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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-27
(45)【発行日】2023-08-04
(54)【発明の名称】電池モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/509 20210101AFI20230728BHJP
   H01M 50/507 20210101ALI20230728BHJP
   H01M 50/503 20210101ALI20230728BHJP
   H01M 50/55 20210101ALI20230728BHJP
   H01M 50/213 20210101ALI20230728BHJP
   H01M 50/583 20210101ALI20230728BHJP
【FI】
H01M50/509
H01M50/507
H01M50/503
H01M50/55 201
H01M50/213
H01M50/583
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020547911
(86)(22)【出願日】2019-02-13
(86)【国際出願番号】 JP2019005068
(87)【国際公開番号】W WO2020066055
(87)【国際公開日】2020-04-02
【審査請求日】2021-11-05
(31)【優先権主張番号】P 2018180513
(32)【優先日】2018-09-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村津 地郎
(72)【発明者】
【氏名】荻野 洋岳
【審査官】井原 純
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-514345(JP,A)
【文献】国際公開第2011/007535(WO,A1)
【文献】特表2013-525942(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0212695(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0093930(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0018750(US,A1)
【文献】国際公開第2018/071820(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/134704(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/50-50/598
H01M 50/20-50/298
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の素電池を備えた電池モジュールであって、
前記素電池は一方の端部に正極端子及び負極端子が配置されており、
前記複数の素電池は、前記一方の端部が同じ側に並ぶように且つ千鳥状に配置されており、
隣合うm個(mは自然数)の前記素電池が電気的に並列接続されている電池ブロックがn個(nは自然数)直列接続されており、
1つの前記電池ブロック内において、直列の電流方向に対して垂直な方向に前記素電池が並んでいる列が2以上存在しているとともに、1つの前記列における前記素電池の数は(m-1)以下であり、
配列された前記複数の素電池の前記一方の端部の上方には電気絶縁性の板が配置されており、
前記板には、各前記素電池の前記正極端子及び前記負極端子が露出する穴が設けられているとともに、前記素電池に対向する面とは反対側の面の上に複数の導電性部材が設けられており、
前記導電性部材は、前記電池ブロックにおける前記素電池が並んだ前記列に沿って延びていて、1つの前記電池ブロックに対して2つ配置されているとともに、前記1つの前記電池ブロックに含まれる各前記素電池の同じ極の端子に前記穴を通って接続される端子接続部を備え、
前記列は3列以上存しているとともに、前記直列の電流方向において第1列、第2列、第3列の順で並んでいる列群を少なくとも1つ構成しており、
前記列群のうちの少なくとも1つおいて、前記電池ブロックのうちの第1電池ブロックが、前記第1列の前記素電池と前記第2列の素電池とを有しており、
前記電池ブロックのうちの第2電池ブロックが、前記第1電池ブロックに隣接していると共に前記第2列の前記素電池と前記第3列の素電池とを有しており、
前記第1電池ブロックにおいて前記第2列の素電池に並列接続する前記第1列の素電池は、当該第2列の素電池よりも前記第2列の一端側または他端側に存しており、
前記第2電池ブロックにおいて前記第3列の素電池に並列接続する前記第2列の素電池は、当該第3列の素電池よりも前記第3列の一端側または他端側に存しており、
前記第2電池ブロックに存する前記第3列の素電池の数は前記第1電池ブロックに存する前記第2列の素電池の数よりも多い、電池モジュール。
【請求項2】
電池モジュール全体において、少なくとも1つの前記列は、含まれている前記素電池の数が他の前記列とは異なっている、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項3】
前記導電性部材は板状の金属材料からなる、請求項1又は2に記載の電池モジュール。
【請求項4】
前記導電性部材は金属箔からなる、請求項1又は2に記載の電池モジュール。
【請求項5】
