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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-27
(45)【発行日】2023-08-04
(54)【発明の名称】火災報知設備及び防災情報管理システム
(51)【国際特許分類】
   G08B 17/00 20060101AFI20230728BHJP
   G08B 23/00 20060101ALI20230728BHJP
   G08B 25/08 20060101ALI20230728BHJP
【FI】
G08B17/00 B
G08B23/00 510F
G08B25/08
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019054068
(22)【出願日】2019-03-22
(65)【公開番号】P2020154910
(43)【公開日】2020-09-24
【審査請求日】2022-02-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000003403
【氏名又は名称】ホーチキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079359
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 進
(72)【発明者】
【氏名】越智 誠
(72)【発明者】
【氏名】武田 紘己
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 英明
(72)【発明者】
【氏名】青山 晃久
(72)【発明者】
【氏名】青木 勇
(72)【発明者】
【氏名】山本 崇
(72)【発明者】
【氏名】矢頭 岳人
【審査官】横田 有光
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-122995(JP,A)
【文献】特開2017-188018(JP,A)
【文献】特開2017-224193(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B 17/00-31/00
H04M 3/00
3/16- 3/20
3/38- 3/58
7/00- 7/16
11/00-11/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信機に火災感知器を接続して火災を監視する火災報知設備に於いて、
前記受信機に、
所定のイベント発生に基づいて生成した所定の印刷情報を印刷する印刷手段と、
前記印刷手段に出力する印刷情報を、インターネットを経由して所定のサーバに送信して履歴情報として保存させる印刷情報送信制御手段と、
が設けられ
前記印刷情報は、前記印刷手段に出力することで印刷が可能なデータ形式であることを特徴とする火災報知設備。
【請求項2】
火災感知器を接続して火災を監視する火災報知設備の受信機に、
所定のイベント発生に基づいて生成した所定の印刷情報を印刷する印刷手段と、
前記印刷手段に出力する印刷情報を、インターネットを経由して所定のサーバに送信して保存させる印刷情報送信制御手段と、
が設けられ、
前記印刷情報は、前記印刷手段に出力することで印刷が可能なデータ形式であり、
前記サーバは、前記受信機から受信した前記印刷情報を閲覧可能な所定形式の履歴情報に加工して保存することを特徴とする防災情報管理システム。
【請求項3】
請求項2記載の防災情報管理システムに於いて、
前記サーバは、所定の端末装置と通信可能であり、
前記サーバに保存される履歴情報の形式は、文字を文字として認識可能な形態が維持された前記所定の端末装置で閲覧可能な所定の画像データ形式であることを特徴とする防災情報管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信機のプリンタで印刷される履歴情報を保存して管理する火災報知設備及び防災情報管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、受信機から引き出された信号回線に火災感知器を接続して火災を監視する火災報知設備にあっては、火災、障害、点検等の火災報知設備の運用で発生したイベントを、履歴情報として受信機に設けたプリンタにより印刷すると共に、受信機に設けたRAMなどのメモリに記憶している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-092753号公報
【文献】特開2017-224193号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような受信機に設けたRAMの容量には限界があり、例えば、1年程度の履歴データでRAMが一杯となり、その場合には、RAMに記憶している過去の履歴データをプリンタで印刷して保管し、RAMの履歴データを消去するか、新たな履歴データを上書きして記憶するようにしており、印刷データはかさばる上に、コストの安価なサーマルプリンタにより感熱紙に印刷しており、履歴データを印刷した感熱紙は長期保管に向かないといった問題がある。
