(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-26
(45)【発行日】2023-08-03
(54)【発明の名称】ISOFIX機構及び安全シート
(51)【国際特許分類】
B60N 2/28 20060101AFI20230727BHJP
【FI】
B60N2/28
(21)【出願番号】P 2022117840
(22)【出願日】2022-07-25
【審査請求日】2022-07-25
(31)【優先権主張番号】202111423489.X
(32)【優先日】2021-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518015756
【氏名又は名称】寧波宝貝第一母嬰用品有限公司
【氏名又は名称原語表記】NINGBO BABY FIRST BABY PRODUCTS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.16,Yunshan Middle Road,Sanqishi Town,Yuyao,Ningbo,Zhejiang 315412,China
(74)【代理人】
【識別番号】110002181
【氏名又は名称】弁理士法人IP-FOCUS
(72)【発明者】
【氏名】潘 暁路
(72)【発明者】
【氏名】郭 毅
(72)【発明者】
【氏名】王 友平
【審査官】瀧本 絢奈
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第211543318(CN,U)
【文献】中国実用新案第208576459(CN,U)
【文献】特開2019-099135(JP,A)
【文献】特開2020-019338(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/26-2/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スリーブ管(001)と、ハウジング(002)と、係止歯(003)と、リンク(004)と、ロック材(005)と、を含み、
前記スリーブ管(001)には、複数のロック孔(101)が間隔を空けて形成され、
前記ハウジング(002)は、摺動可能に前記スリーブ管(001)に接続され、
前記リンク(004)の一端には、第1押接部(401)が設けられ、前記リンク(004)の他端には、
前記リンク(004)の前記ロック孔(101)と対向する側から突出する位置規制部(402)が設けられ、
回動可能な前記係止歯(003)と、回動可能な前記ロック材(005)と、前記係止歯(003)と前記ロック材(005)との間に位置するとともに前記スリーブ管(001)の長手方向に沿って移動可能な前記リンク(004)とは、前記ハウジング(002)に接続され、
前記ハウジング(002)には、前記ロック材(005)に接続される第1弾性部材(007)が取り付けられ、前記第1弾性部材(007)は、前記ロック材(005)が前記スリーブ管(001)にロックされるように付勢し、
前記係止歯(003)と前記リンク(004)とを接続するとともに第1アンロック状態において、前記係止歯(003)を噛合状態から非噛合状態に切り替えるように付勢する第2弾性部材(008)をさらに含み、
第1アンロック状態において、前記係止歯(003)は、非噛合状態にあり、前記係止歯(003)の回動は、前記第1押接部(401)に制限され、かつ、
前記ロック材(005)が前記ロック孔(101)から離脱する方向への前記ロック材(005)の回動は、前記位置規制部(402)に制限されることにより、前記ロック材(005)が前記
ロック孔(101)にロックされた状態が維持されている、
ことを特徴とするISOFIX機構。
【請求項2】
前記リンク(004)には、第2当接部(403)が設けられ、
前記リンク(004)を前記ロック材(005)側に移動させる場合、前記ISOFIX機構は、第1アンロック状態から第2アンロック状態に切り替えられ、前記ロック材(005)は、前記位置規制部(402)の変位により一定角度回動し、前記第2当接部(403)は、前記ロック材(005)を押圧することで、前記ロック材(005)を前記スリーブ管(001)に対してアンロックする、
ことを特徴とする請求項1に記載のISOFIX機構。
【請求項3】
前記リンク(004)には、前記スリーブ管(001)の外部に延在するように前記ハウジング(002)及び前記スリーブ管(001)を通過するロック解除操作部材(404)が取り付けられ、
前記スリーブ管(001)及び/又は前記ハウジング(002)には、摺動溝が形成され、前記ロック解除操作部材(404)は、摺動可能に前記摺動溝に係合する、
ことを特徴とする請求項1に記載のISOFIX機構。
【請求項4】
前記第1アンロック状態からロック状態に切り替えられ、前記リンク(004)を前記係止歯(003)側に移動させる場合、前記第2弾性部材(008)は、前記係止歯(003)を前記リンク(004)に押圧させるように付勢する、
ことを特徴とする請求項1に記載のISOFIX機構。
【請求項5】
前記係止歯(003)には、第1接触面(301)が設けられ、
前記第1接触面(301)は、円弧曲面を含み、
前記円弧曲面は、前記係止歯(003)の回動軸と同軸で形成される、
ことを特徴とする請求項1に記載のISOFIX機構。
【請求項6】
前記係止歯(003)が非噛合状態から噛合状態に切り替えられる過程において、前記第1押接部(401)は、前記円弧曲面に当接する、
