(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-27
(45)【発行日】2023-08-04
(54)【発明の名称】トンネルにおけるロックボルト端部定着装置及び状態判断方法
(51)【国際特許分類】
E21D 20/00 20060101AFI20230728BHJP
E21D 9/04 20060101ALI20230728BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20230728BHJP
G01L 5/00 20060101ALI20230728BHJP
【FI】
E21D20/00 W
E21D9/04 F
G06T7/00 350B
G06T7/00 610C
G01L5/00 103E
(21)【出願番号】P 2019208653
(22)【出願日】2019-11-19
【審査請求日】2022-08-18
(73)【特許権者】
【識別番号】591029921
【氏名又は名称】フジモリ産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085556
【氏名又は名称】渡辺 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100115211
【氏名又は名称】原田 三十義
(72)【発明者】
【氏名】平山 博靖
【審査官】彦田 克文
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-025367(JP,A)
【文献】特開2014-122499(JP,A)
【文献】特許第3669765(JP,B2)
【文献】特開2004-317510(JP,A)
【文献】実開昭63-158614(JP,U)
【文献】特開昭63-293313(JP,A)
【文献】特開2002-202213(JP,A)
【文献】米国特許第03948141(US,A)
【文献】AI活用ブログ ディープラーニングとは[Online],株式会社インキュビットのホームページ,2018年12月12日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E21D 20/00
E21D 9/04
G06T 7/00
G01L 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トンネルの周辺の地山に打ち込まれたロックボルトにおけるトンネル内へ突出された突出端部をトンネル壁面に定着させるロックボルト端部定着装置であって、
前記突出端部を通す挿通穴を有して前記トンネル壁面に当接される受圧板と、
前記突出端部に螺合されたナットと、
前記受圧板と前記ナットとの間に挟まれ、押圧力に応じて変色される樹脂又はゴムからなる変色性部材と、
を備えたことを特徴とするロックボルト端部定着装置。
【請求項2】
前記変色性部材が、変色を起こす押圧力の大きさが互いに異なる複数の変色材層を積層してなることを特徴とする請求項1に記載のロックボルト端部定着装置。
【請求項3】
前記変色性部材が、前記ナットの締付トルクが規定以上となるときの第1押圧力で変色する第1変色材層と、前記第1変色材層に積層され、前記第1押圧力より高い第2押圧力で変色する第2変色材層とを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のロックボルト端部定着装置。
【請求項4】
前記第1変色材層が相対的に薄く、前記第2変色材層が相対的に厚いことを特徴とする請求項3に記載のロックボルト端部定着装置。
【請求項5】
前記第2変色材層が、前記第1変色材層より前記ナットの側に配置されていることを特徴とする請求項3又は4に記載のロックボルト端部定着装置。
【請求項6】
トンネルの周辺の地山に打ち込まれたロックボルトにおけるトンネル内へ突出された突出端部をロックボルト端部定着装置によってトンネル壁面に定着させる際に、
前記ロックボルト端部定着装置における、前記突出端部を通す挿通穴を有して前記トンネル壁面に当接される受圧板と、前記突出端部に螺合されたナットとの間に、押圧力に応じて変色される樹脂又はゴムからなる変色性部材を挟み、
前記変色性部材の色によって前記ロックボルトの張力又は地山の状態を判断することを特徴とするトンネルの状態判断方法。
【請求項7】
