(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-27
(45)【発行日】2023-08-04
(54)【発明の名称】膜及び製造プロセス
(51)【国際特許分類】
B32B 15/08 20060101AFI20230728BHJP
C23C 14/20 20060101ALI20230728BHJP
C23C 16/30 20060101ALI20230728BHJP
C23C 16/06 20060101ALI20230728BHJP
B32B 9/00 20060101ALI20230728BHJP
H01M 4/66 20060101ALN20230728BHJP
【FI】
B32B15/08 A
C23C14/20 A
C23C16/30
C23C16/06
B32B9/00 A
H01M4/66 A
(21)【出願番号】P 2021525135
(86)(22)【出願日】2018-11-09
(86)【国際出願番号】 CN2018114847
(87)【国際公開番号】W WO2020093375
(87)【国際公開日】2020-05-14
【審査請求日】2021-05-31
(73)【特許権者】
【識別番号】521196109
【氏名又は名称】深▲せん▼市元子科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN YUANZI TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】101,No.8,Tongfuyu Industrial Park,Guangming Zhenmei Community,Xinhu Street,Guangming New District,Shenzhen,Guangdong 518107,China
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】魏 ▲ディン▼
【審査官】川口 裕美子
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-058362(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0301709(US,A1)
【文献】特開2012-077330(JP,A)
【文献】特開2018-053340(JP,A)
【文献】特表2018-517253(JP,A)
【文献】特開2011-204677(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 15/08
C23C 14/20
C23C 16/30
C23C 16/06
B32B 9/00
H01M 4/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材層を含み、前記基材層の正面と裏面のそれぞれに、接着層、機能層、保護層が順次設けられ、前記機能層は第1の複合銅層と第2の複合銅層で構成され、前記第1の複合銅層は、金属銅を接着層の表面に加工することを1~500回繰り返して形成するように構成され、前記第2の複合銅層は、金属銅を第1の複合銅層の表面に加工することを1~500回繰り返して形成するように構成され、
前記接着層は金属材料層と非金属材料層で構成される複合材料層であり、前記金属材料層の金属は、
Ti、W、Cr、
Ni、Ni合金、Cr合金のうちの1種であり、前記非金属材料層の前記非金属は、PVDC、
NiO、Si、PTFE、PP、PE、SiC、Si
3N
4、SiO
x(1.5≦x≦2)、AlO
x(1≦x≦1.5)、AlO
x(1≦x≦1.5)とメラミンとの組み合わせのうちの1種である、ことを特徴とする膜。
【請求項2】
第1の複合銅層は、PVDプロセスを1~30回繰り返して形成され、第2の複合銅層は電気メッキプロセスを1~10回繰り返して形成される、ことを特徴とする請求項1に記載の膜。
【請求項3】
前記機能層は、第1の複合銅層と、その外層に位置する第2の複合銅層で構成され、まず、接着層上に第1の複合銅層を堆積し、次に、第1の複合銅層上に第2の複合銅層をメッキしたものであり、前記第1の複合銅層の厚さが、第2の複合銅層の厚さより小さい、ことを特徴とする請求項1に記載の膜。
【請求項4】
第1の複合銅層と第2の複合銅層との厚さの和は30~2500nmである、ことを特徴とする請求項1に記載の膜。
【請求項5】
基材層を含み、前記基材層の正面と裏面のそれぞれに、接着層、機能層、保護層が順次設けられ、前記機能層は第1の複合銅層で構成され、前記第1の複合銅層は、金属銅を接着層の表面に加工することを2~500回繰り返して形成するように構成され、
前記接着層は金属材料層と非金属材料層で構成される複合材料層であり、前記金属材料層の金属は、
Ti、W、Cr、
Ni、Ni合金、Cr合金のうちの1種であり、前記非金属材料層の前記非金属は、PVDC、
NiO、Si、PTFE、PP、PE、SiC、Si
3N
4、SiO
x(1.5≦x≦2)、AlO
x(1≦x≦1.5)、AlO
x(1≦x≦1.5)とメラミンとの組み合わせのうちの1種である、ことを特徴とする膜。
【請求項6】
第1の複合銅層の厚さは15~1500nmである、ことを特徴とする請求項5に記載の膜。
【請求項7】
基材層を含み、前記基材層の正面と裏面のそれぞれに、接着層、機能層、保護層が順次設けられ、前記機能層は第2の複合銅層で構成され、前記第2の複合銅層は、金属銅を接着層の表面に加工することを2~500回繰り返して形成するように構成され、
前記接着層は金属材料層と非金属材料層で構成される複合材料層であり、前記金属材料層の金属は、
Ti、W、Cr、
Ni、Ni合金、Cr合金のうちの1種であり、前記非金属材料層の前記非金属は、PVDC、
NiO、Si、PTFE、PP、PE、SiC、Si
3N
4、SiO
x(1.5≦x≦2)、AlO
x(1≦x≦1.5)、AlO
x(1≦x≦1.5)とメラミンとの組み合わせのうちの1種である、ことを特徴とする膜。
【請求項8】
第2の複合銅層の厚さは15~1500nmである、ことを特徴とする請求項7に記載の膜。
【請求項9】
前記金属材料層は、1~10層の金属材料で構成される、ことを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の膜。
【請求項10】
前記金属材料層は、1~2層の金属材料で構成される、ことを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の膜。
【請求項11】
前記金属材料層の金属は前記Ni合金であり、前記Ni合金は、NiCu合金、NiCr合金、NiV合金のうちの1種であり、
質量百分率で、NiCu合金である場合、60%~80%のNiと、20%~40%のCuからなり、
NiCr合金である場合、70%~90%のNiと、10%~30%のCrからなり、
NiV合金である場合、80%~95%のNiと、5%~20%のVからなる、ことを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の膜。
【請求項12】
前記金属材料層の金属は前記Cr合金であり、前記Cr合金は、CrCu合金、CrV合金又はCrCo合金のうちの1種であり、
質量百分率で、CrCu合金である場合、60%~90%のCrと10%~40%のCuからなり、
CrV合金である場合、40%~80%のCrと20%~60%のVからなり、
CrCo合金である場合、60%~90%のCrと10%~40%のCoからなる、ことを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の膜。
【請求項13】
