(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-26
(45)【発行日】2023-08-03
(54)【発明の名称】多角度動的光散乱
(51)【国際特許分類】
G01N 15/02 20060101AFI20230727BHJP
G01N 15/14 20060101ALI20230727BHJP
G01N 21/47 20060101ALI20230727BHJP
G01N 21/53 20060101ALI20230727BHJP
【FI】
G01N15/02 A
G01N15/14 B
G01N21/47 B
G01N21/53 Z
(21)【出願番号】P 2020542585
(86)(22)【出願日】2019-02-06
(86)【国際出願番号】 EP2019052946
(87)【国際公開番号】W WO2019154882
(87)【国際公開日】2019-08-15
【審査請求日】2022-02-03
(32)【優先日】2018-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】518101646
【氏名又は名称】マルバーン パナリティカル リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ハミルトン ダグラス
(72)【発明者】
【氏名】コーベット ジェイソン
【審査官】外川 敬之
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-101877(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第03229008(EP,A1)
【文献】VEGA, J. R. et al.,Latex particle size distribution by dynamic light scattering: novel data processing for multiangle measurements,Journal of Colloid and Interface Science,NL,Elsevier B.V.,2003年05月01日,261,74-81
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 15/02
G01N 15/14
G01N 21/47
G01N 21/53
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動的光散乱データから粒子サイズ分布を決定する方法において、
測定相関関数g(θ1)~g(θn)を取得すること、及び、
式:
【数1】
の方程式を解くことを含み、
式中、
g(θi)は、散乱角度θiに対応する、測定時間tについての測定相関関数であり、K(θi)は、は角度θiについて計算される機器散乱行列であり、xは粒子サイズ分布であり、αiは測定時間iについてのスケーリング係数であり(α1=1である)、
前記ベクトルxは式:[x1,…,xN,n1,…,nn]をとり、x1~xNは、各サイズビンに対応する散乱強度であり、項n1~nnは、測定時間又は角度のそれぞれに対応するノイズ強度であり、
K内の列は、x内の各要素による、予想される機器応答として計算され、要素によるインデックスx1~xNにおけるK内の列は各相関器遅れ時間τ及び角度θについて計算され、インデックスn1~nnにおける列は、ノイズの特性に関する仮定に基づいて、各角度θにおいて、各相関器遅れ時間τについて、計算されるノイズ寄与として計算される、方法。
【請求項2】
前記動的光散乱データは多角度データであり、各測定時間は異なる測定角度θiに対応する;又は、前記動的光散乱データは単一角度タイプであり、各測定時間iは同じ測定角度θiに対応する、請求項
1に記載の方法。
【請求項3】
a)スケーリングファクターα2~αnについて初期推定値を提供し、α1=1であると規定するステップと、
b)非線形ソルバーを使用してスケーリングファクターα2~αnを反復適用するステップと、
c)線形ソルバーを使用してxについて解くステップと、
d)残差を計算するステップと、
e)前記残差が予め規定したエグジット許容範囲より大きい間、ステップb)~d)を反復適用するステップと、
を使用することを含む、請求項
1又は
2に記載の方法。
【請求項4】
前記線形ソルバーはNNLSである、及び/又は、前記非線形ソルバーは、ネルダー・ミード・シンプレックス、レーベンベーグ・マルカート、及びガウス・ニュートンから選択される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記スケーリングファクターα2~αnについての前記初期推定値は、ゼロ遅延時間(τ=0)に対する相関関数の外挿によって推定される、請求項3又は4に記載の方法。
【請求項6】
前記予め規定したエグジット許容範囲は、直前の残差に基づく収束基準である、又は、前記予め規定したエグジット許容範囲は絶対残差閾値である、請求項3から5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
