(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-27
(45)【発行日】2023-08-04
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20230728BHJP
【FI】
A63F7/02 306A
A63F7/02 308G
(21)【出願番号】P 2019126194
(22)【出願日】2019-07-05
【審査請求日】2022-04-27
(73)【特許権者】
【識別番号】391010943
【氏名又は名称】株式会社藤商事
(74)【代理人】
【識別番号】100100376
【氏名又は名称】野中 誠一
(74)【代理人】
【識別番号】100142077
【氏名又は名称】板谷 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100143199
【氏名又は名称】磯邉 毅
(72)【発明者】
【氏名】中村 一寛
【審査官】中村 俊太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-036600(JP,A)
【文献】特開2012-192219(JP,A)
【文献】特開2015-002867(JP,A)
【文献】特開2007-275493(JP,A)
【文献】特開2018-094079(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
球送りソレノイドと、発射ソレノイドを適宜に動作させることで、遊技媒体を遊技領域に向けて発射する発射制御部を有する遊技機であって、
前記球送りソレノイドの電流路には、第1スイッチ回路と、第1スイッチ回路の電流路に並列接続された電流制限抵抗と、第2スイッチ回路と、が配置され、
前記球送りソレノイドの動作に基づいて、遊技媒体を所定の発射位置に誘導する誘導動作と、前記発射位置に遊技媒体が誘導された後、前記発射ソレノイドの動作に基づいて、前記発射位置の遊技媒体を打撃する発射動作と、を有して構成され、
前記誘導動作は、規定電流を前記球送りソレノイドに供給する起動動作と、
前記起動動作を終えた後、規定電流より低電流で前記球送りソレノイドを機能させる保持動作と、に区分され、
前記起動動作時には、前記第1スイッチ回路と、前記第2スイッチ回路がON動作する一方、
前記保持動作時には、前記第2スイッチ回路がON動作を維持する状態で、前記第1スイッチ回路がOFF動作するよう構成されていることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技球の発射動作の正確性を長期間にわたって安定的に維持できる構成を有する遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機などの弾球遊技機は、遊技盤に設けた図柄始動口と、複数の表示図柄による一連の図柄変動態様を表示する図柄表示部と、開閉板が開閉される大入賞口などを備えて構成されている。そして、図柄始動口に設けられた検出スイッチが遊技球の通過を検出すると入賞状態となり、遊技球が賞球として払出された後、図柄表示部では表示図柄が所定時間変動される。その後、7・7・7などの所定の態様で図柄が停止すると大当り状態となり、大入賞口が繰返し開放されて、遊技者に有利な遊技状態を発生させている。
【0003】
大当りの遊技状態を発生させるか否かは、図柄始動口に遊技球が入賞したことを条件に実行される大当り抽選で決定されており、上記の図柄変動動作は、この抽選結果を踏まえたものとなっている。例えば、抽選結果が当選状態である場合には、リーチアクションなどと称される演出動作を20秒前後実行し、その後、特別図柄を整列させている。
【0004】
ところで、この種の遊技機では、図柄始動口に遊技球が入賞しない限り、上記の抽選処理は実行されないので、遊技者は、発射ハンドルの回転位置を適宜に変化させることで、目的位置に向かって遊技球を発射させている。具体的には、球送りソレノイドの動作に対応して発射位置に誘導された遊技球が、発射ソレノイドに対応して動作する打撃槌によって発射される(特許文献1、特許文献2)。
【0005】
例えば、引用文献2の構成では、発射位置の遊技球に続くべき遊技球を、待機位置に受け入れる受入動作と、後続の遊技球の移動を阻止しつつ、待機位置の遊技球を発射位置に移動させる流出動作とが、球送りソレノイドの通電に基づいて切換えられる。また、引用文献1には、後続の遊技球の移動を阻止した状態で、最先端の遊技球だけ発射位置に移動させるソレノイドON動作(
図11(a))と、最先端の遊技球の移動を阻止しつつ、後続の遊技球の移動を許可するソレノイドOFF動作(
図11(b))と、が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2016-36600号公報
【文献】特開2008-289580号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の通り、この種の遊技機にとって、遊技球の発射動作の正確性は極めて重要であり、発射ハンドルの回転位置と、打撃槌による遊技球への打撃強度には、一対一の関係が必須であり、遊技球の到達位置がばらつくようなことがあってはならない。
【0008】
しかし、大きな消費電力によって、球送りソレノイドの劣化が促進されると、正確な球送り動作を長期間に亘って維持することができない。
【0009】
また、球送りソレノイドの劣化によって電源ラインやグランドラインに設定値を超える大電流が流れると、電源ラインやグランドラインの電圧降下が増加し、発射ソレノイドに供給される駆動電圧が低下することで、正確な発射動作を維持できない。
【0010】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、遊技球の発射動作の正確性を長期間にわたって安定的に維持できる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するため、本発明は、球送りソレノイドと、発射ソレノイドを適宜に動作させることで、遊技媒体を遊技領域に向けて発射する発射制御部を有する遊技機であって、前記球送りソレノイドの電流路には、第1スイッチ回路と、第1スイッチ回路の電流路に並列接続された電流制限抵抗と、第2スイッチ回路と、が配置され、前記球送りソレノイドの動作に基づいて、遊技媒体を所定の発射位置に誘導する誘導動作と、前記発射位置に遊技媒体が誘導された後、前記発射ソレノイドの動作に基づいて、前記発射位置の遊技媒体を打撃する発射動作と、を有して構成され、前記誘導動作は、規定電流を前記球送りソレノイドに供給する起動動作と、前記起動動作を終えた後、規定電流より低電流で前記球送りソレノイドを機能させる保持動作と、に区分され、前記起動動作時には、前記第1スイッチ回路と、前記第2スイッチ回路がON動作する一方、前記保持動作時には、前記第2スイッチ回路がON動作を維持する状態で、前記第1スイッチ回路がOFF動作するよう構成されている。
【発明の効果】
【0012】
上記した本発明によれば、遊技球の発射動作の正確性を長期間にわたって安定的に維持できる遊技機を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図3】本実施例の全体回路構成を示すブロック図である。
