IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パナソニックIPマネジメント株式会社の特許一覧

特許7320767情報提示方法、プログラム、及び情報提示システム
<>
  • 特許-情報提示方法、プログラム、及び情報提示システム 図1
  • 特許-情報提示方法、プログラム、及び情報提示システム 図2
  • 特許-情報提示方法、プログラム、及び情報提示システム 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-27
(45)【発行日】2023-08-04
(54)【発明の名称】情報提示方法、プログラム、及び情報提示システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/016 20230101AFI20230728BHJP
【FI】
G06Q30/016
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2017063152
(22)【出願日】2017-03-28
(65)【公開番号】P2018165918
(43)【公開日】2018-10-25
【審査請求日】2020-01-20
【審判番号】
【審判請求日】2022-06-27
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】角野 浩三
【合議体】
【審判長】佐藤 智康
【審判官】渡邊 聡
【審判官】松田 直也
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-259012(JP,A)
【文献】特開2015-176172(JP,A)
【文献】特開2014-135772(JP,A)
【文献】特開2015-18502(JP,A)
【文献】特表2016-518636(JP,A)
【文献】再公表特許第2013/027581(JP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q30/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
取得部が、施設に設置されている1台以上の機器を操作対象として、前記操作対象の監視と制御との少なくとも一方のための機器操作を操作端末にて実行するユーザの属性を取得する取得ステップと、
決定部が、前記ユーザの属性に応じて、前記操作端末に提示させる提示情報の態様を決定する決定ステップと、
掲示部が、前記決定ステップで決定された前記態様にて、前記機器操作に際して前記提示情報を前記操作端末に提示させる提示ステップと、を有し、
前記操作対象は複数台の機器からなり、
前記決定ステップでは、前記決定部が、前記複数台の機器の各々について、前記ユーザの属性に応じて前記提示情報の態様を決定し、
前記決定ステップでは、前記決定部が、前記ユーザの属性が特定の属性である場合に、前記提示情報の態様を、前記複数台の機器にて共通化する
情報提示方法。
【請求項2】
前記複数台の機器の各々について、前記ユーザの属性ごとに利用回数を計測する計測ステップを更に有し、
前記決定ステップでは、前記決定部が、前記複数台の機器の各々について、前記ユーザの属性に対応する前記利用回数に基づいて、前記提示情報の態様を決定する
請求項1に記載の情報提示方法。
【請求項3】
前記決定ステップでは、前記決定部が、前記提示情報の態様を、前記ユーザの属性に応じて2段階で変化させる
請求項1又は2に記載の情報提示方法。
【請求項4】
前記決定ステップでは、前記決定部が、前記提示情報の態様を、前記ユーザの属性に応じて3段階以上で変化させる
請求項1又は2に記載の情報提示方法。
【請求項5】
更新部が、前記ユーザの属性の変化に応じて前記提示情報の態様を変化させる更新ステップを更に有する
請求項1~4のいずれか1項に記載の情報提示方法。
【請求項6】
コンピュータシステムに、
請求項1~5のいずれか1項に記載の情報提示方法を実行させるためのプログラム。
【請求項7】
施設に設置されている1台以上の機器を操作対象として、前記操作対象の監視と制御との少なくとも一方のための機器操作を操作端末にて実行するユーザの属性を取得する取得部と、
前記ユーザの属性に応じて、前記操作端末に提示させる提示情報の態様を決定する決定部と、
前記決定部で決定された前記態様にて、前記機器操作に際して前記提示情報を前記操作端末に提示させる提示部と、を備え、
前記操作対象は複数台の機器からなり、
前記決定部は、前記複数台の機器の各々について、前記ユーザの属性に応じて前記提示情報の態様を決定し、
前記決定部は、前記ユーザの属性が特定の属性である場合に、前記提示情報の態様を、前記複数台の機器にて共通化する
情報提示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に情報提示方法、プログラム、及び情報提示システムに関し、より詳細には、施設に設置されている機器の操作に際して操作端末に情報を提示させる情報提示方法、プログラム、及び情報提示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、データ伝送路を介して接続される1又は複数の機器を管理する機器管理装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載の機器管理装置では、管理対象機器は、例えば、オフィス業務内の作業で利用される画像処理装置等である。この機器管理装置は、機器から取得した機器情報に基づき、機器(管理対象機器)を一元管理する。特許文献1には、機器管理装置による処理結果を表示装置に表示することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2011-227818号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、例えば、上述したような機器管理装置等においては、機器についての情報(処理結果)は、情報を表示する相手、つまりユーザに依らずに一様の態様で提示(表示)される。そのため、ユーザによっては提示される情報の意味が分かりにくかったり、ユーザの注目が得られなかったりして、機器についての情報がユーザに十分に受け入れられない可能性がある。
【0006】
本発明は上記事由に鑑みてなされており、機器についての情報がユーザに受け入れられやすくなる情報提示方法、プログラム、及び情報提示システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る情報提示方法は、取得ステップと、決定ステップと、提示ステップと、を有する。前記取得ステップでは、取得部が、施設に設置されている1台以上の機器を操作対象として、前記操作対象の監視と制御との少なくとも一方のための機器操作を操作端末にて実行するユーザの属性を取得する。前記決定ステップでは、決定部が、前記ユーザの属性に応じて、前記操作端末に提示させる提示情報の態様を決定する。前記提示ステップでは、掲示部が、前記決定ステップで決定された前記態様にて、前記機器操作に際して前記提示情報を前記操作端末に提示させる。前記操作対象は複数台の機器からなる。前記決定ステップでは、前記決定部が、前記複数台の機器の各々について、前記ユーザの属性に応じて前記提示情報の態様を決定する。前記決定ステップでは、前記決定部が、前記ユーザの属性が特定の属性である場合に、前記提示情報の態様を、前記複数台の機器にて共通化する。