ことを特徴とする請求項5に記載のISOFIX機構。
【請求項7】
前記ロック材(005)には、前記ロック
孔(101)と係合するロック突起(510)が設けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載のISOFIX機構。
【請求項8】
前記ロック材(005)には、第1突起部(520)が設けられ、
第1アンロック状態において、前記位置規制部(402)は、前記第1突起部(520)と当接し、
第2アンロック状態又はロック状態において、前記位置規制部(402)は、前記第1突起部(520)と位置ずれする、
ことを特徴とする請求項7に記載のISOFIX機構。
【請求項9】
前記ロック材(005)には、前記第1突起部(520)の前記係止歯(003)から離反する一方側に位置する変位溝(501)が形成され、
第1アンロック状態からロック状態まで、前記位置規制部(402)は、前記第1突起部(520)に対して前記変位溝(501)から離反する一方側に移動し、
第1アンロック状態から第2アンロック状態まで、前記位置規制部(402)は、前記第1突起部(520)に対して前記変位溝(501)に移動する、
ことを特徴とする請求項8に記載のISOFIX機構。
【請求項10】
前記ロック材(005)には、第2突起部(530)が設けられ、
前記第1アンロック状態から前記第2アンロック状態まで、前記リンク(004)は、前記ロック突起(510)が前記ロック
孔(101)から離脱するように前記第2突起部(530)に当接する、
ことを特徴とする請求項9に記載のISOFIX機構。
【請求項11】
前記ハウジング(002)には、シャフトロッド(006)が取り付けられ、前記ロック材(005)は、回動可能に前記シャフトロッド(006)に接続され、前記第1突起部(520)及び前記第2突起部(530)は、前記シャフトロッド(006)を挟んで設けられ、前記第1突起部(520)と前記第2突起部(530)との間に前記変位溝(501)が形成される、
ことを特徴とする請求項10に記載のISOFIX機構。
【請求項12】
前記ハウジング(002)には、位置規制部材(009)が取り付けられ、前記ロック材(005)には、位置規制溝(502)が形成され、
前記位置規制部材(009)は、前記位置規制溝(502)に位置する、
ことを特徴とする請求項10に記載のISOFIX機構。
【請求項13】
前記ロック材(005)には、偏心突起(550)がさらに設けられ、前記第2突起部(530)は、前記偏心突起(550)との間に前記位置規制溝(502)が形成されるように前記偏心突起(550)と間隔をあけて設けられ、
前記ロック材(005)が前記スリーブ管(001)にロックされるとき、前記位置規制部材(009)は、前記偏心突起(550)に当接し、
前記ロック材(005)が前記スリーブ管(001)に対してアンロックされるとき、前記位置規制部材(009)は、前記第2突起部(530)に当接する、
ことを特徴とする請求項12に記載のISOFIX機構。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか1項に記載のISOFIX機構を含む、
ことを特徴とする安全シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、安全シートの技術分野に関し、特にISOFIX機構及び安全シートに関する。
【背景技術】
【0002】
ISOFIX(International Standards Organization FIX)とは、子ども拘束システムと車両との接続構造を指す。ISOFIX機構におけるロック材は、ハウジングをスリーブ管に対してロックするために用いられ、スリーブ管に対するハウジングのロックが維持されるようにばねによりロック材を付勢するとき、ロック材は、外力による押圧又は衝突を受けた条件下でアンロックされ、これにより、スリーブ管に対してハウジングが摺動できるようになり、ひいては、ISOFIX機構の長さ寸法がロックできない技術的問題が発生する。
【発明の概要】
【0003】
本発明の目的は、従来技術においてISOFIX機構が押圧又は衝突を受けた場合、長さ寸法をロックできないリスクが存在する技術的問題を緩和するためのISOFIX機構及び安全シートを提供することにある。
【0004】
第1態様において、本発明に係るISOFIX機構は、スリーブ管と、ハウジングと、係止歯と、リンクと、ロック材と、を含み、
前記ハウジングは、摺動可能に前記スリーブ管に接続され、
前記リンクには、第1押接部と位置規制部とが設けられ、前記係止歯、前記リンク及び前記ロック材は、それぞれ可動に前記ハウジングに接続され、
第1アンロック状態において、前記係止歯は、非噛合状態にあり、前記ロック材は、前記スリーブ管にロックされ、前記第1押接部は、前記係止歯に当接し、かつ、前記位置規制部は、前記ロック材に当接することにより、前記スリーブ管からの前記ロック材の離脱を阻止する。
【0005】
第1態様と組み合わせて、本発明によれば、第1態様における第1の可能な実施形態が提供され、ここで、前記リンクには、第2当接部が設けられ、
外力がロック解除方向に沿ってリンクに作用する場合、前記ISOFIX機構は、第1アンロック状態から第2アンロック状態に切り替えられ、前記位置規制部は、前記ロック材に対して変位し、前記第2当接部は、前記ロック材に当接し、前記ロック材を前記スリーブ管に対してアンロックする。
【0006】
