(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-26
(45)【発行日】2023-08-03
(54)【発明の名称】ベッド装置
(51)【国際特許分類】
A47C 21/00 20060101AFI20230727BHJP
A61G 7/05 20060101ALI20230727BHJP
【FI】
A47C21/00
A61G7/05
(21)【出願番号】P 2021084716
(22)【出願日】2021-05-19
(62)【分割の表示】P 2017228881の分割
【原出願日】2017-11-29
【審査請求日】2021-05-19
(73)【特許権者】
【識別番号】390039985
【氏名又は名称】パラマウントベッド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112335
【氏名又は名称】藤本 英介
(74)【代理人】
【識別番号】100101144
【氏名又は名称】神田 正義
(74)【代理人】
【識別番号】100101694
【氏名又は名称】宮尾 明茂
(74)【代理人】
【識別番号】100124774
【氏名又は名称】馬場 信幸
(72)【発明者】
【氏名】石橋 佳宜
【審査官】井出 和水
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/008677(WO,A1)
【文献】特開2008-019941(JP,A)
【文献】特開2017-197156(JP,A)
【文献】特開2004-147887(JP,A)
【文献】特開2000-093465(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0300872(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0081592(US,A1)
【文献】特許第6060093(JP,B2)
【文献】国際公開第2013/108503(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/175376(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 17/00 - A47C 23/34
A61G 7/00 - A61G 7/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部フレームを有するベッド装置であって、
前記上部フレームに掛かる荷重を検出する検出部材と、
水平方向に変位可能な連結機構と、
前記連結機構の一端部を前記上部フレーム側に保持する第1の取付部材と、
前記連結機構の他端部を前記検出部材側に保持する第3の取付部材と、
を備え、
前記上部フレームと、前記連結機構と、前記検出部材とを
上下に重なることなく水平方向に配置し、
前記連結機構を介して少なくとも前記第1の取付部材と前記第3の取付部材との何れか一方と前記検出部材とが連結される
ことを特徴とするベッド装置。
【請求項2】
前記連結機構は、
前記第3の取付部材に連結される第1の球体保持部材と、
前記第1の取付部材に連結される第2の球体保持部材と、
前記第1の球体保持部材と、前記第2の球体保持部材によって上下方向で変位可能に挟持される球体と、
を更に備えることを特徴とする請求項1に記載のベッド装置。
【請求項3】
前記第1の球体保持部材は、前記球体と接する部分に、前記球体が変位可能なように前記球体よりも曲率半径の大きい凹状の曲面が形成され、
前記第2の球体保持部材は、前記球体と接する部分に、前記球体が変位可能なように前記球体よりも曲率半径の大きい凹状の曲面が形成されている
ことを特徴とする請求項2に記載のベッド装置。
【請求項4】
水平方向にスライド可能なスライド部材を備え、
前記スライド部材を介して前記連結機構を取付ける
ことを特徴とする請求項1から3のうち何れか一項に記載のベッド装置。
【請求項5】
前記ベッド装置は、前記上部フレームを保持するベースフレームを更に有し、
前記ベースフレームは、前記検出部材の他端部を前記ベースフレーム側に保持する第2の取付部材を更に備えることを特徴とする請求項1から4のうち何れか一項に記載のベッド装置。
【請求項6】
