(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-27
(45)【発行日】2023-08-04
(54)【発明の名称】複数のコンクリート補強鉄筋を囲む連結バーを設計するための方法
(51)【国際特許分類】
G06F 30/13 20200101AFI20230728BHJP
E04G 21/12 20060101ALI20230728BHJP
【FI】
G06F30/13
E04G21/12 ESW
E04G21/12 105A
(21)【出願番号】P 2018240151
(22)【出願日】2018-12-21
【審査請求日】2021-12-08
(32)【優先日】2017-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】500102435
【氏名又は名称】ダッソー システムズ
【氏名又は名称原語表記】DASSAULT SYSTEMES
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ローラン サンティケ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン-フィリップ フロー
(72)【発明者】
【氏名】トマ トリパール
(72)【発明者】
【氏名】ファブリス カイヨー
【審査官】合田 幸裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-208018(JP,A)
【文献】特開平06-248800(JP,A)
【文献】特開2014-148814(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0238918(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 30/13
E04G 21/12
IEEE Xplore
JSTPlus(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ支援設計システムの3Dシーンにおいて複数のコンクリート補強鉄筋を囲む連結バーを設計するためのコンピュー
タ実装方法であって
、
a)あらかじめ定義されたシーケンスに従ってあらかじめ定義された曲げ半径で前記連結バーによって囲まれるべき前記コンクリート補強鉄筋の3次元モデルを提供するステップであって、前記連結バーがバー半径を有する、ステップと、
b)前記3Dシーンの横スケッチ平面において前記コンクリート補強鉄筋の各々のトレースのセットを計算するステップであって、各トレースがトレース中心を有する、ステップと、
c)接続線のセットを計算するステップであって、各接続線が、前記あらかじめ定義されたシーケンスに従って前記トレース中心をバインドする、ステップと、
d)円弧のセット
およびセグメントのセットを計算するステップであって、各円弧が、
前記3Dシーンの前記
横スケッチ平面
におけるそれぞれのトレー
スを少なくとも部分的に囲繞し、各セグメントが、それぞれの接続線にほぼ平行であり、前記あらかじめ定義されたシーケンスに従って連続する円弧を接続し、前記セグメントおよび前記円弧が、
前記3Dシーンの前記
横スケッチ平面
において前記連結バーの中心曲線を形成する、ステップと、
e)前記中心曲線および前記連結バーの前記バー半径に基づいて前記連結バーを設計するステップと
を備える、コンピュー
タ実装方法。
【請求項2】
円弧のセットを計算するステップd)は、
d1)近位点を計算するサブステップであって、前記近位点が、前記あらかじめ定義されたシーケンスに従って先行する接続線および後続の接続線の二等分線との前記トレースの1つの交差において配置され
る、サブステップと、
d2)遠位点を計算するサブステップであって、前記遠位点が、前記近位点における前記トレースへのタンジェントに対する垂直線上に
位置し、前記連結バーの前記バー半径だけ前記近位点から離間され
る、サブステップと、
d3)弧中心を計算するサブステップであって、前記弧中心が、前記近位点における前記トレースへの前記タンジェントに対する前記垂直線上に
位置し、前記曲げ半径だけ前記遠位点から離間され
る、サブステップと、
d4)前記弧中心
を通る前記
横スケッチ平面に対する法線の周り
で前記遠位点
をあらかじめ定義された角度
だけ回転
させることによって、前記円弧の少なくとも開始点および/または終了点を計算するサブステップと
を
含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
少なくとも開始点および/または終了点を計算する
サブステップd4)は、前記あらかじめ定義されたシーケンスに従って前記円弧に接続された前記セグメントとの前記円弧の最大タンジェンシーを保証するための制約解決の実施を
含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記あらかじめ定義されたシーケンスに従って第1の接続線および第2の接続線の自己交差点の後に
位置するサブセットトレースについて、セグメントのセットおよび円弧のセットを計算するステップが、角度的にシフトされたスケッチ平面中で実施される
、請求項1乃至3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記角度的にシフトされたスケッチ平面は、前記第2の接続線に先行する前記セグメントの軸の周りの回転角だ
け前記スケッチ平面
を回転
させた結果であり、前記回転角は、前記中心曲線のセグメント
の交差を防ぐように計算される
、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記回転角は、前記自己交差点に先行する前記セグメントの前記軸と、前記第1の接続線に対応する前記セグメント上の前記自己交差点の接触点投影との間の距離によ
