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特許7320542シフトレジスタユニット、走査駆動回路及びその駆動方法、並びに表示装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-26
(45)【発行日】2023-08-03
(54)【発明の名称】シフトレジスタユニット、走査駆動回路及びその駆動方法、並びに表示装置
(51)【国際特許分類】
   G11C 19/28 20060101AFI20230727BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20230727BHJP
【FI】
G11C19/28 230
G09G3/20 622E
G09G3/20 611A
G09G3/20 621D
G09G3/20 622D
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2020568419
(86)(22)【出願日】2019-05-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-26
(86)【国際出願番号】 CN2019087443
(87)【国際公開番号】W WO2020119024
(87)【国際公開日】2020-06-18
【審査請求日】2022-05-10
(31)【優先権主張番号】201811520987.4
(32)【優先日】2018-12-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(73)【特許権者】
【識別番号】519385216
【氏名又は名称】北京京▲東▼方技▲術▼▲開▼▲発▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING BOE TECHNOLOGY DEVELOPMENT CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Room 407,Building 1,No.9 Dize Road,BDA,Beijing,100176,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】ソン トゥオ
【審査官】後藤 彰
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0035733(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0022428(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 19/28
G09G 3/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カスケード入力端子と、カスケード出力端子と、走査出力端子とを有するシフトレジスタユニットであって、
入力端子と、前記カスケード出力端子に結合された出力端子と、第1クロック端子と、第2クロック端子とを有する第1シフト回路と、
入力端子と、前記走査出力端子に結合された出力端子と、第1クロック端子と、第2クロック端子とを有する第2シフト回路と、
前記第1シフト回路の入力端子と前記カスケード入力端子との間に結合された入力回路であって、入力クロック端子を有し、前記入力クロック端子の制御下で、前記カスケード入力端子からの入力信号を前記第1シフト回路の入力端子に供給するように構成された入力回路と、
前記第1シフト回路の出力端子と前記第2シフト回路の入力端子との間に結合され、第1制御端子を有する制御回路と、
第2制御端子と前記第2シフト回路の入力端子とにそれぞれ結合されるリセット回路であって、前記第2制御端子の制御下で、前記第2シフト回路の前記入力端子をリセットする、リセット回路と、を含み、
前記制御回路は、前記第1制御端子の信号に基づいて、前記第1シフト回路の出力端子と前記第2シフト回路の入力端子との接続を制御するように構成される、シフトレジスタユニット。
【請求項2】
前記制御回路は、第1トランジスタを含み、
前記第1トランジスタのゲートは前記第1制御端子に結合され、前記第1トランジスタの第1電極は前記第1シフト回路の出力端子に結合され、前記第1トランジスタの第2電極は前記第2シフト回路の入力端子に結合され、
前記第1電極と前記第2電極は、それぞれソース及びドレインの一方である、
請求項1に記載のシフトレジスタユニット。
【請求項3】
前記リセット回路は、第2トランジスタを含み、
前記第2トランジスタのゲートは前記第2制御端子に結合され、前記第2トランジスタの第1電極は第1信号端子に結合され、前記第2トランジスタの第2電極は前記第2シフト回路の入力端子に結合され、
前記第1電極と前記第2電極は、それぞれソース及びドレインの一方である、
請求項に記載のシフトレジスタユニット。
【請求項4】
前記第1シフト回路は、出力サブ回路と、プルダウン制御サブ回路と、プルダウンサブ回路とを含み、
前記出力サブ回路は、プルアップノード、出力ノード、及び前記第1シフト回路の第2クロック端子に結合され、前記プルアップノードの制御下で前記出力ノードと前記第1シフト回路の第2クロック端子とを接続するように構成され、
前記プルアップノードは前記第1シフト回路の入力端子に結合され、前記出力ノードは前記第1シフト回路の出力端子に結合され、
前記プルダウン制御サブ回路は、前記プルアップノード、プルダウンノード、及び前記第1シフト回路の第1クロック端子にそれぞれ結合され、前記プルアップノードの制御下で前記第1シフト回路の第1クロック端子と前記プルダウンノードとを接続し、前記第1シフト回路の第1クロック端子の制御下で前記プルダウンノードをプルアップするように構成され、
前記プルダウンサブ回路は、前記プルダウンノードと、前記プルアップノードと、前記出力ノードと、前記第1シフト回路の第2クロック端子とにそれぞれ結合され、前記プルダウンノードの制御下で前記出力ノードをプルダウンし、前記プルダウンノードと前記第1シフト回路の第2クロック端子との両方の制御下で前記プルアップノードをプルダウンするように構成される、
請求項1~のいずれか1項に記載のシフトレジスタユニット。
【請求項5】
前記出力サブ回路は、第3トランジスタと第1キャパシタとを含み、
前記第3トランジスタのゲートは前記プルアップノードに結合され、前記第3トランジスタの第1電極は前記出力ノードに結合され、前記第3トランジスタの第2電極は前記第2クロック端子に結合され、
前記第1キャパシタの第1電極は前記プルアップノードに結合され、前記第1キャパシタの第2電極は前記出力ノードに結合され、
前記第3トランジスタの第1電極及び第2電極は、それぞれソース又はドレインの一方である、請求項に記載のシフトレジスタユニット。
【請求項6】
前記プルダウン制御サブ回路は、第4トランジスタと第5トランジスタとを含み、
