(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-27
(45)【発行日】2023-08-04
(54)【発明の名称】タッチセンサ、配線器具
(51)【国際特許分類】
H01H 36/00 20060101AFI20230728BHJP
G06F 3/041 20060101ALI20230728BHJP
【FI】
H01H36/00 J
G06F3/041 422
(21)【出願番号】P 2018182925
(22)【出願日】2018-09-27
【審査請求日】2021-02-24
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】前嶋 真行
【審査官】高橋 裕一
(56)【参考文献】
【文献】台湾特許出願公開第201415316(TW,A)
【文献】特開2012-129171(JP,A)
【文献】特開2010-077636(JP,A)
【文献】特開平11-134987(JP,A)
【文献】国際公開第2015/199087(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0261242(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 36/00
G06F 3/03
3/041 - 3/047
H03K 17/74 - 17/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチ操作を検知する静電容量式のタッチセンサであって、
少なくとも1つの基材
と、第1層と、第2層と、を含む基板を備え、
前記第1層は、前記少なくとも1つの基材のうち一の基材の、第1面の上に設けられ、
前記第2層は、前記一の基材の、前記第1面とは反対側の第2面の上に設けられ、
前記タッチセンサは、
前記第1層に形成されたセンサ電極と、
前記基板の厚さ方向において少なくとも一部が前記センサ電極と重なるように前記第2層に形成されており、前記センサ電極との間に寄生容量が形成されるグランド電極と、を更に備え、
前記センサ電極と前記グランド電極との
うち、前記グランド電極のみ、前記基板の厚さ方向において前記センサ電極と前記グランド電極とが重なる領域内に形成された複数の貫通孔を含み、
前記グランド電
極は、網状に形成されており、前記複数の貫通孔が複数の網目として形成されている、
タッチセンサ。
【請求項2】
タッチ操作を検知する静電容量式のタッチセンサであって、
第1層及び第2層を有する基板と、
前記第1層に形成されたセンサ電極と、
前記基板の厚さ方向において少なくとも一部が前記センサ電極と重なるように前記第2層に形成されており、前記センサ電極との間に寄生容量が形成されるグランド電極と、を備え、
前記センサ電極と前記グランド電極とのうち、前記グランド電極のみ
、前記基板の厚さ方向において前記センサ電極と前記グランド電極とが重なる領域内に形成された複数の貫通孔
を含み、
前記基板は、第3層及び第4層を更に有し、
前記第1層は、前記基板の第1表面側の層であり、
前記第2層は、前記基板の内側の層であって前記グランド電極としての第1グランド電極が形成され、
前記第3層は、前記第2層に対して前記第1層とは反対側に形成された前記基板の内側の層であって、第2グランド電極が形成され、
前記第4層は、前記第3層に対して前記第2層とは反対側に形成された前記基板の第2表面側の層であって、前記タッチ操作を検知するための電子部品が配置される、
タッチセンサ。
【請求項3】
前記グランド電極は、網状に形成されており、前記複数の貫通孔が複数の網目として形成されている、
請求項2に記載のタッチセンサ。
【請求項4】
前記複数の貫通孔は、前記基板の表面に沿った方向において規則的に並んで形成されている、
請求項1~3のいずれか1項に記載のタッチセンサ。
【請求項5】
前記複数の貫通孔の各々の開口寸法は、前記タッチ操作の検知結果に応じて送信される無線信号の波長の四分の一以下である、
請求項1~4のいずれか1項に記載のタッチセンサ。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載のタッチセンサと、
前記タッチセンサによる前記タッチ操作の検知結果に基づいて、負荷を制御する制御回路と、を備える、
配線器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般にタッチセンサ、及び配線器具に関し、より詳細には静電容量式のタッチセンサ、及び配線器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、タッチセンサ部(タッチセンサ)を備えたスイッチ装置(配線器具)がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1のスイッチ装置は、スイッチ本体と、操作ユニットとを備えている。
【0004】
操作ユニットは、人の操作(タッチ操作)を検知するタッチセンサ部と、タッチセンサ部を収納する扁平な箱状のハウジングとを有し、ハウジングの前面をタッチセンサ部の検知面とするように構成されている。
【0005】