前記検出部材は、前記上部フレームに対して少なくとも3箇所に設けられることを特徴とする請求項1から5のうち何れか一項に記載のベッド装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベッド装置に係り、特に、マットレスを保持する上部フレームと前記上部フレームを保持するベースフレームとを有するベッド装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、医療機関や、介護施設、在宅介護や自宅療養のために一般家庭等で使用されるベッド装置において、患者がベッド装置に在床状態で体重を測定したいという要望が従来からあった。
【0003】
そのため、従来技術として、例えばベッドフレームを2重構造として、その間に荷重検出装置としてロードセルを組み込んだベッド装置が知られている(特許文献1を参照)。
【0004】
また、床上に置かれたロードセルの上にベッド脚部を乗せて荷重を測定するようにしたものや、ベッド脚部とアジャスター付キャスターとの間に組み込んで荷重を測定するとともに、移動可能にしたベッド装置が知られている(特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2007-256074号公報
【文献】実開平7-18224号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、利便性・安全性を向上させるために、ベッド装置の高さ(設置面である床面と、ベッド本体の上部フレームとの高さである床高)を、最低時には極力低くする低床型のベッド装置が登場している。
【0007】
低床型のベッド装置では、最低位置の状態でベッドから利用者が落下しても怪我をしないように、できるだけ低く構成することが望まれている。
【0008】
しかし、特許文献1のように、ベッドフレームを2重構造としたり、特許文献2のように、ロードセルの上にベッド脚部を乗せる構造では、ロードセルの高さやフレームの高さ分床高が高くなってしまい、低床のベッド装置を実現出来ないという問題があった。
【0009】
ベッド装置の床高が高くなると、使用者が離床しにくくなり、転倒や転落する畏れがあったり、ベッド装置のセッティングや移動の際の取り回しがしにくくなるという問題がある。また、ロードセルを設けてもベッド装置の床高を低く構成し、かつロードセルの測定精度を良くするためには、構造が複雑になったり、構成部品や製造コストが増大するという問題がある。
【0010】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、ベッド装置において、床高への影響を少なくして、簡単な構成で精度の高い荷重測定を実現できるベッド装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決するための本発明に係るベッド装置は、次の通りである。
【0012】
本発明は、マットレスを保持する上部フレーム(例えば、内フレーム)と、前記上部フレームを保持するベースフレーム(例えば、外フレーム)とを有するベッド装置であって、前記上部フレームに掛かる荷重を検出するロードセルと、前記ロードセルの一端部を前記上部フレーム側に保持する第1の取付部材と、前記ロードセルの他端部を前記ベースフレーム側に保持する第2の取付部材と、を備え、前記上部フレームと前記ベースフレームと前記ロードセルとを水平方向で並べて配置した状態で、前記第1の取付部材と前記第2の取付部材とを介して前記上部フレームと前記ロードセルと前記ベースフレームとを連結することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明のベッド装置によれば、マットレスを保持する上部フレームと、前記上部フレームを保持するベースフレームとを有するベッド装置であって、前記上部フレームに掛かる荷重を検出するロードセルと、前記ロードセルの一端部を前記上部フレーム側に保持する第1の取付部材と、前記ロードセルの他端部を前記ベースフレーム側に保持する第2の取付部材と、を備え、前記上部フレームと前記ベースフレームと前記ロードセルとを水平方向で並べて配置した状態で、前記第1の取付部材と前記第2の取付部材とを介して前記上部フレームと前記ロードセルと前記ベースフレームとを連結することで、床高への影響を少なくして、前記第1の取付部材と前記第2の取付部材とにより前記ロードセルの取付位置の調整が容易にできるので、簡単な構成で精度の高い荷重測定を実現できる。これにより、ベッド装置の床高を低くできるので、使用者が離床し易くなり、転倒や転落を抑制でき、例えベッドから落下しても怪我をしないようにして、また、ベッド装置のセッティングや移動の際の取り回しがし易くなる。さらに、また、簡単な構成にできるので、構成部品や製造コストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】第1実施形態に係るベッド装置の全体の構成を示す説明図である。
