(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-27
(45)【発行日】2023-08-04
(54)【発明の名称】プロジェクタの処理方法、プロジェクタ及び照明システム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/01 20060101AFI20230728BHJP
G03B 21/14 20060101ALI20230728BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20230728BHJP
G09G 5/10 20060101ALI20230728BHJP
G09G 5/02 20060101ALI20230728BHJP
G09G 5/373 20060101ALI20230728BHJP
G09G 5/37 20060101ALI20230728BHJP
H04N 5/74 20060101ALI20230728BHJP
G06F 3/16 20060101ALI20230728BHJP
【FI】
G06F3/01 510
G03B21/14 Z
G09G5/00 510B
G09G5/10 B
G09G5/02 B
G09G5/373
G09G5/37 600
H04N5/74 Z
G06F3/16 650
G06F3/16 630
G06F3/16 620
(21)【出願番号】P 2019139171
(22)【出願日】2019-07-29
【審査請求日】2022-04-21
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 友未
(72)【発明者】
【氏名】山内 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】奥野 達也
【審査官】塩屋 雅弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-184003(JP,A)
【文献】特開2017-016021(JP,A)
【文献】特開2016-225247(JP,A)
【文献】片岡 真史 Masashi Kataoka,感性語を入力とする舞台照明コントローラ Stage Lighting Controller through Kansei Word Input,電気学会論文誌C Vol.132 No.12 IEEJ,日本,一般社団法人電気学会 The Institute of Electrical Engineers of Japan,第132巻,pp1999-2006
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G03B 21/14
G09G 5/00
G09G 5/10
G09G 5/02
G09G 5/36-5/37
H04N 5/74
G06F 3/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像を投影するプロジェクタの処理方法であって、
ユーザが指定した言葉であって、前記映像が投影される空間の印象を表す言葉を示す信号を受信する第1ステップと、
前記信号に基づいて、
前記言葉と前記映像の投影条件とが関連付けられた情報を参照することで、前記映像の
投影条件として、明るさ、コントラスト比、フォーカス、アスペクト比、再生速度、色度、投射角度及び投影倍率、のうちの少なくとも2つを変更する第2ステップと、を含む、
プロジェクタの処理方法。
【請求項2】
前記映像の前記コントラスト比は、100:1以下である、
請求項1に記載のプロジェクタの処理方法。
【請求項3】
前記映像の前記再生速度の変化範囲は、0.1倍以上3.0倍以下である、
請求項1又は2に記載のプロジェクタの処理方法。
【請求項4】
前記第2ステップにおいて、前記映像の、前記明るさ、前記コントラスト比、前記フォーカス、前記アスペクト比、前記再生速度、前記色度、前記投射角度及び前記投影倍率は、前記映像の投影に用いられるコンテンツデータの画像処理により調整される、
請求項1から3のいずれか1項に記載のプロジェクタの処理方法。
【請求項5】
前記第2ステップにおいて、前記映像の、前記フォーカス、前記アスペクト比及び前記再生速度のうち少なくとも1つを変更する、
請求項1から4のいずれか1項に記載のプロジェクタの処理方法。
【請求項6】
前記空間は、商業施設、ホテル、飲食店又はトイレの屋内空間である、
請求項1から5のいずれか1項に記載のプロジェクタの処理方法。
【請求項7】
映像を投影する投影部と、
ユーザが指定した言葉であって、前記映像が投影される空間の印象を表す言葉を示す信号を受信する通信部と、
前記言葉と前記映像の投影条件とが関連付けられた情報が記憶される記憶部と、
前記信号に基づいて、
前記情報を参照することで、前記映像の
投影条件として、明るさ、コントラスト比、フォーカス、アスペクト比、再生速度、色度、投射角度及び投影倍率、のうちの少なくとも2つを変更する制御部と、を備える、
プロジェクタ。
【請求項8】
前記映像の前記コントラスト比は、100:1以下である、
請求項
7に記載のプロジェクタ。
【請求項9】
前記映像の前記再生速度の変化範囲は、0.1倍以上3.0倍以下である、
請求項
7又は8に記載のプロジェクタ。
【請求項10】
さらに、前記映像の投影に用いられるコンテンツデータが記憶される記憶部を備え、
前記制御部は、前記映像の、前記明るさ、前記コントラスト比、前記フォーカス、前記アスペクト比、前記再生速度、前記色度、前記投射角度及び前記投影倍率を、前記コンテンツデータを画像処理することにより調整する、
請求項
7から9のいずれか1項に記載のプロジェクタ。
【請求項11】
前記制御部は、前記フォーカス、前記アスペクト比及び前記再生速度のうち少なくとも1つを変更する
請求項
7から10のいずれか1項に記載のプロジェクタ。
【請求項12】
前記映像は、モノクロームの映像である、
請求項
7から11のいずれか1項に記載のプロジェクタ。
【請求項13】
前記空間は、商業施設、ホテル、飲食店又はトイレの屋内空間である、