スイッチ装置は、タッチセンサ部の検知結果に応じて、外部電源から負荷への給電を入切するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
タッチセンサにおいて、タッチ操作の検知精度の向上が望まれている。
【0008】
本開示は、上記事由に鑑みてなされており、その目的は、タッチ操作の検知精度の向上を図ることができるタッチセンサ、及び配線器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一態様に係るタッチセンサは、タッチ操作を検知する静電容量式のタッチセンサである。前記タッチセンサは、基板と、センサ電極と、グランド電極と、を備える。前記基板は、少なくとも1つの基材と、第1層と、第2層と、を含む。前記第1層は、前記少なくとも1つの基材のうち一の基材の、第1面の上に設けられる。前記第2層は、前記一の基材の、前記第1面とは反対側の第2面の上に設けられる。前記センサ電極は、前記第1層に形成されている。前記グランド電極は、前記基板の厚さ方向において少なくとも一部が前記センサ電極と重なるように前記第2層に形成されており、前記センサ電極との間に寄生容量が形成される。前記センサ電極と前記グランド電極とのうち、前記グランド電極のみ、前記基板の厚さ方向において前記センサ電極と前記グランド電極とが重なる領域内に形成された複数の貫通孔を含む。前記グランド電極は、網状に形成されており、前記複数の貫通孔が複数の網目として形成されている。
本開示の別の一態様に係るタッチセンサは、タッチ操作を検知する静電容量式のタッチセンサである。前記タッチセンサは、基板と、センサ電極と、グランド電極と、を備える。前記基板は、第1層及び第2層を有する。前記センサ電極は、前記第1層に形成されている。前記グランド電極は、前記基板の厚さ方向において少なくとも一部が前記センサ電極と重なるように前記第2層に形成されており、前記センサ電極との間に寄生容量が形成される。前記センサ電極と前記グランド電極とのうち、前記グランド電極のみ、前記基板の厚さ方向において前記センサ電極と前記グランド電極とが重なる領域内に形成された複数の貫通孔を含む。前記基板は、第3層及び第4層を更に有する。前記第1層は、前記基板の第1表面側の層である。前記第2層は、前記基板の内側の層であって前記グランド電極としての第1グランド電極が形成される。前記第3層は、前記第2層に対して前記第1層とは反対側に形成された前記基板の内側の層であって、第2グランド電極が形成される。前記第4層は、前記第3層に対して前記第2層とは反対側に形成された前記基板の第2表面側の層であって、前記タッチ操作を検知するための電子部品が配置される。
【0010】
本開示の一態様に係る配線器具は、前記タッチセンサと、前記タッチセンサによるタッチ操作の検知結果に基づいて、負荷を制御する制御回路と、を備える。
【発明の効果】
【0011】
本開示では、タッチ操作の検知精度の向上を図ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本開示の一実施形態に係るタッチセンサを含む配線器具のブロック図である。
【
図3】
図3は、同上の配線器具が備える操作ユニットの分解斜視図である。
【
図4】
図4Aは、同上のタッチセンサが備える基板の第1層の概略図である。
図4Bは、同上の基板の第2層の概略図である。
図4Cは、同上の基板の第3層の概略図である。
図4Dは、同上の基板の第4層の概略図である。
【
図5】
図5は、同上の基板の第2層に形成された第1グランド電極の拡大図である。
【
図6】
図6は、本開示の一実施形態の第1変形例に係るタッチセンサにおける基板の第2層の概略図である。
【
図7】
図7は、本開示の一実施形態の第2変形例に係るタッチセンサにおける基板の第2層の概略図である。
【
図8】
図8は、本開示の一実施形態の第3変形例に係るタッチセンサにおける基板の第2層の概略図である。
【
図9】
図9Aは、本開示の一実施形態の第4変形例に係るタッチセンサにおける基板の第1層の概略図である。
図9Bは、同上の基板の第2層の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に説明する実施形態及び変形例は、本開示の一例に過ぎず、本開示は、実施形態及び変形例に限定されない。この実施形態及び変形例以外であっても、本開示の技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0014】
本実施形態に係る配線器具10について、
図1~
図5を参照して説明する。
【0015】
本実施形態の配線器具10は、電源40から負荷41への給電を制御するスイッチ装置である。配線器具10は、例えば、取付枠100(
図2参照)を用いて、壁に予め形成された孔に埋込配設される。電源40は、例えば商用電源である。負荷41は、例えば、照明器具、換気扇などの電気機器である。
【0016】
配線器具10は、スイッチ本体1と、操作ユニット2と、を備えている。
【0017】
まず、スイッチ本体1について説明する。
【0018】
スイッチ本体1は、電源40から負荷41への給電を制御するように構成されている。スイッチ本体1は、スイッチ素子11と、制御回路12と、電源回路13と、第1通信部14と、第2通信部15と、を備えている。スイッチ本体1は、さらに、コネクタ16と、一対の電源端子171A,171Bと、一対の負荷端子172A,172Bと、一対の信号端子173A,173Bと、を備えている。
