(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-27
(45)【発行日】2023-08-04
(54)【発明の名称】車両用電源システム、管理装置
(51)【国際特許分類】
H02J 7/02 20160101AFI20230728BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20230728BHJP
B60L 58/22 20190101ALI20230728BHJP
H01M 10/44 20060101ALI20230728BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20230728BHJP
【FI】
H02J7/02 H
H02J7/02 J
H02J7/00 P
H02J7/00 Y
B60L58/22
H01M10/44 P
H01M10/48 P
H01M10/48 301
(21)【出願番号】P 2019568937
(86)(22)【出願日】2018-12-21
(86)【国際出願番号】 JP2018047168
(87)【国際公開番号】W WO2019150836
(87)【国際公開日】2019-08-08
【審査請求日】2021-08-03
(31)【優先権主張番号】P 2018013406
(32)【優先日】2018-01-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123102
【氏名又は名称】宗田 悟志
(72)【発明者】
【氏名】大森 力
【審査官】坂東 博司
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-182623(JP,A)
【文献】特開2014-161211(JP,A)
【文献】特開2008-199789(JP,A)
【文献】特開2008-054416(JP,A)
【文献】特開2017-203748(JP,A)
【文献】特開2017-093226(JP,A)
【文献】特開2015-163754(JP,A)
【文献】特開2013-226034(JP,A)
【文献】特開2012-003870(JP,A)
【文献】国際公開第2017/178023(WO,A1)
【文献】特表2019-514332(JP,A)
【文献】特開2014-176158(JP,A)
【文献】特開2013-005480(JP,A)
【文献】特開2014-018038(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2014-0060170(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/02
H02J 7/00
B60L 58/22
H01M 10/44
H01M 10/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のセルが直列に接続されたセルストリングが、複数並列に接続された蓄電部と、
前記複数のセルストリングのそれぞれの電圧
と、前記複数のセルストリングにそれぞれ含まれる複数のセルの電圧を検出する電圧検出部と、
前記複数のセルストリングのそれぞれに挿入される複数のスイッチと、
本電源システムが搭載される車両の非走行状態において、前記複数のスイッチの2つ以上をターンオンして前記複数のセルストリング間の電圧/容量を均等化させる均等化処理を実行する管理部と、
を備え、
前記管理部は、車両の電源オフ時に車両内の補機バッテリからの電源供給を受けて動作し、
前記車両の駐車時において定期的に起動して
、前記複数のセルストリングにそれぞれ含まれる複数のセルの電圧を検出し、検出した前記複数のセルストリングにそれぞれ含まれる複数のセルの電圧に基づいて、前記複数のセルストリングごとに複数のセル間の均等化処理をパッシブバランス方式で実行し、当該セルの均等化処理の終了後、前記複数のセルストリングのそれぞれの電圧を検出し、検出した前記複数のセルストリングの電圧に基づいて
、前記複数のセルストリング間の均等化処理を
アクティブバランス方式で実行することを特徴とする車両用電源システム。
【請求項2】
前記車両の駐車時において前記管理部は定期的に起動し、前記電圧検出部により検出される電圧をもとに前記複数のセルストリングの電圧を検出し、検出した前記複数のセルストリングの電圧の内、最大電圧と最小電圧との差分が設定値を超えるとき、前記均等化処理を実行することを特徴とする請求項1に記載の車両用電源システム。
【請求項3】
前記管理部は、前記最大電圧と前記最小電圧との差分が前記設定値を超えるとき、前記複数のセルストリングの全てのセルストリングに流れる電流の値を予測し、予測した各セルストリングの電流の値が前記各セルストリングの許容電流の値以下である場合、前記複数のスイッチの全てをターンオンさせることを特徴とする請求項2に記載の車両用電源システム。
【請求項4】
前記管理部は、前記最大電圧と前記最小電圧との差分が前記設定値を超えるとき、前記セルストリングの各々に流れる電流の値を予測し、予測した各セルストリングの電流の値が、前記各セルストリングの許容電流の値を超えるものと、超えないものが混在する場合、前記許容電流の値を超えない2つのセルストリングを特定し、特定した2つのセルストリングに挿入される2つのスイッチをターンオンさせることを特徴とする請求項2または3に記載の車両用電源システム。
