(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-26
(45)【発行日】2023-08-03
(54)【発明の名称】ポリグリセロールエステルを含む自己可逆性逆ラテックス、増粘剤としてのそれの使用、及びそれを含む化粧品組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/81 20060101AFI20230727BHJP
A61K 8/06 20060101ALI20230727BHJP
A61K 8/31 20060101ALI20230727BHJP
A61K 8/39 20060101ALI20230727BHJP
A61K 8/60 20060101ALI20230727BHJP
A61K 8/86 20060101ALI20230727BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20230727BHJP
【FI】
A61K8/81
A61K8/06
A61K8/31
A61K8/39
A61K8/60
A61K8/86
A61Q19/00
(21)【出願番号】P 2020552826
(86)(22)【出願日】2019-04-04
(86)【国際出願番号】 FR2019050798
(87)【国際公開番号】W WO2019193294
(87)【国際公開日】2019-10-10
【審査請求日】2022-01-31
(32)【優先日】2018-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】398057293
【氏名又は名称】ソシエテ・デクスプロワタシオン・デ・プロデュイ・プール・レ・アンデュストリー・シミック・セピック
【氏名又は名称原語表記】SOCIETE D’EXPLOITATION DE PRODUITS POUR LES INDUSTRIES CHIMIQUES SEPPIC
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【氏名又は名称】布施 行夫
(72)【発明者】
【氏名】ボドック、ミルナ
(72)【発明者】
【氏名】ダコスタ、ジョルジュ
(72)【発明者】
【氏名】ジルボー、ジェローム
(72)【発明者】
【氏名】ピエール、オーレリー
【審査官】▲高▼橋 明日香
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0076245(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0098364(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0248321(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第01055451(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00-8/99
A61Q 1/00-90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
100モル%当たり:
(a
1)25モル%以上及び80モル%以下の割合の、遊離酸又は部分的に若しくは完全に塩化された形態での2-メチル-2-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]-1-プロパンスルホン酸に由来するモノマー単位;
(a
2)20モル%以上及び75モル%以下の割合のアクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド;メタクリルアミド又はN-イソプロピルアクリルアミドからなる群の要素から選択される少なくとも1種のモノマーに由来するモノマー単位;
(a
3)任意選択的
に0モル%超及び1モル%以下の割合
のモノマー単位
であって、
メチレンビス(アクリルアミド)、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジアリル尿素、トリアリルアミン、トリメチロールプロパントリアクリレート、メチレンビス(アクリルアミド)又はこれらの化合物の混合物、ジアリルオキシ酢酸若しくはその塩、又はこれらの化合物の混合物から選択されるモノマー単位
を含む架橋アニオン性高分子電解質(P)の自己可逆性逆ラテックスであって;
a
1)、a
2)、
及びa
3
)に従ったモノマー単位の前記モル割合の合計が100モル%に等しく;
前記自己可逆性逆ラテックスが、その重量の100%当たり:
a)10重量%~90重量%の前記架橋アニオン性高分子電解質(P);
b)5重量%~50重量%の、少なくとも1種のオイル(O)から構成される脂肪相
(当該オイル(O)は、白色鉱油、又は、その重量の100%当たり、90%以上及び100%以下の重量割合の分岐状アルカン、0%以上及び9%以下の重量割合の線状アルカン、及び0%以上及び1%以下の重量割合のシクロアルカンを含む混合物から選択される。);
c)1重量%~50重量%の水;
d)0.5重量%~10重量%の油中水型の乳化
界面活性剤(S
1)
(当該乳化界面活性剤は、アンヒドロヘキシトールと、1個以上のヒドロキシル基で任意選択的に置換された、12~22個の炭素原子を含む線状若しくは分岐状の、飽和若しくは不飽和の脂肪族
カルボン酸とのエステル、並びに、少なくとも1つのPEG-30ジポリヒドロキシステアレート及びトリメチロールプロパン-30トリポリヒドロキシステアレートから選択される。);及び
e)2重量%~10重量%の水中油型の乳化
界面活性剤(S
2)
を含み;
a)、b)、c)、d)及びe)に従った化合物の重量割合の合計が100重量%に等しい油中水型のエマルジョン(E)であり;
水中油型の前記乳化
界面活性剤(S
2)がその重量の100%当たり:
f)50重量%以上及び100重量%以下の割合の組成物(C
e)
を含み、組成物(C
e)が、その重量の100%当たり:
e
1)10重量%~60重量%の式(I):
HO-[CH
2-CH(OH)-CH
2-O]
n-H (I)
(式中、nは、1以上及び
10以下の整数を表す)
の少なくとも1種の化合物;
e
2)40重量%~90重量%の式(II):
R
1-(C=O)-[O-CH
2-CH(OH)-CH
2]
p-OH (II)(式中、nとは異なるか又はnと同一である、pは、1以上及び
10以下の整数を表し;及び式中、前記基R
1-(C=O)-は、
オクタノイル、デカノイル、ω-ウンデシレノイル、ドデカノイル、テトラデカノイル、ヘキサデカノイル、オクタデカノイル、9-オクタデセノイル又は9,12-オクタデカジエノイル基からなる群の要素から選択される)
を含むことを特徴とする、
自己可逆性逆ラテックス。
【請求項2】
前記架橋アニオン性高分子電解質(P)が、ナトリウム塩若しくはアンモニウム塩の形態で部分的に若しくは完全に塩化された2-メチル-2-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]-1-プロパンスルホン酸と、アクリルアミドとの、トリアリルアミン及び/若しくはメチレンビス(アクリルアミド)で架橋されたコモポリマー;ナトリウム塩の形態で部分的に若しくは完全に塩化された2-メチル-2-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]-1-プロパンスルホン酸(γ)と、アクリルアミド(ε)との、30/70以上及び
80/20以下の(γ)/(ε)モル比での、トリアリルアミン及び/若しくはメチレンビス(アクリルアミド)で架橋されたコポリマー;ナトリウム塩の形態で部分的に若しくは完全に塩化された2-メチル-2-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]-1-プロパンスルホン酸(γ)と、アクリルアミド(ε)との、40/60以上及び
80/20以下の(γ)/(ε)モル比での、トリアリルアミン及び/若しくはメチレンビス(アクリルアミド)で架橋されたコポリマー;ナトリウム塩若しくはアンモニウム塩の形態で部分的に若しくは完全に塩化された2-メチル-2-[(1-オキソ 2-プロペニル)アミノ]-1-プロパンスルホン酸と、アクリルアミドと、ナトリウム塩若しくはアンモニウム塩の形態で部分的に若しくは完全に塩化されたアクリル酸との、トリアリルアミン及び/若しくはメチレンビス(アクリルアミド)で架橋されたターポリマー;30%以上及び45%以下のモル割合でのナトリウム塩若しくはアンモニウム塩の形態で部分的に若しくは完全に塩化された2-メチル-2-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]-1-プロパンスルホン酸と、45%以上及び68%以下のモル割合でのアクリルアミドと、2%以上及び10%以下のモル割合でのナトリウム塩若しくはアンモニウム塩の形態で部分的に若しくは完全に塩化されたアクリル酸との、トリアリルアミン及び/若しくはメチレンビス(アクリルアミド)で架橋されたターポリマー;又は30%以上及び45%以下のモル割合でのナトリウム塩若しくはアンモニウム塩の形態で部分的に若しくは完全に塩化された2-メチル-2-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]-1-プロパンスルホン酸と、47%以上及び68%以下のモル割合でのアクリルアミドと、2%以上及び8%以下のモル割合でのナトリウム塩若しくはアンモニウム塩の形態で部分的に若しくは完全に塩化されたアクリル酸との、トリアリルアミン及び/若しくはメチ
レンビス(アクリルアミド)で架橋されたターポリマーであることを特徴とする、請求項1に記載の自己可逆性逆ラテックス。
【請求項3】
先に定義されたような式(I)において、nが、1以上及び10以下の整数を表すこと、並びに先に定義されたような式(II)において、nと同一であり得るか又はnとは異なり得る、pが、1以上及び10以下の整数を表し、基R
1-(C=O)-が、オクタノイル、デカノイル、ω-ウンデシレノイル、ドデカノイル、テトラデカノイル、ヘキサデカノイル、オクタデカノイル、9-オクタデセノイル及び9,12-オクタデカジエノイル基から選択されることを特徴とする、請求項1及び2のいずれか一項に記載の自己可逆性逆ラテックス。
【請求項4】
水中油型の前記乳化
界面活性剤(S
2)において、先に定義されたような前記組成物(C
e)が、その重量の100%当たり:
e
1)10重量%~60重量%の先に定義されたような式(I)の少なくとも1種の化合物、及び
e
2)40重量%~90重量%の先に定義されたような式(II)の少なくとも1種の化合物
からなることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の自己可逆性逆ラテックス。
【請求項5】
先に定義されたような式(III)において、qが1に等しく、Gがグルコースの残基を表し、rが、1.05以上及び2.5以下の小数を表すことを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の自己可逆性逆ラテックス。
【請求項6】
水中油型の前記乳化
界面活性剤(S
2)において、先に定義されたような前記組成物(C
e)が、その重量の100%当たり:
e
1)
10重量%~15重量%の先に定義されたような式(I)の少なくとも1種の化合物;
e
2)60重量%~80重量%の先に定義されたような式(II)の少なくとも1種の化合物;及び
e
3)5重量%~15重量%の先に定義されたような式(III)で表される少なくとも1つの組成物(C
11)
からな
り、e
1
)、e
2
)及びe
3
)に従った化合物の重量割合の合計が100重量%に等しい、
ことを特徴とする、請求項1~3又は5のいずれか一項に記載の自己可逆性逆ラテックス。
【請求項7】
水中油型の前記乳化
界面活性剤(S
2)が、先に定義されたような前記組成物(C
e)であることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の自己可逆性逆ラテックス。
【請求項8】
局所化粧品組成物用の増粘剤及び/又は乳化剤及び/又は安定剤としての請求項1~7の一項に記載の前記自己可逆性逆ラテックスの使用。
【請求項9】
増粘剤として、その総重量の100%当たり、0.1重量%~10重量%の請求項1~7の一項に記載の前記自己可逆性逆ラテックスを含むことを特徴とする、局所化粧品組成物(F)。
【請求項10】
増粘剤として、その総重量の100%当たり、0.1重量%~10重量%の請求項1~7の一項に記載の前記自己可逆性逆ラテックスを含むことを特徴とする、局所医薬品組成
物(G)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、反転剤として、ポリグリセロールエステル並びにグリセロール及び/又はグリセロールオリゴマーを含む界面活性剤組成物を含む自己可逆性逆ラテックス(self-invertible inverse latex)に、局所使用用の化粧品又は医薬品調合物を調製するために使用される増粘剤としての前記自己可逆性逆ラテックスの使用に、及びまたこのようにして調製される前記調合物に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、水性、アルコール性、水性アルコール性若しくは水性グリコール性相などの、極性相を含む、局所使用用の化粧品及び医薬品組成物は、頻繁に、前記極性相の粘度を増加させるために、より一般的には特有のレオロジー挙動をそれらに与えるためにレオロジー改質ポリマーの使用を必要とする。レオロジー改質剤は、極性相の粘度の増加、並びにまた増粘されるべき局所使用用の組成物への安定化効果の一貫性の程度及び/又は安定化効果の両方を提供する。
【0003】