【0008】
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータシステムに、上記情報提示方法を実行させるためのプログラムである。
【0009】
本発明の一態様に係る情報提示システムは、取得部と、決定部と、提示部と、を備える。前記取得部は、施設に設置されている1台以上の機器を操作対象として、前記操作対象の監視と制御との少なくとも一方のための機器操作を操作端末にて実行するユーザの属性を取得する。前記決定部は、前記ユーザの属性に応じて、前記操作端末に提示させる提示情報の態様を決定する。前記提示部は、前記決定部で決定された前記態様にて、前記機器操作に際して前記提示情報を前記操作端末に提示させる。前記操作対象は複数台の機器からなる。前記決定部は、前記複数台の機器の各々について、前記ユーザの属性に応じて前記提示情報の態様を決定する。前記決定部は、前記ユーザの属性が特定の属性である場合に、前記提示情報の態様を、前記複数台の機器にて共通化する。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、機器についての情報がユーザに受け入れられやすくなる、という利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る情報提示システムの全体構成を示すシステム構成図である。
図2図2は、同上の情報提示システムの要部のブロック図である。
図3図3は、同上の情報提示システムのサーバの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(1)概要
本実施形態に係る情報提示システム10は、図1に示すように、施設1に設置されている1台以上の機器2A~2Hを操作対象とし、操作対象の操作に際して操作端末3A~3Cに情報を提示させるためのシステムである。本実施形態では、一例として、施設1が戸建住宅、又は集合住宅の各住戸等の住宅である場合について説明する。情報提示システム10による情報の提示先は、例えば、施設1を使用する人(ユーザ)であって、施設1が住宅である場合、通常は施設1の住人である。以下、複数台の機器2A~2Hを特に区別しない場合、複数台の機器2A~2Hの各々を「機器2」と呼ぶ。また、複数台の操作端末3A~3Cを特に区別しない場合、複数台の操作端末3A~3Cの各々を「操作端末3」と呼ぶ。
【0013】
ここでいう「操作対象の操作」は、操作対象の監視と制御との少なくとも一方のための操作であって、操作端末3にて実行される。「操作対象」は、情報提示システム10を用いた操作の対象を意味し、施設1に設置されている1台以上の機器2である。すなわち、情報提示システム10によれば、施設1に設置されている1台以上の機器2(操作対象)の監視、制御、又は監視及び制御の両方のための機器操作が操作端末3にて実行される際に、操作端末3にて情報が提示される。
【0014】
機器操作に際して情報提示システム10が操作端末3に提示させる情報を「提示情報」という。ここでいう「提示情報」は、操作端末3を用いたユーザの機器操作を支援するための情報である。言い換えれば、「提示情報」は、操作端末3において、ユーザに情報を出力したり、ユーザからの入力を受け付けたりするための、ユーザインタフェース(HMI:Human Machine Interface)に相当する。例えば、操作対象が空調機器である場合における監視のための機器操作においては、「提示情報」には、空調機器の運転/停止、運転モード、及び設定温度等の、機器2の状態を表す情報が含まれる。また、例えば、操作対象が空調機器ある場合における制御のための機器操作においては、「提示情報」には、空調機器の運転/停止、運転モード、及び設定温度等を切り替えるための操作を受け付ける操作画面の情報が含まれる。さらに、機器操作が操作端末3とユーザとの対話形式で行われる場合には、機器操作のために操作端末3からユーザに提示される種々の情報が、「提示情報」に含まれる。例えば、情報の提示が情報の表示によって実現される場合には、機器操作に際して操作端末3に表示される画面を構成する情報が、提示情報に相当する。また、例えば、情報の提示が音声によって実現される場合には、機器操作に際して操作端末3から出力される音声を構成する情報が、提示情報に相当する。
【0015】
このように、情報提示システム10は、施設1に設置されている1台以上の機器2の監視、制御、又は監視及び制御のための機器操作に際し、機器操作に関連する提示情報を操作端末3にて提示することによって、ユーザに対して種々のサービスを提供する。情報提示システム10は、例えば、機器2の状態に変化があったときにその旨をユーザに知らせるサービス、及びユーザからの指示に従って機器2を制御したりするサービス等を、施設1の住人等に提供できる。
【0016】
ここで、情報提示システム10は、操作端末3に提示させる提示情報の態様を、機器操作を実行するユーザの属性に応じて決定する。ここでいう「ユーザの属性」は、例えば、ユーザを識別するための識別情報、並びにユーザの名前、年齢、性別、及びその他の生体情報(指紋、声紋、及び虹彩等)等である。また、施設1の住人が複数人いる場合、複数人のユーザ内でのユーザ同士の関係性(例えば、父、母、兄、及び妹等)が、ユーザの属性に含まれていてもよい。すなわち、情報提示システム10では、例えば、操作端末3にて機器操作を実行するユーザが、大人か子供かによって、操作端末3に提示させる提示情報の態様を変えることができる。ここでいう「提示情報の態様」は、例えば、提示情報の文体、言い回し(言葉づかい)、及び語尾等である。また、提示情報の提示が情報の表示によって実現される場合には、操作端末3に表示される画面のレイアウト、色、並びに文字の書体及び大きさ等が、提示情報の態様に含まれる。また、提示情報の提示が音声によって実現される場合には、音声のトーン、音量、及び再生速度等が、提示情報の態様に含まれる。
【0017】
要するに、本実施形態に係る情報提示システム10は、機器操作に際して操作端末3に提示される提示情報がどのような態様で提示されるかが、機器操作を実行するユーザの属性によって変化する。言い換えれば、情報提示システム10が、機器操作のために操作端末3に提示させる情報の態様は、固定的ではなく、実際に機器操作を行うユーザによって変化する。したがって、情報提示システム10によれば、機器2についての情報がユーザに受け入れられやすくなる、という利点がある。
【0018】
本実施形態に係る情報提示システム10は、例えば、コンピュータシステムにて実現される。コンピュータシステムは、施設1の外部に設置されたサーバ4を主構成として備えている。サーバ4は、例えば、インターネット等のネットワーク5を介して、施設1に設置された機器2、及び施設1のユーザが使用する操作端末3と、通信可能に構成されている。図1の例では、機器2及び操作端末3は、施設1に設置されたルータ6を介してネットワーク5に接続されている。ただし、ルータ6は、コンピュータシステムに必須の構成ではない。
【0019】