どの非線形ソルバーが最小残差を提供するかを決定するために、異なる非線形ソルバーについてステップa)~e)を反復適用することを更に含む、請求項3から6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
それぞれの各散乱角度θにおける散乱光強度の時間履歴を測定し、各散乱角度について前記相関関数g(θi)を決定することを更に含む、請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記計算されるノイズ寄与は、機器の散乱体積内の大粒子に対する前記予想される機器応答に基づき、前記大粒子は、径が少なくとも3ミクロン又は径が少なくとも10ミクロンであると仮定される、請求項
1から
8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記計算されるノイズ寄与は、
g1(τ)=exp(-qi2Dtπ)
に従って決定され、
式中:
g1(τ)は、遅れ時間τにおける機器測定フィールド自己相関関数であり;
qは散乱波ベクトル
【数2】
であり;
n0は分散剤屈折率であり;
λは真空波長であり;
θiは散乱角度であり;
Dtは併進拡散係数
【数3】
であり;
kBはボルツマン定数であり;
Tは絶対温度であり;
ηは分散剤粘度であり;
dは、仮定される大粒子流体力学的径である、請求項
9に記載の方法。
【請求項11】
それぞれの各散乱角度θにおける散乱光強度の時間履歴を順次測定し、各散乱角度について前記相関関数g(θn)を決定することを更に含む、請求項
1から
10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
動的光散乱測定から粒子サイズ分布xを決定する方法であって:
散乱強度の時間シーケンスから導出される測定相関関数gを取得すること;
残差の和:
【数4】
を最小にすることによって、
【数5】
を含む線形方程式のシステムを解くことを含み、
式中、Kは機器散乱行列であり;Γは正則化行列であり;γは、前記粒子サイズ分布x内の各粒子サイズについての正則化係数を含む正則化ベクトルであ
り、
解かれる線形方程式の前記システムは、正則化を含み、それにより、
【数6】
を含み、
方程式の前記システムは、請求項3に規定されるステップa)~e)を使用して解かれ;
及び、任意で、
前記ベクトルxは式:[x1,…,xN,n1,…,nn]をとり、x1~xNは、各サイズビンに対応する散乱強度であり、項n1~nnは、測定時間又は角度のそれぞれに対応するノイズ強度であり、
K内の列は、x内の各要素による、予想される機器応答として計算され、要素によるインデックスx1~xNにおけるK内の列は各相関器遅れ時間τ及び角度θについて計算され、インデックスn1~nnにおける列は、ノイズの特性に関する仮定に基づいて、各角度θにおいて、計算されるノイズ寄与として計算される、方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、多角度動的光散乱測定から粒子サイズを決定する方法に関する。
【0002】
動的光散乱測定は、粒子を解析するための広く使用される方法であり、その方法において、粒子のサイズ又はサイズ分布を決定するために時系列の散乱光の測定が使用される。粒子特性は、散乱光の時間的変動から推測される。通常、自己相関が、時系列の散乱光強度に対して実施され、当てはめ(例えば、キュミュラント(Cumulant)、CONTIN、NNLS(non-negative least squares)/非負拘束最小2乗)が、粒子特性を決定するために自己相関関数に対して実施される。代替的に、散乱光のパワースペクトルを決定するためにフーリエ変換が使用され、粒子特性を決定するためにパワースペクトルに対する類似の当てはめが実施される。通常、単一の明確に規定された角度で散乱した光が動的光散乱測定において使用される。
【0003】
2つ以上の角度で散乱する光が動的光散乱測定において使用される多角度動的光散乱(MADLS:multi-angle dynamic light scattering)測定が実施されてもよい(Bryant,Gary,及びJohn C. Thomas.「Improved particle size distribution measurements using multiangle dynamic light scattering.」Langmuir 11.7(1995):2480-2485)。
【0004】
複数の散乱角度が使用されると、各散乱角度において取得される散乱データに最も整合する粒子特性を決定することが必要である。これを行うために既存の技法の改良のためのかなりの余地が存在する。
【0005】
第1の態様によれば、多角度動的光散乱データから粒子サイズ分布を決定する方法が提供され、方法は、式:
【0006】
【0007】