局所使用用のこれらの組成物の調製のために使用することができるレオロジー改質剤には、例えば、線状若しくは分岐状であり、架橋若しくは非架橋であり、2つの物理的形態、粉末形態及び液体形態で存在する、アニオン性若しくはカチオン性又は両性高分子電解質などの、合成ポリマーが含まれる。
【0004】
局所使用用の前記化粧品及び医薬品組成物は、一般に、水性ゲルの、水性アルコール性ゲルの、水性グリコール性ゲルの、油中水型の又は水中油型の又は水中油中水型の又は油中水中油型のエマルジョンの又はマイクロエマルジョンの又はナノエマルジョンの形態で提供される。
【0005】
線状若しくは分岐状及び架橋若しくは非架橋である、並びに液体形態にあるアニオン性若しくはカチオン性又は両性高分子電解質の中に、「自己可逆性逆ラテックス」の名前で公知のものがあり、それは、高分子電解質、水相、少なくとも1種のオイルからなる脂肪相、油中水型の少なくとも1種の乳化剤、及び水中油型の少なくとも1種の乳化剤を含む油中水型のエマルジョンである。
【0006】
逆エマルジョンラジカル重合の使用による自己可逆性逆ラテックスの調製方法において、水中油型の界面活性剤は、重合ステップの終わりに添加される。それらの添加の目的は、例えば、水の、極性相にいったん添加されると、油中水形態から水中油型形態に移行し、その結果以前に調製されたポリマーを増粘されるべき極性相と接触させることを可能にするためにエマルジョン方向を変え得る混合物を得るために、ポリマーを含む油中水型エマルジョン(「逆ラテックス」としても知られる)の親水性/親油性バランスを変更すること及び調整することである。そのような物理的現象の間に、架橋した及び/又は分岐した高分子電解質型のポリマーは、前記極性相中に広がり、3次元網状構造を形成し、極性相が膨潤することを可能にし、それは、この極性相の粘度の増加によって明示される。「逆ラテックス」及び水中油型の界面活性剤を含む混合物は、自己可逆性逆ラテックスとして知られ、水中油型の前記界面活性剤は、「インバーター」又は「反転剤」として知られる。
【0007】
自己可逆性逆ラテックスの調製のために一般に使用される反転剤は、水中油型の界面活性剤であり、それは、一般に9超及び16未満の、水中油型の安定したエマルジョンを調製することを可能にするのに十分に高いHLB(親水性/親油性バランス)値を有する。それらは、一般に、エチレンオキシド単位のシーケンスからなる親水性パートと、疎水性の炭化水素ベースの脂肪族鎖からなるパートとを含む。これらの反転剤の中に:
- その炭化水素鎖ベースの脂肪族鎖が8~14個の炭素原子を含み、その中のエチレンオキシド単位の数が5~40である、エトキシル化脂肪アルコール、例えば、7モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたラウリルアルコール(INCI名:Laureth-7)若しくは6モルのエチレンオキシドを含有するトリデシルアルコール(INCI名:Trideceth-6);
- その炭化水素ベースの脂肪族鎖が12~22個の炭素原子を含み、その中のエチレンオキシド単位の数が5~40である、エトキシル化ソルビタンエステル、例えば商品名MontanoxTM 80で販売される、20モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたソルビタンオレエート、若しくは商品名MontanoxTM 20で販売される、20モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたソルビタンラウレート;
- エトキシル化アルキルフェノール、例えば、エトキシル化ノニルフェノール及びエトキシル化オクチルフェノール;又は
- エトキシル化ヒマシ油、例えば、ブランド名SimulsolTM OL 50で販売される、40モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたヒマシ油
がある。
【0008】
消費者需要の及び規制条項の変化は、化粧品組成物調合者がそれらの調合物中のエチレンオキシド単位を含む原料の割合を減らすことをもたらした。したがって、反転剤としてのエトキシル化界面活性剤を含まない自己可逆性逆ラテックスを調製することが必要とされている。
【0009】
番号第2 794 034号明細書、同第2 794 124号明細書、同第2 808 447号明細書、同第2 808 446号明細書及び同第2 810 883号明細書で公開された仏国特許出願は、その炭化水素ベースのアルキル鎖がデシル、ドデシル及びテトラデシル鎖であるアルキルポリグルコシドの混合物、例えば名称SimulsolTM SL 10で販売される混合物、ドデシル、テトラデシル及びヘキサデシル鎖であるアルキルポリグルコシドの混合物、例えば名称SimulsolTM SL 26で販売される混合物、オクチル及びデシル鎖であるアルキルポリグルコシドの混合物、例えば名称SimulsolTM SL 8で販売される混合物、又はウンデシレニル鎖であるアルキルポリグルコシドの混合物、例えば名称SimulsolTM SL 11 Wで販売される混合物などの、その炭化水素ベースのアルキル鎖が1~30個の炭素原子を含む、アルキルポリグリコシドの、自己可逆性逆ラテックスを調製するための反転剤としての使用を記載している。
【0010】
しかしながら、自己可逆性逆ラテックスを調製するためのそのような化合物の実行は、それらの融点よりも上の、一般に70℃よりも上の温度で行わなければならず、それは、逆ラテックスの粘度の増加と、前記調製された自己可逆性逆ラテックスのある程度の不安定化とをもたらす。いくつかの場合には、それは、周囲温度で取り扱うことができる液体形態で利用できるために前記アルキルポリグリコシドを水に予め希釈することによって実施される。これは、増粘されるべき極性相における前記自己可逆性逆ラテックスの反転の速度を低下させるという、したがってそのような増粘剤を含む化粧品調合物の調製プロセスの生産性を低下させるという結果をもたらすことがたまにある。
【0011】
番号国際公開第2009/156691号パンフレットの下で公開された国際出願は、自己可逆性逆ラテックスを調製するための反転剤としての、ポリグリセロールエステル、例えば、デカグリセロールモノラウレート、デカグリセロールオレエート、デカグリセロールモノカプリレート又はデカグリセロールモノミリステートなどの、デカグリセロールエステルの使用を開示している。しかしながら、それらの使用は、増粘されるべき極性相での反転の速度が余りにも遅く、且つ、その調製後に自己可逆性逆ラテックスが調製の1ヶ月超の間貯蔵される場合に低下さえする自己可逆性逆ラテックスをもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明者らは、したがって:
- 容易に使用できる、及び特に25℃でポンプ送液することができる、その粘度が20回転/分の速度でBrookfield RVT粘度計及びNo.3スピンドルを用いて25℃で測定される、8000mPa.s以下の、好ましくは5000mPa.s以下の粘度を有する、
- 滑らかな外観を有し、且つ、粒子又は塊がない、並びに
- 極性相において良好な反転特性を有する、すなわち、速い及び信頼できる反転速度を誘導する、
自己可逆性逆ラテックスを調製することを可能にする、施行中の環境基準に適合する、特にアルキレンオキシド単位がない、水中油型の新規反転界面活性剤系を開発しようと努めてきた。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の主題は、したがって、100モル%当たり:
(a1)25モル%以上及び80モル%以下の割合の遊離酸又は部分的に若しくは完全に塩化された形態での2-メチル-2-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]-1-プロパンスルホン酸に由来するモノマー単位;
(a2)20モル%以上及び75モル%以下の割合のアクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド;メタクリルアミド又はN-イソプロピルアクリルアミドからなる群の要素から選択される少なくとも1種のモノマーに由来するモノマー単位;
(a3)任意選択的に0モル%超及び10モル%以下の割合の、アクリル酸、メタクリル酸、2-カルボキシエチルアクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、3-メチル-3-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]ブタン酸(前記モノマーのカルボキシル官能基は、遊離酸又は部分的に若しくは完全に塩化された形態にある)からなる群の要素から選択される少なくとも1種のモノマーに由来するモノマー単位;
(a4)0モル%超及び1モル%以下の割合の少なくとも1種のジエチレン若しくはポリエチレン架橋モノマー(AR)に由来するモノマー単位
を含む架橋アニオン性高分子電解質(P)の自己可逆性逆ラテックスであって;
a1)、a2)、a3)及びa4)に従ったモノマー単位の前記モル割合の合計が100モル%に等しく;
前記自己可逆性逆ラテックスが、その重量の100%当たり:
a)10重量%~90重量%の前記架橋アニオン性高分子電解質(P);
b)5重量%~50重量%の、少なくとも1種のオイル(O)から構成される脂肪相;
c)1重量%~50重量%の水;
d)0.5重量%~10重量%の油中水型の乳化系(S1);及び
e)2重量%~10重量%の水中油型の乳化系(S2)
を含み;
a)、b)、c)、d)及びe)に従った化合物の重量割合の合計が100重量%に等しい
油中水型のエマルジョン(E)であり;
前記自己可逆性逆ラテックスが、水中油型の前記乳化系(S2)がその重量の100%当たり:
f)50重量%以上及び100重量%以下の割合の組成物(Ce)
を含み、組成物(Ce)が、その重量の100%当たり:
e1)10重量%~60重量%の式(I):
HO-[CH2-CH(OH)-CH2-O]n-H (I)
(式中、nは、1以上及び15以下の整数を表す)
の少なくとも1種の化合物;
e2)40重量%~90重量%の式(II):
R1-(C=O)-[O-CH2-CH(OH)-CH2]p-OH (II)
(式中、nとは異なるか又はnと同一である、pは、1以上及び15以下の整数を表し;及び式中、基R1-(C=O)-は、6~22個の炭素原子を含む飽和若しくは不飽和の、線状若しくは分岐状の脂肪族基を表す)
の少なくとも1種の化合物;並びに任意選択的に
e3)30重量%以下の式(III):
HO-[CH2-CHOH-CH2-O-]q-(G)r-H (III)
(式中、nとは異なるか又はnと同一である、qは、1以上及び3以下の整数を表し、Gは、還元糖の残基を表し、rは、1.05以上及び5.00以下の小数を表す)
で表される少なくとも1つの組成物(C11)
を含み;
前記組成物(C11)が、式(III1)、(III2)、(III3)、(III4)及び(III5):
HO-[CH2-CHOH-CH2-O-]q-O-(G)1-H (III1)、
HO-[CH2-CHOH-CH2-O-]q-O-(G)2-H (III2)、
HO-[CH2-CHOH-CH2-O-]q-O-(G)3-H (III3)、
HO-[CH2-CHOH-CH2-O-]q-O-(G)4-H (III4)、
HO-[CH2-CHOH-CH2-O-]q-O-(G)5-H (III5)
の化合物の混合物からなり、
a1、a2、a3、a4及びa5にそれぞれ等しい式(III1)、(III2)、(III3)、(III4)及び(III5)の前記化合物のモル割合において、合計(a1+a2+a3+a4+a5)が1に等しいようなものであり、且つ、合計(a1+2a2+3a3+4a4+5a5)がrに等しいようなものであり;
e1)、e2)及びe3)に従った化合物の重量割合の合計が100重量%に等しいことを特徴とする
自己可逆性逆ラテックスである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の目的のためには、表現「架橋アニオン性高分子電解質(P)」は、水に不溶性であるが、水中で膨潤することができ、その結果化学ゲルを得られることをもたらす3次元網状構造の形態で提供される非線状高分子電解質を意味する。
【0015】
本発明の目的のためには、用語「塩化された」は、モノマーに存在する酸官能基が、ナトリウム若しくはカリウムカチオンなどの、カチオンとの塩形態、特にアルカリ金属塩、又は窒素塩基カチオンなどとの塩形態、例えばアンモニウム塩、リジン塩若しくはモノエタノールアミン(HOCH2-CH2-NH4
+)塩などに関連したアニオン形態にあることを示す。それらは、好ましくは、ナトリウム又はアンモニウム塩である。
【0016】
本発明の一つの特定の態様によれば、上で定義されたような前記自己可逆性逆ラテックスは、20重量%~90重量%、より特に30重量%~90重量%、より特に30重量%~80重量%、より特にさらに33重量%~80重量%の前記架橋アニオン性高分子電解質(P)を含む。
【0017】
本発明の別の特定の態様によれば、前記架橋アニオン性高分子電解質(P)中に存在する遊離酸形態での又は部分的に若しくは完全に塩化された形態での2-メチル-2-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]-1-プロパンスルホン酸に由来するモノマー単位のモル割合は、32モル%以上及び100モル%以下、より特に40モル%以上及び100モル%以下である。
【0018】
本発明の一つの特定の態様によれば、2-メチル-2-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]-1-プロパンスルホン酸は、ナトリウム又はアンモニウム塩形態にある。
【0019】