前記第4トランジスタのゲートは前記プルアップノードに結合され、前記第4トランジスタの第1電極は前記第1シフト回路の第1クロック端子に結合され、前記第4トランジスタの第2電極は前記プルダウンノードに結合され、
前記第5トランジスタのゲートは前記第1クロック端子に結合され、前記第5トランジスタの第1電極は前記プルダウンノードに結合され、前記第5トランジスタの第2電極は第2信号端子に結合され、
前記第1電極と前記第2電極は、それぞれソース及びドレインの一方である、
請求項に記載のシフトレジスタユニット。
【請求項7】
前記プルダウンサブ回路は、第6トランジスタと、第7トランジスタと、第8トランジスタと、第2キャパシタとを含み、
前記第6トランジスタのゲートは、前記プルダウンノードに結合され、前記第6トランジスタの第1電極は、第1信号端子に結合され、前記第6トランジスタの第2電極は、前記出力ノードに結合され、
前記第7トランジスタのゲートは、前記プルダウンノードに結合され、前記第7トランジスタの第1電極は、前記第1信号端子に結合され、前記第7トランジスタの第2電極は、前記第8トランジスタの第1電極に結合され、
前記第8トランジスタのゲートは、前記第1シフト回路の第2クロック端子に結合され、前記第8トランジスタの第2電極は、前記プルアップノードに結合され
前記第2キャパシタの第1電極は、前記第1信号端子に結合され、前記第2キャパシタの第2電極は、前記プルダウンノードに結合され、
前記第6トランジスタ、前記第7トランジスタ及び前記第8トランジスタの第1電極及び第2電極は、それぞれソース又はドレインの一方である、請求項に記載のシフトレジスタユニット。
【請求項8】
前記第1シフト回路と前記第2シフト回路とは、同一の回路構成を有する、請求項~請求項のいずれか1項に記載のシフトレジスタユニット。
【請求項9】
前記入力回路は第9トランジスタを含み、
前記第9トランジスタのゲートは、前記第1シフト回路の第1クロック端子に結合され、前記第9トランジスタの第1電極は前記入力回路の入力端子に結合され、前記第9トランジスタの第2電極は前記入力回路の出力端子に結合され、
前記第1電極と前記第2電極は、それぞれソース及びドレインの一方である、請求項1~請求項のいずれか1項に記載のシフトレジスタユニット。
【請求項10】
前記第1シフト回路の第1クロック端子と、前記第2シフト回路の第2クロック端子と、前記入力回路の前記入力クロック端子とは、同一のクロックに結合され、前記第1シフト回路の第2クロック端子と前記第2シフト回路の第1クロック端子とは、同一のクロックに結合される、請求項1に記載のシフトレジスタユニット。
【請求項11】
請求項1に記載のシフトレジスタユニットの駆動方法であって、
前記第1シフト回路がその出力端子に第1レベルを供給するときに、前記シフトレジスタユニットに対応する画素行のリフレッシュをスキップするように、前記第1制御端子に第2レベルを供給するステップを含む、シフトレジスタユニットの駆動方法。
【請求項12】
前記シフトレジスタユニットは、前記第2シフト回路の入力端子と第2制御端子にそれぞれ結合されたリセット回路を含み、前記駆動方法は、前記第2シフト回路の入力端子に第2レベルを供給するように、前記第2制御端子にリセット信号を供給するステップを更に含む、請求項11に記載のシフトレジスタユニットの駆動方法。
【請求項13】
複数段のシフトレジスタユニットを含む走査駆動回路であって、
前記複数段のシフトレジスタユニットのそれぞれは、請求項1~10のいずれか1項に記載のシフトレジスタユニットであり、
奇数段のシフトレジスタユニットにおいて、前記第1シフト回路の第1クロック端子と、前記第2シフト回路の第2クロック端子と、前記入力回路の前記入力クロック端子とは、第1クロック信号に結合され、前記第1シフト回路の第2クロック端子と前記第2シフト回路の第1クロック端子は、第2クロック信号に結合され、
偶数段のシフトレジスタユニットにおいて、前記第1シフト回路の第1クロック端子と、前記第2シフト回路の第2クロック端子と、前記入力回路の前記入力クロック端子とは、前記第2クロック信号に結合され、前記第1シフト回路の第2クロック端子と前記第2シフト回路の第1クロック端子は、前記第1クロック信号に結合される、走査駆動回路。
【請求項14】
初段以外のいずれかの段のシフトレジスタユニットの前記カスケード入力端子は、前段のシフトレジスタユニットの前記カスケード出力端子に結合される、請求項13記載の走査駆動回路。
【請求項15】
前記シフトレジスタユニットの各々の前記第1制御端子に制御信号を供給するステップを有し、
前記制御信号は、リフレッシュが必要な各画素行の直前の行に対応するデータ書き込み期間において第1レベルであり、前記制御信号は、リフレッシュをスキップするべき各画素行の直前の行に対応するデータ書き込み期間において第2レベルである、請求項13又は請求項14に記載の走査駆動回路の駆動方法。
【請求項16】
前記制御信号は、第1制御信号と第2制御信号とを含み、前記走査駆動回路のシフトレジスタユニットの各々に前記制御信号を供給するステップは、
前記走査駆動回路の奇数段のシフトレジスタユニットに前記第1制御信号を供給することと、
前記走査駆動回路の偶数段のシフトレジスタユニットに前記第2制御信号を供給することと、を含み、
前記第1制御信号と前記第2制御信号は、リフレッシュが必要な各画素行の直前の行に対応するデータ書き込み期間において逆相信号である、請求項15に記載の駆動方法。
【請求項17】
請求項13又は14に記載の走査駆動回路を含む表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示技術の分野に関し、特にシフトレジスタユニット、走査駆動回路及びその駆動方法、並びに表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術に比べて、アレイ基板の行駆動(Gate Driver On Array、GOAと略称)技術は、ゲートドライバを搭載する回路基板を節約し、表示パネルの両側に対称的な設計を可能にするだけでなく、表示パネルのエッジのチップボンディング領域及びファンアウト領域の配線領域を節約することもでき、狭額縁設計の実現に有利である。また、GOA技術は、行方向のチップボンディング工程を省略できるため、全体の生産性や歩留まりの向上にも大きく寄与する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示の一実施例はシフトレジスタユニットを提供する。前記シフトレジスタユニットは、カスケード入力端子、カスケード出力端子、及び走査出力端子を有する。前記シフトレジスタユニットは、第1シフト回路と、第2シフト回路と、入力回路と、制御回路とを含んでよい。前記第1シフト回路は、入力端子と、前記カスケード出力端子に結合された出力端子と、第1クロック端子と、第2クロック端子とを有してもよい。前記第2シフト回路は、入力端子と、前記走査出力端子に結合された出力端子と、第1クロック端子と、第2クロック端子とを有してもよい。前記入力回路は、前記第1シフト回路の入力端子と前記カスケード入力端子との間に結合されてもよく、入力クロック端子を有してもよい。前記入力回路は、前記入力クロック端子の制御下で、前記カスケード入力端子からの入力信号を前記第1シフト回路の入力端子に供給するように構成されてもよい。前記制御回路は、前記第1シフト回路の出力端子と前記第2シフト回路の入力端子との間に結合されてもよく、かつ、第1制御端子を有してもよい。前記制御回路は、前記第1制御端子の信号に基づいて、前記第1シフト回路の出力端子と前記第2シフト回路の入力端子との接続を制御するように構成されてもよい。