第1態様と組み合わせて、本発明によれば、第1態様における第2の可能な実施形態が提供され、ここで、前記リンクには、前記スリーブ管の外部に延在するように前記ハウジング及び前記スリーブ管を通過するロック解除操作部材が取り付けられ、
前記スリーブ管及び/又は前記ハウジングには、摺動溝が形成され、前記ロック解除操作部材は、摺動可能に前記摺動溝に係合する。
【0007】
第1態様と組み合わせて、本発明によれば、第1態様における第3の可能な実施形態が提供され、ここで、前記ハウジングには、前記ロック材に接続される第1弾性部材が取り付けられ、
前記第1弾性部材は、前記ロック材が前記スリーブ管にロックされるように付勢する。
【0008】
第1態様と組み合わせて、本発明によれば、第1態様における第4の可能な実施形態が提供され、ここで、前記ハウジングには、前記係止歯に接続され前記係止歯を噛合状態から非噛合状態に切り替えるように付勢する第2弾性部材が取り付けられる。
【0009】
第1態様における第4の可能な実施形態と組み合わせて、本発明によれば、第1態様における第5の可能な実施形態が提供され、ここで、前記第2弾性部材は、前記係止歯と前記リンクとの間に接続され、前記リンクをロック解除方向から離反して移動させるように付勢し、前記係止歯に当接又はロックするように前記リンクを前記係止歯に当接させる。
【0010】
第1態様と組み合わせて、本発明によれば、第1態様における第6の可能な実施形態が提供され、ここで、前記係止歯は、第1接触面が設けられるように回動可能に前記ハウジングに接続され、
前記第1接触面は、円弧曲面を含み、
前記円弧曲面は、前記係止歯の回動軸と同軸で形成され、
又は、前記円弧曲面の軸線は、前記係止歯の回動軸の軸線と間隔をあけて設けられ、前記係止歯が非噛合状態から噛合状態に切り替えられる過程において、前記リンクは、ロック解除方向から離反して移動する移動余裕を有する。
【0011】
第1態様における第6の可能な実施形態と組み合わせて、本発明によれば、第1態様における第7の可能な実施形態が提供され、ここで、前記係止歯が非噛合状態から噛合状態に切り替えられる過程において、前記第1押接部は、前記円弧曲面に当接する。
【0012】
第1態様における第6の可能な実施形態と組み合わせて、本発明によれば、第1態様における第8の可能な実施形態が提供され、ここで、ロック解除方向に沿って、前記位置規制部の前記ロック材に向かう端面は、前記ロック材を回避する方向に傾く。
【0013】
第1態様と組み合わせて、本発明によれば、第1態様における第9の可能な実施形態が提供され、ここで、前記スリーブ管には、複数のロック溝が間隔をあけて形成され、
前記ロック材には、前記ロック溝と係合するロック突起が設けられる。
【0014】
第1態様における第9の可能な実施形態と組み合わせて、本発明によれば、第1態様における第10の可能な実施形態が提供され、ここで、前記ロック材には、第1突起部が設けられ、
第1アンロック状態において、前記位置規制部は、前記第1突起部と当接し、
第2アンロック状態又はロック状態において、前記位置規制部は、前記第1突起部と位置ずれする。
【0015】
第1態様における第10の可能な実施形態と組み合わせて、本発明によれば、第1態様における第11の可能な実施形態が提供され、ここで、前記ロック材には、前記係止歯から離反する前記第1突起部の一方側に位置する変位溝が形成され、
第1アンロック状態からロック状態まで、前記位置規制部は、前記第1突起部に対して前記変位溝から離反する一方側に移動し、
第1アンロック状態から第2アンロック状態まで、前記位置規制部は、前記第1突起部に対して前記変位溝に移動する。
【0016】
第1態様における第11の可能な実施形態と組み合わせて、本発明によれば、第1態様における第12の可能な実施形態が提供され、ここで、前記ロック材には、第2突起部が設けられ、
前記第1アンロック状態から前記第2アンロック状態まで、前記リンクは、前記ロック突起が前記ロック溝から離脱するように前記第2突起部に当接する。
【0017】
第1態様における第12の可能な実施形態と組み合わせて、本発明によれば、第1態様における第13の可能な実施形態が提供され、ここで、前記ハウジングには、シャフトロッドが取り付けられ、前記ロック材は、回動可能に前記シャフトロッドに接続され、前記第1突起部及び前記第2突起部は、前記シャフトロッドを挟んで設けられ、前記第1突起部と前記第2突起部との間に前記変位溝が形成される。
【0018】
第1態様における第12の可能な実施形態と組み合わせて、本発明によれば、第1態様における第14の可能な実施形態が提供され、ここで、前記ハウジングには、位置規制部材が取り付けられ、前記ロック材には、前記位置規制溝が形成され、前記位置規制部材は、前記位置規制溝に位置する。
【0019】
第1態様における第14の可能な実施形態と組み合わせて、本発明によれば、第1態様における第15の可能な実施形態が提供され、ここで、前記ロック材には、偏心突起がさらに設けられ、前記第2突起部は、前記偏心突起との間に前記位置規制溝が形成されるように前記偏心突起と間隔をあけて設けられ、
前記ロック材が前記スリーブ管にロックされるとき、前記位置規制部材は、前記偏心突起に当接し、
前記ロック材が前記スリーブ管に対してアンロックされるとき、前記位置規制部材は、前記第2突起部に当接する。
【0020】
第2態様において、本発明に係る安全シートは、第1態様に係るISOFIX機構を含む。
【発明の効果】
【0021】
