IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ローツェ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-ポッドオープナー 図1
  • 特許-ポッドオープナー 図2
  • 特許-ポッドオープナー 図3
  • 特許-ポッドオープナー 図4
  • 特許-ポッドオープナー 図5
  • 特許-ポッドオープナー 図6
  • 特許-ポッドオープナー 図7
  • 特許-ポッドオープナー 図8
  • 特許-ポッドオープナー 図9
  • 特許-ポッドオープナー 図10
  • 特許-ポッドオープナー 図11
  • 特許-ポッドオープナー 図12
  • 特許-ポッドオープナー 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-27
(45)【発行日】2023-08-04
(54)【発明の名称】ポッドオープナー
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20230728BHJP
   H01L 21/673 20060101ALI20230728BHJP
【FI】
H01L21/68 A
H01L21/68 T
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019548125
(86)(22)【出願日】2018-09-28
(86)【国際出願番号】 JP2018036321
(87)【国際公開番号】W WO2019073823
(87)【国際公開日】2019-04-18
【審査請求日】2021-09-13
(31)【優先権主張番号】P 2017197918
(32)【優先日】2017-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】591213232
【氏名又は名称】ローツェ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123674
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 亮
(72)【発明者】
【氏名】坂田 勝則
【審査官】杢 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-540556(JP,A)
【文献】特開2000-266796(JP,A)
【文献】国際公開第2013/021645(WO,A1)
【文献】特開2006-310709(JP,A)
【文献】特開2008-258188(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
H01L 21/673
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を支持して上下方向に積み重ねて配置されるカセットを収納する容器を所定の位置に載置して、前記カセットに支持される前記基板を搬送装置の基板保持部材によってアクセス可能な状態にするポッドオープナーであって、
前記積み重ねて配置される前記カセットを鉛直方向に昇降移動させる昇降機構と、
積み重ねて配置される前記カセットのうちの任意の第1のカセットが備える係合手段と係合して、前記第1のカセットを支持する第1のフック部材と、
前記第1のフック部材に変位可能に支持されており、前記第1のフック部材が前記第1のカセットを支持するときに、前記第1のカセットの直下に配置される第2のカセットが備える係合手段と係合して、前記第2のカセットを支持する第2のフック部材と、
先端部分に前記第1のフック部材が固定されており、前記第1のフック部材と前記第2のフック部材を、前記第1及び第2のカセットの前記係合手段に係合させるときに前記カセットの方向に前進移動させ、前記第1及び第2のカセットの前記係合手段から解放するときに前記第1及び第2のカセットから離れる方向に後退移動させる進退機構と、
前記第2のフック部材を上方へ付勢する付勢部材と、
前記カセットが配置される内部空間を所定の雰囲気に維持する雰囲気維持装置と、
を備え、
前記第2のフック部材は、前記第2のカセットを支持していないときには、前記付勢部材の付勢力によって上方に変位し、且つ、前記第2のカセットを支持しているときには、前記付勢部材の付勢力に抗して前記第2のカセットの重量により下方に変位して、前記第1のカセットとその直下の前記第2のカセットとの間に所定の間隔を形成することを特徴とするポッドオープナー。
【請求項2】
前記第2のフック部材が前記第2のカセットと係合していないときは、前記第1のフック部材の係合部と前記第2のフック部材の係合部との上下方向のピッチが、前記積み重ねて配置されるカセットの各係合手段の上下方向のピッチと略同一であることを特徴とする請求項1に記載のポッドオープナー。
【請求項3】
前記第2のフック部材を付勢する付勢部材は、ねじりバネであることを特徴とする請求項1もしくは請求項2に記載のポッドオープナー。
【請求項4】
前記第2のフック部材を付勢する付勢部材は、コイルバネであることを特徴とする請求項1もしくは請求項2に記載のポッドオープナー。
【請求項5】
前記第2のフック部材を付勢する付勢部材は、支点であるシャフトに関して、前記第2のフック部材が前記第2のカセットを支持する部分とは反対側に配置される錘であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のポッドオープナー。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のポッドオープナーと、
前記基板を搬送する真空搬送ロボットと、
前記真空搬送ロボットを内部空間に収容して前記内部空間を真空状態に維持する真空維持手段を備える真空搬送装置と、
前記基板に各種処理を施す処理装置と、
を備えることを特徴とする基板処理システム。
【請求項7】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のポッドオープナーと、
前記基板を搬送する大気搬送ロボットと、
前記大気搬送ロボットを内部空間に収容して、前記内部空間を不活性ガス雰囲気に維持する不活性ガス供給手段を備える大気搬送室と、
前記大気搬送室に固定されるロードポートと、
前記ポッドオープナーと前記大気搬送室とはゲートバルブを介して接続され、
さらに、前記ポッドオープナーは、その内部空間を真空状態に維持する真空維持手段と、不活性ガス維持手段を備える、
ことを特徴とする大気搬送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウエハ等の平板状基板の表面に微細な回路パターンを形成する各種製造工程間での基板の移送、及びこれら基板に対して回路パターン形成のための各種表面処理を施す処理装置内での基板の搬送に関するものである。特に、基板を収容する容器を開扉して、容器内部に積層状態で収容されている基板を、搬送ロボットがアクセス可能な状態にする容器開閉装置、及び容器開閉装置を備える基板処理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体ウエハや液晶パネル、有機ELパネルといった平板状の基板を各製造工程間で移送する場合には、基板は、収納容器内に所定の間隔をあけて形成される棚板に水平に支持された状態で移送される。特に、半導体ウエハはFOUP(Front Opening Unified Pod)と呼ばれる密閉可能な容器に収納されて移送されることが殆どである。FOUPに備えられる各棚板の上下方向のピッチはSEMI(Semiconductor Equipment and Materials International)規格によって規定されていて、直径300mmの半導体ウエハでは10mm、直径450mmの半導体ウエハでは12mmと規定されている。これは、ウエハ搬送ロボット等が備えるウエハ保持手段が半導体ウエハを搬送するために棚板に支持された半導体ウエハの間を進入することを考慮して規定された寸法である。