【0004】
任意選択的に、前記シフトレジスタユニットは、リセット回路を更に含んでよい。前記リセット回路は、第2制御端子と前記第2シフト回路の入力端子にそれぞれ結合され、前記リセット回路は、前記第2制御端子の制御下で前記第2シフト回路の入力端子をリセットするように構成される。
【0005】
任意選択的に、前記制御回路は、第1トランジスタを含む。前記第1トランジスタのゲートは前記第1制御端子に結合され、前記第1トランジスタの第1電極は前記第1シフト回路の出力端子に結合され、前記第1トランジスタの第2電極は前記第2シフト回路の入力端子に結合される。前記第1電極と前記第2電極は、それぞれソース及びドレインの一方である。
【0006】
任意選択的に、前記リセット回路は、第2トランジスタを含む。前記第2トランジスタのゲートは前記第2制御端子に結合され、前記第2トランジスタの第1電極は第1信号端子に結合され、前記第2トランジスタの第2電極は前記第2シフト回路の入力端子に結合される。前記第1電極と前記第2電極は、それぞれソース及びドレインの一方である。
【0007】
任意選択的に、前記第1シフト回路は、出力サブ回路と、プルダウン制御サブ回路と、プルダウンサブ回路とを含み、前記出力サブ回路は、プルアップノード、出力ノード、及び前記第1シフト回路の第2クロック端子に結合され、前記プルアップノードの制御下で前記出力ノードと前記第1シフト回路の第2クロック端子とを接続するように構成され、前記プルアップノードは前記第1シフト回路の入力端子に結合され、前記出力ノードは前記第1シフト回路の出力端子に結合される;前記プルダウン制御サブ回路は、前記プルアップノード、プルダウンノード、及び前記第1シフト回路の第1クロック端子にそれぞれ結合され、前記プルアップノードの制御下で前記第1シフト回路の第1クロック端子と前記プルダウンノードとを接続し、前記第1シフト回路の第1クロック端子の制御下で前記プルダウンノードをプルアップするように構成される;前記プルダウンサブ回路は、前記プルダウンノードと、前記プルアップノードと、前記出力ノードと、前記第1シフト回路の第2クロック端子とにそれぞれ結合され、前記プルダウンノードの制御下で前記出力ノードをプルダウンし、前記プルダウンノードと前記第1シフト回路の第2クロック端子との両方の制御下で前記プルアップノードをプルダウンするように構成される。
【0008】
任意選択的に、前記出力サブ回路は、第3トランジスタ及び第1キャパシタを含む。前記第3トランジスタのゲートは前記プルアップノードに結合され、前記第3トランジスタの第1電極は前記出力ノードに結合され、前記第3トランジスタの第2電極は前記第2クロック端子に結合される。前記第1キャパシタの第1電極は前記プルアップノードに結合され、前記第1キャパシタの第2電極は前記出力ノードに結合される。前記第3トランジスタの第1電極と第2電極は、それぞれソース及びドレインの一方である。
【0009】
任意選択的に、前記プルダウン制御サブ回路は、第4トランジスタ及び第5トランジスタを含む。前記第4トランジスタのゲートは前記プルアップノードに結合され、前記第4トランジスタの第1電極は前記第1シフト回路の第1クロック端子に結合され、前記第4トランジスタの第2電極は前記プルダウンノードに結合される。前記第5トランジスタのゲートは前記第1クロック端子に結合され、前記第5トランジスタの第1電極は前記プルダウンノードに結合され、前記第5トランジスタの第2電極は第2信号端子に結合される。前記第1電極と前記第2電極は、それぞれソース及びドレインの一方である。
【0010】
任意選択的に、前記プルダウンサブ回路は、第6トランジスタと、第7トランジスタと、第8トランジスタと、第2キャパシタとを含む。前記第6トランジスタのゲートは、前記プルダウンノードに結合され、前記第6トランジスタの第1電極は、前記第1信号端子に結合され、前記第6トランジスタの第2電極は、前記出力ノードに結合される。前記第7トランジスタのゲートは、前記プルダウンノードに結合され、前記第7トランジスタの第1電極は、前記第1信号端子に結合され、前記第7トランジスタの第2電極は、前記第8トランジスタの第1電極に結合される。前記第8トランジスタのゲートは、前記第1シフト回路の第2クロック端子に結合され、前記第8トランジスタの第2電極は、前記プルアップノードに結合され、前記第2キャパシタの第1電極は、前記第1信号端子に結合され、前記第2キャパシタの第2電極は、前記プルダウンノードに結合される。前記第6トランジスタ、前記第7トランジスタ及び前記第8トランジスタの第1電極と第2電極は、それぞれソース及びドレインの一方である。
【0011】
任意選択的に、前記第1シフト回路と前記第2シフト回路とは、同一の回路構成を有する。
【0012】
任意選択的に、前記入力回路は第9トランジスタを含み、前記第9トランジスタのゲートは、前記第1シフト回路の第1クロック端子に結合され、前記第9トランジスタの第1電極は前記入力回路の入力端子に結合され、前記第9トランジスタの第2電極は前記入力回路の出力端子に結合される。前記第1電極と前記第2電極は、それぞれソース及びドレインの一方である。
【0013】
任意選択的に、前記第1シフト回路の第1クロック端子と、前記第2シフト回路の第2クロック端子と、前記入力回路の入力クロック端子とは、同一のクロックに結合され、前記第1シフト回路の第2クロック端子と前記第2シフト回路の第1クロック端子とは、同一のクロックに結合される。
【0014】
本開示の一実施例は、シフトレジスタユニットの駆動方法を提供し、前記シフトレジスタユニットは、本開示の一実施例によるシフトレジスタユニットであり、前記方法は、前記第1シフト回路がその出力端子に第1レベルを供給するときに、前記シフトレジスタユニットに対応する画素行のリフレッシュをスキップするように、前記第1制御端子に第2レベルを供給するステップを含む。
【0015】
任意選択的に、前記シフトレジスタユニットは、前記第2シフト回路の入力端子と前記第2制御端子にそれぞれ結合されたリセット回路を含み、前記方法は、第2レベルを前記第2シフト回路の入力端子に供給するように、前記第2制御端子にリセット信号を供給するステップを更に含む。
【0016】