本発明の第1代替案によれば、前記架橋アニオン性高分子電解質(P)は、部分的に若しくは完全に塩化された2-メチル-2-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]-1-プロパンスルホン酸と、アクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、メタクリルアミド又はN-イソプロピルアクリルアミドから選択される少なくとも1種のモノマーとのコモポリマーである。
【0020】
本発明の第2代替案によれば、前記架橋アニオン性高分子電解質(P)は、部分的に若しくは完全に塩化された2-メチル-2-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]-1-プロパンスルホン酸と、アクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド;メタクリルアミド又はN-イソプロピルアクリルアミドから選択される少なくとも1種のモノマーと、部分的に塩化若しくは完全に塩化されている、アクリル酸、メタクリル酸、2-カルボキシエチルアクリル酸、イタコン酸、マレイン酸又は3-メチル-3-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]ブタン酸からの少なくとも1種のモノマーとの架橋ターポリマーである。
【0021】
本発明の別の特定の態様によれば、前記架橋アニオン性高分子電解質(P)は、100モル%当たり:
(a1)32モル%以上及び100モル%未満の、より特に40モル%以上及び100モル%未満の割合の、部分的に塩化若しくは完全に塩化されている、強酸官能基を持っているモノマーに由来するモノマー単位、より具体的には2-メチル-2-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]-1-プロパンスルホン酸のナトリウム塩若しくはアンモニウム塩の;並びに
(a2)0モル%超及び68モル%以下、より特に0モル%超及び60モル%以下の割合の、アクリル酸、メタクリル酸、2-カルボキシエチルアクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、3-メチル-3-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]ブタン酸(前記モノマーのカルボキシル官能基は、部分的に若しくは完全に塩化されている、酸形態にある)からなる群の要素から、並びに/又は(2-ヒドロキシエチル)アクリレート、(2,3-ジヒドロキシプロピル)アクリレート、(2-ヒドロキシエチル)メタクリレート、(2,3-ジヒドロキシプロピル)メタクリレート及びビニルピロリドンからなる群の要素から選択される少なくとも1種のモノマーに由来するモノマー単位の;並びに
(a3)0モル%超及び1モル%以下の割合の少なくとも1種のジエチレン若しくはポリエチレン架橋モノマー(AR)に由来するモノマー単位
の重合から誘導され;モノマー単位(a1)、(a2)及び(a3)のモル割合の合計は100%に等しいことが理解される。
【0022】
用語「少なくとも1種のジエチレン若しくはポリエチレン架橋モノマー(AR)」は、前記架橋アニオン性高分子電解質(P)の定義において、特に、メチレンビス(アクリルアミド)、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジアリル尿素、トリアリルアミン、トリメチロールプロパントリアクリレート、メチレンビス(アクリルアミド)又はこれらの化合物の混合物、ジアリルオキシ酢酸若しくはジアリルオキシ酢酸ナトリウムなどのその塩、又はこれらの化合物の混合物から選択されるモノマー;より特に、エチレングリコールジメタクリレート、トリアリルアミン、トリメチロールプロパントリアクリレート若しくはメチレンビス(アクリルアミド)又はこれらの化合物の混合物から選択されるモノマーを意味する。
【0023】
別の特定の態様によれば、前記架橋モノマー(AR)は、0.5%以下の、より特に0.25%以下の、最も特に0.1%以下のモル割合で使用され;それは、より特に0.005モル%以上である。
【0024】
本発明の別の特定の態様によれば、前記架橋アニオン性高分子電解質(P)は、ナトリウム塩若しくはアンモニウム塩の形態で部分的に若しくは完全に塩化された2-メチル-2-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]-1-プロパンスルホン酸と、アクリルアミドとの、トリアリルアミン及び/若しくはメチレンビス(アクリルアミド)で架橋されたコモポリマー;ナトリウム塩の形態で部分的に若しくは完全に塩化された2-メチル-2-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]-1-プロパンスルホン酸(γ)と、アクリルアミド(ε)との、30/70以上及び90/10以下の(γ)/(ε)モル比での、トリアリルアミン及び/若しくはメチレンビス(アクリルアミド)で架橋されたコポリマー;ナトリウム塩の形態で部分的に若しくは完全に塩化された2-メチル-2-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]-1-プロパンスルホン酸(γ)と、アクリルアミド(ε)との、40/60以上及び90/10以下の(γ)/(ε)モル比での、トリアリルアミン及び/若しくはメチレンビス(アクリルアミド)で架橋されたコポリマー;ナトリウム塩若しくはアンモニウム塩の形態で部分的に若しくは完全に塩化された2-メチル-2-[(1-オキソ 2-プロペニル)アミノ]-1-プロパンスルホン酸と、アクリルアミドと、ナトリウム塩若しくはアンモニウム塩の形態で部分的に若しくは完全に塩化されたアクリル酸との、トリアリルアミン及び/若しくはメチレンビス(アクリルアミド)で架橋されたターポリマー;30%以上及び45%以下のモル割合でのナトリウム塩若しくはアンモニウム塩の形態で部分的に若しくは完全に塩化された2-メチル-2-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]-1-プロパンスルホン酸と、45%以上及び68%以下のモル割合でのアクリルアミドと、2%以上及び10%以下のモル割合でのナトリウム塩若しくはアンモニウム塩の形態で部分的に若しくは完全に塩化されたアクリル酸との、トリアリルアミン及び/若しくはメチレンビス(アクリルアミド)で架橋されたターポリマー;又は30%以上及び45%以下のモル割合でのナトリウム塩若しくはアンモニウム塩の形態で部分的に若しくは完全に塩化された2-メチル-2-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]-1-プロパンスルホン酸と、47%以上及び68%以下のモル割合でのアクリルアミドと、2%以上及び8%以下のモル割合でのナトリウム塩若しくはアンモニウム塩の形態で部分的に若しくは完全に塩化されたアクリル酸との、トリアリルアミン及び/若しくはメチレンビス(アクリルアミド)で架橋されたターポリマーである。
【0025】
用語「オイル(O)」は、前記自己可逆性逆ラテックスの定義において、特に:
- 11~19個の炭素原子を含む線状アルカン;
- 以下に述べられる及びそれらのINCI名:C7~8イソパラフィン、C8~9イソパラフィン、C9~11イソパラフィン、C9~12イソパラフィン、C9~13イソパラフィン、C9~14イソパラフィン、C9~16イソパラフィン、C10~11イソパラフィン、C10~12イソパラフィン、C10~13イソパラフィン、C11~12イソパラフィン、C11~13イソパラフィン、C11~14イソパラフィン、C12~14イソパラフィン、C12~20イソパラフィン、C13~14イソパラフィン、C13~16イソパラフィンで特定されるものなどの、イソドデカン、イソペンタデカン、イソヘキサデカン、イソヘプタデカン、イソオクタデカン、イソノナデカン若しくはイソエイコサン、又はそれらのいくつかの混合物などの、7~40個の炭素原子を含む分岐状アルカン;
- 1つ以上の線状若しくは分岐状アルキル基で任意選択的に置換されたシクロアルカン;
- 以下の名称:MarcolTM 52、MarcolTM 82、DrakeolTM 6VR、EolaneTM 130又はEolaneTM 150で販売される製品などの、白色鉱油;
- ヘミスクワラン(つまり2,6,10-トリメチルドデカン;CAS番号:3891-98-3)、スクワラン(つまり2,6,10,15,19,23-ヘキサメチルテトラコサン)、水素化ポリイソブテン又は水素化ポリデセン;
- 15~19個の炭素原子を含むアルカン(前記アルカンは、線状アルカン、分岐状アルカン及びシクロアルカンである)の混合物、より特に、その重量の100%当たり、90%以上及び100%以下の重量割合の分岐状アルカン;0%以上及び9%以下、より特に5%未満の重量割合の線状アルカン、並びに0%以上及び1%以下の重量割合のシクロアルカンを含む混合物(M1)、例えば名称EmogreenTM L15又はEmogreenTM L19で販売される混合物;
- 式(IV):
Z1-O-Z2 (IV)
(式中、同一であり得るか若しくは異なり得る、Z1及びZ2は、5~18個の炭素原子を含む線状若しくは分岐状アルキル基を表す)
の脂肪アルコールエーテル、例えば、ジオクチルエーテル、ジデシルエーテル、ジドデシルエーテル、ドデシルオクチルエーテル、ジヘキサデシルエーテル、(1,3-ジメチルブチル)テトラデシルエーテル、(1,3-ジメチルブチル)ヘキサデシルエーテル、ビス(1,3-ジメチルブチル)エーテル又はジヘキシルエーテル;
- 式(V):
R’1-(C=O)-O-R’2 (V)
(式中、R’1-(C=O)は、8~24個の炭素原子を含む飽和若しくは不飽和の、線状若しくは分岐状アシル基を表し、R’2は、R’1から独立して、1~24個の炭素原子を含む飽和若しくは不飽和の、線状若しくは分岐状炭化水素ベースの鎖を表す)
の脂肪酸とアルコールとのモノエステル、例えばメチルラウレート、エチルラウレート、プロピルラウレート、イソプロピルラウレート、ブチルラウレート、2-ブチルラウレート、ヘキシルラウレート、メチルココエート、エチルココエート、プロピルココエート、イソプロピルココエート、ブチルココエート、2-ブチルココエート、ヘキシルココエート、メチルミリステート、エチルミリステート、プロピルミリステート、イソプロピルミリステート、ブチルミリステート、2-ブチルミリステート、ヘキシルミリステート、オクチルミリステート、メチルパルミテート、エチルパルミテート、プロピルパルミテート、イソプロピルパルミテート、ブチルパルミテート、2-ブチルパルミテート、ヘキシルパルミテート、オクチルパルミテート、メチルオレエート、エチルオレエート、プロピルオレエート、イソプロピルオレエート、ブチルオレエート、2-ブチルオレエート、ヘキシルオレエート、オクチルオレエート、メチルステアレート、エチルステアレート、プロピルステアレート、イソプロピルステアレート、ブチルステアレート、2-ブチルステアレート、ヘキシルステアレート、オクチルステアレート、メチルイソステアレート、エチルイソステアレート、プロピルイソステアレート、イソプロピルイソステアレート、ブチルイソステアレート、2-ブチルイソステアレート、ヘキシルイソステアレート又はイソステアリルイソステアレート;
- 式(VI)の及び式(VII):
R’3-(C=O)-O-CH2-CH(OH)-CH2-O-(C=O)-R’4 (VI)
R’5-(C=O)-O-CH2-CH[O-(C=O)-R’6]-CH2-OH (VII)
(その式(VI)及び(VII)において、同一であるか若しくは異なる、R’3-(C=O)、R’4-(C=O)、R’5-(C=O)及びR’6-(C=O)は、8~24個の炭素原子を含む飽和若しくは不飽和の、線状若しくは分岐状アシル基を表す)
の脂肪酸とグリセロールとのジエステル;
- 式(VIII):
R’7-(C=O)-O-CH2-CH[O-(C=O)-R’’8]-CH2-O-(C=O)-R’’9 (VIII)
(式中、同一であるか若しくは異なる、R’7-(C=O)、R’8-(C=O)及びR’9-(C=O)は、8~24個の炭素原子を含む飽和若しくは不飽和の、線状若しくは分岐状アシル基を表す)
の脂肪酸とグリセロールとのトリエステル
を意味する。
【0026】
本発明の別の特定の態様によれば、前記オイル(O)は、ウンデカン、トリデカン、イソドデカン又はイソヘキサデカン、例えば、先に定義されたような混合物(M1)及び名称EmogreenTM L15、EmogreenTM L19、EmosmartTM L15、EmosmartTM L19、EmosmartTM V21、IsoparTM L又はIsoparTM Mで販売される混合物の、アルカンとイソアルカンとシクロアルカンとの混合物;名称MarcolTM 52、MarcolTM 82、DrakeolTM 6VR、EolaneTM 130又はEolaneTM 150で販売される白色鉱油;ヘミスクワラン、スクワラン、水素化ポリイソブテン又は水素化ポリデセン;ジオクチルエーテル又はジデシルエーテル;イソプロピルミリステート、ヘキシルパルミテート、オクチルパルミテート、イソステアリルイソステアレート、オクタノイル/デカノイルトリグリセリド、ヘキサデカノイル/オクタデカノイルトリグリセリド、菜種油、ヒマワリ油、アマニ油若しくはヤシ油に由来するトリグリセリドから選択される。
【0027】
本発明の主題である前記自己可逆性逆ラテックスにおいて、油中水型の乳化系(S1)は、前記生じた乳化系(S1)が油中水型のエマルジョンの形成をもたらすのに十分に低いHLB値を有することを条件として、単一乳化界面活性剤からなるか、又は乳化界面活性剤の混合物からなるかのどちらである。
【0028】
