてよい。基板100はガラス系基板であってよい。ガラス系基板材料は、一部又は全体がガラス製の材料であり、ガラス(溶融シリカを含む)及びガラスセラミックを含むがこれらに限定されない。いくつかの実施形態では、基板100をガラスとすることができ、上記ガラスは、溶融シリカ、アルカリ含有ガラス、又はアルカリ非含有ガラス(例えばアルカリ非含有アルカリアルミノボロシリケートガラス)を含むことができる。いくつかの実施形態では、基板100は、ガラス層、ガラスセラミック層、又はガラス層とガラスセラミック層との組み合わせの積層体であってよい。いくつかの実施形態では、基板100は、イオン交換処理等によって化学強化されていてよいガラス又はガラスセラミック(例えば「化学強化ガラス」又は「化学強化ガラスセラミック」)から形成される。例えば、基板100は、ソーダライムガラスバッチ組成物、アルカリアルミノシリケートガラスバッチ組成物、又は形成後にイオン交換によって強化できる他のガラスバッチ組成物から形成してよい。ある特定の例では、基板100は、Corning Incorporatedが製造しているGorilla(登録商標)ガラスから形成してよい。
【0025】
いくつかの実施形態では、基板100は、低い熱膨張係数(例えば約4ppm/℃以下)を有してよく、他の実施形態では、基板100は、高い熱膨張係数(例えば約4ppm/℃超)を有してよい。
【0026】
上述のように、基板100は、電子デバイス内のインターポーザとして実装してよく、これにより、例えば限定するものではないが、基板100の第1の主表面110に連結された1つ以上の電子構成部品と第2の主表面112に連結された1つ以上の電子構成部品との間において、電気信号が基板100を通過する。基板100のビア120に導電性材料を充填することにより、電気信号が通過できる導電性ビアを提供する。ビア120は例えば、ガラス貫通ビア又はブラインドビアであってよい。本明細書中で使用される場合、ガラス貫通ビアは、基板100の厚さTを通って、第1の主表面110から第2の主表面112まで延在する。本明細書中で使用される場合、ブラインドビアは、第1の主表面110及び第2の主表面112のうちの一方から、第1の主表面110及び第2の主表面112のうちのもう一方までの全行程ではなく、基板100の厚さTの一部のみを通って延在する。電気トレースの1つ以上のパターンを提供するために金属化できるチャネルを含むがこれに限定されない他の特徴部分を、基板100の第1の主表面110又は第2の主表面112内に形成してよい。他の特徴部分を設けてもよい。
【0027】
基板100はいずれのサイズ及び/又は形状を有し、これらは例えば最終的な用途に左右され得る。限定ではなく例として、基板100の厚さTは、約25マイクロメートル~約3,000マイクロメートルの範囲内、例えば約25マイクロメートル、約50マイクロメートル、約75マイクロメートル、約100マイクロメートル、約200マイクロメートル、約300マイクロメートル、約400マイクロメートル、約500マイクロメートル、約600マイクロメートル、約700マイクロメートル、約800マイクロメートル、約900マイクロメートル、約1,000マイクロメートル、約2,000マイクロメートル、約3,000マイクロメートル、又はこれらの値のうちのいずれの2つの間のいずれの値若しくは範囲(終点を含む)であってよい。
【0028】
基板100のビア120は、例えば約10マイクロメートル~約250マイクロメートル、例えば約15マイクロメートル以下、約20マイクロメートル以下、約25マイクロメートル以下、約30マイクロメートル以下、35マイクロメート以下、約40マイクロメートル以下、約50マイクロメートル以下、約60マイクロメートル以下、約70マイクロメートル以下、約80マイクロメートル以下、約90マイクロメートル以下、約100マイクロメートル以下、約110マイクロメートル以下、約120マイクロメートル以下、約130マイクロメートル以下、約140マイクロメートル以下、約150マイクロメートル以下、約160マイクロメートル以下、約170マイクロメートル以下、約180マイクロメートル以下、約190マイクロメートル以下、約200マイクロメートル以下、約210マイクロメートル以下、約220マイクロメートル以下、約230マイクロメートル以下、約240マイクロメートル以下、約250マイクロメートル以下、又はこれらの値のうちのいずれの2つの間のいずれの値若しくは範囲(終点を含む)の、開口直径Dを有してよい。本明細書中で使用される場合、開口直径Dは、基板100の第1の主表面110又は第2の主表面112におけるビア120の開口の直径を指す。ビア120の開口は一般に、略水平な主表面110、112と、ビア120の壁の傾斜した表面との間の遷移部分を示す位置にある。ビア120の開口直径Dは、光学顕微鏡で撮像されたビア120への入口の縁部に最もフィットする最小二乗円の直径を求めることによって決定できる。
【0029】
同様に、基板100のビア120は、約5マイクロメートル~約150マイクロメートルの開口半径Rを有してよい。本明細書中で使用される場合、開口半径Rは、基板100の第1の主表面110又は第2の主表面112のビア120の開口の中心点Cからの半径を指す。
【0030】
隣接するビア120の中心間の間隔であるビア120のピッチZは、所望の用途に応じて、限定するものではないが約10マイクロメートル~約2,000マイクロメートル、例えば約10マイクロメートル、約50マイクロメートル、約100マイクロメートル、約250マイクロメートル、約1,000マイクロメートル、約2,000マイクロメートル、又はこれらの値のうちのいずれの2つの間のいずれの値若しくは範囲(終点を含む)の、いずれの寸法であってよい。いくつかの実施形態では、ピッチZは、同一の基板100上のビア120間で様々であってよい(即ち第1のビアと第2のビアとの間のピッチZは、第1のビアと第3のビアとの間のピッチZとは異なっていてよい)。いくつかの実施形態では、ピッチZは、約10マイクロメートル~約100マイクロメートル、約25マイクロメートル~約500マイクロメートル、約10マイクロメートル~約1,000マイクロメートル、又は約250マイクロメートル~約2,000マイクロメートル等の範囲であってよい。
【0031】
本明細書中で定義されるように、基板100の平均厚さTは、ビア120の形成による第1の主表面110又は第2の主表面112上のいずれの陥没領域の外側で得られる、3つの厚さ測定値の平均を計算することによって決定される。本明細書中で定義されるように、上記厚さ測定値は、干渉計によって得られる。以下で更に詳細に説明されるように、レーザ損傷及びエッチングプロセスは、基板100内に形成された孔を取り囲む陥没領域を生成できる。従って平均厚さTは、上記陥没領域の外側の3つの場所で基板100の厚さを測定することによって決定される。本明細書中で使用される場合、句「陥没領域の外側(outside of 上記depressed region)」は、直近のビア120から約500マイクロメートル~約2,000マイクロメートルの範囲内の距離において上記測定値を得ることを意味している。更に、物品の平均厚さの正確な表現を得るために、測定点は互いから少なくとも約100マイクロメートル離れているものとする。換言すれば、いずれの測定点も、別の測定点の100マイクロメートル以内にはないものとする。
【0032】
上述のように、ビア120(及びいくつかの実施形態では他の特徴部分)に、スパッタリング、無電解及び/又は電解メッキ、化学蒸着等を含むがこれらに限定されないいずれの公知の技法を用いて、導電性材料を充填してよい。上記導電性材料は例えば、銅、銀、アルミニウム、チタン、金、白金、ニッケル、タングステン、マグネシウム、又は他のいずれの好適な材料であってよい。ビア120を充填すると、これらは、基板100の第1の主表面110及び第2の主表面112上に配置される電子部品の電気トレースを電気的に連結できる。
【0033】
ビア120のジオメトリは、得られるビア120の充填の品質においてある役割を果たすことができる。ビア120の内部形状(即ちプロファイル)は、金属化プロセスの成功において重要な役割を果たすことができる。例えばあまりに「砂時計型の(hourglass)」形状を有するビアは、不良な金属化、及び金属化後の不十分な電気的性能につながり得る。真空堆積コーティングといった金属化プロセスは多くの場合、見通し線の問題を有し、これは、適用されるコーティングが、粗いテクスチャの最も内側の領域、又は砂時計状のビアの下側領域に到達できないことを意味する。というのは、表面のいくつかの地点が他のいくつかの地点をコーティングプロセスから「遮って(shadow)」しまうためである。同一の砂時計状の形状はまた、熱サイクル等の環境応力に部品を曝露した場合に割れ及び他の破損が発生し得るなどの、金属化後の信頼性の問題につながり得る。更に、物品の上面及び底面に沿った、ビア120の入口及び/又は出口付近の陥没又は隆起も、再分配層プロセスの適用時のメッキ、コーティング及び結合に関する問題につながり得る。従って、技術的に利用可能な製品を製作するために、孔の形態の厳密な制御が存在していなければならない。本開示の実施形態は、所望のジオメトリ属性及び公差を有する物品、並びにこのようなジオメトリ属性及び公差を有する物品を得るための例示的な製作プロセスを提供する。
【0034】
本明細書中において、基板100の厚さを通る様々な断面ジオメトリを有するビア120について具体的に言及されているが、ビア120は、他の多様な断面ジオメトリを含んでよく、従って本明細書に記載の実施形態は、ビア120のいずれの特定の断面ジオメトリに限定されないことを理解されたい。更に、ビア120は、基板100の平面内に円形の断面を有するものとして図示されているが、ビア120は他の平面断面ジオメトリを有してよいことを理解されたい。例えばビア120は、楕円形断面、正方形断面、長方形断面、三角形断面等を含むがこれらに限定されない、基板100の平面内の他の様々な断面ジオメトリを有してよい。更に、様々な断面ジオメトリを有するビア120を、単一のインターポーザパネル内に形成してよいことを理解されたい。
【0035】
図3A~3Gは、基板100内の様々な例示的なビアの個別の概略図である。
図3A、3C、3D、3E、及び3Fはそれぞれガラス貫通ビアを示し、
図3Gはブラインドビアを示す。本明細書中で提供される説明の一部は、
図3A~3Gのうちの特定の1つを特に対象としている場合があるが、特段の記載がない限り、
図3A~3Gに関して図示されている様々な実施形態のうちのいずれに対して全体的に適用可能であることを理解されたい。
【0036】
図3Aは、ある実施形態による例示的なビア120の断面側面図を示す。ビア120は一般に、基板100を通って基板100の第1の主表面110と第2の主表面112との間の全距離にわたって延在するため、ガラス貫通ビアとなり得る。第1の主表面110及び第2の主表面112は、互いに対して概ね平行であってよく、及び/又は互いからある距離だけ離間してよい。いくつかの実施形態では、第1の主表面110と第2の主表面112との間の距離は、平均厚さTに対応してよい(
図2A)。先細ビア120は一般に、先細ビア120の全長にわたって延在する内壁122を含んでよい。即ち内壁122は、基板100の第1の主表面110から第2の主表面112まで延在する。内壁122は複数の先細領域を含み、各先細領域は、本明細書中で更に詳細に説明されるように、その相対的な傾斜によって、他の先細領域から区別される。非限定的な例として、
図3Aは内壁122を、第1の先細領域124、第2の先細領域126、及び第3の先細領域128を有するものとして図示しており、第1の先細領域124、第2の先細領域126、及び第3の先細領域128はそれぞれ異なる傾斜を有する。内壁122は、本開示の範囲から逸脱することなく、より多数又はより少数の先細領域を有してよいことを理解されたい。
【0037】
第1の先細領域124、第2の先細領域126、及び第3の先細領域128はそれぞれ、全体として第1の主表面110から第2の主表面112まである方向に延在してよい。いくつかの実施形態では、先細領域は、第1の主表面110及び第2の主表面112に対して垂直な直線路内に延在していてよいが、常にそうではない。即ちいくつかの実施形態では、先細領域は、第1の主表面110からある角度で、ただし全体として第2の主表面112に向かって延在してよい。このような角度は、ある特定の先細領域の傾斜と呼ばれる場合がある。
【0038】
内壁122の(第1の先細領域124、第2の先細領域126、及び第3の先細領域128を含む)様々な先細領域それぞれの傾斜は、本開示によって限定されない。即ち、各先細領域124、126、128は、いずれの傾斜を有してよく、これは:先細領域124、126、128の画像を取得し;取得した画像から先細領域124、126、128のプロファイルを抽出し;ある特定の点、複数の点、及び/又はある特定の領域において、上記プロファイルから傾斜を決定するよう特に構成された、いずれの画像処理ソフトウェアによって算出される。このような画像処理ソフトウェアの1つの代表例として、限定するものではないが、Igor Pro(WaveMetrics, Inc.(オレゴン州ポートランド))が挙げられる。
【0039】
より具体的には、
図14Aに示すように、ビア120のプロファイル1405の画像1400を取得してよい。このような画像1400を取得するために、基板100(
図3A)を、第1の主表面110と第2の主表面112との間(
