(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-27
(45)【発行日】2023-08-04
(54)【発明の名称】歌詞編集装置及び歌詞編集プログラム
(51)【国際特許分類】
G10G 3/04 20060101AFI20230728BHJP
【FI】
G10G3/04
(21)【出願番号】P 2019079393
(22)【出願日】2019-04-18
【審査請求日】2022-03-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000001410
【氏名又は名称】株式会社河合楽器製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】吉田 俊也
【審査官】山下 剛史
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-306067(JP,A)
【文献】特開2009-98349(JP,A)
【文献】特開2002-41074(JP,A)
【文献】特開2013-190595(JP,A)
【文献】特開2007-199410(JP,A)
【文献】特開2002-82665(JP,A)
【文献】特開2007-86305(JP,A)
【文献】特開2000-163057(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10G 1/00-3/04
G10H 1/00
G10L 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
楽譜表示領域に楽譜を表示し、前記楽譜表示領域とは異なる歌詞表示領域に前記楽譜の複数パートの歌詞又は前記楽譜の複数番数の歌詞を発音タイミングに応じて表示するように制御する表示制御手段と、
前記歌詞表示領域の操作指示に応じて、前記歌詞表示領域に表示されている歌詞を編集する編集手段とを有
し、
前記表示制御手段は、前記歌詞表示領域において歌詞が存在しないパート又は番数の部分に歌詞入力領域を表示し、
前記編集手段は、前記歌詞入力領域の操作指示に応じて、前記歌詞入力領域に対応する位置に歌詞を追加することを特徴とする歌詞編集装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記編集手段により編集された後の歌詞を前記楽譜表示領域及び前記歌詞表示領域に表示するように制御することを特徴とする請求項1に記載の歌詞編集装置。
【請求項3】
前記編集手段は、歌詞の変更、追加、削除、移動及びコピーのうちの少なくとも1つを行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の歌詞編集装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記楽譜表示領域及び前記歌詞表示領域に歌詞を表示するように制御することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の歌詞編集装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、前記歌詞表示領域に前記楽譜の複数パート及び複数番数の歌詞を表示するように制御することを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の歌詞編集装置。
【請求項6】
前記編集手段は、前記歌詞表示領域の操作指示に応じて、前記歌詞表示領域に表示されている歌詞の発音データを変更することを特徴とする請求項1~
5のいずれか1項に記載の歌詞編集装置。
【請求項7】
前記編集手段は、前記歌詞の発音データの変更が指示されると、前記歌詞表示領域に表示されている歌詞の中の条件に合う他の歌詞の発音データも変更することを特徴とする請求項
6に記載の歌詞編集装置。
【請求項8】
楽譜表示領域に楽譜
及び歌詞を表示するように制御する第1の表示制御手段と、
前記楽譜表示領域とは異なる歌詞表示領域に
、楽譜を表示せず、前記楽譜の複数パートの歌詞又は前記楽譜の複数番数の歌詞を発音タイミングに応じて表示するように制御する
第2の表示制御手段と、
前記歌詞表示領域の操作指示に応じて、前記歌詞表示領域に表示されている歌詞を編集する編集手段と
を有することを特徴とする歌詞編集装置。
【請求項9】
楽譜表示領域に楽譜を表示し、前記楽譜表示領域とは異なる歌詞表示領域に前記楽譜の複数パートの歌詞又は前記楽譜の複数番数の歌詞を発音タイミングに応じて表示するように制御する表示制御手段と、
前記歌詞表示領域の操作指示に応じて、前記歌詞表示領域に表示されている歌詞を編集する編集手段とを有
し、
前記編集手段は、
前記歌詞表示領域の操作指示に応じて、前記歌詞表示領域に表示されている歌詞の発音データを変更し、