【0005】
本発明は、受信機の記憶容量に制約されることなく履歴データの保存と利用を可能とする火災報知設備及び防災情報管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(火災報知設備)
本発明は、受信機に火災感知器を接続して火災を監視する火災報知設備に於いて、
受信機に、
所定のイベント発生に基づいて生成した所定の印刷情報を印刷する印刷手段と、
印刷手段に出力する印刷情報を、インターネットを経由して所定のサーバに送信して履歴情報として保存させる印刷情報送信制御手段と、
が設けられ
印刷情報は、印刷手段に出力することで印刷が可能なデータ形式であることを特徴とする。
【0008】
(防災情報管理システム)
本発明の別の形態は、防災情報管理システムであって、
火災感知器を接続して火災を監視する火災報知設備の受信機に、
所定のイベント発生に基づいて生成した所定の印刷情報を印刷する印刷手段と、
印刷手段に出力する印刷情報を、インターネットを経由して所定のサーバに送信して保存させる印刷情報送信制御手段と、
が設けられ、
印刷情報は、印刷手段に出力することで印刷が可能なデータ形式であり、
サーバは、受信機から受信した印刷情報を閲覧可能な所定形式の履歴情報に加工して保存することを特徴とする。
【0009】
履歴情報の形式
サーバは、所定の端末装置と通信可能であり、
サーバに保存される履歴情報の形式は、文字を文字として認識可能な形態が維持された所定の端末装置で閲覧可能な所定の画像データ形式である
【発明の効果】
【0010】
(基本的な効果)
本発明は、受信機に火災感知器を接続して火災を監視する火災報知設備に於いて、受信機に、所定のイベント発生に基づいて生成した所定の印刷情報を印刷する印刷手段と、印刷手段に出力する印刷情報を、インターネットを経由して所定のサーバに送信して履歴情報として保存させる印刷情報送信制御手段とが設けられたため、火災、障害、点検等のイベント発生に基づき生成された印刷情報はサーマルプリンタ等の印刷手段に出力されて履歴データとして印刷されると同時に、インターネット上のサーバに印刷情報が送信して保存され、受信機で履歴情報を記憶するRAM等のメモリに制限があっても、過去の履歴情報の印刷保存を必要とすることなく、また、RAM等の記憶容量に制約されることなく、履歴情報の保存と利用を行うことができる。
【0011】
(印刷情報の分岐送信による効果)
また、印刷情報送信制御手段は、印刷手段に出力する印刷情報をゲートウェイ装置に分岐し、ゲートウェイ装置からサーバに送信して保存させるという簡単な構成により、受信機で生成された履歴情報を効率良く保存して利用可能とすることができる。
【0012】
また、本願は既存の受信機に対して簡単な変更のみを加えることで、履歴情報の保存と利用を可能とする。つまり、既存のプリンタを有する受信機についても、プリンタへの入力信号を分岐して分岐先にゲートウェイ装置を接続するのみで、受信機のソフトウェア上の変更等なしに履歴情報の保存と利用が可能となる。
【0013】
(防災情報管理システムの効果)
本発明の別の形態にあっては、防災情報管理システムであって、火災感知器を接続して火災を監視する火災報知設備の受信機に、所定のイベント発生に基づいて生成した所定の印刷情報を印刷する印刷手段と、印刷手段に出力する印刷情報を、インターネットを経由して所定のサーバに送信して保存させる印刷情報送信制御手段とが設けられ、サーバは、受信機から受信した印刷情報を検索可能な所定形式の履歴情報に加工して保存するようにしたため、前述した火災報知設備の効果に加え、例えば、印刷情報に日付等の管理データを付加して保存することで、サーバに保存された印刷情報の履歴情報としての検索や利用をブラウザ等を備えた端末機器から簡単且つ容易に行って活用可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】火災報知設備とサーバで構成される防災情報管理システムの概要を示した説明図
図2】受信機とサーバの機能構成を示したブロック図
図3】受信機の外観を正面から示した説明図
図4】印刷データ、印刷記録及び履歴データを示した説明図
【発明を実施するための形態】
【0015】
[火災報知設備及び防災情報管理システム]
(実施形態の基本的概念)
図1は火災報知設備とサーバで構成される防災情報管理システムの概要を示した説明図である。
【0016】