図3A)に延在する方向に、ビア120を通るようにスライスすることによって、ビア120の断面を可視化しなければならない。光学顕微鏡、走査電子顕微鏡(SEM)等を用いて、ビア120のプロファイル1405の画像1400を取得できる。
【0040】
図14A及び14Bの両方を参照すると、(箱型を形成する破線で示されている)関心領域1410を選択してよい。いくつかの実施形態では、関心領域1410はビア120全体を含んでよい。他の実施形態では、関心領域1410はビア120の一部分のみを内包してよい。例えば、ビア120が対称なビアである場合、ビア120の半分(例えば
図3Aに示すように、第1の主表面110から平面Pまで延在するビア120の部分)のみを関心領域1410として選択してよい。関心領域1410の選択後、(様々な先細領域124、126、128を含む)ビア120の内壁122を、コンピュータソフトウェアを用いて電気的にトレースして、トレース線1415を得てよい。トレース線1415は、画像1400内でトレース線1415の輪郭がビア120の内壁122の輪郭に対応するように、プロファイル1405の画像1400の上に重ねて描画してよい。トレース線1415を内包したこのような図は、本明細書中で更に詳細に説明される市販のデータ/画像処理ソフトウェアによって得られる標準的なエッジ検出技法を用いて完成できる。
【0041】
次にトレース線1415を分析して、(様々な先細領域124、126、128を含む)内壁122の1つ以上の部分の傾斜を決定してよい。例えば
図15Aに示すように、トレース線1415をグラフで示し、本明細書に記載のコンピュータソフトウェアを用いて、トレース線1415の1つ以上の直線領域を決定する。直線領域は、以下のように定義される:(1)上記領域の長さは5μm以上であり、一般に10μm超であってよい;(2)上記領域は、xを深さ(表面からの距離)、yを深さxにおけるビアの半径とした最小二乗当てはめを用いて、線形関数(y=a+bx)に当てはめることができ、ここで最小二乗当てはめの残差の絶対値は1μm未満である(
図15Bの対応するグラフによって示される;ここで上記残差は、所与の深さ(x)における実際の半径(y)と、所与の深さ(x)における当てはめた半径(y)との間の差である);及び(3)いずれの隣接する領域に関する上記当てはめ関数の傾斜は、0.01だけ異なるものとし、これは、テーパの角度に関する0.57°の差に変換される。上述の基準(1)、(2)及び(3)の全てを満たす領域は、一定の傾斜を有する領域と呼ばれる。
図15Aに示すように、トレース線1415は、4つの別個の直線領域:点Aと点Bとの間の領域;点Cと点Dとの間の領域;点Eと点Fとの間の領域;及び点Gと点Hとの間の領域を有する。従って、点Aと点Bとの間、点Cと点Dとの間、点Eと点Fとの間、及び点Gと点Hとの間の領域の傾斜は一定である。更に、トレース線1415の点Bと点Cとの間、点Dと点Eとの間、及び点Fと点Gとの間の範囲は、本明細書中で更に詳細に説明するように、一定の傾斜の範囲の間の遷移範囲となり得る。
【0042】
再び
図3Aを参照すると、いくつかの実施形態では、各先細領域の傾斜は、ある特定の点における、ある特定の軸に対する角度であってよい。例えば、いくつかの実施形態では、上記傾斜は、第1の主表面110及び/又は第2の主表面112に対して略平行な軸に対する角度であってよい。他の実施形態では、各先細領域の傾斜は、第1の主表面110及び/又は第2の主表面112に対して略垂直な軸に対する角度であってよい。いくつかの実施形態では、各先細領域の傾斜は、第1の主表面110及び/又は第2の主表面112に対して垂直な軸及び平行な軸に関する比として表現できる。例えば、ある特定の先細領域の傾斜は、比3:1として表現でき、これは一般に、上記傾斜が、第1の主表面110及び/又は第2の主表面112に対して垂直な第1の方向に3単位だけ延在する第1の辺と、第1の主表面110及び/又は第2の主表面112に対して平行な第2の方向に1単位だけ延在する第2の辺とを有する直角三角形の斜辺であることを意味する。(第1の先細領域124、第2の先細領域126、及び第3の先細領域128を含む)先細領域の代表的な傾斜は、約3:1~約100:1、例えば約3:1、約4:1、約5:1、約6:1、約7:1、約8:1、約9:1、約10:1、約20:1、約30:1、約40:1、約50:1、約60:1、約70:1、約80:1、約90:1、約100:1、又はこれらの値のうちのいずれの2つの間のいずれの値若しくは範囲(終点を含む)であってよい。
【0043】
様々な実施形態では、各先細領域の傾斜間の遷移範囲は、内壁122の一定の傾斜の領域が終端するいずれの場合に発生し得る。遷移範囲の例は、トレース線1415の、点Bと点Cとの間、点Dと点Eとの間、及び点Fと点Gとの間の領域である。いくつかの実施形態では、遷移範囲の傾斜は、一定の傾斜の領域の傾斜から、約0.57°以上、約1°以上、約2°以上、約3°以上、約4°以上、又は約5°以上だけ変化する。例えば
図3Bに示すように、第2の先細領域126の傾斜から第3の先細領域128の傾斜への遷移範囲は、内壁122の接線155の傾斜が、第2の先細領域126の一定の傾斜から少なくとも0.57°変化する点において発生し得る。点の位置は一般に、上述の画像処理ソフトウェアによって、内壁122の連続する複数の点を、先細領域のうちの1つから離れる方向に横断し、上記連続する複数の点それぞれを測定し、上記連続する複数の点それぞれが、特定の連続する点に先行する先細領域の傾斜から少なくとも0.57°変化しているかどうかを決定することで、決定できる。いくつかの実施形態では、このような遷移範囲は、特定の点150によって画定できる。他の実施形態では、このような遷移範囲は、拡張領域であってよい。即ち上記遷移範囲は漸進的であり、従って第2の先細領域126の傾斜から第3の先細領域128の傾斜への遷移は、ある特定の点において発生せず、ある領域において発生し、ここで、上記遷移範囲内の内壁122の平均傾斜は、第2の先細領域126及び第3の先細領域128から約0.57°以上変化している。
【0044】
いくつかの実施形態では、先細領域間の遷移範囲は、
図3A、3C、3F、及び3Gに示すように明らかなものであってよい。即ち、遷移領域は、ある特定の点150(
図3B)又は長さが比較的短い領域であってよく、これにより、他の先細領域に対する各先細領域の始点及び終点の区別をより容易にすることができる。他の実施形態では、先細領域間の遷移範囲は、
図3D及び3Eに示すように比較的大きくてよく、これにより、内壁122の傾斜は連続的に変化しているように見え、他の先細領域に対する各先細領域の始点及び終点の区別がより困難になり得る。例えば
図3Dに示すように、第1の先細領域124の傾斜と第2の先細領域126の傾斜との間の遷移範囲は、
図3Aに示す第1の先細領域124の傾斜と第2の先細領域126の傾斜との間の遷移範囲よりも長くなり得る。
【0045】
様々な先細領域それぞれの長さは様々であってよく、一般に本開示によって限定されない。様々な先細領域それぞれの長さは、先細領域の個数、第1の主表面110と第2の主表面112との間の距離、各先細領域の傾斜、先細領域間の遷移範囲のサイズ等に基づいていてよい。特定の領域それぞれの長さは、本明細書中で更に詳細に説明するように、特定の領域それぞれに関する終点に基づいていてよい。例えば第1の先細領域124は、内壁122と第1の主表面110との交点に位置する第1の終点と、内壁122上の、内壁122の一定の傾斜が終端する点、例えば傾斜が第1の先細領域124の傾斜から少なくとも0.57°だけ変化する点である第2の終点とを有してよい。同様に、第2の先細領域126は、第1の先細領域124との交点から第2の主表面112に向かって延在してよい。本明細書中で使用される場合は様々な先細領域に関するものである上記長さ(先細領域を全て合わせて含む全長を含む)は、内壁122の輪郭/プロファイルを始点から終点までたどったときに横断される、内壁122の長さを指すことを理解されたい。
【0046】
いくつかの実施形態では、(第1の先細領域124、第2の先細領域126、及び/又は第3の先細領域128を含む)ある特定の先細領域の長さは、約15マイクロメートル~約360マイクロメートル、例えば約15マイクロメートル、約25マイクロメートル、約50マイクロメートル、約75マイクロメートル、約100マイクロメートル、約150マイクロメートル、約200マイクロメートル、約250マイクロメートル、約300マイクロメートル、約350マイクロメートル、約360マイクロメートル、又はこれらの値のうちのいずれの2つの間のいずれの値若しくは範囲(終点を含む)であってよい。
【0047】
ビア120は、第1の主表面110と第2の主表面112との間に位置する、第1の主表面110及び第2の主表面112から等距離の(例えば第1の主表面110と第2の主表面との間の中間の高さの)平面Pに関して、対称であっても非対称であってもよい。更に、平面Pは更に、第1の主表面110及び第2の主表面112に対して略平行であってよい。
【0048】
ビア120が平面Pに関して対称である場合、平面Pと第1の主表面110との間の第1の部分130内の、内壁122の様々な先細領域は、平面Pと第2の主表面112との間の第2の部分140内の、内壁122の様々な先細領域の鏡像であってよい。即ち、第1の部分130内での平面Pからいずれの所与の距離におけるビア120の直径は、第2の部分140内での平面Pから対応する距離におけるビア120の直径に略等しくなる。例えば、
図3A及び3Dに示すように、第1の部分130内の第1の主表面110のビア120の開口における、ビア120の第1の直径D
1は、第2の主表面112のビア120の開口における、ビア120の第2の直径D
2に略等しい。本明細書中で対称な形状に関して使用される場合、用語「略等しい(substantially equal)」は、許容誤差限界内で等しい複数の直径を指す。許容誤差限界は、3マイクロメートル以下、約2マイクロメートル以下、1マイクロメートル以下、約0.5マイクロメートル以下、約0.25マイクロメートル以下、約0.1マイクロメートル以下、又は約0マイクロメートル以下であってよい。
【0049】
対照的に、
図3C、3E、及び3Fに示すように、別のビア120’が平面Pに関して非対称である場合、第1の部分130内の内壁122の様々な先細領域は、第2の部分140内の内壁122の様々な先細領域の鏡像ではない。即ち、
図3C、3E、及び3Fに示すように、第1の部分130内のいずれの所与の場所における、ビア120’の第1の直径D
1は、第2の部分140内の対応する場所における、ビア120’の第2の直径D
2に等しくない。
図3Gのブラインドビアにおいて特に図示されているように、平面Pの一方の側の第1の部分130が、平面Pの下側の第2の部分140の鏡像ではないため、ビア120’は非対称である。更に、ビア120’はブラインドビアであるため、第2の主表面112上に開口を内包していない。そうではなく、ビア120’は第1の主表面110上のみに開口を内包する。
【0050】
図4に示すように、ビア120は、平面Pにおいて特定のウエスト直径Wを有してよい。いくつかの実施形態では、ウエスト直径Wは、第1の直径D
1及び第2の直径(図示せず)のうちの大きい方の約80%以上であってよい。他の実施形態では、ウエスト直径Wは、第1の直径D
1及び第2の直径のうちの大きい方の約20%~約100%の範囲内であってよい。他の実施形態では、ウエスト直径Wは、第1の直径D
1及び第2の直径のうちの大きい方の約85%、第1の直径D
1及び第2の直径約のうちの大きい方の約90%、第1の直径D
1及び第2の直径のうちの大きい方の約30%~約100%、第1の直径D
1及び第2の直径のうちの大きい方の約40%~約100%、第1の直径D
1及び第2の直径のうちの大きい方の約50%~約100%、第1の直径D
1及び第2の直径のうちの大きい方の約60%~約100%、第1の直径D
1及び第2の直径のうちの大きい方の約70%~約100%、第1の直径D
1及び第2の直径のうちの大きい方の約80%~約100%、又は第1の直径D
1及び第2の直径のうちの大きい方の約90%~約100%であってよい。いくつかの実施形態では、ウエスト直径は、約5マイクロメートル~約200マイクロメートル、例えば約5マイクロメートル、約10マイクロメートル、約25マイクロメートル、約50マイクロメートル、約100マイクロメートル、約200マイクロメートル、又はこれらの値のうちのいずれの2つの間のいずれの値若しくは範囲(終点を含む)であってよい。
【0051】
図5Aは、少なくとも1つ以上の実施形態による、少なくとも1つの対称な先細ビアを含むガラス系基板を形成する例示的な方法を示す。
図5Aに示すステップは単なる例であり、複数のステップを排除してもよく、又は追加のステップを含めてもよい。いくつかの実施形態では、
図5Aに関して記載される方法によって形成されるガラス系基板は、本明細書中で更に詳細に説明するように、複数の先細領域を備えた内壁と、平面に関して対称な断面とを有する、貫通ビアを含んでよい。
【0052】
ステップ505では、平面状のガラス系基板を提供できる。本明細書に記載されているように、ガラス系基板は一般に、それを貫通するビアの形成に好適ないずれのガラス系基板であってよい。ガラス系基板は、いずれの好適な厚さ及び/又は形状を有してよく、例えば0.7ミリメートル(mm)厚、直径150mmのウェハであってよい。
【0053】