って前記バー半径
を除算
する逆タンジェントに基づいて計算される
、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記接触点投影は、前記第1の接続線の両方のトレース中心間の前記自己交差点の位置の関数である距離において、前記第1の接続線に対応する前記セグメント上に配置され
る、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも2つのコンクリート補強鉄筋
と、バー半径を有する
少なくとも連結バー
とからなるアセンブリを製造する方法であって、前記連結バーは、あらかじめ定義された曲げ半径で前記コンクリート補強鉄筋を囲むように構成され
、
所与のレイアウトに従って前記コンクリート補強鉄筋を配置するステップと、
請求項1乃至7のいずれかに記載の方法によって前記連結バーを設計するステップと、
前記連結バーで前記コンクリート補強鉄筋を囲むことを含む、前記アセンブリを物理的に製造するステップと
を備える、方法。
【請求項9】
コンピュータシステムによって実行される
と、前記コンピュータシステムに請求項1乃至7のいずれかに記載の方法を実行させる
ための、コンピュータ実行可能な命令を含む、コンピュータプログラム。
【請求項10】
請求項9に記載のコンピュータプログラムを記憶
する、非一時的コンピュータ可読データ記憶体。
【請求項11】
請求項1乃至7のいずれかに記載の方法を実行するプロセッサを備える
、コンピュータシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のコンクリート補強鉄筋を囲む連結バーを設計するための方法に関する。それは、建築および土木工学に適用されるCAD(コンピュータ支援設計)、CAM(コンピュータ支援製造)、およびCAE(コンピュータ支援エンジニアリング)の分野に関係し、より正確には、棒鋼で補強されたコンクリート構造の設計に関係する。
【背景技術】
【0002】
コンクリートは建設材料として広く使用されている。それは重大な圧縮荷重に耐えるのに極めて効率的であるが、引張りをサポートするのに弱く、引張りによりそれはクラックする。反対に、鋼は引張りをサポートするのに効率的であるが、圧縮への抵抗性があまりなく、圧縮によりそれは座屈する。それゆえ、今日では、高い荷重に耐えるための最良の材料の1つは、鉄筋コンクリートと呼ばれるコンクリートと鋼の組合せである。鉄筋コンクリートは、コンクリートと、それ内に埋め込まれた(まっすぐなまたは曲げられた)鋼棒とから作られる。それらの鋼棒は「コンクリート補強鉄筋(concrete-reinforcing bar)」と呼ばれ、「鉄筋(rebar)」としても知られる。長軸方向のコンクリート補強鉄筋は、コンクリートが一軸性の引張りをサポートすることを可能にするが、剪断作用力に耐えるために長軸方向の鉄筋を互いにバインドする横方向の「連結バー」も必要である。連結バーとしては、スターラップ、レーシング、およびフレームの形態の連結バーが通常使用される。
図1によって図解されているレーシングLAは、「C」形状に曲げられ、2つの平行なコンクリート補強鉄筋(RB
1、RB
2)の長軸方向に対して横方向に設置および固定された棒鋼である。
図2によって図解されているスターラップSTは、2つのコンクリート補強鉄筋(RB
1、RB
2)の周りを完全にループする棒鋼である。
図3Aによって図解されているように、3つ以上の平行だが非共面のコンクリート補強鉄筋(RB
1、RB
2、RB
3、RB
4)の周りを完全にループする連結バーは、フレームとしても知られている。コンクリート補強鉄筋の梁の上には、それらが座屈するのを防ぐために、連結バーのいくつかのレイヤが適切な間隔で置かれてよい。
図3Bは、
図3Aによる、フレームのいくつかのレイヤ(FR
1、FR
2、...FR
N)を備える補強構造のレイアウトを図解している。
【0003】
コンピュータ支援設計(CAD)、コンピュータ支援製造(CAM)、およびコンピュータ支援エンジニアリング(CAE)アプリケーションを使用してコンクリート補強鉄筋アセンブリを設計しているとき、コンクリート補強鉄筋アセンブリのレイアウト、およびコンクリート補強鉄筋を結び付ける連結バーのレイアウトは、シミュレートされ得る。既存の解決策のいくつかでは、ユーザは、あらかじめ定義された限られた状況リストの中から連結バーのレイアウトを選定することができる。しかしながら、所与のレイヤ上で連結バーとのコンクリート補強鉄筋の現実の接触をシミュレートすることが望ましいことがある。また、コンクリート補強鉄筋の各々の直径は、必ずしもコンクリート補強鉄筋ごとに同じでないことがある。したがって、連結バーの曲げは、コンクリート補強鉄筋の各々の直径に適応される必要がある。そのような適応は既存の解決策では実施されない。最後に、いくつかの構成では、連結バーはそれ自体の上に折り重なってよく、その場合、バーは、それがそれ自体とぶつからないようにシフトされなければならない。連結バーのシフトは、連結バーのループを閉じるために、いずれにせよスターラップのためにまたはフレームのために行われる必要がある。また、スターラップおよびフレームの寸法、形状および数は、コンクリート補強鉄筋のアセンブリの寸法に、およびコンクリート補強鉄筋の数に依存する。したがって、場合によっては、いくつかのコンクリート補強鉄筋を異なるループで囲むために、いくつかのループをもつスターラップまたはフレーム(複数脚のスターラップまたは複数脚のフレーム)が使用される。
【発明の概要】
【0004】
したがって、本発明の目標は、コンクリート補強鉄筋の物理的寸法およびレイアウトを考慮に入れ、コンクリート補強鉄筋の梁のいくつかのレイヤ上に適用され得、連結バーのそれ自体の上への折り重なりを管理する、連結バーを設計するためのコンピュータにより実行される方法を提供することである。