また、実際には、情報提示システム10は複数の施設1に導入され、複数の施設1を対象にして、機器操作に際して操作端末3に提示情報を提示させるサービスを提供する。そのため、サーバ4は、複数の施設1に設置された複数の機器2、及び複数の施設1のユーザが使用する複数の操作端末3と通信可能に構成されている。ただし、本実施形態では、説明を簡単にするために、1つの施設1に着目して説明する。
【0020】
(2)詳細
次に、本実施形態に係る情報提示システム10について、より詳細に説明する。
【0021】
(2.1)前提
以下では、施設1には父、母、兄、及び妹の4人家族が住んでおり、施設1が、図1に示すように、寝室R1、兄の部屋(子供部屋)R2、妹の部屋(子供部屋)R3、及びリビングR4の4つの部屋を有する戸建住宅である場合を想定する。
【0022】
施設1には、操作対象として、複数台(ここでは8台)の機器2A~2Hが設置されている。機器2A,2C,2E,2Gはいずれも空調機器であって、それぞれ寝室R1、兄の部屋R2、妹の部屋R3、リビングR4に設置されている。機器2B,2D,2F,2Hはいずれも照明機器であって、それぞれ寝室R1、兄の部屋R2、妹の部屋R3、リビングR4に設置されている。
【0023】
これら複数台の機器2の各々は、サーバ4及び操作端末3との通信機能を有している。具体的には、機器2は、ルータ6との間で、Wi-Fi(登録商標)に準拠した近距離無線通信を行う。ルータ6は、ネットワーク5に接続されているので、複数台の機器2の各々は、ルータ6を介してネットワーク5に接続されることになる。これにより、詳しくは後述するが、操作対象となる複数台の機器2の各々は、ネットワーク5に接続されたサーバ4及び操作端末3との間で通信可能となる。
【0024】
また、複数台の機器2には、固有の機器ID(Identification)が割り当てられている。これにより、情報提示システム10において、機器IDによって複数台の機器2を識別可能となる。
【0025】
(2.2)構成
次に、本実施形態に係る情報提示システム10の構成について、図1及び図2を参照しながら説明する。情報提示システム10は、上述したようにサーバ4を主構成として備えている。さらに、本実施形態では、操作端末3についても、情報提示システム10の構成要素に含まれることとして説明する。
【0026】
操作端末3は、施設1に対応付けて登録されている。具体的には、例えば、操作端末3には固有の端末ID(Identification)が割り当てられている。図1の例では、寝室R1にある操作端末3A、兄の部屋R2にある操作端末3B、並びにリビングR4にある操作端末3C及び操作端末3Dの計4台が、操作端末3として用いられる。ここでは、操作端末3は、いずれもスマートフォン又はタブレット端末等の、ネットワーク5に接続可能な携帯情報端末である場合を想定する。また、本実施形態では、操作端末3Aの所有者は「父」、操作端末3Bの所有者は「兄」、操作端末3Cの所有者は「母」、操作端末3Dの所有者は「妹」であることと仮定して説明する。このように、本実施形態では操作端末3と、操作端末3を使用するユーザとが一対一に対応しているので、操作端末3の端末IDが、ユーザを識別するための識別情報として用いられる。
【0027】
操作端末3は、図2に示すように、表示部31と、音声出力部32と、入力部33と、端末通信部34と、制御部35と、を有している。操作端末3は、CPU(Central Processing Unit)及びメモリを有するコンピュータを主構成とする。操作端末3は、専用のアプリケーションソフトをインストールし、このアプリケーションソフトを起動することにより、少なくともサーバ4から提供されるコンテンツを表示するブラウザとして機能する。アプリケーションソフト(プログラム)は、コンピュータのメモリに予め記録されていてもよいし、電気通信回線を通じて提供されてもよいし、メモリカード等の記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0028】
表示部31は、例えば、液晶ディスプレイを含み、任意の文字、画像、及び記号等を表示する。音声出力部32は、スピーカを含み、任意の音声を出力する。
【0029】
入力部33は、ユーザ(操作端末3の所有者)の操作を受け付ける機能を有している。本実施形態では、操作端末3はタッチパネルディスプレイを搭載しており、タッチパネルディスプレイが表示部31及び入力部33として機能する。ただし、入力部33は、タッチパネルディスプレイに限らず、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、又はメカニカルなスイッチ等であってもよい。
【0030】
端末通信部34は、ネットワーク5に接続されることで、操作端末3とサーバ4との間の通信を可能にする。一例として、端末通信部34は、ルータ6との間で、Wi-Fi(登録商標)に準拠した近距離無線通信を行う。ルータ6は、ネットワーク5に接続されているので、操作端末3は、ルータ6を介してネットワーク5に接続されることになる。
【0031】
制御部35は、表示部31、音声出力部32、入力部33、及び端末通信部34の各々を制御する。
【0032】
サーバ4は、図2に示すように、記憶部40と、通信部41と、処理部42と、取得部43と、決定部44と、提示部45と、計測部46と、登録部47と、更新部48と、を有している。サーバ4は、CPU及びメモリを有するコンピュータを主構成とする。サーバ4は、コンピュータのメモリに記録されたプログラムをCPUにて実行することにより、取得部43、決定部44、提示部45、処理部42、計測部46、登録部47、及び更新部48等の機能を実現する。プログラムは、コンピュータのメモリに予め記録されていてもよいし、電気通信回線を通じて提供されてもよいし、メモリカード等の記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0033】
記憶部40は、第1記憶部401、第2記憶部402、第3記憶部403、及び第4記憶部404を含んでいる。
【0034】
第1記憶部401は、ユーザの属性を記憶する。1つの施設1について、一人のユーザの属性が記憶されてもよいし、複数人のユーザの属性が記憶されてもよい。本実施形態では、第1記憶部401には、少なくともユーザを識別するための識別情報、及びユーザ同士の関係性(父、母、兄、及び妹)が、施設1の住人である複数人のユーザの各々について記憶される。ここでは、識別情報は、各ユーザが所有する操作端末3の端末IDである。第1記憶部401に記憶される情報は、例えば、操作端末3に対する所定の操作によって適宜設定され、自動的に、又は手動で更新される。
【0035】
第2記憶部402は、ユーザの識別情報(端末ID)と機器2の機器IDとの対応関係を記憶する。本実施形態では、第2記憶部402には、複数台の機器2の各々について、ユーザの識別情報(端末ID)と機器IDとの対応関係が記憶される。具体的には、第2記憶部402には、機器IDごとに、対応するユーザの属性(端末ID)が記憶されている。第2記憶部402に記憶される情報は、例えば、登録部47にて自動的に登録及び更新される。
【0036】
第3記憶部403は、ユーザごとの機器2の利用回数を記憶する。本実施形態では、第3記憶部403には、複数台の機器2の各々について、ユーザごとの利用回数が記憶される。具体的には、第3記憶部403には、機器IDごとに、ユーザの識別情報(端末ID)ごとの利用回数が記憶されている。第3記憶部403に記憶される情報は、計測部46にて随時更新される。