前記端子接続部は、電流の流路断面積を所定の面積以下とすることによるヒューズ機能を備えている、請求項1から4のいずれか一つに記載の電池モジュール。
【請求項6】
前記電池ブロックは3つ以上並んでおり、
端以外の位置に配置された前記導電性部材は、一つの前記電池ブロックにおける複数の前記素電池の前記正極端子に接続されているとともに別の前記電池ブロックにおける複数の前記素電池の前記負極端子に接続されている、請求項1から5のいずれか一つに記載の電池モジュール。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一つに記載の電池モジュールを複数に分割して互いに引き離すことによって、複数の前記素電池が設置される複数の設置領域を有するとともに、隣合う2つの前記設置領域間に前記素電池が設置されない非設置領域を有しており、
前記導電性部材は、前記非設置領域を挟んで隣合う2つの前記設置領域間を電気的に連結しているリンク領域を有している、電池モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の素電池を備えた電池モジュールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、省資源や省エネルギーの観点から、繰り返し使用できるニッケル水素、ニッケルカドミウムやリチウムイオンなどの二次電池の需要が高まっている。中でもリチウムイオン二次電池は軽量でありながら起電力が高く、高エネルギー密度であるという特徴を有している。そのため、携帯電話やデジタルカメラ、ビデオカメラ、ノート型パソコンなどの様々な種類の携帯型電子機器や移動体通信機器の駆動用電源としての需要が拡大している。
【0003】
一方、化石燃料の使用量を低減させるためやCOの排出量を削減するために、自動車などのモータ駆動用の電源として、あるいは家庭用や産業用の電源として電池モジュールへの期待が大きくなっている。このような電池モジュールの一例として、所望の電圧や容量を得るために、複数の素電池からなりそれらを並列接続及び直列接続した組電池を複数個搭載して構成されているものを挙げることができる。特許文献1にはそのような電池モジュール(バッテリーパック)であって、複数個のバッテリーセルを含み、この複数個のバッテリーセルは、当該複数個のバッテリーセルの第1の端部のところに前記バッテリーセルの第1の端子を有すると共に当該複数個のバッテリーセルの前記第1の端部のところに前記バッテリーセルの第2の端子の複数個の部分を有し、前記複数個のバッテリーセルの前記第1の端部は、同一平面上配置状態にあり、前記複数個のバッテリーセルの前記第1の端部の近くに設けられると共に前記複数個のバッテリーセルを直列接続、並列接続、又は直列及び並列接続のうちの1つの接続状態に配置するよう前記複数個のバッテリーセルの前記第1の端子及び前記第2の端子の前記部分に結合された複数個のバスバーを含むものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特表2016-516273号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されている電池モジュールでは、バッテリーセルの端子とバスバーとの接続をワイヤボンドにより行っているため、接続工程における接続加工の時間が長くなりコストも増大するとともに、このボンディング部分が電流密度が最も高くなるためヒューズとしての機能を果たすが、ボンディングワイヤの長さや太さを電池モジュール内で全て同じ長さ、太さにすることが困難であるためヒューズ特性の安定性にかけるという問題があった。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、セル同士の接続加工を低コストで行うことができ、セルの配置の自由度も高くすることが可能な電池モジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の電池モジュールは、数の素電池を備えた電池モジュールであって、前記素電池は一方の端部に正極端子及び負極端子が配置されており、前記複数の素電池は、前記一方の端部が同じ側に並ぶように且つ最密充填に配置されており、隣合うm個(mは自然数)の前記素電池が電気的に並列接続されている電池ブロックがn個(nは自然数)直列接続されており、1つの前記電池ブロック内において、直列の電流方向に対して垂直な方向に前記素電池が並んでいる列が2以上存在しているとともに、1つの前記列における前記素電池の数は(m-1)以下であり、配列された前記複数の素電池の前記一方の端部の上方には電気絶縁性の板が配置されており、前記板には、各前記素電池の前記正極端子及び前記負極端子が露出する穴が設けられているとともに、前記素電池に対向する面とは反対側の面の上に複数の導電性部材が設けられており、前記導電性部材は、前記電池ブロックにおける前記素電池が並んだ前記列に沿って延びていて、1つの前記電池ブロックに対して2つ配置されているとともに、前記1つの前記電池ブロックに含まれる各前記素電池の同じ極の端子に前記穴を通って接続される端子接続部を備えている構成を有している。
【0008】
電池モジュール全体において、少なくとも1つの前記列は、含まれている前記素電池の数が他の前記列とは異なっている構成であってもよい。
【0009】
前記導電性部材は板状の金属材料からなっていてもよく、前記導電性部材は金属箔からなっていることが好ましい。
【0010】
前記端子接続部は、電流の流路断面積を所定の面積以下とすることによるヒューズ機能を備えていてもよい。
【0011】