前記歌詞の発音データの変更が指示されると、前記歌詞表示領域に表示されている歌詞の中の条件に合う他の歌詞の発音データも変更し、
前記表示制御手段は、前記発音データが変更された歌詞を、前記発音データが変更されていない歌詞とは異なる形態で表示するように制御することを特徴とする歌詞編集装置。
【請求項10】
コンピュータを、請求項1~9のいずれか1項に記載された歌詞編集装置の各手段として機能させるための歌詞編集プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歌詞編集装置及び歌詞編集プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、画面表示された楽譜上の音符に付加されている歌詞の縦位置を編集する歌詞編集装置が開示されている。表示領域設定手段は、歌詞を表示する領域をメモリに設定する。歌詞選択移動手段は、画面に表示されている歌詞の1つを選択してその縦位置を移動させる。移動量算出手段は、歌詞選択移動手段により移動された歌詞の移動量を、メモリに設定された領域の座標情報に基づいて算出する。移動量加算手段は、移動量算出手段により算出された歌詞の移動量を、移動された歌詞に後続する歌詞の表示位置に加算する。表示制御手段は、移動量加算手段により移動量が加算された位置に、後続する歌詞を表示するように制御する。
【0003】
特許文献2には、画面表示された楽譜上の音符に歌詞を付加する歌詞編集装置が開示されている。歌詞編集装置は、表示されている音符のうち複数の音符に亘って歌詞を表示する領域をメモリに設定する。分割/結合手段は、メモリ上の領域を分割または結合する。移動手段は、分割または結合されたメモリ上の領域を移動させる。分割/結合手段と移動手段は、ポインティングデバイスによって入力された指示に基づいて作動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2009-86090号公報
【文献】特開2007-86305号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1及び特許文献2の歌詞編集装置は、楽譜上の音符と共に歌詞を表示するので、楽譜の全体を表示させると、歌詞が小さくなるため、ユーザは、歌詞を編集し難い。また、歌詞を大きく表示させると、楽譜の一部だけが表示されるため、ユーザは、歌詞の全体を見ることができず、歌詞を編集し難い。
【0006】
本発明の目的は、歌詞が見やすく、歌詞の編集効率を向上させることができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の歌詞編集装置は、楽譜表示領域に楽譜を表示し、前記楽譜表示領域とは異なる歌詞表示領域に前記楽譜の複数パートの歌詞又は前記楽譜の複数番数の歌詞を発音タイミングに応じて表示するように制御する表示制御手段と、前記歌詞表示領域の操作指示に応じて、前記歌詞表示領域に表示されている歌詞を編集する編集手段とを有し、前記表示制御手段は、前記歌詞表示領域において歌詞が存在しないパート又は番数の部分に歌詞入力領域を表示し、前記編集手段は、前記歌詞入力領域の操作指示に応じて、前記歌詞入力領域に対応する位置に歌詞を追加する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、歌詞が見やすく、歌詞の編集効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態による歌詞編集装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、CPUが実行するプログラムの機能構成例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、表示制御部が表示装置に表示する楽譜表示領域及び歌詞表示領域の例を示す図である。
【
図5】
図5(A)~
図5(C)は、歌詞の編集方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、本発明の実施形態による歌詞編集装置100のハードウェア構成例を示すブロック図である。歌詞編集装置100のハードウェアは、例えば、パーソナルコンピュータ等の汎用情報処理装置である。
【0011】
歌詞編集装置100は、CPU102、ROM103、RAM104、表示装置105、キーボード106、マウス107、音源部108、通信インタフェース109、VRAM110、キースキャン回路111、マウススキャン回路112、バス113、サウンドシステム114及び外部機器115を有する。表示装置105は、VRAM110を介して、バス113に接続される。キーボード106は、キースキャン回路111を介して、バス113に接続される。マウス107は、マウススキャン回路112を介して、バス113に接続される。なお、マウス107は、タブレット、タッチスクリーン、又はタッチパネル等のポインティングデバイスであってもよい。