【0037】
第4記憶部404は、施設1に設置されている複数台の機器2の属性を記憶する。機器2の属性は、例えば、機器2を識別するための機器ID、及び機器2の名称等を含んでいる。機器2の名称については、例えば、操作端末3等を用いてユーザが任意に設定できる。機器2の名称は、基本的には、「リビング・照明」のように、機器2が設置されている場所(エリア)と機器2の種別(空調機器、照明機器、又は洗濯機等)との両方を特定可能な名称が設定される。第4記憶部404に記憶される情報は、例えば、操作端末3に対する所定の操作によって適宜設定され、自動的に、又は手動で更新される。
【0038】
通信部41は、ネットワーク5に接続されることで、操作端末3及び機器2と、サーバ4との間の通信を可能にする。
【0039】
処理部42は、操作端末3にて実行される機器操作を実現するための処理を行う。具体的には、処理部42は、通信部41にて操作端末3と通信することにより、例えば、操作端末3にて入力された制御コマンドを受信する。また、処理部42は、通信部41にて操作対象である機器2と通信することにより、例えば、機器2に制御コマンドを送信して機器2の監視と制御との少なくとも一方を実行する。
【0040】
取得部43は、機器操作を操作端末3にて実行するユーザの属性を取得する。具体的には、取得部43は、操作端末3にて機器操作が実行された際に、通信部41から、通信相手である操作端末3の端末IDを、ユーザの属性(識別情報)として取得する。すなわち、本実施形態では、取得部43は、機器操作が実行された操作端末3の端末IDを、ユーザの属性として取得する。
【0041】
決定部44は、取得部43が取得したユーザの属性(端末ID)に応じて、操作端末3に提示させる提示情報の態様を決定する。決定部44は、第2記憶部402に記憶されている情報を参照して、取得部43が取得したユーザの属性に対応付けられた提示情報の態様を、操作端末3に提示させる提示情報の態様として決定する。本実施形態では、決定部44は、複数台の機器2の各々について、ユーザの属性に応じて提示情報の態様を決定する。具体的には、決定部44は、取得部43にて機器操作を実行するユーザの属性が取得されると、このときの操作対象である機器2の機器ID、及びユーザの属性(端末ID)の組み合わせに基づいて、提示情報の態様を決定する。
【0042】
本実施形態では、決定部44は、ユーザの属性に応じて、提示情報の態様を、少なくとも機器2との対応関係の有/無によって、2段階で変化させる。例えば、あるユーザが頻繁に操作する機器2については、このユーザと第2記憶部402にて対応付けておくことにより、ユーザとの対応関係が有る機器2として、提示情報の態様を決定する。一方、あるユーザが殆ど操作しない機器2については、このユーザとの対応関係が無い機器2として、提示情報の態様を決定する。
【0043】
提示部45は、決定部44で決定された態様にて、機器操作に際して提示情報を操作端末3に提示させる。具体的には、提示部45は、通信部41にて操作端末3と通信することにより、例えば、機器操作に際して操作端末3に提示させる情報(提示情報)を、決定部44で決定された態様で送信(配信)する。これにより、操作端末3では、決定部44で決定された態様にて、機器操作に際して提示情報が提示されることになる。
【0044】
本実施形態では、操作端末3はブラウザとして機能するので、提示部45は、提示画面を生成し、生成した提示画面(コンテンツ)を、通信部41に出力し、ネットワーク5を介して操作端末3に配信(送信)する。これにより、提示情報としての提示画面が操作端末3の表示部31に表示される。提示部45は、操作端末3から要求があれば、提示画面を随時、操作端末3に表示させる。また、提示部45は、適当に設定された通知タイミングにて、操作端末3に対してプッシュ通知を行って、提示画面を操作端末3に表示させてもよい。
【0045】
計測部46は、複数台の機器2の各々について、ユーザの属性ごとに利用回数を計測する。具体的には、計測部46は、取得部43にて機器操作を実行するユーザの属性が取得されると、このときの操作対象である機器2の機器ID、及びユーザの属性(端末ID)の組み合わせに基づいて、第3記憶部403に記憶されている情報を更新する。
【0046】
登録部47は、ユーザの識別情報(端末ID)と機器2の機器IDとの対応関係を登録する。具体的には、登録部47は、第3記憶部403に記憶されているユーザごとの機器2の利用回数に基づいて、識別情報(端末ID)と機器2の機器IDとの対応関係を第2記憶部402に登録する。
【0047】
更新部48は、ユーザの属性の変化に応じて提示情報の態様を変化させる。具体的には、更新部48は、第1記憶部401に記憶されているユーザの属性が変化すると、この変化に合わせて、決定部44にて決定される提示情報の態様を更新する。例えば、更新部48は、兄の成長に伴い兄の属性が小学生から中学生に変化すると、提示情報の態様を大人向けの態様に変化させる。
【0048】
(2.3)情報提示方法
次に、本実施形態に係る情報提示方法について説明する。ここでは、上述した情報提示システム10にて、情報提示方法が実現される場合について説明する。
【0049】
本実施形態に係る情報提示方法は、取得ステップと、決定ステップと、提示ステップと、を有している。取得ステップでは、機器操作を操作端末3にて実行するユーザの属性を取得する。つまり、取得ステップでは、取得部43がユーザの属性を取得する処理を行う。決定ステップでは、ユーザの属性に応じて、操作端末3に提示させる提示情報の態様を決定する。つまり、決定ステップでは、決定部44が、取得部43で取得されたユーザの属性に応じて、操作端末3に提示させる提示情報の態様を決定する処理を行う。提示ステップでは、決定ステップで決定された態様にて、機器操作に際して提示情報を操作端末3に提示させる。つまり、提示ステップでは、提示部45が、決定部44で決定された態様にて、機器操作に際して提示情報を操作端末3に提示させる処理を行う。
【0050】
さらに、本実施形態では、機器操作の対象である操作対象は、複数台の機器2からなる。決定ステップでは、複数台の機器2の各々について、ユーザの属性に応じて提示情報の態様を決定する。また、決定ステップでは、ユーザの属性が特定の属性である場合に、提示情報の態様を、複数台の機器2にて共通化する。また、決定ステップでは、提示情報の態様を、ユーザの属性に応じて2段階で変化させる。本実施形態に係る情報提示方法は、ユーザの属性の変化に応じて提示情報の態様を変化させる更新ステップを更に有する。つまり、更新ステップでは、更新部48が、ユーザの属性の変化に応じて提示情報の態様を変化させる。
【0051】
以下、本実施形態に係る情報提示方法について、具体例を挙げて詳しく説明する。ここでは一例として、第1記憶部401に下記表1のようなユーザの属性が記憶されており、第2記憶部402に下記表2のような対応関係が記憶されており、第4記憶部404に下記表3のような機器2の属性が記憶されている場合を想定する。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
【0055】
このような前提において、本実施形態に係る情報提示方法によれば、下記具体例のような処理が実現される。
【0056】