【0019】
スイッチ素子11は、例えば、双方向サイリスタである。スイッチ素子11は、電源端子171Bと負荷端子172Bとの間に電気的に接続されている。スイッチ素子11は、電源端子171B及び負荷端子172Bを介して、電源40と負荷41との直列回路と電気的に接続されている。スイッチ素子11の制御端子は、制御回路12と電気的に接続されている。
【0020】
スイッチ本体1は、例えばプロセッサ及びメモリを有するマイクロコンピュータを有する。そして、プロセッサがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、マイクロコンピュータが制御回路12として機能する。プロセッサが実行するプログラムは、ここではマイクロコンピュータのメモリに予め記録されているが、メモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて提供されてもよい。
【0021】
制御回路12は、スイッチ素子11のオン/オフを制御する。また、制御回路12は、第1通信部14及び第2通信部15を制御する。
【0022】
電源回路13は、電源40が出力する交流電圧を直流電圧に変換するように構成されている。電源回路13は、例えばAC/DCコンバータである。電源回路13は、交流電圧から変換した直流電圧を制御回路12に出力する。電源回路13は、電源端子171Bと負荷端子172Aとの間に電気的に接続されている。電源回路13は、電源端子171B及び負荷端子172Aを介して電源40と電気的に接続されている。電源回路13は、制御回路12と電気的に接続されている。電源回路13は、電源40から供給された交流電圧を直流電圧に変換して制御回路12に出力する。
【0023】
制御回路12は、電源回路13から供給される電力によって動作する。また、制御回路12は、電源回路13から供給された電力を基に、コネクタ16を介して操作ユニット2に電力を供給する。つまり、電源回路13は、制御回路12を介して操作ユニット2に電力を供給する。
【0024】
一対の電源端子171A,171Bは、互いに電気的に接続されている。電源端子171Aは、例えば送り配線に利用される。
【0025】
第1通信部14は、有線通信を可能とする通信インタフェースである。第1通信部14は、一対の信号端子173A,173Bと電気的に接続されている。一対の信号端子173A,173Bは、一対の信号線が接続される。一対の信号端子173A,173Bは、一対の信号端子173A,173Bを介して、一対の信号線と電気的に接続される。一対の信号端子173A,173Bは、一対の信号線を介して、他の配線器具10におけるスイッチ本体1の一対の信号端子173A,173Bと電気的に接続される。また、第1通信部14は、制御回路12と電気的に接続されている。
【0026】
第1通信部14は、例えば、他の配線器具10から一対の信号線を用いて送信された制御信号(第1制御信号)を、一対の信号端子173A,173Bを介して受信する。第1通信部14は、受信した第1制御信号を制御回路12に出力する。また、第1通信部14は、例えば、制御回路12からの制御信号(第2制御信号)を、一対の信号端子173A,173B及び一対の信号線を介して、他の配線器具10へ送信する。
【0027】
第2通信部15は、電波を媒体とする無線通信を可能とする通信インタフェースである。本実施形態では、第2通信部15は、免許を必要としない小電力無線(特定小電力無線)の通信方式での無線通信が可能に構成されている。小電力無線については、用途等に応じて使用する周波数帯域や空中線電力などの仕様が各国で規定されている。日本国においては、400MHz帯又は900MHz帯の電波を使用する小電力無線が規定されている。また、第2通信部15は、2.4GHz帯の電波を使用するBluetooth(登録商標)の通信方式で無線通信を行うように構成されていてもよい。
【0028】
第2通信部15は、制御回路12と電気的に接続されている。第2通信部15は、例えば制御装置から無線通信により送信された制御信号(第3制御信号)を受信する。第2通信部15は、受信した第3制御信号を制御回路12に出力する。また、第2通信部15は、例えば、制御回路12からの制御信号(第4制御信号)を、無線通信により制御装置に送信する。
【0029】
コネクタ16は、スイッチ本体1と操作ユニット2との電気的及び機械的な接続に用いられる。コネクタ16は、制御回路12と電気的に接続されている。
【0030】
スイッチ本体1は、筐体18を更に備えている(
図2参照)。筐体18は、例えば合成樹脂により矩形箱状に形成されている。スイッチ素子11、制御回路12、電源回路13、第1通信部14、第2通信部15等は、基板に実装された状態で筐体18に収納されている。また、コネクタ16は、筐体18の前面から露出している。一対の電源端子171A,171Bと、一対の負荷端子172A,172Bと、一対の信号端子173A,173Bとは、筐体18の後面から露出している。
【0031】
次に、操作ユニット2について説明する。
【0032】
操作ユニット2は、例えば、人により入力された操作(タッチ操作)を受け付けるように構成されている。操作ユニット2は、スイッチ本体1の前方に取り付けられる。操作ユニット2は、例えば、入力された操作に応じた操作信号を、スイッチ本体1に出力する。
