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▶ インペリアル タバコ リミテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-26
(45)【発行日】2023-08-03
(54)【発明の名称】タバコ製品パッケージ
(51)【国際特許分類】
   B65D 75/68 20060101AFI20230727BHJP
   B65D 85/10 20060101ALI20230727BHJP
【FI】
B65D75/68
B65D85/10
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2020568702
(86)(22)【出願日】2019-06-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-10-11
(86)【国際出願番号】 EP2019065098
(87)【国際公開番号】W WO2019238619
(87)【国際公開日】2019-12-19
【審査請求日】2022-02-07
(31)【優先権主張番号】18176900.1
(32)【優先日】2018-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】515298925
【氏名又は名称】インペリアル タバコ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Imperial Tobacco Limited
【住所又は居所原語表記】121 Winterstoke Road,Bristol BS3 2LL United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】ブイア, カルメン
(72)【発明者】
【氏名】フレーリッヒ, ヴィンカ
【審査官】家城 雅美
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-521198(JP,A)
【文献】特開2010-260592(JP,A)
【文献】特開2002-096865(JP,A)
【文献】特開昭60-058308(JP,A)
【文献】特表2015-518799(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第02002737(EP,A1)
【文献】特表2012-509743(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 75/68
B65D 85/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タバコ製品パッケージ(10)であって、
整列方向に整列された少なくとも2つの筒形状のタバコ製品(11)、
整列された前記タバコ製品(11)の外側表面(12、15)の少なくとも一部を覆う包装材(20)、および
前記包装材(20)の前記整列方向に沿って配置され、ユーザにより引っ張られると前記包装材(20)から引き裂かれるように構成された引き裂きストリップ(30)、を含み、
前記引き裂きストリップ(30)が、隣接するタバコ製品(11)の界面(14)の近傍に配置される少なくとも1つの弱化ライン(31)を有し、かつユーザによって引っ張られたときに、前記少なくとも1つの弱化ライン(31)において引き裂かれるように構成されている、タバコ製品パッケージ。
【請求項2】
請求項1に記載のタバコ製品パッケージ(10)であって、
前記整列方向は、前記タバコ製品(11)の長手方向(L)に対して垂直であり、そして
前記包装材は、前記整列されたタバコ製品(11)のベース領域(15)および側方筒形表面(12)の少なくとも一部を覆う、タバコ製品パッケージ(10)。
【請求項3】
請求項1に記載のタバコ製品パッケージ(10)であって、
前記少なくとも2つの筒形状のタバコ製品(11)は、前記タバコ製品(11)の長手方向(L)に整列され、
前記包装材は、前記整列されたタバコ製品(11)の前記側方筒形表面(12)の少なくとも一部を覆い、そして
前記引き裂きストリップ(30)は、前記長手方向(L)に配置されている、タバコ製品パッケージ(10)。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載のタバコ製品パッケージ(10)であって、
前記少なくとも1つの弱化ライン(31)の位置は、前記隣接するタバコ製品(11)の対応する界面(14)から、前記引き裂きストリップ(30)の引き裂き方向(T)とは反対の方向にずれている、タバコ製品パッケージ(10)。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載のタバコ製品パッケージ(10)であって、
前記引き裂きストリップ(30)の片持ち部分(32)が、前記引き裂きストリップ(30)の引き裂き方向(T)とは反対の方向に、前記包装材(20)の終端(23)を越えて延伸している、タバコ製品パッケージ(10)。
【請求項6】
請求項5に記載のタバコ製品パッケージ(10)であって、
前記片持ち部分(32)の長さは、隣接するタバコ製品(11)の界面(14)と対応する前記弱化ライン(31)との間の距離に相当する、タバコ製品パッケージ(10)。
【請求項7】
請求項1~のいずれか1項に記載のタバコ製品パッケージ(10)であって、
前記引き裂きストリップ(30)は、前記包装材(20)に取り付けられている、タバコ製品パッケージ(10)。