変色性部材の画像を含む学習用画像データから前記変色の有無を機械学習システムに学習させて生成した学習済みモデルを用意し、
実際の施工中のトンネル壁面を撮影した実画像データを取得し、
前記学習済みモデルに前記実画像データを入力して前記実画像データ中の変色性部材の変色の有無を判定させることを特徴とする請求項6に記載の状態判断方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばNATM(New Austrian Tunneling Method)工法等によるトンネル施工において、ロックボルトの端部を定着させる装置等に関し、特にロックボルトに作用する張力や地山の状態に感応する機能が付与されたロックボルト端部定着装置及び該装置によって前記張力や地山の状態を判断する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のトンネル施工においては、二次覆工前のトンネル壁面から周辺の地山にロックボルトを打ち込んで地山を支持している。ロックボルトにおけるトンネル内への突出端部にはナットを螺合させて締め付けることで、ロックボルトに張力を加えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-199982号公報([0021]、
図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記ロックボルトに所要の張力が加えられているか否かは、例えば、ナットの螺合時の締め付けトルクをトルクゲージ等で測定することで管理される。しかし、締め付けトルクひいては張力の大きさがロックボルトの突出端部等に見える形で現れることはないために、トルクゲージの読み誤り等があっても確認するのは困難である。また、地山が崩れようとしている兆候をロックボルトの突出端部等を見て判断することは難しい。
本発明は、かかる事情に鑑み、トンネルの施工中、ロックボルトに加えられた張力や地山が崩れようとしている兆候などを視覚的に容易に把握できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するため、本発明装置は、
トンネルの周辺の地山に打ち込まれたロックボルトにおけるトンネル内へ突出された突出端部をトンネル壁面に定着させるロックボルト端部定着装置であって、
前記突出端部を通す挿通穴を有して前記トンネル壁面に当接される受圧板と、
前記突出端部に螺合されたナットと、
前記受圧板と前記ナットとの間に挟まれ、押圧力に応じて変色される樹脂又はゴムからなる変色性部材と、
を備えたことを特徴とする。
【0006】
前記変色性部材が、変色を起こす押圧力の大きさが互いに異なる複数の変色材層を積層してなることが好ましい。
前記変色性部材が、前記ナットの締付トルクが規定以上となるときの第1押圧力で変色する第1変色材層と、前記第1変色材層に積層され、前記第1押圧力より高い第2押圧力で変色する第2変色材層とを含むことが好ましい。
前記第1変色材層が相対的に薄く、前記第2変色材層が相対的に厚いことが好ましい。
前記第2変色材層が、前記第1変色材層より前記ナットの側に配置されていることが好ましい。
【0007】
本発明に係るトンネルの状態判断方法は、
トンネルの周辺の地山に打ち込まれたロックボルトにおけるトンネル内へ突出された突出端部をロックボルト端部定着装置によってトンネル壁面に定着させる際に、
前記ロックボルト端部定着装置における、前記突出端部を通す挿通穴を有して前記トンネル壁面に当接される受圧板と、前記突出端部に螺合されたナットとの間に、押圧力に応じて変色される樹脂又はゴムからなる変色性部材を挟み、
前記変色性部材の色によって前記ロックボルトの張力又は地山の状態を判断することを特徴とする。
【0008】
変色性部材の画像を含む学習用画像データから前記変色の有無を機械学習システムに学習させて生成した学習済みモデルを用意し、
実際の施工中のトンネル壁面を撮影した実画像データを取得し、
前記学習済みモデルに前記実画像データを入力して前記実画像データ中の変色性部材の変色の有無を判定させることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、トンネル施工中、ロックボルトに加えられた張力や地山が崩れようとしている兆候などを変色性部材の色から容易に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明の第1実施形態に係るロックボルト端部定着装置を、トンネルの周辺の地山に打ち込まれたロックボルトに設置された状態で示す断面図である。