本発明の実施例によれば、ハウジングは、摺動可能にスリーブ管に接続され、リンクには、第1押接部と位置規制部とが設けられ、係止歯、リンク及びロック材は、それぞれハウジングに可動に接続され、第1アンロック状態において、係止歯は、非噛合状態にあり、ロック材は、スリーブ管にロックされ、第1押接部は、係止歯に当接し、かつ、位置規制部は、ロック材に当接することにより、スリーブ管からのロック材の離脱を阻止することが採用され、位置規制部によりスリーブ管に対するロック材の緩みを阻止することができるため、スリーブ管に対するハウジングのロックが維持され、ロック材が押圧又は衝突を受けた場合にISOFIX機構の長さ寸法がロックできない技術的問題を回避することができる。
【0022】
本発明の上記目的、特徴及び利点をより明確に理解するために、以下、好適実施例を挙げ、図面を参照しながら下記のように詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本発明の具体的な実施形態又は関連技術における技術的手段をより明確に説明するために、以下では、具体的な実施形態又は関連技術の説明において使用する必要がある図面を簡単に説明する。明らかに、以下の説明における図面は、本発明のいくつかの実施形態にすぎず、当業者にとって、創造的な労力を払わずにこれらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【0024】
【
図1】本発明の実施例に係るISOFIX機構の第1アンロック状態における概略図である。
【
図2】本発明の実施例に係るISOFIX機構のロック状態における概略図である。
【
図3】本発明の実施例に係るISOFIX機構の第2アンロック状態における概略図である。
【
図4】本発明の実施例に係るISOFIX機構の係止歯の概略図である。
【
図5】本発明の実施例に係るISOFIX機構の部分拡大概略図である。
【
図6】本発明の実施例に係るISOFIX機構のロック材の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照しながら本発明の技術的手段について明確かつ完全に説明する。明らかに、説明される実施例は、本発明の一部の実施例にすぎず、すべての実施例ではない。本発明の実施例に基づいて、当業者は、創造的な労力を払わずに得られる他のすべての実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0026】
なお、本明細書の説明において、「中心」、「上」、「下」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「内」、「外」などの用語で示す方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づくものであり、本発明の説明の便宜及び説明の簡略化のためであり、示される装置又は要素が特定の方位を有し、特定の方位で構成及び動作する必要があることを示し、又は暗示するものではないため、本発明を限定するものとして理解することができない。また、「第1」、「第2」、「第3」という用語は、説明のみを目的としており、相対的な重要性を示し又は暗示するものとして理解することができない。個別の注釈がない場合、式中の物理量は、国際単位系の基本単位の基本量、又は乗算、除算、微分若しくは積分などの数学演算によって基本量から導出される導出量として理解されるべきである。
【0027】
なお、本明細書の説明において、特に明記されていない限り、「取付」、「相互接続」及び「接続」という用語は、広い意味で理解されるべきであり、例えば、固定接続であってもよく、取り外し可能な接続であってもよく、又は一体的接続であってもよく、機械的接続であってもよく、電気的接続であってもよく、直接相互接続であってもよく、中間媒体を介した間接相互接続であってもよく、二つの要素間の内部連通であってもよい。当業者にとって、本発明における上記用語の具体的な意味を具体的な状況に応じて理解することができる。
(実施例一)
【0028】
図1に示すように、本発明の実施例に係るISOFIX機構は、スリーブ管001と、ハウジング002と、係止歯003と、リンク004と、ロック材005と、を含む。ハウジング002は、摺動可能にスリーブ管001内に接続される。リンク004
の一端には、第1押接部401
が設けられ、リンク004の他端には、位置規制部402
が設けられる。
回動可能な係止歯003
と、
回動可能なロック材005
と、係止歯003とロック材005との間に位置するとともにスリーブ管001の長手方向に沿って移動可能なリンク004とは
、ハウジング002に接続される。
【0029】
ハウジング002には、ロック材005に接続される第1弾性部材007が取り付けられ、第1弾性部材007は、ロック材005がスリーブ管001にロックされるように付勢し、係止歯003とリンク004とを接続するとともに第1アンロック状態において、係止歯003を噛合状態から非噛合状態に切り替えるように付勢する第2弾性部材008をさらに含む。第1アンロック状態において、係止歯003は、非噛合状態にあり、係止歯003の回動は、第1押接部401に制限され、かつ、ロック材005の回動は、位置規制部402に制限されることにより、ロック材005がスリーブ管001にロックされた状態が維持されている。
【0030】
具体的には、第1押接部401が係止歯003に当接した条件下で、リンク004を位置が安定するように維持することができ、すなわち、リンク004は