【
図4】主制御基板と払出制御基板の要部を示す回路ブロック図である。
【
図5】電源基板から払出制御基板への配電を説明する図面である。
【
図6】払出制御基板の隔離ラインを説明する図面である。
【
図7】発射制御回路素子とタッチセンサとを図示したものである。
【
図8】発射制御回路素子の要部を説明する回路図である。
【
図9】発射制御回路素子のカウント動作を説明するタイムチャートである。
【
図10】発射制御回路素子のソレノイド制御動作を説明するタイムチャートである。
【
図11】球送りソレノイドと発射ソレノイドの変形動作例を説明するタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。
図1は、本実施例のパチンコ機GMを示す斜視図であり、
図2は、遊技盤5の正面図を示している。また、
図3は、パチンコ機GMの全体回路構成を示すブロック図であり、
図4は、主制御基板21と払出制御基板24の内部構成をやや詳細に示すブロック図である。
【0015】
先ず、
図1に示す通り、このパチンコ機GMは、島構造体に着脱可能に装着される矩形枠状の木製外枠1と、木製外枠1に固着されたヒンジ2を介して開閉可能に枢着される前枠3とで構成されている。
【0016】
この前枠3には、遊技盤5が、裏側からではなく、表側からワンタッチコネクタを利用して着脱自在に装着され、その前側には、ガラス扉6と前面板7とが夫々開閉自在に枢着されている。ここで、ワンタッチコネクタとは、一の装着操作で複数の接点が接続状態となり、一の分離操作で複数の接点が分離状態となる接続コネクタC1~C3(
図3参照)を意味する。
【0017】
ガラス扉6の外周には、LEDランプなどによる電飾ランプが、略C字状に配置されている。一方、ガラス扉6の下側には、スピーカが配置されている。
【0018】
前面板7には、発射用の遊技球を貯留する上皿8が装着され、前枠3の下部には、上皿8から溢れ出し又は抜き取った遊技球を貯留する下皿9と、発射ハンドル10とが設けられている。発射ハンドル10は、その回動角度に応じた強度で動作する打撃槌によって遊技球が発射される。
【0019】
ここで、打撃槌は、発射ソレノイドSLe(
図3)によって駆動されており、打撃槌が機能するまでの発射準備のため、球送りソレノイドSLf(
図3)が機能している。具体的な動作は、特に限定されないが、例えば、球送りソレノイドSLfのON動作に対応して、後続の遊技球の移動を阻止しつつ最先端の遊技球が待機位置に受け入れられ、その後、球送りソレノイドSLfのOFF動作に対応して、待機位置の遊技球が発射位置に移動する。
【0020】
この球送り動作は、600mS程度の動作周期で繰り返されるが、球送りソレノイドSLfのON動作時に、発射ソレノイドSLeがON動作することで、発射位置の遊技球が、1分間に100個程度発射されることになる。
【0021】
また、発射ハンドル10には、
図3や
図4に示すように、発射ソレノイドSLeの発射強度を調整可能な発射強度ボリュームVRと、遊技者が発射ハンドル10に触れているか否かを検出するタッチセンサTCHと、遊技者が発射停止を指示する発射停止スイッチSTOPと、が配置されている。
【0022】
そして、発射強度ボリュームVRの出力であって、発射ハンドル10の回転位置を示す発射強度信号VRと、タッチセンサTCHのタッチセンサ信号TCHと、停止スイッチ信号STOPは、払出制御基板24の発射制御回路素子SHに伝送されるよう構成されている(
図3、
図4参照)。
【0023】
上皿8の外周面には、チャンスボタン11が設けられている。このチャンスボタン11は、遊技者の左手で操作できる位置に設けられており、遊技者は、発射ハンドル10から右手を離すことなくチャンスボタン11を操作できる。このチャンスボタン11は、通常時には機能していないが、ゲーム状態がボタンチャンス状態となると内蔵ランプが点灯されて操作可能となる。なお、ボタンチャンス状態は、必要に応じて設けられるゲーム状態である。
【0024】
上皿8の右部には、カード式球貸し機に対する球貸し操作用の操作パネル12が設けられ、カード残額を3桁の数字で表示する度数表示部NUM(
図4)と、所定金額分の遊技球の球貸しを指示する球貸しスイッチと、ゲーム終了時にカードの返却を指令する返却スイッチとが設けられている。
【0025】
図2に示すように、遊技盤5の表面には、金属製の外レールと内レールとからなるガイドレール13が環状に設けられ、その略中央には、背面側に延びる中央開口HOが設けられている。そして、中央開口HOの奥底には、液晶カラーディスプレイで構成された表示装置DSが配置されている。
【0026】
また、表示装置DSの前面に形成される空間には、演出可動体AMU(可動役物)が昇降自在に配置されている。演出可動体AMUは、昇降機構ALVに保持されて昇降される固定部材FIXと、固定部材FIXに支持されて回転する回転部材ROTとで構成されている。
【0027】
昇降機構ALVの昇降動作や、回転部材ROTの回転動作は、ステッピングモータで構成された演出モータM1~Mnの回転によって実現される。なお、通常時には、演出可動体AMUは、昇降機構ALVに吊り上げられた状態で待機している。
【0028】
遊技領域の適所には、図柄始動口15、大入賞口16、普通入賞口17、ゲート18が配設されている。これらの入賞口15~18は、それぞれ内部に検出スイッチを有しており、遊技球の通過を検出できるようになっている。
【0029】
表示装置DSは、大当り状態に係わる特定図柄を変動表示すると共に背景画像や各種のキャラクタなどをアニメーション的に表示する装置である。この表示装置DSは、中央部に特別図柄表示部Da~Dcと右上部に普通図柄表示部19を有している。そして、特別図柄表示部Da~Dcでは、大当り状態の招来を期待させるリーチ演出が実行されたり、特別図柄表示部Da~Dc及びその周りでは、当否結果を不確定に報知する予告演出などが実行される。
【0030】
普通図柄表示部19は普通図柄を表示するものであり、ゲート18を通過した遊技球が検出されると、普通図柄が所定時間だけ変動し、遊技球のゲート18の通過時点において抽出された抽選用乱数値により決定される停止図柄を表示して停止するようになっている。
【0031】
図柄始動口15は、左右一対の開閉爪を備えた電動式チューリップで開閉されるよう構成され、普通図柄表示部19の変動後の停止図柄が当り図柄を表示した場合には、開閉爪が所定時間だけ、若しくは、所定個数の遊技球を検出するまで開放されるようになっている。
【0032】
電動式チューリップは、制御信号CLT2がLレベルになるタイミングで、パワートランジスタによるスイッチ回路PSを経由して、第2ソレノイドSL2が通電状態となって開放する(
図4参照)。なお、
図2に示す構成とは相違するが、普通入賞口17を開閉可能に構成する場合には、制御信号CTL3で通電制御される第3ソレノイドSL3によって普通入賞口が開閉される。
【0033】
