(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-27
(45)【発行日】2023-08-04
(54)【発明の名称】車両用照明装置
(51)【国際特許分類】
B60Q 3/51 20170101AFI20230728BHJP
B60Q 3/64 20170101ALI20230728BHJP
F21V 8/00 20060101ALI20230728BHJP
F21Y 115/30 20160101ALN20230728BHJP
【FI】
B60Q3/51
B60Q3/64
F21V8/00 210
F21V8/00 250
F21Y115:30
(21)【出願番号】P 2019125356
(22)【出願日】2019-07-04
【審査請求日】2022-05-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000251060
【氏名又は名称】林テレンプ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087941
【氏名又は名称】杉本 修司
(74)【代理人】
【識別番号】100112829
【氏名又は名称】堤 健郎
(74)【代理人】
【識別番号】100142608
【氏名又は名称】小林 由佳
(74)【代理人】
【識別番号】100154771
【氏名又は名称】中田 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100155963
【氏名又は名称】金子 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】100150566
【氏名又は名称】谷口 洋樹
(74)【代理人】
【識別番号】100213470
【氏名又は名称】中尾 真二
(72)【発明者】
【氏名】亀井 理祥
【審査官】安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-196450(JP,A)
【文献】特開2001-171429(JP,A)
【文献】実開平06-063437(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 3/51
B60Q 3/64
F21V 8/00
F21Y 115/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの紐状の照明部材と、レーザ光源と、前記照明部材を保持する、少なくとも一つの保持部材とを有し、
前記照明部材は、光ファイバと、前記光ファイバを収納する、可撓性および透光性を有する管状部材とからなり、
前記レーザ光源は、前記光ファイバに直接または伝送ファイバを介して可視光を入光させる、車両用照明装置において、
少なくとも一つの前記照明部材による照明は、前記光ファイバの入光端面から所定距離離れた部位を始点とする一定部分を用いて行われ、前記一定部分は、前記光ファイバの発光輝度が前記入光端面からの距離とともに単調減少する部分から選択される、車両用照明装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用照明装置において、前記保持部材は、車両の内装材または外装材に取付けられる取付け部と、前記照明部材が挿通される挿通孔を有し、該保持部材によって、前記照明部材を前記内装材または外装材から離間して保持する、車両用照明装置。
【請求項3】
請求
項2に記載の車両用照明装置において、前記保持部材は、一端側に断面円形の前記挿通孔を含む保持部を有し、該保持部は、輪郭の少なくとも一部が前記挿通孔と同心の円弧状の形状を有する、車両用照明装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の車両用照明装置において、前記照明部材から発光する光
が車両の内装材または外装材によって拡散反射され、前記拡散反射された間接光と、前記照明部材が発する直接光とが、搭乗者に視認され得る形で、前記照明部材が、前記内装材または外装材に設置されている、車両用照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等の車両の内装や外装に配設される車両用照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車等の車両の内装や外装には、意匠性の向上や、車両の状態の表示などを目的として、各種の照明装置が組み込まれている。
【0003】