の方程式を解くことを含み、式中:g(θi)は角度iにおける測定相関関数であり、K(θi)は角度iについて計算される機器散乱行列であり、xは粒子サイズ分布であり、αiは角度iについてのスケーリング係数である。
【0008】
方法は、
a)スケーリングファクターα2~αnについて初期推定値を提供し、α1=1であると規定するステップと、
b)非線形ソルバーを使用してスケーリングファクターα2~αnを反復適用するステップと、
c)線形ソルバーを使用してxについて解くステップと、
d)残差を計算するステップと、
e)残差が予め規定したエグジット許容範囲より大きい間、ステップb)~d)を反復適用するステップと、を使用することを含む。
【0009】
線形ソルバーはNNLSであることができる、及び/又は、非線形ソルバーは、ネルダー・ミード・シンプレックス(Nelder-Mead simplex)、レーベンベーグ・マルカート(Levenberg-Marquardt)、及びガウス・ニュートン(Gauss-Newton)から選択することができる。
【0010】
スケーリングファクターαi(例えば、α2~αn)についての初期推定値は、ゼロ遅延時間(τ=0)に対する相関関数g(θi)の外挿によって推定することができる。
【0011】
幾つかの実施形態において、α1は1として規定されない場合がある。
【0012】
予め規定したエグジット許容範囲は、直前の残差に基づく収束基準又は絶対残差閾値であることができる。
【0013】
方法は、どの非線形ソルバーが最小残差を提供するかを決定するために、異なる非線形ソルバーについてステップa)~e)を反復適用することを更に含むことができる。
【0014】
方法は、それぞれの各散乱角度θにおける散乱光強度の時間履歴を測定し、各散乱角度について相関関数g(θi)を決定することを更に含むことができる。
【0015】
第2の態様によれば、動的光散乱データから粒子サイズ分布を決定する方法が提供され、方法は、
測定相関関数g(θ1)~g(θn)を取得すること;及び、
式:
【0016】
【0017】
の方程式を解くことを含み、
式中、
g(θi)は、散乱角度θiに対応する、測定時間tについての測定相関関数であり、K(θi)は、角度θiについて計算される機器散乱行列であり、xは粒子サイズ分布であり、αiはiについてのスケーリング係数であり(α1=1である)、
ベクトルxは式:[x1,…,xN,n1,…,nn]をとり、x1~xNは、各粒子サイズビンに対応する散乱強度であり、項n1~nnは、測定時間又は角度のそれぞれに対応するノイズ強度であり、
K内の列は、x内の各要素による、予想される機器応答として計算され、要素によるインデックスx1~xNにおけるK内の列は各相関器遅れ時間τ及び角度θについて計算され、インデックスn1~nnにおける列は、ノイズの特性に関する仮定に基づいて、各角度θにおいて、計算されるノイズ寄与として計算される。
【0018】
動的光散乱データは多角度データであってもよく各測定時間は異なる測定角度θiに対応する;又は、動的光散乱データは単一角度タイプであってもよく各測定時間iは同じ測定角度θiに対応する。他の実施形態において、同じ角度のデータ及び異なる角度のデータの組み合わせが、解析において使用されてもよい。
【0019】
粒子サイズ分布は、第1の態様であって、そのオプションの特徴のうちの任意の特徴を含む、第1の態様に従って決定されてもよい。
【0020】
計算されるノイズ寄与は、機器の散乱体積内の大粒子に対する予想される機器応答に基づいていてもよい。大粒子は、径が少なくとも3ミクロン又は径が少なくとも10ミクロンであると仮定してもよい。
【0021】
計算されるノイズ寄与は、
g1(τ)=exp(-qi
2Dtπ)
に従って決定されてもよく、
式中:
g1(τ)は、遅れ時間τにおける機器測定フィールド自己相関関数であり;qは散乱波ベクトル
【0022】
【0023】
であり;n0は分散剤屈折率であり;λは真空波長であり;θiは散乱角度であり;Dtは併進拡散係数
【0024】
【0025】
であり;kBはボルツマン定数であり;Tは絶対温度であり;ηは分散剤粘度であり;dは、仮定される大粒子流体力学的径である。
【0026】
方法は、それぞれの各時間及び/又は散乱角度θにおける散乱光強度の時間履歴を順次測定し、各時間及び/又は散乱角度について相関関数g(θn)を決定することを更に含んでもよい。
【0027】
第3の態様によれば、動的光散乱測定から粒子サイズ分布xを決定する方法が提供され、方法は、
散乱強度の時間シーケンスから導出される相関関数gを取得すること;
残差の和:
【0028】
【0029】
を最小にすることによって、
【0030】
【0031】
を含む線形方程式のシステムを解くことを含み、
式中、Kは機器散乱行列であり;Γは正則化行列であり;γは、粒子サイズ分布x内の各粒子サイズについての正則化係数を含む正則化ベクトルである。
【0032】
方法は、散乱強度の時間シーケンスを取得するために測定を実施することを更に含むことができる。
【0033】
解かれる線形方程式のシステムは、正則化を含んでもよく、それにより、
【0034】
【0035】