ステップ510では、1つ以上のレーザ損傷領域又はパイロット孔をガラス系基板に形成できる。レーザ損傷領域は、エッチング用溶液の塗布時に非損傷領域よりも速いエッチング速度でエッチングされる損傷領域を基板100内に形成する。1つ以上の損傷軌跡は、米国公開特許第2015/0166395号明細書(参照によりその全体が本出願に援用される)に記載されているもの等の線焦点レーザによって形成できる。しかしながら、本開示はこのようなレーザに限定されず、本開示の範囲から逸脱することなく、1つ以上の損傷軌跡を他のレーザで形成してよい。レーザのエネルギ密度(例えばガラス系基板に送達されるエネルギ)は、ガラス系基板の少なくとも一部分に沿って(例えばガラス貫通ビアが望ましい場合には、ガラス系基板の幅全体に沿った)、及びレーザの全範囲に沿って、損傷閾値を超えるように選択してよい。ブラインドビアが望ましい実施形態では、1つ以上の損傷軌跡を形成するステップは、基板の第1の主表面上の第1の損傷軌跡のセットと、第2の主表面上の第2の損傷軌跡のセットとを、ガラス系基板に送達されたエネルギが、上記第1の損傷軌跡のセットにおいて損傷閾値より高く、上記第2の損傷軌跡のセットにおいて損傷閾値より低くなるように、形成するステップを含んでよい。1つ以上の損傷軌跡をガラス系基板上に形成する他の手段も一般に理解されているはずであり、本開示の範囲内に含まれることが意図されている。
【0054】
損傷軌跡を形成するステップは、いずれの形成技法を含んでよく、本開示はいずれの特定の技法に限定されない。例示的な形成技法としては、限定するものではないが、機械的穿孔、エッチング、レーザアブレーション、レーザ支援プロセス、レーザ損傷及びエッチングプロセス、研磨ブラスト、研磨ウォータージェット機械加工、集束電熱エネルギ、又は他のいずれの好適な形成技法が挙げられる。
【0055】
ステップ515では、ガラス系基板を、例えばエッチング液の浴中(例えば第1のエッチング液の浴中)に配置することによって、エッチング液に曝露し、特定のエッチング速度(例えば第1のエッチング速度)でエッチングして、レーザ損傷領域を除去する、及び/又はパイロット孔を拡大することにより、ビアの少なくとも一部分を形成する。他の実施形態では、エッチング液への曝露は、エッチング液による噴霧、又はエッチング液クリームの塗布を含むがこれらに限定されないいずれの従来の手段によって達成できる。第1のエッチング液は例えば、酸性エッチング液又は塩基性エッチング液であってよい。酸性エッチング液の代表例としては、限定するものではないが、ある量の硝酸(HNO3)を含有するエッチング液、フッ化水素酸(HF)を含有するエッチング液等が挙げられる。塩基性エッチング液の代表例としては、限定するものではないが、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化アンモニウム(NH4OH)等のアルカリであるエッチング液が挙げられる。いくつかの実施形態では、第1のエッチング液の浴は、約9.8%(w/w)のフッ化水素酸水溶液の停滞した(例えば撹拌されていない)浴であってよい。しかしながら、現在既知である又は今後開発される他のエッチング液の浴も、本開示の範囲から逸脱することなく使用できる。第1のエッチング速度も同様に、本開示によって限定されず、いずれのエッチング速度であってよい。いくつかの実施形態では、第1のエッチング速度は、毎分約2.8ナノメートル(nm/分)~約3.2nm/分、例えば約2.8nm/分、約2.9nm/分、約3.0nm/分、約3.1nm/分、約3.2nm/分、又はこれらの値のうちのいずれの2つの間のいずれの値若しくは範囲(終点を含む)であってよい。ある特定の実施形態では、第1のエッチング速度は約3nm/分であってよい。いくつかの実施形態では、ステップ515は、本明細書中で更に詳細に説明するように、ビアの第1の先細領域を形成してよい。
【0056】
ある期間が経過した後、及び/又はある特定の量のガラス系基板が除去された後、ステップ520では、ガラス系基板をエッチング液(例えばエッチング液の浴)から取り出すことができる。いくつかの実施形態では、この特定の時間量は例えば、約5分~約120分、例えば約5分、約15分、約30分、約60分、約120分、又はこれらの値のうちのいずれの2つの間のいずれの値若しくは範囲(終点を含む)であってよい。ある特定の実施形態では、上記特定の時間量は約75分であってよい。別の特定の実施形態では、上記特定の時間量は約14分であってよい。本開示の範囲から逸脱することなく、他の期間も考えられる。いくつかの実施形態では、除去されるガラス系基板の上記特定の量は、第1の主表面及び第2の主表面のうちの一方から測定した場合に、例えば約10マイクロメートルの材料~約200マイクロメートルの材料、例えば約10マイクロメートルの材料、約50マイクロメートルの材料、約100マイクロメートルの材料、約150マイクロメートルの材料、約200マイクロメートルの材料、又はこれらの値のうちのいずれの2つの間のいずれの値若しくは範囲(終点を含む)であってよい。特定の実施形態では、第1の主表面及び第2の主表面のうちの一方から測定した場合に、約42マイクロメートル又は約180マイクロメートルの材料を除去してよい。
【0057】
ステップ525では、ガラス系基板からエッチング液材料をすすぎ落としてよい。いくつかの実施形態では、ガラス系基板を、例えば0.5M HCl溶液等の、塩酸(HCl)を含有する溶液ですすいでよい。いくつかの実施形態では、ガラス系基板を脱イオン水ですすいでよい。いくつかの実施形態では、ガラス系基板を、第1のすすぎ液ですすいだ後、第2のすすぎ液ですすいでよい。例えば、ガラス系基板を、0.5M HCl溶液ですすいだ後、脱イオン水ですすいでよい。いくつかの実施形態では、全てのエッチング液が除去されたこと、及び/又はエッチング液から取り出された全てのウェハ材料が分離されていることを保証するために、ガラス系基板をある特定の期間、例えば約10分間にわたってすすいでよい。ある特定の実施形態では、ガラス系基板を、0.5M HCl溶液中で10分間すすいだ後、脱イオン水で10分間すすいでよい。
【0058】
ステップ535では、ガラス系基板を、エッチング液、例えばエッチング液の浴(例えば第2のエッチング液の浴)に曝露し、ある特定のエッチング速度(例えば第2のエッチング速度)でエッチングする。他の実施形態では、エッチング液への曝露は、エッチング液による噴霧、又はエッチング液クリームの塗布を含むがこれらに限定されないいずれの従来の手段によって達成できる。第2のエッチング液は例えば、酸性エッチング液又は塩基性エッチング液であってよい。第2のエッチング液は一般に、第1のエッチング液とは異なる濃度を有してよい。例えば、上述の第1のエッチング液は、第2のエッチング液よりも酸性エッチング液又は塩基性エッチング液の濃度が高くてよい。他の実施形態では、第1のエッチング液は、第2のエッチング液よりも酸性エッチング液又は塩基性エッチング液の濃度が低くてよい。ある特定の実施形態では、第2のエッチング液の浴は、6M NaOH溶液であってよい。しかしながら、現在既知である又は今後開発される他のエッチング液も、本開示の範囲から逸脱することなく使用できる。第2のエッチング速度も同様に、本開示によって限定されず、いずれのエッチング速度であってよい。ある特定の実施形態では、第2のエッチング速度は約30nm/分であってよい。いくつかの実施形態では、上述の第1のエッチング速度は第2のエッチング速度より高くてよい。他の実施形態では、第1のエッチング速度は第2のエッチング速度より低くてよい。いくつかの実施形態では、ステップ535は、本明細書中で更に詳細に説明するように、ビアの第2の先細領域を形成してよい。
【0059】
ある期間が経過した後、及び/又はある特定の量のガラス系基板が除去された後、ステップ540では、ガラス系基板をエッチング液(例えばエッチング液の浴)から取り出すことができる。いくつかの実施形態では、この特定の時間量は例えば、約3日であってよい。他の実施形態では、上記特定の時間量は約6時間であってよい。本開示の範囲から逸脱することなく、他の期間も考えられる。いくつかの実施形態では、除去されるガラス系基板の上記特定の量は、第1の主表面及び第2の主表面のうちの一方から測定した場合に、約65マイクロメートルの材料であってよい。
【0060】
エッチング液は、本明細書中に具体的に記載されていない1つ以上の他の特性を有してよい。例えばいくつかの実施形態では、エッチング液の浴をある特定の温度に維持してよい。1つの代表的なこのような温度は、約85℃である。
【0061】
ステップ545では、ガラス系基板をすすいで、エッチング液材料を除去してよい。例えばガラス系基板を脱イオン水ですすいでよい。得られたガラス系基板は、1つ以上のジオメトリ特性を有する少なくとも1つの対称なビアを含む。例えば、得られたビアは:第1の主表面及び第2の主表面における約100マイクロメートルの直径;約40マイクロメートルのウエスト直径;並びに第1の主表面から第2の主表面に向かって3:1のテーパで約115マイクロメートルだけ延在する第1の先細領域と、第1の先細領域との交点と基板の中央との間に30:1のテーパで延在する第2の先細領域とを有する、内壁を有してよい。
【0062】
追加の先細領域を形成するために、例えば
図5Bに示すように、ステップ535~545に関して図示されているプロセスを、追加の先細領域それぞれに対して繰り返してよい。エッチング液の浴の1つ以上の特性を変更すること、及び/又はエッチング速度を変更することによって、特定の特性を有する追加の先細領域を得ることができることを理解されたい。
【実施例】
【0063】
以下の実施例1は、
図5Aに関して本明細書中に記載したステップを用いて形成されるビアの具体例について説明する。
【0064】
実施例1
対称な区分されたテーパを有するガラス貫通ビアは、以下のステップを用いて形成できる:
・まず、1064nmピコ秒レーザを用いて、厚さ0.7mm、直径150mmのガラス系ウェハに損傷軌跡を形成した。このエネルギ密度は、レーザの軸全体に沿ってガラス系ウェハの損傷閾値を超えるように選択した。
・ウェハを、9.8%(w/w)フッ化水素酸水溶液の停滞した浴中に、75分間入れた(~180マイクロメートルを除去した)。このプロセスのエッチング速度は、約3(例えば2.8~3.2)であった。
・次に、これらのウェハを0.5M HCl中で10分間すすぎ、またDI水中で10分間すすいだ。
・続いて、85℃の6M水酸化ナトリウムの浴に3日間浸漬した(~65マイクロメートルを除去した)。このプロセスのエッチング速度は、約30であった。
・次にプロセスキャリアをアルカリ浴から除去し、豊富な量のDI水ですすいだ。
・これにより、入口直径が100マイクロメートル、ウエスト直径が40マイクロメートル、表面から115マイクロメートルの第1の深さに関するテーパが3:1、及び基板の中央までの残りの距離に関するテーパが30:1となるまでビアが開けられた基板が得られた。
【0065】
いくつかの実施形態では、
図5Aに関して説明したプロセスの少なくとも一部分を用いても、ブラインドビアを形成できる。以下の実施例2は、このような例示的なプロセスを示す。
【0066】
実施例2
区分毎に変化する側壁テーパを有するブラインドビアは、以下のステップを用いて形成できる:
・まず、1064nmピコ秒レーザを用いて、厚さ0.7mm、直径150mmのガラス系ウェハに損傷軌跡を形成した。このエネルギ密度は、ガラス系ウェハのガラス組成の、ガラスの中央へ向かう、及び一方の側部上での損傷の閾値未満であった。
・ガラスウェハを、9.8%(w/w)フッ化水素酸水溶液の停滞した浴中に、14分間入れた(~42マイクロメートルを除去した)。このプロセスのエッチング速度は、約3(例えば2.8~3.2)であった。
・次に、これらのウェハを0.5M HCl中で10分間すすぎ、またDI水中で10分間すすいだ。
・続いて、85℃の6M水酸化ナトリウムの浴に6時間浸漬した(~6マイクロメートルを除去した)。このプロセスのエッチング速度は、約30であった。
・次にキャリアをアルカリ浴から除去し、豊富な量のDI水ですすいだ。
・これにより、
図6に示すように、入口直径が36マイクロメートル、深さが228マイクロメートル、表面から54マイクロメートルの第1の深さに関するテーパが3:1、及びブラインドビアの端部までの残りの距離に関するテーパが30:1となるまでビアが開けられた基板が得られた。
【0067】
図7は、本明細書に記載されているように、1つ以上のビアを備えたガラス系基板を形成する別の方法を示す。結果として得られるガラス系基板は、例えば
図3Dに示すように、傾斜が連続的に変化する側壁を備えた1つ以上の対称なビアを有してよく、これは、本明細書に記載されているように、1つ以上のビアが、傾斜が変化する別個の先細領域を有する、
図5Aによる方法によって形成されたガラス系基板とは対照的である。
図7に示すステップは単なる例であり、複数のステップを排除してもよく、又は追加のステップを含めてもよい。ステップ705では、平面状のガラス系基板を提供できる。本明細書に記載されているように、ガラス系基板は一般に、それを貫通するビアの形成に好適ないずれのガラス系基板であってよい。ある特定の例では、ガラス系基板は、0.5mm厚、直径150mmのウェハであってよい。
【0068】
ステップ710では、