前記電池ブロックは3つ以上並んでおり、
端以外の位置に配置された前記導電性部材は、一つの前記電池ブロックにおける複数の前記素電池の前記正極端子に接続されているとともに別の前記電池ブロックにおける複数の前記素電池の前記負極端子に接続されていてもよい。
【0012】
上述の電池モジュールを複数に分割して互いに引き離すことによって、複数の前記素電池が設置される複数の設置領域を有するとともに、隣合う2つの前記設置領域間に前記素電池が設置されない非設置領域を有しており、
前記導電性部材は、前記非設置領域を挟んで隣合う2つの前記設置領域間を電気的に連結しているリンク領域を有している構成であってもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明では、電気絶縁性の板の面上に複数の導電性部材が設けられていて、それが電気絶縁性の板に設けられた穴を通して電池ブロック内のそれぞれの素電池の同じ極の端子に接続されているので、簡単な構造であって複数の素電池同士の同じ極同士を容易に接続することができる。また、素電池の配置の自由度が大きくなる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】素電池の模式的な断面図である。
図2】電池モジュールの一部を拡大した図である。
図3】実施形態に係る電池モジュールの1つのセルの一方の端部側を拡大した図である。
図4】実施形態1に係る電池モジュールの模式的な斜視図である。
図5】実施形態1に係る電池モジュールにおける素電池の並び方を示す図である。
図6】実施形態1に係る導電性部材を示す平面図である。
図7】実施形態2に係る電池モジュールの模式的な斜視図である。
図8】実施形態2に係る電池モジュールにおける素電池の並び方を示す図である。
図9】実施形態2に係る導電性部材を示す平面図である。
図10】実施形態3に係る電池モジュールの模式的な斜視図である。
図11】実施形態3に係る電池モジュールにおける素電池の並び方を示す図である。
図12】実施形態3に係る導電性部材を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。以下の図面においては、説明の簡潔化のため、実質的に同一の機能を有する構成要素を同一の参照符号で示す。
【0016】
(実施形態1)
<素電池>
図1は、本発明の実施形態1における電池モジュールに使用する素電池10の構成を模式的に示した断面図である。なお、本発明の電池モジュールに使用する電池は、ノート型パソコン等の携帯用電子機器の電源として単体でも使用できる電池であってもよい(以下、電池モジュールに使用する電池を、「素電池」と呼ぶ)。この場合、高性能の汎用電池を、電池モジュールの素電池として使用することができるため、電池モジュールの高性能化、低コスト化をより容易に図ることができる。
【0017】
本発明の電池モジュールに使用する素電池10は、例えば、図1に示すような、円筒形のリチウムイオン二次電池を採用することができる。このリチウムイオン二次電池は、通常の構成をなすもので、内部短絡等の発生により電池内の圧力が上昇したとき、ガスを電池外に放出する安全機構を備えている。以下、図1を参照しながら、素電池10の具体的な構成を説明する。
【0018】
図1に示すように、正極2と負極1とがセパレータ3を介して捲回された電極群4が、非水電解液とともに、電池ケース7に収容されている。電極群4の上下には、絶縁板9、110が配され、正極2は、正極リード5を介してフィルタ112に接合され、負極1は、負極リード6を介して負極端子を兼ねる電池ケース7の底部に接合されている。
【0019】
フィルタ112は、インナーキャップ113に接続され、インナーキャップ113の突起部は、金属製の弁板114に接合されている。さらに、弁板114は、正極端子8を兼ねる端子板に接続されている。そして、端子板、弁板114、インナーキャップ113、及びフィルタ112が一体となって、ガスケット111を介して、電池ケース7の開口部を封口している。なお、電池ケース7は、ガスケット111の上端にまで載せられてガスケット111を押さえ込むことで、電池ケース7の開口部を強固に封口している。このガスケット111の上端に載せられた電池ケース7の上端部分(負極端子7a)が端子板(正極端子8)と隣合う位置にあり、円筒の一方側の端部(図では上側)に正極端子8と負極端子7aとが存していることになる。
【0020】
素電池10に内部短絡等が発生して、素電池10内の圧力が上昇すると、弁体114が端子板に向かって膨れ、インナーキャップ113と弁体114との接合がはずれると、電流経路が遮断される。さらに素電池10内の圧力が上昇すると、弁体114が破断する。これによって、素電池10内に発生したガスは、フィルタ112の貫通孔112a、インナーキャップ113の貫通孔113a、弁体114の裂け目、そして、端子板の開放部8aを介して、外部へ排出される。
【0021】
なお、素電池10内に発生したガスを外部に排出する安全機構は、図1に示した構造に限定されず、他の構造のものであってもよい。
【0022】
<参考形態の電池モジュール>
図2は参考形態としての電池モジュール100の構造を説明するために、電池モジュール100の一部を拡大した模式的な斜視図である。なお、この図は、説明のためカバー等を取り外した内部構造を示しているとともに、導電性部材40の形状は以下に説明する実施形態1の導電性部材の形状は異なる形状を有している。素電池10,10,・・の配置は実施形態1と同じである。図3は電池モジュール100の中の1つの素電池10の正極端子8及び負極端子7aの部分を拡大した図面である。