【請求項5】
前記許容電流の値は、セルの温度およびSOHに応じて設定されることを特徴とする請求項3または4に記載の車両用電源システム。
【請求項6】
前記複数のセルストリングにそれぞれ流れる電流を検出する電流検出部をさらに備え、
本電源システムと前記車両内の負荷が電気的に切り離されて前記車両が駐車状態に移行する際、前記管理部は、前記電流検出部により検出される電流の値が、所定値以下になった後、前記複数のスイッチをターンオフさせることを特徴とする請求項1から
5のいずれか1項に記載の車両用電源システム。
【請求項7】
複数のセルが直列に接続されたセルストリングが、複数並列に接続された蓄電部と、前記複数のセルストリングのそれぞれの電圧
と、前記複数のセルストリングにそれぞれ含まれる複数のセルの電圧を検出する電圧検出部と、前記複数のセルストリングのそれぞれに挿入される複数のスイッチと、を備え、車両内の補機バッテリからの電源供給を受けて車両の電源オフ時に動作する車両用電源システムを管理する管理装置であって、
前記電源システムが搭載される車両の非走行中に、前記複数のスイッチの2つ以上をターンオンして前記複数のセルストリング間の電圧/容量を均等化させる均等化処理を実行し、
前記車両の駐車時において定期的に起動して前記複数のセルストリングのそれぞれの電圧
と前記複数のセルストリングにそれぞれ含まれる複数のセルの電圧を検出し、検出した前記複数のセルストリングの電圧
と前記複数のセルストリングにそれぞれ含まれる複数のセルの電圧に基づいて
、前記複数のセルストリングごとに複数のセル間の均等化処理をパッシブバランス方式で実行し、当該セルの均等化処理の終了後、前記複数のセルストリング間の均等化処理を
アクティブバランス方式で実行することを特徴とする管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のセルが多直多並に接続された蓄電部を備える車両用電源システム、管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ハイブリッド車(HV)、プラグインハイブリッド車(PHV)、電気自動車(EV)が普及してきている。これらの車両にはキーデバイスとして二次電池が搭載される。車載用の二次電池としては主に、ニッケル水素電池およびリチウムイオン電池が普及している。今後、エネルギー密度が高いリチウムイオン電池の普及が加速すると予想される。
【0003】
車両用の蓄電部としては、複数のセルを並列接続した並列セルを、多数直列に接続して構成する接続形態が一般的である。これに対して本明細書では、多数のセルを直列接続したセルストリングを、複数並列に接続する接続形態を採用する。前者の接続形態では、直列の電流経路の一部に異常が発生すると蓄電部全体の使用が困難になるが、後者の接続形態では、一部のセルストリングに異常が発生しても残りのセルストリングの使用を継続することができる。純粋なEVは内燃機関を搭載しないため、蓄電部を使用できなくなると走行できなくなる。この観点では、後者の接続形態の方が堅牢な車両用電源システムといえる。
【0004】
複数のセルストリングを並列接続する構成では、個体差や環境条件の違いにより、セルストリング間に電圧ばらつきが発生する可能性がある。セルストリング間の電圧ばらつきを放置した状態で車両用電源システムを起動すると、セルストリング間に過大な電流が流れてセルを劣化させる可能性がある。
【0005】
並列接続された複数のセルストリングの電圧を揃える方法として、充電時に各セルストリングの充電停止タイミングを個別に制御する方法(例えば、特許文献1参照)や、放電時に各セルストリングの放電開始タイミングを個別に制御する方法などが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前者の充電時に揃える方法では、車両を充電器に接続せずに長期間放置される場合、車両用電源システムの起動時にセルストリング間に電圧ばらつきが発生する可能性を排除できない。また後者の放電時に揃える方法では、EVの発進時にモータの駆動電流が不足する可能性がある。
【0008】
本発明はこうした状況に鑑みなされたものであり、その目的は、並列接続されたセルストリング間の電圧を任意のタイミングで揃えることができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の車両用電源システムは、複数のセルが直列に接続されたセルストリングが、複数並列に接続された蓄電部と、前記複数のセルストリングのそれぞれの電圧を検出する電圧検出部と、前記複数のセルストリングのそれぞれに挿入される複数のスイッチと、本電源システムが搭載される車両の非走行状態において、前記複数のスイッチの2つ以上をターンオンして前記複数のセルストリング間の電圧/容量を均等化させる均等化処理を実行する管理部と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、並列接続されたセルストリング間の電圧を任意のタイミングで揃えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施の形態に係る電源システムを搭載した車両を説明するための図である。
