(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-27
(45)【発行日】2023-08-04
(54)【発明の名称】管状複合構造の成型方法
(51)【国際特許分類】
B29C 70/68 20060101AFI20230728BHJP
B29C 70/06 20060101ALI20230728BHJP
B29C 70/44 20060101ALI20230728BHJP
【FI】
B29C70/68
B29C70/06
B29C70/44
(21)【出願番号】P 2020542654
(86)(22)【出願日】2019-03-01
(86)【国際出願番号】 US2019020229
(87)【国際公開番号】W WO2019169237
(87)【国際公開日】2019-09-06
【審査請求日】2022-02-17
(32)【優先日】2018-03-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】チューダー、ジェイ、エム.
(72)【発明者】
【氏名】バンク、デビッド、エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】ザヴィシャ、ジェフリー、ディ.
(72)【発明者】
【氏名】シュルツ、ピーター、ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】マ、リンカイ
(72)【発明者】
【氏名】ピジャスゼク、マーク
(72)【発明者】
【氏名】マーゴン、マーク
【審査官】田代 吉成
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-192478(JP,A)
【文献】特表2010-523363(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 70/68
B29C 70/06
B29C 70/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)内層の周りに1つ以上の外層を配置し、層状管状部材の長さに沿って1つ以上のシームで接合することにより前記層状管状部材を形成することであって、前記1つ以上の外層は、それに含浸された第1の樹脂を含む、形成することと、
b)前記1つ以上のシームに前記第1の樹脂または第2の樹脂を適用することと、
c)前記第1の樹脂、前記第2の樹脂、または接着剤で前記1つ以上のシームに沿って1つ以上の隅肉を形成することと、
d)前記第1の樹脂、前記第2の樹脂、および前記接着剤を硬化させて、前記層状管状部材、前記第1の樹脂、前記第2の樹脂、および前記接着剤が管形状の複合構造を形成するようにすることと、
e)前記層状管状部材を金型内に位置付けること、前記層状管状部材を金型内に形成すること、またはその両方と、を含
み、
前記金型は、前記1つ以上の外層に対して前記内層へ向かう力を印加し、それによって前記1つ以上の隅肉が形成される、
方法。
【請求項2】
前記1つ以上の隅肉が、前記第2の樹脂を前記シーム内からはみ出させることによって、前記第2の樹脂を前記シームで1つまたは1つ以上の外層に別々に適用することによって、またはその両方によって形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記1つ以上のシーム内の前記第2の樹脂が、前記1つ以上の外層の前記第1の樹脂からのはみ出しである、前記1つ以上の外層の表面間で別々に適用される、またはその両方である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記1つ以上の隅肉を形成するために、前記接着剤が前記シームで1つ以上の外層の1つ以上の縁に適用される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記1つ以上の隅肉が、1つ以上のプロファイル形状で形成され、前記1つ以上のプロファイル形状は、凸状、凹状、線形、自由形状、またはそれらの組み合わせである、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の樹脂、前記第2の樹脂、および前記接着剤が、同時に、別々に、またはそれらの任意の組み合わせで硬化される、請求項1~
5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記1つ以上の外層が、1つ以上の織布材料、不織布材料、またはそれらの組み合わせを含み、前記1つ以上の織布材料が、編組材料、一方向材料、非捲縮材料、他の絡合材料等、またはそれらの組み合わせを含み、前記不織布材料が、ランダムに配向された繊維を有する結合された材料を含む、請求項1~
6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記内層が、マンドレル、ブラダー、またはその両方を含む、請求項1~
7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の樹脂、前記第2の樹脂、前記接着剤、またはそれらの組み合わせの硬化後に、前記1つ以上の外層から前記内層を取り出すことを含む、請求項1~
8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記層状管状部材を真空チャンバによって囲まれた金型に挿入することを含み、
前記第1の樹脂は、前記真空チャンバが前記金型を真空引きすることにより前記外層に含浸される、請求項1~
9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の樹脂、前記第2の樹脂、前記接着剤、またはそれらの組み合わせが、熱硬化性樹脂系である、請求項1~
10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の樹脂、前記第2の樹脂、前記接着剤、またはそれらの組み合わせが、1種以上のエポキシ樹脂系を含む、請求項1~
11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記樹脂、第1の樹脂、第2の樹脂、またはそれらの任意の組み合わせの硬化が、18℃以上~200℃以下の温度である、請求項1~
12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記層状管状物を前記複合構造に硬化するためのサイクル時間が、0.1分以上~3分以内である、請求項1~
13のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本教示は、複合構造およびそのような構造の成型方法に関する。本教示は、炭素繊維を含む複合材料を含む管状複合構造を形成するのに特に有用となり得る。
【背景技術】
【0002】
金属管状コンポーネントは、構造補強を提供するために様々な分野で使用される。これらの金属管状コンポーネントは、2つの別個のパーツの半分をスタンピングしてから溶接することにより、また、ハイドロフォーミングにより製造され、シームレスなコンポーネントを提供する。一般に、金属を管状コンポーネントにハイドロフォーミングするには、一連のプレス(例えばチューブベンダー、予備形成プレス、ハイドロフォーミングプレス等)および組立ステーション(例えば部品の洗浄、切断等)に金属チューブを挿入し、チューブを屈曲、予備形成、および最終形状に成形することが必要である。
【0003】
自動車、航空宇宙、およびスポーツ業界でのコンポーネントの重量削減の必要性により、従来の金属コンポーネントと同じ強度および剛性を備えたより軽量のコンポーネントを形成する必要が生じた。炭素繊維複合材料は、高い強度を示しながら低い部品重量を提供することにより、構造補強材として使用するのに適した特性を有することが分かっている。WO2010/111700は、炭素繊維複合材によって提供される軽量化の可能性および複雑な管状形状を達成するために炭素繊維複合材管を形成するための洗練された解決策を開示している。それにもかかわらず、硬化前に管状コンポーネントへの樹脂の均一な適用を達成するように管状複合構造を形成すること、および複雑な形状の管状コンポーネントを形成することは、依然として困難が伴う。加えて、自動化された大量生産および商業化を可能にするために、短いサイクル時間内での樹脂の適用および複合構造の硬化の必要性が残されている。
【0004】
管状コンポーネントに複雑な形状および輪郭を形成するプロセスを提供しながら、プレスおよび組立ステーションの複雑さを低減する管状コンポーネントを形成するための合理化されたプロセスの必要性が残されている。樹脂を効率的かつ均一に分配して、短いサイクル時間内で管状複合構造を硬化させ、それでも高い強度および剛性を示す管状複合構造を得る必要性が残されている。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、a)少なくとも部分的に中空の内層を多孔質外層に挿入することにより層状管状部材を形成することであって、多孔質外層は、内層の外面の少なくとも一部の周りに取り付けられる、形成することと、b)層状管状部材を、真空チャンバで囲まれた型に挿入することと、c)真空チャンバに金型を真空引きさせることにより、多孔質外層に樹脂を含浸させることと、層状管状部材および樹脂が管状形状を有する複合構造を形成するように、樹脂を硬化させることと、を含む方法に関する。
【0006】
本開示は、a)内層の周りに1つ以上の外層を配置し、層状管状部材の長さに沿って1つ以上のシームで接合することにより層状管状部材を形成することであって、1つ以上の外層は、それに含浸された第1の樹脂を含む、形成することと、b)1つ以上のシームに第1の樹脂または第2の樹脂を適用することと、c)第1の樹脂、第2の樹脂、または接着剤で1つ以上のシームに沿って1つ以上の隅肉を形成することと、d)第1の樹脂、第2の樹脂、および接着剤を硬化させて、層状管状部材、第1の樹脂、第2の樹脂、および接着剤が管状形状の複合構造を形成するようにすることと、を含む方法に関する。
【0007】
本開示の方法は、以下の特徴のうちの1つ以上を任意の組み合わせで含むことができる:金型が真空引きされている間、層状管状部材の内部に圧力が供給され得る;樹脂が硬化した後、内層が残ってもよい、もしくは複合構造から取り出されてもよい;内層は、圧力下で内層の膨張を可能にするエラストマー材料を含んでもよい;外層は、織布、不織布、もしくはその両方であってもよい;外層は編組材料であってもよい;外層は、内部材料を含んでもよい;外層は、スリーブとして成形されてもよい;外層は、シームレスであってもよい;樹脂は、熱硬化性樹脂系であってもよい;樹脂は、エポキシ系であってもよい;内層は、フィルムであってもよい;樹脂は、湿式圧縮、高圧樹脂トランスファー成型、外層への予備含浸、もしくはそれらの任意の組み合わせによって適用されてもよい;樹脂は、内層の外側、外層の外側、外層の内側、もしくはそれらの組み合わせに適用されてもよい;内層は、ブラダー部材を含んでもよい;ブラダー部材は、少なくとも部分的に中空であってもよい;1つ以上のキャップが、ブラダー部材の1つ以上の端部に適用されてもよい;1つ以上のキャップが、外圧から内層をシールしてもよい;型は、型の閉じた位置で1つ以上のキャップの周りをシールしてもよい;剛性部材が内層に挿入されてもよい;内層は、剛性部材を含んでもよい;剛性部材は、ブラダー部材の一方の端部からブラダー部材の反対側の端部まで延在してもよい;型は、層状管状部材を受容することができる中空チャンバを含んでもよい;型は、中空チャンバが真空チャンバと連通し得る少なくとも1つの開口部を含んでもよい;型の中空チャンバの最後の部分に樹脂が分配されてもよい;層状管状部材を中空チャンバに挿入する前に、中空チャンバの表面に樹脂が適用されてもよい;第1の樹脂、第2の樹脂、および/もしくは接着剤は、互いに同じであっても異なっていてもよい;1つ以上の隅肉の接着剤は、第2の樹脂からのはみ出しであるか、シームで1つ以上の外層に別々に適用されるか、もしくはその両方であってもよい;1つ以上のシーム内の第2の樹脂は、第1の樹脂からのはみ出しであるか、1つ以上の外層の表面間に別々に適用されるか、もしくはその両方であってもよい;接着剤を1つ以上の外層の1つ以上の縁に適用して、1つ以上の隅肉を形成してもよい;1つ以上の縁は、1つ以上の内縁、外縁、もしくはその両方を含んでもよい;1つ以上の隅肉は、1つ以上のプロファイル形状を有してもよい;1つ以上のプロファイル形状は、凸状、凹状、線形、自由形状、もしくはそれらの組み合わせを含んでもよい;第2の樹脂は、型内、型外、もしくはその両方の1つ以上のシームに適用されてもよい;第1の樹脂、第2の樹脂、および接着剤の硬化は、同時に、別々に、もしくはそれらの組み合わせで生じてもよい;内層は、マンドレルであってもよい;1つ以上のシームは、2つ以上のシームを含んでもよい;1つ以上の隅肉は、1つ以上の内部隅肉、外部隅肉、もしくはその両方を含んでもよい;真空引きは、チャンバ内の圧力が約0.0psi以上~約5psi以下となり得るようであってもよい;樹脂、第1の樹脂、第2の樹脂、もしくはそれらの任意の組み合わせの硬化は、約18℃以上~約200℃以下の温度であってもよい;層状管状物を複合構造に硬化するためのサイクル時間は、0.1分以上~約15分以下であってもよい;積層管状物を複合構造に硬化させるためのサイクル時間は、0.1分以上~約3分以下であってもよい;またはそれらの任意の組み合わせ。本明細書における教示の複合構造および複合構造の形成方法は、補強構造を提供することができる。補強構造は、輸送車両、スポーツ用品等において有用となり得る。本明細書における教示は、複雑な管状形状となり得る、および/または複雑な管状形状で形成され得る炭素複合構造を提供し得る。複雑な管状形状は、管状複合構造における異なる断面形状を可能にするために、長さに沿って1つ以上の輪郭を有し得る。管状複合構造は、シームレスであってもよく、または1つ以上のシームを含んでもよい。本明細書における複合構造および方法は、急速硬化樹脂組成物を織繊維および/または不織繊維と組み合わせて利用して、低い部品重量を有しながら並外れた強度および剛性を有する複合構造を提供し得る。本明細書における教示は、硬化した層状管状部材から内層を取り出すことによって完全に中空となり得る管状複合部材を提供し、部品重量の低い中空複合構造をもたらす。複合構造は、約1.3g/cm3~約2.5g/cm3の体積質量密度を有し得る。本明細書に開示される方法によって形成される複合構造は、約150MPa~約2000MPaの圧縮強度、約300MPa~約3000MPaの引張強度、またはその両方を有し得る。本開示は、複合構造のより弱い領域を回避するためにシームレスであってもよい外層および/または内層を提供し得る。本開示は、複合構造を生成するためのサイクル時間を促進するために1つ以上のシームを有する外層を提供し得る。1つ以上のシームは、1つ以上の隅肉によって補強され、複合構造のより弱い領域を回避することができる。真空を使用して、樹脂を複合構造の外層内に均一に分配および含浸するか、樹脂の硬化時間を促進して比較的短いサイクル時間内で複合構造を生成するか、またはその両方を行うことができる。サイクル時間は、約0.1分~約10分、またはさらに約0.1分~約5分の範囲であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図3】金型内に位置する層状管状部材を示す図である。