油中水型の乳化界面活性剤として、例えば、アンヒドロヘキシトールと、1個以上のヒドロキシル基で任意選択的に置換された、12~22個の炭素原子を含む線状若しくは分岐状の、飽和若しくは不飽和の脂肪族カルボン酸とのエステル、より特にアンヒドロソルビトール及びアンヒドロマンニトールから選択されるアンヒドロヘキシトールと、1個以上のヒドロキシル基で任意選択的に置換された、12~22個の炭素原子を含む線状若しくは分岐状の、飽和若しくは不飽和の脂肪族カルボン酸とのエステルがある。
【0029】
本開示の別の特定の態様によれば、油中水型の前記乳化系(S
1)は、ソルビタンラウレート、例えば名称Montane
TM 20で販売される製品、ソルビタンパルミテート、例えば名称Montane
TM 40で販売される製品、ソルビタンステアレート、例えば名称Montane
TM 60で販売される製品、ソルビタンオレエート、例えば名称Montane
TM 80で販売される製品、ソルビタンセスキオレエート、例えば名称Montane
TM 85で販売される製品、ソルビタントリオレエート、例えば名称Montane
TM 83で販売される製品、ソルビタンイソラウレート、ソルビタンイソステアレート、例えば名称Montane
TM 70で販売される製品、マンニタンラウレート、マンニタンオレエート、若しくはこれらのエステルの混合物;Hypermer
TM 2296などの、1000~3000の分子量の及びポリ(イソブテニル)コハク酸又はそれの酸無水物間の縮合から誘導されるポリエステル、又はブランド名Simaline
TM IE 501 Aで販売される混合物、式(IX)のポリグリコールポリヒドロキシステアレート:
【化1】
[その式(IX)において、y
2は、2以上及び50以下の整数を表し、Z
4は、水素原子、メチル基又はエチル基を表し、Z
3は、式(X):
【化2】
(その式(X)において、y’
2は、0以上及び10以下、より特に1以上及び10以下の整数を表す)
の基を表し、Z’
3は、Z’
3がZ
3と同一であるか又はZ
3とは異なる状態で、上で定義されたような式(X)の基、又は水素原子を表す]
からなる群の要素から選択される。
【0030】
乳化系(S1)を調製するために使用され得る式(IX)の油中水型の乳化界面活性剤の例としては、名称SimalineTM WOで販売されるPEG-30ジポリヒドロキシステアレート、又はPEG-30ジポリヒドロキシステアレートを含み、名称SimalineTM IE 201 A及びSimalineTM IE 201 Bで販売される混合物、又は名称SimalineTM IE 301 Bで販売されるトリメチロールプロパン-30トリポリヒドロキシステアレートを含む混合物が挙げられる。
【0031】
本発明の主題である前記自己可逆性逆ラテックスにおいて、水中油型の乳化系(S2)は、前記生じる乳化系(S2)が水中油型のエマルジョンの形成をもたらすのに十分に高いHLB値を有することを条件として、組成物(Ce)単独からなるか、又は前記組成物(Ce)と1つ以上の他の乳化界面活性剤との混合物からなるかのどちらかである。
【0032】
本発明の別の態様によれば、水中油型の前記乳化系(S2)は、その重量の100%当たり、少なくとも75重量%の先に定義されたような前記組成物(Ce)を含む。
【0033】
本発明の別の特定の態様によれば、前記組成物(Ce)は、その重量の100%当たり:
e1)15重量%~60重量%、より特に15重量%~50重量%の上で定義されたような式(I)の少なくとも1種の化合物、
e2)40重量%~85重量%、より特に50重量%~85重量%の上で定義されたような式(II)の少なくとも1種の化合物、及び任意選択的に
e3)0重量%~25重量%の上で定義されたような式(III)で表される少なくとも1つの組成物(C11)
を含み、(e1)、(e2)、(e3)に従った化合物の重量割合の合計は100%に等しいことが理解される。
【0034】
本発明の別の特定の態様によれば、上で定義されたような式(I)において、nは、1以上及び10以下の整数を表す。
【0035】
本発明の別の特定の態様によれば、上で定義されたような式(II)において、nと同一であり得るか又はnとは異なり得る、pは、1以上及び10以下の整数を表す。
【0036】
別の更により特定の態様によれば、n及びpは、同一であり、1以上及び10以下、更により特に4以上及び10以下の整数を表す。
【0037】
本発明の別の特定の態様によれば、上で定義されたような式(II)において、基R1-(C=O)-は、8~18個の炭素原子を含む飽和若しくは不飽和の、線状若しくは分岐状の脂肪族基を表し、更により具体的には基R1-(C=O)-は、オクタノイル、デカノイル、ω-ウンデシレノイル、ドデカノイル、テトラデカノイル、ヘキサデカノイル、オクタデカノイル、9-オクタデセノイル基又は9,12-オクタデカジエノイル基からなる群の要素から選択される。
【0038】
本発明の別のより特定の態様によれば、先に定義されたような前記自己可逆性逆ラテックスは、上で定義されたような式(I)において、nが1以上及び10以下の整数を表すこと、並びに、上で定義されたような式(II)において、nと同一であり得るか又はnとは異なり得る、pが、1以上及び10以下の整数を表し、且つ、基R1-(C=O)-が、オクタノイル、デカノイル、ω-ウンデシレノイル、ドデカノイル、テトラデカノイル、ヘキサデカノイル、オクタデカノイル、9-オクタデセノイル及び9,12-オクタデカジエノイル基から選択されることを特徴とする。
【0039】
本発明の別のさらにより特定の態様によれば、先に定義されたような前記式(I)及び(II)において、nは10に等しく、pは10に等しく、基R1-(C=O)-はドデカノイル基であり;nは6に等しく、pは10に等しく、基R1-(C=O)-はドデカノイル基であり;nは6に等しく、pは6に等しく、基R1-(C=O)-はドデカノイル基であり;又はnは1に等しく、pは10に等しく、基R1-(C=O)-はドデカノイル基である。
【0040】
本発明の別のより特定の態様によれば、先に定義されたような前記自己可逆性逆ラテックスは、水中油型の前記乳化系(S2)において、先に定義されたような前記組成物(Ce)が、その重量の100%当たり:
e1)10重量%~60重量%の上で定義されたような式(I)の少なくとも1種の化合物、及び
e2)40重量%~90重量%の上で定義されたような式(II)の少なくとも1種の化合物
からなることを特徴とする。
【0041】
還元糖は、上で定義されたような式(III)において、それらの構造において、参考刊行物:「Biochemistry,Daniel Voet/Judith G.Voet,p.250、John Wiley & Sons,1990」に定義されているようにアノマー炭素とアセタール基の酸素との間に確立されたグリコシド結合を示さないサッカリド誘導体を意味する。オリゴマー構造(G)xは、それが光学異性、幾何異性又は位置異性であろうと、異性の任意の形態であり得;それはまた、異性体の混合物を表し得る。
【0042】
本発明の別のより特定の態様によれば、上で定義されたような組成物(Ce)では、Gは、上で定義されたような(III)において、グルコース、デキストロース、スクロース、フルクトース、イドース、グロース、ガラクトース、マルトース、イソマルトース、マルトトリオース、ラクトース、セロビオース、マンノース、リボース、キシロース、アラビノース、リキソース、アロース、アルトロース、デキストラン又はタロースの残基から選択される還元糖の残基を表す。前記残基Gは、より特にさらに、上で定義されたような式(III)において、グルコース、キシロース及びアラビノースの残基から選択される還元糖を表す。
【0043】
組成物(C11)を表す、式(III):HO-CH2-(CHOH)q-CH2-O-(G)r-Hによって、この組成物(C11)が、式(III1)、(III2)、(III3)、(III4)及び(III5):
HO-CH2-(CHOH)q-CH2-O-(G)1-H (III1)、
HO-CH2-(CHOH)q-CH2-O-(G)2-H (III2)、
HO-CH2-(CHOH)q-CH2-O-(G)3-H (III3)、
HO-CH2-(CHOH)q-CH2-O-(G)4-H (III4)、
HO-CH2-(CHOH)q-CH2-O-(G)5-H (III5)
で表される化合物の混合物から本質的になり、
それぞれのモル割合a1、a2、a3、a4及びa5において、合計a1+a2+a3+a4+a5が1に等しいようなものであり、且つ、合計a1+2a2+3a3+4a4+5a5がrに等しいようなものであることが意味される。
【0044】
先行定義において、用語「本質的に」は、5超のwの式(IIIw)の1種以上の化合物の存在が組成物(C11)において排除されないこと、しかしそれが存在する場合、それが前記組成物(C11)の特性のいかなる実質的な変更も必然的に伴わない最小割合で存在することを示す。
【0045】
上で定義されたような式(III)において、基HO-CH2-(CHOH)q-CH2-O-は、アセタール官能基を形成するように、糖残基のアノマー炭素を介して(G)rに結合している。
【0046】
本発明のより特定の態様によれば、先に定義されたような組成物(C11)を表す式(III)において、rは、1.05以上及び3以下、より特に1.15以上及び2.5以下の小数を表す。
【0047】
本発明のより特定の態様によれば、先に定義されたような前記自己可逆性逆ラテックスは、先に定義されたような式(III)において、qが1に等しく、Gがグルコースの残基を表し、rが1.05以上及び2.5以下の小数を表すことを特徴とする。
【0048】
本発明の別の特定の態様によれば、先に定義されたような前記自己可逆性逆ラテックスは、水中油型の前記乳化系(S2)において、先に定義されたような前記組成物(Ce)が、その重量の100%当たり:
e1)5重量%~15重量%の上で定義されたような式(I)の少なくとも1種の化合物、
e2)60重量%~80重量%の上で定義されたような式(II)の少なくとも1種の化合物、及び
e3)5重量%~15重量%の上で定義されたような式(III)で表される少なくとも1種の組成物(C11)
からなることを特徴とする。
【0049】
最も特定の態様によれば、先に定義されたような前記逆ラテックスは、水中油型の前記乳化系(S2)が先に定義されたような前記組成物(Ce)であることを特徴とする。
【0050】
極めて特定の態様によれば、上で定義されたような前記自己可逆性逆ラテックスは、水中油型の前記乳化系(S2)が前記組成物(Ce)であることを特徴とする。
【0051】
本発明の更により特定の態様によれば、上で定義されたような組成物(Ce)において:
- nは、上で定義されたような式(I)において1以上及び10以下の整数を表し、
- nと同一であり得るか又はnとは異なり得る、pは、上で定義されたような式(II)において1以上及び10以下の整数を表し、
- 基R1-(C=O)-は、オクタノイル、デカノイル、ω-ウンデシレノイル、ドデカノイル、テトラデカノイル、ヘキサデカノイル、オクタデカノイル、9-オクタデセノイル又は9,12-オクタデカジエノイル基からなる群の要素から選択され、
- qは1に等しく、Gはグルコース酸基を表し、rは、上で定義されたような式(III)において1.05以上及び2.5以下の小数を表す。
【0052】
本発明の主題である前記自己可逆性逆ラテックスは、当業者に周知の、及び以下のステップ:
- 水、水溶性モノマー及び任意選択的に架橋モノマー(AR)、並びにまた、そのナトリウム塩形態でのエチレンジアミン四酢酸(EDTA)、又はジエチレントリアミン五酢酸の五カリウム塩(ブランド名VersenexTM 80)で販売される)などの、例えば、金属イオン封鎖剤などの、一般に使用される添加剤を含む水相の調製のステップa);
- 油性相(O)を油中水型の乳化系(S1)と混合するステップb);
- 先行ステップ中に調製された、水相及び油性相を混合する、並びに回転子-固定子型の攪拌機を用いる乳化のステップc);
- 窒素で不活性の状態にするステップd);
- フリーラジカル開始剤及び任意選択的に共開始剤を、c)において形成されたエマルジョンに導入することにより重合反応を開始し;引き続き反応を進行させるステップe);
- 50℃以下の温度での上で定義されたような水中油型の乳化系(S2)の導入のステップf)
を含む、「逆エマルジョン重合」プロセスの実施によって調製される。
【0053】
上で定義されたような本方法の特定の態様によれば、ステップe)の重合反応は、必要ならば、例えば、アゾビス(イソブチロニトリル)などの、重合共開始剤が同伴して、10℃以下の温度で、クメンヒドロペルオキシド/メタ重亜硫酸ナトリウム(Na2S2O5)対又はクメンヒドロペルオキシド/塩化チオニル(SOCl2)対などの、亜硫酸水素(HSO3
-)イオンを発生させる酸化還元対によって開始され、次に、50℃以上の温度まで、擬断熱的によってか、又は温度の制御によってかのどちらかで実施される。
【0054】
先に定義されたような本方法の別の特定の態様によれば、ステップe)に由来する反応媒体は、ステップf)を実施する前に、蒸留によって濃縮される。
【0055】
上で定義されたような本方法の別の特定の態様によれば、ステップe)から又はステップf)から生じた反応媒体は、好適な設備での噴霧化による乾燥のステップを受ける。
【0056】
上で定義されたような本方法の別の特定の態様によれば、ステップa)において調製された水相は、レオロジー特性を改質するために、形成されるポリマー鎖の長さを低減すること及びポリマー上の分岐度を増加させることを意図される、鎖低減剤を含むことができる。
【0057】
上で定義されたような本方法に好適な鎖低減剤には、メタノール、イソプロパノール、ブチレングリコール、2-メルカプトエタノール、チオグリコール酸、ギ酸又はその塩が含まれる。
【0058】
本発明の別の主題は、局所化粧品又は医薬品組成物用の増粘剤及び/又は乳化剤及び/又は安定剤としての上で定義されたような前記自己可逆性逆ラテックスの使用である。
【0059】
特定の態様によれば、前記使用は、極性相、例えば水性、アルコール性若しくは水性アルコール性相又はグリセロールなどのポリオールを含む極性相を増粘することにある。