【0023】
電池モジュール100の中には複数の素電池10,10,・・が、正極端子8および負極端子7aが配置されている一方の端部を図2において上側に向けて並べられている。素電池10,10,・・の他方の端部は、電池ホルダ120に填め込まれて固定されている。素電池10,10,・・は電池モジュール100内で千鳥状に配置され、安全性を考慮した上で最密に充填されているので、隣同士がほぼ近接して並べられている。すなわち、図示の形態においては、上から見ると正六角形の各頂点及び中心に素電池10,10,・・が並んでいるが、素電池10,10,・・の並びは上から見て正六角形に限定されず、千鳥配置であればよい。例えば、上から見て正六角形を偏平にさせた六角形の各頂点及びその中心に素電池10,10,・・を並べることが考えられる。
【0024】
この電池モジュール100は、隣合う素電池10,10,・・により形成され、それらの素電池10,10,・・が、一つの直線状に並んだ列が複数隣合って平行に配置されている。電池モジュール100の両側端のそれぞれには、これらの列と平行に伸びる正極側集電部材と負極側集電部材が配置され、それらの端部にそれぞれ正極側外部端子接続部130と負極側外部端子接続部140が設けられている。
【0025】
素電池10,10,・・の一方の端部の上方には絶縁板(電気絶縁性の板)30が配置されている。絶縁板30には一つ一つの素電池10に対応した穴31がそれぞれ開けられている。穴31はそれぞれの素電池10の正極端子8と負極端子7aとを露出させている。絶縁板30の素電池10に対向する面とは反対側の面の上に板状の金属材料からなる導電性部材40が設けられている。導電性部材40は絶縁板30上に複数存しており、各導電性部材40はスリット44,44a,44bによって隔てられていて電気的にそれぞれ独立している。
【0026】
絶縁板30の材料としては、例えばガラス繊維をエポキシ樹脂で固めた薄板やアクリル(PMMA)やポリカーボネート(PC)など樹脂製の板を挙げることができる。導電性部材40の材料としては、例えばアルミニウム、銅などを挙げることができる。
【0027】
導電性部材40は、穴31に対向している部分の大半が除去されて同じように穴が空いている。ただし、正極端子8に接続されている正極端子接続部41と負極端子7aに接続されている負極端子接続部43とは導電性部材40の穴に突き出している形状となっている。さらには絶縁板30の穴31の縁部分において導電性部材40が穴31に対して少しオーバーハングした形状となっている。このようにオーバーハングする形状とすることにより、導電性部材40の面積を大きくすることができ、それにより1つの導電性部材40を流れる電流量を大きくすることができる。また、導電性部材40の表面積を大きくすることができ、それにより放熱量を大きくすることができる。
【0028】
また、負極端子接続部43のうち、導電性部材40の本体部分に繋がる連結部分42が狭幅の短冊形状となっていて、この連結部分42を通過する単位断面積当たりの電流密度が導電性部材40の中で最も高くなるように設計されている。即ち、連結部分42を流れる電流の流路断面積を所定の面積以下にしており、これによって過電流が流れたときに連結部分42が焼き切れるので、連結部分42はヒューズの機能を担っていることになる。
【0029】
導電性部材40は、レーザーによる切断加工やエッチングなどで形成することが可能である。このような加工をすることにより、それぞれの正極端子接続部41及び負極端子接続部43の形状、寸法および断面積のバラツキを小さくすることができる。そのため、負極端子接続部43の連結部分42が焼き切れる電流量が、いずれの連結部分42においてもバラツキなく一定の量にすることができる。
【0030】
<実施形態1の電池モジュール>
次に実施形態1に係る電池モジュール110の素電池10,10,・・の配置と電気的な接続、及びその電気的な接続を行うための導電性部材の構成について図4から図6を用いて説明する。
【0031】
図4は実施形態1に係る電池モジュール110を、説明をしやすくするために素電池10,10,・・と複数の導電性部材200a,200b,200c,・・とだけを示した斜視図である。
【0032】
本実施形態では8個の素電池10,10,・・が並んだ列(A,B,C,・・)が10並んでおり、素電池10,10,・・は80個ある。
【0033】
図5図4の平面構成を基にして、素電池10,10,・・の電気的な接続の順を示した図である。図5において数字が内部に書かれた円又は矩形同士が線で結ばれているのは、その円又は矩形で表した素電池同士が並列接続されていることを表している。この並列接続された素電池10,10,・・の1つの集合体を電池ブロック51,52,53,・・と呼ぶ。すなわち、本実施形態では10個の素電池10,10,・・が並列接続された電池ブロック51,52,53,・・が8個存在しており、隣合う電池ブロック同士が直列に接続されている。各電池ブロック51,52,53,・・に含まれている素電池10,10,・・の数は全ての電池ブロックで同数である。このような並列及び直列の接続は、導電性部材200a,200b,200c,・・の構造・構成によって形成されている。なお、電池モジュール110全体の正極は図4の最も左側に配置された導電性部材200aの列Aに沿った辺61全体から構成されており、負極は最も右側に配置された導電性部材の列Aに沿った辺62全体から構成されている。
【0034】
図6は、複数の導電性部材200a,200b,200c,・・だけを示した平面図である。
【0035】