【
図5】金型および真空チャンバ内の複合構造を示す図である。
【
図7A】シームが反対側にある複合構造の断面図である。
【
図7B】シームが反対側にある複合構造の断面図である。
【
図7C】シームが反対側にある複合構造の断面図である。
【
図9A】層状管状部材の周りを囲んだ金型を示す図である。
【
図9B】層状管状部材の周りを囲んだ金型を示す図である。
【
図10A】隅肉のあるシームの断面を示す図である。
【
図10B】隅肉のあるシームの断面を示す図である。
【
図10C】隅肉のあるシームの断面を示す図である。
【
図12A】複合構造の3点曲げ試験の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示は、複合構造および複合構造の作製方法に関する。複合構造は、管状複合構造に形成された後に特に有用となり得る。複合構造は、補強構造、ハンドリング構造等として有用となり得る。複合構造は、重量に敏感な用途で特に有用となり得る。複合構造は、陸、空、または水に適した輸送車両の本体を形成および/または補強するのに役立ち得る。陸上車両には、車、バス、トラック、電車、トラム、オートバイ、自転車、スケートボード、スクーター等が含まれ得る。航空機には、飛行機、ヘリコプター、宇宙船、グライダー、飛行船、熱気球等が含まれ得る。水上の乗り物には、船、ヨット、フェリー、スピードボート等が含まれる。例えば、管状複合構造は、車のフレームの一部を形成し得る。さらなる例として、管状複合構造は、自転車フレームの一部または全部を形成し得る。複合構造は、スポーツ産業等の非車両用途でも使用され得る。複合構造は、スポーツ用品のハンドリング構造を提供するのに用途を見出すことができる。ハンドリング構造は、1つのスポーツ用品のハンドル部分または全長を含み得る。スポーツ用品には、ゴルフクラブ、野球および/またはソフトボールのバット、ラケット(例えば、テニス、スカッシュ)、マレット、キュースティック等が含まれる。複合構造は、管状鋼構造コンポーネントに典型的に見られる剛性および強度を提供するのに特に有用となり得る。本明細書における教示は、急速硬化性樹脂組成物を織繊維、不織繊維、またはその両方と組み合わせて利用して、低い部品重量を有しながら並外れた強度および剛性を有する複合構造を形成し得る。さらに、本明細書における教示は、真空を利用して、樹脂の硬化時間を促進し、比較的短いサイクル時間内で複合構造を生成し得る。
【0010】
複合構造は、補強を提供する等、目標の用途に適した任意の形状を有し得る。本教示は、より複雑な形状および輪郭を有するもの等の管状複合構造を形成する際に特に有利となり得る。その長手方向軸に対して略垂直にとられた管状形状の断面は、円形、正方形、長方形、卵形、楕円形、三角形、多角形等、またはそれらの任意の組み合わせであってもよい。管状形状は、真っ直ぐであってもよく、または長さの一部に沿って1つ以上の輪郭を有してもよい。1つ以上の輪郭は、1つ以上の屈曲、異なる幅、または両方を管状形状に含み得る。1つ以上の輪郭は、長さに沿って異なる断面形状を有する管状形状を提供し得る。例えば、複合構造の一部は、楕円形断面に延びる円形断面を有してもよい。1つ以上の輪郭は、1つ以上の弓状屈曲部を有する管状形状を提供し得る。輪郭は、C、N、S、V、W等、またはそれらの任意の組み合わせに類似した形状に似た湾曲した管状形状を提供し得る。複合構造は、中空、部分的に充填、または中実であってもよい。中空複合構造は、並外れた強度および剛性を備えたさらに軽量の構造を提供し得る。複合構造は、金型内で成形および硬化される層状管状部材によって形成されてもよい。
【0011】
複合構造は、補強構造として機能するのに適した強度および剛性を示し得る。複合構造は、約300MPa以上、約500MPa以上、約700MPa以上、またはさらに約800MPa以上の引張強度を有し得る。複合構造は、約3,000MPa以下、約2,500MPa以下、約2,000MPa以下、またはさらに約1,700MPa以下の引張強度を有し得る。引張強度は、ASTM D3039の試験方法に従って測定され得る。複合構造は、約150MPa以上、約200MPa以上、さらには約250MPa以上の圧縮強度を有し得る。複合構造は、約2000MPa以下、約1500MPa以下、またはさらに約1250MPa以下の複合強度を有し得る。圧縮強度は、ASTM D6641の試験方法に従って測定され得る。複合構造は、強度および剛性を示す一方で密度を有し、軽量構造を提供しながら補強構造として適切に機能することができる。複合構造は、約1.3g/cm3以上、約1.4g/cm3以上、約1.5g/cm3以上の密度(例えば体積質量密度)を有し得る。複合構造は、約2.5g/cm3以下、約2.1g/cm3以下、約1.8g/cm3以下、約1.6g/cm3以下、またはさらに約1.55g/cm3以下の密度を有し得る。引張強度、圧縮強度、および/または密度は、複合構造が約39重量パーセント~約41重量パーセントの樹脂および約50体積パーセント~53体積パーセントの外層を示すときに測定され得る。
【0012】
複合構造は、硬化される前に、最初は層状管状部材として形成されてもよい。層状管状部材は、硬化前に複合構造のコンポーネントの層状構築物を提供する、硬化前に複合構造の1つ以上の複雑な形状および輪郭に容易に形成され得る可撓性部材を提供する、またはその両方を提供することができる。層状管状部材は、1つ以上の可撓性および/またはエラストマーコンポーネントを有してもよく、その結果、層状管状部材は、金型のチャンバ内の形状をとることができる。層状管状部材は、略管状の形状を有してもよい。層状管状部材は、中空、部分的に充填、または中実であってもよい。層状管状部材は、1つ以上の内部補強構造を含まなくてもよく、または少なくとも部分的にそれで充填されてもよい。層状管状部材は、その形状を保持するために、真空によって印加される圧力に抵抗することができてもよい。層状管状部材は、金型に挿入される前に樹脂用の担体または支持構造を提供してもよく、金型内の樹脂で含浸されてもよく、またはその両方であってもよい。層状管状部材は、外層、内層、またはその両方を含んでもよい。
【0013】
層状管状部材は、1つ以上の外層を含んでもよい。1つ以上の外層は、樹脂、1つ以上の他の外層、および/もしくは内層と協働して複合構造を形成するように機能し得る、樹脂用の担体を提供するように機能し得る、樹脂を吸収する、内層の形状に適合するように機能し得る、中空チャンバの形状に適合するように機能し得る、またはそれらの任意の組み合わせであってもよい。外層は、内層、中空チャンバの形状、複合構造の最終形状、またはそれらの組み合わせの周りに適合するための任意の適切な形状、サイズ、および/または構成を有し得る。1つ以上の外層は、単一の外層または複数の外層を含んでもよい。複数の外層は、2つ以上、3つ以上、またはさらに4つ以上の外層を含んでもよい。複数の外層は、10個以下、8つ以下、またはさらに6つ以下の外層を含んでもよい。複数の外層は、1つ以上のシームで接合され、層状管状部材、複合構造、またはその両方を形成することができる。1つ以上の外層は、スリーブ、スリーブの一部、シート、マット等、またはそれらの組み合わせとして成形されてもよい。例えば、外層は、管状の内層と協働するスリーブとして成形されてもよい。別の例として、外層は、その上に位置付けられた場合に管状内層の少なくとも一部の形状をとる可撓性シートであってもよい。外層は、中空、部分的に充填、または中実であってもよい。外層は、その中に内層および/またはその中に1つ以上の内部補強構造を受容するように中空であってもよい。外層は、剛性、可撓性、またはその両方であってもよい。剛性のある(すなわち、複合構造に形成される前の)外層は、内層の形状と相互の形状、結果として生じる複合構造と同様の全体形状、またはその両方を備えた中空内部を有してもよい。可撓性である外層は、外層が内層、金型の中空チャンバ、もしくはその両方の形状に適合することを可能にし得る、外層が膨張することを可能にし得る(例えば内層の膨張時等)、層状管状部材が金型内の様々な角度および方向に適合することを可能にし得る、またはそれらの任意の組み合わせであってもよい。剛性または半剛性である外層は、外層が、内層、金型の中空チャンバ、またはその両方と同様の輪郭を有する形状にすぐに形成されることを可能にし得る、外層が複合構造に迅速に形成することを可能にし得る、またはその両方である。外層は、多孔質、非多孔質、またはそれらの組み合わせであってもよい。少なくとも部分的に多孔質である外層は、多孔質外層と呼ばれる場合がある。少なくとも部分的に多孔質である外層は、1つ以上の細孔内に樹脂を受容することができる。1つ以上の細孔は、織布材料の2つ以上のストランドの間の間隔、織布材料および/もしくは不織布材料内に形成された開口部、またはそれらの組み合わせによって形成されてもよい。1つ以上の外層は、1つ以上の開放端部を含んでもよい。1つ以上の外層は、1つ以上の開放端部を含むように互いに組み付けられてもよい。1つ以上の開放端部は、内層および/もしくは1つ以上の内部補強構造が外層に挿入されることを可能にし得る、1つ以上の供給ラインが層状管状部材の内部と流体連通することを可能にし得る、またはそれらの組み合わせであってもよい。1つ以上の開放端部は、1つ以上の外層の両端部に位置する2つの開放端部を含んでもよい。例えば、スリーブ形状の外層は、2つの対置する開放端部を含んでもよい。別の例として、C字形断面を有する第1の外層は、同じくC字形断面を有する第2の外層に隣接して位置付けられ、したがって対置する開放端部内にスリーブ状形状を形成し得る。外層は、1つ以上の外部材料、1つ以上の内部材料、またはその両方を含んでもよい。
【0014】
外層は、1つ以上の外部材料を含んでもよい。外部材料は、外層に樹脂を含浸させる、樹脂用の担体を提供する、外層を内層および/もしくは金型の形状に適合させる、樹脂および/もしくは複合構造に構造補強を提供する、またはそれらの任意の組み合わせにおいて特に有用となり得る。外部材料は、列挙したように機能するのに適した任意の材料であってもよい。1つ以上の外部材料は、弾性材料、ガラス、繊維、炭素、またはそれらの任意の組み合わせで形成されてもよい。1つ以上の外部材料は、単一の外部材料または複数の外部材料を含んでもよい。1つ以上の外部材料は、1つ以上の外部材料の1つ以上、2つ以上、3つ以上、またはさらに4つ以上の別個の層を含んでもよい。1つ以上の外部材料は、1つ以上の外部材料の15個以下、13個以下、またはさらに10個以下の別個の層を含み得る。1つ以上の外部材料は、1つ以上のシームを含むか、またはシームレスであってもよい。外層は、弱い領域(例えば、シームによって画定される弱い領域等)を回避しながら、複合構造の全周囲の周りに連続的な構造補強を提供するため、シームレスな1つ以上の外部材料が有利となり得る。シームを有する1つ以上の外部材料は、複合構造の低コストで迅速な形成プロセスを可能にする点で有利となり得る。シームは、1つ以上の外部材料と1つ以上の他の外部材料との間の重なりに形成されてもよい。1つ以上のシームは、2つ以上の外部材料の間の接着剤で結合されてもよい。各外部材料には厚みがあってもよい。厚さは、樹脂と協働して、十分な強度および剛性の特性を備えた複合構造を提供するのに十分となり得る。厚さは、約0.2mm以上、約0.25mm以上、またはさらに約0.3mm以上であってもよい。厚さは、約1.0mm以下、約0.9mm以下、約0.8mm以下、約0.7mm以下、またはさらに約0.50mm以下であってもよい。各外部材料は、目付を有し得る。目付は、約200gm/m2以上、約250gm/m2以上、約300gm/m2以上、またはさらに約350gm/m2以上であってもよい。目付は、約1,500gm/m2以下、約1,250gm/m2以下、約1,000gm/m2以下、またはさらに約800gm/m2以下であってもよい。1つ以上の外部材料は、多孔質、非多孔質、またはその両方であってもよい。細孔は、織布材料のストランドの間に形成された空間(例えばギャップ)、不織布および/もしくは不織布材料に形成された開口部、またはそれらの組み合わせとして定義され得る。1つ以上の外部材料は、織布および/または不織布材料であってもよい。織布材料は、編組材料、一方向材料、非捲縮材料、絡合材料等を有する他の適切な布地、またはそれらの組み合わせを含み得る。不織布材料は、結合された材料(例えば繊維)を含み得る。1つ以上の外部材料は、繊維から形成されてもよい。繊維は、連続繊維、細断繊維、またはその両方の組み合わせであってもよい。例えば、織布材料は、連続繊維スリーブまたはマットの形態であってもよい。連続繊維外部材料に適した例示的な材料は、VORAFUSE(商標)Pシート等のDOW(登録商標)から入手可能な複合シートを含み得る。例えば、不織布材料は、マトリックス樹脂等の樹脂と一緒に結合された細断またはランダム配向繊維を有するスリーブまたはマットの形態であってもよい。細断ランダム配向繊維を結合するための例示的な適切な材料は、VORAFUSE(商標)Mシート等のDOW(登録商標)から入手可能な化合物を含み得る。
【0015】
1つ以上の外部材料は、編組材料を含んでもよい。編組材料は、エラストマー材料を必要とすることなく、外部材料に弾性または可撓性の特性を付与し得る。編組材料は、外層が内層、金型またはその両方の様々な幾何構造(例えば形状)、寸法(例えば幅、直径等)、またはその両方に適合することを可能にし得る。例えば、編組材料は、外層が内層のより広い部分に適合するように伸張しながら内層のより狭い部分の周りにぴったり合う形状を有することを可能にし得る。編組材料は、二軸、三軸、一方向、カスタム形成、またはそれらの任意の組み合わせであってもよい。二軸編組は、互いに上下に交差する2組の糸ストランドを有するバスケット織り形態で形成されてもよい。一般に、二軸編組では、編組は+/-45°の方位で定義され得るが、さらに低い角度でも定義され得る。三軸編組は、二軸編組の典型的な2組の糸に第3の組の糸ストランドを追加することを含み得る。第3の組の糸ストランドは、軸方向において第1および第2の組の糸ストランドと織り合わせることができる。一方向材料は、弾性バイアスを有する材料(例えばスリーブ、シート)であってもよい。弾性バイアスは弾性ステッチングによって形成され、一方向材料が様々な幾何構造および寸法に適合することを可能にする。編組材料は、弾性材料、ガラス、繊維、炭素、またはそれらの任意の組み合わせから形成され得る。適切な外部材料は、Bimax(登録商標)二軸編組スリーブおよびガラス繊維を含む布(例えばシート)等の、A&P Technologyによって製造された1つ以上の編組構造および/または編組形態を含み得る。例示的な外部材料は、http://www.braider.com/Braid-Basics/Braid-Forms.aspxに見ることができる。1つ以上の外部材料は、バインダーで処理(またはコーティング)されてもよく、またはされなくてもよい。バインダーは、樹脂と相溶性のある安定剤として機能し得る。外部材料は、内層に組み付けられる前、および/または金型に挿入される前に、樹脂で含浸されてもよく、またはされなくてもよい。1つ以上の外部材料は、それに隣接する内部材料を有してもよい。
【0016】