本開示の一実施例は走査駆動回路を提供する。前記走査駆動回路は、複数段のシフトレジスタユニットを含み、前記複数段のシフトレジスタユニットの各々は、本開示の一実施例によるシフトレジスタユニットである。奇数段のシフトレジスタユニットにおいて、前記第1シフト回路の第1クロック端子と、前記第2シフト回路の第2クロック端子と、前記入力回路の入力クロック端子とは、第1クロック信号に結合され、前記第1シフト回路の第2クロック端子と前記第2シフト回路の第1クロック端子は、第2クロック信号に結合される。偶数段のシフトレジスタユニットにおいて、前記第1シフト回路の第1クロック端子と、前記第2シフト回路の第2クロック端子と、前記入力回路の入力クロック端子とは、前記第2クロック信号に結合され、前記第1シフト回路の第2クロック端子と前記第2シフト回路の第1クロック端子は、前記第1クロック信号に結合される。
【0017】
任意選択的に、初段以外のいずれかの段のシフトレジスタユニットのカスケード入力端子は、前段のシフトレジスタユニットのカスケード出力端子に結合される。
【0018】
本開示の一実施例は、走査駆動回路の駆動方法を提供する。該駆動方法は、前記シフトレジスタユニットの各々の第1制御端子に制御信号を供給するステップを有し、前記制御信号は、リフレッシュが必要な各画素行の直前の行に対応するデータ書き込み期間において第1レベルであり、前記制御信号は、リフレッシュをスキップするべき各画素行の直前の行に対応するデータ書き込み期間において第2レベルである。
【0019】
任意選択的に、前記制御信号は、第1制御信号と第2制御信号とを含み、前記走査駆動回路の前記シフトレジスタユニットの各々に前記制御信号を供給するステップは、前記走査駆動回路の奇数段のシフトレジスタユニットに前記第1制御信号を供給することと、前記走査駆動回路の偶数段のシフトレジスタユニットに前記第2制御信号を供給することと、を含み、前記第1制御信号と第2制御信号は、リフレッシュが必要な各画素行の直前の行に対応するデータ書き込み期間内において逆相信号である。
【0020】
本開示の一実施例は、本開示の一実施例による走査駆動回路を含む表示装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本明細書の最後の特許請求の範囲において、本開示の主題とみなされるものを特に指摘し、かつ明確にその保護を請求する。本開示の前述した及びその他の目的、特徴、及び利点は、以下の図面を参照した詳細な説明から明らかとなる。
【0022】
図1】本開示の一実施例によるシフトレジスタユニットの構造ブロック図である。
図2】本開示の一実施例によるシフトレジスタユニットの概略回路図である。
図3】本開示の一実施例によるシフトレジスタユニットの第1シフト回路の回路動作タイミングチャートである。
図4】本開示の一実施例による走査駆動回路の構造概略図である。
図5】本開示の一実施例による走査駆動回路の回路タイミングチャートである。
図6】本開示の一実施例による走査駆動回路の回路タイミングチャートである。
図7】本開示の一実施例による表示装置の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、当業者が本開示の技術的思想をよりよく理解するために、図面及び実施例を参照しながら本開示を詳細に説明する。本開示の説明全体について、図1~7を参照することができる。図面全体では、同じ構造及び要素は、同じ図面符号で表される。
【0024】
特に定義されない限り、本開示で使用される技術的用語又は科学的用語は、当業者が理解した通常の意味を有することが意図される。本開示で使用される用語「第1」、「第2」、及び類似した用語は、いかなる順序、数量、又は重要性も示さず、単に異なる構成要素を区別するために使用される。「含む」又は「包含」などの用語は、主語である要素又は物品が、用語のにある要素又は物品及びその均等物を包含することを意味し、他の要素又は物品を除外するものではない。「結合」などの類似の用語は、物理的又は機械的な接続に限定されず、直接又は間接的な電気的接続を含んでもよい。「上」、「下」、「左」、「右」等は相対的な位置関係を示すためにのみ使用される。説明されるオブジェクトの絶対位置を変更すると、該相対的な位置関係もそれに応じて変更する可能性がある。
【0025】
以下の実施形態の説明において、特定の特徴、構造、材料、又は特性は、任意の適切な方法で、任意の1つ又は複数の実施例又は事例に組み合わせることができる。
【0026】
「結合」又は「接続」などは、物理的又は機械的な接続に限定されず、電気的接続を含んでもよく、直接的又は間接的であってもよい。
【0027】
従来、GOA技術に基づく走査駆動回路は、表示装置の額縁幅を占めていた。走査駆動回路の構成が複雑になるほど、走査駆動回路が占める額縁幅は大きくなる。このため、狭額縁化の設計要求から、走査駆動回路の構成はできるだけコンパクト、あるいはシンプルにすることが求められる。このため、関連技術では、簡素化された走査駆動回路は、単純な行順次の走査機能しか実現できず、簡素化された回路構成によっては、特定の画素行の走査をスキップして一部の画面のみをリフレッシュする機能を果たすことができなかった。
【0028】
図1は、本開示の一実施例によるシフトレジスタユニットの構造ブロック図である。図1に示すように、シフトレジスタユニットUm及びシフトレジスタユニットUm+1は、走査駆動回路における隣接する2段のシフトレジスタユニットである。なお、前記走査駆動回路は、表示装置において、各行の画素に対してそれぞれゲート走査信号を供給するための回路であり、その内部に含まれる複数段のシフトレジスタユニットの各々は、それぞれ1行の画素に対してゲート走査信号を供給する。図1に示すように、前段のシフトレジスタユニットUmは、カスケード入力端子Amと、カスケード出力端子Bmと、走査出力端子Cmとを有する。次段のシフトレジスタユニットUm+1は、カスケード入力端子Am+1と、カスケード出力端子Bm+1と、走査出力端子Cm+1とを有する。前段のシフトレジスタユニットUmのカスケード出力端子Bmは、後段のシフトレジスタユニットUm+1のカスケード入力端子Am+1に接続される。これにより、前段のシフトレジスタユニットUmと後段のシフトレジスタユニットUm+1との間のカスケード関係が形成される。尚、前段のシフトレジスタユニットUmは、そのカスケード出力端子Bmを介してゲート走査信号を供給し、後段のシフトレジスタユニットUm+1は、そのカスケード出力端子Bm+1を介してゲート走査信号を供給する。これを一例として、走査駆動回路は、図1に示すシフトレジスタユニットを複数含んでもよい。各隣接する2つのシフトレジスタユニットは、図1に示すようなカスケード関係によって結合され、各行の画素ごとにゲート走査信号を供給する機能を実現する。
【0029】
シフトレジスタユニットUmの一例として、図1に示すように、シフトレジスタユニットUmは、入力回路11と、第1シフト回路12と、第2シフト回路13と、制御回路14とを含む。
【0030】