を含んでもよく、
方程式のシステムは、第1の態様に規定されるステップa)~e)を使用して、また、第1の態様のオプションの特徴の任意の特徴と組み合わせて、解かれる。
【0036】
任意に、第3の態様において、
ベクトルxは式:[x1,…,xN,n1,…,nn]をとり、x1~xNは、各サイズビンに対応する散乱強度であり、項n1~nnは、測定時間又は角度のそれぞれに対応するノイズ強度であり、
K内の列は、x内の各要素による、予想される機器応答として計算され、要素によるインデックスx1~xNにおけるK内の列は各相関器遅れ時間τ及び角度θについて計算され、インデックスn1~nnにおける列は、ノイズの特性に関する仮定に基づいて、各角度θにおいて、計算されるノイズ寄与として計算される。
【0037】
第4の態様によれば、機械可読媒体が提供され、機械可読媒体は、先行する態様のうちの任意の態様の方法をプロセッサに実施させるための命令を含む。
【0038】
第5の態様によれば、光源、試料ホルダー、検出器、及びプロセッサを備える、DLS測定を実施するための機器が提供され、
光源は、試料ホルダー内の試料を光ビームによって照射して、光ビームと、流体によって試料ホルダー内で懸濁された粒子との相互作用によって散乱光を生成するように構成され、
検出器は、散乱光を検出し、測定データをプロセッサに提供するように構成され、
プロセッサは、測定データを処理して、第1、第2、又は第3の態様のうちの任意の態様であって、そのオプションの任意の特徴を含む、任意の態様による方法を使用して、粒子サイズ分布を決定するように構成される。
【0039】
各態様(オプションの特徴を含む)の特徴のそれぞれは、任意の他の態様の特徴と組み合わされてもよい。
【0040】
本発明の実施形態は、添付図面を参照して、純粋に例として述べられる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1】第1の態様の一実施形態による方法を例示するフロー図である。
【
図2】単一角度における汚染物質散乱から生じる偽ピークを含む粒子サイズ分布を示すグラフである。
【
図3】第2の態様の一実施形態に従って決定された粒子サイズ分布を示すグラフであり、添付されたノイズビン内に単一角度ノイズ寄与を示す。
【
図4】
図2と
図3の両方で使用される3つの散乱角度のそれぞれにおけるノイズ寄与の相対量を示す図である。
【
図5】第3の態様の一実施形態に従って決定された粒子サイズ分布を示す図であり、その粒子サイズ分布において、小さいまた大きい同様の粒子サイズがベクトル正則化を使用することによって正しく分解される。
【
図6】
図5を決定するために使用された正則化ベクトルを示すグラフであり、粒子サイズの関数としての正則化係数を示す。
【
図7】比較的小さいスカラー正則化係数が使用される、第3の態様に従って決定されない粒子サイズ分布を示すグラフであり、より大きい粒子サイズについて「スパイク状の(spiky)」分布を示す。
【
図8】比較的大きいスカラー正則化係数が使用される、第3の態様に従って決定されない粒子サイズ分布を示すグラフであり、より小さい粒子サイズについて過正則化分布を示す。
【
図9】正則化ベクトルを決定するための最適関数を選択するときに使用するための、L曲線のセットを示すグラフである。
【
図10】一実施形態による機器のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
改良型ソルバー法
3つの測定角度(θ1、θ2、及びθ3)によるMADLS測定を実施するとき、線形方程式の以下のシステムが解かれなければならない(関連する行列成分のみが示される):
【0043】
【0044】
式中:g(θi)は角度iにおける測定相関関数であり、K(θi)は角度iについて計算される機器散乱行列であり、xは粒子サイズ分布である。目標は、測定相関関数から粒子サイズ分布を決定することである。係数a及びbはスケーリングファクターであり、これらについての初期推定値は、y軸倍率を決定するために時間ゼロに対する相関関数の外挿(線形又はその他)によって計算され得る。a及びbの物理的起源は、各角度になる散乱強度の和である。
【0045】
第1の散乱角度θ1が、他の測定角度がそれに対してスケーリングされる測定角度として任意に選択されていることに留意されたい。他の測定角度の任意の測定角度が、単一のスケーリングファクターを有するものとして代替的に選択され、他の測定角度がその角度に対してスケーリングされる可能性があることが認識されるであろう。
【0046】
Bryant(上記で参照された)は、カウントレートからa及びbを導出すること及び線形ソルバーを使用すること、を開示するが、この方法は、カウントレートが所定の期間にわたって安定しない場合、ミスが生まれ易い。Cummins(P.g.Cummins,E.j.Staples「Particle Size Distributions Determined by a “Multiangle” Analysis of Photon Correlation Spectroscopy Data」Langmuir,1987,3,1109-1113)は、a、b、及びxを決定するために非線形ソルバーを使用することを開示する。このように非線形ソルバーを適用することは問題があり、なぜならば、決定されるべき多数の係数(x内の)が存在し、解が確実に収束しないことになるというかなりの可能性が存在するからである。
