(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-26
(45)【発行日】2023-08-03
(54)【発明の名称】多層の熱伝導部材を含むエアロゾル生成装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/46 20200101AFI20230727BHJP
A24F 40/465 20200101ALI20230727BHJP
【FI】
A24F40/46
A24F40/465
(21)【出願番号】P 2021536800
(86)(22)【出願日】2021-04-06
(86)【国際出願番号】 KR2021004276
(87)【国際公開番号】W WO2021225288
(87)【国際公開日】2021-11-11
【審査請求日】2021-06-23
(31)【優先権主張番号】10-2020-0054783
(32)【優先日】2020-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0074953
(32)【優先日】2020-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、トン ソン
(72)【発明者】
【氏名】チョン、ホン チュン
(72)【発明者】
【氏名】イ、ウォン キョン
(72)【発明者】
【氏名】チェ、チェ ソン
【審査官】吉澤 伸幸
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/208536(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/46
A24F 40/465
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成物品が挿入される収容空間を形成する多層の熱伝導部材(thermally conductive member)と、
前記多層の熱伝導部材を覆い包むヒータと、
前記ヒータに電力を供給するバッテリと、
前記多層の熱伝導部材が前記ヒータから前記エアロゾル生成物品に熱を伝達するように、前記バッテリから前記ヒータに提供される電力を制御する制御部と、を含み、
前記多層の熱伝導部材は、前記収容空間に向かう第1熱伝導層(thermally conductive layer)と、前記第1熱伝導層と対向する第2熱伝導層と、前記第2熱伝導層と前記ヒータとの間に配置された第3熱伝導層と、を含み、
前記第1熱伝導層は耐食性物質(corrosion-resistant material)を含み、
前記第2熱伝導層は熱伝導性物質(thermally conductive material)を含み、
前記第3熱伝導層は前記耐食性物質を含む、エアロゾル生成装置。
【請求項2】
前記多層の熱伝導部材の厚さは、0.05mm~0.25mm範囲に含まれる、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項3】
前記多層の熱伝導部材の総厚に対する前記第1熱伝導層の厚さの百分率は、15%~25%範囲内の値を有し、
前記多層の熱伝導部材の総厚に対する前記第2熱伝導層の厚さの百分率は、50%~70%範囲内の値を有し、
前記多層の熱伝導部材の総厚に対する前記第3熱伝導層の厚さの百分率は、15%~25%範囲内の値を有する、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項4】
前記耐食性物質は、STS(Stainless Steel)系である、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項5】
前記熱伝導性物質は、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、またはこれらの合金である、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項6】
前記多層の熱伝導部材は、150W/m・K~300W/m・K範囲内の熱伝導率を有する、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項7】
前記第1熱伝導層及び前記第3熱伝導層は、10W/m・K~20W/m・K範囲内の熱伝導率を有し、
前記第2熱伝導層は、200W/m・K~500W/m・K範囲内の熱伝導率を有する、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項8】
前記ヒータは、サセプタと、
前記サセプタに可変磁場を形成するコイルと、を含む、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項9】
エアロゾル生成物品が挿入される収容空間を形成する多層の熱伝導部材(thermally conductive member)と、
前記多層の熱伝導部材を覆い包むヒータと、
前記ヒータに電力を供給するバッテリと、
前記多層の熱伝導部材が前記ヒータから前記エアロゾル生成物品に熱を伝達するように、前記バッテリから前記ヒータに提供される電力を制御する制御部と、を含み、
前記多層の熱伝導部材は、前記収容空間に向かう第1熱伝導層(thermally conductive layer)と、前記第1熱伝導層と対向する第2熱伝導層と、前記第2熱伝導層と前記ヒータとの間に配置された第3熱伝導層と、を含み、
前記第1熱伝導層は耐食性物質(corrosion-resistant material)を含み、
前記第2熱伝導層は熱伝導性物質(thermally conductive material)を含み、
前記第3熱伝導層は前記耐食性物質を含み、
前記ヒータは、前記多層の熱伝導部材に可変磁場を形成するコイルを含み、
前記多層の熱伝導部材は、サセプタ機能を行い、前記コイルが形成する可変磁場によって加熱される、エアロゾル生成装置。
【請求項10】
前記ヒータを覆い包む断熱材をさらに含む、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項11】
前記断熱材は、0.025W/m・K以下の熱伝導率を有する、請求項
10に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項12】
エアロゾル生成装置において、
発熱部材と、
前記発熱部材から生成された熱を前記エアロゾル生成装置の外部に放出する多層の熱伝導部材(thermally conductive member)と、を含み、
前記多層の熱伝導部材は、前記発熱部材に向かう第1熱伝導層(thermally conductive layer)と、前記第1熱伝導層と対向する第2熱伝導層と、前記第2熱伝導層と対向する第3熱伝導層と、を含み、
前記第1熱伝導層は耐食性物質(corrosion-resistant material)を含み、
前記第2熱伝導層は熱伝導性物質(thermally conductive material)を含み、
前記第3熱伝導層は前記耐食性物質を含む、エアロゾル生成装置。
【請求項13】
前記発熱部材は、PCBまたはバッテリを含む、請求項
12に記載のエアロゾル生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多層の熱伝導部材を含むエアロゾル生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、一般的なエアロゾル生成物品の短所を克服する代替方法に係わる需要が増加している。例えば、エアロゾル生成物品を燃焼させてエアロゾルを生成させる方法ではないエアロゾル生成物品内のエアロゾル生成物質が加熱されることにより、エアロゾルを生成する方法に係わる需要が増加している。これにより、加熱式エアロゾル生成物品または加熱式エアロゾル生成装置に係わる研究が活発に進められている。
【0003】
一方、エアロゾル生成物品を効率的に加熱させ、熱損を減少させることができるエアロゾル生成装置が要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、熱伝導率を高めてエアロゾル生成物品を効率的に加熱することができるエアロゾル生成装置を提供することである。また、ヒータから生成された熱をエアロゾル生成装置の外部に放出させることができるエアロゾル生成装置を提供することである。また、エアロゾル生成物品を効率的に加熱させることができるエアロゾル生成装置を提供することである。
【0005】