【
図2】前記ベッド装置のマットレスを外したフレーム構造を示す説明図である。
【
図3】前記ベッド装置のマットレス、ボトムを外したフレーム構造を示す説明図である。
【
図4】前記ベッド装置のフレーム構造の下側の構成を示す説明図である。
【
図5】前記ベッド装置におけるロードセルの取付構造を示す説明図である。
【
図7】前記ロードセルの取付構造の変形例1を示す説明図である。
【
図8】前記ロードセルの取付構造の変形例2を示す説明図である。
【
図9】第2実施形態に係るベッド装置を構成するロードセルの取付構成を示す説明図である。
【
図10】前記ロードセルの取付構成の概略図である。
【
図11】前記ロードセルを連結するジョイント部の構成を示す説明図である。
【
図12】前記ジョイント部の取付構造を示す断面図である。
【
図13】前記ジョイント部の動作原理を説明する概略図である。
【
図14】第3実施形態に係るベッド装置を構成するロードセルの取付構成を示す説明図である。
【
図15】前記ロードセルの取付構成の概略図である。
【
図16】第4実施形態に係るベッド装置を構成するロードセルの取付構成を示す説明図である。
【
図17】前記ロードセルの取付構成の概略図である。
【
図18】第5実施形態に係るベッド装置を構成するロードセルの取付構成を示す説明図である。
【
図19】前記ロードセルの取付構成の概略図である。
【
図20】第6実施形態に係るベッド装置におけるロードセルの取付位置を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1実施形態)
以下、本発明のベッド装置を実施するための形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明を実施する形態の一例であって、第1実施形態に係るベッド装置の全体の構成を示す説明図、
図2は前記ベッド装置のマットレスを外したフレーム構造を示す説明図、
図3は前記ベッド装置のマットレス、ボトムを外したフレーム構造を示す説明図、
図4は前記ベッド装置のフレーム構造の下側の構成を示す説明図、
図5は前記ベッド装置におけるロードセルの取付構造を示す説明図、
図6は前記ベッド装置におけるロードセルの取付構造の概略図である。
【0016】
第1実施形態に係るベッド装置1は、
図1、
図2に示すように、マットレス2と、マットレス2が載置される分割されたボトム(床部)3と、ボトム3を介してマットレス2を保持する上部フレーム5と、上部フレーム5を保持するベースフレーム6と、ベースフレームを支持する脚部8を有するベッド装置1であって、上部フレーム5に掛かる荷重を検出するロードセル10が搭載されている。
【0017】
ベッド装置1のベッドフレームは、
図2,
図3,
図4に示すように、上部フレーム5とベースフレーム6とを備えて構成されている。
【0018】
ベースフレーム6は、矩形状の枠体で構成されている。
上部フレーム5は、ベースフレーム6の枠体の内側に沿ってベッド装置1の長手方に長い縦フレーム5aと、縦フレーム5aをベッド装置1の幅方向で連結する横フレーム5bとを有して構成されている。以下、縦フレーム5a、横フレーム5bを総じて上部フレーム5と称する。
【0019】
第1実施形態に係るベッド装置1は、ロードセル10を取付ける構成として、
図5,
図6に示すように、ロードセル10の一端部を上部フレーム5側に保持する上部フレーム側プレート(第1の取付部材)21と、ロードセル10の他端部をベースフレーム6側に保持するベースフレーム側プレート(第2の取付部材)22と、を備え、上部フレーム5とベースフレーム6とロードセル10とを水平方向で並べて配置した状態で、上部フレーム側プレート21とベースフレーム側プレート22とを介して上部フレーム5とロードセル10とベースフレーム6とを連結するように構成されることを特徴としている。