金属材料層の厚さは3~40nmである、ことを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の膜。
【請求項14】
前記非金属材料層の非金属材料がSiO
x(1.5≦x≦2)である場合、非金属材料層の厚さは10~40nmである、ことを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の膜。
【請求項15】
前記非金属材料層の非金属材料がAlO
x(1≦x≦1.5)である場合、非金属材料層の厚さは3~40nmである、ことを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の膜。
【請求項16】
前記非金属材料層は1~10層に設定される、ことを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の膜。
【請求項17】
前記非金属材料層は1~2層に設定される、ことを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の膜。
【請求項18】
非金属材料層の厚さは3~40nmである、ことを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の膜。
【請求項19】
金属材料層の厚さは1.5~28.5nmであり、非金属材料層の厚さは1.5~30nmである、ことを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の膜。
【請求項20】
前記保護層は金属材料層であり、前記金属材料層の金属は、Cr、
Ni、Ni合金、Cr合金のうちの1種である、ことを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の膜。
【請求項21】
前記基材層の厚さは1.2~12μmである、ことを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の膜。
【請求項22】
前記基材層の厚さは1.2~6μmである、ことを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の膜。
【請求項23】
基材層上に接着層を形成するステップ1と、
金属銅を2~500回繰り返し加工した第1の複合銅層の複合銅層である機能層を接着層外に形成するステップ2と、
金属材料保護層又は非金属材料保護層を機能層外に形成するステップ3とを含み、
前記接着層は金属材料層と非金属材料層で構成される複合材料層であり、前記金属材料層の金属は、
Ti、W、Cr、
Ni、Ni合金、Cr合金のうちの1種であり、前記非金属材料層の前記非金属は、PVDC、
NiO、Si、PTFE、PP、PE、SiC、Si
3N
4、SiO
x(1.5≦x≦2)、AlO
x(1≦x≦1.5)、AlO
x(1≦x≦1.5)とメラミンとの組み合わせのうちの1種である、ことを特徴とする膜製造方法。
【請求項24】
基材層上に接着層を形成するステップ1と、
金属銅を2~500回繰り返し加工した第2の複合銅層の複合銅層である機能層を接着層外に形成するステップ2と、
機能層外に保護層を形成するステップ3とを含み、
前記接着層は金属材料層と非金属材料層で構成される複合材料層であり、前記金属材料層の金属は、
Ti、W、Cr、
Ni、Ni合金、Cr合金のうちの1種であり、前記非金属材料層の前記非金属は、PVDC、
NiO、Si、PTFE、PP、PE、SiC、Si
3N
4、SiO
x(1.5≦x≦2)、AlO
x(1≦x≦1.5)、AlO
x(1≦x≦1.5)とメラミンとの組み合わせのうちの1種である、ことを特徴とする膜製造方法。
【請求項25】
基材層上に接着層を形成するステップ1と、
金属銅を接着層外に加工することを1~500回繰り返して形成した第1の複合銅層と、金属銅を第1の複合銅層に加工することを1~500回繰り返して形成した第2の複合銅層である機能層を接着層外に形成するステップ2と、
金属材料保護層又は非金属材料保護層を機能層外に形成するステップ3とを含み、
前記接着層は金属材料層と非金属材料層で構成される複合材料層であり、前記金属材料層の金属は、
Ti、W、Cr、
Ni、Ni合金、Cr合金のうちの1種であり、前記非金属材料層の前記非金属は、PVDC、
NiO、Si、PTFE、PP、PE、SiC、Si
3N
4、SiO
x(1.5≦x≦2)、AlO
x(1≦x≦1.5)、AlO
x(1≦x≦1.5)とメラミンとの組み合わせのうちの1種である、ことを特徴とする膜製造方法。
【請求項26】
前記ステップ1において、PVDプロセス、CVDプロセス又はALDプロセスのうちの1種によって基材層の正面と裏面に接着層を形成する、ことを特徴とする請求項23~25のいずれか1項に記載の膜製造方法。
【請求項27】
前記ステップ2において、ステップ1で接着層が設けられた基材層について、PVDプロセス、電気メッキプロセス又はCVDプロセスのうちの1種によって、接着層面に一層の銅メッキ層を形成し、所定厚さに応じて毎回5~2500nm堆積し、2~500回繰り返して、所定の総厚さの機能層を得る、ことを特徴とする請求項23~25のいずれか1項に記載の膜製造方法。
【請求項28】
前記ステップ3において、ステップ2で処理した機能層付き基材層について、PVDプロセス、CVDプロセス、電気メッキプロセス又は表面塗布プロセスのうちの1種によって、機能層面上に保護層を形成する、ことを特徴とする請求項23~25のいずれか1項に記載の膜製造方法。
【請求項29】
前記接着層が金属材料層である場合、そのプロセスはPVDプロセスであり、前記接着層が非金属材料層である場合、前記非金属材料層のプロセス方法は、CVD直接反応酸化物製造プロセス、CVDイオン支援酸化プロセス、CVD反応他の化合物の製造プロセス、ALDプロセスのうちの1種である、ことを特徴とする請求項26に記載の膜の製造プロセス。
【請求項30】
前記機能層は第1の複合銅層と第2の複合銅層であり、前記第1の複合銅層のプロセス方法はPVDプロセス、CVDプロセスのうちの1種であり、第2の複合銅層のプロセス方法は電気メッキプロセス、化学メッキプロセスのうちの1種である、ことを特徴とする請求項25に記載の膜の製造プロセス。
【請求項31】
前記保護層が金属材料層である場合、その製造プロセス方法はPVDプロセスであり、前記保護層が非金属材料層である場合、その製造プロセス方法は電気メッキプロセスと表面塗布プロセスのうちの1種である、ことを特徴とする請求項28に記載の膜の製造プロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エネルギー貯蔵ユニット用材料の技術分野に属し、具体的には、膜及び製造プロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
工業の発展及び化石エネルギーの枯渇に伴い、環境汚染とエネルギー不足による圧力が高まっており、新しいエネルギーを見つけ、新しい省エネツールを開発することは急務となっている。
【0003】
リチウムエネルギー貯蔵ユニットの負極材料が銅箔であり、従来の銅箔の最大厚さが6ミクロンしか達成できない。エネルギー貯蔵ユニット技術の発展に伴い、エネルギー貯蔵ユニットの体積及び重量の両方に対する要件が高まり、極薄エネルギー貯蔵ユニットの負極集電体構造が登場しており、プラスチック基材層上に銅層がメッキされていることにより、良好な厚さを実現できるものの、銅メッキ層は、プラスチック基材層との接合強度が低いので、エネルギー貯蔵ユニットの充放電中に剥離しやすい。