【
図2】本発明の実施の形態に係る電源システムの構成を示す図である。
【
図3】蓄電モジュールに含まれる複数のセルの放電回路の構成例を示す図である。
【
図4】セルストリング間の均等化処理の第1実施例を説明するためのフローチャートである。
【
図5】
図4のステップS18の処理の詳細を示すフローチャートである。
【
図6】セルストリング間の均等化処理の第2実施例を説明するためのフローチャートである。
【
図7】セルストリング間の均等化処理の第3実施例を説明するためのフローチャートである。
【
図8】セルストリング間の均等化処理の第4実施例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、本発明の実施の形態に係る電源システム1を搭載した車両2を説明するための図である。本実施の形態では車両2として、商用電力系統(以下、単に系統3という)から充電可能な電気自動車(EV)を想定する。
【0013】
車両2は、電源システム1、インバータ30、モータ40、充電部50、外部充電スイッチ60を備える。インバータ30は力行時、電源システム1から供給される直流電力を交流電力に変換してモータ40に供給する。回生時、モータ40から供給される交流電力を直流電力に変換して電源システム1に供給する。モータ40は力行時、インバータ30から供給される交流電力に応じて回転する。回生時、減速による回転エネルギーを交流電力に変換してインバータ30に供給する。
【0014】
電源システム1は、車両2の外に設置された充電装置4から充電することができる。充電装置4と車両2間は充電ケーブル5で接続される。車両2内において、充電ケーブル5に接続された給電線は充電部50に接続される。充電部50は外部充電スイッチ60を介して電源システム1に接続され、充電装置4から供給される電力を電源システム1に充電する。外部充電スイッチ60には例えば、リレー又は半導体スイッチを用いることができる。
【0015】
充電装置4は、家庭、カーディーラ、サービスエリア、商業施設、公共施設などに設置される。充電装置4は系統3に接続され、AC100/200Vの単相交流電力を充電ケーブル5を介して車両2に供給する。なお、AC100Vで低電流で充電する場合、充電装置4を設けずに、家庭用のコンセントに充電ケーブル5のプラグを直接差し込んでもよい。
【0016】
図2は、本発明の実施の形態に係る電源システム1の構成を示す図である。電源システム1内に搭載される蓄電部は、複数のセルが直列に接続されたセルストリングが、複数並列に接続されて構成される。
図2では、3つのセルストリングSt1-St3が並列接続される例を示している。第1セルストリングSt1は、複数の蓄電モジュールM11、M12、・・・、M1nが直列接続されて構成される。各蓄電モジュールM11、M12、・・・、M1nはそれぞれ、直列接続された複数のセルE111-E11n、E121-E12n、・・・、E1n1-E1nnを含む。第2セルストリングSt及び第3セルストリングSt3も、第1セルストリングSt1と同様の構成である。
【0017】
セルには、リチウムイオン電池セル、ニッケル水素電池セル、鉛電池セル、電気二重層キャパシタセル、リチウムイオンキャパシタセル等を用いることができる。以下、本明細書ではリチウムイオン電池セル(公称電圧:3.6-3.7V)を使用する例を想定する。各セルストリングSt1-St3を構成するセルの直列数は、モータ40の駆動電圧に応じて決定される。例えば、モータ40の駆動電圧が400V程度の場合、リチウムイオン電池では100セル程度を直列接続する必要がある。
【0018】
複数のセルストリングSt1-St3のそれぞれに、電流センサ141-143が直列に挿入される。各電流センサ141-143は、各セルストリングSt1-St3にそれぞれ流れる電流を検出し、管理部20に出力する。電流センサ141-143は例えば、シャント抵抗/ホール素子とアンプを組み合わせて構成することができる。
【0019】
複数の蓄電モジュールM11-M3nのそれぞれに電圧検出部111-13nが設けられる。電圧検出部111は、直列接続された複数のセルE111-E11nの各ノードと複数の電圧線で接続され、隣接する2本の電圧線間の電圧をそれぞれ検出することにより、各セルE111-E11nの電圧を検出する。電圧検出部111は例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)で構成できる。電圧検出部111は、マルチプレクサ及びA/D変換器を含む。マルチプレクサは、複数のセルE111-E11nの各電圧値を所定の順番でA/D変換器に出力し、A/D変換器は、マルチプレクサから入力されるアナログ信号の電圧値をデジタル信号の電圧値に変換する。
【0020】
第1セルストリングSt1を構成する複数のセルE111-E1nnの電圧を検出する複数の電圧検出部111-11nは、通信線を介して管理部20にデイジーチェーン接続される。複数の電圧検出部111-11nと管理部20間は、フォトカプラ等の絶縁回路を介して接続される。複数の電圧検出部111-11nの電源は、複数の蓄電モジュールM11-M1nからそれぞれ供給され、管理部20の電源は、車両2内の補機バッテリ(一般的に、12Vの鉛電池)から供給されるためである。