【0020】
上部フレーム側プレート21は、一端側が上部フレーム5の上部に連結され、他端側にロードセル10の一端側が連結されるようにされている。第1実施形態では、上部フレーム側プレート21は、ロードセル10の上側に連結されている。
【0021】
ベースフレーム側プレート22は、一端側がベースフレーム6の下部に連結され、他端側にロードセル10の他端側が連結されるようにされている。第1実施形態では、ベースフレーム側プレート22は、ロードセル10の下側に連結されている。
【0022】
このように構成することで、上部フレーム5とロードセル10とベースフレーム6とが水平方向に並べて連結された状態となる。
【0023】
上部フレーム側プレート21とロードセル10の取付けと、ベースフレーム側プレート22とロードセル10との取付けは、ボルト等の締結部材によって着脱可能に取付けられており、締結部材の取付穴と締結部材との遊びによって取付位置の多少の調整が可能となる。なお、締結部材の取付穴を大きめに形成したり、長穴状に形成してもよい。
【0024】
以上のように構成したので、第1実施形態のベッド装置1によれば、ベッド装置の構成として、上部フレーム5に掛かる荷重を検出するロードセル10と、ロードセル10の一端部を上部フレーム5側に保持する上部フレーム側プレート21と、ロードセル10の他端部をベースフレーム側に保持するベースフレーム側プレート22と、を備えて、上部フレーム5とベースフレーム6とロードセル10とを水平方向で並べて配置した状態で、上部フレーム側プレート21とベースフレーム側プレート22とを介して上部フレーム5とロードセル10とベースフレーム6とを連結することで、上部フレーム5とベースフレーム6とロードセル10とが上下に重なることがないので、ベッド装置1を低床に構成できる。これにより、使用者が離床し易くなり、転倒や転落を抑制でき、例えベッドから落下しても怪我をしないようにして、また、ベッド装置のセッティングや移動の際の取り回しがし易くなる。
【0025】
また、第1実施形態のベッド装置1によれば、上部フレーム側プレート21とベースフレーム側プレート22とを介してロードセル10を取付けるようにしたので、ロードセル10の取付位置の調整が容易にできるので、簡単な構成で精度の高い荷重測定を実現できる。また、構成部品や製造コストの低減を図ることができる。
【0026】
また、第1実施形態では、ベッド装置1のベースフレーム6の4角に、上部フレーム5の4角の荷重を測定する4個のロードセル10を配置したことで、マットレス2上における荷重の変位を正確に測定することができる。
なお、ロードセル10を3箇所に配置して荷重を測定するようにしてもよい。
【0027】
また、第1実施形態では、ロードセル10を上部フレーム側プレート21とベースフレーム側プレート22とにより上下方向で支持するように構成しているが、ロードセル10の支持する構成はこれに限定されるものではない。
【0028】
(変形例)
以下に、第1実施形態の変形例を説明する。
図7は第1実施形態に係るベッド装置におけるロードセルの取付構造の変形例1を示す説明図、
図8は第1実施形態に係るベッド装置におけるロードセルの取付構造の変形例2を示す説明図である。
なお、変形例において、第1実施形態に係るベッド装置の構成と同様な構成を有するものは、同一の符号を付することで説明を省略する。
【0029】
変形例1は、第1実施形態の上部フレーム側プレート21に換えて、
図7に示すように、一端側が上部フレーム5の下部に連結され、他端側がロードセル10の一端側の下側に連結される上部フレーム側プレート21aを備えるものである。
【0030】
このように構成することで、ロードセル10を上部フレーム側プレート21aとベースフレーム側プレート22に配置した状態で同じように下側から取付けることができるので、作業性の向上を図ることができる。
【0031】
変形例2は、第1実施形態の上部フレーム側プレート21に換えて、
図8に示すように、一端側が上部フレーム5の側部に連結され、他端側がロードセル10の一端側の下側に連結される上部フレーム側プレート21bを備えるものである。
【0032】
上部フレーム側プレート21bは、L字状に形成され、上部フレーム5の側部に対して上下方向に位置調整が可能に構成したものであってもよい。
【0033】