側面発光性(漏光性)の光ファイバは、可撓性を有する細径の導光体であり、各種の形状でライン状の発光パターンを実現することができ、車両の内装や外装における照明部材として用いられている。
【0004】
たとえば特許文献1には、車両の外装用の装飾部材として、側面発光性光ファイバからなる導光体と、該導光体の車両外側に配置される透明樹脂体とを備えてなり、導光体と透明樹脂との間に空気層が区画されている車両用装飾部材が記載されている。
【0005】
特許文献2には、光ファイバからなる導光部材と、前記導光部材にレーザ光を入光する光源と、透光性の光透過部を有する基材とを備え、導光部材が基材の光透過部に埋設された車両用内装部材が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2003-146148号公報
【文献】特開2019-81392号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
光ファイバ等の長尺の導光部材を使用し、側面からの発光(漏光)を照明に利用する場合、光源からの距離が離れるに従い、出光する光量が次第に減少することが問題となる。特許文献1では、透明樹脂体と、導光体の間に、導光体との屈折率差が大きい空気層を設けることにより、導光体側面からの漏光を抑制している。他方、特許文献2では、レーザ光源から細径の導光体に導光することにより、長距離の導光を実現し、これを用いて照明機能付の内装部材を提供する。
【0008】
しかし、特許文献1では光ファイバは透明樹脂体内に配置されており、特許文献2でも、導光体が光透過部を有する基材中に埋設されている。これらの構成では、照明の形状は、樹脂体や基材の形状によって制限されることになる。また、樹脂体や基材の表面に面した側面からの出光を主に利用することになるため、光ファイバの全周からの出光を効率よく利用することはできない。
【0009】
本発明は、可撓性を有する細径の導光体(光ファイバ)のライン状の形状を生かし、新たな照明デザインを提供し得る車両用照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の車両用照明装置は、少なくとも一つの紐状(細径長尺)の照明部材と、レーザ光源と、前記照明部材を保持する、少なくとも一つの保持部材とを有し、
前記照明部材は、光ファイバ(導光部材)と、前記光ファイバを収納する、可撓性および透光性を有する管状部材とからなり、
前記レーザ光源は、前記光ファイバに直接または伝送ファイバを介して可視光を入光させる、車両用照明装置である。
【0011】
上記構成の車両用照明装置によれば、管状部材によって光ファイバを保護しながら、管状部材を透過した光で照明を行うことにより、車両の内装材や外装材の形状に適合する、ライン状の照明を得ることができる。
【0012】
上記車両用照明装置において、前記保持部材は、車両の内装材または外装材に取付けられる取付け部と、前記照明部材が挿通される挿通孔を有し、該保持部材によって、前記照明部材を前記内装材または外装材から離間して保持してもよい。
【0013】
上記構成によれば、挿通孔を有する保持部材を用いて、照明部材を内装材または外装材から離間した状態で保持することにより、照明部材の全周面を発光面として利用することができる。
【0014】
上記車両用照明装置において、前記保持部材は、一端側に断面円形の前記挿通孔を含む保持部を有し、該保持部は、輪郭の少なくとも一部が前記挿通孔と同心の円弧状の形状を有していてもよい。上記構成によれば、照明部材からの発光が保持部材に妨げられることなく、良好な視認性を確保することができる。
【0015】
上記車両用照明装置において、前記照明部材から発光する光が前記内装材または外装材によって拡散反射され、前記拡散反射された間接光と、前記照明部材が発する直接光とが、搭乗者に視認され得る形で、前記照明部材が、前記内装材または外装材に設置されていてもよい。
【0016】
このように設置された照明装置により、拡散光で空間を照らす効果と、意匠的に配置された直接照明を搭乗者に視認させる効果を得ることができ、車両の内装や外装の意匠性を向上することができる。
【0017】
上記車両用照明装置において、少なくとも一つの前記照明部材による照明は、前記光ファイバの入光端面から所定距離離れた部位を始点とする一定部分を用いて行われ、前記一定部分は、前記光ファイバの発光輝度が前記入光端面からの距離とともに単調減少する部分から選択されてもよい。
【0018】