【0021】
第2セルストリングSt2を構成する複数のセルE211-E2nnの電圧を検出する複数の電圧検出部121-12n、及び第3セルストリングSt3を構成する複数のセルE311-E3nnの電圧を検出する複数の電圧検出部131-13nの接続形態も、第1セルストリングSt1を構成する複数のセルE111-E1nnの電圧を検出する複数の電圧検出部111-11nの接続形態と同様である。
【0022】
蓄電部を構成する複数のセルE111-E3nnのそれぞれの温度を検出するために、複数の温度センサT11-T3nが設けられる。温度センサT11-T3nには例えば、サーミスタを使用することができる。設置する温度センサの数が多いほど、複数のセルE111-E3nnの各温度をより高精度に推定することができる。
図2では図面を簡略化するために、1つの蓄電モジュールM11-M3nごとに、1つの温度センサT11-T3nを設置する例を示しているが、1つの蓄電モジュールM11-M3nごとに、複数の温度センサを設置することが好ましい。複数の温度センサT11-T3nはそれぞれ、検出した温度を管理部20に出力する。
【0023】
複数のセルストリングSt1-St3の正側は1つの電流経路に合流された後、メインスイッチSmを介して、インバータ30に繋がる正側の高圧線HV+に接続される。メインスイッチSmと並列に、直列接続されたプリチャージスイッチSp及びプリチャージ抵抗Rpが接続される。メインスイッチSm及びプリチャージスイッチSpには例えば、リレー又は半導体スイッチを用いることができる。
【0024】
蓄電部とインバータ30を通電させる際、プリチャージスイッチSpを先にターンオンする。これにより、プリチャージ抵抗Rpで制限された電流で負荷側の容量にプリチャージすることができる。その後、メインスイッチSmをターンオンすることにより、負荷への突入電流を抑制することができる。メインスイッチSmのターンオン後にプリチャージスイッチSpをターンオフして、プリチャージ抵抗Rpによる電力消費を解消する。
【0025】
複数のセルストリングSt1-St3の負側には複数のストリングスイッチS1-S3がそれぞれ直列に挿入される。複数のセルストリングSt1-St3の負側は、複数のストリングスイッチS1-S3を介した後、1つの電流経路に合流される。合流された電流経路は、インバータ30に繋がる負側の高圧線HV-に接続される。複数のストリングスイッチS1-S3にも例えば、リレー又は半導体スイッチを用いることができる。
【0026】
管理部20は例えば、マイクロプロセッサで構成できる。管理部20は、電圧検出部111-13n、電流センサ141-143、温度センサT11-T3nにより検出された複数のセルE111-E3nnの電圧、電流、温度をもとに電源システム1全体を管理する。上述のように管理部20は、車両2内の補機バッテリから電源供給を受けて動作する。管理部20は、CAN(Controller Area Network)等の車載ネットワークを介して車両2内の上位のECUと通信する。
【0027】
管理部20は複数のセルE111-E3nnのSOC(State Of Charge)、SOH(State Of Health)を推定する。SOCは例えば、OCV(Open Circuit Voltage)法または電流積算法により推定できる。OCV法は、電圧検出部111-13nにより検出されるOCVと、SOC-OCVカーブの特性データをもとにSOCを推定する方法である。電流積算法は、電圧検出部111-13nにより検出される充放電開始時のOCVと、電流センサ141-143により検出される電流の積算値をもとにSOCを推定する方法である。
【0028】
SOHは、初期の満充電容量に対する現在の満充電容量の比率で規定され、数値が低いほど(0%に近いほど)劣化が進行していることを示す。SOHは、内部抵抗との相関関係をもとに推定することができる。内部抵抗は、電池に所定の電流を所定時間流した際に発生する電圧降下を、当該電流で割ることにより推定することができる。内部抵抗は温度が上がるほど低下する関係にあり、電池の劣化が進行するほど増加する関係にある。電池の劣化は充放電回数が増加するにつれ進行する。また電池の劣化は個体差や使用環境にも依存する。従って使用期間が長くになるにつれ基本的に、複数のセルE111-E3nnの容量のばらつきが大きくなっていく。
【0029】
管理部20は、直列接続された複数のセルE111-E1nn、E211-E2nn、E311-E3nn間の均等化処理をそれぞれ実行する。なお
図2には、図面を簡略化するため、セルの均等化処理を行うための放電回路は描かれていない。実際には各セルE111-3nnの両端にそれぞれ、均等化用の放電回路が接続される。
【0030】
図3は、蓄電モジュールM11に含まれる複数のセルE111-E118の放電回路Di1の構成例を示す図である。
図3では1つの蓄電モジュールM11が、直列接続された8つのセルE111-E118で構成される例を示している。セルE111の両端に、直列接続された放電スイッチS11と放電抵抗R1が並列に接続される。他のセルE112-E118も同様の構成である。また、他の蓄電モジュールM12-M3nに含まれるセルE121-E3nnも同様の構成である。