図1における右側に移動することができず、ひいては、ロック材005に対する位置規制部402のオフセットが回避されるため、位置規制部402は、ロック材005に当接した状態に維持され、位置規制部402の押接により、ロック材005とスリーブ管001との離脱が回避され、ロック材005がスリーブ管001に終始ロックされることを確保することができ、ひいては、スリーブ管001に沿ったハウジング002の摺動が制限され、ISOFIX機構の長さ寸法をロックする役割が果たされる。
【0031】
なお、第1アンロック状態ではロック材005が位置規制部402によって制限されており、ロック材005が押圧又は衝突によりスリーブ管001から離脱することを回避することができ、ひいては、ハウジング002をスリーブ管001に対して固定させ、押圧によりISOFIX機構を車両アンカーに接続するために、ISOFIX機構の長さ寸法をロックすることができ、ISOFIX機構が車両アンカーに接続された後、係止歯003は噛合状態に切り替えられる。
【0032】
図1及び
図3に示すように、リンク004には、第2当接部403が設けられる。外力がロック解除方向(
図1のx方向)に沿ってリンク004に作用する場合、ISOFIX機構は、第1アンロック状態から第2アンロック状態に切り替えられ、位置規制部402はロック材005に対して変位し、第2当接部403は、ロック材005に当接し、ロック材005をスリーブ管001に対してアンロックする。第1アンロック状態及び第2アンロック状態において、係止歯003は、終始非噛合状態に維持される。
【0033】
なお、リンク004には、スリーブ管001の外部に延在するようにハウジング002及びスリーブ管001を通過するロック解除操作部材404が取り付けられる。スリーブ管001及び/又はハウジング002には、摺動溝が設けられ、ロック解除操作部材404は、摺動可能に摺動溝に係合する。
【0034】
一実施形態において、スリーブ管001及びハウジング002のうちの一方に摺動溝が設けられ、他方に溝口が設けられ、摺動溝と溝口とは対向する。ロック解除操作部材404は、摺動溝に沿って摺動可能に摺動溝及び溝口を通過してスリーブ管001の外部に延在し、オペレータは、スリーブ管001の外部においてロック解除操作部材404に触れることができ、ひいては、
図1のx方向に沿って摺動するようにロック解除操作部材404を操作することができる。
【0035】
別の実施形態において、スリーブ管001及びハウジング002の両方に摺動溝が形成され、二つの摺動溝は、対向して形成される。ロック解除操作部材404は、摺動溝に沿って摺動可能に二つの摺動溝を通過してスリーブ管001の外部に延在する。
【0036】
図1における左側に摺動するようにロック解除操作部材404を手動で操作するとき、第2当接部403はロック材005を押接することにより、ロック材005をスリーブ管001に対してアンロックし、かつ、リンク004は、第2弾性部材008を介して係止歯003を引っ張り、ひいては、係止歯003を非噛合状態に切り替えることができる。
【0037】
図2に示すように、ISOFIX機構はロック状態に切り替えられ、このとき、ロック材005はスリーブ管001にロックされるが、位置規制部402がロック材005に対して変位するため、ロック材005がロックされなくなる。また、係止歯003は噛合状態に切り替えられ、第1押接部401は、係止歯003のロック部に挿設されることにより、係止歯003が噛合状態にロックされる。
【0038】
図1、
図2、
図3及び
図6に示すように、ハウジング002には、ロック材005に接続される第1弾性部材007が取り付けられる。第1弾性部材007は、ロック材005をスリーブ管001にロックするように付勢する。
【0039】
一実施形態において、ロック材005は、摺動可能にハウジング002に接続されることにより、ロック突起510をロック溝101に対して挿抜することができる。
【0040】
本実施形態において、ハウジング002には、シャフトロッド006が取り付けられ、ロック材005は、回動可能にシャフトロッド006に接続される。ロック材005には、軸孔540が形成され、シャフトロッド006は、軸孔540に挿設されることにより、シャフトロッド006を中心にロック材005を回動させることができ、これによりロック突起510はロック溝101に対して挿抜動作を行うことができる。
【0041】
具体的には、第1弾性部材007は、引張りばね又はねじりばねを含み、ロック材005には位置規制孔551が形成され、第1弾性部材007は、端部が位置規制孔551に挿設され、弾性力がロック材005に作用することにより、ロック材005のロック突起510がロック溝101に挿設された状態に維持される。リンク004は、第1押接部401から離反する一端に第2当接部403が設けられ、第2当接部403が第2突起部530を押接するとき、ロック材005は、第1弾性部材007の弾性力を克服し、シャフトロッド006を中心に回動することにより、ロック溝101からロック突起510を抜き出すことができる。
【0042】
図1、
図2及び
図3に示すように、ハウジング002には、係止歯003に接続され、係止歯003を噛合状態から非噛合状態に切り替えるように付勢する第2弾性部材008が取り付けられる。
【0043】
具体的には、第2弾性部材008は、引張りばね又はねじりばねを含み、端部が係止歯003に接続され、弾性力が係止歯003に作用することにより、係止歯003を非噛合状態に維持することができる。
【0044】
図1、
図2、
図3及び
