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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-26
(45)【発行日】2023-08-03
(54)【発明の名称】通信装置および通信方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 52/02 20090101AFI20230727BHJP
   H04W 8/24 20090101ALI20230727BHJP
   H04W 4/08 20090101ALI20230727BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20230727BHJP
【FI】
H04W52/02
H04W8/24
H04W4/08
H04W84/12
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020553565
(86)(22)【出願日】2019-03-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-12
(86)【国際出願番号】 JP2019014144
(87)【国際公開番号】W WO2019202955
(87)【国際公開日】2019-10-24
【審査請求日】2022-03-15
(31)【優先権主張番号】P 2018078232
(32)【優先日】2018-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】514136668
【氏名又は名称】パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカ
【氏名又は名称原語表記】Panasonic Intellectual Property Corporation of America
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホァン レイ
(72)【発明者】
【氏名】浦部 嘉夫
(72)【発明者】
【氏名】チトラカール ロジャン
【審査官】▲高▼木 裕子
(56)【参考文献】
【文献】Po-Kai Huang (Intel),Specification Framework for TGba, IEEE 802.11-17/0575r11 ,IEEE, インターネット<URL:https://mentor.ieee.org/802.11/dcn/17/11-17-0575-11-00ba-spec-framework.docx>,2018年03月27日
【文献】Lei Huang (Panasonic),discussion on Group ID structure, IEEE 802.11-18/0472r3 ,IEEE, インターネット<URL:https://mentor.ieee.org/802.11/dcn/18/11-18-0472-03-00ba-discussion-on-group-id-structure.pptx>,2018年03月08日
【文献】Lei Huang (Panasonic),WUR Action frame format, IEEE 802.11-17/0684r1 ,IEEE, インターネット<URL:https://mentor.ieee.org/802.11/dcn/17/11-17-0684-01-00ba-wur-action-frame-format.pptx>,2018年01月15日
【文献】Alfred Asterjadhi (Qualcomm Inc.),Addressing-in-WUR frames, IEEE 802.11-18/0514r1 ,IEEE, インターネット<URL:https://mentor.ieee.org/802.11/dcn/18/11-18-0514-01-00ba-addressing-in-wur-frames.pptx>,2018年03月08日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステーションに備えられた通信装置であって、
動作時、WUR(ウェイクアップ無線)モードセットアップ(Mode Setup)フレームを含むデータフィールドを有する送信信号を生成する信号生成器と、
動作時、前記生成された送信信号を送信する送信機と、
を備え、
前記WURモードセットアップフレームに含まれるWURモード(WUR Mode)要素のフィールドが、AP(アクセスポイント)によって前記ステーションに割り当てられるグループID(識別子)に関する情報、を含み、
前記フィールドが、前記APによって提供することのできるグループIDの数に等しいサイズのグループIDビットマップを含むサブフィールド、を有し、前記グループIDビットマップのビットY(Y=0,1,...,L-1、かつLは前記グループIDビットマップの前記サイズ)が1に設定されているとき、前記APによって前記ステーションに割り当てられる前記グループIDが、前記APによって提供することのできる最小グループIDとYの合計に等しい、
通信装置。
【請求項2】
前記APによって提供することのできる前記最小グループIDが、前記フィールドに含まれる別のサブフィールドに示される、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記APによって提供することのできる前記最小グループIDが、前記ステーションによって直近に受信されたWUR動作(WUR Operation)要素に示される、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項4】
前記フィールドが、前記通信装置を備えた前記ステーションが格納することのできるグループIDビットマップサイズ以下のサイズのグループIDビットマップを含む第1のサブフィールドを有し、前記グループIDビットマップのビットY(Y=0,1,...,L-1、かつLは前記グループIDビットマップの前記サイズ)が1に設定されているとき、前記通信装置を備えた前記ステーションに前記APによって割り当てられる前記グループIDが、前記グループIDビットマップのビット0に対応するグループIDとYとの合計に等しい、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項5】
前記グループIDビットマップのビット0に対応する前記グループIDが、前記フィールドの第2のサブフィールドに示され、かつ、前記グループIDビットマップの中に示されるいずれのグループIDもグループIDの値範囲の外側ではないように、選択される、
請求項4に記載の通信装置。
【請求項6】
前記グループIDビットマップの前記サイズが、前記フィールドの第3のサブフィールドに示される、
請求項4に記載の通信装置。
【請求項7】
前記グループIDビットマップに示されない、前記通信装置を備えた前記ステーションに前記APによって割り当てられる前記グループIDが、前記フィールドの第4のサブフィールドに示される、
請求項4に記載の通信装置。
【請求項8】
ステーションに備えられた通信装置であって、
動作時、WUR(ウェイクアップ無線)モードセットアップ(Mode Setup)フレームを含むデータフィールドを有する送信信号を生成する信号生成器と、
動作時、前記生成された送信信号を送信する送信機と、
を備え、
前記WURモードセットアップフレームに含まれるWURモード(WUR Mode)要素のフィールドが、AP(アクセスポイント)によって前記ステーションに割り当てられるグループID(識別子)に関する情報、を含み、
前記フィールドが、前記通信装置を備えた前記ステーションが格納することのできるグループIDビットマップサイズ以下のサイズのグループIDビットマップを含む第1のサブフィールド、を有し、前記グループIDビットマップのビットY(Y=0,1,...,L-1、かつLは前記グループIDビットマップの前記サイズ)が1に設定されているとき、前記グループIDビットマップのビット0に対応するグループIDとYの合計が、前記APによって提供することのできる最大グループIDより大きい場合、前記ステーションに前記APによって割り当てられる前記グループIDが、前記グループIDビットマップのビット0に対応する前記グループIDとYの合計に等しく、そうでない場合、前記ステーションに前記APによって割り当てられる前記グループIDが、前記グループIDビットマップのビット0に対応する前記グループIDとYの合計から、前記APによって提供することのできるグループIDの数を減じた値に等しい、
信装置。
【請求項9】
前記グループIDビットマップのビット0に対応する前記グループIDが、前記フィールドの第2のサブフィールドに示される、
請求項8に記載の通信装置。
【請求項10】
前記グループIDビットマップの前記サイズが、前記フィールドの第3のサブフィールドに示される、
請求項8に記載の通信装置。
【請求項11】
前記グループIDビットマップに示されない、前記通信装置を備えた前記ステーションに前記APによって割り当てられる前記グループIDが、前記フィールドの第4のサブフィールドに示される、
請求項8に記載の通信装置。
【請求項12】
前記APによって提供することのできる前記最大グループIDが、前記フィールドの第5のサブフィールドに示される、
請求項8に記載の通信装置。
【請求項13】
前記APによって提供することのできる前記最大グループIDが、前記ステーションによって直近に受信されたWUR動作(WUR Operation)要素に示される、
請求項8に記載の通信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信装置および通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
IEEE(米国電気電子学会:Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11作業部会では、WUR(ウェイクアップ無線)装置の動作を可能にする、PHY(物理)層の仕様の定義と、MAC(媒体アクセス制御)層の仕様の変更の定義が進められている。WUR装置は、PCR(主接続無線:Primary Connectivity Radio)装置(例えばIEEE 802.11a/g/n/ac/ax無線装置)に伴って使用される(コンパニオン)無線装置である。WUR装置は、WURフレームを受信することのできるWURx(ウェイクアップ受信機:Wake Up Receiver)を備えている。無線通信機器に含まれるPCR装置は、その機器が関連付けられるアクセスポイント(AP)とのユーザデータの通信に使用される。一方で機器に含まれるWUR装置は、ユーザデータの通信には使用されない。WURモードで動作している無線通信機器の場合、機器のPCR装置がドーズ状態にあるとき、機器のWURxは、機器とアクセスポイント(AP)との間で交渉されるデューティサイクルスケジュールに従う。機器のWURxがWURウェイクアップ(WUR Wake-up)フレームを受信すると、機器のPCR装置がアウェイク状態に遷移する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】IEEE 802.11-17/0575r11, Specification Framework for TGba, March 2018
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
無線通信機器がどのようにWURモード動作を効率的に実行できるかに関する検討は途上である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の非限定的かつ例示的な一実施形態は、WURモード動作を効率的に実行することを促進する。
【0006】
一般的な一態様においては、本明細書に開示されている技術は、通信装置を提供し、本通信装置は、動作時、WURモードセットアップ(WUR Mode Setup)フレームを含むデータフィールドを有する送信信号を生成する信号生成器であって、WURモードセットアップ(WUR Mode Setup)フレームに含まれるWURモード(WUR Mode)要素のフィールドが、通信装置を備えたステーションにアクセスポイント(AP)によって割り当てられるグループID(識別子)に関する情報、を含む、信号生成器と、動作時、生成された送信信号を送信する送信機と、を備えている。
【0007】
なお、一般的な実施形態または特定の実施形態は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム、記憶媒体、またはこれらの任意の選択的な組合せ、として実施してよいことに留意されたい。
【0008】
本開示に記載されている通信装置および通信方法を利用することによって、無線通信機器は、WURモード動作を効率的に実行することができる。
【0009】
開示されている実施形態のさらなる恩恵および利点は、本明細書および図面から明らかになるであろう。これらの恩恵および/または利点は、本明細書および図面のさまざまな実施形態および特徴によって個別に得ることができ、ただしこのような恩恵および/または利点の1つまたは複数を得るために、これらの特徴すべてを設ける必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】無線ネットワークの例を示した図である。
図2】本開示に係る、WURモード動作に関連するMAC手順の例を示した図である。
図3A】本開示に係る、WUR能力(WUR Capabilities)要素のフォーマットの例を示した図である。
図3B】本開示に係る、WUR動作(WUR Operation)要素のフォーマットの例を示した図である。
図4】本開示に係る、WUR交渉手順の例を示した図である。
図5】本開示に係る、WURモードセットアップ(WUR Mode Setup)フレームまたはWURモードティアダウン(WUR Mode Teardown)フレームのフォーマットの例を示した図である。
図6】本開示に係る、WURモード(WUR Mode)要素のフォーマットの例を示した図である。
図7】本開示に係る、WURモード(WUR Mode)要素のアクションタイプ(Action Type)フィールドの定義の例を示した図である。
図8A】本開示に係る、WUR STAによって送信されるWURモード(WUR Mode)要素のWURパラメータ(WUR Parameters)フィールドのフォーマットの例を示した図である。
図8B】本開示に係る、アクセスポイント(AP)によって送信されるWURモード(WUR Mode)要素のWURパラメータ(WUR Parameters)フィールドのフォーマットの例を示した図である。
図9】本開示に係る、WURモード開始手順の例を示した図である。
図10】本開示に係る、WURモード終了手順の例を示した図である。
図11】本開示に係る、WURフレームのフォーマットの例を示した図である。
図12】本開示に係る、WURフレームのタイプ(Type)フィールドの定義の例を示した図である。
