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特許7321157液体乾燥剤空調システムにおける膜モジュール内での液体乾燥剤の均一分散のための方法及び装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-27
(45)【発行日】2023-08-04
(54)【発明の名称】液体乾燥剤空調システムにおける膜モジュール内での液体乾燥剤の均一分散のための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   B01D 53/26 20060101AFI20230728BHJP
   B01D 63/00 20060101ALI20230728BHJP
   B01D 63/06 20060101ALI20230728BHJP
   B01D 63/08 20060101ALI20230728BHJP
   B01D 53/28 20060101ALI20230728BHJP
【FI】
B01D53/26 300
B01D63/00 500
B01D63/06
B01D63/08
B01D53/26 100
B01D53/28
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2020524607
(86)(22)【出願日】2018-11-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-01-21
(86)【国際出願番号】 US2018058750
(87)【国際公開番号】W WO2019089957
(87)【国際公開日】2019-05-09
【審査請求日】2021-10-15
(31)【優先権主張番号】62/580,222
(32)【優先日】2017-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511158339
【氏名又は名称】エマーソン クライメイト テクノロジーズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】アレン,カール
(72)【発明者】
【氏名】アレン,マーク エー.
(72)【発明者】
【氏名】ロウ,スコット エヌ.
(72)【発明者】
【氏名】ローゼンブラム,マーク ディー.
(72)【発明者】
【氏名】ラティック,ピーター
【審査官】松井 一泰
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-526699(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0241655(US,A1)
【文献】特表2016-508597(JP,A)
【文献】特表2016-540180(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 53/26- 53/28
B01D 53/22
B01D 61/00- 71/82
C02F 1/44
F24F 3/00- 3/167
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾燥剤空調システムで使用される熱交換器であって、
略平行な配置において、相互に対面する複数の膜被覆構造であって、間に空気チャネルを定めるように離間され、前記乾燥剤空調システムにより処理される空気流は、前記空気チャネルを介して流れることができ、
前記膜被覆構造の各々は、
熱伝達流体チャネルを定める窪み内側部分を有する構造であって、熱伝達流体は、前記窪み内側部分を介して流れ、前記構造は、さらに、1または2以上の外部疎水性ポリマ表面を有する構造と、
前記構造の前記1または2以上の外部疎水性ポリマ表面を被覆する1または2以上の疎水性ポリマ膜であって、間に液体乾燥剤隙間を定め、該液体乾燥剤隙間を介して、液体乾燥剤が流れ、各膜は、前記外部疎水性ポリマ表面の50mm未満で離間された別個の位置において、前記構造の前記外部疎水性ポリマ表面に熱封止され、液体乾燥剤流チャネルが定められ、
前記液体乾燥剤流チャネルは、前記外部疎水性ポリマ表面から前記膜までで測定された、0.5mm以下のチャネル高さを有する、疎水性ポリマ膜と、
を有する、複数の膜被覆構造と、
前記熱交換器の液体乾燥剤入口に接続された液体乾燥剤圧力調節器であって、前記液体乾燥剤流チャネルで、所与の事前設定された値を上回らない十分な流量で、陽圧を維持するように構成され、液体乾燥剤の温度及び濃度条件の所与の範囲にわたって、前記液体乾燥剤流チャネルの各々が充填され、
前記液体乾燥剤圧力調節器は、前記液体乾燥剤流チャネルでの一定の液体乾燥剤圧力を維持するため、前記熱交換器に流れる前記液体乾燥剤の一部を、液体乾燥剤タンクに迂回するように構成される、液体乾燥剤圧力調節器と、
を備える、熱交換器。
【請求項2】
各膜は、液体乾燥剤流チャネルを定めるため、前記外部疎水性ポリマ表面において30mm未満だけ離間された別個の位置で、前記構造の前記外部疎水性ポリマ表面に熱封止される、請求項1に記載の熱交換器。
【請求項3】
前記液体乾燥剤流チャネルは、0.3mm以下の、前記外部疎水性ポリマ表面から前記膜までで測定されるチャネル高さを有する、請求項1に記載の熱交換器。
【請求項4】
前記液体乾燥剤流チャネルにおける流量は、さらに、ポンプと前記液体乾燥剤圧力調節器との間の定流量デバイスにより維持できる、請求項1に記載の熱交換器。
【請求項5】
前記圧力調節器は、オーバフロー管を含む、請求項1に記載の熱交換器。
【請求項6】
前記圧力調節器は、加湿、除湿、冷却、または加熱によって空気を調整するために必要な液体乾燥剤温度及び濃度レベルの範囲にわたって、ポンド/分の単位で、前記空気流の流量の5分の1未満で、前記液体乾燥剤の流量を維持するように構成される、請求項1に記載の熱交換器。
【請求項7】
前記膜が各構造の前記外部疎水性ポリマ表面に熱封止される前記別個の位置は、ラインまたはドットのパターンを含む、請求項1に記載の熱交換器。