【0005】
したがって、本発明の目的は、コンピュータ支援設計システムの3Dシーンにおいて複数のコンクリート補強鉄筋を囲む連結バーを設計するためのコンピュータにより実行される方法であり、本方法は、
a)あらかじめ定義されたシーケンスに従ってあらかじめ定義された曲げ半径で連結バーによって囲まれるべきコンクリート補強鉄筋の3次元モデルを提供するステップであって、前記連結バーがバー半径を有する、ステップと、
b)3Dシーンの横スケッチ平面においてコンクリート補強鉄筋の各々のトレースのセットを計算するステップであって、各トレースがトレース中心を有する、ステップと、
c)接続線のセットを計算するステップであって、各接続線が、あらかじめ定義されたシーケンスに従ってトレース中心をバインドする、ステップと、
d)円弧のセットを計算するステップであって、各円弧が、スケッチ平面中のそれぞれのトレース、およびセグメントのセットを少なくとも部分的に囲繞し、各セグメントが、それぞれの接続線にほぼ平行であり、あらかじめ定義されたシーケンスに従って連続する円弧を接続し、前記セグメントおよび前記円弧が、スケッチ平面中で連結バーの中心曲線を形成する、ステップと、
e)中心曲線および連結バーのバー半径に基づいて連結バーを設計するステップと
を備える。
【0006】
本発明の特定の実施形態によれば、
円弧のセットを計算するステップd)は、
d1)近位点を計算するサブステップであって、前記近位点が、あらかじめ定義されたシーケンスに従って先行する接続線および後続の接続線の二等分線とのトレースの1つの交差において配置された、サブステップと、
d2)遠位点を計算するサブステップであって、前記遠位点が、近位点におけるトレースへのタンジェントに対する垂直線上にロケートされ、連結バーのバー半径だけ近位点から離間された、サブステップと、
d3)弧中心を計算するサブステップであって、前記弧中心が、近位点におけるトレースへのタンジェントに対する垂直線上にロケートされ、曲げ半径だけ遠位点から離間された、サブステップと、
d4)弧中心によって通られるスケッチ平面に対する法線の周りの遠位点の、あらかじめ定義された角度の回転を実施することによって、円弧の少なくとも開始点および/または終了点を計算するサブステップと
をさらに備えてよい。
【0007】
少なくとも開始点および/または終了点を計算するステップd4)は、あらかじめ定義されたシーケンスに従って円弧に接続されたセグメントとの円弧の最大タンジェンシーを保証するための制約解決の実施をさらに備えてよい。
【0008】
あらかじめ定義されたシーケンスに従って第1の接続線および第2の接続線の自己交差点の後にロケートされたサブセットトレースについて、セグメントのセットおよび円弧のセットを計算するステップが、角度的にシフトされたスケッチ平面中で実施されてよい。
【0009】
角度的にシフトされたスケッチ平面は、第2の接続線に先行するセグメントの軸の周りの回転角だけのスケッチ平面の回転の結果であってよく、前記回転角は、中心曲線のセグメントの交差を防ぐように計算される。
【0010】
回転角は、自己交差点に先行するセグメントの軸と、第1の接続線に対応するセグメント上の自己交差点の接触点投影との間の距離によるバー半径の除算の逆タンジェントに基づいて計算されてよい。
【0011】
接触点投影は、第1の接続線の両方のトレース中心間の自己交差点の位置の関数である距離において第1の接続線に対応するセグメント上に配置されてよい。
【0012】
本発明の別の目的は、少なくとも2つのコンクリート補強鉄筋および少なくともバー半径を有する連結バーのアセンブリを製造する方法であり、連結バーは、あらかじめ定義された曲げ半径で前記コンクリート補強鉄筋を囲むように構成され、本方法は、
所与のレイアウトに従って前記コンクリート補強鉄筋を配置するステップと、
上記で定義された方法に従って前記連結バーを設計するステップと、
前記連結バーで前記コンクリート補強鉄筋を囲むことを含む、前記アセンブリを物理的に製造するステップと
を備える。
【0013】
本発明の別の目的は、上記で定義された製造の方法によって取得された少なくとも2つのコンクリート補強鉄筋および少なくとも連結バーのアセンブリである。
【0014】
本発明の別の目的は、上記で定義された方法をコンピュータシステムに行わせるためのコンピュータ実行可能命令を備える、非一時的コンピュータ可読データ記憶媒体に記憶された、コンピュータプログラム製品である。
【0015】
本発明の別の目的は、上記で定義された方法をコンピュータシステムに行わせるためのコンピュータ実行可能命令を含有している非一時的コンピュータ可読データ記憶媒体である。
【0016】
本発明の別の目的は、メモリに結合されたプロセッサおよびグラフィカルユーザインターフェースを備えるコンピュータシステムであり、メモリは、上記で定義された方法をコンピュータシステムに行わせるためのコンピュータ実行可能命令を記憶する。
【0017】
本発明は、非限定的な例として説明され添付の図面によって図解されたいくつかの実施形態の助けをかりてより良く理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】様々なタイプの連結バーを図解する図である。
【
図2】様々なタイプの連結バーを図解する図である。
【
図3A】様々なタイプの連結バーを図解する図である。
【
図3B】様々なタイプの連結バーを図解する図である。
【
図4】連結バーの構築の様々なステップを図解する図である。
【
図5】連結バーの構築の様々なステップを図解する図である。
【
図6A】連結バーの構築の様々なステップを図解する図である。
【
図6B】連結バーの構築の様々なステップを図解する図である。
【
図7】連結バーの構築の様々なステップを図解する図である。