外層は、1つ以上の内部材料を含んでもよい。内部材料は、外部材料への補強、外層への追加の補強、外層からの内層の取り出しの促進、樹脂用の担体としての内層と外層との間の結合の促進、またはそれらの任意の組み合わせを提供するように機能し得る。1つ以上の内部材料は、単一の内部材料または複数の内部材料を含んでもよい。1つ以上の内部材料は、1つ以上の内部材料の1つ以上、2つ以上、3つ以上、またはさらに4つ以上の別個の層を含んでもよい。1つ以上の内部材料は、1つ以上の内部材料の15個以下、13個以下、またはさらに10個以下の別個の層を含んでもよい。内部材料は、外層が内層、金型、樹脂、またはそれらの組み合わせと協働して複合構造を形成することを可能にする材料であってもよい。内部材料は、外層を内層に接着させるか、または硬化後に内層を取り出させることができる材料であってもよい。内部材料は、1つ以上の外部材料に隣接して、1つ以上の外部材料と内層との間、またはその両方に位置付けることができる。内部材料は、1つ以上の外層の内部に貼り付けられ(例えば接着され)てもよい。内部材料は、外部材料、内層、またはその両方に類似した形状で形成されてもよい。内部材料は、スリーブ;1つ以上の外部材料、内層、および/もしくは複合構造の少なくとも一部と同様の輪郭を有するシート;またはそれらの組み合わせとして成形されてもよい。内部材料は、中空、部分的に充填、または中実であってもよい。中空の内部材料は、内層、1つ以上の補強構造、またはその両方がその中に位置付けられることを可能にし得る。シート形状の内部材料は、内部材料が内層の周りに少なくとも部分的に位置付けられること、1つ以上の外部材料の少なくとも一部に隣接して位置付けられること、内層、隣接する外部材料、もしくはその両方の1つ以上の輪郭に適合すること、またはそれらの任意の組み合わせを可能にし得る。内部材料は、1つ以上の開放端部を有する形状を含むか、またはその形状に形成されてもよい。1つ以上の開放端部は、内層が内部材料内に受容されることを可能にし得る。1つ以上の開放端部は、1つ以上の外部材料の1つ以上の開放端部と整列(例えば中心、同軸)されてもよい。1つ以上の開放端部は、内部材料の両端部に2つの開放端部を含み得る。内部材料は、多孔質、非多孔質、またはその両方であってもよい。多孔質は、外層または外部材料の多孔質と同様に定義され得る。内部材料は、1つ以上の外部材料として適切な1つ以上の材料を含んでもよい。1つ以上の内部材料は、1つ以上の外部材料と同じまたは異なっていてもよい。適切な内部材料は、一方向層を含んでもよい。内部材料は、スリーブ、シート、またはその両方として形成されてもよい。例示的な一方向スリーブは、炭素繊維を含むUnimax(登録商標)編組一方向スリーブ等のA&P Technologyによって製造されたものであってもよい。例示的な一方向シートは、炭素繊維を含むZERO(登録商標)不織一方向シート等のA&P Technologyによって製造されたものであってもよい。内部材料は、層状管状部材の内層と外部材料との間にあるように組み付けられてもよい。
【0017】
層状管状部材は、1つ以上のシームを含んでもよい。1つ以上のシームは、1つ以上の外層を同じまたは他の1つ以上の外層に接合するように機能し得る。1つ以上のシームは、1つ以上の外層のシートまたはマットがスリーブ状または管状形状に形成されることを可能にし得る。1つ以上のシームは、複合構造を形成するのに適した外層の少なくとも一部に沿った任意の場所に位置付けられ得る。1つ以上のシームは、1つ以上の外層(例えば、外部材料、内部材料)の1つ、いくつか、またはすべての層に形成されてもよい。1つ以上のシームは、実質的に線形、非線形、またはその両方であってもよい。1つ以上のシームは、同じまたは他の1つ以上の外層に接着されている1つ以上の外層によって形成されてもよい。シームは、当接シーム、重複シーム、またはその両方の組み合わせを含んでもよい。当接シームは、1つ以上の外層と、同じまたは他の1つ以上の外層との端部同士の接触で形成されてもよい。例えば、対置する縁を有する1つ以上の外層のシートは、対置する縁が当接接触しているところに当接シームが形成されるように巻かれてもよい。別の例として、それぞれが対置する縁を有する1つ以上の外層の2つ以上のシートがCチャネル形状に形成され、1つのシートの対置する縁が別のシートの対置する縁と当接接触して2つの当接シームを形成するように当接接触して配置される。1つ以上の外層が同じまたは他の1つ以上の外層と重なる重複シームが形成されてもよい。重複シームは、1つ以上の外層の外縁、内縁、またはその両方を含んでもよい。外縁は、層状管状部材、複合構造、またはその両方の外部における1つ以上の外層の縁であってもよい。内縁は、層状管状部材、複合構造、またはその両方の内部における1つ以上の外層の縁であってもよい。例えば、対置する縁を有する1つ以上の外層のシートは、対置する縁が1つ以上の外層の外面および内面と重なる重複シームが形成されるように巻かれてもよい。別の例として、それぞれが対置する縁を有する1つ以上の外層の2つ以上のシートがCチャネル形状に形成され、一方のシートが2つの重複シームに対して対置する縁で別のシートと重なるように重複接触で配置される。1つ以上のシームは、層状管状部材、複合構造、またはその両方の周囲長に対して幅を有してもよい。幅、周囲、またはその両方は、層状管状部材、複合構造、またはその両方の二次元断面で測定され得る。シームの幅は、シームの外縁と内縁との間の距離として測定され得る。層状管状部材、複合構造、またはその両方の周囲に対するシームの幅は、約0%以上、約2%以上、またはさらに約4%以上であってもよい。層状管状部材、複合構造、またはその両方の周囲に対するシームの幅は、約100%以下、約70%以下、約50%以下、またはさらに約30%以下であってもよい。例えば、層状管状部材、複合構造、またはその両方の周囲に対するシームの幅は、約4%以上~約30%以下であってもよい。約0%の周囲に対するシームの幅は、当接シームを示し得る。0%より大きい周囲に対するシームの幅は、重複シームを示し得る。1つ以上のシームは、1つ以上の樹脂で結合されてもよい。樹脂は、1つ以上のシームに沿って、1つ以上の外層の縁の間、1つ以上の外層の1つ以上の縁の上、外層の内面と外面との間、またはそれらの任意の組み合わせで位置付けられてもよい。1つ以上のシームは、1つ以上の外層の1つ以上の縁を覆う1つ以上の隅肉を有してもよい。
【0018】
1つ以上のシームは、1つ以上の隅肉を含んでもよい。1つ以上の隅肉は、1つ以上のシームに沿った2つ以上の外層の間の結合を強化もしくは補強するように機能し得る、1つ以上のシームレスな外層に匹敵する強度、剛性、もしくはその両方を提供するように機能し得る、隅肉のない1つ以上のシームを有する複合構造と比較して改善された周波数応答を提供するように機能し得る、またはそれらの任意の組み合わせであってもよい。1つ以上の隅肉は、1つ以上のシームにおける樹脂のオーバーフロー、別個の接着剤、またはその両方であってもよい。オーバーフローは、はみ出しと呼ばれることがある。1つ以上の隅肉は、任意の形状を有するか、シームで任意の表面を覆うか、またはその両方であってもよく、1つ以上の外層のシームで適切な結合を提供し得る。1つ以上の隅肉は、1つ以上の外層の縁と1つ以上の外層の表面との間に形成されてもよい。縁は、外縁、内縁、またはその両方を含み得る。表面は、1つ以上の外層の外向き表面、内向き表面、またはその両方を含み得る。内向き表面は、内層に隣接する、および/または内層に面する表面であってもよい。外向き表面は、金型のチャンバに隣接する内向き表面の反対側、層状管状部材および/もしくは複合構造の外表面、またはそれらの任意の組み合わせであってもよい。1つ以上のシームにおいて、1つ以上の隅肉は、1つ以上の縁上に位置してもよく、1つ以上の表面から1つ以上の縁に向かって延在してもよく、1つ以上の表面から1つ以上の縁上に延在してもよく、またはそれらの任意の組み合わせであってもよい。各シームは、外部隅肉、内部隅肉、またはその両方を含んでもよい。外部隅肉は、1つ以上の外層の外向き表面からシームの外縁を越えて延在してもよい。内部隅肉は、1つ以上の内層の内向き表面からシームの内縁を越えて延在することができる。隅肉は1つ以上のプロファイル形状を有してもよい。1つ以上のプロファイル形状は、線形、非線形、またはその両方であってもよい。線形プロファイル形状は、複合構造の二次元断面において、隅肉が外層の縁から外層の表面まで実質的に直線状に延在するものであってもよい。非線形は、凹面、凸面、波状、自由形状等、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。非線形プロファイル形状は、複合構造の二次元断面における隅肉のプロファイル形状を示し得る。1つ以上の隅肉は、シームで外面と内面との間に位置付けられた樹脂または他の接着剤の一部であるか、またはそれと結合されてもよい。1つ以上の隅肉は、シームの表面間に位置付けられた樹脂または他の樹脂のオーバーフローであってもよい。1つ以上の外層に印加される力によって、樹脂または他の接着剤は、シームの表面の間からシームの1つ以上の縁の上に流動し得る。例えば、力は、成型プロセスにおいて外層に印加される力であってもよい。樹脂または他の接着剤は、シームに沿った1つ以上の縁に沿って適用されてもよい。次いで、樹脂または他の接着剤は、シームに位置付けられた複合構造の樹脂と結合し得る。隅肉は、シームを補強するのに適した高さ、幅、またはその両方を有し得る。高さ、幅、またはその両方は、層状管状部材、複合構造、またはその両方の二次元断面で測定され得る。高さは、1つ以上の外層の外向き表面に対して実質的に垂直に測定され得る。長さは、長さに沿って、および/または1つ以上の外層の外向き表面に平行に測定され得る。高さ、幅、またはその両方は、1つ以上の外層の厚さに対して測定され得る。高さ、幅、またはその両方は、1つ以上の縁における1つ以上の外層の厚さに対して測定され得る。隅肉は、約20%以上、約50%以上、またはさらに約80%以上の1つ以上の外層の厚さに対する高さを有し得る。隅肉は、約200%以下、約180%以下、約150%以下、またはさらに約120%以下の1つ以上の外層の厚さに対する高さを有することができる。例えば、隅肉は、約80%以上~約120%以下の1つ以上の外層に対する高さを有し得る。隅肉は、約20%以上、約30%以上、約40%以上、またはさらに約50%以上の1つ以上の外層の厚さに対する長さを有し得る。隅肉は、約300%以下、約275%以下、約250%以下、またはさらに約200%以下の1つ以上の外層の厚さに対する長さを有し得る。例えば、隅肉は、約50%以上~約200%以下の1つ以上の外層の厚さに対する長さを有し得る。層状管状部材は、内層を含み得る。内層は、外層の補強構造として機能し得る、外層に形状を与えるように機能し得る、金型内の層状管状部材への内向きの圧力に抵抗するように機能し得る、樹脂の担体として機能し得る、またはそれらの任意の組み合わせであってもよい。内層は、マンドレルであってもよい、またはマンドレルとして機能し得る。内層は、金型内にある間に層状管状部材の周りが真空引きされている間、外層の内側に圧力を印加するのに特に有用となり得る。内層は、得られる複合構造の形状と類似または異なる形状を有してもよい。内層は、金型に挿入される前または挿入されるときに、得られる複合構造に類似した形状に形成されてもよい。内層は、略立方体、円筒形、円錐形、環状、角柱形、球形等、またはそれらの任意の組み合わせである形状を有してもよい。内層は、中空、部分的に充填、または中実であってもよい。中空の内層は、その中に1つ以上の内部補強構造を受容し得る。部分的に充填された、または中実の内層は、内部に内部補強構造を含み得る。内層は、硬化後に層状管状部材から取り出されてもよく、または硬化後に層状管状部材内に残ってもよい。内層は複合構造の一部であってもよく、または複合構造は内層を含まなくてもよい。内層は、樹脂を含まなくてもよく、またはその上に樹脂を担持してもよい。内層は、層状管状部材に組み付けられる前、または金型に挿入される前に、その上に樹脂を担持してもよい、または有さなくてもよい。内層は、ブラダー部材、樹脂、1つ以上のフィルム、1つ以上のキャップ、1つ以上の内部補強構造、1つ以上の締め付け部材、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。内層は、供給ラインと流体連通してもよく、またはしなくてもよい。内層は、層状管状部材が金型内にある間に、逆圧を提供し得る。逆圧は、層状管状部材の周りの真空排気前の周囲圧力であってもよく、および/または1つ以上の内部補強構造によって提供されてもよい。内層の外面は、外層に隣接しているか、直接接触しているか、またはその両方であってもよい。内層の外面は、ブラダー部材の外面であってもよい。
【0019】
内層は、ブラダー部材を含んでもよい。ブラダーは、外層を成形する、構造的支持を提供する、もしくはその両方を行うように機能することができる、真空による内向きの変形を防ぐように機能することができる、樹脂用の担体構造を提供するように機能することができる、またはそれらの任意の組み合わせであってもよい。ブラダー部材は、中空、部分的に充填、完全に充填、または中実であってもよい。例えば、ブラダー部材は、実質的に中実のマンドレルであってもよく、その周りに1つ以上の外層が位置付けられる。マンドレルは、1種以上の金属等の任意の適切な材料から作製され得る。1種以上の金属は、鋼、アルミニウム、他の合金、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。中実のブラダー部材は、ブラダー部材内の追加の内部補強構造の必要性を回避するのに特に有用となり得る。ブラダー部材は一般に、管状形状を有し得る。内層は、中空の内部を含み得る。中空の内部は、その中に位置付けられた1つ以上の内部補強構造を有するために特に有用となり得る。ブラダー部材は、1つ以上の開口部を含み得る。1つ以上の開口部は、内部へのアクセスを提供し得る。1つ以上の開口部は、ブラダー部材の両端部に位置付けられた2つの開口部を含み得る。ブラダー部材は、1つ以上のリップ(すなわちビーズとも呼ばれる)を含み得る。1つ以上のリップは、1つ以上の開口部の周りに位置付けられ得る。1つ以上またはそれより多くのリップは、ブラダー部材の残りの材料とほぼ同じか、またはそれよりも大きい厚さであってもよい。1つ以上のリップは、1つ以上の端部でそれ自体の上にブラダー部材の一部を巻いて、1つ以上の開口部の周りにより厚い部分を形成することによって形成され得る。1つ以上のリップは、1つ以上のキャップ、内部補強構造、供給ライン、またはそれらの組み合わせと係合するように機能し得る。1つ以上のリップは、1つ以上のキャップ、内部補強構造、供給ライン、またはそれらの組み合わせの少なくとも一部を取り囲んでもよい。ブラダー部材は、フィルムを含んでもよく、またはフィルムを含まなくてもよい。ブラダー部材は、外層と結合する前に樹脂を含まなくてもよく、その上に適用された樹脂を含んでもよく、または樹脂であってもよい。
【0020】