【請求項8】
各構造の前記外部疎水性ポリマ表面は、前記膜が熱封止される前記別個の位置に、複数の膨隆機構を含む、請求項1に記載の熱交換器。
【請求項9】
前記膨隆機構は、各構造の前記外部疎水性ポリマ表面の表面領域の15%未満を含む、請求項に記載の熱交換器。
【請求項10】
各構造における前記熱伝達流体チャネルは、0.5mm~2mmの厚みを有する、請求項1に記載の熱交換器。
【請求項11】
各構造は、パネルを含み、前記パネルは、鉛直方向に沿って配置される、請求項1に記載の熱交換器。
【請求項12】
各構造は、パネルを含み、前記パネルは、鉛直方向に対して垂直に配置される、請求項1に記載の熱交換器。
【請求項13】
各構造の前記窪み内側部分は、金属層によって定められ、前記熱伝達流体は、冷却剤を含む、請求項1に記載の熱交換器。
【請求項14】
各構造は、管状形状を有する、請求項1に記載の熱交換器。
【請求項15】
各構造は、平面構造を有する、請求項1に記載の熱交換器。
【請求項16】
各構造は、2つのポリマシートを有し、該2つのポリマシートは、周の周りで相互に封止される、請求項1に記載の熱交換器。
【請求項17】
各構造は、湾曲プレート形状を有する、請求項1に記載の熱交換器。
【請求項18】
各構造は、前記熱伝達流体チャネルを形成するように形成された真空である、請求項1に記載の熱交換器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照によって以下に組み込まれる、2017年11月1日に出願された、「METHODS AND APPARATUS FOR DISTRIBUTION OF LIQUID DESICCANT IN MEMBRANE MODULES IN LIQUID DESICCANT AIR-CONDITIONING SYSTEMS」と題する米国仮特許出願第62/580,222号からの優先権を主張する。
【0002】
本出願は概して、液体乾燥剤空調システムに関し、より具体的には、そのような空調システムの調整器及び再生器において使用される膜モジュールに関する。
【背景技術】
【0003】
液体乾燥剤空調システムは、例えば、参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第9,273,877号において開示されているように本分野で既知である。それらのシステムは、エネルギー使用及びコストにおいて著しい節約をもたらすことが証明されてきた。
【発明の概要】
【0004】
本明細書で開示される様々な実施形態は、均一な液体乾燥剤の流れ分散及び膜モジュールにおいて使用される膜の浸潤性をもたらす液体乾燥剤空調システムに関連する。システムは、パネルにおける液体乾燥剤圧力制御を、間隔が空けられた機構のパターンによって形成された明確に画定された非常に狭い均一な液体乾燥剤チャネルと組み合わせる。例えば、1~3インチで間隔が空けられるそれらの機構は、それらに対して熱封止された膜によりパネル上で熱成型またはエンボス加工されてもよい。代わりに、機構は、その他の場合の平坦パネルシート上で熱封止されたパターンであってもよい。圧力制御デバイスは、例えば、オーバフロー管またはバネ活性化圧力制御であってもよい。膜とシートとの間の狭い均一な乾燥剤チャネルによる圧力及び流量制御の組み合わせは、ウィッキング材料を使用するのではなく、またはプレート材料の疎水性を低減させるための表面処理によってではなく、またはよりコスト高の材料を使用するのではなく、90%に加え、一定の圧力液体乾燥剤の流れを可能にする液体乾燥剤チャネルの幾何学形状を通じて液体乾燥剤によって膜の被覆を保証することができる。
【0005】
1つ以上の実施形態では、薄い皮膜は、20~35%の濃度の液体乾燥剤において、及び0.1~0.2ミリメートルの液体乾燥剤の皮膜において摂氏0~60度の温度に対して約1~15ミリメートル/分の流れを達成する。より低い温度及びより高い濃度は、より広いチャネルを必要とする。より高い温度及びより低い濃度は、より高い流量またはより狭いチャネルのいずれかを必要とする。0.1~0.2ミリメートルのチャネルを生成する例示的な解決策は、短いパネルに対して0.14ミリメートル高にある7000ドットまたは0ミリメートル高にある1~200ドットを含む。液体乾燥剤の膜伸縮、疎水性、濃度、及び温度を使用した流量モデルは、特定の適用に対してパネルを最適化するために使用されてもよい。
【0006】
液体乾燥剤の異なる温度及び濃度について、流量は、チャネルを通じて流れを駆動する圧力に応じて異なる。一定の圧力低下において、流量は、高温度及び低濃度においてチャネルごとに約0.05リットル/分から高濃度及び低温度において0.01リットル/分まで下がる。非常に低い流量は、液体乾燥剤の濃度における変化を増大させ、よって、加湿または除湿の割合を低減させる。よって、パネルの潜在的な有効性が低減する。調整器における液体乾燥剤の高い流量は、熱損失を生じさせ、例えば、熱い液体乾燥剤が再生器から調整器に移動するとき、圧縮器の蒸発器側に対する負荷が増大する。これは、効率性損失を表す。約25%の濃度及び約摂氏20度の温度について、約0.03リットル/パネルの乾燥剤の流量を維持することが望ましい。その割合において、パネルは、良好な被覆をもたらすことができる。
【0007】
