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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-26
(45)【発行日】2023-08-03
(54)【発明の名称】一体型チェックバルブ
(51)【国際特許分類】
   F16K 15/14 20060101AFI20230727BHJP
   F16K 15/18 20060101ALI20230727BHJP
【FI】
F16K15/14 Z
F16K15/18 Z
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2021541125
(86)(22)【出願日】2020-01-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-09
(86)【国際出願番号】 KR2020000336
(87)【国際公開番号】W WO2020153631
(87)【国際公開日】2020-07-30
【審査請求日】2021-07-15
(31)【優先権主張番号】10-2019-0008983
(32)【優先日】2019-01-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】518004783
【氏名又は名称】カン,スン イル
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】カン,スン イル
【審査官】橋本 敏行
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/111090(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0324295(US,A1)
【文献】特開2009-236284(JP,A)
【文献】実開平05-068860(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 15/14
F16K 15/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプ体(10)が設置されたシリンダー(20)の中央ホール(21)の外周縁に挿入して設置される、上下部が開口された円筒形状の部材であるバルブボディ(31)と、
前記バルブボディ(31)の側面に連結された連結帯(32)を介して連結され、前記バルブボディ(31)の上面に嵌め合わされる円筒形のチェックバルブ(33)と、
を含み、
前記円筒形のチェックバルブ(33)は、
上下部が開口された円筒形部(33a)と、
前記円筒形部(33a)の中央に形成され、前記バルブボディ(31)の上部ホール(31a)を開閉する円板開閉部(33b)と、
前記円板開閉部(33b)の外周緑と円筒形部(33a)の内周緑とを多数個所にて連結するエス字型の連結部(33c)と、
を含み、
前記バルブボディ(31)の上部ホール(31a)の内周縁にガイド傾斜面(31c)が形成され、前記ガイド傾斜面(31c)の内側へと前記円板開閉部(33b)が挿入されることを特徴とする一体型チェックバルブ。
【請求項2】
円筒形状の前記バルブボディ(31)は、上部の外周側にて稜線部の近傍が省かれて、前記円筒形部(33a)を受け入れるリング状段付部(31b)が形成されており、
前記円筒形部(33a)の内周縁には、内側へと膨出するリング状膨出部(33d)が備えられ、このリング状膨出部(33d)の片側の斜面が第2のガイド傾斜面をなしており、
前記リング状膨出部(33d)が、前記リング状段付部(31b)における対応する湾入部に押し込まれていることを特徴とする請求項に記載の一体型チェックバルブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一体型チェックバルブに関するものであり、より詳細には、バルブボディが、開閉しようとするホール(孔)に取り付けられとともに、バルブボディと連結されたチェックバルブとして、バルブボディに組み付けられるように構成することにより、構成品同士の組付けと分解が容易であり、長期使用してもポンピング効率が優れるように維持されるようにした一体型チェックバルブに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、液体またはゲルといった液体状の内容物を保存保管する容器は、その注入口へと内容物を外部に円滑に吐出させるポンピング装置が備えられる。
【0003】
これらのポンピング装置は、容器の内容物を一定量ずつ外部に吐出することにより使用の利便性を図るとともに、内容物の過度の排出を抑制して無駄を低減するものであり、今までいくつかの構造が提案されて広く使用されている。
【0004】
容器用のポンピング装置は、韓国公開特許KR10-2011-0023299「エアレスポンプ式化粧品容器のポンプ構造」などに示すように、一般的に容器に結合されるキャップ部材と、キャップ部材に結合されるシリンダーと、シリンダーにて昇降してピストン運動するピストン部材と、ピストン部材に結合され、ユーザーが押す加圧力でピストン部材を下降させる加圧部材とを含んで構成されている。
【0005】
従来技術によるポンピング装置は、構成要素同士を組み付ける上で不便であり、一旦組み付けると分離が不可能または困難な構造となっている。よって、従来技術によるポンピング装置は、再使用が困難であり、構成品の一部に問題があるときに、問題がある構成品だけを交換するのではなく、ポンピング装置全体を交換する必要があるため、かなり非経済的である。