【請求項8】
請求項1~のいずれか1項に記載のタバコ製品パッケージ(10)であって、
前記引き裂きストリップ(30)は、前記包装材(20)と一体的に形成されている、タバコ製品パッケージ(10)。
【請求項9】
請求項に記載のタバコ製品パッケージ(10)であって、
前記引き裂きストリップ(30)は、前記整列方向に沿って延伸する前記包装材(20)の平行な2本の弱化された引き裂きライン(22)の間に形成されている、タバコ製品パッケージ(10)。
【請求項10】
請求項に記載のタバコ製品パッケージ(10)であって、
前記包装材(20)の周囲に周方向に延伸し、前記隣接するタバコ製品(11)の界面(14)に整列する少なくとも1つの破断ライン(21)をさらに含む、タバコ製品パッケージ(10)。
【請求項11】
請求項10に記載のタバコ製品パッケージ(10)であって、
前記少なくとも2つの弱化された引き裂きライン(22)、前記少なくとも1つの弱化ライン(31)、および前記少なくとも1つの破断ライン(21)は、1つの工程で得られる、タバコ製品パッケージ(10)。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか1項に記載のタバコ製品パッケージ(10)であって、
前記少なくとも1つの弱化ライン(31)は、前記引き裂きストリップ(30)の材料における少なくとも1つの局所的な薄肉化、少なくとも1つの切断、または複数の穿孔によって形成されている、タバコ製品パッケージ(10)。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか1項に記載のタバコ製品パッケージ(10)であって、
前記包装材(20)および/または前記引き裂きストリップ(30)は、紙、プラスチック材料、またはアルミニウムの少なくとも1つの層を含む、タバコ製品パッケージ(10)。
【請求項14】
請求項9または13に記載のタバコ製品パッケージ(10)であって、
少なくとも1つの層は、前記少なくとも2つのタバコ製品(11)の前記外側表面(12、15)の周りに覆われ、
前記少なくとも1つの覆う層は、少なくとも1つのシーム領域またはオーバーラップ領域において当該層自体に接合され、そして
前記少なくとも1つの引き裂きライン(22)は、前記シーム領域の少なくとも1つに対応しているか、および/または前記オーバーラップ領域の縁に位置しており、および/または
前記引き裂きストリップ(30)は、前記オーバーラップ領域に対応している、タバコ製品パッケージ(10)。
【請求項15】
タバコ製品パッケージ(10)の製造方法であって、
少なくとも2つの筒形状のタバコ製品(11)を、整列方向に整列する工程、
包装材層(20)により、整列された前記タバコ製品(10)を覆う工程、
引き裂きストリップ(30)を形成するために、整列方向に沿って延伸する少なくとも2つの平行な弱化された引き裂きライン(22)を前記包装材層(20)に挿入する工程、
前記包装材(20)の周囲に周方向に延伸し、隣接する前記タバコ製品(11)の界面(14)に整列する少なくとも1つの破断ライン(21)を前記包装材層(20)に挿入する工程、および
隣接する前記タバコ製品(11)の界面(14)の近傍に少なくとも1つの弱化ライン(31)を前記引き裂きストリップ(30)に挿入する工程
を含む、製造方法。
【請求項16】
請求項15に記載の製造方法であって、
前記少なくとも2つの筒形状のタバコ製品(11)が、隣接する前記タバコ製品(11)のベース領域(15)が互いに向き合うように長手方向(L)に整列され、
前記弱化された引き裂きライン(22)が前記長手方向(L)に沿って延伸している、製造方法。
【請求項17】
請求項15または16に記載の製造方法であって、
前記少なくとも2つの弱化された引き裂きライン(22)を挿入する工程、前記少なくとも1つの破断ライン(21)を挿入する工程、および前記少なとも1つの弱化ライン(31)を挿入する工程とが、レーザーによって、スタンピングによって、パンチングによって、超音波によって、または切断によって、前記整列されたタバコ製品(11)を覆う前または後に行われる、製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はタバコ製品パッケージ、および当該タバコ製品パッケージを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
市場には様々なタバコ関連製品が提供されているが、そのほとんどは、シガレット、巻きタバコ、シガリロ、またはシガーのような燃焼を目的としたものである。しかし、燃焼を必要としないが、経口または経鼻投与を目的とした他のタバコ関連製品も存在する。そのような製品の例としては、噛みタバコ、無煙スナッフおよびスヌースが挙げられる。さらに、タバコ関連製品の新しいクラスが存在し、タバコを燃焼させずに加熱して蒸気を発生させる、いわゆる加熱式タバコ製品が存在する。本出願の文脈において、「加熱式タバコ製品(heated tobacco products)」という用語は、燃焼させずに加熱することによって消費するのに適したタバコ製品を意味し、既に加熱されたタバコ製品を意味するものではない。
【0003】