図13】本開示に係る、WURフレームのアドレス(Address)フィールドの定義の例を示した図である。
図14A】本開示に係る、識別子の空間の例を示した図である。
図14B】本開示に係る、フレームフィルタリング手順の例を示した流れ図である。
図15】本開示の第1の実施形態に係る、グループIDリスト(Group ID List)フィールドのフォーマットの例を示した図である。
図16】本開示の第2の実施形態に係る、グループIDリスト(Group ID List)フィールドのフォーマットの例を示した図である。
図17】本開示の第3の実施形態に係る、グループIDリスト(Group ID List)フィールドのフォーマットの例を示した図である。
図18】本開示の第4の実施形態に係る、グループIDリスト(Group ID List)フィールドのフォーマットの例を示した図である。
図19】本開示の第5の実施形態に係る、グループIDリスト(Group ID List)フィールドのフォーマットの例を示した図である。
図20】本開示の第6の実施形態に係る、グループIDリスト(Group ID List)フィールドのフォーマットの例を示した図である。
図21A】本開示に係る、第1のグループID更新手順の例を示した流れ図である。
図21B】本開示に係る、第2のグループID更新手順の例を示した流れ図である。
図22】本開示に係る、グループID更新(Group ID Update)フレームのフォーマットの例を示した図である。
図23】本開示に係る、WUR PPDU(物理層プロトコルデータユニット:Physical Layer Protocol Data Unit)のフォーマットの例を示した図である。
図24A】本開示に係る、WURの例の簡単なブロック図である。
図24B】本開示に係る、WURの例の詳細なブロック図である。
図25A】本開示に係る、PCRの例の簡単なブロック図である。
図25B】本開示に係る、PCRの例の詳細なブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示は、以下に説明する図および実施形態を利用して深く理解することができる。本明細書に記載されている実施形態は、本質的に単なる例示であり、本開示の可能な用途および使用法のいくつかを説明するために用いられており、本明細書に明示的に記載されていない代替の実施形態に関して本開示を制限するようには解釈されないものとする。
【0012】
あらゆる無線通信システムにおいて、多種多様な装置は無線ネットワークの一部であり、各装置は、トラフィックのニーズ、装置の能力、電源のタイプなどに関して異なる。いくつかの種類の装置は、帯域幅要件が少なめで、QoS(サービス品質)要件の厳しさも低いが、電力消費量に関して比較的重視されることがある(例:携帯電話)。別の種類の装置は、帯域幅要件が少なく、さらにデューティサイクルも非常に小さいが、バッテリが極めて小型である、あるいは極めて長寿命が期待される理由で、電力消費量の影響を大きく受けることがある(例えばリモートセンシング用のセンサー)。
【0013】
多くの無線通信システムには、1つまたは複数の中央コントローラが存在し、無線ネットワークのカバレッジエリア、無線周波数チャネル、装置の許可ポリシー(admission policy)、隣接する別の無線ネットワークとの調整などを決定し、通常ではバックエンドインフラストラクチャネットワークへのゲートウェイの役割も果たす。中央コントローラの例は、セルラー無線ネットワークにおける基地局またはeNB、あるいはWLAN(無線ローカルエリアネットワーク:Wireless Local Area Networks)におけるアクセスポイント(AP)である。
【0014】
本開示に記載されている技術は、多くの無線通信システムに適用することができるが、本開示における以下の説明は、実例を示す目的で、IEEE 802.11ベースのWLANシステムおよび関連する専門用語の観点から記載してある。このことは、WLAN以外の無線通信システムに関して本開示を制限するようには解釈されないものとする。IEEE 802.11ベースのWLANでは、ネットワークの大部分がインフラストラクチャモードで動作し、すなわちネットワークにおけるトラフィックのすべてまたはほとんどがアクセスポイント(AP)を経由する必要がある。したがって、WLANに加わることを望むSTA(ステーション)は、最初にアソシエーション(association)および認証と呼ばれるプロセスを通じて、ネットワークメンバーシップをAPと交渉しなければならない。
【0015】
図1は、AP110と、AP110に関連付けられる複数のSTAとを含む無線ネットワークの例100を示している。複数のSTAは、AP110のBSS(基本サービスセット:Basic Service Set)を形成している。AP110は、PCR装置(以下では単に「PCR」と称する)112を含む。STA130は、より小さい帯域幅要件と、さほど厳しくないQoS要件を有してよいが電力消費量に関しては比較的重視される種類の機器を表している。STA140は、小さい帯域幅要件を有してよいが電力消費量の影響が大きい別の種類の機器を表している。エネルギ効率を最大にする目的で、STA130は、PCR132に加えてWUR装置134(以下では単に「WUR」と称する)を装備しており、STA140は、PCR142に加えてWUR144を装備している。以下ではSTA130およびSTA140のいずれも、WUR STAと称する。
【0016】
本開示によれば、WUR STAのPCRは、2つの電力管理モード、すなわちアクティブモードおよびPS(電力節約)モードのいずれかで動作することができる。PS(電力節約)モードで動作しているWUR STAのPCRの場合、DL(ダウンリンク)トラフィックを受信できる、またはUL(アップリンク)トラフィックを送信できるときには、PCRはアウェイク状態にある。DL(ダウンリンク)トラフィックを受信できない、またはUL(アップリンク)トラフィックを送信できないときには、PCRはドーズ状態にある。アクティブモードで動作しているWUR STAのPCRの場合、PCRは常にアウェイク状態にある。
【0017】
本開示によれば、WUR STAのWURは、WURフレームを受信することのできるWURxを備えている。WUR STAのWURxは、2つの状態、すなわちWURxアウェイク(Awake)またはWURxドーズ(Doze)、のいずれかにあることができる。WUR STAのWURxは、WURフレームを受信できるときにはWURxアウェイク状態にある。WUR STAのWURxは、WURフレームを受信できないときにはWURxドーズ状態にある。
【0018】
本開示によれば、WUR STAは、WUR Mode Suspend(WURモードサスペンド)またはWUR Mode(WURモード)で動作することができる。WUR STAがWUR Mode(WURモード)で動作しているときには、WUR STAのWURxは、WUR STAのPCRがドーズ状態にある場合、AP110とWUR STAとの間で交渉されたWURデューティサイクルスケジュールのオン期間の間、WURxアウェイク状態にある。WUR STAが自身のPCRを使用してAP110とのフレーム交換を正常に完了した後(これによってAP110は、WUR STAのPCRがアウェイク状態であることを認識する)、WURxはWURxドーズ状態にあることができる。WUR STAがWUR Mode Suspend(WURモードサスペンド)で動作しているときには、WURxはWURxドーズ状態にあることができる。AP110とWUR STAとの間で交渉されたWURパラメータは、WUR STAおよびAP110によって維持される。
【0019】
図2は、本開示に係る、WUR STAおよびAP110によって実行される、WURモード動作に関連するMAC手順の例を示している。WUR STAがAP110に関連付けられる前には、WUR STAのPCRはアクティブモードにある。STAは、同期手順210を開始し、パッシブスキャニングまたはアクティブスキャニングによってAP110との同期を獲得する。同期手順210においては、アクティブスキャニングが実行される場合、STAは自身のPCRを介してプローブ要求(Probe Request)フレームをAP110に送る。プローブ要求(Probe Request)フレームは、STAのWUR能力をアドバタイズするWUR能力(WUR Capabilities)要素(図3Aを参照)を含む。AP110は、プローブ応答(Probe Response)フレームで応える。プローブ応答(Probe Response)フレームは、AP110のWUR能力をアドバタイズするWUR能力(WUR Capabilities)要素と、すべてのWUR STAに共通であるWURパラメータをアナウンスするWUR動作(WUR Operation)要素(図3Bを参照)とを含む。パッシブスキャニングが実行される場合には、STAは自身のPCRを介してAP110からビーコンフレームを受信する。ビーコンフレームは、AP110のWUR能力をアドバタイズするWUR能力(WUR Capabilities)要素と、すべてのWUR STAに共通であるWURパラメータをアナウンスするWUR動作(WUR Operation)要素とを含む。プローブ要求(Probe Request)フレーム、プローブ応答(Probe Response)フレーム、およびビーコン(Beacon)フレームのフォーマットは、非特許文献1に定義されている。
【0020】
図3Aは、本開示に係る、WUR能力(WUR Capabilities)要素300のフォーマットの例を示している。WUR能力(WUR Capabilities)要素300は、この要素300を送信するWUR STAまたはAP110のWUR能力を示し、サポート帯域(Supported Bands)フィールド302と、PCR遷移遅延(PCR Transition Delay)フィールド304と、非ゼロ長フレーム本体サポート(Nonzero Length Frame Body Support)フィールド306と、サポートグループID(Supported Group IDs)フィールド308とを含む。サポート帯域(Supported Bands)フィールド302は、WURモード動作用にサポートされる帯域を示す。PCR遷移遅延(PCR Transition Delay)フィールド304は、要素300を送信するWUR STAのPCRが、WURウェイクアップ(WUR Wake-up)フレームを受信した後にドーズ状態からアウェイク状態に遷移するまでの遅延を示す。非ゼロ長フレーム本体サポート(Nonzero Length Frame Body Support)フィールド306は、WURフレーム(図11を参照)の非ゼロ長フレーム本体がサポートされるかを示す。サポートグループID(Supported Group IDs)フィールド308は、要素300を送信するWUR STAが格納することのできるグループIDビットマップのサイズを示す。WUR STAが格納することのできるグループIDビットマップのサイズ(すなわちグループIDビットマップ内のビット数)は、AP110によって提供することのできるグループIDの数以下である。例えば、AP110によって64個のグループIDを提供することができる場合、WUR STAが格納することのできるグループIDビットマップのサイズは、8ビット、16ビット、32ビット、または64ビットとすることができる。この場合、サポートグループID(Supported Group IDs)フィールド308は、3ビットのサイズを有することができる。WUR STAが、グループIDに基づくマルチキャストWURウェイクアップ(WUR Wake-up)フレームの受信をサポートしないことを示すには、サポートグループID(Supported Group IDs)フィールド308が0に設定される。WUR STAが8ビット、16ビット、32ビット、および64ビットのグループIDビットマップを格納できることを示すには、サポートグループID(Supported Group IDs)フィールド308がそれぞれ1、2、3、および4に設定される。要素300がAP110によって送信されるときには、サポート帯域(Supported Bands)フィールド302、PCR遷移遅延(PCR Transition Delay)フィールド304、非ゼロ長フレーム本体サポート(Nonzero Length Frame Body Support)フィールド306、およびサポートグループID(Supported Group IDs)フィールド308は予備となる。
【0021】
図3Bは、本開示に係る、WUR動作(WUR Operation)要素350のフォーマットの例を示している。WUR動作(WUR Operation)要素350は、APのBSS内のすべてのWUR STAに共通である、APによって制御されるWURパラメータ、を含む。WUR動作(WUR Operation)要素350は、デューティサイクル周期単位(Duty Cycle Period Unit)フィールド352と、最小オン期間(Minimum On Duration)フィールド354と、WUR動作クラス(WUR Operating Class)フィールド356と、WURビーコン周期(WUR Beacon Period)フィールド360とを含む。デューティサイクル周期単位(Duty Cycle Period Unit)フィールド352は、WURデューティサイクル動作の周期の基本単位を示し、この基本単位は、実施が容易であるように、非特許文献1に定義されている時間単位(1024μs)の倍数である。最小オン期間(Minimum On Duration)フィールド354は、WURデューティサイクルスケジュールのオン期間の最小値を示し、この値は、実施が容易であるように、非特許文献1に定義されている時間単位(1024μs)の倍数である。WUR動作クラス(WUR Operating Class)フィールド356は、AP110から、関連付けられるWUR STAへのWURフレームの送信に使用される動作クラスを示す。WURビーコン周期(WUR Beacon Period)フィールド360は、WURビーコン(WUR Beacon)フレームの周期を示す。
【0022】
WUR STAは、同期手順220によってAP110と同期した後、AP110とのアソシエーション手順220を開始することができる。アソシエーション手順220においては、STAはアソシエーション要求(Association Request)フレームまたは再アソシエーション要求(Reassociation Request)フレームをAP110に送り、これらのフレームは、STAのWUR能力をアドバタイズするWUR能力(WUR Capabilities)要素を含む。AP110は、アソシエーション応答(Association Response)フレームまたは再アソシエーション応答(Reassociation Response)フレームで応え、これらのフレームは、AP110のWUR能力をアドバタイズするWUR能力(WUR Capabilities)要素と、すべてのWUR STAに共通であるWURパラメータをアナウンスするWUR動作(WUR Operation)要素とを含む。アソシエーション要求(Association Request)フレーム、アソシエーション応答(Association Response)フレーム、再アソシエーション要求(Reassociation Request)フレーム、および再アソシエーション応答(Reassociation Response)フレームのフォーマットは、非特許文献1に定義されている。
