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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-27
(45)【発行日】2023-08-04
(54)【発明の名称】羽根操作装置及び羽根操作方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/55 20230101AFI20230728BHJP
   G03B 11/04 20210101ALI20230728BHJP
【FI】
H04N23/55
G03B11/04 B
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2018225182
(22)【出願日】2018-11-30
(65)【公開番号】P2020088792
(43)【公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-11-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000001225
【氏名又は名称】ニデックプレシジョン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】今井 謙三
(72)【発明者】
【氏名】渡部 伸昭
(72)【発明者】
【氏名】掛水 大介
【審査官】高野 美帆子
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-032945(JP,A)
【文献】特開2017-017471(JP,A)
【文献】特開2017-028357(JP,A)
【文献】特開2000-209485(JP,A)
【文献】特開平05-122569(JP,A)
【文献】特開2009-164687(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 23/55
G03B 11/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部と、
ネットワークに接続される撮像装置の光路を開閉する羽根と、
前記制御部からの信号で駆動されるモーターと、前記モーターの回転によりスライドして前記羽根を摺動させるスライド機構とを有して、前記羽根を開閉する羽根駆動部と、を備え、
前記スライド機構は、前記モーターによって回転するギア列と、該ギア列の回転するギアに噛み合って摺動するスライドギア部材と、ねじりコイルバネを有し、
前記ねじりコイルバネの一端が前記スライドギア部材に接続され、かつ、他端がギア列を支持するギア支持体に支持されることによって、前記スライドギア部材が、前記モーターの無通電時には前記羽根を閉操作する方向にバネ付勢され、一端から所定の距離だけスライドした状態では、前記羽根を開操作する方向にバネ付勢されるように構成されており、
前記制御部は、前記撮像装置の動作オフ時に前記羽根を閉操作するように前記羽根駆動部を制御することを特徴とする羽根操作装置。
【請求項2】
前記制御部は、
ユーザーの指令による信号によって、前記羽根駆動部を制御して前記羽根を開操作することを特徴とする請求項1記載の羽根操作装置。
【請求項3】
前記ユーザーの指令による信号は、通信手段を介して前記制御部に送られることを特徴とする請求項2記載の羽根操作装置。
【請求項4】
前記ユーザーの指令による信号は、音声認識機能によって前記制御部に送られることを特徴とする請求項2記載の羽根操作装置。
【請求項5】
前記ユーザーの指令による信号は、人感検知手段の自動感知機能によって前記制御部に送られることを特徴とする請求項2記載の羽根操作装置。
【請求項6】
前記ユーザーの指令による信号は、外部機器の操作によって前記制御部に送られることを特徴とする請求項2記載の羽根操作装置。
【請求項7】
前記制御部は、撮像素子の受光量によって前記羽根が閉じていることを認識することを特徴とする請求項1~6のいずれか1項記載の羽根操作装置。
【請求項8】
前記羽根駆動部は、無通電時に前記羽根を開状態又は閉状態に保持することを特徴とする請求項1~7のいずれか1項記載の羽根操作装置。
【請求項9】