図5Aのステップ510に関して上述したように、1つ以上の損傷領域又はパイロット孔をガラス系基板上に形成できる。レーザのエネルギ密度(例えばガラス系基板に送達されるエネルギ)は、ガラス系基板の少なくとも一部分に沿って(例えば貫通ビアが望ましい場合には、ガラス系基板の幅全体に沿った)、及びレーザの全範囲に沿って、損傷閾値を超えるように選択してよい。ブラインドビアが望ましい実施形態では、1つ以上の損傷軌跡を形成するステップは、基板の第1の主表面上の第1の損傷軌跡のセットと、第2の主表面上の第2の損傷軌跡のセットとを、ガラス系基板に送達されたエネルギが、上記第1の損傷軌跡のセットにおいて損傷閾値より高く、上記第2の損傷軌跡のセットにおいて損傷閾値より低くなるように、形成するステップを含んでよい。1つ以上の損傷軌跡をガラス系基板上に形成する他の手段も一般に理解されているはずであり、本開示の範囲内に含まれることが意図されている。
【0069】
ステップ715では、ガラス系基板をエッチング液、例えばエッチング液の浴に曝露する。他の実施形態では、エッチング液への曝露は、エッチング液による噴霧、又はエッチング液クリームの塗布を含むがこれらに限定されないいずれの従来の手段によって達成できる。第1のエッチング液は例えば、本明細書中で更に詳細に説明するように、酸性エッチング液又は塩基性エッチング液であってよい。いくつかの実施形態では、エッチング液は、停滞した浴であってよい。エッチング液は一般に、水溶液、水、水と他の水混和性有機溶媒(エチレングリコール、プロピレングリコール等)との混合物を含む、いずれの溶液であってよい。いくつかの実施形態では、エッチング液は水酸化ナトリウム溶液を含有してよい。いくつかの実施形態では、エッチング液は水酸化カリウム溶液を含有してよい。エッチング液の濃度は、例えば約4M~約12Mであってよい。ある特定の実施形態では、エッチング液は、約12Mの水酸化ナトリウム水溶液を含有してよい。しかしながら、現在既知である又は今後開発される他のエッチング液も、本開示の範囲から逸脱することなく使用できる。
【0070】
エッチング液(例えばエッチング液の浴)は初め、ある特定の温度としてよく、上記温度は、ステップ720において、ある期間にわたって調整してよい。即ちエッチング温度を、上記期間にわたって上昇及び/又は低下させることができる。例えば上記温度を、上記期間にわたって上昇させる。上記期間にわたって低下させる、上記期間にわたって交互に上昇及び低下させる等を行うことができる。温度の上昇及び低下は線形に実施してよく(例えば温度を連続的に上昇若しくは低下させてよく)、又は段階的に実施してよい(例えば温度を、ある特定の期間の経過後にある特定の量だけ上昇若しくは低下させてよい)。いくつかの実施形態では、上記期間は、ある特定のエッチングプロセスを完了するために必要な時間量に対応してよい。エッチング液の温度は、本開示によって限定されず、いずれの温度、特に本明細書に記載のエッチングプロセスに好適であると理解される温度であってよい。例えば浴の温度は、約95℃~約130℃、例えば約95℃、約100℃、約110℃、約120℃、約130℃、又はこれらの値のうちのいずれの2つの間のいずれの値若しくは範囲(終点を含む)であってよい。エッチング液の温度は、反応時間に影響を及ぼし得る。ある特定の実施形態では、エッチング液を初め120℃に設定し、12時間の期間にわたって130℃まで線形に上昇させた後、約22時間にわたって130℃の一定の温度のままとしてよい。
【0071】
いくつかの実施形態では、ステップ725において、エッチング液(例えばエッチング液の浴)中の酸性又は塩基性エッチング液の濃度を調整できる。例えば、上記濃度を、上記期間にわたって上昇させる。上記期間にわたって低下させる、上記期間にわたって交互に上昇及び低下させる等を行うことができる。濃度の上昇及び低下は線形に実施してよく(例えば濃度を連続的に上昇若しくは低下させてよく)、又は段階的に実施してよい(例えば濃度を、ある特定の期間の経過後にある特定の量だけ上昇若しくは低下させてよい)。いくつかの実施形態では、上記期間は、ある特定のエッチングプロセスを完了するために必要な時間量に対応してよい。エッチング液の濃度は、本開示によって限定されず、いずれの濃度、本明細書に記載のエッチングプロセスに好適であると理解される特定のエッチング液濃度であってよい。
【0072】
いくつかの実施形態では、ステップ730において、エッチング液の浴に加えられる撹拌の程度を調整できる。即ち、エッチング液の浴を、上記期間にわたってより強く、又はより弱く撹拌してよい。撹拌は、例えば機械的撹拌、超音波処理、従来の混合、従来の撹拌、及びこれらのいずれの組み合わせといった、一般に理解されている撹拌プロセスによって完了できる。撹拌の程度を、上記期間にわたって上昇させる。上記期間にわたって低下させる、上記期間にわたって交互に上昇及び低下させる等を行うことができる。撹拌の程度の上昇及び低下は線形に実施してよく(例えば撹拌の程度を連続的に上昇若しくは低下させてよく)、又は段階的に実施してよい(例えば撹拌の程度を、ある特定の期間の経過後にある特定の量だけ上昇若しくは低下させてよい)。いくつかの実施形態では、上記期間は、ある特定のエッチングプロセスを完了するために必要な時間量に対応してよい。撹拌の程度は、本開示によって限定されず、いずれの撹拌の程度、本明細書に記載のエッチングプロセスに好適であると理解される特定の撹拌の程度であってよい。
【0073】
ステップ735では、基板をエッチングできる。エッチングプロセスは、ステップ715で基板をエッチング液に曝露するとすぐに実施でき、上述の様々な調整プロセスの間、実施し続けることができる。エッチングの実施後、基板を浴から取り出してよい。エッチングに必要な期間は本開示によって限定されず、一般に、本明細書に記載のエッチングを完了するために必要ないずれの期間であってよい。例えば上記期間は、限定するものではないが、約10時間~約200時間、例えば約10時間、約50時間、約100時間、約150時間、約200時間、又はこれらの値のうちのいずれの2つの間のいずれの値若しくは範囲(終点を含む)であってよい。
【0074】
ステップ740では、本明細書に記載されているように、ガラス系基板からエッチング液材料をすすぎ落としてよい。例えば、ガラス系基板を0.5M HCl溶液ですすいだ後、脱イオン水ですすいでよい。ある特定の実施形態では、ガラス系基板を0.5M HCl溶液で10分間すすいだ後、脱イオン水で10分間すすいでよい。
【0075】
実施例3は、
図7に関して記載した様々なプロセスに従って形成されるビアを示す。
【0076】
実施例3
対称な区分されたテーパを有するガラス貫通ビアは、以下のステップを用いて形成できる:
・まず、1064nmピコ秒レーザを用いて、厚さ0.5mm、直径150mmのガラス系ウェハに損傷軌跡を形成した。このエネルギ密度は、レーザの軸全体に沿ってガラス系ウェハの損傷閾値を超えるように選択した。
・ウェハを12M水酸化ナトリウム水溶液の停滞した浴中に入れた。温度を初め120℃に設定したが、12時間にわたって130℃まで線形に上昇させた。
・次に、ウェハを一定の温度130℃において、更に22時間にわたってエッチングした。
・次に、これらのウェハを0.5M HCl中で10分間すすぎ、またDI水中で10分間すすいだ。これにより、
図8に示すようなプロファイルを有するビアが形成された。
【0077】
実施例4は、
図7に関して記載した様々なプロセスに従って形成された別のビアを示す。
【0078】
実施例4
連続的に変化する側壁テーパを有するブラインドビアは、以下のステップを用いて形成できる:
・まず、1064nmピコ秒レーザを用いて、厚さ0.7mm、直径150mmのガラス系ウェハに損傷軌跡を形成した。このエネルギ密度は、ガラス系ウェハ組成の、ガラスの中央へ向かう、及び一方の側部上での損傷の閾値未満であった。
・ウェハを、12M水酸化ナトリウム水溶液の停滞した浴中に入れた。温度を初め120℃に設定したが、12時間にわたって130℃まで線形に上昇させた。
・次に、ウェハを0.5M HCl中で10分間すすぎ、またDI水中で10分間すすいだ。
・これにより、16マイクロメートルの入口直径、及び
図9に示すような側壁プロファイルとなるまでビアが開けられた基板が得られた。
【0079】
図10は、ある実施形態による、複数の先細領域を有する少なくとも1つの非対称なビア(例えば
図3Gに示すブラインドビア、又は例えば
図3C若しくは
図3Fに示すガラス貫通ビア)を含むガラス系基板を形成する例示的な方法を示す。
図10に示すステップは単なる例であり、複数のステップを排除してもよく、又は追加のステップを含めてもよい。
【0080】
ステップ1005では、平面状のガラス系基板を提供できる。ある特定の例では、ガラス系基板は、0.75mm厚、直径150mmのウェハであってよい。ステップ1010では、
図5Aのステップ510に関して更に詳細に上述したように、1つ以上の損傷軌跡をガラス系基板上に形成できる。
【0081】
ステップ1015では、第1のエッチング耐性コーティング(例えば犠牲コーティング)を、ガラス系基板の第1の側部(例えば第1の表面)に塗布する。第1のエッチング耐性コーティングは一般に、ガラス系基板を上述のようなエッチング液、例えばエッチング液の浴に曝露したときにエッチングを回避するためにガラス系基板上に配置される、いずれのコーティングであってよい。更に、第1のエッチング耐性コーティングは、一時的に塗布できるいずれのコーティングであってよい。即ち第1のエッチング耐性コーティングは、本明細書中で更に詳細に説明するように、後でガラス系基板から除去できる材料であってよい。第1のエッチング耐性コーティングは、ガラス系基板の第1の側部に、いずれの好適なプロセスによって塗布できる。使用できるプロセスの代表例としては、化学蒸着(chemical vapor deposition:CVD)、プラズマ強化化学蒸着(plasma enhanced chemical vapor deposition:PECVD)、イオン化堆積、物理蒸着(physical vapor deposition:PVD)、及び材料の直接塗布が挙げられる。第1のエッチング耐性コーティングの代表例としては、限定するものではないが、ドープされた又はされていない酸化ケイ素、炭化ケイ素及び窒化ケイ素を含有するコーティング、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)テープ等が挙げられる。ガラス系基板の第1の側部は、ガラス系基板の第1の主表面、又はガラス系基板の第2の主表面であってよい。ある特定の実施形態では、ガラス系基板の第1の側部をPTFEテープでマスキングし、ガラス系基板の縁部に対してOリングを押し付けて、PTFEテープの縁部を上記表面に密着させる。
【0082】
ステップ1025では、ガラス系基板をエッチング液、例えばエッチング液の浴(例えば第1のエッチング液の浴)に曝露し、ある特定のエッチング速度(例えば第1のエッチング速度)でエッチングする。他の実施形態では、エッチング液への曝露は、エッチング液による噴霧、又はエッチング液クリームの塗布を含むがこれらに限定されないいずれの従来の手段によって達成できる。第1のエッチング液は例えば、酸性エッチング液又は塩基性エッチング液であってよい。エッチング液は一般に、水溶液、水、水と他の水混和性有機溶媒(エチレングリコール、プロピレングリコール等)との混合物を含む、いずれの溶液であってよい。いくつかの実施形態では、エッチング液は水酸化ナトリウム溶液を含有してよい。いくつかの実施形態では、エッチング液の浴は水酸化カリウム溶液を含有してよい。エッチング液の濃度は、例えば約4M~約12Mであってよい。ある特定の実施形態では、第1のエッチング液は、6M NaOHであってよい。しかしながら、現在既知である又は今後開発される他のエッチング液も、本開示の範囲から逸脱することなく使用できる。第1のエッチング速度も同様に本開示によって限定されず、いずれのエッチング速度であってよい。エッチング速度の代表例としては、限定するものではないが、約10nm/分~約100nm/分、例えば約10nm/分、約20nm/分、約30nm/分、約40nm/分、約50nm/分、約60nm/分、約70nm/分、約80nm/分、約90nm/分、約100nm/分、又はこれらの値のうちのいずれの2つの間のいずれの値若しくは範囲(終点を含む)が挙げられる。ある特定の実施形態では、第1のエッチング速度は約30nm/分であってよい。いくつかの実施形態では、上述のような第1のエッチング速度は、(以下で説明される)第2のエッチング速度より高くてよい。他の実施形態では、第1のエッチング速度は第2のエッチング速度より低くてよい。いくつかの実施形態では、ステップ1025による基板のエッチングにより、各ビアに関して第1の先細領域を得ることができる。
【0083】
第1のエッチング液は、本明細書中に具体的に記載されていない1つ以上の他の特性を有してよい。例えばいくつかの実施形態では、エッチング液の浴をある特定の温度に維持してよい。1つの代表的なこのような温度は、約85℃である。
【0084】
ある期間が経過した後、及び/又はある特定の量のガラス系基板が除去された後、ステップ1030では、ガラス系基板をエッチング液(例えばエッチング液の浴)から取り出すことができる。いくつかの実施形態では、この特定の時間量は例えば、約10時間であってよい。本開示の範囲から逸脱することなく、例えば
図7に関して上述した期間等の、他の期間も考えられる。除去されるガラス系基板の上記特定の量は、ビアの所望の形状及びサイズに応じて変化してよい。例えば、第1の主表面及び第2の主表面のうちの一方から測定した場合に、約1マイクロメートルの材料~約20マイクロメートルの材料、例えば約1マイクロメートル、約5マイクロメートル、約10マイクロメートル、約15マイクロメートル、約20マイクロメートル、又はこれらの値のうちのいずれの2つの間のいずれの値若しくは範囲(終点を含む)を除去してよい。ある特定の実施形態では、除去してよい材料の量は、第1の主表面及び第2の主表面のうちの一方(即ちエッチング耐性コーティングを内包していない表面)から測定した場合に、約8.5マイクロメートルの材料であってよい。