上記構成によれば、光ファイバが導光する光の輝度の減衰が緩やかになった部分を照明に用いることにより、照明部位の始端部と終端部の輝度差を抑制し、車両の内装や外装の照明の意匠性を向上することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の内装部材によれば、可撓性を有する導光部材を所望の形状に安定して保持することができる。その際、光ファイバ等の細径の導光部材と、レーザ光源を用い、長い総延長の線状発光を実現することができ、任意のライン状の発光パターンを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】内装および外装に光ファイバを備える照明装置を備えた車両を示す概略斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る照明装置を備えた車両の内部を示す概略背面図である。
【
図3A】同実施形態に係る照明装置を、自動車のルーフに設置するための、外周トリム部材を模式的に示す平面図である。
【
図4】
図3Aの外周トリム部材に、同実施形態に係る照明装置を配置した状態を示す模式図である。
【
図5】同実施形態にかかる照明装置の保持部材の種々の形態を示す図である。
【
図6】同実施形態にかかる照明装置で使用される照明部材の概略構造を示す模式断面図である。
【
図7】保持部材によって、照明部材がルーフトリムに配線された状態を示す一部切り欠き斜視図である。
【
図8】本発明に係る照明装置を使用した場合の照明効果を示す概念図である。
【
図9】側面発光性光ファイバにおける、入光端からの距離と、出光量の関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照しながら、本発明の構成について説明する。なお、各図面は、発明の構成を説明するための概念図であり、実際の寸法比を表すものではない。異なる図において、対応する構成には、同一の符号を附して詳しい説明を省略する。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態に係る照明装置1を備える自動車100の外観を示す概略斜視図である。この例では、照明装置1は、ルーフ20の内装側に設置されている。必要に応じ、外装照明30や、ドアレール40、フロアマット50などにおいても、光ファイバ(不図示)を用いて照明を行ってもよい。
【0023】
図2は、ルーフトリム21に照明装置1を設置した車内を、後方から見た概略背面図である。この実施形態には、ルーフトリム21の外周トリム部材22に、保持部材2を用いて照明部材3が組付けられている。搭乗者は、照明部材3からの直接光と、ルーフライニング23で反射した反射光の両方を観察することができる。
【0024】
図3Aは、外周トリム部材22を模式的に示す平面図であり、
図3Bは、
図3Aに線III-IIIで示す部位の断面図である。外周トリム部材22は、開口を囲む板枠状の形状を有し、内縁部21aには、保持部材2が設置される係止部22bが設けられている。外周トリム部材22は、ねじまたは、爪などの形をとる固定部22cにより、外周トリム部材22の上方のルーフパネル(不図示)に設置される。
【0025】
図4は、外周トリム部材22(破線)に照明装置1を組付けた状態を示す模式図(平面図)である。照明装置1は、レーザ光源4と、照明部材3と、保持部材2とを備え、必要に応じ、光源4と照明部材3の間で光を伝送する伝送用光ファイバ(光伝送部材)5を備える。図では、光源ボックス7に収納された二つのレーザ光源4が、二本の伝送用光ファイバ(光伝送部材)5を介して、二本の照明部材3(31,32)に、カップラ6により連結されている。各照明部材3は、複数の保持部材2によって、外周トリム部材22の内縁側に配線され、固定されている。照明部材3は、入光端3aから所定の長さだけ巻きとられた後、外周トリム部材の内縁側に露出する始端部3bと終端部3cとの間での発光が視認される。一方の照明部材3では、二本の照明部材3が交差する始端部3bから終端部3cの間で、黒矢印で示される方向に導光しながら長尺の部分31を照明に用い、他方の照明部材3では、始端部3bから終端部3cの間で白矢印の方向に導光しながら、より短い長さの部分32を照明に用いる。
【0026】
レーザ光源4と照明部材3の数は、各一つでもよく、2以上でもよい。また、必要に応じ、同じ光源ボックス7内に別のレーザ光源4を配置し、そこから他の照明装置8(例えば、照明機能のついたフロアマットやドアレールなど)に導光するようにしてもよい。レーザ光源4は、ハーネス9を介して、車載バッテリ(不図示)等の電源および発光制御部(不図示)に接続される。なお、光源ボックス7は、ルーフトリム21裏側の所定の位置に設置してもよく、あるいは他の場所に設置して、伝送ファイバ5で導光してもよい。