本実施例が解決しようとする技術的課題は、前述したような技術的課題に限定されず、以下の実施例からさらに他の技術的課題が類推されうる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した技術的課題を達成するための技術的手段として、本開示の第1側面は、エアロゾル生成物品が挿入される収容空間を形成する多層の熱伝導部材(thermally conductive member);前記多層の熱伝導部材を覆い包むヒータ;前記ヒータに電力を供給するバッテリ;及び前記多層の熱伝導部材が前記ヒータから前記エアロゾル生成物品に熱を伝達するように、前記バッテリから前記ヒータに提供される電力を制御する制御部;を含み、前記多層の熱伝導部材のそれぞれの層(layer)は、耐食性物質(corrosion-resistant material)または熱伝導性物質(thermally conductive material)を含むエアロゾル生成装置を提供することができる。
【0007】
また、本開示の第2側面は、エアロゾル生成装置において、発熱部材;及び前記発熱部材から生成された熱を前記エアロゾル生成装置の外部に放出する多層の熱伝導部材(thermally conductive member);を含み、前記多層の熱伝導部材のそれぞれの層(layer)は、耐食性物質(corrosion-resistant material)または熱伝導性物質(thermally conductive material)を含むエアロゾル生成装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0008】
本開示によるエアロゾル生成装置は、ヒータとエアロゾル生成物品との間に多層の熱伝導部材を配置することで、ヒータから発生した熱がエアロゾル生成物品に伝達されることを向上させ、ヒータの損傷を防止することができる。
【0009】
また、本開示によるエアロゾル生成装置は、発熱部材から生成された熱をエアロゾル生成装置の外部に放出し、特定部分が加熱されることを防止することができる。
【0010】
また、本開示によるエアロゾル生成装置は、サセプタ機能を行う多層の熱伝導部材を含むことで、エアロゾル生成物品を効率的に加熱させうる。
【0011】
発明の効果は、以上で例示された内容によって制限されず、さらに多様な効果が本明細書内に含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】エアロゾル生成装置にシガレットが挿入された第1例を示す図面である。
【
図2】エアロゾル生成装置にシガレットが挿入された第2例を示す図面である。
【
図3】一実施例による多層の熱伝導部材の構成を示す図面である。
【
図4】多層の熱伝導部材の形状の第1例を示す図面である。
【
図5】多層の熱伝導部材の形状の第2例を示す図面である。
【
図6】一実施例によるエアロゾル生成装置の直径方向断面図である。
【
図7】一実施例によるエアロゾル生成装置の長手方向断面図である。
【
図8】ヒータから熱が生成される場合、多層の熱伝導部材とSTS 304の経時的な温度を示すグラフである。
【
図9A】ヒータから熱が生成される場合、多層の熱伝導部材とSTS 304の経時的な温度を示す表である。
【
図9B】ヒータから熱が生成される場合、多層の熱伝導部材とSTS 304の経時的な温度を示す表である。
【
図9C】ヒータから熱が生成される場合、多層の熱伝導部材とSTS 304の経時的な温度を示す表である。
【
図10】一実施例によるエアロゾル生成装置のヒータ組立体の構成を示す図面である。
【
図11】
図10によるエアロゾル生成装置のヒータ組立体の分解図である。
【
図12】多層の熱伝導部材の位置を示す第1例示図である。
【
図13】多層の熱伝導部材の位置を示す第2例示図である。
【
図14】多層の熱伝導部材の位置を示す第3例示図である。
【
図15】他の実施例によるエアロゾル生成装置の構成を示すための図面である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
上述した技術的課題を達成するための技術的手段として、一側面によるエアロゾル生成装置は、エアロゾル生成物品が挿入される収容空間を形成する多層の熱伝導部材(thermally conductive member);前記多層の熱伝導部材を覆い包むヒータ;前記ヒータに電力を供給するバッテリ;及び前記多層の熱伝導部材が前記ヒータから前記エアロゾル生成物品に熱を伝達するように、前記バッテリから前記ヒータに提供される電力を制御する制御部;を含み、前記多層の熱伝導部材のそれぞれの層は、耐食性物質(corrosion-resistant material)または熱伝導性物質(thermally conductive material)を含んでもよい。
【0014】
また、前記多層の熱伝導部材は、前記収容空間に向かって前記耐食性物質を含む第1熱伝導層(thermally conductive layer);前記第1熱伝導層と対向し、前記熱伝導性物質を含む第2熱伝導層;及び前記第2熱伝導層と前記ヒータとの間に配置され、前記耐食性物質を含む第3熱伝導層;を含んでもよい。
【0015】
また、前記多層の熱伝導部材の厚さは、0.05mm~0.25mm範囲に含まれる。
【0016】
また、前記多層の熱伝導部材の総厚に対する前記第1熱伝導層の厚さの百分率は、15%~25%範囲内の値を有し、前記多層の熱伝導部材の総厚に対する前記第2熱伝導層の厚さの百分率は、50%~70%範囲内の値を有し、前記多層の熱伝導部材の総厚に対する前記第3熱伝導層の厚さの百分率は、15%~25%範囲内の値を有することができる。
【0017】
また、前記耐食性物質は、STS(Stainless Steel)系でもある。
【0018】
また、前記熱伝導性物質は、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、またはこれらの合金でもある。
【0019】
また、前記多層の熱伝導部材は、150W/m・K~300W/m・K範囲内の熱伝導率を有することができる。
【0020】
また、前記第1熱伝導層及び前記第3熱伝導層は、10W/m・K~20W/m・K範囲内の熱伝導率を有し、前記第2熱伝導層は、200W/m・K~500W/m・K範囲内の熱伝導率を有することができる。
【0021】
また、前記ヒータは、サセプタ、及び前記サセプタに可変磁場を形成するコイルを含んでもよい。
【0022】
また、前記ヒータは、前記多層の熱伝導部材に可変磁場を形成するコイルを含み、前記多層の熱伝導部材は、サセプタ機能を行い、前記コイルが形成する可変磁場によって加熱されうる。
【0023】
また、エアロゾル生成装置は、前記ヒータを覆い包む断熱材をさらに含んでもよい。
【0024】
また、前記断熱材は、0.025W/m・K以下の熱伝導率を有することができる。
【0025】
他の側面によるエアロゾル生成装置は、発熱部材;及び前記発熱部材から生成された熱を前記エアロゾル生成装置の外部に放出する多層の熱伝導部材(thermally conductive member);を含み、前記多層の熱伝導部材のそれぞれの層は、耐食性物質(corrosion-resistant material)または熱伝導性物質(thermally conductive material)を含んでもよい。
【0026】
また、前記多層の熱伝導部材は、前記発熱部材に向かって前記耐食性物質を含む第1熱伝導層(thermally conductive layer);前記第1熱伝導層と対向し、前記熱伝導性物質を含む第2熱伝導層;及び前記第2熱伝導層と対向し、前記耐食性物質を含む第3熱伝導層;を含んでもよい。
【0027】
また、前記発熱部材は、PCBまたはバッテリを含んでもよい。
【0028】
本明細書で使用されたように、要素のリストの前にあるとき、「少なくとも1つ」のような表現は、全体要素リストを修飾し、リストの個別要素を修飾しない。例えば、「a、b、及びcのうち、少なくとも1つ」という表現は、a、b、c、a及びb、a及びc、b及びc、またはa、b、及びcをいずれも含むものと理解されねばならない。
【0029】
要素または層が、他の要素または層が「上方に」、「上に」、「連結されて」、または「結合されて」いると記載された場合、それは、他の要素または層の直上に、上に、連結されて、または結合されているか、または介入された要素または層が存在するものでもある。逆に、ある要素が他の要素または層に「直接的に上に」、「直上に」、「直接的に連結されて」、「直接的に結合されて」いると記載された場合、介入された要素または層は存在しない。同じ参照番号は、全体にわたって同じ要素を指称する。
【0030】