【
図8】連結バーの構築の様々なステップを図解する図である。
【
図9A】連結バーの構築の様々なステップを図解する図である。
【
図9B】連結バーの構築の様々なステップを図解する図である。
【
図10】連結バーの構築の様々なステップを図解する図である。
【
図11】連結バーの構築の様々なステップを図解する図である。
【
図12】連結バーの構築の様々なステップを図解する図である。
【
図13】連結バーの構築の様々なステップを図解する図である。
【
図14】連結バーの構築の様々なステップを図解する図である。
【
図15】連結バーの構築の様々なステップを図解する図である。
【
図16】連結バーの構築の様々なステップを図解する図である。
【
図17】連結バーの構築の間の自己交差の管理を示す図である。
【
図18】連結バーの構築の間の自己交差の管理を示す図である。
【
図19】連結バーの構築の間の自己交差の管理を示す図である。
【
図20】連結バーの構築の間の自己交差の管理を示す図である。
【
図21】連結バーの構築の間の自己交差の管理を示す図である。
【
図22】本発明による方法の様々なステップを図解する図である。
【
図23】本発明による方法の様々なステップを図解する図である。
【
図24】本発明の様々な実施形態による方法を行うのに好適なそれぞれのコンピュータシステムのブロックダイアグラムである。
【
図25】本発明の様々な実施形態による方法を行うのに好適なそれぞれのコンピュータシステムのブロックダイアグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下で、3次元モデルは、すべての角度からパーツの閲覧を可能にする、3次元表現を可能にするオブジェクト、またはそれのデジタルモデルである。
【0020】
以下で、3次元(または3D)シーンは、3次元空間中に配設された複数の3Dオブジェクトによって編成された仮想環境である。
【0021】
以下で、中心曲線は、オブジェクトの3Dモデルの曲線表現を指す。長軸方向に拡張されたオブジェクトについて、中心曲線の各点は、それの横断面におけるオブジェクトの重心を用いて計算される。特に、直円柱の3Dモデルの中心曲線は、横断面において計算されるすべての円中心をバインドする曲線である。
【0022】
以下で、スケッチ平面は、少なくとも1つの曲げを含む、中心曲線の少なくとも1つの部分を含有している平面を指す。
【0023】
以下で、構築線は、最終結果の部分ではないが計算のために使用される一時的要素である幾何学的要素である。
【0024】
図4には、N個のコンクリート補強鉄筋のセットのうち、3つの連続する3Dモデル化されたコンクリート補強鉄筋(RB
i-1、RB
i、RB
i+1)が提供されている。スケッチ平面Pとのコンクリート補強鉄筋(RB
i-1、RB
i、RB
i+1)の交差点が計算される。スケッチ平面Pは、RB
i上に取られた点から、およびこの点において曲線RB
iに対してタンジェントであるベクトルから構築される。スケッチ平面Pはこの点を通過し、この平面の法線はこのタンジェントベクトルである。各コンクリート補強鉄筋(RB
i-1、RB
i、RB
i+1)はそれの中心曲線(CC
i-1、CC
i、CC
i+1)によって特徴づけられ、この中心曲線は、コンピュータシステムのデータモデル中に、また、それの半径(r
i-1、r
i、r
i+1)によって記憶され得る。3Dボリューム(コンクリート補強鉄筋)との2D平面(スケッチ平面)の交差を実施する代わりに、1D曲線(中心曲線)との2D平面(スケッチ平面)の間の交差が実施され、これの方が計算速度に関してはるかにより高速である。交差点(I
i-1、I
i、I
i+1)のこのセットから、バーとの平面の交差から生じるであろう円または楕円がビルドされるはずである。
【0025】
図5は、交差点(I
i-1、I
i、I
i+1)におけるすべての中心曲線(CC
i-1、CC
i、CC
i+1)のタンジェントベクトル(T
z-1、T
z、T
z+1)、およびスケッチ平面Pの法線ベクトルNを図解している。
図6Aは、特に、スケッチ平面P上で、交差点I
iにおける1つの中心曲線CC
iのタンジェントベクトルT
z、およびスケッチ平面Pの法線ベクトルNを図解している。これらの要素は、スケッチ平面Pの直角ビューにおいて、
図6Bにも図解されている。タンジェントベクトルT
zが法線ベクトルNに平行である場合、中心I
iおよび半径r
iの円が作成される。他の場合(すなわち、タンジェントベクトルT
zが法線ベクトルNに平行でなく、スケッチ平面Pに平行でない場合)、中心I
iの楕円が作成される。楕円の短半径はr
iに等しく、それの長半径はr
i/cos(angle(T
z,N))に等しく、ここで、angle(T
z,N)はタンジェントベクトルT
zと法線ベクトルNとの間の角度である。
【0026】
スケッチ平面P上の様々なコンクリート補強鉄筋(RB
i-1、RB
i、RB
i+1)に対応する円および楕円が
図7に図解されている。これらの円および楕円はトレース
(TR
i¬1, TR
i, TR
i+1)
として指定される。構築により、各交差点(I
i-1、I
i、I
i+1)はトレース中心である。
【0027】
図8は、前に計算されたトレース中心(I
i-1、I
i、I
i+1)を図解している。あらかじめ定義されたシーケンスに従って、コンクリート補強鉄筋(RB
i-1、RB
i、RB
i+1)を囲むことが実施される。このあらかじめ定義されたシーケンスは、コンクリート補強鉄筋(RB
i-1、RB
i、RB
i+1)の結び付けのシーケンスに対応する。それは、コンピュータ支援設計システムのユーザによる入力であってよい。それは、代替としてコンピュータ支援設計システムによって示唆されてよい。このあらかじめ定義されたシーケンスから開始して、接続線(L
i-1、L
i、L
