(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-27
(45)【発行日】2023-08-04
(54)【発明の名称】重量物の架設装置及びその方法
(51)【国際特許分類】
E01D 21/00 20060101AFI20230728BHJP
【FI】
E01D21/00 A
E01D21/00 B
(21)【出願番号】P 2022152710
(22)【出願日】2022-09-26
【審査請求日】2022-09-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000200367
【氏名又は名称】川田工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】592182573
【氏名又は名称】オックスジャッキ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】597094503
【氏名又は名称】巴機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076255
【氏名又は名称】古澤 俊明
(72)【発明者】
【氏名】桐山 忍
(72)【発明者】
【氏名】北川 幸二
(72)【発明者】
【氏名】有若 友章
(72)【発明者】
【氏名】松田 紘和
(72)【発明者】
【氏名】林 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】榎本 有佑
【審査官】荒井 良子
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-291719(JP,A)
【文献】特開2004-115179(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01D 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
立設した複数本の支柱に跨って、上段昇降梁と下段昇降梁を上下動自在に嵌合し、前記上段昇降梁と下段昇降梁の少なくともいずれか一方に取り付けた積載ステージに重量物を載せて上下移動するようにした重量物の架設装置において、
前記支柱は、前記積載ステージの上下移動範囲内に複数個の支柱ユニットを連結したものからなり、前記上段昇降梁と下段昇降梁の間に設けたジャッキの伸縮動作で前記支柱に嵌合しつつ前記重量物の荷重を交互に受け渡しつつ前記支柱ユニットの長さ単位で順次前記積載ステージを上下移動するようにしたことを特徴とする重量物の架設装置。
【請求項2】
前記支柱を構成するそれぞれの前記支柱ユニットに、水平方向のピン孔を穿設し、前記上段昇降梁と前記下段昇降梁に、前記支柱を上下動自在に嵌合する支柱孔を設け、この支柱孔に前記ピン孔と連通する水平方向のピン孔を穿設し、これらのピン孔と前記ピン孔に連結ピンを着脱自在に挿入して前記支柱に対する前記上段昇降梁と前記下段昇降梁の上下位置を調整することを特徴とする請求項1記載の重量物の架設装置。
【請求項3】
前記支柱ユニットは、天板部と底板部と、左右の側板部と、内方の2枚の補強板部とで直方体に構成され、前記天板部と前記底板部には、両側に連結用のボルト孔が穿設され、前記天板部の上面には、突起部が形成され、前記底板部の下面には、前記突起部と係合する凹部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の重量物の架設装置。
【請求項4】
前記積載ステージは、この積載ステージに載せた前記重量物を橋脚の支承に盛り替えるために、前記積載ステージに前記支承を逃げるための開口部を設けたことを特徴とする請求項1記載の重量物の架設装置。
【請求項5】
前記積載ステージの下面に、前記積載ステージが橋脚まで下降したとき、1段目の前記支柱ユニットと前記下段昇降梁を撤去するための隙間を形成するステージ仮脚を設けたことを特徴とする請求項1記載の重量物の架設装置。
【請求項6】
前記上段昇降梁に上段積載ステージを取り付け、前記下段昇降梁に下段積載ステージを取り付け、前記下段積載ステージに送り出し装置を据え付け、この送り出し装置の前記重量物を移送する無限軌道帯を、前記上段積載ステージに設けた開口部より上方に突出せしめたことを特徴とする請求項1記載の重量物の架設装置。
【請求項7】
立設した複数本の支柱に跨って、上段昇降梁と下段昇降梁を上下動自在に嵌合し、前記上段昇降梁と下段昇降梁の少なくともいずれか一方に取り付けた積載ステージに重量物を載せ、
前記支柱は、前記積載ステージの上下移動範囲内に複数個の支柱ユニットを連結し、
前記支柱ユニットに穿設した水平方向のピン孔と、前記上段昇降梁と下段昇降梁に設けられ、前記支柱を上下動自在に嵌合する支柱孔に前記ピン孔と連通する水平方向のピン孔を穿設し、これらのピン孔と前記ピン孔に連結ピンを着脱自在に挿入して前記支柱に対する前記上段昇降梁と下段昇降梁の上下位置を調整する重量物の架設装置が用いられ、
前記重量物を前記積載ステージの上に載せおく工程と、
前記重量物が前記積載ステージに載せられた状態で、ジャッキのピストンを伸ばし、前記下段昇降梁に前記重量物の全荷重をかけ、前記上段昇降梁の前記連結ピンを抜いて前記ジャッキの前記ピストンを縮め前記重量物と前記積載ステージと前記上段昇降梁を下降し、前記上段昇降梁が下降して前記上段昇降梁の前記ピン孔と1段下の前記支柱ユニットの前記ピン孔が一致した位置で前記上段昇降梁に前記連結ピンを差し込み前記重量物を下降する工程と、
前記重量物の下降を繰り返して前記積載ステージのステージ仮脚が橋脚に到達すると、前記重量物の全荷重を前記橋脚に移行する工程と、
前記ステージ仮脚が前記橋脚に到達した時点で、前記ジャッキの前記ピストンを縮めて連結ピンを抜き取り、前記下段昇降梁を撤去する工程と、
前工程で前記下段昇降梁を撤去したら、前記ジャッキの前記ピストンを伸ばして前記重量物の荷重を前記積載ステージと前記上段昇降梁と前記ピストンに盛り替えて前記ステージ仮脚を撤去する工程と、
前記ジャッキの前記ピストンを縮めて、前記橋脚の上の支承が前記積載ステージの開口部から突出してこの支承で前記重量物の全荷重を受ける工程と、
からなることを特徴とする重量物の架設方法。
【請求項8】
前記重量物が支承に載ったら、補強梁と前記積載ステージと前記支柱と前記上段昇降梁を解体して撤去することを特徴とする請求項7記載の重量物の架設方法。
【請求項9】
前記上段昇降梁が下降してこの上段昇降梁から前記支柱ユニットが突出する毎に突出した前記支柱ユニットを解体撤去し、前記重量物が支承に載ったら、補強梁と前記積載ステージと前記上段昇降梁を解体して撤去するようにしたことを特徴とする請求項7記載の重量物の架設方法。
【請求項10】
立設した複数本の支柱に跨って、上段昇降梁と下段昇降梁を上下動自在に嵌合し、前記上段昇降梁に上段積載ステージを取り付け、前記下段昇降梁に下段積載ステージを取り付け、前記下段積載ステージに送り出し装置を据え付け、この送り出し装置
の重量物を移送する無限軌道帯を、前記上段積載ステージに設けた開口部より上方に突出せしめ、