実施例で使用される用語は、本発明での機能を考慮しながら可能な限り、現在広く使用される一般的な用語を選択したが、これは、当分野に従事する技術者の意図または判例、新たな技術の出現などによっても異なる。また、特定の場合は、出願人が任意に選定した用語もあり、その場合、当該発明の説明部分において、詳細にその意味を記載する。したがって、本発明で使用される用語は、単なる用語の名称ではない、その用語が有する意味と本発明の全般にわたる内容とに基づいて定義されねばならない。
【0031】
明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、それは、特別に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいということを意味する。
【0032】
また、本明細書で使用される「第1」または「第2」のように序数を含む用語は、多様な構成要素を説明するのに使用することができるが、前記構成要素は、前記用語によって限定されてはならない。前記用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的で使用されうる。
【0033】
以下の実施例において、用語「長手方向」は、エアロゾル生成装置の長軸方向(Longitudinal Direction)を意味し、「直径方向」は、エアロゾル生成装置の短縮方向を意味する。すなわち、「直径方向」は、「長手方向」と垂直方向を意味する。
【0034】
以下、添付図面に基づいて本発明の実施例について本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施可能なように詳細に説明する。しかし、本発明は、様々な異なる形態によっても具現され、ここで説明する実施例に限定されない。
【0035】
図1及び
図2は、エアロゾル生成装置にシガレットが挿入された例を示す図面である。
【0036】
図1及び
図2を参照すれば、エアロゾル生成システム100は、エアロゾル生成装置1及びエアロゾル生成装置1に挿入されるエアロゾル生成物品2を含む。
【0037】
エアロゾル生成装置1は、バッテリ11、制御部12、ヒータ13、蒸気化器14、及び多層の熱伝導部材(thermally conductive member)15を含む。また、エアロゾル生成装置1の内部空間には、エアロゾル生成物品2が挿入されうる。
【0038】
また、
図1及び
図2には、エアロゾル生成装置1にヒータ13が含まれていると図示されているが、必要によって、ヒータ13は、省略されうる。
図1及び
図2には、エアロゾル生成装置1に蒸気化器14が含まれていると図示されているが、必要によって、蒸気化器14は、省略されうる。
【0039】
図1及び
図2に図示されたエアロゾル生成装置1には、本実施例に係わるある構成要素が図示されている。したがって、
図1及び
図2に図示された構成要素以外に他の汎用的な構成要素がエアロゾル生成装置1にさらに含まれるということを、本実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0040】
図1には、バッテリ11、制御部12、蒸気化器14及びヒータ13が一列に配置されていると図示されている。また、
図2には、蒸気化器14及びヒータ13が並列に配置されていると図示されている。しかし、エアロゾル生成装置1の内部構造は、
図1及び
図2に図示されたところに限定されない。すなわち、エアロゾル生成装置1の設計によって、バッテリ11、制御部12、ヒータ13、蒸気化器14、及び多層の熱伝導部材15の配置は変更されうる。
【0041】
エアロゾル生成物品2がエアロゾル生成装置1に挿入されれば、エアロゾル生成装置1は、ヒータ13及び/または蒸気化器14を作動させ、エアロゾルを発生させうる。ヒータ13及び/または蒸気化器14によって発生したエアロゾルは、エアロゾル生成物品2を通過してユーザに伝達される。
【0042】
必要によって、エアロゾル生成物品2がエアロゾル生成装置1に挿入されていない場合にも、エアロゾル生成装置1は、ヒータ13を加熱することができる。
【0043】
バッテリ11は、エアロゾル生成装置1の動作に用いられる電力を供給する。例えば、バッテリ11は、ヒータ13または蒸気化器14が加熱されるように電力を供給し、制御部12の動作に必要な電力を供給することができる。また、バッテリ11は、エアロゾル生成装置1に設けられたディスプレイ、センサー、モータなどの動作に必要な電力を供給することができる。
【0044】
制御部12は、エアロゾル生成装置1の動作を全般的に制御する。具体的に、制御部12は、バッテリ11、ヒータ13、及び蒸気化器14だけではなく、エアロゾル生成装置1に含まれた他の構成の動作を制御する。また、制御部12は、エアロゾル生成装置1の構成それぞれの状態を確認し、エアロゾル生成装置1が動作可能な状態であるか否かを判断する。
【0045】
制御部12は、少なくとも1つのプロセッサを含む。プロセッサは、多数の論理ゲートのアレイによっても具現され、汎用的なマイクロプロセッサと該マイクロプロセッサで実行されるプログラムが保存されたメモリの組合わせによっても具現される。また、他の形態のハードウェアによっても具現されることを、本実施例が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0046】
ヒータ13は、バッテリ11から供給された電力によって加熱されうる。例えば、エアロゾル生成物品2がエアロゾル生成装置1に挿入されれば、ヒータ13は、エアロゾル生成物品2の外部に位置することができる。したがって、加熱されたヒータ13は、エアロゾル生成物品2内のエアロゾル生成基質の温度を上昇させうる。
【0047】
ヒータ13は、電気抵抗性ヒータでもある。例えば、ヒータ13は、電気絶縁性基質及び導電性トラック(track)を含み、導電性トラックに電流が流れることにより、ヒータ13が加熱されうる。しかし、ヒータ13は、上述した例に限定されず、希望温度まで加熱可能なものであれば、制限なしに該当しうる。ここで、希望温度は、エアロゾル生成装置1に既に設定されていてもよく、ユーザによって所望の温度に設定されうる。
【0048】
一方、他の例として、ヒータ13は、誘導加熱式ヒータでもある。具体的に、ヒータ13には、エアロゾル生成物品を誘導加熱方式で加熱するためのコイルを含み、エアロゾル生成物品は、誘導加熱式ヒータによって加熱されるサセプタを含んでもよい。また、コイルは、導電性であり、サセプタに可変磁場を形成することができる。
【0049】
図1及び
図2には、ヒータ13がエアロゾル生成物品2の外部に配置されるように図示されているが、その限りではない。例えば、ヒータ13は、円筒状加熱要素、管状加熱要素、板状加熱要素、針状加熱要素、または棒状加熱要素を含み、加熱要素の形状によってエアロゾル生成物品2の内部または、外部を加熱することができる。
【0050】
また、エアロゾル生成装置1には、ヒータ13が複数個配置されうる。この際、複数個のヒータ13は、エアロゾル生成物品2の内部に挿入されるように配置され、エアロゾル生成物品2の外部に配置されうる。また、複数個のヒータ13のうち、一部は、エアロゾル生成物品2の内部に挿入されるように配置され、残りは、エアロゾル生成物品2の外部に配置されうる。また、ヒータ13の形状は、
図1及び
図2に図示された形状に限定されず、多様な形状に作製されうる。
【0051】
蒸気化器14は、液状組成物を加熱してエアロゾルを生成し、生成されたエアロゾルは、エアロゾル生成物品2を通過してユーザに伝達されうる。すなわち、蒸気化器14によって生成されたエアロゾルは、エアロゾル生成装置1の気流通路に沿って移動し、気流通路は、蒸気化器14によって生成されたエアロゾルがエアロゾル生成物品2を通過してユーザに伝達するように構成されうる。
【0052】
例えば、蒸気化器14は、液体保存部、液体伝達手段、及び加熱要素を含んでもよいが、その限りではない。例えば、液体保存部、液体伝達手段及び加熱要素は、独立したモジュールとしてエアロゾル生成装置1に含まれてもよい。
【0053】
液体保存部は、液状組成物を保存することができる。例えば、液状組成物は揮発性タバコ香成分を含むタバコ含有物質を含む液体でもあり、非タバコ物質を含む液体でもある。液体保存部は、蒸気化器14から脱着するように作製され、蒸気化器14と一体としても作製される。
【0054】