【0006】
そして、ポンピング装置のポンピング効率には、ピストン部材のピストン運動の円滑性と、ピストン部材とシリンダー部材との密着性と、ピストン部材のピストン運動によるチェックバルブの開閉性が重要であるが、従来技術によるポンピング装置は、長期使用時に、ピストン部材とシリンダー部材との密着性が弱くなり、チェックバルブの開閉性が弱くなり、ポンピング効率が低下するという問題がある。
【0007】
また、従来のチェックバルブの場合、堅固に組み立てられていないために、チェックバルブの機能を行い得ない、すなわち、不良率が多いという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記の従来技術の要望に応えるために発明されたものであり、バルブボディが、開閉するホールに取り付けられるとともに、バルブボディと連結されたチェックバルブとして、バルブボディに組み付けられるように構成することにより、構成品同士の組付けと分解が容易であり、長期使用してもポンピング効率が優れるように維持されるようにした、一体型チェックバルブを提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の実施例による一体型チェックバルブは、ポンプ体(10)が設置されたシリンダー(20)の中央ホール(21)の外周縁に挿入設置される、上下部が開口された円筒形状の部材であるバルブボディ(31)と、前記のバルブボディ(31)の側面に連結された連結帯(32)を介して連結され、前記バルブボディ(31)の上面に嵌め合わされる、円筒形のチェックバルブ(33)とを含むことを特徴とする。
【0010】
ここで、前記円筒形のチェックバルブ(33)は、上下部が開口された円筒形部(33a)と、前記円筒形部(33a)の中央に形成されて前記バルブボディ(31)の上部ホール(31a)を開閉する円板開閉部(33b)と、前記円板開閉部(33b)の外周縁と円筒形部(33a)の内周縁とを多数個所にて連結するエス字型の連結部(33c)とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一体型チェックバルブによれば、バルブボディが、開閉しようとするホールに取り付けられるのであり、バルブボディと連結されたチェックバルブがバルブボディに組み付けられるように構成することにより、構成品同士の組付けと分解が容易であり、長期使用してもポンピング効率が優れるように維持されるようにするという効果を有しており、また、本発明の一体型チェックバルブは、前記ポンプ体が装着されたシリンダーに使用せずに独立して使用することができ、0.03cc(mL)の小型ポンプにも使用することができる。つまり、他の部品と結合しなくても、本発明の一体型チェックバルブ自体でもってバルブの役割が可能であるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一体型チェックバルブを示す斜視図である。
図2】本発明の一体型チェックバルブがポンプ体に設置された状態を示す断面図である。
図3】本発明のポンプ作動時に、一体型チェックバルブが作動する状態を示す断面図である。
図4】本発明の一体型チェックバルブを示す断面図である。
図5】本発明の一体型チェックバルブを示す平面図であり。
図6】本発明の一体型チェックバルブが組み立てられた状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の第1の実施例による一体型チェックバルブは、ポンプ体(10)が設置されたシリンダー(20)の中央ホール(21)の外周縁に挿入設置される、上下部が開口された円筒形状の部材であるバルブボディ(31)と、前記のバルブボディ(31)の側面に連結された連結帯(32)を介して連結され、前記バルブボディ(31)の上面に嵌め合わされる円筒形のチェックバルブ(33)とを含むことを特徴とする。
【0014】
<発明の実施のための形態>
以下、本発明の好ましい実施例を添付した図面を参照して、当該分野の通常の知識を有する者が容易に実施できるように説明する。添付された図面にて構成に表記された図面番号は、他の図面でも同じ構成を表記する際に、可能な限り同一の図面番号を使用していることに留意しなければならない。また、本発明の説明にあたり、関連した公知の機能または公知の構成の具体的な説明が、本発明の要旨を不必要に曖昧にすると判断された場合には、その詳細な説明を省略する。そして、図面に示されたいくつかの特徴は、説明の容易さのために拡大または縮小または簡略化されたものであり、図面およびその構成要素が必ず適切な割合で示されていない。しかし、当業者であれば、これらの詳細を簡単に理解する。
【0015】
「第1」、「第2」などのように序数を含む用語は、様々な構成要素を説明するために使用することができるが、前記の構成要素は、前記の用語によって限定されない。前記の用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別するためにのみ使用される。例えば、本発明の権利範囲を逸脱せずに、第1の構成要素は、第2の構成要素として命名することができ、同様に第2の構成要素も第1構成要素として命名することができる。「および/または」という用語は、複数の関連する記載項目の組み合わせ、または複数の関連する記載項目のうちのいずれかの項目を含む。
【0016】
また、「全面」、「後面」、「上面」、「下面」などのように、図面に見えることを基準に記述された相対的な用語は「第1」、「第2」などの序数で置き換えることができる。