前記支柱は、前
記双方の積載ステージの上下移動範囲内に複数個の支柱ユニットを連結し、
前記支柱ユニットに穿設した水平方向のピン孔と、前記上段昇降梁と下段昇降梁に設けられ、前記支柱を上下動自在に嵌合する支柱孔に前記ピン孔と連通する水平方向のピン孔を穿設し、これらのピン孔と前記ピン孔に連結ピンを着脱自在に挿入して前記支柱に対する前記上段昇降梁と下段昇降梁の上下位置を調整する重量物の架設装置が用いられ、
前記重量物を前記送り出し装置の無限軌道帯に載せて移送する工程と、
前記重量物が所定位置まで移送されたらジャッキにより前記上段積載ステージを上昇して前記重量物の荷重を前記上段積載ステージに移し替えるとともに、前記上段昇降梁の前記ピン孔と前記支柱ユニットの前記ピン孔が一致した位置で前記連結ピンを差し込む工程と、
前記重量物の荷重を前記上段積載ステージに移し替えたら前記送り出し装置を撤去する工程と、
前記重量物が上段積載ステージに載せられた状態で、前記ジャッキのピストンを伸ばし、前記下段昇降梁に前記重量物の全荷重をかけ、前記上段昇降梁の連結ピンを抜いてジャッキのピストンを縮め重量物と上段積載ステージと上段昇降梁を下降し、前記上段昇降梁が下降して前記上段昇降梁のピン孔と1段下の支柱ユニットのピン孔が一致した位置で前記上段昇降梁に連結ピンを差し込み重量物を下降する工程と、
前記重量物の下降を繰り返して上段積載ステージのステージ仮脚が橋脚に到達すると、重量物の全荷重を橋脚に移行する工程と、
前記ステージ仮脚が橋脚に到達した時点で、前記ジャッキのピストンを縮めて連結ピンを抜き取り、前記下段昇降梁を撤去する工程と、
前工程で前記下段昇降梁を撤去したら、前記ジャッキのピストンを伸ばして前記重量物の荷重を前記上段積載ステージと前記上段昇降梁と前記ピストンに盛り替えて前記ステージ仮脚を撤去する工程と、
前記ジャッキのピストンを縮めて、前記橋脚の上の支承が前記上段積載ステージの開口部から突出してこの支承で前記重量物の全荷重を受ける工程と、
からなることを特徴とする重量物の架設方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、橋梁等の重量物を施工ヤードや既設橋桁等の上で組み立てて、移送し、橋脚上に架設するような場合において、橋梁等の重量物の架設、移送、移送後の扛上・扛下、架設設備の解体等を、交差する既設の高架橋や送電線などの障害物があっても限られた空間内で安全、かつ円滑に行えるようにした重量物の架設装置及びその方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
橋梁等の重量物を施工ヤードや既設橋桁等の上で組み立てて、移送し、橋脚上に架設する工法は、
図9及び
図10に示すものが知られている(特許文献1)。
図9(a)において、施工ヤードなどの移送路12の上面にレール66を敷設し、移送路12の先端部にジャッキ装置28を据え付ける。重量物としての橋梁13は、前記施工ヤードで組み立てられる。この橋梁13は、中間部に自走台車29を取り付け、後方部に従走台車63を取り付け、前端部に手延べ機16を連結してレール66の上に載せる。後方部架設装置59は、カウンターウエートを兼ねて橋梁13の後端部に予め取り付けておく。また、移送路12の後方部にウインチその他の惜しみ装置64を据え付けてワイヤ65で橋梁13の後方部に連結する。さらに必要に応じてセッテングビーム61の上にカウンターウエート62を載せる。
橋梁13を掛け渡そうとする前方の橋脚その他の据え付け台10には、前方部架設装置58が取り付けられる。この前方部架設装置58に代えてサンドル材等を用いてもよい。
【0003】
図9(b)において、自走台車29を駆動して手延べ機16を連結した橋梁13を移送する。自走台車29が移送路12の先端近くまで移動すると、手延べ機16の先端が前方部架設装置58の送り出しステージ38に到達する。ここで、手延べ機16の先端が撓みによりやや下がることがある場合には、前方部架設装置58全体をやや下げておいて手延べ機16を受け、手延べ機16を受けたら前方部架設装置58を所定レベルに修正する。
手延べ機16が前方部架設装置58に載ったら、自走台車29を元の位置から後方に移動して設置する。惜しみ装置64のワイヤ65は、橋梁13の移送に従い伸ばされる。
なお、橋梁13の移送は、自走台車29による場合に限られるものではなく、ジャッキ、ワイヤ等を用いて押し又は引きによることもできる。
【0004】
橋梁13がさらに移送されて橋梁13の後方部が移送路12の先端部に近づいたら、惜しみ装置64の位置を盛り替える。また、橋梁13と手延べ機16をジャッキ装置28と前方部架設装置58で支え、
図10に示すように、橋梁13の下にあった自走台車29を外してセッテングビーム61に取り付けた台車支持柱84の下に取り付ける。また、橋梁13の後方部の従走台車63を外す。この状態でさらに橋梁13と手延べ機16を移送する。
【0005】
図9(c)において、橋梁13の後方部が移送路12の先端部における扛下位置まで達したら移送を停止する。この状態が
図10に示される。この状態で、引き込みブラケット68の引き込み側ピン差し込み孔78に引き込み側結合ピンを差し込み、かつ、盛り替えブラケット69の盛り替え側ピン差し込み孔79の盛り替え側結合ピンを抜いた状態で両端クレビス付きジャッキ装置72を縮めて荷重支持用支柱60の下端部を支柱固定具82に当接し連結する。荷重支持用支柱60を支柱固定具82に連結固定したら、惜しみ装置64のワイヤ65をセッテングビーム61に連結し、かつ、自走台車29、台車支持柱84,梁材83,横桟87,筋交い86,横桟,筋交いを取り外す。
また、橋梁13の先端から手延べ機16と連結構17を外す。
図10において、セッテングビーム61に連結具81で連結したまま橋梁13を扛下して橋脚10に設置する。前記荷重支持用支柱60は、1本の角筒型であってもよいが、所定長さのものを着脱自在に連結したものであってもよい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
図9(b)の工程において、移送路12の上であって、橋梁13を吊り下げたセッテングビーム61の上部ラインP1と荷重支持用支柱60の上端ラインP2の間に、既設の高架橋95や送電線離隔域96などの障害物が存在すると、橋梁13の架設、移送、移送後の扛上・扛下、架設設備の解体等が行えないか、又はこれらの作業の安全性に支障をきたすという問題があった。
【0008】
本発明は、既設の高架橋や送電線離隔域などの建築限界があっても、限られた空間内で安全、かつ円滑に橋梁等の重量物の架設、移送、移送後の扛上・扛下、架設設備の解体等の作業が行えるようにした重量物の架設装置及びその方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の重量物の架設装置は、
立設した複数本の支柱20に跨って、上段昇降梁23と下段昇降梁24を上下動自在に嵌合し、前記上段昇降梁23と下段昇降梁24の少なくともいずれか一方に取り付けた積載ステージ25に重量物27を載せて上下移動するようにした重量物の架設装置において、
