(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-26
(45)【発行日】2023-08-03
(54)【発明の名称】3段式車両リフト
(51)【国際特許分類】
B66F 7/06 20060101AFI20230727BHJP
E04H 6/06 20060101ALI20230727BHJP
【FI】
B66F7/06 E
E04H6/06 C
(21)【出願番号】P 2021542472
(86)(22)【出願日】2020-01-17
(86)【国際出願番号】 US2020014129
(87)【国際公開番号】W WO2020154200
(87)【国際公開日】2020-07-30
【審査請求日】2021-09-21
(32)【優先日】2019-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519147359
【氏名又は名称】ベンドパック,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100101683
【氏名又は名称】奥田 誠司
(74)【代理人】
【識別番号】100155000
【氏名又は名称】喜多 修市
(74)【代理人】
【識別番号】100139930
【氏名又は名称】山下 亮司
(74)【代理人】
【識別番号】100188813
【氏名又は名称】川喜田 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100202142
【氏名又は名称】北 倫子
(72)【発明者】
【氏名】クリッツァー,ジェフリー,エス
【審査官】中田 誠二郎
(56)【参考文献】
【文献】実開昭50-047173(JP,U)
【文献】米国特許第06446757(US,B1)
【文献】特開2002-147046(JP,A)
【文献】特開平04-143370(JP,A)
【文献】実開昭52-078278(JP,U)
【文献】特開2000-297553(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0281381(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66F 7/00-7/28,13/00-19/02
E04H 6/00-6/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに重なり合うように垂直方向に積み重ねられて配置された複数の車両プラットフォームであって、前記車両プラットフォームのそれぞれは、その上に車両を受け入れて支持するように構成された、複数の車両プラットフォームと、
互いに横並びに配置された複数の垂直方向に延びるチャネルをそれぞれ含む複数のレッグアセンブリであって、前記レッグアセンブリのそれぞれのチャネル数は前記車両プラットフォームの総数に等しく、前記レッグアセンブリのそれぞれの前記チャネルのそれぞれは前記車両プラットフォームのうちの一つに関連付けられている、複数のレッグアセンブリと、
それぞれが前記チャネルのうちの一つに係合した複数のキャリッジであって、前記複数のキャリッジは、それぞれが前記チャネルのうちの一つに関連付けられた前記車両プラットフォームのそれぞれに結合し、前記複数のキャリッジは、前記チャネルのそれぞれに沿って垂直方向に移動し、それにより、前記車両プラットフォームのそれぞれを垂直方向に移動させるように構成された、複数のキャリッジと、
前記レッグアセンブリに沿って垂直方向に前記車両プラットフォームのそれぞれを動かす動力を供給するように構成された動力システムと、
を備え、
前記車両プラットフォームのそれぞれは、互いに独立して垂直方向に移動可能である、多段式車両リフト。
【請求項2】
前記チャネルはそれぞれ一対の側壁および背面壁を形成するC字形であり、前記側壁の遠位縁は少なくとも部分的に互いに向かって延びるフランジを含む、請求項1に記載の多段式車両リフト。
【請求項3】
前記チャネルのうち隣接するチャネルの前記側壁は互いに接している、請求項2に記載の多段式車両リフト。
【請求項4】
前記レッグアセンブリのそれぞれの前記チャネルは横並びに配置され、前記チャネルの前記背面壁は、前記多段式車両リフトの長手方向寸法に平行に且つ前記多段式車両リフトに乗り込む車両の進行方向に平行に伸びる平面内で整列される、請求項2に記載の多段式車両リフト。