第1の電池ブロック51は、1番目の素電池10が列Bに位置しており、2番目の素電池10は列Aに位置していて1番目の素電池10の左斜め下側の隣接する位置にある。3から5番目の素電池10,10,10はそれぞれ列Aに位置していて一つ前の素電池10の下の隣接する位置にある。6番目の素電池10は列Bに位置し、5番目の素電池10の右斜め下側の隣接する位置にある。7番目の素電池10は列Aに位置していて6番目の素電池10の左斜め下側の隣接する位置にある。8から10番目の素電池10,10,10はそれぞれ列Aに位置していて一つ前の素電池10の下の隣接する位置にある。
【0036】
従って、第1の電池ブロック51では、列Aに8個の素電池10,10,・・が位置しており、列Bに2個の素電池10,10が位置している。
【0037】
第2の電池ブロック52は、1番目の素電池10が列Cに位置しており、2番目の素電池10は列Bに位置していて1番目の素電池10の左斜め下側の隣接する位置にある。3,4番目の素電池10,10はそれぞれ列Bに位置していて一つ前の素電池10の下の隣接する位置にある。5番目の素電池10は列Cに位置し、4番目の素電池10の右斜め下側の隣接する位置にある。6番目の素電池10は列Cに位置していて5番目の素電池10の下の隣接する位置にある。7番目の素電池10は列Bに位置していて6番目の素電池10の左斜め下側の隣接する位置にある。8,9番目の素電池10,10はそれぞれ列Bに位置していて一つ前の素電池10の下の隣接する位置にある。10番目の素電池10は列Cに位置し、9番目の素電池10の右斜め下側の隣接する位置にある。
【0038】
従って、第2の電池ブロック52では、列Bに6個の素電池10,10,・・が位置しており、列Cに4個の素電池10,10,・・が位置している。
【0039】
このように、本実施形態の電池モジュール110に含まれている8個の電池ブロック51,52,53,・・は、いずれも2つの列にまたがって素電池10が配置されており、各電池ブロックにおいて1つの列に配置されている素電池10の数は9個以下である。
【0040】
そして、第1の電池ブロック51では、左端の導電性部材200aによって全ての素電池10,10,・・の正極端子が接続されており、その隣の導電性部材200bによって全ての素電池10,10,・・の負極端子が接続されている。この導電性部材200bは第2の電池ブロック52の全ての素電池10,10,・・の正極端子を接続しているとともに、第1の電池ブロック51と第2の電池ブロック52とを直列に接続している。同様にして第2の電池ブロック52では3番目の導電性部材200cによって全ての素電池10,10,・・の負極端子が接続されており、この導電性部材200cが第3の電池ブロック53の全ての素電池10,10,・・の正極端子を接続しているとともに、第2の電池ブロック52と第3の電池ブロック53とを直列に接続している。
【0041】
なお、複数の導電性部材のうち、両端に配置された導電性部材は、一方の端の導電性部材が一方の端側の電池ブロックの正極端子を並列接続するのみであり、他方の端の導電性部材が他方の端側の電池ブロックの負極端子を並列接続するのみである。
【0042】
また、各電池ブロック51,52,53,・・に対しては、含まれている素電池10,10,・・の全ての正極端子を接続している導電性部材と、含まれている素電池10,10,・・の全ての負極端子を接続している別の導電性部材との、2つの導電性部材が配置されている。
【0043】
従って、図4に示す電池モジュール110は、10個の素電池10,10,・・が並列に接続されて構成された電池ブロックが8個直列接続された構成となっている。そして、電池モジュールの両側端にそれぞれ配置される正極側集電部材および負極側集電部材には、電池モジュールの両側端にそれぞれ配置される一方端及び他方端の導電性部材がそれぞれ電気的に接続される。そのため、素電池の10並列8直列分の電力を電池モジュールの両側端のそれぞれに設けられる正極側外部端子接続部と負極側外部端子接続部とから出力することができる。
【0044】
ここで、本実施形態の電池モジュール110は辺61から辺62に向かって電流が流れるように構成されているので、8個の素電池10,10,・・が一直線に並んだ列A,B,C,・・は、直列の電流方向に対して垂直な方向に素電池10,10,・・が並んでいる構成を有している。
【0045】
本実施形態においては、穴を開けた絶縁板と金属箔からなる導電性部材との組み合わせにより各素電池からの集電を行うことができるので、構造が簡単であって製造コストを低くできる。また導電性部材は金属箔からなっているので、エッチング等で精度良く低コストで加工をすることができ、各素電池に接続されるヒューズ機能を有した部分の各々も、1つの電池モジュール内で破断電流量のバラツキを小さく抑えることができる。
【0046】
電池モジュールの各列を構成する素電池の個数よりも多い個数を並列に接続することができ、電池モジュールの設計の自由度を上げることができる。
【0047】
また、素電池の端子との接続と、集電とを1つの金属箔で行っているので、集電のロスを小さく抑えることができる。なお、素電池として18650を用い、導電性部材として厚み150μmのAl箔を用いると、連結部の幅を1mm、正極端子接続部の幅を3mm、隣接する導電性部材の穴間の最小寸法を8mmとすると、2A/セルの電流を流すことができる。
【0048】
さらに、素電池内に発生したガスは、素電池内の圧力が上昇して素電池の外部へ排出されると、その排出口は金属箔である導電性部材が塞いでいるだけなので、ガスは金属箔を破断して容易に排出され、素電池内の圧力が上がりすぎることはない。
【0049】