請求項7から12のいずれか1項に記載のプロジェクタ。
【請求項14】
請求項
7から13のいずれか1項に記載のプロジェクタと、
映像投影機能を有さない少なくとも1つの照明器具と、を備え、
前記プロジェクタと前記照明器具とが連携動作する、
照明システム。
【請求項15】
前記照明器具の数は、10以上である、
請求項
14に記載の照明システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクタの処理方法、プロジェクタ及び照明システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば店舗等の屋内空間において、空間を演出するためにプロジェクタ等の映像投影装置が用いられている。例えば、特許文献1には、光源と、プロジェクタと、プロジェクタから投影される画像と画像の雰囲気に合った照明シーンとを連動して制御する制御手段と、を備える照明装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
プロジェクタ等によって店舗等の広い空間を演出する場合には、例えば、照明設計に詳しい専門家が、プロジェクタ等を調整しては調整後の照明空間を確認するという作業が繰り返し行われる。しかしながら、空間の雰囲気を変更する場合、プロジェクタ等を使用する使用者は、例えば映像の投影条件等の、プロジェクタ等の設定を自分で変える必要があるものの、必ずしも照明設計に詳しい専門家とは限らない。
【0005】
そこで、本発明は、映像が投影される空間を容易に演出することができるプロジェクタの処理方法等を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係るプロジェクタの処理方法は、映像を投影するプロジェクタの処理方法であって、ユーザが指定した言葉であって、前記映像が投影される空間の印象を表す言葉を示す信号を受信する第1ステップと、前記信号に基づいて、前記映像の、明るさ、コントラスト比、フォーカス、アスペクト比、再生速度、色度、投射角度及び投影倍率、のうちの少なくとも2つを変更する第2ステップと、を含む。
【0007】
また、本発明の一態様に係るプロジェクタは、映像を投影する投影部と、ユーザが指定した言葉であって、前記映像が投影される空間の印象を表す言葉を示す信号を受信する通信部と、前記信号に基づいて、前記映像の、明るさ、コントラスト比、フォーカス、アスペクト比、再生速度、色度、投射角度及び投影倍率、のうちの少なくとも2つを変更する制御部と、を備える。
【0008】
また、本発明の一態様に係る照明システムは、上記プロジェクタと、映像投影機能を有さない少なくとも1つの照明器具と、を備え、前記プロジェクタと前記照明器具とが連携動作する。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るプロジェクタの処理方法等によれば、映像が投影される空間を容易に演出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る照明システムの構成を模式的に示す図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係る照明システムの構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、言葉を示す信号と投影条件との関連付けの一例を示す図である。
【
図4】
図4は、言葉を示す信号と照射条件との関連付けの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施の形態に係る照明システムのプロジェクタ及び照明器具を点灯させる方法の一例を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、実施の形態に係る照明システムのプロジェクタ及び照明器具の設定を変更する方法の一例を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、実施の形態に係るプロジェクタの投影部によって投影される映像の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(本発明の一態様を得るに至った経緯)
プロジェクタ等を用いた空間の演出では、投影される映像におけるコンテンツの種類を変更することで、空間の雰囲気を大きく変えることができる。しかしながら、空間演出のために、コンテンツの種類を変更する場合には、使用者がプロジェクタ等の映像におけるコンテンツの種類の選択を選択したり、プロジェクタ等が用いる映像のコンテンツデータを増やしたりする必要がある。つまり、プロジェクタ等を用いた空間の演出のためにコンテンツの種類を変更する場合、操作の煩雑化、及び、装置の大型化などの問題がある。
【0012】
そこで、本発明は、映像が投影される空間を容易に演出することができるプロジェクタの処理方法等を提供する。
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。
【0014】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化される場合がある。
【0015】
(実施の形態)
以下、本実施の形態に係る照明システムについて説明する。
【0016】
[照明システムの構成]
まず、
図1及び
図2を用いて、本実施の形態に係る照明システムの構成について説明する。
【0017】
図1は、本実施の形態に係る照明システム100の構成を模式的に示す図である。
図2は、本実施の形態に係る照明システム100の構成を示すブロック図である。
【0018】
図1及び
図2に示されるように、照明システム100は、映像を投影するプロジェクタ10と、映像投影機能を有さず、照明光を照射する照明器具30とを備える。照明システム100は、さらに、操作器50と、中継器70(