【0047】
本発明の実施形態において、入れ子式アプローチが使用され、そのアプローチにおいて、非線形ソルバー(ネルダー・ミード・シンプレックス、レーベンベーグ・マルカート、ガウス・ニュートン、又は別の方法など)が、a及びbについての推定値を反復適用するために使用され、各非線形反復適用内で、線形ソルバー(例えば、非負拘束最小2乗)が、xについての最良当てはめを決定し、その結果、残余誤差を決定するために使用される。残余誤差は、その後、スケーリングファクターのそれぞれについて新しい値を選択するために、非線形ソルバーによって使用される。これは、以下の疑似コードにおいて例示される:
a及びbについて初期推定値を提供する
DO{
ネルダー・ミード・シンプレックス、レーベンベーグ・マルカート、ガウス・ニュートン、又は他の方法などの非線形ソルバーを使用してa及びbを反復適用する
非負拘束最小2乗などの線形ソルバーを使用してxについて解く
式
【0048】
【0049】
の残差を計算する}
なお、(残差>予め規定されたエグジット許容範囲)
この入れ子式技法は、粒子分布を解く線形問題に対して高速かつ頑健な線形法(例えば、NNLS)が適用されることを可能にする。係数a及びbは、非線形アプローチを必要とする可変スカラーであり、したがって、非線形ソルバーは、これにとって適切である。このアプローチは、非線形ソルバーを用いて問題全体に取り組むこと(Cumminsにより採用されたアプローチ)より好ましい。したがって、実施形態は、MADLSについて、より頑健で実行することが高速である解を提供する。これは、次に、文献の場合よりも広いサイズ範囲に及ぶために、又は、従来技術の場合より高い分解能を有する粒子サイズ分布を提供するために、MADLSが使用されるように多数のサイズクラス(すなわち、より長いベクトルx)を可能にする。
【0050】
この方法は、n個の数の散乱角度について、以下の方程式のセットに適用するために一般化され得る:
【0051】
【0052】
αiは角度iについてのスケーリング係数に対応する。
【0053】
従来、第1の散乱(i=1)角度は、1として規定されるスケーリング係数を有してもよい(α1=1)。上記で述べたように、これは単に任意の慣行である。代替的な実施形態において、スケーリングは、測定1~nの任意の測定に対して実施されてもよい。測定結果の連結の順序が同様に任意であり、測定のうちのどの測定も最初に行うことができることも認識されるであろう。表記を容易にするため、本明細書で述べるスケーリングは、第1回目の測定に対するものとして示されるが、これは、制限を示唆しない。
【0054】
したがって、一般化疑似コードは以下のようになる:
α2~αnについて初期推定値を提供し、α1=1であると規定する
DO{
ネルダー・ミード・シンプレックス、レーベンベーグ・マルカート、ガウス・ニュートン、又は他の方法などの非線形ソルバーを使用してα2~αnを反復適用する
非負拘束最小2乗などの線形ソルバーを使用してxについて解く式
【0055】
【0056】
の残差を計算する。}
なお、(残差>予め規定されたエグジット許容範囲。
【0057】
非線形ソルバー(例えば、レーベンベーグ・マルカートなど)の各反復適用において、スケーリング係数α2~αnのそれぞれについての推定値は、粒子サイズ分布xについての新しい推定値がNNLSなどの線形ソルバーを使用して決定され、粒子サイズ分布の新しい推定値が、残差を計算するために使用される前に更新される。残差は、スケーリングファクターについての新しい推定値を選択し推定値が許容可能であるかどうかを判定するために、次の反復適用において非線形ソルバーによって使用される。このワークフローは、スケーリングファクターが正確にかつ効率的に決定されるように、問題が効率的に分割されることを意味する。
【0058】
図1は、一実施形態に従って粒子サイズ分布を決定する方法を概略的に示す。ステップ100にて、時系列の散乱強度が、各散乱角度において(例えば、順次、又は幾つかの実施形態において同時に)測定される(又は、光子到達時間の時間履歴から決定される)。ステップ110にて、相関関数が、(例えば、相関器を使用して)それぞれの時系列の散乱強度から各散乱角度について決定される。ステップ120にて、方程式(2)が、粒子サイズ分布xを決定するために解かれる。
【0059】
粒子サイズ分布を決定するために方程式(2)を解くプロセスは、
ステップ121にて、スケーリングファクターα2~αnについて初期推定値を決定し、α1=1であると規定すること;
ステップ122にて、非線形ソルバーを使用してスケーリングファクターα2~αnを反復適用すること;
ステップ123にて、線形ソルバーを使用してxについて解くこと;
ステップ124にて、残差を計算すること;