【0085】
ステップ1035では、ガラス系基板からエッチング液材料をすすぎ落としてよい。いくつかの実施形態では、ガラス系基板を、本明細書中で更に詳細に説明するように、例えば0.5M HCl溶液等の塩酸(HCl)を含有する溶液、及び/又は脱イオン水ですすいでよい。いくつかの実施形態では、全てのエッチング液が除去されたこと、及び/又はエッチング液から取り出された全てのウェハ材料が分離されていることを保証するために、ガラス系基板をある特定の期間、例えば約10分間にわたってすすいでよい。
【0086】
ステップ1040では、ガラス系基板を、別のエッチング液、例えば浴(例えば第2のエッチング液の浴)に曝露し、ある特定のエッチング速度(例えば第2のエッチング速度)でエッチングする。第2のエッチング液は例えば、酸性エッチング液又は塩基性エッチング液であってよい。第2のエッチング液は一般に、第1のエッチング液とは異なる濃度を有してよい。例えば、上述の第1のエッチング液は、第2のエッチング液よりも酸性エッチング液又は塩基性エッチング液の濃度が高くてよい。他の実施形態では、第1のエッチング液は、第2のエッチング液よりも酸性エッチング液又は塩基性エッチング液の濃度が低くてよい。いくつかの実施形態では、第2のエッチング液は、9.8%(w/w)のフッ化水素酸水溶液の停滞した浴であってよい。しかしながら、現在既知である又は今後開発される他のエッチング液も、本開示の範囲から逸脱することなく使用できる。第2のエッチング速度も同様に、本開示によって限定されず、いずれのエッチング速度であってよい。例えば、第2のエッチング速度は、約1マイクロメートル/分~約5マイクロメートル/分、例えば約1マイクロメートル/分、約2マイクロメートル/分、約3マイクロメートル/分、約4マイクロメートル/分、約5マイクロメートル/分、又はこれらの値のうちのいずれの2つの間のいずれの値若しくは範囲(終点を含む)であってよい。ある特定の実施形態では、第2のエッチング速度は約3マイクロメートル/分であってよい。いくつかの実施形態では、ステップ1040による基板のエッチングにより、各ビアに関して第2の先細領域を得ることができる。
【0087】
ある期間が経過した後、及び/又はある特定の量のガラス系基板が除去された後、ステップ1045では、ガラス系基板をエッチング液(例えばエッチング液の浴)から取り出してすすぐことができる。上記期間は一般に本開示によって限定されず、いずれの期間であってよい。例えば、上記期間は約5分~約40分、例えば約5分、約10分、約15分、約20分、約25分、約30分、約35分、約40分、又はこれらの値のうちのいずれの2つの間のいずれの値若しくは範囲(終点を含む)であってよい。いくつかの実施形態では、上記特定の期間は約19分であってよい。本開示の範囲から逸脱することなく、他の期間も考えられる。第1の主表面及び第2の主表面のうちの一方(例えば第1のエッチング耐性コーティングを内包していない表面)から測定した場合の、基板から除去される材料の量は、本開示によって限定されず、いずれの材料の量であってよい。例えば、約10マイクロメートル~約100マイクロメートルの材料、例えば約10マイクロメートル、約20マイクロメートル、約30マイクロメートル、約40マイクロメートル、約50マイクロメートル、約60マイクロメートル、約70マイクロメートル、約80マイクロメートル、約90マイクロメートル、約100マイクロメートル、又はこれらの値のうちのいずれの2つの間のいずれの値若しくは範囲(終点を含む)を除去してよい。いくつかの実施形態では、除去されるガラス系基板の上記特定の量は、第1の主表面及び第2の主表面のうちの一方(例えば第1のエッチング耐性コーティングを内包していない表面)から測定した場合に、約58マイクロメートルの材料であってよい。いくつかの実施形態では、ガラス系基板を、本明細書中で更に詳細に説明するように、塩酸(HCl)を含有する溶液及び/又は脱イオン水ですすいでよい。いくつかの実施形態では、全てのエッチング液が除去されたこと、及び/又はエッチング液から取り出された全てのウェハ材料が分離されていることを保証するために、ガラス系基板をある特定の期間、例えば約10分間にわたってすすいでよい。
【0088】
ステップ1050では、第1のエッチング耐性コーティングをガラス系基板から除去してよい。除去は、犠牲コーティングを除去するためのいずれの好適な方法によって完了でき、本開示によって限定されない。ステップ1055では、第2のエッチング耐性コーティング(例えば犠牲コーティング)を基板の第2の側部に塗布する。第2のエッチング耐性コーティングはいずれのコーティングであってよく、ステップ1015に関して上述されているいずれの方法によって塗布できる。
【0089】
ステップ1060では、ガラス系基板を別のエッチング液、例えばエッチング液の浴(例えば第3のエッチング液の浴)に入れ、ある特定のエッチング速度(例えば第3のエッチング速度)でエッチングする。第3のエッチング液は例えば、酸性エッチング液又は塩基性エッチング液であってよい。第3のエッチング液は一般に、第1のエッチング液及び/又は第2のエッチング液とは異なる濃度を有してよい。例えば、上述のような第1のエッチング液及び/又は第2のエッチング液は、酸性エッチング液又は塩基性エッチング液の濃度が第3のエッチング液の浴より高くてよい。他の実施形態では、第1のエッチング液の浴及び/又は第2のエッチング液の浴は、酸性エッチング液又は塩基性エッチング液の濃度が第3のエッチング液より低くてよい。いくつかの実施形態では、第3のエッチング液は、約9.8%(w/w)のフッ化水素酸水溶液の停滞した浴であってよい。しかしながら、現在既知である又は今後開発される他のエッチング液も、本開示の範囲から逸脱することなく使用できる。第3のエッチング速度も同様に本開示によって限定されず、いずれのエッチング速度であってよい。いくつかの実施形態では、第3のエッチング速度は、約1マイクロメートル/分~約5マイクロメートル/分、例えば約1マイクロメートル/分、約2マイクロメートル/分、約3マイクロメートル/分、約4マイクロメートル/分、約5マイクロメートル/分、又はこれらの値のうちのいずれの2つの間のいずれの値若しくは範囲(終点を含む)。ある特定の実施形態では、第3のエッチング速度は約3マイクロメートル/分であってよい。いくつかの実施形態では、ステップ1060による基板のエッチングにより、各ビアに関して第3の先細領域を得ることができる。
【0090】
ある期間が経過した後、及び/又はある特定の量のガラス系基板が除去された後、ステップ1065では、ガラス系基板をエッチング液(例えばエッチング液の浴)から取り出すことができる。上記期間は本開示によって限定されず、いずれの期間であってよい。例えば上記期間は、約5分~約30分、例えば約5分、約10分、約15分、約20分、約25分、約30分、又はこれらの値のうちのいずれの2つの間のいずれの値若しくは範囲(終点を含む)であってよいが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、この特定の時間量は約17分であってよい。本開示の範囲から逸脱することなく、他の期間も考えられる。第1の主表面及び第2の主表面のうちの一方(例えば第1のエッチング耐性コーティングを内包していない表面)から測定した場合の、基板から除去される材料の量は、本開示によって限定されず、いずれの材料の量であってよい。例えば、約10マイクロメートル~約100マイクロメートルの材料、例えば約10マイクロメートル、約20マイクロメートル、約30マイクロメートル、約40マイクロメートル、約50マイクロメートル、約60マイクロメートル、約70マイクロメートル、約80マイクロメートル、約90マイクロメートル、約100マイクロメートル、又はこれらの値のうちのいずれの2つの間のいずれの値若しくは範囲(終点を含む)を除去してよい。いくつかの実施形態では、除去されるガラス系基板の上記特定の量は、第1の主表面及び第2の主表面のうちの一方(例えば第2のエッチング耐性コーティングを内包していない表面)から測定した場合に、約52マイクロメートルの材料であってよい。
【0091】
ステップ1070では、ガラス系基板をすすいでよい。いくつかの実施形態では、ガラス系基板を、本明細書中で更に詳細に説明するように、塩酸(HCl)を含有する溶液及び/又は脱イオン水ですすいでよい。
【0092】
ステップ1080では、ガラス系基板を更に別のエッチング液、例えばエッチング液の浴(例えば第4のエッチング液の浴)に曝露し、ある特定のエッチング速度(例えば第4のエッチング速度)でエッチングする。第4のエッチング液は例えば、酸性エッチング液又は塩基性エッチング液であってよい。第4のエッチング液は一般に、水溶液、水、水と他の水混和性有機溶媒(エチレングリコール、プロピレングリコール等)との混合物を含む、いずれの溶液であってよい。いくつかの実施形態では、第4のエッチング液は水酸化ナトリウム溶液を含有してよい。いくつかの実施形態では、第4のエッチング液は水酸化カリウム溶液を含有してよい。第4のエッチング液の濃度は、例えば約4M~約12Mであってよい。ある特定の実施形態では、第4のエッチング液は、6M NaOHであってよい。しかしながら、現在既知である又は今後開発される他のエッチング液も、本開示の範囲から逸脱することなく使用できる。第4のエッチング速度も同様に本開示によって限定されず、いずれのエッチング速度であってよい。いくつかの実施形態では、第4のエッチング速度は、約10nm/分~約100nm/分、例えば約10nm/分、約20nm/分、約30nm/分、約40nm/分、約50nm/分、約60nm/分、約70nm/分、約80nm/分、約90nm/分、約100nm/分、又はこれらの値のうちのいずれの2つの間のいずれの値若しくは範囲(終点を含む)であってよい。ある特定の実施形態では、第4のエッチング速度は約30nm/分であってよい。いくつかの実施形態では、上述のような第4のエッチング速度は、第1のエッチング速度、第2のエッチング速度、及び/又は第3のエッチング速度より高くてよい。他の実施形態では、第4のエッチング速度は、第1のエッチング速度、第2のエッチング速度、及び/又は第3のエッチング速度より低くてよい。いくつかの実施形態では、ステップ1080による基板のエッチングにより、各ビアに関して第4の先細領域を得ることができる。
【0093】
第4のエッチング液は、本明細書中に具体的に記載されていない1つ以上の他の特性を有してよい。例えばいくつかの実施形態では、エッチング液の浴をある特定の温度に維持してよい。1つの代表的なこのような温度は、約85℃である。
【0094】
ある期間が経過した後、及び/又はある特定の量のガラス系基板が除去された後、ステップ1085では、ガラス系基板をエッチング液(例えばエッチング液の浴)から取り出すことができる。上記期間は本開示によって限定されず、いずれの期間であってよい。例えば、上記期間は、約1時間~約24時間、例えば約1時間、約4時間、約6時間、約8時間、約12時間、約16時間、約20時間、約24時間、又はこれらの値のうちのいずれの2つの間のいずれの値若しくは範囲(終点を含む)であってよい。いくつかの実施形態では、この特定の時間量は例えば、約5時間であってよい。本開示の範囲から逸脱することなく、他の期間も考えられる。第1の主表面及び第2の主表面のうちの一方(例えば第1のエッチング耐性コーティングを内包していない表面)から測定した場合の、基板から除去される材料の量は、本開示によって限定されず、いずれの材料の量であってよい。例えば、1マイクロメートル~約20マイクロメートルの材料、例えば約1マイクロメートル、約5マイクロメートル、約10マイクロメートル、約15マイクロメートル、約20マイクロメートル、又はこれらの値のうちのいずれの2つの間のいずれの値若しくは範囲(終点を含む)を除去してよい。いくつかの実施形態では、除去されるガラス系基板の特定の量は、第1の主表面及び第2の主表面のうちの一方(即ちエッチング耐性コーティングを内包していない表面)から測定した場合に、約4.5マイクロメートルの材料であってよい。
【0095】
ステップ1090では、ガラス系基板からエッチング液材料をすすぎ落としてよい。いくつかの実施形態では、ガラス系基板を脱イオン水ですすいでよい。
【0096】
ステップ1095では、第2のエッチング耐性コーティングをガラス系基板から除去してよい。除去は、犠牲コーティングを除去するためのいずれの好適な方法によって完了でき、本開示によって限定されない。得られる基板はビアを含んでよく、このビアは例えば、第1の主表面における約150マイクロメートルの直径、第2の主表面における約45マイクロメートルの直径、第1の主表面から約75マイクロメートルの位置における約20マイクロメートルのウエスト直径、第1の主表面から第2の先細領域との交点まで約200マイクロメートルの長さにわたって約30:1のテーパを有する第1の先細領域、第1の先細領域との交点から第3の先細領域との交点まで約175マイクロメートルの長さにわたって約3:1のテーパを有する第2の先細領域、及び第2の先細領域との交点から中点まで約125マイクロメートルの長さにわたって約30:1のテーパを有する第3の先細領域を有する。更に、第4の先細領域は、上記中点から第2の主表面まで延在してよく、約100マイクロメートルの長さにわたって約3:1のテーパを有してよい。第1の主表面から第2の主表面までの総距離は、約300マイクロメートルであってよい。