図4に示すように、係止歯003には、ロックフック溝303が形成され、ISOFIX機構が車両のアンカーに接続される場合、ロックピンが係止歯003を押接し、ロックフック溝303に挿設されることにより、非噛合状態から噛合状態に切り替えられるように係止歯003を押接し、これによりロックピンをロックフック溝303に制限することができる。
【0045】
係止歯003には、取付孔304が形成され、ハウジング002には、ピン軸が取り付けられ、取付孔304がピン軸に設けられることにより、ピン軸を中心に係止歯003を回動させることができる。ISOFIX機構が車両アンカーに接続される場合、車両アンカーのロックピンが係止歯003を押接することにより、ピン軸を中心に係止歯003を回動させ、ひいては、ロックピンがロックフック溝303に制限されて、係止歯003が非噛合状態から噛合状態に切り替えられることが実現される。
【0046】
図1、
図2、
図3及び
図4に示すように、第2弾性部材008は、係止歯003とリンク004との間に接続され、リンク004をロック解除方向xから離反して移動させるように付勢し、係止歯003に当接又はロックするようにリンク004を係止歯003に当接させる。
【0047】
具体的には、第2弾性部材008は、対向して移動するように係止歯003とリンク004とを引っ張る弾性力を有し、弾性力により、係止歯003を非噛合状態に維持するように向かわせることができるだけではなく、ロック解除方向xから離反するようにリンク004を弾性的に引っ張ることができる。係止歯003が非噛合状態にあるとき、第1押接部401は、係止歯003に当接し、係止歯003は、ロック解除方向xから離反する
図1の右側へのリンク004の移動を阻止することができる。係止歯003が噛合状態にあるとき、第1押接部401は、係止歯003のロック部に挿設されることにより、係止歯003が噛合状態に係止される。
【0048】
図1、
図2、
図3、
図5及び
図6に示すように、スリーブ管001には、スリーブ管001の延在方向に沿って複数のロック溝101が間隔をあけて設けられる。ロック材005には、ロック溝101と係合するロック突起510が設けられる。ハウジング002がスリーブ管001に沿って摺動するとき、ISOFIX機構の長さ寸法が伸縮変化する。ロック突起510がロック溝101に挿設されるとき、ロック材005がスリーブ管001にロックされることが実現され、ハウジング002をスリーブ管001に対して固定することができ、ひいては、ISOFIX機構の長さ寸法がロックされる。ロック突起510がロック溝101から離脱するとき、ハウジング002は、スリーブ管001に対して摺動することができ、ハウジング002がスリーブ管001に対して伸縮することにより、ISOFIX機構の長さ寸法を調整することができる。
【0049】
図1、
図2、
図3、
図5及び
図6に示すように、ロック材005には、第1突起部520が設けられる。第1アンロック状態において、位置規制部402は、第1突起部520に当接することにより、ロック材005を完全にロックすることができる。第2アンロック状態又はロック状態において、位置規制部402は、第1突起部520と位置ずれする。ロック状態において、ロック突起510は、ロック溝101に挿設されるが、位置規制部402は、第1突起部520と位置ずれし、ロック材005は、位置規制部402によってロックされず、これによりロック材005が仮ロックされる。第2アンロック状態において、第2当接部403は、ロック材005を押接することにより、ロック突起510がロック溝101から抜き出され、この過程において位置規制部402は、ロック材005がスリーブ管001に対してアンロックされるように第1突起部520と位置ずれする。
【0050】
さらに、ロック材005には、係止歯003から離反する第1突起部520の一方側に位置する変位溝501が形成される。第1アンロック状態からロック状態まで、位置規制部402は、第1突起部520に対して変位溝501から離反する一方側に移動する。第1アンロック状態から第2アンロック状態まで、位置規制部402は、第1突起部520に対して変位溝501に移動する。
【0051】
さらに、ロック材005には、第2突起部530が設けられる。第1アンロック状態から第2アンロック状態まで、リンク004は、ロック突起510がロック溝101から離脱するように第2突起部530に当接する。
【0052】
本実施形態において、ハウジング002には、シャフトロッド006が取り付けられ、ロック材005は、回動可能にシャフトロッド006に接続され、第1突起部520及び第2突起部530は、シャフトロッド006を挟んで設けられ、第1突起部520と第2突起部530との間に変位溝501が形成される。ロック材005には、軸孔540が設けられ、シャフトロッド006が軸孔540に挿設されることにより、シャフトロッド006を中心にロック材005を回動させることができ、これによりロック突起510は、ロック溝101に対して挿抜動作を行うことができる。ロック突起510、第2突起部530及び偏心突起550は、軸孔540を中心に間隔をあけて設けられるようにそれぞれロック材005に設けられる。第1突起部520は、ロック突起510から離反し、変位溝501は、第1突起部520と第2突起部530との間に位置する。第1突起部520と第2突起部530との間には、変位溝501を有し、第2アンロック状態において、外力によりリンク004がロック解除方向xに移動するように駆動され、位置規制部402は、第1突起部520と位置ずれし、第2当接部403は、第2突起部530を押接し、シャフトロッド006を中心にロック材005を回動させるとき、これにより、ロック突起510をロック溝101から離脱させ、位置規制部402を変位溝501に入り込ませることができる。