ブラダー部材は、金型内および/もしくは層状管状部材の周りが真空引きされる場合には真空内で外層に構造的補強を提供する、その上に樹脂を担持する、その中に1つ以上の内部補強構造が位置付けられる、外層からの取り出しを可能にする、外層と結合する、またはそれらの任意の組み合わせに適した任意の材料を含んでもよい。ブラダー部材は、その中に1つ以上の内部補強構造を含む、その上に樹脂を有する、その上にフィルムが位置付けられる、またはそれらの任意の組み合わせに適した材料を含んでもよい。ブラダー部材は、剛性材料、エラストマー材料、または両方の組み合わせを含んでもよい。剛性材料は、複合構造の最終形状に類似した形状を有してもよい。剛性材料は、外層に支持を提供し得る。剛性材料は、外層に樹脂を含浸させるために金型で真空引きされるときに外層を補強するのに十分に強くてもよい。剛性材料は、約5psi~約30psiの範囲の内向き圧力での内向き変形に抵抗することができてもよい。エラストマー材料は、ブラダー部材の膨張を可能にし得る。膨張は、ブラダー部材の内部に逆圧を印加するブラダー部材内の1つ以上の内部補強構造から生じ得る。エラストマー材料は、約100%以上の伸長、約200%以上の伸長、約300%以上の伸長、またはさらに約350%以上の伸長を可能にし得る。エラストマー材料は、約700%以下の伸長、約600%以下の伸長、約500%以下の伸長、またはさらに約450%以下の伸長を可能にし得る。エラストマー材料は、ゴム、シリコーン、それらの混合物、それらの積層構造、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。例えば、ラテックスは、適切なエラストマー材料となり得る。ブラダー部材は、ディップ成型等のエラストマー材料を形成するための任意の適切な方法によって形成することができる。エラストマー材料は、エラストマー材料が複合構造の形成プロセス、樹脂硬化プロセス、またはその両方の少なくとも一部の間にそのエラストマー特性を保持するように、耐熱性であってもよい。エラストマー材料は、約100°F(37.8℃)以上、約150°F(65.6℃)以上、約200°F(93.3℃)以上、またはさらに約225°F(107.2℃)以上の温度で耐熱性であってもよい。エラストマー材料は、約400°F(204.4℃)以下、約350°F(176.7℃)以下、約300°F(148.9℃)以下、またはさらに約275°F(135.0℃)以下の温度で耐熱性であってもよい。エラストマー材料は、長時間にわたって高温に曝露された場合に耐熱性であってもよい。エラストマー材料は、約10時間以上、約15時間以上、約20時間以上、またはさらに約25時間以上、高温に曝露された場合に耐熱性であってもよい。エラストマー材料は、約50時間以下、約45時間以下、約40時間以下、またはさらに約35時間以下の高温に曝された場合に耐熱性である。ブラダー部材は、材料の厚さを有し得る。材料の厚さは、ブラダー部材の側壁の厚さであってもよい。材料の厚さは、約0.010インチ(0.254mm)以上、約0.020インチ(0.508mm)以上、約0.025インチ(0.635mm)以上、またはさらに約0.030インチ(0.762mm)以上であってもよい。材料の厚さは、約0.060インチ(1.524mm)以下、約0.050インチ(1.27mm)以下、約0.045インチ(1.143mm)以下、またはさらに約0.040インチ(1.016mm)以下であってもよい。ブラダー部材は、一時的または永久的に外層に付着するか、または外層から取り外し可能であるのに適した材料を含んでもよい。ブラダー部材は、フィルムを含んでもよい。
【0021】
内層は、フィルムを含む、またはフィルムを含まなくてもよい。フィルムは、樹脂のブラダー部材への結合を促進するように機能し得る。フィルムは、硬化後に複合構造に強度および/または耐衝撃性を付与し得る。フィルムは、ブラダー部材の外面を部分的または完全に取り囲んでもよい。フィルムは、ブラダー部材の外面の全部または一部の周りに適用され得る。フィルムはエラストマーであってもよく、したがってフィルムはブラダー部材のエラストマー特性を抑制しない。フィルムは、樹脂の硬化前、樹脂の硬化中、またはその両方で、樹脂と結合するための任意の適切なフィルムであってもよい。フィルムは、内層を樹脂用の担体構造として機能させることができる。フィルムは、硬化中に内層を樹脂および外層と結合させることができる。フィルムは、樹脂とフィルムとの間の極性相互作用および/または共有結合を可能にし得る任意のフィルムであってもよい。フィルムは、複合構造に耐久性のあるオレフィンベースコーティングを提供し得る。フィルムは、オレフィン、ポリエステル、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリアミド、ポリアミン等、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。フィルムは、グラフト化アミン官能性フィルム、グラフト化ポリオレフィンフィルム、またはその両方であってもよい。そのようなポリマー材料は、ポリマー構造上にグラフトを含み得る。一般に、グラフト化構造は、約0.05wt%以上のグラフト、約0.1wt%以上のグラフト、またはさらに約0.2wt%以上のグラフトを含み得る。グラフト化構造は、約2.0wt%以下のグラフト、約1.8wt%以下のグラフト、約1.5wt%以下のグラフト、またはさらに約1.2wt%以下のグラフトを含み得る。グラフト化構造の適切なグラフトは、エチルアミン等のアミン、および/または無水マレイン酸等の酸無水物であってもよい。フィルムは、約0.80gm/cc以上、約0.82gm/cc以上、またはさらに約0.85gm/cc以上の密度を有し得る。フィルムは、約0.95gm/cc以下、約0.93gm/cc以下、またはさらに約0.90gm/cc以下の密度を有し得る。フィルムは、約32℃以上、約35℃以上、またはさらに約36℃以上の融点を有し得る。フィルムは、約110℃以下、約105℃以下、またはさらに約100℃以下の融点を有し得る。フィルムは、約-70℃以上、約-65℃以上、約-60℃以上、またはさらに約-55℃以上のガラス転移温度を有し得る。フィルムは、約-25℃以下、約-30℃以下、約-35℃以下、またはさらに約-40℃以下のガラス転移温度を有し得る。フィルムは、内層がブラダー部材と屈曲、膨張、および/または収縮することができるように、フィルムの可撓性を可能にするのに適した結晶化度を有し得る。オレフィン系フィルムは、低い結晶化度を有し得る。フィルムの結晶化度は、約10%以上、約12%以上、約14%以上、またはさらに約16%以上であってもよい。フィルムの結晶化度は、約30%以下、約24%以下、約20%以上、またはさらに約18%以上であってもよい。適切な例示的フィルムは、The Dow Chemical Companyによって製造されたENGAGE(商標)およびAFFINITY(商標)ポリオレフィンエラストマーを含み得る。
【0022】
内層は、1つ以上の内部補強構造を含んでもよい。1つ以上の内部補強構造は、ブラダー部材を拡張するように機能し得る、内層、層状管状部材、複合構造、もしくはそれらの任意の組み合わせの一般的な形状に外向きの圧力を印加および/もしくは維持するように機能し得る、外圧(例えば真空)に対して相対的な逆圧を印加するように機能し得る、真空から生じる内層、層状管状部材、複合構造、もしくはそれらの任意の組み合わせの内向き変形に抵抗するように機能し得る、またはそれらの任意の組み合わせであってもよい。内部補強構造は、ブラダー部材を膨張させる、外向きの圧力を印加する、変形に抵抗する、および/または内層、層状管状部材、複合構造、もしくはそれらの任意の組み合わせの一般的な形状を維持するための任意の適切な材料および/または構成であってもよい。1つ以上の内部補強構造は、ブラダー部材の中空内部、内部材料、外部材料、またはそれらの任意の組み合わせ内に位置付けられ得る。内部補強構造は、1種以上の流体、固体等、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。1種以上の流体は、液体、気体、またはその両方の組み合わせを含み得る。1種以上の流体は、加熱、加圧、またはその両方に供され得る。1種以上の流体は、ブラダー部材への挿入の前、間、および/もしくは後に加熱され得るか、または周囲温度のままであってもよい。1種以上の流体の加熱は、1種以上の流体の膨張および/または加圧をもたらし得る。液体は、作動液、水、膨張前のフォーム等、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。ガスは、加圧空気等の加圧ガスを含み得る。加圧空気は、圧縮ガスを含み得る。1種以上の固体は、1つ以上の剛性部材、1つ以上の膨張性材料等、またはそれらの組み合わせを含み得る。1種以上の膨張性材料は、1つ以上の膨張性フォームを含み得る。1種以上の内部補強構造は、中空の内部から、ブラダー部材の内表面、内部材料、外部材料、またはそれらの組み合わせに外向きの圧力を付与し得る。外向きの圧力は、金型、真空、もしくはその両方によって印加される内向きの圧力(例えば中空の内部に向かう圧力)に抵抗するのに十分となり得る、層状管状部材の形状を保持するのに十分となり得る、またはそれらの組み合わせであってもよい。外向きの圧力は、真空によって印加される内向きの圧力と反対方向にほぼ同じまたはそれより大きくてもよい。内部補強構造によって印加される外向きの圧力は、約5psi以上、約10psi以上、約15psi以上、約25psi以上、またはさらに約30psi以上であってもよい。内部補強構造によって印加される外向きの圧力は、約500psi以下、約400psi以下、約300psi以下、またはさらに約200psi以下であってもよい。例えば、内部補強構造によって印加される外向きの圧力は、約5psi~約30psi、またはさらに約200psi~約500psiであってもよい。1つ以上の内部補強構造は、完成した複合構造内に残ってもよく、または複合構造の硬化後に取り出されてもよい。例えば、圧縮空気または油圧流体が、複合構造の内部から放出され得る。さらなる例では、1つ以上の剛性部材および/または膨張性フォームが、複合構造の内部に残ってもよい。1つ以上の内部補強構造は、1つ以上のキャップを通る供給ラインを介して供給されてもよい。1つ以上の補強構造は、1つ以上の剛性部材等の1つ以上のキャップによって定位置に保持されてもよい。
【0023】
内層は、1つ以上の剛性部材を含み得る。1つ以上の剛性部材は、内層を補強するように機能し得る、外部圧力および/もしくは内部加圧器が印加された場合に内層の形状を維持するのを助けるように機能し得る、ブラダー部材でシールされた1つ以上のキャップを保持するのを助けるように機能し得る、またはそれの任意の組み合わせであってもよい。1つ以上の剛性部材は、単一または複数の剛性部材を含んでもよい。1つ以上の剛性部材は、内層および/またはブラダーの長さに沿って延在してもよい。1つ以上の剛性部材は、ブラダー、キャップ、またはその両方の一方の端部から、ブラダー、キャップ、またはその両方の反対側の端部まで延在してもよい。1つ以上の剛性部材は、層状管状部材の周りが真空引きされている間、変形に抵抗するのに十分な剛性を有し得る。1つ以上の剛性部材は、真空による変形に抵抗するために、真空によって印加される圧力とほぼ等しいかまたはそれよりも大きい剛性を示し得る。1つ以上の剛性部材は、内層を補強するのに適した任意の形状を有し得る。例えば、1つ以上の剛性部材は、1つ以上のロッドとして成形されてもよい。1つ以上の剛性部材は、(例えば膨張の前または後に)ブラダーの直径以下の幅(例えば直径)を有し得る。1つ以上の剛性部材は、1つ以上のキャップに貼り付けられてもよい、またはそれと一体であってもよい。1つ以上の剛性部材は、1つ以上のキャップと係合することができる。1つ以上の剛性部材は、1つ以上のキャップ内に部分的に受容されてもよい。剛性部材の対置する端部は、対置するキャップと係合し得る。1つ以上の剛性部材は、1つ以上のキャップの1つ以上の係合フィーチャと係合するための1つ以上の相互係合フィーチャを含み得る。1つ以上の相互係合フィーチャは、糸、タブ、棘、またはそれらの組み合わせを含み得る。1つ以上の相互係合フィーチャは、剛性部材の1つ以上の端部に位置付けられてもよい。
【0024】
内層は、1つ以上のキャップを含み得る。1つ以上のキャップは、内層、ブラダー、もしくはその両方内に1つ以上の内部補強構造を保持するように機能し得る、ブラダーを外圧からシールするように機能し得る、ブラダーをシールするために1つ以上の締め付け部材と協働するように機能し得る、金型と協働してシールを提供するように機能し得る、またはそれらの任意の組み合わせであってもよい。1つ以上のキャップは、列挙された機能のいずれかに適した一般的な形状および/またはサイズを有してもよい。1つ以上のキャップは、ブラダー部材の1つ以上(例えば両端部)に位置付けられてもよい。1つ以上のキャップは、ブラダー部材、1つ以上の締め付け部材、1つ以上の剛性部材、供給ライン、金型の一部、金型のフランジ、またはそれらの任意の組み合わせと係合するための1つ以上の係合フィーチャを含んでもよく、および/または含まなくてもよい。1つ以上の係合フィーチャは、気密シールを提供し得る、確実な係合のための手段を提供し得る、またはその両方であってもよい。1つ以上の係合フィーチャは、1つ以上の溝、ねじ、接着剤等、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。1つ以上の係合フィーチャは、キャップの外側の周り、キャップの内部、またはその両方に位置付けられてもよい。例えば、溝は、キャップの外径の周りに位置付けられてもよい。さらなる例として、ねじ付き開口部がキャップの内部に位置付けられてもよい。1つ以上の係合フィーチャは、ブラダー、締め付け部材、剛性部材、またはそれらの組み合わせと協働し得る。1つ以上の溝は、ブラダー、締め付け部材、またはその両方の端部によって取り囲まれてもよい。1つ以上のねじ山が、締め付け部材、剛性部材、またはその両方と係合および嵌合し得る。1つ以上のキャップは、入口を有してもよく、または有さなくてもよい。入口は、供給ラインとブラダーの内部との間の流体連通を可能にし得る。入口は、1つ以上のキャップを通過する開口部であってもよい。入口は、供給ラインと係合して、供給ラインの周りに気密シールを提供してもよい。入口は、供給ラインと係合するための1つ以上のシール、ねじ山、接着剤、クランプ等、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0025】
内層は、1つ以上の締め付け部材を含み得る。1つ以上の締め付け部材は、1つ以上のキャップをブラダー部材に貼り付けるように機能し得る、1つ以上のキャップとブラダー部材との間に気密シールを提供するように機能し得る、ブラダー部材内に1つ以上の剛性部材を保持するように機能し得る、キャップおよび/もしくはブラダー部材に取り付けられた1つ以上の供給ラインを保持するように機能し得る、またはそれらの任意の組み合わせであってもよい。1つ以上の締め付け部材は、1つ以上のキャップと協働して列挙されたように機能するために、任意のサイズ、形状、および/または構成を有してもよい。1つ以上の締め付けフィーチャは、キャップ、ブラダー部材、剛性部材、供給ライン、またはそれらの組み合わせの一部の周りを取り囲んでもよい。例えば、1つ以上の締め付け部材は、ブラダー部材の一部がその間にある状態でキャップの周りを取り囲み、ブラダー部材をキャップに保持してもよい。1つ以上の締め付け部材は、内層、ブラダー部材、またはその両方の1つ以上の端部に位置付けられてもよい。1つ以上の締め付け部材は、層状管状部材が金型内に保持される場合、金型内および/または金型外に位置付けられてもよい。1つ以上の締め付け部材は、1つ以上のクランプ、タイ、接着剤、またはそれらの組み合わせを含み得る。1つ以上のクランプは、1つ以上のホースクランプ、バンドクランプおよび/または同様のものを含み得る。