【0023】
STAは、AP110とのアソシエーション手順220によってAP110に関連付けられた後、自身のPCRの電力管理モードをPS(電力節約)モードに変更するため、電力管理モード変更手順225を開始することができる。電力管理モード変更手順225においては、STAは、電力管理(Power Management)サブフィールドが1に設定されたQoSヌル(QoS Null)フレームを、自身のPCRを介してAP110に送信することができる。AP110はAckフレームで応える。このAckフレームを受信した後、STAのPCRは、PSモードで動作するように遷移する。その後STAは、ユーザに固有なWURパラメータを交渉するため、AP110とのWUR交渉手順230を開始することができる。QoSヌル(QoS Null)フレームおよびAckフレームのフォーマットは、非特許文献1に定義されている。
【0024】
図4は、本開示に係る、WUR交渉手順の例を示している。WUR STAは、WURモードセットアップ(WUR Mode Setup)フレーム410(図5を参照)を自身のPCRを介してAP110に送信する。WURモードセットアップ(WUR Mode Setup)フレーム410は、WURモード(WUR Mode)要素(図6を参照)を含み、このときWURモード(WUR Mode)要素のアクションタイプ(Action Type)フィールドが「WURモードサスペンド開始要求(Enter WUR Mode Suspend Request)」(図7を参照)に設定されており、かつWURパラメータ(WUR Parameters)フィールド(図8Aを参照)がSTAにとって好ましいWURパラメータを含む。AP110は、WURモードセットアップ(WUR Mode Setup)フレーム410を正常に受信した時点でAckフレームで応える。その後AP110は、WURモードセットアップ(WUR Mode Setup)フレーム420をSTAに送信する。WURモードセットアップ(WUR Mode Setup)フレーム420は、WURモード(WUR Mode)要素(図6)を含み、このときWURモード(WUR Mode)要素のアクションタイプ(Action Type)フィールドが「WURモードサスペンド開始応答(Enter WUR Mode Suspend Response)」に設定されており、かつWURモード応答ステータス(WUR Mode Response Status)フィールドが「承諾(Accept)」または「拒否(Denied)」に設定されている。WURモードセットアップ(WUR Mode Setup)フレーム420の中のWURモード(WUR Mode)要素のWURモード応答ステータス(WUR Mode Response Status)フィールドが「承諾(Accept)」に設定される場合、同じWURモード(WUR Mode)要素のWURパラメータ(WUR Parameters)フィールド(図8Bを参照)は、AP110によって決定されるWURパラメータを含む。WURモード応答ステータス(WUR Mode Response Status)フィールドが「拒否(Denied)」に設定される場合、WURパラメータ(WUR Parameters)フィールドは存在しない。STAは、WURモードセットアップ(WUR Mode Setup)フレーム420を正常に受信した時点で、自身のPCRを介してAckフレームで応える。
【0025】
WUR交渉手順230が正常に完了する(すなわちWURモードセットアップ(WUR Mode Setup)フレーム420内のWURモード(WUR Mode)要素のWURモード応答ステータス(WUR Mode Response Status)フィールドが「承諾(Accept)」に設定されている)場合、WUR STAはWURモードサスペンド(WUR Mode Suspend)に入る。次にWUR STAは、よりいっそう電力が節約されるようにWURモードサスペンドからWURモードに切り替えるために、AP110とのWURモード開始手順240を開始することができる。図9は、本開示に係る、WURモード開始手順240の例を示している。WUR STAは、WURモードセットアップ(WUR Mode Setup)フレームを自身のPCRを介してAP110に送信する。WURモードセットアップ(WUR Mode Setup)フレームは、WURモード(WUR Mode)要素を含み、このときWURモード(WUR Mode)要素のアクションタイプ(Action Type)フィールドが「WURモード開始(Enter WUR Mode)」に設定されており、かつWURパラメータ(WUR Parameters)フィールドが存在しない。AP110は、WURモードセットアップ(WUR Mode Setup)フレームを正常に受信した時点でAckフレームで応える。STAは、Ackフレームを受信した後、WUR交渉手順230においてAP110とSTAとの間で交渉されたWURパラメータに従って、WURモードで動作する。さらに詳しくは、WURモードで動作しているSTAのWURxは、STAのPCRがドーズ状態にある場合、AP110とSTAとの間で交渉されたデューティサイクルスケジュールに従う。
【0026】
あるいはSTAは、WURモードに入ることを求めるために、個別のWUR交渉手順230およびWURモード開始手順240の代わりに、統合されたWUR交渉およびWURモード開始手順をAP110と開始することができる。統合されたWUR交渉およびWURモード開始手順においては、STAは、WURモードセットアップ(WUR Mode Setup)フレームを自身のPCRを介してAP110に送信する。このWURモードセットアップ(WUR Mode Setup)フレームは、WURモード(WUR Mode)要素を含み、このときWURモード(WUR Mode)要素のアクションタイプ(Action Type)フィールドが「WURモード開始要求(Enter WUR Mode Request)」に設定されており、かつWURパラメータ(WUR Parameters)フィールドが、STAにとって好ましいWURパラメータを含む。AP110は、このWURモードセットアップ(WUR Mode Setup)フレームを正常に受信した時点でAckフレームで応える。その後AP110は、WURモードセットアップ(WUR Mode Setup)フレームをSTAに送信する。このWURモードセットアップ(WUR Mode Setup)フレームは、WURモード(WUR Mode)要素を含み、このときWURモード(WUR Mode)要素のアクションタイプ(Action Type)フィールドが「WURモード開始応答(Enter WUR Mode Response)」に設定されており、かつWURモード応答ステータス(WUR Mode Response Status)フィールドが「承諾(Accept)」または「拒否(Denied)」に設定されている。WURモード応答ステータス(WUR Mode Response Status)フィールドが「承諾(Accept)」に設定される場合、WURパラメータ(WUR Parameters)フィールドは、AP110によって決定されるWURパラメータを含む。WURモード応答ステータス(WUR Mode Response Status)フィールドが「拒否(Denied)」に設定される場合、WURパラメータ(WUR Parameters)フィールドは存在しない。STAは、このWURモードセットアップ(WUR Mode Setup)フレームを正常に受信した時点で、自身のPCRを介してAckフレームで応える。
【0027】
本開示によれば、WURモードで動作しているWUR STAのPCRがドーズ状態にある場合、STAのWURxがWURウェイクアップ(WUR Wake-up)フレームをAP110から受信すると、図2に示したようにSTAのPCRがアウェイク状態に遷移し、AP110とのダウンリンクデータ送信および確認応答手順(a DL data transmission and acknowledgement procedure)250を開始する。このダウンリンクデータ送信および確認応答手順250においては、WUR STAは、バッファリングされているトラフィックを取得し、またWURウェイクアップ(WUR Wake-up)フレームを正常に受信したことを確認応答するために、PSポーリング(PS-Poll)フレームを自身のPCRを介してAP110に送信することができる。AP110は、このPSポーリング(PS-Poll)フレームに対して、バッファリングされているQoSデータ(QoS Data)フレームで応える、またはAckフレームおよびそれに続く、個別のTXOP(送信機会)における送信キューの先頭のバッファリングされているQoSデータ(QoS Data)フレームで応える。STA宛のバッファリングされているさらなるトラフィックが存在する場合、配信されるQoSデータ(QoS Data)フレーム内のさらなるデータ(More Data)フィールドが1に設定される。そうでない場合、配信されるQoSデータ(QoS Data)フレーム内のさらなるデータ(More Data)フィールドが0に設定される。STAは、QoSデータ(QoS Data)フレームが正常に受信されたことを確認応答するため、自身のPCRを介して確認応答フレームで応える。確認応答フレームは、AckフレームまたはBlockAckフレームのいずれかである。QoSデータ(QoS Data)フレームおよびBlockAckフレームのフォーマットは、非特許文献1に定義されている。
【0028】
本開示によれば、WUR STAは、WURモードを終了(tear down)しようとするとき、AP110とのWURモード終了手順260を開始する。図10は、本開示に係る、WURモード終了手順260の例を示している。STAは、WURモードティアダウン(WUR Mode Teardown)フレーム(図5を参照)を自身のPCRを介してAP110に送信する。AP110は、WURモードティアダウン(WUR Mode Teardown)フレームを正常に受信した時点で、Ackフレームで応える。STAは、Ackフレームを受信した後、WURモードを終了する。
【0029】
(WURモードセットアップ(WUR Mode Setup)フレームまたはWURモードティアダウン(WUR Mode Teardown)フレームのフォーマットの例)
図5は、本開示に係る、WURモードセットアップ(WUR Mode Setup)フレーム500またはWURモードティアダウン(WUR Mode Teardown)フレーム500のフォーマットの例を示している。フレーム500は、フレーム本体(Frame Body)フィールド520を含む。フレーム500はWURアクション(WUR Action)フレームであり、フレーム本体(Frame Body)フィールド520のWURアクション(WUR Action)フィールド522は、フレーム500がWURモードセットアップ(WUR Mode Setup)フレームであるかWURモードティアダウン(WUR Mode Teardown)フレームであるかを示す。フレーム500がWURモードセットアップ(WUR Mode Setup)フレームである場合、フレーム本体(Frame Body)フィールド520はWURモード(WUR Mode)要素524を含むことができる。そうでない場合、WURモード(WUR Mode)要素524は存在しない。
【0030】
図6は、本開示に係る、WURモード(WUR Mode)要素524のフォーマットの例を示している。WURモード(WUR Mode)要素524は、アクションタイプ(Action Type)フィールド602と、WURモード応答ステータス(WUR Mode Response Status)フィールド604とを含む。WURモード(WUR Mode)要素524は、WURパラメータ(WUR Parameters)フィールド606を含むことができる。アクションタイプ(Action Type)フィールド602は、図7に定義されており、WURモード(WUR Mode)要素524を含むWURモードセットアップ(WUR Mode Setup)フレームによって選択されるアクションを示す。WURモード応答ステータス(WUR Mode Response Status)フィールド604は、WURモードサスペンドまたはWURモードに入る要求が承諾されるか拒否されるかを示す。WURパラメータ(WUR Parameters)フィールド606は、WUR STAにとって好ましい、またはAP110によって決定される、ユーザに固有なWURパラメータを含む。
【0031】
図8Aは、本開示に係る、WUR STAによって送信されるWURモード(WUR Mode)要素524のWURパラメータ(WUR Parameters)フィールド606のフォーマットの例を示している。STAによって送信されるWURモード(WUR Mode)要素524のWURパラメータ(WUR Parameters)フィールド606は、オン期間(On Duration)フィールド802およびデューティサイクル周期(Duty Cycle Period)フィールド804を含む。オン期間(On Duration)フィールド802は、各WURデューティサイクルスケジュールの好ましいオン期間(この期間の間、STAのWURxがWURxアウェイク状態にある)を示す。好ましいオン期間は、実施が容易であるように、非特許文献1に定義されている時間単位(1024μs)の倍数であり、AP110から直近に受信されたWUR動作(WUR Operation)要素350の中の最小オン期間(Minimum On Duration)フィールド354によって示される最小オン期間以上である。デューティサイクル周期(Duty Cycle Period)フィールド804は、2つの連続するWURデューティサイクルスケジュールの開始時刻の間の好ましい経過時間を示す。デューティサイクル周期(Duty Cycle Period)フィールド804は、AP110から直近に受信されたWUR動作(WUR Operation)要素350の中のデューティサイクル周期単位(Duty Cycle Period Unit)フィールド352によって示される単位に基づく。
【0032】
図8Bは、本開示に係る、AP110によって送信されるWURモード(WUR Mode)要素524のWURパラメータ(WUR Parameters)フィールド606のフォーマットの例を示している。AP110によって送信されるWURモード(WUR Mode)要素524のWURパラメータ(WUR Parameters)フィールド606は、ウェイクアップID(識別子)(Wake-up ID)フィールド810と、デューティサイクル情報(Duty Cycle Information)フィールド820と、WURチャネル(WUR Channel)フィールド830と、グループIDリスト(Group ID List)フィールド840とを含む。ウェイクアップID(Wake-up ID)フィールド810は、対象とするWUR STAにAP110によって割り当てられるウェイクアップIDを示し、ウェイクアップIDは、AP110のBSSの中で、対象とするWUR STAを一意に識別する。