【0033】
操作ユニット2は、タッチセンサ3と、コネクタ21と、筐体22(
図3参照)と、を備えている。
【0034】
タッチセンサ3は、静電容量式のタッチセンサであり、例えば、人体の手指等によるタッチ操作を寄生容量(静電容量)の変化により検出する。タッチ操作は、タップ操作、ロングタップ操作、スワイプ操作、スライド操作、フリック操作、ピンチ操作等を含む。
【0035】
筐体22は、ベース23とパネル24とで扁平な矩形箱状に形成されている。
【0036】
ベース23は、例えば合成樹脂により形成されており、長方形状の底壁230と、底壁230の周縁部から前方へ突出する矩形枠状の周壁231とを有する。底壁230と周壁231とで囲まれる収納空間に、タッチセンサ3の基板30が収納される。基板30は、複数のねじによりベース23の底壁230に固定される。
【0037】
パネル24は、ポリカーボネートなどの合成樹脂材料により、矩形平板状に形成されている。パネル24は、透光性及び電気絶縁性を有する。パネル24は、光拡散材の混入や凹凸加工、スクリーン印刷等により、比較的に高い光拡散性を有することが好ましい。パネル24は、透光性及び電気絶縁性を有する粘着シート25により、ベース23の開口を覆うように基板30の前面303に取り付けられる。パネル24の前面240は、ユーザがタッチ操作を行うための操作面として機能する。
【0038】
基板30は、多層のプリント基板である。基板30の前面303には、複数のセンサ電極31が形成されている(
図4A参照)。基板30の内側の層には、第1グランド電極32(グランド電極)が形成されている(
図4B参照)。複数のセンサ電極31の各々と第1グランド電極32との間には、寄生容量が形成されている。また、基板30の後面304には、抵抗、コンデンサ、インダクタ等を含む複数の電子部品が実装されている。複数の電子部品には、寄生容量の変化に基づいてタッチ操作を検知する検知部34(
図1、
図4D参照)が含まれる。基板30の詳細な構成については後述する。
【0039】
検知部34は、例えばプロセッサ及びメモリを有するマイクロコンピュータを有する。そして、プロセッサがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、マイクロコンピュータが検知部34として機能する。プロセッサが実行するプログラムは、ここではマイクロコンピュータのメモリに予め記録されているが、メモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて提供されてもよい。
【0040】
検知部34は、各センサ電極31の寄生容量を監視している。例えば、ユーザが指でパネル24の前面240(操作面)に触れた場合、ユーザの指とセンサ電極31との間に新たな寄生容量が形成される。つまり、センサ電極31は、第1グランド電極32との間、及びユーザの指との間の両方に寄生容量が形成される。そのため、センサ電極31の寄生容量が増加することとなる。検知部34は、センサ電極31の寄生容量の変化(増加)を検知することにより、タッチ操作を検知する。
【0041】
また、基板30の後面304には、コネクタ21(
図1、
図4D)が設けられている。コネクタ21は、スイッチ本体1と操作ユニット2との電気的及び機械的な接続に用いられる。コネクタ21は、検知部34と電気的に接続されている。コネクタ21は、筐体22におけるベース23の底壁230から露出している。操作ユニット2がスイッチ本体1に取り付けられることにより、コネクタ21とスイッチ本体1のコネクタ16とが機械的及び電気的に接続される。
【0042】
検知部34は、タッチ操作を検知すると、検知したタッチ操作に応じた信号(操作信号)を、コネクタ21を介してスイッチ本体1の制御回路12に出力する。
【0043】
制御回路12は、操作ユニット2からの操作信号に応じて、スイッチ素子11を制御する。これにより、制御回路12は、電源40から負荷41への給電を制御することができる。つまり、制御回路12は、タッチセンサ3によるタッチ操作の検知結果に基づいて、負荷41を制御する。また、制御回路12は、操作ユニット2からの操作信号に応じて、第1通信部14から有線通信により制御信号を送信させる。また、制御回路12は、操作ユニット2からの操作信号に応じて、第2通信部15から無線通信により制御信号を送信させる。
【0044】
次に、基板30の詳細な構成について、
図4A~
図4Dを参照して説明する。
【0045】
基板30は、第1層L1(
図4A参照)、第2層L2(
図4B参照)、第3層L3(
図4C参照)、及び第4層L4(
図4D参照)を有する四層のプリント基板である。基板30は、例えばガラスエポキシ基板などの電気絶縁性を有する複数の基材が、例えばプリプレグで接着されることにより形成されている。本実施形態では、内層用基材3020の両面に、それぞれ第1外層用基材3021、第2外層用基材3022が接着されることにより、第1層L1~第4層L4が形成されている。基板30の厚さ方向(前後方向)において、前方から第1層L1、第2層L2、第3層L3、第4層L4の順に形成されている。第1層L1は、第1外層用基材3021における内層用基材3020と反対側の表面である。第2層L2は、内層用基材3020における第1外層用基材側3021の表面である。第3層L3は、内層用基材3020における第2外層用基材側3022の表面である。第4層L4は、第2外層用基材3022における内層用基材3020と反対側の表面である。つまり、第1層L1が基板30の前面303(第1表面)側の層であり、第4層L4が基板30の後面304(第2表面)側の層である。