1つ以上の実施形態による乾燥剤空調システムにおける使用のための熱交換器は、全体的に並列に配列され、乾燥剤空調システムによって扱われることになる空気の流れがそれを通じて流れることができる、その間で空気チャネルを画定するように間隔が空けられた、相互に対向した複数の膜被覆構造を含む。膜被覆構造の各々は、熱伝達流体がそれを通じて流れることができる熱伝達流体チャネルを画定する窪み内部部分を有する構造を含む。構造はまた、1つ以上の外部疎水性ポリマ表面を有する。各膜被覆構造はまた、液体乾燥剤がそれを通じて流れることができる、その間で液体乾燥剤の隙間を画定するよう構造の1つ以上の外部表面を被覆する1つ以上の疎水性ポリマ膜を含む。各膜は、液体乾燥剤流量チャネルを画定するよう外部表面上で50ミリメートルよりも少なく間隔が空けられた別個の位置において構造の外部表面に熱封止され、液体乾燥剤流量チャネルは、0.5ミリメートルを上回らない、外部表面から膜まで測定されたチャネルの高さを有する。熱交換器はまた、熱交換器の液体乾燥剤入口に接続された液体乾燥剤圧力調節器を含む。圧力調節器は、液体乾燥剤温度及び濃度状態の所与の範囲にわたって液体乾燥剤流量チャネルの各々を充填するのに十分な流量において所与の事前設定された値を上回らない液体乾燥剤流量チャネルにおいて陽圧を維持するように構成される。液体乾燥剤圧力調節器は、液体乾燥剤流量チャネルにおいて一定の液体乾燥剤圧力を維持するために、熱交換器に流れる液体乾燥剤の一部を液体乾燥剤タンクに転換するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】冷却機または外部加熱源もしくは冷却源を使用した、例示的な従来技術の3方向液体乾燥剤空調システムを例示する。
図2図1の液体乾燥剤システムにおける例示的な単一の膜プレートを例示する。
図3】A~Dは、様々な従来技術の膜パネル構成を例示する。
図4】液体乾燥剤空調システムを通じた水平及び垂直の流体の流れを例示する。
図5】パネルアセンブリにおいて膜膨張を防止するサイフォン液体乾燥剤の使用を例示する。
図6】従来技術の膜パネルアセンブリにおける全体的に水平の流体の流れを示す。
図7】例示的な従来技術のパネルアセンブリの構成を例示する。
図8】膨隆機構を有する従来技術のパネルアセンブリを例示する。
図9】液体乾燥剤チャネルを有するパネルアセンブリを示す。
図10】典型的な液体乾燥剤LiClについての粘度、温度、及び濃度の間の関係を示すグラフである。
図11A】液体乾燥剤空調ユニットを通じた液体乾燥剤の流れを示す、1つ以上の実施形態によるユニットを例示する。
図11B】ユニットにおいてポンプを含む、単一のタンクシステムについての同一の流路を概略的に示す。
図11C】1つ以上の実施形態による、液体乾燥剤空調ユニットにおける液体乾燥剤圧力制御デバイスを示す。
図12】液体乾燥剤のリットル/分の流量と水柱インチの圧力との間の関係を示す。
図13図11におけるパネルについての典型的な圧力/流量パターンを示す。
図14A】1つ以上の実施形態に従った、液体乾燥剤空調ユニットについての様々な例示的な膜構造を例示する。
図14B】1つ以上の実施形態に従った、液体乾燥剤空調ユニットについての様々な例示的な膜構造を例示する。
図14C】1つ以上の実施形態に従った、液体乾燥剤空調ユニットについての様々な例示的な膜構造を例示する。
図14D】1つ以上の実施形態に従った、液体乾燥剤空調ユニットについての様々な例示的な膜構造を例示する。
図14E】1つ以上の実施形態に従った、液体乾燥剤空調ユニットについての様々な例示的な膜構造を例示する。
図14F】1つ以上の実施形態に従った、液体乾燥剤空調ユニットについての様々な例示的な膜構造を例示する。
図14G】1つ以上の実施形態に従った、液体乾燥剤空調ユニットについての様々な例示的な膜構造を例示する。
図14H】1つ以上の実施形態に従った、液体乾燥剤空調ユニットについての様々な例示的な膜構造を例示する。
図14I】1つ以上の実施形態に従った、液体乾燥剤空調ユニットについての様々な例示的な膜構造を例示する。
図14J】1つ以上の実施形態に従った、液体乾燥剤空調ユニットについての様々な例示的な膜構造を例示する。
図14K】1つ以上の実施形態に従った、液体乾燥剤空調ユニットについての様々な例示的な膜構造を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第9,243,810号は、新たな種類の液体乾燥剤システムを開示している。システムは、調整器101及び再生器102を含み、その両方は、内部に窪んだプレート構造の集合を含む。熱伝達流体は、冷源107及び熱源108において生じ、プレート101、102に侵入する。114、115における液体乾燥剤溶液は、プレートの外面にもたらされる。液体乾燥剤は、気流103、105とプレートの表面との間に位置する薄い膜の背後にある。プレートからの液体乾燥剤は、111及び112において収集される。熱交換器113は、乾燥剤が湿気を吸収するにつれてそれが希釈される冷板から、調整器パネル101に戻る前に乾燥剤が再濃縮される熱板102まで液体乾燥剤が伝達されるにつれて、熱損失を最小化するために使用される。外部熱源108及び外部冷源107はまた、蒸発器及び再生器が液体乾燥剤を直接冷却及び加熱するために使用されてもよく、または熱伝達流体を加熱及び冷却する他の構成において使用されてもよい、冷却機システム116であることができる。調整器は、空気103を処理し、供給し104、再生器は、排気及び外気の混合105を処理し、排出する106。乾燥剤114及び115を加熱する圧縮器116が示されるが、従来技術に示されるように、水熱交換器への冷却剤を使用して熱源として動作することもできる。
【0010】
熱交換器113は、調整器から冷却液体乾燥剤111を取り、それが115において再生器に侵入する前にそれを温める。熱液体乾燥剤112は、それが114において調整器に侵入する前に冷却される。109及び110は、冷源及び熱源から調整器及び再生器への熱伝達流体の流れを示す。熱交換器113の役割は重大である。冷却調整器と熱再生器との間の液体乾燥剤の交換は、冷源及び熱源が更に作用する必要があるので、著しい熱損失につながることがある。液体乾燥剤の流れを最小化することは、所与のサイズの熱交換器についての熱損失を低減させ、またはより小さい熱交換器が使用されることを可能にする。広範囲の流れ及び状態にわたって液体乾燥剤のより低い流れが調整器または再生器の潜在的な有効性を低減させるが、より低い割合での有効性における損失が低減した熱損失からの利得よりも小さい、類似のシステムのモデル化が示されてきた。
【0011】
図2は、気流201と共に対向流においてプレートの中心を通じて流れる冷却流体(熱伝達流体)204を有する単一の膜プレートアセンブリの断面を示す。液体乾燥剤203は、パネル205の外面上を流れ、膜202の背後を流れる。調整器では、熱は、207の空気の中から熱伝達流体208によって直接吸収され、または空気の中の湿気が液体乾燥剤206によって吸収されるにつれて間接的に吸収される。吸収によって生じた熱は次いで、熱伝達流体208に伝達される。
