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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-27
(45)【発行日】2023-08-04
(54)【発明の名称】容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 43/08 20060101AFI20230728BHJP
【FI】
B65D43/08 200
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019085997
(22)【出願日】2019-04-26
(65)【公開番号】P2020179917
(43)【公開日】2020-11-05
【審査請求日】2022-04-21
(73)【特許権者】
【識別番号】396000422
【氏名又は名称】リスパック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】眞野 広大
(72)【発明者】
【氏名】安東 俊治
【審査官】加藤 信秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-269661(JP,A)
【文献】特開平11-240546(JP,A)
【文献】特開2009-018866(JP,A)
【文献】登録実用新案第3052893(JP,U)
【文献】特開2002-179111(JP,A)
【文献】特開2012-020768(JP,A)
【文献】特開2014-136587(JP,A)
【文献】特開2003-191985(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0101910(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 43/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フランジ部に設けられた被係合部を有する合成樹脂製シートからなる容器本体と、
フランジ部に前記被係合部に係合する係合部を有する合成樹脂製シートからなる蓋体と、を備えた容器であって、
前記容器本体のフランジ部には、前記被係合部を挟んで互いに相対するように配置された一対の凹部と、前記一対の凹部を連結するリブが設けられており、
前記蓋体を前記容器本体に係合させる際に、前記蓋体の係合部が、前記容器本体のフランジ部に押圧して、前記容器本体の被係合部周辺のフランジ部が下方へ弾性変形した後に可逆変形して、被係合部に係止することを特徴とする容器。
【請求項2】
前記蓋体は、側壁と、当該側壁から外側へ向けて延出するフランジ部とを備え、
前記係合部は、前記蓋体のフランジ部の一部に設けられており、
さらに、前記蓋体は、当該蓋体の側壁とフランジ部とを連結する縦長リブを備えていることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項3】
フランジ部に設けられた係合部を有する合成樹脂製シートからなる容器本体と、
フランジ部に前記係合部に係合する被係合部を有する合成樹脂製シートからなる蓋体と、を備えた容器であって、
前記蓋体の被係合部は、当該蓋体のフランジ部の一部に設けられており、
前記蓋体のフランジ部には、前記被係合部を挟んで互いに相対するように配置された一対の凹部と、前記一対の凹部を連結するリブが設けられており、
前記蓋体を前記容器本体に係合させる際に、前記容器本体の係合部が、前記蓋体のフランジ部に押圧して、前記蓋体の被係合部周辺のフランジ部が上方へ弾性変形した後に可逆変形して、被係合部に係止することを特徴とする容器。
【請求項4】
前記容器本体は側壁を備え、当該容器本体のフランジ部は、前記側壁から外側へ向けて延出しており、
前記容器本体は、当該容器本体の側壁とフランジ部とを連結する縦長リブを備えていることを特徴とする請求項3に記載の容器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、容器本体と、当該容器本体に係合する蓋体とからなる容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、容器本体と当該容器本体に係合する蓋体とからなる容器が、食品等を収容するために利用されている。例えば、店舗のバックヤードや食品工場等では、作業員が容器本体に食品等を収容した状態で、蓋体を容器本体の上に被せて押すことで、蓋体が容器本体に係合して、容器は密閉されていた。
【0003】
また、特許文献1に示す容器も蓋体と容器本体から構成されるもので、蓋体のフランジスカートのコーナー付近に一対のノッチを設けて、当該ノッチ間のタブを備えた壁部を折り曲げやすくして、蓋体を容易に外せるように工夫している。
【0004】
一方で近年では、人手不足の影響から、作業員の作業負担の軽減や、作業員の代わりに係合装置を用いて容器を密閉する試みがなされている。そして、蓋体をより簡単且つ確実
に容器本体に係合させることができれば、作業員の作業負担が軽減される、又は、係合装置でも容器を容易に密閉することができる。ただ、特許文献1に示す容器では、蓋体の外し易さは考慮されているものの、蓋体の容器本体への係合のし易さは考慮されていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】実開平07-28046
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本願発明は、上記問題に鑑み、蓋体を簡単且つ確実に容器本体に係合させることができる容器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本願発明の請求項1に係る容器は、フランジ部に設けられた被係合部を有する合成樹脂製シートからなる容器本体と、フランジ部に前記被係合部に係合する係合部を有する合成樹脂製シートからなる蓋体と、を備えた容器であって、前記容器本体のフランジ部には、前記被係合部を挟んで互いに相対するように配置された一対の凹部と、前記一対の凹部を連結するリブが設けられており、前記蓋体を前記容器本体に係合させる際に、前記蓋体の係合部が、前記容器本体のフランジ部に押圧して、前記容器本体の被係合部周辺のフランジ部が下方へ弾性変形した後に可逆変形して、被係合部に係止することを特徴とする。