例えば、液状組成物は、水、ソルベント、エタノール、植物抽出物、香料、香味剤、またはビタミン混合物を含んでもよい。香料は、メントール、ペパーミント、スペアミントオイル、各種果物の香り成分などを含んでもよいが、それらに制限されない。香味剤は、ユーザに多様な香味または風味を提供する成分を含んでもよい。ビタミン混合物は、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC及びビタミンEのうち、少なくとも1つが混合されたものでもあるが、それらに制限されるものではない。また、液状組成物は、グリセリン及びプロピレングリコールのようなエアロゾル形成剤を含んでもよい。
【0055】
液体伝達手段は、液体保存部の液状組成物を加熱要素に伝達することができる。例えば、液体伝達手段は、綿繊維、セラミック繊維、ガラスファイバ、多孔性セラミックのような芯(wick)にもなるが、それらに限定されない。
【0056】
加熱要素は、液体伝達手段によって伝達される液状組成物を加熱するための要素である。例えば、加熱要素は、金属熱線、金属熱板、セラミックヒータなどにもなるが、それらに限定されるものではない。また、加熱要素は、ニクロム線のような伝導性フィラメントで構成され、液体伝達手段に巻かれる構造によっても配置される。加熱要素は、電流供給によって加熱され、加熱要素と接触された液体組成物に熱を伝達し、液体組成物を加熱することができる。その結果、エアロゾルが生成されうる。
【0057】
例えば、蒸気化器14は、カトマイザ(cartomizer)または霧化器(atomizer)とも称されるが、それらに限定されない。
【0058】
多層の熱伝導部材15は、ヒータ13から生成された熱をエアロゾル生成物品2に伝達することができる。多層の熱伝導部材15のそれぞれの層(layer)は、耐食性物質(corrosion-resistant material)または熱伝導性物質(thermally conductive material)を含んでもよい。例えば、多層の熱伝導部材15は、2層または3層で構成され、3層以上の層によっても構成されるが、その限りではない。多層の熱伝導部材15は、耐食性物質を含む層及び熱伝導性物質を含む層で構成されうる。
【0059】
一実施例において、多層の熱伝導部材15は、エアロゾル生成物品2が挿入される収容空間を形成してもよい。多層の熱伝導部材15は、ヒータ13によって取り囲まれる。また、多層の熱伝導部材15がヒータ13からエアロゾル生成物品2に熱を伝達するように、制御部12によってバッテリ11からヒータ13に提供される電力が制御されうる。多層の熱伝導部材15は、
図3に基づいてさらに詳細に後述する。
【0060】
一方、エアロゾル生成装置1は、バッテリ11、制御部12、ヒータ13、多層の熱伝導部材15、及び蒸気化器14以外に汎用的な構成をさらに含んでもよい。例えば、エアロゾル生成装置1は、視覚情報の出力が可能なディスプレイ及び/または触覚情報の出力のためのモータを含んでもよい。また、エアロゾル生成装置1は、少なくとも1つのセンサーを含んでもよい。また、エアロゾル生成装置1は、エアロゾル生成物品2が挿入された状態でも外部空気が流入されるか、内部気体が流出されうる構造によっても作製される。
【0061】
図1及び
図2には、図示されていないが、エアロゾル生成装置1は、別途のクレードルと共にシステムを構成してもよい。例えば、クレードルは、エアロゾル生成装置1のバッテリ11の充電に用いられる。または、クレードルとエアロゾル生成装置1が結合された状態でヒータ13が加熱されうる。
【0062】
エアロゾル生成物品2は、一般的な燃焼型エアロゾル生成物品と類似してもいる。例えば、エアロゾル生成物品2は、エアロゾル生成物質を含む第1部分とフィルタなどを含む第2部分とに区分される。または、エアロゾル生成物品2の第2部分にも、エアロゾル生成物質が含まれる。例えば、顆粒またはカプセルの形態に作られたエアロゾル生成物質が第2部分に挿入されうる。
【0063】
エアロゾル生成装置1の内部には、第1部分の全体が挿入され、第2部分は、外部に露出されうる。または、エアロゾル生成装置1の内部に第1部分の一部だけ挿入され、第1部分の全体及び第2部分の一部が挿入されうる。ユーザは、第2部分を口にした状態でエアロゾルを吸い込む。この際、エアロゾルは、外部空気が第1部分を通過することで生成され、生成されたエアロゾルは、第2部分を通過してユーザの口に伝達される。
【0064】
一実施例において、外部空気は、エアロゾル生成装置1に形成された少なくとも1つの空気通路を通じて流入されうる。例えば、エアロゾル生成装置1に形成された空気通路の開閉及び/または空気通路の大きさは、ユーザによって調節されうる。これにより、霧化量、喫煙感などがユーザによって調節されうる。他の例として、外部空気は、エアロゾル生成物品2の表面に形成された少なくとも1つの孔(hole)を通じてエアロゾル生成物品2の内部に流入されうる。
【0065】
図3は、一実施例による多層の熱伝導部材300の構成を示す図面である。
【0066】
図3を参照すれば、多層の熱伝導部材300は、第1熱伝導層310、第2熱伝導層320、及び第3熱伝導層330を含んでもよい。
図3の多層の熱伝導部材300は、
図1及び
図2に図示された多層の熱伝導部材15に対応するので、重複する内容は省略する。
【0067】
多層の熱伝導部材300は、複合金属(Clad metal)、合板(Ply Metals)などを意味することができるが、それに制限されない。
【0068】
多層の熱伝導部材300の第1熱伝導層310は、エアロゾル生成物品が挿入される収容空間に向かい、耐食性物質を含んでもよい。多層の熱伝導部材300の第2熱伝導層320は、第1熱伝導層310と対向し、熱伝導性物質を含んでもよい。また、多層の熱伝導部材300の第3熱伝導層330は、第2熱伝導層320とヒータとの間に配置され、耐食性物質を含んでもよい。
【0069】
多層の熱伝導部材300とヒータは、密着されうる。多層の熱伝導部材300とヒータとが密着されるということは、多層の熱伝導部材300及びヒータ間の隔離距離が最小化されることを意味する。
【0070】
一実施例において、第1熱伝導層310及び第3熱伝導層330に含まれた耐食性物質は、STS(Stainless Steel)系でもある。また、第1熱伝導層310及び第3熱伝導層330に含まれた耐食性物質は、クロム(Cr)、炭素(C)、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、リン(P)、ケイ素(Si)、及び硫黄(S)のうち、少なくともいずれか1つを含んでもよい。
【0071】
例えば、第1熱伝導層310または第3熱伝導層330は、0.1%以下の炭素、16%~20%のクロム、62%~73.5%の鉄、2%以下のマンガン、1%~2%のモリブデン、9%~11.5%のニッケル、0.05%以下のリン、1.2%以下のケイ素、及び0.05%以下の硫黄によっても構成されるが、それに制限されない。
【0072】
図3には、第1熱伝導層310及び第3熱伝導層330が図示されているが、必要によって、第1熱伝導層310及び第3熱伝導層330のうち、1つは、省略されうる。
【0073】
第1熱伝導層310及び第3熱伝導層330は、互いに異なる物質を含んでもよく、同一物質を含んでもよい。また、第1熱伝導層310及び第3熱伝導層330に含まれた耐食性物質の含量が互いに異なってもいる。例えば、第1熱伝導層310の全体構成要素対比でクロムが含まれた百分率は、17%であり、第3熱伝導層330の全体構成要素対比でクロムが含まれた百分率は、19%である。第1熱伝導層310及び第3熱伝導層330は、クロム、炭素、鉄などを含むことで、耐食性及び耐酸化性に優れ、強度が強くなる。これにより、エアロゾル生成装置のヒータが薄い場合にも、ヒータの撚れ、引裂きなどの損傷が防止される。
【0074】
多層の熱伝導部材300の第2熱伝導層320は、熱伝導性が高い物質を含んでもよい。また、第2熱伝導層320は、エアロゾル生成物品を内部に収容するために剛性の素材で構成されうる。
【0075】
一実施例において、熱伝導性物質は、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、またはこれらの合金(alloy)を含んでもよいが、それに制限されない。合金は、95%以上の主金属を含んでもよい。
【0076】
一実施例において、第2熱伝導層320は、複数の層で構成され、複数層それぞれは、互いに異なる物質を含んでもよい。例えば、第2熱伝導層320は、銅が含まれた層及びアルミニウムが含まれた層で構成されうる。第2熱伝導層320は、熱伝導性物質を含むことで、ヒータから発生した熱がエアロゾル生成物品に効率的に伝達させうる。
【0077】