これらの加熱式タバコ製品は、適切な電子装置を用いてタバコの燃焼温度以下の温度に加熱される。加熱式タバコ製品は、筒形の形状を有していてもよく、シースに包まれたタバコ、再構成タバコ、または処理タバコの充填物を含み、ここで、ベース領域はシースによって覆われていないままである。このような加熱式タバコ製品が対応する装置のフィッティングレセプタクルに挿入されると、充填物を加熱するための加熱要素が、第1のベース領域を介して充填物の中に突出するか、またはタバコ製品を取り囲む。ユーザが電子機器のマウスピースを吸引すると、空気は、第2のベース領域、加熱された充填物、および第1のベース領域を介して吸い込まれ、最終的にユーザによって吸入される。
【0004】
さらに、タバコの充填物は、揮発性物質、例えばグリセリンベースの物質で処理されることがあるので、そのような加熱式タバコ製品のパッケージングが最も重要である。ここで、パッケージングは、高温または湿度などの環境影響から加熱式タバコ製品を保護する。その上で、パッケージングは、加熱式タバコ製品の鮮度を維持するために、特に製品の乾燥を防止するために、加熱式タバコ製品に密封性を提供する。
【0005】
現在まで、加熱式タバコ製品は、通常、従来のシガレットのように小さなオーバーパックに包装されており、複数の加熱式タバコ製品がオーバーパック内で互いに直立して隣り合って配置されている。しかしながら、代替パッケージ、例えば、スペース効率の良い方法で複数の加熱式タバコ製品を含むパッケージは、消費者および製造業者にとって大きな関心事である。したがって、複数の加熱式タバコ製品をスペース効率の良い方法で長時間包装することを可能にする加熱式タバコ製品のためのパッケージおよびパッケージング方法は、特別に商業的な関心事である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明の目的は、加熱式タバコ製品、特に複数の加熱式タバコ製品のための製品パッケージであって、環境の影響から加熱式タバコ製品を保護し、充填物の乾燥を防止するための改善された密封性を提供する製品パッケージを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(本発明の概要)
先行技術の欠点は、添付の特許請求の範囲に係るタバコ製品パッケージおよびそのようなパッケージを製造するための方法によって克服されるか、または少なくとも低減される。
【0008】
本発明の一側面によれば、整列方向に整列された少なくとも2つの筒形状のタバコ製品を含むタバコ製品パッケージが提供される。好ましくは、タバコ製品は加熱式タバコ製品である。
【0009】
タバコ製品パッケージにおいて、包装材は、少なくとも初期状態で、整列されたタバコ製品、好ましくは整列された各タバコ製品の外側表面の少なくとも一部を覆う。外側表面は、タバコ製品の側方筒形表面および/またはベース領域を含み得る。
【0010】
引き裂きストリップが、包装材に沿って整列方向に配置されている。言い換えれば、引き裂きストリップは、整列されて包装されたタバコ製品の一方の終端から、整列されて包装されたタバコ製品の反対側の終端まで延伸している。ここで、引き裂きストリップは、直線状、曲線状、またはジグザグ状に整列方向に沿って延伸してもよい。さらに好ましくは、引き裂きストリップは、整列されて包装されたタバコ製品の一方の終端からその反対側の終端に向かって螺旋状に巻かれている。ここで、螺旋のピッチは、好ましくは、タバコ製品の整列方向におけるタバコ製品の長さに適合する。したがって、螺旋の各回転の後に、1つのタバコ製品の包装を解くことができる。
【0011】
引き裂きストリップは、ユーザによって引っ張られると、包装材を引きちぎったり、引き裂いたり、破断したりするように構成されている。言い換えると、引き裂きストリップを引っ張ることにより、包装材は整列方向に沿って開かれる。ここで、好ましくは、包装材の開封は、引き裂きストリップを介して、タバコ製品を覆っている包装材の一部分を除去することによって提供される。
【0012】
本発明によれば、引き裂きストリップは、隣接するタバコ製品の界面の近傍に配置される少なくとも1つの弱化ラインを含む。引き裂きストリップは、それ自体は実質的に破断不可能であるか、または引き裂くことができないが、少なくとも1つの弱化ラインにおいて向上された破断性または引き裂き性を有している。好ましくは、引き裂きストリップは、ユーザによって引っ張られたときに、少なくとも1つの弱化ラインにおいて引きちぎれるか、または引き裂かれるように構成されている。
【0013】
従って、本発明は、複数のタバコ製品のための包装材パッケージであって、引き裂きストリップによって容易に開封することによって1つのタバコ製品へのアクセス及び引き出しができる包装材パッケージを提供する。ここで、隣接するタバコ製品の界面近傍に弱化ラインを設けることにより、引き裂きストリップを引っ張りすぎることによる包装材の過剰な開封が回避される。このようにして、ユーザは、タバコ製品を1つずつ簡単に取り外すことができ、ここで、1つのタバコ製品を引き出した後、残りのタバコ製品は確実に包装されたままである。従って、残りの製品の環境からの保護と密封性が確実に維持される。
【0014】
したがって、本発明のタバコ製品パッケージによれば、揮発性の高い物質を含む可能性のある加熱式タバコ製品を、このような複数の加熱式タバコ製品からなる集合体として提供することができる。また、これらの集合体において加熱式タバコ製品が個別に包装されていない場合であっても、個々のタバコ製品を取り出した後も残る包装材により、乾燥を確実に防ぐことができる。
【0015】
好ましい実施形態では、タバコ製品の整列方向は、タバコ製品の長手方向に垂直であり、特にタバコ製品の長手方向である。特に好ましくは、長手方向は、筒形状のタバコ製品の高さ方向に対応する。好ましくは、包装材はこのようにして、整列されたタバコ製品のベース領域および側方筒形表面の少なくとも一部を覆う。有利には、この実施形態では、タバコ製品のベース領域の両方が、タバコ製品を包装材から取り除いた後でも、包装材によって完全に覆われたままであり得る。したがって、タバコ製品の乾燥は、特に効率的に防止される。