このように構成することで、変形例1と同様に、ロードセル10を上部フレーム側プレート21aとベースフレーム側プレート22に配置した状態で同じように下側から取付けることができるので、作業性の向上を図ることができる。
【0034】
さらに、上部フレーム側プレート21bを、上部フレーム5の側部に対して上下方向に位置調整が可能に構成することで、ロードセル10を高さ方向でも位置調整が可能に取付けることができるので、さらに測定精度を良好にすることができる。
【0035】
なお、ロードセル10を上部フレーム側プレートとベースフレーム側プレートとへ取付ける構成は、上部フレーム5とベースフレーム6とロードセル10とを水平方向に並べて連結するものであれば、上述した構成に限定されるものでなない。
【0036】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について図面を参照して説明する。
図9は第2実施形態に係るベッド装置を構成するロードセルの取付構成を示す説明図、
図10は前記ロードセルの取付構成の概略図、
図11は前記ロードセルを連結するジョイント部の構成を示す説明図、
図12は前記ジョイント部の取付構造を示す断面図、
図13は前記ジョイント部の動作原理を説明する概略図である。
なお、第2実施形態のベッド装置において、第1実施形態に係るベッド装置の構成と同様な構成を有するものは、同一の符号を付することで説明を省略する。
【0037】
第2実施形態は、ベッド装置にロードセル10を取付ける構成として、
図9,
図10に示すように、ロードセル10の一端部を上部フレーム5側に保持する上部フレーム側プレート121と、ロードセル10の他端部をベースフレーム6側に保持するベースフレーム側プレート22に加えて、水平方向に変位可能なジョイント機構(連結機構)30と、水平方向にスライド可能なスライド機構40と、を備え、上部フレーム5とベースフレーム6とロードセル10とジョイント機構30とを水平方向で並べて配置した状態で、上部フレーム側プレート121とベースフレーム側プレート22とを介して上部フレーム5とロードセル10とジョイント機構30とベースフレーム6とを連結するように構成されることを特徴としている。
【0038】
ジョイント機構30は、
図9,
図10,
図11に示すように、上部がアダプタプレート24を介して上部フレーム側プレート121に連結され、下部がスライド機構40に連結されている。ジョイント機構30は、アダプタプレート24に対してボルト等の締結部材によって着脱可能に取付けられている。
【0039】
スライド機構40は、
図9,
図10,
図11に示すように、上部がジョイント機構30に連結され、下部がロードセル側プレート23の一端側に連結されている。ロードセル側プレート23は、他端側がロードセル10の一端側に連結されている。
【0040】
また、スライド機構40は、
図12に示すように、連結側の一部が開口した矩形を呈した箱状のハウジング(ケース部材)41を備え、ハウジング41内に、ジョイント機構30が連結されるスライド部42と、スライド部42が配置されるスライドプレート43と、を備えて構成されている。
【0041】
ハウジング41は、ロードセル側プレート23に対してボルト等の締結部材によって着脱可能に取付けられている。
【0042】
スライド部42は、ジョイント機構30の下側に突出形成された連結部30aが係合する取付部42aが形成されている。スライドプレート43と対向する部分は、摺動可能に平面で形成されている。
【0043】
スライド部42の外周には、樹脂製のカラー部材44が設けられて、ハウジング41の内側とスライド部42との接触を防止している。
【0044】
スライドプレート43は、無給油で摺動性を有する材質、例えば、超高分子量ポリエチレンによる材料で形成された摺動用樹脂プレートであって、スライド部42が容易に摺動可能に構成されている。
【0045】
ここで、ジョイント機構30について図面を参照して説明する。
第2実施形態では、ジョイント機構30は、
図13に示すように、球体31と、球体31を上下方向で変位可能に挟持する球体保持部材32,33とを備えて構成されている。
【0046】
球体保持部材32,33は、球体31と接する部分に、球体31が変位可能なように球体31よりも曲率半径の大きい凹状の曲面32a,33aが形成されている。
【0047】
球体保持部材32,33は、