前記支柱20は、前記積載ステージ25の上下移動範囲内に複数個の支柱ユニット20aを連結したものからなり、前記上段昇降梁23と下段昇降梁24の間に設けたジャッキ43の伸縮動作で前記支柱20に嵌合しつつ前記重量物27の荷重を交互に受け渡しつつ前記支柱ユニット20aの長さ単位で順次前記積載ステージ25を上下移動するようにしたことを特徴とする。
【0010】
前記支柱20を構成するそれぞれの前記支柱ユニット20aに、水平方向のピン孔36を穿設し、前記上段昇降梁23と下段昇降梁24に、前記支柱20を上下動自在に嵌合する支柱孔41を設け、この支柱孔41に前記ピン孔36と連通する水平方向のピン孔40を穿設し、これらのピン孔40と前記ピン孔36に連結ピン42を着脱自在に挿入して前記支柱20に対する前記上段昇降梁23と下段昇降梁24の上下位置を調整することを特徴とする。
【0011】
前記支柱ユニット20aは、天板部30と底板部31と、左右の側板部52と、内方の2枚の補強板部33とで直方体に構成され、前記天板部30と底板部31には、両側に連結用のボルト孔37が穿設され、前記天板部30の上面には、突起部34が形成され、前記底板部31の下面には、前記突起部34と係合する凹部35が形成されていることを特徴とする。
【0012】
前記積載ステージ25は、この積載ステージ25に載せた重量物27を橋脚10の支承26に盛り替えるために、前記積載ステージ25に前記支承26を逃げるための開口部51を設けたことを特徴とする。
【0013】
前記積載ステージ25の下面に、前記積載ステージ25が橋脚10まで下降したとき、1段目の支柱ユニット20aと前記下段昇降梁24を撤去するための隙間を形成するステージ仮脚47を設けたことを特徴とする。
【0014】
前記上段昇降梁23に上段積載ステージ25aを取り付け、前記下段昇降梁24に下段積載ステージ25bを取り付け、前記下段積載ステージ25bに送り出し装置19を据え付け、この送り出し装置19の前記重量物27を移送する無限軌道帯14を、前記上段積載ステージ25aに設けた開口部51より上方に突出せしめたことを特徴とする。
【0015】
本発明の重量物の架設方法は、
立設した複数本の支柱20に跨って、上段昇降梁23と下段昇降梁24を上下動自在に嵌合し、前記上段昇降梁23と下段昇降梁24の少なくともいずれか一方に取り付けた積載ステージ25に重量物27を載せ、
前記支柱20は、前記積載ステージ25の上下移動範囲内に複数個の支柱ユニット20aを連結し、
前記支柱ユニット20aに穿設した水平方向のピン孔36と、前記上段昇降梁23と下段昇降梁24に設けられ、前記支柱20を上下動自在に嵌合する支柱孔41に前記ピン孔36と連通する水平方向のピン孔40を穿設し、これらのピン孔40と前記ピン孔36に連結ピン42を着脱自在に挿入して前記支柱20に対する前記上段昇降梁23と下段昇降梁24の上下位置を調整する重量物の架設装置が用いられ、
前記重量物27を前記積載ステージ25の上に載せおく工程と、
重量物27が積載ステージ25に載せられた状態で、ジャッキ43のピストン44を伸ばし、前記下段昇降梁24に重量物27の全荷重をかけ、前記上段昇降梁23の連結ピン42を抜いてジャッキ43のピストン44を縮め重量物27と積載ステージ25と上段昇降梁23を下降し、前記上段昇降梁23が下降して前記上段昇降梁23のピン孔40と1段下の支柱ユニット20aのピン孔36が一致した位置で前記上段昇降梁23に連結ピン42を差し込み重量物27を下降する工程と、
前記重量物27の下降を繰り返して積載ステージ25のステージ仮脚47が橋脚10に到達すると、重量物27の全荷重を橋脚10に移行する工程と、
前記ステージ仮脚47が橋脚10に到達した時点で、前記ジャッキ43のピストン44を縮めて連結ピン42を抜き取り、前記下段昇降梁24を撤去する工程と、
前工程で前記下段昇降梁24を撤去したら、前記ジャッキ43のピストン44を伸ばして前記重量物27の荷重を前記積載ステージ25と前記上段昇降梁23と前記ピストン44に盛り替えて前記ステージ仮脚47を撤去する工程と、
前記ジャッキ43のピストン44を縮めて、前記橋脚10の上の支承26が前記積載ステージ25の開口部51から突出してこの支承26で前記重量物27の全荷重を受ける工程と、
からなることを特徴とする。
【0016】
重量物27が支承26に載ったら、補強梁49と積載ステージ25と支柱20と上段昇降梁23を解体して撤去することを特徴とする。
【0017】
前記上段昇降梁23が下降してこの上段昇降梁23から前記支柱ユニット20aが突出する毎に突出した前記支柱ユニット20aを解体撤去し、重量物27が支承26に載ったら、補強梁49と積載ステージ25と上段昇降梁23を解体して撤去するようにしたことを特徴とする。
【0018】
立設した複数本の支柱20に跨って、上段昇降梁23と下段昇降梁24を上下動自在に嵌合し、前記上段昇降梁23に上段積載ステージ25aを取り付け、前記下段昇降梁24に下段積載ステージ25bを取り付け、前記下段積載ステージ25bに送り出し装置19を据え付け、この送り出し装置19の前記重量物27を移送する無限軌道帯14を、前記上段積載ステージ25aに設けた開口部51より上方に突出せしめ、
前記支柱は、前記積載ステージの上下移動範囲内に複数個の支柱ユニットを連結し、
前記支柱ユニットに穿設した水平方向のピン孔と、前記上段昇降梁と下段昇降梁に設けられ、前記支柱を上下動自在に嵌合する支柱孔に前記ピン孔と連通する水平方向のピン孔を穿設し、これらのピン孔と前記ピン孔に連結ピンを着脱自在に挿入して前記支柱に対する前記上段昇降梁と下段昇降梁の上下位置を調整する重量物の架設装置が用いられ、
前記重量物27を前記送り出し装置19の無限軌道帯14に載せて移送する工程と、
前記重量物27が所定位置まで移送されたらジャッキ43により前記上段積載ステージ25aを上昇して前記重量物27の荷重を前記上段積載ステージ25aに移し替えるとともに、前記上段昇降梁23の前記ピン孔40と前記支柱ユニット20aの前記ピン孔36が一致した位置で前記連結ピン42を差し込む工程と、
前記重量物27の荷重を前記上段積載ステージ25aに移し替えたら前記送り出し装置19を撤去する工程と、
前記重量物27が上段積載ステージ25aに載せられた状態で、前記ジャッキ43のピストン44を伸ばし、前記下段昇降梁24に前記重量物27の全荷重をかけ、前記上段昇降梁23の連結ピン42を抜いてジャッキ43のピストン44を縮め重量物27と上段積載ステージ25と上段昇降梁23を下降し、前記上段昇降梁23が下降して前記上段昇降梁23のピン孔40と1段下の支柱ユニット20aのピン孔36が一致した位置で前記上段昇降梁23に連結ピン42を差し込み重量物27を下降する工程と、
前記重量物27の下降を繰り返して上段積載ステージ25aのステージ仮脚47が橋脚10に到達すると、重量物27の全荷重を橋脚10に移行する工程と、
前記ステージ仮脚47が橋脚10に到達した時点で、前記ジャッキ43のピストン44を縮めて連結ピン42を抜き取り、前記下段昇降梁24を撤去する工程と、