【0016】
代替的に好ましい実施形態では、筒形状のタバコ製品は、長手方向、特にタバコ製品の長手方向に整列している。特に好ましい実施形態では、長手方向は、筒形の形状のタバコ製品の高さ方向に対応する。さらに好ましくは、長手方向に整列された隣接するタバコ製品のベース領域は、互いに対向している。以下では、整列方向を長手方向に一般的に限定することなく、整列方向の一例として長手方向のみを参照する。
【0017】
この代替的に好ましい実施形態によれば、包装材は、整列されたタバコ製品の側方筒形表面の少なくとも一部、好ましくは整列された各タバコ製品の側方筒形表面の少なくとも一部を、少なくとも初期状態では覆っている。さらに、包装材は、最も外側のタバコ製品のベース領域上に部分的に延伸していてもよい。有利には、この好ましい実施形態に従った複数のタバコ製品の棒状集合体は、従来のシガレットのような寸法にすることができる。したがって、従来のシガレットのためのパッケージング材料および機械は、有利には、簡単に利用されるか、または容易に利用されるように適合され得る。
【0018】
好ましくは、少なくとも1つの弱化ラインは、ユーザによって引き裂きストリップの引き裂き方向に付与された引張り力に応じて、引き裂きストリップが破断したり、引き裂かれたり、引きちぎられたりすることを可能にするように十分な深さを有する。ここで、弱化ラインの深さおよび/または弱化した位置(後述)が、引き裂きストリップを引き裂くのに必要な力の量を規制する。好ましくは、弱化ラインで引き裂きストリップを破断するのに必要な力は、引き裂きストリップを引っぱることによって包装材を引き裂くのに必要な力よりも小さいか、または最大でもこれに等しい。
【0019】
パッケージ内の整列されたタバコ製品は、好ましくは(実質的に)同一の(互いに)タバコ製品である。言い換えると、製品パッケージは、好ましくは、少なくとも2つ、好ましくは3、4、5、6またはそれ以上の個々の同一のタバコ製品を含む。このタバコ製品は、タバコ、再構成タバコ、または処理タバコの充填物を含む加熱式タバコ製品であってもよい。充填物は、好ましくは筒形の形状であり、特に好ましくは円筒形であり、さらに好ましくはエンベロープシェルによって囲まれている。エンベロープシェルは、紙、プラスチック、アルミニウム、およびこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、少なくとも1つの層で形成されていてもよい。
【0020】
特に好ましい実施形態によれば、少なくとも1つの弱化ラインの位置は、隣接するタバコ製品の対応する界面から、引き裂きストリップの引き裂き方向とは反対の方向にずれている。言い換えると、引き裂きストリップの引っ張り方向において、弱化ラインは、隣接するタバコ製品の対応する表面の前または上流側に配置される。したがって、ユーザが包装材を開くために引き裂きストリップを引っ張ると、引き裂きストリップは弱化ラインで破断するので、引き裂きストリップが次の界面を越えて包装材を破断して開くことを防ぐことができる。有利には、パッケージ内の残りのタバコ製品は、このようにして包装されたままであり、したがって、乾燥から保護される。
【0021】
さらに有利には、弱化ラインと対応する界面との間のシフトにより、引き裂きストリップは、引き裂かれた包装材からタバコ製品を取り出した後に、残りのタバコ製品の終端の上に突出する。有利には、この突出した部分は、包装材の次の部分を引き裂くために、ユーザが容易に掴むことができる。
【0022】
さらなる好ましい実施形態によれば、別の部分、例えば引き裂きストリップの片持ち部分が、引き裂きストリップの引っ張り方向または引き裂き方向とは反対の方向に、包装材の終端を越えて延伸している。したがって、ユーザは、有利には、包装材の第1の部分を引き裂くためにも、引き裂きストリップを容易につかむことができる。特に好ましくは、片持ち部分の長さは、隣接するタバコ製品の界面と対応する弱化ラインとの間の距離に相当し、好ましくは実質的に等しい。したがって、片持ち部分と、上述のような引き裂きストリップの残りの突出部分とは、特に、引き裂きストリップが長手方向に延伸している場合には、同じ長さである。したがって、ユーザの利便性およびタバコ製品パッケージの光学的外観が改善される。
【0023】
好ましい実施形態において、引き裂きストリップは包装材に取り付けられている。特に好ましくは、引き裂きストリップは、例えば、適切な接着剤を使用することによって、引き裂きストリップを部分的に溶接することによって、熱溶融することによって、または熱融着することによって、包装材等に接着されている。好ましくは、引き裂きストリップと包装材は、異なる材料であってもよい。特に好ましくは、包装材は紙材料であってもよく、引き裂きストリップはプラスチック材料であってもよい。引き裂きストリップの材料が、原則的に包装材の材料よりも破断耐性があると有利である。この実施形態によれば、引き裂きストリップは、好ましくは、包装材に取り付けられる前に、既に少なくとも1つの弱化ラインを有している。このように取り付けられた引き裂きストリップは、湾曲形状、ジグザグ形状等の形状であってもよいが、最も好ましくは、長手方向に沿って直線的延伸している。
【0024】