本実施形態による火災報知設備及び防災情報管理システムの基本的概念は、火災報知設備10は受信機12から警戒区域に引き出された信号回線14に火災感知器16を接続して火災を監視しており、受信機12には、火災、障害、点検、操作等の所定のイベント発生に基づく印刷データ(印刷情報)を印刷する印刷手段として機能するプリンタ18と、プリンタ18に出力する印刷情報を、インターネット22を経由して所定のサーバ24に送信して保存させる印刷情報送信制御手段の機能とが設けられ、サーバ24は、受信機12から受信した印刷データを閲覧可能な所定の形式に加工して履歴データ(履歴情報)として保存するというものである。
【0017】
このため受信機12で生成された火災、障害、点検、操作等のイベント発生に基づく印刷データはプリンタ18に出力されて履歴データとして印刷されると同時に、インターネット22上のサーバ24に印刷データが送信して保存され、受信機12で履歴データを記憶するRAM等のメモリに制限があっても、過去の履歴データのプリンタ18で印刷して保存することを必要とすることなく、また、RAM等の記憶容量に制約されることなく、長期間に亘って生成された履歴データを保存して利用することができる。以下詳細に説明する。
【0018】
[火災報知設備及び防災情報管理システムの概要]
図1に示すように、火災報知設備10は、建物の一階の管理人室などには例えばR型の受信機12が設置され、受信機12から警戒区域に対し系統毎に分けて信号回線14が引き出され、固有のアドレスが設定された伝送機能を有する複数のアナログ式の火災感知器16が接続され、火災を監視している。なお、信号回線14には、固有のアドレスが設定された伝送機能を有する中継器から引き出された感知器回線にオンオフ式の火災感知器及び発信機が接続され、また、中継器を介して防排煙機器等が接続されるが、図示を省略している。
【0019】
また、受信機12にはプリンタ18が設けられており、受信機12で火災、障害、点検、操作等のイベントが発生すると、これに基づき所定の印刷データを生成し、プリンタ18に出力して履歴データとして印刷するようにしている。
【0020】
また、受信機12にはゲートウェイ装置20が設けられ、インターネット22を経由してサーバ24に通信接続できるようにしている。
【0021】
受信機12は、火災、障害、点検、操作等の所定のイベント発生に基づく印刷データを生成し、プリンタ18に出力して印刷するときに、印刷データをゲートウェイ装置20に分岐し、ゲートウェイ装置20からインターネット22を経由してサーバ24に送信する。
【0022】
受信機12から印刷データを受信したサーバ24は、受信した印刷データを閲覧可能な所定の形式に加工して履歴データとして保存する。サーバ24に保存された火災報知設備10の履歴データは、LAN回線26を介して接続されたクライアント28、受信機12及び防災表示盤15により必要な履歴データを検索して閲覧することができる。また、携帯電話網30の携帯電話子局32を介してスマートホンやタブレット等の携帯端末34からも必要な履歴データを検索して閲覧することができる。
【0023】
[受信機及びサーバの機能構成]
図2は受信機とサーバの機能構成を示したブロック図、図3は受信機の外観を正面から示した説明図、図4は印刷データ、印刷記録及び履歴データを示した説明図である。
【0024】
(受信機の機能)
図1に示すように、受信機12は、CPU、メモリ、各種の入出力ポート等を備えたコンピュータ回路等で構成されおり、メインCPU36と複数のサブCPU基板38が設けられ、サブCPU基板38にはサブCPU40と伝送部42が設けられている。
【0025】
メインCPU36とサブCPU40は、シリアル転送バス44で接続されており、相互にデータを送受信する。
【0026】
メインCPU36にはプリンタ18が接続され、また、プリンタ18に対する印刷データを分岐してサーバ24に送信するゲートウェイ装置20が接続されている。
【0027】
また、メインCPU36には、液晶表示パネル等を用いたタッチパネル付きのディスプレイ46、LED等の表示灯を用いた表示部48、火災断定スイッチ、主音響停止スイッチ、地区音響一時停止スイッチ等の各種スイッチが設けられた操作部50、スピーカが設けられた音響警報部52、及び、移報部54が接続されている。
【0028】
また、メインCPU36にはシリアル伝送部45を介して防災表示盤15が接続され、防災表示盤15は受信機12で発生したイベントのディスプレイ表示、警報、操作に加え、サーバ24に保存している受信機12の履歴情報の閲覧を可能としている。
【0029】
また、メインCPU36にはプログラムの実行により制御手段として機能する受信制御部56と印刷情報送信制御部58が設けられ、また、RAMなどを用いた履歴記憶部60が設けられる。
【0030】
(受信機の外観)
図3に示すように、受信機12の盤面には、タッチパネル付きのディスプレイ46が配置される。ディスプレイ46はカラー画像を画面表示し、また、タッチパネルが画面に配置されることで、画面タッチ操作による選択や入力を可能としている。
【0031】
ディスプレイ46の下側で盤面の左右中央となる利用者にとって見やすく且つ操作しやすい位置に、ガイドスイッチ72が配置されている。ガイドスイッチ72は、火災イベント発生してディスプレイ46にガイダンス対象となる情報が表示されときに操作すると、ガイダンス内容が音声により出力される。