【請求項5】
前記複数の車両プラットフォームは2つの車両プラットフォームを含み、各レッグアセンブリの複数の前記チャネルは2つのチャネルを含み、前記車両プラットフォームのうちの第1の車両プラットフォームに関連付けられた前記キャリッジは前記レッグアセンブリのそれぞれの第1チャネル内に配置され、前記車両プラットフォームのうちの第2の車両プラットフォームに関連付けられた前記キャリッジは前記レッグアセンブリのそれぞれの第2チャネル内に配置される、請求項1に記載の多段式車両リフト。
【請求項6】
前記複数のレッグアセンブリは4本のレッグアセンブリを含む、請求項5に記載の多段式車両リフト。
【請求項7】
第1の車両は前記第1の車両プラットフォーム上に配置され、第2の車両は前記第2の車両プラットフォーム上に配置され、前記第1の車両および前記第1の車両プラットフォームは前記第2の車両および前記第2の車両プラットフォームの垂直方向上方に位置し且つ前記第2の車両および前記第2の車両プラットフォームの上に重なり、第3の車両は前記第2の車両プラットフォームの下方に位置する、請求項5に記載の多段式車両リフト。
【請求項8】
それぞれが前記車両プラットフォームのうちの一つに関連付けられ且つ前記動力システムと通信を行う、複数の回路と、
前記動力システム内にあり且つ前記複数の回路のそれぞれと通信を行うレギュレータであって、前記複数の回路のそれぞれに選択的にパワーを供給するように作動するレギュレータと、
をさらに備えた、請求項1に記載の多段式車両リフト。
【請求項9】
前記動力システムは油圧システムを含み、前記複数の回路は油圧回路を含み、前記レギュレータはバルブを含む、請求項8に記載の多段式車両リフト。
【請求項10】
1つ以上の前記車両プラットフォームの下面上に配置され且つ前記下面に近接した物体の存在を検出するように構成されたセンサをさらに備えた、請求項1に記載の多段式車両リフト。
【請求項11】
その上に車両を受け入れて支持するように構成された上段車両プラットフォームと、
前記上段車両プラットフォームの垂直方向下方に配置され且つ車両を受け入れて支持するように構成された下段車両プラットフォームと、
第1および第2の垂直方向に延びるチャネルをそれぞれ含む複数のレッグアセンブリであって、各レッグアセンブリの前記第1および第2チャネルは、一対の側壁および背面壁を形成するC字形断面形状を有し且つ隣接する側壁が互いに接するように横並びに配置され、各レッグアセンブリの前記第1チャネルは前記上段車両プラットフォームに関連付けられ、各レッグアセンブリの前記第2チャネルは前記下段車両プラットフォームに関連付けられる、複数のレッグアセンブリと、
それぞれが前記第1または第2チャネルに係合し、且つ前記第1または第2チャネルに関連付けられた前記上段または下段車両プラットフォームにそれぞれ結合した複数のキャリッジであって、それぞれが前記第1または第2チャネルに沿って垂直に移動し、それにより、前記上段車両プラットフォームまたは下段車両プラットフォームを垂直方向に移動させるように構成された、複数のキャリッジと、
前記レッグアセンブリに沿って垂直方向に前記上段車両プラットフォームおよび前記下段車両プラットフォームのそれぞれを動かす動力を与えるように構成された動力システムと、
を備え、
前記上段車両プラットフォームおよび前記下段車両プラットフォームのそれぞれは、互いに独立して垂直方向に移動可能である、多段式車両リフト。
【請求項12】
前記上段車両プラットフォームに関連付けられ且つ前記動力システムと通信を行う上段プラットフォーム回路と、
前記下段車両プラットフォームに関連付けられ且つ前記動力システムと通信を行う下段プラットフォーム回路と、
前記動力システム内にあり且つ前記上段および下段プラットフォーム回路のそれぞれと通信を行うレギュレータであって、前記上段および下段プラットフォーム回路のそれぞれに選択的にパワーを供給するように作動するレギュレータと、
を備えた、請求項11に記載の多段式車両リフト。
【請求項13】
前記動力システムは油圧システムを含み、前記上段および下段プラットフォーム回路は油圧回路を含み、前記レギュレータはバルブを含む、請求項12に記載の多段式車両リフト。
【請求項14】