【0008】
上記特徴によれば、容器本体のフランジ部には被係合部の両側に一対の凹部が形成されているので、蓋体を下方へ軽く押すだけで、蓋体の係合部が容器本体の被係合部に当接し、被係合部周辺のフランジ部が下方へ容易に弾性変形するので、蓋体を容器本体に簡単且つ確実に係合させることが出来る。また、蓋体が容器本体に係合した後は、被係合部周辺のフランジ部は弾性変形前の元の状態へ可逆変形して復帰するため、蓋体が上方へ持ち上げられても、蓋体の係合部が容器本体の被係合部に係合して係止しているので、蓋体が不用意に外れることを防止できる。このように、本願発明の容器は、蓋体を容器本体に係合させやすく、その一方で、蓋体が容器本体から外れ難くなっている。
【0009】
さらに、本願発明の請求項2に係る容器は、前記蓋体は、側壁と、当該側壁から外側へ向けて延出するフランジ部とを備え、前記係合部は、前記蓋体のフランジ部の一部に設けられており、さらに、前記蓋体は、当該蓋体の側壁とフランジ部とを連結する縦長リブを備えていることを特徴とする。
【0010】
上記特徴によれば、蓋体を容器本体に係合させる際に、蓋体に下方へ加えた力は、縦長リブを介してフランジ部まで効果的に伝達される。そのため、蓋体のフランジ部の係合部は、効果的に伝達された下方への押圧力によって、容器本体の被係合部周辺のフランジ部をより確実に下方へ弾性変形させることができ、蓋体を容器本体により簡単且つ確実に係合させることが出来る。
【0011】
さらに、本願発明の請求項3に係る容器は、フランジ部に設けられた係合部を有する合成樹脂製シートからなる容器本体と、フランジ部に前記係合部に係合する被係合部を有する合成樹脂製シートからなる蓋体と、を備えた容器であって、前記蓋体の被係合部は、当該蓋体のフランジ部の一部に設けられており、前記蓋体のフランジ部には、前記被係合部を挟んで互いに相対するように配置された一対の凹部と、前記一対の凹部を連結するリブが設けられており、前記蓋体を前記容器本体に係合させる際に、前記容器本体の係合部が、前記蓋体のフランジ部に押圧して、前記蓋体の被係合部周辺のフランジ部が上方へ弾性変形した後に可逆変形して、被係合部に係止することを特徴とする。
【0012】
上記特徴によれば、蓋体のフランジ部には被係合部の両側に一対の凹部が形成されているので、蓋体を下方へ軽く押すだけで、容器本体の係合部が蓋体の被係合部に当接し、被係合部周辺のフランジ部が上方へ容易に弾性変形するので、蓋体を容器本体に簡単且つ確実に係合させることが出来る。また、蓋体が容器本体に係合した状態では、被係合部周辺のフランジ部は弾性変形前の元の状態へ可逆変形して復帰するため、蓋体が上方へ持ち上げられても、容器本体の係合部が蓋体の被係合部に係合して係止しているので、蓋体が不用意に外れることを防止できる。このように、本願発明の容器は、蓋体を容器本体に係合させやすく、その一方で、蓋体が容器本体から外れ難くなっている。
【0013】
さらに、本願発明の請求項4に係る容器は、前記容器本体は側壁を備え、当該容器本体のフランジ部は、前記側壁から外側へ向けて延出しており、前記容器本体は、当該容器本体の側壁とフランジ部とを連結する縦長リブを備えていることを特徴とする。
【0014】
上記特徴によれば、蓋体を容器本体に係合させる際に蓋体を下方へ押しても、容器本体の縦長リブによって支持されているフランジ部は下方へ変形し難い。そのため、蓋体を下方へ軽く押すだけで、容器本体の変形し難いフランジ部の係合部によって、蓋体の被係合部周辺のフランジ部が上方へ弾性変形させられ、蓋体を容器本体に簡単且つ確実に係合させることが出来る。
【発明の効果】
【0015】
上述したように、本願発明の容器によれば、蓋体を簡単且つ確実に容器本体に係合させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】(a)は、本願発明の実施形態1に係る容器の蓋体の平面図、(b)は蓋体の側面図、(c)はA-A端面図、(d)はB-B断面図である。
図2】(a)は、本願発明の実施形態1に係る容器の容器本体の平面図、(b)は容器本体の側面図、(c)はC-C端面図、(d)は容器本体の凹部周辺を拡大した側面図である。
図3】(a)は、本願発明の実施形態1に係る容器の平面図、(b)は、D-D端面図であって、蓋体を容器本体に係合させる前の状態を示す端面図、(c)は、D-D端面図であって、蓋体を容器本体に係合させた後の状態を示す端面図である。
図4】(a)は、本願発明の実施形態2に係る容器の側面図、(b)は、容器の平面図、(c)は、E-E端面図であって、蓋体を容器本体に係合させる前の状態を示す端面図、(d)は、E-E端面図であって、蓋体を容器本体に係合させた後の状態を示す端面図である。
図5】(a)は、本願発明の実施形態3に係る容器の蓋体の平面図、(b)は蓋体の側面図、(c)はF-F端面図、(d)はG-G断面図である。
図6】(a)は、本願発明の実施形態3に係る容器の容器本体の平面図、(b)は容器本体の側面図、(c)はH-H端面図、(d)は容器本体の凹部周辺を拡大した側面図である。
図7】(a)は、本願発明の実施形態3に係る容器の平面図、(b)は、I-I端面図であって、蓋体を容器本体に係合させる前の状態を示す端面図、(c)は、I-I端面図であって、蓋体を容器本体に係合させた後の状態を示す端面図である。
図8】(a)は、本願発明の実施形態4に係る容器の蓋体の平面図、(b)は蓋体の側面図、(c)はJ-J端面図である。
図9】(a)は、本願発明の実施形態4に係る容器の容器本体の平面図、(b)は容器本体の側面図、(c)はK-K端面図である。