【0003】
近年、半導体の回路線幅の微細化が進行して、半導体ウエハ表面への塵埃の付着や、表面に形成された回路パターンに生成される不要な自然酸化膜が、製品の歩留まりを悪化させる原因として大きな問題となっている。そこで、FOUP内部に窒素などの不活性ガスを充填したり、容器内部を真空状態にしたりして、塵埃の付着や自然酸化膜の生成を抑制する対策がなされている。
【0004】
先行技術として特許文献1に示すような基板搬入装置がある。なお、段落[0004]および[0006]で各部の名称と共に付している数字は、特許文献1に付された各部の番号である。図1は従来の真空容器1と、この真空容器1を開扉して、搬送ロボットが基板を搬送可能な状態にする基板搬入装置2を示す図である。この従来の真空容器1は、底蓋11と、底蓋11の載置面に載置されるカセット7と、カセット7を被って底蓋11に係合されるカセット容器10とで構成される。カセット容器10は基板搬入装置2の所定の載置部25に載置され、底蓋11とカセット容器10との係合が解除された後、基板搬入装置2に備えられた昇降機構22によって基板8を収容しているカセット7をカセット室20の内部へと移動させる。そして、基板8は搬送手段によって処理装置へと搬送され、所定の処理が施される。その後、所定の処理が終了した基板8が搬送手段によってカセット7へと戻された後、カセット7と底蓋11が昇降機構によって上昇させられ、カセット容器10と底蓋11とが係合される。基板搬入装置2の容器載置面とカセット容器10の下面とは気密に接触していて、上記一連の動作を行ったことによりカセット室20内部の真空雰囲気が損なわれることはない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2004-140278号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この真空容器1と基板搬入装置2を使用することによって、基板8を大気雰囲気に曝すことなく各真空処理装置へと搬送することが可能になり、基板表面への不要な自然酸化膜の生成や塵埃の付着といったトラブルを減少させることが可能になった。しかしながら、このカセット7は、基板8を搬送する搬送ロボットのウエハ保持手段が挿入可能な上下ピッチを有するように構成されているため、カセット7の上下方向の寸法が高くなっている。その結果、カセット7を収容する真空容器1の容積が大きくなってしまい、所定の真空圧まで降圧させるのに長い時間が必要になる。また、容積が大きくなることにより真空容器1の表面積も大きくなってしまい、カセット7や底蓋11の厚みを厚くする必要があり、真空容器1の製造コストが高くなってしまうのである。さらに、真空容器1を大きくすることで、真空容器1の重量も重くなってしまうのである。現在では、真空容器1を工程間で移送するのは工場内に設置された工程間移送手段が行うが、真空容器1をこの工程間移送手段が運ぶことが可能な重量に抑えようとすると、多くの基板8を運ぶことが出来なくなってしまうのである。
【0007】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、基板を支持する基板カセットを上下方向に積み重ねた状態で収容する真空容器を開扉して、内部に収容された基板カセットを搬送ロボットがアクセス可能な状態に変位させることが可能なポッドオープナー、及び基板搬送システムを安価に提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を達成するために、本発明のポッドオープナーは、基板を支持して上下方向に積み重ねて配置されるカセットを収納する容器を所定の位置に載置して、前記カセットに支持される前記基板を搬送装置の基板保持部材によってアクセス可能な状態にするポッドオープナーであって、前記積み重ねて配置される前記カセットを鉛直方向に昇降移動させる昇降機構と、前記カセットが備える係合手段と係合して、前記カセットを支持する第1のフック部材と、前記第1のフック部材によって支持される前記カセットの直下に配置されるカセットが備える係合手段と係合して、前記直下に配置されるカセットを支持する第2のフック部材と、前記第1のフック部材と前記第2のフック部材とを前記カセットに対して前進及び後退移動させる進退機構と、前記第2のフック部材を上方へ付勢する付勢部材と、前記カセットが配置される内部空間を所定の雰囲気に維持する雰囲気維持装置と、を備え、前記第2のフック部材は前記第1のフック部材に対して変位可能であることを特徴としている。
【0009】
また、本発明のポッドオープナーは、前記第2のフック部材が前記カセットと係合していないときは、前記第1のフック部材の係合部と前記第2のフック部材の係合部との上下方向のピッチが、前記積み重ねて配置されるカセットの各係合手段の上下方向のピッチと略同一であることを特徴としている。
【0010】
上記構成とすることで、ポッドオープナーは、基板を支持する基板カセットを上下方向に積み重ねた状態で真空容器の内部に収容されていた基板カセットを、搬送ロボットがアクセス可能な状態に変位させることが出来るので、カセットを積み重ねた状態で真空容器に収容することが可能になり、真空容器の上下方向の寸法を可及的に小さくすることが出来る。さらに、所定のカセットのみを第1と第2のフック部材で支持して、基板保持部材がアクセスできるようにしているので、それ以外のカセットは積み重ねられた状態のままである。これにより、ポッドオープナーのカセットを収容する空間の容積を小さくすることが可能になるので、ポッドオープナーの寸法を小さくすることが出来る。さらに、昇降機構やその他の部材の寸法を小さくすることが可能になるので、製造コストを削減して安価に提供することが出来る。
【0011】
また、本発明のポッドオープナーが備える付勢部材は、ねじりバネやコイルバネといった弾性体で構成されることとしてもよい。上記構成とすることで、簡単な構造で安価にポッドオープナーを提供することが出来る。また、弾性体に代えて錘を備えることとしてもよい。錘を第2のフック部材を支点であるシャフトに関して、第2のフック部材が前記カセットを支持する部分とは反対側に配置することで、第2の支持部材にカセットの荷重が掛かっていないときには第2の支持部材を第1の支持部材に近付け、第2の支持部材にカセットの荷重が掛かったときには第2の支持部材を第1の支持部材から遠ざけて水平状態に維持させることが出来る。また、錘とねじりバネ、錘とコイルバネといった異なる種類の付勢部材を組み合わせて一つの第2の支持部材に備えることも可能である。
【0012】
また、本発明の基板処理システムは、ポッドオープナーと、前記基板を搬送する真空搬送ロボットと、前記真空搬送ロボットを内部空間に収容して、前記内部空間を真空状態に維持する真空維持手段を備える真空搬送装置と、前記基板に各種処理を施す処理装置とを備えることを特徴としている。
【0013】
さらに、本発明の大気搬送システムは、ポッドオープナーと、前記基板を搬送する大気搬送ロボットと、前記大気搬送ロボットを内部空間に収容して、前記内部空間を不活性ガス雰囲気に維持する不活性ガス供給手段を備える大気搬送室と、前記大気搬送室に固定されるロードポートと、前記ポッドオープナーと前記大気搬送室とはゲートバルブを介して接続され、さらに、前記ポッドオープナーは、その内部空間を真空状態に維持する真空維持手段と、不活性ガス維持手段を備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