前記上段車両プラットフォームおよび前記下段車両プラットフォームの一方または両方の下面上に配置され且つ前記下面に近接した物体の存在を検出するように構成されたセンサをさらに備えた、請求項11に記載の多段式車両リフト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2019年1月22日に出願の米国特許仮出願第62/795,353号に基づく優先権を主張するものであり、当該出願の全文を本願に援用する。
【背景技術】
【0002】
3段式の車両および自動車リフトは、整備用ガレージにおける使用、ならびに、自動車の保管のために広く利用可能であり既知である。利用可能な保管用リフトによれば、1つまたは複数の車両を垂直に上昇させて積み重ねて配置し、これにより、上昇させた車両の下方に後続車両を保管できるようにすることができる。このような既知のリフトおよびその関連部品を出荷および設置することは、複雑、高価、煩雑、且つ、困難である。
【発明の概要】
【0003】
例示的な実施形態は、本要約ではなく、後述の特許請求の範囲によって定義される。後述の詳細な説明欄でさらに説明する特定の概念を紹介するために、これら実施形態の様々な局面の大まかな概要をここで説明する。本要旨は、特許請求の範囲に記載の主題の主要な特徴または必須の特徴を特定するものではなく、特許請求の範囲に記載の主題の範囲を決定するために単独で用いられるものでもない。簡単に言えば、本開示は、製造、出荷、設置および操作に必要な材料、重量、複雑性および費用を低減する単純化された設計の3段式車両リフトを記載している。
【0004】
リフトは、アセンブリの各コーナーに配置された4本の垂直支持ポスト、上段プラットフォーム、下段プラットフォーム、および、作動システムを含む。各ポストは、一対の横並びのトラックを含み、一方のトラックは上段プラットフォーム用であり、他方のトラックは下段プラットフォーム用である。上段および下段プラットフォームにはそれぞれキャリッジが設けられており、キャリッジは、各レッグの各トラックに係合し且つプラットフォームが垂直方向に動かされる際に各トラック内で垂直方向に動くように構成されている。
【0005】
作動システムは好ましくは油圧システムを含み、上段および下段プラットフォームを独立して動かすように構成されている。ある実施形態において、油圧システムは、単一のポンプ、および、上段プラットフォームおよび下段プラットフォーム用の油圧回路を含む。バルブシステムは、ポンプと上段および下段プラットフォーム油圧回路との間に設けらている。バルブシステムは選択的に作動され、これにより、上段または下段プラットフォーム油圧回路の動作が選択される。上段および下段プラットフォームとその上に位置する車両との間の偶発的な移動および接触を防止するために、様々なセンサおよびスイッチを設けてもよい。
【0006】
以下の添付図面を参照して、例示的な実施形態を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、例示的な実施形態に従って描かれた、3段式車両リフトの斜視図である。
【0008】
【0009】
【0010】
【
図4】
図4は、例示的な実施形態に従って描かれた、リフトアセンブリのレッグから1つのベースプレートが取り外された状態を示す、
図1の3段式車両リフトの底面平面図である。
【0011】
【
図4a】
図4aは、
図4の4aに示す、リフトアセンブリのレッグの拡大図である。
【0012】
【
図5】
図5は、
図1の3段式車両リフトの正面または進入端立面図である。
【0013】
【0014】
【
図7】
図7は、例示的な実施形態に従って2つのキャリッジが設置された状態を示す、
図1の3段式車両リフトのレッグの斜視図である。
【0015】
【
図8】
図8は、例示的な実施形態に従って描かれた、内部構成要素が見えるようにサイドプレートが取り外された状態を示す、キャリッジの一部分解第1側面斜視図である。
【0016】
【
図9】
図9は、例示的な実施形態に従って描かれた、内部構成要素が見えるように反対側のサイドプレートが取り外された状態を示す、
図8のキャリッジの一部分解第2側面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
法令上の要求を満たすべく、特定の例示的な実施形態の主題を具体的に説明する。ただし、この説明自体が特許請求の範囲を必ずしも限定するものではない。むしろ、特許請求の範囲に記載の主題は、他の現在または未来の技術と組み合わせて、本書に記載したものと同様の異なる構成要素、ステップまたはそれらの組み合わせを含むように他の方法で実施してもよい。個々のステップの順序を明示的に記載した場合を除いて、各用語は、本明細書中に開示した様々なステップ間の特定の順序を暗示するものと解釈すべきではない。本明細書中で使用する「約」または「おおよそ」または「実質的に」という用語は、厳密な値から±10%、好ましくは±5%の逸脱、および/または、機能にとって重要ではない変化となる逸脱を示す。