図13に示すように、対向配置されて、球体31を挟んで接触した状態で、下側の球体保持部材32を基準とした場合、例えば、球体31が2点鎖線で示す球体31Sの位置へ、また、上側の球体保持部材33が2点鎖線で示す球体保持部材33Sの位置へ変位可能に構成されている。
【0048】
なお、連結される2つの部材が変位可能に保持されるものであれば、上述したジョイント機構30の構造に限定されるものでなない。
【0049】
以上のように構成したので、第2実施形態によれば、第1実施形態と基本構成を同じに構成されるベッド装置において、ロードセル10を取付ける構成として、上部フレーム側プレート121と、ベースフレーム側プレート22に加えて、ジョイント機構30を備えることで、第1実施形態と同様な効果に加えて、ロードセル10の水平方向の取付調整を容易にできる。また、さらに、スライド機構40を備えることで、ロードセル10の水平方向の取付調整代を大きくとることができる。
【0050】
なお、ジョイント機構30は、上下方向に複数連結して構成してもよい。このように構成することで、位置調整を大きくとることができる。
【0051】
また、連結機構として、ジョイント機構30に換えて、例えば、ワイヤーロープのばね力を利用して変位可能としてワイヤーロープ防振器(ヘリカル防振器)等を用いてもよい。
【0052】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について図面を参照して説明する。
図14は第3実施形態に係るベッド装置を構成するロードセルの取付構成を示す説明図、
図15は前記ロードセルの取付構成の概略図である。
なお、第3実施形態のベッド装置において、第1実施形態に係るベッド装置の構成と同様な構成を有するものは、同一の符号を付することで説明を省略する。
【0053】
第3実施形態は、ベッド装置にロードセル10を取付ける構成として、
図14,
図15に示すように、ロードセル10の一端部を上部フレーム5側に保持する上部フレーム側プレート121と、ロードセル10の他端側をベースフレーム6側に保持するベースフレーム側プレート22に加えて、水平方向に変位可能なジョイント機構30と、ジョイント機構30を取付けるためのスペーサ50と、を備え、上部フレーム5とベースフレーム6とロードセル10とジョイント機構30とを水平方向で並べて配置した状態で、上部フレーム側プレート121とベースフレーム側プレート22とを介して上部フレーム5とロードセル10とジョイント機構30とベースフレーム6とを連結するように構成されることを特徴としている。
【0054】
ジョイント機構30は、
図14に示すように、上部がアダプタプレート24を介して上部フレーム側プレート121に連結され、下部がスペーサ50に連結されている。ジョイント機構30は、アダプタプレート24に対してボルト等の締結部材によって着脱可能に取付けられている。
【0055】
スペーサ50は、
図14に示すように、上部がジョイント機構30に連結され、下部がロードセル側プレート23の一端側に連結されている。ロードセル側プレート23は、他端側がロードセル10の一端側に連結されている。
【0056】
以上のように構成したので、第3実施形態によれば、ベッド装置にロードセル10を取付ける構成として、上部フレーム側プレート121と、ベースフレーム側プレート22に加えて、ジョイント機構30を備えることで、第1実施形態と同様な効果に加えて、ロードセル10の水平方向の取付調整を容易にでき、さらに、スペーサ50を備えることで、ロードセル10の水平方向の取付調整を行なうことができる。
【0057】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について図面を参照して説明する。
図16は第4実施形態に係るベッド装置を構成するロードセルの取付構成を示す説明図、
図17は前記ロードセルの取付構成の概略図である。
なお、第4実施形態のベッド装置において、第1実施形態に係るベッド装置の構成と同様な構成を有するものは、同一の符号を付することで説明を省略する。
【0058】
第4実施形態は、ベッド装置にロードセル10を取付ける構成として、
図16,