シフトレジスタユニットUmにおいて、入力回路11の入力端子は、シフトレジスタユニットUmのカスケード入力端子AMに結合される。入力回路11は、入力回路11の入力端子と第1クロック信号CKがともに第1レベルであるときに、入力回路11の出力端子に第1レベルを供給するように構成される。図1では、入力回路11、第1シフト回路12及び第2シフト回路13の入力端子がそれぞれその左側に位置し、入力回路11、第1シフト回路12及び第2シフト回路13の出力端子がそれぞれその右側に位置している。本明細書において、第1レベル及び第2レベルは、信号又は回路ノードに対する2つの異なる所定の電圧範囲を指し、ここで、第1レベルは、「オン」状態又は「オープン」状態(例えば、トランジスタが線形領域又は飽和領域で動作する状態)に対応し、第2レベルは、「オフ」状態又は「クローズ」状態(例えば、対応するトランジスタがカットオフ領域で動作する状態)に対応する。一実施形態では、第1レベルは、ローレベルであり、第2レベルは、ハイレベルである。なお、上記「第1レベルを供給する」とは、例えば、電気信号を供給すること、他の信号と結合すること、又は他の回路ノードと結合することにより、対象信号又は回路ノードの電圧を第1レベルの電圧範囲内にすることを意味する。類似の表現は、上記の説明を参照して理解すればよい。
【0031】
シフトレジスタユニットUmにおいて、第1シフト回路12の入力端子が入力回路11の出力端子に結合され、第1シフト回路12の出力端子がシフトレジスタユニットUmのカスケード出力端子Bmに結合される。第1シフト回路12の第1クロック端子(図1における第1シフト回路12の左下の端子)は、第1クロック信号CKに結合され、第1シフト回路12の第2クロック端子(図1における第1シフト回路12の右下の端子)は、第2クロック信号CKBに結合される。第2シフト回路13の出力端子は、シフトレジスタユニットUmの走査出力端子Cmに結合され、第2シフト回路13の第1クロック端子(図1における第2シフト回路13の左下の端子)は、第2クロック信号CKBに結合され、第2シフト回路13の第2クロック端子(図1おける第2シフト回路13の右下の端子)は、第1クロック信号CKに結合される。第1シフト回路12及び第2シフト回路13は、入力端子と第2クロック端子がともに第1レベルであるときに、出力端子に第1レベルを供給するように構成される。
【0032】
シフトレジスタユニットUmにおいて、制御回路14は、シフトレジスタユニットUmの第1制御端子(図1の制御信号S1に結合された端子)と、第1シフト回路12の出力端子と、第2シフト回路13の入力端子とにそれぞれ結合される。制御回路14は、第1制御端子の信号に応じて、前記第1シフト回路12の出力端子と前記第2シフト回路13の入力端子との接続又は遮断を制御するように構成される。なお、制御回路14に接続された第1制御端子は、必ずしも制御信号を供給するための信号線に直接接続する必要はなく、例えばコンデンサ極板やアンテナなどによって制御信号を受信することもできる。
【0033】
このように、上記シフトレジスタユニットUmの構成により、シフトレジスタユニットUmは、第1シフト回路12及び第2シフト回路13を介して、カスケード出力端子Bm及び走査出力端子Cmにそれぞれカスケード出力及び走査出力を供給する(即ち第1レベルを供給する)ことができる。従って、制御信号により第1シフト回路12と第2シフト回路13との結合を遮断すると、対応する行の走査出力をスキップすることができる。これにより、指定された画素行の走査をスキップして、画像の一部のみをリフレッシュする機能を実現できる。従来技術の同一機能を実現する回路構成と比較して、本開示の実施例は新たなチップや回路基板を導入する必要がなく、既存のシフトレジスタユニットの回路構成をベースに、簡単な回路変更により実現できる。例えば、従来のシフト回路を参照して1つのシフト回路だけを追加し、この2つのシフト回路の間に新たな制御回路を追加することにより、本開示の実施例を実現することができる。このような機能が実現されることを前提に、上述した走査駆動回路及び上述した走査駆動回路を含む表示装置は、より多くの機能的特性に対応することができ、例えば表示画面の一部のみをリフレッシュすることで、消費電力を低減させる。したがって、本開示の実施例によれば、簡単な回路構成で、指定された画素行の走査をスキップして画面の一部のみをリフレッシュする機能を実現することができ、これにより、走査駆動回路及び表示装置の製品性能を向上させることができる。
【0034】
一実施例では、上記第1クロック信号CKと第2クロック信号CKBは、同じ周期のクロック信号であってもよい。第1クロック信号CKが第1レベルの場合、第2クロック信号CKBは第2レベルである。第2クロック信号CKBが第1レベルの場合、第1クロック信号CKは第2レベルである。一実施例では、第1クロック信号CKと第2クロック信号CKBとは互いに逆相である。なお、シフトレジスタユニットUm+1で使用される第1クロック信号CK及び第2クロック信号CKBは、シフトレジスタユニットUmで使用される第1クロック信号CKと第2クロック信号CKBとは逆相である。例えば、図1に示すように、シフトレジスタユニットUm+1の第1クロック端子(入力回路11と、第1シフト回路12と、第2シフト回路13とにクロック信号を供給する端子)は、第2クロック信号CKBに結合され、シフトレジスタユニットUmの第1クロック端子は、第1クロック信号CKに結合される。また、シフトレジスタユニットUm+1の第2クロック端子(第1シフト回路12及び第2シフト回路13にクロック信号を供給する端子)は、第1クロック信号CKに結合され、シフトレジスタユニットUmの第2クロック端子は、第2クロック信号CKBに結合される。上記いずれか1種のシフトレジスタユニットを複数備えた走査駆動回路において、該走査駆動回路の任意の隣接する2つのシフトレジスタユニットで使用される第1クロック信号CKと第2クロック信号CKBとは互いに逆相である。
【0035】
図2は、本開示の一実施例によるシフトレジスタユニットの回路構成の概略図である。図2に示すように、シフトレジスタユニットUm及びシフトレジスタユニットUm+1は、走査駆動回路における隣接する2段のシフトレジスタユニットである。シフトレジスタユニットUmとシフトレジスタユニットUm+1は各自、入力回路11と、第1シフト回路12と、第2シフト回路13と、制御回路14と、リセット回路15とをそれぞれ含む。以下、シフトレジスタユニットUmを例に、シフトレジスタユニットの可能な構成を説明する。
【0036】
一実施例では、制御回路14は、第1トランジスタT1を含む。第1トランジスタT1のゲートは第1制御端子に接続され(これにより制御信号S1を受信する)、第1トランジスタT1の第1電極は第1シフト回路12の出力端子に結合される。シフトレジスタユニットUmにおいて、第1シフト回路12の出力端子は、シフトレジスタユニットUmのカスケード出力端子Bmに結合される。第1トランジスタT1の第2電極は第2シフト回路13の入力端子に結合される。制御信号S1が第1レベルをゲートオン電圧(例えば、第1トランジスタT1を線形領域又は飽和領域で動作させる電圧)として提供する場合、第1トランジスタT1は、第1シフト回路12の出力端子と第2シフト回路13の入力端子との間の接続を導通する。制御信号S1が第2レベルをゲートオフ電圧(例えば、第1トランジスタT1をカットオフ領域で動作させる電圧)として提供する場合、第1トランジスタT1は第1シフト回路12の出力端子と第2シフト回路13の入力端子との間の接続を遮断する。前記第1電極と前記第2電極は、それぞれソース及びドレインの一方である。トランジスタの種類によっては、トランジスタのソースとドレインの結合関係は、トランジスタに流れる電流の方向に合わせるように別々に設定することができる。トランジスタがソースとドレインが対称の構造を有する場合、ソースとドレインは特に区別されない2つの電極とみなすことができる。
