(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-27
(45)【発行日】2023-08-04
(54)【発明の名称】ギヤドモータ
(51)【国際特許分類】
F16H 25/20 20060101AFI20230728BHJP
F16H 1/46 20060101ALI20230728BHJP
H02K 7/06 20060101ALI20230728BHJP
【FI】
F16H25/20 B
F16H1/46
H02K7/06 A
(21)【出願番号】P 2019183615
(22)【出願日】2019-10-04
【審査請求日】2022-09-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000001225
【氏名又は名称】ニデックプレシジョン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100188673
【氏名又は名称】成田 友紀
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【氏名又は名称】松本 将尚
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【氏名又は名称】古都 智
(72)【発明者】
【氏名】横塚 力
【審査官】長清 吉範
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-180661(JP,A)
【文献】特開2009-14150(JP,A)
【文献】特開平7-336938(JP,A)
【文献】特開平11-8966(JP,A)
【文献】特開2005-262634(JP,A)
【文献】実開昭60-52460(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 25/20
F16H 1/46
H02K 7/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータ部と、
前記モータ部の動力を伝達する伝達機構と、
前記伝達機構に接続されるスライド機構と、を備え、
前記スライド機構は、
中心軸線を中心として回転するリードスクリューと、
前記中心軸線と平行なガイド軸線を中心として延びるガイドシャフトと、
前記リードスクリューに挿入されるナット孔および前記ガイドシャフトに挿入されるスライド孔が設けられるスライドナットと、を有し、
前記スライド孔の内周面には、軸方向に延び周方向に並ぶ複数の凹溝と、前記凹溝同士の間に位置する接触面と、が設けられ、
軸方向から見て、前記中心軸線と前記ガイド軸線とが通過する第1仮想線は、前記接触面を通過する、
ギヤドモータ。
【請求項2】
前記スライドナットには、駆動対象物が固定され、
軸方向から見て、前記ガイド軸線と前記駆動対象物の負荷中心軸線とが通過する第2仮想線は、前記接触面を通過する、
請求項1に記載のギヤドモータ。
【請求項3】
軸方向から見て、前記中心軸線と前記ガイド軸線と前記負荷中心軸線とが、この順で一方向に沿って並ぶ、
請求項2に記載のギヤドモータ。
【請求項4】
複数の前記凹溝は、周方向に沿って等間隔に配置され、
前記凹溝の数は、偶数である、
請求項1~3の何れか一項に記載のギヤドモータ。
【請求項5】
前記接触面の周方向長さは、前記凹溝の周方向長さより長い、
請求項1~4の何れか一項に記載のギヤドモータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ギヤドモータに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォン等の電子機器の高機能化に伴い、内部にスライド機構を一体化したギヤドモータの開発が進められている。特許文献1には、リードスクリューを用いたスライド機構であって、リードスクリューと平行なガイドシャフトによって駆動対象物の平行移動をガイドする構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】中国特許出願公開第109257467号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ガイドシャフトを設ける場合、ガイドシャフトは、スライドナットに設けられたスライド孔に挿入される。このとき、ガイドシャフトとスライド孔との隙間が小さすぎると、摩擦抵抗が増加して駆動効率が悪化する。一方で、ガイドシャフトとスライド孔との隙間が大きすぎると、スライドナットに荷重が加わった際にアキシャル方向の傾きが生じ駆動効率が急激に悪化する。このため、従来はガイドシャフトとスライド孔の厳密な寸法管理が必要とされ、高コスト化を招く一因となっていた。