従来技術では、銅メッキ層は機能層であり、一回のメッキプロセス、即ち一回の電気メッキにより所望の厚さの銅層を製造するが、プロセスが複雑であり、コストが高く、また、一回のメッキにより膜面にしわやピンホールが多く発生し、抵抗率が低いなどの問題が生じる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、従来技術に存在している問題を解決して、コストが低く、プロセスがシンプルであり、外観性に優れる膜を提供することである。
【0005】
本発明の別の目的は、コストが低く、プロセスがシンプルであり、外観性に優れる膜の製造プロセスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の技術案は以下のとおりである。
膜であって、基材層を含み、前記基材層の正面と裏面のそれぞれに接着層、機能層、保護層が順次設けられ、前記機能層は第1の複合銅層と第2の複合銅層とで構成され、前記第1の複合銅層は、金属銅を接着層の表面に加工することを1~500回繰り返して形成するように構成され、前記第2の複合銅層は、金属銅を第1の複合銅層の表面に加工することを1~500回繰り返して形成するように構成される。
【0007】
第1の複合銅層は、PVDプロセスを1~30回繰り返して形成され、第2の複合銅層は電気メッキプロセスを1~10回繰り返して形成される。
【0008】
前記機能層は、第1の複合銅層と、その外層に位置する第2の複合銅層で構成され、まず、接着層上に第1の複合銅層を堆積し、次に、第1の複合銅層上に第2の複合銅層をメッキしたものであり、前記第1の複合銅層の厚さが、第2の複合銅層の厚さより小さい。
【0009】
第1の複合銅層と第2の複合銅層との厚さの和は30~2500nmである。
【0010】
膜であって、基材層を含み、前記基材層の正面と裏面のそれぞれに接着層、機能層、保護層が順次設けられ、前記機能層は第1の複合銅層で構成され、前記第1の複合銅層は、金属銅を接着層の表面に加工することを2~500回繰り返して形成するように構成される。
【0011】
第1の複合銅層の厚さは15~1500nmである。
【0012】
基材層を含み、前記基材層の正面と裏面のそれぞれに接着層、機能層、保護層が順次設けられ、前記機能層は第2の複合銅層で構成され、前記第2の複合銅層は、金属銅を接着層の表面に加工することを2~500回繰り返して形成するように構成される。
【0013】
第2の複合銅層の厚さは15~1500nmである。前記接着層は金属材料層であり、前記金属材料層の金属は、TI、W、Cr、NI、Ni合金、Cr合金のうちの1種である。
【0014】
前記接着層は非金属材料層であり、前記非金属は、PVDC、NIO、Si、PTFE、PP、PE、SiC、Si3N4、SiOx(1.5≦x≦2)、AlOx(1≦x≦1.5)、AlOx(1≦x≦1.5)とメラミンとの組み合わせのうちの1種である。
【0015】
前記接着層は金属材料層と非金属材料層で構成される複合材料層であり、前記金属材料層の金属は、TI、W、Cr、NI、Ni合金、Cr合金のうちの1種であり、前記非金属材料層の前記非金属はPVDC、NIO、Si、PTFE、PP、PE、SiC、Si3N4、SiOx(1.5≦x≦2)、AlOx(1≦x≦1.5)、AlOx(1≦x≦1.5)とメラミンとの組み合わせのうちの1種である。
【0016】
前記金属材料層は、1~10層の金属材料で構成される。
【0017】
前記金属材料層は、1~2層の金属材料で構成される。
【0018】
前記金属材料層の金属は前記Ni合金であり、前記Ni合金はNiCu合金、NiCr合金、NiV合金のうちの1種であり、
質量百分率で、NiCu合金である場合、60%~80%のNiと、20%~40%のCuとからなり、
NiCr合金である場合、70%~90%のNiと、10%~30%のCrとからなり、
NiV合金である場合、80%~95%のNiと、5%~20%のVとからなる。
【0019】
前記金属材料層の金属は前記Cr合金であり、前記Cr合金は、CrCu合金、CrV合金又はCrCo合金のうちの1種であり、
質量百分率で、CrCu合金である場合、60%~90%のCrと10%~40%のCuからなり、
CrV合金である場合、40%~80%のCrと20%~60%のVからなり、
CrCo合金である場合、60%~90%のCrと10%~40%のCoからなり、金属材料層の厚さは3~40nmである。
【0020】
前記非金属材料層の非金属材料がSiOx(1.5≦x≦2)である場合、非金属材料層の厚さは10~40nmである。
【0021】
前記非金属材料層の非金属材料がAlOx(1≦x≦1.5)である場合、非金属材料層の厚さは3~40nmである。
【0022】
前記非金属材料層は1~10層に設定される。
【0023】
前記非金属材料層は1~2層に設定される。
【0024】
非金属材料層の厚さは3~40nmである。
【0025】
前記金属材料層は1~10層に設定され、前記非金属材料層は1~10層に設定される。
【0026】
金属材料層の厚さは1.5~28.5nmであり、非金属材料層の厚さは1.5~30nmである。
【0027】
前記保護層は金属材料層であり、前記金属材料層の金属は、Cr、NI、Ni合金、Cr合金のうちの1種である。
【0028】
前記保護層は非金属材料層であり、前記保護層が非金属材料層である場合、前記非金属材料は、ブドウ糖錯体、二クロム酸カリウムのうちの1種である。
【0029】
前記保護層は機能層外に設けられ、コーティングプロセスを1~20回繰り返して形成される。
【0030】
前記保護層の厚さは2~100nmである。
【0031】
前記基材層の材料は、OPP、PET、PI、PS、PPS、CPP、PEN、PVC、SPS、PEEK、PES、PPSU、PE、不織布のうちの1種又は2種以上であり、2種以上の場合、共押出プロセスによって基材層を製造する。
【0032】
前記基材層の厚さは1.2~12μmである。
【0033】
好ましい基材層の厚さは1.2~6μmである。
【0034】
本発明の別の目的は下記技術案によって実現され、
膜製造方法であって、
基材層上に接着層を形成するステップ1と、
金属銅を2~500回繰り返して形成した第1の複合銅層の複合銅層である機能層を接着層外に形成するステップ2と、
金属材料保護層又は非金属材料保護層を機能層外に形成するステップ3とを含む。
【0035】
膜製造方法であって、
基材層上に接着層を形成するステップ1と、
金属銅を2~500回繰り返して形成した第2の複合銅層の複合銅層である機能層を接着層外に形成するステップ2と、
機能層外に保護層を形成するステップ3とを含む。
【0036】
基材層上に接着層を形成するステップ1と、
金属銅を接着層外に加工することを1~500回繰り返した第1の複合銅層と、金属銅を第1の複合銅層に加工することを1~500回繰り返した第2の複合銅層とである機能層を接着層外に形成するステップ2と、
金属材料保護層又は非金属材料保護層を機能層外に形成するステップ3とを含む膜製造方法。
【0037】
前記ステップ1であるS1において、PVDプロセス、CVDプロセス又はALDプロセスのうちの1種によって基材層の正面と裏面に接着層を形成し、
前記ステップ2であるS2において、S1で接着層がメッキされている基材層について、PVDプロセス、水電気メッキプロセス又はCVDプロセスのうちの1種によって、接着層がメッキされている基材層面に一層の銅メッキ層を形成し、必要に応じて毎回5~2500nm堆積し、2~500回繰り返して、総厚さが標準に達する機能層を得る。
【0038】
前記ステップ3であるS3において、S2で処理した機能層付きの基材層について、PVDプロセス、CVDプロセス、電気メッキプロセス又は表面塗布プロセスのうちの1種によって、機能層面上に保護層を形成する。
【0039】