1つ目の具体例として、兄が、兄の部屋R2に設置された機器2C(空調機器)の運転を開始させるための機器操作を実行する場合について説明する。この場合、兄が、自身の所有する操作端末3Bにて、上記の機器操作を開始すると、操作端末3Bからサーバ4に対して、操作要求が送信される。操作要求には、少なくとも操作端末3Bの端末IDと、操作対象である機器2Cの機器IDとが含まれている。サーバ4では、操作要求を受けて、機器操作を操作端末3Bにて実行するユーザの属性を取得する(取得ステップ)。本実施形態では、操作要求に含まれる操作端末3Bの端末IDにより、ユーザの属性が取得されることになる。このとき、サーバ4では、端末IDが「00003」のユーザ(兄)が、操作端末3Bにて機器操作を実行していることが認識される。
【0057】
その後、サーバ4では、ユーザの属性に応じて、操作端末3Bに提示させる提示情報の態様を決定する(決定ステップ)。このとき、サーバ4では、まず第2記憶部402に記憶されている対応関係(表2参照)を参照し、端末IDが「00003」のユーザ(兄)に、機器IDが「0000C」の機器2Cが対応付けられているか否かを確認する。表2の例では、両者は対応付けられているので、サーバ4では、機器2Cについて、このユーザ(兄)との対応関係が有ると判断される。この場合、サーバ4は、第1記憶部401に記憶されている情報を参照して、例えば、機器操作を実行しているユーザの年齢を特定し、この年齢に応じて、提示情報の態様を決定する。機器操作を実行しているユーザが兄である場合は、年齢が「12」であるので、これに応じた提示情報の態様が選択される。具体的には、子供向けの提示情報の文体、言い回し(言葉づかい)、及び語尾等となるように、提示情報の態様が決定される。その結果、サーバ4では、例えば、「CCC君の部屋の空調をつけるね。暑かったら言ってね。」というメッセージを操作端末3Bに表示又は音声出力させるための提示情報を、操作端末3Bに送信する(提示ステップ)。これにより、サーバ4は、決定ステップで決定された態様にて、機器操作に際して提示情報を操作端末3Bに提示させることができる。
【0058】
2つ目の具体例として、父が、寝室R1に設置された機器2A(空調機器)の運転を開始させるための機器操作を実行する場合について説明する。この場合、父が、自身の所有する操作端末3Aにて、上記の機器操作を開始すると、操作端末3Aからサーバ4に対して、操作要求が送信される。操作要求には、少なくとも操作端末3Aの端末IDと、操作対象である機器2Aの機器IDとが含まれている。サーバ4では、操作要求を受けて、機器操作を操作端末3Aにて実行するユーザの属性を取得する(取得ステップ)。本実施形態では、操作要求に含まれる操作端末3Aの端末IDにより、ユーザの属性が取得されることになる。このとき、サーバ4では、端末IDが「00001」のユーザ(父)が、操作端末3Aにて機器操作を実行していることが認識される。
【0059】
その後、サーバ4では、ユーザの属性に応じて、操作端末3Aに提示させる提示情報の態様を決定する(決定ステップ)。このとき、サーバ4では、まず第2記憶部402に記憶されている対応関係(表2参照)を参照し、端末IDが「00001」のユーザ(父)に、機器IDが「0000A」の機器2Aが対応付けられているか否かを確認する。表2の例では、両者は対応付けられているので、サーバ4では、機器2Aについて、このユーザ(父)との対応関係が有ると判断される。この場合、サーバ4は、第1記憶部401に記憶されている情報を参照して、例えば、機器操作を実行しているユーザの年齢を特定し、この年齢に応じて、提示情報の態様を決定する。機器操作を実行しているユーザが父である場合は、年齢が「45」であるので、これに応じた提示情報の態様が選択される。具体的には、大人向けの提示情報の文体、言い回し(言葉づかい)、及び語尾等となるように、提示情報の態様が決定される。その結果、サーバ4では、例えば、「寝室の空調をつけます。暑ければおっしゃってください。」というメッセージを操作端末3Aに表示又は音声出力させるための提示情報を、操作端末3Aに送信する(提示ステップ)。これにより、サーバ4は、決定ステップで決定された態様にて、機器操作に際して提示情報を操作端末3Aに提示させることができる。
【0060】
3つ目の具体例として、兄が、寝室R1に設置された機器2A(空調機器)の運転を開始させるための機器操作を実行する場合について説明する。この場合、兄が、自身の所有する操作端末3Bにて、上記の機器操作を開始すると、操作端末3Bからサーバ4に対して、操作要求が送信される。操作要求には、少なくとも操作端末3Bの端末IDと、操作対象である機器2Aの機器IDとが含まれている。サーバ4では、操作要求を受けて、機器操作を操作端末3Bにて実行するユーザの属性を取得する(取得ステップ)。本実施形態では、操作要求に含まれる操作端末3Bの端末IDにより、ユーザの属性が取得されることになる。このとき、サーバ4では、端末IDが「00003」のユーザ(兄)が、操作端末3Bにて機器操作を実行していることが認識される。
【0061】
その後、サーバ4では、ユーザの属性に応じて、操作端末3Bに提示させる提示情報の態様を決定する(決定ステップ)。このとき、サーバ4では、まず第2記憶部402に記憶されている対応関係(表2参照)を参照し、端末IDが「00003」のユーザ(兄)に、機器IDが「0000A」の機器2Aが対応付けられているか否かを確認する。表2の例では、両者は対応付けられていないので、サーバ4では、機器2Aについて、このユーザ(兄)との対応関係が無いと判断される。この場合、サーバ4は、例えば、ユーザの属性に関係なく規定されているデフォルトの態様となるように、提示情報の態様を決定する。その結果、サーバ4では、例えば、「寝室の空調の運転を開始します。」というメッセージを操作端末3Bに表示又は音声出力させるための提示情報を、操作端末3Bに送信する(提示ステップ)。これにより、サーバ4は、決定ステップで決定された態様にて、機器操作に際して提示情報を操作端末3Bに提示させることができる。
【0062】
ところで、本実施形態に係る情報提示方法は、ユーザの属性の変化に応じて提示情報の態様を変化させる更新ステップを更に有している。すなわち、情報提示システム10は、第1記憶部401に記憶されているユーザの属性が変化すると、この変化に合わせて、更新部48により、提示情報の態様を変化させる。例えば、兄の成長に伴い、兄の年齢が「12」から「13」に変化した場合を考える。この場合、兄の年齢が「12」の状態において、決定ステップでは、例えば、「CCC君の部屋の空調をつけるね。暑かったら言ってね。」というメッセージを操作端末3Bに表示又は音声出力させる。これに対し、兄の年齢が「13」になると、決定ステップでは、例えば、「CCC君の部屋の空調をつけます。暑ければおっしゃってください。」というメッセージを操作端末3Bに表示又は音声出力させる。また、第1記憶部401に記憶されているユーザの属性は、時計(カレンダ)機能等によって、時間経過に伴って自動的に変更されてもよいし、ユーザにより手動で変更されてもよい。また、ユーザの属性の変化は、年齢の変化に限らず、例えば、生活環境の変化(進学、就職等)、又は心境の変化(反抗期、思春期等)等であってもよい。
【0063】