【0027】
レーザ光源4に特に限定はないが、光源の小型化が可能であり、価格が低く、安定な出力が得られ、消費電力も低い等の理由で、レーザダイオード(LD)を用いることが好ましい。一個のレーザ光源4による単色のレーザ光を用いてもよいが、例えば、赤色、緑色、青色の三色のレーザ光から適宜選択される、二色、または三色のレーザ光を用いた混合光とすることにより、所望の色合いのレーザ光を得るようにしてもよい
【0028】
図5は、保持部材2の形状の各種の例を示す。保持部材2は、上述の外周トリム部材22等の車両の部材に取付けるための取付け部2aと、照明部材3を保持する保持部2bとからなる、板状部材である。取付け部2aの輪郭は、(a)のコの字状(U字状)の形状や、(b)の六角形から方形の溝を切り抜いた形状のように、相手側部材10(破線)を挟持する溝2cが形成された形状や、(c)のL字状、(d)の矩形状のように、接着剤や両面テープなどからなる接合層11を介して、相手側部材9に接合される形状でもよい。また、(e)のように、相手側部材10に差し込まれる取付け部2aを設けてもよい。
【0029】
保持部2bは、照明部材が挿通される挿通孔2dを有する。挿通孔2dは、照明部材3の外径とほぼ同じ直径を有する略円形の形状を有することが好ましい。保持部2bは輪郭の一部に、円弧状部2eを有することが好ましく、該円弧状部2eは、挿通孔2dと同心状であることが好ましい。該円弧状部2eと挿通孔2dの半径の差は0.1mm~2.0mm程度であることが好ましい。保持部材2の板厚は0.2mm~3.0mm程度であることが好ましい。保持部材2は透明または半透明の樹脂から形成することが好ましい。保持部材は、射出成型で形成してもよいが、コスト抑制のためには、押し出し成型で形成することが好ましい。そのため、塩化ビニル、エラストマー系樹脂、シリコーン系樹脂等が好適に用いられる。あるいは、ポリカーボネート、ポリテトラフルオロエチレン等の樹脂を用いて保持部材を形成してもよい。
【0030】
図6は、照明部材3の断面図である。照明部材3は、紐状の形状を有する。ここで、紐状とは、照明部材が可撓性を有し、照明部材の長さが、照明部材の直径の50倍以上となる状態をいう。照明部材3は、光ファイバ3dと、前記光ファイバ3dを収納する、可撓性を有し、透明の管状部材3eとからなる。
【0031】
光ファイバ3dは、可撓性を有する細径長尺の導光部材である。光ファイバ3dは、導光部分のみからなるものであってもよいが、一つまたは複数のファイバからなる導光用の芯線と、保護用の被覆材からなる光ファイバ3dであってもよい。例えば、導光部分となるガラスファイバ製の芯線と、ポリ塩化ビニル(PVC)等の樹脂性の被覆材からなる光ファイバを使用してもよい。光ファイバは、欠陥および/または散乱粒子などにより、側方への光拡散性が向上したもの(光拡散性ファイバ)であることが好ましい。また、光ファイバ3dの被覆材中には、蛍光体が分散されていてもよい。例えば、被覆部分を含めても直径3mm未満、さらには1mm未満(例えば、0.9mm)、導光部位の直径が、例えば0.9mm未満の光ファイバ3dを用い、細い線状発光を得ることができる。使用する光ファイバ3dの長さは特に限定されないが、本発明では細径の光ファイバ3dとレーザ光源4の併用により、長尺の導光が可能となり、具体的には、1m以上、さらには3m以上、さらには10m以上の長さとすることも可能である。上述のような光ファイバ3dとしては、市販の物を用いることができ、一例としてコーニング社からFibranceとの登録商標名で販売されている光ファイバ3dを用いてもよい。
【0032】
本発明においては、上記の光ファイバ3dをさらに、可撓性を有す管状部材3e中に収納している。特許文献1、2などの従来の方法では、側面発光性の光ファイバ3dの配線をプレート状またはシート状の樹脂で覆う形で照明に用いていたが、本発明では、さらに、光ファイバ3dを管状部材3eに挿通して照明部材3とし、これを保持部材2を用いて張り回すことにより、直接照明と、ルーフライニング23(
図2)で反射させた間接照明の両方の効果を有するライン状の照明を得ることができる。
【0033】