多層の熱伝導部材300は、150W/m・K~300W/m・K範囲内の熱伝導率を有し、第2熱伝導層320は、200W/m・K~500W/m・K範囲内の熱伝導率を有することができる。また、第1熱伝導層310及び第3熱伝導層330は、10W/m・K~20W/m・K範囲内の熱伝導率を有することができる。第1熱伝導層310または第3熱伝導層330の熱伝導率は、望ましくは、16.2W/m・Kでもあるが、それに制限されない。
【0078】
多層の熱伝導部材300の厚さは、0.05mm~0.25mm範囲に含まれる。望ましくは、多層の熱伝導部材300の厚さは、0.15mmでもあるが、それらに制限されない。
【0079】
一実施例において、多層の熱伝導部材300の厚さに対する第1熱伝導層310の厚さの百分率は、15%~25%範囲内の値を有し、多層の熱伝導部材300の厚さに対する第2熱伝導層320の厚さの百分率は、50%~70%範囲内の値を有し、多層の熱伝導部材300の厚さに対する第3熱伝導層330の厚さの百分率は、15%~25%範囲内の値を有することができる。例えば、多層の熱伝導部材300の厚さが0.15mmである場合、第1熱伝導層310の厚さは、0.0225mmであり、第2熱伝導層320の厚さは、0.105mmであり、第3熱伝導層330の厚さは、0.0225mmでもあるが、それらに制限されない。
【0080】
また、第1熱伝導層310及び第3熱伝導層330の厚さは、互いに異なってもいる。例えば、多層の熱伝導部材300の厚さが0.15mmである場合、第1熱伝導層310の厚さは、0.0225mmであり、第2熱伝導層320の厚さは、0.09mmであり、第3熱伝導層330の厚さは、0.0375mmでもあるが、それらに制限されない。
【0081】
多層の熱伝導部材300は、エアロゾル生成物品が挿入される収容空間を形成し、多様な形状を有することができる。
【0082】
例えば、
図3に図示されたように多層の熱伝導部材300は、内部に中空を含むチューブ状(type)にも形成され、多層の熱伝導部材300に含まれる中空の断面は、多角形でもあり、エアロゾル生成物品の形状によっても多様な大きさ及び形状を有する。また、
図4に図示されたように多層の熱伝導部材300は、任意の間隔で離れている格子状(type)にも形成される。また、
図5に図示されたように多層の熱伝導部材300は、エアロゾル生成物品が挿入される方向を基準に上部面の直径が下部面の直径よりも大きいフランジ(flange)状(type)にも形成されるが、それに制限されない。
【0083】
一方、
図3には、多層の熱伝導部材300の第1熱伝導層310、第2熱伝導層320、及び第3熱伝導層330それぞれの長さが並べ順に徐々に短くなるように図示されているが、これは、多層の熱伝導部材300の構造を容易に知るためのものに過ぎず、第1熱伝導層310、第2熱伝導層320、及び第3熱伝導層330それぞれは、任意の適切な長さを有しうる。
【0084】
多層の熱伝導部材300は、耐食性及び強度に優れた第1熱伝導層310及び第3熱伝導層330を含み、熱伝導率に優れた第2熱伝導層320を含むことで、ヒータから生成された熱をエアロゾル生成物品に効率的に伝達させうる。また、多層の熱伝導部材300がヒータとエアロゾル生成物品との間に配置されることで、ヒータの損傷が防止されうる。
【0085】
図6は、一実施例によるエアロゾル生成装置の直径方向断面図であり、
図7は、一実施例によるエアロゾル生成装置の長手方向断面図である。
【0086】
図6及び
図7を参照すれば、エアロゾル生成装置は、多層の熱伝導部材610及びヒータ620を含み、断熱材630をさらに含んでもよい。
図6のヒータ620及びエアロゾル生成物品640は、
図1及び
図2のヒータ13及びエアロゾル生成物品2に対応し、
図6の多層の熱伝導部材610は、
図3の多層の熱伝導部材300に対応するので、重複する内容は省略する。
【0087】
断熱材630は、ヒータ620から発生した熱の外部への損失を防止するために、断熱素材で構成されうる。断熱材630は、エアロゲル(aerogel)、真空絶縁、シリコン発泡材、ゴム材、充填材、ナイロン、フリース、不織材料、織物材料、ポリスチレン、ポリエステル、ポリエステルフィラメント、段ボール材料、ポリプロピレン、ポリエステルとポリプロピレンとの混合物、及び酢酸セルロースのうち、少なくとも1つを含んでもよい。
【0088】
ヒータ620と断熱材630との間に空気層が含まれる。空気層は、ヒータ620と断熱材630との間に位置するギャップ(gap)を意味し、必要によって省略されうる。
【0089】
一実施例において、断熱材630は、エアロゲルでもある。エアロゲルは、ゲル構造で収縮を誘発させずに、液体を気体に置換して得られ、エアロゲルは、シリカ(silica)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、錫(Sn)などの多様な物質からも作製される。
【0090】
一実施例において、断熱材630は、0.25W/m・K以下の熱伝導率を有し、望ましくは、0.004W/m・K~0.25W/m・Kの熱伝導率を有することができる。
【0091】
一実施例において、多層の熱伝導部材610は、エアロゾル生成物品640を覆い包むように配置され、ヒータ620は、多層の熱伝導部材610を覆い包むように配置され、断熱材630は、ヒータ620を覆い包むように配置されうる。すなわち、エアロゾル生成物品640、多層の熱伝導部材610、ヒータ620、及び断熱材630順に配置される。これにより、ヒータ620から発生した熱がエアロゾル生成物品640に効率的に伝達され、ヒータ620から発生した熱が外部に損失されない。
【0092】
図8は、ヒータから熱が生成される場合、多層の熱伝導部材(A)とSTS 304(B)の経時的な温度を示すグラフである。
図8の多層の熱伝導部材(A)は、
図3の多層の熱伝導部材300に対応するので、重複する内容は省略する。
【0093】
図8を参照すれば、エアロゾル生成装置に多層の熱伝導部材(A)が使用された場合の多層の熱伝導部材(A)の温度と、エアロゾル生成装置に多層の熱伝導部材(A)の代わりに、STS 304(B)が使用された場合のSTS 304(B)の温度を比較することができる。
図8のグラフの横軸である時間は、ヒータを加熱した時間(sec)を示し、縦軸である温度は、ヒータで生成された熱が多層の熱伝導部材(A)またはSTS 304(B)に加えられたときに、多層の熱伝導部材(A)またはSTS 304(B)の測定された温度(℃)を示す。
【0094】
STS 304(B)は、ニッケル(Ni)が含まれたステンレス鋼である。
図8のグラフによれば、エアロゾル生成装置のヒータが加熱される場合、同じ加熱時間において多層の熱伝導部材(A)の温度がSTS 304(B)の温度よりも高いことが分かる。例えば、時間が25秒(sec)であるとき、多層の熱伝導部材(A)の温度は、268゜Cであり、STS 304(B)の温度は、252.7℃であり、多層の熱伝導部材(A)とSTS 304(B)の温度差は、15.3℃である。
【0095】
同じ時間において多層の熱伝導部材(A)の温度がSTS 304(B)の温度よりも高いので、多層の熱伝導部材(A)がSTS 304(B)よりもヒータから発生した熱をエアロゾル生成物品に効率的に伝達させうる。
【0096】
図9A、
図9B及び
図9Cは、ヒータから熱が生成される場合、多層の熱伝導部材(A)とSTS 304(B)の経時的な温度を示す表である。以下、説明の便宜上、
図9A、
図9B及び
図9Cを
図9と称する。
図9の多層の熱伝導部材(A)は、
図3の多層の熱伝導部材300に対応するので、重複する内容は省略する。
【0097】
図9を参照すれば、エアロゾル生成装置に多層の熱伝導部材(A)が使用された場合の多層の熱伝導部材(A)の温度と、エアロゾル生成装置に多層の熱伝導部材(A)の代わりに、STS 304(B)が使用された場合のSTS 304(B)の温度を比較することができる。
図9の表は、0.1秒単位の3.5秒から27.3秒までのヒータの加熱時間に対する多層の熱伝導部材(A)とSTS 304(B)の温度を示す。STS 304(B)は、ニッケル(Ni)が含まれたステンレス鋼である。
【0098】
図9の表の時間(sec)は、エアロゾル生成装置のヒータが加熱される時間を示す。
図9の表は、ヒータで生成された熱が多層の熱伝導部材(A)またはSTS 304(B)に加えられたときに、多層の熱伝導部材(A)またはSTS 304(B)の測定された温度(℃)を示す。
【0099】
図9の表によれば、3.6秒までは、多層の熱伝導部材(A)とSTS 304(B)の温度が100℃と同一であるが、3.7秒から多層の熱伝導部材(A)とSTS 304(B)の温度が互いに異なることが分かる。3.7秒から多層の熱伝導部材(A)の温度がSTS 304(B)の温度よりも常に高いことが分かる。