【0032】
また、ディスプレイ46の下側の盤面には、火災断定スイッチ78、主音響停止スイッチ74及び地区音響一時停止スイッチ76が配置されている。ガイドスイッチ72の下側の盤面には扉82が下側を軸として前開き自在に設けられており、小扉82の内側には、復旧スイッチを含む各種の操作スイッチが設けられている。
【0033】
また、火災断定スイッチ78の外側には電話マイク80が配置され、ディスプレイ46の横に設けられた音響孔84の内部のスピーカとの組み合わせにより、ハンドフリーによる非常電話機能を実現している。
【0034】
また、ディスプレイ46の上側の盤面には火災代表灯86とガス漏れ代表灯88が設けられている。更に、受信機12の盤面の下側にはプリンタ18が配置され、受信機12で発生したイベントに基づく印刷データを印字出力するようにしている。
【0035】
(受信機の火災監視制御)
図2に示す受信機12に設けたサブCPU基板38のサブCPU40は、伝送部42に指示して火災感知器16との間で所定の通信プロトコルに従って信号を送受信することで、火災監視制御を行っている。
【0036】
サブCPU40による火災監視制御は、通常の監視中にあっては、一定周期毎に、伝送部42に指示して、一括AD変換コマンドを含むブロードキャストの一括AD変換信号を送信しており、この一括AD変換信号を受信した火災感知器16は、煙濃度又は温度をセンサデータとして検出して保持する。続いて、サブCPU40は、端末アドレスを順次指定したポーリングコマンドを含む呼出信号を送信している。
【0037】
火災感知器16は自己アドレスに一致するアドレスを持つ呼出信号を受信すると、そのとき保持しているセンサデータを含む応答信号を伝送部42に送信する。また、火災感知器16は煙濃度又は温度が所定の火災注意レベルを超えると受信機12の伝送部42に対し火災割込み信号を送信する。
【0038】
サブCPU40は伝送部42を介して火災割込み信号を受信すると、グループ検索コマンド信号を送信して火災を検出している火災感知器16を含むグループを特定し、続いて、グループ内検索コマンド信号を送信して火災を検出している火災感知器16のアドレスを特定してセンサのアナログデータを集中的に収集し、シリアル転送バス44を介してメインCPU36に送信する。
【0039】
メインCPU36はサブCPU40から受信したアナログデータを所定の火災判定レベルと比較しており、アナログデータが火災判定レベルに達した場合に火災と判定し、表示部48の火災代表灯86を点灯し、音響警報部52のスピーカから火災発生を示す所定の主音響警報を出力させ、ディスプレイ46に火災が検出された感知器アドレスに基づき火災発生場所を含む火災警報情報を表示させ、更に、移報部54により火災移報信号を外部に出力して所定の移報制御等を行わせる。
【0040】
(受信機の印刷情報送信制御)
図2に示す受信機12のメインCPU36に設けられた印刷情報送信制御手段として機能する印刷情報送信制御部58は、受信制御部56で火災、障害、点検、操作等のイベント発生に基づき印刷データが生成されたときに、印刷データをプリンタ18に出力して印字出力させると共に、印刷データを分岐してゲートウェイ装置20に出力する制御をおこない、これによりゲートウェイ装置20は所定のインターネットプロトコルに従って印刷データをインターネット22を経由してサーバ24に送信する。
【0041】
印刷データはシリアル信号としてプリンタ18とゲートウェイ装置20に送信し、サーバ24で受信した印刷データの文字は画像でなく文字として認識可能な形式となる。
【0042】
受信制御部56はイベント発生に基づき図4(A)に示す形式の印刷データ90を生成する。本実施形態の印刷データ90は、日時、場所、種別及び内容で構成されている。図4(B)は受信制御部56で火災発生時に生成された印刷データ90の印刷結果92であり、例えば、下から上に向かう時間の流れであり、午前零時のタイミングで年月日「2019/02/01」が印字され、その後、火災発生に伴う印字データが印字されている。
【0043】
例えば最初の印紙データを見ると、時分秒「023425」に続いて場所「1階南地区」が印字され、次に種別としてアナログ式の煙感知器を示す「アナログ煙」が印字され、最後に内容として「発報」が印字されている。また、プリンタ18に印字出力された印刷データは、同時に、RAMなどを用いた履歴記憶部60に記憶されるが、履歴記憶部60の記憶容量には制限があり、記憶容量がなくなると古い履歴データに対し上書きして記憶され、例えば1年分といった限られた期間の履歴データしか記憶されていない。
【0044】
なお、印刷データ90の型式及び内容は、履歴として必要な適宜の内容及び形式とすることができる。また、印刷情報送信制御部58は印刷データをリアルタイムでゲートウェイ装置20に分岐してサーバ24に送信する以外に、印刷データを一旦送信用のバッファメモリに保存し、所定期間単位、例えば1日単位にバッファメモリから読み出し、ゲートウェイ装置20に出力してサーバ24に送信するようにしても良い。