正極端子接続部及び負極端子接続部は、形成する位置、形状などを比較的自由に設計できるので、内部短絡が生じにくい設計とすることができ、安全性を高めることができる。
【0050】
正極端子接続部と正極端子、及び負極端子接続部と負極端子との接続は、正極端子接続部及び負極端子接続部が金属箔からなっているため、溶接等により比較的容易に且つ確実に行うことができて製造コストを低くできる。
【0051】
(実施形態2)
実施形態2は、実施形態1とは素電池の配置が異なり、電池モジュールの外形が異なっており、さらに異なる形状の導電性部材を用いているが、素電池自体や前記の相違点以外の部分はほぼ実施形態1と同じであるので、実施形態1とは異なる部分を以下に説明する。
【0052】
実施形態2に係る電池モジュール120の素電池10,10,・・の配置と電気的な接続、及びその電気的な接続を行うための導電性部材の構成について図7から図9を用いて説明する。
【0053】
図7は実施形態2に係る電池モジュール120を、説明をしやすくするために素電池10,10,・・と複数の導電性部材210a,210b,210c,・・とだけを示した斜視図である。
【0054】
本実施形態では、素電池10が1個の列A1と、4個の列B1と、6個の列C1と、8個の列D1,F1と、7個の列E1と、のように列によって構成する素電池の個数が異なっている。全体では、素電池10が1個の列、3個の列、4個の列が各1つずつ、6個の列が2つ、7個の列が4つ、8個の列が4つ、計13の列が並んでおり、素電池10,10,・・は合計80個ある。
【0055】
図8図7の平面構成を基にして、素電池10,10,・・の電気的な接続の順を示した図である。図8において線で結ばれているのは並列接続されていることを表している。この並列接続された素電池10,10,・・の1つの集合体を電池ブロック71,72,73,・・と呼ぶ。すなわち、本実施形態では10個の素電池10,10,・・が並列接続された電池ブロック71,72,73,・・が8個存在しており、隣合う電池ブロック同士が直列に接続されている。各電池ブロック71,72,73,・・に含まれている素電池10,10,・・の数は全ての電池ブロックで同数である。このような並列及び直列の接続は、導電性部材210a,210b,210c,・・の構造・構成によって形成されている。なお、電池モジュール120全体の正極は図7の最も左側に配置された導電性部材210aの左側の辺の集合体63全体から構成されており、負極は右側に配置された導電性部材の右側の辺の集合体64全体から構成されている。
【0056】
図9は、複数の導電性部材210a,210b,210c・・だけを示した平面図である。
【0057】
第1の電池ブロック71は、1、2番目の素電池10,10が列D1に位置しており、1番目の下に2番目が位置している。3番目の素電池10は列C1に位置していて2番目の素電池10の左斜め下側の隣接する位置にある。4,5番目の素電池10,10はそれぞれ列C1に位置していて一つ前の素電池10の下の隣接する位置にある。6番目の素電池10は列B1に位置し、5番目の素電池10の左斜め下側の隣接する位置にある。7,8番目の素電池10,10はそれぞれ列B1に位置していて一つ前の素電池10の下の隣接する位置にある。9番目の素電池10は列A1に位置していて8番目の素電池10の左斜め下側の隣接する位置にある。10番目の素電池10は列B1に位置していて9番目の素電池10の右斜め下側の隣接する位置にある。
【0058】
従って、第1の電池ブロック71では、列A1に1個の素電池10が位置しており、列B1に4個の素電池10,10,・・が位置しており、列C1に3個の素電池10,10,・・が位置しており、列D1に2個の素電池10,10が位置していて、合計4つの列A1,B1,C1,D1に10個の素電池10,10,・・が配置されている。
【0059】
第2の電池ブロック72は、1、2番目の素電池10,10が列E1に位置しており、1番目の下に2番目が位置している。3番目の素電池10は列D1に位置していて2番目の素電池10の左斜め下側の隣接する位置にある。4,5番目の素電池10,10はそれぞれ列D1に位置していて一つ前の素電池10の下の隣接する位置にある。6番目の素電池10は列C1に位置し、5番目の素電池10の左斜め下側の隣接する位置にある。7番目の素電池10は列D1に位置していて6番目の素電池10の右斜め下側の隣接する位置にある。8番目の素電池10は列C1に位置していて7番目の素電池10の左斜め下側の隣接する位置にある。9番目の素電池10は列C1に位置していて8番目の素電池10の下の隣接する位置にある。10番目の素電池10は列D1に位置していて9番目の素電池10の右斜め下側の隣接する位置にある。
【0060】
従って、第2の電池ブロック72では、列C1に3個の素電池10,10,10が位置しており、列D1に5個の素電池10,10,・・が位置しており、列E1に2個の素電池10,10が位置していて、合計3つの列C1,D1,E1に10個の素電池10,10,・・が配置されている。
【0061】
このように、本実施形態の電池モジュール120に含まれている8個の電池ブロック71,72,73,・・は、いずれも複数の列(2列から4列)にまたがって素電池10が配置されており、各電池ブロックにおいて1つの列に配置されている素電池10の数は9個以下である。
【0062】