図10】(a)は、本願発明の実施形態4に係る容器の平面図、(b)は、L-L端面図であって、蓋体を容器本体に係合させる前の状態を示す端面図、(c)は、L-L端面図であって、蓋体を容器本体に係合させた後の状態を示す端面図である。
【符号の説明】
【0017】
100 蓋体
150 係合部
200 容器本体
240 フランジ部
250 被係合部
260 凹部
300 容器
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本願発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、本明細書において、「上方」とは、容器の容器本体の開口面を上にして水平面上に載置した際に、鉛直方向における上方に向かう方向のことであり、「下方」とは鉛直方向における下方に向かう方向のことである。
【0019】
<実施形態1>
まず、図1には、本願発明の実施形態1に係る容器300の蓋体100を示す。なお、図1(a)は蓋体100の平面図、図1(b)は蓋体100の側面図、図1(c)はA-A端面図、図1(d)はB-B断面図である。
【0020】
図1に示すように、蓋体100は、合成樹脂製シートからなり、下方に開口した浅皿型で、四隅にコーナー部110を備えた平面視略四角形形状をしており、平坦な中央壁120と、当該中央壁120の縁部121から下方へ向けて連続する側壁130と、当該側壁130の下端から水平方向へ延びるフランジ部140とを備える。このフランジ部140は、後述するように蓋体100が容器本体200に係合した際に、容器本体200のフランジ部240と上下に重なって接触する部分であり、外部から容器300内部にゴミ等が入らないようにしている。さらに、フランジ部140の外縁側は下方へ向けて垂下したスカート部141となっている。そして、側壁130、及びフランジ部140は、蓋体100の周方向へ全周にわたり連続して設けられている。
【0021】
また、コーナー部110周辺のフランジ部140のスカート部141の内面には、内側へ向けて突出する凸状の係合部150が設けられている。また、側壁130とフランジ部140との間には、蓋体100の周方向へ延びる溝部160が設けられている。この溝部160は、隣接するコーナー部110間に、フランジ部140に沿って直線状に延出している。また、図1(d)に示すように、溝部160は、フランジ部140より下方へ突出しているため、後述するように、蓋体100を容器本体200に係合させた際に、フランジ部140を通り抜けて容器300内部にゴミ等が侵入することを効果的に防止することができる。さらに、溝部160は、蓋体100を容器本体200に係合させた際に、容器本体200のフランジ部240よりも容器300の内側に位置するように構成されているので、上下のフランジ部140とフランジ部240の間を通り越して容器300内部にゴミ等が侵入することを防止することが出来る。
【0022】
なお、溝部160は、容器300内部にゴミ等が侵入することを効果的に防止するために設けられているが、これに限定されず、溝部160の内側を逆テーパ状にして、容器本
体200のフランジ部240の一部と係合する係合部分とすることもできる。また、溝部160は、直線状に連続して延出しているが、これに限定されず、断続的に設けてもよい。
【0023】
さらに、コーナー部110周辺では、側壁130とフランジ部140とを連結する縦長リブ170が設けられている。この縦長リブ170は、側壁130からフランジ部140へ向けて直線状に傾斜しており、溝部160を横断するように延出している。具体的には、縦長リブ170の先端171は側壁130に連結されており、縦長リブ170の末端172はフランジ部140に連結されているので、縦長リブ170は溝部160を跨ぐように、側壁130とフランジ部140に掛け渡された状態となっている。また、縦長リブ170の先端171は、中央壁120の縁部121に隣接するように配置されている。さらに、縦長リブ170の表面173は、平面視で先端171から末端172に向けて末広がりの形状となっている。一方、縦長リブ170の側面174側は、側面視で略三角形状となっている。なお、縦長リブ170の先端171は、中央壁120の縁部121に隣接しているが、これに限定されず、側壁130の任意の箇所に連結してもよい。また、縦長リブ170は、末広がりの形状となっているが、これに限定されず、平面視略円形や平面視略三角形等の任意の形状としてもよい。さらに、縦長リブ170は、外側に凸状のリブとなっているが、これに限定されず、内側に凹状のリブとしてもよい。
【0024】
次に、図2には、本願発明の実施形態1に係る容器300の容器本体200を示す。なお、図2(a)は容器本体200の平面図、図2(b)は容器本体200の側面図、図2(c)はC-C端面図、図2(d)は容器本体200の凹部260周辺を拡大した側面図である。
【0025】
図2に示すように、容器本体200は、合成樹脂製シートからなり、上方に開口した浅皿型で、四隅にコーナー部210を備えた平面視略四角形形状をしており、平坦な中央壁220と、当該中央壁220の縁部221から上方へ立ち上がるように連続する側壁230と、当該側壁230の上端から略水平方向へ延びるフランジ部240とを備える。さらに、フランジ部240の外縁側は下方へ向けて垂下したスカート部241となっている。そして、側壁230、及びフランジ部240は、容器本体200の周方向へ全周にわたり連続して設けられている。
【0026】
また、中央壁220と側壁230の間には、中央壁220から下方へ膨出した脚部222が形成されており、この脚部222は、中央壁220の周方向に一周するように連続して形成されている。そして、脚部222の内側には、蓋体100の中央壁120が嵌まるようになっており、容器300を安定して段積みできるように構成されている。
【0027】
また、コーナー部210周辺のフランジ部240には、外側へ突出した被係合部250が形成されている。この被係合部250は、蓋体100の係合部150が係合できるように構成されている。また、後述するように、蓋体100が容器本体200の上に被せられた際に、フランジ部240が弾性変形する前の状態では、被係合部250は蓋体100の係合部150と当接するように構成されている。