図柄始動口15に遊技球が入賞すると、特別図柄表示部Da~Dcの表示図柄が所定時間だけ変動し、図柄始動口15への遊技球の入賞タイミングに応じた抽選結果に基づいて決定される停止図柄で停止する。なお、特別図柄表示部Da~Dc及びその周りでは、一連の図柄演出の間に、予告演出が実行される場合がある。また、予告演出の一種として、演出可動体AMUが中央開口HOの位置に降下してくることがある。そして、降下した演出可動体AMUは、時計方向又は反時計方向に回転した後、元の位置に上昇する。
【0034】
大入賞口16は、例えば前方に開放可能な開閉板16aで開閉制御されるが、特別図柄表示部Da~Dcの図柄変動後の停止図柄が「777」などの大当り図柄のとき、「大当りゲーム」と称する特別遊技が開始され、開閉板16aが開放されるようになっている。開閉板16aは、制御信号CTL1がLレベルになるタイミングで、第1ソレノイドSL1が通電状態となって開放する(
図4参照)。
【0035】
大入賞口16の開閉板16aが開放された後、所定時間が経過し、又は所定数(例えば10個)の遊技球が入賞すると開閉板16aが閉じる。このような動作は、最大で例えば15回まで特別遊技が継続され、遊技者に有利な状態に制御される。なお、特別図柄表示部Da~Dcの変動後の停止図柄が特別図柄のうちの特定図柄であった場合には、特別遊技の終了後のゲームが高確率状態となるという特典が付与される。
【0036】
図3は、上記した各動作を実現するパチンコ機GMの全体回路構成を示すブロック図であり、ホールコンピュータHCと、球貸し機LENに接続され、AC24Vを受けて動作する遊技機が示されている。なお、ホールコンピュータHCには、各種の遊技情報INFや異常情報が伝送され、球貸し機LENと遊技機GMとの間では、球貸し動作時に、各種の情報が送受信される。
【0037】
図3に示す通り、この遊技機GMは、AC24Vを受けて、3種類の直流電圧(5V,12V,35V)を、二系統に出力する電源基板20と、遊技制御動作を中心統括的に担う主制御基板21と、主制御基板21から受けた制御コマンドCMDに基づいてランプ演出及び音声演出などを実行する演出制御基板22と、演出制御基板22から受けた制御コマンドCMD’に基づいて表示装置DSを駆動する画像制御基板23と、主制御基板21から受けた制御コマンドSYOに基づいて、払出モータMoを制御して遊技球を払い出す払出制御基板24と、を中心に構成されている。
【0038】
主制御基板21が出力する制御コマンドCMDは、先ず、演出制御基板22に伝送され、演出制御基板22から出力される制御コマンドCMD’は、1ビット長のストローブ信号STBと共に、画像インタフェイス基板37を経由して、画像制御基板23に伝送される。一方、主制御基板21が出力する賞球用の制御コマンドSYOは、主基板中継基板34を経由して、払出制御基板24に伝送される。
【0039】
制御コマンドCMDと制御コマンドCMD’は、16ビット長のパラレルデータであり、主制御基板21から画像制御基板23には、8ビット長毎に2回に分けてパラレル送信される。したがって、主制御基板21から画像制御基板23に向かうコマンド伝送路は、ストローブ信号STBを含めて合計9ビット長となる。
【0040】
一方、演出制御基板22から画像制御基板23に伝送される制御コマンドCMD’は、16ビット長をまとめてパラレル伝送される。そのため、演出制御基板22から画像制御基板23に向かうコマンド伝送路は、ストローブ信号STB’を含めて合計17ビット長となるが、多数の制御コマンドを連続的に送受信しても迅速にその処理を終えることができる利点がある。
【0041】
本実施例では、主制御基板21から払出制御基板24に伝送される制御コマンド(賞球コマンド)SYOは、8ビット長のシリアルデータで構成されている。この賞球コマンドSYOは、スタートビットSTARTと、ストップビットSTOPとが前後に付加されることで合計10ビットとなり、伝送クロックを伝送しない非同期方式でシリアル伝送される。
【0042】
これら主制御基板21、演出制御基板22、画像制御基板23、及び払出制御基板24には、ワンチップマイコンMCOM1~MCOM4を備えるコンピュータ回路がそれぞれ搭載されている。そこで、制御基板21~24とインタフェイス基板37に搭載された回路、及びその回路によって実現される動作を機能的に総称して、本明細書では、主制御部21、演出制御部22、画像制御部23、及び払出制御部24と言うことがある。すなわち、この実施例では、画像制御基板23と画像インタフェイス基板37とで画像制御部23を構成している。なお、演出制御部22、画像制御部23、及び払出制御部24の全部又は一部がサブ制御部である。
【0043】
<部品化された電源基板20>
先ず、本実施例では、電源基板20の回路構成を簡素化して、公的検査が不要な電源基板の部品化を実現している。具体的には、電源基板20は、AC24Vを整流する整流回路と、整流回路の出力を受ける力率改善回路と、力率改善回路の出力を受けて3種類の直流電圧(35V,12V,5V)を生成する降圧型のDC/DCコンバータとで構成され、電源の投入や遮断を示す電源リセット信号RSTや、電断信号ABNが出力されない構成となっている。
【0044】
この構成に対応して、本実施例では、電源リセット信号RST(RST1~RST3)は、払出制御基板24、主制御基板21、及び、演出制御基板22に配電された直流電圧に基づいて各々で生成される。具体的には、先ず、
図4に示す通りであり、払出制御基板24と主制御基板21では、電源基板20から配電された2種類の直流電圧(12V,5V)に基づいて、各々の直流判定回路JG1,JG2において、電源リセット信号RST1,RST2を生成して内部回路を電源リセットしている。
【0045】
同様に、演出制御基板22と画像制御基板23でも、配電された2種類の直流電圧(12V,5V)に基づいて、電源リセット信号RST3を生成し、演出制御基板22と画像制御基板23の内部回路を電源リセットしている。
【0046】
また、払出制御基板24の直流判定回路JG1は、払出制御基板24に配電された交流電圧AC24Vに基づいて、電断信号ABNを生成して、ワンチップマイコンMCOM4と、主制御基板21のワンチップマイコンMCOM1に伝送している。
【0047】
このように、実施例では、遊技制御動作に影響を与える電源リセット信号RSTや電断信号ABNが、電源基板20から出力されないので、事実上、電源基板20の悪用や改変のおそれがなく、公的機関における確認検査が不要となる。
【0048】
<バックアップ電源基板27>
また、本実施例では、電気二重層コンデンサCbkを配置したバックアップ電源基板27が、電源基板20や払出制御基板24とは別に設けられており、払出制御基板24は、電源基板20から受ける直流電圧VBB(5V)を、給電ラインVBBを通してバックアップ電源基板27に給電して、電気二重層コンデンサCbkを充電している(
図4参照)。なお、電断後は、電気二重層コンデンサCbkの充電電圧VBBが、払出制御基板24と主制御基板21に搭載されたワンチップマイコンMCOM4,MCOM1のバックアップ電源VBBとして機能し、各ワンチップマイコンの内蔵RAMの記憶内容が確実に維持される。
【0049】
<電源基板からの配電経路>
次に、電源基板20で生成された直流電圧の配電経路などについて整理しておく。