図17に示すように、ロードセル10の一端部を上部フレーム5側に保持する上部フレーム側プレート221と、ロードセル10の他端側をベースフレーム6側に保持するベースフレーム側プレート22に加えて、ロードセル10側の第1アダプタ61と、上部フレーム5側の第2アダプタ62と、を備え、上部フレーム5とベースフレーム6とロードセル10とを水平方向で並べて配置した状態で、上部フレーム側プレート221とベースフレーム側プレート22と第1アダプタ61と第2アダプタ62とを介して上部フレーム5とロードセル10とベースフレーム6とを連結するように構成されることを特徴としている。
【0059】
第1アダプタ61は、平面視で矩形状を呈し、長手方向の一端側がロードセル10の他端側の上側に連結され、他端側が上部フレーム側に連結される第2アダプタに連結されている。
【0060】
第2アダプタ62は、平面視で四角形状(正方形状でもよい)を呈し、上面がアダプタプレート24を介して上部フレーム側プレート221の下側に連結され、下面が第1アダプタ61の上側に連結されている。
【0061】
第1アダプタ61と第2アダプタ62により、上部フレーム側プレート221に対するロードセル10の取付位置が水平方向で調整可能となる。
【0062】
第1アダプタ61と第2アダプタ62の各プレートやロードセル10への取付けは、ボルト等の締結部材によって着脱可能に取付けられており、締結部材の取付穴と締結部材との遊びによって取付位置の多少の調整が可能となる。なお、締結部材の取付穴を大きめに形成したり、長穴状に形成してもよい。
【0063】
以上のように構成したので、第4実施形態によれば、ベッド装置にロードセル10を取付ける構成として、上部フレーム側プレート221と、ベースフレーム側プレート22に加えて、第1アダプタ61と第2アダプタ62を用いて上部フレーム5とベースフレーム6とロードセル10とを水平方向で並べて配置して連結することで、第1実施形態と同様な効果に加えて、上部フレーム5やベースフレーム6に対するロードセル10の水平方向の取付調整を容易にできる。
【0064】
(第5実施形態)
次に、第5実施形態について図面を参照して説明する。
図18は第5実施形態に係るベッド装置を構成するロードセルの取付構成を示す説明図、
図19は前記ロードセルの取付構成の概略図である。
なお、第5実施形態のベッド装置において、第1実施形態に係るベッド装置の構成と同様な構成を有するものは、同一の符号を付することで説明を省略する。
【0065】
第5実施形態は、ベッド装置にロードセル10を取付ける構成として、
図18,
図19に示すように、ロードセル10の一端部を上部フレーム5側に保持する上部フレーム側プレート221と、ロードセル10の他端側をベースフレーム6側に保持するベースフレーム側プレート22に加えて、ロードセル10側の第1アダプタ61と、上部フレーム5側の第2アダプタ62と、を備え、上部フレーム5とベースフレーム6とロードセル10とを水平方向で並べて配置した状態で、上部フレーム側プレート221とベースフレーム側プレート22と第1アダプタ61と第2アダプタ62とを介して上部フレーム5とロードセル10とベースフレーム6とを連結するように構成されることを特徴としている。
【0066】
第5実施形態では、第1アダプタ61は、長手方向の一端側がベースフレーム側プレート22の一端側の上側に連結され、他端側がロードセル10の下側に連結されている。
第1アダプタ61により、ベースフレーム側プレート22に対するロードセル10の取付位置が水平方向で調整可能となる。
【0067】
第2アダプタ62は、上面がアダプタプレート24を介して上部フレーム側プレート221の下側に連結され、下面がロードセル10の他端側の上側に連結されている。
第2アダプタ62により、上部フレーム側プレート221に対するロードセル10の取付位置が水平方向で調整可能となる。
【0068】
以上のように構成したので、第5実施形態によれば、ベッド装置にロードセル10を取付ける構成として、上部フレーム側プレート221と、ベースフレーム側プレート22に加えて、第1アダプタ61と第2アダプタ62を用いて上部フレーム5とベースフレーム6とロードセル10とを水平方向で並べて配置して連結することで、第1実施形態と同様な効果に加えて、上部フレーム5やベースフレーム6に対するロードセル10の水平方向の取付調整を容易にできる。
【0069】
なお、第4実施形態および第5実施形態において用いた第1アダプタ61と第2アダプタ62の形状は、これに限定されるものではなく、ロードセル10を取付ける状況に応じて、材質や形状、大きさ等を適宜設定されるものである。