上記構成によれば、小型で簡単な構造のポッドオープナーを安価に提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、従来の真空容器と基板搬入装置を示す図である。
図2図2は、本発明の一実施形態であるカセットを示す図である。
図3図3は、本発明の一実施形態であるカセットと収納容器を示す図である。
図4図4は、本発明の一実施形態である底板を上面から見た図である。
図5図5は、本発明の一実施形態であるポッドオープナーを備えるウエハ処理システムSを示す断面図である。
図6図6は、本実施形態のポッドオープナーを真空搬送ロボットが配置される側から見た断面図である。
図7図7は、本発明の一実施形態であるカセット支持機構の概要を示す図である。
図8図8は、本発明の一実施形態であるカセット支持機構がカセットと係合する位置まで移動した状態を示す断面図である。
図9図9は、本発明の一実施形態であるカセット支持機構がカセットとカセットを支持している状態を示す断面図である。
図10図10は、本発明の他の実施形態であるカセット支持機構の概要を示す図である。
図11図11は、本発明の他の実施形態であるカセット支持機構の概要を示す図である。
図12図12は、本発明の他の実施形態であるカセットを示す図である。
図13図13は、本発明の一実施形態である大気搬送システムを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。図2は基板を支持して上下方向に積み重ねて配置されるカセット3を示す図であり、図3は積み重ねられたカセット3と、このカセット3を収納して密閉する収納容器4を示す図である。また、図4は収納容器4の底板14を上面から見た図である。なお、本実施形態で使用される基板は半導体ウエハWであり、収納容器4は容器内部を真空状態に維持可能な真空ポッドである。以下、収納容器4を適宜「真空ポッド4」とも称する。
【0017】
本実施形態のカセット3はウエハWを載置する部材であり、円筒状の部材の一部が切り取られた略Cの字状に形成されていて、この切り取られた領域5は、後述する真空搬送ロボット6の基板保持部材であるフィンガ9が通過可能な間隔を有してしる。また、カセット3の内周面にはウエハWを支持するための支持プレート12が、領域5の中央部とカセット3の中心を通り水平方向に延在する中心線C1に関して左右対称の位置となるように配置されている。また、カセット3の下端部には、下方にいくにしたがって外側の側面から内側の側面に向かって直径が小さくなるように勾配(テーパー)3pが形成されている。また、カセット3の上端部には、下方にいくにしたがって外側の側面から内側の側面に向かって直径が小さくなるように勾配(テーパー)3sが形成されている。これにより、複数のカセット3を積み重ねた際に、それぞれのカセット3の上部テーパー3sと下部テーパー3pとが嵌合して、互いに所定の位置に位置決めされる。
【0018】
本実施形態のカセット3は、内部に直径300mmのウエハWを収容可能な大きさを有していて、上下方向の高さ寸法は4mmに形成されている。半導体製造装置に関する国際規格であるSEMI規格によると、ウエハWを収納するFOUP(Front Opening Unified Pod)のウエハ収納ピッチは10mmと規定されている。よって、本実施形態のカセット3を使用することで、FOUPを使用する場合に比べて約60%の容積が削減される。また、支持プレート12のウエハ載置面にはウエハWの形状と合致する窪みが形成されていて、ウエハWは支持プレート12の所定の位置に載置される構造を有している。
【0019】
本実施形態のカセット3の外周面には後述するポッドオープナー30の第1と第2のフック部材41、42と係合する係合部材13が、中心線C1に関して左右対称に配置されている。なお、本実施形態では、カセット3の外周面から突出するように係合部材13を左右に各1個設ける形態としている。これ以外にも、係合部材13aをカセット3´の左右に各2個設ける形態としてもよい。図12(a)を参照。さらに、係合部材13、13aに代えて、各フック部材41、42と係合する係合手段として、係合孔13sをカセット3´´の外周に穿設する形態としてもよい。図12(b)を参照。また、本実施形態のカセット3は、PEEK材(ポリエーテルエーテルケトン)やポリカーボネートといった樹脂材料で成形されているが、本発明はこれに限定されることはなく、例えば、アルミニウムやステンレススチールといった金属製とすることも可能である。
【0020】
次に、カセット3を収納する収納容器4について説明する。本実施形態の収納容器4は内部を真空状態に維持することが可能な構造を有する真空ポッド4であり、10個のカセット3を上下方向に積み重ねた状態で収納することが出来る容積を有している。本実施形態の真空ポッド4は、カセット3を所定の位置に載置する底板14と、底板14に載置された10段のカセット3を覆って底板14と気密に嵌合するケーシング15とで構成されている。
【0021】
ケーシング15は略円筒状に形成されていて、下端部には底板14と気密に嵌合可能な開口部が形成されている。また、ケーシング15の上部はドーム状の蓋部材15aによって気密に閉じられている。開口部は水平に配置されたカセット3が通過可能な直径を有していて、この開口部周縁には径方向に突出する鍔部16が形成されている。この鍔部16には底板14の係合プレート19と係合するための係合孔16aが所定の間隔を空けて穿設されている。また、蓋部材15aには、トップフランジ17が上方に突出するように形成されている。トップフランジ17は、クリーンルーム内の搬送設備であるOHT(Over Head Transport)の天井走行車が備える把持手段に対応する形状を有していて、真空ポッド4は、天井走行車によってこのトップフランジ17を把持された状態で、クリーンルーム内の所定の場所まで移送される。また、ケーシング15のポッドステージ18に対向する面には、ポッドステージ18の表面と接触して真空ポッド4内部の雰囲気と外部雰囲気とを気密に閉塞するためのリング状のシール部材32が固定されている。
【0022】
なお、本実施形態のケーシング15は、軽量化のために透明なポリカーボネートで製造されているが、それ以外にもアルミニウムやステンレススチール、チタンといった金属材料やガラスなどで製造することも可能である。また、金属材料で製造される場合、内部の様子を目視するための窓を設け、この窓を閉鎖するための部材に透明な樹脂材料やガラス材料を用いることも出来る。
【0023】