前記羽根は、開状態又は閉状態が外部から視認可能であることを特徴とする請求項1~8のいずれか1項記載の羽根操作装置。
【請求項10】
前記羽根駆動部は、
ユーザーによる手動操作で前記羽根を開閉操作可能にしていることを特徴とする請求項1~9のいずれか1項記載の羽根操作装置。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項の羽根操作装置を備えた撮像装置。
【請求項12】
請求項11の撮像装置を備えた情報通信端末。
【請求項13】
制御部と、ネットワークに接続される撮像装置の光路を開閉する羽根と、
前記制御部からの信号で駆動されるモーターと、前記モーターの回転によりスライドして前記羽根を摺動させるスライド機構とを有して、前記羽根を開閉する羽根駆動部と、を備え、前記スライド機構は、前記モーターによって回転するギア列と、該ギア列の回転するギアに噛み合って摺動するスライドギア部材と、ねじりコイルバネを有し、前記ねじりコイルバネの一端が前記スライドギア部材に接続され、かつ、他端がギア列を支持するギア支持体に支持されることによって、前記スライドギア部材が、前記モーターの無通電時には前記羽根を閉操作する方向にバネ付勢され、一端から所定の距離だけスライドした状態では、前記羽根を開操作する方向にバネ付勢されるように構成された羽根操作装置を備えた撮像装置の前記羽根の開閉操作方法であって、
前記制御部は、前記撮像装置の動作オフ時に前記羽根を閉操作するように前記羽根駆動部を制御することを特徴とする羽根操作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置(カメラ)の光路を開閉する羽根を開閉操作する羽根操作装置及び羽根操作方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年普及している個人用の情報通信端末は、撮像装置を備えているものが一般化している。撮像装置で撮影された画像は、個人の情報通信端末に保存されるだけなく、情報通信端末が接続されているネットワークを経由して、他人の情報通信端末や各種のサーバーに送信されている。特に、情報通信端末を用いたインターネット電話やテレビ会議では、音声に加えて画像(映像)を送受信することが行われており、情報通信端末における撮像装置は必要不可欠なものとなっている(例えば、下記特許文献1参照)。また、住宅やオフィスに監視カメラを設けることが一般に普及している。監視カメラは、ネットワークを経由して撮影した画像を個人の情報通信端末やセキュリティー会社(警備会社)などが所有するサーバーに送信している。
【0003】
ネットワークに接続されている撮像装置は、情報通信端末やサーバーへの不正侵入(クラッキング)によって撮像装置が操作されて、使用者の意図していない画像がネットワークを介して何者かに取得されてしまう危険に曝されている。これに対しては、撮像装置の撮影孔の前面にシート状又は羽根状又は板状のカバーをスライド自在に配備して、非使用時には撮影孔をカバーで塞いでしまうことが提案されている(例えば、下記特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-167559号公報
【文献】実用新案登録第3170619号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述した従来技術によると、撮影孔を塞ぐカバーを手動でスライドさせる煩雑な操作が必要になるので、ユーザーがカバーを被せることを失念してしまうと、ユーザが意図しない画像の取得やネットワークを介した覗き見行為を回避することができなくなり、また、撮像装置の動作時にカバーを開放することを忘れていると、監視機能などが正常に機能しない事態が生じることになる。
【0006】
本発明は、このような事情に対処するために提案されたものである。すなわち、カバーを開閉させる煩雑な手動操作を省いて、ネットワークに接続されている撮像装置からプライベート画像やユーザーが意図しない画像が流出してしまうことを未然に抑止すること、などを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような課題を解決するために、本発明は、以下の構成を具備するものである。
【0008】