【0012】
図3Dは、パネル303の間を流れる熱伝達流体304及びパネル303と膜301との間を流れる液体乾燥剤との3つの流体熱交換器の同一の構造を示す。図3A、3B、3Cにおいて代替物が示され、そこでは、液体乾燥剤及び空気との2つの流体熱交換器において液体乾燥剤の同様の薄層が示され、液体乾燥剤の薄い皮膜は、プレート303と膜301との間または2つの膜301の間のいずれかを流れる。
【0013】
図4は、水平及び垂直の方位にあるパネル404の様々な集合を示す。空気401の対向流及び水(または、他の熱伝達流体)402/405は、熱交換器の性能を最大化する。410への乾燥剤の流れ403は、並列、交差、または対向流であることができる。図4は、部分的な重力駆動流において液体乾燥剤の水平の方位を必要とする実施形態を示す。空気流及び水流は、水平及び垂直の両方であることができる。他の選択された居住及び輸送の適用の中での小型ユニットについての形状因子の最適化は、全ての3つの流れが水平になることを可能にするために望ましくする。本出願は、これをどのように行うことができるかを説明する。
【0014】
米国特許第9,101,874号は、膜の膨張を止めるためにサイフォンをどのように使用することができるかを説明する。膨張は、気流を途絶させる。膜の背後の陰圧は、それを平坦のままにする。これは、熱伝達流体を囲む二重プレートに膜を封止するドットのより広い間隔を可能にする。特許はまた、垂直及び水平の流れ、交差、及び対向流を開示している。特許はまた更に、浸潤性を最適化するために表面の1つとしてまたは別個のシートとしてウィッキング材料をどのように使用することができるかを開示している。
【0015】
本出願の図5及び6(米国特許第9,101,874号において開示されているように)は、液体乾燥剤が511において乾燥剤チャネルにどのように侵入し、膜503とパネル509との間でどのように流れるかを例示する。膜の膨張を制限するために、それは、502におけるパネルがタンク508に戻るポイント507において接続される。サイフォン514なしに、膜は、501において膨張し、空気チャネルを部分的にまたは完全に遮断する。吸収及び脱離を最大化し、熱交換抵抗を最小化するための液体乾燥剤流506を混合することが開示される。膜が507においてシート509に封止される。熱伝達流体は、シート509の内部で流れる。503における圧力は、陽圧である。タンク508は、乾燥剤を貯蔵するために使用される。
【0016】
図5における流れは、重力及びサイフォンによって駆動されるとして説明され、乾燥剤に対して平坦な膜を吸い込むことによって601において膨張を最小化することを再度模索する、パネルの最初において及び大型サイフォン614において最後にもたらされる圧力611と共に図6における近傍水平パネルが示される。説明される1つの利点は、サイフォンが膜503とプレート509との間のドットに対する必要性を低減させることである。維持の間に液体乾燥剤のほとんどを排出させるために、わずかな角度が必要とされる。サイフォン機構または負のポンプの吸引は、支持プレート509を接続する必要性を最小化するために使用されてもよい。
【0017】
課題は、液体乾燥剤の著しいサイフォンが、空気中で乾燥剤に引き込まれ、液体熱交換器において捕捉されるとき、その有効性を低減させることである。サイフォンがない、または少ない、主に陽圧の下で液体乾燥剤チャネルを動作させることを可能にすることは、その問題を取り除き、設計をより頑丈にする。
【0018】
図7は、熱伝達及び乾燥剤チャネルを構造化するための従来技術の膜パネルアセンブリを開示する。それは、3つの層を示す。水(または、他の熱伝達流体)チャネル701は、グルーラインにより形成されてもよい。水チャネルが陰圧の下で動作するので、ネッティング702が追加され、グルードット705により定位置に保たれ、それは、水チャネルの両側面上でネッティングをプレート703に接続する。プレート703は、平坦であってもよく、またはチャネルの高さを決定する、ドット705により液体乾燥剤に対して0.1~0.5ミリメートルのチャネルを生成するよう熱成型されてもよい。膜704は、ドット705において熱成型されたパネルに封止される。乾燥剤は、チャネル706を通じて多岐管710に流れる。課題は、乾燥剤が、温度及び濃度において、よって、粘度において変化する一方、チャネル内で液体乾燥剤の最適な分散及び被覆をどのように維持するかである。
【0019】
図8は、膜をプレートに接着するための、乾燥剤の混合をもたらし、均一な熱及び水蒸気輸送が発生するための膜とプレートとの間の均一な確定距離を設定するよう、プレートの表面上で膨隆した機構801を示す。乾燥剤は、802においてパネルに侵入し、チャネル804を通じてプレートの幅にわたって分散され、パネル803の下方にパネルの中心から前方まで移動し、多岐管807に収集されるよう805において及び806を介して退出する。境界808は、中心の水チャネルを形成する2つの熱成型されたパネルを共に出口及び入口810と接続するために使用されてもよい。乾燥剤チャネルへの機構の高さは、典型的には0.5ミリメートルとして開示される。水チャネルの高さは典型的には、1.5及び2ミリメートルである。
【0020】
図9は、熱成型された機構を有する更なる従来技術のパネル設計を示す。気流901は、膜(図示せず)によって被覆された熱成型されたシート900上を流れる。乾燥剤は、902を通じて侵入し、906を介して退出する。水は、903を通じて侵入し、905を通じて退出する。膜は、乾燥剤チャネルの高さも決定する膨隆機構908及び904に取り付けられる。
【0021】
全てのそれらの設計は、液体乾燥剤の温度及び濃度が変化する一方、膜の背後で非常に薄い液体乾燥剤膜の被覆及び分散をどのように維持するか、の同様の課題を有する。本明細書で開示される様々な実施形態は、それらの課題に対処する。
【0022】