真空ポッド4の底板14は略円柱状の箱状の部材であり、上面にはカセット3を所定の位置に案内するための位置決め溝14aが形成され、周縁部には底板14とケーシング15との隙間を気密に閉塞するリング状のシール部材14bが固定されている。位置決め溝14aは断面形状が略V字状の溝であり、カセット3の下面に形成されているテーパー部に対応する形状を有している。なお、底板14上面のカセット3が載置される領域は周囲よりも上方に隆起した形状を有している。これは、後述するカセット支持機構40が最下段のカセット3と係合する際に、底板14とカセット支持機構40とが干渉するのを避けるためである。また、底板14の内部にはケーシング15と係合するための係合機構が備えられている。本実施形態の底板14が備える係合機構は、ケーシング15の鍔部16に穿設されている係合孔16aに対して出没可能に配置される係合プレート19と、この係合プレート19を出没動作させるロック部材20とで構成される。ロック部材20は、ポッドステージ18のステージドア29と対向する面に長方形のキー溝20aが形成されていて、このキー溝20aに、後述するステージドア29に備えられたキー部材18aが挿入されて、キー部材18aが所定の方向に回転することでロック部材20も回転して、その回転動作に連動して係合プレート19が係合孔16aに対して出没することにより、係合状態と解除状態とを切換えることが出来る構造となっている。また、キー部材18aを所定の方向に回転させることでケーシング15と底板14との係合を解除すると同時に底板14とステージドア29とを係合状態にする。さらに、キー部材18aを反対の方向に回転させることで底板14とステージドア29との係合を解除すると同時にケーシング15と底板14とを係合状態にする。
【0024】
本実施形態の底板14は、透明なポリカーボネートで製造されているが、それ以外にも、例えば、アルミニウムやステンレススチール、チタンといった金属材料やガラスなどで製造することも可能である。また、底板14の外周を囲う部材を金属材料で製造し、内部に配置される係合機構をポリカーボネートやPEEK材といった樹脂材料で製造することも可能である。さらに、本実施形態の底板14には、真空ポッド4の内部に残留する気体を吸引して所定の真空圧にするための逆止弁を備えることとしてもよい。逆止弁を備えることで、搬送途中等に真空ポッド4内部の内圧が所定の真空圧よりも上昇した場合、ポンプ等により真空ポッド4内部雰囲気を吸引して所定の真空圧に戻すことが出来る。また、真空に維持された真空ポッド4内部の圧力を大気圧付近に戻すためのリリーフ弁を備えることとしてもよい。リリーフ弁を設けることで、真空ポッド4を開ける必要が発生した場合、ポッドオープナー30を使用することなく手動で真空ポッド4を開けることが出来る。
【0025】
次に、上記説明した真空ポッド4を開扉して、内部に収納されるカセット3を真空搬送ロボット6がアクセス可能な状態にするポッドオープナー30について説明する。図5は本発明の一実施形態であるポッドオープナー30を備えるウエハ処理システムSを示す断面図であり、図6は本実施形態のポッドオープナー30を真空搬送ロボット6が配置される側から見た断面図である。なお、図5において、図が煩雑になるのを避けるため、本来存在するカセット支持機構40は省略している。本実施形態のウエハ処理システムSは、真空雰囲気内でウエハの表面にCVDやエッチングといった各種処理を施す処理装置23と、真空雰囲気内でカセット3にアクセスして、カセット3と処理装置23との間で搬送する真空搬送ロボット6と、真空搬送ロボット6が収容され、真空雰囲気に維持可能な空間を形成する真空搬送室24と、真空ポッド4を開閉して内部に収容されたカセット3を真空搬送ロボット6が搬送可能な状態にするポッドオープナー30とで構成されている。ここで、アクセスとは、真空搬送ロボット6がカセット3上に載置されているウエハWをフィンガ9で保持して処理装置23へと搬出すること、及び真空搬送ロボット6が処理装置23から搬送してきたウエハWを空のカセット3上の所定の位置に受け渡すことを意味する。
【0026】
処理装置23と真空搬送室24とポッドオープナー30は、それぞれが備える真空雰囲気維持装置によって内部空間を真空雰囲気に維持される。また、処理装置23と真空搬送室24とはゲートバルブ27を介して接続される。ゲートバルブ27は処理装置23と真空搬送室24の内部雰囲気を開放状態と閉鎖状態に切替可能な部材であり、このゲートバルブ27を閉鎖状態とすることで処理装置23内部に供給されるガスが真空搬送室24やポッドオープナー30の内部空間に侵入することを防止している。また、ゲートバルブ27が開放状態、すなわち処理装置23と真空搬送室24との間の内部が連通状態にあるとき、真空搬送ロボット6は処理装置23に対してウエハWを搬送することが可能になる。なお、本実施形態のウエハ処理システムSが備える真空搬送ロボット6は、ウエハWを下方から保持するフィンガ9と、先端にフィンガ9を備え、屈伸動作を行うことでフィンガ9を進退移動させるアーム体と、このアーム体を支持して水平面内で旋回移動させる旋回部と、旋回部を昇降移動させる昇降部と、これらの機構をそれぞれ個別に駆動する駆動源とで構成される公知のものである。また、本実施形態のウエハ処理システムSには、カセット3にウエハWが載置されているか否かを判別する透過光式センサが備えられている。透過光式センサは投光器から照射される光軸Dを受光器が検知するとカセット3上にウエハWが存在しないと判断し、光軸DがウエハWに遮られて受光器が光軸Dを検知しない場合は、カセット3上にウエハWが存在すると判断する。これにより、カセット3上のウエハWの存否を検出することが可能になり、真空搬送ロボット6の誤動作を防止することができる。
【0027】
本発明の一実施形態であるポッドオープナー30は略箱状に形成されていて、ポッドオープナー30の内部空間は真空搬送室24の内部空間と連通している。本実施形態のポッドオープナー30には、真空雰囲気維持装置として真空ポンプ26aと制御弁26bとが備えられていて、真空ポンプ26aと制御弁26bとは配管26cを介してポッドオープナー30の内部空間と接続されている。また、ポッドオープナー30内部の真空圧力を測定する圧力センサ26dが配管26cを介してポッドオープナー30内部と接続されている。さらに、本実施形態のポッドオープナー30の上面には真空ポッド4を載置するポッドステージ18が設けられていて、円形の開口28が形成されている。この開口28は円盤状のステージドア29によって内部から気密に閉鎖可能になっている。上記構成により、ポッドオープナー30の内部空間と真空搬送室24の内部空間とは、所定の真空圧雰囲気に維持されることが出来る。なお、本実施形態のポッドオープナー30は、内部空間を真空状態に維持する真空雰囲気維持装置を備える構成としているが、本発明はこれに限定されることはなく、内部空間を窒素ガスやアルゴンガスといった不活性ガス雰囲気に維持する不活性ガス雰囲気維持装置を備えることとしてもよく、それ以外の所定の雰囲気に維持する構成としてもよい。
【0028】
ポッドオープナー30上面のポッドステージ18には、載置される真空ポッド4を所定の位置に案内する位置決め部材31が開口28の周縁に所定の間隔を空けて配置されている。また、ポッドステージ18に真空ポッド4を載置した際には、真空ポッド4のケーシング15底部に固定されたシール部材32とポッドステージ18上面とが気密に接触することで、ポッドオープナー30の内部は真空状態が維持される。なお、本実施形態のポッドオープナー30には、載置した真空ポッド4を固定するために、真空ポッド4をポッドステージ18の載置面に固定する固定部材を備えてもよい。
【0029】
開口28はケーシング15から分離された底板14とカセット3の通過孔であり、底板14の直径よりも大きく、ケーシング15の底面の直径よりも小さい直径を有している。この開口28は円盤状のステージドア29によってポッドオープナー30の内部空間から気密に閉鎖される。ステージドア29の開口28周縁と接触する面には、開口28を気密に閉鎖するためのリング状のシール部材33が固定されている。
【0030】