【0017】
「第1」、「第2」などの序数にあって、その順序は言及された順序であるか任意に定められたものであり、その順序は、必要に応じ任意に変更することができる。
【0018】
本発明で使用した用語は、単に特定の実施例を説明するために使用されたものであり、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上明らかに別の意味ではない限り、複数の表現を含む。本出願では、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするのであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加の可能性を予め排除しないものと理解されるべきである。
【0019】
別の意味で定義されない限り、技術的または科学的な用語を含めてここで使用されるすべての用語は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。一般的に使用される辞典に定義されているような用語は、関連技術の文脈上持つ意味と一致する意味を有するものと解釈されるべきであり、本出願で明白に定義しない限り、理想的または過度に形式的な意味に解釈されない。
【0020】
以下、本発明の好ましい実施例を添付された図面を参照して、詳細に説明する。なお、この発明を説明するに当たって、関連する公知の構成または機能に対する具体的な説明が、本発明の要旨をぼやけさせると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。
【実施例
【0021】
図1は、本発明の一体型チェックバルブを示す斜視図であり、図2は、本発明の一体型チェックバルブがポンプ体に設置された状態を示す断面図であり、図3は、本発明のポンプ作動時に、一体型チェックバルブが作動する状態を示す断面図であり、図4は、本発明の一体型チェックバルブを示す断面図であり、図5は、本発明の一体型チェックバルブを示す平面図であり、図6は、本発明の一体型チェックバルブが組み立てられた状態を示す断面図である。
【0022】
上記の図1図6に示すように、本発明の一体型チェックバルブは、ポンプ体(10)が設置されたシリンダー(20)の中央ホール(21)の外周縁に挿入設置される上下部が開口された円筒形状の部材であるバルブボディ(31)と、前記のバルブボディ(31)の側面に連結された連結帯(32)を介して連結されて前記バルブボディ(31)の上面に嵌め合わされる円筒形のチェックバルブ(33)と、を含む。
【0023】
前記円筒形のチェックバルブ(33)は、上下の側へと開口された円筒形部(33a)と、前記円筒形部(33a)の中央に形成されて前記バルブボディ(31)の上部ホール(31a)を開閉する円板開閉部(33b)と、前記円板開閉部(33b)の外周縁と円筒形部(33a)の内周縁とを多数個所にて連結するエス字型の連結部(33c)とを含む。
【0024】
前記ポンプ体(10)は、公知のものため、詳細な説明はしない。
【0025】
図3のように、ポンプ体(10)が作動すると、すなわちピストンがシリンダー(20)内にて下降すると、シリンダー(20)内の体積が減少することで、すなわち、圧縮されることで、一体型チェックバルブ(30)が作動することになる。
【0026】
つまり、前記シリンダー(20)内の体積が減少するに伴い、その圧力によってバルブボディ(31)の上部ホール(31a)を閉鎖していた円板開閉部(33b)が上昇することで、シリンダー(20)の中央ホール(21)を通して、化粧品の内容物や、その他の液状の内容物が流入される。
【0027】
ポンプ体(10)の押し動作を停止すると、ピストンが上昇することになり、シリンダー(20)内に化粧品の内容物を充填した後、円筒形のチェックバルブ(33)の円板開閉部(33b)が下降してバルブボディ(31)の上部ホール(31a)を閉鎖することになる(図2a)。
【0028】
このように、本発明の一体型チェックバルブ(30)は、前記のポンプ体(10)が装着されたシリンダー(20)に使用せずに独立して使用することができ、0.03cc(mL)の小型ポンプにも使用することができる。
【0029】
つまり、他の部品と結合しなくても、本発明の一体型チェックバルブ自体でバルブの役割が可能である。
【0030】
以上のように、本発明の詳細な説明にて具体的な実施例について説明したが、本発明の技術は、当業者によって容易に変形実施される可能性が自明であり、このような変形された実施例は、本発明の特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれるといえるであろう。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明の一体型チェックバルブによれば、バルブボディが、開閉するホールに取り付けられ、バルブボディと連結されたチェックバルブがバルブボディに組み付けられるように構成することにより、構成品同士の組付けと分解が容易であり、長期使用してもポンピング効率が優れた状態に維持されるようにする効果を有しており、また、本発明の一体型チェックバルブは、前記ポンプ体が装着されたシリンダーに使用せずに独立して使用することができ、0.03cc(mL)の小型ポンプにも使用することができる。つまり、他の部品と結合しなくても、本発明の一体型チェックバルブ自体で、バルブの役割が可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6