図1においては図示省略)とを備える。また、図示は省略されているが、プロジェクタ10、照明器具30、操作器50及び中継器70は、それぞれ、バッテリ等の内部電源又は外部電源から動作用の電力が供給される。照明システム100は、例えば、商業施設、ホテル、飲食店又はトイレ等の屋内空間に設置される。
【0019】
プロジェクタ10は、設置された空間に映像を投影する。照明システム100において、プロジェクタ10と照明器具30とは同じ空間内に配置されており、プロジェクタ10が映像を投影する空間に、照明器具30も照明光を照射する。プロジェクタ10と照明器具30とは、例えば、操作器50から直接、又は、中継器70を介して制御用の信号が送信されることにより、連携動作する。
図1において、照明システム100が備えるプロジェクタ10の数は、1であるが、照明システム100が備えるプロジェクタ10の数は、1である必要はなく、2以上であってもよい。
【0020】
なお、プロジェクタ10が設置される空間は、屋外空間であってもよい。つまり、屋外にプロジェクタ10を設置して映像を投影してもよい。
【0021】
投影される映像の投影形状は、例えば、
図1に示されるような円形であるが、特に制限されず、正方形又は長方形等の四角形、三角形、多角形、楕円形、しずく形若しくは星形等の円形以外の形状であってもよい。
【0022】
照明器具30は、例えば、室内の天井に設置されたシーリングライト等の照明器具である。照明器具30の照明光は、例えば白色光であるが、白色光に限らない。
図1において、照明システム100が備える照明器具30の数は、10であるが、照明システム100が備える照明器具30の数は、10である必要はなく、1以上9以下であってもよく、11以上であってもよい。本実施の形態に係る照明システム100は、照明器具30を10以上備える大きな空間であっても、容易に空間を演出することができる。
【0023】
プロジェクタ10及び照明器具30は、操作器50によって操作される。操作器50は、例えば、タブレット等の操作端末であり、操作用リモコン又は壁スイッチ等であってもよい。操作器50は、ユーザからの操作を受け付け、プロジェクタ10及び照明器具30に、制御用の信号を送信する。ユーザは、操作器50を操作することで、プロジェクタ10及び照明器具30の点灯と消灯とを切り替えたり、プロジェクタ10の投影条件及び照明器具30の照射条件を設定したりすることができる。
【0024】
操作器50は、ユーザが指定した言葉であって、映像が投影される空間の印象を表す言葉を示す信号をプロジェクタ10に送信する。この信号に基づいて、プロジェクタ10が映像の投影条件を変更する。なお、以下では、ユーザが指定した言葉であって、映像が投影される空間の印象を表す言葉を示す信号を、単に「言葉を示す信号」と称する場合がある。
【0025】
操作器50からの信号は、中継器70を介して、プロジェクタ10及び照明器具30に送信される。なお、操作器50からの信号は、中継器70を介さず、プロジェクタ10及び照明器具30に直接送信されてもよい。
【0026】
以下、照明システム100の各構成要素について詳細に説明する。
【0027】
[プロジェクタ]
図2に示されるように、プロジェクタ10は、投影部11と、通信部12と、制御部13と、記憶部14とを備える。
【0028】
投影部11は、プロジェクタ10が設置された空間内に映像を投影する。例えば、投影部11は、記憶部14に記憶されているコンテンツデータを用いて空間内に映像を投影する。本明細書において、映像は、静止画像及び動画像のいずれの映像であってもよい。
【0029】
また、映像は、モノクロームの映像であってもよい。これにより、映像がモノクロームで表現されるため、自然な印象の空間を演出することができる。また、映像は、木漏れ日、水面等の自然をモチーフにしたコンテンツの映像であってもよい。これにより、演出される空間に存在する人に自然を感じさせることができる。なお、本明細書におけるコンテンツとは、映像に用いられる静止画像又は動画像が表現する対象のことである。
【0030】
投影部11は、光源部11aと、光学系11bと、光変調部11cと、投射部11dとを有する。
【0031】
光源部11aは、例えば、発光部及び駆動回路等を有し、白色光を発する光源である。光源部11aは、具体的には、放電ランプ、又は、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)、半導体レーザ、有機EL(Electro Luminescence)、若しくは、無機EL等の固体発光素子を用いた光源である。なお、光源部11aが発する光は、白色光に限らない。
【0032】
光学系11bは、光源部11aが発する光を光変調部11cに導くための光学系である。光学系11bは、例えば、画像投影機器等に使用される単板式の光学系であるが、画像投影機器等に使用される3板式の光学系であってもよい。光学系11bには、具体的には、各種レンズ(コリメートレンズ、インテグレータレンズ、及び集光レンズなど)、各種ミラー(反射ミラー、及び、ダイクロイックミラー)、及び、偏光ビームスプリッタなどの光学部材が含まれる。
【0033】
光変調部11cは、投影部11が投影する映像に応じて光源部11aからの光を変調する。言い換えれば、光変調部11cは、光学系11bによって当該光変調部11cに導かれた光を映像に応じた光に変換して出力する。光変調部11cは、具体的には、透過型液晶パネル等の映像素子であるが、マイクロミラーアレイ又は反射型液晶パネル等のその他の映像素子であってもよい。なお、光学系11bとして3板式の光学系が用いられる場合は、光変調部11cは、3つの透過型液晶パネルからなる。
【0034】
投射部11dは、変調された光を照射する。投射部11dは、具体的には、光を対象物に投射する投射レンズである。
【0035】
通信部12は、中継器70を介して、操作器50から投影部11の点灯状態及び投影条件等の制御用の信号を受信する。具体的な制御用の信号として、通信部12は、ユーザが指定した言葉であって、映像が投影される空間の印象を表す言葉を示す信号を受信する。また、通信部12は、投影部11の点灯と消灯とを切り替える信号、及び、投影部11が投影する映像の投影条件を個別に制御する信号を受信する。
【0036】