【0033】
デューティサイクル情報(Duty Cycle Information)フィールド820は、開始点(Starting Point)フィールド822と、オン期間(On Duration)フィールド824と、デューティサイクル周期(Duty Cycle Period)フィールド826とを含む。開始点(Starting Point)フィールド822は、対象とするSTAのWURデューティサイクルスケジュールの開始点のTSF(時刻同期機能)時刻を示す。オン期間(On Duration)フィールド824は、各WURデューティサイクルスケジュールの決定されたオン期間(この期間の間、対象とするSTAのWURxがWURxアウェイク状態にある)を示す。決定されるオン期間は、実施が容易であるように、非特許文献1に定義されている時間単位(1024μs)の倍数であり、直近に送信されたWUR動作(WUR Operation)要素350の中の最小オン期間(Minimum On Duration)フィールド354によって示される最小オン期間以上である。デューティサイクル周期(Duty Cycle Period)フィールド826は、2つの連続するWURデューティサイクルスケジュールの開始時刻の間の決定された経過時間を示す。デューティサイクル周期(Duty Cycle Period)フィールド826は、直近に送信されたWUR動作(WUR Operation)要素350の中のデューティサイクル周期単位(Duty Cycle Period Unit)フィールド352によって示される単位に基づく。なお、WURモードで動作しているWUR STAの場合、決定されたオン期間が、決定されたデューティサイクル周期に等しいときには、STAのPCRがドーズ状態にある場合、STAのWURxは常にWURxアウェイク状態にある。
【0034】
WURチャネル(WUR Channel)フィールド830は、AP110から対象とするWUR STAにWURフレームを送信するのに使用されるチャネルを示す。
【0035】
グループIDリスト(Group ID List)フィールド840は、対象とするWUR STAにAP110によって割り当てられるグループIDに関する情報を含む。グループIDは、AP110のBSSの中で、WUR STAのグループを一意に識別する。グループIDリスト(Group ID List)フィールド840のフォーマットについては、後から詳しく説明する。
【0036】
(WURフレームのフォーマットの例)
図11は、本開示に係る、WURフレーム1100のフォーマットの例を示している。WURフレーム1100は、フレーム制御(Frame Control)フィールド1110と、アドレス(Address)フィールド1120と、TD(タイプ依存)制御(TD Control)フィールド1130とを含む。WURフレーム1100は、フレーム本体(Frame Body)フィールド1140を含むことができる。フレーム制御(Frame Control)フィールド1110は、タイプ(Type)サブフィールド1112と、フレーム本体存在(Frame Body Presence)サブフィールド1114と、長さ/別の目的(Length/Misc)サブフィールド1116とを含む。タイプ(Type)サブフィールド1112は、WURフレーム1100のタイプを、図12に定義されているように定義する。特に、フレーム制御(Frame Control)フィールド1110のタイプ(Type)サブフィールド1112が1に設定されているWURフレーム1100は、WURウェイクアップ(WUR Wake-up)フレームである。フレーム本体存在(Frame Body Presence)サブフィールド1114は、WURフレーム1100内にフレーム本体(Frame Body)フィールド1140が存在するかを示す。長さ/別の目的(Length/Misc)サブフィールド1116は、WURフレーム1100内にフレーム本体(Frame Body)フィールド1140が存在する場合には、フレーム本体(Frame Body)フィールド1140の長さを含み、そうでない場合には、別の目的に使用されることが予測されるビットを含む。
【0037】
アドレス(Address)フィールド1120は、WURフレーム1100の識別子を含む。アドレス(Address)フィールド1120に含まれる識別子は、WURフレーム1100のタイプに依存する。具体的には、アドレス(Address)フィールド1120は、図13に定義されているように、WURフレーム1100がユニキャスト(すなわち個別にアドレッシングされる)WURウェイクアップ(WUR Wake-up)フレームであるときには、対象とするWUR STAのウェイクアップIDを含み、WURフレーム1100がマルチキャスト(すなわちグループアドレスを宛先とする)WURウェイクアップ(WUR Wake-up)フレームであるときには、対象とするWUR STAグループのグループIDを含み、WURフレーム1100がブロードキャストWURウェイクアップ(WUR Wake-up)フレームまたはWURビーコン(WUR Beacon)フレームであるときには、送信IDを含む。ウェイクアップID、グループID、および送信IDのそれぞれは、12ビットのサイズを有する。12ビットのTD(タイプ依存)制御(TD Control)フィールド1130は、WURフレーム1100のタイプに依存する制御情報を含む。例えば、WURフレーム1100がWURビーコン(WUR Beacon)フレームである場合、TD制御(TD Control)フィールド1130は部分TSF(partial TSF)を含む。
【0038】
本開示によれば、アドレス(Address)フィールド1120が第1の特殊ID(例:0x000)に設定されたWURウェイクアップ(WUR Wake-up)フレーム1100は、2つ以上のウェイクアップIDを含むフレーム本体(Frame Body)フィールド1140を有する。この場合、このWURウェイクアップ(WUR Wake-up)フレーム1100は、2つ以上のWUR STAをウェイクアップさせるために使用される。第1の特殊IDは、固定されている、または識別子の空間内でAP110によってランダムに選択される。第1の特殊IDが識別子の空間内でAP110によってランダムに選択される場合、このIDを、WUR動作(WUR Operation)要素350内の第1の特殊ID(First Special ID)フィールド364において示すことができる。結果として、隣り合うAPのBSS内の第1の特殊ID間の衝突を最小にすることができる。
【0039】
本開示によれば、アドレス(Address)フィールド1120が第2の特殊IDに設定されたWURウェイクアップ(WUR Wake-up)フレーム1100は、AP110がグループアドレスを宛先とするフレームを送信することを示すために使用される。第2の特殊IDは、固定されている、または識別子の空間内でAP110によってランダムに選択される。第2の特殊IDが識別子の空間内でAP110によってランダムに選択される場合、このIDを、WUR動作(WUR Operation)要素350内の第2の特殊ID(Second Special ID)フィールド366において示すことができる。結果として、隣り合うAPのBSS内の第2の特殊ID間の衝突を最小にすることができる。
【0040】
本開示によれば、関連付けられるWUR STAにAP110によって割り当てられるウェイクアップID、関連付けられるWUR STAにAP110によって割り当てられるグループID、第1の特殊ID、第2の特殊ID、およびAP110の送信IDは、異なる。結果としてWUR STAは、自身が、受信されたWURウェイクアップ(WUR Wake-up)フレームの対象とする受信者であるかを、図13に示したようにこのフレームのアドレス(Address)フィールドに基づいて識別することができる。
【0041】
本開示によれば、グループIDの値の範囲は、識別子の空間から得られる連続的な値のサブセットである。グループIDの値の範囲は、複数の異なるAPのBSSにおけるグループIDの値の範囲が異なるように設定可能である。結果として、複数の異なるAPによって同じグループIDが割り当てられる確率が最小になり、このことは、WUR STAがマルチキャストWURウェイクアップ(WUR Wake-up)フレームをアドレス(Address)フィールドを使用して正しくフィルタリングするうえで有用である。
【0042】
図14Aは、本開示に係る、識別子の空間の例を示している。この識別子の空間は、4096個の識別子を含む。この例では、第1の特殊IDが0であり、第2の特殊IDが1536であり、AP110の送信IDが288である。特定のWUR STAにAP110によって割り当てられるウェイクアップIDは、1~255、289~1535、および1537~4095の値範囲から、ランダムに選択することができる。WUR STAの特定のグループにAP110によって割り当てられるグループIDは、32個の連続的な識別子を含む256~287の値範囲から、ランダムに選択することができる。この例では、AP110によって提供することのできるグループIDの数は、32である。
【0043】
本開示によれば、WUR STAは、WURウェイクアップ(WUR Wake-up)フレームを含むWUR PPDUを受信すると、最初にWURウェイクアップ(WUR Wake-up)フレームのアドレス(Address)フィールドを復号してフレームフィルタリング手順を実行することができる。
【0044】
図14Bは、本開示に係る、フレームフィルタリング手順1400の例を示している。この手順1400は、ステップ1402から始まる。ステップ1404において、STAは、受信したWURウェイクアップ(WUR Wake-up)フレームのアドレス(Address)フィールドに含まれている識別子が、自身に割り当てられているウェイクアップID、自身に割り当てられているグループIDのいずれか、第1の特殊ID、またはAP110の送信IDに一致するかを判定する。受信したWURウェイクアップ(WUR Wake-up)フレームのアドレス(Address)フィールドに含まれている識別子が、自身に割り当てられているウェイクアップID、自身に割り当てられているグループIDのいずれか、第1の特殊ID、またはAP110の送信IDに一致する場合、手順1400はステップ1410に進む。そうでない場合、ステップ1406において、STAは、受信したWURウェイクアップ(WUR Wake-up)フレームのアドレス(Address)フィールドに含まれている識別子が、第2の特殊IDに一致するかを判定する。受信したWURウェイクアップ(WUR Wake-up)フレームのアドレス(Address)フィールドに含まれている識別子が、第2の特殊IDに一致しない場合、手順1400はステップ1412に進む。そうでない場合、ステップ1408において、STAは、グループアドレスを宛先とするフレームを自身が受信するかを決定する。グループアドレスを宛先とするフレームを受信する場合、ステップ1410において、STAは、受信したWURウェイクアップ(WUR Wake-up)フレームのアドレス(Address)フィールドに続くフィールドを復号する。そうでない場合、ステップ1412において、STAは、受信したWURウェイクアップ(WUR Wake-up)フレームを破棄する。手順1400はステップ1420において終了する。
【0045】
本開示によれば、WUR STAがWURウェイクアップ(WUR Wake-up)フレームを含むWUR PPDUを受信したときに、図14Bに示したようにフレームフィルタリング手順1400を実行することによって、STAは、WURウェイクアップ(WUR Wake-up)フレームのアドレス(Address)フィールドに続くフィールドを復号しないように決定することもでき、したがってSTAの電力消費量を低減することができる。
【0046】
本開示によれば、WUR STAにAP110によって割り当てられるウェイクアップIDは、AP110とSTAとの間のWUR交渉手順(図2および図4を参照)時にAP110によって送信されるWURモード(WUR Mode)要素524内のWURパラメータ(WUR Parameters)フィールド606のウェイクアップID(Wake-up ID)フィールド810(図8Bを参照)において示される。
【0047】
本開示によれば、AP110の送信IDは、AP110のBSSID(基本サービスセット識別子)からアルゴリズムによって得られる。結果として、隣り合うAPの送信ID間の衝突を最小にすることができる。
【0048】
本開示によれば、WUR STAにAP110によって割り当てられるグループIDに関する情報は、AP110とSTAとの間のWUR交渉手順時にAP110によって送信されるWURモード(WUR Mode)要素524の中のWURパラメータ(WUR Parameters)フィールド606のグループIDリスト(Group ID List)フィールド840に示される。
【0049】
(グループIDの割当て)
(第1の実施形態)
図15は、本開示の第1の実施形態に係る、AP110によって送信されるWURモード(WUR Mode)要素524内のWURパラメータ(WUR Parameters)フィールド606のグループIDリスト(Group ID List)フィールド840のフォーマットの例を示している。このグループIDリスト(Group ID List)フィールド840は、グループ数(Number of Groups)フィールド1502およびグループIDタプル(Group ID Tuples)フィールド1504を含む。グループ数(Number of Groups)フィールド1502は、対象とするWUR STAが属すグループの数を示す。対象とするWUR STAが、グループIDに基づくマルチキャストWURウェイクアップ(WUR Wake-up)フレームの受信をサポートしていない場合、グループ数(Number of Groups)フィールド1502は0に設定される。グループIDタプル(Group ID Tuples)フィールド1504は、対象とするWUR STAが属すグループそれぞれのグループIDを含む。
【0050】
以下の例を考える。
- グループIDの値の範囲は256~287である(すなわちAP110によって提供することのできる最小グループIDが256であり、AP110によって提供することのできるグループIDの数が32である)。
- AP110によってWUR STAに割り当てられる6個のグループID: 257,261,266,268,270,287