ステップ125にて、残差が予め規定したエグジット許容範囲より大きいかどうかをチェックすることを含む。
【0060】
ノイズ
多角度DLS測定を実施するとき、各角度において測定されるデータは、同じ試料を示さなければならない。ほとんどの測定において、試料が測定の継続期間にわたって変化しないことが仮定され得る。通常、DLSのための適した検出器(通常、アバランシェフォトダイオードなどの光子計数型検出器を使用する)のコストが比較的高いため、各角度における散乱測定は、単一検出器に対する光路が各検出角度の間で循環される状態で、順次行われる。加えて、検出器の視野に起因して、体積中心がたとえ一致しても、異なる測定角度は、わずかに異なる散乱体積をサンプリングする。これらの測定状況下で、過渡的汚染物質(埃又はフィルターデブリなど)は、単一散乱角度を汚染する傾向があることになる。これは、結果に悪い影響を及ぼすことになり、なぜならば、測定データを満足させる一般的な解を見出すことが可能でないことになるからである(測定のうちの1つの測定が試料を示さないため)。
【0061】
それぞれが単一角度にのみ依存する項(ノイズタイプに特有な)を解に含むことによって、当てはめプロセス中に単一角度においてノイズの存在に対処することが可能である。粒子サイズ分布結果は全ての角度にわたって共通のままであるべきである。ノイズは、大抵、1つの測定角度において、埃によってもたらされるコリログラム(correlogram)に対するゆっくりと減衰する寄与として現れる。しかしながら、任意の形態のノイズタイプは、存在すると疑われる場合、考慮され得る。
【0062】
上記で既に論じたように、線形方程式の正則システムは、式g=Kxであり、式中、gは測定相関関数であり、Kは機器散乱行列であり、xは粒子サイズ分布である(表記を単純にするため、スケーリングファクター係数(scaling factor coefficient)を無視する)。
【0063】
MADLSに適用すると、方程式は、
【0064】
【0065】
になる(関連する行列成分のみが示される)。
【0066】
従来技術の解析において、ベクトルxは、N個のスカラー値のセットを含み、各スカラー値は、特定の範囲(又はビン)の粒子サイズから散乱の強度を規定する。本発明の実施形態において、ベクトルxは、1つ又は複数の散乱角度において汚染物質の存在に対処するために含まれる少なくとも1つの更なる値を含む。3つの測定角度に対応するn=3、かつ、N個のサイズビンを含む粒子サイズ分布の場合、ベクトルxは、以下の式:[x1,x2,x3,…,xN,n1,n2,n3]をとることができ、x1~xNは、各サイズビンに対応する散乱強度であり、項n1~n3は、3つの散乱角度のそれぞれに対応するノイズ強度である。
【0067】
行列
【0068】
【0069】
は以下の式を有する。
【0070】
K内の列はx内の各要素による、予想される機器応答として計算される。要素によるインデックスx1~xNにおける列は各相関器遅れ時間τ及び角度θについて理論的に計算することができる。インデックスn1~n3における列は、ノイズの特性に関する仮定に基づいて、各角度において、計算されるノイズ寄与の形態をとる。
【0071】
例の実施形態において、ノイズ寄与は、散乱体積内の大きい過渡的粒子の形態をとると仮定される。例えば、Kのノイズ寄与の列を推定するために使用されるモデルは、サイズビンについての予想される機器応答を計算するために使用されるモデルを真似るが、特定の散乱角度iにおいてまた各相関器遅れ時間τについて10ミクロンの固定粒子径を使用することができる。τ:
【0072】
【0073】
式中:
g1(τ)は、遅れ時間τにおける機器測定フィールド自己相関関数であり;
qは散乱波ベクトル
【0074】
【0075】
であり;
n0は分散剤屈折率であり;
λは真空波長であり;
θiは散乱角度であり;
Dtは併進拡散係数
【0076】
【0077】
であり;
kBはボルツマン定数であり;
Tは絶対温度であり;
ηは分散剤粘度であり;
dは粒子流体力学的径である。
【0078】
各角度におけるノイズは任意の他の測定角度におけるノイズに関連しないため(順次多角度測定の場合)、要素は、ノイズが考慮される角度以外の角度においてゼロである。大きい材料がたった1つの角度に存在する場合、解残差は、当てはめ中に強度がノイズビンに割り当てられる場合、最小になることになる。ソルバーは、偽粒子の付加によって粒子サイズ分布当てはめ結果を損なわないことになる。
【0079】
一例において、径200nm及び400nmのポリスチレンラテックス球の混合物が水性分散液内で調製された。2つの方法が、同じ機器データに粒子サイズ分布を当てはめるために使用された。第1の方法は単一角度ノイズを全く仮定していない。
図2は、結果として得られる粒子サイズ分布を示し、その分布は、200nmにおけるピーク201、400nmにおけるピーク202、及び、3.5ミクロンにおける汚染物質に対応するピーク203を含む。当てはめ残差は、4.6e
-4(L
2-ノルム)の大きさを有する。
【0080】