【0005】
本発明の一つの態様は、スライド機構の駆動効率を高めたギヤドモータの提供を目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一つの態様のギヤドモータは、モータ部と、前記モータ部の動力を伝達する伝達機構と、前記伝達機構に接続されるスライド機構と、を備える。前記スライド機構は、中心軸線を中心として回転するリードスクリューと、前記中心軸線と平行なガイド軸線を中心として延びるガイドシャフトと、前記リードスクリューに挿入されるナット孔および前記ガイドシャフトに挿入されるスライド孔が設けられるスライドナットと、を有する。前記スライド孔の内周面には、軸方向に延び周方向に並ぶ複数の凹溝と、前記凹溝同士の間に位置する接触面と、が設けられる。軸方向から見て、前記中心軸線と前記ガイド軸線とが通過する第1仮想線は、前記接触面を通過する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一つの態様によれば、スライド機構の駆動効率を高めたギヤドモータが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、一実施形態のギヤドモータ1の斜視図である。
【
図2】
図2は、一実施形態のギヤドモータの断面図である。
【
図3】
図3は、一実施形態のスライドナットの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るギヤドモータについて説明する。なお、本発明の範囲は、以下の実施の形態に限定されず、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。
【0010】
図面においては、適宜3次元直交座標系としてXYZ座標系を示す。以下の説明において特に断りのない限り、中心軸線J1に平行な方向(Z軸方向)を単に「軸方向」又は「上下方向」と呼び、+Z側を単に「軸方向一方側」又は「上側」と呼び、-Z側を単に「軸方向他方側」又は「下側」と呼ぶ。なお、本明細書における上下方向は、説明の便宜のために設定する方向であって、ギヤドモータの使用時の姿勢を限定するものではない。
【0011】
図1は、ギヤドモータ1の斜視図である。
図2は、ギヤドモータ1の断面図である。本実施形態のギヤドモータ1は、Y軸方向に沿う寸法が抑制された薄型の電子機器に搭載される。
【0012】
図2に示すように、ギヤドモータ1は、モータ部20と、遊星歯車機構(伝達機構)30と、スライド機構5と、フレーム10と、を有する。以下、ギヤドモータ1の各部について詳細に説明する。
<モータ部>
モータ部20は、中心軸線J1に沿って延びる。モータ部20は、全体として中心軸線J1を中心とする円柱状である。モータ部20は、軸方向に積層される複数(本実施形態では2つ)のモータ21と、モータシャフト22を有する。本実施形態において、モータ21は、ステッピングモータである。モータ21は、中心軸線J1周りに回転するロータと、ロータを中心軸線J1の径方向外側から囲むステータと、を有する。
【0013】
モータシャフト22は、中心軸線J1を中心として軸方向に延びる。モータシャフト22は、複数のモータ21の各ロータに固定される。これにより、モータシャフト22は、複数のモータ21によって中心軸線J1周りを回転する。モータ部20は、後述する遊星歯車機構30の第1太陽ギヤ33aを回転させる。
【0014】
<遊星歯車機構>
遊星歯車機構30は、モータ部20の直下に位置する。遊星歯車機構30は、モータシャフト22に接続される。遊星歯車機構30は、モータ部20から出力された動力を減速して、スライド機構5に伝達する。