【0045】
(サーバ)
図2に示すように、サーバ24は、CPU、メモリ、各種の入出力ポート等を備えたコンピュータ回路等で構成されおり、通信制御部62、サーバ制御部64、キーボートやマウス等の操作部66、ディスプレイを用いた表示部68、十分な記憶容量を備えた記憶部70を備える。
【0046】
サーバ制御部64は、通信制御部62を介して受信機12が送信した印刷データを受信した場合、例えば、図4(C)に示す形式の履歴データ94を生成し、記憶部70に記憶する。図4(C)の履歴データ94は、受信機12から受信した印刷データ90の先頭に所定の検索データ96を組み合わせており、検索データ96としては、例えば年月日データとし、利用者は年月日を指定すること記憶部70に記憶している履歴データ94の中から、指定した年月日の履歴データを抽出して閲覧することができる。
【0047】
また、サーバ制御部64は複数の火災報知設備10の履歴データを記憶部70に記憶している場合には、検索データ96に火災報知設備に割り当てられた設備IDを年月日に加えて記憶することで、火災報知設備を指定した履歴データ94の検索による閲覧を可能とする。
【0048】
サーバ24に保存された履歴データ94の閲覧は、クライアント28や携帯端末34に加え、受信機12や防災表示15からも行うことができる。
【0049】
なお、サーバ制御部64は記憶部70に履歴データ94を記憶する場合に、印刷データ90をクライアント28や携帯端末34や防災表示15が文字を文字として認識可能な形態を維持するとともにディスプレイに表示可能な所定の画像データ、例えばPDF形式に変換して記憶するようにしても良い。このように印刷データ90を画像データに変換して格納することで、クライアント28、受信機12、防災表示盤15、携帯端末34等から履歴データ94を閲覧する際に、印刷データ90から画像データへの変換が不要となり、履歴データ94の利用が効率化される。また、文字情報を検索対象として履歴データに含まれる端末の特定情報や時刻情報を活用して履歴データ94の利用をさらに効率化することが可能となる。
【0050】
[本発明の変形例]
(防災表示盤)
上記の実施形態に加え、防災表示盤15は、利用者に履歴データを選択されたとき、履歴データ94に含まれる端末特定情報に基づき、選択された履歴に関する端末を特定し、防災表示盤15で表示する地図上で当該端末を強調表示するようにしても良い。
【0051】
(印刷データ)
上記の実施形態は、火災感知器の発報等のイベント発生に基づいて印刷データを生成しているが、生成される印刷データはこれに限らない。受信機の設定情報等を印刷データとしてサーバ24に送信するようにしても良い。このとき、プリンタ18からの印刷は行わないようにしても良い。また、プリンタ18から印刷を行ったかどうかを区別するため、印刷データにプリンタによる印刷対象かどうかを区別する情報を含めるようにしても良い。
【0052】
(受信機による印刷データの閲覧・印刷)
上記の実施形態は、履歴データ94を受信機12で閲覧可能としているが、印刷できるようにしても良い。
【0053】
(クライアントや防災表示盤による印刷)
上記の実施形態は、履歴データ94をクライアント28や防災表示盤15で閲覧可能としているが、印刷できるようにしても良い。クライアント28や防災表示盤15で印刷可能とすることで、高機能なプリンタでA4用紙等の印刷が可能となる。そのため、履歴データ94を印刷して点検等の報告書に添付する等が可能となる。
【0054】
(P型受信機)
上記の実施形態は、R型の受信機からの信号回線を介してR型の火災感知器を接続した火災報知設備を例にとっているが、回線単位に火災を監視するP型の受信機から引き出した感知器回線にオンオフ式の火災感知器を接続したP型火災報知設備についても同様に適用できる。
【0055】
(プリンタ無しの受信機)
また、上記の実施形態は、受信機にプリンタを設けて印刷データを印字出力しているが、印刷データを出力する機能があれば良く、プリンタを設けていない受信機であっても良い。
【0056】
(その他)
また、本発明はその目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
【符号の説明】
【0057】
10:火災報知設備
12:受信機
14:信号回線
15:防災表示盤
16:火災感知器
18:プリンタ
20:ゲートウェイ装置
22:インターネット
24:サーバ
26:LAN回線
28:クライアント
30:携帯電話網
32:携帯電話子局
34:携帯端末
36:メインCPU
38:サブCPU基板
40:サブCPU
42:伝送部
45:シリアル伝送部
56:受信制御部
58:印刷情報送信制御部
60:履歴記憶部
62:通信制御部
64:サーバ制御部
66:操作部
70:記憶部
90:印刷データ
92:印刷結果
94:履歴データ
96:検索データ
図1
図2
図3
図4