液体乾燥剤空調システムの性能は、空気を除湿する液体乾燥剤の能力に決定的に依存し、それは、熱伝達流体によって同時に冷却または加熱される。米国特許第9,101,874号は、窪みプレート及び管を含む、様々な膜モジュール構造を開示している。腐食性熱交換器は、液体乾燥剤を包含するためにポリマを使用する。ほとんどの金属は、高度に濃縮した液体乾燥剤によって即時に腐食する。特許は、湿気が通過することを可能にするが液体乾燥剤を包含する高度に浸透性のある膜によって乾燥剤がどのように包含されるかを説明している。ポリマ及び膜の両方は、高度に疎水的であり、そのようなシステムの効率性は、液体乾燥剤の低い流れ及び液体乾燥剤によるパネルの高い被覆の組み合わせにより駆動される。
【0023】
液体乾燥剤の流れは、重みの観点で、流量または空気及び水の約10分の1~20分の1である。
【0024】
液体乾燥剤によるパネルの高い被覆は、液体乾燥剤の皮膜が非常に薄く(例えば、0.1~0.3ミリメートル)均一であることを必要とする。液体乾燥剤による膜の浸潤性は、パネル効率性を改善する重大な因子である。しかしながら、疎水性膜と疎水性パネル液体乾燥剤との間は、膜の背後で乾燥剤の「細流」においてパネルの部分に対して濃縮する傾向がある。100度を上回る乾燥剤と様々なプラスチックとの接触角により、乾燥剤は拡散しない。ウィッキング材料を追加することによって疎水性を低減させることが開示されている。それは、乾燥剤の拡散を改善し、乾燥剤のほとんどを特定の経路に沿ってのみ流れさせ、流量の分散における大きな差につながる。
【0025】
幾何学形状が膜の浸潤性を駆動する重大な因子である、広範囲にわたる実験及びモデル化が示されている。圧力の下でチャネルを通じて乾燥剤を押すことによって、乾燥剤は、チャネルを完全に満たすよう拡散する。液体乾燥剤の粘度は、全浸潤性を維持することができる流量及び圧力を決定する。高い動的な粘度、流量は、一定の圧力において減少する。液体乾燥剤の粘度が低下するとき、流量は、一定の圧力において増大し、または圧力は、流量を一定に維持するために下がる必要がある。乾燥剤の温度を増大させ、乾燥剤の濃度を低下させることによって、液体乾燥剤が低減する場合の動的な粘度である。完全な浸潤性を維持するために、パネル内に圧力は、陽圧に保持する必要がある。
【0026】
液体乾燥剤の薄い皮膜では、チャネルの高さは、流量の重要な決定因子である。チャネルが非常に高い場合、浸潤性が下がる。チャネルの高さを決定する重大な因子は、膜とパネルとの間の接続点の高さ、及び接続点の間の膜の膨張または屈曲である。よって、接続点の数を最適化することは、重大な設計変数である。より多くの接続点は、膨張を低減させる。また、接続点は、空気を乾燥剤に晒さず、よって、パネルの除湿能力を低減させる。300×500ミリメートルのパネルに対する3000~5000ドットについて、ドットは、全領域の10%よりも多くを使用することができる。これは、許容可能であり、理論上の最適さの90%+程度のパネルの潜在的な有効性による良好な実験結果につながっている。
【0027】
所与のパターン及び高さの接続点は、既存分野において説明されるよう、熱成型を通じて生成されてもよい。射出成形及びエンボス加工は、2つの他のオプションである。平坦パネルも使用されてもよいが、接続点の間のより長い距離を必要とする。膜及びパネルが最初に接するところでクリープが生じる。熱封止と組み合わされた膜の開構造は、膜に対する潜在的な脆弱性になる。接続点の間のより長い距離は、接続点における応力を増大させ、よって、膜に対する損傷のリスクを増大させる。接続点の形状及びサイズも、応力を低減させるより大きなドットまたはより長いラインと共に重要である。
【0028】
製造方法の選択を促す有意な因子は、パネルの平坦性、材料選択、及びパネル当たりのコストを含む。チャネルの高さが材料の膨張によってのみ動かされる場合、平坦パネルも使用されてもよい。モデル化及び実験は、予測流量、膜に対するモジュール、並びに液体乾燥剤の粘度及び圧力に応じて、50~500までのドットの数の低減を示す。
【0029】
パネル上の膜及びパネルの間の膜の非常に低い流量での分散を改善することは、パネルの流れ方向にわたって陽圧低下を必要とすると共に、液体乾燥剤の粘度に応じてこの圧力を調節する必要がある。ミリパスカル秒の動的な粘度は、液体乾燥剤の濃度及び温度から生じる。より冷たい、より高い濃度の乾燥剤は、より粘度がある。
【0030】
パネルにおける流れは典型的には、パネルの最上部においてオーバフロー管を使用して、及びパネルの底部において、または底部の下で空気基準を使用して導出された圧力であった。関連する濃度及び温度のほとんどについて、システムは、パネルにおいて一定の高い圧力を維持する。高温度または低濃度においてのみが、流れの低下を維持するために必要な圧力である。パネルにわたる圧力が陰圧になるとき、被覆が低減し、パネルの潜在的な有効性が下がる。
【0031】
流量及び圧力の制御は、液体乾燥剤の温度および濃度の広範囲にわたって、低流量、陽圧、および高被覆を維持するために必要である。また、これらは、加熱モードと冷却モードの両方において、調整器と再生器を別個に操作可能にするために必要である。設計では、ポンド/分の単位において、乾燥剤皮膜の流量が気流の1/5を超えないようにする必要がある。オーバフロー管圧力調節器により、圧力低下が管の高さよりも高くなるまで、パネルのブロックの開始時の圧力を、流量及び粘度により決定できる。次に、液体乾燥剤の流れの一部がタンクに戻され、パネルを通る流れが低下する一方、チャネル全体で陽圧が維持される。その結果、高粘度及び一定圧力において、パネルを通過する流量は少なくなるものの、被覆が維持され、汲み上げられた乾燥剤のほとんどは、オーバフローし、オーバフロー管を介してタンクに戻る。
【0032】
液体乾燥剤におけるデルタ濃度が増大するので、低流量は、パネルの有効性を低減させる。しかしながら、液体乾燥剤の熱交換器を通じた熱損失が、流れが増大するにつれて下がるので、システムの効率性はなおも改善することができる。
【0033】