図5は、電源基板20の内部構成うち、力率改善回路を省略すると共に、払出制御部24に関連する部分だけを図示したものである。なお、電源基板20には、図示と同様の3組の電源回路が更に設けられており、図示しない3組の電源回路が生成した3種類の直流電圧35,12V,5Vは、接続コネクタC2と電源中継基板35を経由して、演出制御基板22に配電されている。そして、演出制御基板22と画像インタフェイス基板37を経由して、画像制御基板23に、2種類の直流電圧(12V,5V)が配電されるようなっている。
【0050】
以上を踏まえて、電源基板20から払出制御部24への配電について説明を続けると、
図5に示す通り、電源基板20には、交流24Vを整流する全波整流回路と、整流電圧を直流電圧に変換するDC/DCコンバータDC/DC1~DC/DC3と、LCフィルタ回路LC1 ~LC2 とで構成された3組の電源回路が、払出制御基板24のために配置されている。
【0051】
そして、各電源回路が生成した直流電圧35,12V,5Vが、交流24Vと共に、払出制御基板24に配電される。なお、払出制御基板24に配電された3種類の直流電圧35,12V,5Vは、払出制御基板24を経由した後、接続コネクタC1と主基板中継基板34とを経由して、主制御基板21に配電される(
図3、
図4参照)。
【0052】
ここで、3種類の直流電圧35V,12V,5Vの電源ラインと、これらに対応するグランドラインは、各々、複数本の配線ケーブルで配電されており、線路インピーダンスの低減化を図っている。また、直流電圧35Vは、
図4に示す通り、球送りソレノイドSLf、発射ソレノイドSLe、及び主制御部21のソレノイド類SL1~SL3の駆動電圧に特化されている。
【0053】
そのため、直流電圧35Vの電源ライン及びグランドラインには、ソレノイド駆動電流だけが流れることになり、直流電圧5Vを電源電圧とする主制御部21や払出制御部24のコンピュータ回路(MCOM1,MCOM4)や論理回路、及び、直流12Vを電源電圧とするモータドライバDRなどの影響を受けることがなく、ソレノイド駆動電圧(35V)がふらつくことが防止される。また、直流電圧35Vの電源ライン及びグランドラインに流れるソレノイド駆動電流の変化が、コンピュータ回路(MCOM1,MCOM4)などに与える影響も軽減される。
【0054】
図4に示す通り、直流12Vを電源電圧とするのは、遊技球を払出す払出モータMoを駆動するモータドライバDRだけでなく、払出した遊技数をカウントする計数スイッチや、球貸し動作に関する球貸中継部LK1も含まれる。
【0055】
ところで、以下の説明では、便宜上、直流電圧35Vのグランドを第1グランド面A_GND と称し、その他のグランドを第2グランド面D_GND と称することがあるが、何れのグランド面A_GND ,D_GND も、
図5に示す通り、電源基板20の共通グランド端子COMに接続されている。但し、本実施例では、払出制御基板24と主制御基板21において、第1グランド面A_GND と第2グランド面D_GND が、完全に分離状態となっており、一方の電流が、他方に影響を与えることがない。
【0056】
<遊技機の概略回路構成>
続いて、
図3に戻って説明を続けると、この遊技機GMは、
図3の破線で囲む枠側部材GM1と、遊技盤5の背面に固定された盤側部材GM2とに大別される。そして、枠側部材GM1と盤側部材GM2とは、一箇所に集中配置された接続コネクタC1~C3によって電気的に接続されている。各接続コネクタC1~C3は、各々、複数の接点を有するが、これら全体C1~C3の接点が、一の装着操作で接続状態となり、一の分離操作で分離状態となるワンタッチコネクタである。
【0057】
枠側部材GM1には、ガラス扉6や前面板7が枢着された前枠3と、その外側の木製外枠1とが含まれており、機種の変更に拘わらず、長期間にわたって遊技ホールに固定的に設置される。一方、盤側部材GM2は、機種変更に対応して交換され、新たな盤側部材GM2が、元の盤側部材の代わりに枠側部材GM1に取り付けられる。なお、枠側部材GM1を除く全てが、盤側部材GM2である。
【0058】
<盤側部材GM2>
先ず、盤側部材GM2から説明すると、遊技盤5の背面には、盤側部材GM2として、主制御基板21、演出制御基板22、画像制御基板23、及び画像インタフェイス基板37が、表示装置DSやその他の回路基板と共に固定されている。
【0059】
図3や
図4に示す通り、主制御基板21には、係員が操作する初期化スイッチINIが接続されている。初期化スイッチINIは、主制御部21と払出制御部24のワンチップマイコンMCOM1,MCOM4の内蔵RAMの作業領域を初期設定するか否かを決定するスイッチである。そして、初期化スイッチINIがON操作されたことを示すRAMクリア信号CLRは、主制御部21のワンチップマイコンMCOM1と、払出制御部24のワンチップマイコンMCOM4に共通的に伝送される(
図4参照)。
【0060】
また、主制御部21は、遊技盤中継基板33を経由して、遊技盤5の各遊技部品に接続されている。そして、遊技盤上の各入賞口15~18に内蔵された検出スイッチのスイッチ信号を受ける一方、電動式チューリップなどのソレノイド類SL1~SL3を駆動している。
【0061】
先に説明した通り、ソレノイドSL1~SL3の電源電圧は、電源基板20で生成され、払出制御部24を経由して配電されている。
図4に示す通り、各ソレノイドSL1~SL3には、電力スイッチPS~PSが接続されており、各電力スイッチPSには、制御信号CTL1~CTL3に基づいてON/OFF動作するパワートランジスタが内蔵されている。そして、ワンチップマイコンMCOM1が制御信号CTL1~CTL3を適宜に制御することで、各ソレノイドSL1~SL3が電動式チューリップや大入賞口16が適宜に開閉することになる。
【0062】
図3に示す通り、演出制御基板22には、音声演出・ランプ演出・演出可動体による可動演出などの演出動作を制御するワンチップマイコンMCOM2と、ワンチップマイコンMCOM2からの指示に基づいて音声信号を再生して出力する音声合成回路(音声プロセッサ)SNDと、再生される音声信号の元データである圧縮音声データを記憶する音声メモリと、音声合成回路SNDのデジタル音声信号を受けてD級増幅するデジタルアンプAMPなどが配置されている。
【0063】
また、演出制御基板22には、ランプ駆動基板38と、ランプモータ駆動基板39とが接続されており、各駆動基板38,39に接続されたランプ群やモータ群M1~Mxが適宜に駆動されることで、ランプ演出と可動演出が実現される。
【0064】
一方、画像制御基板23には、演出制御基板22から制御コマンドCMD’を受けるワンチップマイコンMCOM3と、ワンチップマイコンMCOM3からの指示に基づいて、表示装置DSの一フレーム分の画像データを生成して出力する画像プロセッサVDPと、画像演出用の基礎データを記憶するCGメモリなどが配置されている。そして、ワンチップマイコンMCOM3が、制御コマンドCMD’に基づいて画像プロセッサVDPを制御することで、演出制御部22におけるランプ演出、音声演出、可動演出に同期した画像演出が実現される。
【0065】
<枠側部材GM1>
続いて、枠側部材GM1について説明する。
図3の破線枠に示す通り、枠側部材GM1には、電源基板20と、払出制御基板24と、信号中継基板25と、発射中継基板26と、バックアップ電源基板27と、外部端子基板28と、枠中継基板31と、ランプ駆動基板32とが含まれており、これらの回路基板が、前枠3の適所に各々固定されている。電源基板20と、バックアップ電源基板27については、先に説明した通りである。