制御部と、ネットワークに接続される撮像装置の光路を開閉する羽根と、前記制御部からの信号で駆動されるモーターと、前記モーターの回転によりスライドして前記羽根を摺動させるスライド機構とを有して、前記羽根を開閉する羽根駆動部と、を備え、前記スライド機構は、前記モーターによって回転するギア列と、該ギア列の回転するギアに噛み合って摺動するスライドギア部材と、ねじりコイルバネを有し、前記ねじりコイルバネの一端が前記スライドギア部材に接続され、かつ、他端がギア列を支持するギア支持体に支持されることによって、前記スライドギア部材が、前記モーターの無通電時には前記羽根を閉操作する方向にバネ付勢され、一端から所定の距離だけスライドした状態では、前記羽根を開操作する方向にバネ付勢されるように構成されており、前記制御部は、前記撮像装置の動作オフ時に前記羽根を閉操作するように前記羽根駆動部を制御することを特徴とする羽根操作装置。
【0009】
制御部と、ネットワークに接続される撮像装置の光路を開閉する羽根と、
前記制御部からの信号で駆動されるモーターと、前記モーターの回転によりスライドして前記羽根を摺動させるスライド機構とを有して、前記羽根を開閉する羽根駆動部と、を備え、前記スライド機構は、前記モーターによって回転するギア列と、該ギア列の回転するギアに噛み合って摺動するスライドギア部材と、ねじりコイルバネを有し、前記ねじりコイルバネの一端が前記スライドギア部材に接続され、かつ、他端がギア列を支持するギア支持体に支持されることによって、前記スライドギア部材が、前記モーターの無通電時には前記羽根を閉操作する方向にバネ付勢され、一端から所定の距離だけスライドした状態では、前記羽根を開操作する方向にバネ付勢されるように構成された羽根操作装置を備えた撮像装置の前記羽根の開閉操作方法であって、
前記制御部は、前記撮像装置の動作オフ時に前記羽根を閉操作するように前記羽根駆動部を制御することを特徴とする羽根操作方法。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態に係る羽根操作装置の構成を示す説明図である。
図2】制御部の動作(羽根操作方法)の一例を示す説明図である。
図3】制御部の動作(羽根操作方法)の一例を示す説明図である。
図4】羽根操作装置を備えた情報通信端末の一例を示す説明図である。
図5】羽根操作装置を備えた情報通信端末の一例を示した説明図である。
図6】羽根駆動部の機械的構成例を示した説明図(分解斜視図)である。
図7】羽根駆動部の機械的構成例を示した説明図((a)が側面図、(b)が平面図)である。
図8】羽根駆動部の機械的構成例を示した説明図((a)が羽根閉状態、(b)が羽根開状態)である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下の説明で、異なる図における同一符号は同一機能の部位を示しており、各図における重複説明は適宜省略する。
【0012】
図1に示すように、羽根操作装置1は、ネットワークNtに接続される撮像装置10の光路Opを開閉する羽根2と、羽根2を開閉する羽根駆動部3と、羽根駆動部3を制御する制御部4とを備えている。撮像装置10は、レンズユニット11と撮像素子12を備えており、レンズユニット11によって撮像素子12の撮像面に結像する光が光路Opになる。撮像装置10は、直接ネットワークNtに接続されるものであってもよいし、撮像装置10を備える図示省略した情報通信端末がネットワークNtに接続されるものであってもよい。
【0013】
図2及び図3は、制御部4の動作例を示している。制御部4は、一つには、撮像装置10の動作オフ時に羽根2を閉操作するように羽根駆動部3を制御する。また一つには、制御部4は、ユーザの指令によって発生する信号によって、羽根駆動部3を制御して羽根2を開操作する。
【0014】
より具体的に説明すると、図2に示すように、撮像装置10の動作OFF指示が入力されると(S01)、制御部4は、羽根2を閉動作するように羽根駆動部3に制御信号を出力する(S02)。そして、実際に羽根2が光路Opを閉にしたかを撮像素子12の受光量を検知するなどして確認し(S03)、羽根2が光路Opを閉にしたことが確認された場合(S03:YES)には、待機状態(スリープ)になる(S05)。これに対して、羽根閉の制御が行われたにも拘わらず羽根閉が確認できなかった場合(S03:NO)には、羽根2を手動で閉操作するように促す警告(表示或いは音声等)を出力し(S04)、その後、再び羽根閉の確認状態になる(S03)。そして、羽根閉が確認されると(S03:YES)、待機状態になる(S05)。