i+1)のセットが計算される。各接続線(L
i-1、L
i、L
i+1)は、2つの連続するトレース中心(I
i-1、I
i、I
i+1)をバインドする。
【0028】
各トレース(TRi-1、TRi、TRi+1)について、スケッチ平面P中のそれぞれのトレース(TRi-1、TRi、TRi+1)を少なくとも部分的に囲繞する円弧(Ci-1、Ci、Ci+1)が計算される。スケッチ平面中の連結バーの中心曲線は、円弧(Ci-1、Ci、Ci+1)のこのセットを備える。各円弧(Ci)は、それの対応するトレース(TRi)上に配置された近位点(Mi)に基づいて計算される。
【0029】
図9Aおよび
図9Bは、連結すべき最初のコンクリート補強鉄筋RB
1の近位点(M
1)の構築、および連結すべき最後のコンクリート補強鉄筋RB
nの近位点(M
n)の構築をそれぞれ図解している。
図9Aによって図解されている、連結すべき最初のコンクリート補強鉄筋RB
1について、第1のM
11中間点および第2のM
12中間点が計算される。中間点(M
11、M
12)は、第1の接続線L
1との第1のトレースTR
1の交差である。第1の接続線L
1は第1のI
1トレース中心と第2のI
2トレース中心を接続することを思い起こされたい。接続ベクトル/
2/
1は、原点として第2のトレース中心I
2を有し、ノルムとして第2のトレース中心I
2と第1のトレース中心I
1との間の距離を有する。ベクトルは、これらの図では概略的に図解されている。特に、図面の明快のために、ベクトルのノルムを表す矢印は低減されている。第1の方向ベクトル/
1M
11は、原点として第1のトレース中心I
1を有し、ノルムとして第1のトレース中心I
1と第1の中間点M
11との間の距離を有する。第2の方向ベクトル/
1M
12は、原点として第1のトレース中心I
1を有し、ノルムとして第1のトレース中心I
1と第2の中間点M
12との間の距離を有する。接続ベクトル/
2/
1との対応する方向ベクトル(/
1M
11、/
1M
12)のスカラー積が正である中間点は、最初のコンクリート補強鉄筋RB
1の近位点M
1と見なされる。同じことは、第1のM
n1中間点および第2のM
n2中間点を用いて、ならびに接続ベクトル/
n-1/
nを用いて、最後のコンクリート補強鉄筋RB
nの近位点M
nの計算に適用される。
【0030】
図10および
図11は、あらかじめ定義されたシーケンスに従って最初でも最後でもないコンクリート補強鉄筋RB
iの近位点M
iの判定を図解している。接続線(L
i-1、L
i)はトレースTR
iのトレース中心I
iにおいて交差することを思い起こされたい。接続線(L
i-1、L
i)の二等分線B
iが計算される。トレースTR
iとの二等分線B
iの交差から、2つの中間近位点(M
i1、M
i2)が得られる。第1の中間ベクトル/
i/
i-1が定義される。第1の中間ベクトル/
i/
i-1は、原点としてトレース中心I
iを有し、ノルムとしてトレース中心I
iと先行するトレース中心I
i-1との間の距離を有する。第2の中間ベクトル/
i/
i+1が定義される。第2の中間ベクトル/
i/
i+1は、原点としてトレース中心I
iを有し、ノルムとしてトレース中心I
iと後続のトレース中心I
i+1との間の距離を有する。次いで、接続ベクトルV
Bzが次のように定義される。
【0031】
VBz=-(/z/z-1+/z/z+1)
第1の方向ベクトルIiMi1が定義される。それは、原点としてトレース中心Iiを有し、ノルムとしてトレース中心Iiと第1の中間点Mi1との間の距離を有する。第2の方向ベクトルIiMi2が定義される。それは、原点としてトレース中心Iiを有し、ノルムとしてトレース中心Iiと第2の中間点Mi2との間の距離を有する。接続ベクトルVBzとの対応する方向ベクトル(IiMi1、IiMi2)のスカラー積が正である中間点は、対応するコンクリート補強鉄筋RBiの近位点Miと見なされる。
【0032】
したがって、各トレースTR
iについて、近位点M
iが計算される。
図12および
図13は、遠位点m
iの計算を図解している。
図12は、遠位点m
iの計算の初期化ステップを図解している。第1の構築線T
iは二等分線B
iに直角であり、近位点M
iを通過する。第2の構築線T
i//は、第1の構築線T
iに平行であり、第1の構築線T
iに対して連結バーのバー半径RAから遠い。第3の構築線T
i┴は第1の構築線T
iに直角であり、近位点M
iを通過する。初期化ステップに基づいて、および以下の制約に基づいて、遠位点m
iが次いで構築される。
【0033】
トレースTRi、二等分線Biおよび近位点Miが固定されている。
【0034】
第1の構築線TiがトレースTRiに対してタンジェントである。
【0035】
第1の構築線Tiが、近位点MiにおけるトレースTRiに一致する。
【0036】
第2の構築線Ti//が第1の構築線Tiに平行である。
【0037】
第2の構築線Ti//が、第1の構築線Tiに対して連結バーのバー半径RAから遠い。
【0038】
第3の構築線Ti┴が第1の構築線Tiに直角である。
【0039】
遠位点miが、第2の構築線Ti//に、および第3の構築線Ti┴に一致する。
【0040】
次いで、初期化ステップのジオメトリおよび前に列挙された制約を考慮して、制約解決が着手される。
図13は、制約解決の結果を図解している。遠位点m
iの計算された最終位置は、連結バーが近位点M
iにおけるトレースTR
iに対してタンジェントになることを保証する。
【0041】
制約解決は、連立非線形代数方程式を解くソフトウェアアルゴリズムのセットである制約解決器によって解決される。解決器入力は、初期化ステップの上述のジオメトリ、および上述の制約である。この場合、ジオメトリの更新が実施されることが可能であり、制約解決器は、すべての制約を満たすために遠位点miを移動する。