【0066】
外部端子基板28は、ホールコンピュータHCに伝送すべき遊技情報INFを中継する回路基板であり、遊技情報INFは、主制御基板21で生成され、主基板中継基板34と、接続コネクタC1と、払出制御基板24とを経由して、外部端子基板28に至るよう回路接続されている(
図4参照)。
【0067】
ランプ駆動基板32には、複数のLEDが接続されており、これらのLED群を駆動する駆動データは、シリアル信号として、演出制御基板22のワンチップマイコンMCOM2→枠中継基板36→接続コネクタC3→枠中継基板31を経由して、ランプ駆動基板32に搭載された複数のLEDドライバに伝送されている。同様に、演出制御基板22で生成された音声演出用の音声信号も、枠中継基板36→接続コネクタC3→枠中継基板31を経由して、複数のスピーカに供給されている。
【0068】
また、枠中継基板31は、チャンスボタン11からのスイッチ信号を受けており、他の信号と纏めたシリアル信号として、接続コネクタC3→枠中継基板36を経由して演出制御基板22のワンチップマイコンMCOM2に伝送される。
【0069】
次に、払出制御基板24には、
図4に示す通り、8ビットを処理単位とするCPUを内蔵したワンチップマイコンMCOM4と、電源リセット信号RST1や電断信号ABNを生成する電源関連回路29と、払出モータMoを回転駆動するモータドライバDRと、遊技球を発射制御する球送りソレノイドSLfや発射ソレノイドSLeの駆動信号などを生成する発射制御回路素子SHと、降圧型の安定化電源回路REGと、球貸し動作を実現する球貸中継部LK1と、が搭載されている。
【0070】
電源関連回路29は、電源基板20から交流24Vを受ける交流検知回路DETと、電源基板20から直流12Vと5Vを受ける直流判定回路JG1と、を有して構成されている。ここで、交流検知回路DETは、交流電源が投入状態であるか、遮断状態であるかを検出する回路である。一方、直流判定回路JG1は、電源基板20に関して先に説明した通りであり、直流電圧(12V,5V)に基づいて電源リセット信号RST1を生成すると共に、交流電源(AC24V)が遮断されたことを検知して、電断信号ABNを生成する。
【0071】
本実施例では、払出モータMoを回転駆動ための駆動信号Φ1~Φ4は、ワンチップマイコンMCOM4によって生成され、直流電圧12Vを電源電圧とするモータドライバDRに伝送される。一方、発射ソレノイドSLeや球送りソレノイドSLfについては、ワンチップマイコンMCOM4の制御に基づかず、発射制御回路素子SHのリード端子への固定的な設定値や、発射強度ボリュームVRの出力信号に基づいて、その通電時間や通電タイミングや通電周期などが発射制御回路素子SHにおいて制御される。
【0072】
但し、発射制御回路素子SHが発射制御動作を開始するためには、(1) 球貸し機LENが正常に接続されており、且つ、(2) 主制御部21から発射許可信号SHOOTを受けることが動作開始条件となる。また、(3) 遊技者が発射ハンドル10から手を離した場合や、(4) 遊技者が発射停止を指示した場合には、発射制御回路素子SHは、当然に発射動作を停止する(動作停止条件)。
【0073】
上記した動作開始条件に関連して、発射制御回路素子SHは、球貸中継部LK1と中継基板LK2を経由して、球貸し機LENに接続されており、球貸し機LENとの接続状態を示す通電信号POUTを受けるようになっている。また、発射制御回路素子SHは、主制御部21のワンチップマイコンMCOM1から発射許可信号SHOOTを受けるよう回路接続されている。
【0074】
ところで、この発射制御回路素子SHは、発射制御に関する多数の電子素子が内蔵されたSIP(Single Inline Package )タイプの単一素子で構成されている(
図6)。但し、特に限定されず、DIP(Dual Inline Package )タイプの単一素子であっても良い。
【0075】
何れにしても、上記の構成を実現する払出制御基板24の回路部品は、表面実装タイプではなく、全て、スルーホール実装タイプに統一されており、且つ、全ての回路部品は、直接またはICソケットを通して基板表面に配置され、各回路部品のリード端子は、基板表面から挿入され、裏面側から半田付けされている。そのため、フローはんだ付け工法などを採用することで、半田付け作業を迅速に終えることができる。また、払出制御基板24の裏面側に回路部品が存在しないので、払出制御部24を薄型化できるだけでなく、検査機関での検査処理も迅速化される。
【0076】
また、払出制御基板24の基板表面と基板裏面には、各々、ベタアース面が形成されている。ここで、ベタアース面とは、回路基板面において、部品間を接続する信号パターンや、電源電圧を給電する電源パターンを除いた部分を、全てグランド面としたものであり、低インピーダンス性を実現すると共に、耐ノイズ性を向上させている。
【0077】
更に、払出制御基板24の基板表面と基板裏面のベタアース面は、各々、隔離ラインによって、第1グランド面A_GND と、第2グランド面D_GND に二分されており、二つのグランド面A_GND ,D_GND を流れる帰路電流が混在しないよう対策されている。この点は、先に説明した通りであり、第1グランド面A_GND には、ソレノイド駆動電圧(直流電圧35V)の帰路電流だけが流れることになる。
【0078】
なお、(1) 全ての回路部品がスルーホール実装タイプに統一され、基板表面から挿入されて裏面側から半田付けされる点、(2) 基板裏面には回路部品が存在しない点、及び、(3) ベタアース面が、隔離ラインによって第1グランド面A_GND と、第2グランド面D_GND に二分されることについては、払出制御基板24だけでなく主制御基板21についても同様である。
【0079】
以上を踏まえて、払出制御基板24について説明を続けると、発射制御回路素子SHには、
図4に示す通り、直流電圧35Vと、直流電圧5Vとが二種類の電源電圧として供給されている。
【0080】
ここで、発射制御回路素子SHに供給される直流電圧5Vは、ワンチップマイコンMCOM1,MCOM4や、これらに関連する論理回路の電源電圧5Vとは区別されており、直流電圧12Vを降圧する安定化電源回路REGで生成されている。そのため、発射制御回路素子SHの論理動作が、電源電圧5Vの電源ラインを経由して、主制御部21や払出制御部24のワンチップマイコンや、その他の回路素子に悪影響を与えることが未然防止される。
【0081】
以上の払出制御基板24の構成に対応して、信号中継基板25は、モータドライバDRから受ける駆動信号Φ1~Φ4を、払出モータMoに転送して払出モータMoを回転駆動している(
図3)。また、信号中継基板25は、各種の検知センサからの検出信号を受けて、払出制御基板24のワンチップマイコンMCOM4に転送している。
【0082】
信号中継基板25が受ける検出信号は、特に限定されないが、この実施例では、ガラス扉6や前枠3が開放されたことを示す扉枠開放信号、遊技球が詰まって払出不能状態であることを示す球詰り検出信号、払出すべき遊技球が無いこと示す補給切れ検出信号、及び、遊技球の払出しを検知したことを示す計数スイッチの検出信号が含まれる。