管状部材は、押し出し成型が可能で、可撓性を有するとともに、ある程度の硬さがあり、滑り性のよい樹脂を用いることが好ましい。例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)や、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などから管状部材3eを形成してもよい。なお管状部材3eにも、蛍光体や散乱粒子を分散してもよい。管状部材3eに挿通される光ファイバ3dは、上述のように被覆材を有するものであってもよい。管状部材3eの内径は、挿通される光ファイバ3dの直径に応じて選択される。管状部材3eの外径は特に制限されないが、1.0mm~3.0mm程度としてもよい。
【0034】
図7は、照明部材3を、保持部材2を用いて固定した状態を示す切り欠き斜視図である。この例では、
図5の(a)に示す形状の保持部材2が、外周トリム部材22の係止部22bに固定され、保持部材2の挿通孔2dに、照明部材3が挿通されている。
【0035】
図8は、
図7の構成による照明効果を説明するための概念図である。照明部材3に可視光が通されると、視認者(搭乗者)VEは、側面からの発光を直接視認し得るとともに、ルーフライニング23等の内装部材からの反射光も視認することができる。そのため、本発明の照明装置は、車室内を照らす間接照明の効果と、ライン状の発光による直接照明の効果の両方を発揮することができる。
【0036】
なお、本発明に係る照明装置においては、照明部材3(光ファイバ3d)の一定の長さ部分を用いて照明を行うにあたり、光ファイバ3dの入光端3aから導光方向に所定の長さだけ離れた部位を始端部3bとして照明を行ってもよく、その際、前記一定の長さ部分が、発光輝度が最大となる部位を含まないものとしてもよい。この場合、その一定長さ部分では、発光輝度は、入光端3aからの距離に従って単調に減少する。
【0037】
レーザ光源4aを用いた場合でも照明部材3の発光輝度は、入光端3aからの距離によって変化する。例えば、
図9は、後述する実施例で用いた光ファイバ3dにレーザ光源4から可視光を入光させた場合における、入光端3aからの距離と、輝度の変化を示すグラフである。従来は、発光効率を重視して、ピーク輝度を含む部位が照明に用いられているが、例えば、
図4に示した構成において、長尺の照明部分31としてA-Eの部分を用い、短い照明部分32としてA-Cの部分を用いるとすると、発光の始点(始端部3b)での輝度は同じであるが、終点(終端部3c)での輝度差は大きなもの(グラフの数値では、620cd/m
2)となってしまう。他方、長尺の照明部分31としてA-Eの部分を用い、短い照明部分32としてピーク輝度を含まないB-Dの部分を用いた場合、終点での輝度差を大きく低減することができる(グラフの数値では、310cd/m
2)。
【0038】
なお、本発明は上記に説明した実施形態に限定されない。例えば、照明装置1がルーフトリム20の外周部に配設される構成を説明したが、他の部分、例えばドアトリム60にもうけてもよく、外装の照明30(
図1)に用いてもよい。
【実施例】
【0039】
具体的な実施例として、コーニング社製の光ファイバ(直径0.23mm)を、ポリ塩化ビニル製で、外径0.9mmの管状部材に挿入した照明部材3を二本用意した。
図5(a)に示す形状で、円弧状部2eの外径が3mm、挿通孔2dの内径が2mmで板厚が0.5mmの保持部材を使用し、照明部材3を
図4に示すような状態で配置した。その際、二本の照明部材3において、入光端3aから等距離(300mm)の部位をそれぞれ発光部位の始点3bとした場合には、発光部位の終端3cにおいて輝度差が顕著に観察されたが、長尺部分31を発光に用いる照明部材3においては入光端3aから300mmの部位を発光部位の始点3bとし、短い部分32を発光に用いる照明部材3においては、入光端から1100mmの部位を発光部位の始点3bとした場合、発光部位の終端3cにおいても輝度差が小さく、視認性の向上が確認された。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明の車両用照明装置によれば、自動車等の車両の内装や外装において長尺のライン状照明を提供でき、意匠性を向上することができる。
【符号の説明】
【0041】
1 照明装置
2 保持部材
2a 取付け部
2b 保持部
2c 溝
2d 挿通孔
2e 円弧状部
3、31、32 照明部材
3a 入光端
3b 始端部
3c 終端部
31,32 照明部分
4 レーザ光源
5 伝送ファイバ
6 カップラ
7 光源ボックス
8 照明装置
9 ハーネス
10 相手部材
11 接合層
20 ルーフ
21 ルーフトリム
22 外周トリム部材
22a 内縁部
22b 係止部
22c 固定部
23 ルーフライニング
30 外装照明
40 ドアレール
50 フロアマット
100 自動車