【0018】
図1から
図9を参照して、例示的な実施形態に従って3段式車両リフト10を説明する。リフト10は、本明細書において3段式車両リフトとして説明されているが、これは、リフト10を特定の段数に限定するものではない。本明細書に記載された実施形態の範囲から逸脱することなく、より段数の多いリフト10を構成することができることは言うまでもない。また、リフト10は、乗用車および小型トラックなどの自動車に使用する車両リフトとして記載しているが、リフト10は、オートバイおよび農機具など、リフト10上に配置され得る他の車両、装置および物体と使用してもよいし、および/または、そのように構成されていてもよい。
【0019】
リフト10は、上段プラットフォーム12、下段プラットフォーム14、4本のレッグ16および作動システム18を含む。上段および下段プラットフォーム12、14は実質的に同じ構造で構成されており、この構造は、プラットフォームの幅にわたって延びる一対の横断クロス部材20およびプラットフォームの長さに沿って延びる一対の長手方向支持ビーム22を備えた、概略矩形平面プラットフォームを提供する。横断クロス部材20は、各プラットフォーム12、14の長手方向に対向する両端部に配置されており、その各端部に配置されるキャリッジ24を含む。各キャリッジ24は、以下に説明するように、レッグ16に沿って垂直方向に係合および移動するように構成されている。
【0020】
長手方向支持ビーム22(長手方向支持トラック22とも呼ぶ)は、横断クロス部材20の間に延び、各プラットフォーム12、14上に配置される車両の横断方向車輪間隔をカバーできるように距離を隔てている。1つ以上の中央プレート26は、支持ビーム22の間に配置され、それにより、その間の空間を少なくとも部分的に埋めて、概略連続面を各プラットフォーム12、14に提供してもよい。各プラットフォーム12、14の概略連続面は、リフト10の利用者の安全性を高め、また、上に重なるプラットフォーム12、14からその下に配置された車両および/または人の上に物体および/または流体が落下することを防止する。別の実施形態では、中央プレート26を耐荷重性に構成する、または、プラットフォーム12、14に連続面を提供するように支持ビーム22を構成する、または、さらなる支持ビームを設けてプラットフォーム12、14にさらなる耐荷重性領域を提供することにより、例えば、オートバイ、ATV、芝生器具など、様々な寸法の車両または物体をその上に支持できるようにする。
【0021】
上段および下段進入ランプ28、30は支持ビーム22の前端または進入端にヒンジ結合されており、車両ストップ32、33は支持ビーム22の反対端または後端またはその近傍に設けられてもよい。本明細書において、リフト10の前端または進入端は、車両がプラットフォーム12、14に乗り降りする際に通過する側の端部であり、ランプ28、30が配置されている側の端部(
図2の図示におけるリフト10の左側)であるとし、プラットフォーム12、14の反対側端部を後端と呼ぶ。上段および下段進入ランプ28、30は、各プラットフォーム12、14が完全下降位置にあるときに、各プラットフォーム12、14上への車両の移動を容易にするように構成されている。ランプ28、30は、地上高の低い車両が、タイヤ以外の車両構成要素がランプ28、30およびプラットフォーム12、14に接触することなくプラットフォーム12、14に乗り込むことができるように、望ましい最大進入角度または勾配を提供するのに十分な長さを有していてもよい。よって、上段プラットフォーム12の完全下降位置は、下段プラットフォーム14よりも高く、その上にあるため、上段進入ランプ28は下段進入ランプ30よりも長い長さを有していてもよい。
【0022】
上下段進入ランプ28、30は、各プラットフォーム12、14の上に延び、ランプ28、30とプラットフォーム12、14との間のヒンジ接続点を超えて延びるフランジ34を含んでいてもよい。進入ランプ28、30のヒンジ接続により、各プラットフォーム12、14が上昇する際に、ランプ28、30は少なくとも部分的に下方に枢動することができる。そのため、進入ランプ28、30が下方に枢動すると、フランジ34は各プラットフォーム12、14から離れる方向に上方に枢動する。