【0053】
図1、
図2、
図3及び
図4に示すように、係止歯003は、第1接触面301が設けられるように回動可能にハウジング002に接続される。第1接触面301は、円弧曲面を含む。
【0054】
一実施形態において、円弧曲面は、係止歯003の回動軸と同軸で形成され、係止歯003が噛合状態から非噛合状態に切り替えられる過程において、リンク004は、位置が一定に維持される。係止歯003が自動車のアンカーと徐々に接続される過程において、自動車のアンカーにおけるロックピンは、係止歯003を押接することにより、係止歯003を揺動させ、この経過において、第2弾性部材008の弾性力により、第1押接部401は円弧曲面に当接し、これにより、リンク004をロック解除方向xに移動させないようにし、ひいては、位置規制部402をロック材005の第1突起部520に当接するように維持することができる。
【0055】
別の実施形態において、円弧曲面の軸線は、係止歯003の回動軸の軸線と間隔をあけて設けられ、係止歯003が非噛合状態から噛合状態に切り替えられる過程において、リンク004は、ロック解除方向から離反して移動する移動余裕を有する。
【0056】
係止歯003が非噛合状態から噛合状態に切り替えられる過程において、第1押接部401は、円弧曲面に当接する。係止歯003が非噛合状態から噛合状態に切り替えられる過程において、第2弾性部材008は、ロック解除方向xの逆方向(
図1の右側)に移動するようにリンク004を引っ張ることにより、第1押接部401を終始円弧曲面に当接させ、この過程において、第1弾性部材007は、ロック材005をスリーブ管001にロックするように維持し、すなわち、第1弾性部材007の弾性力により、ロック材005をロック状態に維持することにより、ロック突起510がロック溝101に挿設される状態が維持される。
【0057】
図1、
図4及び
図5に示すように、ロック解除方向xに沿って、位置規制部402のロック材005に向かう端面は、ロック材005を回避する方向に傾く。
【0058】
具体的には、ロック解除方向xに沿って、位置規制部402の第1突起部520に向かう端面は、第1突起部520から離反する方向に傾く。第2弾性部材008の引っ張りにより、リンク004は、終始第1接触面301に当接する。係止歯003が自動車のアンカーと徐々に接続される過程において、自動車のアンカーにおけるロックピンは、係止歯003を押接し、係止歯003を揺動させ、この過程において、リンク004は、ロック解除方向xの逆方向である
図1の右側に移動し、位置規制部402の斜面は、第1突起部520のために変位することにより、ロック材005、リンク004及び係止歯003の移動による干渉を回避することができる。
【0059】
なお、第1アンロック状態からロック状態に切り替えられる過程において、位置規制部402は、第1突起部520に当接し、第1突起部520は、ロック解除方向xへのリンク004の移動を阻止することができる。係止歯003が非噛合状態から噛合状態に切り替えられる過程において、係止歯003は、ロック解除方向xに移動するようにリンク004を押接することがないため、係止歯003の円滑な回動を確保することができる。
【0060】
図1、
図2、
図3、
図5及び
図6に示すように、ハウジング002には、位置規制部材009が取り付けられ、ロック材005には、位置規制溝502が形成され、位置規制部材009は、位置規制溝502に位置する。位置規制部材009は、位置規制溝502に制限されることにより、ロック材005のステーション切り替えの過程において位置規制が実現される。
【0061】
さらに、ロック材005には、偏心突起550がさらに設けられ、第2突起部530は、偏心突起550と間隔をあけて設けられ、偏心突起550との間に位置規制溝502が形成される。ロック材005がスリーブ管001にロックされるとき、位置規制部材009は偏心突起550に当接する。ロック材005をスリーブ管001に対してアンロックするとき、位置規制部材009は第2突起部530に当接する。
【0062】
一実施形態において、位置規制溝502の位置規制部材009に向かう端面と位置規制部材009との間には、間隙を有し、ロック材005がシャフトロッド006を中心に回動する過程において、ロック材005は、位置規制部材009と摩擦することはない。
【0063】
別の実施形態において、位置規制溝502の位置規制部材009に向かう端面は、円弧面として構成され、円弧面はシャフトロッド006と同軸で形成される。位置規制部材009は、ハウジング002に回動可能に接続される位置規制シャフトロッドを採用し、ロック材005がシャフトロッド006を中心に回動する過程において、円弧面が位置規制シャフトロッドと摩擦し、自身の軸線を中心に位置規制シャフトロッドを回動させることにより、ロック材005が受ける摩擦抵抗が低減される。
【0064】
さらに、偏心突起550には、位置規制孔551が形成され、第1弾性部材007は、一端がハウジング002に接続され、他端が位置規制孔551に接続される引張りばねを採用し、第1弾性部材007により、シャフトロッド006を中心に回動するようにロック材005を駆動し、ロック突起510をロック溝101に挿入されるように向かわせる。
【0065】