また、決定ステップにて決定される提示情報の態様には、機器2の呼び方(呼び名)が含まれていてもよい。これにより、例えば、操作対象の機器IDと、機器操作を実行するユーザの識別情報とが対応付けられており、かつ同一の識別情報に対して操作対象と同一種別の機器2の機器IDが対応付けられていない場合、提示情報の態様として機器2の設置場所を省略できる。すなわち、操作対象である機器2が、同一種別の機器2としては、このユーザに対応付けられている唯一の機器2である場合、提示情報では、機器2の名称から設置場所が省略されてもよい。例えば、寝室R1の照明機器である機器2Bについて、この機器2Bに対応付けられていないユーザ(例えば妹)が機器操作を実行する際には、機器2Bを「寝室の照明」と呼ぶように、提示情報の態様が決定される。一方、これと同一の機器2Bについて、この機器2Bに対応付けられているユーザ(例えば父)が機器操作を実行する際には、機器2Bを単に「照明」と呼ぶように、提示情報の態様が決定される。
【0064】
また、決定ステップでは、ユーザの属性が特定の属性である場合に、提示情報の態様を、複数台の機器2にて共通化してもよい。すなわち、例えば、ユーザの属性が施設1の管理者としての属性である場合には、施設1に設置されている全ての機器2について、提示情報の態様が統一されてもよい。ユーザの属性が特定の属性であるか否かは、例えば、ユーザの属性に、管理者フラグを含めることにより、管理者フラグの有/無により判定することができる。また、ユーザの属性に含まれている「関係性」が、例えば、「父」又は「母」のように、施設1を管理する立場であることを示す場合に、サーバ4は、ユーザの属性が特定の属性であると判定してもよい。例えば、ユーザの属性が特定の属性となる父が機器操作を実行する場合、操作対象が、父に対応付けられている機器2Aでも、父に対応付けられていない機器2Cでも、提示情報の態様が同一になる。要するに、機器2Aの操作に際しては、提示ステップでは、上記2つ目の具体例のように、例えば、「寝室の空調をつけます。暑ければおっしゃってください。」というメッセージを操作端末3Aに表示又は音声出力させる。機器2Cの操作に際してもこれと同様に、提示ステップでは、例えば、「兄の部屋の空調をつけます。暑ければおっしゃってください。」というメッセージを操作端末3Aに表示又は音声出力させる。
【0065】
また、決定ステップにおいて、機器操作の度に提示情報の態様を決定し直すことは必須ではなく、例えば、一度決定した提示情報の態様を、以降の機器操作の際に援用してもよい。すなわち、例えば、決定部44が決定した提示情報の態様を、第2記憶部402(又はその他の記憶部)に、ユーザの識別情報(端末ID)及び機器2の機器IDの組み合わせと対応付けて記憶することで、一度決定した提示情報の態様を再利用可能となる。例えば、上記1つ目の具体例のように、兄が、兄の部屋R2に設置された機器2Cの機器操作を実行した際に、子供向けの提示情報の文体、言い回し(言葉づかい)、及び語尾等となるように、提示情報の態様が決定された場合を想定する。この場合、兄の識別情報「00003」、及び機器2Cの機器ID「0000C」の組み合わせと対応付けて、上記の提示情報の態様が、例えば、第2記憶部402に記憶される。この場合において、再び、兄が、兄の部屋R2に設置された機器2Cの機器操作を実行すると、決定部44は、上記の提示情報の態様を読み出すだけで、提示情報の態様を決定することができる。これにより、2回目以降の機器操作に際しては、決定ステップにおいて、ユーザ(兄)に機器2Cが対応付けられているか否かを確認したり、ユーザの年齢を特定したりする処理が不要となり、処理の簡略化を図ることができる。
【0066】
(2.4)登録動作
次に、本実施形態に係る情報提示方法において、ユーザの識別情報(端末ID)と機器2の機器IDとの対応関係を登録する登録部47の動作(登録処理)について、図3のフローチャートを参照して説明する。
【0067】
すなわち、本実施形態に係る情報提示方法は、複数台の機器2の各々について、ユーザの属性ごとに利用回数を計測部46にて計測する計測ステップを更に有している。図3に示すように、登録部47は、第3記憶部403に記憶されている情報(利用回数)が計測部46にて更新されると、更新された利用回数を第3記憶部403から取得する(S1)。このとき、登録部47では、更新された利用回数を、対応するユーザの識別情報(端末ID)及び機器IDと共に取得する。次に、登録部47は、取得したユーザの識別情報(端末ID)と機器IDとの対応関係が、第2記憶部402に登録(記憶)されているか否かを判断する(S2)。対応関係が登録済みであれば(S2:Yes)、登録部47は登録処理を終了する。対応関係が登録済みでなければ(S2:No)、登録部47は、取得した利用回数を所定の閾値(例えば30回)と比較する(S3)。利用回数が閾値以下であれば(S4:No)、登録部47は登録処理を終了する。利用回数が閾値より多ければ(S4:Yes)、登録部47は、取得したユーザの識別情報(端末ID)と機器IDとの対応関係を、第2記憶部402に登録(記憶)する(S5)。
【0068】
ここまでの処理(S1~S5)により、例えば、機器2Gを妹が頻繁に利用した結果、兄による機器2Gの利用回数が閾値を超えれば、妹の識別情報「00004」と、機器2Gの機器ID「0000G」との対応関係が、第2記憶部402に登録される。
【0069】
さらに、図3の例では、登録部47は、ステップS5で登録した機器IDの機器2と、設置場所が同一である機器2を「別の機器2」とし、別の機器2の利用回数を第3記憶部403から取得する(S6)。登録部47は、この別の機器2の機器IDと上記ユーザの識別情報(端末ID)との対応関係が、第2記憶部402に登録(記憶)されているか否かを判断する(S7)。対応関係が登録済みであれば(S7:Yes)、登録部47は登録処理を終了する。対応関係が登録済みでなければ(S7:No)、登録部47は、上記ユーザの識別情報(端末ID)と別の機器2の機器IDとの対応関係を、第2記憶部402に登録(記憶)する(S8)。
【0070】
ステップS6~S8によれば、例えば、ステップS5にて妹と機器2Gとの対応関係が登録された場合、機器2Gと設置場所が同一(つまりリビングR4)である機器2Hについても、妹との対応関係が第2記憶部402に登録されることになる。ただし、ステップS6~S8は、登録部47の動作(登録処理)において必須ではない。
【0071】
以上説明したように、登録処理によれば、ユーザごとの機器2の利用回数に基づいて、ユーザの識別情報(端末ID)と機器2の機器IDとの対応関係が自動的に登録(更新)される。そして、「(2.3)情報提示方法」の欄で説明したように、決定ステップでは、このようにして登録される対応関係に基づいて、提示情報の態様が決定されることになる。結果的に、決定ステップでは、複数台の機器2の各々について、ユーザの属性に対応する利用回数に基づいて、提示情報の態様が決定されることになる。
【0072】
(3)変形例
上記実施形態は、本発明の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記実施形態は、本発明の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下に、上記実施形態の変形例について列記する。なお、以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0073】