図5および
図6に最適に図示する上方枢動位置において、フランジ34は、上昇位置にあるプラットフォーム12、14の進入側から車両が後方に移動することを阻害する車両安全ストップを形成する。
【0023】
同様に、車両ストップ32、33は、車両がプラットフォーム12、14の後方端から前方に移動することを阻害し、また、車両をプラットフォーム12、14の長手方向に沿って適切に位置決めすることを補助するように機能する。
図2に図示するように、車両ストップ32は、支持ビーム22を横切って横断方向に延びる隆起部材で構成してもよいが、支持ビーム22に沿った車両のさらなる前方移動を係合または阻害するように構成されたあらゆる隆起部または凹部を採用してもよい。ある実施形態において、様々なホイールベース寸法の車両を収容するべくストップ32を支持ビーム22に沿って長手方向に位置決めし直すことができるように、車両ストップ32は支持ビーム22上で調整可能に配置可能である。別の実施形態において、ストップ32は、車両がその上に駐車された後に動くことに抵抗するように支持ビーム22上に配置される単純な車輪止めで構成される。
図1および
図6に図示するように、ストップは、支持ビーム22の後端から延びる垂直方向に延びるフランジからなり、車両の車輪が支持ビーム22の後端から落ちることに抵抗するエンドストップ33として構成されてもよい。
【0024】
レッグまたはレッグアセンブリ16は、それぞれ実質的に同じ構成を有する。そのため、ここでは単一のレッグ16のみを詳細に説明する。各レッグ16は、整列され且つ横並びに接する互いに平行な一対の垂直に延びるチャネル36を含む。各レッグ16は、その両端に配置されたベースプレート37およびキャッププレート39をさらに備えており、リフト10を所定位置に支持固定するための他の部材とともに、外表面に結合された支持ロッドマウント41を含んでもよい。ある実施形態において、
図1に仮想線で示されているように、支持ロッド43が1つのレッグ16の下部とその長手方向に隣接するレッグ16の上部との間に延びるように、リフト10のいずれか側にある隣のレッグ16の支持ロッドマウント41との間に支持ロッド43またはケーブルを接続してもよい。
図1および
図2に示すように、別の実施形態では、1つ以上の支持ロッドまたは他の支持部材45が、隣接するレッグ16対の間で水平に延び、それにより、他の構成部材とともに、リフト10に構造的な安定性を与えてもよい。
【0025】
図4、
図4aおよび
図7に最適に図示するように、構成の一例として、チャネル36は、溶接などによって2つのCチャネル部材を横並びに接合する、又は、より大きなCチャネル部材内に中央リブを設置してE字形構成とすることによって形成し。チャンネル36はそれぞれ、一対の側壁38を含み、その外縁間には背面壁40が延びている。側壁38の内縁は、互いに距離を置いて内側にカールし、そして背面壁40に向かってカールして、短い鉤形フランジ42を形成しているが、本明細書に記載された範囲から逸脱することなく、他の構成を採用してもよい。
【0026】
図7に示すように、ストッププレート44は、背面壁40に沿って且つ背面壁40から間隔を空けて各チャネル36に設置されている。ストッププレート44は、実質的に各チャネル36の垂直方向長さにわたって延びており、ストッププレート44の長さの少なくとも一部にわたって、整列され且つ間隔を置いて配置された複数の固定用開口46を含む。ストッププレート44は、好ましくは、その垂直方向位置を少なくとも部分的に調整できるように、背面壁40から離間してチャネル36内に取り付けられる。例えば、
図7に図示するように、ストッププレート44は、固定具が挿入され得るスロット付き開口48を含むが、ストッププレート44は、任意の方法でチャネル36に接合または結合されてもよい。ある実施形態では、ストッププレート44を省略して、固定用開口46をチャネル36の背面壁40に形成してもよい。
【0027】
チャネル36は、
図7から9に描かれているように、横断クロス部材20の端部に配置されたキャリッジ24を受け入れるように構成されている。チャネル36は、
図7~