前記接着層が金属材料層である場合、そのプロセスはマグネトロンスパッタリングプロセスであり、前記接着層が非金属材料層である場合、前記非金属材料層のプロセス方法は、CVDプロセス、又はALDプロセスのうちの1種であり、CVDプロセスは、CVD直接反応酸化物製造プロセス、CVDイオン支援酸化プロセス、CVD反応による他の化合物製造プロセス、酸化反応マグネトロンプロセスのうちの1種を含む。
【0040】
前記機能層が第1の複合銅層と第2の複合銅層である場合、前記第1の複合銅層のプロセス方法はPVDプロセス、CVDプロセスのうちの1種であり、第2の複合銅層のプロセス方法は、水電気メッキプロセス、化学メッキプロセスのうちの1種である。
【0041】
機能層の表面層が第1の複合銅層である場合、前記保護層は金属材料層であり、機能層の表面層が第2の複合銅層である場合、保護層は非金属材料層である。
【0042】
前記保護層が金属材料層である場合、その製造プロセス方法はPVDプロセスであり、前記保護層が非金属材料層である場合、その製造プロセス方法は水電気メッキプロセスと表面塗布プロセスのうちの1種である。本発明の有益な効果は以下のとおりである。
1、本発明では、従来の単一銅層の代わりに複合銅層が使用されることにより、その製造コストが大幅に下がり、プロセスがシンプルであり、加工効率が高くなる。また、単一プロセスの代わりにマルチプロセスが使用されることにより、銅メッキ効率がより高くなり、コストがより低くなる、それにより、プロセスの複雑さ、難度が大幅に低下し、プロセスコストが低減し、また銅メッキ効率が向上する。
【0043】
2、本発明によれば、膜の導電性を満たすとともに、製品の膜面にしわが発生することはなく、ピンホールや欠陥が減少し、外観性に優れる。
【0044】
3、このように製造して成形された膜は、両面ともに導電特性を有し、膜面のスクエア抵抗が10000~5mΩであり、膜面抵抗率が1.8×10E-8~2.5×10E-8Ω・mであり、膜面TDとMD破断伸びが6%以上であり、膜面TDとMD抗張強度が200MPa以上であり、表面張力試験ダイン値が42以上である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図11】本発明のPA1A2B1C構造模式図である。
【
図12】本発明のPA1A2B2C構造模式図である。
【
図13】本発明のPA1A2B1B2C構造模式図である。
【
図16】本発明のPA1B1B2C構造模式図である。
【
図19】本発明のPA2B1B2C構造模式図である。
【
図20】本発明のPA1A2BC1構造模式図である。
【
図21】本発明のPA1A2BC2構造模式図である。
【
図22】本発明のPA1A2B1B2C1構造模式図である。
【
図23】本発明のPA1A2B1B2C2構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
本発明の目的、技術案及び利点をより明確にするために、以下、図面及び実施例を参照しながら、本発明をさらに詳しく説明する。なお、ここで説明される具体的な実施例は本発明を解釈するためのものに過ぎず、本発明を限定するものではない。
【0047】
実施例1
図1に示すように、膜は、前記構造基材層を含み、前記基材層の正面と裏面のそれぞれに、接着層、機能層、保護層が順次設けられ、前記機能層は第1の複合銅層及び/又は第2の複合銅層で構成される。
【0048】
本実施例の形態として、機能層は第1の複合銅層で構成され、第1の複合銅層は堆積プロセスを2~500回繰り返して形成される。
【0049】
一回のメッキを複数回のメッキに変更し、つまり、毎回厚さの小さい銅層をメッキし、次に二層目の銅層をメッキし、2~500回繰り返すことにより、膜が求められる導電性を満たすとともに、プロセスを簡素化させ、コストを削減させ、また、膜面にしわが発生することはなく、ピンホールがなく、外観性に優れており、このように製造して成形された膜は、両面ともに導電特性を有し、膜面のスクエア抵抗が10000~5mΩであり、膜面抵抗率が1.8×10E-8~2.5×10E-8Ω・mであり、膜面TDとMD破断伸びが3%以上であり、膜面TDとMD抗張強度が200MPa以上であり、表面張力試験ダイン値が38以上である。
【0050】
上記した機能層の表面スクエア抵抗及び抵抗率は、テストした結果、いずれもエネルギー貯蔵ユニットの加工パラメータに達し、極薄負極集電体に求められる性能を満たす。
【0051】
各繰り返し加工回数の場合の第1の複合銅層のパラメータ及び外観性を下記表に示す。
【表1】
上記データから、第1の複合銅層の加工厚さが一致している場合、回数が多いほど、プロセスコストの増加が大きく、外観性がいずれも良好な状態に維持されることが分かった。厚さの一致性が低くなる。したがって、好ましくは2~30回繰り返す。
【0052】
機能層が第1の複合銅層である場合、第1の複合銅層の厚さは15~1500nmであり、
膜製造方法は、
基材層上に接着層を形成するステップ1と、
金属銅を2~500回繰り返して加工した第1の複合銅層の複合銅層である機能層を接着層外に形成するステップ2と、
金属材料保護層又は非金属材料保護層を機能層外に形成するステップ3とを含む。
【0053】
実施例2
本発明の膜の一実施形態として、
図2に示すように、本実施例の主要な技術案は実施例1とほぼ同じであり、本実施例において説明されていない特徴については、実施例1に記載の説明を参照すればよく、ここでは再度言及しない。本実施例では、機能層は第2の複合銅層で構成され、第2の複合銅層は堆積プロセスによって2~500回繰り返して形成される点で実施例1と異なる。
【0054】
前記機能層は、コーティングプロセスを2~500回繰り返して形成される。
【0055】
機能層が第2の複合銅層である場合、第2の複合銅層の厚さは15~1500nmである。
【0056】
第2の複合銅層の加工厚さが一致している場合、回数が異なると、回数が多いほど、プロセスコストの増加が多く、好ましくは2~50回である。
【表2】
【0057】
前記接着層は非金属材料層であり、前記非金属は、PTFE、PP、PE、SiC、Si3N4、SiOx(1.5≦x≦2)、AlOx(1≦x≦1.5)、AlOx(1≦x≦1.5)とメラミンとの組み合わせのうちの1種である。非金属材料層は接着層として、化学安定性により優れ、耐食性を有し、エネルギー貯蔵ユニット構造における接着層の安定性が効果的に向上し、負極集電体全体の耐用年数が長くなる。
【0058】
前記非金属材料層は1~10層に設定され、好ましくは1~2層に設定される。このように設計される非金属材料層は、性能に優れ、コストが低く、プロセスがシンプルである。
【0059】
非金属材料層の厚さは3~30nmである。膜製造方法は、
基材層上に接着層を形成するステップ1と、
金属銅を2~500回繰り返して加工した第2の複合銅層の複合銅層である機能層を接着層外に形成するステップ2と、
機能層外に保護層を形成するステップ3と、を含む。
【0060】
実施例3
本発明の膜の一実施形態として、
図3に示すように、本実施例の主要な技術案は実施例1、実施例2とほぼ同じであり、本実施例において説明されていない特徴については、実施例1、実施例2に記載の説明を参照すればよく、再度言及しない。本実施例は最良な実施例である点で実施例1、実施例2と異なる。本実施例の形態として、機能層は第1の複合銅層と第2の複合銅層とで構成され、第1の複合銅層はPVDプロセスによって1~500回堆積して形成され、第2の複合銅層は電気メッキプロセスを1~500回経て形成される。
【0061】
好ましくは、第1の複合銅層は堆積プロセスを1~30回繰り返したものであり、第2の複合銅層はコーティングプロセスを1~10回繰り返したものである。
【0062】