【0028】
そして、コーナー部210周辺のフランジ部240のスカート部241には、被係合部250の両側に一対の凹部260が設けられている。この凹部260は、スカート部241の先端を切り欠いた形状となっており、図2(a)に示すように、平面視で、被係合部250を挟んで互いに相対するように配置されている。また、一対の凹部260を連結するように、フランジ部240にはリブ261が形成されている。なお、図2では、一対の凹部260は一組設けられているが、これに限定されず、複数組の凹部260を設けても良い。また、図2では、フランジ部240にはリブ261が設けられているが、これに限定されず、リブ261を設けなくても良い。さらに、凹部260は、スカート部241の先端を切り欠いた形状となっているが、これに限定されず、フランジ部240の一部が局所的に凹んでおり、当該凹んだ箇所を起点に、フランジ部240が弾性変形できるのであれば、スカート部241を設けないで、任意の形状を採用することができる。
【0029】
なお、本実施形態に係る蓋体100、及び容器本体200は、厚さが約0.1mmから1.0mm程度のシート状の合成樹脂の素材を用いて、シート成形(例えば、真空成形、圧空成形、熱盤成形)されたものであり、例えば、蓋体100の素材としては、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、A-PET、ポリ乳酸や、これらを二軸延伸させたものを、容器本体200の素材としては、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、A-PET、ポリ乳酸や、これらを発泡させたものや、タルクを混ぜたものを用いることができる。また、蓋体100、及び容器本体200は、平面視略四角形であるが、この他にも平面視多角形や平面視円形など、適宜形状を変更することできる。
【0030】
では次に、図3に、本願発明の実施形態1に係る容器300を示す。なお、図3(a)は、容器300の平面図、図3(b)は、D-D端面図であって、容器300の蓋体100を容器本体200に係合させる前の状態を示す端面図、図3(c)は、D-D端面図であって、容器300の蓋体100を容器本体200に係合させた後の状態を示す端面図である。
【0031】
図3(a)に示すように、蓋体100を容器本体200に係合させて密閉する際は、容器本体200を覆う様に蓋体100を上から被せて蓋体100を下方へ向けて押す。その際、図3(b)に示すように、蓋体100のフランジ部140の係合部150が、容器本体200のフランジ部240の被係合部250に当接するので、被係合部250は係合部150によって下方へ押されることになる。ここで、被係合部250周辺のフランジ部240には、被係合部250の両側に一対の凹部260が設けられているので、被係合部250周辺のフランジ部240は、凹部260を起点に弾性変形し易くなっている。そのため、被係合部250が係合部150によって下方へ押されると、被係合部250周辺のフランジ部240は、下方へ容易に弾性変形するのである。
【0032】
そして、被係合部250周辺のフランジ部240が下方へ弾性変形して、蓋体100の係合部150が被係合部250を乗り越えると、図3(c)に示すように、蓋体100は奥までしっかりと容器本体200に係合した状態となるのである。なお、図3(c)に示すように、蓋体100が容器本体200に完全に係合した状態では、被係合部250周辺のフランジ部240は、弾性変形前の元の状態へ可逆変形して復帰している。そのため、蓋体100が上方へ持ち上げられても、蓋体100の係合部150が容器本体200の被係合部250に係合して係止しているので、蓋体100が不用意に外れることを防止できる。また、フランジ部140とフランジ部240は、上下に重なって互いに接触しているので、外部から容器300内部にゴミ等が侵入することを防止することが出来る。また、図3(c)では、蓋体100の係合部150と容器本体200の被係合部250とが、上下に僅かな隙間をあけて係合した状態となっているが、これに限定されず、係合部150と被係合部250とを、互いに同一形状とし、互いに密着させた状態で係合させてもよい。また、被係合部250周辺のフランジ部240は可逆変形するため、蓋体100を容器本体200へ繰り返し係合させることができる。
【0033】
このように、本願発明の容器300によれば、容器本体200のフランジ部240には被係合部250の両側に一対の凹部260が形成されており、蓋体100を容器本体200に係合させる際に、係合部150が被係合部250に当接して、被係合部250周辺のフランジ部240が下方へ弾性変形するので、蓋体100を容器本体200に係合させ易くなっている。特に、作業員が容器300を密閉する際は、蓋体100の中央壁120側
を下方へ軽く押すだけで、係合部150が被係合部250に当接し、被係合部250周辺のフランジ部240が下方へ容易に弾性変形するので、蓋体100を容器本体200に簡単且つ確実に係合させることが出来る。また、作業員の代わりに係合装置を用いて容器300を密閉する場合であっても、係合装置が蓋体100の中央壁120側を下方へ軽く押すだけで、係合部150が被係合部250に当接し、被係合部250周辺のフランジ部240が下方へ容易に弾性変形するので、蓋体100を容器本体200に簡単且つ確実に係合させることが出来るのである。
【0034】
また、蓋体100が容器本体200に係合した後は、被係合部250周辺のフランジ部240は弾性変形前の元の状態へ可逆変形して復帰するため、蓋体100が上方へ持ち上げられても、蓋体100の係合部150が容器本体200の被係合部250に係合して係止しているので、蓋体100が不用意に外れることを防止できる。このように、本願発明の容器300は、蓋体100を容器本体200に係合させやすく、その一方で、蓋体100が容器本体200から外れ難くなっている。
【0035】