【
図2】
図2は、本発明の第2実施形態に係るロックボルト端部定着装置を、トンネルの周辺の地山に打ち込まれたロックボルトに設置された状態で示す断面図である。
【
図3】
図3は、本発明の第3実施形態に係る状態判断システムの解説図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。
<第1実施形態(
図1)>
図1は、NATM工法によって施工中のトンネル1を示したものである。地山2が掘削されて、掘削面に吹付けコンクリート3が吹付けられている。該吹付けコンクリート3からなるトンネル壁面3aから周辺の地山2に多数(図においては1つだけ図示)のロックボルト4が打ち込まれている。
なお、図示は省略するが、ロックボルト4の設置後、トンネル壁面3a上に防水シートが張設され、更にそのトンネル内側に二次覆工が構築される。したがって、吹付けコンクリート3によってトンネル壁面3aが構成されている期間は一時的である。
【0012】
ロックボルト4の一端部4aが、トンネル壁面3aからトンネル1内へ突出されている。突出端部4aには、ロックボルト端部定着装置10が設けられている。定着装置10は、突出端部4aをトンネル壁面3aに定着させる機能を有する。更に、定着装置10には、ロックボルト4に作用する張力や地山2の状態に感応する状態感応機能が付与されている。
【0013】
詳しくは、ロックボルト端部定着装置10は、ナット12と、受圧板11と、変色性部材20とを含む。受圧板11は、例えば鋼板によって構成されている。該受圧板11がトンネル壁面3aに当接されている。受圧板11の中央部には挿通穴11cが形成されている。挿通穴11cにロックボルト4の突出端部4aが通されている。受圧板11より先端側の突出端部4aにナット12が螺合されている。ナット12の締め付けによって、突出端部4aがトンネル壁面3aに定着されるとともに、ロックボルト4に所要の張力が付与されている。
【0014】
受圧板11とナット12との間に変色性部材20が介在されている。変色性部材20は、環状に形成されており、その中心穴20cにロックボルト4の突出端部4aが通されている。変色性部材20は、押圧力に応じて変色される。
【0015】
例えば、変色性部材20は、樹脂又はゴムからなる母材と、該母材に埋設されたマイクロカプセルとを含む。マイクロカプセルに発色剤が充填されている。変色性部材20に一定の押圧力が加えられると、マイクロカプセルが破壊されて発色剤が母材と反応することで、変色性部材20が変色する。
押圧力によって変色性部材20を構成する有機分子の化学結合状態や分子間の相互作用や分子構造が変化することで、変色性部材20が変色するようになっていてもよい。
変色性部材20の変色が起きる押圧力(第1押圧力)は、ナット12の締付トルクが規定の大きさ(適正値)以上のときの押圧力になるように設定されている。規定の締め付けトルクにおいて、ロックボルト4に作用する張力が所要の大きさとなる。
図示は省略するが、ナット12と変色性部材20との間にワッシャが設けられていてもよい。
【0016】
ロックボルト端部定着装置10は、トンネル1の施工の際、次のように使用される。
地山2を掘削し、ロックボルト4をトンネル壁面3aから周辺の地山2に打ち込んだ後、ロックボルト4の突出端部4aに定着装置10を設置する。すなわち、突出端部4aの外周に受圧板11、変色性部材20、ナット12の順に嵌める。言い換えると、受圧板11とナット12との間に変色性部材20を挟む。
【0017】
そして、ナット12を締め込む。これによって、ロックボルト4に張力が作用するとともに、突出端部4aがトンネル壁面3aに定着される。同時に、変色性部材20が、受圧板11とナット12とによって強く挟み付けられて加圧される。このとき、トルクゲージなどで締め付けトルクを測定してもよい。
ナット12の締め付けトルクが規定の大きさ以上になったとき、変色性部材20が変色される。したがって、ナット12の締め付け中の作業者は、変色性部材20の色の変化を目視観察することによって、締め付けトルクが規定の大きさ以上となったことを容易に確認できる。ひいては、ロックボルト4に作用する張力が所要の大きさ以上となったことを容易に判断できる。トルクゲージなどで締め付けトルクを測定する場合、測定値の読み間違いがあっても簡単に確認できる。この結果、ナット12を過不足なく締め付けることができ、締め付け作業を容易化できる。