図9に図示するように、横断クロス部材20の端部に配置されるキャリッジ24が入るように構成される。キャリッジ24は、各プラットフォーム12、14が垂直方向に移動する際に、チャネル36内を垂直方向に移動するように構成されている。キャリッジ24は、以下でより完全に説明するように、プラットフォーム12、14を移動させるために多数のケーブルを用いる作動システム18を収容するように構成されているが、キャリッジ24は、他の作動システム18を収容するように構成されてもよい。
【0028】
図1に図示するように、上段プラットフォーム12のキャリッジ24は全て各レッグ16の最外方チャネル36(すなわち、リフト10の進入端のレッグ16の最前方チャネル36と、リフト10の後端のレッグ16の最後方チャネル36)に係合し、一方、下段プラットフォーム14のキャリッジ24は全て各レッグ16の内側チャネル36に係合しているが、他の構成を採用してもよい。例えば、別の実施形態では、上段プラットフォーム12のキャリッジ24は全てレッグ16の最前方チャネル36に係合し、一方、下段プラットフォーム14のキャリッジ24は全てレッグの最後方チャネル36に係合する。このような構成は、上段および下段プラットフォーム12、14を同一かつ交換可能に構成することを可能にし、ひいては、リフト10に必要なパーツまたは部品点数を減らすことができる点で有益である。
【0029】
キャリッジ24は、鉤形フランジ42とチャネル36の背面壁40との間に嵌め込まれ且つストッププレート44にスライド可能に係合して、チャネル36内でストッププレート44に沿ってキャリッジが垂直方向に移動するように案内するガイド50を含む。キャリッジ24は、ラッチ部材52、走行プーリ54、ガイドプーリ56およびロックアクチュエータ60も含む。
【0030】
ラッチ部材52は、ストッププレート44に向かって枢動して、固定用開口46に係合するように付勢されている。一対のラッチ部材52が設けられており、対の各部材は、対のいずれか一方のラッチ部材52が常に固定用開口46と係合しているように、固定用開口46との係合位置と非係合位置とを交互に行き交うように構成されている。キャッチブロック62は、ラッチ部材52の枢動に対する上限を規定するように、ラッチ部材52の上方でラッチ部材52を横切って延びている。そのため、リフト10の構成要素に故障が発生した際などに、キャリッジ24および関連するプラットフォーム12、14が不意に下降することは、ラッチ部材52と固定用開口46およびキャッチブロック62との相互係合によって制限または防止される。
【0031】
ロックアクチュエータ60は、アクチュエータ60のピストンの遠位端に付勢された枢動部材64を含む。作動すると、部材64は、ラッチ部材52の1つの表面に係合して、固定用開口46との係合を解除する方向のラッチ部材52の枢動に抵抗し、それにより、キャリッジ24および関連するプラットフォーム12、14をある垂直位置に固定する。ロックアクチュエータ60は好ましくは空気圧アクチュエータであるが、任意の作動手段を採用してもよい。
【0032】
走行プーリ54は、プラットフォーム12、14に沿った横断方向から作動システム18のケーブル(図示せず)を受け取り、各レッグ16の上端に配置され且つケーブルの取付点を提供するキャッププレート39に向かってケーブルを垂直上方に方向転換する。走行プーリ54は、その対向する軸方向表面から延びる一対のピン66を含み、プラットフォーム12、14の下方への移動中に、カムのように、ラッチ部材52と係合するように構成されている。このようなカム動作により、ラッチ部材52は固定用開口46から離れるように枢動し、それにより、キャリッジ24が下方に移動できるようになる。
【0033】
ガイドプーリ56は、付勢された枢動アーム69の遠位端に設けられている。枢動アーム69は、ラッチ部材52の1つの上縁から延びており、ラッチ部材52と一緒に枢動可能である。ガイドプーリ56は、ケーブル(図示せず)と係合し、ケーブルに対して付勢されており、ケーブルをキャッププレート39に向かって案内してもよい。ガイドプーリ56の付勢は、ケーブルの破損または弛みの発生時に、関連するラッチ部材52を固定用開口46との係合に向けて枢動させるように作用し、よって、安全キャッチ機構として作用する。
【0034】
次に
図2を参照して、作動システム18は、プラットフォーム12、14を昇降させる一連のケーブル(図示せず)を操作するように動作する油圧システムを含む。本明細書では、油圧システムを説明しているが、空気圧や電気式システムなど、他のシステムを採用してもよい。作動システム18は、