【0031】
第1セルストリングSt1を構成する複数のセルE111-E1nnの容量は、経時劣化や使用環境によってばらつく。例えば複数のセルE111-E1nn間に温度のばらつきが発生している場合、容量がばらつく。これに対して管理部20は、複数のセルE111-E1nn間の均等化処理を実行する。放電による均等化処理(パッシブバランシング)では、複数のセルE111-E1nnの内、最も容量が少ないセルに他のセルの容量を合わせる。
【0032】
管理部20は、最も容量が少ないセルに、他の複数のセルの容量を合わせるために、他の複数のセルの各放電時間を決定する。管理部20は、各セルの現在の容量と均等化目標容量との差分に基づく放電容量と、放電抵抗の抵抗値をもとに、他の複数のセルの各放電時間を決定する。管理部20は、決定した各放電時間をもとに、他の複数のセルの各放電スイッチを制御する。なお各セルE111-E1nnの容量は、電圧検出部111により検出されるOCVにより推定することができる。管理部20は、第2セルストリングSt2及び第3セルストリングSt3についても、第1セルストリングSt1と同様にセルの均等化処理を実行する。
【0033】
本実施の形態ではセル間の均等化処理に加えて、ストリング間の均等化処理も実行する。管理部20は、車両2の非走行状態において、複数のストリングスイッチS1-S3の2つ以上をターンオンして複数のセルストリングSt1-St3間の電圧/容量を均等化させることができる。
【0034】
図4は、セルストリング間の均等化処理の第1実施例を説明するためのフローチャートである。第1実施例では車両2が駐車状態であり、充電装置4から充電中でない状態を前提とする。即ち、車両2が電源オフ状態(エンジン車のイグニッションオフ状態に相当)にあることを前提とする。管理部20は定期起動機能を搭載している。
【0035】
車両2の電源オフ又は前回の起動から所定時間(例えば、数時間)経過すると(S10のY)、管理部20は、シャットダウン/スタンバイ状態から起動する(S11)。管理部20は、複数の電圧検出部111-13nから取得する電圧値をもとに、各セルストリングSt1、St2、St3の電圧を検出する(S12)。各セルストリングSt1、St2、St3の電圧は、各セルストリングSt1、St2、St3を構成するセルE111-1nn、E211-2nn、E311-3nnの電圧を加算することにより求めることができる。なお、各セルストリングSt1、St2、St3の両端電圧を検出する電圧検出回路を別に設けてもよい。
【0036】
管理部20は、検出した各セルストリングSt1、St2、St3の複数の電圧の内、最大電圧と最小電圧との差分電圧ΔVを算出する(S13)。管理部20は、算出した差分電圧ΔVと設定値を比較する(S14)。当該設定値は、セルストリング間の電圧ばらつきの最大許容値に設定される。当該最大許容値は、電圧ばらつき発生時のセルE111-3nnへのダメージ、電圧検出部111-13nの計測誤差などを考慮して、設計者により決定される。
【0037】
差分電圧ΔVが設定値を超える場合(S14のY)、管理部20は、全てのセルストリングSt1-St3の各セルストリングSt1、St2、St3に流れる電流を予測する(S15)。
【0038】
管理部20は、各セルストリングSt1、St2、St3に含まれるセルE111-3nnの温度及びSOHをもとに各セルストリングSt1、St2、St3の許容電流を特定する(S16)。管理部20は、セルストリングごとに許容電流が最小のセルを特定し、特定した許容電流が最小のセルの許容電流を各セルストリングSt1、St2、St3の許容電流とする。セルの許容電流は、温度が低いほど低下し、SOHが低いほど低下する関係にある。管理部20は、保持しているセルの電流-温度特性、及び電流-SOH特性をもとにセルの許容電流を特定することができる。
【0039】
管理部20は、各セルストリングSt1、St2、St3に流れる予測電流と、各セルストリングSt1、St2、St3の許容電流をそれぞれ比較する(S17)。全てのセルストリングSt1-St3において予測電流が許容電流以下の場合(S17のY)、管理部20は複数のストリングスイッチS1-S3の全てをターンオンさせて、複数のセルストリングSt1-St3全体の均等化処理を実行する(S19)。管理部20は、最大電圧と最小電圧との差分電圧ΔVが所定値以下、又は電流センサ141-143で検出される電流値が所定値以下になると、複数のストリングスイッチS1-S3をターンオフさせて、当該セルストリング間の均等化処理を終了させる。当該均等化処理が終了すると、管理部20はシャットダウン/スタンバイ状態に移行する(S110)。
【0040】
上記ステップS14において、最大電圧と最小電圧との差分電圧ΔVが設定値以下の場合(S14のN)、複数のセルストリングSt1-St3間の均等化処理は不要であるため、ステップS110に遷移し、直ちに管理部20はシャットダウン/スタンバイ状態に移行する(S110)。
【0041】
上記ステップS17において、予測電流が許容電流を超えるセルストリングが存在する場合(S17のN)、管理部20は、2つのセルストリング間の均等化処理を実行する(S18)。