前記機能層は、第1の複合銅層と、その外層に付着された第2の複合銅層で構成され、まず、接着層上に第1の複合銅層を堆積し、次に、第1の複合銅層上に第2の複合銅層をメッキし、第1の複合銅層の厚さが、第2の複合銅層の厚さより小さい。PVDプロセスは、電気メッキプロセスよりもコストが高く、このため、第1の複合銅層の厚さが第2の複合銅層の厚さより小さい場合、総加工コストが効果的に下がる。前記複合銅層は第1の複合銅層と第2の複合銅層であり、前記第1の複合銅層のプロセス方法は、PVDプロセス、CVDプロセスのうちの1種であり、第2の複合銅層のプロセス方法は、水電気メッキプロセス、化学メッキプロセスのうちの1種である。
【0063】
機能層が第1の複合銅層と第2の複合銅層である場合、第1の複合銅層と第2の複合銅層との厚さの和は30~2500nmである。
【表3】
【0064】
第1の複合銅層と第2の複合銅層の加工厚さが一致している場合、回数が異なって、比較データを下記表に示す。
【表4】
前記接着層は金属材料層と非金属材料層で構成される複合材料層であり、前記金属材料層の金属は、Cr、Ni合金、Cr合金のうちの1種であり、前記非金属材料層の前記非金属は、PTFE、PP、PE、SiC、Si
3N
4、SiO
x(1.5≦x≦2)、AlO
x(1≦x≦1.5)、AlO
x(1≦x≦1.5)とメラミンとの組み合わせのうちの1つである。金属材料層と非金属材料層で構成される複合材料層は、金属材料層の導電性、物理的性能を備えるとともに、非金属材料層の耐食特性を有し、使用する際に、接着強度を効果的に確保し、適用範囲が広く、性能に優れている。
【0065】
接着層のコストが大幅に低下し、ニッケルに比べて、合金及び非金属材料を使用することにより、接着層のコストを約20%低下させ、堆積効率を20%高める。
【0066】
前記金属材料層は1~10層の金属材料で構成される。本発明の金属材料層は、コーティング又は堆積プロセスによって、金属材料をプラスチック基材層の表面に堆積したものである。
【0067】
前記金属材料層は1~2層の金属材料で構成される。結合強度及びプロセスコストから、1~2層が好ましい。
【0068】
前記金属材料層の金属は前記Ni合金であり、前記Ni合金は、NiCu合金、NiCr合金、NiV合金のうちの1種であり、
前記金属材料層の金属は前記Ni合金であり、前記Ni合金は、NiCu合金、NiCr合金、NiV合金のうちの1種であり、
質量百分率で、NiCu合金である場合、60%~80%のNiと、20%~40%のCuからなり、
NiCr合金である場合、70%~90%のNiと、10%~30%のCrからなり、
NiV合金である場合、80%~95%のNiと、5%~20%のVからなる。
【0069】
前記金属材料層の金属は前記Cr合金であり、前記Cr合金は、CrCu合金、CrV合金又はCrCo合金のうちの1種であり、
質量百分率で、CrCu合金である場合、60%~90%のCrと、10%~40%のCuからなり、
CrV合金である場合、40%~80%のCrと、20%~60%のVからなり、
CrCo合金である場合、60%~90%のCrと、10%~40%のCoからなる。
【0070】
上記成分のクロム合金を用いると、堆積効率は約20%向上し、プロセスの難度は大幅に低下する。
【0071】
金属材料層の厚さは3~30nmである。上記のような範囲を採用する手段による金属材料層は、スクエア抵抗が良好であり、安定性に優れ、コストが低く、約50%の原料コストを下げることができ、より薄くすることができ、繰り返して堆積又はメッキすることにより、結合強度を保持しながら、より薄くし、原料コストを下げる。
【0072】
前記金属材料層は1~10層に設定され、前記非金属材料層は1~10層に設定される。
【0073】
金属材料層は1~2層であり、非金属材料層は1~2層である。このような設計によれば、コスト及び性能の優位性を兼ねる。
【0074】
金属材料層の厚さは1.5~28.5nmであり、非金属材料層の厚さは1.5~30nmであり、非金属材料層の材料がAlOx(1≦x≦1.5)である場合、非金属材料層の厚さは8~15nm、接着層の厚さは3~40nmである。
【0075】
実施例4
本発明の膜の一実施形態として、本実施例の主要な技術案は実施例1、実施例2、実施例3とほぼ同じであり、本実施例において説明されていない特徴については、実施例1、実施例2、実施例3に記載の説明を参照すればよく、再度言及しない。本実施例では、前記基材層は、OPP、PET、PI、PS、PPS、CPP、PEN、PVC、SPS、PEEK、PES、PPSU、不織布のうちの1種又は2種以上であり、共押出プロセスにより加工されるものである点で実施例1、実施例2、実施例3と異なる。上記基材層の材料は、物理的性能を満たすとともに、より薄くすることができ、加工がより容易になり、物理的性能及び化学的性能に優れる。
【0076】
前記基材層の厚さは1.2~12μmである。好ましくは基材層の厚さは1.2~6μmである。
【0077】
実施例5
本発明の膜の一実施形態として、本実施例の主要な技術案は実施例1、実施例2、実施例3とほぼ同じであり、本実施例において説明されていない特徴については、実施例1、実施例2、実施例3に記載の説明を参照すればよく、再度言及しない。本実施例では、前記保護層は金属材料層であり、前記金属材料層の金属は、Ni、Cr、M合金、Cr合金のうちの1種である点で実施例1、実施例2、実施例3と異なる。前記保護層は非金属材料層であってもよく、前記非金属材料層の非金属材料は、ブドウ糖錯体、二クロム酸カリウムのうちの1種である。
【0078】
前記保護層は機能層外に設けられ、コーティングプロセスを1~20回繰り返したものである。
【0079】
前記保護層の厚さは2~100nmである。
【0080】
前記金属材料層の金属は前記Ni合金であり、前記Ni合金は、NiCu合金、NiCr合金、NiV合金のうちの1種であり、
質量百分率で、NiCu合金である場合、60%~80%のNiと、20%~40%のCuからなり、
NiCr合金である場合、70%~90%のNiと、10%~30%のCrからなり、
NiV合金である場合、80%~95%のNiと、5%~20%のVからなる。
【0081】
前記金属材料層の金属は前記Cr合金であり、前記Cr合金は、CrCu合金、CrV合金又はCrCo合金のうちの1種であり、
質量百分率で、CrCu合金である場合、60%~90%のCrと、10%~40%のCuからなり、
CrV合金である場合、40%~80%のCrと、20%~60%のVからなり、
CrCo合金である場合、60%~90%のCrと、10%~40%のCoからなる。
【0082】
非金属材料層は、化学安定性が高く、極めて優れた耐食性を有する一層の有機物保護層を、機能層の表面に形成する。合金金属層は、高温では防腐性を発揮する一層のハイブリッドパッシベーション膜を機能層の表面に形成する。
【0083】
元素金属は、高温では防腐性を発揮する一層のハイブリッドパッシベーション膜を機能層の表面に形成する。
【表5】
【0084】
実施例6
本発明の膜の一実施形態として、本実施例の主要な技術案は実施例1、実施例2、実施例3とほぼ同じであり、本実施例において説明されていない特徴については、実施例1、実施例2、実施例3に記載の説明を参照すればよく、再度言及しない。本実施例では、以下の点で実施例1、実施例2、実施例3と異なる。
膜製造方法であって、
基材層上に接着層を形成するステップ1と、
金属銅を接着層外に加工することを1~500回繰り返した第1の複合銅層と、金属銅を第1の複合銅層に加工することを2~500回繰り返した第2の複合銅層とである機能層を接着層外に形成するステップ2と、
金属材料保護層又は非金属材料保護層を機能層外に形成するステップ3とを含む。
【0085】
上記プロセスを用いると、材料コストを効果的に下げ、従来技術よりも優れた物理的性能及び化学的性能を得ることができ、材料コストを効果的に下げることができ、