【0015】
遊星歯車機構30は、ハウジング35と、第1太陽ギヤ(太陽ギヤ)33aと、3つの第1遊星ギヤ(遊星ギヤ)33bと、第1キャリア(キャリア)31と、3つの第2遊星ギヤ(遊星ギヤ)34bと、第2キャリア(キャリア)32と、を有する。
【0016】
ハウジング35は、フレーム10に固定される。すなわち、遊星歯車機構30は、ハウジング35においてフレーム10に支持される。ハウジング35は、中心軸線J1を中心として軸方向に延びる内歯ギヤ35aと、内歯ギヤ35aの下端に位置する底部35bと、を有する。内歯ギヤ35aは、第1遊星ギヤ33bおよび第2遊星ギヤ34bに噛み合う。また、底部35bの中央には、第2軸受部35dが固定される中央孔35cが設けられる。本実施形態において、第2軸受部35dとしては、滑り軸受が採用される。しかしながら、第2軸受部35dとして、ボールベアリング等の他の軸受を採用してもよい。
【0017】
第1太陽ギヤ33aは、モータシャフト22に固定され、モータシャフト22とともに中心軸線J1を中心として回転する。3つの第1遊星ギヤ33bは、中心軸線J1の周方向に等間隔に配置される。3つの第1遊星ギヤ33bは、第1太陽ギヤ33aに噛み合う。3つの第1遊星ギヤ33bは、第1太陽ギヤ33aの回転に伴い、中心軸線J1の周方向に公転回転する。第1遊星ギヤ33bの中央には、貫通孔33baが設けられる。
【0018】
第1キャリア31は、第1円盤部31bと、3本の第1サブシャフト31aと、第2太陽ギヤ(ギヤ、太陽ギヤ)31cと、を有する。第1円盤部31bは、中心軸線J1を中心として径方向に延びる。3本の第1サブシャフト31aは、第1円盤部31bから軸方向一方側に延びる。第2太陽ギヤ31cは、中心軸線J1を中心として第1円盤部31bから軸方向他方側に延びる。
【0019】
図2に示すように、3本の第1サブシャフト31aは、それぞれ第1遊星ギヤ33bの貫通孔33baに挿入される。第1サブシャフト31aは、第1遊星ギヤ33bを自転回転可能に支持する。第1キャリア31は、3つの第1遊星ギヤ33bの中心軸線J1を中心とする公転回転に伴い、中心軸線J1を中心として回転する。
【0020】
第2太陽ギヤ31cは、第1キャリア31の一部であるため、第1遊星ギヤ33bの公転回転に伴い、中心軸線J1を中心として回転する。
【0021】
3つの第2遊星ギヤ34bは、中心軸線J1の周方向に等間隔に配置される。3つの第2遊星ギヤ34bは、第2太陽ギヤ31cに噛み合う。3つの第2遊星ギヤ34bは、第2太陽ギヤ31cの回転に伴い、中心軸線J1の周方向に公転回転する。第2遊星ギヤ34bの中央には、貫通孔34baが設けられる。
【0022】
第2キャリア32は、第2円盤部32bと、3本の第2サブシャフト32aと、円柱部32cと、を有する。第2円盤部32bは、中心軸線J1を中心として径方向に延びる。3本の第2サブシャフト32aは、第2円盤部32bから軸方向一方側に延びる。円柱部32cは、中心軸線J1を中心として第2円盤部32bから軸方向他方側に延びる。
【0023】
図2に示すように、3本の第2サブシャフト32aは、それぞれ第2遊星ギヤ34bの貫通孔34baに挿入される。第2サブシャフト32aは、第2遊星ギヤ34bを自転回転可能に支持する。第2キャリア32は、3つの第2遊星ギヤ34bの中心軸線J1を中心とする公転回転に伴い、中心軸線J1を中心として回転する。
【0024】
円柱部32cは、中心軸線J1を中心とする円柱状である。円柱部32cは、ハウジング35の中央孔35cを貫通する。また、円柱部32cは、第2軸受部35dによって回転可能に支持される。円柱部32cの下面には、上下方向に延びる保持穴32dが設けられる。
【0025】
<スライド機構>
図2に示すように、スライド機構5は、軸方向に延びるリードスクリュー51およびガイドシャフト52と、リードスクリュー51およびガイドシャフト52に挿入されるスライドナット53とを有する。スライド機構5は、遊星歯車機構30に接続されて、遊星歯車機構30を介してモータ部20の動力を受け取る。スライド機構5は、スライドナット53において駆動対象物(図示略)に接続され駆動対象物に動力を伝える。
【0026】