代替的に好ましい実施形態によれば、引き裂きストリップは、包装材と一体的に形成されている。言い換えると、引き裂きストリップと包装材は同じ材料で作られている。別の言い方をすれば、引き裂きストリップは包装材の一部である。特に好ましくは、包装材の断面において、円周の最大半分に対応する部分として引き裂きストリップが形成される。好ましくは、引き裂きストリップは、包装材の断面の円周の半分以下、好ましくは3分の1、4分の1、5分の1または6分の1である。このような一体型引き裂きストリップは、包装材に沿って直線状、曲線状、ジグザグ状、または螺旋状に形成され得る。
【0025】
特に好ましくは、引き裂きストリップは、長手方向に沿って延伸する包装材の実質的に平行な2本の弱化された引き裂きラインの間に形成されている。言い換えると、少なくとも2つの引き裂きラインは、包装材の一方の終端から包装材の反対側の終端まで平行に延びている。ここで、弱化された引き裂きラインは、ユーザが引き裂きストリップをその引っ張り方向に引っ張ることに応答して破断して開くように構成されている。さらに好ましくは、包装材と引き裂きストリップは同じプラスチック材料である。この特に好ましい実施形態によれば、有利には、追加の引き裂きストリップは必要ない。
【0026】
さらに好ましい実施形態によれば、タバコ製品パッケージはまた、包装材の周囲に周方向に延伸し、隣接するタバコ製品の界面に整列する少なくとも1つの破断ラインも有している。本発明の製品パッケージでは、個々のタバコ製品は、端と端で隣接していて、包装材によって包まれている。破断ラインは、隣接されたタバコ製品の間の少なくとも1つの接合部と位置を合わせて配置される。有利には、破断ラインは、引き裂きストリップを介して包装材の一部分を開封し、タバコ製品を取り出した後に、余分な包装材を除去することを可能にする。
【0027】
包装材に取り付けられている引き裂きストリップの場合、破断ラインは、好ましくは、包装材の全周に亘って延伸している。上述したように、引き裂きストリップの突出部をユーザのハンドルとして維持することを可能にするために、引き裂きストリップは、好ましくは、破断ラインの近傍では、包装材に接合、例えば取り付けられていない。したがって、過剰な包装材は、破断ラインを破断することによって、引き裂きストリップによって乱されることなく除去することができる。あるいは、接着された引き裂きストリップの突出部は省略され、破断ラインが包装材の全周に亘って延伸している。そして、接着された引き裂きストリップの弱化ラインは、過剰な包装材を容易に除去することを可能にするために、破断ラインと整列していることが好ましい。
【0028】
包装材に一体化された引き裂きストリップの場合、好ましくは、破断ラインの延伸は、包装材の全周には亘らない。特に好ましくは、破断ラインは、包装材の残りの外周にわたって引き裂きストリップの外側に延伸している。引き裂きストリップが、上述のように実質的に平行な弱化された引き裂きラインの間に形成されている場合、破断ラインは、好ましくは、引き裂きストリップの外側の引き裂きラインの間から延伸する。この実施形態によれば、過剰な包装材が破断ラインおよび引き裂きラインの一部に沿って容易に除去され得るので、引き裂きストリップの弱化ラインは破断ラインと整列してはならない。
【0029】
好ましくは、少なくとも1つの弱化ラインは、引き裂きストリップの材料における少なくとも1つの局所的な薄肉化、少なくとも1つの切断、または複数の穿孔によって形成される。弱化された引き裂きラインおよび破断ラインの包装材に関しても同様である。
【0030】
少なくとも1つの弱化ライン、少なくとも2つの弱化された引き裂きライン、および/または少なくとも1つの破断ラインは、断続的(不連続的)または連続的である。好ましくは、少なくとも1つの弱化ライン、少なくとも2つの弱化された引き裂きライン、および/または少なくとも1つの破断ラインは、複数の不連続な弱化した場所を間隔をあけて有しており、ここで、弱化した場所は、穿孔またはスコアラインの形態をとっていてもよい。このような弱化した場所は、例えば、穿孔、スコアライン、レーザーカットなどの様々な技術によって形成することができる。しかしながら、使用可能な方法を少なくとも説明するために、少なくとも1つの弱化ライン、少なくとも2つの弱化された引き裂きライン、および/または少なくとも1つの破断ラインのそれぞれは、1つの弱化した場所によって形成されたものとみなされてもよい。
【0031】
引き裂きストリップの少なくとも1つの弱化ライン(それは包装材の一部であり得る)、包装材の少なくとも2つの弱化された引き裂きライン、および/または包装材の少なくとも1つの弱化した破断ラインは、複数の同一または異なる工程によって得られてもよいし、単一の工程によって得られてもよい。同一の工程が使用されるかどうかは、引き裂きストリップの材料が包装材の材料と同一であるかどうかに依存し得る。工程の選択は、整列したタバコ製品の周りに包装材を覆う前に弱化部分が導入されるか後に導入されるか、および引き裂きストリップが包装材に取り付けられているか、または包装材と一体的に形成されているかにさらに依存し得る。しかしながら、特に好ましい実施形態では、少なくとも1つの弱化ライン、少なくとも2つの弱化された引き裂きライン、および少なくとも1つの破断ラインは、1つの工程によって得られる。
【0032】