【0042】
図14および
図15は、円弧C
iのセットおよびセグメントE
iのセットの計算を図解している。各円弧C
iは、スケッチ平面P中のそれぞれのトレースTR
iを少なくとも部分的に囲繞し、対応するトレースTR
iの遠位点m
iを通過する。各セグメントE
iは、対応する接続線L
iにほぼ平行であり、連続する円弧C
iを接続する。
図14は、円弧C
iのセットおよびセグメントE
iのセットの計算の初期化ステップを図解している。各トレースTR
iについて、弧中心I’
iが定義される。それは、近位点M
iにおけるトレースTR
iへのタンジェントT
iに対する垂直線T
i┴上にロケートされる。弧中心I’
iは、コンクリート補強鉄筋RB
iの曲げ半径BR
iだけ遠位点m
iから離間される。コンクリート補強鉄筋RB
iの各々の曲げ半径BR
iの値はユーザによって入力されてよい。代替として、デフォルト値がユーザに示唆され、任意選択でユーザによって修正されてよい。初期化ステップでは、トレースTR
iのために開始点s
iおよび終了点e
iが計算される。これらの点は、弧中心I’
iによって通られるスケッチ平面Pに対する法線の周りの遠位点m
iの、あらかじめ定義された角度の回転から得られる。したがって、C
iは、構築により、その中心が弧中心I’
Iであり、その半径が曲げ半径BR
iである、円の弧である。一実施形態によれば、あらかじめ定義された角度は、開始点s
iについておよび終了点e
iについて同じ絶対値を有することができる。あらかじめ定義された角度は、開始点s
iについて負であり、終了点e
iについて正であってよい。一実施形態によれば、あらかじめ定義された角度は、開始点s
iについて-π/4であり、終了点e
iについてπ/4であってよいが、他の値が選択され得る。連結バーがループを有しない場合(たとえばレーシング)、第1のトレースTR
1についておよび最後のトレースTR
nについて、終了点と開始点のうちただ1つの点が計算される。連結バーのあらかじめ定義されたシーケンスに従って、セグメントE
iのセットが構築される。各セグメントE
iは、あらかじめ定義されたシーケンスに従って、先のトレースTR
i-1の終了点e
iを、それの対応するトレースTR
iの開始点s
iにバインドする線である。
【0043】
初期化ステップに基づいて、および以下の制約に基づいて、開始点siおよび終了点eiのローカライゼーションがコンソリデートされる。
【0044】
遠位点miを構築するステップにおいて定義された制約が依然として設定されている。
【0045】
円弧Ciが、遠位点miにおける第2の構築線Ti//に一致する。
【0046】
円弧Ciが第2の構築線Ti//に対してタンジェントである。
【0047】
円弧Ciの半径がBRに固定される。
【0048】
セグメントEiおよび円弧Ciが終了点eiにおいてタンジェントである。
【0049】
先行するトレースTRi-1のセグメントEi-1および円弧Ciが開始点siにおいてタンジェントである。
【0050】
次いで、制約解決が実行されて、初期化ステップのジオメトリおよび前に列挙された制約に関して最終結果曲線が与えられる。このモデル化では、開始点s
iおよび終了点e
iは、セグメントE
iの位置を調整するために円弧C
i上で転動する。
図15は、制約解決の結果を図解している。連結バーの中心曲線は、制約解決の後の、すべてのトレースTR
iのセグメントE
iおよび円弧C
iからなる。
【0051】
制約解決は制約解決器によって解決される。解決器入力は、初期化ステップの上述のジオメトリ、および上述の制約である。この場合、ジオメトリの更新が実施されることが可能であり、制約解決器は、すべての制約を満たすために開始点siおよび終了点eiのローカライゼーションを移動する。
【0052】
図16によって図解されているように、中心曲線および連結バーの半径RAに基づいて、連結バーが次いで構築される。
【0053】
図17~
図21は、連結バーTBの自己交差の場合を図解している。
図17では、連結バーTBは、そのシーケンスに従って、第1のコンクリート補強鉄筋RB
i-1、第2のコンクリート補強鉄筋RB
i、第3のコンクリート補強鉄筋RB
i+1、および第4のコンクリート補強鉄筋RB
i+2を結び付ける。そのような場合、連結バーTBはそれ自体の上に折り重なっており、物理的な連結バーをできる限り正しくシミュレートするために、プロセスの間に角度シフトが導入されなければならない。この角度シフトは、新しい平面を計算することによって導入される。その目標は、バーの折り重なりが、自己交差が避けられるエリア中の接触点をもたらすように、スケッチを続けるための平面を作成することである。シフトの位置および値は自動的に計算されるが、それらは、設計のより多くのフレキシビリティおよびパラメータ化を与えるためにエンドユーザに容易に公開されてよい。
【0054】
非直接的に連続する接続線L
iが交差したとき、自己交差が検出される。
図18によって図解されているように、接続線L
i-1と接続線L
i+1は自己交差点(I)において交差する。そのような自己交差が発見された場合、連結バーの構築は、現在のスケッチ平面Pにおいてこの交差の直前で停止される。
図18によって図解されている例では、連結バーは、接続線L
iに対応するセグメントE
iまで(およびそれを含んで)構築される、
図19によって図解されているように、自己交差している接続線(L
i-1、L
i+1)の交差から取得された距離比(distance ratio)を使用して、接触点投影Jが計算される。距離比DRは、
DR=[I
i-1,I]/[I
i-1,I
i]
に等しく、ただし、[I
i-1,I]は、トレース中心I
i-1と自己交差点Iとの間の距離であり、[I
i-1,I
i]は、トレース中心I
i-1とトレース中心I
iとの間の距離である。
【0055】