本開示のこの第1の実施形態によれば、グループID数(Number of Group IDs)フィールド1502の符号化は0b0110であり、一方でグループIDタプル(Group ID Tuples)フィールド1504の符号化は0x101 105 10A 10C 10E 11Fである。この例では、グループIDリスト(Group ID List)フィールド840のシグナリングオーバーヘッドは、76ビットである。
【0051】
本開示の第1の実施形態によれば、AP110によって送信されたWURモード(WUR Mode)要素524を受信した後、WUR STAは、グループID情報の格納を容易にするため、グループIDリスト(Group ID List)フィールド840を、少なくとも1つのグループIDと、自身が格納することのできるグループIDビットマップのサイズ以下のサイズのグループIDビットマップとに、再編成することができる。この場合、グループID情報を格納するためのメモリ要件を最小にするため、AP110はWUR STAにグループIDを次のように割り当てる、すなわち、割り当てられたすべてのグループIDを、WUR STAが格納することのできるグループIDビットマップと、グループIDビットマップのビット0に対応するグループIDとによって示すことができるように、割り当てることができる。
【0052】
(第2の実施形態)
図16は、本開示の第2の実施形態に係る、AP110によって送信されるWURモード(WUR Mode)要素524の中のWURパラメータ(WUR Parameters)フィールド606のグループIDリスト(Group ID List)フィールド840のフォーマットの例を示している。このグループIDリスト(Group ID List)フィールド840は、最小グループID(Smallest Group ID)フィールド1602およびグループIDビットマップ(Group ID Bitmap)フィールド1604を含む。最小グループID(Smallest Group ID)フィールド1602は、AP110によって提供することのできる最小のグループIDを示す。グループIDビットマップ(Group ID Bitmap)フィールド1604は、最小グループID(Smallest Group ID)フィールド1602との組合せにおいて、対象とするWUR STAにAP110によって割り当てられるグループIDを示す。グループIDビットマップ(Group ID Bitmap)フィールド1604のサイズは、AP110によって提供することのできるグループIDの数(例:32)と同じである。グループIDビットマップ(Group ID Bitmap)フィールド1604は、最下位ビット(LSB:Least Significant Bit)(すなわちビット0)から始まる。対象とするWUR STAにAP110によって割り当てられるグループIDは、最小グループID(Smallest Group ID)フィールド1602に示される最小グループIDと、グループIDビットマップ(Group ID Bitmap)フィールド1604内のビットが1に設定されているビット位置との合計に等しい。対象とするWUR STAが、グループIDに基づくマルチキャストWURウェイクアップ(WUR Wake-up)フレームの受信をサポートしない場合、グループIDビットマップ(Group ID Bitmap)フィールド1604はすべて0に設定される。
【0053】
以下の例を考える。
- グループIDの値の範囲は256~287である(すなわちAP110によって提供することのできる最小グループIDが256であり、AP110によって提供することのできるグループIDの数が32である)。
- AP110によってWUR STAに割り当てられる6個のグループID: 257,261,266,268,270,287
【0054】
本開示のこの第2の実施形態によれば、最小グループID(Smallest Group ID)フィールド1602の符号化は0x100であり、グループIDビットマップ(Group ID Bitmap)フィールド1604の符号化は0x80005422である。この例では、グループIDリスト(Group ID List)フィールド840のシグナリングオーバーヘッドは、44ビットである。このため第2の実施形態では、シグナリングオーバーヘッドが第1の実施形態より少なくなりうる。
【0055】
本開示のこの第2の実施形態によれば、これに代えて、AP110によって提供することのできる最小グループIDを、WUR動作(WUR Operation)要素350内の最小グループID(Smallest Group ID)フィールド362において示すことができ、なぜならAP110によって提供することのできる最小グループIDは、すべてのWUR STAに共通のWURパラメータであるためである。この場合、対象とするWUR STAにAP110によって割り当てられるグループIDは、直近に受信されたWUR動作(WUR Operation)要素350内の最小グループID(Smallest Group ID)フィールド362と、グループIDビットマップ(Group ID Bitmap)フィールド1604内のビットが1に設定されているビット位置との合計に等しい。
【0056】
本開示のこの第2の実施形態によれば、対象とするWUR STAが格納することのできるグループIDビットマップのサイズが、AP110によって提供することのできるグループIDの数より小さい場合、WUR STAは、受信されたWURモード(WUR Mode)要素524の中のグループIDビットマップ(Group ID Bitmap)フィールド1604に含まれているグループIDビットマップを直接格納することができない。結果として、WUR STAは、AP110によって送信されたWURモード(WUR Mode)要素524を受信した後、グループID情報を容易に格納できるように、グループIDリスト(Group ID List)フィールド840を、少なくとも1つのグループIDと、自身が格納することのできるグループIDビットマップのサイズ以下のサイズのグループIDビットマップとに、再編成することができる。この場合、グループID情報を格納するためのメモリ要件を最小にするため、AP110はWUR STAにグループIDを次のように割り当てる、すなわち、割り当てられたすべてのグループIDを、WUR STAが格納することのできるグループIDビットマップと、グループIDビットマップのビット0に対応するグループIDとによって示すことができるように、割り当てることができる。
【0057】
(第3の実施形態)
図17は、本開示の第3の実施形態に係る、AP110によって送信されるWURモード(WUR Mode)要素524内のWURパラメータ(WUR Parameters)フィールド606のグループIDリスト(Group ID List)フィールド840のフォーマットの例を示している。このグループIDリスト(Group ID List)フィールド840は、グループID数(Number of Group IDs)フィールド1702と、グループIDタプル(Group ID Tuples)フィールド1704と、グループIDビットマップサイズ(Group ID Bitmap Size)フィールド1706と、ビットマップ先頭グループID(Group ID Bitmap Start)フィールド1708と、グループIDビットマップ(Group ID Bitmap)フィールド1710とを含む。グループID数(Number of Group IDs)フィールド1702は、対象とするWUR STAにAP110によって割り当てられておりかつグループIDタプル(Group ID Tuples)フィールド1704に含まれているグループIDの数を示す。グループIDビットマップサイズ(Group ID Bitmap Size)フィールド1706は、グループIDビットマップ(Group ID Bitmap)フィールド1710のサイズを示す。AP110によって提供することのできるグループIDの数が64である場合、グループIDビットマップサイズ(Group ID Bitmap Size)フィールド1706は3ビットのサイズを有することができる。この場合、グループIDビットマップサイズ(Group ID Bitmap Size)フィールド1706が0に設定されていると、ビットマップ先頭グループID(Group ID Bitmap Start)フィールド1708およびグループIDビットマップ(Group ID Bitmap)フィールド1710が存在しないことを示す。グループIDビットマップサイズ(Group ID Bitmap Size)フィールド1706が1、2、3、または4に設定されていると、グループIDビットマップ(Group ID Bitmap)フィールド1710が8ビット、16ビット、32ビット、または64ビットのビットマップを含むことを示す。ビットマップ先頭グループID(Group ID Bitmap Start)フィールド1708は、グループIDビットマップ(Group ID Bitmap)フィールド1710の最下位ビット(すなわちビット0)に対応するグループIDを示す。ビットマップ先頭グループID(Group ID Bitmap Start)フィールド1708は、グループIDビットマップが、グループIDの値範囲の外側のグループIDを示していないように設定される。グループIDビットマップ(Group ID Bitmap)フィールド1710は、対象とするWUR STAにAP110によって割り当てられる残りのグループIDを示す。対象とするWUR STAにAP110によって割り当てられる残りのグループIDは、ビットマップ先頭グループID(Group ID Bitmap Start)フィールド1708に示されるグループIDと、グループIDビットマップ(Group ID Bitmap)フィールド1710内のビットが1に設定されているビット位置との合計に等しい。グループIDビットマップ(Group ID Bitmap)フィールド1710のサイズは、対象とするWUR STAが格納することのできるグループIDビットマップのサイズ以下である。対象とするWUR STAが、グループIDに基づくマルチキャストWURウェイクアップ(WUR Wake-up)フレームの受信をサポートしない場合、グループID数(Number of Group IDs)フィールド1702およびグループIDビットマップサイズ(Group ID Bitmap Size)フィールド1706の両方が0に設定される。
【0058】
本開示のこの第3の実施形態によれば、WUR STAは、AP110によって送信されたWURモード(WUR Mode)要素524を受信した後、グループIDタプル(Group ID Tuples)フィールド1704、ビットマップ先頭グループID(Group ID Bitmap Start)フィールド1708、およびグループIDビットマップ(Group ID Bitmap)フィールド1710に基づいて、グループID情報を直接格納することができる。この場合、グループID情報を格納するためのメモリ要件を最小にするため、AP110はWUR STAにグループIDを次のように割り当てる、すなわち、割り当てられたすべてのグループIDを、グループIDビットマップ(Group ID Bitmap)フィールド1710に含まれるグループIDビットマップと、ビットマップ先頭グループID(Group ID Bitmap Start)フィールド1708に含まれるグループIDとによって示すことができるように、割り当てることができる。WUR STAは、グループIDリスト(Group ID List)フィールド840を、少なくとも1つのグループIDと、自身が格納することのできるグループIDビットマップのサイズ以下のサイズのグループIDビットマップとに再編成する必要がないため、WUR STAを実施するときの複雑さが低減される。
【0059】
以下の例を考える。
- グループIDの値の範囲は256~287である(すなわちAP110によって提供することのできる最小グループIDが256であり、AP110によって提供することのできるグループIDの数が32である)。
- AP110によってWUR STAに割り当てられる6個のグループID: 257,261,266,268,270,287
- 対象とするWUR STAは、16ビットのグループIDビットマップを格納することができる。
【0060】
本開示のこの第3の実施形態によれば、グループID数(Number of Group IDs)フィールド1702の符号化は0b0001であり、グループIDタプル(Group ID Tuples)フィールド1704の符号化は0x11Fであり、グループIDビットマップサイズ(Group ID Bitmap Size)フィールド1706の符号化は0b010であり、ビットマップ先頭グループID(Group ID Bitmap Start)フィールド1708の符号化は0x101であり、グループIDビットマップ(Group ID Bitmap)フィールド1710の符号化は0x2A11である。この例では、グループIDリスト(Group ID List)フィールド840のシグナリングオーバーヘッドは、47ビットである。グループID情報を格納するのに必要なメモリは、40ビットである。
【0061】
(第4の実施形態)
図18は、本開示の第4の実施形態に係る、AP110によって送信されるWURモード(WUR Mode)要素524の中のWURパラメータ(WUR Parameters)フィールド606のグループIDリスト(Group ID List)フィールド840のフォーマットの例を示している。このグループIDリスト(Group ID List)フィールド840は、グループID数(Number of Group IDs)フィールド1802と、グループIDタプル(Group ID Tuples)フィールド1804と、グループIDビットマップサイズ(Group ID Bitmap Size)フィールド1806と、グループIDビットマップ(Group ID Bitmap)フィールド1810と、最小グループID(Smallest Group ID)フィールド1812とを含む。グループID数(Number of Group IDs)フィールド1802は、対象とするWUR STAにAP110によって割り当てられておりかつグループIDタプル(Group ID Tuples)フィールド1804に含まれているグループIDの数を示す。グループIDビットマップサイズ(Group ID Bitmap Size)フィールド1806は、グループIDビットマップ(Group ID Bitmap)フィールド1810のサイズを示す。AP110によって提供することのできるグループIDの数が64である場合、グループIDビットマップサイズ(Group ID Bitmap Size)フィールド1806は、3ビットのサイズを有することができる。この場合、グループIDビットマップサイズ(Group ID Bitmap Size)フィールド1806が0に設定されていると、ビットマップ先頭グループID(Group ID Bitmap Start)フィールド1808およびグループIDビットマップ(Group ID Bitmap)フィールド1810が存在しない(すなわちWUR STAにAP110によってグループIDが割り当てられない)ことを示す。グループIDビットマップサイズ(Group ID Bitmap Size)フィールド1806が1、2、3、または4に設定されていると、グループIDビットマップ(Group ID Bitmap)フィールド1810が8ビット、16ビット、32ビット、または64ビットのビットマップを含むことを示す。ビットマップ先頭グループID(Group ID Bitmap Start)フィールド1808は、グループIDビットマップ(Group ID Bitmap)フィールド1810の最下位ビット(すなわちビット0)に対応するグループIDを示す。グループIDビットマップ(Group ID Bitmap)フィールド1810は、ビットマップ先頭グループID(Group ID Bitmap Start)フィールド1808との組合せにおいて、対象とするWUR STAにAP110によって割り当てられる残りのグループIDを示す。最小グループID(Smallest Group ID)フィールド1812は、AP110によって提供することのできる最小グループIDを示す。