【0083】
次に、発射中継基板26は、発射制御回路素子SHから受ける駆動信号を、球送りソレノイドSLfに供給して、発射ソレノイドSLeと共に発射制御動作を実現している。また、発射中継基板26には、遊技者が操作する発射ハンドル10に関して、遊技球の発射停止を指示する発射停止スイッチSTOP、遊技者が発射ハンドル10に触れていることを示すタッチセンサTCH、及び、発射ハンドル10の回転位置を示す発射強度ボリュームVRからの信号を受けて、受けた各信号を、払出制御基板24のワンチップマイコンMCOM4に転送している。
【0084】
図6は、払出制御基板24のベタアース面を図示したものであり、払出制御基板24の表面側の左上の隅角部を概略的に図示している。先に説明した通り、払出制御基板24の表裏面に形成されたベタアース面は、隔離ラインで隔てて、
図6の網掛けで示す第1グランド面A_GND と、第2グランド面D_GND とに区分されている。なお、網掛け部と、その他の白紙部分との境界を確定する実線が隔離ラインである。なお、
図6は、払出制御基板24の表面側を図示しているが、裏面側にも、表面側の網掛け部に対応する領域が、第1グランド面A_GND となっている。
【0085】
図6には、電源基板から3種類の直流電圧(35V,12V,5V)を受ける第1コネクタCN1と、球送りソレノイドSLfを駆動すると共に、発射制御用の各種の信号を受ける第2コネクタCN2と、発射ソレノイドSLeを駆動する第3コネクタCN3と、発射制御回路素子SHと、安定化電源回路REGなどが記載されている。なお、第1グランド面A_GND への接続点と、第2グランド面D_GND への接続点とは、便宜上、互いに異なるアース記号で表現している。
【0086】
ここで、第2コネクタCN2のグランド端子GNDは、第2グランド面D_GND に接続され、他の全てのコネクタ端子は、回路基板の信号パターンを経由して、発射制御回路素子SHのリード端子に接続されている。発射制御回路素子SHのリード端子には、直流電圧35Vが配電される第1電源端子T1,T2と、直流電圧5Vが配電される第2電源端子T9と、第1グランド面A_GND に接続される第1グランド端子T7と、第2グランド面D_GND に接続される第2グラント端子T14が存在する。図示の通り、第2電源端子T9には、安定化電源回路REGが出力する5Vが配電されている。
【0087】
また、
図6に示す通り、直流電圧35Vの電源ラインと第1グランド面A_GND との間には、電解コンデンサC1が配置されている。そして、この直流電圧35Vは、発射制御回路素子SHの第1電源端子T1,T2に直接供給されると共に、電流制限抵抗RSを経由して発射制御回路素子SHのリード端子T3に供給されている(
図8参照)。また、タッチセンサTCHからの信号は、発射制御回路素子SHのリード端子T8に伝送されると共に、サージアブソーバSAを経由して第1グランド面A_GND に接続されている(
図8参照)。
【0088】
サージアブソーバSAは、通常は高抵抗値を維持して殆ど電流が流れないが、サージ電圧(異常電圧)を受けると低抵抗に変化する素子である。そして、高い静電気に帯電した遊技者が発射ハンドル10に触れた場合、そのサージ電圧は、タッチセンサTCHからサージアブソーバSAを経由して、第1グランド面A_GND に吸収されるので、発射制御回路素子SHの破壊や劣化が未然防止される。なお、帯電した静電気に伴うサージ電流が、第2グランド面D_GND に流れ込むこともないので、コンピュータ回路が誤動作するおそれも無い。
【0089】
払出制御基板24の表面側の左上の隅角部は、上記の回路構成を有する。そして、
図6の網掛け部によって確認できる通り、隔離ラインは、第1コネクタCN1と、第2コネクタCN2と、発射制御回路素子SHを、各々二分するように形成されている。すなわち、第1コネクタCN1において、直流電圧35Vが配電される第1電源端子と、これに対応するグラント端子が、第1グランド面A_GND の上部に位置し、残りの端子は、第2グランド面D_GND の上部に位置している。
【0090】
また、第2コネクタCN2において、球送りソレノイドSLfに駆動信号を伝送する駆動端子対だけが、第1グランド面A_GND の上部に位置し、残りの端子は、第2グランド面D_GND の上部に位置する。なお、第3コネクタCN2は、第1グランド面A_GND の上部に位置している。
【0091】
一方、発射制御回路素子SHについては、発射ソレノイドSLeに駆動信号を出力する駆動端子対T5,T6、球送りソレノイドSLfに駆動信号を出力する駆動端子対T3,T4、直流電圧35Vを受ける第1電源端子T1,T2、及び、第1グランド面A_GND に接続されるグランド端子T7は、第1グランド面A_GND の上部に位置し、残りの端子は、第2グランド面D_GND の上部に位置している。
【0092】
したがって、発射制御回路素子SH、第1~第3コネクタCN2、及び、その他の回路部品を、スルーホール実装しても、適切にグランド配線を終えることができる。また、第1グランド面A_GND に対応する電源パターンや信号パターンが複雑化することもない。
【0093】
次に、
図7(a)は、発射制御回路素子SHの内部構成を示すブロック図である。図示の通り、発射制御回路素子SHには、通電信号POUTと、論理反転された発射許可信号SHOOTと、論理反転された停止スイッチ信号STOPと、タッチセンサ信号TCHと、を受けるAND回路が内蔵されている。
【0094】
また、発射制御回路素子SHには、負帰還アンプAMPと、負帰還アンプAMPの出力を遮断又は通過させる通電遮断部CUTと、通電遮断部CUTを通過した信号の電圧レベルに対応した電流を出力する電流増幅トランジスタTr2とが、内蔵されている。負帰還アンプAMPは、発射強度信号VRと電流検出抵抗Rrの出力を受けて動作しており、電流増幅トランジスタTr2が、発射強度信号VRに対応した電流を出力するよう構成されている。
【0095】
発射制御回路素子SHには、発振器OSCと、遊技球の発射動作に適合する周波数となるよう、発振器OSCの出力を分周する分周器DVと、分周器DVが出力するクロックパルスCKをカウントする8進カウンタCTと、が内蔵されている。
図9は、クロックパルスCKと、その反転信号であるCEクロック(CEバーと表記)と、カウンタCTの出力Q0~Q7と、の関係が示されている。図示の通り、カウンタCTの出力Q0~Q7は、クリア信号CLRが非アクティブ(L)に変化した後、CEクロックの累積個数に対応して変化する。
【0096】
何ら限定されないが、実施例の場合、CEバー信号の周期は、75mS程度に設定され、デューティ比50%に設定されている。したがって、8進カウンタの出力Q0~Q7の周期は、8×75=600mS程度となる。また、
図10に示す通り、発射周期や球送り周期も600mS程度となり、1分間に100個程度の遊技球の発射が実現される。
【0097】