さらに、本願発明の容器300によれば、蓋体100は側壁130とフランジ部140とを連結する縦長リブ170を備えているので、蓋体100を容器本体200に係合させる際に、蓋体100の中央壁120側から下方へ加えた力は、中央壁120から側壁130及び縦長リブ170へ伝達され、縦長リブ170を介してフランジ部140まで効果的に伝達される。そのため、蓋体100のフランジ部140の係合部150は、効果的に伝達された下方への押圧力によって、容器本体200の被係合部250周辺のフランジ部240をより確実に下方へ弾性変形させることができ、蓋体100を容器本体200により簡単且つ確実に係合させることが出来るのである。
【0036】
また、図1及び図2に示すように、蓋体100の係合部150はコーナー部110に設けられ、容器本体200の被係合部250は係合部150の位置に対応するように、容器本体200のコーナー部210に設けられているが、これに限定されず、係合部150を蓋体100の辺部に設け、被係合部250を容器本体200の辺部に設けても良い。ただ、蓋体100が多角形の場合は、コーナー部周辺の剛性が辺部の剛性より高いため、係合部150をコーナー部に設けた方が、蓋体100を容器本体200に係合させる際の下方への押圧力が、係合部150により強く伝達されるため、蓋体100を容器本体200により簡単且つ確実に係合させることが出来る。また、縦長リブ170は蓋体100のコーナー部110に設けられているが、これに限定されず、縦長リブ170を蓋体100の辺部に設けても良い。ただ、蓋体100が多角形の場合は、コーナー部周辺の剛性が辺部の剛性より高いため、縦長リブ170をコーナー部に設けた方が、蓋体100を容器本体200に係合させる際の下方への押圧力が、縦長リブ170を介してフランジ部140と係合部150により強く伝達されるため、蓋体100を容器本体200により簡単且つ確実に係合させることが出来る。
【0037】
また、図1に示すように、係合部150は、蓋体100の縦長リブ170の末端172の延長線上に位置している。言い換えると、平面視で、蓋体100の縦長リブ170と係合部150は直線状に並んでいる。そのため、蓋体100を容器本体200に被せて下方へ押圧した際の力は、縦長リブ170から係合部150によりダイレクトに伝達されるため、蓋体100を容器本体200により簡単且つ確実に係合させることが出来る。
【0038】
また、図2(d)に示すように、凹部260は、フランジ部240のスカート部241において、先端から上方に向かうように切り欠かれた形状をしている。そのため、フランジ部240は、凹部260の先端側の切り欠かれた部分を中心に下方側には容易に弾性変形することができるが、反対の上方側には弾性変形し難くなっている。そのため、被係合部250周辺のフランジ部240が下方へ弾性変形しやすいので、蓋体100を容器本体
200に係合させ易いが、その一方で、被係合部250周辺のフランジ部240は上方に弾性変形しにくいので、係合部150と被係合部250の係合が外れにくく、蓋体100が容器本体200から不用意に外れることを防止することが出来るのである。
【0039】
また、図1に示すように、本願発明の蓋体100によれば、係合部150を備えたフランジ部140と側壁130との間に、フランジ部140より下方へ突出し、蓋体100の周方向へ延出している溝部160を備えている。そのため、蓋体100を容器本体200に係合させた際に、フランジ部140を通り越して容器300内部にゴミ等が侵入することを効果的に防止することができる。さらに、縦長リブ170が、溝部160を横断するように側壁130からフランジ部140へ延出しているため、溝部160周辺のフランジ部140の剛性が向上している。そのため、蓋体100を容器本体200に係合させる際に、蓋体100を下方へ押しても、フランジ部140が溝部160を起点に沈み込むことがないため、フランジ部140に設けられた係合部150が容器本体200の被係合部250にしっかりと係合することが出来るのである。
【0040】
さらに、縦長リブ170は、側壁130とフランジ部140とを連結しているので、蓋体100を容器本体200に係合させる際に、蓋体100に加えた下方への押圧力は、縦長リブ170を介してフランジ部140まで効果的に伝達される。そのため、縦長リブ170によって、フランジ部140が補強されると共に、係合時の蓋体100を下方へ押す力が係合部150にまでしっかりと伝達されるので、蓋体100を容器本体200に確実に且つ容易に係合させることができるのである。
【0041】
さらに、本願発明の蓋体100によれば、縦長リブ170は先端171から末端172に向けて末広がりの形状となっているので、蓋体100を容器本体200に係合させる際に、蓋体100の中央壁120側から下方へ加えた力は、末広がりの縦長リブ170の末端172側からフランジ部140へと均一に広がるように伝達される。そのため、係合時の蓋体100を下方へ押す力が、フランジ部140及び係合部150にまで、更にしっかりと伝達されるので、蓋体100を容器本体200に確実に且つ容易に係合させることができるのである。
【0042】
さらに、本願発明の蓋体100によれば、縦長リブ170の側面174は略三角形状となっているので、縦長リブ170は、係合時に加えられる下方への押圧力に対する座屈強度が増し、変形を防止することが出来る。そのため、係合時の蓋体100を下方へ押す力が係合部150にまで、更にしっかりと伝達されるので、蓋体100を容器本体200に確実に且つ容易に係合させることができるのである。
【0043】
<実施形態2>
では次に、図4を参照して、本願発明の実施形態2に係る容器300Aについて説明する。なお、この実施形態2に係る容器300Aは、実施形態1に係る蓋体100を容器本体として利用し、実施形態1に係る容器本体200を蓋体として利用している点で、実施形態1に係る容器300と異なるが、その他の構成については、実施形態1に係る容器300と同一なので、詳細な説明は省略する。また、図4(a)は、実施形態2に係る容器300Aの側面図、図4(b)は、容器300Aの平面図、図4(c)は、E-E端面図であって、蓋体200Aを容器本体100Aに係合させる前の状態を示す端面図、図4(d)は、E-E端面図であって、蓋体200Aを容器本体100Aに係合させた後の状態を示す端面図である。