その結果、距離比DRは、角度的にシフトされた平面上に構築されるべきセグメントの前の、最後から2番目のセグメントEi-1に適用される。したがって、接触点投影Jは、次のように、距離比DRに従う終了点eiからの距離において、最後から2番目のセグメントEi-1上に配置される。
【0056】
[e
i-1,J]=DR*[e
i-1,s
i]
図20および
図21は、接触点投影Jに基づく、角度的にシフトされたスケッチ平面P’の構築を図解している。
図20は、角度的にシフトされたスケッチ平面P’のビューを表し、
図21は、直角ビューにおいてスケッチ平面Pおよび角度的にシフトされたスケッチ平面P’を表す。角度的にシフトされたスケッチ平面P’は、角度的にシフトされた平面上に構築されるべきセグメントに先行するセグメントE
iの軸の周りの回転角αだけのスケッチ平面Pの回転の結果である。回転角αは次式に従って計算される。
【0057】
α=2*Arctan(RA/h)、
だたし、Arctanは逆タンジェント関数であり、RAは連結バーの半径であり、hは、接触点投影Jとスケッチ平面Pの最後のセグメントEiとの間の距離であり、この最後のセグメントEiは、角度的にシフトされたスケッチ平面P’の最初のセグメントEi’でもある。
【0058】
自己交差の前の最後の円弧Ci+1’に対応する近位点Mi+1’、遠位点mi+1’、開始点si+1’、および終了点ei+1’が、角度的にシフトされたスケッチ平面P’中で計算される。これらの点は、スケッチ平面Pにおけるのと同じ様式で計算される。角度的にシフトされたスケッチ平面P’における連結バーの自己交差点の推定である接触点J’が、セグメントEi’の軸の周りの接触点投影Jの角度αの回転を通して判定される。この推定された計算は、連結バーが自己交差しているギャップを最小限に抑える最良の角度を発見することに存する最適化アルゴリズムを使用することによって改善されて得る。
【0059】
角度的にシフトされたスケッチ平面P’中で検出された自己交差がある場合、別の角度的にシフトされたスケッチ平面P’’が同じ方法で計算される。
【0060】
最終的な連結バーの中心曲線は、様々な平面中の構成の様々な解決から生じるすべてのジオメトリを連接することによって作られる。この中心曲線は、次いで、バーの拡張、フックおよびボリューム形状をビルドするために標準ツールを用いてドレスアップされてよい。
【0061】
図22は、本方法の上述のメインステップを概略的に図解している。特に、ステップa)では、コンクリート補強鉄筋の3次元モデルが提供される。ステップb)では、コンクリート補強鉄筋の各々のトレースが計算される。ステップc)では、トレース中心をバインドする接続線が計算される。ステップd)では、それぞれのトレースに対してタンジェントな円弧、ならびに円弧をバインドするセグメントが計算される。ステップe)では、中心曲線および連結バーのバー半径に基づいて連結バーが計算される。
【0062】
図23は、円弧の計算するステップd)の上述のメインサブステップセットを概略的に図解している。特に、サブステップd1)では、各トレースについて近位点が計算される。サブステップd2)では、各トレースについて遠位点が計算される。サブステップd3)では、弧中心が計算され、サブステップd4)では、開始点および/または終了点が判定される。
【0063】
本方法は、コンクリート補強鉄筋の結び付けのどんな構成にも適用でき、フレーム、スターラップ、およびレーシングなど、いくつかの種類のレイアウトに適用できる。それは、それがコンクリート補強鉄筋の現実の接触をモデル化するという意味において、「物理的」解決策である。
【0064】
本発明の方法は、場合によってはコンピュータネットワークを含む、好適にプログラムされた汎用コンピュータまたはコンピュータシステムによって実施されてよく、それは、ハードディスク、固体ディスクまたはCD-ROMなどのコンピュータ可読媒体上に不揮発性形態で好適なプログラムを記憶し、それのマイクロプロセッサおよびメモリを使用してプログラムを実行する。
【0065】
本発明の例示的な一実施形態による方法を行うのに好適なコンピュータについて、
図24を参照しながら説明される。
図24では、コンピュータは中央処理ユニット(CPU)CPを含み、このCPU CPは、RAM MEM1もしくはROM MEM2もしくはハードディスクドライブ(HDD)MEM3、DVD/CDドライブMEM4などのメモリデバイスに記憶されるかまたは遠隔的に記憶された実行可能プログラム、すなわちコンピュータ可読命令のセットを走らせながら、上記で説明された方法ステップを実施する。その上、コンクリート補強鉄筋を定義する1つまたは複数のコンピュータファイルも、メモリデバイスMEM1からMEM4のうちの1つまたは複数上に、または遠隔的に記憶されてよい。
【0066】
請求される本発明は、本発明のプロセスのコンピュータ可読命令がその上に記憶されるコンピュータ可読媒体の形態によって限定されない。たとえば、命令およびファイルは、CD、DVD上に、FLASHメモリ、RAM、ROM、PROM、EPROM、EEPROM、ハードディスク中に、またはコンピュータがそれと通信するサーバもしくはコンピュータなどの任意の他の情報処理デバイス中に記憶されてよい。プログラムは、同じメモリデバイス上にまたは異なるメモリデバイス上に記憶されてよい。
【0067】
さらに、本発明の方法を行うのに好適なコンピュータプログラムは、CPU CP、ならびにMicrosoft VISTA、Microsoft Windows 8、UNIX、Solaris、LINUX、Apple MAC-OSおよび当業者に知られている他のシステムなどのオペレーティングシステムと連携して実行する、ユーティリティアプリケーション、バックグラウンドデーモン、もしくはオペレーティングシステムの構成要素、またはそれらの組合せとして提供されてよい。