【0097】
図10に関して説明した様々なプロセスを、ビア内の後続の先細領域に対して繰り返してよいことを理解されたい。例えば、ステップ1005~1015、ステップ1025~1035、ステップ1040~1045、ステップ1050~1070、及び/又はステップ1080~1095の様々な組み合わせを、必要に応じて繰り返してよい。
【0098】
実施例5は、
図10に関して記載した様々なプロセスによって形成された例示的なビアを示す。
【0099】
実施例5
非対称な区分毎に変化する側壁テーパを有するガラス貫通ビアは、以下のステップを用いて形成できる:
・まず、1064nmピコ秒レーザを用いて、厚さ0.75mm、直径150mmのガラス系ウェハに損傷軌跡を形成した。このエネルギ密度は、レーザの軸全体に沿ったガラス系ウェハの損傷の閾値未満であった。
・ガラス系ウェハのB側をPTFEテープでマスキングした。基板の縁部に対してOリングを押し付けて、上記テープの縁部を上記表面に密着させた。
・次に、ガラス系ウェハを85℃の6M水酸化ナトリウムの浴中に10時間浸漬した(~8.5マイクロメートルを除去した)。このプロセスのエッチング速度は約30であった。
・続いてウェハを0.5M HCl中で10分間すすぎ、DI水で10分間すすいだ。
・ウェハを9.8%(w/w)のフッ化水素酸水溶液の停滞した浴中に19分間入れた(~58マイクロメートルを除去した)。このプロセスのエッチング速度は、約3(例えば2.8~3.2)であった。
・次にウェハを0.5M HCl中で10分間すすぎ、DI水で10分間すすいだ。
・マスクをB側から除去した。ガラス系ウェハのA側をPTFEテープでマスキングした。基板の縁部に対してOリングを押し付けて、上記テープの縁部を上記表面に密着させた。
・ウェハを9.8%(w/w)のフッ化水素酸水溶液の停滞した浴中に17分間入れた(~52マイクロメートルを除去した)。このプロセスのエッチング速度は、約3(例えば2.8~3.2)であった。
・次にウェハを0.5M HCl中で10分間すすぎ、DI水で10分間すすいだ。
・続いてウェハを、6.4mm間隔で、プロセスキャリア内に入れた。そしてプロセスキャリアを、85℃の6M水酸化ナトリウムの浴中に5時間浸漬した(~4.5マイクロメートルを除去した)。このプロセスのエッチング速度は約30であった。
・その後、ウェハをアルカリ浴から取り出し、豊富な量のDI水ですすいだ。
・マスクをA側から除去した。
・これにより、A側における入口直径が150マイクロメートル、B側における入口直径が45マイクロメートル、z=-75マイクロメートルにおけるウエスト直径が20マイクロメートル、A側の表面から200マイクロメートルの第1の深さに関するテーパが30:1、これに続く更なる175マイクロメートルに関するテーパが3:1、これに続く更なる125マイクロメートルに関するテーパが30:1、これに続く、ガラスの反対側の100マイクロメートルに関するテーパが3:1となるまでビアが開けられた、基板が得られた。最終的なガラスの厚さは、
図11に示すように600マイクロメートルである。
【0100】
図12に関して本明細書中で説明した方法を用いて、例えば
図3Eに示すような、内壁に連続的に変化するテーパを有する非対称なガラス貫通ビアを形成できる。
【0101】
引き続き
図12を参照すると、ステップ1205では、平面状のガラス系基板を提供できる。本明細書に記載されているように、ガラス系基板は一般に、それを貫通するビアの形成に好適なガラス系基板であってよい。ある特定の例では、ガラス系基板は、厚さ0.56mm、直径150mmのウェハであってよい。
【0102】
ステップ1210では、
図5Aのステップ510に関して更に詳細に上述したように、ガラス系基板上に1つ以上の損傷軌跡を形成できる。ステップ1215では、
図10のステップ1015に関して既に上述したエッチング耐性コーティング等の第1のエッチング耐性コーティング(例えば犠牲コーティング)を、ガラス系基板の第1の側部(例えば第1の表面)に塗布する。
【0103】
ステップ1220では、ガラス系基板を、エッチング液、例えばエッチング液の浴(例えば第1のエッチング液の浴)に曝露する。他の実施形態では、エッチング液への曝露は、エッチング液による噴霧、又はエッチング液クリームの塗布を含むがこれらに限定されないいずれの従来の手段によって達成できる。第1のエッチング液は例えば、酸性エッチング液又は塩基性エッチング液であってよい。ある特定の実施形態では、第1のエッチング液は12M NaOH溶液であってよい。しかしながら、現在既知である又は今後開発される他のエッチング液も、本開示の範囲から逸脱することなく使用できる。
【0104】
エッチング液(例えばエッチング液の浴)は初め、ある特定の温度としてよく、上記温度は、
図7のステップ720に関して更に詳細に上述したように、ステップ1225において、ある期間にわたって調整してよい。エッチング液の温度は、本開示によって限定されず、いずれの温度、特に本明細書に記載のエッチングプロセスに好適であると理解される温度であってよい。例えばエッチング液の温度は、約95℃~約130℃、例えば約95℃、約100℃、約110℃、約120℃、約130℃、又はこれらの値のうちのいずれの2つの間のいずれの値若しくは範囲(終点を含む)であってよい。エッチング液の温度は、反応時間に影響を及ぼし得る。ある特定の実施形態では、エッチング液を初め120℃に設定し、16.5時間の期間にわたって130℃まで線形に上昇させてよい。いくつかの実施形態では、
図7のステップ725に関して更に詳細に上述したように、ステップ1230では、浴中の酸性又は塩基性エッチング液の濃度を調整してよい。いくつかの実施形態では、
図7のステップ730に関して更に詳細に上述したように、ステップ1235では、浴に加えられる撹拌の程度を調整してよい。
【0105】
ステップ1240では、ガラス系基板を浴から取り出してよく、ステップ1245では、ガラス系基板からエッチング液材料をすすぎ落としてよい。いくつかの実施形態では、ガラス系基板を、塩酸(HCl)を含有する溶液、及び/又は脱イオン水ですすいでよい。ある特定の実施形態では、ガラス系基板を、0.5M HCl溶液中で10分間すすいだ後、脱イオン水で10分間すすいでよい。
【0106】
ステップ1250では、第1のエッチング耐性コーティングをガラス系基板から除去してよい。除去は、犠牲コーティングを除去するためのいずれの好適な方法によって完了でき、本開示によって限定されない。ステップ1255では、
図10のステップ1055に関して更に詳細に上述したように、第2のエッチング耐性コーティング(例えば犠牲コーティング)を基板の第2の側部に塗布する。
【0107】
ステップ1260では、ガラス系基板を、別のエッチング液、例えばエッチング液の浴(例えば第2のエッチング液の浴)に曝露し、ある特定のエッチング速度(例えば第2のエッチング速度)でエッチングして、本明細書中で更に詳細に記載されているように、非対称のプロファイルを有するビアを得る。第2のエッチング液は例えば、酸性エッチング液又は塩基性エッチング液であってよい。第2のエッチング液は一般に、第1のエッチング液とは異なる濃度を有してよい。例えば、上述の第1のエッチング液は、(初め、又は最終的に)第2のエッチング液よりも酸性エッチング液又は塩基性エッチング液の濃度が高くてよい。他の実施形態では、第1のエッチング液は、(初め、又は最終的に)第2のエッチング液よりも酸性エッチング液又は塩基性エッチング液の濃度が低くてよい。エッチング液の濃度は本開示によって限定されず、いずれの濃度を含有してよい。例えば上記濃度は、約0.5%(w/w)~約20%(w/w)のフッ化水素酸水溶液、例えば約0.5%(w/w)、約1%(w/w)、約5%(w/w)、約10%(w/w)、約15%(w/w)、約20%(w/w)、又はこれらの値のうちのいずれの2つの間のいずれの値若しくは範囲(終点を含む)であってよい。いくつかの実施形態では、第2のエッチング液は、9.8%(w/w)のフッ化水素酸水溶液の停滞した浴であってよい。しかしながら、現在既知である又は今後開発される他のエッチング液も、本開示の範囲から逸脱することなく使用できる。第2のエッチング速度も同様に、本開示によって限定されず、いずれのエッチング速度であってよい。いくつかの実施形態では、第2のエッチング速度は、約1マイクロメートル/分~約5マイクロメートル/分、例えば約1マイクロメートル/分、約2マイクロメートル/分、約3マイクロメートル/分、約4マイクロメートル/分、約5マイクロメートル/分、又はこれらの値のうちのいずれの2つの間のいずれの値若しくは範囲(終点を含む)であってよい。ある特定の実施形態では、第2のエッチング速度は約3マイクロメートル/分であってよい。
【0108】
ある期間が経過した後、及び/又はある特定の量のガラス系基板が除去された後、ステップ1265では、ガラス系基板をエッチング液(例えばエッチング液の浴)から取り出すことができる。上記期間は本開示によって限定されず、一般にいずれの期間であってよい。例えば、上記期間は約5分~約60分、例えば約5分、約10分、約20分、約30分、約40分、約50分、約60分、又はこれらの値のうちのいずれの2つの間のいずれの値若しくは範囲(終点を含む)であってよい。いくつかの実施形態では、上記特定の期間は例えば約44分であってよい。本開示の範囲から逸脱することなく、他の期間も考えられる。第1の主表面及び第2の主表面のうちの一方(例えば第2のエッチング耐性コーティングを内包していない表面)から測定した場合の、基板から除去される材料の量は、本開示によって限定されず、いずれの材料の量であってよい。例えば、約10マイクロメートル~約100マイクロメートルの材料、例えば約10マイクロメートル、約20マイクロメートル、約30マイクロメートル、約40マイクロメートル、約50マイクロメートル、約60マイクロメートル、約70マイクロメートル、約80マイクロメートル、約90マイクロメートル、約100マイクロメートル、又はこれらの値のうちのいずれの2つの間のいずれの値若しくは範囲(終点を含む)を除去してよい。いくつかの実施形態では、除去されるガラス系基板の上記特定の量は例えば、第1の主表面及び第2の主表面のうちの一方(例えば第2のエッチング耐性コーティングを内包していない表面)から測定した場合に、約51マイクロメートルの材料であってよい。
【0109】
ステップ1270では、ガラス系基板を取り出し、ガラス系基板をすすいでよい。いくつかの実施形態では、ガラス系基板を、脱イオン水を含有する溶液ですすいでよい。
【0110】
ステップ1275では、第2のエッチング耐性コーティングをガラス系基板から除去してよい。除去は、犠牲コーティングを除去するためのいずれの好適な方法によって完了でき、本開示によって限定されない。得られる基板はビアを含んでよく、このビアは例えば、第1の主表面における約48マイクロメートルの直径、第2の主表面における約109マイクロメートルの直径、約20マイクロメートルのウエスト直径、第1の主表面から約357マイクロメートル延在する連続的に変化するプロファイル、及び第2の主表面から124マイクロメートル延在する3:1のテーパを有してよい。第1の主表面から第2の主表面までの総距離は、約490マイクロメートルであってよい。
【0111】
実施例6は、
図12に関して記載した様々なプロセスによって形成された例示的なビアを示す。
【0112】
実施例6
非対称な連続的に変化する側壁テーパを有するブラインドビアは、以下のステップを用いて形成できる:
・まず、1064nmピコ秒レーザを用いて、厚さ0.56mm、直径150mmのガラス系ウェハに損傷軌跡を形成した。このエネルギ密度は、レーザの軸全体に沿ったガラス系ウェハの損傷の閾値未満であった。
・ガラス系ウェハのA側をPTFEテープでマスキングした。基板の縁部に対してOリングを押し付けて、上記テープの縁部を上記表面に密着させた。
・ウェハを12Mの水酸化ナトリウム水溶液の停滞した浴中に入れた。温度を初めは120℃に設定するが、16.5時間にわたって130℃まで線形に上昇させた。
・続いてウェハを0.5M HCl中で10分間すすぎ、DI水で10分間すすいだ。
・次にマスクをA側から除去し、同様のマスクをB側に塗布した。
・ウェハを9.8%(w/w)のフッ化水素酸水溶液の停滞した浴中に44分間入れた(~51マイクロメートルを除去した)。このプロセスのエッチング速度は、約3(例えば2.8~3.2)である。
・その後、ウェハをアルカリ浴から取り出し、豊富な量のDI水ですすいだ。
・これにより、A側における入口直径が48マイクロメートル、B側における入口直径が109マイクロメートル、ウエスト直径が20マイクロメートルとなり、連続的に変化するプロファイルがA側から357マイクロメートル延在し、B側から124マイクロメートルの深さだけ延在する3:1のテーパが存在するようにビアが開けられた、基板が得られた。基板の厚さは、
図13に示すように490マイクロメートルである。
【0113】
ここで、本明細書に記載の実施形態は全体として、中に1つ以上のビアを含むガラス系基板であって、上記ビアは、ガラス系基板の2つの主表面に対して平行な平面に関して対称又は非対称な断面と、複数の先細領域を備えた内壁とを有する、ガラス系基板に関する。複数の先細領域それぞれの傾斜は連続的であり、互いに別個である。
【0114】