ユーザが指定した言葉であって、映像が投影される空間の印象を表す言葉とは、映像自体の画質又はプロジェクタの使用目的を示す言葉とは異なり、人が空間に対して感じる、空間演出を行うための言葉である。これにより、ユーザは直感的に言葉を選ぶことで空間演出が可能になる。映像が投影される空間の印象を表す言葉としては、例えば、すっきり、くつろぎ、いきいき、にぎやか、しっとり、閑静、及び、わくわく等が挙げられる。
【0037】
通信部12は、具体的には、有線通信及び無線通信のうち少なくとも一方の通信用の通信モジュール(通信回路)である。なお、通信部12が行う通信の規格は、特に限定されない。通信部12が無線通信を行う場合には、国の電波利用の割り当てに沿った周波数を利用した特定小電力無線、ZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、又は、Wi-Fi(登録商標)などの通信規格が用いられる。
【0038】
制御部13は、投影部11の点灯及び消灯、並びに、投影部11の投影条件の制御を行う制御装置である。制御部13は、通信部12によって受信された制御用の信号に基づき、投影部11の投影条件等を制御する。例えば、制御部13は、言葉を示す信号に基づいて、映像の、明るさ、コントラスト比、フォーカス、アスペクト比、再生速度、色度、投射角度及び投影倍率のうち少なくとも2つを変更する。
【0039】
映像のコントラスト比は、100:1以下であってもよい。コントラスト比が100:1以下であるとは、最も暗い部分の輝度を1とした場合に、最も明るい部分の輝度が100以下であることを示す。これにより、映像の投影面での明暗差が小さくなり、自然な印象の空間を演出することができる。
【0040】
映像の再生速度の変化範囲は、0.1倍以上3.0倍以下であってもよい。これにより、映像の動きに違和感がなく、自然な印象の空間を演出することができる。なお、本明細書において再生速度の変化範囲は、映像が撮影された際の速度を基準速度として、基準速度に対する変化範囲である。
【0041】
また、制御部13は、記憶部14に記憶されているコンテンツデータを演算又は投影部11の制御等の方法で画像処理し、投影部11に投影させる映像の投影条件を調整する。例えば、制御部13は、映像の、明るさ、コントラスト比、フォーカス、アスペクト比、再生速度、色度、投射角度及び投影倍率を調整する。
【0042】
制御部13は、具体的には、プロセッサ、マイクロコンピュータ又は専用回路などにより実現される。
【0043】
記憶部14は、映像の投影に用いられるコンテンツデータが記憶される記憶装置である。また、記憶部14には、言葉を示す信号に関連付けられた、投影部11が投影する映像の投影条件が記憶される。
図3は、言葉を示す信号と投影条件との関連付けの一例を示す図である。
図3には、映像が投影される空間の印象を表す言葉として、副詞である「すっきり」、及び、名詞である「くつろぎ」に関連付けられた投影条件が示されている。投影条件には、例えば、映像の、明るさ、コントラスト比、フォーカス、アスペクト比、再生速度、色度、投射角度及び投影倍率が含まれる。また、言葉を示す信号には、映像におけるコンテンツの種類が関連付けられていてもよい。なお、投影条件は、上記項目に限らず、上記項目以外の投影条件が含まれてもよいし、上記項目の中で含まれない項目があってもよい。
【0044】
なお、
図3に示されている各投影条件の設定値は、一例であり、投影条件の設定の単位等は特に制限されない。例えば、映像の色度は、
図3に示されるように色温度の数値であってもよいし、色度座標等の他の色度を表す指標であってもよい。また、各投影条件は、具体的な数値を入力することで設定されてもよく、段階的に設定値が決められた候補の中から選択されることで設定されてもよい。
【0045】
また、記憶部14には、制御部13が実行するプログラムも記憶される。また、記憶部14には、制御部13により参照又は生成される各種データが記憶される。
【0046】
記憶部14は、具体的には、SRAM(Static Random Access Memory)又はDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性の記憶装置、若しくは、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク又は半導体メモリ等の不揮発性の記憶装置等により実現される。
【0047】
なお、照明システム100がプロジェクタ10を複数備える場合、プロジェクタ10のそれぞれが同じ仕様であってもよいし、プロジェクタ10のそれぞれが異なる仕様であってもよい。
【0048】
[照明器具]
図2に示されるように、照明器具30は、光源ユニット31、点灯回路32、通信部33、制御部34及び記憶部35を備える。照明器具30は、プロジェクタ10とは異なり、映像素子を備えていない。つまり、照明器具30は、映像を投影する機能を有していない。
【0049】
光源ユニット31は、光源を有し照明光を照射する。光源としては、例えばLED、有機EL、蛍光灯及び白熱灯などが挙げられる。光源が発する光は、例えば、白色光であるが、白色光に限らない。また、光源ユニット31は、光色の異なる複数の光源を有していてもよい。光源ユニット31が、光色の異なる複数の光源を有している場合、制御部34がそれぞれの光源への電流量を調整する等により、光源ユニット31の照明光が調色されてもよい。
【0050】
点灯回路32は、光源ユニット31に電力を供給することにより、光源ユニット31を点灯させる。
【0051】
通信部33は、中継器70を介して、操作器50から光源ユニット31の点灯状態及び照射条件等の制御用の信号を受信する。具体的な制御用の信号として、通信部33は、言葉を示す信号を受信する。また、通信部33は、光源ユニット31の点灯と消灯とを切り替える信号、及び、照明光の照射条件を個別に制御する信号を受信する。通信部33は、具体的には、通信部12と同様に、有線通信及び無線通信のうち少なくとも一方の通信用の通信モジュール(通信回路)である。
【0052】