【0046】
図4Aに示すように、基板30の第1層L1には、複数(本実施形態では12個)のセンサ電極31が形成されている。センサ電極31は、銅箔などの導電部材で構成されており、フォトリソグラフィ技術などにより第1層L1である第1外層用基材3021の表面に形成されている。
【0047】
本実施形態では、12個のセンサ電極31は、基板30の第1層L1において、左右方向に2つ、上下方向に6つずつ並んで形成されている。各センサ電極31の形状は、矩形状である。各センサ電極31は、個別に基板30の後面(第4層L4)に設けられた検知部34と電気的に接続されている。タッチセンサ3では、基板30に複数のセンサ電極31が並んで形成されている。これより、タッチ操作におけるタップ操作(ロングタップ操作)だけでなく、スワイプ操作、スライド操作、フリック操作、ピンチ操作等の移動を伴うタッチ操作を検知することができる。
【0048】
なお、複数のセンサ電極31が電気的に接続されていてもよい。例えば、左右方向に並ぶ2つのセンサ電極31が電気的に接続されていてもよい。この場合、上下方向の移動を伴うタッチ操作を検知することができる。
【0049】
図4Bに示すように、基板30の第2層L2には、第1グランド電極32が形成されている。第1グランド電極32は、銅箔などの導電部材で構成されており、フォトリソグラフィ技術などにより第2層L2である内層用基材3020の表面に形成されている。第1グランド電極32は、検知部34と電気的に接続されている。
【0050】
第1グランド電極32は、外形が矩形状である。第1グランド電極32は、基板30の厚さ方向(前後方向)において複数のセンサ電極31の全てと重なるように第2層L2に形成されている。言い換えれば、複数のセンサ電極31の各々は、基板30の厚さ方向において第1グランド電極32と重なっている。ここでいう「重なっている」とは、基板30の厚さ方向から見て、各センサ電極31と第1グランド電極32とが重なっていることを意味し、各センサ電極31と第1グランド電極32との間には第1外層用基材3021、プリプレグ等が介在している。
【0051】
図4Bに示すように、第1グランド電極32は、基板30の厚さ方向において、各センサ電極31と重なる領域A1内に形成された複数の貫通孔320を含む。つまり、各センサ電極31は、基板30の厚さ方向において、一部が複数の貫通孔320と重なっている。
図4B、
図5に示すように、本実施形態では、第1グランド電極32は、網状に形成されており、複数の貫通孔320が複数の網目として形成されている。ここでいう「網状」とは、導電部材の形状が網のような形状であることを意味しており、導電部材が編まれている意味ではない。複数の貫通孔320は、基板30の表面に沿った方向において、規則的に並んで形成されている。また、複数の貫通孔320は、互いに同じ開口形状、同じ大きさである。各貫通孔320の開口形状は、正方形であり、各辺が上下方向に対して45度又は-45度傾斜している。つまり、各貫通孔320は、対角線が上下方向又は左右方向に沿っている。ただし、第1グランド電極における周縁部、及び基板30を貫通するように形成された丸孔301の周縁部に形成された貫通孔320は、他の貫通孔320と形状が異なる。
【0052】
各貫通孔320の内側は、内層用基材3020と第1外層用基材3021とを接着する電気絶縁性を有するプリプレグで埋められている。つまり、各貫通孔320の内側は、電気絶縁性を有する絶縁部材が設けられている。言い換えれば、各貫通孔320の内側には、電気導電性を有する導電部材がない。
【0053】
図4Cに示すように、基板30の第3層L3には、第2グランド電極33が形成されている。第2グランド電極33は、銅箔などの導電部材で構成されており、フォトリソグラフィ技術などにより第3層L3である内層用基材3020の表面に形成されている。第2グランド電極33は、第3層L3において導電部材を形成可能な領域の一面にわたって形成されている。第2グランド電極33は、基板30の後面304に実装された複数の電子部品によって形成されるセンサ回路の回路グランドとして機能する。また、第2グランド電極33は、第1グランド電極32と電気的に接続されている。
【0054】
基板30の第4層L4には、複数の電子部品(検知部34、コネクタ21を含む)を実装するためのパッド、複数の電子部品間を電気的に接続する配線等が形成されている。パッド、配線は、銅箔などの導電部材で構成されており、フォトリソグラフィ技術などにより第4層L4である第2外層用基材3022の表面に形成されている。なお、
図4Dでは、パッド、配線などの記載を省略している。
【0055】
また、基板30は、左右方向の中央において、複数(本実施形態では5つ)の丸孔301が上下方向に並べて形成されている。5つの丸孔301は、基板30を貫通している。基板30の第4層L4には、5つの丸孔301それぞれを跨ぐように、5つの発光ダイオード35が実装されている(