図9の表によれば、5秒において、多層の熱伝導部材(A)の温度は、125.6℃、STS 304(B)の温度は、118.4℃であり、10秒において、多層の熱伝導部材(A)の温度は、185.8℃、STS 304(B)の温度は、175.4℃であり、15秒において、多層の熱伝導部材(A)の温度は、224.7℃、STS 304(B)の温度は、210.4℃であり、20秒において、多層の熱伝導部材(A)の温度は、250.5℃、STS 304(B)の温度は、235.2℃であり、25秒で多層の熱伝導部材(A)の温度は、268℃、STS 304(B)の温度は、252.7℃である。
【0100】
すなわち、同じ時間において、多層の熱伝導部材(A)の温度がSTS 304(B)の温度よりも高いので、多層の熱伝導部材(A)の熱伝導率がSTS 304(B)の熱伝導率よりも高いことが分かる。これにより、エアロゾル生成装置にSTS 304(B)よりも多層の熱伝導部材(A)が使用されることがエアロゾル生成物品の加熱効率をさらに向上させうる。
【0101】
また、
図9の表によれば、多層の熱伝導部材(A)とSTS 304(B)の温度が同一であるとき、多層の熱伝導部材(A)を使用した場合のヒータ加熱時間がSTS 304(B)を使用した場合のヒータ加熱時間よりも早いことが分かる。例えば、259℃の場合、多層の熱伝導部材(A)を使用した場合のヒータ加熱時間は、22.3秒であり、STS 304(B)を使用した場合のヒータ加熱時間は、27.2秒である。
【0102】
すなわち、同じ温度において、多層の熱伝導部材(A)を使用した場合のヒータ加熱時間がSTS 304(B)を使用した場合のヒータ加熱時間よりも早いので、多層の熱伝導部材(A)の熱伝導率がSTS 304(B)の熱伝導率よりも高いことが分かる。これにより、エアロゾル生成装置にSTS 304(B)よりも多層の熱伝導部材(A)が使用されることが、エアロゾル生成物品の加熱効率をさらに向上させうる。
【0103】
図10は、一実施例によるエアロゾル生成装置のヒータ組立体の構成を示す図面であり、
図11は、
図10によるエアロゾル生成装置のヒータ組立体の分解図である。
【0104】
図10及び
図11を参照すれば、エアロゾル生成装置のヒータ組立体1000は、多層の熱伝導部材1020及びヒータ1030を含んでもよい。
図10及び
図11のエアロゾル生成物品1010及びヒータ1030は、
図1及び
図2のエアロゾル生成物品2及びヒータ13に対応し、
図10及び
図11の多層の熱伝導部材1020は、
図3の多層の熱伝導部材300に対応し、
図10及び
図11の断熱材1040は、
図6及び
図7の断熱材630に対応するので、重複する内容は省略する。
【0105】
一方、
図10及び
図11に図示されたエアロゾル生成装置のヒータ組立体1000には、本実施例に係わる構成のみ図示されている。したがって、
図10及び
図11に図示された構成要素以外に他の汎用的な構成要素がエアロゾル生成装置のヒータ組立体1000にさらに含まれるということを、本実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。例えば、ヒータ組立体1000には、ヒータ1030とバッテリとの電気的連結のための少なくとも1つの電気コネクタ(図示せず)が含まれる。
【0106】
エアロゾル生成装置のヒータ組立体1000は、エアロゾル生成物品1010が挿入される収容空間を形成する多層の熱伝導部材1020及び多層の熱伝導部材1020を覆い包むヒータ1030を含んでもよい。多層の熱伝導部材1020のそれぞれの層は、耐食性物質または熱伝導性物質を含んでもよい。多層の熱伝導部材1020は、エアロゾル生成物品1010が挿入される収容空間に向かい、耐食性物質を含む第1熱伝導層、第1熱伝導層と対向し、熱伝導性物質を含む第2熱伝導層、及び第2熱伝導層とヒータ1030の間に配置されて耐食性物質を含む第3熱伝導層を含んでもよい。
【0107】
一実施例において、エアロゾル生成装置のヒータ組立体1000は、断熱材1040をさらに含んでもよい。断熱材1040は、エアロゲルを含み、ヒータ1030を覆い包むように配置され、ヒータ1030から発生した熱の外部への損失を防止することができる。
【0108】
一実施例において、エアロゾル生成装置のヒータ組立体1000は、支持部材1050をさらに含んでもよい。支持部材1050は、多層の熱伝導部材1020、ヒータ1030、及び断熱材1040のうち、少なくとも1つを固定させうるブラケット(bracket)を意味することができる。多層の熱伝導部材1020、ヒータ1030、及び断熱材1040は、支持部材1050の溝(groove)に装着されて固定されうる。
【0109】
支持部材1050は、耐熱素材で構成され、耐熱素材は、250℃以上の熱に耐えることができる素材を含んでもよい。250℃以上の熱に耐えることができるということは、耐熱素材の融点(Tm)が250℃以上であることを意味する。
【0110】
一方、耐熱素材は、耐熱性合成樹脂でもある。耐熱素材が耐熱性合成樹脂である場合、耐熱素材の融点及びガラス遷移温度(Tg)のうち、1つ以上が250℃以上でもある。
【0111】
例えば、耐熱素材は、一例として、ポリプロピレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリイミド、スルホン系樹脂、フッ素系樹脂、アラミドのうち、少なくとも1つを含んでもよい。スルホン系樹脂は、ポリエチルスルホン、ポリフェニレンサルファイドのような樹脂を含み、フッ素系樹脂は、ポリテトラフルオロエチレン(テフロン)を含んでもよい。
【0112】
但し、それに制限されるものではなく、一例として、耐熱素材は、200℃以上の熱に耐えることができる任意の適切な素材でもあり、耐熱素材は、250℃以上の熱に耐えることができる任意の適切な素材でもある。また、一例として、耐熱素材は、300℃以上の熱に耐えることができる任意の適切な素材でもあり、一例として、耐熱素材は、400℃以上の熱に耐えることができる任意の適切な素材でもある。
【0113】
本開示によるエアロゾル生成装置のヒータ組立体1000は、多層の熱伝導部材1020及びヒータ1030を含み、断熱材1040及び/または支持部材1050を含むことで、ヒータ1030から発生した熱がエアロゾル生成物品1010に効率的に伝達され、ヒータ1030から発生した熱がエアロゾル生成装置の外部に損失されることが効果的に防止され、多層の熱伝導部材1020、ヒータ1030、及び断熱材1040が動作しないように固定させうる。
【0114】
図12ないし
図14は、多層の熱伝導部材の位置を示す例示図である。
【0115】
図12ないし
図14を参照すれば、エアロゾル生成装置1210は、PCB(Printed Circuit Board)1240、バッテリ1250、ヒータ1230及び多層の熱伝導部材1260を含んでもよい。しかし、エアロゾル生成装置1210の内部構造は、
図12ないし
図14に図示されたところに限定されない。
図12ないし
図14のエアロゾル生成装置1210、エアロゾル生成物品1220、ヒータ1230、及びバッテリ1250は、
図1及び
図2のエアロゾル生成装置1、エアロゾル生成物品2、ヒータ13、及びバッテリ11に対応するので、重複する内容は省略する。
【0116】
一方、
図12ないし
図14に図示されたエアロゾル生成装置1210には、本実施例に係わる構成のみ図示されている。したがって、
図12ないし
図14に図示された構成要素以外に他の汎用的な構成要素がエアロゾル生成装置1210にさらに含まれるということを、本実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0117】
エアロゾル生成装置1210は、発熱部材及び発熱部材から生成された熱をエアロゾル生成装置1210の外部に放出する多層の熱伝導部材1260を含んでもよい。発熱部材は、熱を出す物体であって、PCB 1240またはバッテリ1250などを含んでもよい。多層の熱伝導部材1260は、複合金属(Clad metal)、合板(Ply Metals)などを意味することができるが、それに制限されない。
【0118】
多層の熱伝導部材1260のそれぞれの層は、耐食性物質(corrosion-resistant material)または熱伝導性物質(thermally conductive material)を含んでもよい。例えば、多層の熱伝導部材1260は、2層または3層で構成され、3層以上の層によっても構成されるが、その限りではない。多層の熱伝導部材1260は、耐食性物質を含む層及び熱伝導性物質を含む層で構成されうる。
【0119】