【0060】
別の特定の態様によれば、前記使用は、水中油型の、又は油中水型のエマルジョンを安定させること、様々な条件下での、より特に少なくとも1ヶ月に等しい時間25℃での、より特に少なくとも1ヶ月に等しい時間4℃での、より特に少なくとも1ヶ月に等しい時間45℃での貯蔵中に前記エマルジョンに均質な外観を与えることにある。
【0061】
別の特定の態様によれば、前記使用は、局所化粧品、皮膚用医薬品又は医薬品組成物において固体粒子を安定させることにある。懸濁させるべきこれらの固体粒子は、様々な規則正しい又は不規則な形状をとり得、パール、ビーズ、ロッド、フレーク、ストリップ又は多面体の形態であり得る。これらの固体粒子は、1μm~5mm、より特に10μm~1mmの平均見掛け直径で特徴付けられる。
【0062】
局所化粧品、皮膚用医薬品又は医薬品組成物において、上で定義されたような自己可逆性逆ラテックスによって懸濁させる及び安定させることができる固体粒子には、マイカ、酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、タルク、シリカ、カオリン、粘土、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素マグネシウム、無機着色顔料、ナイロン6などの、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリメチルメタクリレートなどの、アクリル又はメタクリルポリマー、ポリテトラフルオロエチレン、結晶質若しくは微晶質ワックス、多孔質球、硫化セレン、亜鉛ピリチオン、デンプン、アルギン酸塩、植物繊維、ヘチマ粒子及びスポンジ粒子が含まれる。
【0063】
本発明の別の主題は、増粘剤として、その総重量の100%当たり、0.1重量%~10重量%の上で定義されたような前記自己可逆性逆ラテックスを含むことを特徴とする、局所化粧品組成物(F)又は局所医薬品組成物(G)である。
【0064】
前記組成物(F)及び(G)の定義において用いられる表現「局所」は、それが、化粧品、皮膚用化粧品、皮膚用医薬品若しくは医薬品製剤の場合における、直接塗布であろうと、又は例えば織物若しくは紙ワイプの形態でのボディケア製品の、又は皮膚若しくは粘膜と接触することを意図される生理用品の場合における、間接塗布であろうと、それらが皮膚、毛髪、頭皮又は粘膜への塗布によって用いられることを意味する。
【0065】
前記組成物(F)及び(G)は、一般に、水性又は水性/アルコール性又は水性/グリコール溶液の形態で、それらが油中水型、水中油型、水中油中水型又は油中水中油型のものであろうと、懸濁液の、エマルジョンの、マイクロエマルジョンの又はナノエマルジョンの形態で提供される。
【0066】
前記組成物(F)及び(G)は、ボトルに、「ポンプ作用スプレー」型のデバイスに、エアロゾルデバイスに加圧形態で、グリルなどの、穿孔壁を備えたデバイスに、又はボールアプリケーターを備えたデバイス(「ロール-オン」として知られる)に詰めることができる。
【0067】
一般に、前記組成物(F)及び(G)はまた、増粘及び/又はゲル化界面活性剤、安定剤、フィルム形成化合物、屈水剤、可塑剤、乳化剤及び共乳化剤、乳白剤、真珠光沢剤、過脂肪剤、金属イオン封鎖剤、キレート剤、酸化防止剤、香料、防腐剤、調整剤、体毛及び皮膚の漂白向けである白色剤、皮膚又は毛髪に関する処理作用に貢献することを意図される活性成分、日焼け防止剤、顔料又は無機充填材、目視効果を提供する又は活性成分の封入向けである粒子、剥離性粒子又はテクスチャリング剤などの、局所使用用の調合物、特に化粧品、皮膚用化粧品、医薬品若しくは皮膚用医薬品調合物の分野で習慣的に用いられる賦形剤及び/又は活性成分を含む。
【0068】
前記組成物(F)及び(G)において上で定義されたような前記自己可逆性逆ラテックスと組み合わせることができる発泡性及び/又は洗浄性の界面活性剤の例としては、アニオン性、カチオン性、両性又は非イオン性の発泡性及び/又は洗浄性の界面活性剤が挙げられる。
【0069】
前記組成物(F)及び(G)において上で定義されたような前記自己可逆性逆ラテックスと組み合わせられ得る発泡性及び/又は洗浄性のアニオン界面活性剤としては、アルキルエーテルスルフェートの、アルキルスルフェートの、アルキルアミドエーテルスルフェートの、アルキルアリールポリエーテルスルフェートの、モノグリセリドスルフェートの、α-オレフィンスルホネートの、パラフィンスルホネートの、アルキルホスフェートの、アルキルエーテルホスフェートの、アルキルスルホネートの、アルキルアミドスルホネートの、アルキルアリールスルホネートの、アルキルカルボキシレ-トの、アルキルスルホスクシネートの、アルキルエーテルスルホスクシネートの、アルキルアミドスルホスクシネートの、アルキルスルホアセテートの、アルキルサルコシネートの、アシルイセチオネートの、N-アシルタウレートの、アシルラクチレートの、アミノ酸のN-アシル化誘導体の、ペプチドのN-アシル化誘導体の、タンパク質のN-アシル化誘導体の、脂肪酸のN-アシル化誘導体のアルカリ金属の、アルカリ土類金属の、アンモニウムの、アミンの、又はアミノアルコールの塩が挙げられる。
【0070】
前記組成物(F)及び(G)において上で定義されたような前記自己可逆性逆ラテックスと組み合わせることができる発泡性及び/又は洗浄性の両性界面活性剤には、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、スルタイン、アルキルアミドアルキルスルホベタイン、イミダゾリン誘導体、ホスホベタイン、アンホポリアセテート及びアンホプロピオネートが含まれる。
【0071】
前記組成物(F)及び(G)において上で定義されたような前記自己可逆性逆ラテックスと組み合わせることができる発泡性及び/又は洗浄性のカチオン界面活性剤には、特に、第四級アンモニウム誘導体が含まれる。
【0072】
前記組成物(F)及び(G)において上で定義されたような前記自己可逆性逆ラテックスと組み合わせることができる発泡性及び/又は洗浄性の非イオン界面活性剤には、より特に、オクチルポリグルコシド、デシルポリグルコシド、ウンデシレニルポリグルコシド、ドデシルポリグルコシド、テトラデシルポリグルコシド、ヘキサデシルポリグルコシド又は1,12-ドデカンジイルポリグルコシドなどの、線状若しくは分岐状の、飽和若しくは不飽和の脂肪族基を含む、及び8~16個の炭素原子を含むアルキルポリグリコシド;INCI名「PEG-40水素化ヒマシ油」で販売される製品などの、エトキシル化水素化ヒマシ油誘導体;Polysorbate 20、Polysorbate 40、Polysorbate 60、Polysorbate 70、Polysorbate 80又はPolysorbate 85などの、ポリソルベート;ココナツアミド;又はN-アルキルアミンが含まれる。
【0073】
前記組成物(F)及び(G)において上で定義されたような前記自己可逆性逆ラテックスと組み合わせることができる増粘性及び/又はゲル化界面活性剤の例としては、エトキシル化メチルポリグルコシドエステル、例えば、それぞれ、名称GlucamateTM LT及びGlucamateTM DOE-120で販売されるPEG 120メチルグルコーストリオレエート及びPEG 120メチルグルコースジオレエートなどの、任意選択的にアルコキシル化されたアルキルポリグリコシド脂肪エステル;名称CrothixTM DS53で販売されるPEG 150ペンタエリスリチルテトラステアレート又は名称AntilTM 141で販売されるPEG 55プロピレングリコールオレエートなどの、アルコキシル化脂肪エステル;名称ElfacosTM T211で販売されるPPG-14ラウレスイソホリルジカルバメート又は名称ElfacosTM GT2125で販売されるPPG-14パルメス-60ヘキシルジカルバメートなどの、脂肪鎖ポリアルキレングリコールカルバメートが挙げられる。
【0074】
前記組成物(F)及び(G)において上で定義されたような前記自己可逆性逆ラテックスと組み合わせることができる増粘剤及び/又はゲル化剤の例としては、AMPSと、アルキルアクリレート(その炭素鎖は、4~30個、より特に10~30個の炭素原子を含む)とのコポリマー、遊離の、部分的に塩化された又は完全に塩化された強酸官能基を持っている少なくとも1種のモノマーと、少なくとも1種の中性モノマーと、式(XIII):
CH2=C(R’3)-C(=O)-[CH2-CH2-O]n’-R’4 (XIII)
(式中、R’3は、水素原子又はメチル基を表し、R’4は、8~30個の炭素原子を含む線状若しくは分岐状アルキル基を表し、n’は、1以上及び50以下の数を表す)
の少なくとも1種のモノマーとの線状、分岐状又は架橋ターポリマーが挙げられる。
【0075】
前記組成物(F)及び(G)において上で定義されたような前記自己可逆性逆ラテックスと組み合わせることができる増粘剤及び/又はゲル化剤の例としては、グルカン又はグルコースホモポリマー、グルコマンノグルカン、キシログリカン、ガラクトマンナン(その主D-マンノース鎖上のD-ガラクトース単位の置換度(DS)は、0~1、より特に1~0.25である)、例えば、カッシアガム(DS=1/5)、ローカストビーンガム(DS=1/4)、タラガム(DS=1/3)、グアーガム(DS=1/2)又はフェヌグリークガム(DS=1)起源のガラクトマンナンなどの、単糖類からもっぱらなる多糖類が挙げられる。
【0076】
前記組成物(F)及び(G)において上で定義されたような前記自己可逆性逆ラテックスと組み合わせることができる増粘剤及び/又はゲル化剤の例としては、硫酸化ガラクタン、より特にカラギーナン及び寒天、ウロナン、より特にアルギン、アルギン酸塩及びペクチン、単糖類とウロン酸とのヘテロポリマー、より特にキサンタンゴム、ゲランガム、アラビアゴム滲出液及びカラヤゴム滲出液、又はグルコアミノグリカンなどの、単糖類誘導体からなる多糖類が挙げられる。
【0077】
前記組成物(F)及び(G)において上で定義されたような前記自己可逆性逆ラテックスと組み合わせることができる増粘剤及び/又はゲル化剤の例としては、セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース若しくはヒドロキシプロピルセルロースなどの、セルロース誘導体、シリケート,デンプン、親水性デンプン誘導体又はポリウレタンが挙げられる。
【0078】
前記組成物(F)及び(G)において上で定義されたような前記自己可逆性逆ラテックスと組み合わせることができる安定剤の例としては、単結晶ワックス、より特にオゾケライト、塩化ナトリウム若しくは塩化マグネシウムなどの、無機塩、又はポリシロキサンポリアルキルポリエーテルコポリマーなどの、シリコーンポリマーが挙げられる。
【0079】
前記組成物(F)及び(G)において上で定義されたような前記自己可逆性逆ラテックスと組み合わせることができる溶媒の例としては、グリセロール、ジグリセロール、グリセロールオリゴマー、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,2-プロパンジオール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、キシリトール、エリスリトール、ソルビトールなどの有機溶媒、エタノール、イソプロパノール若しくはブタノールなどの、水溶性アルコール、又は水と前記有機溶媒との混合物が挙げられる。
【0080】
前記組成物(F)及び(G)において上で定義されたような前記自己可逆性逆ラテックスと組み合わせることができるターマルウォーター又はミネラルウォーターの例としては、少なくとも300mg/Lの無機質化を有するターマルウォーター又はミネラルウォーター、特にAvene水、Vittel水、Vichy basin水、Uriage水、La Roche-Posay水、La Bourboule水、Enghien-les-Bains水、Saint-Gervais-les-Bains水、Neris-les-Bains水、Allevard-les-Bains水、Digne水、Maizieres水、Neyrac-les-Bains水、Lons-le-Saunier水、Rochefort水、Saint Christau水、Les Fumades水及びTercis-les-Bains水が挙げられる。
【0081】
前記組成物(F)及び(G)において上で定義されたような前記自己可逆性逆ラテックスと組み合わせることができる屈水剤の例としては、キシレンスルホネート、クメンスルホネート、ヘキシルポリグルコシド、2-エチルヘキシルポリグルコシド及びn-ヘプチルポリグルコシドが挙げられる。
【0082】
前記組成物(F)及び(G)において上で定義されたような前記自己可逆性逆ラテックスと組み合わせることができる乳化界面活性剤の例としては、非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤又はカチオン界面活性剤が挙げられる。
【0083】
前記組成物(F)及び(G)において上で定義されたような前記自己可逆性逆ラテックスと組み合わせることができる乳化非イオン界面活性剤の例としては、名称MontaneTM 40、MontaneTM 60、MontaneTM 70、MontaneTM 80及びMontaneTM 85で販売される製品などの、脂肪酸とソルビトールとのエステル;名称SimulsolTM 165で販売される135molのエチレンオキシドでエトキシル化されたステアリン酸とグリセロールステアレートとを含む組成物などの、グリセロールステアレートと5mol~150molのエチレンオキシドでエトキシル化されたステアリン酸とを含む組成物;マンニタンエステル;エトキシル化マンニタンエステル;スクロースエステル;メチルグルコシドエステル;テトラデシルポリグルコシド、ヘキサデシルポリグルコシド、オクタデシルポリグルコシド、ヘキサデシルポリキシロシド、オクタデシルポリキシロシド、エイコシルポリグルコシド、ドデコシルポリグルコシド、2-オクチルドデシルポリキシロシド、12-ヒドロキシステアリルポリグルコシドなどの、線状若しくは分岐状の、飽和若しくは不飽和の脂肪族基を含み、14~36個の炭素原子を含むアルキルポリグリコシド;14~36個の炭素原子含む線状若しくは分岐状の、飽和若しくは不飽和の脂肪アルコールと、上に記載されたようなアルキルポリグリコシドとの組成物、例えば名称MontanovTM 68、MontanovTM 14、MontanovTM 82、MontanovTM 202、MontanovTM S、MontanovTM WO18、MontanovTM L、FluidanovTM 20X及びEasynovTMで販売される組成物が挙げられる。