第1の変形例として、決定ステップでは、提示情報の態様を、ユーザの属性に応じて3段階以上で変化させてもよい。すなわち、上記実施形態においては、決定ステップでは、ユーザの属性に応じて、提示情報の態様を、機器2との対応関係の有/無により2段階で変化させているが、3段階以上で変化させてもよい。例えば、第2記憶部402に記憶されているユーザの識別情報(端末ID)と機器2の機器IDとの対応関係を、「親近度」として数値化することによって、提示情報の態様を3段階以上で変化させることができる。この場合、決定ステップでは、ユーザの属性に応じて、提示情報の態様を、機器2との対応関係である「親近度」の大きさにより、3段階以上で変化させることになる。例えば、ユーザごとの機器2の利用回数が増えるにつれて、「親近度」を「1」、「2」、「3」というように、段階的に大きくする。そして、決定ステップでは、「親近度」に合せて提示情報の態様を変えることにより、提示情報の態様を、ユーザの属性に応じて3段階以上で変化させることができる。
【0074】
第1の変形例の具体例として、兄が、兄の部屋R2に設置された機器2C(空調機器)の運転を開始させるための機器操作を実行する場合について説明する。この場合に、第2記憶部402に記憶されている対応関係(親近度)が「1」であれば、決定ステップでは、「CCC君の部屋の空調をつけるね。」というメッセージを操作端末3Bに表示又は音声出力させる。また、第2記憶部402に記憶されている対応関係(親近度)が「2」であれば、決定ステップでは、「CCC君の部屋の空調をつけるね。暑かったら言ってね。」というメッセージを操作端末3Bに表示又は音声出力させる。また、第2記憶部402に記憶されている対応関係(親近度)が「3」であれば、決定ステップでは、「今日も暑いね。CCC君の部屋の空調をつけるね。」というメッセージを操作端末3Bに表示又は音声出力させる。
【0075】
また、識別情報(端末ID)と機器2の機器IDとの対応関係(又は第1変形例における親近度)は、ユーザごとの機器2の利用回数以外の情報に基づいて登録されてもよい。例えば、ユーザごとの機器2の利用時間(累積時間)、又は一定期間における利用頻度等に基づいて、識別情報(端末ID)と機器2の機器IDとの対応関係(又は第1変形例における親近度)が自動的に登録されてもよい。また、操作端末3に対する所定の操作によって、識別情報(端末ID)と機器2の機器IDとの対応関係(又は第1変形例における親近度)が手動で設定されてもよい。
【0076】
また、複数台の機器2がある場合に、提示情報の態様が機器2ごとに異なってもよい。例えば、兄の部屋R2の機器2C(空調機器)と機器2D(照明機器)とが、いずれも兄に対応付けられている場合に、機器2Cと機器2Dとで、兄による機器操作に際しての提示情報の態様が異なっていてもよい。言い換えれば、同一のユーザに対応付けされている機器2(機器2C及び機器2D)同士でも、機器操作に際しての提示情報の態様が異なってもよい。これにより、情報提示システム10は、ユーザに対し、機器2ごとに異なる人格が付与されているように見せかけることができる。
【0077】
また、情報提示システム10が適用される施設1は、住宅以外の施設、例えば、福祉施設、病院、事務所又は店舗等の非住宅であってもよい。
【0078】
また、情報提示システム10は、上記実施形態では、サーバ4、及び操作端末3にて実現されているが、この構成に限らず、例えば、サーバ4、及び操作端末3の一方のみで実現されてもよい。例えば、取得部43、決定部44、及び提示部45の機能が、全て操作端末3に設けられていてもよく、この場合、サーバ4は情報提示システム10に必須の構成でない。取得部43、決定部44、及び提示部45の機能が操作端末3に設けられている場合、サーバ4から配信される提示情報はユーザの属性によらず、操作端末3が実際に提示(表示)する提示情報が、ユーザの属性に応じて変化する。
【0079】
また、取得部43、決定部44、及び提示部45のうちの少なくとも1つの機能が、サーバ4、及び操作端末3に分散して設けられてもよい。また、サーバ4、及び操作端末3の各々の機能が、複数の装置に分散して設けられていてもよい。例えば、サーバ4の機能が複数の装置(サーバ)に分散して設けられる場合には、取得部43と決定部44とが別々の装置に設けられてもよい。情報提示システム10の少なくとも一部の機能は、例えば、クラウド(クラウドコンピューティング)によって実現されてもよい。
【0080】
また、情報提示システム10は、例えば、施設1内に設置されるローカル装置を更に備えていてもよい。ローカル装置は、ネットワーク5を介してサーバ4と通信可能に構成される。また、ローカル装置は、ネットワーク5若しくはルータ6を介して、又は直接的に、施設1に設置されている機器2と通信可能に構成される。ローカル装置と機器2とが直接的に通信する場合、両者間の通信方式は、例えば、免許を必要としない小電力無線(特定小電力無線)、又はWi-Fi(登録商標)等の無線通信である。ローカル装置は、いわゆるHEMS(Home Energy Management System)コントローラであって、機器2の監視及び制御を実行する。この場合、情報提示システム10の機能は、サーバ4とローカル装置とに分散して設けられてもよい。
【0081】
また、操作端末3は、スマートフォン又はタブレット端末等の携帯情報端末に限らず、例えば、施設1内の定位置に設置される専用のモニタ装置、パーソナルコンピュータ、又はスマートテレビ等のネットワーク5に接続可能な情報端末であってもよい。
【0082】
また、上記実施形態では、操作端末3ごとに所有者が異なっているため、個々の操作端末3に設定された端末IDが、ユーザを識別するための識別情報として用いられているが、識別情報が端末IDとは異なっていてもよい。例えば、ログインID(ユーザID)、生体情報(指紋、声紋、及び虹彩等)、又は行動パターン等が、ユーザを識別するための識別情報として用いられてもよい。この場合、複数のユーザが操作端末3を共用しても、実際に機器操作を実行するユーザを、識別情報にて識別することが可能である。
【0083】
また、機器2、操作端末3、及びサーバ4間の通信方式は、上述した例に限らず、例えば、有線通信であってもよい。
【0084】
また、操作対象となる機器2は、空調機器及び照明機器に限らず、例えば、空気清浄機、電動シャッタ、給湯機、テレビ受像機、洗濯機、及び冷蔵庫等であってもよいし、太陽光発電設備等の電力を生成する機器であってもよい。
【0085】
また、上記実施形態では、機器操作に際して操作端末3に提示させる提示情報の態様を、機器操作を実行するユーザの属性に応じて決定することについて説明したが、操作端末3に対する入力についても、ユーザの属性に応じて態様が異なってもよい。具体例として、父に対応付けられている寝室R1に設置された機器2A(空調機器)についての機器操作を例示する。この場合、父が機器操作を実行する場合には、ユーザ(父)が「いつもの温度にして。」と言うだけで、情報提示システム10は、規定の設定温度になるよう機器2Aを制御する。一方、兄が機器操作を実行する場合には、ユーザ(兄)が「いつもの温度にして。」と言ったとしても、情報提示システム10は、ユーザからの指示を無効にし、機器2Aの制御は行わない。
【0086】