制御部34は、点灯回路32を制御することにより、光源ユニット31の照明動作を制御する制御装置である。制御部34は、通信部33によって受信された制御用の信号に従って、照明動作として、光源ユニット31の点灯、消灯、調光又は調色等を制御する。例えば、制御部34は、言葉を示す信号に基づいて、光源ユニット31が照射する照明光の照射条件を制御する。制御部34は、具体的には、プロセッサ、マイクロコンピュータ又は専用回路などにより実現される。
【0053】
記憶部35は、映像が投影される空間の印象を表す言葉を示す信号に関連付けられた、光源ユニット31が照射する照明光の照射条件が記憶される記憶装置である。
図4は、言葉を示す信号と照射条件との関連付けの一例を示す図である。
図4には、映像が投影される空間の印象を表す言葉として、副詞である「すっきり」、及び、名詞である「くつろぎ」に関連付けられた照射条件が示されている。照射条件には、例えば、照明光の、明るさ及び色度が含まれる。なお、照射条件は、上記項目に限らず、上記項目以外の照射条件が含まれてもよいし、上記項目の中で含まれない項目があってもよい。
【0054】
また、記憶部35には、制御部34が実行するプログラムも記憶される。また、記憶部35には、制御部34により参照又は生成される各種データが記憶される。
【0055】
記憶部35は、具体的には、SRAM又はDRAM等の揮発性の記憶装置、若しくは、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク又は半導体メモリ等の不揮発性の記憶装置等により実現される。
【0056】
なお、照明システム100が照明器具30を複数備える場合、照明器具30のそれぞれが同じ仕様であってもよいし、照明器具30のそれぞれが異なる仕様であってもよい。
【0057】
[操作器]
図2に示されるように、操作器50は、操作受付部51、通信部52、制御部53及び記憶部54を備える。
【0058】
操作受付部51は、プロジェクタ10の点灯状態及び投影条件等、並びに、照明器具30の点灯状態及び照射条件等の操作を受け付ける。例えば、操作受付部51は、映像が投影される空間の印象を表す言葉の、ユーザからの選択操作を受け付ける。また、操作受付部51は、プロジェクタ10が投影する映像におけるコンテンツの種類の選択操作を受け付けてもよい。
【0059】
操作受付部51は、具体的には、タッチパネル式ディスプレイ、物理ボタン、又は壁スイッチ等である。
【0060】
通信部52は、操作受付部51が受け付けた操作に基づいて、プロジェクタ10及び照明器具30の制御用の信号を送信する。例えば、通信部52は、制御用の信号として、言葉を示す信号を、中継器70を介して、プロジェクタ10及び照明器具30に送信する。通信部52は、具体的には、通信部12と同様に、有線通信及び無線通信のうち少なくとも一方の通信用の通信モジュール(通信回路)である。
【0061】
制御部53は、操作受付部51が受け付けた操作を制御用の信号として、通信部52に中継器70へ送信させる。また、操作受付部51がタッチパネル式ディスプレイ等のようなディスプレイを有する場合には、ディスプレイが表示する内容を制御する。制御部53は、具体的には、プロセッサ、マイクロコンピュータ又は専用回路などにより実現される。
【0062】
記憶部54は、制御部53が実行するプログラムが記憶される記憶装置である。また、記憶部54には、制御部53により参照又は作成される各種データが記憶される。また、記憶部54には、操作受付部51が表示する内容及び操作受付部51が受け付けた操作結果が記憶されていてもよい。記憶部54は、具体的には、SRAM又はDRAM等の揮発性の記憶装置、若しくは、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク又は半導体メモリ等の不揮発性の記憶装置等により実現される。
【0063】
[中継器]
図2に示されるように、中継器70は、通信部71、制御部72及び記憶部73を備える。
【0064】
通信部71は、操作器50からの、プロジェクタ10及び照明器具30の制御用の信号を受信する。また、プロジェクタ10及び照明器具30に、プロジェクタ10及び照明器具30の制御用の信号を送信する。通信部71は、具体的には、通信部12と同様に、有線通信及び無線通信のうち少なくとも一方の通信用の通信モジュール(通信回路)である。
【0065】
制御部72は、通信部71が受信した制御用の信号を記憶部73に一時的に記憶させる。制御部72は、記憶部73に記憶されている信号を、通信部71に、プロジェクタ10及び照明器具30へ送信させる。制御部72は、具体的には、プロセッサ、マイクロコンピュータ又は専用回路などにより実現される。
【0066】
記憶部73は、通信部71が受信した信号が記憶される記憶装置である。また、記憶部73には、制御部72が実行するプログラムが記憶される。また、記憶部73には、制御部72により参照又は作成される各種データが記憶される。記憶部73は、具体的には、SRAM又はDRAM等の揮発性の記憶装置、若しくは、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク又は半導体メモリ等の不揮発性の記憶装置等により実現される。
【0067】
[照明システムの動作]
次に、本実施の形態に係る照明システム100の動作について、
図5及び
図6を用いて説明する。
図5は、本実施の形態に係る照明システム100のプロジェクタ10及び照明器具30を点灯させる方法の一例を示すフローチャートである。
図6は、本実施の形態に係る照明システム100のプロジェクタ10及び照明器具30の設定を変更する方法の一例を示すフローチャートである。
【0068】
まず、照明システム100のプロジェクタ10及び照明器具30を点灯させる方法について説明する。
【0069】
図5に示されるように、まず、操作器50の操作受付部51は、映像が投影される空間の印象を表す言葉のユーザによる選択操作を受け付ける(S11)。操作受付部51には、映像が投影される空間の印象を表す言葉が表示されており、ユーザは表示されている言葉を選択する。例えば、操作受付部51には、言葉として「すっきり」と「くつろぎ」とが表示されており、ユーザが「すっきり」を選択する。また、操作受付部51は、プロジェクタ10及び照明器具30の点灯操作を受け付ける。