【0015】
なお、 他の実施の形態では、羽根を閉じる命令を所定回数発行したにもかかわらず羽根が閉じ状態にならない場合に、羽根を手動で閉操作するように促す警告を出力するようにしてもよい。すなわち、ステップS03では、羽根を閉じる命令が所定回数発行されても羽根の閉じ状態を検出できないときに“NO”と判断して、ステップS4が実行されるようにしてもよい。
【0016】
また、図3に示すように、電源ON時(S10)には、常に撮像装置10を動作させるユーザー指示があるか否かの判断がなされており(S11)、ユーザー指示が無い場合(S11:NO)には、羽根2の閉動作を行うか或いは羽根2の閉状態を保持して(S12)、ユーザーの指示を待つ。そして、ユーザー指示(S20)が入力されて、ユーザー指示があるとの判断ができた場合(S11:YES)に、羽根2の開動作信号を出力し(S13)、撮像動作ONを実行する(S14)。
【0017】
なお 、他の実施の形態では、ステップS13で撮像装置10の撮影動作がONにされた後、羽根が開いているかを確認するようにしてもよい。また、羽根が開いているかを撮像素子12の光量に基づいて判断する場合、光量が所定値未満の場合に羽根が閉じていると判断して、羽根を開く命令を改めて発行されるようにしてもよい。一方、光量が所定値以上の場合に、羽根が開いていると判断される。ただし、閉じている羽根を透過して光量が所定値以上となる可能性もあるため、光量が所定値以上の場合であっても、羽根を開く命令を改めて発行してもよい。また、羽根を開く命令を所定回数発行したにもかかわらず羽根が開き状態にならない場合に、羽根が開かないことをユーザーに報知するようにしてもよい。
【0018】
このような動作によると、撮像装置10の撮影動作OFF時には、自動或いは手動で必ず羽根2によって光路Opが閉じられることなり、電源ON時にも、ユーザー指令が入力されない限りは、羽根2が光路Opを開けることが無いので、仮にクラッキングなどで不正に撮像素子12がON状態になったとしても、その際には常に光路Opが羽根2で閉じられており、撮像装置10からプライベート画像やユーザーが意図しない画像がネットワークNtを経由して流出してしまうことを未然に防ぐことができる。
【0019】
なお、 本実施の形態では、「撮影動作OFF」には撮像装置10(撮像素子12)の電源がOFFにされた状態以外に、ユーザーの操作によって撮影が終了された状態なども含まれる。一方、「撮影動作ON」には、撮像装置10(撮像素子12)の電源がONにされた状態以外に、ユーザーの操作によって撮影が開始された状態なども含まる。
【0020】
図4及び図5は、前述した羽根操作装置を備えた情報通信端末の一例を示している。図4に示す情報通信端末100は、レンズユニット11と撮像素子12を備える撮像装置10を備えており、その撮像装置10に、羽根2と羽根駆動部3と羽根2の開閉を検知する検知部5を備えた羽根駆動ユニット13が設けられている。
【0021】
情報通信端末100における制御部4は、撮像素子制御部14、ON/OFF検知手段15、光量処理手段16、羽根駆動制御部17を備え、羽根駆動制御部17には、開閉判定処理手段17Aとドライバ17Bが設けられている。
【0022】
また、情報通信端末100は、スイッチやタッチパネルなどを含む操作入力部20と、各種信号処理を行う信号処理部21、ディスプレイなどを含む画像表示部22、ネットワークとの無線又は有線接続を行う通信部23、画像情報などを保存するメモリ24、などを備えている。
【0023】
このような情報通信端末100におけるカメラ撮影機能について説明する。ユーザーは、操作入力部20におけるタッチ入力やスイッチ入力によって、カメラ撮影に関するユーザー指令を情報通信端末100に入力する。操作入力部20から信号処理部21に動作ONのユーザー指令が送られると、信号処理部21から羽根駆動制御部17に信号が送られ、羽根駆動制御部17の開閉判定処理手段17Aが開判定をして、ドライバ17Bを介して羽根駆動部3に開動作信号が送られて羽根2が開操作される。