その後、作業状況の点検の際も、変色性部材20の色を目視観察することによって、ロックボルト4に所要の張力が作用しているか否かを容易に判断できる。要するに、ロックボルト端部定着装置10によれば、ロックボルト4に作用する張力を「見える化」できる。
【0018】
次に、本発明の他の実施形態を説明する。以下の実施形態において既述の形態と重複する構成に関しては図面に同一符号を付して説明を省略する。
<第2実施形態(
図2)>
図2に示すように、本発明の第2実施形態のロックボルト端部定着装置10Bにおいては、変色性部材20Bが、2つ(複数)の変色材層21,22を含んでいる。これら変色材層21,22がロックボルト4の軸方向に積層されている。第1変色材層21は相対的に薄肉であり、第2変色材層22は相対的に厚肉である。第2変色材層22が、第1変色材層21よりもナット12側に配置されている。
【0019】
これら変色材層21,22は、変色を起こす押圧力の大きさが互いに異なっている。
第1変色材層21は、ナット12の締付トルクが規定以上となるときの第1押圧力で変色する。第2変色材層22は、前記第1押圧力では変色せず、第1押圧力より高い第2押圧力で変色される。
【0020】
第2実施形態によれば、ロックボルト4を地山2に打ち込んだ後、端部4aにロックボルト端部定着装置10Bを設けて、ナット12を締め込んでいくと、規定締付トルク以上になったとき、変色性部材20Bに印加される押圧力が第1押圧力以上になり、第1変色材層21が変色される。これによって、ロックボルト4の張力が所要以上になったことを、作業者の目視観察によって容易に判断できる。前記作業者は、ロックボルト端部定着装置10Bの直ぐ近くでナット12の締め込み作業を行うため、第1変色材層21の厚みが小さくても、該第1変色材層21の変色を容易に目視観察できる。
このとき、変色性部材20Bへの印加押圧力は第2押圧力未満であるから、第2変色材層22は未だ変色されていない。作業者は、該第2変色材層22をも目視観察することで、締め付けトルクが過度ではないことを把握できる。
【0021】
ロックボルト4の設置工程後の点検時には、変色性部材20Bの第2変色材層22を目視観察する。
地山2が崩れようとしているときは、受圧板11が地山2からの力によって変形される。このため、変色性部材20Bへの印加押圧力が第2押圧力以上になり、第2変色材層22が変色される。該第2変色材層22の色の変化を目視観察することで、地山2が崩れようとする兆候を把握でき、事前に適切な対応を行なうことができる。要するに、ロックボルト端部定着装置10Bによれば、ロックボルト4の締め付けトルクによる張力状態に加えて、地山2の状態をも「見える化」できる。
第2変色材層22を厚肉に形成しておくことで、定着装置10Bから離れた場所からでも、第2変色材層22の色の変化を容易に確認できる。
第2変色材層22を第1変色材層21よりナット12側に配置しておくことで、定着装置10Bから離れた場所から第2変色材層22の色の変化を一層容易に確認できる。
【0022】
<第3実施形態(
図3)>
図3は、本発明の第3実施形態に係る状態判断システム5を示したものである。状態判断システム5は、第2実施形態と同様のロックボルト端部定着装置10Bと、カメラ機能6c(撮影手段)を有する携帯通信端末6と、機械学習システム30を含む。携帯通信端末6は、スマートフォンによって構成されているが、カメラ機能及び通信機能を有する携帯可能なコンピュータ(PC)であればノートパソコンであってもよい。携帯通信端末6に照明機能が付属されていてもよい。
【0023】
機械学習システム30は、AI(人工知能)コンピュータによって構成されている。携帯通信端末6と機械学習システム30とは、無線又は有線の通信回線7を介して相互通信可能である。機械学習システム30は、学習部31と、判定部32を含む。学習部31は、未変色又は変色した変色性部材の画像を含む学習用画像データから、変色性部材の変色の有無を判定する学習をして、学習済みモデル33を生成する。具体的には、例えば、多数のトンネル壁面の学習用画像データからロックボルト端部定着装置における変色性部材を抽出し、該変色性部材の特に第2変色材層が変色しているか否かを判定することを学習する。前記学習用画像データとして、ロックボルト端部定着装置と形状や色合いが似た石などが露出した地山の画像データを用い、石と本物のロックボルト端部定着装置とを区別することをも学習させてもよい。前記地山の画像データには、本物のロックボルト端部定着装置と石の両方が映っていてもよく、本物のロックボルト端部定着装置は写っておらず石だけが映っていてもよい。