【0070】
次に、操作器50の制御部53は、操作受付部51が受け付けた操作に基づいて、通信部52に、言葉を示す信号を含む制御用の信号を、中継器70へ送信させる(S12)。送信された言葉を示す信号を含む制御用の信号は、中継器70の通信部71によって受信される(S13)。中継器70の制御部72は、通信部71が受信した制御用の信号を記憶部73に記憶させる。
【0071】
中継器70の制御部72は、ステップS13で受信した、言葉を示す信号を含む制御用の信号を、通信部71に、プロジェクタ10及び照明器具30へ送信させる(S14)。プロジェクタ10の通信部12及び照明器具30の通信部33は、ステップS14で送信された言葉を示す信号を含む制御用の信号を受信する(S15及びS16)。
【0072】
プロジェクタ10の制御部13は、投影部11の光源部11aを点灯させ、投影部11に、言葉を示す信号に基づいた投影条件で映像を投影させる(S17)。例えば、制御部13は、記憶部14に記憶された
図3に示されるような言葉を示す信号に関連付けられた映像の投影条件を参照することで、言葉を示す信号に基づいた投影条件で、投影部11に映像を投影させる。
【0073】
ステップS17において、投影される映像におけるコンテンツの種類は、あらかじめ1つに設定されていてもよいし、プロジェクタ10の通信部12がコンテンツの種類に関する信号を受け付けることで設定されてもよい。また、映像におけるコンテンツの種類は、言葉を示す信号に関連付けられていてもよい。
【0074】
また、照明器具30の制御部34は、点灯回路32に光源ユニット31を点灯させ、点灯回路32を制御することにより、光源ユニット31に、言葉を示す信号に基づいた照射条件で、プロジェクタ10が設置された空間内に照明光を照射させる(S18)。例えば、制御部34は、記憶部35に記憶された
図4に示されるような言葉を示す信号に関連付けられた照射条件を参照し、言葉を示す信号に基づいた照射条件で、光源ユニット31に照明光を投影させる。
【0075】
続いて、照明システム100のプロジェクタ10及び照明器具30の設定を変更する方法について説明する。
【0076】
図6では、
図5に示されるフローによる処理を経て、プロジェクタ10の投影部11は映像を投影し(S31)、照明器具30の光源ユニット31は照明光を照射している(S32)状態からのフローが示されている。例えば、プロジェクタ10の投影部11は、「すっきり」を示す信号に関連付けられた投影条件で、映像を投影している。また、照明器具30の光源ユニット31は、「すっきり」を示す信号に関連付けられた照射条件で、照明光を照射している。
【0077】
まず、操作器50の操作受付部51は、映像が投影される空間の印象を表す言葉のユーザによる選択操作を受け付ける(S33)。以降のステップでは、ステップS33において、すでに
図5のステップS11で選択された言葉とは異なる言葉を選択する場合について説明する。例えば、操作受付部51には、言葉として「すっきり」と「くつろぎ」とが表示されており、ユーザは、選択時の投影条件と対応した「すっきり」とは異なる言葉である「くつろぎ」を選択する。
【0078】
次に、操作器50の制御部53は、操作受付部51が受け付けた操作に基づいて、通信部52に、言葉を示す信号を、中継器70へ送信させる(S34)。送信された言葉を示す信号は、中継器70の通信部71によって受信される(S35)。中継器70の制御部72は、通信部71が受信した言葉を示す信号を記憶部73に記憶させる。
【0079】
中継器70の制御部72は、ステップS35で受信した、言葉を示す信号を、通信部71に、プロジェクタ10及び照明器具30へ送信させる(S36)。プロジェクタ10の通信部12及び照明器具30の通信部33は、ステップS36で送信された言葉を示す信号を含む制御用の信号を受信する(S37及びS38)。
【0080】
プロジェクタ10の制御部13は、言葉を示す信号に基づいて、投影部11が投影している映像の投影条件のうち少なくとも2つを変更する(S39)。例えば、制御部13は、記憶部14に記憶された
図3に示されるような言葉を示す信号に関連付けられた映像の投影条件を参照することで、言葉を示す信号に基づいて、投影部11が投影している映像の投影条件のうち少なくとも2つを変更する。具体的には、制御部13は、投影されている映像のコンテンツの種類を変えずに、投影条件として、映像の、明るさ、コントラスト比、フォーカス、アスペクト比、再生速度、色度、投射角度及び投影倍率のうち、少なくとも2つを変更する。これにより、映像におけるコンテンツの種類を変えることなく、映像が投影される態様が変化するため、映像が投影されている空間の印象を変えることができる。制御部13は、投影条件して、映像の明るさ、コントラスト比、フォーカス、アスペクト比、再生速度、色度、投射角度及び投影倍率のうち、3つ以上変更してもよく、4つ以上変更してもよい。変更する投影条件の数が増えることで、映像が投影されている空間の印象を変えやすくなる。
【0081】
また、上記の投影条件の中でも、映像の、フォーカス、アスペクト比及び再生速度のうち少なくとも1つが、変更される投影条件に含まれていてもよい。これにより、映像の印象が変わりやすい投影条件が変更されるため、映像におけるコンテンツの種類を変えることなく、映像が投影されている空間の印象をより変えやすくなる。
【0082】
ステップS39における、投影条件の変更において、制御部13は、記憶部14に記憶されているコンテンツデータを画像処理することにより調整し、投影部11に投影させる。例えば、制御部13は、記憶部14に記憶されているコンテンツデータを演算によって画像処理し、光源部11aからの光を、画像処理した映像に応じて光変調部11cに変調させる。また、例えば、制御部13は、光源部11a又は投射部11dを制御することで、コンテンツデータを画像処理し、投影部11に映像を投影させる。
【0083】