【0024】
また、信号処理部21に動作ONのユーザー指令が送られると、信号処理部21から撮像素子制御部14に信号が送られ、撮像素子制御部14からの制御信号で撮像素子12が動作を開始する。これによって、レンズユニット11を介して撮像素子12に光が取り込まれ、撮像素子12が取り込んだ画像の画像信号がメモリ24に保存されるか、或いは、信号処理部21を介して画像表示部22或いは通信部23に送られる。
【0025】
この際、撮像素子12に光が取り込まれているか否かは、制御部4の光量処理手段16で判断され、光が取り込まれていない場合には、撮像素子12のON/OFF検知手段15の検知結果をみて、撮像素子12がON状態であると検知された場合には、羽根駆動制御部17に信号を送って、羽根2の開動作を行う。光量処理手段16の判断で光が取り込まれている場合には、撮像素子12からの画像信号がメモリ24或いは信号処理部21を介して画像表示部22或いは通信部23に送られる。
【0026】
これに対して、操作入力部20の入力によって、信号処理部21に動作OFFのユーザー指令が送られた場合には、信号処理部21から羽根駆動制御部17に信号が送られ、羽根駆動制御部17の開閉判定処理手段17Aの開閉判定が閉になり、ドライバ17Bを介して羽根駆動部3に閉動作信号が送られ羽根2が閉操作される。そして、仮に、通信部23を介して信号処理部21がクラッキングされた場合には、信号処理部21からの信号が羽根駆動制御部17に送られることもあるが、この場合には、羽根駆動制御部17の開閉判定処理手段17Aは、信号処理部21からの信号がユーザー指令に基づく信号では無いことから開判定を行わず、羽根駆動制御部17は、羽根駆動装置3に対して開動作信号を送らない。
【0027】
図5に示す情報通信端末101を説明する。図4に示した情報通信端末100と同じ機能の部位には同じ符号を付して一部重複説明を省略する。情報通信端末101は、撮像装置10と羽根駆動ユニット13とが別部に分かれている。また、制御部4である羽根駆動制御部17と撮像装置制御部40が別部に分かれている。そして、ユーザー指令の信号入力手段30として、外部信号受信機31、スイッチ手段32、音声検知手段33、人感検知手段34などを備えており、外部信号受信機31には、スマートホン51、タブレット端末52、ドアホン53、その他の信号発生源54などの外部機器50が、WifiやBlueTooth(登録商標)、ケーブルなどの通信手段を介して接続されている。
【0028】
このような情報通信端末101においては、ユーザー指令の入力を外部機器50の操作によって行うことができ、この場合には、通信手段を介してユーザー指令が制御部4に送られることになる。また、ユーザー指令の入力は、音声検知手段33の音声認識機能によって制御部4に送ることもできるし、人感検知手段34の自動感知機能によって制御部4に送ることができる。
【0029】
図6図8は、羽根駆動部3の機械的な構成例を示している。この羽根駆動部3は、手動操作部2Aを備えた羽根2を撮影孔60Aを備えるベース部材60に対してスライドさせるものであり、前述した制御部4からの信号で駆動するモーター61と、モーター61の回転によりスライドして羽根2を摺動させるスライド機構62とを備えている。羽根2は、手動操作部2Aとは反対側に支持アーム2Bを備えており、ベース部材60には、羽根2の支持アーム2Bをスライド自在にガイドするガイド孔60Bが設けられている。
【0030】
スライド機構62は、ギア支持体70、モーター61によって回転するギア列71と、ギア列71の回転するギアに噛み合って摺動するスライドギア部材72とを備えている。ギア列71は、モーター61の回転軸に取り付けられた第1ギア(傘歯車)71Aと、第1ギア71Aに噛み合う第2ギア71B(傘歯車)と、第2ギア71Bと一体に回転する第3ギア71Cと、第3ギア71Cに噛み合う第4ギア71Dと、第4ギア71Dと一体に回転する第5ギア71Eとを備えており、スライドギア部材72は第5ギア71Eに噛み合っている。
【0031】
モーター61は、ブラケット73でギア支持体70に取り付けられ、ギア支持体70はギア列71を支持すると共に、スライドギア部材72をスライド自在に支持する。スライドギア部材72にはバネ取り付け部材74を介してバネ76の一部が取り付けられ、バネ76の他の一部はギア支持体70に支持される。