図3は、一実施形態に従って計算されたベクトルxを示し、その実施形態において、単一角度ノイズ寄与は、各散乱角度において大なり小なり存在すると仮定される。結果は、200nmに対応するビンにおけるピーク301、400nmに対応するビンにおけるピーク302、3.5ミクロンにおける無視できる汚染物質、及びベクトルxの端にあるノイズビン内の有意の単一ノイズ寄与303を含む粒子サイズ分布である。この場合、ノイズ寄与は、
図4に示すように、後方散乱内に存在するが、側方散乱又は前方散乱内に存在せず、それは、この測定の3つの散乱角度のそれぞれにおいて汚染物質に割り当てられた強度を示す。当てはめ残差は、3.8e
-4(L
2-ノルム)の大きさを有する-単一角度ノイズ寄与を考慮せずに達成された値より小さい。
【0081】
上記例は、3つの散乱角度に対するこの技法の適用を示したが、より少ない又はより多い散乱角度が代替の実施形態に応じて使用することができることが理解されるであろう。
【0082】
幾つかの実施形態において、汚染物質からの散乱寄与を無視するアンサンブルデータから粒子サイズ分布が決定されるように、異なる散乱角度において行われない(しかし、同じ散乱角度において、(少なくとも一部又は全てが)異なる時間において行われる)測定に、同じ原理が適用され得る。このアプローチは、汚染物質であって、全ての測定に存在するわけでなく、また、汚染物質からの散乱寄与をシミュレートするために使用されるモデルによって十分に近似される、汚染物質から、散乱寄与を除去するときに有効であることになる。
【0083】
サイズ依存性正則化
MADLS問題(及び、より一般的に、DLS問題)は悪条件であるため、正則化は、ノイズに対する当てはめに抗して解をバイアスし、結果の予め規定された或る特性を強化するために使用することができる。線形方程式のシステムg=Kxは、
【0084】
【0085】
になる(関連する行列成分のみが示される)。
【0086】
上記において、gは、n個の相関関数の行列
(すなわち、
【0087】
【0088】
)を示してもよく、それぞれは、異なる時間において及び/又は異なる散乱角度において行われる測定に対応し、Kは行列
【0089】
【0090】
を示してもよい。
【0091】
通常、正則化係数γは、γの大きさに依存してより強い又はより弱い正則化を実施するためにスカラー値の形式をとり、より大きいγはより強い正則化をもたらす。正則化行列Гは幾つかの形式をとり得る。DLSを実施するとき、粒子サイズ分布がほぼ連続であると思われるため、結果におけるスムーズネスを強化することがしばしば所望される。代替的に、粒子サイズ分布が単峰性であると思われる場合、解ノルムをゼロに向けてバイアスすることができる。
【0092】
正則化項γГは、最小化される残差の一部を形成する:
【0093】
【0094】
この例の実施形態において、行列Гは、解xにおける曲率を処するローパス演算子として働き得る。サイズビンの大きい動的範囲にわたって粒子サイズ分布を測定するとき、小さい粒子サイズ及び大きい粒子サイズにおいて同時に曲率を適切に処する正則化係数を実現することが常に可能であるわけではない。これは、一部には、近傍のサイズビン(これらは、通常、対数的間隔であるため)の相対的分離によるだけでなく、小さい粒子サイズと大きい粒子サイズにおける様々な粒子特性にもよる。
【0095】
実施形態によれば、この問題は、正則化係数γのベクトルを使用することによって解くことができ、それにより、正則化係数は粒子サイズに依存する。
【0096】
【0097】
これは、粒子サイズクラスがより広い間隔でありかつスパイク状の解を防止することが望まれる大きいサイズにおいてより強い正則化が実施されること許容する。逆に、これは、より高い分解能力を使用することが望まれる小さいサイズにおいて、より弱い正則化を許容する。こうして、考えられる最高の分解能を、広いサイズ範囲-0.3nm~10μmにわたって維持することができる。
【0098】
これを説明するため、例のDLS測定がシミュレートされる。シミュレートされた例は、4つの別個の粒子成分を含む。
【0099】
【0100】
これは、少数の大きい微粒子の存在下でのタンパク質モノマーの2成分混合物を示す(大きい微粒子は散乱強度によって同様であり、なぜならば、これが粒子径の6乗に対応するからである)。0.1%のホワイトノイズ寄与が、シミュレートされた自己相関関数に付加された。
図5には、正則化係数のベクトルを用いたMADLS法を使用して導出された、結果として得られる粒子サイズ分布が示される。全てのピークが解像可能であり、ピーク401~404は、上記表内のピークID1~4にそれぞれ対応する。
【0101】
上記解析で使用された正則化係数γのベクトルは、関数:
【0102】
【0103】
に従って、対数空間内で線形される方法で、粒子サイズと共に変動した。
【0104】
この例において、m=0.019及びc=0.0026(xはnm単位で測定される)であり、正則化係数が
図6に示すように変動した結果を伴う。粒子サイズの他の関数(例えば、非対数関数、多項式など)が、正則化ベクトルを決定するために使用されてもよい。