【0044】
先述したように、図4に示すように、実施形態2に係る容器300Aでは、図1に示す蓋体100を容器本体100Aとして利用し、図2に示す容器本体200を蓋体200Aとして利用している。そして、図4(a)及び(b)に示すように、蓋体200Aを容器
本体100Aに係合させて密閉する際は、容器本体100Aを覆う様に蓋体200Aを上から被せて蓋体200Aを下方へ向けて押す。その際、図4(c)に示すように、容器本体100Aのフランジ部140Aの係合部150Aが、蓋体200Aのフランジ部240Aの被係合部250Aに当接するので、被係合部250Aは係合部150Aによって上方へ押されることになる。ここで、被係合部250A周辺のフランジ部240Aには、被係合部250Aの両側に一対の凹部260Aが設けられているので、被係合部250A周辺のフランジ部240Aは、凹部260Aを起点に弾性変形し易くなっている。そのため、被係合部250Aが係合部150Aによって上方へ押されると、被係合部250A周辺のフランジ部240Aは、上方へ容易に弾性変形するのである。
【0045】
そして、被係合部250A周辺のフランジ部240Aが上方へ弾性変形して、容器本体100Aの係合部150Aが、蓋体200Aの被係合部250Aを乗り越えると、図4(d)に示すように、蓋体200Aは奥までしっかりと容器本体100Aに係合した状態となるのである。なお、図4(d)に示すように、蓋体200Aが容器本体100Aに完全に係合した状態では、被係合部250A周辺のフランジ部240Aは弾性変形前の元の状態へ可逆変形して復帰している。そのため、蓋体200Aが上方へ持ち上げられても、容器本体100Aの係合部150Aが蓋体200Aの被係合部250Aに係合して係止しているので、蓋体200Aが不用意に外れることを防止できる。
【0046】
このように、本願発明の容器300Aによれば、蓋体200Aのフランジ部240Aには被係合部250Aの両側に一対の凹部260Aが形成されており、蓋体200Aを容器本体100Aに係合させる際に、係合部150Aが被係合部250Aに当接して、被係合部250A周辺のフランジ部240Aが上方へ弾性変形するので、容器本体100Aを蓋体200Aに係合させ易くなっている。特に、作業員が容器300Aを密閉する際は、蓋体200Aの中央壁220A側を下方へ軽く押すだけで、係合部150Aが被係合部250Aに当接し、被係合部250A周辺のフランジ部240Aが上方へ容易に弾性変形するので、蓋体200Aを容器本体100Aに簡単且つ確実に係合させることが出来るのである。また、作業員の代わりに係合装置を用いて容器300Aを密閉する場合であっても、係合装置が蓋体200Aの中央壁220A側を下方へ軽く押すだけで、係合部150Aが被係合部250Aに当接し、被係合部250A周辺のフランジ部240Aが上方へ容易に弾性変形するので、蓋体200Aを容器本体100Aに簡単且つ確実に係合させることが出来るのである。
【0047】
さらに、本願発明の容器300Aによれば、容器本体100Aは側壁130Aとフランジ部140Aとを連結する縦長リブ170Aを備えているので、蓋体200Aを容器本体100Aに係合させる際に、蓋体200Aを下方へ押しても、縦長リブ170Aによって支持されているフランジ部140Aは下方へ変形し難い。そのため、蓋体200Aの中央壁220A側を下方へ軽く押すだけで、変形し難いフランジ部140Aの係合部150Aによって、被係合部250A周辺のフランジ部240Aが上方へ弾性変形させられ、蓋体200Aを容器本体100Aに簡単且つ確実に係合させることが出来るのである。
【0048】
また、図4に示すように、容器本体100Aの縦長リブ170Aの末端172Aの延長線上に係合部150Aは位置している。言い換えると、平面視で、容器本体100Aの縦長リブ170Aと係合部150Aは直線状に並んでいる。そのため、係合時に蓋体200Aを下方へ押しても、係合部150Aは、縦長リブ170Aによって強力に支持されており、下方へ変形し難いので、蓋体200Aを容器本体100Aに簡単且つ確実に係合させることが出来るのである。
【0049】
<実施形態3>
では次に、図5から図7を参照して、本願発明の実施形態3に係る容器300Bについ
て説明する。なお、この実施形態3に係る容器300Bは、容器本体200Bの凹部260Bの構成が、実施形態1に係る容器本体200の凹部260の構成と異なるだけで、その他の構成は、実施形態1に係る容器300と基本的に同一なので、詳細な説明は省略する。
【0050】
まず、図5には、本願発明の実施形態3に係る容器300Bの蓋体100Bを示す。なお、図5(a)は蓋体100Bの平面図、図5(b)は蓋体100Bの側面図、図5(c)はF-F端面図、図5(d)はG-G断面図である。
【0051】
図5に示すように、蓋体100Bは下方に開口した浅皿型で、四隅にコーナー部110Bを備えた平面視略四角形形状をしており、平坦な中央壁120Bと、当該中央壁120Bの縁部121Bから下方へ向けて連続する側壁130Bと、当該側壁130Bの下端から水平方向へ延びるフランジ部140Bとを備える。さらに、フランジ部140Bの外縁側は下方へ向けて垂下したスカート部141Bとなっている。そして、側壁130B、及びフランジ部140Bは、蓋体100Bの周方向へ全周にわたり連続して設けられている。なお、本実施形態3に係る蓋体100Bでは、側壁130Bの傾斜が、実施形態1に係る蓋体100の側壁130よりも急勾配となっている。また、縁部121Bは、中央壁120Bの表面よりも突出した形状をしており、中央壁120Bの周方向に一周するように連続して形成されている。そして、縁部121Bの内側には、後述する容器本体200Bの中央壁220Bが載置できるようになっており、容器300Bを安定して段積みできるように構成されている。
【0052】