図4D参照)。各発光ダイオード35は、丸孔301を通して光が前方に照射されるように実装されている。発光ダイオード35から放射された光は、丸孔301を通り、透光性を有する粘着シート25及びパネル24を介して、パネル24の前方に照射される。
【0056】
(利点)
本実施形態のタッチセンサ3では、網状の第1グランド電極32が基板30の第2層L2に形成されている。第1グランド電極32は、基板30の厚さ方向において、基板30の第1層L1に形成された各センサ電極31と重なる領域A1に複数の貫通孔320が形成されている。したがって、各センサ電極31は、基板30の厚さ方向において、一部が第1グランド電極32の複数の貫通孔320と重なる。これにより、本実施形態のタッチセンサ3では、第1グランド電極32に複数の貫通孔320が形成されていない構成と比べて、各センサ電極31と第1グランド電極32との間の寄生容量が小さくなる。
【0057】
上述したように、ユーザが指でパネル24の前面240(操作面)に触れた場合、ユーザの指とセンサ電極31との間に新たな寄生容量が形成されるため、センサ電極31の寄生容量が増加する。検知部34は、タッチ操作が行われた際におけるセンサ電極31の寄生容量の変化(増加)を検知することにより、タッチ操作を検知する。センサ電極31と第1グランド電極32との間の寄生容量が大きくなるにつれて、タッチ操作が行われる前後におけるセンサ電極31の寄生容量の変化の割合が小さくなる。そのため、センサ電極31と第1グランド電極32との間の寄生容量が大きくなるにつれて、検知部34におけるタッチ操作の検知感度が低下することとなる。
【0058】
本実施形態のタッチセンサ3では、センサ電極31と第1グランド電極32との間の寄生容量が小さくなるように構成されている。したがって、本実施形態のタッチセンサ3では、第1グランド電極32に複数の貫通孔320が形成されていない構成と比べて、タッチ操作の検知感度が向上し、タッチ操作の検知精度の向上を図ることができる。
【0059】
また、センサ電極31の寄生容量を低減するために、第1グランド電極32を省略する構成が考えられる。この場合、センサ電極31と、基板30の第3層L3に形成された第2グランド電極33と間に寄生容量が形成される。第2グランド電極33は、第2層L2に対して、センサ電極31が形成されている第1層L1とは反対側の第3層L3に形成されている。したがって、基板30の厚さ方向において、センサ電極31と第2グランド電極33との間の距離は、センサ電極31と第1グランド電極32との間の距離に比べて長い。そのため、第1グランド電極32を省略することにより、センサ電極31の寄生容量が低減される。
【0060】
しかし、第1グランド電極32が省略された構成では、センサ電極31の耐ノイズ性が低下する。耐ノイズ性が低い場合、例えば無線信号等によるノイズを受けやすくなり、タッチ操作を誤検知する可能性がある。また、耐ノイズ性が低い場合、センサ電極31からノイズが放射されやすくなる。
【0061】
本実施形態のタッチセンサ3では、第2層L2に第1グランド電極32が形成されており、第1グランド電極32がノイズを抑制するノイズシールドとして機能する。したがって、本実施形態のタッチセンサ3では、第1グランド電極32が省略された構成と比べて、耐ノイズ性が向上する。これにより、タッチ操作の誤検知が抑制され、タッチ操作の検知精度の向上を図ることができる。
【0062】
上述したように、本実施形態のタッチセンサ3では、第1グランド電極32が網状に形成され複数の貫通孔320を有する。これにより、本実施形態のタッチセンサ3では、タッチ操作の検知感度、及び耐ノイズ性が向上するので、タッチ操作の検知精度の向上を図ることができる。第1グランド電極32において、基板30の厚さ方向において、センサ電極31と重なる領域A1に対する複数の貫通孔320の面積の割合は、30%以上95%以下が好ましい。
【0063】
また、本実施形態の配線器具10は、タッチセンサ3におけるタッチ操作の検知結果に応じて無線信号を送信する第2通信部15(通信部)を備えている。本実施形態のタッチセンサ3では、第2通信部15が送信する無線信号によるノイズの影響をより抑制するように、第1グランド電極32における各貫通孔320の開口寸法X1(
図5参照)が設定されている。開口寸法X1は、貫通孔320における開口の寸法の最大値である。本実施形態では、貫通孔320の開口形状は正方形である。したがって、開口寸法X1は、貫通孔320における開口の対角線の寸法である(
図5参照)。
【0064】
各貫通孔320の開口寸法X1は、第2通信部15から送信された無線信号を各センサ電極31が受けることを抑制するように設定されている。各貫通孔320の開口寸法X1は、第2通信部15が送信する無線信号の周波数に基づいて設定される。具体的には、各貫通孔320の開口寸法X1は、第2通信部15が送信する無線信号の波長の四分の一以下である。無線信号の波長は、下記の式(1)で表される。
【0065】
λ=c÷f×k …(1)
式(1)において、λは無線信号の波長、cは光の速度[m/s]、fは無線信号の周波数[Hz]、kは基板30の波長短縮率である。波長短縮率kは、下記の式(2)で表される。
【0066】
k=1/√εr …(2)
式(2)において、εrは、基板30の比誘電率である。
【0067】