【0026】
層状管状部材は、樹脂を含み得るか、またはそれと協働し得る。樹脂は、外層を補強して複合構造の所望の剛性および/もしくは強度を提供するように機能し得る、繊維と協働して不織布材料を形成するように機能し得る、1つ以上のシームを結合するように機能し得る、またはそれらの任意の組み合わせであってもよい。樹脂は、層状管状部材の一部を形成する前もしくは後に、1つ以上のシームを形成する前もしくは後に、層状管状部材を金型内に挿入する前もしくは後に、層状管状部材を複合構造に硬化する前に、またはそれらの任意の組み合わせで、内層、外層、金型、またはそれらに任意の組み合わせの少なくとも一部に提供され得る。樹脂は、外層が内層を受容する前に、内層に組み付けられて層状管状部材を形成した後に、金型内への配置時に、またはそれらの組み合わせで、外層の少なくとも一部に配置、含浸、および/または接触してもよい。樹脂は、1つ以上のシーム内、1つ以上の外層の間、またはその両方に配置されてもよい。樹脂は、同じ樹脂または異なる樹脂を含んでもよい。樹脂は、第1の樹脂、第2の樹脂、接着剤、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。シーム内(例えば1つ以上の外層の表面間)に位置付けられた樹脂および1つ以上の隅肉は、1つ以上の外層内に含浸されたものと同じまたは異なる樹脂であってもよい。外部材料、内部材料、またはその両方に樹脂を含浸させてもよい(例えば、外層が内層を受容する前、外層が金型内に配置される前)。樹脂は、内層が外層に組み付けられる(例えば挿入される)前または後に、内層上に配置されてもよく、含浸されてもよく、またはその一部であってもよい。樹脂は、ブラダー部材上に配置されてもよく、またはブラダー部材であってもよい。樹脂は、ブラダー部材の外面の周りに配置されてもよい。樹脂は、金型に適用および/または送達されてもよい。樹脂は、金型の中空チャンバの表面に適用されてもよい。金型には、管状部材をその中に挿入する前および/または後に樹脂が適用されてもよい。外層には、1つ以上の外層の1つ以上の表面間の1つ以上のシームに、1つ以上の隅肉として、またはその両方で樹脂が適用されてもよい。含浸された樹脂ははみ出して、1つ以上のシーム内に位置付けられてもよい、1つ以上の隅肉を形成してもよい、またはその両方であってもよい。
【0027】
樹脂は、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、セラミック樹脂、またはそれらの混合物を含み得る。熱硬化性樹脂は、外層を含浸し、硬化したマトリックスを形成できる任意の樹脂であってもよい。例示的な熱硬化性樹脂は、エポキシ、フェノール、ポリウレタン、ポリエステル、ビニルエステル、ビスマレイミド、ポリイミド樹脂等を含む。熱可塑性樹脂は、外層に含浸でき、使用温度を超える融点を有する任意の樹脂であってもよい。例示的な熱可塑性樹脂は、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアリールスルホン、ポリアミドイミド等を含む。外層に含浸できるセラミック樹脂が使用されてもよい。例示的なセラミック樹脂は、ケイ素、炭化物、アルミナ、シリカまたは窒化ケイ素のうちの1つ以上を含有するものを含む。樹脂は、一液型樹脂系または二液型樹脂系であってもよい。樹脂は、固体、半固体、および/または液体であってもよい。例えば、樹脂は、ブラダー部材の外表面に適用された半固体のエポキシベース樹脂であってもよい。樹脂は、マトリックス樹脂として提供されてもよい。マトリックスは、ポリマー、セラミック、金属、炭素、またはそれらの組み合わせであってもよい。例えば、ブラダー部材は、マトリックス樹脂であってもよい。固体または半固体の樹脂は、約40℃以上、約45℃以上、またはさらに約50℃以上の融点を有してもよい。固体または半固体の樹脂は、約110℃以下、約105℃以下、またはさらに約100℃以下の融点を有してもよい。樹脂は、触媒を含んでもよく、または含まなくてもよい。触媒は、熱活性化触媒であってもよい。樹脂は、周囲温度または周囲温度よりも高い温度に硬化温度を有してもよい。周囲温度は、約18℃以上、約20℃以上、約21℃以上、またはさらに約30℃以上であってもよい。周囲温度は、約36℃以下、26℃以下、約24℃以下、またはさらに約23℃以下であってもよい。1つ以上の高温は、周囲温度以上であってもよい。1つ以上の高温は、約200℃以下、約180℃以下、またはさらに約160℃以下であってもよい。硬化温度は、約120℃以上、130℃以上、約140℃以上、またはさらに約150℃以上であってもよい。例示的な樹脂は、The Dow Chemical Companyにより製造されたVORAFUSE(商標)P6300、VORAFUSE(商標)P6100、BETAFORCE(商標)、BETAMATE(商標)、エポキシベース樹脂、またはエポキシ中間体としてのそれらの組み合わせを含み得る。
【0028】
本開示の複合構造は、型内で形成されてもよい。型は、複合構造の形成、層状管状部材の複合構造への成形および/もしくは硬化、またはその両方において特に有用となり得る。金型は、2つ以上のサブアセンブリ部分、2つ以上の金型部分、1つ以上の中空チャンバ、1つ以上のフランジ、1つ以上の開口部、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。金型は、1つ以上の真空チャンバ、1つ以上のポート、1つ以上のポンプ、1つ以上の供給ライン、またはそれらの任意の組み合わせを含む、その中に配置され、それらと連通する、および/またはそれらに接続されてもよい。型は、1つ以上の位置に構成および/または配置されてもよい。金型のコンポーネントは、2つ以上の金型部分、2つ以上のフランジ、1つ以上の中空チャンバ、1つ以上の真空、1つ以上の真空チャンバ、1つ以上の開口部、1つ以上のポート、1つ以上の供給ライン、1つ以上のポンプ、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0029】
金型は、2つ以上の金型部分を含んでもよい。2つ以上の金型部分が協働して、金型の1つ以上のコンポーネントを互いに向かって移動させる、複合構造を成型(すなわち形成)する、層状管状複合構造を複合構造に成形および/もしくは硬化させる、またはそれらを任意に組み合わせて行う。2つ以上の金型部分は、互いに協働してこれらの機能の1つ以上を実行するために、任意のサイズ、形状、および/または構成を有してもよい。2つ以上の金型部分は、上側金型、下側金型、またはその両方を含んでもよい。2つ以上の金型部分の少なくとも1つは、2つ以上の金型部分の少なくとも別の部分に向かって移動して、複合構造を形成し得る、層状管状複合部材を成形および/もしくは硬化し得る、またはそれらの任意の組み合わせであってもよい。2つ以上の金型部分の少なくとも1つは、少なくとも1つの他のサブアセンブリ部分の1つ以上の他のコンポーネントに相互の1つ以上の部分、複合構造の最終形状、層状管状複合部材および/もしくは内層の一般的な形状、またはそれらの任意の組み合わせを有してもよい。相互とは、別のコンポーネント、複合構造、層状管状部材、またはそれらの任意の組み合わせの形状の輪郭と実質的に同様であり、かつ輪郭と逆の輪郭を持つ形状を有する1つのコンポーネントとして定義することができる。相互のコンポーネントが協働して、2つ以上の金型部分内に中空チャンバを形成し得る、管状の複合構造を形成し得る、層状管状部材が複合構造に形成されるときに、層状管状部材の一般的な形状を保持し得る、層状管状部材を複合構造の形状に変形させ得る、金型の中空チャンバ内に複合構造をシールし得る、層状管状部材に樹脂を含浸させ得る、またはそれらの任意の組み合わせであってもよい。2つ以上の金型部分のコンポーネントは、2つ以上のフランジ、1つ以上の中空チャンバ、またはその両方を含み得る。
【0030】
金型は、中空チャンバを含み得る。中空チャンバは、層状管状部材、複合構造、またはそれらの任意の組み合わせの上に樹脂を受容する、保持する、成形する、および/または適用するように機能し得る。中空チャンバは、層状管状部材を受容および/もしくは保持する、複合構造を成形および/もしくは形成する、層状管状部材に樹脂を含浸させる、またはそれらを任意に組み合わせて行うのに適した任意の形状を有してもよい。中空チャンバは、複合構造の形状に類似する、および/または相互の形状を有してもよい。中空チャンバは、2つ以上のサブアセンブリ部分、金型部分、またはその両方の間に形成されてもよい。中空チャンバは、層状管状部材、複合構造、またはその両方の形状に少なくとも部分的に相互の、1つ以上のサブアセンブリ部分、金型部分、またはその両方の1つ以上の部分によって形成されてもよい。中空チャンバの表面は、硬化前にその上に樹脂を適用する、硬化後の複合構造の取り出しを容易にする、またはその両方に適してもよい。中空チャンバの表面は、硬化後の複合構造の取り出しを容易にする1種以上の材料を含んでもよい。チャンバの表面の1種以上の材料は、鋼、クロム、またはそれらの組み合わせ等の1種以上の金属を含んでもよい。例えば、中空チャンバの表面は、硬化後の複合構造の取り出しを可能にするためにクロムめっきされた鋼表面を含み得る。中空チャンバは、真空、真空チャンバ、供給ライン、またはそれらの組み合わせと流体連通していてもよい。中空チャンバは、1つ以上の開口部を含んでもよい。1つ以上の開口部は、1つ以上の金型部分にあってもよく、2つ以上の金型部分により形成されてもよく、またはそれらの組み合わせであってもよい。1つ以上の開口部は、真空チャンバに隣接するかまたはその中に存在する金型部分に位置付けられてもよい。1つ以上の開口部は、中空チャンバと真空、真空チャンバ、供給ライン、またはそれらの組み合わせとの間の流体連通を提供し得る。対置するフランジの間に1つ以上の開口部が形成されてもよい。
【0031】
金型は、2つ以上のフランジを含み得る。2つ以上のフランジは、層状管状部材の周りをシールするように機能し得る、真空が層状管状部材の内部にアクセスするのを防ぐように機能し得る、層状管状部材に対して適所に1つ以上のキャップを保持するように機能し得る、またはそれらの組み合わせであってもよい。2つ以上のフランジは、層状管状部材の一部の周りをシールするために、任意のサイズ、形状、および/または構成を有し得る。2つ以上のフランジは、1つ以上のキャップの外表面の少なくとも一部に相互の形状または輪郭を有し得る。例えば、上金型のフランジは、キャップの外周の約半分と相互の輪郭を有し得る。2つ以上のフランジは、1つ以上の金型部分と一体であるか、またはそれに貼り付けられてもよい。2つ以上のフランジは、1つ以上の金型部分と一体であるか、またはそれに取り付けられてもよい。1つ以上のフランジは、1つ以上の金型部分の1つ以上の端部に位置付けられてもよい。1つ以上のフランジは、少なくとも1つ以上の他のフランジに向かって移動して、管状部材の少なくとも一部の周りをシールし得る。金型が閉位置に配置されている場合、2つ以上のフランジが1つ以上のキャップの周りをシールする。
【0032】
金型は、1つ以上の位置に構成および/または配置され得る。1つ以上の位置は、金型が層状管状部材を受容する、成形する、および/もしくは硬化させ得るように機能し得る、複合部材を形成するように機能し得る、複合部材の取り出しを可能にし得る、またはそれらの任意の組み合わせであってもよい。1つ以上の位置は、2つ以上のサブアセンブリ部分の任意の構成であってもよい。1つ以上の位置は、2つ以上のサブアセンブリ部分、金型部分、またはその両方の位置であってもよい。1つ以上の位置は、開位置、閉位置、またはその両方を含んでもよい。
【0033】
1つ以上の位置は、開位置を含んでもよい。開位置は、層状管状部材が金型に、下金型と上金型との間に、またはその両方に挿入されることを可能にし得る。開位置は、層状管状部材が、中空チャンバの少なくとも一部の形状に変形されることを可能にし得る。開位置では、1つ以上の部分(例えば上金型)を1つ以上の他の部分(例えば下金型)から離して、層状管状部材、樹脂、またはその両方の組み合わせを金型内に位置付けることができる。開位置では、2つ以上の部分(例えば上金型、下金型)間の距離は、層状管状部材の高さ(例えば断面直径および/または幅)よりも大きい距離であってもよい。開位置では、2つ以上の金型部分によって形成された中空チャンバが分離され得る。開位置では、閉位置で中空チャンバを形成する1つ以上の内表面に樹脂が適用され得る。開位置では、1つ以上のフランジは、閉位置よりも大きい距離で1つ以上の他のフランジから離れていてもよい。開位置では、2つ以上のフランジ間の距離は、層状管状部材の1つ以上の部分がそれらの間に配置されることを可能にし得る。
【0034】
1つ以上の位置は、閉位置を含んでもよい。閉位置は、層状管状部材の周りをシールするように機能し得る、層状管状部材を複合構造の形状に成形するように機能し得る、中空チャンバから真空引きすることを可能にするように機能し得る、またはそれらの任意の組み合わせであってもよい。閉位置では、1つ以上の部分を1つ以上の他の部分から離して、層状管状部材の1つ以上の端部、キャップ、またはその両方の周りをシールすることができる。閉位置では、2つ以上の型部分の間に中空チャンバが形成され得る。閉位置では、中空チャンバの1つ以上の表面が、層状管状部材の1つ以上の部分と接触し得る。閉位置では、中空チャンバの内表面に位置付けられた樹脂が、層状管状部材の外層と直接接触し得る。閉位置では、樹脂は中空チャンバに送達されてもよい。樹脂は、1つ以上の供給ラインを介して供給されてもよい。閉位置では、1つ以上のフランジは、それらの間に位置付けられたブラダー部材、1つ以上のキャップ、1つ以上の締め付け部材、1つ以上の供給ライン、またはそれらの組み合わせを有し得る。閉位置では、1つ以上のフランジは、ブラダー部材、1つ以上のキャップ、1つ以上の締め付け部材、またはそれらの組み合わせと直接接触し得る。閉位置では、1つ以上のフランジは、層状管状部材の1つ以上の端部および/またはキャップの周りにシールを形成し得る。1つ以上の端部の周りをシールすることにより、層状管状部材の内部を、真空チャンバから生じる真空からシールすることができる。
【0035】