【0068】
CPU CPは、米国のIntelからのXenonプロセッサもしくは米国のAMDからのOpteronプロセッサであり得るか、または米国のFreescale社からのFreescale ColdFire、IMX、もしくはARMプロセッサなどの他のプロセッサタイプであり得る。代替として、CPUは、当業者なら認識するように、米国のIntel社からのCore2 Duoなどのプロセッサであり得るか、またはFPGA、ASIC、PLD上でもしくは個別論理回路を使用して実装され得る。さらに、CPUは、上記で説明された本発明のプロセスのコンピュータ可読命令を実施するように協働的に動作するマルチプルプロセッサとして実装され得る。
【0069】
図24中のコンピュータはまた、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、インターネットなどのネットワークとインターフェースするために、米国のIntel社からのIntel Ethernet PROネットワークインターフェースカードなどのネットワークインターフェースNIを含む。コンピュータは、Hewlett Packard HPL2445w LCDモニタなどのディスプレイDYとインターフェースするために、米国のNVIDIA社からのNVIDIA GeForce GTXグラフィックスアダプタなどのディスプレイコントローラDCをさらに含む。汎用I/OインターフェースIFは、キーボードKB、およびローラーボール、マウス、タッチパッドなどのポインティングデバイスPDとインターフェースする。ディスプレイコントローラおよびI/Oインターフェースとともに、ディスプレイ、キーボード、タッチモードのセンシティブ表面およびポインティングデバイスは、たとえば、ポインタを移動するための、入力コマンドを提供するためにユーザによって使用され、ならびに3次元シーンおよびグラフィカルツールを表示するためにコンピュータによって使用される、グラフィカルユーザインターフェースを形成する。
【0070】
ディスクコントローラDKCは、コンピュータの構成要素のすべてを相互接続するために、ISA、EISA、VESA、PCI、または同様のものであり得る通信バスCBSとHDD MEM3およびDVD/CD MEM4を接続する。
【0071】
ディスプレイ、キーボード、ポインティングデバイス、ならびにディスプレイコントローラ、ディスクコントローラ、ネットワークインターフェースおよびI/Oインターフェースの一般的な特徴および機能についての説明は、これらの特徴は知られているので、本明細書では簡潔のために省略される。
【0072】
図25は、本発明の異なる例示的な一実施形態による方法を行うのに好適なコンピュータシステムのブロックダイアグラムである。
【0073】
図25では、実行可能プログラムEXPおよびコンクリート補強鉄筋を定義するコンピュータファイルは、サーバSCに接続されたメモリデバイス上に記憶される。メモリデバイスおよびサーバの全体的なアーキテクチャは、サーバ中ではディスプレイコントローラ、センシティブ表面、ディスプレイ、キーボードおよび/またはポインティングデバイスがなくなっていてよいことを除いて、
図24を参照しながら上記で述べられたのと同じであり得る。
【0074】
サーバSCは、その場合、ネットワークNWを介して管理者システムADSおよびエンドユーザコンピュータEUCに接続される。
【0075】
管理者システムのおよびエンドユーザコンピュータの全体的なアーキテクチャは、管理者システムおよびエンドユーザコンピュータのメモリデバイスが、実行可能プログラムEXPおよび/またはコンクリート補強鉄筋を定義するコンピュータファイルを記憶しないことを除いて、
図24を参照しながら上記で述べられたのと同じであり得る。しかしながら、エンドユーザコンピュータは、以下でそれが述べられるように、サーバの実行可能プログラムと協働するように設計されたクライアントプログラムを記憶する。
【0076】
諒解され得るように、ネットワークNWは、インターネットなどの公衆ネットワーク、またはLANもしくはWANネットワークなどのプライベートネットワーク、またはそれらの任意の組合せであり得、また、PSTNもしくはISDNサブネットワークを含み得る。ネットワークNWはまた、イーサネットネットワークなど、ワイヤードであり得るか、またはEDGE、3Gおよび4G無線セルラーシステムを含むセルラーネットワークなど、無線であり得る。無線ネットワークはまた、Wi-Fi、Bluetooth、または知られている通信の任意の他の無線形態であり得る。したがって、ネットワークNWは例示にすぎず、決して現進歩の範囲を限定するものではない。
【0077】
エンドユーザコンピュータのメモリデバイスに記憶され、同コンピュータのCPUによって実行されるクライアントプログラムは、サーバSCによって記憶されておりコンクリート補強鉄筋を定義するファイルを含有しているデータベースDBに、ネットワークNWを介してアクセスする。サーバは、上記で説明されたように処理を実施し、再びネットワークNWを使用して、コンクリート補強鉄筋および連結バーを含むシーンの所望の表現に対応するファイルをエンドユーザコンピュータに送信する。
【0078】
1つの管理者システムADSおよび1つのエンドユーザシステムEUXのみが図示されているが、本システムは、限定なしに任意の数の管理者システムおよび/またはエンドユーザシステムをサポートすることができる。同様に、本発明の範囲から逸脱することなく複数のサーバが本システム中に実装されてもよい。
【0079】
本明細書で説明されたどんな方法ステップも、プロセスの特定の論理機能またはステップを実装するための1つまたは複数の実行可能な命令を含むコードのモジュール、セグメント、または部分を表すものとして理解されるべきであり、代替的実装形態が、本発明の例示的な実施形態の範囲に含まれる。