【0042】
図5は、
図4のステップS18の処理の詳細を示すフローチャートである。管理部20は、検出した各セルストリングSt1、St2、St3の電圧をもとに、2つのセルストリング間の差分電圧ΔVが、次に大きくなる2つのセルストリングを特定する(S181)。例えば、第1セルストリングSt1の電圧が400V、第2セルストリングSt2の電圧が390V、第3セルストリングSt3の電圧が370Vの場合、第2セルストリングSt2と第3セルストリングSt3の2つを特定する。
【0043】
管理部20は、特定した2つのセルストリングにより形成される電流ループに流れる電流を予測する(S182)。当該電流ループに流れる循環電流Icは、下記(式1)により予測することができる。
【0044】
Ic=ΔV/(R1+R2) ・・・(式1)
R1:最大電圧が検出されたセルストリングに含まれるセルの内部抵抗の総和
R2:最小電圧が検出されたセルストリングに含まれるセルの内部抵抗の総和
【0045】
上述のようにセルの内部抵抗は、温度が低いほど増加し、SOHが低いほど(劣化が進行しているほど)増加する関係にある。
【0046】
管理部20は、当該電流ループに流れる予測電流と、当該電流ループの許容電流を比較する(S183)。予測電流が許容電流以下の場合(S183のY)、管理部20は当該2つのセルストリングの2つのストリングスイッチをターンオンさせて、当該2つのセルストリング間の均等化処理を実行する(S184)。予測電流が許容電流を超える場合(S183のN)、ステップS181に遷移して、新たな2つのセルストリングを特定する(S181)。
【0047】
図5に示した2つのセルストリング間の均等化処理が終了すると、複数のセルストリングSt1、St2、St3の内、2つのセルストリングの電圧が変化する。上述の例では、第2セルストリングSt2及び第3セルストリングSt3の電圧がともに380Vになる。この電圧変化に伴い、
図4のステップS13に示す最大電圧と最小電圧との差分電圧ΔVの値が小さくなる。以上により複数のセルストリングSt1、St2、St3全体が均等化される状態に近づく。
【0048】
図6は、セルストリング間の均等化処理の第2実施例を説明するためのフローチャートである。第2実施例では、電源システム1の内部/外部に、蓄電部を温めるためのヒータを備えていることを前提とする。ステップS10-S17、S19-S110の処理は、
図4に示した第1実施例に係るフローチャートの処理と同じである。第2実施例では、予測電流が許容電流を超える場合(S17のN)、管理部20はヒータを稼働させて、蓄電部を所定時間、加熱させる(S18a)。当該加熱によるセルの温度上昇により、ステップS16におけるセルの許容電流が増加し、ステップS17において予測電流が許容電流以下に収まるようになる(S17のY)。
【0049】
図7は、セルストリング間の均等化処理の第3実施例を説明するためのフローチャートである。第3実施例では、直列接続されたセル間の均等化処理と、並列接続されたセルストリング間の均等化処理を同一機会に行う例である。
【0050】
車両2の電源オフ又は前回の起動から所定時間経過すると(S10のY)、管理部20は、シャットダウン/スタンバイ状態から起動する(S11)。管理部20は、複数の電圧検出部111-13nから取得するセルE111-3nnの電圧値をもとに、直列接続された複数のセルE111-E1nn、E211-E2nn、E311-E3nn間の均等化処理をそれぞれ実行する(S115)。当該セル間の均等化処理の終了後、管理部20は、並列接続されたセルストリング間の均等化処理を実行する(S11-S110)。セルストリング間の均等化処理には、
図4に示した第1実施例に係る均等化処理、又は
図5に示した第2実施例に係る均等化処理を用いることができる。
【0051】
並列接続されたセルストリング間の均等化処理は、直列接続されたセル間の均等化処理の終了後に実行する。上述のようにセル間の均等化処理は、放電回路を用いたパッシブバランシング方式が主流である。パッシブバランシング方式では、エネルギー消費が発生するため、均等化処理前のセル電圧の総和より、均等化処理後のセル電圧の総和が低くなる。また、均等化処理によるエネルギー消費量は、セル電圧間のばらつきの程度により異なる。従って、セルストリング間の均等化処理を先に実行し、セル間の均等化処理を後に実行すると、セル間の均等化処理に起因して、セルストリング間の電圧にばらつきが発生する可能性がある。よって、セルストリング間の均等化処理を後に実行した方が、セルストリング間の電圧が揃っている状態を長く維持することができる。
【0052】
図8は、セルストリング間の均等化処理の第4実施例を説明するためのフローチャートである。第4実施例に係る均等化処理は、走行終了後に運転者が車両2の電源をオフする操作を行った直後に実行される。
【0053】
車両2の電源がオフされると(S20のY)、管理部20は、メインスイッチSmをターンオフさせる(S21)。管理部20は、複数のストリングスイッチS1-S3をオン状態に維持したまま、複数の電流センサ141-143から電流値を取得する(S22)。管理部20は、全セルストリングの電流値と所定値をそれぞれ比較する(S23)。所定値は、ゼロ、又はゼロに、電流センサ141-143の計測誤差などを考慮して決定されたマージンが加えられた値に設定される。