【0070】
(第6実施形態)
次に、第6実施形態について図面を参照して説明する。
図20は第6実施形態に係るベッド装置におけるロードセルの取付位置を示す説明図である。
なお、第6実施形態のベッド装置において、第1実施形態に係るベッド装置の構成と同様な構成を有するものは、同一の符号を付することで説明を省略する。
【0071】
第6実施形態は、本発明に係るベッド装置として、例えば、
図1,
図2に示すように構成された第1実施形態のベッド装置1を利用して、ベッド装置1に搭載された4個のロードセル10により、マットレス2上の利用者の状態を検出する一例を示すものである。
【0072】
第6実施形態では、
図2に示すように、ロードセル10は、ベースフレーム6の枠体の内側の4角にそれぞれ設けられ、この4個のロードセル10により上部フレーム5、ボトム3を介してマットレス2を支持するようにされている。
【0073】
ロードセル10は、
図20に示すように、マットレス2の4角の下側に配置されている。
【0074】
第6実施形態では、マットレス2下側に配置された4個のロードセル10により、マットレス2上の利用者の状態を検出する。
【0075】
詳しくは、
(1)4個のロードセル10により重心位置を測定することが可能であり、重心位置がマットレス2上から外側に移動することで、利用者が離床したこと検出する(重心位置検出機能)。
(2)4個のロードセル10により荷重の変動量から、利用者が端座位あるいは離床したことを検出する(荷重変化検出機能)。
(3)ロードセル10によりマットレス2上の生体信号の有無を検出する(生体信号検出機能)。
というように、第6実施形態では、ベッド装置1は3つの検出機能を有する。
【0076】
特に、第6実施形態では、第1実施形態と同様に、
図6に示すように、上部フレーム側プレート21とベースフレーム側プレート22とを介してロードセル10を取付けるようにしたので、ロードセル10の取付位置の調整が容易にできるので、生体信号を正確に検出することができる。
【0077】
上述した(1)~(3)の検出結果を用いて、ベッド装置1を利用する利用者の状態を正確に判定することが可能になる。
【0078】
例えば、重心位置検出機能により利用者が離床したこと検出され、荷重変化検出機能により利用者が端座位あるいは離床したことを検出された状態で、生体信号検出機能により生体信号が検出された場合は、利用者はサイドレール、介助バー等を掴んだ状態にあること判断できる。
【0079】
一方、重心位置検出機能により利用者が離床したこと検出され、荷重変化検出機能により利用者が端座位あるいは離床したことを検出された状態で、生体信号検出機能により生体信号が検出されない場合は、利用者はベッドから完全に離れた状態にあると判断できる。
【0080】
以上のように構成したので、第6実施形態によれば、第1実施形態のベッド装置1を利用して、ベッド装置1に搭載された4個のロードセル10により、マットレス2上の利用者の状態を検出するようにしたので、4個のロードセル10による重心位置検出機能、荷重変化検出機能、生体信号検出機能により、マットレス2上の利用者の状態を正確に検出することができる。
なお、ロードセル10は、キャスターに内蔵してもよく、また、キャスターの下に敷いてもよい。
【0081】
また、第6実施形態によるベッド装置1による検出機能を、例えば、通報システムと連携して利用者の状態を管理することで、遠隔地に管理情報を知らせることが可能になるため、管理者(例えば、看護師、介護師など)は適切な利用者の管理を行うことができる。
【0082】
なお、本発明は、上述した実施形態や変形例に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明のベッド装置は、医療用、介護用、家庭用のベッド等に利用することができる。
【符号の説明】
【0084】
1 ベッド装置
2 マットレス
3 ボトム
5 上部フレーム
6 ベースフレーム
10 ロードセル
21,21a,21b,121,221 上部フレーム側プレート
22 ベースフレーム側プレート
23 ロードセル側プレート
24 アダプタプレート
30 ジョイント機構(連結機構)
31 球体
32,33 球体保持部材
32a,33a 曲面
40 スライド機構
42 スライド部
43 スライドプレート
50 スペーサ
61 第1アダプタ
62 第2アダプタ