前工程で前記下段昇降梁24を撤去したら、前記ジャッキ43のピストン44を伸ばして前記重量物27の荷重を前記上段積載ステージ25aと前記上段昇降梁23と前記ピストン44に盛り替えて前記ステージ仮脚47を撤去する工程と、
前記ジャッキ43のピストン44を縮めて、前記橋脚10の上の支承26が前記上段積載ステージ25aの開口部51から突出してこの支承26で前記重量物27の全荷重を受ける工程と、
からなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明による請求項1記載の重量物の架設装置は、
立設した複数本の支柱に跨って、上段昇降梁と下段昇降梁を上下動自在に嵌合し、前記上段昇降梁と下段昇降梁の少なくともいずれか一方に取り付けた積載ステージに重量物を載せて上下移動するようにした重量物の架設装置において、
前記支柱は、前記積載ステージの上下移動範囲内に複数個の支柱ユニットを連結したものからなり、前記上段昇降梁と下段昇降梁の間に設けたジャッキの伸縮動作で前記支柱に嵌合しつつ前記重量物の荷重を交互に受け渡しつつ前記支柱ユニットの長さ単位で前記積載ステージを上下移動するようにしたので、以下の作用効果を有する。
(1)橋脚に橋桁を架設するなど、重量物を架設するときに、支柱は、重量物を載せた積載ステージの上下移動範囲内に複数個の支柱ユニットを連結したものからなるので、既設の高架橋や送電線離隔域などの建築限界があっても、限られた空間内で安全、かつ円滑に橋梁等の重量物の架設、移送、移送後の扛上・扛下、架設設備の解体等の作業が行える。
(2)橋桁の交換工事における古い橋桁を扛上して撤去する作業にも、また、新たな橋桁を扛下して設置する作業にも利用できる。
(3)その他、支承や床版の取り換え工事などにも応用できる。
(4)別途、移動設備を組み合わせることで、1つの主桁ずつ架設した部材の横取り作業が可能となる。
【0020】
本発明による請求項2記載の発明は、
前記支柱を構成するそれぞれの前記支柱ユニットに、水平方向のピン孔を穿設し、前記上段昇降梁と前記下段昇降梁に、前記支柱を上下動自在に嵌合する支柱孔を設け、この支柱孔に前記ピン孔と連通する水平方向のピン孔を穿設し、これらのピン孔と前記ピン孔に連結ピンを着脱自在に挿入して前記支柱に対する前記上段昇降梁と下段昇降梁の上下位置を調整するようにしたので、前記上段昇降梁と下段昇降梁を支柱の任意の位置に簡単、かつ、確実に固定することができる。
【0021】
本発明による請求項3記載の発明は、
前記支柱ユニットは、天板部と底板部と、左右の側板部と、内方の2枚の補強板部とで直方体に構成され、前記天板部と前記底板部には、両側に連結用のボルト孔が穿設され、前記天板部の上面には、突起部が形成され、前記底板部の下面には、前記突起部と係合する凹部が形成されているので、支柱ユニットの連結と、解体が簡単に可能となる。
【0022】
本発明による請求項4記載の発明は、
前記積載ステージは、この積載ステージに載せた重量物を橋脚の支承に盛り替えるために、前記積載ステージに前記支承を逃げるための開口部を設けたので、重量物を積載ステージから支承へ簡単、確実に移動させることができる。
【0023】
本発明による請求項5記載の発明は、
前記積載ステージの下面に、前記積載ステージが橋脚まで下降したとき、1段目の支柱ユニットと前記下段昇降梁を撤去するための隙間を形成するステージ仮脚を設けたので、1段目の支柱ユニットと前記下段昇降梁の解体撤去作業が容易になる。
【0024】
本発明による請求項6記載の発明は、
前記上段昇降梁に上段積載ステージを取り付け、前記下段昇降梁に下段積載ステージを取り付け、前記下段積載ステージに送り出し装置を据え付け、この送り出し装置の前記重量物を移送する無限軌道帯を、前記上段積載ステージに設けた開口部より上方に突出せしめたので、橋桁を送り出し装置から上段昇降梁の積載ステージに盛り替える際に、サンドル材等を使用することなく容易に盛替え作業ができる。
【0025】
本発明による請求項7記載の発明は、
立設した複数本の支柱に跨って、上段昇降梁と下段昇降梁を上下動自在に嵌合し、前記上段昇降梁と下段昇降梁の少なくともいずれか一方に取り付けた積載ステージに重量物を載せ、
前記支柱は、前記積載ステージの上下移動範囲内に複数個の支柱ユニットを連結し、
前記支柱ユニットに穿設した水平方向のピン孔と、前記上段昇降梁と下段昇降梁に設けられ、前記支柱を上下動自在に嵌合する支柱孔に前記ピン孔と連通する水平方向のピン孔を穿設し、これらのピン孔と前記ピン孔に連結ピンを着脱自在に挿入して前記支柱に対する前記上段昇降梁と下段昇降梁の上下位置を調整する重量物の架設装置が用いられ、
前記重量物を前記積載ステージの上に載せおく工程と、
重量物が積載ステージに載せられた状態で、ジャッキのピストンを伸ばし、前記下段昇降梁に重量物の全荷重をかけ、前記上段昇降梁の連結ピンを抜いてジャッキのピストンを縮め重量物と積載ステージと上段昇降梁を下降し、前記上段昇降梁が下降して前記上段昇降梁のピン孔と1段下の支柱ユニットのピン孔が一致した位置で前記上段昇降梁に連結ピンを差し込み重量物を下降する工程と、
前記重量物の下降を繰り返して積載ステージのステージ仮脚が橋脚に到達すると、重量物の全荷重を橋脚に移行する工程と、
前記ステージ仮脚が橋脚に到達した時点で、前記ジャッキのピストンを縮めて連結ピンを抜き取り、前記下段昇降梁を撤去する工程と、
前工程で前記下段昇降梁を撤去したら、前記ジャッキのピストンを伸ばして前記重量物の荷重を前記積載ステージと前記上段昇降梁と前記ピストンに盛り替えて前記ステージ仮脚を撤去する工程と、
前記ジャッキのピストンを縮めて、前記橋脚の上の支承が前記積載ステージの開口部から突出してこの支承で前記重量物の全荷重を受ける工程と、
からなるので、請求項1記載の発明と同様の作用効果を有する。
【0026】
本発明による請求項8記載の発明は、
重量物が支承に載ったら、補強梁と積載ステージと支柱と上段昇降梁を解体して撤去するようにしたので、重量物を架設する装置の解体撤去が容易になる。
【0027】
本発明による請求項9記載の発明は、
前記上段昇降梁が下降してこの上段昇降梁から前記支柱ユニットが突出する毎に突出した前記支柱ユニットを解体撤去し、重量物が支承に載ったら、補強梁と積載ステージと上段昇降梁を解体して撤去するようにしたので、支柱を構成する支柱ユニットを重量物の降下作業に合わせて不必要となった支柱ユニットを順次解体撤去でき、重量物の架設作業が安全に、より、短時間にできる。
【0028】
本発明による請求項10記載の発明は、
立設した複数本の支柱に跨って、上段昇降梁と下段昇降梁を上下動自在に嵌合し、前記上段昇降梁に上段積載ステージを取り付け、前記下段昇降梁に下段積載ステージを取り付け、前記下段積載ステージに送り出し装置を据え付け、この送り出し装置の前記重量物を移送する無限軌道帯を、前記上段積載ステージに設けた開口部より上方に突出せしめ、
前記支柱は、前記積載ステージの上下移動範囲内に複数個の支柱ユニットを連結し、