図4に示すように、各プラットフォーム12、14の長手方向支持ビーム22の1つの下側に配置された油圧アクチュエータ68を含む。アクチュエーター68のピストンは、4本のリフトケーブル(図示せず)に結合するキャリア70に結合されている。ケーブルプーリ72は、キャリア70上および支持ビーム22の各端部付近に設けられており、それにより、キャリア70からのリフトケーブルを各レッグ16に導く(キャリア70上のケーブルプーリ72は視覚的に遮られており図示されていない)。リフトケーブルは、各キャリッジ24に通され、その遠位端は、関連するレッグ16上の各キャッププレート39に結合される。そのため、アクチュエータ68の作動は、リフトケーブルを引き込んで各プラットフォーム12、14を上昇させるか、リフトケーブルを送り出してプラットフォーム12、14を下降させるか、またはその逆を行う。ある実施形態では、油圧アクチュエータ68およびリフトケーブルの構成は、カリフォルニア州サンタポーラのBendPak,Inc.のHD-9 4ポストリフトと同様であってもよい。いくつかの実施形態では、リフト10の安全性および/または美観を高めるために、および/または、油圧システムから出た流体が下方の物体に漏れ落ちるのを防ぐために、取り外し可能なカバーまたはプレートを支持ビーム22の底面に設けて、油圧アクチュエータ68を囲ってしまうことが可能である。
【0035】
図2および
図3を参照して、作動システム18は、単一の油圧ポンプ74を含み、その出力は、レギュレータまたはバルブ76に結合され、このレギュレータまたはバルブ76は、
図2に図示するように、上段プラットフォーム油圧回路78および下段プラットフォーム油圧回路80にさらに接続されている。バルブ76は、上段回路78または下段回路80のいずれかへの油圧流体の流れまたは動力を選択的に調節するように動作可能である。バルブ76は、手動で操作可能なボールバルブまたは類似のバルブ手段で構成されていてもよく、または、様々な構成の中でも電子制御ソレノイドバルブで構成されていてもよい。
【0036】
また、作動システム18は、油圧回路78、80と同様の方法で、空気圧力または加圧空気をロックアクチュエータ60に供給してその操作を行うように構成された空気圧ポンプ(図示せず)、バルブ、および上段および下段プラットフォームの空気圧回路を含んでもよい。
【0037】
作動システム18は、様々な特性の中でも、プラットフォーム12、14上にある物体の存在、下段プラットフォーム14の下方にある物体の存在、そのような物体の位置または高さ、プラットフォーム12、14の相対的な垂直位置のような特性を検出するように構成された、近接センサ、リミットスイッチ、赤外線検出器、カメラ、ライトカーテンなどの多数のセンサ、スイッチなどをさらに含んでもよい。これらのセンサは、レッグ16、プラットフォーム12、14の表面、またはリフト10や周囲環境の他の表面上に配置してもよい。例えば、
図2に図示するように、センサ82は、一方または両方のプラットフォーム12、14の下側に結合される。センサ82は、各プラットフォーム12、14の下側から下方にぶら下がる枢動レバーまたはバーであって、各プラットフォーム12、14の下方に駐車される車両または他の物体と接触したとき、および/または、下段プラットフォーム14または地面と接触したときに上方に枢動するように構成された、枢動レバーまたはバーを含む。レバーが上方に枢動すると、センサ82は、プラットフォーム12、14とその上に駐車される車両または物体との間の衝突を避けるために、各プラットフォーム12、14の動作および/または移動を停止するために用いられ得る信号を提供する。センサ82は、車両の屋根または最上点に位置を合わせるように位置決めしてもよく、および/または、そのように調整可能に位置決め可能であってもよく、また、レバーは、下側の車両に接触したときにその車両を損傷しないようにパッドまたは他のコーティングが施されていてもよい。プラットフォーム12に単一のセンサ82のみが結合されているように図示されているが、任意の数のセンサ82、および、構成が同じまたは異なる他のセンサが採用されてもよい。センサによって提供される入力に従って、また、ロックアクチュエータ60および油圧アクチュエータ68の適切なシーケンシングに従って、作動システム18を制御および操作するために、制御システムが提供されてもよい。
【0038】
引き続き
図1から