金型は、真空と流体連通してもよい。真空は、金型の中空チャンバから空気を除去するように機能し得る、層状管状部材の周りを真空引きするように機能し得る、層状管状部材に樹脂を含浸させるように機能し得る、金型の中空チャンバの形状に適合するように層状管状部材を変形するように機能し得る、またはそれらの任意の組み合わせであってもよい。真空は、金型の中空チャンバから十分な真空を引き出して層状管状部材の少なくとも一部に樹脂を含浸させる、層状管状物を得られる複合構造の所望の形状に変形させる、またはその両方を行う任意の形状、サイズ、および/または構成を有してもよい。真空は、樹脂を外層全体に均一および迅速に分配する、樹脂内の気泡を除去する、またはその両方において特に有利となり得る。真空は、真空チャンバ、1つ以上のポート、ポンプ、またはそれらの組み合わせを含み得る。真空チャンバは、1つ以上の金型部分の周りに、それに隣接して、および/またはそれと一体的に位置付けられてもよい。例えば、金型は真空チャンバ内に存在してもよい。真空チャンバは、金型の中空チャンバと流体連通してもよい。1つ以上の型部分の1つ以上の開口部は、中空チャンバと真空チャンバとの間の流体連通を提供し得る。真空チャンバは、ポンプと流体連通してもよい。ポンプは、真空チャンバから空気を引き出すように機能する。ポンプは、容量を有し得る。容量は、複合構造を形成する際の短いサイクル時間を可能にするのに適切な任意の容量であってもよい。ポンプは、約6.5CFM以上、約8CFM以上、またはさらに約10.5CFM以上の容量を有し得る。ポンプは、約90CFM以下、約85CFM以下、またはさらに約80CFM以下の容量を有し得る。ポンプは、適切な真空を引き、層状管状部材の周りに十分な圧力を印加して、樹脂を外層に均一に含浸させることが可能であってもよい。真空引き中または真空引き後の中空チャンバ内の圧力は、約5psi以上、約10psi以上、またはさらに約15psi以上の排気を含み得る。真空引き中または真空引き後の中空チャンバ内の圧力は、約30psi以下、約25psi以下、またはさらに約20psi以下の排気を含み得る。真空は、中空チャンバ内を約0psi以上、0.05psi以上、約0.1psi以上、またはさらに約0.14psi以上に減圧することができる。真空は、中空チャンバ内を、約5psi以下、約3psi以下、約1psi以下、約0.75psi以下、約0.5psi以下、またはさらに約0.3psi以下に減圧することができる。真空チャンバは、チャンバの1つ以上の壁に形成された1つ以上のポートを有し得る。1つ以上のポートは、例えば1つ以上の空気ラインを介して、ポンプが真空チャンバに接続されることを可能にし得る。
【0036】
金型は、1つ以上の供給ラインと流体連通してもよい。供給ラインは、1つ以上の内部補強構造、1つ以上の流体、半固体、および/もしくは固体をブラダー部材の中空内部に送達し得る、外層の内部に外向きの圧力を供給し得る、樹脂を金型内に供給し得る、またはそれらの任意の組み合わせであってもよい。供給ラインは、内部補強構造をブラダー部材に送達する、ブラダー部材と流体連通する、樹脂を金型内に送達する、またはその両方に適した任意のラインであってもよい。1つ以上の供給ラインは、内部補強構造、樹脂、またはその両方の源と直接的または間接的に連通してもよい。1つ以上の供給ラインは、ブラダー部材の1つ以上の端部に挿入されてもよい。供給ラインは、1つ以上のキャップ、剛性部材、締め付け部材、金型、またはそれらの組み合わせと係合し得る。供給ラインは、中空チャンバと流体連通するように金型と係合し得る。供給ラインは、1つ以上の係合フィーチャを含んでもよい。1つ以上の係合フィーチャは、供給ラインを固定するように機能し得る、気密シールを提供するように機能し得る、またはその両方であってもよい。係合フィーチャは、1つ以上のキャップ、剛性部材、締め付け部材、金型、またはそれらの組み合わせの1つ以上の係合フィーチャと相互、係合、および/または嵌合してもよい。係合フィーチャは、1つ以上の溝、ねじ山、接着剤等、またはそれらの組み合わせを含み得る。供給ラインは、剛性または可撓性の配管またはチューブであってもよい。剛性供給ラインは、1種以上の金属、プラスチック、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。1種以上の金属は、ステンレス鋼、銅、アルミニウム、黒鉄、亜鉛メッキ鋼等、またはそれらの組み合わせを含み得る。1種以上のプラスチックは、ポリ塩化ビニル(PVC)、ナイロン、ポリウレタン(PUR)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等、またはそれらの組み合わせを含み得る。例示的な供給ラインは、空気圧式空気ホースを含み得る。供給ラインは、内層のキャップに直接接続されてもよい。例えば、供給ラインは、キャップの入口に挿入されてもよい。
【0037】
本教示はまた、本明細書に記載される複合構造を形成する方法に関する。この方法は、層状管状部材を形成すること、層状管状部材を金型に挿入すること、層状管状部材の少なくとも一部に樹脂を含浸させること、1つ以上のシームに樹脂を適用すること、1つ以上の隅肉を形成すること、層状管状部材および樹脂が複合構造を形成するように樹脂を硬化させること、またはそれらの任意の組み合わせを含む。
【0038】
複合構造の形成方法は、内層を形成することを含んでもよい。この方法は、内層を形成することを含まなくてもよい。内層は、金属製のマンドレルであってもよい。内層を形成することは、ブラダー部材を形成すること、1つ以上のキャップ、締め付け部材、および/もしくは内部補強構造をブラダー部材に組み付けること、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。ブラダー部材を形成することは、ブラダー部材を成型(例えば、ディップ成型)することを含んでもよい。ブラダー部材を形成することは、ブラダー部材の1つ以上の外表面上に樹脂を適用することを含んでもよく、または含まなくてもよい。ブラダー部材を形成することは、マトリックス樹脂等の樹脂からブラダー部材を形成することを含んでもよい。ブラダー部材を形成することは、1つ以上のフィルムを適用することを含み得る。1つ以上のフィルムは、ブラダー部材の外面の少なくとも一部の周りに位置付けられてもよい。
【0039】
内層を形成することは、1つ以上のキャップを組み付けることを含んでもよい。1つ以上のキャップを組み付けることは、ブラダー部材の1つ以上の端部に隣接して1つ以上のキャップを配置すること、ブラダー部材の1つ以上の開口部内に1つ以上のキャップを挿入すること、またはその両方を含んでもよい。例えば、対置するキャップは、ブラダー部材の対置する開口部内に位置付けられてもよい。1つ以上のキャップは、キャップの長さの少なくとも一部がブラダー部材の中空内部に存在するように挿入されてもよい。ブラダー部材のリップおよび/または開口部は、その中に1つ以上のキャップを受容するように伸ばされてもよい。ブラダー部材の1つ以上の開口部の周りのリップは、キャップの直径の周りに配置されてもよい。リップは、キャップの直径の周りに弾性的に適合し得る。1つ以上の開口部のリップは、直径の周りにぴったりとフィットし得る。1つ以上の開口部のリップは、キャップの1つ以上の係合フィーチャ(例えば溝)内に配置され得る。
【0040】
内層を形成することは、1つ以上の締め付け部材をブラダー部材、1つ以上のキャップ、またはその両方に組み付けることを含んでもよい。1つ以上の締め付け部材は、少なくとも部分的に、キャップ、ブラダー部材、またはその両方の周囲に位置付けられてもよい。1つ以上の締め付け部材は、それらの間にブラダー部材を備えたキャップの周りに位置付けられてもよい。1つ以上の締め付け部材は、キャップおよび/またはブラダー部材の周りに配置される前に緩められてもよい。1つ以上の締め付け部材は、キャップおよび/またはブラダーの周りで締め付けられてもよい。1つ以上の締め付け部材は、キャップをブラダー部材に貼り付ける、および/またはシールするために締め付けられてもよい。締め付けにより、締め付け部材の幅(例えば直径)が減少し得る。締め付けは、1つ以上のファスナにねじを切ること、1つ以上のタブを押すこと、バンドを引くこと、またはそれらの組み合わせを含み得る。
【0041】
内層を形成することは、1つ以上の剛性部材をブラダー部材、1つ以上のキャップ、締め付け部材、またはそれらの任意の組み合わせに組み付けることを含んでもよい。1つ以上の剛性部材は、ブラダー部材内に部分的または完全に位置付けられてもよい。剛性部材は、開口部を介してブラダー部材の中空内部に挿入されてもよい。ブラダー部材の形成プロセス中に、剛性部材がブラダー部材に挿入されてもよい。ブラダー部材は、1つ以上の剛性部材の周りに形成(例えば成型)されてもよい。1つ以上の剛性部材は、1つ以上のキャップと係合するか、または一体であってもよい。1つ以上の剛性部材は、キャップ内に少なくとも部分的に配置されてもよく、キャップに接着されてもよく、キャップの1つ以上の係合フィーチャと係合されてもよく、キャップと一体であってもよく、またはそれらの組み合わせであってもよい。係合は、キャップの1つ以上の係合フィーチャと係合されている剛性部材の1つ以上の係合フィーチャを含んでもよい。剛性部材は、ブラダー部材への挿入前、ブラダー部材への挿入後、またはその両方で、1つ以上のキャップと係合され得る。剛性部材は、ブラダー部材に挿入され、次いで2つの対置するキャップと係合され得る。剛性部材は、ブラダー内に挿入される前にキャップと係合され、次いでブラダー部材内に挿入された後、対置するキャップと係合されてもよい。
【0042】
複合構造の形成方法は、1つ以上の外層を形成することを含んでもよい。外層は、1つ以上の外部材料、内部材料、またはその両方を形成することによって形成されてもよい。外層を形成することは、1つ以上のスリーブ、シート、マット、またはそれらの組み合わせを形成することを含んでもよい。外層は、2組以上のヤーンストランドを織って織布材料を形成することにより形成されてもよい。織ることは、2組の糸を編組して二軸組紐を形成すること、2組の糸を編組して三軸組紐を形成すること、またはその両方を含んでもよい。外層は、織布または不織布内に孔を形成することによって形成されてもよい。外層は、外層上にバインダーを配置することによって形成されてもよい。バインダーは、ディッピング、ローリング、スプレー等、またはそれらの組み合わせによって外層上に配置され得る。外層は、1つ以上の内部材料に隣接して1つ以上の外部材料を配置することによって形成されてもよい。外層は、複数の外部材料を積層することによって形成されてもよい。外層は、複数の内部材料を積層することによって形成されてもよい。外層は、単一または複数の外部材料を単一または複数の内部材料と積層することによって形成されてもよい。外層は、金型に挿入する前に、その上に樹脂が適用されていても、または適用されていなくてもよい。樹脂は、外層の少なくとも一部に適用されてもよい。樹脂は、ディッピング、ローリング、スプレー、ラミネート等、またはそれらの組み合わせによって適用され得る。樹脂は、外部材料、内部材料、またはその両方の少なくとも一部に適用されてもよい。外層は、複合構造の少なくとも一部に予備形成されてもよい。例えば、外層は、管状形状(例えばスリーブ)として形成されてもよい。別の例として、外層は、管状形状の一部または全部として形成された(例えば予備形成された)シートであってもよい。
【0043】
複合構造の形成方法は、層状管状部材を形成することを含む。層状管状部材を形成することは、内層を外層に組み付けることを含んでもよい。内層を外層に組み付けることは、内層の周りに外層を形成すること、内層を外層に挿入すること、内層の周りに外層を巻き付けること、内層の外面の周りに外層の少なくとも一部を位置付けること、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。外層は、内層の周りにぴったり適合または緩く適合されてもよい。内層を外層に組み付けた後、内層の一部は露出したままであるか、外層によって隠されていてもよい。例えば、マンドレル、ブラダー、リップ、キャップ、締め付け部材、またはそれらの任意の組み合わせの1つ以上の端部は、外層によって覆われないままであってもよい。内層の一部は露出したままであり、次いで金型の1つ以上の部分(例えば1つ以上のフランジ)と係合および/またはシールし得る。層状管状部材は、金型に挿入する前に、樹脂が適用されていても、またはいなくてもよい。樹脂は、外層の少なくとも一部に適用されてもよい。
【0044】
方法は、層状管状部材を金型内に位置付けることを含んでもよい。層状管状部材を金型内に位置付けることは、層状管状部材を金型内に挿入すること、層状管状部材を樹脂上に配置すること、金型を開くこと、金型を閉じること、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。金型を開くことは、1つ以上の金型部分を1つ以上の他の金型部分から離れるように移動すること、金型を開位置に配置すること、中空チャンバを露出すること、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。層状管状部材を挿入することは、中空チャンバの一部内に層状管状部材を配置することを含んでもよい。層状管状部材の挿入は、層状管状部材の外面の1つ以上の部分を樹脂と接触させることを含んでもよい。層状管状部材を挿入することは、層状管状部材を樹脂上に配置することを含んでもよい。樹脂は、中空チャンバの表面上に位置付けられてもよい。層状管状部材を挿入することは、金型を閉じることを含んでもよい。金型を閉じることは、1つ以上の金型部分を1つ以上の他の金型部分に向かって移動すること、金型を閉位置に配置すること、中空チャンバをシールすること、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。金型を閉じることは、1つ以上の金型部分および/またはフランジが1つ以上の他の金型部分および/またはフランジと接触およびそれでシールすることを含んでもよい。金型を閉じることは、2つ以上の金型部分が層状管状部材の周りを閉じてシールすることを含んでもよい。型を閉じることは、2つ以上のフランジが1つ以上のキャップ、ブラダー部材、またはその両方を閉じてシールすることを含んでもよい。
【0045】
方法は、層状管状部材を変形させることを含んでもよい。層状管状部材は、中空チャンバの少なくとも一部と相互の形状、結果として得られる複合構造の形状に実質的に同様の形状、またはその両方に変形されてもよい。層状管状部材は、中空チャンバ内への配置時、金型の閉位置への閉鎖時、またはその両方時点で、少なくとも部分的に変形されてもよい。層状管状部材は、中空チャンバの異なる角度、方向、またはその両方に適合するように、曲げられる、収縮される、または膨張されてもよい。金型が開位置にあるときに中空チャンバの一部の上に配置すると、層状管状部材の少なくとも一部は、中空チャンバの形状に適合するように変形し得る。金型を閉じると、1つ以上の金型部分は、層状管状部材の外面に圧力を印加し得る。圧力は、層状管状部材を変形させ、中空チャンバの形状に適合するように変形させ得る。1つ以上の内部補強構造が、層状管状部材を変形させてもよい。1つ以上の内部補強構造が、層状管状部材の内部から外向きの圧力を印加し得る。外向きの圧力は、層状管状部材を膨張させ得る。膨張すると、層状管状部材は変形して、中空チャンバ内の任意の空の空間を満たすことができる。膨張すると、層状管状部材は、中空チャンバの形状と実質的に同様の相互形状に変形し得る。変形すると、層状管状部材は、1つ以上の輪郭を有し得る。
【0046】