【0062】
本開示のこの第4の実施形態によれば、対象とするWUR STAが、グループIDに基づくマルチキャストWURウェイクアップ(WUR Wake-up)フレームの受信をサポートしない場合、グループID数(Number of Group IDs)フィールド1802およびグループIDビットマップサイズ(Group ID Bitmap Size)フィールド1806の両方が0に設定される。
【0063】
本開示のこの第4の実施形態によれば、グループIDビットマップ(Group ID Bitmap)フィールド1810内のビットY(Y=0,1,...,L-1、かつLはグループIDビットマップ(Group ID Bitmap)フィールド1810のサイズ)が1に設定されているとき、ビットマップ先頭グループID(Group ID Bitmap Start)フィールド1808に示されるグループIDとYとの合計が、AP110によって提供することのできる最大グループIDより大きい場合、対応するグループIDは、ビットマップ先頭グループID(Group ID Bitmap Start)フィールド1808に示されるグループIDとYの合計から、AP110によって提供することのできるグループIDの数を減じた値に等しい。そうでない場合、対応するグループIDは、ビットマップ先頭グループID(Group ID Bitmap Start)フィールド1808に示されるグループIDとYの合計に等しい。なお、AP110によって提供することのできる最大グループIDは、最小グループID(Smallest Group ID)フィールド1812に示される、AP110によって提供することのできる最小グループIDと、AP110によって提供することのできるグループIDの数との合計から1を減じた値に等しい。
【0064】
本開示のこの第4の実施形態によれば、AP110によって提供することのできる最小グループIDを、WURモード(WUR Mode)要素524内の最小グループID(Smallest Group ID)フィールド1812の代わりに、WUR動作(WUR Operation)要素350内の最小グループID(Smallest Group ID)フィールド362において示すことができ、なぜならAP110によって提供することのできる最小グループIDは、すべてのWUR STAに共通のWURパラメータであるためである。この場合、WUR STAは、AP110によって提供することのできる最小グループIDを、直近に受信したWUR動作(WUR Operation)要素350から認識することができる。
【0065】
本開示のこの第4の実施形態によれば、AP110によって提供することのできる最小グループIDを、WUR動作(WUR Operation)要素350内の最小グループID(Smallest Group ID)フィールド362において、またはWURモード(WUR Mode)要素524内の最小グループID(Smallest Group ID)フィールド1812において示す代わりに、AP110によって提供することのできる最大グループIDを、WUR動作(WUR Operation)要素350において、またはAP110によって送信されるWURモード(WUR Mode)要素524のWURパラメータ(WUR Parameters)フィールド606において示すことができる。最大グループIDがWUR動作(WUR Operation)要素350において示される場合、WUR STAは、AP110によって提供することのできる最大グループIDを、直近に受信されたWUR動作(WUR Operation)要素350から認識することができる。
【0066】
本開示のこの第4の実施形態によれば、WUR STAは、AP110によって送信されたWURモード(WUR Mode)要素524を受信した後、グループIDタプル(Group ID Tuples)フィールド1804、ビットマップ先頭グループID(Group ID Bitmap Start)フィールド1808、およびグループIDビットマップ(Group ID Bitmap)フィールド1810に基づいて、グループID情報を直接格納することができる。この場合、グループID情報を格納するためのメモリ要件を最小にするため、AP110はWUR STAにグループIDを次のように割り当てる、すなわち、割り当てられたすべてのグループIDを、グループIDビットマップ(Group ID Bitmap)フィールド1810に含まれるグループIDビットマップと、ビットマップ先頭グループID(Group ID Bitmap Start)フィールド1808に含まれるグループIDとによって示すことができるように、割り当てることができる。WUR STAがグループIDリスト(Group ID List)フィールド840を、少なくとも1つのグループIDと、自身が格納することのできるグループIDビットマップのサイズ以下のサイズのグループIDビットマップとに再編成する必要がないため、WUR STAを実施するときの複雑さが低減される。
【0067】
以下の例を考える。
- グループIDの値の範囲は256~287である(すなわちAP110によって提供することのできる最小グループIDが256であり、AP110によって提供することのできるグループIDの数が32である)。
- AP110によってWUR STAに割り当てられる6個のグループID: 257,261,266,268,270,287
- 対象とするWUR STAは、16ビットのグループIDビットマップを格納することができる。
- AP110によって提供することのできる最小グループIDは、WUR動作(WUR Operation)要素350において示される。
【0068】
本開示のこの第4の実施形態によれば、グループID数(Number of Group IDs)フィールド1802の符号化は0b0000であり、グループIDビットマップサイズ(Group ID Bitmap Size)フィールド1806の符号化は0b010であり、ビットマップ先頭グループID(Group ID Bitmap Start)フィールド1808の符号化は0x11Fであり、グループIDビットマップ(Group ID Bitmap)フィールド1810の符号化は0xA845である。この例では、グループIDリスト(Group ID List)フィールド840のシグナリングオーバーヘッドは、35ビットである。グループID情報を格納するのに必要なメモリは、28ビットである。このため第4の実施形態では、シグナリングオーバーヘッドが第3の実施形態より少なくなりうる。さらに第4の実施形態では、グループID情報を格納するためのメモリ要件が第3の実施形態より少なくなりうる。
【0069】
(第5の実施形態)
本開示の第5の実施形態によれば、WUR STAによって送信されるWUR能力(WUR Capabilities)要素300の、サポートグループID(Supported Group IDs)フィールド308が、ゼロ以外の値に設定され、WUR STAは少なくとも1つのWUR STAグループに属し、グループIDは、以下の少なくとも1つが満たされるように、AP110によってWUR STAに割り当てられる。
- AP110によってWUR STAに割り当てられる最大のグループIDから、AP110によってWUR STAに割り当てられる最小のグループIDを減じた値が、WUR STAが格納することのできるグループIDビットマップのサイズより小さい。
- 第1の数と第2の数の合計が、WUR STAが格納することのできるグループIDビットマップのサイズから1を減じた値より小さい。この場合、第1の数は、AP110によってWUR STAに割り当てられる第1のグループIDから、AP110によって提供することのできる最小グループIDを減じることによって導かれ、第2の数は、AP110によって提供することのできる最大グループIDから、AP110によってWUR STAに割り当てられる第2のグループIDを減じることによって導かれる。第1のグループIDは第2のグループIDより小さく、第1のグループIDと第2のグループIDの間にはAP110によってWUR STAにグループIDが割り当てられない。第1のグループIDは、AP110によってWUR STAに割り当てられる、グループIDの値範囲の下半分の中で最大のグループIDとすることができる。第2のグループIDは、AP110によって割り当てられる、グループIDの値範囲の上半分の中で最小のグループIDとすることができる。
【0070】
このようにすることにより、AP110によってWUR STAに割り当てられるグループIDを、WUR STAが格納することのできるグループIDビットマップと、このグループIDビットマップのビット0に対応するグループIDとにおいて示すことができる。結果として、グループID情報を格納するために必要なWUR STAのメモリが最小になる。
【0071】
図19は、本開示の第5の実施形態に係る、AP110によって送信されるWURモード(WUR Mode)要素524内のWURパラメータ(WUR Parameters)フィールド606のグループIDリスト(Group ID List)フィールド840のフォーマットの例を示している。このグループIDリスト(Group ID List)フィールド840は、グループIDビットマップサイズ(Group ID Bitmap Size)フィールド1906と、ビットマップ先頭グループID(Group ID Bitmap Start)フィールド1908と、グループIDビットマップ(Group ID Bitmap)フィールド1910と、最小グループID(Smallest Group ID)フィールド1912とを含む。グループIDビットマップサイズ(Group ID Bitmap Size)フィールド1906は、グループIDビットマップ(Group ID Bitmap)フィールド1910のサイズを示す。AP110によって提供することのできるグループIDの数が64である場合、グループIDビットマップサイズ(Group ID Bitmap Size)フィールド1906は、3ビットのサイズを有することができる。この場合にグループIDビットマップサイズ(Group ID Bitmap Size)フィールド1906が0に設定されていると、ビットマップ先頭グループID(Group ID Bitmap Start)フィールド1908およびグループIDビットマップ(Group ID Bitmap)フィールド1910が存在しない(すなわちAP110によってWUR STAにグループIDが割り当てられない)ことを示す。グループIDビットマップサイズ(Group ID Bitmap Size)フィールド1906が1、2、3、または4に設定されていると、グループIDビットマップ(Group ID Bitmap)フィールド1910が、8ビット、16ビット、32ビット、または64ビットのビットマップを含むことを示す。ビットマップ先頭グループID(Group ID Bitmap Start)フィールド1908は、グループIDビットマップ(Group ID Bitmap)フィールド1910の最下位ビット(すなわちビット0)に対応するグループIDを示す。グループIDビットマップ(Group ID Bitmap)フィールド1910は、ビットマップ先頭グループID(Group ID Bitmap Start)フィールド1908との組合せにおいて、AP110によってWUR STAに割り当てられるグループIDを示す。最小グループID(Smallest Group ID)フィールド1812は、AP110によって提供することのできる最小グループIDを示す。
【0072】
本開示のこの第5の実施形態によれば、対象とするWUR STAが、グループIDに基づくマルチキャストWURウェイクアップ(WUR Wake-up)フレームの受信をサポートしない場合、グループIDビットマップサイズ(Group ID Bitmap Size)フィールド1906は0に設定される。
【0073】
本開示のこの第5の実施形態によれば、グループIDビットマップ(Group ID Bitmap)フィールド1910内のビットY(Y=0,1,...,L-1、かつLはグループIDビットマップ(Group ID Bitmap)フィールド1910のサイズ)が1に設定されているとき、ビットマップ先頭グループID(Group ID Bitmap Start)フィールド1908に示されるグループIDとYとの合計が、AP110によって提供することのできる最大グループIDより大きい場合、対応するグループIDは、ビットマップ先頭グループID(Group ID Bitmap Start)フィールド1908に示されるグループIDとYの合計から、AP110によって提供することのできるグループIDの数を減じた値に等しい。そうでない場合、対応するグループIDは、ビットマップ先頭グループID(Group ID Bitmap Start)フィールド1908に示されるグループIDとYとの合計に等しい。なお、AP110によって提供することのできる最大グループIDは、AP110によって提供することのできる最小グループIDと、AP110によって提供することのできるグループIDの数の合計から1を減じた値に等しい。
【0074】
本開示のこの第5の実施形態によれば、AP110によって提供することのできる最小グループIDを、WURモード(WUR Mode)要素524の中の最小グループID(Smallest Group ID)フィールド1912の代わりに、WUR動作(WUR Operation)要素350の中の最小グループID(Smallest Group ID)フィールド362において示すことができ、なぜならAP110によって提供することのできる最小グループIDは、すべてのWUR STAに共通のWURパラメータであるためである。この場合、WUR STAは、AP110によって提供することのできる最小グループIDを、直近に受信されたWUR動作(WUR Operation)要素350から認識することができる。
【0075】