図9を参照して、3段式車両リフト10の動作を例示的な実施形態に従って説明する。上下段プラットフォーム12、14が下降位置にある状態で、第1の車両を上段進入ランプ28から上段プラットフォーム12の支持ビーム22に乗り上げる。車両は、そのタイヤと車両ストップ32(またはエンドストップ33)とが接触するまで、支持ビーム22に沿って動かされてもよい。その後、車両を停止し、固定駐車状態とする(例えば、パーキングに入れてサイドブレーキをかける)。
【0039】
作動システム18を通電し、バルブ76を作動して、油圧流体を上段プラットフォーム油圧回路78に導く。上段プラットフォーム12の各キャリッジ24内のロックアクチュエータ60に空気力も供給し、それにより、関連するラッチ部材52が枢動できるようにしてもよい。上段プラットフォーム12の油圧アクチュエータ68を作動させると、リフトケーブルが引き込まれ、その結果、上段プラットフォーム12が上昇する。上段プラットフォーム12が上昇する際、各キャリッジ24は、各チャネル36に沿って垂直に移動し、ラッチ部材52は固定用開口46に交互に係合する。所望の高さに到達すると、アクチュエータ68の作動を停止し、ロックアクチュエータ60を作動して上段プラットフォーム12を所定位置にロックする。いくつかの実施形態においては、上段プラットフォーム12を若干下降させて、それにより、ラッチ部材52と適切な固定用開口46との完全な係合を確実にしてもよい。これは、油圧回路78内でブリードバックさせることで行ってもよい。第1プラットフォーム12の所望の高さは、好ましくは、上段プラットフォーム12の能移可能動範囲の上限であるが、それよりも低い位置を採用してもよい。
【0040】
次に、第2の車両を下段プラットフォーム14上に配置し、上述した第1の車両および上段プラットフォーム12と同様の方法で上昇させることができる。しかし、まずは、バルブ76を作動させて、下段プラットフォーム油圧回路80へのポンプ74の出力を開かなければならない。空気圧システムに関連するバルブも作動してもよい。リフト10の制御システムであって、作動システム18に関連付けられた制御システムは、安全な動作を保証し、プラットフォーム12、14とその上に配置された車両または物体とが接触することを回避するために、上段および下段プラットフォーム12、14の上昇前および上昇中に、リフト10上のセンサからの複数の信号を検出してもよい。
【0041】
下段プラットフォーム14を所望の高さまで上昇させ、ラッチ部材52およびロックアクチュエータ60によってプラットフォーム14を所定位置に固定した後、第3の車両を下段プラットフォーム14の下方に配置してもよい。
【0042】
3段式車両リフト10は、当該技術分野で利用可能なリフトと比較して多くの利点を提供する。単純であり、複雑性を低減しており、構成要素数を低減していることにより、製造に必要なコストおよび材料が低減される。よって、リフト10の出荷および設置にかかるコストも低減される。さらに、上述の構成は、既知の設計よりも動作能力が向上しており、既知の設計よりも機能性および使いやすさが向上している。また、リフト10は、大幅な再設計を行うことなく、より広い用途に容易に拡張することができる。例えば、四段目以降の段を追加する場合、単に、1段追加するごとに、各レッグ内に追加チャネル36を設け、追加チャネル36内を移動する追加プラットフォームを追加し、追加油圧回路を作動システム18に追加すればよい。従来技術による設計では、それほど容易に変更または拡張できない。
【0043】
以下の特許請求の範囲から逸脱することなく、図示した様々な構成要素ならびに図示していない構成要素に関して、多くの異なる配置例が可能である。本技術の実施形態を、限定的ではなく例示的であることを意図して記述した。本開示内容を読んだ人には、本開示内容を読んだ後に、また、本開示内容を読んだからこそ、代替実施形態が明らかになるだろう。以下の特許請求の範囲から逸脱することなく、上述の内容を実現するための代替手段を完成させることができる。本開示内容および特許請求の範囲において、特定機能を実行するように構成されたものとして構造を表記している場合、本開示内容の範囲内であり、当業者であれば容易に特定可能であり、上記特定機能を同様に実行できる構造およびその配置または設計を含むことを意図している。特定の特徴およびサブコンビネーションには実用性があり、他の特徴およびサブコンビネーションについて言及することなくそれらを採用することができ、それらは特許請求の範囲内にあるものとする。