また、上記実施形態に係る情報提示方法によれば、施設1内に居るユーザが機器操作を実行する場合に限らず、施設1外に居るユーザが機器操作を実行する場合にも、同様に提示情報の態様を、ユーザの属性に応じて変化させることができる。この場合、端末通信部34は、通信事業者が提供する携帯電話網(キャリア網)を介して、ネットワーク5に接続される。携帯電話網には、例えば3G(第3世代)回線、LTE(Long Term Evolution)回線等がある。端末通信部34は、公衆無線LAN(Local Area Network)を介してネットワーク5に接続されてもよい。一例として、インターホン装置(親機)からなる機器2に関して、来客の通知又は子器で撮像された映像等を提示情報として、施設1外のユーザに提示する場合について説明する。この場合において、外出中の妹の操作端末3Dに提示情報を提示させるときには、例えば「お客さんだよ。知らない人ならお父さんに知らせてね。」等の、子供向けの態様で提示情報を提示させる。一方、外出中の父の操作端末3Aに提示情報を提示させるときには、例えば「来客ですよ。」等の、大人向けの態様で提示情報を提示させる。
【0087】
(4)まとめ
以上説明したように、第1の態様に係る情報提示方法は、取得ステップと、決定ステップと、提示ステップと、を有する。取得ステップでは、施設1に設置されている1台以上の機器2を操作対象として、操作対象の監視と制御との少なくとも一方のための機器操作を操作端末3にて実行するユーザの属性を取得する。決定ステップでは、ユーザの属性に応じて、操作端末3に提示させる提示情報の態様を決定する。提示ステップでは、決定ステップで決定された態様にて、機器操作に際して提示情報を操作端末3に提示させる。
【0088】
この態様によれば、機器操作に際して操作端末3に提示される提示情報がどのような態様で提示されるかが、機器操作を実行するユーザの属性によって変化する。言い換えれば、機器操作のために操作端末3に提示される提示情報の態様は、固定的ではなく、実際に機器操作を行うユーザによって変化する。特に、例えばユーザの年齢等、ユーザの属性に応じて、提示情報の態様を変えることによって、機械的ではなく、ユーザの属性に合せた個性を持つ、ユーザインタフェースを実現することができる。これにより、ユーザに対しては、機器操作に際し、施設1、又は施設1に設置されている機器2が人格を有するように見せかけることができる。したがって、この情報提示方法によれば、機器2についての情報がユーザに受け入れられやすくなる、という利点がある。
【0089】
第2の態様に係る情報提示方法は、第1の態様において、操作対象は複数台の機器2からなり、決定ステップでは、複数台の機器2の各々について、ユーザの属性に応じて提示情報の態様を決定することが好ましい。この態様によれば、複数台の機器2について一律に提示情報の態様が決定されるのではなく、機器2ごとに提示情報の態様が決定されることになる。したがって、例えば、頻繁に利用する機器2については、提示情報の態様を、ユーザが親近感を感じるような態様とすることで、機器操作に際し、ユーザに親近感を与えることができる。反対に、殆ど利用しない機器2については、提示情報の態様を、ユーザが他人行儀に感じるような態様とすることで、機器操作に際し、ユーザによそよそしい感覚を与えることができる。その結果、特定の機器2の操作に際し、ユーザに特別感を与えることができる。
【0090】
第3の態様に係る情報提示方法は、第2の態様において、複数台の機器2の各々について、ユーザの属性ごとに利用回数を計測する計測ステップを更に有する。決定ステップでは、複数台の機器2の各々について、ユーザの属性に対応する利用回数に基づいて、提示情報の態様を決定することが好ましい。この態様によれば、機器2の利用回数に応じて提示情報の態様が自動的に決定されるので、例えば、頻繁に利用する機器2については、提示情報の態様を、ユーザが親近感を感じるような態様とすることで、機器操作に際し、ユーザに親近感を与えることができる。
【0091】
第4の態様に係る情報提示方法は、第2又は3の態様において、決定ステップでは、ユーザの属性が特定の属性である場合に、提示情報の態様を、複数台の機器2にて共通化することが好ましい。この態様によれば、例えば、施設1を管理する立場であるユーザが機器操作を実行する場合に、機器2ごとに提示情報の態様を変えず、複数台の機器2にて提示情報の態様を共通化することで、ユーザが煩わしく感じにくい。
【0092】
第5の態様に係る情報提示方法は、第1~4のいずれかの態様において、決定ステップでは、提示情報の態様を、ユーザの属性に応じて2段階で変化させることが好ましい。この態様によれば、例えば、ユーザと機器2との対応関係の有/無により、提示情報の態様を2段階で変化させればよく、提示情報の態様が多様化することによる処理リソースの増加を抑制できる。
【0093】
第6の態様に係る情報提示方法は、第1~4のいずれかの態様において、決定ステップでは、提示情報の態様を、ユーザの属性に応じて3段階以上で変化させることが好ましい。この態様によれば、例えば、ユーザと機器2との対応関係である「親近度」の大きさにより、提示情報の態様を3段階以上で変化させることで、提示情報の態様を多様化することができる。
【0094】
第7の態様に係る情報提示方法は、第1~6のいずれかの態様において、ユーザの属性の変化に応じて提示情報の態様を変化させる更新ステップを更に有することが好ましい。この態様によれば、例えばユーザの年齢等、ユーザの属性が変化すれば、これに応じて提示情報の態様も自動的に変化するため、ユーザの属性の変化に合わせた、適切な態様の提示情報を提示させることができる。
【0095】
第8の態様に係るプログラムは、コンピュータシステムに、第1~7のいずれかの態様に係る情報提示方法を実行させるためのプログラムである。すなわち、上述した情報提示方法と同等の機能は、上記プログラムによっても具現化することができる。このようなプログラムは、例えばコンピュータシステムの1つ又は複数のコンピュータにて実行される。プログラムは、インターネット等の電気通信回線を通じて提供されてもよいし、メモリカード等の記録媒体に記録されて提供されてもよいし、コンピュータのメモリに予め記録されていてもよい。このプログラムによれば、機器2についての情報がユーザに受け入れられやすくなる、という利点がある。
【0096】
第9の態様に係る情報提示システム10は、取得部43と、決定部44と、提示部45と、を備える。取得部43は、施設1に設置されている1台以上の機器2を操作対象として、操作対象の監視と制御との少なくとも一方のための機器操作を操作端末3にて実行するユーザの属性を取得する。決定部44は、ユーザの属性に応じて、操作端末3に提示させる提示情報の態様を決定する。提示部45は、決定部44で決定された態様にて、機器操作に際して提示情報を操作端末3に提示させる。すなわち、上述した情報提示方法と同等の機能は、上記情報提示システム10によっても具現化することができる。この情報提示システム10によれば、機器2についての情報がユーザに受け入れられやすくなる、という利点がある。
【0097】
上記プログラム又は情報提示システム10によって情報提示方法が具現化される場合でも、上述した種々の構成、及び変形例を適宜組み合わせて適用可能である。
【0098】
また、第2~7の態様は、情報提示方法において必須ではなく、適宜省略可能である。
【符号の説明】
【0099】
1 施設
2,2A~2H 機器
3,3A~3D 操作端末
10 情報提示システム
43 取得部
44 決定部
45 提示部
図1
図2
図3