そして、第1の電池ブロック71では、左端の導電性部材210aによって全ての素電池10,10,・・の正極端子が接続されており、その隣の導電性部材210bによって全ての素電池10,10,・・の負極端子が接続されている。この導電性部材210bは第2の電池ブロック72の全ての素電池10,10,・・の正極端子を接続しているとともに、第1の電池ブロック71と第2の電池ブロック72とを直列に接続している。同様にして第2の電池ブロック72では3番目の導電性部材210cによって全ての素電池10,10,・・の負極端子が接続されており、この導電性部材210cが第3の電池ブロック73の全ての素電池10,10,・・の正極端子を接続しているとともに、第2の電池ブロック72と第3の電池ブロック73とを直列に接続している。
【0063】
なお、複数の導電性部材のうち、両端に配置された導電性部材は、一方の端の導電性部材が一方の端側の電池ブロックの正極端子を並列接続するのみであり、他方の端の導電性部材が他方の端側の電池ブロックの負極端子を並列接続するのみである。
【0064】
また、各電池ブロック71,72,73,・・に対しては、含まれている素電池10,10,・・の全ての正極端子を接続している導電性部材と、含まれている素電池10,10,・・の全ての負極端子を接続している別の導電性部材との、2つの導電性部材が配置されている。
【0065】
従って、図7に示す電池モジュール120は、10個の素電池10,10,・・が並列に接続されて構成された電池ブロックが8個直列接続された構成となっている。
【0066】
ここで、本実施形態の電池モジュール120は左側の辺の集合体63から右側の辺の集合体62に向かって電流が流れるように構成されているので、各列B1,C1,D1,E1,・・は、直列の電流方向に対して垂直な方向に素電池10,10,・・が並んでいる構成を有している。
【0067】
本実施形態においても、実施形態1と同じ効果を奏するとともに、電池モジュールの全体の形状を矩形以外の形状に設計することができるという高い設計の自由度を有している。
【0068】
(実施形態3)
実施形態3は、実施形態1とは素電池の配置が異なり、電池モジュールの外形が異なっており、さらに異なる形状の導電性部材を用いているが、素電池自体や前記の相違点以外の部分はほぼ実施形態1と同じであるので、実施形態1とは異なる部分を以下に説明する。
【0069】
実施形態3に係る電池モジュール130の素電池10,10,・・の配置と電気的な接続、及びその電気的な接続を行うための導電性部材の構成について図10から図12を用いて説明する。
【0070】
図10は実施形態3に係る電池モジュール130を、説明をしやすくするために素電池10,10,・・と複数の導電性部材220a,220b,220c・・とだけを示した斜視図である。
【0071】
図11図10の平面構成を基にして、素電池10,10,・・の電気的な接続の順を示した図である。図11において線で結ばれているのは並列接続されていることを表している。この並列接続された素電池10,10,・・の1つの集合体を電池ブロック81,82,83,84,・・と呼ぶ。本実施形態では実施形態1と同様に8個の電池ブロック81,82,・・が存在しており、各電池ブロックには10個の素電池10,10,・・が含まれている。
【0072】
図12は、複数の導電性部材220a,220b,220c,220d,220e,・・だけを示した平面図である。
【0073】
本実施形態では、実施形態1における素電池10,10,・・の配置を基にして、各電池ブロック81,82,・・において5番目と6番目の素電池10の間を離間させ、列D2と列E2との間を離間させて4つの設置領域91,92,・・を形成している。左側の2つの設置領域91,92にはそれぞれ16個の素電池10,10,・・が設置されており、左側の2つの設置領域93,94にはそれぞれ24個の素電池10,10,・・が設置されている。隣合う設置領域91,92,・・の間は、素電池10,10,・・が設置されていない非設置領域191,192となっている。すなわち、実施形態3に係る電池モジュール130は、実施形態1に係る電池モジュール110の素電池の10,10,・・の集合体を4分割して間を離間させているが、素電池10の並び及び素電池10同士の電気的接続は実施形態1と同じである。なお、非設置領域191,192は、例えば素電池10の設置に障害となる障害物を回避するために設けられたり、電池モジュール130を車両に設置する場合に電池モジュール130の設置箇所の形状によって設けられる。
【0074】
別の言葉で言うと、実施形態1に係る電池モジュール110では80個の素電池10,10,・・を千鳥状配置により矩形状に集合させているが、実施形態3に係る電池モジュール130では16個と24個の素電池10,10,・・をそれぞれ千鳥配置状態に矩形状に集合させた4つの設置領域91,92,・・を有していて、設置領域91,92,・・同士の間は素電池10が配置されていない空間である非設置領域191,192となっていて、非設置領域191,192を除くことによって隣合う設置領域91,92,・・同士を結合させると、実施形態1に係る電池モジュール110と同じものになる。導電性部材220a,220b,220c,・・は、実施形態1の導電性部材200a,200b,200c,・・において、非設置領域191,192の上に配置される部分はそのまま引き延ばされた形状となっている。この非設置領域191,192の上に配置される部分はリンク領域221,222,223,224,225,226,227,228,・・であって、非設置領域191,192を挟んで隣合う設置領域91,92,・・同士を電気的に連結している部分である。
【0075】
次に、電池ブロック83,84における素電池10,10,・・の配置について説明する。
【0076】