【0054】
全セルストリングの電流値が所定値未満になると(S23のY)、管理部20は、複数のストリングスイッチS1-S3をターンオフさせる(S24)。その後、管理部20はシャットダウン/スタンバイ状態に移行する(S25)。複数のセルストリングSt1-St3間に電圧差が発生している場合は、電圧が高いセルストリングから電圧が低いセルストリングに電流が流れる(横流)。複数のセルストリングSt1-St3間の電圧差が解消すると、横流が停止する。
【0055】
以上説明したように本実施の形態によれば、並列接続されたセルストリングSt1-St3間の電圧を任意のタイミングで揃えることができる。充電装置4に接続された充電状態、及びインバータ30を介してモータ40に接続された放電状態以外の状態でも、セルストリングSt1-St3間の均等化処理を実行することができる。従って、車両2の駐車時にもセルストリングSt1-St3間の均等化処理が実行可能であり、車両2の起動時にセルストリングSt1-St3間に過大な循環電流(横流)が発生することを防止できる。これにより、過大電流によるセルE111-E3nnの劣化を防止することができる。
【0056】
またセルストリングSt1-St3間の均等化処理は、アクティブバランシング方式であり、無駄なエネルギー損失が発生しない。また管理部20が複数のセルストリングSt1-St3の電圧を常時監視するのではなく、定期的に起動したタイミングでセルストリングSt1-St3の電圧をチェックする。これにより、管理部20が常時起動している状態を回避でき、車両2内の補機バッテリの電力消費を抑えることができる。また、セル間の均等化処理とストリング間の均等化処理を同一機会に実行することにより、管理部20の起動回数を抑えることができ、管理部20の消費電力の増加を抑えることができる。
【0057】
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0058】
例えば、第1-第3実施例のステップS19では、全セルストリングSt1-St3間の均等化処理を一遍に実行する例を説明したが、2つのセルストリング間の均等化処理を順次、実行する方式でもよい。また
図5のフローチャートでは、差分電圧ΔVが大きい2つのセルストリング間の均等化処理を優先的に実行する例を説明したが、差分電圧ΔVが小さい2つのセルストリング間の均等化処理を優先的に実行してもよいし、任意の2つのセルストリング間の均等化処理をランダムに実行してもよい。
【0059】
上述のように車両2の駐車時において、管理部20は定期的に起動してセルストリングSt1-St3の電圧を監視する。前回起動時のセルストリングの電圧と、今回起動時のセルストリングの電圧の差分(低下量)が閾値を超えている場合、当該セルストリングに異常が発生していると推定できる。例えば、微小短絡しているセルが発生している可能性がある。この場合、管理部20は車載ネットワークを介して、上記のECUに蓄電部の異常を通知する。管理部20は、異常が発生していると推定されるセルストリングのストリングスイッチを、異常が解消するまでオフ状態に固定する。なお、異常が発生していないセルストリングの使用は許可することにより、カーディーラや修理工場に自走で移動するための電源を確保することができる。
【0060】
なお、実施の形態は、以下の項目によって特定されてもよい。
【0061】
[項目1]
複数のセル(E111-E1nn、E211-E2nn、E311-E3nn)が直列に接続されたセルストリング(St1、St2、St3)が、複数並列に接続された蓄電部と、
前記複数のセルストリング(St1、St2、St3)のそれぞれの電圧を検出する電圧検出部(111-13n)と、
前記複数のセルストリング(St1、St2、St3)のそれぞれに挿入される複数のスイッチ(S1、S2、S3)と、
本電源システム(1)が搭載される車両(2)の非走行状態において、前記複数のスイッチ(S1、S2、S3)の2つ以上をターンオンして前記複数のセルストリング(St1、St2、St3)間の電圧/容量を均等化させる均等化処理を実行する管理部(20)と、
を備えることを特徴とする車両用電源システム(1)。
これによれば、任意のタイミングで、複数のセルストリング(St1、St2、St3)間の均等化処理を実行することができる。
[項目2]
前記車両(2)の駐車時において前記管理部(20)は定期的に起動し、前記電圧検出部(111-13n)により検出される電圧をもとに前記複数のセルストリング(St1、St2、St3)の電圧を検出し、検出した前記複数のセルストリング(St1、St2、St3)の電圧の内、最大電圧と最小電圧との差分が設定値を超えるとき、前記均等化処理を実行することを特徴とする項目1に記載の車両用電源システム(1)。
これによれば、車両(2)の駐車中においても、複数のセルストリング(St1、St2、St3)間の均等化処理を実行することができる。また管理部(20)の消費電力の増加を抑えることができる。
[項目3]