さらに、ロック突起510は、互いに離反する第1位置規制端面511と第2位置規制端面512とを有する。ロック突起510がロック溝101に挿設されるとき、第1位置規制端面511及び第2位置規制端面512は、いずれもロック溝101に制限されることにより、ハウジング002がスリーブ管001に対して摺動できないようにし、ひいては、ISOFIX機構の長さ寸法が固定される。第1位置規制端面511は、ロック溝101の内壁面に当接し、スリーブ管001の内部へのハウジング002の収縮を回避することができ、ひいては、ISOFIX機構の長尺寸法の短縮が回避される。また、第2位置規制端面512は、ロック溝101の内壁面に当接し、スリーブ管001の外部へのハウジング002の引っ張りを回避することができるため、ISOFIX機構の長さ寸法が固定される。
【0066】
図1、
図2、
図3及び
図4に示すように、係止歯003は、第2接触面302を有し、第1接触面301及び第2接触面302は、取付孔304の円周方向の回りに間隔をあけて設けられる。
【0067】
第1アンロック状態において、第1押接部401は、第1接触面301に当接することにより、
図1に示す右側へのリンク004の移動を阻止する。
【0068】
ロック状態において、係止歯003は取付孔304の軸線を中心に回動し、第1押接部401と第1接触面301とを離脱させ、その後、第2弾性部材008の引っ張り力により、リンク004は、係止歯003に近接する方向に摺動し、第1押接部401を第2接触面302に当接させ、第2接触面302は、第1接触面301の径方向に沿って延在し、第1押接部401が第2接触面302に当接したときに、係止歯003が取付孔304の軸線を中心に回動することを阻止することができ、ひいては、係止歯003が噛合状態にロックされる。
(実施例二)
【0069】
本発明の実施例に係る安全シートは、上記実施形態に係るISOFIX機構を含む。
【0070】
使用前にISOFIX機構を
図1に示すアンロックステーションに置き,位置規制部402をロック材005に当接させることにより、ロック材005が完全なロック状態にあるようにし、すなわち、ロック材005がロック溝101にロックされ、ロック溝101からの離脱を回避することができ、ひいては、ISOFIX機構の長さ寸法が固定される。これと同時に、第2弾性部材の弾性力が係止歯003に作用することにより、係止歯003が非噛合状態に維持される。安全シートが自動車に取り付けられるとき、自動車のアンカーと接続されるようにISOFIX機構を操作し、自動車のアンカーにおけるロックピンが係止歯003に当接し、ひいては、非噛合状態から噛合状態に切り替えられるように係止歯003を押接することができる。
図1、
図2、
図4及び
図6に示すように、係止歯003が噛合状態にあるとき、第2弾性部材008は、リンク004を引っ張ることにより、第1押接部401を第2接触面302に当接させ、ひいては、係止歯003を噛合状態に制限することができる。このとき、ロック材005は仮ロック状態にあり、第1弾性部材007の弾性力がロック材005に作用することにより、ロック突起510がロック溝101に挿設される。しかしながら、リンク004は、ロック材005から離反する方向にオフセットすることにより、位置規制部402が第1突起部520と位置ずれし、このとき、リンク004は、ロック材005に対してロック機能を有しなくなる。
図3、
図5及び
図6に示すように、ロック解除方向xに沿って移動するようにロック解除操作部材404を引っ張るとき、第2当接部403は、第2突起部530を押接することにより、ロック突起510がロック溝101から抜き出されるまでシャフトロッド006を中心にロック材005を回動させる。このとき、ハウジング002は、スリーブ管001に対して摺動して収縮し、かつ、第1押接部401は、第2接触面302との接触から離脱し、第2弾性部材008の引っ張りにより、係止歯003は、非噛合状態に揺動することにより、車両アンカーのロックピンを解放し、これにより、ISOFIX機構を自動車アンカーから取り外すことができる。ロック解除操作部材404を解放した後、係止歯003は、第2弾性部材008の弾性力により非噛合状態に維持され、第2弾性部材008は、リンク004を引っ張り、第1押接部401を第1接触面301に当接させる。これと同時に、第1弾性部材007の弾性力がロック材005に作用することにより、ロック突起510がロック溝101に挿設され、位置規制部402が第1突起部520に当接するため、
図1に示すロック状態に自動復帰する。
【0071】
なお、最後に、上記各実施例は、本発明の技術的手段を説明するためにのみ使用され、それを制限するものではない。前記各実施例を参照して、本発明について詳細に説明したが、当業者は、前記各実施例に記載された技術的手段について修正し、又は、これらの技術的特徴の一部又は全部を同等に置換することができる。これらの修正又は置換は、対応する技術的手段の本質を本発明の各実施例の技術的手段の範囲から逸脱させないものである。
【符号の説明】
【0072】
001、スリーブ管
101、ロック溝
002、ハウジング
003、係止歯
301、第1接触面
302、第2接触面
303、ロックフック溝
304、取付孔
004、リンク
401、第1押接部
402、位置規制部
403、第2当接部
404、ロック解除操作部材
005、ロック材
501、変位溝
502、位置規制溝
510、ロック突起
511、第1位置規制端面
512、第2位置規制端面
520、第1突起部
530、第2突起部
540、軸孔
550、偏心突起
551、位置規制孔
006、シャフトロッド
007、第1弾性部材
008、第2弾性部材
009、位置規制部材