リードスクリュー51は、中心軸線J1に沿って延びる。リードスクリュー51の外周面には、雄ネジが設けられる。リードスクリュー51は、遊星歯車機構30を介して伝わるモータ部20の動力によって中心軸線J1を中心として回転する。
【0027】
リードスクリュー51は、外周面に雄ネジが設けられたネジ部51cと、ネジ部51cの上側に位置する上端部51aと、ネジ部51cの下側に位置する下端部51bと、を有する。リードスクリュー51の下端部51bは、ベアリング59に支持される。
【0028】
リードスクリュー51の上端部51aは、第2キャリア32の円柱部32cに設けられた保持穴32dに挿入される。上端部51aには、回り止めのためのDカット面又はHカット面が設けられている。保持穴32dの穴形状は、上端部51aの外径と略同形状とされている。リードスクリュー51は、第2キャリア32に接続されることで、第2キャリア32と一体となって中心軸線J1周りを回転する。
【0029】
ガイドシャフト52は、中心軸線J1と平行なガイド軸線J2を中心として延びる。すなわち、ガイドシャフト52は、リードスクリュー51と平行に延びる。ガイドシャフト52は、リードスクリュー51に対して+X側に位置する。ガイドシャフト52の両端部は、それぞれフレーム10に固定される。
【0030】
スライドナット53には、リードスクリュー51が挿入されるナット孔53nと、ガイドシャフト52が挿入されるスライド孔53sと、が設けられる。ナット孔53nの内周面には、リードスクリュー51の雄ネジが嵌る雌ねじが設けられる。スライド孔53sの内周面は、ガイドシャフト52の外周面が接触する。
【0031】
また、スライドナット53は、ベース部53aと、ベース部53aの内部に埋め込まれる滑動部53bと、を有する。滑動部53bは、低摩擦材料から構成される。滑動部53bは、ナット孔53nおよびスライド孔53sの内周面を構成する。スライドナット53は、リードスクリュー51の中心軸線J1周りの回転に伴い、ガイドシャフト52にガイドされて軸方向に移動する。
【0032】
ベース部53aは、出力部53cを有する。出力部53cは、X-Z平面に沿う板状である。出力部53cには、板厚方向に貫通する一対の貫通孔53dが設けられる。出力部53cには、ギヤドモータ1が移動させる駆動対象物が固定される。
【0033】
図3は、スライドナット53の断面図である。
図3には、仮想線(二点鎖線)によって出力部53cに固定される駆動対象物9を図示する。また、
図3には、駆動対象物9の負荷中心軸線Cを図示する。
【0034】
本明細書において、負荷中心軸線Cとは、駆動対象物9の形状および重量バランスによって決まる所定の軸線である。負荷中心軸線Cは、当該軸線に沿って駆動対象物9に力を付与することで、駆動対象物9の姿勢を保ったまま駆動対象物9を駆動することができる軸線である。駆動対象物9を重力方向に逆らって駆動させる場合、負荷中心軸線Cは駆動対象物9の重心線に一致する。
【0035】
図3に示すように、スライド孔53sの内周面には、軸方向に延び周方向に並ぶ複数(本実施形態では6個)の凹溝56と、凹溝56同士の間に位置する接触面55と、が設けられる。複数の凹溝56の周方向長さLbは、互いに等しい。同様に、複数の接触面55の周方向長さLaは、互いに等しい。
【0036】
ガイドシャフト52の外周面は、接触面55においてスライド孔53sの内周面に接触する。また、ガイドシャフト52の外周面は、凹溝56と対向する領域でスライド孔53sの内周面に接触しない。本実施形態によれば、ガイドシャフト52とスライド孔53sの内周面との接触面積が低減されている。このため、スライドナット53のスライド移動に伴う摩擦抵抗を低減することができる。
【0037】
図3に示すように、軸方向から見て、中心軸線J1とガイド軸線J2とが通過する仮想線を第1仮想線VL1とし、ガイド軸線J2と駆動対象物9の負荷中心軸線Cとが通過する仮想線を第2仮想線VL2とする。
【0038】
本実施形態において、第1仮想線VL1は、凹溝56を通過せず、接触面55を通過する。スライドナット53は、ナット孔53nに挿入されたリードスクリュー51から力を受けて駆動される。したがって、スライドナット53の駆動力の中心点は、中心軸線J1上に位置する。リードスクリュー51が駆動すると、スライドナット53には、リードスクリュー51から第1仮想線VL1に沿って傾ける力が加わる。第1仮想線VL1が接触面55を通過することで、接触面55においてスライドナット53の傾きを低減しスライドナット53の駆動効率の低下を抑制できる。