【0037】
一実施例では、リセット回路15は、第2トランジスタT2を含む。第2トランジスタT2のゲートは、リセット信号S2を受けるように、シフトレジスタユニットUmの第2制御端子に結合される。第2トランジスタT2の第1電極は、第2レベルを提供する第1信号端子VHに結合されて、第2トランジスタT2の第2電極は第2シフト回路13の入力端子に結合される。リセット信号S2が第1レベルをゲートオン電圧(例えば、第2トランジスタT2を線形領域又は飽和領域で動作させる電圧)として提供する場合、第2トランジスタT2は、第1信号端子VHを介して第2レベルを第2シフト回路13の入力端子に提供する。なお、該第2レベルは、第2シフト回路13の入力端子にとっての第2レベルを意味する。この一例では、リセット回路15は、受信したリセット信号S2が第1レベルであるときに、任意の方法で、第2シフト回路13の入力端子に第2レベルを供給する機能を実現できる。リセット回路15は、リセット信号S2の制御下で、第2シフト回路13の入力端子をリセットすることができ、これにより、第2シフト回路13の入力端子の電位の安定性を高め、シフトレジスタユニットがノイズの干渉により出力端子に第1レベルを誤出力することを防止することに寄与する。
【0038】
一実施例では、シフトレジスタユニットUmの入力回路11は第9トランジスタT9を含む。第9トランジスタT9のゲートは、シフトレジスタユニットUmの第1クロック端子に結合され(これにより第1クロック信号CKを受信し)、第9トランジスタT9の第1電極は入力回路11の入力端子に結合され(入力回路11の入力端子はシフトレジスタユニットUmのカスケード入力端子Amに結合され)、第9トランジスタT9の第2電極は入力回路11の出力端子に結合される(入力回路11の出力端子は第1シフト回路12の入力端子に結合される)。第1クロック信号CKが第1レベルをゲートオン電圧(例えば、第9トランジスタT9が線形領域又は飽和領域で動作させる電圧)として提供する場合、第9トランジスタT9は入力回路11の入力端子と出力端子との間の接続を導通することができる。即ち、シフトレジスタユニットUmのカスケード入力端子AMと、第1シフト回路12の入力端子との接続を導通することができる。したがって、カスケード入力端子Amが第1レベルであるときに、第9トランジスタT9は、該第1レベルを第1シフト回路12の入力端子に供給することができる。なお、入力回路11の入力端子及び第1クロック信号CKが第1レベルであるときに、入力回路11の出力端子に第1レベルを供給可能な回路構成は、上記例に限られない。一実施例では、第9トランジスタT9のゲートはカスケード入力端子Amに結合され、第9トランジスタT9の第1電極はカスケード入力端子Amに結合され、第9トランジスタT9の第2電極は入力回路11の出力端子に結合される。したがって、カスケード入力端子Amが第1レベルである場合、線形領域又は飽和領域で動作する第9トランジスタT9は入力回路11の出力端子に第1レベルを提供することができる。すなわち、上述の入力回路11も実現可能である。
【0039】
第1シフト回路12及び第2シフト回路13は、同じ回路構成を有してもよい。以下、シフトレジスタユニットUmにおける第1シフト回路12を例に、第1シフト回路12及び第2シフト回路13の可能な回路構成について説明する。シフトレジスタユニットUmにおける第1シフト回路12と第2シフト回路13は各自、出力サブ回路(第3トランジスタT3と第1コンデンサC1を含む)と、プルダウン制御サブ回路(第4トランジスタT4と第5トランジスタT5を含む)と、プルダウン制御サブ回路(第6トランジスタT6と、第7トランジスタT7と、第8トランジスタT8と、第2コンデンサC2とを含む)と、をそれぞれ含む。
【0040】
一実施例では、出力サブ回路において、第3トランジスタT3のゲートはプルアップノードPU(第1シフト回路12又は第2シフト回路13の入力端子)に結合され、第3トランジスタT3の第1電極は出力ノード(第1シフト回路12又は第2シフト回路13の出力端子)に結合され、第3トランジスタT3の第2電極は第1シフト回路12の第2クロック端子に結合される。第1シフト回路12の第1クロック端子は第1クロック信号CKに接続され、第1シフト回路12の第2クロック端子は第2クロック信号CKBに接続される。プルアップノードPUが第1レベルであるとき、線形領域又は飽和領域で動作する第3トランジスタT3は、出力ノードと第2クロック端子との間の接続を導通することができる。このように、出力サブ回路は、プルアップノードPU、出力ノード、及び第1シフト回路12の第2クロック端子にそれぞれ結合され、プルアップノードPUが第1レベルであるときに、出力ノードと第1シフト回路12の第2クロック端子との間の接続を導通することができる。また、一方では、第1コンデンサC1は、セルフブースティングの実現に寄与し、他方では、第1キャパシタC1は、プルアップノードPUのレベル及び出力ノードのレベルの安定化に寄与する。
【0041】
プルダウン制御サブ回路において、第4トランジスタT4のゲートはプルアップノードPUに結合され、第4トランジスタT4の第1電極は第1クロック端子に結合され、第4トランジスタT4の第2電極はプルダウンノードPDに結合される。第5トランジスタT5のゲートは第1クロック端子に結合され、第5トランジスタT5の第1電極はプルダウンノードPDに結合され、第5トランジスタT5の第2電極は第1レベルを提供する第2信号端子VLに結合される。プルアップノードPUが第1レベルであるとき、線形領域又は飽和領域で動作する第4トランジスタT4は、第1クロック端子とプルダウンノードPDとの間の接続を導通することができる。第1シフト回路12の第1クロック端子が第1レベルであるとき、線形領域又は飽和領域で動作する第5トランジスタT5は、第2信号端子VLを介してプルダウンノードPDに第1レベルを提供する。このように、プルダウン制御サブ回路は、プルアップノードPUと第1シフト回路12の第1クロック端子とをそれぞれ結合し、プルアップノードPUが第1レベルであるときに、第1シフト回路12の第1クロック端子とプルダウンノードPDとの間の接続を導通することができる。また、第1シフト回路12の第1クロック端子が第1レベルであるとき、プルダウン制御サブ回路は、第1レベルをプルダウンノードPDに供給することができる。
【0042】