前記ステップ1であるS1において、抵抗式蒸発プロセス、高周波坩堝蒸発プロセス、電子ビーム熱蒸発プロセス、CVD直接反応酸化物製造プロセス、CVDイオン支援酸化プロセス、CVD反応他の化合物の製造プロセス、マグネトロンスパッタリングプロセス、酸化反応マグネトロンプロセス、又はALDプロセスのうちの1種によって、基材層の正面と裏面に接着層を形成し、
技術パラメータは、ニッケルを接着層として用いる場合とほぼ同じであるが、材料コストを効果的に下げ、従来技術よりも優れた物理的性能及び化学的性能を得ることができ、材料コストを効果的に下げる。
【0086】
前記ステップ2であるS2において、S1で接着層がメッキされている基材層については、PVDプロセス、水電気メッキプロセス又はCVDプロセスのうちの1種によって、接着層又は一部の機能層がメッキされている基材層面に一層の銅メッキ層を形成し、必要に応じて毎回5~2500nm堆積し、2~500回繰り返して、総厚さが標準に達する機能層を得る。
【0087】
前記ステップ3であるS3において、S2で処理した機能層付きの膜については、PVDプロセス、水電気メッキプロセス、表面塗布プロセス又は化学反応プロセスのうちの1種によって、機能層面上に一層のメッキ層である保護層を形成する。
【0088】
前記接着層が金属材料層である場合、そのプロセスはマグネトロンスパッタリングプロセスであり、前記接着層が非金属材料層である場合、前記非金属材料層のプロセス方法は、CVD直接反応酸化物製造プロセス、CVDイオン支援酸化プロセス、CVD反応他の化合物の製造プロセス、酸化反応マグネトロンプロセス、ALDプロセスのうちの1種である。上記プロセスの組み合わせを用いる場合、加工効率が最高である。
【0089】
前記複合銅層は第1の複合銅層と第2の複合銅層であり、前記第1の複合銅層のプロセス方法は、PVDプロセス、CVDプロセスのうちの1種であり、第2の複合銅層のプロセス方法は、水電気メッキプロセス、化学メッキプロセスのうちの1種である。上記プロセスの組み合わせを用いる場合、加工効率が高い。
【0090】
機能層の表面層が第1の複合銅層である場合、前記保護層は金属材料層であり、機能層の表面層が第2の複合銅層である場合、保護層は非金属材料層である。上記プロセスの組み合わせを用いる場合、加工効率が高い。
【0091】
前記保護層が金属材料層である場合、その製造プロセス方法はPVDプロセスであり、前記保護層が非金属材料層である場合、その製造プロセス方法は、水電気メッキプロセスと表面塗布プロセスのうちの1種である。上記プロセスの組み合わせを用いる場合、加工効率が最高であり、プロセスコストが低くなる。
【0092】
接着層のプロセスの手順は以下のとおりである。
S1-1.コロナ又はプラズマで処理した基材層又は未処理の基材層ロール材を、片面又は両面往復可能な真空コーティング機の真空室に入れて、真空室を密閉させ、真空度が10-4~10-1Paとなるまで段階的に真空吸引し、蒸発源として坩堝高周波加熱、抵抗加熱又は電子ビーム加熱を用いて、蒸発源の蒸着原料としてクロム、ニッケル合金、クロム合金又は非金属SiC、Si3N4、Si02又はA1203(純度≧99.9%)とし、巻き取り・巻き出し速度を適切に調整して、蒸発した原子又は分子が移動している基材層上に一層の接着層を形成する。(PVD)
S1-2.コロナ又はプラズマで処理した基材層又は未処理の基材層ロール材を、片面又は両面往復可能な真空コーティング機の真空室に入れて、真空室を密閉させ、真空度が10-4~10-1Paとなるまで段階的に真空吸引し、蒸発源として坩堝高周波加熱、抵抗加熱又は電子ビーム加熱を用いて、蒸発源付近又は蒸発源からドラムに密着している膜の表面までの間又はメインドラム付近の酸素供給機構の酸素導入構造により圧縮酸素ガスを導入し、通気量を適切に調整する。蒸発源の蒸着原料として金属アルミ線、アルミインゴット、ケイ素(純度≧99.9%)を用い、巻き取り・巻き出し速度を適切に調整して、蒸発した原子が酸素と反応して移動している基材層上に一層のSiOx(1.5≦x≦2)又はAlOx(1≦x≦1.5)である接着層を形成する。(CVD直接反応酸化物製造)
S1-3.コロナ又はプラズマで処理した基材層又は未処理の基材層ロール材を、片面又は両面往復可能な真空コーティング機の真空室に入れて、真空室を密閉させ、真空度が10-4~10-1Paとなるまで段階的に真空吸引し、蒸発源として坩堝高周波加熱、抵抗加熱又は電子ビーム加熱を用いて、蒸発源付近又は蒸発源からドラムに密着している膜の表面までの間又はメインドラム付近の酸素供給機構の酸素導入構造により圧縮酸素ガスを導入し、また蒸発源付近又は蒸発源からドラムに密着している膜の表面までの間又はメインドラム付近にイオン支援堆積設備を増設して酸素をイオン化し、電流、電圧及び通気量を適切に調整する。蒸発源の蒸着原料として金属アルミ線、アルミインゴット、ケイ素(純度≧99.9%)を用い、巻き取り・巻き出し速度を調整して、蒸発した原子が酸素と反応して、移動している基材層上に一層のSiOx(1.5≦x≦2)又はAlOx(1≦x≦1.5)である接着層を形成する。(CVDイオン支援酸化)
S1-4.コロナ又はプラズマで処理した基材層又は未処理の基材層ロール材を、片面又は両面を往復可能なCVD装置に入れる。(1)一酸化ケイ素、トリメチルアルミニウム又は塩化アルミニウムを原料、酸素、オゾン、水分、又は二酸化炭素を反応ガス源として用い、反応配合比、巻き取り速度、巻き出し速度を適切に調整し、化学気相堆積方法を用いて膜上に一層のSiOx(1.5≦x≦2)又はAlOx(1≦x≦1.5)を堆積することができ、(2)塩化ケイ素とメタンを原料、アルゴンガス又は水素ガスを反応ガス源として用い、反応配合比、巻き取り速度、巻き出し速度を適切に調整し、化学気相堆積方法を用いて膜上に一層のSiCを堆積することができ、(3)塩化ケイ素を原料、窒素ガスと水素ガスを反応ガス源として用い、反応配合比、巻き取り速度、巻き出し速度を適切に調整し、化学気相堆積方法を用いて膜上に一層のSi3N4を堆積することができ、(4)水素化ケイ素とアンモニアガスを原料、アルゴンガスと水素ガスを反応ガス源として用い、反応配合比、巻き取り速度、巻き出し速度を適切に調整し、化学気相堆積方法を用いて膜上に一層のSi3N4である接着層を堆積することができる。(CVD反応他の化合物の製造)
S1-5.コロナ又はプラズマで処理した基材層又は未処理の基材層ロール材を、片面又は両面往復可能な真空コーティング機の真空室に入れて、真空室を密閉させ、真空度が10-5~10-1Paとなるまで段階的に真空吸引し、マグネトロンスパッタリングによって基材層の表面上にコーティングし、ターゲット材は金属である場合、ニッケル、クロム又はニッケル合金、クロム合金を含み、ターゲット材は非金属である場合、PTFE、PP、PE、SiC、Si3N4、SiOx(1.5≦x≦2)又はAlOx(1≦x≦1.5)、AlOx、及びメラミンを含み、不活性ガスとして、スパッタリングガス、たとえば窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガスなどを用いる。巻き出し速度、巻き取り速度を適切に調整し、スパッタリングしたイオンが移動している基材層上にマグネトロンスパッタリングメッキ層である接着層を形成する。ターゲット材が金属である場合、純度≧99.9%、ターゲット材が非金属である場合、純度≧99.8%である(マグネトロンスパッタリング)。