方法は、層状管状部材を内部補強構造で充填することを含んでもよく、または含まなくてもよい。充填は、層状管状部材の形成前、形成中、および/もしくは形成後の層状管状部材内の内部補強構造の配置、金型内への層状管状部材の挿入、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。充填は、真空チャンバから真空引きする前および/またはその間の、層状管状部材内に内部補強構造の配置を含んでもよい。充填は、層状管状部材と流体連通する1つ以上の供給ラインを配置することを含んでもよい。1つ以上の供給ラインは、層状管状部材、内部材料、ブラダー部材、またはそれらの組み合わせの1つ以上の端部に貼り付けられてもよい。1つ以上の供給ラインは、ブラダー部材の1つ以上の開口部、1つ以上のキャップ、またはその両方に挿入されてもよい。1つ以上の供給ラインは、1つ以上のキャップと係合されてもよい。係合は、キャップの1つ以上の係合フィーチャと係合する供給ラインの1つ以上の係合フィーチャを含んでもよい。充填は、層状管状部材、内層、ブラダー部材、またはそれらの組み合わせの中に1つ以上の流体、固体、またはその両方を配置することを含んでもよい。内部補強構造を配置することは、1つ以上の供給ラインを介して送達することを含んでもよい。層状管状部材を内部補強構造で充填することは、層状管状部材の内部に外向きの圧力を印加し得る。層状管状部材を内部補強構造で充填することは、外向きの圧力が印加されるまで液体または気体を加えることを含んでもよい。層状管状部材を内部補強構造で充填することは、1つの膨張性フォームを活性化する、および/または膨張させることを含んでもよい。外向きの圧力は、真空引きされた場合に層状管状部材の1つ以上の部分の内向き変形を防止する、中空チャンバの1つ以上の空隙を層状管状部材で充填する、またはその両方に十分となり得る。外向きの圧力は、層状管状部材の膨張をもたらしてもよい、またはもたらさなくてもよい。膨張は、ブラダー部材、1つ以上の内部材料、1つ以上の外層、またはそれらの任意の組み合わせの弾性変形を含み得る。膨張により、層状管状部材が、中空チャンバ、結果として得られる複合構造、またはその両方の少なくとも一部の形状と実質的に類似する、および/または相互の形状に変形し得る。膨張により、層状管状部材が中空チャンバ内の1つ以上の空隙を充填し得る。
【0047】
複合構造の形成方法は、1つ以上の外層の1つ以上の部分、層状管状部材、金型、またはそれらの組み合わせに樹脂を適用することを含む。樹脂は、内層、外層、1つ以上のシーム、中空チャンバの表面、またはそれらの任意の組み合わせに適用され得る。樹脂の適用は、樹脂、第1の樹脂、第2の樹脂、またはそれらの組み合わせを適用することを含んでもよい。樹脂は、スプレー、ブラッシング、ローリング、ディッピング、フラッディング、インジェクション等、またはそれらの任意の組み合わせによって適用され得る。樹脂は、1つ以上の表面に少なくとも部分的に含浸されてもよく、または1つ以上の表面から分離したままであってもよい。樹脂は、多孔質特性を有する1つ以上の表面に含浸されてもよい。樹脂は、1つ以上の外部材料、内部材料、内層、またはそれらの任意の組み合わせに部分的に含浸されてもよい。樹脂は、内層の外層への組み付け時、層状管状部材に適用されてもよい。内層は、内層と外層との接触が樹脂の外層への適用をもたらし得るように、樹脂(例えば樹脂マトリックス)であってもよい。樹脂は、金型内への配置時または配置後に層状管状部材に適用されてもよい。樹脂は、中空チャンバの表面との接触時に層状管状部材に適用されてもよい。樹脂は、層状管状部材が中空チャンバに挿入された後に中空チャンバに送達されてもよい(例えば注入)。樹脂は、金型への挿入前または後にシーム内に適用されてもよい。シームに適用される樹脂は、1つ以上の外層内の樹脂と同じまたは異なる樹脂であってもよい。層状管状部材への樹脂の適用は、樹脂の含浸を可能にし得る。
【0048】
方法は、1つ以上のシームに1つ以上の隅肉を形成することを含んでもよい。1つ以上の隅肉を形成することは、1つ以上の外層の1つ以上の縁の上の1つ以上のシーム内に樹脂を適用すること、1つ以上の外層から樹脂をはみ出させること、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。1つ以上の隅肉は、シーム内から第2の樹脂をはみ出させるか、第2の樹脂をシームの1つ以上の外層に別々に適用するか、またはその両方によって形成され得る。第2の樹脂は、1つ以上の外層の第1の樹脂からはみ出してもよく、1つ以上の外層の表面の間に別々に(例えば第1の樹脂とは別に)適用されてもよく、またはその両方であってもよい。1つ以上の隅肉の樹脂は、シーム内、1つ以上の外層内、またはその両方の樹脂と同じまたは異なる樹脂であってもよい。1つ以上の隅肉の樹脂は、金型への挿入の前、間、および/または後に、層状管状部材、1つ以上の外層、またはその両方に適用されてもよい。1つ以上の隅肉の樹脂は、金型内に適用されてもよい。金型、内層、またはその両方は、隅肉の形状を形成するための1つ以上のフィーチャを有してもよい。例えば、凹型隅肉が、金型、内層、またはその両方の相互(凸形状)突起によって形成されてもよい。金型、内層、またはその両方から力を印加すると、1つ以上の隅肉のプロファイル形状等の形状が成型され得る。金型は、押出しによって隅肉の樹脂を適用することができる。金型は、ロボットによる適用、1つ以上のノズル、1つ以上のスプレー、またはそれらの任意の組み合わせによって、隅肉の樹脂を適用し得る。金型は、シームに沿った樹脂の送達中に形成されたプロファイル形状を有する隅肉の樹脂を適用し得る。
【0049】
方法は、層状管状構造の少なくとも一部に樹脂を含浸させることを含む。層状管状構造に樹脂を含浸させることは、金型の中空チャンバ内で行われてもよい。含浸は、金型の1つ以上の表面、1つ以上の内部補強構造、中空チャンバから引き出された真空、またはそれらの組み合わせによって印加される力により生じ得る。熱を加えると樹脂が流動することにより、含浸が生じる場合と生じない場合がある。金型が閉位置に配置されると、含浸が発生し得る。閉位置では、1つ以上の金型部分が、層状管状構造、樹脂、またはその両方の1つ以上の外面に内向きの力を印加し得る。内向きの力により、外層、内層、またはその両方の細孔に樹脂が流入し得る。内向きの力により、1つ以上の外部材料、内部材料、またはその両方の細孔に樹脂が流入し得る。含浸は、層状管状部材の内部に印加される外向きの力から生じ得る。例えば、1つ以上の補強構造(例えば流体および/または固体)は、外向きの圧力を印加し得る。外向きの圧力により、樹脂が1つ以上の外部材料の細孔に流入し得る。含浸は、中空チャンバから引かれた真空により生じてもよい。複合構造の形成方法は、真空チャンバ内に金型を挿入および/もしくは封入すること、金型を真空チャンバと流体連通させること、またはその両方を含んでもよい。真空ポンプは、真空チャンバ、中空チャンバ、またはその両方から空気を引き出すことができる。層状管状部材の少なくとも一部に樹脂を含浸させることは、層状管状部材、樹脂、金型、またはそれらの組み合わせを加熱することを含んでもよく、または含まなくてもよい。層状管状部材、樹脂、中空チャンバ、またはそれらの組み合わせが加熱され得る温度は、樹脂の流動をもたらす温度、すなわち樹脂の融点であり、周囲温度よりも高い、硬化温度未満である、またはそれらの任意の組み合わせである。樹脂の含浸のための例示的な方法は、湿式圧縮、トランスファー成型、予備含浸、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。トランスファー成型は、樹脂トランスファー成型(RTM)、高圧トランスファー成型、同じ適格な樹脂トランスファー成型、真空支援トランスファー成型、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0050】
複合材構造の形成方法は、樹脂を硬化させることを含んでもよい。樹脂を硬化させることは、樹脂を層状管状部材の少なくとも一部と結合させて複合構造を形成するように機能し得る。硬化は、複合構造がその成型形状を永久的または半永久的に保持することを可能にし得る。硬化は、金型内または金型とは別に発生する可能性がある。層状管状部材は、金型内に残ってもよく、または樹脂を硬化させる前に取り出されてもよい。金型と分離される場合、その中に樹脂が含浸された層状管状部材は、直ちに硬化工程に送られてもよく、または後の硬化のために保存されてもよい。複合構造を形成することは、得られる複合構造が略管状の形状、1つ以上の輪郭、またはその両方を有するように樹脂を硬化することを含んでもよい。樹脂を硬化させると、樹脂が1つ以上の外部材料、内部材料、内層、またはそれらの組み合わせと結合して複合体を形成し得る。樹脂を硬化させるステップは、層状管状部材に含浸された樹脂を、硬化に適した1つ以上の温度に曝露することを含んでもよい。1つ以上の温度は、樹脂が短いサイクル時間またはそれ以下の間曝露されて硬化し得る1つ以上の温度を含んでもよい。1つ以上の温度は、周囲温度、1つ以上の高温、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。樹脂を硬化させるステップは、その中に樹脂を含浸させた層状管状部材を周囲温度に放置して樹脂を硬化させることを含んでもよい。周囲温度は、約18℃以上、約20℃以上、またはさらに約21℃以上であってもよい。周囲温度は、約26℃以下、約24℃以下、またはさらに約23℃以下であってもよい。樹脂を硬化させるステップは、その中に樹脂が含浸された層状管状部材を1つ以上の高温に曝露することを含んでもよい。1つ以上の高温は、周囲温度以上であってもよい。1つ以上の高温は、約200℃以下、約180℃以下、またはさらに約160℃以下であってもよい。硬化温度は、約120℃以上、130℃以上、約140℃以上、またはさらに約150℃以上であってもよい。型からの取り出し、硬化、またはその両方の時点で、複合構造は緩和またはスプリングバックし得る。複合構造の緩和またはスプリングバックを補償するために、1つ以上の金型部分は、形成および切断された複合構造の必要な輪郭をわずかに超えて形状を形成するように構成される、構造化される、および/または配置されてもよい。
【0051】
複合構造を形成するための方法は、金型からの複合構造の取り出しを含み得る。複合構造を取り出すことは、閉位置から開位置に移行する金型を含み得る。複合構造の取り出しは、1つ以上の他の金型部分および/またはフランジから離れるように移動する1つ以上の金型部分および/またはフランジを含み得る。取り出しは、金型を大気圧に戻すこと、真空引きを逆にすること、またはその両方を含み得る。複合材構造の取り出しは、手動で、またはロボットで完了させることができる。複合構造の取り出しは、金型を開位置に配置した直後に行われてもよい、またはそれより遅れてもよい。形成された複合構造の取り出しは、1つ以上の金型部分、中空チャンバ、またはその両方の一部としての抜き勾配によって補助され得る。形成された複合材構造の取り出しは、約90°以下、約80°以下、またはさらに約70°以下の抜き勾配により補助され得る。形成された複合構造の取り出しは、約1°以上、約2°以上、約3°以上、約5°以上、またはさらに約10°以上の抜き勾配によって補助され得る。複合構造の形成方法は、複合構造からの内層の少なくとも一部の取り出しを含んでもよい。代替として、内層の少なくとも一部は、複合構造内に残ってもよい。内層が樹脂を含む、または樹脂である場合、内層は外層に統合されてもよい。
【0052】
複合構造の形成方法は、1つ以上の仕上げプロセスを含んでもよい。1つ以上の仕上げプロセスは、複合構造からスクラップおよび/または欠陥を除去すること、複合構造をコーティングすること、またはその両方を含んでもよい。欠陥は、鋭い縁、粗い表面、気泡等、またはそれらの組み合わせを含み得る。スクラップは、樹脂の任意のオーバーフロー領域;内層、外層、もしくはその両方の露出部分および/または過剰部分;1つ以上の内部補強構造;またはそれらの組み合わせを含み得る。スクラップはリサイクルされ、その後の複合構造を形成する際に再利用され得る。内層の露出部分および/または過剰部分の除去は、1つ以上のキャップ、1つ以上の内部補強構造、締め付け部材、またはそれらの組み合わせを除去することを含んでもよい。1つ以上の内部補強構造の除去は、1つ以上の固体、流体、またはその両方の除去を含んでもよい。1つ以上の固体の除去は、1つ以上の剛性部材、フォーム、またはその両方の除去を含んでもよい。流体の除去は、1つ以上の気体および/または液体の除去を含んでもよい。複合構造をコーティングすることは、仕上げコーティングを適用することを含む。仕上げコーティングは、装飾的な表面仕上げを追加する、および/または複合構造をさらに保護するためのバリアコートを提供することができる。保護は、紫外線保護を含み得る。仕上げコーティングは、塗料、ワニス等、またはそれらの組み合わせを含み得る。コーティングは、複合構造の樹脂と協働して接着するのに適した任意の種類のコーティングであってもよい。コーティングは、ラテックス、アルキド仕上げ、ポリウレタン、ポリエステル等、またはそれらの組み合わせを含み得る。
【0053】
複合材構造の形成方法は、短いサイクル時間を含み得る。短いサイクル時間は、層状管状部材が、自動化生産、大量生産、商業化等、またはそれらの任意の組み合わせに適した時間内で複合構造に硬化されるのを可能にし得る。短いサイクル時間は、約15分以内、約10分以内、約8分以内、約6分以内、またはさらに約5分以内であってもよい。短いサイクル時間は、約0.1分以上、約0.5分以上、またはさらに約0.8分以上であってもよい。例えば、短いサイクル時間は、約0.1分以上から約3分以内であってもよい。
【0054】
図1Aおよび
図1Bは、層状管状部材12を示す。層状管状部材12は、内層14および外層16を含む。内層14は、外層16が内層14の外面18の少なくとも一部の周りに取り付けられるように、外層16に挿入される。内層14は、円筒形状を有する。外層16は多孔質で可撓性の材料であり、したがって(
図1Bに示されるように)内層14の形状に適合する。内層14は、2つの対置する端部20を含む。2つの対置する端部20は、外層16によって覆われず、2つの対置する端部20は露出したままである。
【0055】
図2は、開位置100にある金型22を示す。金型22は、上金型24および下金型26の2つの部分を含む。上金型24は、対置する端部30に上金型フランジ28を含む。下金型26は、対置する端部34に下金型フランジ32を含む。上金型24と下金型26との間に、金型22は中空チャンバ36を含む。上金型24は、少なくとも1つの開口部38を含む。開口部38は、中空チャンバ36を金型22の外部、例えば真空チャンバ(図示せず)と連通させることができる。開位置100では、上金型24と下金型26との間に、層状管状部材12(図示せず)を中空チャンバ28内に配置するのに十分な距離がある。層状管状部材12が金型22内に配置される前に、樹脂40が中空チャンバ36の表面42上に配置され得る。
【0056】
図3は、開位置100で金型22に挿入された層状管状部材12を示す。層状管状部材12は、中空チャンバ36内の樹脂40上に直接配置される。外層16によって覆われていない2つの対置する端部20は、上部金型フランジ28と下部金型フランジ34との間に配置される。
【0057】
図4は、閉位置102にあり、真空チャンバ44内に挿入された金型22を示している。閉位置102では、上金型24が下金型26に向かって移動して、層状管状部材12を封入する。層状管状部材12に対する上金型24の力により、樹脂が少なくとも部分的に外層16に含浸し得る。上部金型フランジ28および下部金型フランジ32は、外層16によって覆われていない2つの対置する端部20と接触してもよい。上部金型フランジ28、下部金型フランジ34、および2つの対置する端部20における外面18の間の接触により、金型22が層状管状部材12の周りをシールする。金型22の少なくとも1つの開口部38は、中空チャンバ36と真空チャンバ44との間の連通を提供する。真空チャンバ44は、真空チャンバ44が真空引きされ得るように、少なくとも1つの開口部46を含む。少なくとも1つの開口部46は、ポンプ(図示せず)と連通するポートであってもよい。真空引きすることにより、樹脂40は、外層16の周りに引き込まれ、完全に含浸することができる。空気供給ライン48は、内側管状部材12と連通している。空気供給ライン48は、内層14の内部に加圧空気を提供する。