例えば、無線信号の周波数fが1[GHz]、基板30の比誘電率が4である場合、波長λは、下記の式(3)で表される。
【0068】
λ=3×108÷(1×109)×1/√4
=0.15[m]=150[mm] …(3)
各貫通孔320の開口寸法X1は、無線信号の波長λの四分の一以下が好ましく、波長λの八分の一以下がより好ましく、波長λの十分の一以下がさらに好ましい。開口寸法X1は、波長λの八分の一である場合、18.75[mm]となり、波長λの十分の一である場合、15[mm]となる。
【0069】
各貫通孔320の開口寸法X1が上記数値に形成されていることによって、第2通信部15から送信された無線信号を各センサ電極31が受けることを抑制し、センサ電極31のノイズを抑制することができる。また、第1グランド電極32は、センサ電極31とスイッチ本体1(第2通信部15)との間に形成されているので、センサ電極31のノイズをより抑制することができる。
【0070】
(変形例)
以下に、変形例について列記する。なお、以下に説明する変形例は、上記実施形態と適宜組み合わせて適用可能である。
【0071】
(変形例1)
第1グランド電極32の形状は、
図4B、
図5に示す形状に限らない。
図6に示すように、第1グランド電極32Aは、各貫通孔320Aにおける各辺が上下方向又は左右方向に沿った正方形に形成されていてもよい。
【0072】
また、第1グランド電極32の形状は、各貫通孔320の開口形状が正方形(四角形)である網状に限らない。
図7に示すように、第1グランド電極32Bは、各貫通孔320Bの開口形状が円形に形成されていてもよい。また、
図8に示すように第1グランド電極32Cは、各貫通孔320Cがスリット状に形成されていてもよい。
図8に示す例では、貫通孔320Cの開口が、上下方向に対して傾斜した斜め方向に沿うように形成されている。
【0073】
(変形例2)
上記実施形態では、第1グランド電極32が複数の貫通孔320を含むように構成されていたが、これに限らない。
図9Aに示すように、各センサ電極31Dが複数の貫通孔310Dを含むように構成されていてもよい。
【0074】
図9Aに示す例では、各センサ電極31Dが網状に形成されており、複数の貫通孔320Dが複数の網目として形成されている。また、本変形例では、
図9Bに示すように、第1グランド電極32Dは、第3層L3において導電部材を形成可能な領域の一面にわたって形成されている。
【0075】
本変形例は、網状に形成された複数のセンサ電極31Dが基板30の第1層L1に形成されている。つまり、各センサ電極31Dは、基板30の厚さ方向において、基板30の第2層L2に形成された第1グランド電極32Dと重なる領域に複数の貫通孔320Dが形成されている。したがって、第1グランド電極32Dは、基板30の厚さ方向において、一部がセンサ電極31Dの複数の貫通孔310Dと重なる。これにより、本変形例のタッチセンサ3では、各センサ電極31Dに複数の貫通孔310Dが形成されていない構成と比べて、各センサ電極31Dと第1グランド電極32Dとの間の寄生容量が小さくなる。これにより、タッチ操作の検知精度の向上を図ることができる。
【0076】
本変形例では、第1グランド電極32Dが第3層L3において導電部材を形成可能な領域の一面にわたって形成されている。これにより、各センサ電極31Dが受けるノイズをより抑制することができる。
【0077】
また、各センサ電極31Dにおける各貫通孔310Dの開口面積は、ユーザがパネル24の前面240(操作面)に対してタッチ操作を行う際における指とパネル24との接触面積よりも小さいことが好ましい。
【0078】
また、
図9Bに示すように、第1グランド電極32Dは、第3層L3において導電部材を形成可能な領域の一面にわたって形成されているが、これに限らない。基板30の第3層L3において、網状に形成され複数の貫通孔320を有する第1グランド電極32(
図4B参照)が形成されていてもよい。つまり、タッチセンサ3は、各センサ電極31Dと第1グランド電極32との両方が網状に形成された構成であってもよい。
【0079】
(その他の変形例)
上述した例では、基板30の第1層L1に複数(12個)のセンサ電極31が形成されていたが、複数のセンサ電極31の数は、12個に限らず、他の個数であってもよい。また、センサ電極31の数は、1つであってもよい。
【0080】
センサ電極31の外形は、矩形状に限らず、他の形状(例えば円形)であってもよい。また、複数のセンサ電極31は、互いに同じ外形形状、同じ大きさに限らず、互いに異なる外形形状、大きさであってもよい。
【0081】
上述した例では、第1グランド電極32は、基板30の厚さ方向において、複数のセンサ電極31と重なる領域A1(
図4B参照)以外の領域にも複数の貫通孔320が形成されているが、この限りでない。第1グランド電極32は、領域A1以外の領域の一面にわたって導電部材が形成されていてもよい。
【0082】
上述した例では、基板30の厚さ方向において、1つの第1グランド電極32に複数のセンサ電極31が重なるように構成されていたが、この限りでない。基板30の第2層L2に複数の第1グランド電極が形成され、基板30の厚さ方向において、複数の第1グランド電極が複数のセンサ電極31と重なるように構成されていてもよい。
【0083】