また、照明器具30の制御部34は、点灯回路32を制御することにより、言葉を示す信号に基づいて、光源ユニット31が照射している照明光の照射条件を変更する(S40)。例えば、制御部34は、記憶部35に記憶された
図4に示されるような言葉を示す信号に関連付けられた照射条件を参照し、言葉を示す信号に基づいて、光源ユニット31が照射している照明光の照射条件を変更する。
【0084】
このように、中継器70から、言葉を示す信号がプロジェクタ10及び照明器具30に送信され、プロジェクタ10と照明器具30とがどちらも、言葉を示す信号に基づいて投影条件又は照射条件を変更する。これにより、照明システム100において、プロジェクタ10と照明器具30とが連携動作する。
【0085】
なお、照明器具30は、プロジェクタ10と連携動作している必要はなく、操作器50によって、個別に設定された照射条件によって照明光を照射してもよい。
【0086】
図7は、本実施の形態に係るプロジェクタ10の投影部11によって投影される映像の一例を示す図である。
図7には、ステップS39において、投影条件が変更される前後で投影される映像が示されている。
図7に示されるように、ステップS39では、投影される映像は、
図7の(a)に示される「すっきり」を示す信号に基づいた投影条件の映像から、
図7の(b)に示される「くつろぎ」を示す信号に基づいた投影条件の映像に変更される。このとき、例えば、制御部13は、
図3に示される言葉を示す信号に関連付けられた映像の投影条件を参照することで、投影部11が投影している映像の投影条件を変更する。このように、ユーザは、映像が投影される空間の印象を表す言葉を選択するだけで、
図7に示されるように映像の投影条件が変更される。さらに、投影条件として、映像の明るさ、コントラスト比、フォーカス、アスペクト比、再生速度、色度、投射角度及び投影倍率のうち、少なくとも2つが変更される。そのため、映像におけるコンテンツの種類が変更されることなく、映像が投影される態様が変化するため、容易に空間の雰囲気を変えることができる。
【0087】
[効果等]
以上説明したように、プロジェクタ10の処理方法は、映像を投影するプロジェクタ10の処理方法である。また、プロジェクタ10の処理方法は、プロジェクタ10が実行する処理方法である。プロジェクタ10の処理方法は、ユーザが指定した言葉であって、映像が投影される空間の印象を表す言葉を示す信号を受信する第1ステップを含む。さらに、プロジェクタ10の処理方法は、言葉を示す信号に基づいて、映像の、明るさ、コントラスト比、フォーカス、アスペクト比、再生速度、色度、投射角度及び投影倍率、のうちの少なくとも2つを変更する第2ステップを含む。
【0088】
これにより、プロジェクタ10は、言葉を示す信号を受信することで、映像の投影条件が変更する。つまり、ユーザは、映像が投影される空間の印象を表す言葉を感覚的に選択するだけで、映像の投影条件を変更できる。さらに、投影条件として、映像の明るさ、コントラスト比、フォーカス、アスペクト比、再生速度、色度、投射角度及び投影倍率のうち、少なくとも2つが変更される。そのため、映像におけるコンテンツの種類が変更されない場合であっても、映像が投影される態様が変化するため、空間の雰囲気を変えることができる。よって、プロジェクタ10の処理方法によれば、映像が投影される空間が容易に演出される。
【0089】
また、第2ステップにおいて、映像の、明るさ、コントラスト比、フォーカス、アスペクト比、再生速度、色度、投射角度及び投影倍率は、映像の投影に用いられるコンテンツデータの画像処理により調整されてもよい。
【0090】
これにより、1つのコンテンツデータを複数の投影条件の映像に用いることができるため、プロジェクタ10が用いるコンテンツデータの数を減らすことができる。また、記憶部14に記憶されているコンテンツデータを用いる場合には、記憶部14に記憶されるコンテンツデータの数が少なくてよいため、記憶部14を小型化でき、プロジェクタ10を小型化できる。
【0091】
また、第2ステップにおいて、映像の、フォーカス、アスペクト比及び再生速度のうち少なくとも1つを変更してもよい。
【0092】
これにより、映像の印象が変わりやすい投影条件が変更されるため、映像におけるコンテンツの種類を変えることなく、映像が投影されている空間の印象をより変えやすくなる。
【0093】
また、プロジェクタ10は、映像を投影する投影部11と、ユーザが指定した言葉であって、映像が投影される空間の印象を表す言葉を示す信号を受信する通信部12とを備える。さらに、プロジェクタ10は、言葉を示す信号に基づいて、映像の、明るさ、コントラスト比、フォーカス、アスペクト比、再生速度、色度、投射角度及び投影倍率、のうちの少なくとも2つを変更する制御部13を備える。
【0094】
これにより、プロジェクタ10は、言葉を示す信号を受信することで、映像の投影条件が変更する。つまり、ユーザは、映像が投影される空間の印象を表す言葉を選択するだけで、映像の投影条件を変更できる。さらに、投影条件として、映像の明るさ、コントラスト比、フォーカス、アスペクト比、再生速度、色度、投射角度及び投影倍率のうち、少なくとも2つが変更される。そのため、映像におけるコンテンツの種類が変更されない場合であっても、空間の雰囲気を変えることができる。よって、映像が投影される空間が容易に演出できるプロジェクタ10が実現される。
【0095】
また、プロジェクタ10は、さらに、映像の投影に用いられるコンテンツデータが記憶される記憶部14を備える。制御部13は、映像の、明るさ、コントラスト比、フォーカス、アスペクト比、再生速度、色度、投射角度及び投影倍率を、コンテンツデータを画像処理することにより調整してもよい。
【0096】
これにより、1つのコンテンツデータを複数の投影条件の映像に用いることができるため、プロジェクタ10が用いるコンテンツデータの数を減らすことができる。
【0097】
また、制御部13は、フォーカス、アスペクト比及び再生速度のうち少なくとも1つを変更してもよい。
【0098】
これにより、映像の印象が変わりやすい投影条件が変更されるため、映像におけるコンテンツの種類を変えることなく、映像が投影されている空間の印象をより変えやすくなる。