【0012】
ユーザは、マウス107を用いて、操作指示することにより、表示装置105上に表示されるカーソルを移動させ、指示を行うことができる。マウススキャン回路112は、マウス107の移動及び操作を検出し、バス113を介して、検出信号をCPU102に出力する。
【0013】
キーボード106は、文字、数字及び記号等を入力するためのキーを有する。キースキャン回路111は、キーボード106のキーのオン/オフを検出し、検出信号をCPU102に出力する。
【0014】
外部機器115は、例えば、外部記憶装置、外部コンピュータ、プリンタ又はMIDI機器等である。外部記憶装置は、例えば、ハードディスク、CD-ROM、MOディスク、DVD又はメモリカード等である。通信インタフェース109は、USB、LAN、インターネット若しくは電話回線等の通信ネットワーク、又はMIDI用ネットワークに接続されるインタフェースであり、外部機器115に接続される。歌詞編集装置100は、通信インタフェース109を介して、外部機器115から入力した楽譜情報の編集を行うことができる。
【0015】
CPU102は、外部機器115のハードディスクに記憶されているプログラムをRAM104に展開し、RAM104に展開されたプログラムを実行することにより、歌詞編集装置100の全体を制御する。外部機器115のハードディスクは、CPU102が実行する歌詞編集プログラムと、五線譜、音符等の音楽記号と歌詞を含む楽譜情報を記憶する。RAM104は、CPU102の処理に使用される情報を一時記憶する。
【0016】
表示装置105は、例えば、液晶表示器(LCD)等の表示器である。表示装置105は、歌詞を含む楽譜等を表示する。
【0017】
音源部108は、音源としてのソフトウェアや効果付与のためのDSPを含み、楽譜と歌詞に対応する歌を発音させるためのサウンド信号を生成する。音源部108は、楽譜に対応するノートナンバ、音色、ステップ、ゲートタイム及びベロシティ等の演奏情報を基に、サウンド信号をサウンドシステム114に出力する。サウンドシステム114は、D/A変換器、アンプ及びスピーカを有し、音源部108により生成されたサウンド信号を基に、楽譜と歌詞に対応する歌を発音することができる。
【0018】
図2は、CPU102が実行するプログラム200の機能構成例を示すブロック図である。プログラム200は、歌詞編集プログラムであり、表示制御部201と編集部202と保存制御部203とサウンド制御部204とを有する。
【0019】
表示制御部201は、表示装置105に対して、楽譜と歌詞を表示する。編集部202は、キーボード106又はマウス107の操作指示に応じて、表示装置105に表示されている歌詞を編集する。例えば、編集部202は、歌詞の変更、追加、削除、移動及びコピーのうちのすくなくとも1つを行うことができる。保存制御部203は、キーボード106又はマウス107の操作指示に応じて、外部機器115のハードディスクに対して、編集部202により編集された歌詞を保存するように制御する。サウンド制御部204は、キーボード106又はマウス107の操作指示に応じて、音源部108及びサウンドシステム114を用いて、編集部202により編集された歌詞及び楽譜に対応する歌を発音させるように制御する。
【0020】
図3は、表示制御部201が表示装置105に表示する楽譜表示領域301及び歌詞表示領域302の例を示す図である。歌詞表示領域302は、楽譜表示領域301とは異なる領域である。
【0021】
表示制御部201は、楽譜表示領域301に、歌詞321を含む楽譜の一部を表示し、マウス107のスクロール指示により、楽譜の表示をスクロールさせることができる。歌詞321は、例えば、ソプラノパートの歌詞である。歌詞321は、ソプラノパートの複数番数の歌詞322~324を有する。歌詞322は、例えば、ソプラノパートの1番の歌詞である。歌詞323は、例えば、ソプラノパートの2番の歌詞である。歌詞324は、例えば、ソプラノパートの3番の歌詞である。
【0022】
表示制御部201は、歌詞表示領域302に、リハーサルマーク303と、小節番号304と、繰り返し記号305と、第1のパートの歌詞306と、第2のパートの歌詞307とを表示する。
【0023】
第1のパートの歌詞306は、楽譜表示領域301の歌詞321に対応する歌詞であり、例えば、ソプラノパートの歌詞である。歌詞306は、ソプラノパートの複数番数の歌詞308~310を有する。歌詞308は、歌詞322に対応し、例えば、ソプラノパートの1番の歌詞である。歌詞309は、歌詞323に対応し、例えば、ソプラノパートの2番の歌詞である。歌詞310は、歌詞324に対応し、例えば、ソプラノパートの3番の歌詞である。
【0024】