液体乾燥剤の濃度が低下し、または温度が増大するにつれて、パネルを通じた流れが存在する流れと等しくなるまで流れが増大する。
【0034】
水圧の0~10インチの侵入圧により、並びに水平及び垂直の両方の流れにおけるパネルの下の0~4インチの参照点とのサイフォンにより、液体乾燥剤の温度及び濃度のどの範囲にわたって、0.1~0.5ミリメートルの有効なチャネルの高さが1.5~15ミリメートル/秒の必要な流量を維持することができるかをモデル化は示してきた。濃度範囲は、適用のタイプに依存し、典型的には、20~35%である。高温度における15~25%のより低い目標範囲による適用は、より狭いチャネルから利益を得る。40~45%のより高い濃度に対する必要性を有する適用は、特に、それらの濃度がより低い温度による加熱モードにおいて、次いで、冷却サイクルの間に必要となる場合、より広いチャネルから利益を得る。
【0035】
液体乾燥剤システムでは、調整器と再生器との間の濃度における差は典型的には、2%よりも低い。外部状態及び制御に応じて、液体乾燥剤濃度は、パネルにおける結晶化または濃縮のリスクなしに、10~45%で変化することがある。より典型的には、20~35%の濃度は、システムを充填させるために必要とされる液体乾燥剤のタンクサイズ及び容積を最小化するように維持される。より狭い範囲は、システムのサイズ及び液体乾燥剤のコストを低減させる。
【0036】
調整器と再生器との間の温度は典型的には、30~60ファラドで異なる。結果として、暖房ユニットにおける液体乾燥剤の粘度は、冷却ユニットにおける粘度よりも低い。暖房ユニットにおいて冷却ユニットにおける流れと同一の流れを維持するために、広範囲の濃度にわたって温度における差によって駆り立てられる、暖房ユニットにおける50~75%のより低い圧力低下を必要とする。オーバフロー管圧力調節器が使用されるとき、これは、50~75%のより低いライザ管をもたらす。冷却モードでは、再生器は、暖房ユニットである。加熱モードでは、調整器は、暖房ユニットである。したがって、再生器の圧力制御デバイスは、システムが冷却から加熱に変更し、または戻るときに調節される必要がある。加熱モードでは、ライザ管の高さは、冷却モードにおける設定よりも4~8倍高くてもよい。これは、例えば、高圧力に対して再生器ライザを設計し、低レベルの逃し弁が冷却モードにおいて開放されることを可能にすることによって達成されてもよい。
【0037】
1つ以上の実施形態に従って、膜構造に対して様々なプレート及び他の構造設計が可能である。
【0038】
一実施例では、プレートは、約500×500ミリメートルの寸法を有することができる。それらのプレートに対して、とりわけポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレンのようなプラスチックを含む様々な材料が使用されてもよい。その耐腐食性品質を理由にではあるが、耐腐食材料により被覆された金属パイピング、例えば、プラスチックにより被覆された管またはプレートをも理由に、チタニウムを含む他の金属も使用されてもよい。後者は、冷却流体としての冷却剤の使用を可能にし、それによって、冷却剤-熱伝達流体の熱交換器に対する必要性を取り除く。
【0039】
200~300ミリメートルのより小さなパネルは、熱交換器のサイズ及び重みと共に、所与の気流に対してパネルを通じた圧力低下及びエンタルピ負荷を低減させることができる。2.5ミリメートルを下回るエアギャップは、空気を換気するためのチャネルの内部の機構に対する必要性を取り除くことが証明されている。より狭い空のエアギャップは、膜の摩耗を低減させ、信頼性を改善するが、パネルの平坦性及び乾燥剤チャネルの良好に制御された高さに対する追加の要件を課す。チャネルの膨張は、チャネルにおいて孤立することなく、パネルが狭くなるにつれて更に問題になる。
【0040】
産業的適用において特に重要である異なる形状因子を提供する、200ミリメートルから1000ミリメートルまでのより高く、より短いパネルも可能である。
【0041】
薄い皮膜を生成する際の有意な因子は、0.5ミリメートル未満となるはずである、液体乾燥剤チャネルの深さである。0.1~0.25ミリメートルのチャネルの高さが適切であると見られている。より薄いチャネルは、乾燥剤の流量を低減させ、それは、均一な乾燥剤の流れ及び膜の浸潤性を達成することができる限り、全体的なシステム効率性を増大させることが示されている。
【0042】
チャネルの高さは、膜が取り付けられる(存在する場合)膨隆機構の高さ、及び機構または取付点の間の膜の膨張によって決定される。
【0043】
図10は、液体乾燥剤の粘度、濃度、及び温度の間の実験的関係を示すと共に、いくつかの理論的近似1001は、調整器濃度の典型的な集合を示す。例えば、熱く乾燥した状態にある極端に高い濃度が1002に示され、熱ポンプモードにあるシステムにおける潜在的な粘度の全範囲が1003に示される。
【0044】
図11Aは、1つ以上の実施形態による、例示的な液体乾燥剤流動システムを例示する。乾燥剤は、タンク1101から調整器ブロック1102及び再生器ブロック1103に汲み上げられる。ここで、実施形態において調整器の上の再生器ブロックが示される。並列したユニットまたは再生器の上の調整器を有する他の実施形態も使用される。それらは、ユニットに対する必要とされる形状因子にほとんど依存する。この実施形態におけるパネルはここで、空気供給のための水平気流1102a及び再生器気流のための1103b、熱伝達流体のための対向流(1102b/1103b)、並びに液体乾燥剤に対する水平交差流(1102c/1103c)と共に垂直方位において示される。垂直空気及び熱伝達流体と共に水平液体乾燥剤の流れも開示されており、形状因子及び気流設計における柔軟性をもたらす。
【0045】
図11Bは、乾燥剤タンク1101から調整器ブロック1102及び再生器ブロック1103を通じた液体乾燥剤の流れを示す。乾燥剤は、ブロックを通じて1104により圧力/流量調節器1111に汲み上げられる。ポンプ1105は、液体乾燥剤を液体乾燥剤熱交換器1106に送る。次いで、希釈された液体乾燥剤は次いで、圧力/流量調節器1112を介してブロック1103を通じて送られ、ライザ1111及び1112の高さが、特に液体乾燥剤の動作状態にリンクされる。より高いライザは、より冷たく、より濃縮した液体乾燥剤に対して必要とされる。