S1-6.コロナ又はプラズマで処理した基材層又は未処理の基材層ロール材を、片面又は両面往復可能な真空コーティング機の真空室に入れて、真空室を密閉させ、真空度が10-5~10-1Paとなるまで段階的に真空吸引し、マグネトロンスパッタリングによって基材層の表面上にコーティングし、ターゲット材としてアルミ、又はケイ素(純度≧99.9%)、スパッタリングガスとして酸素、オゾン又はイオン化した酸素を用い、ターゲット材のスパッタリング過程においてターゲット材を酸化する。巻き出し速度、巻き取り速度を適切に調整し、スパッタリングしたターゲット材のイオンが、導入しているガス分子又はイオンと反応して、移動している基材層上に一層のマグネトロンスパッタリングメッキ層SiOx(1.5≦x≦2)又はAlOx(1≦x≦1.5)である接着層を形成する。(酸化反応マグネトロン)
S1-7.コロナ又はプラズマで処理した基材層又は未処理の基材層ロール材を、片面又は両面往復可能なALD装置に入れて、装置内に原料である一酸化ケイ素又はトリメチルアルミニウム、及び酸素源の酸素又は水を導入し、原料と酸素源を反応室に順次導入し、最後に、膜上に反応させて一層のSiOx(1.5≦x≦2)又はAlOx(1≦x≦1.5)である接着層を生成する。(ALD)
S2-1.S1で接着層がメッキされている、又はS2における他の方式により一部の機能層がメッキされている膜ロール材を、片面又は両面往復可能なプラズマ装置付きの真空コーティング機の真空室に入れて、真空室を密閉させ、真空度が10-4~10-1Paとなるまで段階的に真空吸引し、蒸発領域に入れる前に、プラズマ設備によって不活性ガス、たとえば窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス等をイオン化し、膜面をクリーニングする。次に蒸着領域に入れて、坩堝高周波加熱、抵抗加熱、又は電子銃で加速された電子を蒸発源として、蒸発方式により純度99.9%以上の銅を加熱し、巻き出し速度、巻き取り速度、及び蒸発量を適切に調整し、蒸発源にて銅を持続的に溶融して蒸発させ、接着層又は一部の機能層がメッキされている膜面に一層の銅メッキ層を形成し、必要に応じて毎回5~2500nm堆積でき、2~500回繰り返して、総厚さが標準に達する機能層を得る。(PVD)
S2-2.S1で接着層がメッキされている、又はS2における他の方式により一部の機能層がメッキされている膜ロール材を、片面又は両面往復可能なプラズマ装置付き真空マグネトロンスパッタリングコータの真空室に入れて、真空室を密閉させ、真空度が10-5~10-1Paとなるまで段階的に真空吸引し、コーティング領域に入れる前に、プラズマ設備によって不活性ガスたとえば窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス等をイオン化し、膜面をクリーニングする。次にコーティング領域に入れて、マグネトロンスパッタリングによって純度99.9%以上の銅を励起させ、巻き出し速度、巻き取り速度、及び蒸発量を適切に調整し、接着層又は一部の機能層がメッキされている膜面に一層の銅メッキ層を形成し、必要に応じて毎回2~2500nm堆積でき、2~500回繰り返して総厚さが標準に達する機能層を得る。(マグネトロンスパッタリング)
S2-3.S1で金属又は金属合金接着層がメッキされている、又はS2で一部の機能層がメッキされている、膜面のスクエア抵抗が10000~5.5mΩであることを特徴とする導電性膜のロール材を、ロールツーロール型水電気メッキ設備に入れて、巻き取り・巻き出し速度、電流、銅イオン濃度、光沢剤濃度、助剤濃度、pH値、及び電解液の温度を適切に調整し、必要に応じて毎回2~2500nm堆積でき、2~500回繰り返して、総厚さが標準に達する機能層を得る。(水電気メッキ)
S2-4.S1で接着層がメッキされている、又はS2における他の方式により一部の機能層がメッキされている膜ロール材をCVD装置に入れる。塩化第一銅、塩化銅、ブチル銅又はヨウ化銅を原料、水素ガス又はアルゴンガスを反応ガス源として用い、反応配合比、巻き取り速度、巻き出し速度を適切に調整し、化学気相堆積方法を用いて膜上に一層の銅メッキ層である機能層を堆積することができる。(CVD)
S2-5.S1で金属又は金属合金接着層がメッキされている、又はS2で一部の機能層がメッキされている膜ロール材を、ロールツーロール型化学コーティング設備に入れて、ナトリウム塩を主塩、硫酸銅を主原料、酒石酸カリウムナトリウムとEDTA二ナトリウム塩などを錯化剤として、水酸化ナトリウムで適切なpH値である11.5~13に調整し、ホルムアルデヒドを還元剤、フェロシアン化カリウム、a、a’-ビピリジン、メチルジクロロシランなどを安定化剤として、巻き取り・巻き出し速度を適切に調整し、必要に応じて毎回2~2500nm堆積でき、2~500回繰り返して、総厚さが標準に達する機能層を得る。(化学メッキ)
S3-1.S2で処理した機能層付きロール材を、片面又は両面往復可能な真空コーティング機の真空室に入れて、真空室を密閉させ、真空度が10-4~10-1Paとなるまで段階的に真空吸引し、坩堝高周波加熱、抵抗加熱、又は電子ビーム加熱を蒸発源として、蒸発源の蒸着原料として金属ニッケル、クロム、ニッケル合金、クロム合金(純度≧99.9%)を用い、巻き出し速度、巻き取り速度を適切に調整し、蒸発した原子又は分子が、機能層の表面上に一層のメッキ層である保護層を形成する。(PVD)
S3-2.S2で処理した機能層付きロール材を、片面又は両面往復可能な真空コーティング機の真空室に入れて、真空室を密閉させ、真空度が10-5~10-1Paとなるまで段階的に真空吸引し、マグネトロンスパッタリングによって膜面の機能層上にコーティングし、純度99.9%以上のターゲット材としてニッケル、クロム又はニッケル合金、クロム合金を用い、巻き出し速度、巻き取り速度を適切に調整し、スパッタリングしたイオンが、機能層の表面上に一層のマグネトロンスパッタリングメッキ層である保護層を形成する。(マグネトロンスパッタリング)
S3-3.S2で処理した機能層付きロール材を、ロールツーロール型水電気メッキ設備又は装置に入れる。前記ロールツーロール型水電気メッキ装置は、S2プロセスの水電気メッキ設備に含まれてもよく、独立した設備としてもよく、巻き取って搬送する方式によって、適切な濃度の二クロム酸カリウム、又はブドウ糖、又は抗酸化性能を有する他の有機物を溶解した溶液タンクの溶液に材料を浸漬し、巻き取り・巻き出し速度、電流、濃度、pH値、及び温度を適切に調整し、機能層の表面上に一層のメッキ層である保護層を形成することができる。(水電気メッキ)
S3-4.S2で処理した機能層付きロール材を、片面又は両面のロールツーロール型表面塗布設備又は装置に入れる。前記ロールツーロール型表面塗布装置はS2プロセスの設備に含まれてもよく、独立した設備としてもよく、巻き取って搬送する方式によって、適切な濃度の二クロム酸カリウム、又はブドウ糖、又は抗酸化性能を有する他の有機物を機能層の表面に均一に塗布することができる塗布装置を材料を通過させ、巻き取り・巻き出し速度を適切に調整し、機能層の表面上に一層の塗布層である保護層を形成することができる。(表面塗布)
【0093】
膜製造方法であって、ステップS1-S3を含む。
S1.コロナ又はプラズマで処理した基材層又は未処理の基材層ロール材を、両面真空コーティング機の真空室に入れて、真空室を密閉させ、真空度が5×10-3Paとなるまで段階的に真空吸引し、マグネトロンスパッタリングによって基材層の表面上にコーティングし、ターゲット材としてニッケル含有量20%、銅含有量80%のニッケル銅合金を用い、ターゲット材の純度(ニッケル+銅の含有量)を99.995%以上にし、膜の巻き取り・巻き出し搬送速度を100m/min、ターゲットパワーを30Kw、アルゴンガス量を2000SCCMとし、アルゴンガスを導入して膜を搬送するときの作動真空を6×10-3Pa~8×10-3Paとし、スパッタリングしたイオンが、移動している基材層上に一層のマグネトロンスパッタリングメッキ層を約3nmで形成する。1回のプロセスが完了した後、設備を開いてクリーニングし、上記プロセスの条件で10回繰り返し、1回ごとに一層の3nmのマグネトロンスパッタリングメッキ層を得ることができ、10回繰り返すと、膜の両面ともに合計30nmのニッケルメッキ層である接着層を得ることができ、この接着層の膜面のスクエア抵抗は6~1Ωである。