前記支柱ユニットに穿設した水平方向のピン孔と、前記上段昇降梁と下段昇降梁に設けられ、前記支柱を上下動自在に嵌合する支柱孔に前記ピン孔と連通する水平方向のピン孔を穿設し、これらのピン孔と前記ピン孔に連結ピンを着脱自在に挿入して前記支柱に対する前記上段昇降梁と下段昇降梁の上下位置を調整する重量物の架設装置が用いられ、
前記重量物を前記送り出し装置の無限軌道帯に載せて移送する工程と、
前記重量物が所定位置まで移送されたらジャッキにより前記上段積載ステージを上昇して前記重量物の荷重を前記上段積載ステージに移し替えるとともに、前記上段昇降梁の前記ピン孔と前記支柱ユニットの前記ピン孔が一致した位置で前記連結ピンを差し込む工程と、
前記重量物の荷重を前記上段積載ステージに移し替えたら前記送り出し装置を撤去する工程と、
前記重量物が上段積載ステージに載せられた状態で、前記ジャッキのピストンを伸ばし、前記下段昇降梁に前記重量物の全荷重をかけ、前記上段昇降梁の連結ピンを抜いてジャッキのピストンを縮め重量物と上段積載ステージと上段昇降梁を下降し、前記上段昇降梁が下降して前記上段昇降梁のピン孔と1段下の支柱ユニットのピン孔が一致した位置で前記上段昇降梁に連結ピンを差し込み重量物を下降する工程と、
前記重量物の下降を繰り返して上段積載ステージのステージ仮脚が橋脚に到達すると、重量物の全荷重を橋脚に移行する工程と、
前記ステージ仮脚が橋脚に到達した時点で、前記ジャッキのピストンを縮めて連結ピンを抜き取り、前記下段昇降梁を撤去する工程と、
前工程で前記下段昇降梁を撤去したら、前記ジャッキのピストンを伸ばして前記重量物の荷重を前記上段積載ステージと前記上段昇降梁と前記ピストンに盛り替えて前記ステージ仮脚を撤去する工程と、
前記ジャッキのピストンを縮めて、前記橋脚の上の支承が前記上段積載ステージの開口部から突出してこの支承で前記重量物の全荷重を受ける工程と、
からなるので、請求項6記載の発明と同様の作用効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明による重量物の架設装置及びその方法の一実施例を示す斜視図である。
【
図2】支柱20を構成する支柱ユニット20aの一部断面した分解斜視図である。
【
図3】(a-1)、(a-2)、(b-1)、(b-2)、(c-1)、(c-2)は、それぞれ支柱20を橋脚10の上に組み立てる工程を示す正面図と側面図である。
【
図4】(a-1)、(a-2)、(b-1)、(b-2)は、それぞれ組み立てた支柱20に、積載ステージ25を据え付け、揚上する工程を示す正面図と側面図である。
【
図5】(a)(b)(c)(d)(e)は、本発明による重量物の架設装置及びその方法を用いて橋桁などの重量物27を橋脚まで扛下している工程を示す正面図である。
【
図8】本発明の他の実施例を示す一部切り欠いた側面図である。
【
図9】従来の工法を示すもので、(a)は、施工ヤードの移送路12で橋梁13を組み立てている状態の側面図、(b)は、自走台車29を駆動して手延べ機16とともに橋梁13を移送している状態の側面図、(c)は、橋梁13の後方部が移送路12の先端部における扛下位置まで達した状態の側面図である。
【
図10】
図9(c)における従来の後方部架設装置59の詳細な側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明は、
立設した複数本の支柱20に跨って、上段昇降梁23と下段昇降梁24を上下動自在に嵌合し、前記上段昇降梁23と下段昇降梁24の少なくともいずれか一方に取り付けた積載ステージ25に重量物27を載せて上下移動するようにした重量物の架設装置において、
前記支柱20は、前記積載ステージ25の上下移動範囲内に複数個の支柱ユニット20aを連結したものからなり、前記上段昇降梁23と下段昇降梁24の間に設けたジャッキ43の伸縮動作で前記支柱20に嵌合しつつ前記重量物27の荷重を交互に受け渡しつつ前記支柱ユニット20aの長さ単位で順次前記積載ステージ25を上下移動する。
【0031】
前記支柱20を構成するそれぞれの前記支柱ユニット20aに、水平方向のピン孔36を穿設し、前記上段昇降梁23と下段昇降梁24に、前記支柱20を上下動自在に嵌合する支柱孔41を設け、この支柱孔41に前記ピン孔36と連通する水平方向のピン孔40を穿設し、これらのピン孔40と前記ピン孔36に連結ピン42を着脱自在に挿入して前記支柱20に対する前記上段昇降梁23と下段昇降梁24の上下位置を調整する。
【0032】
前記支柱ユニット20aは、天板部30と底板部31と、左右の側板部52と、内方の2枚の補強板部33とで直方体に構成され、前記天板部30と底板部31には、両側に連結用のボルト孔37が穿設され、前記天板部30の上面には、突起部34が形成され、前記底板部31の下面には、前記突起部34と係合する凹部35が形成されている。
【0033】
前記積載ステージ25は、この積載ステージ25に載せた重量物27を橋脚10の支承26に盛り替えるために、前記積載ステージ25に前記支承26を逃げるための開口部51を設ける。
【0034】
前記積載ステージ25の下面に、前記積載ステージ25が橋脚10まで下降したとき、1段目の支柱ユニット20aと前記下段昇降梁24を撤去するための隙間を形成するステージ仮脚47を設ける。
【0035】
前記上段昇降梁23に上段積載ステージ25aを取り付け、前記下段昇降梁24に下段積載ステージ25bを取り付け、前記下段積載ステージ25bに送り出し装置19を据え付け、この送り出し装置19の前記重量物27を移送する無限軌道帯14を、前記上段積載ステージ25aに設けた開口部51より上方に突出せしめる。
【0036】
本発明の重量物の架設方法は、
立設した複数本の支柱20に跨って、上段昇降梁23と下段昇降梁24を上下動自在に嵌合し、前記上段昇降梁23と下段昇降梁24の少なくともいずれか一方に取り付けた積載ステージ25に重量物27を載せ、
前記支柱20は、前記積載ステージ25の上下移動範囲内に複数個の支柱ユニット20aを連結し、
前記支柱ユニット20aに穿設した水平方向のピン孔36と、前記上段昇降梁23と下段昇降梁24に設けられ、前記支柱20を上下動自在に嵌合する支柱孔41に前記ピン孔36と連通する水平方向のピン孔40を穿設し、これらのピン孔40と前記ピン孔36に連結ピン42を着脱自在に挿入して前記支柱20に対する前記上段昇降梁23と下段昇降梁24の上下位置を調整する重量物の架設装置が用いられ、
前記重量物27を前記積載ステージ25の上に載せおく工程と、
重量物27が積載ステージ25に載せられた状態で、ジャッキ43のピストン44を伸ばし、前記下段昇降梁24に重量物27の全荷重をかけ、前記上段昇降梁23の連結ピン42を抜いてジャッキ43のピストン44を縮め重量物27と積載ステージ25と上段昇降梁23を下降し、前記上段昇降梁23が下降して前記上段昇降梁23のピン孔40と1段下の支柱ユニット20aのピン孔36が一致した位置で前記上段昇降梁23に連結ピン42を差し込み重量物27を下降する工程と、
前記重量物27の下降を繰り返して積載ステージ25のステージ仮脚47が橋脚10に到達すると、重量物27の全荷重を橋脚10に移行する工程と、