また、コーナー部110B周辺のフランジ部140Bのスカート部141Bの内面には、内側へ向けて突出する凸状の係合部150Bが設けられている。また、側壁130Bとフランジ部140Bとの間には、蓋体100Bの周方向へ延びる溝部160Bが設けられている。
【0053】
さらに、コーナー部110B周辺では、側壁130Bとフランジ部140Bとを連結する縦長リブ170Bが設けられている。この縦長リブ170Bは、側壁130Bからフランジ部140Bへ向けて直線状に傾斜しており、溝部160Bを横断するように延出している。なお、本実施形態3に係る蓋体100Bでは、縦長リブ170Bの傾斜が、実施形態1に係る蓋体100の縦長リブ170よりも急勾配であると共に、縦長リブ170Bの長さは、蓋体100の縦長リブ170よりも短くなっている。
【0054】
次に、図6には、本願発明の実施形態3に係る容器300Bの容器本体200Bを示す。なお、図6(a)は容器本体200Bの平面図、図6(b)は容器本体200Bの側面図、図6(c)はH-H端面図、図6(d)は容器本体200Bの凹部260B周辺を拡大した側面図である。
【0055】
図6に示すように、容器本体200Bは上方に開口した浅皿型で、四隅にコーナー部210Bを備えた平面視略四角形形状をしており、平坦な中央壁220Bと、当該中央壁220Bの縁部221Bから上方へ立ち上がるように連続する側壁230Bと、当該側壁230Bの上端から略水平方向へ延びるフランジ部240Bとを備える。さらに、フランジ部240Bの外縁側は下方へ向けて垂下したスカート部241Bとなっている。そして、側壁230B、及びフランジ部240Bは、容器本体200Bの周方向へ全周にわたり連続して設けられている。
【0056】
また、コーナー部210B周辺のフランジ部240Bには、外側へ突出した被係合部250Bが形成されている。この被係合部250Bは、蓋体100Bの係合部150Bが係合できるように構成されている。また、後述するように、蓋体100Bが容器本体200
Bの上に被せられた際に、フランジ部240Bが弾性変形する前の状態では、被係合部250Bは蓋体100Bの係合部150Bと当接するように構成されている。
【0057】
そして、コーナー部210B周辺のフランジ部240Bのスカート部241Bには、被係合部250Bの両側に一対の凹部260Bが設けられている。この凹部260Bは、スカート部241Bを側面側から局所的に内側へ窪ませて切り欠いたような形状となっており、図6(a)に示すように、平面視で、被係合部250Bを挟んで互いに相対するように配置されている。
【0058】
では次に、図7に、本願発明の実施形態3に係る容器300Bを示す。なお、図7(a)は、容器300Bの平面図、図7(b)は、I-I端面図であって、容器300Bの蓋体100Bを容器本体200Bに係合させる前の状態を示す端面図、図7(c)は、I-I端面図であって、容器300Bの蓋体100Bを容器本体200Bに係合させた後の状態を示す端面図である。
【0059】
図7(a)に示すように、蓋体100Bを容器本体200Bに係合させて密閉する際は、容器本体200Bを覆う様に蓋体100Bを上から被せて蓋体100Bを下方へ向けて押す。その際、図7(b)に示すように、蓋体100Bのフランジ部140Bの係合部150Bが、容器本体200Bのフランジ部240Bの被係合部250Bに当接するので、被係合部250Bは係合部150Bによって下方へ押されることになる。ここで、被係合部250B周辺のフランジ部240Bには、被係合部250Bの両側に一対の凹部260Bが設けられているので、被係合部250B周辺のフランジ部240Bは、凹部260Bを起点に弾性変形し易くなっている。そのため、被係合部250Bが係合部150Bによって下方へ押されると、被係合部250B周辺のフランジ部240Bは、下方へ容易に弾性変形するのである。
【0060】
そして、被係合部250B周辺のフランジ部240Bが下方へ弾性変形して、蓋体100Bの係合部150Bが、容器本体200Bの被係合部250Bを乗り越えると、図7(c)に示すように、蓋体100Bは奥までしっかりと容器本体200Bに係合した状態となる。なお、図7(c)に示すように、蓋体100Bが容器本体200Bに完全に係合した状態では、被係合部250B周辺のフランジ部240Bは弾性変形前の元の状態へ可逆変形して復帰している。そのため、蓋体100Bが上方へ持ち上げられても、蓋体100Bの係合部150Bが容器本体200Bの被係合部250Bに係合して係止するので、蓋体100Bが不用意に外れることを防止できる。
【0061】
また、図6に示すように、凹部260Bは、フランジ部240Bから下方へ延出したスカート部241Bに設けられている。そして、スカート部241Bの上端側は側壁230Bに隣接して連結されているため、剛性が高く変形し難いが、スカート部241Bの先端の下端側は、どこにも連結されていないため、スカート部241Bの上端側に比べて変形しやすくなっている。そのため、フランジ部240Bのスカート部241Bは、凹部260Bの上端側よりも下端側に変形しやすくなることから、フランジ部240Bは、下方側には容易に弾性変形することができるが、反対の上方側には弾性変形し難くなっている。したがって、被係合部250B周辺のフランジ部240Bは、下方には容易に弾性変形するので、蓋体100Bを容器本体200Bに係合させ易いが、被係合部250B周辺のフランジ部240Bは、上方には弾性変形しにくいので、係合部150Bと被係合部250Bの係合が外れにくく、蓋体100Bが容器本体200Bから不用意に外れることを防止することが出来るのである。
【0062】
なお、本実施形態3に係る容器300Bでは、上記実施形態2と同様に、蓋体100Bを容器本体として利用し、実施形態3に係る容器本体200Bを蓋体として利用すること
もできる。
【0063】
<実施形態4>
では次に、図8から図10を参照して、本願発明の実施形態4に係る容器300Cについて説明する。なお、この実施形態4に係る容器300Cは、蓋体100C及び容器本体200Cが平面視略円形形状である点、縦長リブ170を備えない点で、実施形態3に係る容器300Bと異なるだけで、その他の構成は、実施形態3に係る容器300Bと基本的に同一なので、詳細な説明は省略する。