【0099】
また、映像のコントラスト比は、100:1以下であってもよい。
【0100】
これにより、映像の投影面での明暗差が小さくなり、自然な印象の空間を演出することができる。
【0101】
また、映像の再生速度の変化範囲は、0.1倍以上3.0倍以下であってもよい。
【0102】
これにより、映像の動きに違和感がなく、自然な印象の空間を演出することができる。
【0103】
また、映像は、モノクロームの映像であってもよい。
【0104】
これにより、映像がモノクロームで表現されるため、自然な印象の空間を演出することができる。
【0105】
また、照明システム100は、プロジェクタ10と、映像投影機能を有さない少なくとも1つの照明器具30と、を備え、プロジェクタ10と照明器具30とが連携動作する。
【0106】
これにより、プロジェクタ10と照明器具30とが、同時に制御されるため、一体感のある空間を容易に演出することができる照明システム100が実現される。
【0107】
また、照明器具30の数は、10以上であってもよい。
【0108】
これにより、照明器具30を10以上備える大きな空間であっても、容易に空間を演出することができる照明システム100が実現される。
【0109】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態には限定されない。
【0110】
例えば、上記実施の形態において、投影部11から投影される映像は、記憶部14に記憶されているコンテンツデータを用いたが、これに限らない。投影部11から投影される映像は、通信部12を介して外部から入力されるコンテンツデータが用いられてもよい。例えば、中継器70の記憶部73に記憶されたコンテンツデータが用いられてもよく、外部サーバに記憶されたコンテンツデータが用いられてもよい。また、外部から入力されるコンテンツデータは、一時的に記憶部14に記憶され、画像処理に用いられてもよい。
【0111】
また、上記実施の形態において、プロジェクタ10は、あらかじめ映像の投影条件の変更に対応したコンテンツデータを記憶部14に記憶させておくことで、映像の投影条件を変更してもよい。
【0112】
また、上記実施の形態において、プロジェクタ10と照明器具30とは、同じ操作器50により操作されたが、これに限らない。プロジェクタ10と照明器具30とは、それぞれ個別の操作器により操作されてもよい。
【0113】
また、上記実施の形態において、プロジェクタ10は、照明器具30と組み合わせて点灯されず、単独で点灯されてもよい。また、プロジェクタ10が設置された空間に照明器具30が設置されていなくてもよい。
【0114】
また、上記実施の形態において、プロジェクタ10は、操作器50により操作されたが、これに限らない。プロジェクタ10の本体に、操作受付部51等の操作器50の機能を有する部位が備えられていてもよい。これにより、プロジェクタ10の本体が、プロジェクタ10の点灯状態及び投影条件等の操作を受け付ける。照明器具30の操作についても同様である。
【0115】
また、上記実施の形態において、プロジェクタ10の制御部13が、投影部11の点灯及び消灯、並びに、投影部11の投影条件を制御したが、これに限らない。例えば、中継器70の制御部72が、通信部を介して、投影部11の点灯及び消灯、並びに、投影部11の投影条件を制御してもよい。照明器具30の光源ユニット31の制御についても同様である。
【0116】
また、上記実施の形態において、プロジェクタ10又は照明器具30が、中継器70の機能を有していてもよい。例えば、プロジェクタ10が中継器70の機能を有する場合、プロジェクタ10の通信部12から、照明器具30に制御用の信号が送信される。また、例えば、プロジェクタ10の制御部13が、通信部を介して、照明器具30の光源ユニット31の点灯及び消灯、並びに、光源ユニット31の照射条件を制御してもよい。
【0117】
また、上記実施の形態で説明された光学系11bは、一例であり、プロジェクタ10にはどのような光学系が採用されてもよい。例えば、光源部11aの光源として青色LED又は青色レーザが採用される場合には、蛍光体ホイールを用いた光学系が採用されてもよい。
【0118】
また、上記実施の形態において、制御部等の各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU又はプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスク又は半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0119】
また、各構成要素は、回路(又は集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0120】
また、本発明の包括的又は具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの非一時的な記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び非一時的な記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。例えば、本発明は、照明システム100の各構成要素が備える制御部が行う制御をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現されてもよい。
【0121】
また、上記実施の形態において説明された照明システム100の動作における複数の処理の順序は一例である。複数の処理の順序は、変更されてもよいし、複数の処理は、並行して実行されてもよい。
【0122】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、又は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0123】
10 プロジェクタ
11 投影部
12 通信部
13 制御部
14 記憶部
30 照明器具
100 照明システム