実施形態1.物品であって、上記物品は:第1の主表面、上記第1の主表面からある距離だけ離間した第2の主表面、及び上記基板を通って上記第1の主表面から上記第2の主表面まで延在する先細貫通ビアを備える、ガラス系基板であって、上記先細貫通ビアは:上記ガラス系基板の上記第1の主表面と上記第2の主表面との間の、上記第1の主表面及び上記第2の主表面に対して等距離の平面に関して、対称な断面;並びに上記第1の主表面と上記平面との間に位置決めされた第1の先細領域及び第2の先細領域を備える内壁を備え、上記第1の先細領域の傾斜は一定であり、上記第2の先細領域の傾斜は一定であり、上記第1の先細領域の上記傾斜は、上記第2の先細領域の上記傾斜と等しくない、ガラス系基板を備える、物品。
【0115】
実施形態2.物品であって、上記物品は:第1の主表面、上記第1の主表面からある距離だけ離間した第2の主表面、及び上記基板を通って上記第1の主表面から上記第2の主表面に向かって延在する先細ビアを備える、ガラス系基板であって、上記先細ビアは:上記ガラス系基板の上記第1の主表面と上記第2の主表面との間の、上記第1の主表面及び上記第2の主表面に対して等距離の平面に関して、非対称な断面;並びに上記第1の主表面と上記平面との間に位置決めされた第1の先細領域及び第2の先細領域を備える内壁を備え、上記第1の先細領域の傾斜は一定であり、上記第2の先細領域の傾斜は一定であり、上記第1の先細領域の上記傾斜は、上記第2の先細領域の上記傾斜と等しくない、ガラス系基板を備える、物品。
【0116】
実施形態3.上記第1の先細領域の上記傾斜は、3:1~100:1の高さ:長さ比を備え;上記第2の先細領域の上記傾斜は、3:1~100:1の高さ:長さ比を備える、実施形態1又は2に記載の物品。
【0117】
実施形態4.上記第1の先細領域は、上記第1の主表面から上記第2の主表面に向かって、15マイクロメートル~360マイクロメートルの距離だけ延在する、実施形態1~3のいずれか1つに記載の物品。
【0118】
実施形態5.上記第2の先細領域は、上記第1の先細領域との交点から上記第2の主表面に向かって、35マイクロメートル~175マイクロメートルの距離だけ延在する、実施形態1~4のいずれか1つに記載の物品。
【0119】
実施形態6.上記第2の先細領域は、上記第2の主表面から上記第1の主表面に向かって、35マイクロメートル~175マイクロメートルの距離だけ延在する、実施形態1~4のいずれか1つに記載の物品。
【0120】
実施形態7.上記第1の主表面の上記先細ビアの直径は、10マイクロメートル~250マイクロメートルである、実施形態1~6のいずれか1つに記載の物品。
【0121】
実施形態8.上記平面の上記先細ビアの直径は、5マイクロメートル~200マイクロメートルである、実施形態1~7のいずれか1つに記載の物品。
【0122】
実施形態9.上記第1の先細領域と上記第2の先細領域との間の遷移領域を更に備え、上記遷移領域は、上記内壁からの接線の傾斜が少なくとも0.57°変化するように、上記第1の先細領域の上記傾斜から上記第2の先細領域の上記傾斜へと遷移する領域を備える、実施形態1~8のいずれか1つに記載の物品。
【0123】
実施形態10.上記遷移領域は、点、又は延在する領域である、実施形態9に記載の物品。
【0124】
実施形態11.上記第1の主表面と上記第2の主表面との間の上記距離は、25マイクロメートル~3,000マイクロメートルである、実施形態1~10のいずれか1つに記載の物品。
【0125】
実施形態12.上記内壁は第3の先細領域を更に備え;上記第3の先細領域の傾斜は、上記第1の先細領域の上記傾斜及び上記第2の先細領域の上記傾斜のうちの少なくとも1つと異なる、実施形態1~11のいずれか1つに記載の物品。
【0126】
実施形態13.上記ガラス系基板は化学強化されている、実施形態1~12のいずれか1つに記載の物品。
【0127】
実施形態14.上記ガラス系基板は積層体を含む、実施形態1~13のいずれか1つに記載の物品。
【0128】
実施形態15.上記先細ビアは導電性材料で充填される、実施形態1~14のいずれか1つに記載の物品。
【0129】
実施形態16.上記先細ビアは貫通ビアを含む、実施形態2~15のいずれか1つに記載の物品。
【0130】
実施形態17.上記先細ビアはブラインドビアを含む、実施形態2~15のいずれか1つに記載の物品。
【0131】
実施形態18.半導体パッケージであって、上記半導体パッケージは:第1の主表面、上記第1の主表面からある距離だけ離間した第2の主表面、及び上記基板を通って上記第1の主表面から上記第2の主表面まで延在する先細貫通ビアを備える、ガラス系基板であって、上記先細ビアは:上記ガラス系基板の上記第1の主表面と上記第2の主表面との間の、上記第1の主表面及び上記第2の主表面に対して等距離の平面に関して、対称な断面;並びに上記第1の主表面と上記平面との間に位置決めされた第1の先細領域及び第2の先細領域を有する内壁を備え、上記第1の先細領域の傾斜は一定であり、上記第2の先細領域の傾斜は一定であり、上記第1の先細領域の上記傾斜は、上記第2の先細領域の上記傾斜と等しくない、ガラス系基板;上記先細貫通ビア内に配置された導電性材料;並びに上記先細貫通ビア内に配置された上記導電性材料に電気的に連結された半導体デバイスを備える、半導体パッケージ。
【0132】
実施形態19.半導体パッケージであって、上記半導体パッケージは:第1の主表面、上記第1の主表面からある距離だけ離間した第2の主表面、及び上記基板を通って上記第1の主表面から上記第2の主表面に向かって延在する先細ビアを備える、ガラス系基板であって、上記先細ビアは:上記ガラス系基板の上記第1の主表面と上記第2の主表面との間の、上記第1の主表面及び上記第2の主表面に対して等距離の平面に関して、非対称な断面;並びに上記第1の主表面と上記平面との間に位置決めされた第1の先細領域及び第2の先細領域を有する内壁を備え、上記第1の先細領域の傾斜は一定であり、上記第2の先細領域の傾斜は一定であり、上記第1の先細領域の上記傾斜は、上記第2の先細領域の上記傾斜と等しくない、ガラス系基板;上記先細ビア内に配置された導電性材料;並びに上記先細ビア内に配置された上記導電性材料に電気的に連結された半導体デバイスを備える、半導体パッケージ。
【0133】
実施形態20.少なくとも1つのビアを備えるガラス系基板を形成する方法であって、上記方法は:少なくとも1つの損傷軌跡を有するガラス系物品を、第1のエッチング液を用いて第1のエッチング速度でエッチングするステップ;及び上記ガラス系物品を、第2のエッチング液を用いて第2のエッチング速度でエッチングして、上記少なくとも1つのビアを備える上記ガラス系基板を形成するステップであって、上記第2のエッチング液は、上記第1のエッチング液の濃度とは異なる、エッチング液の濃度を有する、ステップを含み、上記少なくとも1つのビアは、第1の一定の傾斜を有する第1の先細領域と、第2の一定の傾斜を有する第2の先細領域とを備え、上記第1の一定の傾斜及び上記第2の一定の傾斜は等しくない、方法。
【0134】
実施形態21.上記第1のエッチング液は、上記第2のエッチング液よりも高い濃度の酸性エッチング液又は塩基性エッチング液を含む、実施形態20に記載の方法。
【0135】
実施形態22.上記第1のエッチング液は、上記第2のエッチング液よりも低い濃度の酸性エッチング液又は塩基性エッチング液を含む、実施形態20に記載の方法。
【0136】
実施形態23.上記第1のエッチング液及び上記第2のエッチング液はそれぞれ、酸性エッチング液又は塩基性エッチング液を含む、実施形態22に記載の方法。
【0137】
実施形態24.上記第1のエッチング速度は、上記第2のエッチング速度より速い、実施形態20~23のいずれか1つに記載の方法。
【0138】
実施形態25.上記第1のエッチング速度は、上記第2のエッチング速度より遅い、実施形態20~23のいずれか1つに記載の方法。
【0139】
実施形態26.上記少なくとも1つの損傷軌跡を形成するステップを更に含み、平面状の上記ガラス系物品に送達されるエネルギは、上記ガラス系物品の幅全体に沿って、損傷閾値を超える、実施形態20~25のいずれか1つに記載の方法。
【0140】
実施形態27.上記少なくとも1つの損傷軌跡を形成する上記ステップは、上記ガラス系物品に送達される上記エネルギが、上記ガラス系物品の第1の側部に沿って、上記損傷閾値を超え、上記ガラス系物品の第2の側部に沿って、上記損傷閾値を下回るように、損傷軌跡を形成するステップを含む、実施形態26に記載の方法。
【0141】
実施形態28.上記第1のエッチング液を用いて上記ガラス系物品をエッチングする前に、第1のエッチング耐性コーティングを上記ガラス系物品の第1の側部に塗布するステップ;上記第2のエッチング液を用いて上記ガラス系物品をエッチングした後に、上記第1のエッチング耐性コーティングを上記ガラス系物品の上記第1の側部から除去するステップ;
第2のエッチング耐性コーティングを上記ガラス系物品の第2の側部に塗布するステップ;上記ガラス系物品の第2の側部に塗布された上記第2のエッチング耐性コーティングを有する上記ガラス系物品を、第3のエッチング液の浴を用いてエッチングするステップ;及び上記第2のエッチング耐性コーティングを、平面状の上記ガラス系物品の上記第2の側部から除去するステップ
を更に含む、実施形態20~27のいずれか1つに記載の方法。
【0142】
実施形態29.平面状の上記ガラス系物品を上記第3のエッチング液中でエッチングして、上記少なくとも1つのビアを備える上記ガラス系基板を形成するステップを更に含む、実施形態20~28のいずれか1つに記載の方法。
【0143】
実施形態30.上記第1のエッチング液及び上記第2のエッチング液のうちの少なくとも一方の、温度、上記濃度、及び撹拌の程度のうちの少なくとも1つを調整するステップを更に含む、実施形態20~29のいずれか1つに記載の方法。
【0144】
実施形態31.上記少なくとも1つのビアはそれぞれ、貫通ビア又はブラインドビアを含む、実施形態20~30のいずれか1つに記載の方法。
【0145】
実施形態32.上記少なくとも1つのビアは、上記ガラス系基板の第1の主表面と第2の主表面との間の、上記第1の主表面と上記第2の主表面から等距離にある平面に関して、対称な断面を備える、実施形態20~31のいずれか1つに記載の方法。
【0146】
実施形態33.上記少なくとも1つのビアは、上記ガラス系基板の上記第1の主表面と上記第2の主表面との間の、上記第1の主表面と上記第2の主表面から等距離にある平面に関して、非対称な断面を備える、実施形態20~32のいずれか1つに記載の方法。
【0147】
実施形態34.少なくとも1つの貫通ビアを備えるガラス系基板を形成する方法であって、上記方法は:少なくとも1つの損傷軌跡を有するガラス系物品をエッチング液中でエッチングするステップ;並びに上記エッチング液の温度、濃度、及び撹拌の程度のうちの少なくとも1つを調節して、上記少なくとも1つの貫通ビアが、連続的に変化する側壁のテーパと、上記ガラス系基板の第1の主表面と第2の主表面との間の、上記第1の主表面と上記第2の主表面から等距離にある平面に関して、対称な断面とを備えるように、上記少なくとも1つの貫通ビアを備える上記ガラス系基板を形成するステップを含む、方法。
【0148】
実施形態35.少なくとも1つのブラインドビアを備えるガラス系基板を形成する方法であって、上記方法は:少なくとも1つの損傷軌跡を有するガラス系物品をエッチング液中でエッチングするステップ;並びに上記エッチング液の温度、濃度、及び撹拌の程度のうちの少なくとも1つを調節して、上記少なくとも1つのブラインドビアが連続的に変化する側壁のテーパを備えるように、上記少なくとも1つのブラインドビアを備える上記ガラス系基板を形成するステップを含む、方法。
【0149】
請求対象の主題の精神及び範囲から逸脱することなく、本明細書に記載した実施形態に、様々な修正例及び変形例を行うことができることは、当業者には明らかであろう。従って、本明細書は、上記修正例及び変形例が添付の請求の範囲及びその均等物の範囲内にある場合、本明細書に記載される様々な実施形態の修正例及び変形例を包含することが意図されている。
【0150】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0151】
実施形態1
物品であって、
上記物品は:
第1の主表面、上記第1の主表面からある距離だけ離間した第2の主表面、及び上記基板を通って上記第1の主表面から上記第2の主表面まで延在する先細貫通ビアを備える、ガラス系基板であって、上記先細貫通ビアは:
上記ガラス系基板の上記第1の主表面と上記第2の主表面との間の、上記第1の主表面及び上記第2の主表面に対して等距離の平面に関して、対称な断面;並びに
上記第1の主表面と上記平面との間に位置決めされた第1の先細領域及び第2の先細領域を備える内壁
を備え、
上記第1の先細領域の傾斜は一定であり、
上記第2の先細領域の傾斜は一定であり、
上記第1の先細領域の上記傾斜は、上記第2の先細領域の上記傾斜と等しくない、ガラス系基板
を備える、物品。
【0152】
実施形態2
上記第1の先細領域の上記傾斜は、3:1~100:1の高さ:長さ比を備え;
上記第2の先細領域の上記傾斜は、3:1~100:1の高さ:長さ比を備える、実施形態1に記載の物品。
【0153】
実施形態3
上記第1の先細領域は、上記第1の主表面から上記第2の主表面に向かって、15マイクロメートル~360マイクロメートルの距離だけ延在する、実施形態1又は2に記載の物品。
【0154】
実施形態4
上記第2の先細領域は、上記第1の先細領域との交点から上記第2の主表面に向かって、35マイクロメートル~175マイクロメートルの距離だけ延在する、実施形態1~3のいずれか1つに記載の物品。
【0155】
実施形態5