第2のパートの歌詞307は、例えば、アルトパートの歌詞である。歌詞307は、アルトパートの複数番数の歌詞311~313を有する。歌詞311は、例えば、アルトパートの1番の歌詞である。歌詞312は、例えば、アルトパートの2番の歌詞である。歌詞313は、例えば、アルトパートの3番の歌詞である。
【0025】
表示制御部201がリハーサルマーク303と小節番号304と繰り返し記号305を表示するように制御することにより、ユーザは、楽譜と歌詞との対比が容易になる。表示制御部201は、歌詞表示領域302に、楽譜の複数パートおよび複数番数の歌詞を発音タイミングに応じて表示するように制御する。例えば、表示制御部201は、楽譜の複数パートおよび複数番数の歌詞を、同じ発音タイミングの歌詞の水平方向の座標が揃うように表示する。
【0026】
なお、表示制御部201は、歌詞表示領域302に、楽譜の複数パートの歌詞又は楽譜の複数番数の歌詞を発音タイミングに応じて表示するように制御してもよい。また、表示制御部201は、マウス201の操作指示に応じて、指示されたパート又は番数の歌詞のみを歌詞表示領域302に表示することができる。
【0027】
図4は、
図3の歌詞表示領域302の拡大図である。表示制御部201は、歌詞表示領域302に、リハーサルマーク303と、小節番号304と、繰り返し記号305と、第1のパートの歌詞306と、第2のパートの歌詞307を表示する。第1のパートの歌詞306は、1番の歌詞308と、2番の歌詞309と、3番の歌詞310を含む。第2のパートの歌詞307は、1番の歌詞311と、2番の歌詞312と、3番の歌詞313を含む。
【0028】
表示制御部201は、歌詞表示領域302において歌詞が存在しないパート又は番数の歌詞312及び313の部分に空欄の歌詞入力領域401を表示する。編集部202は、歌詞入力領域401の操作指示に応じて、歌詞入力領域401に対応する位置に歌詞を追加することができる。例えば、ユーザは、歌詞入力領域401をマウス107でダブルクリックし、キーボード106を用いて、空欄の歌詞入力領域401に歌詞を入力することができる。すると、編集部202は、その歌詞を歌詞入力領域401に対応する位置に追加する。なお、歌詞入力領域401の操作指示の方法と歌詞の入力方法は、これに限定されず、種々の方法を用いることができる。同様に、編集部202は、歌詞表示領域302の操作指示に応じて、歌詞308~313の全部又は一部を変更することができる。
【0029】
また、編集部202は、歌詞表示領域302の操作指示に応じて、歌詞308~313の全部又は一部を削除することができる。例えば、ユーザは、削除したい歌詞領域をマウス107でクリックすることで選択状態にし、キーボード106のデリートキーを押す。すると、編集部202は、選択された領域の歌詞を削除する。なお、歌詞を選択する方法と削除の指示方法は、これに限定されず、種々の方法を用いることができる。
【0030】
次に、
図5(A)及び
図5(B)を用いて、歌詞の移動を行う方法を説明する。まず、
図5(A)に示すように、ユーザは、マウス107のクリック又はドラッグにより、移動元の歌詞領域として、歌詞311の「わすれがたきふるさと」の歌詞領域を選択する。すると、表示制御部201は、その歌詞領域に対して、選択状態の表示を行う。次に、ユーザは、
図5(A)の選択状態の歌詞領域を、
図5(B)の移動先の歌詞312の歌詞領域まで、マウス107でドラッグし、キーボード106のコントロールキーを押さないでマウス107でドロップする。すると、編集部202は、
図5(A)の移動元の歌詞311の一部の歌詞を、
図5(B)の移動先の歌詞312の指定場所に移動する。表示制御部201は、編集部202により編集された後の歌詞を楽譜表示領域301及び歌詞表示領域302に表示するように制御する。
【0031】
次に、
図5(A)及び
図5(C)を用いて、歌詞のコピーを行う方法を説明する。まず、
図5(A)に示すように、ユーザは、マウス107のクリック又はドラッグにより、コピー元の歌詞領域として、歌詞311の「わすれがたきふるさと」の歌詞領域を選択する。すると、表示制御部201は、その歌詞領域に対して、選択状態の表示を行う。次に、ユーザは、
図5(A)の選択状態の歌詞領域を、
図5(C)のコピー先の歌詞312の歌詞領域まで、マウス107でドラッグし、キーボード106のコントロールキーを押しながらマウス107でドロップする。すると、編集部202は、
図5(A)のコピー元の歌詞311の一部の歌詞を、
図5(C)のコピー先の歌詞312の指定場所にコピーする。表示制御部201は、編集部202により編集された後の歌詞を楽譜表示領域301及び歌詞表示領域302に表示するように制御する。
【0032】
なお、歌詞を選択する方法と移動及びコピーの指示方法は、これに限定されず、種々の方法を用いることができる。また、表示制御部201は、歌詞が選択されると、選択された歌詞が楽譜表示領域301に表示されるように、楽譜表示領域301に表示する楽譜(歌詞を含む)の範囲を変更してもよい。