学習の結果、判定部32には、確度の高い学習済みモデル33が格納されている。
【0024】
状態判断システム5によれば、次のようにして、地山2等の状態を判断できる。
ロックボルト4の設置工程後、現場点検者Aが、携帯通信端末6のカメラ機能6cによって、トンネル壁面3aを撮影する。これによって、施工中のトンネル壁面3aの実画像データ6dが取得される。好ましくは、実画像データ6dには1又は複数のロックボルト端部4aひいては変色性部材20Bを含むロックボルト端部定着装置10Bの画像が含まれている。トンネル壁面3aの各所をスキャンするように撮影することで、多数の画像データ6dを取得してもよい。
【0025】
実画像データ6dは、携帯通信端末6から機械学習システム30へ送信される。
機械学習システム30においては、受信した実画像データ6dを判定部32の学習済みモデル33に入力して、該実画像データ6d内の変色性部材20Bの変色の有無を判定する。特に第2変色材層22の変色を判定する。(なお、ロックボルト4の設置工程後であるために、第1変色材層21は変色済である。)
判定結果は、機械学習システム30から携帯通信端末6へ送信され、携帯通信端末6のディスプレイに表示される。判定結果を携帯通信端末6から音声出力してもよい。
【0026】
地山2が崩れようとしているときは、受圧板11が地山2からの力によって変形され、変色性部材20Bへの印加押圧力が第2押圧力以上になり、第2変色材層22が変色される。該第2変色材層22の変色が機械学習システム30によって判定されて、判定結果が携帯通信端末6から報知される。これによって、現場点検者Aは、地山2が崩れようとする兆候(地山の状態)を把握することができ、事前に適切な対応を行なうことができる。
【0027】
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の改変をなすことができる。
例えば、第2実施形態において、第1変色材層21がナット12側に配置され、第2変色材層22が受圧板11側に配置されていてもよい。変色材層21,22の厚みが同程度でもよい。変色性部材が、変色を起こす押圧力の大きさが互いに異なる変色材層を3つ以上含んでいてもよい。
第3実施形態(
図3)において、学習部31と判定部32が異なるコンピュータによって構成されていてもよい。状態判断システム5は、学習部31及び判定部32のうち少なくとも判定部32を有していればよい。学習部31は、外部コンピュータによって構成されていてもよい。携帯通信端末6が、学習済みモデル33をも有し、機械学習システム30の判定部32を兼ねていてもよい。
機械学習システム30による判断結果は、現場点検者Aの携帯通信端末6に送信されるだけでなく、地上の管理コンピュータにも送信されるようにしてもよい。
第3実施形態では、状態判断システム5によって、ロックボルト4の設置工程後の地山状態を判断していたが、ナット12の締め付けトルクひいてはロックボルト4の張力状態を状態判断システム5によって判断してもよい。機械学習システム30の学習部31によって、変色性部材20又は第1変色材層21の変色を判定する学習済みモデル33を生成し、該学習済みモデル33を判定部32に格納してもよい。
第3実施形態(
図3)において、第2実施形態と同様のロックボルト端部定着装置10Bを、第1実施形態と同様のロックボルト端部定着装置10に置換してもよい。
ロックボルトは鏡ボルトであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明は、例えばNATM工法によるトンネル施工に適用できる。
【符号の説明】
【0029】
A 現場点検者
1 トンネル
2 地山
3 吹付けコンクリート
3a トンネル壁面
4 ロックボルト
4a 突出端部
5 状態判断システム
6 携帯通信端末
6c カメラ機能(撮影手段)
6d 実画像データ
7 通信回線
10,10B ロックボルト端部定着装置
11 受圧板
11c 挿通穴
12 ナット
20,20B 変色性部材
20c 中心穴
21 第1変色材層
22 第2変色材層
30 機械学習システム
31 学習部
32 判定部