一実施例において、多層の熱伝導部材1260は、発熱部材に向かい、耐食性物質(corrosion-resistant material)を含む第1熱伝導層、第1熱伝導層と対向して熱伝導性物質(thermally conductive material)を含む第2熱伝導層、及び第2熱伝導層と対向して耐食性物質を含む第3熱伝導層を含んでもよい。一方、必要によって、第1熱伝導層または第3熱伝導層のうち、1つは、省略されうる。
【0120】
多層の熱伝導部材1260と発熱部材は、密着も、離隔もされるが、それに制限されない。
【0121】
一実施例において、第1熱伝導層及び第3熱伝導層に含まれた耐食性物質は、STS(Stainless Steel)系でもある。また、第1熱伝導層及び第3熱伝導層に含まれた耐食性物質は、クロム(Cr)、炭素(C)、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、リン(P)、ケイ素(Si)、及び硫黄(S)のうち、少なくともいずれか1つを含んでもよい。
【0122】
例えば、第1熱伝導層または第3熱伝導層は、0.1%以下の炭素、16%~20%のクロム、62%~73.5%の鉄、2%以下のマンガン、1%~2%のモリブデン、9%~11.5%のニッケル、0.05%以下のリン、1.2%以下のケイ素、及び0.05%以下の硫黄で構成されうるが、それらに制限されない。
【0123】
第1熱伝導層及び第3熱伝導層は、互いに異なる物質を含んでもよく、同一物質を含んでもよい。また、第1熱伝導層及び第3熱伝導層に含まれた耐食性物質の含量が互いに異なってもいる。例えば、第1熱伝導層の全体構成要素対比で鉄が含まれた百分率は65%であり、第3熱伝導層の全体構成要素対比で鉄が含まれた百分率は70%でもある。
【0124】
多層の熱伝導部材1260の第2熱伝導層は、熱伝導性の高い物質を含んでもよい。熱伝導性物質は、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、またはこれらの合金(alloy)を含んでもよいが、それらに制限されない。合金は、95%以上の主金属を含んでもよい。
【0125】
一実施例において、第2熱伝導層は、複数個の層で構成され、複数層それぞれは、互いに異なる物質を含んでもよい。例えば、第2熱伝導層は、銅が含まれた層及びアルミニウムが含まれた層で構成されうる。
【0126】
多層の熱伝導部材1260は、150W/m・K~300W/m・K範囲内の熱伝導率を有し、第2熱伝導層は、200W/m・K~500W/m・K範囲内の熱伝導率を有することができる。また、第1熱伝導層及び第3熱伝導層は、10W/m・K~20W/m・K範囲内の熱伝導率を有することができる。第1熱伝導層または第3熱伝導層の熱伝導率は、望ましくは、16.2W/m・Kでもあるが、それに制限されない。
【0127】
多層の熱伝導部材1260の厚さは、0.05mm~0.25mm範囲に含まれる。望ましくは、多層の熱伝導部材1260の厚さは、0.15mmでもあるが、それに制限されない。
【0128】
一実施例において、多層の熱伝導部材1260の厚さに対する第1熱伝導層の厚さの百分率は、15%~25%範囲内の値を有し、多層の熱伝導部材1260の厚さに対する第2熱伝導層の厚さの百分率は、50%~70%範囲内の値を有し、多層の熱伝導部材1260の厚さに対する第3熱伝導層の厚さの百分率は、15%~25%範囲内の値を有することができる。例えば、多層の熱伝導部材1260の厚さが0.2mmである場合、第1熱伝導層の厚さは、0.04mmであり、第2熱伝導層の厚さは、0.12mmであり、第3熱伝導層の厚さは、0.04mmでもあるが、それらに制限されない。
【0129】
また、第1熱伝導層及び第3熱伝導層の厚さは、互いに異なってもいる。例えば、多層の熱伝導部材1260の厚さが0.2mmである場合、第1熱伝導層の厚さは、0.03mmであり、第2熱伝導層の厚さは、0.12mmであり、第3熱伝導層の厚さは、0.05mmでもあるが、それらに制限されない。
【0130】
多層の熱伝導部材1260は、発熱部材及びエアロゾル生成装置1210のハウジング間の多様な位置に配置されうる。
【0131】
一実施例において、多層の熱伝導部材1260は、エアロゾル生成装置1210のハウジングの少なくとも一部と密着し、発熱部材の少なくとも一部と密着するように配置されうる。例えば、多層の熱伝導部材1260は、
図12に示されたように、PCB 1240またはバッテリ1250の少なくとも一部と密着し、エアロゾル生成装置1210のハウジングの少なくとも一部と密着するように配置されうる。また、多層の熱伝導部材1260は、
図13に示されたように、エアロゾル生成装置1210のハウジングの前面に密着するように配置されうる。また、多層の熱伝導部材1260は、
図14に示されたように、エアロゾル生成装置1210の長手方向を基準にエアロゾル生成装置1210のハウジング下端の少なくとも一部と密着し、PCB 1240またはバッテリ1250の少なくとも一部と密着するように配置されうる。しかし、多層の熱伝導部材1260の配置は、
図12ないし
図14に図示されたところに限定されない。
【0132】
多層の熱伝導部材1260は、耐食性及び強度に優れた第1熱伝導層及び第3熱伝導層を含み、熱伝導率に優れた第2熱伝導層を含むことで、発熱部材から生成された熱をエアロゾル生成装置1210の外部に放出させうる。これにより、エアロゾル生成装置1210の内部部品の損傷が防止され、エアロゾル生成装置1210の特定部分が急に加熱されず、ユーザの便宜性及び安全性が増大しうる。
【0133】
図15は、他の実施例によるエアロゾル生成装置の構成を示すための図面である。
【0134】
図15を参照すれば、エアロゾル生成装置1510は、エアロゾル生成物品1560が挿入される収容空間を含み、収容空間に挿入されたエアロゾル生成物品1560を加熱してエアロゾルを生成することができる。一方、
図15には、説明の便宜上、エアロゾル生成装置1510がエアロゾル生成物品1560と共に使用されるように図示されているが、これは例示に過ぎない。
【0135】
エアロゾル生成装置1510は、バッテリ1520、制御部1530、多層の熱伝導部材1550、及びコイル1540を含んでもよい。しかし、エアロゾル生成装置1510の内部構造は、
図15に図示されたところに限定されない。エアロゾル生成装置1510の設計によって、
図15に図示されたハードウェア構成のうち、一部が省略されるか、新たな構成がさらに追加されうるということを、本実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0136】
バッテリ1520は、エアロゾル生成装置1510の動作に用いられる電力を供給する。例えば、バッテリ1520は、コイル1540が可変磁場を発生させるように電力を供給することができる。また、バッテリ1520は、エアロゾル生成装置1510内に備えられた他のハードウェアの構成、例えば、各種センサー(図示せず)、ユーザインターフェース(図示せず)、メモリ(図示せず)及び制御部1530の動作に必要な電力を供給することができる。バッテリ1520は、充電可能なバッテリであるか、使い捨てバッテリでもある。例えば、バッテリ1520は、リチウムポリマー(LiPoly)バッテリでもあるが、それに制限されない。
【0137】
制御部1530は、エアロゾル生成装置1510の全般的な動作を制御するハードウェアである。例えば、制御部1530は、バッテリ1520、多層の熱伝導部材1550、及びコイル1540だけではなく、エアロゾル生成装置1510に含まれた他の構成の動作を制御する。また、制御部1530は、エアロゾル生成装置1510の構成それぞれの状態を確認し、エアロゾル生成装置1510が動作可能な状態であるか否かを判断する。
【0138】
制御部1530は、多層の熱伝導部材1550がコイル1540が形成する可変磁場によって加熱されることで、エアロゾル生成物品1560が加熱されるように、バッテリ1520からコイル1540に提供される電力を制御することができる。
【0139】
制御部1530は、少なくとも1つのプロセッサを含む。プロセッサは、多数の論理ゲートのアレイによっても具現され、汎用的なマイクロプロセッサと該マイクロプロセッサで実行されるプログラムが保存されたメモリの組合わせによっても具現される。また、プロセッサが異なる形態のハードウェアによっても具現されることを、本実施例が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0140】