【0033】
次に、
図3及び
図4の歌詞330の発音データを変更する方法を説明する。歌詞330は、「は」である。「は」には、「ha]の発音と「wa]の発音の2種類の発音がある。外部機器115のハードディスクは、歌詞308~313のデータと、歌詞308~313の発音データを記憶する。歌詞330の発音データが「ha]である場合、ユーザは、歌詞330の発音データを「ha」から「wa」に変更することができる。
【0034】
ユーザは、マウス107を用いて、変更したい複数の歌詞330の中のいずれか1つを選択し、歌詞330の発音データ変更を指定し、キーボード106を用いて、「wa」を入力する。すると、編集部202は、歌詞表示領域302の操作指示に応じて、歌詞表示領域302に表示されている選択された歌詞330の発音データを「ha」から「wa」に変更する。また、編集部202は、選択された歌詞330の発音データの変更が指示されると、歌詞303の「は」とその前の2~3文字の歌詞を参照し、歌詞表示領域302に表示されている歌詞の中の条件に合う他の歌詞330の発音データも「ha」から「wa」に変更する。表示制御部201は、
図3及び
図4に示すように、発音データが変更されたすべての歌詞330を、発音データが変更されていない歌詞とは異なる形態で表示するように制御する。例えば、表示制御部201は、発音データが変更されたすべての歌詞330を赤色の太枠で表示するように制御する。
【0035】
保存制御部203は、マウス107の操作指示に応じて、外部機器115のハードディスクに対して、編集部202により編集された歌詞と歌詞の発音データを保存するように制御する。
【0036】
サウンド制御部204は、マウス107の操作指示に応じて、音源部108及びサウンドシステム114に対して、編集部202により編集された歌詞と歌詞の発音データと楽譜に対応する歌を発音させるように制御する。
【0037】
次に、歌詞表示領域302を設けることの効果を説明するため、歌詞表示領域302がない場合の課題を説明する。楽譜表示領域301には、楽譜上の音符と共に歌詞が表示されるので、楽譜の全体を表示させると、歌詞が小さくなるため、ユーザは、楽譜表示領域301では、歌詞を編集し難い。また、楽譜表示領域301の歌詞を大きく表示させると、
図3のように、楽譜の一部だけが表示されるため、ユーザは、楽譜表示領域301では、歌詞の全体を見ることができず、歌詞を編集し難い。
【0038】
次に、歌詞表示領域302を設けることの効果を説明する。歌詞表示領域302には、楽譜の複数パート及び複数番数の歌詞308~313が表示される。ユーザは、歌詞表示領域302により、楽譜の複数パート及び複数番数の歌詞308~313の全体を把握しつつ、歌詞308~313を編集することができるので、歌詞を効率的に編集することができる。
【0039】
また、歌詞308~313は、複数パート間又は複数番数間で、一部が同じであることが多い。しかし、楽譜表示領域301では、一部の楽譜及び歌詞しか表示されないので、ユーザは、複数パート間又は複数番数間で歌詞を対比することが困難である。これに対し、歌詞表示領域302では、複数パート及び複数番数の歌詞308~313が表示されるので、ユーザは、複数パート間及び複数番数間で歌詞308~313を容易に対比することができる。
【0040】
また、歌詞308~313は、複数パート間又は複数番数間で一部が同じであることが多いので、ユーザは、複数パート間又は複数番数間で一部の歌詞を移動又はコピーしたいとの要望がある。歌詞表示領域302では、複数パート及び複数番数の歌詞308~313が表示されるので、ユーザは、複数パート間及び複数番数間で歌詞308~313を容易に移動又はコピーすることができる。ユーザは、複数パート及び複数番数の歌詞308~313が見やすく、歌詞の編集効率が向上する。
【0041】
本実施形態は、コンピュータがプログラム200を実行することによって実現することができる。また、上記のプログラム200を記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体及び上記のプログラム等のコンピュータプログラムプロダクトも本発明の実施形態として適用することができる。記録媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
【0042】
なお、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。例えば、歌詞は、日本語の場合を例に説明したが、日本語に限定されず、英語等の他の言語でもよい。
【符号の説明】
【0043】
201 表示制御部
202 編集部
203 保存制御部
204 サウンド制御部