【0084】
前記組成物(F)及び(G)において上で定義されたような前記自己可逆性逆ラテックスと組み合わせることができるアニオン界面活性剤の例としては、グリセリルステアレートシトレート、セテアリルスルフェート、ステアリン酸ナトリウム又はステアリン酸トリエタノールアンモニウムなどの、石鹸、及び塩化されているアミノ酸のN-アシル化誘導体、例えばステアロイルグルタミン酸塩が挙げられる。
【0085】
前記組成物(F)及び(G)において上で定義されたような前記自己可逆性逆ラテックスと組み合わせることができる乳化カチオン界面活性剤の例としては、アミンオキシド、クオタニウム-82並びに番号国際公開第96/00719号パンフレットで公開された国際出願に記載されている界面活性剤及び主に、その脂肪鎖が少なくとも16個の炭素原子を含むものが挙げられる。
【0086】
前記組成物(F)及び(G)において上で定義されたような前記自己可逆性逆ラテックスと組み合わせることができる乳白剤及び/又は真珠光沢剤の例としては、パルミチン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ヒドロキシステアリン酸ナトリウム、パルミチン酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、ヒドロキシステアリン酸マグネシウム、エチレングリコールモノステアレート、エチレングリコールジステアレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート又は12~22個の炭素原子を含む脂肪アルコールが挙げられる。
【0087】
前記組成物(F)及び(G)において上で定義されたような前記自己可逆性逆ラテックスと組み合わせることができるテクスチャリング剤の例としては、名称AminohopeTM LLで販売されるラウロイルリジンなどの、アミノ酸のN-アシル化誘導体、名称DryfloTMで販売されるデンプンオクテニルスクシネート、名称MontanovTM 14で販売されるミリスチルポリグルコシド、セルロース繊維、綿繊維、キトサン繊維、タルク、セリサイト又はマイカが挙げられる。
【0088】
前記組成物(F)及び(G)において上で定義されたような前記自己可逆性逆ラテックスと組み合わせることができる防臭剤の例としては、アルカリ金属シリケート、硫酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、塩化亜鉛又は乳酸亜鉛などの、亜鉛塩;セチルトリメチルアンモニウム塩又はセチルピリジニウム塩などの、第四級アンモニウム塩;グリセロールカプレート、グリセロールカプリレート又はポリグリセロールカプレートなどの、グリセロール誘導体;1,2-デカンジオール、1,3-プロパンジオール;サリチル酸;重炭酸ナトリウム;シクロデキストリン;メタリックゼオライト;TriclosanTM;アルミニウムブロモハイドレート、アルミニウムクロロハイドレート、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、アルミニウムジルコニウムクロロハイドレート、アルミニウムジルコニウムトリクロロハイドレート、アルミニウムジルコニウムテトラクロロハイドレート、アルミニウムジルコニウムペンタクロロハイドレート、アルミニウムジルコニウムオクタクロロハイドレート、硫酸アルミニウム、乳酸ナトリウムアルミニウム、アルミニウムクロロハイドレートとプロピレングリコールとの錯体、アルミニウムジクロロハイドレートとプロピレングリコールとの錯体、アルミニウムセスキクロロハイドレートとプロピレングリコールとの錯体、アルミニウムクロロハイドレートとポリエチレングリコールとの錯体、アルミニウムジクロロハイドレートとポリエチレングリコールとの錯体、又はアルミニウムセスキクロロハイドレートとポリエチレングリコールとの錯体などの、アルミニウムクロロハイドレートとグリコールとの錯体が挙げられる。
【0089】
前記組成物(F)及び(G)において上で定義されたような前記自己可逆性逆ラテックスと組み合わせることができるオイルの例としては、液体パラフィン、液体石油ジェリー、イソパラフィン又は白色鉱油などの鉱油;スクワレン又はスクワランなどの、動物起源のオイル;フィトスクワラン、甘扁桃油、ココナツ油、ヒマシ油、ホホバ油、オリーブ油、菜種油、ピーナツ油、ヒマワリ油、コムギ胚種油、トウモロコシ胚芽油、大豆油、綿実油、アルファルファ油、ケシ油、カボチャ種子油、マツヨイグサ油、キビ油、オオムギ油、ライムギ油、サフラワー油、キャンドルナッツオイル、トケイソウ油、ヘーゼルナッツ油、ヤシ油、シアバター、杏仁油、カロフィラムオイル、シシンブリウムオイル、アボカドオイル、カレンジュラオイル、花若しくは植物に由来するオイル又はエトキシル化植物油などの、植物油;脂肪酸エステル、例えばブチルミリステート、プロピルミリステート、イソプロピルミリステート、セチルミリステート、イソプロピルパルミテート、オクチルパルミテート、ブチルステアレート、ヘキサデシルステアレート、イソプロピルステアレート、オクチルステアレート、イソセチルステアレート、ドデシルオレエート、ヘキシルラウレート、プロピレングリコールジカプリレート、イソプロピルラノレート若しくはイソセチルラノレートなどの、ラノリン酸に由来するエステル、グリセロールトリヘプタノエートなどの、脂肪酸モノグリセリド、ジグリセリド及びトリグリセリド、アルキルベンゾエート、水素化オイル、ポリ(α-オレフィン)、ポリ(イソブタン)などの、ポリオレフィン、イソヘキサデカン若しくはイソドデカンなどの、合成イソアルカン、又は過フッ素化オイルなどの合成油;ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、アミンで変性されたシリコーン、脂肪酸で変性されたシリコーン、アルコール変性されたシリコーン、アルコール及び脂肪酸で変性されたシリコーン、ポリエーテル基で変性されたシリコーン、エポキシ変性シリコーン、フッ素化基で変性されたシリコーン、環状シリコーン及びアルキル基で変性されたシリコーンなどの、シリコーンオイルが挙げられる。本特許出願において、用語「オイル」は、25℃の温度で水に溶けず、液体外観を有する化合物及び/又は化合物の混合物を指す。
【0090】
前記組成物(F)及び(G)において上で定義されたような前記自己可逆性逆ラテックスと組み合わせることができるワックスの例としては、蜜ろう、カルナバワックス、カンデリラワックス、オーリクリーワックス、木ろう、コルクファイバーワックス、サトウキビワックス、パラフィンワックス、リグナイトワックス、マイクロクリスタリンワックス、ラノリンワックス;オゾケライト、ポリエチレンワックス、シリコーンワックス、植物ワックス、周囲温度で固体である脂肪アルコール及び脂肪酸、又は周囲温度で固体であるグリセリドが挙げられる。本特許出願において、用語「ワックス」は、水に溶けない、45℃以上の温度において固体外観を有する化合物及び/又は化合物の混合物を指す。
【0091】
前記組成物(F)及び(G)において上で定義されたような前記自己可逆性逆ラテックスと組み合わせることができる活性成分の例としては、レチノール(ビタミンA)及びそのエステル(例えばレチニルパルミテート)、アスコルビン酸(ビタミンC)及びそのエステル、アスコルビン酸の糖誘導体(アスコルビルグルコシドなどの)、トコフェロール(ビタミンE)及びそのエステル(トコフェリルアセテートなどの)、ビタミンB3又はB10(ナイアシンアミド及びその誘導体)などの、ビタミン及びそれらの誘導体、特にそれらのエステル;名称SepiwhiteTM MSH、SepicalmTM VGで販売されるω-ウンデシレノイルフェニルアラニン、ω-ウンデシレノイルフェニルアラニンのグリセロールモノエステル及び/又はグリセロールジエステル、ω-ウンデシレノイルジペプチド、アルブチン、コウジ酸、ヒドロキノンなどの、皮膚への淡色化又は脱色作用を示す化合物;平滑化作用を示す化合物、特にSepicalmTM S、アラントイン及びビサボロール;抗炎症薬;尿素、ヒドロキシ尿素、グリセロール、ポリグリセロール、グリセロールグルコシド、ジグリセロールグルコシド、ポリグリセリルグルコシド、キシリチルグルコシドなどの、保湿効果を示す化合物;ブドウ抽出物、マツ抽出物、ワイン抽出物又はオリーブ抽出物などの、ポリフェノールに富む植物抽出物;カフェイン又はその誘導体、AdiposlimTM、AdipolessTM、フコキサンチンなどの、スリム化又は脂肪分解作用を示す化合物;N-アシル化タンパク質;MatrixylTMなどの、N-アシル化ペプチド;N-アシル化アミノ酸;N-アシル化タンパク質の部分加水分解物;アミノ酸;ペプチド;タンパク質の全加水分解物;大豆抽出物、例えばRaffermineTM;コムギ抽出物、例えばTensineTM又はGliadineTM;タンニンに富む植物抽出物、イソフラボンに富む植物抽出物又はテルペンに富む植物抽出物などの、植物抽出物;淡水藻又は海藻の抽出物;海洋植物抽出物;サンゴなどの、一般海洋抽出物;エッセンシャルワックス;細菌抽出物;セラミド;リン脂質;LipacideTM C8G、LipacideTM UG、SepicontrolTM A5;OctopiroxTM又はSensivaTM SC50などの、抗菌作用又は精製作用を示す化合物;PhysiogenylTM、パンテノール及びその誘導体、例えばSepicapTM MPなどの、エネルギー付与又は刺激特性を示す化合物;SepiliftTM DPHP、LipacideTM PVB、SepivinolTM、SepivitalTM、ManolivaTM、Phyto-AgeTM、TimecodeTMなどの、老化防止活性成分;SurvicodeTM;光老化防止活性成分;表皮真皮接合部の完全性を保護する活性成分;コラーゲン、エラスチン又はグリコサミノグリカンなどの、細胞外マトリックスの構成要素の合成を増加させる活性成分;サイトカイニンなどの、化学的細胞通信、又はインテグリンなどの、物理的細胞通信に有利に作用する活性成分;皮膚微小循環の活性化剤(例えばニコチン酸誘導体など)などの、皮膚上で「加熱」の感覚を生み出す活性成分、又は皮膚上で「涼しさ」の感覚を生み出す製品(例えばメントール及び誘導体など);皮膚微小循環を改善する活性成分、例えばベノトニック;脱水活性成分;イチョウ(Ginkgo biloba)、ツタ、セイヨウトチノキ、竹、ルスクス(Ruscus)、ナギイカダ、ツボクサ(Centella asiatica)、ヒバマタ、ローズマリー又は柳抽出物などの、うっ血除去目的を有する活性成分;皮膚を日焼けさせる又は褐色化するための試剤、例えば、欧州特許出願第0 971 683号明細書に記載されているものなどの、ジヒドロキシアセトン(DHA)、エリトルロース、メソ酒石酸アルデヒド、グルタルアルデヒド、グリセルアルデヒド、アロキサン又はニンヒドリン、植物抽出物、例えば、コウキ(Pterocarpus santalinus)、プテロカルプス・オスン(Pterocarpus osun)、アフリカンパドウク(Pterocarpus soyauxii)、アフリカローズウッド(Pterocarpus erinaceus)、カリン(Pterocarpus indicus)、又はバフィア・ニティダ(Baphia nitida)などの、属プテロカルプス(Pterocarpus)の及び属バフィア(Baphia)のレッドウッドの抽出物;ヒト皮膚の日焼け及び/若しくは褐色化を容易にする及び/若しくは加速するそれらの作用で、並びに/又はヒト皮膚を着色させるそれらの作用で知られる試剤、例えばカロテノイド、β-カロテン及びγ-カロテンなど、カロテノイド、ビタミンE及びビタミンKを含有する、Provitalによってブランド名Carrot Oil(INCI名:Daucus carota、Helianthus annuusヒマワリ油l)で販売される製品;紫外線への露光と組み合わせてヒト皮膚の日焼けの加速へのそれらの効果で知られる、チロシン及び/又はその誘導体、例えば、チロシン及びリボフラビン(ビタミンB)を含有する、Provitalによって、ブランド名SunTan AcceleratorTMで販売される製品、Zymo Lineによってブランド名Zymo Tan Complexで販売されるチロシン及びチロシナーゼ錯体、アセチルチロシンを含有する、Mibelleによってブランド名MelanoBronzeTM(INCI名:アセチルチロシン、イタリアニンジンボク(Monk’s pepper)(Vitex agnus-castus)抽出物)で販売される製品、Unipexによってブランド名Unipertan VEG-24/242/2002(INCI名:ブチレングリコール及びアセチルチロシン並びに加水分解された植物タンパク質及びアデノシントリホスフェート)で販売される製品、マロー種子の抽出物(つまりヘチマ油)を含有する、Sedermaによってブランド名Try-ExcellTM(INCI名:オレオイルチロシン並びにLuffa Cylindrica(種油及びオレイン酸)で販売される製品、Alban