このカウンタCTの出力Q0~Q7は、適宜な論理回路を経由して、通電遮断部CUTと、通電制御トランジスタTr1と、通電制御スイッチSWに供給されている。通電制御トランジスタTr1は、Q1*CEバー信号を受けてON動作して、直流35Vを球送りソレノイドSLfに出力している。また、通電制御スイッチSWは、Q1+Q2信号を受けてON動作して、球送りソレノイドSLfからの帰還電流を受け入れている。なお、上記の動作において、「*」記号は、論理積を意味し、「+」記号は、論理和を意味し、以下の説明も同様である。
【0098】
一方、通電遮断部CUTは、Q2*CEバー信号を受けて動作し、Q2*CEバー信号がHレベルであるタイミングに限り、負帰還アンプAMPの出力を通過させ、それ以外のタイミングでは通電遮断部CUTをON動作させることで、負帰還アンプAMPの出力を第2グランド面D_GND に短絡させている。
【0099】
また、球貸し機LENとの接続が確立すると通電信号がPOUT=Hとなり、主制御部21が発射を許可すれば発射許可信号がSHOOT=Hとなり、停止スイッチの操作が無いと停止スイッチ信号がSTOP=Hとなり、遊技者が発射ハンドル10に触れるとタッチセンサ信号がTCH=Lとなるよう構成されている。
【0100】
したがって、発射制御回路素子SHのリード端子T12,T13,T10,T9の各論理レベルで評価した場合、POUT=H、SHOOT=L、STOP=L、TCH=Lが成立すると、球送りソレノイドSLfと発射ソレノイドSLeによる発射動作が許可されることになる。
【0101】
次に、
図7(b)は、タッチセンサの内部構成を図示したものであり、遊技者が発射ハンドル10を握っている場合は、センストランジスタQsはON状態であり、タッチセンサ信号TCH=Lとなる。そして、信号供給元の論理レベルで評価した場合に、通電信号POUT=H、発射許可信号SHOOT=H、停止スイッチ信号STOP=H、タッチセンサ信号TCH=Lの条件で、AND回路の出力がHレベルとなり、分周器DVの分周動作が許可され、その出力信号の周波数で決まる法的の所定周期(実施例では、600mS程度)で、遊技球が間欠的に発射されることになる。
【0102】
一方、上記の何れかの条件が不成立であると、遊技球が発射されることはない。なお、遊技球の発射動作は、発射ソレノイドSLeが間欠的に通電することで実現されるが、発射強度ボリュームVRに値に基づいて規定される発射ソレノイドSLeの通電電流に対応して発射強度が制御される。また、発射周期に対応して、球送りソレノイドSLfが通電して、発射球が所定の発射位置にセットされる。
【0103】
図8は、上記の動作を実現する発射制御回路素子SHの出力部を示す回路図であり、
図10は、発射制御回路素子SHの動作を説明するタイムチャートである。
【0104】
図示の通り、発射制御回路素子SHの出力部は、球送りソレノイドSLfに駆動電流を供給する通電制御トランジスタTr1と、発射ソレノイドSLeに駆動電流を供給する電流増幅トランジスタTr2と、を中心に構成されている。また、発射制御回路素子SHには、球送りソレノイドSLfの駆動電流が急減する
図10のタイミングTi2や、発射ソレノイドSLeの駆動電流が途絶える
図10のタイミングTi3に発生する逆起電力を吸収するダンパーダイオードD1,D2が内蔵されている。
【0105】
先ず、通電制御トランジスタTr1について説明すると、
図8に示す通り、通電制御トランジスタTr1は、Q1*CEバー信号を受ける制御トランジスタTr3のON/OFF動作に基づいてON/OFF動作している。ここで、Q1*CEバー信号は、
図10(f)に示す通りであり、タイミングTi1~Ti2の期間に限りHレベルとなり、他のタイミングではLレベルを維持する。
【0106】
そのため、制御トランジスタTr3は、タイミングTi1~Ti2の期間に限りON動作して、電源電圧35V→抵抗R4→抵抗R3→第2グランドの経路で電流が流れることなる。その結果、PチャンネルMOSで構成された通電制御トランジスタTr1は、バイアス抵抗R4の両端電圧に基づいてON動作する。
【0107】
一方、通電制御スイッチSWは、
図10(e)に示すQ1+Q2信号を受けてON/OFF動作しており、タイミングTi1~Ti3の期間は、ON動作状態となっている。そのため、ON動作状態の通電制御トランジスタTr1のソース端子Sからドレイン端子Dに流れるON電流は、球送りソレノイドSLfを経由して、通電制御スイッチSWのグランド端子に流れ込むことになる。
【0108】
そして、球送りソレノイド(電磁ソレノイド)SLfがON動作することで電磁石を機能し、この電磁石に、球送り部材(不図示)の一部が吸着されることで、一連の遊技球のうち先頭位置の遊技球が、待機位置に受け入れられる(
図10(i)参照)。なお、
図10(i)は、発射制御回路素子SHのリード端子T4の電位V1を図示したものであり、このタイミングTi1ではゼロである。また、この受入タイミングTi1では、待機位置の下流側に位置する発射位置には、先行する球送りソレノイドSLfのOFF動作時に、待機位置の遊技球が発射位置に移動している。
【0109】
ところで、
図8に示す通り、制御トランジスタTr3のエミッタ端子は、第2グランド面D_GND に接続され、通電制御スイッチSWのグランド端子は、第1グランド面A_GND に接続されている。ここで、第1グランド面A_GND と第2グランド面D_GND とは、払出制御基板24において電気的に隔離されているが、二つのグランド面A_GND ,D_GND の電位は、電源基板20のCOM端子(
図5)において共通化されるので、上記の動作に支障は生じない。
【0110】
以上、タイミングTi1~Ti2の動作を説明したが、タイミングTi2の後は、Q1*CEバー信号がLレベルとなり(
図10(f)参照)、抵抗R4の電流が途絶えることで、制御トランジスタTr3は、OFF状態となる。しかし、Q1+Q2信号を受けてON/OFF動作する通電制御スイッチSWは、タイミングTi1~Ti3の間はON状態を維持する。また、本実施例の場合、発射制御回路素子SHの端子T1とT2の間には、電流制限抵抗RSが配置されている。
【0111】
そのため、タイミングTi2~Ti3の間は、電源電圧35V→電流制限抵抗RS→球送りソレノイドSLf→通電制御スイッチSW→第1グランドの経路で駆動電流が流れ続けることなる。但し、この駆動電流は、例えば270Ω程度の電流制限抵抗RSによって制限された抑制レベルとなる。
【0112】
この抑制レベルの電流値は、適宜に設定されるが、タイミングTi1~Ti2における球送りソレノイドSLfのON動作によって、球送り部材の一部が、既に電磁石に吸着されているので、この吸着状態を維持できる電流で足りる。すなわち、離間状態の球送り部材を吸着するには、それなりの吸着トルク(始動トルク)が必要となるが、吸着状態を維持するには、それほどのトルクは必要でなく、適宜な抑制レベルの駆動電流で足りる。
【0113】
具体的に確認すると、本実施例では、Ti1~Ti2の始動トルク区間は、例えば、490mA程度の始動トルク電流を流すのに対して、Ti2~Ti3の保持トルク期間は、100mA程度の保持電流を流すよう設計されている。本発明者の検討によれば、保持電流は、少なくとも始動トルク電流の1/2未満とすべきであり、1/3以下が好適であり、より好適には、1/4.5~1/5.5とすべきことを確認している。なお、本明細書において、記号「~」は、数値範囲の両端を含んでいる。
【0114】