本開示のこの第5の実施形態によれば、AP110によって提供することのできる最小グループIDを、WUR動作(WUR Operation)要素350内の最小グループID(Smallest Group ID)フィールド362またはWURモード(WUR Mode)要素524内の最小グループID(Smallest Group ID)フィールド1912において示す代わりに、AP110によって提供することのできる最大グループIDを、AP110によって送信されるWUR動作(WUR Operation)要素350の中で、またはWURモード(WUR Mode)要素524内のWURパラメータ(WUR Parameters)フィールド606において示すことができる。最大グループIDがWUR動作(WUR Operation)要素350において示される場合、WUR STAは、AP110によって提供することのできる最大グループIDを、直近に受信されたWUR動作(WUR Operation)要素350から認識することができる。
【0076】
本開示のこの第5の実施形態によれば、WUR STAは、AP110によって送信されたWURモード(WUR Mode)要素524を受信した後、ビットマップ先頭グループID(Group ID Bitmap Start)フィールド1908およびグループIDビットマップ(Group ID Bitmap)フィールド1910に基づいて、グループID情報を直接格納することができる。第4の実施形態と比較して、グループID情報を格納するためのメモリ要件を低減することができる。
【0077】
以下の例を考える。
- グループIDの値の範囲は256~287である(すなわちAP110によって提供することのできる最小グループIDが256であり、AP110によって提供することのできるグループIDの数が32である)。
- AP110によってWUR STAに割り当てられる6個のグループID: 257,261,266,268,270,287
- 対象とするWUR STAは、16ビットのグループIDビットマップを格納することができる。
- AP110によって提供することのできる最小グループIDは、WUR動作(WUR Operation)要素350において示される。
【0078】
なおこの例では、WUR STAに割り当てられる最小のグループIDと最大のグループIDの差は30であり、これはWUR STAが格納することのできるグループIDビットマップのサイズより大きい。しかしながら、WUR STAに割り当てられる最小のグループIDと、AP110によって提供することのできる最小グループIDとの差と、WUR STAに割り当てられる最大のグループIDと、AP110によって提供することのできる最大グループIDとの差、の合計は1であり、これはWUR STAが格納することのできるグループIDビットマップのサイズより小さい。本開示のこの第5の実施形態によれば、グループIDビットマップサイズ(Group ID Bitmap Size)フィールド1906の符号化は0b010であり、ビットマップ先頭グループID(Group ID Bitmap Start)フィールド1908の符号化は0x11Fであり、グループIDビットマップ(Group ID Bitmap)フィールド1910の符号化は0xA845である。この例では、グループIDリスト(Group ID List)フィールド840のシグナリングオーバーヘッドは31ビットである。グループID情報を格納するのに必要なメモリは28ビットである。したがってこの第5の実施形態では、シグナリングオーバーヘッドが第4の実施形態より小さくなる。
【0079】
(第6の実施形態)
本開示の第6の実施形態によれば、WUR STAによって送信されるWUR能力(WUR Capabilities)要素300の、サポートグループID(Supported Group IDs)フィールド308が0に設定される場合、AP110によって送信されるWURモード(WUR Mode)要素524の中のWURパラメータ(WUR Parameters)フィールド606内にグループIDリスト(Group ID List)フィールド840が存在しない。結果として、グループIDに基づくマルチキャストWURウェイクアップ(WUR Wake-up)フレームの受信をサポートしないWUR STAの場合、グループIDリスト(Group ID List)フィールド840のシグナリングオーバーヘッドが排除される。
【0080】
本開示に係る第6の実施形態によれば、WUR STAによって送信されるWUR能力(WUR Capabilities)要素300の、サポートグループID(Supported Group IDs)フィールド308がゼロ以外の値に設定されているが、WUR STAが、WUR STAのいずれのグループにも属していない場合、AP110によって送信されるWURモード(WUR Mode)要素524の中のWURパラメータ(WUR Parameters)フィールド606内にグループIDリスト(Group ID List)フィールド840が存在しない。結果として、グループIDに基づくマルチキャストWURウェイクアップ(WUR Wake-up)フレームの受信をサポートするがWUR STAのいずれのグループにも属さないWUR STAの場合、グループIDリスト(Group ID List)フィールド840のシグナリングオーバーヘッドが排除される。
【0081】
本開示のこの第6の実施形態によれば、WUR STAによって送信されるWUR能力(WUR Capabilities)要素300の、サポートグループID(Supported Group IDs)フィールド308がゼロ以外の値に設定されており、かつWUR STAが、WUR STAの少なくとも1つのグループに属している場合、AP110によって送信されるWURモード(WUR Mode)要素524の中のWURパラメータ(WUR Parameters)フィールド606内にグループIDリスト(Group ID List)フィールド840が存在する。さらに、グループIDは、以下の少なくとも1つが満たされるように、AP110によってWUR STAに割り当てられる。
- AP110によってWUR STAに割り当てられる最大のグループIDから、AP110によってWUR STAに割り当てられる最小のグループIDを減じた値が、WUR STAが格納することのできるグループIDビットマップのサイズより小さい。
- 第1の数と第2の数の合計が、WUR STAが格納することのできるグループIDビットマップのサイズから1を減じた値より小さい。この場合、第1の数は、AP110によってWUR STAに割り当てられる第1のグループIDから、AP110によって提供することのできる最小グループIDを減じることによって導かれ、第2の数は、AP110によって提供することのできる最大グループIDから、AP110によってWUR STAに割り当てられる第2のグループIDを減じることによって導かれる。第1のグループIDは第2のグループIDより小さく、第1のグループIDと第2のグループIDの間にはAP110によってWUR STAにグループIDが割り当てられない。第1のグループIDは、AP110によってWUR STAに割り当てられる、グループIDの値範囲の下半分の中で最大のグループIDとすることができる。第2のグループIDは、AP110によって割り当てられる、グループIDの値範囲の上半分の中で最小のグループIDとすることができる。
【0082】
このようにすることにより、AP110によってWUR STAに割り当てられるグループIDを、WUR STAが格納することのできるグループIDビットマップと、このグループIDビットマップのビット0に対応するグループIDとにおいて示すことができる。結果として、グループID情報を格納するために必要なWUR STAのメモリが最小になる。
【0083】
図20は、本開示のこの第6の実施形態に係る、AP110によって送信されるWURモード(WUR Mode)要素524の中のWURパラメータ(WUR Parameters)フィールド606のグループIDリスト(Group ID List)フィールド840のフォーマットの例を示している。このグループIDリスト(Group ID List)フィールド840は、ビットマップ先頭グループID(Group ID Bitmap Start)フィールド2008と、グループIDビットマップ(Group ID Bitmap)フィールド2010と、最小グループID(Smallest Group ID)フィールド2012とを含む。ビットマップ先頭グループID(Group ID Bitmap Start)フィールド2008は、グループIDビットマップ(Group ID Bitmap)フィールド2010の最下位ビット(すなわちビット0)に対応するグループIDを示す。グループIDビットマップ(Group ID Bitmap)フィールド2010は、対象とするWUR STAにAP110によって割り当てられるグループIDを示す。グループIDビットマップ(Group ID Bitmap)フィールド2010のサイズは、WUR STAによって送信されるWUR能力(WUR Capabilities)要素300の、サポートグループID(Supported Group IDs)フィールド308に示される、WUR STAが格納することのできるグループIDビットマップのサイズと同じである。例えば、WUR STAが32ビットのグループIDビットマップを格納することができる場合、グループIDビットマップ(Group ID Bitmap)フィールド2010のサイズは32ビットである。最小グループID(Smallest Group ID)フィールド2012は、AP110によって提供することのできる最小グループIDを示す。
【0084】
本開示のこの第6の実施形態によれば、第5の実施形態と比較して、グループIDに基づくマルチキャストWURウェイクアップ(WUR Wake-up)フレームの受信をサポートするWUR STAの場合、グループIDリスト(Group ID List)フィールド840のシグナリングオーバーヘッドが減少する。
【0085】
本開示のこの第6の実施形態によれば、グループIDビットマップ(Group ID Bitmap)フィールド2010内のビットY(Y=0,1,...,L-1、かつLはグループIDビットマップ(Group ID Bitmap)フィールド2010のサイズ)が1に設定されているとき、ビットマップ先頭グループID(Group ID Bitmap Start)フィールド2008に示されるグループIDとYとの合計が、AP110によって提供することのできる最大グループIDより大きい場合、対応するグループIDは、ビットマップ先頭グループID(Group ID Bitmap Start)フィールド2008に示されるグループIDとYの合計から、AP110によって提供することのできるグループIDの数を減じた値に等しい。そうでない場合、対応するグループIDは、ビットマップ先頭グループID(Group ID Bitmap Start)フィールド2008に示されるグループIDとYとの合計に等しい。なお、AP110によって提供することのできる最大グループIDは、AP110によって提供することのできる最小グループIDと、AP110によって提供することのできるグループIDの数の合計から1を減じた値に等しい。
【0086】
本開示のこの第6の実施形態によれば、AP110によって提供することのできる最小グループIDを、WURモード(WUR Mode)要素524の中の最小グループID(Smallest Group ID)フィールド2012の代わりに、WUR動作(WUR Operation)要素350の中の最小グループID(Smallest Group ID)フィールド362において示すことができ、なぜならAP110によって提供することのできる最小グループIDは、すべてのWUR STAに共通のWURパラメータであるためである。この場合にWUR STAは、AP110によって提供することのできる最小グループIDを、直近に受信されたWUR動作(WUR Operation)要素350から認識することができる。
【0087】
本開示のこの第6の実施形態によれば、AP110によって提供することのできる最小グループIDを、WUR動作(WUR Operation)要素350の中の最小グループID(Smallest Group ID)フィールド362において、またはWURモード(WUR Mode)要素524の中の最小グループID(Smallest Group ID)フィールド2012において示す代わりに、AP110によって提供することのできる最大グループIDを、AP110によって送信されるWUR動作(WUR Operation)要素350において、またはWURモード(WUR Mode)要素524のWURパラメータ(WUR Parameters)フィールド606において示すことができる。最大グループIDがWUR動作(WUR Operation)要素350において示される場合、WUR STAは、AP110によって提供することのできる最大グループIDを、直近に受信されたWUR動作(WUR Operation)要素350から認識することができる。
【0088】
本開示のこの第6の実施形態によれば、WUR STAは、AP110によって送信されるWURモード(WUR Mode)要素524を受信した後、グループID情報を、ビットマップ先頭グループID(Group ID Bitmap Start)フィールド2008およびグループIDビットマップ(Group ID Bitmap)フィールド2010に基づいて直接格納することができる。
【0089】
以下の例を考える。
- グループIDの値の範囲は256~287である(すなわちAP110によって提供することのできる最小グループIDが256であり、AP110によって提供することのできるグループIDの数が32である)。
- AP110によってWUR STAに割り当てられる6個のグループID: 257,261,266,268,270,287
- 対象とするWUR STAは、16ビットのグループIDビットマップを格納することができる。
- AP110によって提供することのできる最小グループIDは、WUR動作(WUR Operation)要素350において示される。
【0090】
なおこの例では、WUR STAに割り当てられる最小のグループIDと最大のグループIDの差は30であり、これはWUR STAが格納することのできるグループIDビットマップのサイズより大きい。しかしながら、WUR STAに割り当てられる最小のグループIDと、AP110によって提供することのできる最小グループIDとの差と、WUR STAに割り当てられる最大のグループIDと、AP110によって提供することのできる最大グループIDとの差、の合計は1であり、これはWUR STAが格納することのできるグループIDビットマップのサイズより小さい。本開示のこの第6の実施形態によれば、ビットマップ先頭グループID(Group ID Bitmap Start)フィールド2008の符号化は0x11Fであり、グループIDビットマップ(Group ID Bitmap)フィールド2010の符号化は0xA845である。この例では、グループIDリスト(Group ID List)フィールド840のシグナリングオーバーヘッドは28ビットである。グループID情報を格納するのに必要なメモリは28ビットである。