ステージドア29はポッドオープナー30が備える昇降機構34によってポッドオープナー30の内部空間を鉛直方向に昇降移動させられる。昇降機構34は、駆動源であるステッピングモータ35と、ステッピングモータ35の出力軸の回転動作をステージドア29の鉛直方向の昇降移動に変換する案内手段36を備えており、ステッピングモータ35の回転動作が不図示のプーリと歯付きベルトを介して案内手段36を構成する送りネジへと伝達され、送りネジが備える移動子と移動子に固定されている昇降シャフト37を昇降移動させる。また、案内手段36が備える不図示のガイドレールがこの昇降シャフト37を鉛直な移動方向に案内する。昇降シャフト37はポッドオープナー30の底面に形成された開口38を貫通して配置されていて、昇降シャフト37の上面にはステージドア29が固定されている。上記構成により、ステッピングモータ35の作動により、ステージドア29は所定の位置まで昇降移動することが出来る。
【0031】
ステージドア29には、略T字状のキー部材18aが備えられている。このキー部材18aが底板14に配置されたロック部材20のキー溝20aに係合して所定の方向に回転することで、ケーシング15と底板14との係合状態と解除状態とを切換えることが出来る。本実施形態のポッドオープナー30では、キー部材18aを回転動作させる駆動源としてステッピングモータが使用されていて、このステッピングモータは昇降シャフト37の内部に収容されている。昇降機構34のステッピングモータ35とこの係合機構のステッピングモータとは、ポッドオープナー30が備える不図示の制御部と電気的に接続されていて、作動はこの制御部により制御されている。
【0032】
また、ポッドオープナー30内部の底面には真空雰囲気に対応するベローズ39の下端が気密に取り付けられている。ベローズ39の上端はステージドア29の下面に気密に取り付けられていて、これにより、ポッドオープナー30の内部空間が真空状態に維持された状態でもステージドア29はポッドオープナー30の内部で昇降移動することができる。
【0033】
次に、本発明の一実施形態であるポッドオープナー30が備えるカセット支持機構40について説明する。図7(a)~(d)は本発明の一実施形態であるカセット支持機構40の概要を示す図である。以下の説明においては、カセット3、3´、3´´が特定の位置関係にある状態を示すときには、それぞれのカセット3a、3b、3cと称する。本実施形態のカセット支持機構40は、積み重ねられた状態で下降して来るカセット3のうち、所定のカセット3aの係合部材13aと係合してカセット3aを支持する第1のフック部材41と、第1のフック部材41に対して変位可能に設けられ、第1のフック部材41によって支持される第2のフック部材42と、この第1のフック部材41と第2のフック部材42とを支持し、且つ、カセット3に対して進退移動させる進退機構43とで構成されている。
【0034】
本実施形態のフック部材41、42は、それぞれ略L字状の形状をしていて、水平方向に延在する係合部41a、42aが所定のカセット3の係合部材13と係合することで、カセット3を落下させることなく鉛直方向に支持する。各係合部41a、42aの上下方向の寸法は、積み重ねて配置される各カセット3の係合部材13の上下方向のピッチよりも小さく構成されている。なお、カセット3は上下に積み重ねて配置されていることから、係合するカセット3とそのカセット3の上に配置される全てのカセット3を支持する第1のフック部材41の方が大きな荷重を支持する必要があるので、第1のフック部材41の方が第2のフック部材42よりも高い剛性を有するように構成されている。また、第1のフック部材41は進退機構43の先端部分に固定されていて、第2のフック部材42は第1のフック部材41に対して変位可能に、第1のフック部材41に支承されている。さらに、本実施形態の第1のフック部材41と第2のフック部材42の鉛直方向に延在するコラム部41b、42bには、それぞれ水平方向の孔44が形成されていて、この水平方向の孔44にシャフト45が挿通されることで、第2のフック部材42はシャフト45を支点にして揺動移動することで、第1のフック部材41に対する位置を変えることが出来る。
【0035】
また本実施形態の第1のフック部材41と第2のフック部材42には弾性体であるねじりバネ46が掛け渡されている。このねじりバネ46は、第2のフック部材42を、シャフト45を支点にして図面上で時計回りの方向に付勢している。ねじりバネ46に付勢された第2のフック部材42は、シャフト45を支点にして第1のフック部材41に向かって接近する方向に回動するが、第1のフック部材41の係合部41aの下部に設けられたストッパ50に当接することで、第2のフック部材42の時計回りの(上向きの)回動は規制される。第2のフック部材42がストッパ50に当接しているときの、第1のフック部材41の係合部41aの先端部と第2のフック部材42の係合部42aの先端部との上下方向のピッチは、積み重ねて配置されるカセット3の係合部材13の上下方向のピッチと略同一になる。これにより、第1のフック部材41と第2のフック部材42とは、各係合部材13の間に進入することが可能になる。すなわち、積み重ねて配置されるカセット3に対して、第1のフック部材41は、所定のカセット3aと直下に配置されるカセット3bとの間に、第2のフック部材42は、カセット3bと直下に配置されるカセット3cとの間に、それぞれ進入することが可能になる。
【0036】
また、第1のフック部材41のコラム部41bにはストッパ47が形成されている。これは、第2のフック部材42の係合部42aにカセット3の荷重がかかった際に、第2のフック部材42のシャフト45を支点にした図面視して反時計回りの(下向きの)回動を規制するためのものである。ストッパ47に当接する際の第2のフック部材42の位置は、カセット3bと係合する係合部42aの上面が水平となる位置であり、これにより、第2のフック部材42は、第1のフック部材41が支持するカセット3aに対して所定の間隔Aを空けて、カセット3bを係合部42aで支持することが出来る。図7(b)を参照。
【0037】
また、本実施形態に使用されるねじりバネ46は、第2のフック部材42に何も荷重がかかっていない場合は、第2のフック部材42を第1のフック部材41に向かって時計回りに回動させるのに十分な付勢力を有するように設定されている。また、ねじりバネ46の付勢力は、第2のフック部材42にカセット3の荷重がかかった場合には、第2のフック部材42にかかる荷重を支えることが出来ない程度に設定されている。ねじりバネ46に設定されるこの付勢力により、第2のフック部材42は、係合部42aに荷重が掛かっていないときには、係合部42aを第1のフック部材41の係合部41aに近付けた姿勢を維持できる。
【0038】
積み重ねられたカセット3のうちの所定のカセット3aを第1のフック部材41で支持し、第1のフック部材41によって支持されるカセット3aの真下のカセット3bを第2のフック部材42で支持することによって、カセット3aとカセット3bとの間に、真空搬送ロボット6のフィンガ9が通過可能な隙間Aが形成される。また、昇降機構34を下降動作させて第2のフック部材42によって支持されるカセット3bよりも下に配置されるカセット3を下方に移動させることで、カセット3bとこのカセット3bの直下に配置されるカセット3cとの間に、真空搬送ロボット6のフィンガ9が通過可能な隙間Bが形成される。これによって、真空搬送ロボット6がフィンガ9で保持しているウエハWをカセット3bに載置したり、カセット3bに載置されているウエハWを持ち上げて処理装置23まで搬送したりといったカセット3bへのアクセスが可能になる。
【0039】