【0046】
ブロック1115を通る液体乾燥剤は、1116を介してタンクに転換されてもよい。これは、調整器が再生器と独立して動作することを可能にする。同様に、1117は、調整器からの流れが低く、または再生器が独立して動作する場合、追加の乾燥剤が再生器に追加されることを可能にする一方向弁である。弁1131は、ポンプの維持のための隔離弁であり、流れを直接規制する役割を有さない。1111からのオーバフローは、1114を介してタンクに方向付けられる。再生器圧力/流量コントローラ1112からのオーバフローは、1118を介して再生器から流れ1119に再度方向付けられ、熱交換器を介してタンクに戻る。
【0047】
タンクと再生器との間に熱交換器を配置する選択肢は、周囲を十分に下回る温度を提供し、低温度において再生するシステムに対して適切である。高濃度における深い除湿及び高再生温度は、タンクと調整器との間の熱交換器をより魅力のあるものにする。
【0048】
図11Cは、再生器について1112に示されるように、最上部において乾燥剤をブロックにどのように供給するかを示す。圧力流量調節器1111は、1115において、乾燥剤がブロックに侵入することを可能にする。1110における乾燥剤の高さは、一定の乾燥剤の流れを維持するために必要とされる圧力を反映する。一定の流れを維持するために必要とされる圧力が1110bにおいてライザ管の高さを上回る場合、1114において超過した液体乾燥剤がタンクに戻る。
【0049】
液体乾燥剤についての結果として生じる圧力の流れの特性が図12に示される。低い液体乾燥剤の粘度において、すなわち、低濃度及び/または高温度において、パネルの最初における圧力1201が増大するにつれて流れは一定である。濃度が上昇し、及び/または温度が低減するにつれて、液体乾燥剤の粘度が増大する。一定の流れ1202aを維持するために必要とされる圧力がライザ管1201bの高さを上回るとき、パネルを通じた流れが低減し始める1202b。
【0050】
非常に低い粘度において、パネルにわたって陽圧低下1204を維持するために、流れ1203を増大させる必要があり得る。
【0051】
図13は、実際のパネル設計のシミュレーションに基づいて、パネルにおける結果として生じる流量及び圧力低下を示す。パネルの最初における圧力は、センチメートルまたはインチの水において1301に示される。パネルの最上部における圧力は、1302に示され、それは、多岐管に抵抗を反映する。1303は、膜の背後の乾燥剤皮膜の最上部における結果として生じる圧力を示す。膜の底部において、圧力低下は、サイフォン1305が使用されるときに陰圧であり、またはパネルの底部と同一の高さにおいて空気基準によりゼロである。パネルを通じた圧力における段階的な低下により良好な被覆及び分散が達成される。パネルが乾燥剤チャネルを通じて陽圧を有さない場合、それは次いで、完全には充填されず、被覆及び分散が困難になる1306。図13は、60ミリリットル/分の最小流量が20%のLiCl及び10インチの圧力低下による25Cにおける良好な被覆に対して必要とされ、38%の液体乾燥剤の濃度による1313において、20ミリリットル/分の流れが同一の圧力低下を維持し、よって、良好な被覆を維持することを示す。
【0052】
再度、課題は、温度及び濃度の全範囲にわたって膜の均一な分散及び被覆をどのように維持するかである。
【0053】
図14Aは、プレート構造上のエンボス加工または熱成型された膨隆機構1401、及び膜1402の柔軟性/畝りの組み合わせを使用した、1つ以上の実施形態による、例示的な均一な液体乾燥剤チャネルの形成を示す簡易断面図である。典型的には、約0.1~0.3ミリメートルの熱成型された高さ1403は、0.2~0.5ミリメートルの全高1404を維持するために使用される。チャネルの幅は、この例示的な実施形態において300ミリメートルでモデル化される。熱封止されたドット1406の間の距離1405は、高いドットに対して1~3センチメートルで変化し、平坦パネルに対して2~6センチメートルで変化する。これは、20~35%の濃度を有する液体乾燥剤に対してパネルにわたって3~6インチの圧力低下による4~12ミリメートル/秒の乾燥剤の流量を可能にする。
【0054】
図14Bは、膨隆し熱成型された機構ではないが、熱封止機構のパターンにより、同一の有効な高さ寸法をどのように達成することができるかを示し、熱封止は、膜1402のせん断を最小化するように形状付けられたドット、楕円形、またはラインであってもよい。
【0055】
図14C及び14Dは、平坦構造においてチャネルの高さの制約がパネル1411の外部で外気1413をどのように有し、パネル1411の内部で熱伝達流体1412をどのように有するかを示す。液体乾燥剤は、パネルと膜との間を流れる。シート1401は、複数の層、例えば、腐食を防止する非常に薄いポリマ層1401及び高強度金属層1410から構成されてもよい。後者のケースでは、熱伝達流体は、シート1410によって形成されたチャネルが冷却剤の高圧力に耐えるように設計されることを想定した冷却剤であってもよい。
【0056】
図14Eは、断面における管状チャネルを示し、そこでは、シート1401が熱伝達流体による管を形成するよう湾曲し、膜1402が熱伝達流体1412を囲むシートに対して間隔1406において封止される。空気1413は、膜1402にわたって流れ、液体乾燥剤1411により除湿される。管寸法1420及び1421の比率は、熱交換器の必要性に応じて、1:1から1:10に変化してもよい。
【0057】
パネルの形状は、コスト、強度、形状因子、及びシステム要件によって動かされる。しかしながら、以下で説明される圧力制御機構により熱伝達チャネルを囲むシートに膜を熱封止する機構のパターンを通じて生成された薄いチャネルの幾何学形状の組み合わせは、乾燥剤の均一な分散及び膜の浸潤性を保証することができる。
【0058】