【0032】
羽根2の支持アーム2Bは、ガイド孔60Bを貫通してスライドギア部材72に固定されている。モーター61が回転すると、ギア列71を回転させて、ギア列71の第5ギア71Eに噛み合うスライドギア部材72がガイド孔60Bに沿ってスライドする。これによってスライドギア部材72に固定された羽根2がガイド孔60Bに沿ってスライドする。羽根2の位置は、スライドギア部材72によってスライドすることで、ベース部材60の撮影孔60Aを塞いでいる閉状態と撮影孔60Aを開けている開状態になる。
【0033】
スライドギア部材72は、モーター61の無通電時には羽根2を閉操作する方向にバネ76で付勢されている。また、スライド部材72は、羽根2を閉状態にする一端から所定の距離だけスライドした状態では、羽根2を開操作する方向にバネ76で付勢させれている。
【0034】
また、羽根2は、手動操作部2Aを手でガイド孔60Bの方向に沿って押してやることで、前述した開状態と閉状態との間を手動でスライドさせることができる。これにより、羽根2は、モーター61の駆動によって自動で開閉操作がなされると共に、手動で開閉操作を行うことができる。そして、モーター61で開閉操作する場合と手動で開閉操作する場合のいずれにおいても、羽根2は開状態又は閉状態にバネ76で保持されることになる。
【0035】
図示の例では、羽根2は、開状態又は閉状態が外部から視認可能なように、ベース部材60の外側に羽根2を配置し、羽根2の支持アーム2Bをガイド孔60Bに通してベース部材60の内側でスライドギア部材72に固定している。このように羽根2の開閉状態を視認可能にすることで、撮像装置10の非使用時に撮影孔60Aが開放されないように、ユーザーが目視確認することができる。また、羽根2を撮像装置10の内部に組み込むような場合には、羽根2の外表面を色付けすることで、羽根2の開閉状態を視認可能にすることができる。
【0036】
このような羽根操作装置1によると、ネットワークに接続されている撮像装置10の非使用時には、羽根2が光路Opを閉じて撮像素子12に入る光を遮るので、撮像装置10が不正に動作したとしても、ユーザの意図しない画像が撮像装置10に取り込まれることがない。そして、ユーザーが指示する場合には、その場合に限って羽根2を開状態にするので、画像の不正取得を防ぎながら、使用時に羽根2が光路Opを塞いで必要な画像が得られなくなる不具合を無くすことができる。
【0037】
羽根駆動部3 は、図6図8のものに限定されるものではなく、他の構造であってもよい。たとえば、他の実施の形態では、ギアに代えてリードスクリューなどが用いられもよい。また、羽根操作装置3のベース部材60は、撮像装置10または情報通信端末の外観の一部を構成してもよい。この場合、羽根2は、外部に露出した状態となる。
【0038】
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。また、上述の各実施の形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用して組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0039】
1:羽根操作装置,2:羽根,2A:手動操作部,2B:支持アーム,
3:羽根駆動部,4:制御部,5:検知部,
10:撮像装置,11:レンズユニット,12:撮像素子,
13:羽根駆動ユニット,14:撮像素子制御部,
15:ON/OFF検知手段,16:光量処理手段,17:羽根駆動制御部,
17A:開閉判定処理手段,17B:ドライバ,
20:操作入力部,21:信号処理部,22:画像表示部,23:通信部,
30:信号入力手段,40:撮像装置制御部,50:外部機器,
60:ベース部材,60A:撮影孔,60B:ガイド孔,
61:モータ,62:スライド機構,
70:ギア支持体,71:ギア列,72:スライドギア部材,
73:ブラケット,74:バネ取り付け部材,75:ネジ,76:バネ,
100,101:情報通信端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8