好ましい実施形態では、弱化ラインおよび/または弱化した場所は、引き裂きストリップを少なくとも部分的に貫通して穿孔を挿入することによって形成され得る。あるいは、弱化ラインおよび/または弱化した場所は、引き裂きストリップを少なくとも部分的に貫通するようにレーザー切断することによって形成されて得る。また、穿孔は、機械的手段、例えば、少なくとも部分的な切断、電磁放射、超音波、パンチング、工業用溶剤、または化学処理によって得られてもよい。弱化ラインおよび/または弱化した場所は、包装材上または包装材中に形成される前に、引き裂きストリップ上に形成されてもよい。また、弱化ラインおよび/または弱化した場所は、その適用前に引き裂きストリップに形成されていてもよい。
【0033】
好ましくは、少なくとも1つの弱化した場所は、ユーザによって引き裂きストリップまたは包装材に及ぼされた十分な力によって、引き裂きストリップまたは包装材がそれぞれ破断し、引き裂かれ、または引きちぎられることを可能にするように十分な深さを有している。ここで、弱化した場所の深さは、引き裂きストリップおよび/または包装材を引き裂くのに必要な力の量を調節する。好ましくは、引き裂きストリップを介して包装材を引き裂くのに必要な力は、破断ラインで余分な包装材を引き裂くのに必要な力よりも小さいか、または最大でも等しい。
【0034】
弱化された引き裂きラインおよび/または弱化された破断ラインに関して、弱化した場所は、少なくとも2つのタバコ製品の上に配置された包装材の環境およびシール能力を維持するように、包装材を部分的にのみ貫通してもよい。しかしながら、引き裂きストリップに関しては、弱化した場所は、それを完全に貫通してもよい。したがって、引き裂きストリップの破断力は、包装材の破断力よりも小さいことがあり得る。
【0035】
好ましくは、包装材および引き裂きストリップの少なくとも1つは、紙、プラスチック材料、またはアルミニウムの少なくとも1つの層を含む。さらに好ましくは、少なくとも包装材は、複数の層を含む積層体である。包装材が複数の層を含む場合、すなわち複合体または積層体である場合、複数の層は、一緒に積層されていてもよいし、接着剤を使用してもよい。
【0036】
機能的な観点からは、包装材は、好ましくは、可燃性であり、少なくとも耐熱性であり、および/または加熱されたときに有害物質を放出せず、および/または電子デバイスに包装材が誤って挿入された場合にも電子機器を損傷しない。さらに好ましくは、提供される包装材の材料は、十分に水および蒸気不透過性であり、他の材料に関しても同様に十分なバリア性を提供し、すなわち十分な密封性を提供し、費用対効果が高い。包装材は、その1つ以上の領域で不透明、半透明、または透明であり得る。さらに、1つまたは複数の商標、ロゴ、または類似のものが包装材に印刷され得る。
【0037】
さらに好ましくは、包装材および引き裂きストリップの材料は、一般に、容易に破断可能または引き裂き可能ではなく、すなわち、破断耐性または引き裂き耐性を有している。言い換えると、包装材および引き裂きストリップの破断性または引き裂き性、すなわちユーザが包装材および/または引き裂きストリップの少なくとも一部を引き裂くことができる性質は、少なくとも1つの弱化ライン、少なくとも2つの弱化された引き裂きライン、および少なくとも1つの破断ラインによってのみ提供される。
【0038】
特に好ましくは、包装材は、紙、アルミニウム箔、金属箔、プラスチック箔、アルミニウム被覆箔、アルミニウム被覆紙、プラスチック被覆紙、積層体、フリースのうちの少なくとも一つからなり、前記各包装材は、穿孔が入っているか、または入っていないものである。
【0039】
さらに好ましくは、包装材にはプラスチック材料が使用され、例えば、プラスチックのシートまたはフィルムラップなどが挙げられる。例示的には、以下のプラスチック材料のうちの1つ以上を包装材に採用することができる:ポリエステル、金属化ポリエステル、異なるポリプロリレン(PPs)、金属化ポリプロピレン、ポリエチレン(PE's、例えばLDPE、MDPE、およびHDPEを含む)、またはポリエチレン共重合体(LLDPE、EVAを含む)。
【0040】
特に好ましい実施形態によれば、少なくとも1つの包装材の層は、少なくとも2つの整列したタバコ製品の少なくとも側方筒形表面の周りに覆われている。言い換えると、包装材は、収縮によってタバコ製品の周囲に配置されるのではなく、ここで収縮も好ましいものの、整列したタバコ製品の周囲に包装され、少なくとも1つのシーム領域内またはオーバーラップ領域内でそれ自体と結合されている。シーム領域では、包装材の材料はそれ自体に溶接されていることが好ましく、オーバーラップ領域では、包装材はまた、それ自体に、例えば適当な接着剤によって接着されていてもよい。さらに、オーバーラップ領域は、シーム領域によって両側の側面で規定されていてもよい。言い換えると、オーバーラップ領域は、2つの溶接シームを介して包装材シートをそれ自体に結合することによって形成されてもよい。
【0041】
この好ましい実施形態によれば、少なくとも1つの弱化された引き裂きラインのうちの1つは、好ましくはシーム領域に対応する。さらに好ましくは、少なくとも2つの弱化された引き裂きラインは、オーバーラップ領域の縁に配置される。有利には、弱化した場所は、溶接に使用されるのと同じプロセスで包装材に付与され得、例えば、溶接シームおよび弱化した場所を形成するために異なる照射強度を有するレーザーが利用される。さらに好ましくは、引き裂きストリップは、オーバーラップ領域に対応する。有利には、一体型引き裂きストリップは、このようにして、他の包装材の2倍の材料強度で形成される。
【0042】