Mullerによってブランド名ActibronzeTM(INCI名:加水分解されたコムギタンパク質及びアセチルチロシン並びにグルコン酸銅)で販売される製品、Synergaによってブランド名TyrostanTM(INCI名:カプロイルチロシンカリウム)で販売される製品、Synergaによってブランド名Tyrosinol(INCI名:ソルビタンイソステアレート、グリセリルオレエート、カプロイルチロシン)で販売される製品、Alban Mullerによってブランド名InstaBronzeTM(INCI名:ジヒドロキシアセトン及びアセチルチロシン並びにグルコン酸銅)で販売される製品、Exymolによってブランド名Tyrosilane(INCI名:メチルシラノール及びアセチルチロシン)で販売される製品;それらのメラニン形成活性化効果で知られるペプチド、例えばInfinitec Activos社によってブランド名Bronzing SF Peptide粉末(INCI名:デキストラン及びオクタペプチド-5)で販売される製品、そのα-MSHアゴニスト作用で知られるアセチルヘキサペプチド-1を含む商品名Melitane(INCI名:グリセリン及び水並びにデキストラン及びアセチルヘキサペプチド-1)で販売される製品、Lipotecによってブランド名Melatimes SolutionsTM(INCI名:ブチレングリコール、パルミトイルトリペプチド-40)で販売される製品、糖及び糖誘導体、例えばProvitalによってブランド名TanositolTM(INCI名:イノシトール)で販売される製品、海起源のオリゴサッカリド(マグネシウム及びマンガンイオンでキレート化されているグルロン酸及びマンヌロン酸)を含有する、CODIF Internationalによってブランド名ThalitanTM(又はPhycosaccharideTM AG)(INCI名:水及び加水分解されたアルギン(Laminaria digitata)並びに硫酸マグネシウム及び硫酸マンガン)で販売される製品、Alban Mullerによって商品名MelactivaTM(INCI名:マルトデキストリン、ハッショウマメ種子抽出物(Mucuna Pruriens Seed Extract))で販売される製品、フラボノイドに富む化合物、例えばSilabによってブランド名「Biotanning」(INCI名:加水分解されたシトラスオウランチウムドゥルシス(citrus Aurantium dulcis)果実抽出物)で販売され、(ヘスペリジン型の)レモンフラボノイドに富むことが知られている製品;番号欧州特許出願公開第1 515 688号明細書で公開された欧州特許出願に記載されているもの、SODを模倣する合成分子、例えばマンガン錯体、酸化防止化合物、例えばシクロデキストリン誘導体、アスコルビン酸から誘導されたシリカ含有化合物、リジンピロリドンカルボキシレ-ト若しくはアルギニンピロリドンカルボキシレ-ト、桂皮酸のモノエステル及びジエステルとビタミンCとの組み合わせ、より一般的には上記欧州特許出願に述べられているものから選択されるDOPAクロム互変異性酵素の活性の模倣体などの,毛髪及び/又は体毛の処理向けである試剤、例えば毛包のメラニン形成細胞を保護する、前記メラニン形成細胞の老化及び/又はアポトーシスの原因となる細胞毒性剤から前記メラニン形成細胞を保護する試剤が挙げられる。
【0092】
前記組成物(F)及び(G)において上で定義されたような前記自己可逆性逆ラテックスと組み合わせることができる酸化防止剤の例としては、EDTA及びその塩、クエン酸、酒石酸、シュウ酸、BHA(ブチルヒドロキシアニソール)、BHT(ブチルヒドロキシトルエン)、トコフェリルアセテートなどの、トコフェロール誘導体、INCI名:Tetrasodium Glutamate DiacetateでAkzoNobel社によって販売されるDissolvineTM GL 47Sなどの、抗酸化化合物の混合物が挙げられる。
【0093】
前記組成物(F)及び(G)において上で定義されたような前記自己可逆性逆ラテックスと組み合わせることができる日焼け防止剤の例としては、改正Cosmetics Directive(化粧品指令)76/768/EEC,Annex VIIに現れる全てのものが挙げられる。
【0094】
前記組成物(F)及び(G)において上で定義されたような前記自己可逆性逆ラテックスと組み合わせることができる有機日焼け防止剤には、パラ-アミノ安息香酸(PABA)、特にPABAのモノグリセロールエステル、N,N-ジプロポキシPABAのエチルエステル、N,N-ジエトキシPABAのエチルエステル、N,N-ジメチルPABAのエチルエステル、N,N-ジメチルPABAのメチルエステル又はN,N-ジメチルPABAのブチルエステルなどの、安息香酸誘導体の系統;N-アセチルアントラニル酸ホモメンチルなどの、アントラニル酸誘導体の系統;サリチル酸アミル、サリチル酸ホモメンチル、サリチル酸エチルヘキシル、サリチル酸フェニル、サリチル酸ベンジル又はサリチル酸p-イソプロパノールフェニルなどの、サリチル酸誘導体の系統;桂皮酸エチルヘキシル、4-イソプロピル桂皮酸エチル、2,5-ジイソプロピル桂皮酸メチル、p-メトキシ桂皮酸プロピル、p-メトキシ桂皮酸イソプロピル、p-メトキシ桂皮酸イソアミル、p-メトキシ桂皮酸オクチル(p-メトキシ桂皮酸2-エチルヘキシル)、p-メトキシ桂皮酸2-エトキシエチル、p-メトキシ桂皮酸シクロヘキシル、α-シアノ-β-フェニル桂皮酸エチル、α-シアノ-β-フェニル桂皮酸2-エチルヘキシル又はモノ(2-エチルヘキサノイル)グリセリルジ(パラ-メトキシシンナメート)などの、桂皮酸誘導体の系統;2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-4’-メチルベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホネート、4-フェニルベンゾフェノン、4’-フェニルベンゾフェノン-2,5-ジカルボン酸2-エチルヘキシル、2-ヒドロキシ-4-(n-オクチルオキシ)ベンゾフェノン、4-ヒドロキシ-3-カルボキシベンゾフェノンなどの、ベンゾフェノン誘導体の系統;3-(4’-メチルベンジリデン)-d,l-カンファー、3-ベンジリデン-d,l-カンファー、カンファーベンザルコニウムメトスルフェート;ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル;2-フェニルベンズイミダゾール-5-スルホン酸及びその塩などの、スルホン酸誘導体の系統;ヒドロキシフェニルトリアジン、エチルヘキシルオキシヒドロキシフェニル-4-メトキシフェニルトリアジン、2,4,6-トリアニリノ(p-カーボ-2’-エチルヘキシル-1’-オキシ)-1,3,5-トリアジン、安息香酸の4,4-((6-(((1,1-ジメチルエチル)アミノ)カルボニル)フェニル)アミノ)-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイルジイミノ)ビス(2-エチルヘキシル)エステルなどの、トリアジン誘導体の系統;2-フェニル-5-メチルベンゾオキサゾール、2,2’-ヒドロキシ-5-メチルフェニルベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-(t-オクチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチフェニル)ベンゾトリアゾール;ジベンザラジン;ジアニソイルメタン、4-メトキシ-4’’-t-ブチルベンゾイルメタン;5-(3,3-ジメチル-2-ノルボルニリデン)-3-ペンタン-2-オン;2-シアノ-3,3-ジフェニル-2-プロペン酸2-エチルヘキシル若しくは2-シアノ-3,3-ジフェニル-2-プロペン酸エチルなどの、ジフェニルアクリレート誘導体の系統;又はベンジリデンシロキサンマロネートなどの、ポリシロキサンの系統が含まれる。
【0095】
前記組成物(F)及び(G)において上で定義されたような前記自己可逆性逆ラテックスと組み合わせることができる、「無機フィルター」としても知られる、無機日焼け防止剤には、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、鉄黄、弁柄若しくは黒色酸化鉄、又は酸化クロムが含まれる。これらの無機防止剤は、微粉にされてもされなくてもよく、表面処理にかけられていてもいなくてもよく、水性又は油性プレ分散系の形態で任意選択的に提供され得る。
【0096】
最後に、本発明の主題は、100モル%当たり:
(a1)30モル%以上及び100モル%以下の割合の、遊離酸又は部分的に若しくは完全に塩化された形態での2-メチル-2-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]-1-プロパンスルホン酸に由来するモノマー単位から;
(a2)任意選択的に、0モル%超及び70モル%以下の割合のアクリル酸、メタクリル酸、2-(カルボキシエチル)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸及び3-メチル-3-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]ブタン酸からなる群の要素から(前記モノマーのカルボキシル官能基は、遊離酸、部分的に塩化された若しくは完全に塩化された形態にある)、並びに/又は2-ヒドロキシエチルアクリレート、2,3-ジヒドロキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2,3-ジヒドロキシプロピルメタクリレート、若しくはビニルピロリドンからなる群の要素から選択される少なくとも1種のモノマーに由来するモノマー単位から;
(a3)0モル%超及び1モル%以下の割合の少なくとも1種のジエチレン若しくはポリエチレン架橋モノマー(AR)に由来するモノマー単位から
なる架橋アニオン性高分子電解質(P)の自己可逆性逆ラテックスであって;
a1)、a2)及びa3)に従ったモノマー単位の前記モル割合の合計が100モル%に等しく;
前記逆ラテックスが、その重量の100%当たり:
a)10重量%~90重量%の前記架橋アニオン性高分子電解質(P);
b)5重量%~50重量%の、少なくとも1種のオイル(O)から構成される脂肪相;
c)1重量%~50重量%の水;及び
d)0.5重量%~10重量%の油中水型の乳化系(S1)
を含み;
a)、b)、c)、及びd)に従った化合物の重量割合の合計が100重量%に等しい
油中水型(W)のエマルジョンである自己可逆性逆ラテックスの反転剤としての、上で定義されたような、前記組成物(Ce)の使用である。
【実施例】
【0097】
以下の実施例は、本発明を例示するが、それを限定しない。
【0098】
I-本発明による界面活性組成物及び比較組成物の調製
IA-デカグリセロールラウレート(EM1)を及びヘキサグリセロールをベースとする組成物(EM2)の調製
71.5グラムのブランド名Decaglyn 1-Lで販売されるデカグリセロールモノラウレート(本明細書では以下、用語「組成物(EM1)」で示される)及び28.5グラムのポリグリセロール-6(Spigaによってブランド名Polyglycerol 6TMで販売される)を、80回転/分の速度でいかり型の機械撹拌下に35℃の温度で、効率的な機械撹拌を備えたジャケット(そのジャケット中を熱交換流体が循環する)付ガラス反応器へ導入する。そのような条件下で30分間攪拌した後、混合物を、組成物(EM2)を得るために容器から出す。
【0099】
IB-デカグリセロールラウレート(EM1)を及びデカグリセロールをベースとする組成物(EM3)の調製
71.5グラムのブランド名Decaglyn 1-Lで販売されるデカグリセロールモノラウレート(本明細書では以下、用語「組成物(EM1)」で示される)及び28.5グラムのポリグリセロール-10(ブランド名Polyglycerin 10TMで販売される)を、80回転/分の速度でいかり型の機械撹拌下に35℃の温度で、効率的な機械撹拌を備えたジャケット(そのジャケット中を熱交換流体が循環する)付ガラス反応器へ導入する。そのような条件下で30分間攪拌した後、混合物を、組成物(EM3)を得るために容器から出す。
【0100】
組成物(EM1)、(EM2)及び(EM3)の分析特性を下の表1に示す。
【0101】
【0102】
II-2-メチル-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]-1-プロパンスルホン酸のナトリウム塩と、アクリルアミドと、部分的に塩化されたアクリル酸との架橋ターポリマーの自己可逆性逆ラテックスの及び2-メチル-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]-1-プロパンスルホン酸のナトリウム塩と、アクリルアミドとの架橋コポリマーの自己可逆性逆ラテックスの調製及び評価
II-a)-ビーカーへ及び撹拌しながら、50重量%のアクリルアミドを含有する277グラムの市販の溶液、55%の2-メチル-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]-1-プロパンスルホン酸のナトリウム塩を含有する375グラムの水溶液、10.8グラムの氷アクリル酸、0.058グラムのメチレンビス(アクリルアミド)、40重量%のジエチレントリアミン五酢酸ナトリウムを含有する0.45グラムの市販の水溶液、及びこの水相のpHを5.3に調整するための48重量%の水酸化ナトリウムを含有する5.3グラムの水溶液を引き続いて注ぐことによって水相を調製する。
【0103】
独立して、130グラムのポリイソブテン、90グラムのIsoparTM H、30グラムのMarcolTM 52、17.0グラムのMontaneTM 70、5グラムのSimalineTM IE 200及び0.2グラムのアゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)を混合することによって有機相を調製する。
【0104】