前記ステージ仮脚47が橋脚10に到達した時点で、前記ジャッキ43のピストン44を縮めて連結ピン42を抜き取り、前記下段昇降梁24を撤去する工程と、
前工程で前記下段昇降梁24を撤去したら、前記ジャッキ43のピストン44を伸ばして前記重量物27の荷重を前記積載ステージ25と前記上段昇降梁23と前記ピストン44に盛り替えて前記ステージ仮脚47を撤去する工程と、
前記ジャッキ43のピストン44を縮めて、前記橋脚10の上の支承26が前記積載ステージ25の開口部51から突出してこの支承26で前記重量物27の全荷重を受ける工程と、
からなる。
【0037】
重量物27が支承26に載ったら、補強梁49と積載ステージ25と支柱20と上段昇降梁23を解体して撤去する。
【0038】
前記上段昇降梁23が下降してこの上段昇降梁23から前記支柱ユニット20aが突出する毎に突出した前記支柱ユニット20を解体撤去し、重量物27が支承26に載ったら、補強梁49と積載ステージ25と上段昇降梁23を解体して撤去する。
【0039】
立設した複数本の支柱20に跨って、上段昇降梁23と下段昇降梁24を上下動自在に嵌合し、前記上段昇降梁23に上段積載ステージ25aを取り付け、前記下段昇降梁24に下段積載ステージ25bを取り付け、前記下段積載ステージ25bに送り出し装置19を据え付け、この送り出し装置19の前記重量物27を移送する無限軌道帯14を、前記上段積載ステージ25aに設けた開口部51より上方に突出せしめ、
前記支柱は、前記積載ステージの上下移動範囲内に複数個の支柱ユニットを連結し、
前記支柱ユニットに穿設した水平方向のピン孔と、前記上段昇降梁と下段昇降梁に設けられ、前記支柱を上下動自在に嵌合する支柱孔に前記ピン孔と連通する水平方向のピン孔を穿設し、これらのピン孔と前記ピン孔に連結ピンを着脱自在に挿入して前記支柱に対する前記上段昇降梁と下段昇降梁の上下位置を調整する重量物の架設装置が用いられ、
前記重量物27を前記送り出し装置19の無限軌道帯14に載せて移送する工程と、
前記重量物27が所定位置まで移送されたらジャッキ43により前記上段積載ステージ25aを上昇して前記重量物27の荷重を前記上段積載ステージ25aに移し替えるとともに、前記上段昇降梁23の前記ピン孔40と前記支柱ユニット20aの前記ピン孔36が一致した位置で前記連結ピン42を差し込む工程と、
前記重量物27の荷重を前記上段積載ステージ25aに移し替えたら前記送り出し装置19を撤去する工程と、
前記重量物27が上段積載ステージ25aに載せられた状態で、前記ジャッキ43のピストン44を伸ばし、前記下段昇降梁24に前記重量物27の全荷重をかけ、前記上段昇降梁23の連結ピン42を抜いてジャッキ43のピストン44を縮め重量物27と上段積載ステージ25と上段昇降梁23を下降し、前記上段昇降梁23が下降して前記上段昇降梁23のピン孔40と1段下の支柱ユニット20aのピン孔36が一致した位置で前記上段昇降梁23に連結ピン42を差し込み重量物27を下降する工程と、
前記重量物27の下降を繰り返して上段積載ステージ25aのステージ仮脚47が橋脚10に到達すると、重量物27の全荷重を橋脚10に移行する工程と、
前記ステージ仮脚47が橋脚10に到達した時点で、前記ジャッキ43のピストン44を縮めて連結ピン42を抜き取り、前記下段昇降梁24を撤去する工程と、
前工程で前記下段昇降梁24を撤去したら、前記ジャッキ43のピストン44を伸ばして前記重量物27の荷重を前記上段積載ステージ25aと前記上段昇降梁23と前記ピストン44に盛り替えて前記ステージ仮脚47を撤去する工程と、
前記ジャッキ43のピストン44を縮めて、前記橋脚10の上の支承26が前記上段積載ステージ25aの開口部51から突出してこの支承26で前記重量物27の全荷重を受ける工程と、
からなる。
【実施例1】
【0040】
図1~
図7に基づき本発明の一実施例を説明する。
10は、橋脚その他の重量物を据え付ける据え付け台である。以下、据え付け台は、橋脚10を例として説明する。
図1において、前記橋脚10の上面には、橋桁などの重量物27を支持するための支承26が所定間隔で設けられている。
前記橋脚10に、前記支承26を囲むようにして2本の支持梁21が据え付けられる。この支持梁21は、橋脚10の側面に取り付けられたブラケット22にボルト等で固着される。
【0041】
前記2本の支持梁21の両端近くには、本発明特有の支柱20が垂直に取り付けられる。この支柱20は、
図2に示す支柱ユニット20aを順次高さ方向に連結して構成される。
前記支柱ユニット20aは、
図2に示すように、天板部30と、底板部31と、左右の側板部52と、内方の2枚の補強板部33とで直方体に構成され、前記天板部30と底板部31には、両側に連結用のボルト孔37が穿設され、前記天板部30の上面には、突起部34が形成され、前記底板部31の下面には、前記突起部34と係合する凹部35が形成されている。また、前記左右の側板部52の略中央部には、後述の上段昇降梁23と下段昇降梁24を連結するための連結ピン42を係合するピン孔36が貫通して形成されている。
前記支柱ユニット20aは複数個、目的に応じて、5~10個連結して支柱20が構成されるが、連結して構成した支柱20の高さは、前述の
図9(b)に示す既設の高架橋95や送電線離隔域96などの障害物に接しない高さで、かつ移送する橋桁13と前記橋脚10の間に収まるような高さに設定される。具体的には、前記支柱ユニット20aの大きさは、高さ30~50cm、幅20~30cm程度の直方体とするが、この支柱ユニット20aの寸法は、前記例に限られるものではなく、また、形状も移送する橋桁などの重量物27の形状や重量により、多角形柱、円柱など適宜選択される。
【0042】
前記支柱20には、2本で1対として上段昇降梁23と下段昇降梁24が組み込まれる。これらの上段昇降梁23と下段昇降梁24の両端には支柱孔41が設けられ、この支柱孔41に前記支柱20を差し込み、前記下段昇降梁24が下で、上段昇降梁23が上になるように上下動自在に嵌め込まれる。前記上段昇降梁23と下段昇降梁24には、前記支柱孔41を水平方向に貫通してピン孔40が穿設されている。このピン孔40から前記支柱20のピン孔36に連結ピン42を挿入し、前記上段昇降梁23と下段昇降梁24がそれぞれ前記支柱20の所定の高さに着脱自在に固定される。
前記上段昇降梁23には、前記支柱孔41の内側近くに下向き垂直の2個のジャッキ43が固定的に取り付けられ、これらのジャッキ43のピストン44は、下側の前記下段昇降梁24の上面に固着される。
【0043】
2本で1対の前記支柱20は、支承26を挟んだ両側に据え付けられ、それぞれ前記上段昇降梁23と下段昇降梁24が組み込まれる。前記左右の上段昇降梁23の間には、積載ステージ25が取り付けられる。この積載ステージ25の上面4隅にブラケット45を設け、前記左右の上段昇降梁23の内側にもブラケット46を設け、これらのブラケット45と46を組み合わせてボルト48で連結して積載ステージ25が取り付けられる。この積載ステージ25の中央には、積載ステージ25が下降したときにこの積載ステージ25に載せられて下降した橋桁などの重量物27を前記支承26に盛り替えるための開口部51が設けられ、また、前記積載ステージ25の下面の4隅には、ステージ仮脚47が設けられている。