上述した例では、基板30は、四層の基板であったが、この限りでない。基板30は、第1層L1及び第2層L2のみを有する両面基板であってもよいし、三層又は五層以上の基板であってもよい。
【0084】
(まとめ)
第1態様に係るタッチセンサ(3)は、タッチ操作を検知する静電容量式のタッチセンサである。タッチセンサ(3)は、基板(30)と、センサ電極(31,31D)と、グランド電極(第1グランド電極32,32A,32B,32C,32D)と、を備える。基板(30)は、第1層(L1)及び第2層(L2)を有する。センサ電極(31,31D)は、第1層(L1)に形成されている。グランド電極(32,32A,32B,32C,32D)は、基板(30)の厚さ方向において少なくとも一部がセンサ電極(31,31D)と重なるように第2層(L2)に形成されており、センサ電極(31,31D)との間に寄生容量が形成される。センサ電極(31,31D)とグランド電極(32,32A,32B,32C,32D)との少なくとも一方は、基板(30)の厚さ方向においてセンサ電極(31,31D)とグランド電極(32,32A,32B,32C,32D)とが重なる領域(A1)内に形成された複数の貫通孔(320,320A,320B,320C,310D)を含む。
【0085】
この態様によれば、タッチ操作の検知感度、及び耐ノイズ性が向上するので、タッチ操作の検知精度の向上を図ることができる。
【0086】
第2態様に係るタッチセンサ(3)では、第1態様において、センサ電極(31)とグランド電極(32,32A,32B,32C)とのうち、グランド電極(32,32A,32B,32C)にのみ複数の貫通孔(320,320A,320B,320C)が形成されている。
【0087】
この態様によれば、タッチ操作の検知感度、及び耐ノイズ性が向上するので、タッチ操作の検知精度の向上を図ることができる。
【0088】
第3態様に係るタッチセンサ(3)では、第2態様において、基板(30)は、第3層(L3)及び第4層(L4)を更に有する。第1層(L1)は、基板(30)の第1表面(303)側の層である。第2層(L2)は、基板(30)の内側の層であってグランド電極としての第1グランド電極(32,32A,32B,32C)が形成されている。第3層(L3)は、第2層(L2)に対して第1層(L1)とは反対側に形成された基板(30)の内側の層であって、第2グランド電極(33)が形成されている。第4層(L4)は、第3層(L3)に対して第2層(L2)とは反対側に形成された基板(30)の第2表面(304)側の層であって、タッチ操作を検知するための電子部品(検知部34)が配置される。
【0089】
この態様によれば、タッチ操作を検知するための電子部品で構成されるセンサ回路のノイズがセンサ電極(31)に伝わるのを抑制することができる。
【0090】
第4態様に係るタッチセンサ(3)では、第1態様において、センサ電極(31D)とグランド電極(32D)とのうち、センサ電極(31D)にのみ複数の貫通孔(310)が形成されている。
【0091】
この態様によれば、タッチ操作の検知感度、及び耐ノイズ性が向上するので、タッチ操作の検知精度の向上を図ることができる。
【0092】
第5態様に係るタッチセンサ(3)では、第1~第4態様のいずれかにおいて、複数の貫通孔(320,320A,320B,320C,310D)は、基板(30)の表面に沿った方向において規則的に並んで形成されている。
【0093】
この態様によれば、基板(30)の表面に沿った方向において、タッチ操作の検知感度の差を低減することができる。
【0094】
第6態様に係るタッチセンサ(3)では、第1~第5態様のいずれかにおいて、センサ電極(31,31D)とグランド電極(32,32A,32B,32C,32D)との少なくとも一方は、網状に形成されており、複数の貫通孔(320,320A,320B,320C,310D)が複数の網目として形成されている。
【0095】
この態様によれば、タッチ操作の検知感度、及び耐ノイズ性が向上するので、タッチ操作の検知精度の向上を図ることができる。
【0096】
第7態様に係るタッチセンサ(3)では、第1~第6態様のいずれかにおいて、複数の貫通孔(320)の各々の開口寸法(X1)は、タッチ操作の検知結果に応じて送信される無線信号の波長(λ)の四分の一以下である。
【0097】
この態様によれば、無線信号によってセンサ電極(31,31D)が受けるノイズを抑制することができる。
【0098】
第8態様に係る配線器具(10)は、第1~第7態様のいずれかのタッチセンサ(3)と、タッチセンサ(3)によるタッチ操作の検知結果に基づいて、負荷(41)を制御する制御回路(12)と、を備える。
【0099】
この態様によれば、タッチセンサ(3)において、タッチ操作の検知感度、及び耐ノイズ性が向上するので、タッチ操作の検知精度の向上を図ることができる。
【符号の説明】
【0100】
10 配線器具
12 制御回路
3 タッチセンサ
30 基板
303 前面(第1表面)
304 後面(第2表面)
31,31D センサ電極
310D 貫通孔
32,32A,32B,32C,32D 第1グランド電極(グランド電極)
320,320A,320B,320C 貫通孔
33 第2グランド電極
34 検知部(電子部品)
L1 第1層
L2 第2層
L3 第3層
L4 第4層
X1 開口寸法
41 負荷