調製された水相をその後油性相に徐々に添加し、次いで、IKA社によって販売されるUltra-Turrax型の回転子-固定子を用いて分散させる。
【0105】
得られたエマルジョンを反応器に移し、酸素を除去するために窒素でのスパージングにかけ、約5~6℃に冷却する。IsoparTM H中の0.42重量%のクメンヒドロペルオキシドを含有する5cm3の溶液を連続撹拌しながらエマルジョンに添加し、これに、重合反応を開始するための0.5cm3毎分の流量での0.1重量%のメタ重亜硫酸ナトリウムを含有する水溶液の徐々の導入が続く。媒体の温度は定常状態まで上がる。
【0106】
1時間80℃に維持した後、IsoparTM Hを、水のほとんどが除去されるように、部分真空蒸留によって反応媒体から除去する。反応媒体を次におよそ35℃に冷却して(M1)と表示される混合物を得る。
【0107】
上で得られた混合物(M1)を、異なる部分へ分割し、それに、60℃に予熱された、上で記載されたような、異なる界面活性組成物(EM1)、(EM2)及び(EM3)を下の表2に示されるような重量割合で添加する。
【0108】
これらの混合物から生じる自己可逆性逆ラテックスを、それぞれ、(IL1)、(IL2)及び(IL3)と表示し、25℃でのそれらの外観の観察によって、2重量%の自己可逆性逆ラテックスを含む水性ゲルの調製中の反転の速度(その方法は下に記載される)によって、及び2重量%の自己可逆性逆ラテックスを含むこの水性ゲルの粘度によって評価する。
【0109】
自己可逆性逆ラテックスの反転の継続時間の評価方法は、2リットルのビーカー中へ、800グラムの水性ゲルの調製のために必要な量の水を導入することにある。モーターに接続された、VMI社によって販売される、TurbotestTM型、バージョン2004の機械的らせん形攪拌機を、ビーカーの底部に向けて置く。撹拌を900回転/分の速度で開始し、必要量の評価されるべき自己可逆性逆ラテックスを撹拌しながらビーカーへ導入する。この撹拌は渦を生じさせ、渦は、ポリマーが反転し、そしてゲルが形成されるときに消失する。自己可逆性逆ラテックスの、秒単位で測定される、反転の継続時間は、試験される自己可逆性逆ラテックスの添加の開始と、得られる、塊のない、滑らかなゲルをもたらす、渦の消失との間に経過した時間に相当する。この評価は、試験される逆ラテックスの製造の終わりに(t=0)及び次に2ヶ月の25℃での貯蔵の期間後に(t=2ヶ月)実施する。得られた結果を下の表2に記載する。2重量%の自己可逆性逆ラテックスを含む水性ゲルの粘度(μ)を、Brookfield RVT粘度計(スピンドル6 速度5)を用いて、t=0において及び次にt=2ヶ月において測定する。同様に、自己可逆性逆ラテックスの外観をt=0で目視により評価する。
【0110】
【0111】
本発明による及びアルコキシル化誘導体を含まない自己可逆性逆ラテックス(IL2)及び(IL3)は、優れた増粘特性を保持しながら、反転界面活性系の構成成分としてデカグリセロールモノラウレート単独を含むにすぎない、自己可逆性逆ラテックス(IL1)について観察されるものよりもはるかに低い反転の継続時間で、滑らかなゲルを得ることを可能にする。更に、それらは、比較の自己可逆性逆ラテックス(IL1)についてよりも2ヶ月間の貯蔵後に反転の速度の及び増粘特性のより良好な再現性で特徴付けられる。
【0112】
III-2-メチル-2-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]-1-プロパンスルホン酸のナトリウム塩と、アクリルアミドとの架橋コポリマーの自己可逆性逆ラテックスの調製及び評価
ビーカーへ及び撹拌しながら、50重量%のアクリルアミドを含有する255グラムの市販の溶液、55%の2-メチル-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]-1-プロパンスルホン酸のナトリウム塩を含有する272グラムの水溶液、0.107グラムのメチレンビス(アクリルアミド)、40重量%のジエチレントリアミン五酢酸ナトリウムを含有する0.45グラムの市販の水溶液、及びこの水相のpHを6.0に調整するための48重量%の水酸化ナトリウムを含有する45グラムの水溶液を引き続いて注ぐことによって水相を調製する。
【0113】
独立して、220グラムのEmogreenTM L15及び25グラムのSimalineTM IEを混合することによって有機相を調製する。
【0114】
調製された水相をその後油性相に徐々に添加し、次いで、IKA社によって販売されるUltra-Turrax型の回転子-固定子を用いて分散させる。
【0115】
結果として生じたエマルジョンを反応器に移し、酸素を除去するために窒素バブリングにかけ、約5~6℃に冷却した。2グラムの水に事前に溶解させた0.69グラムの過硫酸ナトリウムを、撹拌を維持しながら、エマルジョンに添加し、次いで重合反応を開始するために2.25重量%のメタ重亜硫酸ナトリウムを含有する水溶液を徐々に導入する。媒体の温度は定常状態まで上がる。
【0116】
3時間80℃に維持した後、次いで、反応媒体をおよそ35℃に冷却して(M2)と表示される混合物を得る。
【0117】
上で得られた混合物(M2)を異なる部分に分け、それに、60℃に予熱された、上で記載されたような、異なる界面活性組成物(EM1)、(EM2)及び(EM3)を下の表3に記載されるような重量割合で添加する。
【0118】
これらの混合物から生じる自己可逆性逆ラテックスを、それぞれ、(IL4)、(IL5)及び(IL6)と表示し、25℃でのそれらの外観の観察によって、2重量%の自己可逆性逆ラテックスを含む水性ゲルの調製中の反転の速度(その方法は下に記載される)によって、及び2重量%の自己可逆性逆ラテックスを含むこの水性ゲルの粘度によって評価する。
【0119】
自己可逆性逆ラテックスの反転の継続時間の評価方法は、2リットルのビーカーに、800グラムの水性ゲルの調製のために必要な量の水を導入することにある。モーターに接続された、VMI社によって販売される、TurbotestTM型、バージョン2004の機械的らせん形撹拌機を、ビーカーの底部に向けて置く。撹拌を900回転/分の速度で開始し、必要量の評価されるべき自己可逆性逆ラテックスを撹拌しながらビーカーに導入する。この撹拌は渦を生じさせ、渦は、ポリマーが反転し、そしてゲルが形成されるときに消失する。自己可逆性逆ラテックスの、秒単位で測定される、反転の継続時間は、試験される自己可逆性逆ラテックスの添加の開始と、得られる、塊のない、滑らかなゲルをもたらす、渦の消失との間に経過した時間に相当する。この評価は、試験される逆ラテックスの製造の終わり(t=0)において実施する。得られた結果を下の表3に示す。2重量%の自己可逆性逆ラテックスを含む水性ゲルの粘度(μ)を、Brookfield RVT粘度計(スピンドル6 速度5)を用いて、t=0において測定する。同様に、自己可逆性逆ラテックスの外観をt=0において目視により評価する。
【0120】
【0121】
本発明による及びアルコキシル化誘導体を含まない自己可逆性逆ラテックス(IL5)及び(IL6)は、優れた増粘特性を保持しながら、反転界面活性系の構成成分としてデカグリセロールモノラウレート単独を含むにすぎない、自己可逆性逆ラテックス(IL1)について観察されるものよりもはるかに低い反転の継続時間で、滑らかなゲルを、t=0において得ることを可能にする。
【0122】
IV:例示的な化粧品調合物
以下の調合物において、百分率は、調合物の重量の100%当たりの重量百分率として表す。
【0123】
実施例IV-1:ケアクリーム
シクロメチコン: 10%
自己可逆性逆ラテックス(IL2): 0.8%
MontanovTM 68: 2%
ステアリルアルコール: 1%
ステアリンアルコール: 0.5%
防腐剤: 0.65%
リジン: 0.025%
EDTA(二ナトリウム塩): 0.05%
キサンタンゴム: 0.2%
グリセロール: 3%
水: 100%に適量
【0124】
実施例IV-2:アンチサンミルク
処方
A MontanovTM 68: 3.0%
ごま油: 5.0%
ParsolTM MCX: 5.0%
λ-カラギーナン: 0.10%
B 水: 100%に適量
C 自己可逆性逆ラテックス(IL3): 0.80%
D 香料: 適量
防腐剤: 適量
手順
Bを60℃でA中に乳化させ、次にCをおよそ60℃で、次にDをおよそ30℃で添加し、必要ならばpHを調整する。
【0125】
実施例IV-3:ボディミルク
MontanovTM 202: 3.5%
LanolTM 37T: 8.0%
SolagumTM L: 0.05%
水: 100%に適量
ベンゾフェノン-3: 2.0%
ジメチコン 350 cPs: 0.05%
自己可逆性逆ラテックス(IL2): 2.5%
防腐剤: 0.2%
香料: 0.4%
【0126】
実施例IV-4:メイクアップ-甘扁桃油を含むエマルジョンを除去する
MontanovTM 202: 5%
甘扁桃油: 5%
水: 100%に適量
自己可逆性逆ラテックス(IL2): 0.3%
グリセロール: 5%
防腐剤: 0.2%
香料: 0.3%
【0127】
実施例IV-5:脂っぽい皮膚用の保湿クリーム
MontanovTM 68: 5%
セチルステアリルオクタノエート: 8%
オクチルパルミテート: 2%
水: 100%に適量
自己可逆性逆ラテックス(IL3): 2.6%
MicropearlTM M100: 3.0%
ムコ多糖類: 5%
SepicideTM HB: 0.8%
香料: 0.3%
【0128】
実施例IV-6:メイクアップ-ミルクを除去する
MontanovTM 68: 3%
PrimolTM 352: 8.0%
甘扁桃油: 2%
水: 100%に適量
自己可逆性逆ラテックス(IL2): 0.8%
防腐剤: 0.2%
【0129】
実施例IV-7:アンチサンミルク
MontanovTM L: 3.5%
LanolTM 37T: 10.0%
ParsolTM MCX: 5.0%
EusolexTM 4360: 2.0%
水: 100%に適量
自己可逆性逆ラテックス(IL2): 1.8%
防腐剤: 0.2%
香料: 0.4%
【0130】
実施例IV-8:サンレス日焼けエマルジョン
LanolTM 99: 15%
MontanovTM 68: 3.0%
ParsolTM MCX: 3.0%
水: 100%に適量
ジヒドロキシアセトン: 5.0%
リン酸一ナトリウム: 0.2%
自己可逆性逆ラテックス(IL3): 2.5%
香料: 0.3%
SepicideTM HB: 0.8%
水酸化ナトリウム: pH=5に適量
【0131】
実施例IV-9:ケアクリーム
シクロメチコン: 10%
自己可逆性逆ラテックス(IL3): 2.8%
MontanovTM 202: 4.5%
防腐剤: 0.65%
リジン: 0.025%
EDTA(二ナトリウム塩): 0.05%
キサンタンゴム: 0.2%
グリセロール: 3%
水: 100%に適量
【0132】
実施例IV-10:アンチサンクリーム
SimulsolTM 165: 3%
MontanovTM 68: 2%
C12~C15ベンゾエート: 8%
PecosilTM PS 100: 2%
ジメチコン: 2%
シクロメチコン: 5%
パラ-メトキシ桂皮酸オクチル: 6%
ベンゾフェノン-3: 4%
酸化チタン: 8%
キサンタンゴム: 0.2%
ブチレングリコール: 5%
脱塩水: 100%に適量
自己可逆性逆ラテックス(IL2): 1.5%
防腐剤、香料: 適量
【0133】
実施例IV-11:サンケア及び自己日焼けゲル
MontanovTM 68: 3.0%
グリセリルトリヘプタノエート: 10.0%
DeepalineTM PVB: 1.05%
自己可逆性逆ラテックス(IL3): 2.2%
水: 100%に適量
ジヒドロキシアセトン: 5%
香料: 0.1%
SepicideTM HB: 0.3%
SepicideTM CI: 0.1%
ParsolTM MCX: 4.0%
【0134】
実施例に使用された製品の定義は、以下の通りである:
MicropearlTM M 100は、Matsumo社によって販売される、手触りが非常に柔らかい、且つ、艶消し作用を有する超微細粉末である。
SepicideTM CI、イミダゾリジニル尿素は、Seppic社によって販売される防腐剤である。
SimulsolTM 165は、Seppic社によって販売される、自己乳化性グリセロールステアレートである。
SepicideTM HB、フェノキシエタノール、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン及びブチルパラベンの混合物は、Seppic社によって販売される防腐剤である。
ParsolTM MCXは、Givaudan社によって販売される、パラ-メトキシ桂皮酸オクチルである。
LanolTM 37Tは、Seppic社によって販売される、グリセロールトリヘプタノエートである。
SolagumTM Lは、Seppic社によって販売される、カラギーナンである。
EusolexTM 4360は、Merck社によって販売される、日焼け防止剤である。
DeepalineTM PVBは、Seppic社によって販売される、アクリル化コムギタンパク質嘉瑞分解物である。
PrimolTM 352は、Exxon社によって販売される、鉱油である。
PecosilTM PS 100は、Phoenix社によって販売される、ジメチコンPEG-7である。
MontanovTM 68(INCI名:セテアリルアルコール(及び)セテアリルグルコシド)は、Seppic社によって販売される、乳化剤である。
MontanovTM L(INCI名:C14~22アルコール(及び)C12~20アルキルグルコシド)は、Seppic社によって販売される、乳化剤である。
MontanovTM 202(INCI名:アラキジルアルコール(及び)ベヘニルアルコール(及び)アラキジルグルコシド)は、Seppic社によって販売される、乳化剤である。