次に、第1のフック部材41と第2のフック部材42とをカセット3に対して進退移動させる進退機構43について図6を参照して説明する。本実施形態の進退機構43は、フック部材41、42を進退移動させる駆動源として公知のエアシリンダを使用している。エアシリンダ(進退機構43)は、不図示の供給源からチューブを介して送られてくる空気の供給を制御することで、ピストンロッド48をカセット3に対して進退移動させる。ピストンロッド48の先端には第1のフック部材41のコラム部41bが固定されており、これにより、エアシリンダの作動によって、第1のフック部材41と第2のフック部材42とは、カセット3に対して進退移動することができる。なお、駆動源としてはエアシリンダに限定されることはなく、例えば油圧シリンダや公知のステッピングモータやアクチュエータを使用することも十分可能である。また、エアシリンダの作動は不図示の制御部により制御される。
【0040】
ピストンロッド48の先端部には真空圧対応のベローズ49の一端が気密に固定されている。また、ベローズ49の他端はポッドオープナー30の内側の壁に気密に固定されている。これにより、エアシリンダとピストンロッド48はポッドオープナー30の内部雰囲気とは隔離されることとなり、ポッドオープナー30内部の真空雰囲気は維持される。さらに、ピストンロッド48の進退移動により発生する塵埃がポッドオープナー30の内部空間に飛散してウエハWに悪影響を及ぼすことを防止できる。また、本実施形態のポッドオープナー30はカセット支持機構40を4個備えている。これにより、カセット3の中心線C1に関して対称の位置に配置される係合部材13に対してそれぞれ2個のカセット支持機構40が係合することでカセット3を鉛直方向に支持することが出来る。なお、本発明はこれに限定されることはなく、例えばカセット支持機構40を左右に1個ずつ配置することとしてもよいし、カセット支持機構40を複数個配置することとしてもよい。
【0041】
次に、本発明の一実施形態であるポッドオープナー30の動作について詳しく説明する。OHTにより移送された真空ポッド4は、ポッド位置決め部材によってポッドステージ18の所定の位置に案内されて載置される。図6を参照。次に、ステージドア29のキー部材18aが所定の回転動作することによって、ケーシング15と底板14の係合が解除されると同時に底板14とステージドア29とが係合される。次に、昇降機構34のステッピングモータ35が作動して、ステージドア29を下降移動させる。このステージドア29の下降移動により、ステージドア29と係合する底板14と、底板14上に載置されるカセット3も一体的に下降を開始する。また、このステージドア29の下降移動により開口28は開放状態となり、ポッドオープナー30の内部雰囲気と真空ポッド4の内部雰囲気とが連通状態となる。この時、ポッドオープナー30の開口28は真空ポッド4のケーシング15によって気密に閉鎖されているので、ポッドオープナー30の内部に外部からの空気が侵入することは無い。
【0042】
ステージドア29が所定の位置まで下降移動するとステッピングモータ35は一旦作動を停止する。なお、本説明では、目的のウエハWは、10段に積み重ねられているカセット3のうち、下から9段目のカセット3bにのみ収納されているものとしていて、所定の位置とは、第1のフック部材41が最上段の10段目のカセット3aを支持可能であり、第2のフック部材42が下から9段目のカセット3bを支持可能な位置のことである。ステッピングモータ35が一旦停止すると、制御部は進退機構43(エアシリンダ)を作動させて、ピストンロッド48と第1と第2のフック部材41、42とを、水平方向に前進移動させる。この時、第1と第2のフック部材41、42の支持面は、カセット3a、3bの各係合部材13a、13bの真下の位置まで移動する。図8を参照。エアシリンダの作動が完了すると、制御部は、再びステッピングモータ35を作動させてステージドア29を下降移動させる。
【0043】
このステージドア29の下降移動によって、カセット3aの係合部材13aが第1のフック部材41に接触することで、カセット3aは第1のフック部材41によって鉛直方向に支持される。さらに、ステージドア29がなおも下降移動を続けると、カセット3aの直下に位置するカセット3bの係合部材13bが第2のフック部材42に接触する。第2のフック部材42に備えられているねじりバネ46はカセット3bの重量を支える付勢力を有していないので、第2のフック部材42は、カセット3bの下降移動にしたがってシャフト45を支点として下向きの回動を継続する。その後、第2のフック部材42のカセット支持面が略水平となる位置まで回動すると、第2のフック部材42はストッパ47に当接することで下向きの回転動作を規制される。これにより、第2のフック部材42は、コラム部42bが略水平となる姿勢で停止する。上記動作により、カセット3aとカセット3bとの間にフィンガ9が通過可能な隙間Aが形成される。
【0044】
第2のフック部材42の回転動作が停止してもステッピングモータ35は動作を停止することなく、予め教示された所定の位置までステージドア29を下降移動させ、所定の位置に到達したところで下降動作を停止する。図9を参照。上記動作により、カセット3bとその直下のカセット3cとの間に、真空搬送ロボット6のフィンガ9が通過可能な隙間Bが形成される。ここで、真空搬送ロボット6は、隙間Bを介してフィンガ9をカセット3bとカセット3cの間に挿入させ、フィンガ9をカセット3bに支持されるウエハWの真下まで移動させた後、第1のフック部材41によって支持されるカセット3aとカセット3bとの間の隙間Aまで上昇移動させてウエハWを保持したのち、カセット3aとカセット3bとの間に形成される隙間Aを介してウエハWを処理装置23へと搬送する。また、処理装置23からウエハWをカセット3bに受け渡す場合には、真空搬送ロボット6はフィンガ9を、隙間Aを通してウエハWをカセット3bの真上まで移動させた後、フィンガ9を隙間Bまで下降移動させることでウエハWをカセット3b上に受け渡すことができる。ウエハWをカセット3bに受け渡したら、真空搬送ロボット6はフィンガ9を、隙間Bを通って元の位置まで移動させる。
【0045】
上記のように、本発明のポッドオープナー30は、積み重ねて配置されるカセット3のうち真空搬送ロボット6がアクセスしようとするカセット3bを第2のフック部材42で支持して、その真上のカセット3aを第1のフック部材41で支持することで、簡単な構造により真空搬送ロボット6のフィンガ9が通過可能な隙間Aを形成する構成となっている。この動作は、積み重ねられて配置されるカセット3のそれぞれの位置情報を制御部に教示することで、いずれの段に配置されるカセット3にも適用できる。
【0046】
次に、ウエハWを処理装置23からカセット3bへ搬送して真空ポッド4に収納するまでの動作を説明する。真空搬送ロボット6によるカセット3へのアクセスが終了し、フィンガ9が所定の位置まで移動したら、制御部は昇降機構34のステッピングモータ35を作動させてステージドア29を上昇移動させる。ステージドア29が上昇移動することで底板14と底板14上に積み重ねられているカセット3も上昇移動して、カセット3cの上面と第2のフック部材42に支持されるカセット3bの下面とが接触する。カセット3cの上面とカセット3bの下面とはテーパー状の断面に形成されているので、カセット3cとカセット3bとはカセット3cが上昇するに従って所定の相対位置に位置決めされる。
【0047】