プルダウンサブ回路において、第6トランジスタT6のゲートは、プルダウンノードPDに結合され、第6トランジスタT6の第1電極は、第2レベルを供給する第1信号端子VHに結合され、第6トランジスタT6の第2電極は、出力ノードに結合される。第7トランジスタT7のゲートは、プルダウンノードPDに結合され、第7トランジスタT7の第1電極は、第2レベルを提供する第1信号端子VHに結合され、第7トランジスタT7の第2電極は、第8トランジスタT8の第1電極に結合される。第8トランジスタT8のゲートは、第1シフト回路12の第2クロック端子に結合され、第8トランジスタT8の第1電極は、第7トランジスタT7の第電極に結合され、第8トランジスタT8の第2電極は、プルアップノードPUに結合される。第2コンデンサC2の第1電極は、第2レベルを供給する第1信号端子VHに結合され、第2コンデンサC2の第2電極は、プルダウンノードPDに結合される。プルダウンノードPDが第1レベルであるとき、線形領域又は飽和領域で動作する第6トランジスタT6は、第1信号端子VHを介して第2レベルを出力ノードに供給することができる。プルダウンサブ回路は、プルダウンノード、プルアップノード、出力ノード及び第1シフト回路12の第2クロック端子にそれぞれ結合され、プルダウンノードが第1レベルであるとき、プルダウンサブ回路は、出力ノードに第2レベルを供給し、プルダウンノード及び第1シフト回路12の第2クロック端子がともに第1レベルであるとき、プルアップノードに第2レベルを供給することができる。第2キャパシタC2は、プルダウンノードPDの電位を安定化させる役割を果たす。
【0043】
図3は、本開示の一実施例によるシフトレジスタユニットの第1シフト回路の回路動作タイミングチャートである。以下、図3を参照して、図2のシフトレジスタユニットUmにおける第1シフト回路12の動作フローの一例を説明する。以下の説明では、特に説明をしない限り、第1レベルはローレベルであり、第2レベルはハイレベルであるものとする。
【0044】
図2及び図3に示すように、第1時刻ta以前及び第4時刻td以降の期間において、第1クロック信号CKと第2クロック信号CKBが周期的かつ交互に導通されることによって、第5トランジスタT5と第8トランジスタT8が交互に導通される(オン状態は、例えば、線形領域又は飽和領域で動作する状態である)。これにより、プルダウンノードPDのレベルはローレベルを維持できるので、第6トランジスタT6及び第7トランジスタT7はオン状態を維持し、プルアップノードPUのレベル及びカスケード出力端子Bmのレベルはハイレベルを維持できる。第3トランジスタT3及び第4トランジスタT4はオフ状態を維持する(オフ状態は、例えば、カットオフ領域で動作する状態である)。
【0045】
図2及び図3に示すように、第1時刻taから第2時刻tbまでの間に、第1クロック信号CKとシフトレジスタUmの入力端子Amはともにローレベルであり、入力回路11における第9トランジスタT9は導通されて、プルアップノードPUのレベルを低くする。このとき、第3トランジスタT3及び第4トランジスタT4は導通されて、プルダウンノードPDは第1クロック信号CKに接続され、カスケード出力端子Bmは第2クロック信号CKBに接続されることによって、プルダウンノードPDはローレベルを維持し、出力端子Bmはハイレベルを維持する。第6トランジスタT6及び第7トランジスタT7は導通され、第1コンデンサC1は充電される。
【0046】
図2及び図3に示すように、第2時刻tbから第3時刻tcまでの間に、第1クロック信号CKはハイレベルに変換され、第2クロック信号CKBはローレベルに変換される。このとき、第3トランジスタT3及び第1キャパシタC1の作用により、カスケード出力端子Bmのレベルはローレベル(第1レベル)に転換し、プルアップノードPUのレベルは、より低いレベルに引き下げられる(即ち、ブートストラップ)。これにより、第3トランジスタT3及び第4トランジスタT4は導通された状態を維持し、第6トランジスタT6及び第7トランジスタT7はターンオフされ、第1クロック信号CKと導通されたプルダウンノードPDはハイレベルに転換する。
【0047】
図2及び図3に示すように、第3時刻tcから第4時刻tdまでの間に、第1クロック信号CKはローレベルに転換し、第2クロック信号CKBはハイレベルに転換し、第5トランジスタT5は導通され、第1クロック信号CKと導通されたプルダウンノードPDはローレベルに転換する。これにより、第6トランジスタT6と第7トランジスタT7は導通され、第1信号端子VHと導通されたカスケード出力端子Bmがハイレベルに転換する。この期間内に、導通された第9トランジスタT9は入力端子Am及びプルアップノードPUを導通して、プルアップノードPUをハイレベルに転換し、第3トランジスタT3及び第4トランジスタT4をターンオフする。これにより、第1シフト回路12は、第1時刻ta前の状態に戻る。すなわち、第1シフト回路12のリセットが完了する。
【0048】
簡単のため、第1時刻taから第2時刻tbまでの期間を第1シフト回路12の入力段階、第2時刻tbから第3時刻tcまでの期間を第1シフト回路12の出力段階、第3時刻tcから第4時刻tdまでの期間を第1シフト回路12のリセット段階と称する。同様に、制御信号S1がローレベルの場合、第2時刻tbから第3時刻tcまでの期間は、第2シフト回路13の入力段階でもあり(第1トランジスタT1が、カスケード出力端子Bmを介して、第2シフト回路13のプルアップノードPUにローレベルを供給する)、第3時刻tcから第4時刻tdまでの期間は、第2シフト回路13の出力段階でもある(第1クロック信号CKと導通された走査出力端子Cmがローレベルに転換する)と推定できる。したがって、上記のタイミングチャートに従って、カスケード出力と走査出力は、それぞれ第1シフト回路12と第2シフト回路13により完成することができる。
【0049】
これを基に、制御信号により対応行の走査出力をスキップする別の実現方法を以下に説明する。
【0050】
図4は、本開示の一実施例による走査駆動回路の構造概略図である。図4に示すように、該走査駆動回路は、複数段のカスケードシフトレジスタユニットを含む。図4では、カスケード接続されたシフトレジスタユニットUm、シフトレジスタユニットUm+1、シフトレジスタユニットUm+2、及びシフトレジスタユニットUm+3を例に挙げて示している。走査駆動回路における任意の隣接する2段のシフトレジスタユニットの間のカスケード関係は、上述した通りである。一例では、第1段のシフトレジスタユニットのカスケード入力端子は、フレームスタート信号(STV)に結合され、走査駆動回路の第1段以外の任意の段のシフトレジスタユニットのカスケード入力端子は、前段のシフトレジスタユニットのカスケード出力端子に結合される。奇数段のシフトレジスタユニットで使用される第1クロック信号CKと第2クロック信号CKBは、偶数段のシフトレジスタユニットで使用される第1クロック信号CKと第2クロック信号CKBとそれぞれ逆相である。
【0051】