1つ以上の実施形態による、様々な代替的なパネル構造の例が図14F~14Kに示される。図14Fは、それに熱封止された膜を有する突起したポリマ管の断面を示す。突起したチャネルの1つ以上は、液体乾燥剤に対して多岐管として使用されてもよい。チャネルは、気流1403による熱伝達流体の対向流を保証するために水平または垂直であってもよい。
【0059】
異なる代替的な設計が図14Gに示され、そこでは、非常に薄いポリマシート1401は、熱伝達流体1412に対してチャネルに真空形成された同様の柔軟シート1409に、及び液体乾燥剤1411に対してチャネルを生成する膜1402に封止される。そのような柔軟構造は、膜の間で一貫した空気チャネルを生成するための外部フレームを伴うことがあるが、ポリマシート1401が十分に薄い場合、コスト効率が良く、効果的である。
【0060】
図14Hは、チャネルの高さ及び膜せん断に対して最適化された熱封止1406のパターンを再度通じて膜1402に熱封止された膜被覆シート1401を示す。シートは、熱伝達流体1412に対してチャネルを形成するように形状付けられてもよい。
【0061】
図14Iは、管の幅及び高さの比率が変化してもよい熱交換器を生成するために図14Eの管状チャネルをどのように使用することができるかを示す。1430は、断面において、シート材料がどのようにして再度、ポリマまたはポリマ被覆金属のいずれかであることができることを示す。
【0062】
図14J及び14Kは、パネルが追加の強度のために波状構造に湾曲することができる水平位置にあるパネルを示す。複合金属/ポリマシートの使用は、強度を追加することができ、熱伝達を改善することができる。複合チャネルが冷却剤と共に使用される場合、冷却剤-熱伝達流体の熱交換器に対する必要性を取り除くことができ、よって、システム効率性を改善する。
【0063】
1つ以上の実施形態では、膜モジュールを通じて液体乾燥剤を送るために、流量調節器と共に一定速度の液体乾燥剤ポンプが使用される。代わりに、膜モジュールを通じて液体乾燥剤を移動させるために、可変速度のポンプが使用される。
【0064】
非限定的な実施例:様々な例示的な液体乾燥剤空調システムの実施形態は、以下の動作機構を含んでもよい。
1.10~20立方フィート/分の設計気流により20~50センチメートル及び50センチメートル幅のパネルに対してパネルごとの0.01~0.1リットル/分における乾燥剤の流量
2.流量は、全気流及び全作用により増大する
3.全気流は、パネル高に比例する
4.それらの流量において、1のチャネルの高さは、接続点の高さ、膜の係数、及び膜の接続点の間の距離によって決定される
5.裏材がない20ミクロンの膜について、機構の間の距離は、平坦パネルに対して2~5センチメートルであり、0.1~0.15ミリメートルの接続点に対して0.5~1センチメートルである。接続点の間の関連する距離(最大距離)は、接続点の高さが低くなるにつれて増大する。
6.接続点の全表面領域は、パネルの15%を上回らない。
7.接続機構の高さは、突起したシートを熱成型もしくはエンボス加工することによって、または射出成形によって生成される
8.機構は、ドットまたはラインであってもよい。
9.乾燥剤の冷却は、熱伝達流体または冷却剤であってもよい。
10.冷却が、高圧力に耐えることができる、通常は銅製の溶接金属構造を通じた冷却剤によるものであるとき、膜に接続された耐腐食性シートへの/からの熱を伝達する。接続点の高さ及び接続点の間の距離は、膜が接着される耐腐食性シートによる被膜の前の金属構造、例えば、薄いPE層によって設定されてもよい。
11.平坦被覆金属シートは、接続点の間で2~5センチメートルの距離を有する。
12.接続点は、ドットまたはラインであってもよい。
13.チャネルの高さは、乾燥剤の流れにわたってより大きな制御によるより高いコストのパネルに対して親水性材料、シート上またはチャネル内のウィッキング層または被膜を使用して増大することができる
14.パネルの上下の空気基準は、最高基準点と最低基準点との間の距離に等しい、パネルに侵入及び退出する乾燥剤に対して圧力を設定するために使用されてもよい。パネルにおける圧力勾配は、陽圧、すなわち、パネルにおいてより高い圧力であるはずである。
15.平坦パネルにおけるチャネルの高さは、垂直パネルにおける高さよりも高い、最大で100%である。
16.パネルにおける流れは、流量が温度及び濃度と共に変化することを可能にする駆動された圧力である。固定された流量は、高濃度及び低温度において接続点上の過度な圧力につながり、低濃度及び高温度において低被覆による重力駆動流につながる。
17.再生器パネルの側面にわたる圧力は、冷却モードにある調整器よりも2~4倍の圧力であり、加熱モードでは逆である。
18.圧力基準点の高さは、システムが冷却モードから加熱モードに切り替わるにつれて変化する。
【0065】
よって、いくつかの例示的な実施形態を説明したが、様々な変形、修正、及び改善が当業者に対して容易に行われることが認識されることになる。そのような変形、修正、及び改善は、本開示の一部を形成することが意図され、本開示の精神及び範囲内にあることが意図される。本明細書で提示されるいくつかの実施例は、機能及び構造的要素の特定の組み合わせを伴うが、それらの機能及び要素は、同一または異なる目的を達成するために、本開示に従った他の方式において組み合わされてもよいことが理解されるべきである。特に、一実施形態と関連して議論される動作、要素、及び機構は、他の実施形態における、同様または他の役割から排除されることを意図されない。加えて、本明細書で説明される要素及びコンポーネントは、追加のコンポーネントに更に分割されてもよく、または同一の機能を実行するためのより少ないコンポーネントを形成するように共に結合されてもよい。したがって、上述した説明及び添付図面は、例示にすぎず、限定することを意図していない。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図11C
図12
図13
図14A
図14B
図14C
図14D
図14E
図14F
図14G
図14H
図14I
図14J
図14K