【0105】
図5の結果は、
図7に示すスカラー正則化係数(γ=0.002)を用いて取得された結果と対比され得る。
図7において、大きい粒子分布は、シミュレートされた測定上のノイズによって過分解される。
【0106】
スカラー正則化係数(γ=0.0065)を増加させることはこの問題を改善するものではなく、その理由は、これが、
図8に示すように、不十分な解像の小粒子分布をもたらすからである。粒子サイズと共に変動するベクトル正則化を使用することが、粒子サイズ分布において改善された測定精度を提供することを、出願人は見出した。
【0107】
適切な正則化係数を(例えば、自動的に)決定することが可能である。文献に記載される1つの方法はL曲線法である(C.Hansen,D.P.O‘Leary「The use of the L-Curve in the Regularization of Discrete Ill-Posed Problems」SIAM J.Sci.Comput.,1993,14(6),1487-1503)。この方法によれば、最適正則化係数は、残差ノルム
【0108】
【0109】
及び正則化ノルム
【0110】
【0111】
を共に最小にする正則化係数である。或る範囲の正則化係数にわたって正則化ノルムに対する残差ノルムをプロットすることは、通常、L状曲線をもたらし、L状曲線の角は最適正則化係数を示す。
【0112】
このアプローチは、最適正則化ベクトルγを決定するように適合し得る。線形対数関数が、正則化ベクトルを決定するために使用される上記例において、切片c及び勾配mが反復適用され得、複数の残差ノルム対正則化ノルム(L曲線)がプロットされ得る。これに続いて、適切な正則化切片及び勾配対が推測され得る。原理上、同様の解析が、適切な正則化ベクトルを決定するため任意の関数を比較するために適用され得る。そのような解析は、機器についての特定のユーザー事例を示す(シミュレートされた又は実際の)測定データに基づいて、プロセッサ/機器によって自動的に適用され得る。代替的に、特定の顧客要件について概して適切である1つ(又は複数)の正則化ベクトルが決定され得る。幾つかの実施形態において、ユーザーは、代替の正則化アプローチ(例えば、スカラー、第1のベクトル(低い勾配)、第2のベクトル(高い勾配)など)の間で選択することができる場合がある。
【0113】
図9は、0.003~0.009の(0.001の増分での)、方程式(8)における勾配mの値にそれぞれ対応するL曲線501~507のセットを示し、各曲線501~507は、0.001から0.01まで増分される切片cについての一連の値を有する。中程度の切片を有する低い勾配が、最適であるように
図9に示される(
図5について使用されたパラメータと同様)。
【0114】
機器
図10は、例の実施形態による機器を示し、その機器は、光源10、試料ホルダー20、検出器30、プロセッサ40、及びオプションのディスプレイ50を備える。
【0115】
光源10は、レーザー(又はLED)であり、試料ホルダー20上の又は試料ホルダー20内の試料を光ビームによって照射することができる。試料は、粒子がその中で懸濁される流体を含み、光ビームは、粒子によって散乱して、散乱光を生成する。散乱光は、APDなどの光子計数型検出器を備えることができる検出器30によって検出される。適した収集光学部品(マルバーン・パナリティカル社(Malvern Panalytical Ltd)からのゼータサイザー・ナノ(Zetasizer Nano)において使用される非侵襲的後方散乱又はNIBS(non-invasive backscatter)機構など)を、特定の散乱角度で散乱する光を収集するために設けることができる。収集光学部品は、単一検出器が、異なる角度で散乱する光を(例えば、光ファイバー及び光学スイッチを使用して)受け取ることを可能にするように構成されてもよい。
【0116】
検出器30は、測定データ(例えば、光子到達時間のシーケンス)をプロセッサ40に提供し、プロセッサ40は、所定の期間にわたる散乱強度を決定するように構成することができる。プロセッサは、動的光散乱原理に従って粒子サイズを決定するときに使用するため、測定データから相関関数を決定する。特に、プロセッサ40は、本明細で述べる方法のうちの少なくとも1つの方法を実施するように構成される。
【0117】
プロセッサ40は、任意で、粒子サイズ分布をディスプレイ50に出力するように構成され、ディスプレイ50は結果をユーザーに表示する。プロセッサ40は、システムオンチップ/モジュール、汎用パーソナルコンピュータ、又はサーバーを備えることができる。プロセッサ40は、検出器30と同一場所に位置することができるが、これが、常に当てはまる訳ではない。幾つかの実施形態において、プロセッサ40は、サーバーの一部であることができ、そのサーバーの一部に対して(例えば、更なるコンピューティングデバイスによって)測定結果が通信される。
【0118】
幾つかの例が述べられたが、これらは、本発明の範囲を制限することを意図されず、その範囲は、添付特許請求項を参照して決定される。