カセット3cとカセット3bが当接した後もステッピングモータ35は作動を継続して、カセット3bの上面と第1のフック部材41に支持されるカセット3aの下面とが接触する。ステージドア29がその後も上昇移動を続けることで、フック部材41、42がカセット3a、3bの係合部材13a、13bの支持面と接触しない位置まで上昇する。この位置まで上昇することで、全てのカセット3がステージドア29によって支持される状態となり、ここでステッピングモータ35は作動を一旦停止する。次に、第1のフック部材41と第2のフック部材42がカセット3と底板14とステージドア29の上昇移動を干渉することを避けるために、進退機構43が第1のフック部材41と第2のフック部材42をカセット3から後退移動させる。この後退移動が終了すると、ステッピングモータ35は作動を再開して、カセット3と底板14とステージドア29を上昇移動させる。ステッピングモータ35の作動は、底板14とケーシング15とが嵌合し、且つ、ステージドア29と開口28とが嵌合するまで続けられる。これらの部材が嵌合してそれぞれが気密に閉鎖される位置まで到達したところで、制御部はステッピングモータ35の作動を停止させる。この上昇移動により、ケーシング15の内部空間は底板14により気密に閉鎖され、ポッドオープナー30の内部空間はステージドア29により気密に閉鎖される。
【0048】
次に制御部は、キー部材18aを水平方向に回転移動させて係合プレート19をケーシング15に向かって突出させる。これにより、底板14とケーシング15とは係合状態となり、底板14とステージドア29との係合は解除される。これにより真空ポッド4は移送可能な状態となり、工場内の制御コンピュータから指令を受けたOHTの天井搬送車が真空ポッド4を保持して次の工程へと移送する。以上が本発明の一実施形態であるポッドオープナー30の一連の動作である。
【0049】
なお、本実施形態のポッドオープナー30が備えるカセット支持機構40は、第1のフック部材41に対して揺動移動可能な第2のフック部材42と、第2のフック部材42を第1のフック部材41に向かって付勢するねじりバネ46を備えているが、本発明はこれに限定されることは無く、その他の形態のフック部材を備えることが可能である。
【0050】
図10(a)~(d)は本発明の第2の実施形態のカセット支持機構51を示す図である。本実施形態のカセット支持機構51は、第1のフック部材52と、第1のフック部材52に対して昇降自在に支持される第2のフック部材53と、第2のフック部材53を第1のフック部材52に向かって付勢する付勢部材54とを備えている。本実施形態では、第2のフック部材53を第1のフック部材52に対して鉛直方向にスライド移動可能な構成とすることで、カセット3を支持していないときも、第2のフック部材53の係合部53aが水平な姿勢を維持できるという特徴がある。これにより、最下段のカセット3に向かって第2のフック部材53が前進する際に、第2のフック部材53が底板14と干渉することが無くなるので、底板14の上面をフラットな形状とすることが出来る。なお、本実施形態のカセット支持機構51では、第2のフック部材53を第1のフック部材52に向かって付勢する付勢部材54として、引張りコイルバネ54が使用されている。また、第1のフック部材52と第2のフック部材53をカセット3に対して進退移動させる進退機構43は第1のカセット支持機構40と同様に、エアシリンダが使用されている。
【0051】
本実施形態では、第2のフック部材53の背面に突起55が形成されていて、この突起55が第1のフック部材52に形成される上側ストッパ56aと下側ストッパ56bに当接することで、第2のフック部材53の昇降移動は規制される。第2のフック部材53の鉛直方向に延在するコラム部53bは第1のフック部材52のコラム部52bに嵌め込まれる構造となっている。また、第1のフック部材52の内部断面は凹状に形成されていて、この凹状の溝部分52cに第2のフック部材53の側面に形成された凸状の部分53cが嵌合するようになっている。これにより、第2のフック部材53は第1のフック部材52によって案内された鉛直な面内を移動することが可能になる。
【0052】
図11(a)、(b)は本発明の第3の実施形態であるカセット支持機構57を示す図である。本実施形態のカセット支持機構57は、第2のフック部材59が、第1のフック部材58のコラム部58bにシャフト60を介して回転可能に固定されている。また、第1のフック部材58の係合部58aは水平方向に延在する状態でコラム部58bに固定されている。本実施形態の第2のフック部材59は第1、第2の実施形態のような略L字状の形状を成しておらず、平板状の形状をしていて、ねじりバネ61によって、シャフト60を回転中心に図面視して時計回りの方向に付勢されている。また、第1のフック部材58のコラム部58bには、この第2のフック部材59の図面視して時計回りの回動を規制するストッパ62aが形成されている。このストッパ62によって、第2のフック部材59は、第1のフック部材58の係合部58aに対して、積重ねられたカセット3の係合部材13の上下方向のピッチと合致する位置で静止することが出来る。
【0053】
また、第1のフック部材58の下部には水平方向に延在するプレート63が備えられていて、このプレート63の上面には、第2のフック部材59の下面と当接することで第2のフック部材59の反時計回りの回動を規制するストッパ62bが形成されている。このストッパ62bによって、第2のフック部材59はカセット3の荷重がかかっても水平な姿勢を維持することが出来る。第2のフック部材59を平板状の部材とすることで、第2のフック部材59の可動範囲を小さくすることが可能であり、コストを削減することが出来る。
【0054】
図11(c)、(d)は本発明の第4の実施形態であるカセット支持機構64を示す図である。本実施形態のカセット支持機構64は、第3の実施形態と同様に、第2のフック部材66が第1のフック部材65の鉛直方向に延在するコラム部65bにシャフト67を介して回転可能に固定されている。また、第1のフック部材65の係合部65aは水平方向に延在する状態でコラム部58bに固定されている。また、本実施形態の第2のフック部材66は第3の実施形態と同様に平板状の形状をしていて、付勢部材68によって、シャフト67を回転中心に図面視して時計回りの方向に付勢されている。本実施形態のカセット支持機構64は、付勢部材68が各種バネ46、54、61等の弾性体ではない点で、他の実施形態とは異なる。
【0055】
本実施形態が備える付勢部材として使用する錘68は、第2のフック部材66のカセット3を支持する側とはシャフト67を挟んで反対側に配置されている。本実施形態の第1のフック部材65のコラム部65bには空洞65cが形成されていて、本実施形態の第2のフック部材66はこの空洞65cを貫通して配置されている。また、第2のフック部材66は、梃子のようにシャフト67を介して回動可能に第1のフック部材65に支持されている。第2のフック部材66のカセット3を支持する部分とは反対側の端部には、錘68が固定されている。シャフト67を支点として錘68が固定される側は、第2のフック部材66のカセット3を支持する側よりも重くなるように構成され、第2のフック部材66にカセット3の荷重が掛かっていない時には、第2のフック部材66はシャフト67を支点にして錘68の方に傾くように構成されている。なお、本実施形態の錘68は、第2のフック部材66と同じ樹脂製であるが、樹脂の他にアルミニウムやステンレススチール、鉄といった金属製とすることも十分可能である。
【0056】
また、第1のフック部材65下部であって、錘68が配置される側には、ストッパ69aが備えられていて、このストッパ69aに当接することで第2のフック部材66は、図面視して時計回りの方向への回転を規制される。また、このストッパ69aによって、第2のフック部材66は、第1のフック部材65の係合部65aに対して積重ねられたカセット3の係合部材13の上下方向のピッチと合致する位置で静止することが出来る。
【0057】
また、第1のフック部材65の下部には水平方向に延在するプレート70が備えられていて、このプレート70の上面には第2のフック部材66の下面と当接することで第2のフック部材66の反時計回りの回転移動を規制するストッパ69bが形成されている。このストッパ69bによって、第2のフック部材66はカセット3の荷重がかかった状態で、水平な姿勢を維持することが出来る。