【0044】
次に橋脚10に支柱20を組み立てる工程を
図3に基づき説明する。
図3の正面図(a-1)と側面図(a-2)において、橋脚10の両側の側面に橋脚10と平面になるようにブラケット22を取り付け、これらのブラケット22の上面の支承26を挟んだ位置に支持梁21を配置し、ボルトで前記ブラケット22に固着する。
【0045】
左右の支持梁21の両端近くにそれぞれ1段目の支柱ユニット20aをボルトで垂直に固着する。
左右の1段目のそれぞれの2個の支柱ユニット20aに、それぞれ下段昇降梁24を支柱孔41にて嵌合し、それぞれのピン孔40とピン孔36に連結ピン42を挿入して支柱ユニット20aと下段昇降梁24を連結する。
前記上段昇降梁23には、予め下向きのジャッキ43が固着されており、また、これらの左右の上段昇降梁23の間に積載ステージ25がブラケット45とブラケット46とボルト48で組み込まれている。
前記積載ステージ25を組み込んだ左右の上段昇降梁23の支柱孔41に、それぞれ2段目の支柱ユニット20aが嵌合され連結ピン42で上段昇降梁23と支柱ユニット20aとを連結する。
積載ステージ25を組み込み、連結ピン42で連結した2段目の支柱ユニット20aを、1段目の支柱ユニット20aの上に載せ、突起部34と凹部35を嵌合する。ジャッキ43のピストン44は縮めた状態で下段昇降梁24の上面に密着固定する。この状態では、1段目の支柱ユニット20aと2段目の支柱ユニット20aは、ボルトにより固着されていない。
組み込まれた積載ステージ25は、ステージ仮脚47により橋脚10の上面に載せられた状態となる。
【0046】
図3の(b-1)、(b-2)において、4個所のジャッキ43のピストン44を伸ばして上段昇降梁23と下段昇降梁24の間に支柱ユニット20aの高さよりわずかに大きな隙間を作る。この隙間に新たな支柱ユニット20aを組み込み、上側の支柱ユニット20aと新たな支柱ユニット20aをボルトで結合する。ボルトで結合したら、ジャッキ43のピストン44をわずかに縮めて上段昇降梁23を下降し、1段目の支柱ユニット20aと新たな支柱ユニット20aを突起部34と凹部35で嵌合する。しかし、1段目と2段目は、ボルト締めをしない。
新たな支柱ユニット20aを組み込んだら、上段昇降梁23の連結ピン42を抜いてジャッキ43のピストン44を縮め、上段昇降梁23を新たな支柱ユニット20aに下降して嵌合する。
【0047】
図3の(c-1)、(c-2)において、上段昇降梁23を積載ステージ25とともに下降したら、2段目の支柱ユニット20aのピン孔36と上段昇降梁23のピン孔40を一致させ、連結ピン42を挿入して連結する。新たな支柱ユニット20aは、次の工程で3段目の支柱20となる。
上段昇降梁23を新たな支柱ユニット20aに連結したら、ジャッキ43のピストン44を伸ばすと、
図3の(b-1)、(b-2)と同様に、上段昇降梁23と下段昇降梁24の間に支柱ユニット20aの高さよりわずかに大きな隙間を作り、この隙間に新たな支柱ユニット20aを組み込み、上側の支柱ユニット20aと新たな支柱ユニット20aをボルトで結合する。
以下同様に、
図3の(b-1)、(b-2)と
図3の(c-1)、(c-2)の工程を繰り返すことにより、支柱ユニット20aが1段ずつ高くなり、所定の高さの支柱20となる。所定の高さになった状態で、1段目の支柱ユニット20aと新たな2段目の支柱ユニット20aをボルトにより固着する。
【0048】
支柱ユニット20aを所定の個数だけ連結して所定の高さの支柱20になったら、積載ステージ25を最上段まで揚上する。その工程を
図4に基づき説明する。
支柱20が所定の高さになっても、積載ステージ25が
図3(c-1)、(c-2)に示すように、最下段にある状態(2段目の支柱ユニット20aと上段昇降梁23が連結ピン42で連結している状態)であるものとする。この状態において、上段昇降梁23を連結している連結ピン42を抜き取り、ジャッキ43のピストン44を伸ばすことにより、上段昇降梁23が積載ステージ25とともに3段目の支柱ユニット20aまで揚上するので上段昇降梁23に連結ピン42を差し込み固定する。この状態が
図4(a-1)、(a-2)に示されている。
【0049】
図4(a-1)、(a-2)において、下段昇降梁24の連結ピン42を抜き取り、ジャッキ43のピストン44を縮めると、下段昇降梁24は、ピストン44と一体となって2段目の支柱ユニット20aまで揚上する。この状態で、下段昇降梁24と2段目の支柱ユニット20aに連結ピン42を挿入して連結する。
【0050】
下段昇降梁24が2段目の支柱ユニット20aに連結した状態で、3段目の支柱ユニット20aに連結している上段昇降梁23の連結ピン42を抜いてジャッキ43のピストン44を伸ばし、上段昇降梁23を積載ステージ25とともにさらに1段上の支柱ユニット20aまで揚上し、連結ピン42で連結する。
上段昇降梁23を連結したら、下段昇降梁24の連結ピン42を抜いて、ジャッキ43のピストン44を縮め、下段昇降梁24を1段上の支柱ユニット20aまで揚上し、連結ピン42で連結する。
以下同様にして、上段昇降梁23の連結ピン42を抜き取り、ジャッキ43のピストン44を伸ばすことにより、上段昇降梁23を積載ステージ25とともにその上の支柱ユニット20aまで揚上し、揚上したら上段昇降梁23を支柱ユニット20aに連結ピン42で連結固定し、次いで、下段昇降梁24の連結ピン42を抜いて、ジャッキ43のピストン44を縮めると、下段昇降梁24がその上の支柱ユニット20aまで揚上し、下段昇降梁24を連結ピン42で支柱ユニット20aに固定する。
以上の動作を繰り返すことにより、積載ステージ25は、
図4(b-1)、(b-2)に示すように、最上段まで揚上する。
【0051】
次に本発明による橋桁などの重量物27の降下の手順を
図5に基づき説明する。
図5(a)は、積載ステージ25にエンドレス移送装置などの送り出し装置19を取り付け、この送り出し装置19で橋桁などの重量物27を降下点まで移送してきた状態を示している。この地点は、前述の
図9(c)と同一地点である。
この
図5(a)では、積載ステージ25が所定の高さになるように支柱ユニット20aを必要本数だけ連結して組み立てた支柱20を用いている。また、本発明の重量物の架設装置を2列に配置し、相互の装置間を補強梁49で連結し、さらに、必要に応じて筋交50で補強している。
本発明では、支柱20は、橋桁などの重量物27の上まで伸びていないので、
図9(b)に示すような既設の高架橋95や送電線の離隔域96の邪魔になることはない。
橋桁などの重量物27が降下地点まで移送されたら、図示しないサンドル材、盛替えジャッキなどを使用して公知の方法で送り出し装置19を撤去し、橋桁27を積載ステージ25の上に載せおく。
【0052】