多層の熱伝導部材1550は、可変磁場が印加されることによって加熱される物質を含み、サセプタ機能が行える。多層の熱伝導部材1550は、複合金属(Clad metal)、合板(Ply Metals)などを意味することができるが、それに制限されない。
【0141】
多層の熱伝導部材1550のそれぞれの層は、耐食性物質(corrosion-resistant material)または熱伝導性物質(thermally conductive material)を含んでもよい。例えば、多層の熱伝導部材1550は、2層または3層で構成され、3層以上の層によっても構成されるが、その限りではない。多層の熱伝導部材1550は、耐食性物質を含む層及び熱伝導性物質を含む層で構成されうる。
【0142】
多層の熱伝導部材1550は、エアロゾル生成物品1560が挿入される収容空間に向かい、耐食性物質を含む第1熱伝導層、第1熱伝導層と対向して熱伝導性物質を含む第2熱伝導層、及び第2熱伝導層と対向して耐食性物質を含む第3熱伝導層を含んでもよい。必要によって、第1熱伝導層及び第3熱伝導層のうち、1つは、省略されうる。
【0143】
一実施例において、第1熱伝導層及び第3熱伝導層に含まれた耐食性物質は、STS(Stainless Steel)系でもある。また、第1熱伝導層及び第3熱伝導層に含まれた耐食性物質は、クロム(Cr)、炭素(C)、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、リン(P)、ケイ素(Si)、及び硫黄(S)のうち、少なくともいずれか1つを含んでもよい。
【0144】
例えば、第1熱伝導層及び第3熱伝導層は、それぞれ0.1%以下の炭素、16%~20%のクロム、62%~73.5%の鉄、2%以下のマンガン、1%~2%のモリブデン、9%~11.5%のニッケル、0.05%以下のリン、1.2%以下のケイ素、及び0.05%以下の硫黄で構成されるが、それらに制限されない。
【0145】
第1熱伝導層及び第3熱伝導層は、互いに異なる物質を含んでもよく、同一物質を含んでもよい。また、第1熱伝導層及び第3熱伝導層に含まれた耐食性物質の含量が互いに異なってもいる。例えば、第1熱伝導層の全体構成要素対比でクロムが含まれた百分率は、17%であり、第3熱伝導層の全体構成要素対比でクロムが含まれた百分率は、19%でもある。第1熱伝導層及び第3熱伝導層は、クロム、炭素、鉄などを含むことで、耐食性及び耐酸化性に優れ、強度が強くなる。
【0146】
多層の熱伝導部材1550の第2熱伝導層は、熱伝導性が高い物質を含んでもよい。
【0147】
一実施例において、熱伝導性物質は、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、またはそれらの合金(alloy)を含んでもよいが、それに制限されない。合金は、95%以上の主金属を含んでもよい。
【0148】
一実施例において、第2熱伝導層は、複数の層で構成され、複数層それぞれは、互いに異なる物質を含んでもよい。例えば、第2熱伝導層は、銅が含まれた層及びアルミニウムが含まれた層で構成されうる。第2熱伝導層は、熱伝導性物質を含むことにより発生した熱がエアロゾル生成物品に効率的に伝達させうる。
【0149】
多層の熱伝導部材1550は、150W/m・K~300W/m・K範囲内の熱伝導率を有し、第2熱伝導層は、200W/m・K~500W/m・K範囲内の熱伝導率を有することができる。また、第1熱伝導層及び第3熱伝導層は、それぞれ10W/m・K~20W/m・K範囲内の熱伝導率を有することができる。第1熱伝導層または第3熱伝導層の熱伝導率は、望ましくは、16.2W/m・Kでもあるが、それに制限されない。
【0150】
一実施例において、多層の熱伝導部材1550の厚さに対する第1熱伝導層の厚さの百分率は、15%~25%範囲内の値を有し、多層の熱伝導部材1550の厚さに対する第2熱伝導層の厚さの百分率は、50%~70%範囲内の値を有し、多層の熱伝導部材1550の厚さに対する第3熱伝導層の厚さの百分率は、15%~25%範囲内の値を有することができる。例えば、多層の熱伝導部材1550の厚さが0.15mmである場合、第1熱伝導層の厚さは、0.0225mmであり、第2熱伝導層の厚さは、0.105mmであり、第3熱伝導層の厚さは、0.0225mmでもあるが、それらに制限されない。
【0151】
また、第1熱伝導層及び第3熱伝導層の厚さは、互いに異なってもいる。例えば、多層の熱伝導部材1550の厚さが0.1mmである場合、第1熱伝導層の厚さは、0.015mmであり、第2熱伝導層の厚さは、0.065mmであり、第3熱伝導層の厚さは、0.02mmでもあるが、それらに制限されない。
【0152】
多層の熱伝導部材1550は、管状または円筒状でもあり、エアロゾル生成物品1560が挿入される収容空間を覆い包むように配置されうる。エアロゾル生成物品1560がエアロゾル生成装置1510の収容空間に挿入されれば、多層の熱伝導部材1550は、エアロゾル生成物品1560を覆い包むように配置されうる。したがって、外部の多層の熱伝導部材1550から伝達される熱によってエアロゾル生成物品1560内のエアロゾル生成物質の温度が増加し、エアロゾルが発生しうる。
【0153】
多層の熱伝導部材1550は、耐食性及び強度に優れた第1熱伝導層及び第3熱伝導層を含み、熱伝導率に優れた第2熱伝導層を含むことで、エアロゾル生成物品1560を効率的に加熱させることができる。
【0154】
コイル1540は、バッテリ1520から電力が供給されることにより可変磁場を発生させうる。コイル1540によって発生した可変磁場は、多層の熱伝導部材1550に印加され、これにより、多層の熱伝導部材1550が加熱されうる。制御部1530の制御によってコイル1540に供給される電力が調整され、多層の熱伝導部材1550が加熱される温度が適切に保持されうる。
【0155】
一方、エアロゾル生成装置1510は、バッテリ1520、制御部1530、コイル1540及び多層の熱伝導部材1550以外に汎用的な構成をさらに含んでもよい。例えば、エアロゾル生成装置10は、シガレット挿入感知センサー、他のセンサー(例えば、温度感知センサー、パフ感知センサーなど)、ユーザインターフェース及びメモリをさらに含んでもよい。
【0156】
ユーザインターフェースは、ユーザにエアロゾル生成装置1510の状態に係わる情報を提供することができる。ユーザインターフェースは、視覚情報を出力するディスプレイまたはランプ、触覚情報を出力するモータ、音情報を出力するスピーカー、及びユーザから入力された情報を受信するか、ユーザに情報を出力する入/出力(I/O)インターフェーシング手段(例えば、ボタンまたはタッチスクリーン)を含んでもよい。また、ユーザインターフェースは、データ通信を行うか、充電電力を供給されるための端子、外部デバイスと無線通信(例えば、WI-FI, WI-FI Direct, Bluetooth, NFC(Near-Field Communication)など)を行うための通信インターフェーシングモジュールなどの多様なインターフェーシング手段を含んでもよい。
【0157】
但し、エアロゾル生成装置1510には、上の例示された多様なユーザインターフェース例示のうち、一部だけが取捨選択されて具現されうる。また、エアロゾル生成装置1510には、上の例示された多様なユーザインターフェース例示のうち、少なくとも一部が組合わせられて具現されうる。例えば、エアロゾル生成装置1510は、前面に視覚情報を出力しながら、ユーザ入力も受信可能なタッチスクリーンディスプレイを含んでもよい。タッチスクリーンディスプレイは、指紋センサーを含み、指紋センサーによってユーザ認証が行われうる。
【0158】
メモリは、エアロゾル生成装置1510内で処理される各種データを保存するハードウェアであって、メモリは制御部1530で処理されたデータ及び処理されるデータを保存することができる。メモリは、DRAM(dynamic random access memory), SRAM(static random access memory)のようなRAM(random access memory), ROM(read-only memory), EEPROM(electrically erasable programmable read-only memory)などの多様な種類によっても具現される。
【0159】
メモリには、エアロゾル生成装置1510の動作時間、最大パフ回数、現在パフ回数、少なくとも1つの温度プロファイル、及びユーザの喫煙パターンに係わるデータなどが保存されうる。
【0160】
上述した実施例に係わる説明は、例示に過ぎず、当該技術分野で通常の知識を有する者であれば、それにより多様な変形及び均等な他の実施例が可能であるという点を理解できるであろう。