【0058】
以上のように、本発明に係るカセット支持機構の種々の実施形態を説明してきたが、本発明は、第2のフック部材を簡単な構造で揺動やスライド移動できるようにすることで、積み重ねられて配置されているカセット3を、フィンガ9がアクセス可能な状態にすることができる。また、第2のフック部材を第1のフック部材に向かって付勢する付勢部材を、第2のフック部材にカセット3の荷重が掛かったときには、このカセット3の荷重を支えることが出来ない程度の付勢力に設定している。これにより、第2のフック部材にカセット3の荷重が掛かったときには、第2のフック部材を第1のフック部材から離間した位置に変位させ、第2のフック部材にカセット3の荷重が掛かっていないときには、第2のフック部材を第1のフック部材に近付けることが出来る。なお、本実施形態では、付勢部材として弾性体のねじりバネや引張りバネを使用しているが、その他の弾性体の使用も十分可能である。また、弾性体の代わりに、シャフトを支点にして第2のフック部材の一方に錘を備えることで、もう一方のカセット支持部を第1のフック部材に近付ける実施形態も開示しているが、一つの支持機構に前述の弾性体と錘の二種類の付勢部材を一緒に備えることも十分に可能である。
【0059】
また、本実施形態のポッドオープナー30は、内部を真空雰囲気に維持するように構成されているが、本発明はこれに限定されることはない。例えば、ポッドオープナー30の内部を窒素やアルゴンといった不活性ガス雰囲気や、清浄なCDA(Clean Dry Air)雰囲気に維持することも可能であり、状況に応じて真空雰囲気と大気圧雰囲気に切り替えることも可能である。次に、本発明の一実施形態のポッドオープナー30´と、大気圧下で使用されるFOUPを開閉するロードポート71を備える大気搬送システムS´の一実施形態について説明する。
【0060】
図13は本発明の大気搬送システムS´の一実施形態を示す断面図である。なお、図が煩雑になるのを避けるために、本来存在するカセット支持機構40、51、57、64は描いていない。本実施形態の大気搬送システムS´は、ポッドオープナー30´と大気搬送ロボット72と、大気搬送ロボット72を内部に収容する大気搬送室73と、大気搬送室73の側面に固定されるロードポート71とを備えている。本実施形態の大気搬送システムS´では、ポッドオープナー30´と大気搬送室73とはゲートバルブ27を介して接続されていて、ゲートバルブ27を開閉することによって連通状態と閉鎖状態とを切換えることが出来る。また、大気搬送室73の他の側面には内部にウエハWを収納可能な密閉容器であるFOUPを載置してFOUPのドアを開閉する公知のロードポート71が備えられている。
【0061】
また、大気搬送室73の内部空間には公知の大気搬送ロボット72が配置されていて、この大気搬送ロボット72はウエハWを保持して所定の位置までウエハWを搬送することが可能に構成されている。さらに、本実施形態のポッドオープナー30´には、内部空間を真空雰囲気に維持する真空維持装置に加えて、内部空間を不活性ガス雰囲気に維持する不活性ガス雰囲気維持装置が備えられている。不活性ガス雰囲気維持装置は、ポッドオープナー30´の内部空間に不活性ガスを供給する供給源74aと制御弁74bとが備えられていて、供給源74aと制御弁74bとは配管74cを介してポッドオープナー30´の内部空間と接続されている。また、ポッドオープナー30´内部の不活性ガス濃度を測定するガスセンサ74dが配管74cを介してポッドオープナー30´内部と接続されている。また、上記不活性ガス雰囲気維持装置は大気搬送室73にも備えられていて、大気搬送室73の内部空間は所定の不活性ガス雰囲気に維持される。さらに、本実施形態のポッドオープナー30´には、ケーシング15をポッドオープナー30´のポッドステージ18に固定する固定部材75が備えられている。これにより、ポッドオープナー30´の内部空間が不活性ガスによって陽圧になっても、ケーシング15の浮き上がりを防止することが出来る。
【0062】
真空ポッド4の内部に収納されているウエハWをFOUPへと搬送するには、真空雰囲気に維持されている真空ポッド4とポッドオープナー30´の内部空間を大気搬送室73の内部空間の圧力まで昇圧させる必要がある。まず、真空雰囲気に維持されているポッドオープナー30´で真空ポッド4の底板14を開けて、ポッドオープナー30´の内部空間にカセット3を移動させて、本発明のカセット支持機構によって、カセット3を大気搬送ロボット72がアクセス可能な状態にする。この状態になった時点で制御弁26bを作動させて真空ポンプ26aとポッドオープナー30´の内部空間の連通を遮断する。次に、制御弁74bを作動させて、供給源74aからポッドオープナー30´の内部空間に不活性ガスを供給する。ポッドオープナー30´の内部雰囲気が大気搬送室73の圧力と略一致すると、ポッドオープナー30´内部と大気搬送室73内部とを気密に閉鎖しているゲートバルブ27を開けて互いの内部空間を連通状態にする。ポッドオープナー30´と大気搬送室73の内部空間が連通すると、大気搬送ロボット72によってウエハWがカセット3からFOUPへと搬送される。この大気搬送ロボット72によるウエハWの搬送が順次行われ、各カセット3に載置されているウエハWのロードポート71への搬送が終了すると、FOUPのドアが閉じられ、FOUPは次の工程へと移送される。
【0063】
次に、ウエハWの搬送が終了した後の、ポッドオープナー30´の内部空間を大気圧状態から真空圧状態に移行させる手順について説明する。FOUPから真空ポッド4へのウエハWの搬送、若しくは、真空ポッド4からFOUPへのウエハWの搬送が終了すると、まず、ゲートバルブ27によってポッドオープナー30´の内部空間と大気搬送室73の内部空間とが気密に遮断される。次に、ポッドオープナー30´が備える真空ポンプ26aによってポッドオープナー30´と真空ポッド4の内部空間が所定の真空圧まで降圧される。所定の真空圧に到達すると、次に、昇降機構34が作動して底板14とステージドア29とを上昇させて、底板14をケーシング15と係合させ、ステージドア29によって開口28を気密に閉鎖させる。上記動作が完了したら、真空ポッド4は次の工程へと移送されていく。
【0064】
上記のように、本実施形態のポッドオープナー30´によって、内部を真空圧に維持されている真空ポッド4と大気圧に維持されているFOUPとの間でのウエハWの搬送が可能になる。半導体製造工程には、エッチング工程のようにウエハWを真空雰囲気に維持することが好ましい工程と、検査工程のように必ずしも真空雰囲気に維持する必要が無い工程とが存在する。また、半導体製造工場の都合により真空雰囲気に維持されている工程と大気雰囲気に維持されている工程とが混在することも多い。こういった工場内において、本実施形態の大気搬送システムS´は、ウエハWの表面に不要な酸化膜を生成させない清浄な雰囲気内で、FOUPと真空ポッド4との間でウエハWを搬送することが可能になり、半導体製品の歩留まりを向上させることができる。
【0065】
以上のように本発明を、各実施形態を用いて説明したが、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、当業者による種々の変更または改良を加えることが可能である。また、それらの変更または改良された形態も、本発明の特許請求の範囲に記載される技術的範囲に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13