図5は、本開示の一実施例による走査駆動回路の回路タイミングチャートである。図4及び図5に示すように、シフトレジスタユニットUmは、上述したように、図5に示す第1クロック信号CK、第2クロック信号CKB、及びカスケード入力端子Amの信号の入力により、図5に示すカスケード出力端子Bm及び走査出力端子Cmの信号の出力を実現することができる。同様に、他のシフトレジスタユニットもシフトレジスタユニットUmと類似した出力を実現できる。図2図4及び図5に示すように、制御信号S1は、第3時刻tcから第5時刻teまでの期間において、ハイレベル(制御信号S1の第2レベル)であり、その他の期間においてローレベルである。従って、第3時刻tcから第5時刻teまでの間、各段のシフトレジスタユニットのカスケード出力端子と、その第2シフト回路13のプルアップノードPUとの結合が全て遮断され、これにより、第2シフト回路13のプルアップノードPUはこの期間でローレベルに転換することはできない。よって、シフトレジスタユニットUm+1及びシフトレジスタユニットUm+2における第2シフト回路13は、上述の入力段階に移行せず、対応する走査出力端子Cm+1及び走査出力端子Cm+2は走査出力が発生しない(シフトレジスタユニットUm+3は、この影響を受けない)。このように、シフトレジスタユニットUm+1、シフトレジスタユニットUm+2に対応する2つの画素行をスキップした出力が実現される。また、第3時刻tcから第5時刻teまでの間、リセット信号S2はローレベル(第1レベル)である。従って、各シフトレジスタユニットにおいて導通された第2トランジスタT2は、信号線VHを介して第2シフト回路13のプルアップノードPUにハイレベルを供給することができ、このときの第2シフト回路13の各プルアップノードPUの電位を安定させ、ノイズ干渉による誤出力を防止することができる。
【0052】
このように、任意の正の整数mについて、m+1行目の画素行のリフレッシュをスキップするべき場合には、m行目のシフトレジスタユニットUmが走査出力を行う期間(走査出力端子Cmがローレベルである期間、即ち、m行目の画素行のデータ書き込み期間)において、制御信号S1に第2レベル(ハイレベル)を供給する。一方、m+1行目の画素行のリフレッシュをスキップする必要がない場合には、m行目のシフトレジスタユニットUmが走査出力を行う期間(走査出力端子Cmがローレベルである期間、即ち、m行目の画素行のデータ書き込み期間)において、制御信号S1に第1レベル(ローレベル)を供給する。
【0053】
このように、上述の走査駆動回路の駆動方法は、走査駆動回路における各シフトレジスタユニットに制御信号を供給するステップを含む。リフレッシュが必要な各画素行の直前の行に対応するデータ書き込み期間において、前記制御信号は第1レベルである。リフレッシュをスキップするべき各画素行の直前の行に対応するデータ書き込み期間において、前記制御信号は第2レベルである。また、1行目の画素行のリフレッシュをスキップするべき場合には、フレームスタート信号と走査駆動回路との間の結合を遮断すること、及び/又はフレームスタート信号が第1レベルである期間内に、制御信号S1に第2レベルを供給することができる。また、1行目の画素行が走査されて出力される期間に、2行目の画素行に対応するシフトレジスタユニットのカスケード入力端子に第1レベルを供給する。この場合、フレームスタート信号の入力が遮断されるので、初段以外のシフトレジスタユニットがカスケード出力と走査出力を正常に行うことができるように、追加の信号入力が必要である。1行目を含む複数の連続した画素行のリフレッシュをスキップするべき場合は、類推によって導き出すことができる。
【0054】
図6は、本開示の一実施例による走査駆動回路の回路タイミングチャートである。この例では、制御信号S1は、第1制御信号S11と第2制御信号S12とを含む(図6に示す第1制御信号S11と第2制御信号S12はいずれも一例である)。上記駆動方法において、前記走査駆動回路のシフトレジスタユニットの各々に制御信号を供給するステップは、走査駆動回路の奇数段のシフトレジスタユニットに第1制御信号を供給することと、走査駆動回路の偶数段のシフトレジスタユニットに第2制御信号を供給することとを含んでよい。
【0055】
一実施例では、前記第1制御信号は、リフレッシュが必要な各画素行の直前の行に対応するデータ書き込み期間において第1レベルであり、前記第1制御信号は、リフレッシュをスキップするべき各画素行の直前の行に対応するデータ書き込み期間において、第2レベルである。前記第2制御信号は、リフレッシュが必要な各画素行の直前の行に対応するデータ書き込み期間において第1レベルであり、前記第2制御信号は、リフレッシュをスキップするべき各画素行の直前の行に対応するデータ書き込み期間において、第2レベルである。前記第1制御信号と前記第2制御信号は、リフレッシュが必要な各画素行の直前の行に対応するデータ書き込み期間において逆相信号である。これにより、信号がより安定する。
【0056】
同様の発明構想に基づき、上記いずれか一つのシフトレジスタユニットの駆動方法は、前記第1シフト回路がその出力端子に第1レベルを供給するときに、前記シフトレジスタユニットに対応する画素行のリフレッシュをスキップするように、前記第1制御端子に第2レベルを供給するステップを含んでもよい。なお、上述した走査駆動回路の駆動方法の説明は、既にシフトレジスタユニットの駆動方法の例を含むので、ここでは省略する。
【0057】
同様の発明構想に基づき、本開示の一実施例は、前記いずれか1つのアレイ基板を含む表示装置を提供する。本開示の表示装置は、表示パネル、携帯電話、タブレット、テレビ、ディスプレイ、ノート型パーソナルコンピュータ、デジタルフォトフレーム、ナビゲーションなど、表示機能を有する製品又は部品であればよい。例えば、図7に例示した表示装置100は、表示領域において行列状に配列されたサブ画素ユニットPxを備える。上記のアレイ基板は、表示装置100の内部に設けられてもよく、各サブ画素ユニットPxの各々の表示階調の調整を実現するために、アレイ基板は、各サブ画素ユニットPx内に画素回路を有してもよい。上記アレイ基板は、画素回路の各々に必要なゲート走査信号を供給するために、表示領域外に上記走査駆動回路を少なくとも一つ含むことができる。一例として、表示装置は、走査駆動回路に適切な制御信号を提供することによって、表示画面の一部のリフレッシュを実現することができ、これにより、消費電力を低減することができる。
【0058】
本開示の原理及び実施例は、本明細書に記載されている。本開示の実施例の説明は、本開示の装置及び方法、並びにそのコア概念の理解に寄与するためのものだけである。また、当業者にとっては、本開示は、本開示の範囲に関連し、上述の技術案は上記の技術的特徴の具体的な組み合わせによって限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱することなく、上述した技術的特徴又はその均等物の組み合わせによって得られる他の技術案も含む。例えば、類似した特徴で本開示に開示された上記の特徴(ただし、これに限定されない)を置き換えることによって技術案を得ることができる。
【0059】
本出願は、2018年12月12日に出願された、出願番号が第201811520987.4号の中国特許出願の優先権を主張し、その開示内容の全てが参照によって本出願に取り込まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7