本発明の別の側面は、タバコ製品パッケージ、特に上記のタバコ製品パッケージを製造するための方法に関する。本発明の方法は、少なくとも以下の工程を含む:第1に、少なくとも2つの筒形のタバコ製品が、隣接するタバコ製品のベース領域が互いに向き合うように長手方向に整列される。次に、整列されたタバコ製品は、包装材層によって被覆される。被覆は、整列されたタバコ製品の周りに予め形成された被覆材料のチューブを提供し、整列されたタバコ製品上にチューブをしっかりと収縮させることによって行うことができる。そのような収縮は、包装材の表面に熱または熱風を付与することによって行うことができる。あるいは、包装材のシートをタバコ製品の周りに巻き付け、シーム領域および/またはオーバーラップ領域においてそれ自体に取り付けられる。包装材のシートは、例えば溶接により、または接着剤によりそれ自体に接着することができる。
【0043】
本発明の方法は、包装材材料から一体的に引き裂きストリップを形成するために、長手方向に沿って延びる少なくとも2つの実質的に平行な弱化された引き裂きラインを包装材層に挿入する工程をさらに含む。本発明の方法において、包装材の周の周りに、すなわち長手方向に実質的に垂直な方向に、少なくとも部分的に延伸している少なくとも1つの弱化された破断ラインが、包装材層に挿入される。さらに、弱化された破断ラインは、隣接するタバコ製品間の界面と整列し得る。本発明の方法では、さらに少なくとも1つの弱化ラインが引き裂きストリップに挿入される。ここで、弱化ラインは、好ましくは、長手方向に実質的に垂直に延伸し、好ましくは、隣接するタバコ製品の界面の近傍に配置される。
【0044】
少なくとも2つの弱化された引き裂きライン、少なくとも1つの破断ライン、および少なくとも1つの弱化ラインの挿入は、好ましくは、レーザーによって、スタンピングによって、または切断によって行われる。しかしながら、弱化ライン、弱化された引き裂きライン、および/または破断ラインの挿入には、原則として、タバコ製品パッケージに関して上述した任意の工程が本発明の方法において使用できる。
【0045】
さらに、少なくとも2つの弱化された引き裂きライン、少なくとも1つの破断ライン、および少なくとも1つの弱化ラインの挿入は、整列されたタバコ製品を被覆する後または前に行うことができる。しかしながら、挿入が被覆する前に行われる場合、すなわち、タバコ製品を被覆するために事前に穿孔された包装材が利用される場合、隣接するタバコ製品の界面の位置は、そのような界面の予想される位置である。好ましくは、そのような場合、包装材層は、包装材層の幅を横切るように整列された(横方向の)穿孔線で予め穿孔され得、各列は、1つのタバコ製品の長さに対応する距離だけ隣接する列から分離されている。さらに、包装材の円周方向は、円周または幅の予想される方向である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
本発明のさらなる態様は、以下の添付の図面を参照しながら例示的な実施形態を詳細に説明することにより、当業者に明らかになるであろう。
図1】第1の実施形態にかかるタバコ製品パッケージの概略斜視図を示す。
図2】第2の実施形態にかかるタバコ製品パッケージの概略斜視図を示す。
図3】第3の実施形態にかかるタバコ製品パッケージの概略斜視図を示す。
図4】第4の実施形態にかかるタバコ製品パッケージの概略斜視図を示す。
図5】第4の実施形態にかかるタバコ製品パッケージを開封する工程を示す。
【発明を実施するための形態】
【0047】
図1は、本発明の第1の実施形態にかかるタバコ製品パッケージ10の概略斜視図である。タバコ製品パッケージ10は、長手方向Lに整列された4つのタバコ製品11を含み、隣接するタバコ製品11のベース領域15が隣接するタバコ製品11の間の界面14で互いに向き合っている。複数の整列されたタバコ製品11は、タバコ製品11の側方筒形表面12を覆う包装材20で包まれている。図1は4つの整列されたタバコ製品11を示しているが、他の数も採用可能である。
【0048】
タバコ製品11のそれぞれは、再構成タバコの充填物を含む加熱式タバコ製品11であり、当該充填物はグリセリンベースの物質で処理され、前記充填物の周りは包装紙で包まれている。各タバコ製品11は、長手方向Lに15mmの長さを有し、この長さは、電子機器(図示せず)の対応する空洞に適合されている。ただし、他の長さ、例えば6mmから100mmの範囲、好ましくは15mmから40mmも採用可能である。図1に示される各タバコ製品11の直径は、約7.8mmである。しかしながら、例えば約4.5mmから約10mmなどの他の直径も採用可能である。
【0049】
図1のタバコ製品パッケージ10は、包装材20に取り付けられた引き裂きストリップ30をさらに含む。ここで、引き裂きストリップ30は、その全長に渡って包装材20の外側表面に接着されている。引き裂きストリップ30は、複数の弱化ライン31を含み、ここで、各弱化ライン31は、隣接するタバコ製品11の間の界面14の近くに配置されている。特に、各弱化ライン31は、対応する界面14から長手方向Lに離間している。包装材の終端23において、引き裂きストリップ30は、包装材20を越えて突出し、したがって、片持ち部分32を形成する。ここで、長手方向Lにおける片持ち部分32の長さは、弱化ライン31と対応する界面14との間の距離に等しい。
【0050】
各弱化ライン31は、引き裂きストリップ30の幅方向に、すなわち長手方向Lに実質的に垂直に延伸する複数の穿孔によって形成される。片持ち部分32で引き裂きストリップ30をつかみ、長手方向Lと反対の引き裂き方向Tにユーザが引っ張ると、初期においては包装材20をその第1のセクションにおいて引き裂き、これは、最も外側のタバコ製品11に対応する。したがって、包装材20と引き裂きストリップ30との間の接着剤の接着力は、包装材20を引き裂くのに必要な力を超える。引き裂きストリップ30が包装材20を通して引き裂かれ、弱化ライン31に到達すると、引き裂きストリップ30は弱化ラインで破断し、包装材20の引き裂きは中断される。包装材20を引き裂くのに必要な力は、引き裂きストリップ30を引き裂くのに必要な力よりも大きい。