前記管理部(20)は、前記最大電圧と前記最小電圧との差分が前記設定値を超えるとき、前記複数のセルストリング(St1、St2、St3)の全てのセルストリング(St1、St2、St3)に流れる電流の値を予測し、予測した各セルストリング(St1、St2、St3)の電流の値が前記各セルストリング(St1、St2、St3)の許容電流の値以下である場合、前記複数のスイッチ(S1、S2、S3)の全てをターンオンさせることを特徴とする項目2に記載の車両用電源システム(1)。
これによれば、複数のセルストリング(St1、St2、St3)間の均等化処理により、セルに許容電流を超える電流が流れることを防止することができる。
[項目4]
前記管理部(20)は、前記最大電圧と前記最小電圧との差分が前記設定値を超えるとき、前記セルストリングの各々に流れる電流の値を予測し、予測した各セルストリングの電流の値が、前記各セルストリングの許容電流の値を超えるものと、超えないものが混在する場合、前記許容電流の値を超えない2つのセルストリングを特定し、特定した2つのセルストリングに挿入される2つのスイッチをターンオンさせることを特徴とする項目2または3に記載の車両用電源システム(1)。
これによれば、セルに許容電流を超える電流が流れることを回避しつつ、複数のセルストリング(St1、St2、St3)間の電圧を近づけることができる。
[項目5]
前記許容電流の値は、セルの温度およびSOHに応じて設定されることを特徴とする項目3または4に記載の車両用電源システム(1)。
これによれば、最適な許容電流の値を適応的に設定することができる。
[項目6]
前記電圧検出部(111-13n)は、前記複数のセルストリング(St1、St2、St3)にそれぞれ含まれる複数のセル(E111-E1nn、E211-E2nn、E311-E3nn)の電圧を検出し、
前記車両(2)の駐車時において前記管理部(20)は定期的に起動し、前記複数のセルストリング(St1、St2、St3)ごとに複数のセル(E111-E1nn、E211-E2nn、E311-E3nn)間の均等化処理を実行し、当該セルの均等化処理の終了後、前記複数のセルストリング(St1、St2、St3)間の均等化処理を実行することを特徴とする項目1から5のいずれか1項に記載の車両用電源システム(1)。
これによれば、セル(E111-E1nn、E211-E2nn、E311-E3nn)間の均等化処理と、セルストリング(St1、St2、St3)間の均等化処理を効率的に実行することができる。
[項目7]
前記複数のセルストリング(St1、St2、St3)にそれぞれ流れる電流を検出する電流検出部(141、142、143)をさらに備え、
本電源システム(1)と前記車両(2)内の負荷(30)が電気的に切り離されて前記車両(2)が駐車状態に移行する際、前記管理部(20)は、前記電流検出部(141、142、143)により検出される電流の値が、所定値以下になった後、前記複数のスイッチ(S1、S2、S3)をターンオフさせることを特徴とする項目1から6のいずれか1項に記載の車両用電源システム(1)。
これによれば、複数のセルストリング(St1、St2、St3)間の電圧が揃った状態で駐車状態を開始させることができる。
[項目8]
複数のセル(E111-E1nn、E211-E2nn、E311-E3nn)が直列に接続されたセルストリング(St1、St2、St3)が、複数並列に接続された蓄電部と、前記複数のセルストリング(St1、St2、St3)のそれぞれの電圧を検出する電圧検出部(111-13n)と、前記複数のセルストリング(St1、St2、St3)のそれぞれに挿入される複数のスイッチ(S1、S2、S3)と、を備える車両用電源システム(1)を管理する管理装置(20)であって、
前記電源システム(1)が搭載される車両(2)の非走行中に、前記複数のスイッチ(S1、S2、S3)の2つ以上をターンオンして前記複数のセルストリング(St1、St2、St3)間の電圧/容量を均等化させる均等化処理を実行することを特徴とする管理装置(20)。
これによれば、任意のタイミングで、複数のセルストリング(St1、St2、St3)間の均等化処理を実行することができる。
【符号の説明】
【0062】
1 電源システム、 2 車両、 3 電力系統、 4 充電装置、 30 インバータ、 40 モータ、 50 充電部、 60 外部充電スイッチ、 St1,St2,St3 セルストリング、 M11,M12,M1n,M21,M22,M2n,M31,M32,M3n 蓄電モジュール、 E111,E112,E11n,E121,E122,E12n,E1n1,E1n2,E1nn,E211,E212,E21n,E221,E222,E22n,E2n1,E2n2,E2nn,E311,E312,E31n,E321,E322,E32n,E3n1,E3n2,E3nn セル、 111,112,11n,121,122,12n,131,132,13n 電圧検出部、 141,142,143 電流センサ、 T11,T12,T1n,T21,T22,T2n,T31,T32,T3n 温度センサ、 20 管理部、 Sm メインスイッチ、 Sp プリチャージスイッチ、 Rp プリチャージ抵抗、 S1,S2,S3 ストリングスイッチ、 Di 放電回路、 S11,S12,S13,S14,S15,S16,S17,S18 放電スイッチ、 R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7,R8 放電抵抗。