【0039】
同様に、本実施形態において、第2仮想線VL2は、凹溝56を通過せず、接触面55を通過する。スライドナット53が駆動対象物9を駆動する際に、駆動対象物9から受ける反力の中心は、負荷中心軸線C上に位置する。スライドナット53が駆動対象物9から反力を受けると、スライドナット53には、駆動対象物9から第2仮想線VL2に沿って傾ける力が加わる。第2仮想線VL2が接触面55を通過することで、接触面55においてスライドナット53の傾きを低減しスライドナット53の駆動効率の低下を抑制できる。
【0040】
本実施形態において、複数の凹溝56は、周方向に沿って等間隔に配置される。また、凹溝56の数は、偶数である。第1仮想線VL1および第2仮想線VL2は、ともにスライド孔53sの中心を通過する。このため、第1仮想線VL1および第2仮想線VL2は、スライド孔53sの円周上の半周反対側の2点をそれぞれ通過する。凹溝56の数を偶数とすることで、2点のうち一方が接触面55を通過すれば他方も接触面55を通過することになるため、2点の通過点を接触面55に容易に合わせることができる。
【0041】
本実施形態において、軸方向から見て、中心軸線J1とガイド軸線J2と負荷中心軸線Cとが、この順で一方向に沿って並ぶ。スライドナット53には、中心軸線J1と負荷中心軸線Cとから、互いに反対側の力が加わる。このため、ガイド軸線J2を中心軸線J1と負荷中心軸線Cとの間に配置することで、スライドナット53の傾きが大きくなることを抑制できる。
【0042】
本実施形態において、接触面55の周方向長さLaは、凹溝56の周方向長さLbより長い。このような構成とすることで、ガイドシャフト52の外周面とスライド孔53sの内周面との接触面積を十分に確保して、スライドナット53の安定したスライド移動を実現できる。
【0043】
<フレーム>
フレーム10は、モータ部20、遊星歯車機構30およびスライド機構5を支持する。フレーム10は、第1支持部11と第2支持部12と連結部13と筒状ホルダ部14と固定部15とを有する。
【0044】
第1支持部11および第2支持部12は、ともに中心軸線J1と直交する平面に沿う板状である。第1支持部11と第2支持部12とは軸方向において互いに対向する。第2支持部12は、第1支持部11の上側に位置する。第1支持部11は、ベアリング59を介しリードスクリュー51の下端部51bを回転可能に支持する。また、第1支持部11は、ガイドシャフト52の下端部を支持する。第2支持部12は、ガイドシャフト52の上端部を支持する。連結部13は、軸方向沿って延び第1支持部11と第2支持部12とを接続する。
【0045】
筒状ホルダ部14は、中心軸線J1を中心として第2支持部12から上側に延びる円筒状である。筒状ホルダ部14は、遊星歯車機構30を径方向外側から囲み支持する。また、筒状ホルダ部14の上端部には、モータ部20が固定される。これにより、筒状ホルダ部14は、モータ部20を支持する。
【0046】
固定部15は、X-Z平面に沿って延びる板状である。それぞれの固定部15には、板厚方向に貫通する固定孔15pが設けられる。固定孔15pには、ギヤドモータ1を外部部材(図示略)に固定するための固定ネジが挿入される。
【0047】
以上に、本発明の実施形態および変形例を説明したが、実施形態における各構成およびそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換およびその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されることはない。
【符号の説明】
【0048】
1…ギヤドモータ、5…スライド機構、9…駆動対象物、20…モータ部、30…遊星歯車機構(伝達機構)、51…リードスクリュー、52…ガイドシャフト、53…スライドナット、53n…ナット孔、53s…スライド孔、55…接触面、56…凹溝、C…負荷中心軸線、J1…中心軸線、J2…ガイド軸線、La,Lb…周方向長さ、VL1…第1仮想線、VL2…第2仮想線