【0051】
図2は、第2の実施形態にかかるタバコ製品パッケージ10の概略斜視図であり、図1と同様の特徴は、同様の参照符号で示されている。
【0052】
第2の実施形態のタバコ製品パッケージ10は、第1の実施形態のものと比較して、包装材20が、図1に示される隣接するタバコ製品11の間の界面14の位置で、包装材20の周を延伸する複数の破断ライン21を有している点で異なる。さらに、第2の実施形態では、引き裂きストリップ30は、タバコ製品11の間の界面14の位置の近傍、破断ライン21の位置においては包装材20に接着しておらず、すなわち、引き裂きストリップ30は包装材20に部分的にしか接着していない。
【0053】
したがって、ユーザが片持ち部分32で引き裂きストリップ30を掴んで引き裂き方向Tに引っ張ると、再び、一番外側のタバコ製品に対応する包装材20の第1のセクションが、引き裂きストリップ30が弱化ライン31で破断するまで引き裂かれる。その後、ユーザは、破断ライン21において引き裂くことにより、余分な包装材20を取り除くことができる。これにより、タバコ製品パッケージ10の新しい終端が形成される。引き裂きストリップ30は、前の弱化ライン31の位置まで延伸しており、したがって、この新しい終端を越えて突出している。
【0054】
図3は、第3の実施形態にかかるタバコ製品パッケージ10の概略斜視図であり、図1図2と同様の特徴は、同様の参照符号で示されている。
【0055】
第3の実施形態では、引き裂きストリップ30は、包装材20と一体的に形成されている。特には、引き裂きストリップ30は、パッケージ10の長手方向Lに沿って平行に延伸する2本の弱化された引き裂きライン22によって形成される。特に好ましくは、弱化された引き裂きライン22および弱化ライン31は、複数の弱化された位置、例えば穿孔によって形成されている。ここで、弱化ライン31の弱化された位置の深さおよび/または大きさは、弱化された引き裂きライン22の弱化された位置の深さを超える。したがって、引き裂きストリップ30は、引き裂きライン20に沿って残りの包装材20から引き裂きストリップ30を引き裂くのに必要な力よりも低い引っ張り力で、弱化ライン31に沿って破断する。
【0056】
図4は、第4実施形態にかかるタバコ製品パッケージ10の概略斜視図であり、図1図3と同様の特徴は、同様の参照符号で示されている。
【0057】
第4実施形態のタバコ製品パッケージ10は、包装材20が、隣接するタバコ製品11の間の界面14の位置で包装材20の周を部分的に延伸する複数の破断ライン21を含む点で、図3に示される第3実施形態とは異なる。ここで、破断ライン21は、それぞれ弱化された引き裂きライン22で終端し、引き裂きストリップ30を横切って延伸しない。しかしながら、破断ライン21と対応する弱化線31との組み合わせによって、包装材20の全周に亘る弱化された位置が形成される。
【0058】
第4実施形態にかかるタバコ製品パッケージを開封する工程は、図5A~5Cにさらに詳細に示されている。図5において、実線は、隣接するタバコ製品11の間の界面14と、これらの界面14に整列した破断ライン21とを示している。
【0059】
図5Aでは、図4のタバコ製品パッケージ10が直立した状態で示されている。図4のパッケージ10との唯一の相違点は、弱化ライン31が直線状ではなく、引き裂きライン22の間に曲線状に形成されている点である。図5Aにさらに示されているように、片持ち部分32は、包装材10の終端を越えて突出しており、ユーザが引き裂きストリップ30を容易に掴むためのハンドルを提供する。
【0060】
図5Bに示すように、ユーザが引き裂きストリップ30を引き裂き方向Tに引っ張ると、引き裂きストリップ30は、弱化された引き裂きライン22に沿って残りの包装材20から破断する。引き裂きストリップ30が引っ張られて弱化ライン31に一度達すると、引き裂きストリップ30は、弱化ライン31に沿って残りのパッケージ10から破断する。したがって、ユーザは、次の破断ライン21を越えて突出した引き裂きストリップ30の先端が新たな片持ち部分32を形成するように、引き裂きストリップ30の引き裂かれた部分301を除去することができる。その後、ユーザは、破断ライン21(図示せず)に沿って余分な包装材20を除去するか、またはパッケージ10上に残留させることができる。
【0061】
図5Cに示されるように、引き裂きストリップ30の次のセクション302の片持ち部分32をつかみ、それを引き裂く方向に引っ張ることによって、ユーザは、包装材20の次のセクションを引き裂くことができる。ここで、引き裂きストリップ30は、弱化された引き裂きライン22に沿って残りの包装材20から破断して、次の弱化ライン31に到達するまで破裂する。ここで、引き裂きストリップ30のセクション302が破断し、残りのパッケージ10から取り除かれる。そしてここにおいても、ユーザは、破断ライン21(図示せず)に沿って余分な包装材20を取り除くか、またはそれをパッケージ10上に残すことができる。本発明のタバコ製品パッケージ10では、個々のタバコ製品は、引き裂きストリップを利用することによって包装材から便利に除去され、包装材の過剰な破断が回避され、したがって密封性が改善される。
図1
図2
図3
図4
図5(A)】
図5(B)】
図5(C)】