上記第2の先細領域は、上記第2の主表面から上記第1の主表面に向かって、35マイクロメートル~175マイクロメートルの距離だけ延在する、実施形態1~3のいずれか1つに記載の物品。
【0156】
実施形態6
上記第1の主表面の上記先細ビアの直径は、10マイクロメートル~250マイクロメートルである、実施形態1~5のいずれか1つに記載の物品。
【0157】
実施形態7
上記平面の上記先細ビアの直径は、5マイクロメートル~200マイクロメートルである、実施形態1~6のいずれか1つに記載の物品。
【0158】
実施形態8
上記第1の先細領域と上記第2の先細領域との間の遷移領域を更に備え、
上記遷移領域は、上記内壁からの接線の傾斜が少なくとも0.57°変化するように、上記第1の先細領域の上記傾斜から上記第2の先細領域の上記傾斜へと遷移する領域を備える、実施形態1~7のいずれか1つに記載の物品。
【0159】
実施形態9
上記遷移領域は、点、又は延在する領域である、実施形態8に記載の物品。
【0160】
実施形態10
上記第1の主表面と上記第2の主表面との間の上記距離は、25マイクロメートル~3,000マイクロメートルである、実施形態1~9のいずれか1つに記載の物品。
【0161】
実施形態11
上記内壁は第3の先細領域を更に備え;
上記第3の先細領域の傾斜は、上記第1の先細領域の上記傾斜及び上記第2の先細領域の上記傾斜のうちの少なくとも1つと異なる、実施形態1~10のいずれか1つに記載の物品。
【0162】
実施形態12
上記ガラス系基板は化学強化されている、実施形態1~11のいずれか1つに記載の物品。
【0163】
実施形態13
上記ガラス系基板は積層体を含む、実施形態1~12のいずれか1つに記載の物品。
【0164】
実施形態14
上記先細ビアは導電性材料で充填される、実施形態1~13のいずれか1つに記載の物品。
【0165】
実施形態15
物品であって、
上記物品は:
第1の主表面、上記第1の主表面からある距離だけ離間した第2の主表面、及び上記基板を通って上記第1の主表面から上記第2の主表面に向かって延在する先細ビアを備える、ガラス系基板であって、上記先細ビアは:
上記ガラス系基板の上記第1の主表面と上記第2の主表面との間の、上記第1の主表面及び上記第2の主表面に対して等距離の平面に関して、非対称な断面;並びに
上記第1の主表面と上記平面との間に位置決めされた第1の先細領域及び第2の先細領域を備える内壁
を備え、
上記第1の先細領域の傾斜は一定であり、
上記第2の先細領域の傾斜は一定であり、
上記第1の先細領域の上記傾斜は、上記第2の先細領域の上記傾斜と等しくない、ガラス系基板
を備える、物品。
【0166】
実施形態16
上記先細ビアは貫通ビアを含む、実施形態15に記載の物品。
【0167】
実施形態17
上記先細ビアはブラインドビアを含む、実施形態15に記載の物品。
【0168】
実施形態18
上記第1の先細領域の上記傾斜は、3:1~100:1の高さ:長さ比を備え;
上記第2の先細領域の上記傾斜は、3:1~100:1の高さ:長さ比を備える、実施形態15~17のいずれか1つに記載の物品。
【0169】
実施形態19
上記第1の先細領域は、上記第1の主表面から上記第2の主表面に向かって、15マイクロメートル~360マイクロメートルの距離だけ延在する、実施形態15~18のいずれか1つに記載の物品。
【0170】
実施形態20
上記第2の先細領域は、上記第1の先細領域との交点から上記第2の主表面に向かって、35マイクロメートル~175マイクロメートルの距離だけ延在する、実施形態15~19のいずれか1つに記載の物品。
【0171】
実施形態21
上記第2の先細領域は、上記第2の主表面から上記第1の主表面に向かって、35マイクロメートル~175マイクロメートルの距離だけ延在する、実施形態15~19のいずれか1つに記載の物品。
【0172】
実施形態22
上記第1の主表面の上記先細ビアの直径は、10マイクロメートル~250マイクロメートルである、実施形態15~21のいずれか1つに記載の物品。
【0173】
実施形態23
上記平面の上記先細ビアの直径は、5マイクロメートル~200マイクロメートルである、実施形態15~22のいずれか1つに記載の物品。
【0174】
実施形態24
上記第1の先細領域と上記第2の先細領域との間の遷移領域を更に備え、
上記遷移領域は、上記内壁からの接線の傾斜が少なくとも0.57°変化するように、上記第1の先細領域の上記傾斜から上記第2の先細領域の上記傾斜へと遷移する領域を備える、実施形態15~23のいずれか1つに記載の物品。
【0175】
実施形態25
上記遷移領域は、点、又は延在する領域である、実施形態24に記載の物品。
【0176】
実施形態26
上記第1の主表面と上記第2の主表面との間の上記距離は、25マイクロメートル~3,000マイクロメートルである、実施形態15~25のいずれか1つに記載の物品。
【0177】
実施形態27
上記内壁は第3の先細領域を更に備え;
上記第3の先細領域の傾斜は、上記第1の先細領域の上記傾斜及び上記第2の先細領域の上記傾斜のうちの少なくとも1つと異なる、実施形態15~26のいずれか1つに記載の物品。
【0178】
実施形態28
上記ガラス系基板は化学強化されている、実施形態15~27のいずれか1つに記載の物品。
【0179】
実施形態29
上記ガラス系基板は積層体を含む、実施形態15~28のいずれか1つに記載の物品。
【0180】
実施形態30
上記先細ビアは導電性材料で充填される、実施形態15~29のいずれか1つに記載の物品。
【0181】
実施形態31
半導体パッケージであって、
上記半導体パッケージは:
第1の主表面、上記第1の主表面からある距離だけ離間した第2の主表面、及び上記基板を通って上記第1の主表面から上記第2の主表面まで延在する先細貫通ビアを備える、ガラス系基板であって、上記先細貫通ビアは:
上記ガラス系基板の上記第1の主表面と上記第2の主表面との間の、上記第1の主表面及び上記第2の主表面に対して等距離の平面に関して、対称な断面;並びに
上記第1の主表面と上記平面との間に位置決めされた第1の先細領域及び第2の先細領域を有する内壁
を備え、
上記第1の先細領域の傾斜は一定であり、
上記第2の先細領域の傾斜は一定であり、
上記第1の先細領域の上記傾斜は、上記第2の先細領域の上記傾斜と等しくない、ガラス系基板;
上記先細貫通ビア内に配置された導電性材料;並びに
上記先細貫通ビア内に配置された上記導電性材料に電気的に連結された半導体デバイス
を備える、半導体パッケージ。
【0182】
実施形態32
半導体パッケージであって、
上記半導体パッケージは:
第1の主表面、上記第1の主表面からある距離だけ離間した第2の主表面、及び上記基板を通って上記第1の主表面から上記第2の主表面に向かって延在する先細ビアを備える、ガラス系基板であって、上記先細ビアは:
上記ガラス系基板の上記第1の主表面と上記第2の主表面との間の、上記第1の主表面及び上記第2の主表面に対して等距離の平面に関して、非対称な断面;並びに
上記第1の主表面と上記平面との間に位置決めされた第1の先細領域及び第2の先細領域を有する内壁
を備え、
上記第1の先細領域の傾斜は一定であり、
上記第2の先細領域の傾斜は一定であり、
上記第1の先細領域の上記傾斜は、上記第2の先細領域の上記傾斜と等しくない、ガラス系基板;
上記先細ビア内に配置された導電性材料;並びに
上記先細ビア内に配置された上記導電性材料に電気的に連結された半導体デバイス
を備える、半導体パッケージ。
【0183】
実施形態33
少なくとも1つのビアを備えるガラス系基板を形成する方法であって、
上記方法は:
少なくとも1つの損傷軌跡を有するガラス系物品を、第1のエッチング液を用いて第1のエッチング速度でエッチングするステップ;及び
上記ガラス系物品を、第2のエッチング液を用いて第2のエッチング速度でエッチングして、上記少なくとも1つのビアを備える上記ガラス系基板を形成するステップであって、上記第2のエッチング液は、上記第1のエッチング液の濃度とは異なる、エッチング液の濃度を有する、ステップ
を含み、
上記少なくとも1つのビアは、第1の一定の傾斜を有する第1の先細領域と、第2の一定の傾斜を有する第2の先細領域とを備え、上記第1の一定の傾斜及び上記第2の一定の傾斜は等しくない、方法。
【0184】
実施形態34
上記第1のエッチング液は、上記第2のエッチング液よりも高い濃度の酸性エッチング液又は塩基性エッチング液を含む、実施形態33に記載の方法。
【0185】
実施形態35
上記第1のエッチング液は、上記第2のエッチング液よりも低い濃度の酸性エッチング液又は塩基性エッチング液を含む、実施形態33又は34に記載の方法。
【0186】
実施形態36
上記第1のエッチング液及び上記第2のエッチング液はそれぞれ、酸性エッチング液又は塩基性エッチング液を含む、実施形態35に記載の方法。
【0187】
実施形態37
上記第1のエッチング速度は、上記第2のエッチング速度より速い、実施形態33~36のいずれか1つに記載の方法。
【0188】
実施形態38
上記第1のエッチング速度は、上記第2のエッチング速度より遅い、実施形態33~36のいずれか1つに記載の方法。
【0189】
実施形態39
上記少なくとも1つの損傷軌跡を形成するステップを更に含み、平面状の上記ガラス系物品に送達されるエネルギは、上記ガラス系物品の幅全体に沿って、損傷閾値を超える、実施形態33~38のいずれか1つに記載の方法。
【0190】
実施形態40
上記少なくとも1つの損傷軌跡を形成する上記ステップは、上記ガラス系物品に送達される上記エネルギが、上記ガラス系物品の第1の側部に沿って、上記損傷閾値を超え、上記ガラス系物品の第2の側部に沿って、上記損傷閾値を下回るように、損傷軌跡を形成するステップを含む、実施形態39に記載の方法。
【0191】
実施形態41
上記第1のエッチング液を用いて上記ガラス系物品をエッチングする前に、第1のエッチング耐性コーティングを上記ガラス系物品の第1の側部に塗布するステップ;
上記第2のエッチング液を用いて上記ガラス系物品をエッチングした後に、上記第1のエッチング耐性コーティングを上記ガラス系物品の上記第1の側部から除去するステップ;
第2のエッチング耐性コーティングを上記ガラス系物品の第2の側部に塗布するステップ;
上記ガラス系物品の上記第2の側部に塗布された上記第2のエッチング耐性コーティングを有する上記ガラス系物品を、第3のエッチング液の浴を用いてエッチングするステップ;及び
上記第2のエッチング耐性コーティングを、平面状の上記ガラス系物品の上記第2の側部から除去するステップ
を更に含む、実施形態33~40のいずれか1つに記載の方法。
【0192】
実施形態42
平面状の上記ガラス系物品を上記第3のエッチング液中でエッチングして、上記少なくとも1つのビアを備える上記ガラス系基板を形成するステップを更に含む、実施形態33~41のいずれか1つに記載の方法。
【0193】
実施形態43
上記第1のエッチング液及び上記第2のエッチング液のうちの少なくとも一方の、温度、上記濃度、及び撹拌の程度のうちの少なくとも1つを調整するステップを更に含む、実施形態33~42のいずれか1つに記載の方法。
【0194】
実施形態44
上記少なくとも1つのビアはそれぞれ、貫通ビア又はブラインドビアを含む、実施形態33~43のいずれか1つに記載の方法。
【0195】
実施形態45
上記少なくとも1つのビアは、上記ガラス系基板の第1の主表面と第2の主表面との間の、上記第1の主表面と上記第2の主表面から等距離にある平面に関して、対称な断面を備える、実施形態33~44のいずれか1つに記載の方法。
【0196】
実施形態46
上記少なくとも1つのビアは、上記ガラス系基板の上記第1の主表面と上記第2の主表面との間の、上記第1の主表面と上記第2の主表面から等距離にある平面に関して、非対称な断面を備える、実施形態33~44のいずれか1つに記載の方法。
【0197】
実施形態47
少なくとも1つの貫通ビアを備えるガラス系基板を形成する方法であって、
上記方法は:
少なくとも1つの損傷軌跡を有するガラス系物品をエッチング液中でエッチングするステップ;並びに
上記エッチング液の温度、濃度、及び撹拌の程度のうちの少なくとも1つを調節して、上記少なくとも1つの貫通ビアが、連続的に変化する側壁のテーパと、上記ガラス系基板の第1の主表面と第2の主表面との間の、上記第1の主表面と上記第2の主表面から等距離にある平面に関して、対称な断面とを備えるように、上記少なくとも1つの貫通ビアを備える上記ガラス系基板を形成するステップ
を含む、方法。
【0198】
実施形態48
少なくとも1つのブラインドビアを備えるガラス系基板を形成する方法であって、
上記方法は:
少なくとも1つの損傷軌跡を有するガラス系物品をエッチング液中でエッチングするステップ;並びに
上記エッチング液の温度、濃度、及び撹拌の程度のうちの少なくとも1つを調節して、上記少なくとも1つのブラインドビアが連続的に変化する側壁のテーパを備えるように、上記少なくとも1つのブラインドビアを備える上記ガラス系基板を形成するステップ
を含む、方法。
【符号の説明】
【0199】
10 半導体パッケージ
15 物品
20 伝導性材料
25 半導体デバイス
30 隆起
100 基板
110 第1の主表面
112 第2の主表面
120、120’ ビア
122 内壁
124 第1の先細領域
126 第2の先細領域
128 第3の先細領域
130 第1の部分
140 第2の部分
150 特定の点
155 接線
1400 画像
1405 ビア120のプロファイル
1410 関心領域
1415 トレース線
C 開口の中心点
D 開口直径
P 平面
R 開口半径
T 基板100の厚さ、平均厚さ
Z ビア120のピッチ