【0058】
図5は、金型22および真空チャンバ44内の複合構造10を示す。樹脂40は、複合構造10の外層16の実質的にすべてに含浸される。樹脂40が外層16に含浸された後、複合構造10は、金型22内に残って硬化してもよく、または金型22から取り出されて硬化されてもよい。硬化後または硬化前に、内層14は取り出されてもよく、または複合構造10内に残ってもよい。
【0059】
図6は、内層14を示す。内層14は、中空のブラダー部材49を含む。内層は、1つ以上のキャップ50を含む。1つ以上のキャップ50は、各対置する端部20に位置付けられる。1つ以上のキャップ50は、各対置するブラダー端部51でブラダー部材49に挿入される。締付部材52は、ブラダー部材49の周りにクランプして、キャップ50をブラダー部材49内に保持する。内層14は、ロッド等の剛性部材54を含む。剛性部材54は、ブラダー部材49の一方の端部51からブラダー部材49の対置する端部51まで延在する。
【0060】
図7A~
図7Cは、複合構造10の断面を示す。複合構造10は、外層16を含む。外層16は、第1の外層16aおよび第2の外層16bを含む。第1の外層16aおよび第2の外層16bはそれぞれ、外層16の周囲の約半分である。第1の外層16aと第2の外層16bとの間に、対置するシーム56が形成される。シーム56は、第2の外層16bが第1の外層16aと重なるため、重複シームである。第1の外層16aおよび第2の外層16は、樹脂40によってシーム56で結合される。
図7Aは、シーム56における外部隅肉58および内部隅肉60の両方を示す。
図7Bは、シーム56における内部隅肉60を示す。
図7Cは、シーム56における外部隅肉58を示す。外部隅肉58は、第1の外層16aと第2の外層16bとの間から第2の外層16bの外縁62の上を流動する樹脂40によって形成される。内部隅肉60は、第1の外層16aと第2の外層16bの間から第1の外層16aの内縁64の上を流動する樹脂40によって形成される。
【0061】
図8は、金型22(図示せず)に挿入される前、または複合構造10(図示せず)を形成する前の外層16を示す。外層16は、第1の外層16aおよび第2の外層16bを含む。第1の外層16aおよび第2の外層16bはそれぞれ、複合構造10の半分と同様の形状に予備形成される。
【0062】
図9A~
図9Bは、金型22内の層状管状部材12を示す。層状管状部材12は、内層14および外層16を含む。内層14は、外層16内に位置付けられる。内層14は、第1の外層16aと第2の外層16bとの間に位置付けられる。
図9Aでは、外層16は樹脂40(図示せず)で含浸されている。
図9Bでは、樹脂40は、シーム56の第1の外層16aと第2の外層16bとの間に適用される。閉位置102にある金型22は、外層16に対して内層14に向かって力Fを印加する。
図7A~
図7Cに示されるように、力Fは、樹脂40をオーバーフローさせて、外部隅肉58、内部隅肉60、またはその両方を形成し得る。
【0063】
図10A~
図10Cは、第1の外層16aおよび第2の外層16bによって形成されたシーム56内の樹脂40を示す。樹脂40は、第2の外層16bの外縁62の上に位置付けられ、外部隅肉58を形成する。外層16bは、内向き表面66と外縁に近接する外向き表面68との間の距離として測定される厚さtを有する。樹脂40は、第1の外層16aの外向き表面68と、第1の外層16aの外向き表面68に対する樹脂40の最も遠い最外部との間の距離として測定される高さhを含む。樹脂は、第2の外層16bの外縁62と外縁62に対する樹脂40の最外部との間の距離として測定される長さlを含む。
図10Aは、凸状プロファイルを有する外部隅肉58を示す。
図10Bは、凹状プロファイルを有する外部隅肉58を示す。
図10Cは、線形プロファイルを有する外部隅肉58を示す。
【実施例】
【0064】
以下の実施例は、本明細書における教示を例示するために提供されるが、その範囲を限定することを意図するものではない。
【0065】
実施例1
外部材料と内部材料との組み合わせを含むスリーブを形成することにより、外層を準備する。内部材料については、4層の内部材料を使用してスリーブを形成する。4層の内部材料は、炭素繊維を含むA&P Unimax(商標)編組一方向スリーブである。内部材料の各層は、549g/m2の繊維面積重量を有し、厚さは0.31mmである。外部材料については、内部材料の外側を取り囲む1層の外部材料を使用し、スリーブ形状の外層を形成する。外部材料の層は、ガラス繊維を含むA&P TechnologyのBimax(商標)編組二軸スリーブである。
【0066】
中空ゴムチューブを用いて内層を形成し、ブラダー部材を形成する。ブラダー内に挿入されるのはロッドである。ロッドは、ブラダー部材の両端部に位置付けられた2つのスチールキャップによって所定の位置に保持される。2つのクランプがキャップをブラダー部材に固定する。内層を外層に挿入して、層状管状部材を形成する。
【0067】
樹脂を手作業で外層に適用する。金型の中空チャンバの表面にも樹脂を適用する。樹脂は、The Dow Chemical Companyによって製造されたVORAFUSE(商標)P6300エポキシ樹脂である。中空チャンバの表面は、クロムめっきされた鋼の表面である。
【0068】
その上に樹脂を有する層状管状部材を金型の中空チャンバ内に入れ、金型を閉じる。金型を真空バッグに挿入する。バッグを約0.145psi~約0.29psiに約1~5分間排気して、樹脂を外層に完全に含浸させて硬化させる。チャンバ内で熱を加えて樹脂を硬化させる。樹脂が硬化して複合構造を形成するまで、層状管状部材を約150℃の温度で約1~5分間、中空チャンバ内に維持する。硬化後、真空チャンバを通常の周囲圧力および温度に戻し、金型を開いて複合構造を取り出す。
【0069】
実施例2
外部材料のシートを使用して2つの別個のスリーブを形成することにより、4つの外層を形成する。1対の外層を同時に形成する。1対の外層は、別の対の外層よりも大きな直径で形成される。各スリーブの外部材料については、12層(例えばプライ)の外部材料を使用して、各スリーブを形成する。12層の外部材料はそれぞれ、樹脂がDOW(登録商標)エポキシ樹脂によるVORAFUSE(商標)P6300である一方向連続炭素繊維エポキシ複合材のプリプレグシートである。外層の繊維含有量は、約60.3+/-0.08wt%~約64.5+/-0.4wt%である。外層の空隙含有量は、約2.06+/-0.09%~約2.30+/-0.12%である。各スリーブについては、第1の層は内層の周りに巻き付けられ、その後の各層は以前に適用された外部材料および内層の周りに巻き付けられる。内層はアルミ金属マンドレルである。より大きな直径のスリーブの場合、マンドレルは47mmの外径を有する。より小さい直径のスリーブの場合、マンドレルは41mmの外径を有する。2つの層状管状部材が形成されるように、内層の周りに巻かれた外層が層状管状部材を形成する。
【0070】
次いで、層状管状部材に、透明なプラスチック収縮テープを巻き付けて、外層および内層に圧力を印加する。収縮テープは、金型チャンバの内壁によって印加される圧力を模擬する。
【0071】
層状管状部材は、両方ともオーブンに入れて硬化させる。両方の層状管状部材を、共に150℃の温度に設定されたオーブンに2時間入れて、2つの硬化した予備成型層状管状部材を形成する。
【0072】
硬化後、2つの予備成型層状管状部材を、外層から内層を取り除くことによって離型する。次いで、予備成型層状管状部材をトリミングして、それぞれ10インチ(254mm)の長さを有するようにする。内層を取り出した後、より大きな予備成型管状部材は52.1mmの外径を有し、一方、より小さい予備成型管状部材は46.3mmの外径を有する。各予備成型管状部材は、2.46mmの壁厚を有する。
【0073】
次いで、各予備成型管状部材が2つのCチャネル形状の管状部材を形成するように、各予備成型管状部材を長さ方向に半分に切断する。次いで、より小さい直径のCチャネルのそれぞれをより大きい直径のCチャネルのそれぞれの中に位置付けて、そのそれぞれの長さに沿って対置する重複シームをそれぞれ有する2つの別個の層状管状部材を形成する。シームは、それぞれが12.7mmのシーム幅を有するように重なる。
【0074】
例2を使用した比較例
実施例2の層状管状部材を使用して、一方の層状管状部材が隅肉を含まず、他方の層状管状部材が隅肉を含むようにシームを結合する。2組の層状管状部材をシームで接着するために使用される樹脂は、DOW(登録商標)によるBETAMATE(商標)73326/73327であるが、別の2組の層状管状部材は、シームでDOW(登録商標)によるBETAMATE(商標)2090で結合される。
【0075】
第1の層状管状部材において、樹脂は、外層の外向きおよび内向き表面間のシーム内に適用されるが、隅肉を形成するためにシームの外縁または内縁のいずれにも適用されない。第2の層状管状物において、樹脂はシーム内に適用されるだけでなく、シーム内からオーバーフローして、両方の対置するシームの内縁を覆う。内縁のオーバーフローは、内部隅肉と呼ばれる。シームにおける樹脂は、シームを有する層状管状部材が2つの別個の複合構造に形成されるように硬化することができる。BETAMATE(商標)73326/73327の層状管状部材を約120℃で約30分間硬化し、BETAMATE(商標)2090の層状管状部材を60℃で約120分硬化する。
【0076】
硬化後、隅肉のあるシームを有する複合構造と隅肉のないシームを有する複合構造の両方を固有周波数について試験する。固有周波数を、シームありおよび隅肉なしの複合構造の有限要素解析と比較する。周波数を試験するには、インパクトハンマーモーダル試験法による方法を使用する。インパクトハンマーモーダル試験手順は、Agilent TechnologiesによるThe Fundamentals of Modal Testing、Application Note 243-3の22~24ページ(http://www.modalshop.com/techlibrary/Fundamentals%20of%20Modal%20Testing.pdf)に見ることができる。複合構造が周波数応答において第1のピークで反応するまで、増加する周波数を複合構造に印加する。
図11Aに示されるように、内部隅肉を有する複合構造は、2907Hzの周波数の第1のピークで応答する。
図11Bに示されるように、隅肉のない結合シームを有する複合構造は、2254Hzの低い周波数の第1のピークを有する。第1のピークでの隅肉のない複合構造の周波数応答はまた、第1のピークの前および後の周波数応答と比較して、より顕著で明確である。有限要素解析と比較して、隅肉のある複合構造の周波数応答は予測応答よりも19%高く、隅肉のある複合構造の周波数応答は予測応答よりも9%低い。
【0077】
周波数応答試験の後、両方のシームのある複合構造を剛性について試験する。周波数を試験するために、ASTM D790に従って、
図12Aに示されるように3点曲げ試験を利用する。3点曲げ試験では、2つの支持固定具の中心線の間に8インチのスパンを有するV字型支持固定具が利用され、複合構造はそれぞれ10インチの長さを有する。
図12Bは、3点曲げ試験から生じる荷重-変位曲線を示す。観察され得るように、隅肉のない複合構造と同じ変位を実現するために、内部隅肉のある複合構造にはるかに高い力を印加することができる。
図12Bの荷重-変位曲線は、隅肉のあるシームを有する複合構造が、隅肉のないシームを有する複合構造と比較して、はるかに高い剛性および強度を有することを示している。
なお、本発明には以下の態様が含まれることを付記する。
[態様1]
a)内層の周りに1つ以上の外層を配置し、層状管状部材の長さに沿って1つ以上のシームで接合することにより前記層状管状部材を形成することであって、前記1つ以上の外層は、それに含浸された第1の樹脂を含む、形成することと、
b)前記1つ以上のシームに前記第1の樹脂または第2の樹脂を適用することと、
c)前記第1の樹脂、前記第2の樹脂、または接着剤で前記1つ以上のシームに沿って1つ以上の隅肉を形成することと、
d)前記第1の樹脂、前記第2の樹脂、および前記接着剤を硬化させて、前記層状管状部材、前記第1の樹脂、前記第2の樹脂、および前記接着剤が管形状の複合構造を形成するようにすることと、を含む方法。
[態様2]
前記1つ以上の隅肉が、前記第2の樹脂を前記シーム内からはみ出させることによって、前記第2の樹脂を前記シームで1つまたは1つ以上の外層に別々に適用することによって、またはその両方によって形成される、態様1に記載の方法。
[態様3]
前記1つ以上のシーム内の前記第2の樹脂が、前記1つ以上の外層の前記第1の樹脂からのはみ出しである、前記1つ以上の外層の表面間で別々に適用される、またはその両方である、態様1または2に記載の方法。
[態様4]
前記1つ以上の隅肉を形成するために、前記接着剤が前記シームで1つ以上の外層の1つ以上の縁に適用される、態様1~3のいずれか一項に記載の方法。
[態様5]
前記1つ以上の隅肉が、1つ以上のプロファイル形状で形成され、前記1つ以上のプロファイル形状は、凸状、凹状、線形、自由形状、またはそれらの組み合わせである、態様1~4のいずれか一項に記載の方法。
[態様6]
前記層状管状部材を金型内に位置付けること、前記層状管状部材を金型内に形成すること、またはその両方を含む、態様1~5のいずれか一項に記載の方法。
[態様7]
前記第1の樹脂、前記第2の樹脂、および前記接着剤が、同時に、別々に、またはそれらの任意の組み合わせで硬化される、態様1~6のいずれか一項に記載の方法。
[態様8]
前記1つ以上の外層が、1つ以上の織布材料、不織布材料、またはそれらの組み合わせを含み、前記1つ以上の織布材料が、編組材料、一方向材料、非捲縮材料、他の絡合材料等、またはそれらの組み合わせを含み、前記不織布材料が、ランダムに配向された繊維を有する結合された材料を含む、態様1~7のいずれか一項に記載の方法。
[態様9]
前記内層が、マンドレル、ブラダー、またはその両方を含む、態様1~8のいずれか一項に記載の方法。
[態様10]
前記第1の樹脂、前記第2の樹脂、前記接着剤、またはそれらの組み合わせの硬化後に、前記1つ以上の外層から前記内層を取り出すことを含む、態様1~9のいずれか一項に記載の方法。
[態様11]
前記層状管状部材を真空チャンバによって囲まれた金型に挿入することを含み、
前記第1の樹脂は、前記真空チャンバが前記金型を真空引きすることにより前記外層に含浸される、態様1~10のいずれか一項に記載の方法。
[態様12]
前記第1の樹脂、前記第2の樹脂、前記接着剤、またはそれらの組み合わせが、熱硬化性樹脂系である、態様1~11のいずれか一項に記載の方法。
[態様13]
前記第1の樹脂、前記第2の樹脂、前記接着剤、またはそれらの組み合わせが、1種以上のエポキシ樹脂系を含む、態様1~12のいずれか一項に記載の方法。
[態様14]
前記樹脂、第1の樹脂、第2の樹脂、またはそれらの任意の組み合わせの硬化が、18℃以上~200℃以下の温度である、態様1~13のいずれか一項に記載の方法。
[態様15]
前記層状管状物を前記複合構造に硬化するためのサイクル時間が、0.1分以上~3分以内である、態様1~14のいずれか一項に記載の方法。