何れにしても、本実施例では、始動トルク電流によって吸着動作を実現した後は、駆動電流を抑制するので、無駄な電力消費を回避して無駄な発熱を防止できると共に、球送りソレノイドSLfの熱破損や劣化を防止することができる。また、球送りソレノイドSLfの動作タイミング(Ti1~Ti3)と、発射ソレノイドSLeの動作タイミングが一部重複する本実施例において、発射タイミングでは、球送りソレノイドSLfに大電流が流れていないので、電源ラインの電圧降下が抑制され、発射ソレノイドSLeに供給される駆動電圧は、設計値を確実に維持することになる。
【0115】
上記の各効果に関連して、更に具体的に説明すると、先ず、本実施例では、電流値490mAの始動トルク区間と、電流値100mAの保持トルク期間と、を設けることで、電流実効値を141mA程度に抑制して電力消費を軽減している。また、消費電力の抑制と、確実な球送り動作のためには、始動トルク区間は、球送りソレノイドSLfのインダクタンスが影響する実測値において、35mS~55mSとすべきことも確認している。なお、始動トルク区間と、保持トルク期間との区間比は、球送りソレノイドSLfのインダクタンスが影響する実測値において、1:1.5~1:3.5の範囲が好適であり、インダクタンスを無視した設計値では、
図10に示す通り、1:3とするのが好適である。
【0116】
なお、球送りソレノイドSLfの駆動電流が(実施例では1/4.9に)急減する
図10のタイミングTi2には、大きな逆起電力が発生するが、この逆起電力は、ダンパーダイオードD1に吸収されるので、通電制御トランジスタTr1が破損するおそれはない。
【0117】
因みに、ダンパーダイオードD1を設けない場合には、タイミングTi2において、通電制御トランジスタTr1のソース端子Sの電位が+35Vであるのに対して、ドレイン端子Dには、通電制御スイッチSWがONの状態で負方向の大きな逆方向電圧が加わるので、通電制御トランジスタTr1のソース端子Sとドレイン端子Dの間(SD間)に、過大電圧がかかるおそれがある。この点は、電流増幅トランジスタTr2のSD間の過大電圧を吸収するという意味で、ダンパーダイオードD2についても同様である。
【0118】
続いて、電流増幅トランジスタTr2の動作について説明する。
図8の下部には、発射強度ボリュームVRに対応する電流制御信号SGの通過を許可/禁止する通電遮断部CUTと、通電遮断部CUTを通過した電流制御信号SGを受けてリニア動作する前置トランジスタTr4と、前置トランジスタTr4のリニア動作に対応する電流を発射ソレノイドSLeに供給する電流増幅トランジスタTr2とが記載されている。
【0119】
通電遮断部CUTは、
図10(d)に示すQ2*CEバー信号を受けて動作しており、Q2*CEバー信号がLレベルの通常時はON動作して、入力信号SGをグランドに短絡させることで、電流制御信号SGの伝送を禁止している。一方、Q2*CEバー信号がHレベルに変化すると、通電遮断部CUTがON状態からOFF状態に遷移し、電流制御信号SGのグランドへの短絡が解除されることで、有意レベルの電流制御信号SGが、前置トランジスタTr4に伝送される。
【0120】
ここで、電流制御信号SGのレベルは、発射強度ボリュームVRに対応しており、電流制御信号SGに対応する電流が、直流電圧35V→バイアス抵抗R8→コレクタ抵抗R7→前置トランジスタTr4→第2グランドの経路で流れる。そして、PチャンネルMOSで構成された電流増幅トランジスタTr2のソース端子Sとゲート端子Gの間に、バイアス抵抗R8の両端電圧が加わることで、電流増幅トランジスタTr2のドレイン端子Dから所定レベルの駆動電流が出力されることになる。
【0121】
この駆動電流は、電源電圧35V→電流増幅トランジスタTr2→発射ソレノイドSLe→電流検出抵抗Rr→第1グランドの経路で流れる。なお、
図10(h)は、発射制御回路素子SHのリード端子T6の電位V2(=Vr)を図示したものであり、電流検出抵抗Rrの両端電圧Vrが、負帰還アンプAMPに帰還されることで、駆動電流は、発射強度信号VRに対応する所定レベルに維持される。
【0122】
そして、この駆動電流に対応して発射ソレノイドSLeが機能することで、発射位置の遊技球が所定の発射トルクで打撃されて発射されることになる。このように、発射トルクは、発射ソレノイドSLeに供給される駆動電流のレベルで規定されるが、本実施例では、(1) ソレノイド駆動用の電源電圧35Vを専用的に生成することで、他の電源電圧12V,5Vと区別し、(2) 電源基板20から払出制御基板24への電源ラインやグランドラインを低インピーダンス化し、(3) 第1グランド面A_GND を第2グランド面D_GND から隔離し、且つ、(4) 発射タイミングに先行して球送りソレノイドSLfの駆動電流を抑制しているので、発射ソレノイドSLeへの駆動電流がふらつくことがない。
【0123】
例えば、電源電圧35Vの電源ラインと、そのグランドラインとの電位差がふらつくと、如何に負帰還制御をしているとはいえ、電位差のふらつきに、帰還経路が直ちには追随できず(所定の応答時間が必要)、発射ソレノイドSLeの駆動電流が一定化されず、遊技球の到達位置が一定化されないおそれがある。
【0124】
また、この実施例では、発射タイミングに先行して球送りソレノイドSLfの駆動電流を抑制しているが、この対策を取らない場合には、球送りソレノイドSLfへの駆動電流に対応する電源ラインやグランドラインの電圧降下によって、正確な発射動作が維持できない可能性がある。すなわち、球送りソレノイドSLfの駆動電流については、定電流制御をしていないので、回路素子や球送りソレノイドSLfの発熱などに対応して、駆動電流が変化して、電源電圧35Vの電源ラインと、そのグランドラインとの電位差がふらつきを促進するおそれがある。
【0125】
以上、正確な発射動作を実現可能な実施例について詳細に説明したが、具体的な記載内容は特に本発明を限定せず、適宜に変更可能である。例えば、上記の実施例では、発射ソレノイドSLfに駆動電流を供給して(Ti1~Ti3)、遊技球を待機位置に移動させ、その後、発射ソレノイドSLfの駆動電流を停止することで、待機位置の遊技球を発射位置に移動させたが何ら限定されない。
【0126】
すなわち、
図11に示すように、球送りソレノイドSLfに駆動電流を供給して、先頭位置の遊技球だけを発射位置に移動させ(期間(a))、その後、球送りソレノイドSLfへの駆動電流を停止した状態では(期間(b))、遊技球の移動を停止する構成を採っても良い。
【0127】
なお、
図11では、球送りソレノイドSLfへの駆動電流を停止した状態で、発射ソレノイドSLeをON動作させているが、何ら限定されず、
図10(h)(i)の場合と同様、球送りソレノイドSLfへの通電時の最後に発射ソレノイドSLeを機能させても良い。
【0128】
ところで、上記の実施例では、遊技球を遊技者に実際に払出す弾球遊技機について説明したが、遊技者への賞球動作を伴わない管理遊技機(いわゆる封入式遊技機)にも、本発明は、好適に適用可能である。封入式遊技機では、遊技者への賞球に対応する遊技価値を、ICカードその他に記憶すること(遊技価値の付与)によって実際の賞球動作を回避している。
【符号の説明】
【0129】
SLf 球送りソレノイド
SLe 発射ソレノイド
Ti1~Ti2 起動動作
Ti2~Ti3 保持動作