第3の電池ブロック83では、1から5番目の素電池10,10,・・が設置領域91に設置されており、6から10番目の素電池10,10,・・が設置領域92に設置されている。そのうち、1、2番目の素電池10,10が列D2に位置しており、1番目の下に2番目が位置している。3番目の素電池10は列C2に位置していて2番目の素電池10の左斜め下側の隣接する位置にある。4番目の素電池10は列C2に位置していて3番目の素電池10の下側の隣接する位置にある。5番目の素電池10は列D2に位置していて4番目の素電池10の右斜め下側の隣接する位置にある。6番目の素電池10は列D2に位置していて、5番目の素電池10の下側であって非設置領域191を挟んで隣合う位置にある。7番目の素電池10は列D2に位置していて6番目の素電池10の下側の隣接する位置にある。8番目の素電池10は列C2に位置していて7番目の素電池10の左斜め下側の隣接する位置にある。9番目の素電池10は列C2に位置していて8番目の素電池10の下側の隣接する位置にある。10番目の素電池10は列D2に位置していて9番目の素電池10の右斜め下側の隣接する位置にある。
【0077】
第4の電池ブロック84では、1,2,4,5番目の素電池10が設置領域94に、3番目の素電池10が設置領域91に、6,7,9,10番目の素電池10が設置領域93に、8番目の素電池10が設置領域92に、設置されている。そのうち、1、2番目の素電池10,10が列E2に位置しており、1番目の下に2番目が位置している。3番目の素電池10は列D2に位置していて、2番目の素電池10の左斜め下側であって非設置領域192を挟んで隣合う位置にある。4番目の素電池10は列E2に位置していて、3番目の素電池10の右斜め下側であって非設置領域192を挟んで隣合う位置にある。5番目の素電池10は列E2に位置していて4番目の素電池10の下側の隣接する位置にある。6番目の素電池10は列E2に位置していて、5番目の素電池10の下側であって非設置領域191を挟んで隣合う位置にある。7番目の素電池10は列E2に位置していて6番目の素電池10の下側の隣接する位置にある。8番目の素電池10は列D2に位置していて、7番目の素電池10の左斜め下側であって非設置領域192を挟んで隣合う位置にある。9番目の素電池10は列E2に位置していて、8番目の素電池10の右斜め下側であって非設置領域192を挟んで隣合う位置にある。10番目の素電池10は列E2に位置していて9番目の素電池10の下側の隣接する位置にある。
【0078】
ここで、本実施形態の電池モジュール130は辺65から辺66に向かって電流が流れるように構成されているので、素電池10,10,・・が一直線に並んだ列A2,B2,C2,・・は、直列の電流方向に対して垂直な方向に素電池10,10,・・が並んでいる構成を有している。
【0079】
従って本実施形態の電池モジュール130は、実質的に実施形態1の電池モジュール110と同じ素電池の配置である。そのため、実施形態1と同じ効果を奏する。さらに、電池モジュールを任意の位置で分割することができ、設計の自由度が向上する。
【0080】
(その他の実施形態)
上述の実施形態は本願発明の例示であって、本願発明はこれらの例に限定されず、これらの例に周知技術や慣用技術、公知技術を組み合わせたり、一部置き換えたりしてもよい。また当業者であれば容易に思いつく改変発明も本願発明に含まれる。
【0081】
一つの電池モジュールおよび電池ブロックに含まれる素電池の数は特に限定されない。また、電池モジュールや電池ブロックの平面上の形状も、電池モジュール(素電池の設置領域)において素電池が千鳥配置されていれば特に限定されない。
【0082】
絶縁板と導電性部材とは接着剤等で固定することが好ましい。例えば、穴を開けた絶縁板に金属箔を貼り合わせて、その金属箔をエッチング等で加工することにより、導電性部材を形成する方法が製造コストや精度の点で好ましい。
【0083】
絶縁板の穴の形状は、正極端子と負極端子とが露出すればどのような形状であっても構わない。
【0084】
導電性部材の素材及び厚みは、電池モジュールの容量や充放電レートの設定などの設計値によって適宜設定すればよい。金属箔を用いてもよいし、金属板を用いてもよい。
【0085】
ヒューズの機能を担う部分は、正極側の端子接続部でも構わない。また、ヒューズ機能を発揮するために電流の流路断面積を所定の面積以下とするには、その所定の面積はそれぞれの電池モジュールによって異なるため、1列当たりの素電池の本数、電池ブロックを構成する列の数、導電部材の素材と厚みや面積、電池モジュールの充放電レートの設定などを考慮して所定の面積を設定すればよい。
【0086】
電池モジュールの分割は、実施形態3の分割状態に限定されず、分割の数が多くても少なくても構わず、分割された設置領域に含まれる素電池の数が同じでも異なっていてもよい。また、非設置領域の形状も実施形態3では矩形であったが、形状は特に限定されない。
【符号の説明】
【0087】
7a 負極端子
8 正極端子
10 素電池
30 絶縁板(電気絶縁性の板)
31 穴
40 導電性部材
91,92,93,94 設置領域
100,110,120,130 電池モジュール
191,192 非設置領域
200a,200b,200c 導電性部材
210a,210b,210c 導電性部材
220a,220b,220c 導電性部材
220d,220e 導電性部材
221,222,223,224 リンク領域
225,226,227,228 リンク領域
A,B,C 列
A1,B1,C1,D1,E1,F1 列
A2,B2,C2,D2,E2 列
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12