【0091】
(グループID更新手順)
グループID情報を格納するためのWUR STAのメモリ要件を最小にする目的で、AP110は、グループIDの割当てを最適化するために1つまたは複数のWUR STAグループにグループIDを再割当てする必要が生じうる。例えば、AP110のBSSの中に、グループID=257である第1のWUR STAグループと、グループID=270である第2のWUR STAグループとが存在しており、第1のグループ内のWUR STAおよび第2のグループ内のWUR STAは、16ビットのグループIDビットマップを格納することができる。いま、このAP110のBSSに、8ビットのグループIDビットマップを格納することのできる新しいWUR STAが加わった。AP110は、この新しいWUR STAを第1のグループと第2のグループの両方に属させるように意図している。グループID情報を格納するための新しいWUR STAのメモリ要件を最小にする目的で、AP110は、グループID更新手順を開始して、第1のグループのグループIDと、第2のグループの新しいグループIDの差が8未満であるように、第2のグループのグループIDを変更することができる(例えば第2のグループの新しいグループIDが258に変更される)。このようにすることによって、新しいWUR STAは、グループID情報を格納するのに、1つのグループIDおよび8ビットのグループIDビットマップを格納するのみでよい。
【0092】
図21Aは、本開示に係る、第1のグループID更新手順2100の例を示している。この手順2100はステップ2102から始まる。ステップ2104において、AP110は、WURモードにあるすべてのWUR STAに、ブロードキャストWURウェイクアップ(broadcast WUR Wake-up)フレームを送信する。各STAのWURxによってブロードキャストWURウェイクアップ(broadcast WUR Wake-up)フレームを受信した後、WURモードにある各WUR STAのPCRが、アウェイク状態に遷移する。ステップ2106において、AP110は、すべてのWUR STAに、ブロードキャストアドレスを宛先とする(broadcast addressed)グループID更新(Group ID Update)フレームを送信する。各WUR STAは、自身のPCRによって、ブロードキャストアドレスを宛先とするグループID更新(Group ID Update)フレームを受信した後、更新されたグループID情報を格納する。ステップ2110において手順2100が終了する。
【0093】
図21Bは、本開示に係る、第2のグループID更新手順2150の例を示している。この手順2150はステップ2152から始まる。ステップ2154において、AP110は、WURモードにあるWUR STAのグループに、マルチキャストWURウェイクアップ(WUR Wake-up)フレームを送信する。各STAのWURxによってマルチキャストWURウェイクアップ(WUR Wake-up)フレームを受信した後、グループに属するWURモードにある各WUR STAのPCRが、アウェイク状態に遷移する。ステップ2156において、AP110は、このグループのグループIDを更新するため、ブロードキャストアドレスを宛先とするグループID更新(Group ID Update)フレームを送信する。グループに属す各WUR STAは、自身のPCRによって、ブロードキャストアドレスを宛先とするグループID更新(Group ID Update)フレームを受信した後、グループの、更新されたグループIDを格納する。ステップ2160において手順2150が終了する。
【0094】
図22は、本開示に係る、グループID更新(Group ID Update)フレーム2200のフォーマットの例を示している。グループID更新(Group ID Update)フレーム2200は、WURアクション(WUR Action)フィールド2222が「グループID更新(Group ID Update)」に設定されたWURアクション(WUR Action)フレームである。グループID更新(Group ID Update)フレーム2200のフレーム本体(Frame Body)フィールド2220は、グループIDステータスビットマップ(Group ID Status Bitmap)フィールド2224と、更新されたグループIDタプル(Updated Group ID Tuples)フィールド2226とを含む。グループIDステータスビットマップ(Group ID Status Bitmap)フィールド2224のビットY(Y=0,1,...,L-1、かつLはグループIDステータスビットマップ(Group ID Status Bitmap)フィールド2224のサイズ)が1に設定されているとき、AP110によって提供することのできる最小グループIDとYの合計に等しいグループIDのグループは、新しいグループIDを有する。1に設定されていない場合、Yに対応するグループIDのグループは、グループIDが変更されない。更新されたグループIDタプル(Updated Group ID Tuples)フィールド2226は、1つまたは複数の更新されたグループID(Updated Group ID)サブフィールドを含み、各サブフィールドは、グループIDが変更されたグループの新しいグループIDを含む。
【0095】
(WUR PPDUのフォーマットの例)
図23は、本開示に係る、WUR PPDU 2300のフォーマットの例を示している。WUR PPDU 2300は、レガシープリアンブル2302と、BPSK(二位相偏移変調)マーク(BPSK Mark)フィールド2304と、WUR同期(WUR Sync)フィールド2306と、WURデータ(WUR Data)フィールド2308とを含む。レガシープリアンブル2302およびBPSKマーク(BPSK Mark)フィールド2304は、20MHzの帯域幅で送信され、一方でWUR同期(WUR Sync)フィールド2306およびWURデータ(WUR Data)フィールド2308は、ずっと狭い帯域幅(例:4MHz)で送信される。レガシープリアンブル2302およびBPSKマーク(BPSK Mark)フィールド2304は、チャネルアクセスの不必要な衝突を回避することにおいてサードパーティのSTAを支援する。WUR同期(WUR Sync)フィールド2306は、時刻同期およびパケット検出を実行するためにWURxによって使用されるように意図されている。またWUR同期(WUR Sync)フィールド2306は、WURデータ(WUR Data)フィールド2308のデータレートを示すためにも使用される。WURデータ(WUR Data)フィールド2308は、WURフレーム(例:WURビーコン(WUR Beacon)フレームまたはWURウェイクアップ(WUR Wake-up)フレーム)を含む。
【0096】
(WUR装置の構造)
図24Aは、WUR2400の例の簡単なブロック図である。WUR2400は、図1に示したSTA130におけるWUR134またはSTA140におけるWUR144とすることができる。WUR2400は、受信機2410と、受信信号処理回路2420とを備えている。受信機2410は、WUR信号を受信する役割を担い、受信信号処理回路2420は、受信したWUR信号を処理する役割を担う。
【0097】
図24Bは、WUR2400の例の詳細なブロック図である。WUR2400は、制御回路2430と、WURメモリ2460と、クロック発振器2450によって駆動されるWUR TSFタイマー2440とをさらに備えている。制御回路2430は、一般的なMACプロトコル動作を制御するために使用される。特に、制御回路2430は、受信された部分TSFに従ってWUR TSFタイマー2440を設定するために使用される。WUR2400の受信機2410は、物理層処理回路2412を備えており、物理層処理回路2412は、アンテナを通じて受信されたWUR PPDUをWURフレームに変換する役割を担う。WUR2400の受信信号処理回路2420は、メッセージ処理回路2422を備えており、メッセージ処理回路2422は、受け取ったWURフレームを制御回路2430の制御下で処理し、対応するWURフレーム情報を制御回路2430に渡す役割を担う。例えば、メッセージ処理回路2422は、受け取ったWURビーコン(WUR Beacon)フレームそれぞれから部分TSFを取り出すために使用される。受け取ったWURフレームは、本開示のさまざまな実施形態に従って構成されている。WURメモリ2460は、特にWUR STAがWURモードサスペンドで動作しているときに、WUR2400を含むWUR STA(例:130または140)とAP110との間で交渉されたWURパラメータ(例:グループID情報)を格納する役割を担う。
【0098】
WUR2400は、簡潔さを目的として図24Aおよび図24Bには示していない、多数の別の構成要素を備えていることができる。本開示に最も関連する構成要素のみを示してある。
【0099】
(PCR装置の構造)
図25Aは、標準IEEE 802.11信号を送信および受信することのできるPCR2500の例の簡単なブロック図である。PCR2500は、図1に示したAP110におけるPCR112、STA130におけるPCR132、またはSTA140におけるPCR142とすることができる。特に、AP110におけるPCR112は、WUR信号を送信することもできる。PCR2500は、送信信号生成回路2510と、送受信機2520と、受信信号処理回路2530とを備えている。送信信号生成回路2510は、標準IEEE 802.11信号およびWUR信号(該当する場合)を生成する役割を担い、送受信機2520は、生成された標準IEEE 802.11信号およびWUR信号(該当する場合)を送信する役割と、標準IEEE 802.11信号を受信する役割を担い、受信信号処理回路2530は、受信された標準IEEE 802.11信号を処理する役割を担う。
【0100】
図25Bは、PCR2500の例の詳細なブロック図である。PCR2500は、制御回路2540と、クロック発振器2560によって駆動されるPCR TSFタイマー2550とをさらに備えている。制御回路2540は、一般的なMACプロトコル動作を制御するために使用される。送信信号生成回路2510は、メッセージ生成回路2512を備えており、メッセージ生成回路2512は、本開示のさまざまな実施形態に従って、MACフレーム(例:ビーコン(Beacon)フレーム、プローブ要求/応答(Probe Request/Response)フレーム、アソシエーション要求/応答(Association Request/Response)フレーム、WURアクション(WUR Action)フレーム、WURフレーム)を、制御回路2540の制御下で生成する役割を担う。送受信機2520は、物理層処理回路2522を備えており、物理層処理回路2522は、生成されたMACフレームから、WUR PPDUを含むPPDUを作成し、それらをアンテナを通じて送信する役割と、アンテナを通じて受信されたPPDUからWUR PPDUを取り除いてMACフレームに変換する役割を担う。受信信号処理回路2530は、メッセージ処理回路2532を備えており、メッセージ処理回路2532は、受け取ったMACフレームを制御回路2540の制御下で処理する(例:MACヘッダの解析など)役割と、対応するMAC情報を制御回路2540に渡す役割を担う。
【0101】
本開示によれば、PCR2500は、AP110において使用されるときにはWURメモリ2570をさらに備えており、WURメモリ2570は、特にWUR STAがWURモードサスペンドで動作しているときに、WUR STA(例:130または140)とAP110との間で交渉されたWURパラメータを格納する役割を担う。
【0102】
PCR2500は、簡潔さを目的として図25Aおよび図25Bには示していない、多数の別の構成要素を備えていることができる。本開示に最も関連する構成要素のみを示してある。
【0103】
本開示は、ソフトウェアによって、ハードウェアによって、またはハードウェアと協働するソフトウェアによって、実施することができる。上に記載した各実施形態の説明において使用される各機能ブロックは、その一部または全体を、集積回路などのLSIによって実施することができ、各実施形態の中で説明した各プロセスは、その一部または全体を、同じLSIまたはLSIの組合せによって制御することができる。LSIはチップとして個別に形成することができ、または、機能ブロックの一部またはすべてが含まれるように1個のチップを形成することができる。LSIは、自身に結合されているデータ入出力部を含むことができる。LSIは、本明細書においては、集積度の違いに応じて、IC、システムLSI、スーパーLSI、またはウルトラLSIと称される。しかしながら、集積回路を実施する技術は、LSIに限定されず、専用回路、汎用プロセッサ、または専用プロセッサを使用することによって実現されていてもよい。さらには、LSIの製造後にプログラムすることのできるFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)や、LSI内部に配置されている回路セルの接続および設定を再設定できるリコンフィギャラブルプロセッサを使用してもよい。本開示は、半導体技術または別の派生技術が進歩する結果としてのデジタル処理またはアナログ処理として、実施することができる。
【0104】
半導体技術、または半導体技術から派生する別の技術の進歩の結果として、LSIに代わる回路集積化技術が登場した場合、その将来的な回路集積化技術を使用して機能ブロックを集積化することができる。別の可能性として、バイオテクノロジおよび/またはその他の技術を適用することができる。
【0105】
特願2018-078232(出願日:2018年4月16日)の開示内容(明細書、図面、および要約書を含む)は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【産業上の利用可能性】
【0106】
本開示は、無線ネットワークにおいてWURモードで動作する装置および方法に適用することができる。
【符号の説明】
【0107】
110 AP
130、140 STA
112、132、142、2500 PCR
134、144、2400 WUR
2410 受信機
2412、2522 物理層処理回路
2420、2530 受信信号処理回路
2422、2532 メッセージ処理回路
2430、2540 制御回路
2440 WUR TSFタイマー
2450、2560 クロック発振器
2510 送信信号生成回路
2512 メッセージ生成回路
2520 送受信機
2550 PCR TSFタイマー
2460、2570 WURメモリ
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12
図13
図14A
図14B
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21A
図21B
図22
図23
図24A
図24B
図25A
図25B