S2.S1で金属合金接着層がメッキされている膜ロール材を、ロールツーロール型水電気メッキ設備に入れて、巻き取り・巻き出し速度を10m/min、電流を500000A、銅イオン濃度、光沢剤濃度、助剤濃度を適切に調整して、pH値を7~13、電解液温度を15~25℃に調整し、一回だけで膜の両面ともに1500nmの機能層を得る。
S3.S2で処理した機能層付きロール材を、片面ロールツーロール型表面塗布設備又は装置に入れて、巻き取って搬送する方式によって、適切な濃度の二クロム酸カリウム溶液を機能層の表面に均一に塗布できる塗布装置を材料を通過させ、巻き取り・巻き出し速度を80m/minとし、機能層の表面上に対応する厚さが5~8nmの一層の保護層を塗布することができる。
【0094】
膜製造方法であって、ステップS1-S3を含む。
S1.コロナ又はプラズマで処理した基材層又は未処理の基材層ロール材を、片面真空コーティング機の真空室に入れて、真空室を密閉させ、真空度が8×10-3~1×10-2Paとなるまで段階的に真空吸引し、坩堝加熱を蒸発源として、蒸発源付近の酸素導入構造によって圧縮酸素ガスを12000SCCMの酸素導入量で導入した。蒸発源の蒸着原料として金属アルミ線(純度≧99.99%)を用い、巻き取り・巻き出し速度を1200m/minとし、蒸発した原子が酸素と反応して、移動している基材層上に一層AlOx(x=1~1.5)である接着層を形成し、接着層の厚さは2~30nmである。
S2.S1で接着層がメッキされている膜ロール材を、両面往復可能なプラズマ装置付き真空コーティング機の真空室に入れて、真空室を密閉させ、真空度が8×10-3~1×10-2Paとなるまで段階的に真空吸引し、蒸発領域に入れる前に、プラズマ設備によって、不活性ガス、たとえば乾燥空気をイオン化し、乾燥空気の導入量を3000SCCM、プラズマパワーを50Kwとして、膜面をクリーニングする。次に蒸着領域に入れて、黒鉛坩堝中周波加熱を蒸発源とし、坩堝加熱蒸発方式によって純度99.99%以上の銅インゴットを加熱し、膜の巻き取り・巻き出し搬送速度を800m/min、一般的な冷却温度を-50℃、中周波電源の電流を30Aに設定し、蒸発源にて銅を持続的に溶融して蒸発させ、接着層がメッキされている膜の上下面に一層の銅メッキ層を形成し、1回ごとに10nmのメッキ層を得ることができ、設備が10回繰り返すと、総厚さが90~100nmの機能層B1を得ることができ、このとき、膜面のスクエア抵抗は300~200mΩである。
S2.S2で一部の金属機能層がメッキされている膜ロール材を、ロールツーロール型水電気メッキ設備に入れて、巻き取り・巻き出し速度を20m/min、電流を3000A、銅イオン濃度、光沢剤濃度、助剤濃度を適切、pH値を7~13、電解液温度を15~25℃に調整し、一回だけで膜の両面ともに1500nmの機能層B2を得ることができ、このとき、B1とB2はと共に1600nmの機能層となる。
S3.S2で処理した機能層付きロール材を、片面ロールツーロール型表面塗布設備又は装置に入れて、巻き取って搬送する方式によって、適切な濃度の二クロム酸カリウム溶液を機能層の表面に均一に塗布することができる塗布装置を材料を通過させ、巻き取り・巻き出し速度を80m/minとし、機能層の表面上に対応する厚さが5~8nmの一層の保護層を塗布することができる。
【0095】
膜製造方法であって、ステップS1-S4を含む。
S1.コロナ又はプラズマで処理した基材層又は未処理の基材層ロール材を、両面真空コーティング機の真空室に入れて、真空室を密閉させ、真空度が5×10-3Paとなるように段階的に真空吸引し、マグネトロンスパッタリングによって基材層の表面上にコーティングし、純度が99.995%以上のターゲット材としてアルミナを用い、膜の巻き取り・巻き出し搬送速度を10m/min、ターゲットパワーを80Kw、酸素量を2000SCCM、酸素を導入して膜を搬送するときの作動真空を6×10-3Pa~9×10-3Paとし、スパッタリングした酸素イオンが、移動している基材層上に一層のマグネトロンスパッタリングメッキ層を約5nmで形成する。一回のプロセスが完了した後、設備を開いてクリーニングし、上記プロセスの条件で5回繰り返し、1回ごとに一層の5nmのマグネトロンスパッタリングメッキ層を得ることができ、5回繰り返すと、膜の両面ともに合計25nmのアルミナメッキ層である接着層A2を得ることができる。
S2.S1で処理した接着層A2付きロール材を、両面真空コーティング機の真空室に入れて、真空室を密閉させ、真空度が5×10-3Paとなるまで段階的に真空吸引し、マグネトロンスパッタリングによって膜面上にコーティングし、ターゲット材として金属クロムを用い、クロムターゲット材の純度を99.99%以上にし、膜の巻き取り・巻き出し搬送速度を30m/min、ターゲットパワーを20Kw、アルゴンガス量を600SCCM、アルゴンガスを導入して膜を搬送するときの作動真空を6×10-3Pa~9×10-3Paとし、スパッタリングしたイオンが、移動している基材層上に一層のマグネトロンスパッタリングメッキ層を約5~9nmで形成する。一回のプロセスが完了した後、設備を開いてクリーニングし、上記プロセスの条件で2回繰り返し、1回ごとに一層の5~9nmのマグネトロンスパッタリングメッキ層を得ることができ、2回繰り返すと、膜の両面ともに、合計10~18nmのクロムメッキ層である接着層A1を得ることができる。このとき、A2とA1はとともに35~43nmの接着層となる。
S3.S1で処理した35~43nm接着層付きロール材を、両面往復可能な真空コーティング機の真空室に入れて、真空室を密閉させ、真空度が5×10-3Paとなるまで段階的に真空吸引し、マグネトロンスパッタリングによって膜面上にコーティングし、ターゲット材として金属銅を用い、銅ターゲット材の純度を99.995%以上にし、膜の巻き取り・巻き出し搬送速度を10m/min、ターゲットパワーを10Kw、アルゴンガス量を530SCCM、アルゴンガスを導入して膜を搬送するときの作動真空を6×10-3Pa~9×10-3Paとし、スパッタリングしたイオンが、移動している基材層上に一層のマグネトロンスパッタリング銅メッキ層を60nmで形成する。一回のプロセスが完了した後、設備を開いてクリーニングし、上記プロセスの条件で20回繰り返し、1回ごとに一層の60nmのマグネトロンスパッタリングメッキ層を得ることができ、20回繰り返すと、膜の両面ともに合計1200nmの銅メッキ層である機能層1、即ちB1を得ることができ、このとき、膜面のスクエア抵抗は15~17mΩである。
S4.S3で処理した機能層付きロール材を、片面ロールツーロール型表面塗布設備又は装置に入れて、巻き取って搬送する方式によって、適切な濃度の二クロム酸カリウム溶液を機能層の表面に均一に塗布することができる塗布装置を材料を通過させ、巻き取り・巻き出し速度を80m/minとし、機能層の表面上に対応する厚さが5~8nmの一層の保護層を塗布することができる。
【0096】
以上のように、本発明の好適な具体的な実施形態に過ぎず、本発明の保護範囲はこれに制限されず、当業者であれば、本発明で開示された技術的範囲を逸脱することなく、容易に想到しうる変化や置換はすべて本発明の保護範囲に含まれる。したがって、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲に準じるべきである。
【符号の説明】
【0097】
P-基材層
A1-金属材料接着層
A2-非金属材料接着層
B1-第1の複合銅層
B2-第2の複合銅層
C1-金属材料保護層
C2-非金属材料保護層