【0064】
まず、図8には、本願発明の実施形態4に係る容器300Cの蓋体100Cを示す。なお、図8(a)は蓋体100Cの平面図、図8(b)は蓋体100Cの側面図、図8(c)はJ-J端面図である。
【0065】
図8に示すように、蓋体100Cは下方に開口した浅皿型で、平面視略円形形状をしており、平坦な中央壁120Cと、当該中央壁120Cの縁部121Cから下方へ向けて連続する側壁130Cと、当該側壁130Cの下端から水平方向へ延びるフランジ部140Cとを備える。さらに、フランジ部140Cの外縁側は下方へ向けて垂下したスカート部141Cとなっている。そして、側壁130C、及びフランジ部140Cは、蓋体100Cの周方向へ全周にわたり連続して設けられている。
【0066】
また、フランジ部140Cのスカート部141Cの内面には、内側へ向けて突出する凸状の係合部150Cが設けられている。この係合部150Cは、スカート部141Cの内面に沿って、蓋体100Cの周方向へ等間隔で複数設けられている。また、側壁130Cとフランジ部140Cとの間には、蓋体100Cの周方向へ延びる溝部160Cが設けられている。
【0067】
次に、図9には、本願発明の実施形態4に係る容器300Cの容器本体200Cを示す。なお、図9(a)は容器本体200Cの平面図、図9(b)は容器本体200Cの側面図、図9(c)はK-K端面図である。
【0068】
図9に示すように、容器本体200Cは上方に開口した浅皿型で、平面視略円形形状をしており、平坦な中央壁220Cと、当該中央壁220Cの縁部221Cから上方へ立ち上がるように連続する側壁230Cと、当該側壁230Cの上端から略水平方向へ延びるフランジ部240Cとを備える。さらに、フランジ部240Cの外縁側は下方へ向けて垂下したスカート部241Cとなっている。そして、側壁230C、及びフランジ部240Cは、容器本体200Cの周方向へ全周にわたり連続して設けられている。
【0069】
また、フランジ部240Cには、外側へ突出した被係合部250Cが形成されている。この被係合部250Cは、蓋体100Cの係合部150Cが係合できるように構成されている。また、後述するように、蓋体100Cが容器本体200Cの上に被せられた際に、フランジ部240Cが弾性変形する前の状態では、被係合部250Cは蓋体100Cの係合部150Cと当接するように構成されている。なお、被係合部250Cは、容器本体200Cの周方向へ等間隔に複数設けられており、蓋体100Cの係合部150Cと対応する位置に設けられている。
【0070】
そして、フランジ部240Cのスカート部241Cには、被係合部250Cの両側に一対の凹部260Cが設けられている。この凹部260Cは、スカート部241Cを側面側から局所的に内側へ窪ませて切り欠いたような形状となっており、図9(a)に示すように、平面視で、被係合部250Cを挟むように配置されている。
【0071】
では次に、図10に、本願発明の実施形態4に係る容器300Cを示す。なお、図10(a)は、容器300Cの平面図、図10(b)は、L-L端面図であって、容器300Cの蓋体100Cを容器本体200Cに係合させる前の状態を示す端面図、図10(c)は、L-L端面図であって、容器300Cの蓋体100Cを容器本体200Cに係合させた後の状態を示す端面図である。
【0072】
図10(a)に示すように、蓋体100Cを容器本体200Cに係合させて密閉する際は、容器本体200Cを覆う様に蓋体100Cを上から被せて蓋体100Cを下方へ向けて押す。その際、図10(b)に示すように、蓋体100Cのフランジ部140Cの係合部150Cが、容器本体200Cのフランジ部240Cの被係合部250Cに当接するので、被係合部250Cは係合部150Cによって下方へ押されることになる。ここで、被係合部250C周辺のフランジ部240Cには、被係合部250Cの両側に一対の凹部260Cが設けられているので、被係合部250C周辺のフランジ部240Cは、凹部260Cを起点に弾性変形し易くなっている。そのため、被係合部250Cが係合部150Cによって下方へ押されると、被係合部250C周辺のフランジ部240Cは、下方へ容易に弾性変形するのである。
【0073】
そして、被係合部250C周辺のフランジ部240Cが下方へ弾性変形して、蓋体100Cの係合部150Cが被係合部250Cを乗り越えると、図10(c)に示すように、蓋体100Cは奥までしっかりと容器本体200Cに係合した状態となるのである。なお、図10(c)に示すように、蓋体100Cが容器本体200Cに完全に係合した状態では、被係合部250C周辺のフランジ部240Cは弾性変形前の元の状態へ可逆変形して復帰している。そのため、蓋体100Cが上方へ持ち上げられても、蓋体100Cの係合部150Cが容器本体200Cの被係合部250Cに係合して係止するので、蓋体100Cが不用意に外れることを防止できる。
【0074】
なお、本実施形態4に係る容器300Cの蓋体100Cは、実施形態1の蓋体100とは異なり、縦長リブ170を備えていない。しかしながら、蓋体100Cの側壁130Cは、中央壁120Cに対して略直角に形成されているので、係合時に蓋体100Cの中央壁120C側から加えられた下方への押圧力は、フランジ部140Cの係合部150Cにダイレクトに伝達されやすく、蓋体100Cを容器本体200Cに簡単且つ確実に係合させることが出来る。また、本実施形態4に係る容器300Cでは、上記実施形態2と同様に、蓋体100Cを容器本体として利用し、実施形態4に係る容器本体200Cを蓋体として利用することもできる。
【0075】
なお、本願発明の容器は、上記の実施例に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲、実施形態の範囲で、種々の変形例、組み合わせが可能であり、これらの変形例、組み合わせもその権利範囲に含むものである。



図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10