図5(a)において、橋桁27が送り出し装置19から積載ステージ25に載せられた状態で、ジャッキ43のピストン44を伸ばすと、下段昇降梁24に橋桁27の全荷重がかかっている状態にある。この状態で、上段昇降梁23の連結ピン42を抜く。連結ピン42を抜いてジャッキ43のピストン44を縮めると橋桁27と積載ステージ25と上段昇降梁23は下降する。上段昇降梁23が下降して上段昇降梁23のピン孔40と1段下の支柱ユニット20aのピン孔36が一致した位置で上段昇降梁23に連結ピン42を差し込む。
【0053】
図5(b)において、前述の橋桁27の下降を繰り返して積載ステージ25のステージ仮脚47が橋脚10に到達すると、橋桁27の全荷重が橋脚10に移行する。この時、ジャッキ43のピストン44が縮められており、上段昇降梁23と下段昇降梁24は無荷重となる。この工程において、上段昇降梁23よりも上に伸びている支柱ユニット20aは、順次解体して撤去する。
積載ステージ25のステージ仮脚47が橋脚10に到達した時点では、上段昇降梁23よりも上に伸びている支柱ユニット20aは、順次解体することなく、
図6、
図7に示すように、支承26が積載ステージ25の開口部51から突出してこの支承26で橋桁27の全荷重を受けてから積載ステージ25と支柱20と上段昇降梁23と支持梁21とブラケット22を解体して撤去するようにしてもよい。
【0054】
図5(c)において、ステージ仮脚47が橋脚10に到達して、上段昇降梁23と下段昇降梁24は無荷重となった時点で、ジャッキ43のピストン44を縮めてピン孔40を抜き取り、下段昇降梁24を撤去するとともに最後の支柱ユニット20aを解体撤去する。
【0055】
図5(d)において、前工程で下段昇降梁24を撤去したら、ジャッキ43のピストン44を支持梁21の上に伸ばして橋桁27の荷重を積載ステージ25と上段昇降梁23とピストン44に盛り替えて積載ステージ25のステージ仮脚47を無荷重にしてこのステージ仮脚47を撤去する。
【0056】
図5(e)において、ジャッキ43のピストン44を縮めると、橋脚10の上の支承26が積載ステージ25の開口部51から突出してこの支承26で橋桁27の全荷重を受ける。
橋桁27が支承26に載ったら、補強梁49と積載ステージ25と支柱20と上段昇降梁23と支持梁21とブラケット22を解体して撤去する。
【0057】
前記
図5の実施例では、橋桁27を積載ステージ25とともに降下する例を説明したが、
図4の工程を応用して、
図6及び
図7に示すような支承26に載っているような低い位置にある橋桁27を積載ステージ25とともにより高い位置まで順次揚上することもできる。
図6において、18は、積載ステージ25の台座である。
【0058】
前記実施例では、積載ステージ25を上段昇降梁23に取り付け、また、上段昇降梁23にジャッキ43を下向き垂直に取り付け、前記ジャッキ43のピストン44を下段昇降梁24に密接固定したが、この例に限られるものではなく、積載ステージ25を下段昇降梁24に取り付けてもよく、また、下段昇降梁24にジャッキ43を上向き垂直に取り付け、前記ジャッキ43のピストン44を上段昇降梁23に密接固定し、橋桁27の荷重を下段昇降梁24で受け、その反力を上段昇降梁23で受けるようにしてもよい。
【0059】
前記実施例では、積載ステージ25は、上段昇降梁23と下段昇降梁24のいずれか一方に取り付けたが、これに限られるものではなく、上段昇降梁23と下段昇降梁24の両方にそれぞれ積載ステージ25を取り付けることにより、以下の作用効果が得られる。
図8において、下段昇降梁24の下段積載ステージ25bに送り出し装置19を据え付け、この送り出し装置19の無限軌道帯14の部分を上段昇降梁23の上段積載ステージ25aの開口部51から上方にやや突出させておく。この突出した無限軌道帯14に橋桁27を載せ、送り出し装置19を駆動して橋桁27を移送する。橋桁27が所定位置まで移送されたら上段昇降梁23に設けられたジャッキ43のピストン44を伸ばし、橋桁27の荷重を上段昇降梁23の上段積載ステージ25aで受ける。上段積載ステージ25aで橋桁27の荷重を受けたら、送り出し装置19を解体して撤去し、ジャッキ43のピストン44を縮めて前記上段昇降梁23の前記ピン孔40と前記支柱ユニット20aの前記ピン孔36が一致した位置で前記連結ピン42を差し込み橋桁27の荷重を上段昇降梁23の上段積載ステージ25aに盛替える。そして、前記
図5(a)~(e)に示す方法で橋桁27を順次降下する。このような構成とすることにより、
図5(a)に示すような、橋桁27を送り出し装置19から上段昇降梁23の積載ステージ25に盛り替える際に、サンドル材等を使用するなどの従来の方法によることなく容易に盛替え作業ができる。
【0060】
前記実施例では、据え付け台としての橋脚10の上に、重量物として橋桁27を設置する例としたが、据え付け台10は、支柱20が据え付け台10より下方に伸ばせないような地盤そのものであってもよい。
【符号の説明】
【0061】
10…橋脚、12…施工ヤードの移送路、13…橋梁、14…無限軌道帯、16…手延べ機、17…連結構、18…台座、19…送り出し装置、20…支柱、21…支持梁、22…ブラケット、23…上段昇降梁、24…下段昇降梁、25…積載ステージ、25a…上段積載ステージ、25b…下段積載ステージ、26…支承、27…橋桁などの重量物、28…ジャッキ装置、29…自走台車、30…天板部、31…底板部、32…荷重支持用支柱、33…補強板部、34…突起部、35…凹部、36…ピン孔、37…ボルト孔、38…送り出しステージ、39…ジャッキ、40…ピン孔、41…支柱孔、42…連結ピン、43…ジャッキ、44…ピストン、45…ブラケット、46…ブラケット、47…ステージ仮脚、48…ボルト、49…補強梁、50…筋交、51…開口部、52…側板部、58…前方部架設装置、59…後方部架設装置、60…荷重支持用支柱、61…セッテングビーム、62…カウンターウエート、63…従走台車、64…惜しみ装置、65…ワイヤ、66…レール、67…梁材、68…引き込みブラケット、69…盛替えブラケット、70…支柱貫通孔、71…支柱貫通孔、72…ジャッキ装置、73…シリンダー、74…ピストンロッド、77…係止孔、78…引き込み側ピン差し込み孔、79…盛替え側ピン差し込み孔、80…連結具、81…連結具、82…支柱固定具、83…梁材、84…台車支持柱、85…梁材、86…筋交、87…横桟、90…梁材、92…ストッパ、95…既設の高架橋、96…送電線の離隔域、P1…上部ライン、P2…上端ライン。
【要約】
【課題】建築限界があっても、安全、かつ円滑に橋梁等の重量物の扛上・扛下等の作業が行えるようにした装置及び方法を提供すること。
【解決手段】複数本の支柱20に上段昇降梁23と下段昇降梁24を上下動自在に嵌合し、これらの少なくともいずれか一方に取り付けた積載ステージ25に重量物27を載せて上下移動するようにした重量物の架設装置において、前記支柱20は、前記積載ステージ25の上下移動範囲内に複数個の支柱ユニット20aを連結したものからなり、前記上段昇降梁23と下段昇降梁24の間に設けたジャッキ43の伸縮動作で前記支柱20に嵌合しつつ前記重量物27の荷重を交互に受け渡しつつ前記支柱ユニット20aの長さ単位で順次前記積載ステージ25を上下移動するようにした。
【選択図】
図1